以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[システム構成]
図1は、本発明が適用されるアクティブマトリクス型表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。
ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子(有機電界発光素子)を画素(画素回路)の発光素子として用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明するものとする。
図1に示すように、有機EL表示装置10は、発光素子を含む複数の画素(PXLC)20と、当該画素20が行列状に2次元配置された画素アレイ部30と、当該画素アレイ部30の周辺に配置され、各画素20を駆動する駆動部とを有する構成となっている。画素20を駆動する駆動部としては、例えば、書込み走査回路40、電源供給走査回路50および信号出力回路60が設けられている。
ここで、有機EL表示装置10がカラー表示用の表示装置の場合は、1つの画素は複数の副画素(サブピクセル)から構成され、この副画素が画素20に相当することになる。より具体的には、カラー表示用の表示装置では、1つの画素は、赤色光(R)を発光する副画素、緑色光(G)を発光する副画素、青色光(B)を発光する副画素の3つの副画素から構成される。
ただし、1つの画素としては、RGBの3原色の副画素の組み合わせに限られるものではなく、3原色の副画素にさらに1色あるいは複数色の副画素を加えて1つの画素を構成することも可能である。より具体的には、例えば、輝度向上のために白色光(W)を発光する副画素を加えて1つの画素を構成したり、色再現範囲を拡大するために補色光を発光する少なくとも1つの副画素を加えて1つの画素を構成したりすることも可能である。
画素アレイ部30には、m行n列の画素20の配列に対して、第1の方向(図1では、左右方向/水平方向)に沿って走査線31−1〜31−mと電源供給線32−1〜32−mとが画素行ごとに配線され、第1の方向と直交する第2の方向(図1では、上下方向/垂直方向)にそって信号線33−1〜33−nが画素列ごとに配線されている。
走査線31−1〜31−mは、書込み走査回路40の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。電源供給線32−1〜32−mは、電源供給走査回路50の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。信号線33−1〜33−nは、信号出力回路60の対応する列の出力端にそれぞれ接続されている。
画素アレイ部30は、通常、ガラス基板などの透明絶縁基板上に形成されている。これにより、有機EL表示装置10は、平面型(フラット型)のパネル構造となっている。画素アレイ部30の各画素20の駆動回路は、アモルファスシリコンTFTまたは低温ポリシリコンTFTを用いて形成することができる。低温ポリシリコンTFTを用いる場合には、書込み走査回路40、電源供給走査回路50および信号出力回路60についても、画素アレイ部30を形成する表示パネル(基板)70上に実装することができる。
書込み走査回路40は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフト(転送)するシフトレジスタ等によって構成され、画素アレイ部30の各画素20への映像信号の書込みに際して、走査線31−1〜31−mに順次書込みパルス(走査信号)WS1〜WSmを供給することによって画素アレイ部30の各画素20を行単位で順番に走査(線順次走査)する。その具体的な構成については後述する。
電源供給走査回路50は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフトするシフトレジスタ等によって構成され、書込み走査回路40による線順次走査に同期して、第1電源電位Vccpと当該第1電源電位Vccpよりも低い第2電源電位Viniで切り替わる電源供給線電位DS1〜DSmを電源供給線32−1〜32−mに供給することにより、画素20の発光/非発光の制御を行なうとともに、発光素子である有機EL素子に駆動電流を供給する。
信号出力回路60は、信号供給源(図示せず)から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧(以下、単に「信号電圧」と記述する場合もある)Vsigと基準電位Vofsのいずれか一方を適宜選択し、信号線33−1〜33−nを介して画素アレイ部30の各画素20に対して例えば行単位で書き込む。すなわち、信号出力回路60は、映像信号の信号電圧Vsigを行(ライン)単位で書き込む線順次書き込みの駆動形態を採っている。
ここで、基準電位Vofsは、輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigの基準となる電位(例えば、黒レベルに相当する電位)である。また、第2電源電位Viniは、基準電位Vofsよりも低い電位、例えば、駆動トランジスタ22の閾値電圧をVthとするときVofs−Vthよりも低い電位、好ましくはVofs−Vthよりも十分に低い電位に設定される。
(画素回路)
図2は、画素(画素回路)20の具体的な構成例を示す回路図である。
図2に示すように、画素20は、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子21と、当該有機EL素子21を駆動する駆動回路とによって構成されている。有機EL素子21は、全ての画素20に対して共通に配線(いわゆる、ベタ配線)された共通電源供給線34にカソード電極が接続されている。
有機EL素子21を駆動する駆動回路は、駆動トランジスタ22と、書込みトランジスタ23と、保持容量24とから構成されている。ここでは、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いている。ただし、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
なお、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いると、アモルファスシリコン(a−Si)プロセスを用いることができる。a−Siプロセスを用いることで、TFTを作成する基板の低コスト化、ひいては本有機EL表示装置10の低コスト化を図ることが可能になる。また、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23を同じ導電型の組み合わせにすると、両トランジスタ22,23を同じプロセスで作成することができるため低コスト化に寄与できる。
駆動トランジスタ22は、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が有機EL素子21のアノード電極に接続され、他方の電極(ドレイン/ソース電極)が電源供給線32(32−1〜32−m)に接続されている。
書込みトランジスタ23は、ゲート電極が走査線31(31−1〜31−m)に接続され、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が信号線33(33−1〜33−n)に接続され、他方の電極(ドレイン/ソース電極)が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続されている。
駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23において、一方の電極とは、ソース/ドレイン領域に電気的に接続された金属配線を言い、他方の電極とは、ドレイン/ソース領域に電気的に接続された金属配線を言う。また、一方の電極と他方の電極との電位関係によって一方の電極がソース電極ともなればドレイン電極ともなり、他方の電極がドレイン電極ともなればソース電極ともなる。
保持容量24は、一方の電極が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続され、他方の電極が駆動トランジスタ22の他方の電極および有機EL素子21のアノード電極に接続されている。
なお、有機EL素子21の駆動回路としては、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の2つのトランジスタと、保持容量24の1つの容量とからなる回路構成のものに限られるものではなく、一方の電極が有機EL素子21のアノード電極に、他方の電極が固定電位にそれぞれ接続されることで、有機EL素子21の容量不足分を補い、保持容量24に対する映像信号の書込みゲインを高める作用をなす補助容量を必要に応じて設けた回路構成とすることも可能である。
上記構成の画素20において、書込みトランジスタ23は、書込み走査回路40から走査線31を通してゲート電極に印加される高レベルの走査信号WSに応答して導通状態となることにより、信号線33を通して信号出力回路60から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigまたは基準電位Vofsをサンプリングして画素20内に書き込む。この書き込まれた信号電圧Vsigまたは基準電位Vofsは、駆動トランジスタ22のゲート電極に印加されるとともに保持容量24に保持される。
駆動トランジスタ22は、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSが第1電源電位Vccpにあるときには、一方の電極がドレイン電極、他方の電極がソース電極となって飽和領域で動作し、電源供給線32から電流の供給を受けて有機EL素子21を電流駆動にて発光駆動する。より具体的には、駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作することにより、保持容量24に保持された信号電圧Vsigの電圧値に応じた電流値の駆動電流を有機EL素子21に供給し、当該有機EL素子21を電流駆動することによって発光させる。
駆動トランジスタ22はさらに、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSが第1電源電位Vccpから第2電源電位Viniに切り替わったときには、一方の電極がソース電極、他方の電極がドレイン電極となってスイッチングトランジスタとして動作することで、有機EL素子21への駆動電流の供給を停止し、有機EL素子21を非発光状態にする。すなわち、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21の発光/非発光を制御するトランジスタとしての機能をも併せ持っている。
この駆動トランジスタ22のスイッチング動作により、有機EL素子21が非発光状態となる期間(非発光期間)を設け、有機EL素子21の発光期間と非発光期間の割合(デューティ)を制御するデューティ制御を行なうことで、1フレーム期間に亘って画素が発光することに伴う残像ボケを低減できる。これにより、特に動画の画品位をより優れたものとすることができる。
(画素構造)
図3は、画素20の断面構造の一例を示す断面図である。図3に示すように、画素20は、駆動トランジスタ22等を含む駆動回路が形成されたガラス基板201上に絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204がその順に形成され、当該ウインド絶縁膜204の凹部204Aに有機EL素子21が設けられた構成となっている。ここでは、駆動回路の各構成素子のうち、駆動トランジスタ22のみを図示し、他の構成素子については省略している。
有機EL素子21は、上記ウインド絶縁膜204の凹部204Aの底部に形成された金属等からなるアノード電極205と、当該アノード電極205上に形成された有機層(電子輸送層、発光層、ホール輸送層/ホール注入層)206と、当該有機層206上に全画素共通に形成された透明導電膜等からなるカソード電極207とから構成されている。
この有機EL素子21において、有機層206は、アノード電極205上にホール輸送層/ホール注入層2061、発光層2062、電子輸送層2063および電子注入層(図示せず)が順次堆積されることによって形成される。そして、図2の駆動トランジスタ22による電流駆動の下に、駆動トランジスタ22からアノード電極205を通して有機層206に電流が流れることで、当該有機層206内の発光層2062において電子と正孔が再結合する際に発光するようになっている。
駆動トランジスタ22は、ゲート電極221と、半導体層222の一方側に設けられたソース/ドレイン領域223と、半導体層222の他方側に設けられたドレイン/ソース領域224と、半導体層222のゲート電極221と対向する部分のチャネル形成領域225とから構成されている。ソース/ドレイン領域223は、コンタクトホールを介して有機EL素子21のアノード電極205と電気的に接続されている。
そして、図3に示すように、駆動トランジスタ22を含む駆動回路が形成されたガラス基板201上に、絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204を介して有機EL素子21が画素単位で形成された後は、パッシベーション膜208を介して封止基板209が接着剤210によって接合され、当該封止基板209によって有機EL素子21が封止されることにより、表示パネル70が形成される。
(有機EL表示装置の基本的な回路動作)
次に、本実施形態に係る有機EL表示装置10の基本的な回路動作について、図4のタイミング波形図を基に図5および図6の動作説明図を用いて説明する。
なお、図5および図6の動作説明図では、図面の簡略化のために、書込みトランジスタ23をスイッチのシンボルで図示している。また、有機EL素子21は容量成分Celを持っていることから、当該容量成分Celについても図示している。
図4のタイミング波形図には、走査線31(31−1〜31−m)の電位(走査信号)WSの変化、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSの変化、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの変化を示している。
<前フレームの発光期間>
図4のタイミング波形図において、時刻t1以前は、前のフレームにおける有機EL素子21の発光期間となる。この発光期間では、電源供給線32の電位DSが第1電源電位(以下、「高電位」と記述する)Vccpにあり、また、書込みトランジスタ23が非導通状態にある。
このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設定されているために、図5(A)に示すように、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
<閾値補正準備期間>
時刻t1になると、線順次走査の新しいフレーム(現フレーム)に入る。そして、図5(B)に示すように、電源供給線32の電位DSが高電位Vccpから、信号線33の基準電位Vofsに対してVofs−Vthよりも十分に低い第2電源電位(以下、「低電位」と記述する)Viniに切り替わる。
ここで、有機EL素子21の閾値電圧をVel、共通電源供給線34の電位をVcathとするとき、低電位ViniをVini<Vel+Vcathとすると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが低電位Viniにほぼ等しくなるために、有機EL素子21は逆バイアス状態となって消光する。
次に、時刻t2で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することで、図5(C)に示すように、書込みトランジスタ23が導通状態となる。このとき、信号出力回路60から信号線33に対して基準電位Vofsが供給されているために、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが基準電位Vofsになる。また、駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、基準電位Vofsよりも十分に低い電位Viniにある。
このとき、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVofs−Viniとなる。ここで、Vofs−Viniが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthよりも大きくないと、後述する閾値補正処理を行うことができないために、Vofs−Vini>Vthなる電位関係に設定する必要がある。
このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgを基準電位Vofsに、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ固定して(確定させて)初期化する処理が、後述する閾値補正処理を行う前の準備(閾値補正準備)の処理である。したがって、基準電位Vofsおよび低電位Viniが、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの各初期化電位となる。
<閾値補正期間>
次に、時刻t3で、図5(D)に示すように、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが保たれた状態で、当該ゲート電位Vgから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを減じた電位に向かって駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。やがて、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束し、当該閾値電圧Vthに相当する電圧が保持容量24に保持される。
ここでは、便宜上、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgを保った状態で、駆動トランジスタ22のゲート電極の初期化電位(基準電位)Vofsを基準として、当該初期化電位Vofsから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを減じた電位に向かって駆動トランジスタ22のソース電位Vsを変化、具体的には上昇させ、最終的に収束した駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsを駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthとして検出して当該閾値電圧Vthに相当する電圧を保持容量24に保持する処理を行なう期間を閾値補正期間と呼んでいる。
なお、この閾値補正期間において、電流が専ら保持容量24側に流れ、有機EL素子21側には流れないようにするために、有機EL素子21がカットオフ状態となるように共通電源供給線34の電位Vcathを設定しておくこととする。
次に、時刻t4で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(A)に示すように、書込みトランジスタ23が非導通状態となる。このとき、駆動トランジスタ22のゲート電極が信号線33から電気的に切り離されることによってフローティング状態になるが、ゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに等しいために、当該駆動トランジスタ22はカットオフ状態にある。したがって、駆動トランジスタ22にドレイン−ソース間電流Idsは流れない。
<信号書込み&移動度補正期間>
次に、時刻t5で、図6(B)に示すように、信号線33の電位が基準電位Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。続いて、時刻t6で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、図6(C)に示すように、書込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書込みトランジスタ23による信号電圧Vsigの書き込みにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが信号電圧Vsigとなる。そして、映像信号の信号電圧Vsigによる駆動トランジスタ22の駆動の際に、当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが保持容量24に保持された閾値電圧Vthに相当する電圧と相殺されることによって閾値補正が行われる。閾値補正の原理については後述する。
このとき、有機EL素子21は始めカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にあるために、映像信号の信号電圧Vsigに応じて電源供給線32から駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)は有機EL素子21の容量成分Celに流れ込み、よって当該容量成分Celの充電が開始される。
この容量成分Celの充電により、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが時間の経過と共に上昇していく。このとき既に、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthのばらつきは補正されており、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsは当該駆動トランジスタ22の移動度μに依存したものとなる。
ここで、書込みゲイン(映像信号の信号電圧Vsigに対する保持容量24の保持電圧Vgsの比率)が1(理想値)であると仮定すると、駆動トランジスタ22のソース電位VsがVofs−Vth+ΔVの電位まで上昇することで、駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVとなる。
すなわち、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇分ΔVは、保持容量24に保持された電圧(Vsig−Vofs+Vth)から差し引かれるように、換言すれば、保持容量24の充電電荷を放電するように作用し、負帰還がかけられたことになる。したがって、ソース電位Vsの上昇分ΔVは負帰還の帰還量となる。
このように、駆動トランジスタ22に流れるドレイン−ソース間電流Idsを当該駆動トランジスタ22のゲート入力に、即ちゲート‐ソース間電圧Vgsに負帰還することにより、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性を打ち消す、即ち移動度μの画素ごとのばらつきを補正する移動度補正が行われる。
より具体的には、映像信号の信号電圧Vsigが高いほどドレイン−ソース間電流Idsが大きくなるために、負帰還の帰還量(補正量)ΔVの絶対値も大きくなる。したがって、発光輝度レベルに応じた移動度補正が行われる。
また、映像信号の信号電圧Vsigを一定とした場合、駆動トランジスタ22の移動度μが大きいほど負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなるために、画素ごとの移動度μのばらつきを取り除くことができる。したがって、負帰還の帰還量ΔVは移動度補正の補正量とも言える。移動度補正の原理の詳細については後述する。
<発光期間>
次に、時刻t7で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(D)に示すように、書込みトランジスタ23が非導通状態となる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は、信号線33から電気的に切り離されるためにフローティング状態になる。
ここで、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態にあるときは、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間に保持容量24が接続されていることにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変動すると、当該ソース電位Vsの変動に連動して(追従して)駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも変動する。このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがソース電位Vsの変動に連動して変動する動作が、保持容量24によるブートストラップ動作である。
駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になり、それと同時に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsが有機EL素子21に流れ始めることにより、有機EL素子21のアノード電位は、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じて上昇する。
そして、有機EL素子21のアノード電位がVel+Vcathを越えると、有機EL素子21に駆動電流(発光電流)が流れ始めるために、有機EL素子21が発光を開始する。また、有機EL素子21のアノード電位の上昇は、即ち駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に他ならない。駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇すると、保持容量24のブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも連動して上昇する。
このとき、ブートストラップゲインが1(理想値)であると仮定した場合、ゲート電位Vgの上昇量はソース電位Vsの上昇量に等しくなる。故に、発光期間中駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVで一定に保持される。そして、時刻t8で信号線33の電位が映像信号の信号電圧Vsigから基準電位Vofsに切り替わる。
(閾値補正の原理)
ここで、駆動トランジスタ22の閾値補正の原理について説明する。駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。これにより、有機EL素子21には駆動トランジスタ22から、次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流(駆動電流)Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここで、Wは駆動トランジスタ22のチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量である。
図7に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Ids対ゲート−ソース間電圧Vgsの特性を示す。
この特性図に示すように、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきに対する補正を行わないと、閾値電圧VthがVth1のとき、ゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds1になる。
これに対して、閾値電圧VthがVth2(Vth2>Vth1)のとき、同じゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds2(Ids2<Ids)になる。すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが変動すると、ゲート−ソース間電圧Vgsが一定であってもドレイン−ソース間電流Idsが変動する。
一方、上記構成の画素(画素回路)20では、先述したように、発光時の駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsがVsig−Vofs+Vth−ΔVであるために、これを式(1)に代入すると、ドレイン−ソース間電流Idsは、
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vsig−Vofs−ΔV)2
……(2)
で表される。
すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの項がキャンセルされており、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に供給されるドレイン−ソース間電流Idsは、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに依存しない。その結果、駆動トランジスタ22の製造プロセスのばらつきや経時変化により、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが画素ごとに変動したとしても、ドレイン−ソース間電流Idsが変動しないために、有機EL素子21の発光輝度も変動しない。
(移動度補正の原理)
次に、駆動トランジスタ22の移動度補正の原理について説明する。図8に、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に大きい画素Aと、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に小さい画素Bとを比較した状態で特性カーブを示す。駆動トランジスタ22をポリシリコン薄膜トランジスタなどで構成した場合、画素Aや画素Bのように、画素間で移動度μがばらつくことは避けられない。
画素Aと画素Bで移動度μにばらつきがある状態で、例えば両画素A,Bに同レベルの映像信号の信号電圧Vsigを書き込んだ場合に、何ら移動度μの補正を行わないと、移動度μの大きい画素Aに流れるドレイン−ソース間電流Ids1′と移動度μの小さい画素Bに流れるドレイン−ソース間電流Ids2′との間には大きな差が生じてしまう。このように、移動度μの画素ごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素間で大きな差が生じると、画面のユニフォーミティが損なわれる。
ここで、先述した式(1)のトランジスタ特性式から明らかなように、移動度μが大きいとドレイン−ソース間電流Idsが大きくなる。したがって、負帰還における帰還量ΔVは移動度μが大きくなるほど大きくなる。図8に示すように、移動度μの大きな画素Aの帰還量ΔV1は、移動度の小さな画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きい。
そこで、移動度補正処理によって駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsを映像信号の信号電圧Vsig側に負帰還させることにより、移動度μが大きいほど負帰還が大きくかかることになるために、移動度μの画素ごとのばらつきを抑制することができる。
具体的には、移動度μの大きな画素Aで帰還量ΔV1の補正をかけると、ドレイン−ソース間電流IdsはIds1′からIds1まで大きく下降する。一方、移動度μの小さな画素Bの帰還量ΔV2は小さいために、ドレイン−ソース間電流IdsはIds2′からIds2までの下降となり、それ程大きく下降しない。結果的に、画素Aのドレイン−ソース間電流Ids1と画素Bのドレイン−ソース間電流Ids2とはほぼ等しくなるために、移動度μのばらつきが補正される。
以上をまとめると、移動度μの異なる画素Aと画素Bがあった場合、移動度μの大きい画素Aの帰還量ΔV1は移動度μの小さい画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きくなる。つまり、移動度μが大きい画素ほど帰還量ΔVが大きく、ドレイン−ソース間電流Idsの減少量が大きくなる。
したがって、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsを、映像信号の信号電圧Vsigが印加される駆動トランジスタ22のゲート電極側に負帰還させることにより、移動度μの異なる画素のドレイン−ソース間電流Idsの電流値が均一化される。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを補正することができる。すなわち、駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)を、駆動トランジスタ22のゲート電極側に負帰還させる処理が移動度補正処理となる。
ここで、図2に示した画素(画素回路)20において、閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電位(サンプリング電位)Vsigと駆動トランジスタ22のドレイン・ソース間電流Idsとの関係について図9を用いて説明する。
図9において、(A)は閾値補正および移動度補正を共に行わない場合、(B)は移動度補正を行わず、閾値補正のみを行った場合、(C)は閾値補正および移動度補正を共に行った場合をそれぞれ示している。図9(A)に示すように、閾値補正および移動度補正を共に行わない場合には、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因してドレイン・ソース間電流Idsに画素A,B間で大きな差が生じることになる。
これに対して、閾値補正のみを行った場合は、図9(B)に示すように、当該閾値補正によってドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをある程度低減できるものの、移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差は残る。
そして、閾値補正および移動度補正を共に行うことにより、図9(C)に示すように、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差をほぼ無くすことができるために、どの階調においても有機EL素子21の輝度ばらつきは発生せず、良好な画質の表示画像を得ることができる。
また、図2に示した画素20は、閾値補正および移動度補正の各補正機能に加えて、先述した保持容量24によるブートストラップ動作の機能を備えていることで、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、有機EL素子21のI−V特性が経時変化し、これに伴って駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変化したとしても、保持容量24によるブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電位Vgsを一定に維持することができるために、有機EL素子21に流れる電流は変化せず一定となる。したがって、有機EL素子21の発光輝度も一定に保たれるために、有機EL素子21のI−V特性が経時変化したとしても、それに伴う輝度劣化のない画像表示を実現できる。
(移動度補正の最適補正時間について)
先述した動作説明から明らかなように、移動度が高い駆動トランジスタと移動度が低い駆動トランジスタとを考えた場合、移動度補正期間において、移動度が高い駆動トランジスタは移動度が低い駆動トランジスタに対してソース電位Vsが大きく上昇する。また、ソース電位Vsが大きく上昇するほど駆動トランジスタのゲート−ソース間の電位差Vgsが小さくなるために、駆動トランジスタに電流が流れにくくなる。
したがって、移動度補正処理を施す補正時間(以下、単に「移動度補正の補正時間」と記述する)を調整し、駆動トランジスタ22のゲート入力、即ち映像信号の信号電圧Vsigに対する補正量(=ドレイン−ソース間電流Idsの負帰還における帰還量ΔV)を変えることにより、移動度μの違う駆動トランジスタに対して同じ電流を流すことができる。このことから、移動度補正の補正時間を各映像信号の信号電圧Vsigにおいて最適化する、即ち移動度補正の補正時間を映像信号の信号電圧Vsigに応じた最適な補正時間に設定する必要がある。
移動度補正の最適補正時間t(以下、単に「補正時間t」と記述する場合もある)は、
t=C/(kμVsig) ……(3)
なる式で与えられる。ここで、定数kはk=(1/2)(W/L)Coxである。また、Cは移動度補正を行うときに放電されるノードの容量であり、図2の回路例では有機EL素子21の等価容量(容量成分Cel)および保持容量24の合成容量となる。
また、移動度補正の最適補正時間tは、書込みトランジスタ23が導通状態から非導通状態に移行するタイミングで決まる。そして、書込みトランジスタ23は、ゲート電位と信号線33の電位との間の電位差、即ちゲート・ソース間電圧が閾値電圧Vthになったところでカットオフする、即ち導通状態から非導通状態に移行する。
ところで、出願人は、移動度補正の補正時間tを映像信号の信号電圧Vsigに反比例するように、即ち信号電圧Vsigが高いときほど補正時間tが短くなり、信号電圧Vsigが低いときほど補正時間tが長くなるように設定することで、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性をより確実に打ち消すことができることを、即ち移動度μの画素ごとのばらつきをより確実に補正できることを確認している。
このことから、書込みトランジスタ23のゲート電極に印加する書込みパルスWSを、ハイレベルからローレベルに遷移するときの立下がり波形(書込みトランジスタ23がPチャネルのときは立上がり波形)が、図10に示すように、映像信号の信号電圧Vsigに対して反比例する波形になるように設定している。
書込みパルスWSの立下がり波形を、映像信号の信号電圧Vsigに対して反比例するような波形に設定することで、書込みトランジスタ23のゲート−ソース間電圧が閾値電圧Vthになったところで当該書込みトランジスタ23がカットオフするために、移動度補正の最適補正時間tを映像信号の信号電圧Vsigに反比例するように設定することができる。
具体的には、図10の波形図から明らかなように、書込みトランジスタ23は、白レベルに対応した信号電圧Vsig(白)のときは、ゲート−ソース間電圧がVsig(白)+Vthになったところでカットオフするために移動度補正の補正時間t(白)が一番短く設定され、グレーレベルに対応した信号電圧Vsig(グレー)のときは、ゲート−ソース間電圧がVsig(グレー)+Vthになったところでカットオフするために補正時間t(グレー)が補正時間t(白)よりも長く設定されることになる。
このように、移動度補正の最適補正時間tを映像信号の信号電圧Vsigに反比例するように設定することにより、最適補正時間tを映像信号の信号電圧Vsigに対応して設定できるために、黒レベルから白レベルまで信号電圧Vsigの全レベル範囲(全階調)に亘って駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性をより確実に打ち消すことができる、即ち移動度μの画素ごとのばらつきをより確実に補正することができる。
(書込み走査回路)
次に、映像信号の信号電圧Vsigに対して反比例するような立下がり波形を持つ書込みパルスWSを発生する書込み走査回路40の具体的な構成について説明する。
先述したように、書込みパルスWS(WS1〜WSm)は書込み走査回路40から出力される。この書込み走査回路40は、図11に示すにように、論理回路を含むシフトレジスタ41、レベル回路42および出力回路43によって構成され、画素アレイ部30の各画素20を駆動する駆動部として表示パネル70上に実装されている。
この書込み走査回路40において、レベル変換回路42は必須の構成要素ではなく、シフトレジスタの出力信号についてレベル変換を行う必要がある場合に設けられる。出力回路43は、各画素行ごとに複数段のバッファ、例えば2段のバッファ431,432からなり、最終段のバッファ432とその前段側の回路部分との正側の電源ラインが分離されている。
書込み走査回路40には、表示パネル70の外部に設けられた制御基板80から例えばフレキシブルケーブル90を介して各種のタイミング信号や電源電位が供給される。具体的には、制御基板80上には、タイミング発生(TG)部81、電源部82および電源供給部83等が設けられている。
タイミング発生部81は、シフトレジスタ41の動作の基準となるクロックパルスCKと、シフトレジスタ41のシフト動作の開始を指令するスタートパルスSTを生成してシフトレジスタ41に供給する。シフトレジスタ41は、正側の電源電位VDDと負側の電源電位VSSとを動作電源電位としている。
電源部82は、電源電位VDDと異なる、例えば電源電位VDDよりも高い正側の電源電位WSHighと、電源電位VSSと同じかそれよりも低い負側の電源電位WSLow とを発生する。正側の電源電位WSHighは、電源供給ライン84によってフレキシブルケーブル90を介してレベル変換回路42および出力回路43の最終段のバッファ432を除く各バッファに、それらの正側の電源電位として供給される。負側の電源電位WSLow は、電源供給ライン85によってフレキシブルケーブル90を介してレベル変換回路42および最終段のバッファ432を含む出力回路43に、それらの負側の電源電位として供給される。
電源供給部83は、映像信号の信号電圧Vsigに対して反比例するような立下がり波形を持つ書込みパルスWSを生成するために、電源部82から与えられる正側の電源電位WSHighおよび負側の電源電位WSLow を基に、所望の立下がり波形(書込みパルスWSの立下がり波形)で立ち下がる正側の電源電位Vddwsを発生する。この電源電位Vddwsは、電源供給ライン86によってフレキシブルケーブル90を介して出力回路43の最終段のバッファ432に、その正側の電源電位として供給される。
なお、本例では、電源供給部83を制御基板80側に設けるとしたが、これに限られるものではなく、電源供給部83を書込み走査回路40と同じ表示パルス70側に設ける構成を採ることも可能である。
図12に、書込み走査回路40のi行目の画素行に対応する回路部分40(i)の構成と、電源供給部83の具体的な回路構成の一例を示す。他の画素行に対応する回路部分についても同じ構成となっている。
図12において、シフトレジスタの単位回路であるi段目のシフト段(以下、「シフト段41」と記述する)は、画素アレイ部30の行数に対応した段数だけ縦続接続され、負側の電源電位VSSと正側の電源電位VDDとを動作電源電位とし、VSS−VDD振幅のパルス波形の走査信号を垂直走査に同期して順次出力する。
レベル変換回路42は、シフト段41の負側の電源電位VSSと同じかそれよりも低い負側の電源電位WSLow と、シフト段41の正側の電源電位VDDよりも高い正側の電源電位WSHighとを動作電源電位とし、シフト段41から出力されるVSS−VDD振幅の走査パルスをWSLow −WSHigh振幅の走査パルスSCPにレベル変換する。
出力回路43は、例えば2段のバッファ431,432からなり、最終段のバッファ432とその前段側の回路部分との正側の電源ラインが分離されている。初段のバッファ431は、レベル変換回路42と同じ負側の電源電位WSLow と正側の電源電位WSHighとの間に接続されたCMOSインバータによって構成されており、レベル変換回路42から出力される走査パルスSCPの極性を反転する。
最終段のバッファ432は、例えば、正側の電源ラインが初段のバッファ431の正側の電源ラインと分離されており、正側の電源電位Vddwsとして電源供給部83から専用の電源電位が供給される。なお、本例では、負側の電源ラインについてはバッファ431の負側の電源ラインと共通となっている。
この最終段のバッファ432は、初段のバッファ431と同じCMOSインバータによって構成されており、バッファ431から出力される反転走査パルスの極性をさらに反転してi行目の書込みパルスWS(i)として出力する。
電源供給部83は、例えば、第1入力端子851と出力端子852との間に接続されたスイッチ素子833と、第2入力端子834に一方の電極(ソース/ドレイン電極)が接続され、出力端子832に他方の電極(ドレイン/ソース電極)が接続されたMOSトランジスタ835とを有する構成となっている。
第1入力端子831には電源部82から正側の電源電位WSHighが入力され、第2入力端子834には電源部82から負側の電源電位WSLow が入力される。スイッチ素子833は、第1制御端子836を介して入力される第1制御パルスCP1によってオン(閉)/オフ(開)の制御が行われる。MOSトランジスタ835は、第2制御端子837を介してゲート電極に印加される第2制御パルスCP2によって導通/非導通の制御が行われる。第1,第2制御パルスCP1,CP2は、タイミング発生部81において所定の制御タイミングで生成される。
続いて、上記構成の書込み走査回路40におけるi行目の画素行に対応する回路部分40(i)および電源供給部83の回路動作について、図13のタイミング波形図を用いて説明する。
図13のタイミング波形図には、初段のバッファ431に入力される走査パルスSCPと、電源供給部83に入力される第1制御パルスCP1および第2制御パルスCP2と、最終段のバッファ432から出力される書込みパルスWS(i)とのタイミング関係を示している。
走査パルスSCPは、時刻t11−t12の期間および時刻t14−t16の期間でアクティブ(ハイレベル)になる。時刻t11−t12の期間は、図4の時刻t2−t4の期間に対応し、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびゲート電位Vsの初期化と閾値補正処理を行うための期間となる。また、時刻t14−t16の期間は、図4の時刻t6−t7の期間に対応し、映像信号の書込みおよび移動度補正処理を行うための期間となる。
第1制御パルスCP1は、通常はハイレベルの状態にある。このとき、スイッチ素子833がオン状態にあるために、電源供給部83は、電源電位WSHighを最終段のバッファ432にその正側の電源電位Vddwsとして電源供給ライン86を介して供給する。これにより、時刻t11−t12の期間では、電源電位WSHighの書込みパルスWS(i)が出力される。
ここで、書込みパルスWS(i)を立ち下げるに当たっては、その立ち下げの前に電源供給ライン86を電気的にフローティング状態にする必要がある。そのため、走査パルスSCPが非アクティブ状態(ローレベル)にある期間内の時刻t13で第1制御パルスCP1を非アクティブ状態にする。第1制御パルスCP1が非アクティブ状態になり、スイッチ素子833がオフ(開)状態になることで、電源供給ライン86がフローティング状態になる。
このとき、スイッチ素子833がオフしても、電源供給ライン86には寄生容量C_VddL等によって電源電位WSHighが保持されている。その後、時刻t14で走査パルスSCPがアクティブ状態になることで、書込みパルスWS(i)が再び電源電位WSHighになる。そして、時刻t15で第2制御パルスCP2がローレベルからハイレベルに遷移することで、電源供給部83において、MOSトランジスタ835がオン状態になる。
すると、最終段のバッファ432の正側の電源電位Vddwsは、MOSトランジスタ835のオン抵抗Ronと電源供給ライン86の寄生容量C_VddLとの時定数で決まる立下がり波形で負側の電源電位WSLowに向けて下降する。これにより、書込みパルスWS(i)は、上記時定数で決まる立下がり波形で立ち下がる。そして、走査パルスSCPが非アクティブ状態になる時刻t16で、書込みパルスWS(i)は負側の電源電位WSLowになって消滅する。
上述した回路動作の説明では、スイッチ素子833がオフし、電源供給ライン86がフローティング状態になったときに、電源供給ライン86には電源電位WSHighが保持されているとしたが、実際の回路動作では、以下に説明する理由によって電源供給ライン86の電位は電源電位WSHighよりも低下する。
時刻t14で走査パルスSCPがアクティブ状態になり、これに応答して最終段のバッファ432のPchトランジスタが導通状態になると、電源供給ライン86がフローティング状態にあるために、当該電源供給ライン86がバッファ432のPchトランジスタを介して走査線31−iと電気的に接続されることによって容量カップリングが起こる。
そして、電源供給ライン86の寄生容量C_VddLと走査線31−iの寄生容量C_WSLとの電荷分配により、図14に示すように、電源供給ライン86に保持されていた電位、即ち最終段のバッファ432の電源電位Vddwsが下がる。
図14のタイミング波形図において、時刻t13,t14,t15は、図13の時刻t13,t14,t15にそれぞれ対応しており、時刻t13では第1制御パルスCP1がハイレベルからローレベルに遷移し、時刻t14では走査パルスSCPがローレベルからハイレベルに遷移し、時刻t15では第2制御パルスSP2がローレベルからハイレベルに遷移する。
ここで、容量カップリング後の電源電位Vddwsと走査線31−iの電位WSLとは、次式(4)で与えられる値となる。
Vddws=WSL
=(WSHigh×C_VddL+WSLow ×C_WSL)
/(C_VddL+C_WSL) ……(4)
また、一例として、図15に示す黒ウインドの表示画像を出力するような場合を考えると、白のみを表示する領域の走査線31−wと、黒を表示する領域の走査線31−bとの間において、走査線31の寄生容量C_WSLに差が生じる。その理由は、次の通りである。
黒の表示画像は信号電圧Vsigが小さく、白の表示画像は信号電圧Vsigが高い。そして、書込みパルスWSを負側の電源電位WSLowから正側の電源電位WSHighに立ち上げる場合、信号電圧Vsigが小さい黒の表示画像の画素では、信号電圧Vsigが大きい白の表示画像の画素に比べて書込みパルスWSの立上がり途中の早い段階で書込みトランジスタ23が導通状態となる。したがって、黒の表示画像の画素の書込みトランジスタ23では、信号電圧Vsigが小さいところから、ソース領域−ドレイン領域間にチャネルが形成される。
トランジスタでは、ソース領域−ドレイン領域間にチャネルが形成されると、チャネルとゲート電極との間に形成される寄生容量が増加する。したがって、信号電圧Vsigの値によって書込みトランジスタ23のチャネルとゲート電極との間に介在する寄生容量が変化する。より具体的には、信号電圧Vsigが小さい黒表示画像の画素の方が、信号電圧Vsigが大きい白表示画像の画素よりも書込みトランジスタ23が早く導通するために、チャネルとゲート電極との間に早く寄生容量が形成される。
その結果、白のみを表示する領域の走査線31−wと、黒を表示する領域の走査線31−bとの間で走査線31の寄生容量C_WSLに差が生じるために、容量カップリング後の電源電位Vddwsと走査線31−iの電位WSL(書込みパルスWSの波高値)とに、走査線31−wと走査線31−bとの間で差が生じる。また、書込みトランジスタ23のチャネル−ゲート電極間に寄生容量が形成されるタイミングが早いと、それ以降の書込みパルスWSの立上がり波形がなまり、その分だけ信号電圧Vsigの書込みが遅くなる。
すると、図4の信号書込み&移動度補正期間での駆動トランジスタ22のゲート電位Vgの立上げ速度に、走査線31−wと走査線31−bとの間で差が生じる。具体的には、黒を表示する領域の走査線31−bの方が、白のみを表示する領域の走査線31−wよりも駆動トランジスタ22のゲート電位Vgの立上げ速度が遅くなる。その結果、同じ値の信号電圧Vsigを書き込んだとしても、その書き込んだ電圧に白のみを表示する領域と黒を表示する領域とで差が生じるために両領域間で白表示部分に輝度差が生じてしまう。
より具体的には、白のみを表示する領域と、黒ウインドの左右両側の白を表示する領域とにおいて、信号電圧Vsigとして同じ白レベルを書き込んだとしても、その書き込んだ白レベルに差が生じるために、同じ白表示でも輝度差が生じる。この輝度差は、図15の表示画像にあっては、黒ウインドの左右両側(図15の網掛け部分)に発生する横クロストークとして視認される。
特に、本実施形態に係る有機EL表示装置10の場合のように、駆動トランジスタ22と書込みトランジスタ23との2つのトランジスタからなる画素構成の有機EL表示装置では、信号電圧Vsigの書込み処理と移動度補正処理とを並行して行う構成を採っていることから、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgの立上げ速度に、走査線31−wと走査線31−bとの間で差が生じることによって移動度補正処理にも差が生じることになる。
具体的には、黒を表示する領域の走査線31−bの方が、白のみを表示する領域の走査線31−wよりも、書込みトランジスタ23のチャネル−ゲート電極間に寄生容量が形成されるタイミングが早く、書込みパルスWSの立上がり波形がなまることにより、移動度補正の補正時間tが短くなる、即ち駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)をゲート電極側に負帰還させる時間が短くなるために、同じ白レベルを書き込んだとしても輝度が高くなる(明るくなる)。その結果、移動度補正処理に伴う表示品質(画品位)の改善効果が十分に得られないことになる。
上述した観点から、本実施形態では、図12に示すように、電源供給部83で生成された電源電位Vddwsを、当該電源供給部83から出力回路43の最終段のバッファ432に、その正側の電源電位として供給する電源供給ライン86に容量素子87を付加する構成を採っている。
ここで、容量素子87の容量値をC_Vddαとすると、電源供給ライン86がフローティング状態にあるときに、当該電源供給ライン86がバッファ432のPchトランジスタを介して走査線31−iと接続され、容量素子87(C_Vddα)と電源供給ライン86の寄生容量C_VddLと走査線31−iの寄生容量C_WSLとの電荷分配によって起きる容量カップリング後の電源電位Vddwsと走査線31−iの電位WSLとは、次式(5)で与えられる値となる。
Vddws=WSL
={WSHigh×(C_VddL+C_Vddα)+WSLow ×C_WSL}
/(C_VddL+C_Vddα+C_WSL)
……(5)
上記の式(5)から明らかなように、電源供給ライン86に容量素子87を付加することにより、電源供給ライン86がバッファ432のPchトランジスタを介して走査線31−iと接続されるときの容量カップリングによって生じる電源電位Vddwsの低下を、電源供給ライン86に容量素子87を付加しない場合よりも小さくすることができる。そして、容量素子87の容量値C_Vddαが大きければ大きいほど、電源電位Vddwsの低下を小さく抑えることができる。
より具体的には、容量素子87の容量値C_Vddαが電源供給ライン86の寄生容量C_VddLや走査線31−iの寄生容量C_WSLに比べて十分に大きい場合、上記の式(5)から明らかなように、走査線31−iの寄生容量C_WSLを無視することができるために、容量カップリング後の電源電位Vddws(走査線31−iの電位WSL)を本来の電源電位SWHighにほぼ等しく設定できる。
その結果、図15に示す黒ウインドの表示画像を出力するような場合を例に挙げると、白のみを表示する領域の走査線31−wと、黒を表示する領域の走査線31−bとの間で、先述した理由により走査線31の寄生容量C_WSLに差が生じても、走査線31の電位WSL、即ち書込みパルスWSの波高値に差が生じないために、白のみを表示する領域と黒を表示する領域とで白表示部分に輝度差は生じない。その結果、各表示パターンにおいて輝度ばらつきが発生せず、移動度補正処理に伴う表示品質(画品位)の改善効果を十分に得ることができるために、良好な画質の表示画像を得ることができる。
なお、上記構成の書込み走査回路40において、電源供給部83の回路構成は一例であり、電源供給部83としてはこの回路構成に限定されるものではなく、映像信号の信号電圧Vsigに対して反比例するような立下がり波形を持つ書込みパルスWSを生成するために、当該立下がり波形で立ち下がる電源電位WSHighを最終段のバッファ432にその正側の電源電位Vddwsとして供給できるものであればその構成は問わない。
具体的には、電源供給部83の他の回路構成として、MOSトランジスタ835の代わりに、抵抗素子とスイッチ素子とを直列に接続した構成のものや、オン抵抗が異なる複数のMOSトランジスタを並列に接続し、複数のMOSトランジスタを適宜導通させることによって所望の立下がり波形を得る構成のものや、抵抗値の異なる複数の抵抗素子と複数のスイッチ素子との複数の直列接続回路を並列に接続し、複数のスイッチ素子を適宜オンさせることによって所望の立下がり波形を得る構成のものなどが考えられる。
続いて、電源供給ライン86に容量素子87を付加する具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
図16は、電源供給ライン86に容量素子87を付加する実施例1に係る電源供給部83の構成例を示す回路図であり、図中、図12と同等部分には同一符号を付して示している。
実施例1では、図11に示すように、例えば電源供給部83を制御基板80上に設ける場合において、当該電源供給部83に電源供給ライン86と電気的に接続された容量端子838を設けて、当該容量端子838と基準電位ノード、例えばグランドとの間に容量素子87を接続する構成を採っている。
このように、電源供給部83に対して容量素子87を外付けにすることで、当該容量素子87の容量値C_Vddαを自由に選択することでき、しかも、その容量値C_Vddαとして電源供給ライン86の寄生容量C_VddLや走査線31−iの寄生容量C_WSLに比べて十分に大きい値を選択することで、容量カップリング後の電源電位Vddws(走査線31−iの電位WSL)の最小限に抑え、理想的には電源電位SWHighに設定できる。
なお、ここでは、電源供給部83に対して容量素子87を外付けにするとしたが、電源供給部83の内部に容量素子87を設ける構成を採ることも可能である。
(実施例2)
図17は、電源供給ライン86に容量素子87を付加する実施例2に係る書込み走査回路40の要部の構成を示す平面パターン図である。
図17において、書込み走査回路40の形成領域には、各走査段の最終段のバッファ432(図11参照)に、その正側の電源電位として電源供給部83で生成された電源電位Vddwsを供給すべく、電源供給ライン86がアルミニウム(Al)等からなる金属配線87によって走査線31−1〜31−mの配列方向(書込み走査回路40の走査方向)に沿って形成されている。
この電源供給ライン86の金属配線87に対して、絶縁層(図示せず)モリブデン(Mo)等からなる金属配線88を対向して形成することで、金属配線87と金属配線88との間に容量成分を形成することができ、当該容量成分が電源供給ライン86に付加する容量素子87となる。このとき、容量素子87の容量値C_Vddαは、金属配線87と金属配線88との対向面積Sと両配線87,88間の間隔dによって決まる。したがって、電源供給ライン86の金属配線87を太くすることによって対向面積Sを広くしたり、両配線87,88間の間隔dを狭くしたりすることで容量素子87の容量値C_Vddαを自由に設定することができる。
このように、電源供給ライン86の金属配線87とこれに対向する金属配線88との間に形成される容量成分を源供給ライン86に付加する容量素子87として用いるようにすることで、当該容量素子87を表示パネル70にあらかじめ作り込むことができるため、制御基板80上において電源供給部83に対して容量素子87を外付けしたりする作業が不要になる。
また、電源供給ライン86の金属配線87を、電気的に接続された2枚の金属配線88A,88Bで挟み込む構造を採ることも可能である。この構造を採ることにより、電源供給ライン86の金属配線87と金属配線88A,88Bとの対向面積Sを金属配線88が1枚の場合の2倍にすることができるために、容量素子87の容量値C_Vddαをより大きく設定することができる。
[変形例]
上記実施形態では、画素20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではなく、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子を用いた表示装置全般に対して適用可能である。
[適用例]
以上説明した本発明による表示装置は、一例として、図18〜図22に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
このように、あらゆる分野の電子機器の表示装置として本発明による表示装置を用いることにより、先述した実施形態の説明から明らかなように、本発明による表示装置は、各表示パターンにおいて輝度ばらつきが発生せず、移動度補正処理に伴う表示品質の改善効果を十分に得ることができるために、各種の電子機器において、良好な画質の画像表示を行うことができる。
なお、本発明による表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部30に透明なガラス等の対向部に貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。尚、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
以下に、本発明が適用される電子機器の具体例について説明する。
図18は、本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明による表示装置を用いることにより作成される。
図19は、本発明が適用されるデジタルカメラを示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図20は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図21は、本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図22は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す斜視図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
10…有機EL表示装置、20…画素(画素回路)、21…有機EL素子、22…駆動トランジスタ、23…書込みトランジスタ、24…保持容量、30…画素アレイ部、31(31−1〜31−m)…走査線、32(32−1〜32−m)…電源供給線、33(33−1〜33−n)…信号線、34…共通電源供給線、40…書込み走査回路、41…シフトレジスタ、42…レベル変換回路、43…出力回路、50…電源供給走査回路、60…信号出力回路、70…表示パネル、80…制御基板、81…タイミング発生部、82…電源部、83…電源供給部、90…フレキシブルケーブル