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JP2009158234A - 超電導線材を接続した超電導接続部およびその作製方法 - Google Patents

超電導線材を接続した超電導接続部およびその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超電導フィラメントの表面に酸化膜が形成されることを抑制するとともに、鉛もしくは鉛合金を用いず環境に配慮した、超電導接続部およびその作製方法を提供する。
【解決手段】鉛若しくは鉛合金を含有せず、かつ、融点が100℃以上500℃以下である低融点金属を溶融した低融点金属浴に、超電導線材の端部を浸漬して、母材を低融点金属に置換し、低融点金属に置換された超電導線材の置換部を、金属製スリーブに挿入し、
低融点金属の融点以上の温度で、金属製スリーブを加熱し、加熱状態で置換部とともに、金属製スリーブをプレスし、低融点金属を金属製スリーブの外に排出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、超電導フィラメントが、母材に覆われた構造を有する超電導線材を接続した超電導接続部およびその作製方法に関する。
超電導線材を用いた製品の1つに、超電導マグネットがある。超電導マグネットは、例えば、医療用核磁気共鳴画像(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置および核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)装置に用いられる。
超電導マグネットには、液体ヘリウムなどを用いた極低温環境下において電気抵抗がゼロとなる、超電導線材から構成された閉ループが内蔵されている。この閉ループに電流を誘起するときには外部電源を用いるが、所定の電流値に達した後は永久電流スイッチと呼ばれる素子を用いる。これにより、外部電源を切り離しても所定の大きさの電流を保持することが可能となる。このように、外部電源と切り離した状態で、所定の大きさの電流を閉ループに保持することができるような回路を永久電流回路といい、永久電流回路を有する超電導マグネットでは、この保持された電流により長期間に渡って極めて減衰の小さい磁場を発生させることが可能である。
超電導マグネットの作製には、非常に長い超電導線材を必要とし、また、永久電流スイッチなどの素子を永久電流回路内に組み込む必要もある。そのため、永久電流回路を単一の超電導線材から作製することは実質的に不可能である。したがって、超電導線材同士を極めて低い抵抗値、例えば10−13Ω以下で接続する必要がある。
超電導線材の接続を行うには、常電導物質である母材を除去して超電導フィラメント同士を直接接続する、もしくは、超電導フィラメント同士を同種あるいは異種の超電導物質を介して接続する、ことが必要である。
特許文献1には、超電導線材の端部の母材を、硝酸を用いたエッチングにより除去し、超電導フィラメントを露出させ、露出させた超電導フィラメントを銅等のスリーブに挿入し、スリーブとともに超電導フィラメント同士を一軸にプレスして、超電導線材の接続を行う方法が記載されている。
また、特許文献2に記載されている超電導線材の接続方法では、まず、超電導線材の端部を、溶融したスズ浴に浸漬し、母材をスズに置換し、次に、スズ置換した超電導線材の端部を、溶融した鉛ビスマス浴に浸漬して、母材を鉛ビスマスに置換し、次に、鉛ビスマス置換した超電導線材の端部を溶融した鉛ビスマスが充填されたスリーブ内に挿入して冷却固化させる。この方法で接続された超電導接合部は、超電導フィラメント同士が超電導物質である鉛ビスマスを介して接続された構造となっている。
特開平5―152045号公報 米国特許4907338号
特許文献1の方法では、超電導線材の端部の母材を硝酸で溶解することによって、その部分の超電導フィラメントが大気に晒される。そのため、母材が溶解された超電導フィラメントの表面に酸化膜が形成される。その後、母材が溶解された超電導フィラメント部分を銅等のスリーブの中に挿入し、スリーブとともに超電導フィラメントのプレスを行い、超電導フィラメント同士の密着を行うが、酸化膜の完全な除去は期待できず、超電導フィラメント同士が高抵抗の酸化膜を介して接触している部分が残存する。その結果、超電導接続部がクエンチする電流値がばらついてしまう、もしくは、素線の臨界電流値と比較して著しく低い値となってしまうなどの問題が生じる。
また、特許文献2の方法では、超電導フィラメントが大気に晒される工程を含まないため、超電導フィラメント表面の酸化膜の形成は抑制される。しかしながら、近年、環境への配慮から、製品によっては、鉛もしくは鉛合金を適用できない場合があり、鉛ビスマスを用いない環境に配慮した超電導製品に対するニーズがある。
よって、本発明では、超電導フィラメントの表面に酸化膜が形成されることを抑制するとともに、鉛もしくは鉛合金を用いず環境に配慮した、超電導接続部およびその作製方法を提供することを目的とする。
本発明は、
超電導フィラメントが母材で覆われた構造を有する超電導線材を接続した超電導接続部であって、
前記超電導線材の端部の母材が、鉛若しくは鉛合金を含有せず、かつ、融点が100℃以上500℃以下である低融点金属に置換されている置換部と、を含有した金属製スリーブを有し、
前記金属製スリーブは、前記低融点金属の融点以上の温度で、加熱され、加熱状態で前記置換部とともに、プレスされ、
前記低融点金属は、前記金属製スリーブの外に排出されている
ことを特徴とする。
本発明により、超電導フィラメントの表面に酸化膜が形成されることを抑制するとともに、鉛もしくは鉛合金を用いず環境に配慮した、超電導接続部およびその作製方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照に説明する。まず、本発明の第1実施形態について説明する。
第1実施形態での超電導接合部100の作製において用いる超電導線材10の断面の模式図を図1に示す。超電導線材10は、超電導フィラメント1と、母材2と、を有する。超電導フィラメント1は母材2に覆われた構造となっている。超電導線材10の内部には、直径が10〜100μm程度の超電導フィラメント1が20〜3000本程度含まれている。
超電導フィラメント1の材料としては、例えば、ニオブとチタンの合金が用いられる。また、母材2の材料としては、例えば、銅、銅とニッケルの合金が用いられる。
また、第1実施形態での超電導接合部100の作製において用いる金属製スリーブ30は、図2に示すように、両端が開放され、管の中心に孔32を有する。図2(a)に金属製スリーブ30の前面からの断面の模式図と、図2(b)に金属製スリーブ30の側面からの断面の模式図と、を示す。
金属製スリーブ30の材料としては、例えば、銅、ニオブ、タンタル、ニオブとタンタルの複合材が用いられる。
また、金属製スリーブ30の縁部30aによって超電導フィラメント1が断線するのを防止するために、金属製スリーブ30の端部30bにテーパ加工31を施してもよい。
そして、金属製スリーブの側面30cに、後述する低融点金属6を排出しやすいように、排出孔を設ける加工を施してもよい。
(第1実施形態での作製方法)
次に、第1実施形態の超電導接合部100の作製方法を図3に示し、図3を用いて説明する。
まず、超電導線材10の端部10aを、鉛若しくは鉛合金を含有せず、融点が100℃以上500℃以下の低融点金属6が溶融した低融点金属浴(図示しない)に浸し、母材2を低融点金属6への置換する工程を行う(図3のS1)。超電導線材10の端部10aの母材2が低融点金属6に置換された状態の模式図を図4に示す。
低融点金属6としては、後述する金属スリーブ30を加熱して、プレスする際、超電導線材10の劣化が見られない温度以下に融点をもつ金属であればよく、100℃以上500℃以下に融点を持つ金属であればよい。例えば、スズ、インジウム、スズとインジウムの合金などが用いられ、それぞれの融点は、232℃、157℃、120〜232℃である。
なお、超電導線材10の母材2を低融点金属6に置換する際の、低融点金属浴の適正温度、および、超電導線材10の低融点金属浴への適正浸漬時間は、母材2の材質、母材2の超電導線材10における割合量、超電導フィラメント1の本数、超電導フィラメント1の直径などに依存するため、超電導線材10の母材2が低融点金属6に置換された置換部10cの断面を観察し、母材2が完全に低融点金属6に置換されるような条件を超電導線材10ごとに明らかにする必要がある。
次に、超電導線材10の置換部10cを金属製スリーブ30に挿入する工程を行う(図3のS2)。超電導線材10の置換部10cを金属製スリーブ30に挿入した状態の模式図を図5に示す。このとき、超電導線材10において、母材2が低融点金属6へと置換された部分である置換部10cと、母材2が低融点金属6へと置換されていない部分である未置換部10bと、の境界の位置Xを基準として、超電導線材10を金属製スリーブ30に挿入する。
そして、低融点金属6の融点よりも高い温度で金属製スリーブ30を加熱し、加熱した状態で、置換部10cとともに金属製スリーブ3をプレスし、低融点金属6を金属製スリーブの外に排出する工程を行う(図3のS3)。金属製スリーブ30を加熱しながらプレスすることで、超電導フィラメント1の周りの低融点金属6は溶融し、金属製スリーブ30の孔32から、金属製スリーブ30の外に排出することができる。
図6は金属製スリーブをプレスする状態の模式図である。図6のように、金属製スリーブ30をプレスするとき、押しダイス500を用いて行われる。押しダイス500としては、平板形状の押しダイス510、角溝52を有する押しダイス520、丸溝53を有する押しダイス530、などが用いられる。
また、加圧面圧は、(荷重)を最終形状における押しダイス500と金属製スリーブ30の接触面の面積で割った値として定義する。
(超電導フィラメント1の表面の酸化膜の抑制について)
本発明者らは、本発明の、超電導線材10の端部10aの母材2を低融点金属6に置換する工程(図3のS1)では、超電導フィラメント1の表面の酸化膜の形成を抑制し、母材2が低融点金属6へと置換されていることを確認するために、以下のような検討1および検討2を行った。検討1および検討2では、超電導フィラメント1の材質がニオブとチタンの合金であり、母材2の材質が銅もしくは銅とニッケルの合金である、超電導線材10を用いた。
検討1では、まず、超電導線材10の端部10a(超電導線材10の縁部10dから長さ50mmの部分)を、硝酸水溶液(濃度が63%)を同体積の精製水で希釈した溶液に浸漬して母材2を除去し、超電導フィラメント1を露出させた。
このとき、超電導フィラメント1の露出させた部分について、オージェ電子分光(AES:Auger electron spectroscopy)装置を用いた分析を行った結果、超電導フィラメント1の表面には10〜100nmの酸化膜が形成されていることがわかった。
次に、硝酸水溶液で母材2を除去した超電導線材10の端部10aを、400℃に加熱したスズ浴(スズを溶融した浴)に浸漬した後、スズ浴から引き上げた。その結果、超電導フィラメント1の表面には、スズは付着せずに大部分が流れ落ちた。さらに、表面にわずかに付着したスズも、ピンセット等でこすることで容易にはがれ落ちた。これは、超電導フィラメント1の表面に形成された厚さ10〜100nmの酸化膜の存在により、スズが超電導フィラメント1となじまなかったためと考えられる。
また、検討2では、超電導線材10の端部10a(超電導線材10の縁部10dから長さ50mmの部分)を400℃に加熱したスズ浴に40分間浸漬した。超電導線材10のスズ浴に浸漬した部分は、母材2がスズに置換された。スズに置換された部分を切断して断面を観察した結果、母材2が残存しないことがわかった。また、超電導フィラメント1の周りのスズは、超電導フィラメント1と密着し、簡単にははがれ落ちず、検討1の場合(硝酸水溶液を用いて母材2を溶解し、超電導フィラメント1を露出させた後に、スズ浴に浸漬した場合)とは異なった。
以上の検討1および検討2から、本発明の、超電導線材10の端部10aの母材2を低融点金属6に置換する工程では、超電導フィラメント1の表面の酸化膜の形成を抑制し、母材2が低融点金属へと置換されていることがわかった。
以下、図面を参照し、実施例について説明する。
(実施例1A:金属製スリーブ30の材質が銅の場合)
実施例1Aでは、超電導フィラメント1の材質がニオブとチタンの合金であり、母材2の材質が銅もしくは銅合金である超電導線材10(NbTi線材)を用いた。また、低融点金属6には、スズを用いた。
まず、超電導線材10の端部10a(縁部10dからの長さ50mm)を、400℃に加熱した低融点金属浴に40分間浸漬し、超電導線材10の端部10aの母材2を低融点金属6に置換した。
次に、母材2を低融点金属6に置換した超電導線材10の端部10aを、金属製スリーブ30に挿入した(図5)。このとき、金属製スリーブ30は、置換部10cと、未置換部10bと、の境界Xから15mm離れた位置に設置した。実施例1Aでは、金属製スリーブ30の材質を銅とし、金属製スリーブ30の長さおよび肉厚を、それぞれ25mm、肉厚を0.5mmとした。また、金属製スリーブ30の縁部30aによる超電導フィラメント1の断線を防止するために、テーパ加工31を施した。
そして、金属製スリーブ30を300℃に加熱し、加熱状態で、置換部10cとともに金属製スリーブ30を、平板形状の押しダイス510を用いてプレスし、低融点金属6を金属製スリーブ6の外に排出した(図6)。このとき、加圧面圧をパラメータとして、1000kg/cm〜4000kg/cmの範囲で、複数の超電導接合部100を作製した。
図7に、平板形状の押しダイス510を用いて作製した超電導接続部100の断面形状の模式図を示す。プレスされた金属製スリーブ30の断面形状は、扁平な形状となった。
実施例1Aの条件で作製した超電導接続部100は、加熱しながらのプレスにより、超電導フィラメント1の周りの低融点金属6は溶融して金属製スリーブ30の外に排出することができたことがわかった。また、低融点金属6の排出に伴って、金属製スリーブ30内の超電導フィラメント1の充填率が向上することがわかった。ここで、超電導フィラメント1の充填率は、全ての超電導フィラメント1の断面積の和をプレス後の金属製スリーブ30の内径断面積で割った値と定義する。そして、加圧面圧が高くなるに伴い超電導フィラメント1の充填率が高くなることがわかった。
次に、実施例1Aの条件で作製したそれぞれの超電導接続部100のクエンチ電流を測定した。その結果を図8に示す。図8に示すように、超電導フィラメント1の充填率が90%以上となったときに超電導接続部100のクエンチ電流が向上する傾向が確認された。超電導フィラメント1の充填率が90%であるときの超電導接続部100のクエンチ電流は、素線臨界電流値の50%以上となることがわかった。また、このときの接続抵抗は10―13Ω以下であった。
ここで、本発明者らは、比較のために、以下のような従来の作製手順で超電導接合部100(比較例A)を作製した。なお、比較例Aの作製の際の、超電導線材10および金属製スリーブ30の材質は同じである。
(比較例A)
まず、実施例1Aと同じ材質である超電導線材10の端部10a(縁部10dからの長さ50mmの部分)を、63%の硝酸水溶液を同体積の精製水で希釈した溶液に浸漬して母材2を除去し、超電導フィラメント1を露出させた。
次に、超電導フィラメント1を露出させた露出部を、金属製スリーブ3に挿入し、超電導フィラメント1とともに金属製スリーブ30をプレスし、超電導フィラメント1同士の密着を図った。このときの加圧面圧は、1000kg/cm〜4000kg/cmである。
このような手順で作製した超電導接続部100のクエンチ電流を測定した結果、超電導接続部100がクエンチする電流は素線臨界電流に対して低い値(30〜60%)となり、さらに、ばらつきが大きいことがわかった。
以上のことから、実施例1Aの条件で作製した超電導接合部100は、従来の作製手順で作製した超電導接続部100(比較例A)と、比べると、ばらつきを改善することができ、素線臨界電流に対するクエンチ電流の値を高くすることができることがわかった。
(実施例1B:金属製スリーブ30の材質がニオブ及びタンタルの場合)
実施例1Bでは、実施例1Aと同様に、超電導フィラメント1の材質がニオブとチタンの合金であり、母材2の材質が銅もしくは銅合金である超電導線材10(NbTi線材)を用いた。また、低融点金属6として、スズを用いた。
まず、実施例1Aの場合と同様に、超電導線材10の端部10a(縁部10eからの長さ50mmの部分)を、400℃に加熱した低融点金属浴に40分間浸漬し、超電導線材10の端部10aの母材2を低融点金属6に置換した。
次に、母材2を低融点金属6に置換した超電導線材10の端部10aを、金属製スリーブ30に挿入した(図4)。金属製スリーブ30は、置換部10bと、未置換部10cと、の境界Xから15mm離れた位置に設置した。実施例1Bでは、材質がニオブ、タンタル、ニオブとタンタルの複合材、である金属製スリーブ30を用いた。
これは、実施例1Aの条件で作製した超電導接続部100の断面の観察を行った結果、金属製スリーブ30の内側に、金属製スリーブ30の材質である銅と、スズと、の反応層が認められたためである。また、この銅とスズの反応層周辺では、スズの排出が不十分であり、超電導フィラメント1同士の密着性がよくないことがわかったためである。よって、実施例1Bでは、金属製スリーブ6の材質を、プレスする際の温度で低融点金属6と反応する恐れのない、ニオブタンタル、ニオブとタンタルの複合材とした。
また、実施例1Bで用いた金属製スリーブ30の長さ、および、肉厚は、それぞれ25mm、肉厚を0.5mmとした。さらに、金属製スリーブ30の縁部30aによる超電導フィラメント1の断線を防止するために、テーパ加工31を施した。
そして、金属製スリーブ30を300℃に加熱し、加熱状態で、金属製スリーブ30とともに置換部10bを、平板形状の押しダイス510を用いてプレスした。このとき、加圧面圧をパラメータとして、3000kg/cm〜7000kg/cmの範囲で、複数の超電導接合部100を作製した。
なお、実施例1Bで用いた金属製スリーブ30は、材質が銅よりも高強度であるニオブ、タンタル、ニオブとタンタルの複合材であるため、加圧面圧を、実施例1Aの場合(金属製スリーブ30の材質が銅の場合)より高くする必要があり、加圧面圧を3000kg/cm〜7000kg/cmとした。
実施例1Bの条件で作製したそれぞれの超電導接続部100のクエンチ電流を測定した。その結果を図9に示す。なお、図9は、金属スリーブ30の材質として、ニオブを用いた超電導接続部100のクエンチ電流測定結果である。図9から、実施例1Aの場合(金属製スリーブ30の材質が銅の場合)と同様に、超電導フィラメント1の充填率が90%以上となったときに、超電導接続部100のクエンチ電流が向上する傾向があることがわかった。また、フィラメント充填率が90%のときに超電導接続部100においてクエンチする電流は、素線の臨界電流の70%以上となり、実施例1Aの場合と比較して、高くなったことがわかった。そして、このときの接続抵抗は10―13Ω以下であった。
また、金属製スリーブ30の材質としてタンタル、ニオブとタンタルの複合材を用いた場合も、ニオブを用いた場合と同様な結果を得た。
以上のような結果は、金属製スリーブ30の材質を銅ではなく、ニオブ、タンタル、ニオブとタンタルの複合材としたことで、金属製スリーブ30の内側に低融点金属6との反応層が形成されなくなったことと、金属製スリーブ30が高強度となったことにより超電導フィラメント1に効率的に力が伝わるようになったことと、が要因であると考えられる。
(実施例1C:低融点金属6の材質がインジウム、および、スズとインジウムの合金の場合)
実施例1Cでは、実施例1Bの作製条件において、低融点金属6として、スズではなく、インジウム、および、スズとインジウムの合金を用いて、超電導接続部100を作製した。
実施例1Cでの超電導接続部100の作製条件は、低融点金属6として、インジウム、および、スズとインジウムを用いたことを除いては、実施例1Bの条件と同じである。
実施例1Cの条件で作製した超電導接続部100のクエンチ電流値及び接続抵抗を測定した。その結果、実施例1Bの条件で作製した超電導接続部100(低融点金属6として、スズを用いた場合)と、ほぼ同等のクエンチ電流値及び接続抵抗を得ることができた。
(実施例1D:スリーブの長さを変化させた場合)
実施例1Dでは、実施例1Bの作製条件において、超電導線材10の置換部10cの長さ(50mm)に対する金属製スリーブ30の長さを変化させて、複数の超電導接合部100を作製した。具体的には、置換部10cの長さに対する金属製スリーブ30の長さの割合を、50%(実施例1Bに当たる)、60%、70%、80%、90%、100%と変化させ、複数の超電導接続部100を作製した。
実施例1Dでの超電導接続部100の作製条件は、超電導線材10の置換部10cの長さ(50mm)に対しての金属製スリーブ30の長さを変化させたことを除いては実施例1Bの条件と同じである。
実施例1Dの条件で作製した超電導接続部100のクエンチ電流値及び接続抵抗を測定した。クエンチ電流測定結果を図10に示す。図10から、置換部10cの長さに対する金属製スリーブ30の長さの割合が80%を超えた場合、超電導接続部100のクエンチする電流が低下する傾向があることがわかった。これは、金属製スリーブ30の長さの割合が80%を超えると、低融点金属6の排出が困難となり、金属製スリーブ30内の低融点金属6の残留量が増大したためと考えられる。従って、金属製スリーブ30の長さは、置換部10cの長さの80%以下とするとよいことがわかった。
(実施例1E:スリーブの位置を変化させた場合)
実施例1Eでは、実施例1Bの作製条件において、金属製スリーブ30の設置位置を、置換部10cと、未置換部10bと、の境界Xから0mm、3mm、5mm、7mm、10mm、15mm(実施例1Bに当たる)と変化させ、複数の超電導接続部100を作製した。
なお、このときの置換部10cの長さに対する金属製スリーブ30の長さの割合は50%である。
実施例1Eでの超電導接続部100の作製条件は、金属製スリーブ30の設置位置を変化させたことを除いては実施例1Bの条件と同じである。
実施例1Eの条件で超電導接続部100を作製した結果、金属製スリーブ30の設置位置を、境界Xから0mm、3mm、5mm、7mmとして作製した超電導接続部100は、金属スリーブ30をプレスする際に、境界Xで超電導フィラメント1の断線が起こることがわかった。従って、金属製スリーブ30の設置位置は、置換部10cと未置換部10bの境界Xから10mm以上離れた位置とするとよいことがわかった。
(実施例1F:押しダイス500の形状を変えた場合)
実施例1A〜実施例1Eでは、金属製スリーブ30を加熱し、プレスする際に平板形状の押しダイス510を用いたが、実施例1Fでは、図11に示すような角溝52を有する押しダイス520、もしくは丸溝53を備えた押しダイス530を用いて、超電導接続部100を作製した。
実施例1Fの作製条件は、金属製スリーブ30プレスする際、押しダイス520、530を用いること以外は、実施例1Bの条件と同じである。
実施例1Fの条件で作製した超電導接続部100を切断して断面の観察を行った。実施例1Fの条件で作製した超電導接続部100の断面の模式図を図12に示す。図12(a)は、角溝52を備えた押しダイス520を用いて作製した超電導接続部100の断面の模式図であり、図12(b)は、丸溝53を備えた押しダイス530を用いて作製した超電導接続部100の断面の模式図である。
平板形状の押しダイス510を用いて、金属製スリーブ30をプレスすると、図7に示すように、金属製スリーブ30は、扁平な形状となり、プレス前後の金属製スリーブ30の変形量が大きくなると、金属製スリーブ30の孔32の端部32eにおいて、超電導フィラメント1の充填率が低くなり、また、低融点金属6が残留し易くなる。
しかし、図12に示すように、押しダイス520および530を用いた場合では、金属スリーブ30に対して、力が等方的に印加されたため、金属製スリーブ30内の孔32の端部32eに低融点金属6が残留し難く、超電導接続部100内の全ての超電導フィラメント1が均一に密着している傾向があることが観察された。
以上、本発明の第1実施形態について説明した。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照に説明する。
第2実施形態では、第1実施形態の超電導線材10の母材2を低融点金属6で置換する工程を行う前に、超電導線材10の端部10aをプレスする工程を行い、超電導接合部100を作製する。超電導線材10の端部10aをプレスする工程を除いては、第1実施形態と同様の作製手順である。
第1実施形態において、例えば、平板形状の押しダイス510を用いて、金属製スリーブ30をプレスすると、図7に示すように、金属製スリーブ30は、扁平な形状となる。このとき、プレス前後の金属製スリーブ30の変形量が大きくなると、金属製スリーブ30の孔32の端部32eにおいて、超電導フィラメント1の充填率が低くなり、また、低融点金属6が残留し易くなる。
しかし、プレス前後の金属製スリーブ30の変形量を小さくなるように、金属製スリーブ30をプレスすると、超電導フィラメント1の充填率を高くすることができない。
そこで、第2実施形態では、第1実施形態の超電導線材10の母材2を低融点金属6で置換する工程の前に、超電導線材10の端部10aをプレスする工程を行い、超電導接合部100を作製する。
図13(a)に、超電導線材10の端部10aをプレスする工程を行わず、低融点金属6を置換した置換部10cを、金属製スリーブ30に挿入した状態の断面の模式図を示す。
一方、図13(b)に超電導線材10の端部10aをプレスする工程を行い、低融点金属6を置換した置換部10dを金属製スリーブ30内に挿入した状態の断面の模式図を示す。
図13から、超電導線材10の母材2を低融点金属6に置換する前に、超電導線材10の端部10aを、プレスする工程を行うことで、置換部を挿入するのに必要な金属製スリーブ30の最小の内径が小さくなることがわかる。つまり、超電導接続部100を作製するために、より小さい内径を持つ金属スリーブ30を用いることができる。そのため、金属スリーブ30をプレスする際に、金属製スリーブ30の変形量を大きくしなくても、高いフィラメント充填率を得ることができるようになり、金属製スリーブ30の孔32の端部32eに低融点金属6が残留し難くできる。
(第2実施形態での作製方法)
第2実施形態での作製手順は、超電導線材10の端部10aの母材2を低融点金属6に置換する前に、超電導線材10の端部10aをプレスする工程を行うことを除いては、第1実施形態の作製手順と同じである。
超電導線材10の端部10aの母材2を低融点金属6に置換する前に、超電導線材10の端部10aをプレスする工程は、例えば、置換部10dの断面形状が図13(b)に示すような長辺の長さがa、短辺の長さがb、である長方形になるように、超電導線材10の端部10aをプレスする。
なお、プレス加工された置換部10dが、図13(b)のような長方形の断面形状を有し、長辺の長さaが短辺の長さbの2倍ある場合で、置換部10dを2本挿入するのに必要な金属製スリーブ30の最小の内径をD1とし、一方、プレス加工なしの置換部10cが、図13(a)のような丸形の断面形状を有し、その直径がaである場合で、置換部10cを2本挿入するのに必要な金属スリーブ30の最小の内径をD2とすると、D1はD2より15%程度小さくすることができる。
(実施例2A:超電導線材10の端部10aをプレスした場合)
実施例2Aでは、超電導フィラメント1の材質がニオブとチタンの合金であり、母材2の材質が銅もしくは銅合金である超電導線材10(NbTi線材)を用いた。また、低融点金属6として、スズを用いた。
まず、実施例2Aでは、置換部10dの断面形状が図13(b)のような長方形になるように、超電導線材10の母材2を低融点金属6に置換する前に、超電導線材10の端部10aをプレスする工程を行なった。
このとき、置換部10dの断面形状である長方形において、長辺の長さaが、短辺の長さbの1.3倍、1.5倍、2倍、2.5倍、2.8倍、3.1倍となるように、超電導線材10の端部10aをプレスする工程を行い、複数の超電導接続部100を作製した。
実施例2Aの作製手順および条件は、超電導線材10の端部10aの母材2を低融点金属6に置換する工程を行う前に、超電導線材10の端部10aをプレスする工程を行うことを除いては、実施例1Bと同様の手順および条件で超電導接続部100を作製した。
そして、実施例2Aの条件で作製した、それぞれの超電導接続部100を切断し、その断面の観察を行った。
その結果、置換部10dの断面形状である長方形において、長辺の長さaが短辺の長さbの1.3倍、2.8倍、3.1倍となるように、超電導線材10の端部10aをプレスして作製した超電導接続部100は、プレスされて扁平な形状となった金属製スリーブ30の孔32の端部32eにおいて、超電導フィラメント1の充填率が低くなっていることがわかった。これは、より内径が小さい金属製スリーブ30を用いることが可能とならず、金属スリーブ30をプレスする際、金属製スリーブ30の変形量が大きくなったためと考えられる。
一方、置換部10dの断面形状である長方形において、長辺の長さaが短辺の長さbの1.5、2.0倍、2.5倍になるように、超電導線材10の端部10aをプレスして作製した超電導接続部100は、より内径が小さい金属製スリーブ30を用いることが可能となった。そのため、金属製スリーブをプレスする前から、超電導フィラメント1の充填率を高くすることができた。その結果、金属スリーブ30をプレスする際、金属製スリーブ30の変形量が小さくても超電導フィラメント1の充填率を高くすることができた。また、金属製スリーブ30の孔32の端部32eに低融点金属6が残留し難くできた。
つまり、金属スリーブ30がプレスされる前の置換部10dの断面形状が、長辺の長さは短辺の長さの1.5〜2.5倍である長方形になるように、超電導線材の端部をプレスする工程は、超電導接合部100の中の超電導フィラメント1同士をより均一に密着させるのに有効であることがわかった。
よって、超電導線材10の母材2を低融点金属6で置換する工程を行う前に、超電導線材10の端部10aをプレスする工程は、超電導接合部100の中の超電導フィラメント1同士をより均一に密着させるのに有効であることがわかった。
以上、本発明の第2実施形態について説明した。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照に説明する。
第3実施形態では、第1実施形態と同様な手順で超電導接合部100を作製した後、金属製スリーブの外周に超電導接続部100の外周に、金属スリーブ30より高い熱伝導率を持つ、高熱伝導性金属製スリーブ90を被せる工程を行う。
第1実施形態の実施例1Bで作製した超電導接続部100の電流電圧特性Aを測定した結果、図14の点線Aで示すように、実施例1Bで作製した超電導接続部100の電流電圧特性Aにおいて、クエンチ電流で急激に電圧が高くなる挙動を示すことがわかった。これは、実施例1Bで作製した超電導接続部100では、超電導フィラメント1の周囲に母材2がなくなったため、熱的に不安定になったことは要因であると考えられる。
そこで、第3実施形態では、図15のように、超電導接続部100の外周に、金属スリーブ30より高い熱伝導率を持つ、高熱伝導性金属製スリーブ90を被せる。
高熱伝導性金属製スリーブ90には、常温では金属製スリーブ30を挿入できないが、高温に熱して熱膨張させたときには金属製スリーブ30が挿入できるような大きさを持つ孔92を有する。
高熱伝導性金属製スリーブ90の材料としては、金属製スリーブ30より熱膨張率が高い材質が用いられ、例えば、無酸素銅、高純度アルミニウムなどが用いられる。
(第3実施形態での作製方法)
第3実施形態の作製方法は、高熱伝導性金属製スリーブ90を熱し、プレスした金属製スリーブ30の外周に被せた後に徐冷する工程を行うことを除いては、第1実施形態と同じである。
第3実施形態では、高熱伝導性金属製スリーブ90を加熱し、高熱伝導性金属製スリーブ90の孔92を、プレスした金属製スリーブ30が挿入できる大きさに膨張させる。そして、高熱伝導性金属製スリーブ90を金属製スリーブ30の外周に被せ、徐冷する。これにより、高熱伝導性金属製スリーブ90は熱収縮し、金属製スリーブ30と強固に密着する。また、高熱伝導性金属製スリーブ90が内部の金属製スリーブ30及び超電導フィラメント1をさらに締め付ける効果も期待できる。
(実施例3A:金属製スリーブ30の外周に高熱伝導性金属製スリーブ90で被った場合)
実施例3Aでは、超電導フィラメント1の材質がニオブとチタンの合金であり、母材2の材質が銅もしくは銅合金である超電導線材10(NbTi線材)を用いた。また、低融点金属6として、スズを用い、材質がニオブである金属製スリーブ30を用いた。
高熱伝導性金属製スリーブ90の材質として、無酸素銅を用いた。そして、高熱伝導性金属製スリーブ90の厚みは5mmとした。
実施例3Aでの作製手順および条件は、金属製スリーブ30を加熱しながらプレスし、超電導フィラメント1の周りの低融点金属6は溶融して金属製スリーブ30の外に排出する工程までは、実施例1Bの作製手順および条件と同様である。
実施例3Aでは、高熱伝導性金属製スリーブ90を加熱し、高熱伝導性金属製スリーブ90の孔92を、プレスした金属製スリーブ30が挿入できる大きさに膨張させた。そして、高熱伝導性金属製スリーブ90を金属製スリーブ30の外周に被せ、徐冷した。金属製スリーブ30の材質であるニオブ、および、高熱伝導性金属製スリーブ90の材質である無酸素銅、の熱膨張係数は、それぞれ常温で7.2×10-6、17.0×10-6であり、無酸素銅の方が2倍以上大きい。そのため、高熱伝導性金属製スリーブ90を液体ヘリウムもしくは冷凍機により冷却すると、高熱伝導性金属製スリーブ90を熱収縮させ、金属製スリーブ30と強固に密着させることができた。
実施例3Aの条件で、超電導接合部100の外周に、高熱伝導性金属製スリーブ90を装着した場合の超電導接続部100のクエンチする電流を測定した。その結果、実施例1A、1Bの場合と同様に、フィラメント充填率が90%以上となったときに、超電導接続部100のクエンチ電流が向上する傾向が確認された。また、フィラメント充填率90%である超電導接続部100のクエンチ電流は、素線の臨界電流の80%以上となり、実施例1Bの場合と比較して向上することがわかった。
そして、実施例3Aにおける超電導接続部100の電流電圧特性Bを測定した結果を図14の実線Bに示す。図14の実線Bから、クエンチ電流値において電圧値が徐序に高くなる特性になったことがわかった。これは、高熱伝導金属のスリーブ90を金属製スリーブ30の外周に装着したことにより、超電導接続部100の熱的な安定性が向上したためと考える。
また、実施例3Aでは、金属製スリーブ30の材質をニオブとしたが、タンタル、ニオブとタンタルの複合材を用いた場合でも同様の効果があることを確認した。さらに、実施例3Aでは、高熱伝導性金属製スリーブ90の材質を無酸素銅としたが、高純度アルミニウムを用いても同様の効果があること確認した。
以上述べたように、本発明によって、超電導フィラメントの表面に酸化膜が形成されることを抑制するとともに、鉛もしくは鉛合金を用いず環境に配慮した、超電導接続部およびその作製方法を提供することができた。
また、本発明の作製した超電導接続部は、従来の方法で作製した超電導接続部よりも、クエンチ電流が向上し、ばらつきも小さくなることがわかった。
さらに、プレスした金属製スリーブの外周に、金属製スリーブより高い熱伝導率を有する高熱伝導性金属製のスリーブを装着することにより、超電導接続部の熱的安定性を向上することができることがわかった。
超電導線材の断面の模式図である。 (a)金属製スリーブの前面からの断面の模式図である。(b)金属製スリーブの側面からの断面の模式図である。 第1実施形態での超電導接合部の作製手順を示すフローチャートである。 超電導線材の端部が低融点金属に置換された状態の模式図である。 超電導線材の置換部を金属製スリーブに挿入した状態の模式図である。 金属製スリーブをプレスする状態の模式図である。 平板形状の押しダイスを用いて作製した超電導接続部の断面形状の模式図である。 実施例1Aの条件で作製した超電導接合部のクエンチ電流測定結果を示す図である。 実施例1Bの条件で作製した超電導接合部のクエンチ電流測定結果を示す図である。 実施例1Cの条件で作製した超電導接合部のクエンチ電流測定結果を示す図である。 (a)角溝を有する押しダイスを説明する図である。(b)丸溝を有する押しダイスを説明する図である。 (a)角溝を有する押しダイスを用いて作製した超電導接続部の断面形状の模式図である。(b)丸溝を有する押しダイスを用いて作製した超電導接続部の断面形状の模式図である。 (a)超電導線材の端部をプレスする工程を行わず、低融点金属を置換した置換部を、金属製スリーブに挿入した状態の断面の模式図である。(b)超電導線材の端部をプレスする工程を行い、低融点金属を置換した置換部を金属製スリーブ内に挿入した状態の断面の模式図である。 実施例1Bおよび実施例3Aの条件で作製した超電導接続部の電流電圧特性を示す図である。 超電導接続部の外周に高熱伝導性金属製スリーブを装着した状態の断面の模式図である。
符号の説明
100:超電導接合部、10:超電導線材、10a:超電導線材の端部、10b:未置換部、10c、10d:置換部、X:境界、1:超電導フィラメント、2:母材、6:低融点金属、A、B:超電導接続部の電流電圧特性、30:金属製スリーブ、30a:金属製スリーブの縁部、30b:金属製スリーブの端部、30c:金属製スリーブの側面、31:テーパ加工、32:金属製スリーブの孔、32e:金属製スリーブの孔の端部、90:高熱伝導性金属製のスリーブ、500:押しダイス、510:平板形状の押しダイス、520:角溝を有する押しダイス、530:丸溝を有する押しダイス、52:角溝、53:丸溝

Claims (18)

  1. 超電導フィラメントが母材で覆われた構造を有する超電導線材を接続した超電導接続部であって、
    前記超電導線材の端部の母材が、鉛若しくは鉛合金を含有せず、かつ、融点が100℃以上500℃以下である低融点金属に置換されている置換部と、を含有した金属製スリーブを有し、
    前記金属製スリーブは、前記低融点金属の融点以上の温度で、加熱され、加熱状態で前記置換部とともに、プレスされ、
    前記低融点金属は、前記金属製スリーブの外に排出されている
    ことを特徴とする超電導接続部。
  2. 超電導フィラメントが母材で覆われた構造を有する超電導線材を接続した超電導接続部であって、
    前記超電導線材の端部がプレスされ、前記端部の母材が鉛若しくは鉛合金を含有せず、かつ、融点が100℃以上500℃以下である低融点金属に置換されている置換部と、を含有した金属製スリーブを有し、
    前記金属製スリーブは、前記低融点金属の融点以上の温度で、加熱され、加熱状態で前記置換部とともに、プレスされ、
    前記低融点金属は、前記金属製スリーブの外に排出されている
    ことを特徴とする超電導接続部。
  3. 超電導フィラメントが母材で覆われた構造を有する超電導線材を接続した超電導接続部であって、
    前記超電導線材の端部の母材が、鉛若しくは鉛合金を含有せず、かつ、融点が100℃以上500℃以下である低融点金属に置換されている置換部と、を含有した金属製スリーブを有し、
    前記金属製スリーブは、前記低融点金属の融点以上の温度で、加熱され、加熱状態で前記置換部とともに、プレスされ、
    前記低融点金属は、前記金属製スリーブの外に排出され、
    前記金属製スリーブは、前記金属製スリーブより高い熱伝導率を有する高熱伝導性金属製スリーブが被せられている
    ことを特徴とする超電導接続部。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の超電導接続部であって、
    前記金属製スリーブの材質は、銅、ニオブ、タンタル、ニオブとタンタルの複合材のうちの少なくとも1種である
    ことを特徴とする超電導接続部。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の超電導接続部であって、
    前記低融点金属の材質は、スズ、インジウム、スズとインジウム合金のうちの少なくとも1種である
    ことを特徴とする超電導接続部。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の超電導接続部であって、
    前記金属製スリーブの長さは、前記置換部の長さの80%以下である
    ことを特徴とする超電導接続部。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の超電導接続部であって、
    前記金属製スリーブは、前記母材が前記低融点金属に置換されていない未置換部と、前記置換部と、の境界から10mm以上離れて設置されている
    ことを特徴とする超電導接続部。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の超電導接続部の作製方法であって、
    前記金属製スリーブは、
    平板形状の押しダイス、角溝を有する押しダイス、丸溝を有する押しダイス、のいずれか1つを用いてプレスされている
    ことを特徴とする超電導接続部。
  9. 請求項2に記載の超電導接続部の作製方法であって、
    前記金属スリーブがプレスされる前の前記置換部の断面形状が、長辺の長さは短辺の長さの1.5〜2.5倍である長方形になるように、前記超電導線材の端部をプレスされている
    ことを特徴とする超電導接続部。
  10. 超電導フィラメントが母材で覆われた構造を有する超電導線材を接続した超電導接続部の作製方法であって、
    鉛若しくは鉛合金を含有せず、かつ、融点が100℃以上500℃以下である低融点金属を溶融した低融点金属浴に、前記超電導線材の端部を浸漬し、前記母材を低融点金属に置換する工程と、
    前記低融点金属に置換された前記超電導線材の置換部を、金属製スリーブに挿入する工程と、
    前記低融点金属の融点以上の温度で、前記金属製スリーブを加熱し、加熱状態で前記置換部とともに、前記金属製スリーブをプレスし、前記低融点金属を前記金属製スリーブの外に排出する工程と、を有する
    ことを特徴とする超電導接続部の作製方法。
  11. 超電導フィラメントが母材で覆われた構造を有する超電導線材を接続した超電導接続部の作製方法であって、
    前記超電導線材の端部をプレスする工程と、
    鉛若しくは鉛合金を含有せず、かつ、融点が100℃以上500℃以下である低融点金属を溶融した低融点金属浴に、プレスされた前記端部を浸漬し、前記母材を低融点金属に置換する工程と、
    前記低融点金属に置換された前記超電導線材の置換部を、金属製スリーブに挿入する工程と、
    前記低融点金属の融点以上の温度で、前記金属製スリーブを加熱し、加熱状態で前記置換部とともに、前記金属製スリーブをプレスし、前記低融点金属を前記金属製スリーブの外に排出する工程と、を有する
    ことを特徴とする超電導接続部の作製方法。
  12. 超電導フィラメントが母材で覆われた構造を有する超電導線材を接続した超電導接続部の作製方法であって、
    鉛若しくは鉛合金を含有せず、かつ、融点が100℃以上500℃以下である低融点金属を溶融した低融点金属浴に、前記超電導線材の端部を浸漬し、前記母材を低融点金属に置換する工程と、
    前記低融点金属に置換された前記超電導線材の置換部を、金属製スリーブに挿入する工程と、
    前記低融点金属の融点以上の温度で、前記金属製スリーブを加熱し、加熱状態で前記置換部とともに、前記金属製スリーブをプレスし、前記低融点金属を前記金属製スリーブの外に排出する工程と、
    前記金属製スリーブより高い熱伝導率を有する高熱伝導性金属製スリーブを加熱し、プレスされた前記金属製スリーブの外周に前記高熱伝導性金属製スリーブを被せて徐冷する工程と、を有する
    ことを特徴とする超電導接続部の作製方法。
  13. 請求項9から11のいずれか1項に記載の超電導接続部の作製方法であって、
    前記金属製スリーブの材質は、銅、ニオブ、タンタル、ニオブとタンタルの複合材のうちの少なくとも1種である
    ことを特徴とする超電導接続部の作製方法。
  14. 請求項9から12のいずれか1項に記載の超電導接続部の作製方法であって、
    前記低融点金属の材質は、スズ、インジウム、スズとインジウム合金のうちの少なくとも1種である
    ことを特徴とする超電導接続部の作製方法。
  15. 請求項9から13のいずれか1項に記載の超電導接続部の作製方法であって、
    前記金属製スリーブの長さは、前記置換部の長さの80%以下である
    ことを特徴とする超電導接続部の作製方法。
  16. 請求項9から14のいずれか1項に記載の超電導接続部の作製方法であって、
    前記金属製スリーブは、前記母材が前記低融点金属に置換されていない未置換部と、前記置換部と、の境界から10mm以上離れて設置されている
    ことを特徴とする超電導接続部の作製方法。
  17. 請求項9から15のいずれか1項に記載の超電導接続部の作製方法であって、
    平板形状の押しダイス、角溝を有する押しダイス、丸溝を有する押しダイス、のいずれか1つを用いて前記金属製スリーブのプレスを行う
    ことを特徴とする超電導接続部の作製方法。
  18. 請求項11に記載の超電導接続部の作製方法であって、
    前記金属スリーブをプレスする前の前記置換部の断面形状が、長辺の長さは短辺の長さの1.5〜2.5倍である長方形になるように、前記超電導線材の端部をプレスする
    ことを特徴とする超電導接続部の作製方法。
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