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JP2009150922A - アクチュエータ、撮像機器および携帯電子機器 - Google Patents

アクチュエータ、撮像機器および携帯電子機器 Download PDF

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JP2009150922A
JP2009150922A JP2007326135A JP2007326135A JP2009150922A JP 2009150922 A JP2009150922 A JP 2009150922A JP 2007326135 A JP2007326135 A JP 2007326135A JP 2007326135 A JP2007326135 A JP 2007326135A JP 2009150922 A JP2009150922 A JP 2009150922A
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Kyoji Kasuga
恭二 春日
Seiichi Nagatome
誠一 永留
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Abstract

【課題】ホルダの移動範囲を確実に制限できるアクチュエータを提供する。
【解決手段】アクチュエータ22は、レンズ13を保持するホルダ8と、ホルダ8を支持する、上側ガイド3およびベース部9からなる支持体とを備えている。上側ガイド3およびベース部9は、ホルダ8を、レンズ13の光軸方向に移動可能に支持している。ホルダ8が光軸方向または回転方向に移動するとき、ホルダ8に形成された当接部80が上側ガイド3に形成された規制部30に当接する、またはホルダ8に形成された当接部81がベース部9に形成された規制部90に当接することによって、ホルダ8の光軸方向および回転方向の移動範囲が制限される。
【選択図】図4

Description

本発明は、アクチュエータ、ならびにこれを備えた撮像機器および携帯電子機器に関するものであり、より具体的には、レンズを駆動することによってフォーカシングまたはズーミングするアクチュエータ、ならびにこれを備えた撮像機器および携帯電子機器に関するものである。
近年、携帯電子機器に内蔵されているカメラ(撮像機器)を高画質化するために、カメラに搭載する撮像素子の高画素化が進んでいる。携帯電子機器に内蔵されているカメラには、撮像した画像の画質を向上させるために必要な、オートフォーカス機構またはオートズーム機構が付与されていることが多い。このような機構は、通常、カメラ内部の光学系を光軸方向に移動させることによって、フォーカシングまたはズーミングする。したがって、光学系を保持するホルダは光学系の光軸方向に移動可能なように構成されている。このように、光学系を保持するホルダを光軸方向に移動可能に構成する方法としては、ホルダの光軸方向の両端に一対の板バネを平行に取り付け、当該板バネによってホルダを支持する方法が挙げられる。
さらに、上述のように支持されたホルダを移動させるには、アクチュエータが必要である。光学系を保持するホルダを駆動するアクチュエータとしては、ボイスコイル方式のアクチュエータが広く用いられている。ボイスコイル方式のアクチュエータにおいては、コイルおよびマグネットからなる磁気回路を用いて、電磁誘導現象により推力を生じさせることによって、ホルダを駆動する。
このようなボイスコイル方式のアクチュエータにおいて、一対の板バネにより支持されているホルダに推力が働いて駆動するとき、ホルダの光軸方向の両端に、平行に配置された一対の板バネを変形させることによって、ホルダを光軸方向に変位させる。このような従来のアクチュエータを、特許文献1に開示されたオートフォーカス用アクチュエータを例にして説明する。
特許文献1に記載のオートフォーカス用アクチュエータについて、図9を参照して説明する。図9は、従来のオートフォーカス用アクチュエータ100を示す断面図である。アクチュエータ100は、一般的な携帯電子機器に内蔵されたカメラのオートフォーカス機構として用いられている。図9に示すように、従来のアクチュエータ100は、円筒型の永久磁石(マグネット)101、コの字型に形成されたヨーク102、コイル103、レンズユニット(光学系)104を保持する円筒型のホルダ105、および一対の板バネ106a・106bを備えている。図9に示す矢印は、レンズユニット104に取り付けられたレンズの光軸方向を示している。
マグネット101はコの字型に形成されたヨーク102の間に挟まれるように設けられており、ホルダ105のフランジ部に形成されたコイル103は、ヨーク102に挟まれるように設けられ、ヨーク102とマグネット101との間に位置している。ホルダ105の光軸方向の両端には、一対の板バネ106a・106bが、それぞれ対向して平行に設けられている。ホルダ105は、板バネ106a・106bによって、光軸方向に直交する方向に位置決めされた状態において支持されている。アクチュエータ100において、コイル103に電流を印加すると、マグネット101とコイル103との間に電磁誘導現象によりホルダ105に推力が働き、板バネ106a・106bが光軸方向に変形することよって、ホルダ105が光軸方向に移動する。
ホルダ105に支持されている光学系104は、装置に加わる外力等によって、光学系の光軸が、撮像素子の中心軸からずれるように変位することがある。このような、撮像素子に対する光学系104のチルト(撮像素子の中心に対する光学系の光軸のずれ)が増大すると、撮像する画像の低下に繋がる。したがって、光学系104の光軸がずれるのを防ぐために、ホルダ105が回転する方向等の光軸方向以外の方向に変位するのを制限する必要がある。また、アクチュエータ100内において構成要素間の接触を防ぐために、ホルダ105の光軸方向および回転方向等の移動範囲を制限する必要がある。アクチュエータ100においては、板バネ106a・106bがホルダ105を光軸方向に移動可能に固定すると共に、ホルダ105の光軸方向および回転方向の移動範囲を制限している。
特開2006−50693号公報(平成18年2月16日公開)
しかしながら、上記従来のアクチュエータ100のように、バネによりにホルダ105の光軸方向および回転方向の移動範囲を制限する場合、バネの強度が低下すること等によって、十分にホルダ105の移動範囲を制限することができなくなるという問題がある。
特に、近年、携帯電子機器用のカメラをさらに小型化または薄型化するために、カメラに備えられたアクチュエータの小型化または薄型化の要求が高まっており、アクチュエータ100を小型化または薄型化するためには、バネの幅や厚さをできるだけ小さくする必要がある。このようなバネの幅や厚さの縮小により、さらにバネの強度が低下し、バネの可塑性が失われやすくなってしまうため、ホルダ105を十分に支持することができない。これにより、ホルダ105の移動方向や移動範囲を、十分に制限することができない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レンズの光軸方向、およびレンズの光軸を中心とする回転方向におけるホルダの移動範囲を制限し得るアクチュエータ、ならびにこれを備えた撮像機器および携帯電子機器を提供することにある。
本発明に係るアクチュエータは、上記課題を解決するために、レンズを保持するホルダと、上記ホルダを、上記レンズの光軸方向に移動可能に支持する支持体と、上記ホルダと上記支持部との間に回転可能に配設され、上記ホルダの移動を支持する回転部材とを備え、上記支持体は、上記レンズの光軸方向、および上記レンズの光軸を中心とする回転方向における上記ホルダの移動範囲を制限する規制部を有しており、上記ホルダは、上記規制部によって上記移動範囲を規制されるときに上記規制部に当接する当接部を有していることを特徴としている。
上記構成において、ホルダと支持体との間には、レンズの光軸方向に上記ホルダが移動し得るように、回転部材が配置されている。ホルダと支持体との間において回転部材が回転することによって、回転部材とホルダとの間に摩擦力が生じる。回転部材は、この摩擦力によって、レンズの光軸方向におけるホルダの移動を支持している。回転部材は、バネ等とは異なり、小型化および薄型化しても変形せず、ホルダを十分に支持することが可能であり、耐衝撃性を低下させることなくアクチュエータの小型化および薄型化を実現することができる。
そして、支持体はホルダの光軸方向および回転方向の移動範囲を制限する規制部を有し、ホルダは当該規制部によって移動範囲が規制されるときに当該規制部に当接する当接部を有している。これにより、ホルダがレンズの光軸方向に移動したときに、ホルダの当接部が支持体の規制部に当接することによって、レンズの光軸方向におけるホルダの移動範囲を制限することができる。また、例えばホルダに外力が加わり、レンズの光軸を中心としてホルダが回転する方向に変位した場合、ホルダの当接部が支持体の規制部に当接することによって、当該ホルダの回転方向の移動範囲を制限することができる。このように、ホルダの移動範囲がより確実に制限されるので、アクチュエータに加わる外力等によってホルダの位置がずれることや、構成要素同士が接触することを防止し、耐衝撃性に優れたアクチュエータを提供することができる。
本発明に係るアクチュエータにおいて、複数の上記回転部材が、上記レンズの光軸方向における上記ホルダの両端側にそれぞれ同数ずつ配設されており、上記ホルダの一端側に配設された上記回転部材と、上記ホルダの他端側に配設された上記回転部材とが、上記レンズの光軸に平行な線に沿って対向する位置に配設されていることが好ましい。これにより、一定方向に偏ることなく正確にホルダを支持することが可能であり、ホルダの光軸方向への移動をより正確に支持することが可能である。
本発明に係るアクチュエータにおいて、上記回転部材は、略球形状または円筒形状であることが好ましい。これにより、レンズの光軸方向におけるホルダの移動がスムーズに行われるように、ホルダを支持することができる。
本発明に係るアクチュエータにおいて、上記ホルダは、上記レンズの光軸に直交する方向における端部に、略等間隔に複数の上記当接部を有しており、上記支持体は、上記当接部に対応する位置に、上記当接部と同数の上記規制部を有していることが好ましい。これにより、レンズの光軸方向におけるホルダの移動範囲、およびホルダの回転方向の移動範囲をより確実に制限することができる。
本発明に係るアクチュエータにおいて、上記支持体は、上記レンズの光軸方向における上記ホルダの一端を支持する第1の支持部と、上記レンズの光軸方向における上記ホルダの他端を支持する第2の支持部とを有していることが好ましい。このように、ホルダが移動可能なように支持するような構成に支持体を形成するときに、1つの部材として形成する必要がなく、より単純な形状からなる2つの支持部を組み合わせることによって、支持体を形成することができる。これにより、支持体の成形が容易になるため、部品の成形精度を高めることができる。さらに、支持体内におけるホルダの収容範囲を容易に広げることが可能であり、支持体の内部に配置するホルダの形状に対する制限が少なくなる。
本発明に係るアクチュエータにおいて、上記規制部は、第1の支持部に形成された第1の規制部と、第2の支持部に形成された第2の規制部とを包含し、上記当接部は、上記レンズの光軸方向における上記ホルダの一端側に形成され、第1の規制部に対応する第1の当接部と、上記レンズの光軸方向における上記ホルダの他端側に形成され、第2の規制部に対応する第2の当接部とを包含していることが好ましい。これにより、レンズの光軸方向におけるホルダの移動範囲、およびホルダの回転方向の移動範囲をより確実に制限することができる。
本発明に係るアクチュエータにおいて、第1の当接部は、前記レンズの光軸方向に直交する第1の軸方向当接面と、前記レンズの光軸方向に平行な第1の回転方向当接面とを有しており、第2の当接部は、前記レンズの光軸方向に直交する第2の軸方向当接面と、前記レンズの光軸方向に平行な第2の回転方向当接面とを有しており、第1の規制部は、第1の軸方向当接面に対向する第1の軸方向規制面と、第1の回転方向当接面に対向する第1の回転方向規制面とを有しており、第2の規制部は、第2の軸方向当接面に対向する第2の軸方向規制面と、第2の回転方向当接面に対向する第2の回転方向規制面とを有していることが好ましい。これにより、レンズの光軸方向におけるホルダの移動範囲、およびホルダの回転方向の移動範囲をより確実に制限することができる。
本発明に係るアクチュエータにおいて、第1の回転方向当接面、第2の回転方向当接面、第1の回転方向規制面および第2の回転方向規制面の少なくともいずれか1つの、レンズの光軸方向の長さは、レンズの光軸方向におけるホルダの移動範囲よりも長いことが好ましい。これにより、レンズの光軸方向にホルダが移動している場合にも、ホルダの回転方向当接面と支持体の回転方向規制面とが相対しているので、このような場合にもホルダの回転方向の移動範囲をより確実に制限することが可能となる。
本発明に係るアクチュエータにおいて、上記ホルダが上記レンズの光軸方向に移動するとき、第1の回転方向当接面は第1の回転方向規制面に当接しておらず、第2の回転方向当接面は第2の回転方向規制面に当接していないことが好ましい。これにより、レンズの光軸方向においてホルダが移動するときに、ホルダと支持体とが接触するのを回避し、ホルダの安定した移動が可能になる。
本発明に係るアクチュエータにおいて、第1の当接部および第1の規制部のいずれか一方が凹形状であり、他方が当該凹形状に嵌合する凸形状であり、第2の当接部及び第2の規制部のいずれか一方が凹形状であり、他方が当該凹形状に嵌合する凸形状であることが好ましい。これにより、ホルダの当接部および支持体の規制部をより単純な構成にし得るので、製造工程を簡略化し得る。
本発明に係る撮像機器は、上記いずれかのアクチュエータを備えていることを特徴としている。また、本発明に係る携帯電子機器は、上記撮像機器を備えていることを特徴としている。これにより、上記アクチュエータ同様の効果を奏する。
本発明に係るアクチュエータは、以上のように、レンズを保持したホルダを、レンズの光軸方向に移動可能に支持した支持体が、ホルダの移動範囲を制限する規制部を有し、ホルダが当該規制部により規制される当接部を有しているので、ホルダの光軸方向および回転方向における移動範囲を制限することが可能である。
本発明の一実施形態に係るアクチュエータについて、図1〜図8に基づいて以下に説明する。以下の説明においては、同一の部材および構成要素には、それぞれ同一の符号を付しており、これらの機能は同様であるため、詳細な説明については繰り返さない。図1は、本発明の一実施形態に係る撮像機器21を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る撮像機器21の断面図であり、図3は、本発明の一実施形態に係る撮像機器21の分解斜視図である。
(撮像機器21)
図1および2に示すように、撮像機器21は、撮像機器21の上部を覆う上カバー1、球状体(回転部材)2、上側ガイド(第1の支持体)3、板バネ4、ヨーク5、マグネット6、コイル7、ホルダ8、ベース部(第2の支持体)9、下カバー10、撮像素子11、センサ基板12、レンズ13、およびバレル14を備えている。
なお、本明細書中において、用語「光軸方向」は、レンズ13に入射する被写体からの光であって、当該光の中心軸に平行な方向、すなわち、撮像機器21内の光学部材と被写体とを結ぶ線分と平行な方向を意図している。また、用語「物体側」は、撮像機器21において、被写体に最も近い側を意図しており、用語「像面側」は、撮像機器21において、物体側の反対側を意図している。図1に示す矢印は、物体側および像面側の方向を示している。
撮像機器21において、被写体からの光が物体側からレンズ13に入射すると、当該光はレンズ13によって撮像素子11上に結像される。撮像素子11において結像された光を電気信号に変換することによって、被写体の画像を形成する。
図2および3に示すように、撮像機器21において、レンズ13を保持するバレルがホルダ8に保持されている。ホルダ8の物体側は上側ガイド3により支持されており、ホルダ8の像面側はベース部9により支持されている。ホルダ8と上側ガイド3との間、およびホルダ8とベース部9との間には、それぞれ複数の球状体2が設けられている。また、ホルダ8と上側ガイド3との間に設けられた板バネ4によって、ホルダ8の物体側面は固定されている。
(アクチュエータ22)
図3に示すように、撮像機器21が備えるアクチュエータ22は、物体側から順に、上カバー1、球状体2、上側ガイド3、板バネ4、ヨーク5、マグネット6、コイル7、ホルダ8、ベース部9、球状体2および下カバー10により構成されている。そして、アクチュエータ22に、ベース部9の像面側に、撮像素子11が形成されたセンサ基板12を、下カバー10を介して固定し、かつ物体側からホルダ8内の空間にレンズ13を保持するバレル14を挿入することによって、図1に示すような撮像機器21が組み立てる。なお、バレル14をホルダ8に挿入するとき、レンズ13の光軸の中心と撮像素子11の中心とが略一致するように位置決めする。
本実施形態に係るアクチュエータは22、例えば、携帯電話等の携帯電子機器に搭載された撮像機器21において、レンズ13を含むホルダ8を、電磁誘導現象を利用して光軸方向に移動させることによって、オートフォーカシングまたはオートズーミングを行うものである。
図3に示すように、磁性体であるヨーク5は円筒形状であり、ホルダ8の周囲を取り囲むように設けられている。ヨーク5は、物体側の上カバー1および上側ガイド3、ならびに像面側の下カバー10およびベース部9によって挟まれるように配設されている。ヨーク5の内壁には、円筒形状の磁石を複数の板状に分割したマグネット6が取り付けられている。ヨーク5、上カバー1、上側ガイド3、ベース部9、マグネット6および下カバー10によって形成される空間の内部にホルダ8が配設されている。
ホルダ8の側面にはコイル7が巻きつけられており、コイル7とマグネット6との間には空隙が存在する。アクチュエータ22の物体側および像面側の両方に設けられた複数の球状体2のそれぞれは、ホルダ8と上側ガイド3との間、またはホルダ8とベース部9との間に位置している。物体側の球状体2は、それぞれホルダ8と上側ガイド3とに接触しており、像面側の球状体2は、それぞれホルダ8とベース部9とに接触している。
アクチュエータ22は、ヨーク5、マグネット6およびコイル7からなる磁気回路を備えている。コイル7に電流を印加すると、マグネット6とコイル7との間に電磁誘導現象が生じる。この電磁誘導現象によって、コイル7が巻きつけられたホルダ8に対して、光軸方向の推力が加わる。この推力によって、ホルダ8は光軸方向に沿って移動する。なお、ホルダ8に加わる推力は、コイル7に印加する電流の量に比例し、ホルダ8に加わる推力の方向は、コイル7に印加する電流の方向によって決まる。
(上カバー1および下カバー10)
アクチュエータ22において、上側ガイド3の上部に設けられた上カバー1は、センサ基板12を固定する前におけるアクチュエータからの球状体2の脱落、およびアクチュエータ22内へのゴミの侵入を防止している。また、ベース部9の下部に形成された下カバー10は、球状体2の脱落、およびセンサ基板12を固定した後における撮像素子11上へのゴミの侵入を防止している。
(板バネ4)
アクチュエータ22において、ホルダ8の物体側には、板バネ4が配置されている。板バネ4は、上側ガイド3によって支持および固定されており、光軸方向に移動するホルダ8の物体側の面に接している。板バネ4は、ホルダ8の光軸方向の移動量(変位)に比例した予圧をホルダ8に与える。すなわち、板バネ4は、光軸方向に移動するホルダ8に対して、その移動量に比例した弾性力を発生させる。アクチュエータ22において、ホルダ8に作用する推力と、板バネ4に発生した弾性力とが釣り合うことによって、ホルダ8が保持される。それゆえに、ホルダ8の位置は、コイル7に印加される電流量の影響を受ける。このホルダ8の位置と、コイル7に印加される電流量との関係は、従来のアクチュエータと同様である。
ここで、例えば、ホルダ8が光軸方向に沿って物体側へ移動するに従って、ホルダ8と板バネ4との接触部分が変動してもよい。言い換えると、板バネ4と光軸方向に移動するホルダ8との接触部分が横滑りしてもよい。この場合、ホルダ8が板バネ4に固定された構成と比較して、例えばアクチュエータに加わった外力によってホルダ8が振動したとしても、板バネ4の塑性変形を抑制し得る。
(上側ガイド3およびベース部9)
上側ガイド3およびベース部9は、ホルダ8を支持するものである。本実施形態において、上側ガイド3およびベース部9を別々の部材として設けたが、上側ガイド3およびベース部9を一体形成し、1つの支持体としてホルダ8を支持するように設けられていてもよい。上カバー1と、上側ガイド3およびベース部9とは、マグネット6およびヨーク5を光軸方向から挟むように設けられている。上側ガイド3およびベース部9はそれぞれ、ホルダ8を挿入するための空隙を有するように、リング状に形成されている。なお、ベース部9の物体側にはヨーク5が配置され、ベース部9の像面側には撮像素子11が形成されたセンサ基板12が配置されている。上側ガイド3はヨーク5上に配置されており、ヨーク5と上カバー1との間に挟まれることによって固定されている。
(球状体2)
ホルダ8と上側ガイド3との間、およびホルダ8とベース部9との間に位置する複数の球状体2は、ホルダ8を光軸方向に移動したときに、ホルダ8の側面との間に生じる摩擦力によって回転するように構成されている。アクチュエータ22においては、球状体2が回転することによって生じる摩擦力が、ホルダ8の光軸方向への移動を支持することによって、ホルダ8の移動を安定化している。また、ホルダ8が球状体2に接していることによって、ホルダ8の光軸方向に垂直な方向のような光軸方向以外の方向への変位を制限している。
このように、本発明に係るアクチュエータ22においては、従来のアクチュエータのようにホルダを固定するために一対の板バネを用いる必要がない。したがって、従来のアクチュエータのように、板バネの強度の低下によりホルダ8を十分に固定保持することができないというような問題は招来しない。例えば、従来のアクチュエータにおいては、アクチュエータを小型化および薄型化のために磁気回路の体積を小さくすると、これに伴って板バネのバネ定数を小さくする必要があった。しかしながら、板バネのバネ定数を小さくすると、バネの強度が低下し、耐衝撃性が低下してしまう。すなわち、バネの可塑性が失われやすく、ホルダ8を十分に保持することができないことから、ホルダ8の移動方向や、変位量を制限することができなかった。その結果、光学系の撮像素子に対するチルト(撮像素子の中心に対する光学系の光軸のずれ)が増大し、画質の低下に繋がっていた。
一方、本発明に係るアクチュエータ22において、複数の球状体2によって、ホルダ8を支持しているため、ホルダ8を支持または固定するために板バネを使用する必要がない。球状体2はバネとは異なり、小型化および薄型化しても変形せず、ホルダ8を十分に保持することが可能であり、耐衝撃性に優れたアクチュエータ22を実現することができる。
なお、本実施形態において、ホルダ8の物体側に板バネ4を1つ備えているが、これとは別に、球状体2を補助する目的で、さらに板バネ4を用いてもよい。すなわち、ホルダ8が、板バネ4に固定および支持されていてもよい。従来のアクチュエータにおいて、ホルダ8を固定および支持するためには2つの板バネが必要である。一方、本発明に係るアクチュエータ22において、ホルダ8の光軸方向への移動を支持ために球状体2が用いられているので、ホルダ8を固定および支持する板バネ4は1つあればよい。それゆえ、板バネ4を、従来の板バネと同じバネ定数を有するように形成したとしても、従来のアクチュエータより、1つ当たりの板バネ4の強度が増す。よって、例えば携帯電子機器用の撮像機器21の落下時における板バネ4の耐性を高めることができる。
さらに、従来のアクチュエータにおいて、板バネによってホルダの光軸方向の移動のみが支持されていた。すなわち、従来のアクチュエータは、ホルダの光軸方向以外の方向への変位を抑制(制限)することができなかった。一方、本発明に係るアクチュエータ22において球状体2は、ホルダ8の光軸方向以外の方向の変位を抑制(制限)している。それゆえに、アクチュエータ22においては、例えば落下時に発生する衝撃によってもホルダ8は光軸方向以外の方向にほとんど振動しない。
アクチュエータ22においては、球状体2とホルダ8との間に生じる摩擦力によって、ホルダ8の光軸方向の移動が支持され、かつホルダ8の光軸方向以外の方向への変位を抑制している。したがって、アクチュエータ22においては、上述したような効果が得られれば、本実施形態に示す構成に限らず、球状体2がホルダ8に接する構成であればよく、特に限定されない。
ここで、上側ガイド3およびベース部9は、球状体2を介してホルダ8を支持しており、ホルダ8と、上側ガイド3およびベース部9とは互いに接触していない。ホルダ8と、上側ガイド3およびベース9とが接触すると、ホルダ8を光軸方向へ移動させるときに、ホルダ8と、上側ガイド3およびベース部9との間において不要な摩擦力が生じてしまい、ホルダ8の光軸方向へのスムーズな移動を妨げてしまう。この観点から、球状体2は、ホルダ8と、上側ガイド3およびベース部9との間において、ホルダ8の光軸方向への移動を円滑にするガイドとして機能している。
ホルダ8と上側ガイド3との間に配置される球状体2の数、およびホルダ8とベース部9との間に配置される球状体2の数は、磁気回路部分の体積、磁気回路に印加される電流量等に応じて適宜設定することができる。球状体2を配置する数としては、例えば、ホルダ8の物体側および像面側のそれぞれに複数配置されていることが好ましく、一定方向に偏ることなく正確にホルダ8を支持するために、ホルダ8の物体側および像面側のそれぞれに少なくとも3個ずつの球状体2が配置されていることがより好ましい。
また、球状体2とホルダ8との接触面積が大きくなると、ホルダ8側に生じる摩擦力が大きくなる。つまり、アクチュエータ22において、ホルダ8の光軸方向に対する移動を支持する力の強さは、球状体2とホルダ8との間に発生する摩擦力(接触面積)の大きさに比例している。球状体2とホルダ8との接触面積は、配置する球状体2の数を変えることによって調整することができる。それゆえに、配置する球状体2の数を適宜変更することによって、球状体2とホルダ8の側面との間に発生する摩擦力を、磁気回路部分の体積および磁気回路に印加される電流量に対応するように変更することができる。
また、アクチュエータ22において、複数の球状体2は、ホルダ8の物体側および像面側の両方に設けられていることが好ましい。言い換えると、アクチュエータ22を光軸方向から見たときに、複数の球状体2が、光軸方向に垂直な方向からホルダ8を挟み込むように配置されていることが好ましい。さらに、球状体2は、例えば、複数の球状体2とホルダ8との接触面が、レンズ13の光軸に平行な線に沿って対向する位置、すなわち、レンズ13の光軸に垂直な線に対して対称になるような位置に配置することが好ましい。このように、ホルダ8の物体側および像面側に、複数の球状体2が、レンズ13の光軸に垂直な線に対して対称な位置に配置されていることによって、ホルダ8に対する支持が光軸方向以外の方向に偏ることがない。すなわち、複数の球状体2は、ホルダ8の光軸方向への移動をより正確に支持することができる。
このような球状体2は、非磁性材料からなることが好ましい。非磁性材料からなる球状体2は、強磁界中においても球状体2の配置が磁界に影響を与えない上に、磁気回路による磁束分布に対して影響を与えない。また、球状体2が非磁性体材料からなる場合、球状体2の動作(回転)は、磁気回路から生じる磁力の影響を受けない。非磁性体材料としては、例えば、セラミック、真鍮、ガラスおよび非磁性ステンレス鋼等が挙げられる。
複数の球状体2の配置について、図2、図5および図6を用いて、さらに詳細に説明する。図5は、本発明に係るアクチュエータ22の物体側上面図であり、図6は、本発明に係るアクチュエータ22の像面側上面図である。図2に示すように、球状体2は、上側ガイド3とホルダ8との間の空間、ならびにベース部9とホルダ8との間の空間にそれぞれ配置されている。また、図5に示すように、ホルダ8の物体側と上側ガイド3との間には、3個の球状体2が配置されている。さらに、図6に示すように、ホルダ8の像面側とベース部9との間には、3個の球状体2が配置されている。すなわち、アクチュエータ22には、合計6個の球状体2が配置されている。
そして、ホルダ8の物体側と上側ガイド3との間に設けられた3個の球状体2と、ホルダ8の中心軸とを結んだ3つの線分が、互いに約120°の角度をなしている。言い換えると、3つの球状体2が配置された位置を、直線を用いて結ぶと正三角形を描くことができる。すなわち、球状体2は、ホルダ8の物体側の端部において、互いに略等間隔に配置されている。これにより、一定方向に偏ることなく正確にホルダ8を支持することが可能である。なお、ホルダ8の像面側と、ベース部9との間に設けられた3個の球状体2も同様に配置されている。
また、図5および6に示すように、ホルダ8は、光軸に平行に形成され、球状体2を収容するための溝部8eを有している。溝部8eは、ホルダ8において、物体側から像面側まで連続する窪み状に形成されている。本実施形態において球状体2は、ホルダ8の物体側および像面側にそれぞれ3個ずつ配置されているので、溝部8eも3箇所に形成されている。そして、ホルダ8の物体側に配置された球状体2は、ホルダ8の溝部8eに収容された状態で上側ガイド3に接し、ホルダ8像面側に配置された球状体2は、ホルダ8の溝部8eに収容された状態でベース部9に接している。
また、上側ガイド3において、溝部8eが形成された3箇所のうちの1箇所に対応する位置には、レバー3cが形成されている。また、ベース部9において、溝部8eが形成された3箇所のうちの1箇所には、レバー9cが形成されている。レバー3c・9cは、光軸に垂直な方向に対する弾性を有している。このため、レバー3c・9cは、これらに接する球状体2を介して、他の2個の球状体2の方向にホルダ8を付勢している。
これにより、ホルダ8が光軸方向に移動するとき、球状体2は、溝部8eと上側ガイド3またはベース部9との間において回転し、溝部8eとの間に生じる摩擦力によってホルダ8の移動を支持する。なお、レバー3c・9cの数はこれに限定されず、溝部3eが形成された3箇所に対応する位置の全てに、レバー3c・9cが形成されていてもよい。また、球状体2が、ホルダ8の物体側および像面側にそれぞれ4個ずつ配置されている場合には、それぞれ2箇所にレバー3c・9cが形成されていることが好ましい。
以上のように、ホルダ8に溝部8eが形成され、かつ上側ガイド3およびベース9にはレバー3c・9cが形成されているので、ホルダ8が光軸方向に移動するとき、ホルダ8と球状体2との接触がより確実になり、球状体2がホルダ8から離れるという不具合の発生を回避することができる。
さらに、上側ガイド3およびベース部9において、ホルダ8の溝部8eに対応する位置の内、レバー3c・9cが形成されていない位置には、ガイド側溝部3dまたはベース部側溝部9dが形成されていてもよい。ガイド側溝部3dまたはベース部側溝部9dは、微小な溝部であり、溝の深さはホルダ8の溝部8eよりも浅いものである。ガイド側溝部3dおよびベース側溝部9dは、光軸と平行な溝形状を有しているため、球状体2はガイド側溝部3dおよびベース側溝部9dに沿って回転する。すなわち、球状体2は、ガイド側溝部3dおよびベース側溝部9dによって、光軸に垂直な方向への移動が制限されている。
ここで、ホルダ8を支持する部材として、球状体2を用いたが、ホルダ8と、上側ガイド3およびベース部9との間において、回転可能であれば必ずしも球状でなくてもよく、円筒状体等であってもよい。球状体2は、ホルダ8と、上側ガイド3およびベース部9との間においてあらゆる方向に回転可能であるので、ホルダ8の光軸方向の移動がよりスムーズに行えるように支持することができるため好ましい。一方、円筒状体を用いた場合、その回転軸が光軸と垂直になるように配置すればよい。これにより、円筒状体が回転することによって、ホルダ8を光軸と平行な方向に移動させることができる。
また、アクチュエータ22においては、ホルダ8と上側ガイド3との間に配置された3個の球状体2のそれぞれと、ホルダ8とベース部9との間に配置された3個の球状体2のそれぞれとは、光軸方向において重なる(同じ位相になる)ように配置されている。同様に、レバー9cとレバー3cとは光軸方向において重なる(同じ位相になる)ように配置されている。よって、ホルダ8に加わるレバー3cおよびレバー9cからの付勢(負荷)の方向が一定になるため、ホルダ8の光軸方向への動作がより安定する。
(ホルダ8)
ここで、ホルダ8が磁気回路からの推力によって移動するときの移動範囲について、図4を参照して以下に説明する。図4は、本実施形態に係る撮像機器21の断面図であり、図2に示す断面図とは異なる位置において切断した場合の断面を示している。図2には、撮像機器21の球状体2が配置されている位置の断面図であり、図4は、撮像機器21の球状体2が配置されていない位置の断面図である。
図4に示すように、ホルダ8の一部と、上側ガイド3およびベース部9の一部とは、光軸方向に重なるように設けられている。したがって、ホルダ8は、上側ガイド3およびベース部9と当接する位置までしか移動しない。すなわち、ホルダ8は、上側ガイド3およびベース部9によって、光軸方向の移動範囲が制限されている。
ホルダ8は、その光軸方向に直交する側の端部、すなわちその外壁に、上側ガイド3またはベース部9に当接し得る当接部80・81を有している。当接部80・81は、ホルダ8の物体側端部および像面側端部の両方に形成されている。物体側端部に形成された当接部(第1の当接部)80は、第1の軸方向当接面8bおよび第1の回転方向当接面8a(図5)を有している。また、像面側端部に形成された当接部(第2の当接部)81は、第2の軸方向当接面8dおよび第2の回転方向当接面8c(図6)を有している。
上側ガイド3は、ホルダ8を収容しているリング状の空隙側に、ホルダ8に当接し得る規制部(第1の規制部)30を有している。規制部30は、ホルダ8の物体側の当接部80に対向しており、第1の回転方向当接面8aに略平行に対向する第1の回転方向規制面3aと、第1の軸方向当接面8bに略平行に対向する第1の軸方向規制面3bとを有している。
ベース部9は、ホルダ8を収容しているリング状の空隙側に、ホルダ8に当接し得る規制部(第2の規制部)90を有している。規制部90は、ホルダ8の像面側の当接部81に対向しており、第2の回転方向当接面8cに略平行に対向する第2の回転方向規制面9aと、第2の軸方向当接面8dに略平行に対向する第2の軸方向規制面9bとを有している。
ここで図5に示すように、当接部80は凹形状であり、規制部30は凹形状の当接部80に嵌合する凸形状に形成されている。これにより、上述したような、第1の回転方向当接面8a、第1の軸方向当接面8b、第1の軸方向規制面3a、および第1の軸方向規制面3bに対応する面を形成している。なお、規制部30を凹形状とし、当接部80を凹形状の規制部30に嵌合する凸形状に形成してもよい。同様に、図6に示すように、当接部81は凹形状であり、規制部90は凹形状の当接部80に嵌合する凸形状に形成されている。
図4に示すように、ホルダ8と上側ガイド3とは、第1の軸方向当接面8bおよび第1の軸方向規制面3bが、光軸方向において上下に一部重なるように設けられている。したがってホルダ8は、当接部80の第1の軸方向当接面8bが、規制部30の第1の軸方向規制面3bに当接する位置までしか移動しない。すなわちホルダ8は、上側ガイド3によって、光軸方向に沿った物体側への移動範囲が制限されている。
また、ホルダ8とベース部9とは、第2の軸方向当接面8dおよび第2の軸方向当接面9bが、光軸方向において上下に一部重なるように設けられている。したがってホルダ8は、当接部81の第2の軸方向当接面8dが、規制部90の第2の軸方向規制面9bに当接する位置までしか移動しない。すなわちホルダ8は、ベース部9によって、光軸方向に沿った像面側への移動範囲が制限されている。このように、アクチュエータ22において、上側ガイド3およびベース部9は、ホルダ8の光軸方向の移動範囲を制限(決定)するように機能している。
次に、ホルダ8の回転方向における移動範囲を制限する構成について、図5〜8を参照して以下に詳細に説明する。図7は、アクチュエータ22の物体側上面図を示す図5の一部を示す図であり、図8は、アクチュエータ22の像面側上面図を示す図6の一部を示す図である。
ここで、図2および4に示すように、ホルダ8のバレル14を収容している内周面にはねじが形成されており、レンズ13を保持するバレル14をねじ込むことによって取り付けられる。バレル14をホルダ8に取り付けるときのホルダ8の動きを例として、説明する。図5に示すようにアクチュエータ22を物体側から見た場合、バレル14は矢印に示す時計回り方向に回転する。この時、ネジの嵌合トルクにより、ホルダ8は時計回り方向に回転する。また、図6に示すようにアクチュエータ22を像面側から見た場合、バレル14は矢印に示す反時計回り方向に回転し、ホルダ8は反時計回り方向に回転している。図7および8に、図5および6の一部を拡大した図を示している。
図7に示すように、バレル14がねじ込み方向(図5における時計回り方向)に回転することによって、球状体2は、ガイド側溝部3dの一端と、ホルダ8の溝部8eの一端とに接する位置に移動する。このとき、ホルダ8の当接部80の第1の回転方向当接面8aは、上側ガイド3の規制部30の第1の回転方向規制面3aに接触していない。通常の場合、図5および7の状態においてバレル14がホルダ8にねじ込まれるが、バレル14やホルダ8の部品不良等によって、ねじの嵌合トルクが大きい場合には、ホルダ8がさらに回転方向に大きく移動してしまう可能性がある。このような場合に、アクチュエータ22においては、第1の回転方向当接面8aが第1の回転方向規制面3aに当接し、その嵌合トルクを受ける。これにより、ホルダ8が光軸を回転軸として大きく回転してしまうことを防ぎ、ホルダ8と上側ガイド3とが接触することを防止する。また、レバー3cがホルダ8から離れる方向に変形することによっても、接触を回避することができる。
同様に、図8に示すように、像面側においても、バレル14がねじ込み方向(図6における反時計回り方向)に回転することによって、球状体2は、ベース側溝部9dの一端と、ホルダ8の溝部8eの一端とに接する位置に移動する。このとき、ねじの嵌合トルクが大きい場合であっても、第2の回転方向当接面8cが第2の回転方向規制面9aに当接し、その嵌合トルクを受ける。これにより、ホルダ8が光軸を回転軸として大きく回転してしまうことを防ぎ、ホルダ8とベース部9とが接触することを防止する。また、レバー9cがホルダ8から離れる方向に変形することによっても、接触を回避することができる。
すなわち、ホルダ8に形成された当接部80・81の第1の回転方向当接面8aおよび第2の回転方向当接面8cと、上側ガイド3に形成された第1の回転方向規制面3aおよびベース部9に形成された第2の回転方向規制面9aとは、ホルダ8が光軸を回転軸として回転する場合の移動範囲を制限している。よって、ホルダ8と、上側ガイド3またはベース部9との接触を防止することができる。また、ホルダ8の光軸方向以外の方向への変位を抑制することができるので、レンズ13の撮像素子11に対するチルト(撮像素子11の中心に対する光学系の光軸のずれ)が増大し、画質の低下に繋がる。
ここで、第1の回転方向当接面8a、第2の回転方向当接面8c、第1の回転方向規制面3aおよび第2の回転方向規制面9aの少なくともいずれか1つにおいて、レンズ13の光軸方向の長さは、レンズ13の光軸方向におけるホルダ8の移動範囲よりも長くなるように形成されている。これにより、ホルダ8が最も物体側に移動した場合や、最も像面側に移動したであっても、常にホルダ8の回転方向当接面と、上側ガイド3およびベース部9の回転方向規制面とが相対しているため、ホルダ8の回転方向の移動範囲をより確実に制限することが可能となる。
また、ホルダ8がレンズ13の光軸方向に移動するとき、第1の回転方向当接面8aは第1の回転方向規制面3aに当接しておらず、第2の回転方向当接面8cは第2の回転方向規制面9aに当接していない。したがって、ホルダ8がレンズ13の光軸方向に移動するときに、ホルダ8と、上側ガイド3およびベース部9とが接触することがなく、ホルダ8を安定して移動させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲において種々の変更が可能である。すなわち、添付の特許請求の範囲に示した範囲において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明によれば、小型化および薄型化したアクチュエータにおいても、ホルダの移動範囲を確実に制限することが可能であるので、被写体からの光に基づいて画像を形成する光学機器全般に適用可能であり、特に、携帯電話用のカメラモジュール等に好適に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る撮像機器の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る撮像機器の断面図である。 本発明の一実施形態に係る撮像機器の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る撮像機器の断面図である。 本発明の一実施形態に係るアクチュエータの物体側上面図である。 本発明の一実施形態に係るアクチュエータの像面側上面図である。 図5の一部を示す図である。 図6の一部を示す図である。 従来のアクチュエータを示す断面図である。
符号の説明
1 カバー
2 球状体(回転部材)
3 上側ガイド(第1の支持体)
3a 第1の回転方向規制面
3b 第2の軸方向規制面
3c レバー
3d ガイド側溝部
4 板バネ
5 ヨーク
6 マグネット
7 コイル
8 ホルダ
8a 第1の回転方向当接面
8b 第1の軸方向当接面
8c 第2の回転方向当接面
8d 第2の軸方向当接面
8e 溝部
9 ベース部(第2の支持体)
9a 第2の回転方向規制面
9b 第2の軸方向規制面
9c レバー
9d ベース側溝部
10 カバー
11 撮像素子
12 センサ基板
13 レンズ
14 バレル
21 撮像機器
22 アクチュエータ
30 規制部(第1の規制部)
80 当接部(第1の当接部)
81 当接部(第2の当接部)
90 規制部(第2の規制部)

Claims (12)

  1. レンズを保持するホルダと、
    前記ホルダを、前記レンズの光軸方向に移動可能に支持する支持体と、
    前記ホルダと前記支持部との間に回転可能に配設され、前記ホルダの移動を支持する回転部材とを備え、
    前記支持体は、前記レンズの光軸方向、および前記レンズの光軸を中心とする回転方向における前記ホルダの移動範囲を制限する規制部を有しており、
    前記ホルダは、前記規制部によって前記移動範囲を規制されるときに前記規制部に当接する当接部を有していることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 複数の前記回転部材が、前記レンズの光軸方向における前記ホルダの両端側にそれぞれ同数ずつ配設されており、
    前記ホルダの一端側に配設された前記回転部材と、前記ホルダの他端側に配設された前記回転部材とが、前記レンズの光軸に平行な線に沿って対向する位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記回転部材は、略球形状または円筒形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記ホルダは、前記レンズの光軸に直交する方向における端部に、略等間隔に複数の前記当接部を有しており、
    前記支持体は、前記当接部に対応する位置に、前記当接部と同数の前記規制部を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
  5. 前記支持体は、
    前記レンズの光軸方向における前記ホルダの一端を支持する第1の支持部と、
    前記レンズの光軸方向における前記ホルダの他端を支持する第2の支持部とを有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
  6. 前記規制部は、
    第1の支持部に形成された第1の規制部と、
    第2の支持部に形成された第2の規制部とを包含し、
    前記当接部は、
    前記レンズの光軸方向における前記ホルダの一端側に形成され、第1の規制部に対応する第1の当接部と、
    前記レンズの光軸方向における前記ホルダの他端側に形成され、第2の規制部に対応する第2の当接部とを包含していることを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ。
  7. 第1の当接部は、
    前記レンズの光軸方向に直交する第1の軸方向当接面と、
    前記レンズの光軸方向に平行な第1の回転方向当接面とを有しており、
    第2の当接部は、
    前記レンズの光軸方向に直交する第2の軸方向当接面と、
    前記レンズの光軸方向に平行な第2の回転方向当接面とを有しており、
    第1の規制部は、
    第1の軸方向当接面に対向する第1の軸方向規制面と、
    第1の回転方向当接面に対向する第1の回転方向規制面とを有しており、
    第2の規制部は、
    第2の軸方向当接面に対向する第2の軸方向規制面と、
    第2の回転方向当接面に対向する第2の回転方向規制面とを有していることを特徴とする請求項6に記載のアクチュエータ。
  8. 第1の回転方向当接面、第2の回転方向当接面、第1の回転方向規制面および第2の回転方向規制面の少なくともいずれか1つの、前記レンズの光軸方向の長さは、前記レンズの光軸方向における前記ホルダの前記移動範囲よりも長いことを特徴とする請求項7に記載のアクチュエータ。
  9. 前記ホルダが前記レンズの光軸方向に移動するとき、
    第1の回転方向当接面は第1の回転方向規制面に当接しておらず、
    第2の回転方向当接面は第2の回転方向規制面に当接していないことを特徴とする請求項7または8に記載のアクチュエータ。
  10. 第1の当接部および第1の規制部のいずれか一方が凹形状であり、他方が当該凹形状に嵌合する凸形状であり、
    第2の当接部及び第2の規制部のいずれか一方が凹形状であり、他方が当該凹形状に嵌合する凸形状であることを特徴とする請求項6に記載のアクチュエータ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のアクチュエータを備えていることを特徴とする撮像機器。
  12. 請求項11に記載の撮像機器を備えていることを特徴とする携帯電子機器。
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