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JP2009170867A - 光発電素子の製造方法及び光発電素子 - Google Patents

光発電素子の製造方法及び光発電素子 Download PDF

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JP2009170867A JP2008199474A JP2008199474A JP2009170867A JP 2009170867 A JP2009170867 A JP 2009170867A JP 2008199474 A JP2008199474 A JP 2008199474A JP 2008199474 A JP2008199474 A JP 2008199474A JP 2009170867 A JP2009170867 A JP 2009170867A
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真 宮本
Akira Kashiwakura
章 柏倉
Masato Harikae
雅人 針替
Naoki Kitagaki
直樹 北垣
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Abstract

【課題】裏面電極層から表面電極層を高速で一貫製膜できる光発電素子の製造方法を提供する。
【解決手段】光照射により発電する半導体層3を備えた光発電素子Iの製造方法であって、ガラス製の基板1上に裏面電極層2を製膜する裏面電極層製膜工程と、裏面電極層2上に、半導体層3を構成する元素の結晶とは異なる結晶型の元素から構成される、複数の層を有する半導体前駆体層8を製膜する前駆体層製膜工程と、製膜された半導体前駆体層8上に表面電極層5を製膜する表面電極層製膜工程と、裏面電極層製膜工程、前駆体層製膜工程及び表面電極層製膜工程の後に半導体前駆体層8を加熱し、半導体の結晶を生成させる前駆体層拡散工程と、を有する光発電素子Iの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、光発電素子の製造方法等に関し、より詳しくは、光を受けることにより電圧、電流を発生させる光発電素子の製造方法等に関する。
近年、地球温暖化対策の一環として、太陽電池への期待が高まっている。特にCuInSe系を中心としたカルコパイライト型化合物半導体を用いるCIS系太陽電池は、光電変換効率が高く、長期安定性に優れ、比較的低コストであることから注目されており、各社が製品化を始めている。
初めに、図を用いてCIS系太陽電池を説明する。図14は、一般的なCIS系太陽電池の構造を説明する図である。図14に示すように、一般的なCIS系太陽電池は、基板1上に、裏面電極層2、吸収層3A、バッファー層4、表面電極層5が積層された構造となっている。基板1としてはガラスのほか、ステンレス箔等が使用される。裏面電極層2にはMo薄膜が使用され、吸収層3AにはCuInSe系のカルコパイライト型化合物半導体が使用される。吸収層3Aは、太陽光を吸収しやすいようバンドギャップが最適化されており、通常、CuInSeのInの一部をGaで置換したCu(Ga,In)Seや、Seの一部をSで置換したCuIn(S,Se)が使用されている。さらに、バッファー層4にはCdS、ZnS、InS等の電気抵抗が高い化合物が使用され、表面電極層5としては、透明電極材料であるITO(In−Sn−O)やAZO(Al−Zn−O)が使用される。また、表面電極層5の上には発生した電子を効率よく集電するための櫛形電極7が設けられており、光を受けることにより裏面電極層2上に設けられた正電極6との間で電圧が発生する。
このようなCIS系太陽電池は、通常、以下の工程を経て製造される。図15は、一般的なCIS系太陽電池の製造工程を説明する図である。図15に示すように、洗浄等の前処理を行った基板上に、所定のスパッタ装置を用い、スパッタリングにより裏面電極を製膜し、さらに、銅(Cu)、インジウム(In)及びこれらの化合物からなる前駆体層を製膜する(裏面電極、前駆体層製膜工程)。次に、基板を加熱反応炉に移し、500℃程度に加熱しながら、セレン化水素(HeSe)ガス中で前駆体層をセレンと反応させ(気相セレン化)、CuInSe吸収層を得る(前駆体セレン化工程)。この後、裏面電極及びCuInSe吸収層が積層された基板を溶液成長槽に移し、溶液成長法により、CdS、ZnS等からなるバッファー層を製膜する(バッファー層製膜工程)。続いて、基板に付着したアルカリ水溶液を洗浄及び乾燥後、所定のスパッタ装置を用い、スパッタリング法により、ITO、AZO等の表面電極層を製膜する(表面電極層製膜工程)。
次に、CIS系太陽電池の発電メカニズムを説明する。吸収層3Aは上述したようなカルコパイライト型半導体の多結晶で構成され、p型半導体層3aとn型半導体層3bとに分かれている。通常使用される組成のカルコパイライト型半導体はp型半導体であるが、バッファー層4から拡散したII族元素(Cd、Zn等)が吸収層3A内のCuサイトに入り込み、これにより吸収層3Aの一部がn型半導体となることが分かっている。
このように、CIS系太陽電池のpn接合は吸収層3A内に存在するホモ接合である。表面電極層5から入射した光は主に吸収層3Aで吸収され、pn接合形成部付近の空乏層で電子を励起し、発生した電子は表面電極層5側に流れ、一方、発生した空孔は裏面電極層2側に流れることにより発電する。
バッファー層4の役割は、上述したように、1)吸収層3Aをn型化する原子を補給することのほか、2)吸収層3Aで発生したピンホールを埋没させることにより表面電極層5と裏面電極層2の短絡を防止すること、3)表面電極層5を製膜する際に吸収層3Aへのダメージを低減すること、4)吸収層3Aと表面電極層5の間の欠陥を防止すること、5)及びバンド不整合の抑制等が挙げられる。このように、バッファー層4は、少なくとも吸収層3A内にpn接合を作るという点において必要不可欠に思えるが、バッファー層4を使用しないで発電動作を起こさせている例もある(特許文献1参照)。
CIS系太陽電池の各層を構成する薄膜のうち、特に吸収層3Aの製膜方法として様々な工夫がなされている。このような製膜方法としては、例えば、真空蒸着法、気相セレン化法、スパッタリング法、ハイブリッドスパッタ法等が知られている(特許文献2〜特許文献4参照)。このうち、最も高い光電変換効率が得られているのは真空蒸着法である。
また、吸収層3Aの結晶性を向上させるための方策としては、吸収層3Aを製膜した後、レーザや高出力のランプ等を使用し、吸収層3A又は吸収層3Aの前駆体となる材料を溶融することにより再結晶化させる方法が知られている(特許文献5〜特許文献7参照)。
さらに、CIS系太陽電池の製造方法の多くは、ドライプロセスとウエットプロセスとの両方を使用する必要があり、これが低コスト化の大きな障害となっている。これを解決するための方策として、オールドライプロセスとする方式も検討されている(特許文献1参照)。
特開平06−045248号公報 特開2000−087234号公報 特開平05−326997号公報 特開平05−263219号公報 特開昭64−028380号公報 特開平09−235172号公報 特開平10−079523号公報
ところで、工業的な観点から、CIS系太陽電池を低コストで製造可能なプロセスの開発が必要とされている。しかし、従来の製造方法は、いずれも煩雑なプロセスが必要なため、太陽電池の低コスト化に限界がある。例えば、前述したように、一般的なCIS系太陽電池の製造工程では、少なくとも2種類のスパッタ装置と、加熱反応炉及び溶液成長槽が必要になる。また、有毒ガスであるHSeガスを使用するため、有毒ガス処理装置や特別な安全対策が必要である。これに加え、溶液成長法ではアルカリ水溶液を使用するため、アルカリ処理施設が必要となる。
さらに、CIS系太陽電池の性能を向上させるためには、格子欠陥や過剰成分の析出、及び異相化合物の発生等が抑制された高品位な吸収層を製膜し、空乏層で発生したキャリアの劣化を防止することが重要である。また、吸収層内にホモ接合を形成する際に、吸収層に格子欠陥を発生させないようにすることも重要である。
しかし、例えば、吸収層の製膜方法の一つである真空蒸着法は、大面積の基板上に製膜する場合、薄膜の組成及び膜厚の均一性が得られない点と、さらに製膜時に基板の温度制御が困難であるという問題がある。特に、吸収層を製膜する際、基板の温度を500℃以上に正確に保持する必要があり、さらに、pn接合を形成する際に、基板の温度を200℃〜300℃程度の低温に長時間保持する必要がある。このため、実際には、真空蒸着法によって、基板上に裏面電極層、吸収層、pn接合形成層及び表面電極層を、高速で一貫製膜することは困難である。
次に、気相セレン化法は、吸収層の前駆体となる組成の薄膜をセレン化する際に、有毒なセレン化水素等のガスを使用しなければならないため、特殊な処理設備が必要になる。また、セレン化する際、数十分から数時間の間、前駆体となる組成の薄膜を加熱しながらセレン含有ガスに暴露する必要があるため、長時間の製膜時間が必要となる。
スパッタリング法を使用した場合、製膜された吸収層を溶融・再結晶化する必要がある。発明者等が検討した結果、従来のスパッタリング法により、裏面電極から表面電極までの各薄膜を製膜後、吸収層を加熱すると、吸収層の結晶性は向上した。しかし、溶融・再結晶化と同時に吸収層内にpn接合を形成することができず、太陽電池として動作させることが極めて困難であった。この場合、溶融結晶化の際に吸収層を保護するための層を一旦除去し、新たに、pn接合を形成するためのバッファー層や透明電極層等を製膜する必要がある。
また、ハイブリッドスパッタ法の場合は、通常、pn接合を形成するために必要なバッファー層が、溶液成長法で製膜されるため、真空中での一貫製膜は困難である。さらに、吸収層を製膜する際、基板を加熱し、500℃程度で安定化させるための時間が必要になる。このため、実際には、裏面電極層、吸収層、pn接合形成層及び表面電極層を、高速で一貫製膜することは困難である。
このように、CIS系太陽電池の従来の製造方法では、裏面電極層から表面電極層までの一連の薄膜を高速で一貫製膜し、且つ良好な結晶性とpn接合を有する吸収層を得ることが出来ないのが現状である。したがって、本発明の目的は、裏面電極層から表面電極層を、高速で一貫製膜できる光発電素子の製造方法を提供することにある。
本発明では、光発電素子の吸収層を構成する元素からなる複数の半導体前駆体層と、光発電素子の吸収層以外の層を予め製膜した後、半導体前駆体層を加熱し、吸収層の結晶性を向上させ、同時にpn接合を形成させることにより、高速一貫製膜を可能としている。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(20)が提供される。
(1)光照射により発電する半導体層を備えた光発電素子の製造方法であって、絶縁基板上に、裏面電極層を製膜する裏面電極層製膜工程と、製膜された前記裏面電極層上に、前記半導体層を構成する元素の結晶とは異なる結晶型の元素から構成される、複数の半導体前駆体層を製膜する前駆体層製膜工程と、製膜された前記半導体前駆体層上に、表面電極層を製膜する表面電極層製膜工程と、前記裏面電極層製膜工程、前記前駆体層製膜工程及び前記表面電極層製膜工程の後に、前記半導体前駆体層を加熱し、半導体の結晶を生成させる前駆体層拡散工程と、を有することを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項1)。
(2)請求項1に記載の光発電素子の製造方法であって、前記前駆体層拡散工程において、複数の前記半導体前駆体層を、溶融拡散により相互に拡散させることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項2)。
(3)請求項1または2に記載の光発電素子の製造方法であって、前記前駆体層拡散工程において、前記半導体前駆体層に電磁波を照射することにより、当該半導体前駆体層を加熱することを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項3)。
(4)請求項3に記載の光発電素子の製造方法であって、前記前駆体層拡散工程において、前記電磁波が赤外線であることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項4)。
(5)請求項4に記載の光発電素子の製造方法であって、前記前駆体層拡散工程において、前記赤外線の光源がハロゲンランプであることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項5)。
(6)請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法であって、前記前駆体層拡散工程において、少なくとも1層の硫黄(S)を含有する半導体前駆体層を製膜することを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項6)。
(7)請求項6に記載の光発電素子の製造方法であって、前記硫黄(S)を含有する前記半導体前駆体層は、当該半導体前駆体層の前後に製膜する他の半導体前駆体層の融点よりも高い融点を有することを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項7)。
(8)請求項6又は7に記載の光発電素子の製造方法であって、前記硫黄(S)を含有する前記半導体前駆体層は、スパッタリングにより製膜されることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項8)。
(9)請求項6乃至8のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法であって、前記硫黄(S)を含有する前記半導体前駆体層は、硫化水素を含有させたスパッタガスを用いスパッタリングにより製膜されることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項9)。
(10)請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法であって、前記半導体前駆体層を構成する前記元素の結晶の融点が、前記半導体層を構成する元素の結晶の融点よりも低温であることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項10)。
(11)請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法であって、前記半導体層は、カルコパイライト型化合物の結晶により構成されることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項11)。
(12)請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法であって、前記半導体層には、少なくとも銅(Cu)、インジウム(In)及びセレン(Se)が含有されていることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項12)。
(13)請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法であって、前記裏面電極層製膜工程、前記前駆体層製膜工程及び前記表面電極層製膜工程の各工程が真空中で行われ、且つ、各工程間において真空状態が保持されることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項13)。
(14)請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法であって、前記裏面電極層製膜工程、前記前駆体層製膜工程及び前記表面電極層製膜工程は、いずれもスパッタリングにより行われることを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項14)。
(15)光照射により発電する半導体層を備えた光発電素子の製造方法であって、ガラス基板上に、表面電極層を製膜する表面電極層製膜工程と、製膜された前記表面電極層上に、n型半導体形成用前駆体層と拡散制御用前駆体層及びp型半導体形成用前駆体層と、を順次製膜する前駆体層製膜工程と、製膜された前記p型半導体形成用前駆体層上に、裏面電極層を製膜する裏面電極層製膜工程と、前記n型半導体形成用前駆体層と前記拡散制御用前駆体層及び前記p型半導体形成用前駆体層と、を加熱し、溶融拡散により半導体の結晶を生成させる前駆体層拡散工程と、を有することを特徴とする光発電素子の製造方法(請求項15)。
(16)絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された表面電極層及び裏面電極層と、前記表面電極層及び前記裏面電極層の間に配置されたカルコパイライト型半導体層と、を備え、前記カルコパイライト型半導体層に、前記表面電極層側から前記裏面電極層側に貫通する空洞が形成されていることを特徴とする光発電素子(請求項16)。
(17)請求項16に記載の光発電素子であって、前記カルコパイライト型半導体層に、隣接層と接しない部分であって、当該隣接層が当該カルコパイライト型半導体層の表面形状の影響を受けない形状の部分が、形成されていることを特徴とする光発電素子(請求項17)。
(18)光入射側から順に、表面電極層と吸収層と裏面電極層とを少なくとも備える光発電素子であって、前記吸収層に、銅(Cu)、インジウム(In)及びセレン(Se)が含有され、且つ、当該吸収層の内部に、硫黄(S)が含有された硫化層を備えることを特徴とする光発電素子(請求項18)。
(19)請求項18に記載の光発電素子であって、前記硫化層に、CuInS結晶が含有されていることを特徴とする光発電素子(請求項19)。
(20)請求項18または19に記載の光発電素子であって、前記硫化層は、当該硫化層の前記表面電極層側に含まれる銅(Cu)の組成比が、当該硫化層の前記裏面電極層側のCu組成比より小さいことを特徴とする光発電素子(請求項20)。
尚、CIS系太陽電池では、一般に、発電を担う半導体層を吸収層と称している。しかし、本発明が適用される光発電素子の製造方法により得られる光発電素子は、CIS系太陽電池以外の太陽電池にも応用可能であるため、以下の説明において吸収層を半導体層と称することがある。
上記請求項1に記載の光発電素子の製造方法によれば、光発電素子を構成する裏面電極、半導体前駆体層、表面電極等の一連の薄膜を製膜した後に加熱処理することにより、製膜中に基板の温度を高温に保持することなく、半導体層の結晶を所望の結晶型に調製し、同時にpn接合を形成することができ、高速で一貫した操作により光発電素子の製造が可能になる。
請求項2に記載の光発電素子の製造方法によれば、半導体前駆体層を溶融拡散させることにより、格子欠陥が少なく、良好な結晶性を有する半導体層を得ることができる。
請求項3に記載の光発電素子の製造方法によれば、半導体前駆体層に電磁波を照射することにより、半導体前駆体層を、基板の耐熱温度以上の温度に加熱することが可能になり、さらに良質な結晶性を有する半導体層を得ることができる。
請求項4及び請求項5に記載の光発電素子の製造方法によれば、低価格な高出力光源を使用して半導体前駆体層の加熱が可能になる。
請求項6に記載の光発電素子の製造方法によれば、半導体層中に硫黄(S)を含有する半導体前駆体層をもうけることにより、半導体前駆体層の一部の高融点化、高密度化が可能なため、Cu、In、Se等の元素の拡散を制御しやすくなる。さらに、最終的に生成した硫化物は、CuInSeと同じ、カルコパイライト型結晶となるため、発電効率への悪影響を最小限に抑えることが出来る。
請求項7に記載の光発電素子の製造方法によれば、硫化層の組成を制御することにより、相対的に高融点とすることにより、Cu、In、Se等の元素の拡散を制御することが可能となる。
請求項8に記載の光発電素子の製造方法によれば、組成分布、各層の膜厚の面内分布を小さくすることができ、容易に大面積化が可能となる。
請求項9に記載の光発電素子の製造方法によれば、硫化物を反応性スパッタリングにより製膜することが可能になるため、スパッタリングターゲットの低価格化、スパッタレート向上、硫黄の微量添加が容易になるため、制御性が向上する。
請求項10に記載の光発電素子の製造方法によれば、半導体前駆体層を構成する元素の結晶の融点が、半導体層を構成する元素の融点よりも低温であることにより、半導体前駆体層の加熱温度を低下させ、または、加熱時間の短縮が可能になり、基板へのダメージが低下し、さらに基板の体積膨張に伴う膜はがれ等の問題が減少する。
ここで、半導体前駆体層を構成する元素の結晶の融点が、半導体層を構成する元素の融点よりも高温である場合、加熱処理の際に発生する未拡散残留化合物により、半導体層の結晶成長が阻害される傾向がある。
請求項11及び請求項12に記載の光発電素子の製造方法によれば、半導体層としてカルコパイライト型化合物の結晶を採用することにより、半導体前駆体層に使用する元素の組成範囲が飛躍的に拡大し、得られる光発電素子は、同様の特性が要求される太陽電池や受光素子等に応用することが可能である。さらに、銅(Cu)、インジウム(In)及びセレン(Se)を含む材料の融点は、殆どの組成領域でカルコパイライト型化合物であるCuInSeの融点(986℃)より低温であるため、半導体前駆体層の設計の自由度が拡がる。
請求項13に記載の光発電素子の製造方法によれば、各工程が真空中で行われ、且つ、各工程間において真空状態が保持されることにより、各層の表面酸化を防ぐことが可能になり、高品質な光発電素子が得られる。
請求項14に記載の光発電素子の製造方法によれば、各工程がいずれもスパッタリングにより行われることにより、各層を構成する元素の組成分布、各層の膜厚の面内分布を小さくすることができ、容易に大面積化が可能となる。
請求項15に記載の光発電素子の製造方法によれば、ガラス基板上に表面電極層、n型半導体形成用前駆体層、拡散制御用前駆体層及びp型半導体形成用前駆体層、裏面電極層を製膜して光発電素子を製造することにより、ガラス基板側からの光照射により発電する光発電素子が得られる。
また、請求項16に記載の光発電素子によれば、カルコパイライト型半導体層に表面電極層側から裏面電極層側に貫通する空洞が形成されていることにより、表面電極層と裏面電極層との短絡を防ぐことができる。
請求項17に記載の光発電素子によれば、カルコパイライト型半導体層に、隣接層と接しない部分であって、隣接層がカルコパイライト型半導体層の表面形状の影響を受けない形状の部分(ボイド)が形成されていることにより、表面電極層または裏面電極層からの化合物の侵入が防止され、短絡を防ぐことができる。
請求項18に記載の光発電素子によれば、n型半導体層と、p型半導体層の相互拡散を抑制することが可能になり、且つ、pn接合部が化学的に安定な硫化物となるため、変換効率が向上すると同時に熱的安定性が向上する。
請求項19に記載の光発電素子によれば、CuInS結晶により、n型半導体層とp型半導体層の間に形成される空乏層の幅を狭くすることが可能になるため、電圧を向上させることが可能になる。
請求項20に記載の光発電素子によれば、上記硫化層中でのCuの組成勾配ができることにより、上記硫化層の表面電極層側ではn型半導体層との間のコンダクションバンドオフセットが改善し、上記硫化層の裏面電極層側ではp型半導体層との間のコンダクションバンドオフセットが改善するため、変換効率が向上する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
初めに、本実施の形態における製造工程の概要について説明する。図1は、本実施の形態が適用される光発電素子の製造方法における製造工程の概要を説明する図である。図1に示すように、本実施の形態が適用される光発電素子の製造方法では、所定のスパッタ装置を用い、絶縁基板上に裏面電極層、半導体前駆体層及び表面電極層をスパッタリング法により製膜する(多層薄膜製膜工程)。ここで、半導体前駆体層にはセレン(Se)が含まれることが好ましい。
次に、裏面電極層、半導体前駆体層及び表面電極層を製膜した絶縁基板を、所定の加熱装置(例えば、ハロゲンランプ等による光照射)を使用し、半導体前駆体層を構成する化合物の融点以上に加熱し、半導体の結晶を生成させる(アニール工程)。この場合、使用する装置としては、所定のスパッタ装置と加熱装置とが1台ずつあれば良い。また、有毒ガスの処理施設や、廃液処理施設も必要ない。さらに工程数が少ないため、格段の低コスト化が可能となる。
次に、本実施の形態における光発電素子について説明する。
(実施の形態1)
図2は、本実施の形態が適用される光発電素子の実施の形態1を説明する図である。図15に示した光発電素子と同様な構成については同じ符号を使用する。
図2(a)に示すように、光発電素子前駆体Iの製造は、先ず、絶縁基板である基板1上に、金属材料からなる裏面電極層2を製膜する。次に、裏面電極層2上に、複数の半導体前駆体層8として、p型半導体形成用前駆体層8a、拡散制御用前駆体層8b及びn型半導体形成用前駆体層8cを順番に製膜する(半導体前駆体層8)。続いて、この上に透明電極材料からなる表面電極層5を製膜する。各層は、所定のスパッタ装置を使用し、スパッタリングにより行われる。
次に、表面電極層5側から、電磁波としての赤外線9を一定時間照射し、前述した複数の半導体前駆体層8としてのp型半導体形成用前駆体層8a、拡散制御用前駆体層8b及びn型半導体形成用前駆体層8cを加熱する。赤外線9の光源としてはハロゲンランプが好ましい。
赤外線9を照射されたp型半導体形成用前駆体層8a、拡散制御用前駆体層8b及びn型半導体形成用前駆体層8cの各層に含まれる化合物は、溶融拡散により相互に拡散する。そして、図2(b)に示すように、p型半導体層3a及びn型半導体層3bからなる半導体層3が形成され、光発電素子Iが製造される。その後、スパッタリングにより、表面電極層5上に集電のための櫛形電極(負極)を設け、スパッタリングまたは導電性ペーストを印刷することにより裏面電極層2上に電極(正極)を設置する(図示せず)。
ここで、半導体層3として、銅(Cu)、インジウム(In)及びセレン(Se)が含まれるCu−In−Se系半導体を採用する場合、p型半導体形成用前駆体層8aは、p型半導体を形成しやすい銅(Cu)とセレン(Se)との混合物により製膜されることが好ましい。また、n型半導体形成用前駆体層8cは、n型半導体を形成しやすいインジウム(In)とセレン(Se)との混合物であることが望ましい。
拡散制御用前駆体層8bは、p型半導体形成用前駆体層8aとn型半導体形成用前駆体層8cの相互拡散を制御するための層である。拡散制御用前駆体層8bを構成する化合物の元素組成、融点及び拡散制御用前駆体層8bの膜厚を制御することにより、p型半導体形成用前駆体層8aとn型半導体形成用前駆体層8cとが、溶融拡散により相互に拡散することを制御することが可能となる。
本実施の形態が適用される光発電素子の製造方法において、複数の半導体前駆体層を構成する化合物の元素組成と、各半導体前駆体層の膜厚とを変化させ、半導体前駆体層の溶融拡散により、良好な結晶性を有する半導体層を生成させ、同時にpn接合を形成させることができる。
これを、半導体層を構成する化合物として、カルコパイライト型化合物の一つであるCuInSe系化合物を採用する場合を例として説明する。
図3は、Cu−Se系化合物のSe濃度と融点(℃)との関係を示す図である。また、図4は、In−Se系化合物のSe濃度と融点(℃)との関係を示す図である。
一般的に、CuInSeは、安定な化合物であるCuSeとInSeとを、それぞれ50モル%づつ反応させることにより得ることができる。ここで、CuSeとInSeとは、共にそれぞれの2元相図内で、最終生成物であるCuInSeの融点(986℃)より高融点を有することが知られている(例えば、CuSeの融点は1,130℃を示す。)。このため、加熱処理によりCuSeとInSeを拡散させる場合、これらの化合物が未反応のまま残留する可能性がある。
そこで、CuSeとInSeとを使用する代わりに、これらの化合物より低融点の化合物であるCuSe及びInSeを、それぞれ50モル%づつ溶融拡散させることにより、未反応の化合物が残留する可能性が低下すると考えられる。
しかしながら、これらの低融点化合物を加熱すると、溶融拡散が急激に進み、p型CuInSe化合物のみが生成するため、pn接合の形成が困難である。
このため、InSe化合物層とCuSe化合物層との間に、これらの化合物よりも高融点を有する化合物を配置することにより、InSeとCuSeの相互拡散を制御することが可能となる。その結果、負極側には、わずかにCuが不足したカルコパイライト型のn型Cu−In−Se膜が形成され、一方、正極側には、わずかにInが不足したカルコパイライト型のp型Cu−In−Se膜が形成されると考えられる。
さらに、図3に示すように、Cu−Se系化合物のSe濃度と融点(℃)との関係は、Se濃度が33.3at%〜52.5at%の範囲で、融点(℃)が急激に変化することが分かる。また、図4に示すように、In−Se系化合物のSe濃度と融点(℃)との関係は、Se濃度が50at%〜60at%の範囲で、融点が急激に変化することが分かる。
Cu−Se系化合物とIn−Se系化合物のこのような性質を利用することにより、p型半導体形成用前駆体層8a(図2参照)とn型半導体形成用前駆体層8c(図2参照)の融点を調整すると同時に、各化合物の拡散方向、拡散量の制御が可能である。
即ち、n型半導体形成用前駆体層8c(図2参照)を、Se濃度が50at%〜60at%の範囲で、Se濃度が増加すると融点が上昇するIn−Se系化合物を用いて製膜する。また、p型半導体形成用前駆体層8a(図2参照)を、Se濃度が33.3at%〜52.5at%の範囲で、Se濃度が増加すると融点が低下するCu−Se系化合物を用いて製膜する。そして、拡散制御用前駆体層8b(図2参照)に含まれるSeの濃度を調整することにより、p型半導体形成用前駆体層8aとn型半導体形成用前駆体層8cの各融点を制御し、同時に拡散の方向、拡散量を制御することが可能である。
また、この結果、複数の半導体前駆体層8の溶融拡散により生成する半導体層3にはpn接合が形成され、形成されたpn接合近傍の空乏層の幅、深さ方向の分布を制御できることも可能である。
(実施の形態2)
図5は、本実施の形態が適用される光発電素子の実施の形態2を説明する図である。図2に示した光発電素子I(実施の形態1)と同様な構成については同じ符号を使用し、その説明を省略する。図5(a)に示すように、光発電素子前駆体IIの製造は、基板1上に製膜した裏面電極層2上に、7層の半導体前駆体層(半導体前駆体層10)が積層される。
このうち、裏面電極層2側の5層の半導体前駆体層は、p型半導体形成用前駆体層10a、10b、10c、10d、10eであり、溶融拡散により、図5(b)に示す光発電素子IIのp型半導体層3aが形成されるように、全体の組成と、各層の膜厚が調整されている。また、表面電極層5に接する1層の半導体前駆体層はn型半導体形成用前駆体層10gであり、溶融拡散により、図5(b)に示す光発電素子IIのn型半導体層3bが形成される。
さらに、p型半導体形成用前駆体層10eとn型半導体形成用前駆体層10gとに挟まれた1層の半導体前駆体層は拡散制御用前駆体層10fであり、拡散制御用前駆体層10fに隣接するp型半導体形成用前駆体層10eとn型半導体形成用前駆体層10gとの相互拡散を制御するための拡散制御層として機能する。具体的には、拡散制御用前駆体層10fが溶融拡散することにより、拡散制御用前駆体層10fに隣接するp型半導体形成用前駆体層10eとn型半導体形成用前駆体層10gとのそれぞれの界面の融点を高め、p型半導体形成用前駆体層10a〜10e側からn型半導体形成用前駆体層10g側に、p型半導体を生成する元素の拡散を抑制している。
このように、半導体前駆体層を7層程度の多層にすることにより、多層の半導体前駆体層が溶融拡散することにより生成する半導体層3内にpn接合が形成され、pn接合近傍の空乏層の幅、深さ方向の分布をより精密に制御することが可能になる。
(実施の形態3)
図6は、本実施の形態が適用される光発電素子の実施の形態3を説明する図である。図2に示した光発電素子I(実施の形態1)と同様な構成については同じ符号を使用し、その説明を省略する。図6(a)に示すように、光発電素子前駆体IIIの製造は、基板1上に製膜した裏面電極層2上に、7層の半導体前駆体層(半導体前駆体層11)が積層される。
このうち、裏面電極層2側の3層の半導体前駆体層は、p型半導体形成用前駆体層11a、11b、11cであり、溶融拡散により、図6(b)に示す光発電素子IIIのp型半導体層3aが形成されるように、全体の組成と、各層の膜厚が調整されている。また、表面電極層5に接する3層の半導体前駆体層はn型半導体形成用前駆体層11e、11f、11gであり、溶融拡散により、図6(b)に示す光発電素子IIIのn型半導体層3bが形成される。
さらに、p型半導体形成用前駆体層11cとn型半導体形成用前駆体層11eとに挟まれた1層の半導体前駆体層は、拡散制御用前駆体層11dであり、拡散制御用前駆体層11dに隣接するp型半導体形成用前駆体層11cと、n型半導体形成用前駆体層11eとの相互拡散を制御するための拡散制御層として機能する。具体的には、拡散制御用前駆体層11dの融点が、p型半導体形成用前駆体層11cの融点及びn型半導体形成用前駆体層11eの融点よりも高くなるように設定されている。
このようにすることにより、p型半導体形成用前駆体層11cとn型半導体形成用前駆体層11eとの相互拡散が抑制され、図6(b)に示す光発電素子IIIのように、n型半導体形成用前駆体層11e側にn型半導体層3bを、p型半導体形成用前駆体層11c側にp型半導体層3aを形成することが可能になる。
(実施の形態4)
前述した3種類の実施の形態(実施の形態1〜3)で示した光発電素子(I〜III)は、基板1上に金属材料からなる裏面電極層2を製膜している。このため、基板1を介した太陽光による発電を行うことができない。このため、実際には表面電極層5側に、樹脂フィルム等を介して、さらに強化ガラスを設ける必要がある。そこで、以下に示す実施の形態は、前述した3種類の実施の形態とは逆の層構成を有するものである。
図7は、本実施の形態が適用される光発電素子の実施の形態4を説明する図である。図2に示した光発電素子I(実施の形態1)と同様な構成については同じ符号を使用し、その説明を省略する。
図7(a)に示すように、光発電素子前駆体IVの製造は、強化ガラス製の基板1上に製膜した透明電極材料からなる表面電極層5上に、n型半導体形成用前駆体層8c、拡散制御用前駆体層8b及びp型半導体形成用前駆体層8aを順に製膜し、p型半導体形成用前駆体層8a上に金属材料からなる裏面電極層2を製膜する。各層は、所定のスパッタ装置を使用し、スパッタリングにより行われる。
次に、表面電極層5側から、電磁波としての赤外線9を一定時間照射し、p型半導体形成用前駆体層8a、拡散制御用前駆体層8b及びn型半導体形成用前駆体層8cを加熱する。そして、これらを溶融拡散させることにより、図7(b)に示すように、光発電素子IVのp型半導体層3a及びn型半導体層3bからなる半導体層3を形成する。この場合、強化ガラス製の基板1は、前述した3種類の実施の形態1〜3における基板1を兼ねることになり、低コスト化に有効である。
(実施の形態5)
前述した実施の形態1〜実施の形態4において説明した光発電素子前駆体I(図2参照)〜光発電素子前駆体IV(図7参照)において、拡散制御用前駆体層8b,10f,11dとして、硫黄(S)を含有する層を形成することも可能である。硫黄(S)は、例えば、CuS、In等の硫化物として含有される。
ここで、硫黄は、セレンと同様にカルコゲナイド元素でありCuInと反応する。そのため、CuInSeと同様にカルコパイライト型化合物を形成する。また、一般的に、硫化物はセレン化物と比較し高融点であり、化学的に安定である。
拡散制御用前駆体層を硫化物を用いて形成すると、n型半導体形成用前駆体層とp型半導体形成用前駆体層との間の元素拡散の制御が容易となる。
ここで、硫黄(S)を含有する拡散制御用前駆体層は、当該拡散制御用前駆体層の前後に製膜する他の半導体前駆体層の融点よりも高い融点を有することが好ましい。
また、硫黄(S)を含有する拡散制御用前駆体層は、スパッタリングにより製膜される。このとき、硫化水素を含有させたスパッタガスを用いスパッタリングにより製膜されることが好ましい。
(その他の実施の形態)
本実施の形態では、図2に示すように、表面電極層5側から赤外線9を照射することにより、半導体前駆体層8を溶融拡散させている。しかし、赤外線9を照射する方向は、必ずしも表面電極層5側に限定する必要はなく、例えば、基板1のような赤外線9を透過させる強化ガラス製のものであれば、基板1側から赤外線9を照射することも可能である。
この場合、基板1の裏面で赤外線9が反射し、また、基板1に使用する材料の種類によって赤外線9の吸収される場合がある。さらに、金属製の裏面電極層2における反射により、赤外線9のエネルギー損失が生じることも考えられる。しかし、この場合、熱伝導率が比較的高い金属製の裏面電極層2が発熱することにより、半導体前駆体層が加熱され、赤外線9の照射による加熱ムラが減少するというメリットがある。
さらに、積層された裏面電極層2から表面電極層5までのいずれかの層の間に、内部応力差、熱膨張係数差等がある場合も、赤外線照射による膜はがれを抑制することができる。
また、半導体前駆体層を加熱するために使用する電磁波源としては、各種レーザや、赤外線以外の光を発生する各種ランプ、さらに、電熱線から放射される輻射熱を使用することも可能である。
尚、以上の説明は、本発明の実施の形態を説明するための一例に過ぎず、本発明は本実施の形態に限定されるものではない。
本発明は複数の元素から構成される半導体層と、これを挟む二つの電極層を備える光発電素子や、このような構造を有する光発電素子の製造方法に応用することができる。例えば、Cd−Te系に代表されるIII−V族半導体、Cu−In−Se系に代表されるI−III−VI族半導体、Cu−Zn−Sn−S系化合物に代表されるI−II−IV−VI族半導体、II−IV−V族半導体、Si−Ge系等の2種類以上の元素からなるIV族半導体に適用することも可能である。
さらに、以上説明した実施の形態では、半導体層3と表面電極層5の間にバッファー層を設けていないが、必要に応じてバッファー層4を設けることができる。半導体層3と表面電極層5の間にバッファー層を設けることにより、半導体層3と表面電極層5の界面で発生する欠陥を抑制することができる。
以下に、実施例に基づき本実施の形態をさらに詳細に説明する。なお、本実施の形態は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
図8は、実施例1で製造した光発電素子前駆体の断面構造を説明する図である。図8に示す光発電素子前駆体Vは、ガラス基板12上に製膜した裏面電極層としてのMo(モリブデン)層13上に、p型半導体形成用前駆体層として第1In−Se層14、第1Cu−Se層15、第2In−Se層16と、拡散制御用前駆体層として第2Cu−Se層17、n型半導体形成用前駆体層として第3In−Se層18とを順に積層し、さらに表面電極層としてAl−Zn−O層19を製膜した。各層の組成、膜厚を表1に示す。
Figure 2009170867
次に、140Wのハロゲンランプを約直径1cmの大きさの範囲に集光し、上述した各層を積層した光発電素子前駆体Vの表面電極層(Al−Zn−O層19)側から、半導体前駆体層に赤外線9を4分間照射し、半導体前駆体層を溶融拡散させ、光発電素子(図示せず)を製造した。その後、表面電極層(Al−Zn−O層19)側に集電のための電極を設け、擬似太陽光を照射したところ、発電することが確認された。
(実施例2)
実施例1で製造した光発電素子の半導体層(この場合、カルコパイライト型CuInSe層)が単一層として得られていることを確認するため、表1に示した半導体前駆体層と、これに赤外線9を照射して形成した半導体層についてX線回折測定を行った。X線回折測定の結果を図9及び図10に示す。
図9は、赤外線照射前における、表1に示した各積層膜のX線回折測定結果である。図10は、表1に示した各積層膜に、赤外線を照射して形成した半導体層のX線回折測定結果である。
図9に示す結果から、CuSe、InSe、InSe等の結晶ピークと考えられる複数のピークと、積層された半導体前駆体層が非晶質を含有していることを示すハローパターンと、が観察された。しかし、CuInSe結晶であることを示す26.7度(2θ)のピークは観察されなかった。
図10に示す結果から、赤外線照射による溶融拡散後は、InSe、CuSe等の異相が存在せず、CuInSe結晶であることを示す26.7度(2θ)の鋭いピークが観察され、良好な結晶が得られていることが分かる。
(実施例3)
実施例1で製造した光発電素子の半導体層(カルコパイライト型CuInSe層)が単一層として得られていることを確認するため、赤外線の照射前後における半導体前駆体層部分の断面について電子顕微鏡観察を行った。電子顕微鏡観察の結果を、図11、12及び13に示す。
図11は、赤外線照射前における、表1に示した各積層膜の部分の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。図12は、表1に示した各積層膜に、赤外線を照射して形成した半導体層部分の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。図13は、表1に示した各積層膜に、赤外線を照射して形成した半導体層部分の他の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。
図11に示す結果から、赤外線照射前では、Mo層13とAl−Zn−O層19との間に、複数の半導体前駆体層が製膜された各層(第1In−Se層14、第1Cu−Se層15、第2In−Se層16、第2Cu−Se層17、第3In−Se層18)が、スパッタリング時に形成された柱状構造を保持していることが分かる。
図12に示す結果から、赤外線照射後では、Mo層13とAl−Zn−O層19との間に積層された複数の半導体前駆体層が溶融拡散し、柱状構造が認識されない半導体層3が形成されていることが分かる。また、半導体層3には、部分的に、隣接する裏面電極層(Mo層13)や表面電極層(Al−Zn−O層19)と接しない部分であって、隣接する層がカルコパイライト型半導体層の表面形状の影響を受けない形状の部分(ボイドK)が、形成されていることが分かる。このことから、赤外線の照射により、複数の半導体前駆体層の溶融拡散が起こっていることを確認できた。
さらに、図13に示す結果から、カルコパイライト型半導体層(半導体層3)には、表面電極層側(Al−Zn−O層19)から裏面電極層側(Mo層13)に貫通する空洞Qが形成されていることが分かる。このような部分的に半導体層3が存在しない部分では、裏面電極層(Mo層13)と表面電極層(Al−Zn−O層19)とが接触しないため、この部分における短絡が防止されることが分かる。
即ち、従来の方法を用いて半導体層3を溶融させると、部分的に発生するボイドKによる半導体層3の欠落部分が発生し、ボイドK内において、表面電極層(Al−Zn−O層19)と裏面電極層(Mo層13)が短絡するという問題が発生する。これに対して、本発明の製造方法を用いれば、予め、表面電極層(Al−Zn−O層19)と裏面電極層(Mo層13)を製膜した後にボイドKが発生するため、ボイドKにより半導体層3が欠落した部分が空洞Qになり、短絡を防ぐことができる。
以上、詳述したように、本発明が適用される光発電素子の製造方法によれば、光発電素子の半導体層に含まれる元素から構成される複数の半導体前駆体層と、半導体前駆体層以外の各層を予め製膜した後、加熱することにより、半導体層の結晶とpn接合を同時に形成することにより、高速一貫製膜を可能となる。
また、前述したように、本発明が適用される光発電素子の製造方法は、複数の元素から構成される半導体層と、これを挟む2個の電極層を備える光発電素子、光発電素子の製造方法に応用することができる。
尚、半導体前駆体層の構成方法は、各半導体層の各構成元素により最適な方法は異なるが、基本的には、少なくとも3層以上の半導体前駆体層を設け、n型を形成しやすい半導体前駆体層を負極側に、p型を形成しやすい半導体前駆体層を正極側に、さらに、これらの層の間に、これらの層の相互拡散を制御するための拡散制御層を設けることが極めて重要である。
本実施の形態が適用される光発電素子の製造方法における製造工程の概要を説明する図である。 本実施の形態が適用される光発電素子の実施の形態1を説明する図である。 Cu−Se系化合物のSe濃度と融点(℃)との関係を示す図である。 In−Se系化合物のSe濃度と融点(℃)との関係を示す図である。 本実施の形態が適用される光発電素子の実施の形態2を説明する図である。 本実施の形態が適用される光発電素子の実施の形態3を説明する図である。 本実施の形態が適用される光発電素子の実施の形態4を説明する図である。 実施例1で製造した光発電素子前駆体の断面構造を説明する図である。 赤外線照射前における、表1に示した各積層膜のX線回折測定結果である。 表1に示した各積層膜に、赤外線を照射して形成した半導体層のX線回折測定結果である。 赤外線照射前における、表1に示した各積層膜の部分の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。 表1に示した各積層膜に、赤外線を照射して形成した半導体層部分の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。 表1に示した各積層膜に、赤外線を照射して形成した半導体層部分の他の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。 一般的なCIS系太陽電池の構造を説明する図である。 一般的なCIS系太陽電池の製造工程を説明する図である。
符号の説明
1…基板、2…裏面電極層、3…半導体層、3A…吸収層、3a…p型半導体層、3b…n型半導体層、4…バッファー層、5…表面電極層、6…正電極、7…櫛形電極、8a,10a,10b,10c,10d,10e,11a,11b,11c…p型半導体形成用前駆体層、8b,10f,11d…拡散制御用前駆体層、8c,10g,11e,11f,11g…n型半導体形成用前駆体層、9…赤外線、12…ガラス基板、13…Mo層、14…第1In−Se層、15…第1Cu−Se層、16…第2In−Se層、17…第2Cu−Se層、18…第3In−Se層、19…Al−Zn−O層

Claims (20)

  1. 光照射により発電する半導体層を備えた光発電素子の製造方法であって、
    絶縁基板上に、裏面電極層を製膜する裏面電極層製膜工程と、
    製膜された前記裏面電極層上に、前記半導体層を構成する元素の結晶とは異なる結晶型の元素から構成される、複数の半導体前駆体層を製膜する前駆体層製膜工程と、
    製膜された前記半導体前駆体層上に、表面電極層を製膜する表面電極層製膜工程と、
    前記裏面電極層製膜工程、前記前駆体層製膜工程及び前記表面電極層製膜工程の後に、前記半導体前駆体層を加熱し、半導体の結晶を生成させる前駆体層拡散工程と、を有する
    ことを特徴とする光発電素子の製造方法。
  2. 前記前駆体層拡散工程において、複数の前記半導体前駆体層を、溶融拡散により相互に拡散させることを特徴とする請求項1に記載の光発電素子の製造方法。
  3. 前記前駆体層拡散工程において、前記半導体前駆体層に電磁波を照射することにより、
    当該半導体前駆体層を加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の光発電素子の製造方法。
  4. 前記前駆体層拡散工程において、前記電磁波が赤外線であることを特徴とする請求項3に記載の光発電素子の製造方法。
  5. 前記前駆体層拡散工程において、前記赤外線の光源がハロゲンランプであることを特徴とする請求項4に記載の光発電素子の製造方法。
  6. 前記前駆体層拡散工程において、少なくとも1層の硫黄(S)を含有する半導体前駆体層を製膜することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法。
  7. 前記硫黄(S)を含有する前記半導体前駆体層は、当該半導体前駆体層の前後に製膜する他の半導体前駆体層の融点よりも高い融点を有することを特徴とする請求項6に記載の光発電素子の製造方法。
  8. 前記硫黄(S)を含有する前記半導体前駆体層は、スパッタリングにより製膜されることを特徴とする請求項6又は7に記載の光発電素子の製造方法。
  9. 前記硫黄(S)を含有する前記半導体前駆体層は、硫化水素を含有させたスパッタガスを用いスパッタリングにより製膜されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法。
  10. 前記半導体前駆体層を構成する前記元素の結晶の融点が、前記半導体層を構成する元素の結晶の融点よりも低温であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法。
  11. 前記半導体層は、カルコパイライト型化合物の結晶により構成されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法。
  12. 前記半導体層には、少なくとも銅(Cu)、インジウム(In)及びセレン(Se)が含有されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法。
  13. 前記裏面電極層製膜工程、前記前駆体層製膜工程及び前記表面電極層製膜工程の各工程が真空中で行われ、且つ、各工程間において真空状態が保持されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法。
  14. 前記裏面電極層製膜工程、前記前駆体層製膜工程及び前記表面電極層製膜工程は、いずれもスパッタリングにより行われることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光発電素子の製造方法。
  15. 光照射により発電する半導体層を備えた光発電素子の製造方法であって、
    ガラス基板上に、表面電極層を製膜する表面電極層製膜工程と、
    製膜された前記表面電極層上に、n型半導体形成用前駆体層と、拡散制御用前駆体層及びp型半導体形成用前駆体層と、を順次製膜する前駆体層製膜工程と、
    製膜された前記p型半導体形成用前駆体層上に、裏面電極層を製膜する裏面電極層製膜工程と、
    前記n型半導体形成用前駆体層と、前記拡散制御用前駆体層及び前記p型半導体形成用前駆体層と、を加熱し、溶融拡散により半導体の結晶を生成させる前駆体層拡散工程と、を有する
    ことを特徴とする光発電素子の製造方法。
  16. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板上に形成された表面電極層及び裏面電極層と、
    前記表面電極層及び前記裏面電極層の間に配置されたカルコパイライト型半導体層と、
    を備え、
    前記カルコパイライト型半導体層に、前記表面電極層側から前記裏面電極層側に貫通する空洞が形成されている
    ことを特徴とする光発電素子。
  17. 前記カルコパイライト型半導体層に、隣接層と接しない部分であって、当該隣接層が当該カルコパイライト型半導体層の表面形状の影響を受けない形状の部分が、形成されていることを特徴とする請求項16に記載の光発電素子。
  18. 光入射側から順に、表面電極層と吸収層と裏面電極層とを少なくとも備える光発電素子であって、
    前記吸収層に、銅(Cu)、インジウム(In)及びセレン(Se)が含有され、且つ、当該吸収層の内部に、硫黄(S)が含有された硫化層を備える
    ことを特徴とする光発電素子。
  19. 前記硫化層に、CuInS結晶が含有されていることを特徴とする請求項18に記載の光発電素子。
  20. 前記硫化層は、当該硫化層の前記表面電極層側に含まれる銅(Cu)の組成比が、当該硫化層の前記裏面電極層側のCu組成比より小さいことを特徴とする請求項18または19に記載の光発電素子。
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