JP2009143079A - 中空成形体、その成形装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】合成樹脂の成形ロスが少なく、ピンチオフ部や有底部分に発生するシワが殆どなく、機械的強度及び耐久性に優れ、容器として広く利用できる中空成形体の成形装置を提供する。
【解決手段】ダイのパリソン押出し出口に隣接し且つパリソン押出し方向に並べて複数のパリソン絞り部材を配設し、複数のパリソン絞り部材の開口を開いてパリソンを押し出し、複数の絞り部材の絞り径がパリソン押出し方向に向かって順次に小さくなるように、複数のパリソン絞り部材の絞り径を制御して、パリソンの底部を成形する。
【選択図】図1
【解決手段】ダイのパリソン押出し出口に隣接し且つパリソン押出し方向に並べて複数のパリソン絞り部材を配設し、複数のパリソン絞り部材の開口を開いてパリソンを押し出し、複数の絞り部材の絞り径がパリソン押出し方向に向かって順次に小さくなるように、複数のパリソン絞り部材の絞り径を制御して、パリソンの底部を成形する。
【選択図】図1
Description
本発明は、有底中空成形品を成形する中空成形体、その成形装置及び方法に関し、詳しくは、溶融したパリソンをダイ及びコアによって形成される環状間隙から押し出して有底中空成形体を成形する成形技術に関する。
従来、合成樹脂からなる成形品が中空成形技術を利用して成形されている。成形品は、一般に容器として構成され、蓋体を取り付ける開口部と、開口部から延長する容器本体とを有する。このような成形品は、ダイレクトブローによって成形される。例えば、中空成形機のクロスヘッドによって溶融樹脂を押し出して筒状のパリソンを成形し、所定長さのパリソンを金型内に導き、対になった金型でパリソンの下端部を挟んでピンチ部を形成し、更にこのピンチ部でパリソンを挟みながら切断することで、容器の底が形成される。次いで、パリソン内部に上部から空気を送ることにより、パリソンが膨張して所望の形状の容器本体となる。
上記従来の中空成形技術では、パリソンの下端部を挟み潰すことでパリソンのピンチ部を形成することから、ピンチ部の形状が美観を損ね、或いは、所望の形状が得られない例があった。更に、ピンチ部は、一旦押し出されたパリソンが一定時間空気中を移動した後に強制的に融着される部位であるため、他の部分よりも機械的強度が低下することもあった。特に、ピンチ部で容器外側にバリが発生すると、製品として出荷できず、製品の歩留まりを低下させる問題となっていた。
上記の問題点を解消するため、従来から中空成形体におけるピンチ部をできるだけ小さくし、或いは、なくする試みが行なわれている。例えば、特許文献1には、押出し方向に移動可能な内底型及び外底型を設けた吹込成型装置が提案されている。この吹込成型装置では、押出し機により可塑化されて押し出された可塑材料を、環状間隙を経由して内底型と外底型との間の型窩内に導き、この型窩内でパリソン底部を形成する。しかしながら、この従来技術では、環状間隙を形成するダイとは別に内底型及び外底型を設けるため装置構造が複雑となり、また、成形操作の手順が煩雑化するという問題がある。
特許文献2には、円錐状の間隙を介して押し出されたパリソンの根元に、圧縮空気を吹きつけてパリソンを切断する中空成型方法が記載されている。この技術では、そのパリソン切断と同時に圧縮空気によって次のパリソンの底部を形成し、次いで先に形成された有底パリソン中に圧縮空気を吹き入れて吹込成形を行う。しかし、この技術では、空気吹込み装置の構造が複雑となり、成形操作の手順も複雑になるという問題がある。
特許文献3には、上下動が可能な底部ダイによって内層となる有底パリソンの底部を成形し、ついでこの底部に連続して本体部を押し出し、圧縮空気を内部に吹き込んで膨張させ、この膨張した有底パリソンを外側のパリソンに圧着させる多層中空成形品の製造方法が提案されている。しかしながら、この技術では、上下動が可能な底部ダイを設ける必要があり、装置構造が複雑となり、また、成形操作の手順も複雑になるという問題がある。
特許文献4には、熱可塑性材料を管形に押出し成形し、材料がまだ高温で可塑化された溶融状態にある間に、その管を予定の間隔で絞って外径を縮小させる成型方法が提案されている。この技術では、管外径の縮小とともに、管の内面を接合し、管の周りの吹込み成形型を閉じて、管を成形製品に膨張させる。しかしながら、この技術では、パリソンの外径が絞られるためピンチオフ部はある程度は小さくできるものの、実質的になくする状態には至らない。
特許文献5には、パリソンの周囲に設置した5枚の刃型が同時に作動して、ダイから押し出されたパリソンを圧融着してピンチオフ部を形成する絞り機構を有する中空成形体の成形装置が提案されている。しかしながら、この技術でも、パリソンの切断に際してピンチオフ部の発生は避けられず、絞られた部分にシワが発生するなどの問題がある。
特許文献6には、パリソンをそのダイ出口より押出方向に延長された位置において切断する操作と、切断された後続パリソンの端部を、パリソン抑え工具によって周方向から抑えることによって、パリソンの切断部付近を絞ることでパリソン底部を形成する成型方法が提案されている。しかしながら、この技術でも、パリソンの切断によるピンチオフ部の発生は避けられず、絞られた部分にシワが発生するなどの問題がある。
特許文献7には、中空成形機から押し出されたパリソンを引き伸ばして小径部を形成した後に、この小径部を切断及び密着させてピンチオフ部を形成する有底パリソンの成形方法が記載されている。しかしながら、この技術でも、パリソンの切断によるピンチオフ部の発生は避けられず、絞られた部分にシワが発生するなどの問題がある。
本発明は、上記従来技術における問題点を解決し、ピンチオフ部が殆ど形成されず、このため、有底部分に発生するシワが小さく、且つ、機械的強度及び耐久性に優れ、容器等の分野で広く利用できる有底中空成形体を形成できる中空成形体の成形装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の成形装置及び成形方法を採用することにより、前記従来技術における問題を解決する中空成形体の成型方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、第1の態様において、ダイ及びコアによって形成される環状間隙からパリソンを押し出して成形体を形成する中空成形体の成形装置において、
前記ダイのパリソン押出し出口に隣接し且つパリソン押出し方向に相互に並んで配設される複数のパリソン絞り部材と、
前記パリソン絞り部材の絞り径をそれぞれ制御する制御装置とを備えたことを特徴とする中空成形体の成形装置を提供する。
前記ダイのパリソン押出し出口に隣接し且つパリソン押出し方向に相互に並んで配設される複数のパリソン絞り部材と、
前記パリソン絞り部材の絞り径をそれぞれ制御する制御装置とを備えたことを特徴とする中空成形体の成形装置を提供する。
本発明は、第2の態様において、ダイ及びコアによって形成される環状間隙からパリソンを押し出して成形体を形成する中空成形体の成形方法において、
前記ダイのパリソン押出し出口に隣接し且つパリソン押出し方向に複数のパリソン絞り部材を並べて配設し、
前記複数のパリソン絞り部材の開口を開いてパリソンを押し出し、
前記複数の絞り部材の絞り径がパリソン押出し方向に向かって順次に小さくなるように、前記複数のパリソン絞り部材の絞り径を制御して、パリソンの底部を成形することを特徴とする中空成形体の成形方法を提供する。
前記ダイのパリソン押出し出口に隣接し且つパリソン押出し方向に複数のパリソン絞り部材を並べて配設し、
前記複数のパリソン絞り部材の開口を開いてパリソンを押し出し、
前記複数の絞り部材の絞り径がパリソン押出し方向に向かって順次に小さくなるように、前記複数のパリソン絞り部材の絞り径を制御して、パリソンの底部を成形することを特徴とする中空成形体の成形方法を提供する。
本発明の中空成形体の成形装置の好ましい態様では、前記複数のパリソン絞り部材うち前記ダイから最も遠いパリソン絞り部材は、絞り径が実質的にゼロとなるように制御されてパリソンを切断するパリソン切断手段を構成する。
また、前記複数のパリソン絞り部材が、前記パリソン切断手段を構成するパリソン絞り部材を除き、それぞれの絞り開口がパリソン押出し方向に向かって狭くなるテーパ形状を有することも本発明の中空成形体の成形装置の好ましい態様である。
更に、前記複数のパリソン絞り部材は、少なくともパリソン押出し段階では、前記ダイの内径とほぼ同じ絞り径となるように制御されることも本発明の中空成形体の成形装置の好ましい態様である。
更に、前記コアが、パリソンの押出し方向に移動可能であり、該コアの位置制御によってパリソンの厚みが制御されることも本発明の中空成形体の成形装置の好ましい態様である。
更に、前記ダイと、前記パリソン切断手段を含むパリソン絞り部材とが密封構造を形成するように配置されることも本発明の中空成形体の成形装置の好ましい態様である。
更に、前記ダイ、及び、前記パリソン絞り部材が、成形材料の溶融温度以上に設定されることも本発明の中空成形体の成形装置の好ましい態様である。
更に、本発明の中空成形体は、本発明の成形装置及び成型方法によって成型される。
本発明の中空成形体の成形装置及び方法によれば、ピンチオフ部がほとんどなく、有底部分に発生するシワが小さいため、成形ロスが少なく、製品歩留まりが向上でき、且つ、機械的強度及び耐久性に優れ、容器等の分野で広く利用できる中空成形体を得ることができる。
以下、図面を参照し本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る中空成形体の成形装置の断面図である。成形装置は、水平方向に移動して組み合わされて内部に空間を形成する一対の半型から成るダイ11と、垂直方向に移動可能であり、ダイ11の内部空間に収容された位置でダイ11との間で環状間隙23を形成する移動式コア16と、ダイ11のパリソン押出し出口に隣接しパリソンの押出し方向に並んで配設される複数のパリソン絞り部材12、13とを有する。
パリソン絞り部材12、13は、特許文献5の第1図及び第2図に開示されているような、カメラのレンズシャッター等の絞り機構に類似した構造、或いは、特許文献6の第2図〜第8図に開示されているような、ピンやカム溝を有しパリソンを抑える工具に類似した構造を有する。パリソン絞り部材は、用途に応じて、ダイから連続して配置されてパリソンの外径を段階的に縮小させる複数のパリソン径調節手段12と、パリソン径調節手段12に隣接して配設され、パリソン径調節手段12によって外径が縮小されたパリソンを切断するパリソン切断手段(パリソン切断シャッター)13とから構成される。
ダイ11は、双方の半型が組み合わされた状態で、上方が開放した略容器の形状を有する。ダイ11の内部空間は、上部の円筒状空間と、この円筒状空間から下方に続く略円錐台上の空間とから成る。移動式コア16は、ダイ11の内部空間に適合した外形形状を有し、上下方向の移動においてその最下点に達したときに、ダイ11との間に形成される環状空間23の幅が最も小さくなる構造を有する。また、その最下点において、移動式コア16の下端部が複数のパリソン径調節手段12によって形成される内部空間にまで達する。移動式コア16の内部には、その中央部に垂直方向に延びる空気孔22が形成されており、空気孔22からはブロー成型のための圧縮空気が導入される。
各パリソン径調節手段12は、パリソンの外側からパリソンの中心方向に向けて、パリソンの外面に接触して応力を加えることにより、パリソン径を縮小させる機能を有する。各パリソン径調節手段12は、パリソン切断シャッター13と比較して大きな厚みを有する。パリソン径調節手段12は、その絞り径が最も小さなときにも各パリソン径調節手段によって定まる開口径を有する。各パリソン径調節手段12は、全てのパリソン径調節手段12の絞り径が最小の状態において、ダイ11に形成された内部空間と、全てのパリソン径調節手段12に形成された内部空間とが、連続した円錐台形状になるように、その形状が定められる。
パリソン径調節手段12は、図示しない制御装置によって、その絞り径が制御される。絞り径の最小の状態は、各パリソン径調節手段12自体の形状によって得られ、或いは、ストッパなどによって調節して得られる。更には、制御装置によって絞り径を制限してもよい。パリソン外径の調節は、パリソン径調節手段12及びパリソン切断シャッター13を含むパリソン絞り部材の絞り速度を、パリソンの押出し速度に合わせて適宜調節することにより行う。パリソン径調節手段12及びパリソン切断シャッター13の絞り径が最大の状態において、その絞り径は、ダイ11のパリソン押出し出口の径にほぼ一致する。
パリソン切断シャッター13は、パリソン径調節手段12の押出し方向外側の位置に、パリソン径調節手段12に隣接して配置される。図1に示す状態は、パリソン切断シャッター13が閉じた状態にあり、パリソン切断シャッター13の上部に底部間隙14が形成されている。この底部間隙14内に、溶融した合成樹脂を充満させることにより、パリソンの底部が形成される。
パリソン切断シャッター13は、パリソンの外側からパリソンの中心方向に向けて、パリソンの外面から接触して応力を加えることにより、パリソン径を縮小させ、パリソンを切断する機能を有する。この目的のために、パリソン切断シャッター13は、パリソン径調節手段12とほぼ同様な平面形状を有し、且つ、パリソン径調節手段12よりも幾らか薄い形状を有する。パリソン切断シャッター13は、その絞り径が最小の状態において、パリソンを切断するまで閉じてしまう必要がある。
パリソン切断シャッター13が完全に閉じた状態に調節されると、パリソン切断シャッター13は、パリソン径調節手段12及び移動式コア16との間に底部間隙14を形成する。この底部間隙14内に、溶融した合成樹脂を充満させることにより、パリソンの底部が形成される。この底部形成のために、複数のパリソン径調節手段12の絞り径は、パリソン収容のための環状間隙23の外径が押出し方向に向かって順次に小さくなるように制御される。
環状間隙23及び底部間隙14内に形成された有底パリソンは、パリソン絞り部材12、13を含むダイ11の内部から押し出された後に、パリソン切断シャッター13により縮径・切断・分離される。パリソン径調節手段12及びパリソン切断シャッター13の開閉速度を、パリソン押出し速度に合わせて適宜調節することにより、所望の形状を得ることができる。
図2〜図5は、上記実施形態の中空成形体の成形装置を用いて成形体を成形する工程を順次に示している。図2において、ダイ11は、双方の半型が閉じた状態であり、移動式コア16は最下端に位置している。各パリソン径調節手段12は、最も絞り径が縮小した状態にある。つまり、パリソン径調節手段12a、パリソン径調節手段12b、及び、パリソン径調節手段12cは、パリソン押出方向に向かって、順次にパリソン収容部の径が小さくなるように、それぞれの絞り径が調節されている。また、パリソン切断シャッター13は閉じた状態である。この状態で、溶融した合成樹脂が環状間隙23及び底部間隙14の内部に充満しており、環状間隙23及び底部間隙14内に有底パリソン15が形成されている。
図3に示すように、有底パリソン15が形成された状態で、パリソン切断シャッター13及びパリソン径調節手段12を開いて、圧縮空気を利用して有底パリソン15を外側に押し出す。このとき、パリソン切断シャッター13及びパリソン径調節手段12は、ダイ出口の環状間隙23の外径とほぼ等しい径に調節され、有底パリソン15を押出し方向に連続的に押し出すことができる。図4に示すように、有底パリソン15は、ダイ出口の環状間隙23の外径とほぼ等しい径で連続的に押し出される。
有底パリソン15の押出し長さが所望の容器深さに達すると、図5に示すように、パリソン径調節手段12及びパリソン切断シャッター13の絞り径を制御して、有底パリソン15の上部径を絞り始める。各パリソン径調節手段12の絞り径は、内部に形成されるパリソン収容空間の径がパリソンの押出し方向に向かって順次に小さくなるように調節される。更に、パリソン切断シャッター13の絞り径も制御される。このとき、パリソン径調節手段12及びパリソン切断シャッター13の開口がゆっくりと絞られるように、その絞り速度を小さくし、最終的に、図2と同じ形状になるようにそれらの絞り径を最小とする。パリソンは、絞り径がゼロなったパリソン切断シャッター13によって切り離され、容器形状を有する有底パリソンに形成される。得られた有底パリソンは、一般には、次工程で所望の形状を有する金型内に収容されて、内部に空気が導入されて賦形される。
図2から開始される次の有底パリソンの成形工程では、先の有底パリソンの成形工程と同様に、図2〜図5までの状態が逐次実行される。図2〜図5の工程を繰り返すことにより、連続的に有底パリソンが成形される。
上記実施形態では、移動式コア16を押出し方向に前進又は後退させることにより、ダイ11と移動式コア16との間に形成された環状間隙23の間隔を調節する。これによって、パリソンの肉厚を調整しつつ、個々の有底パリソンを形成できる。パリソンの肉厚制御は、中空成形における最も重要な要素の1つであり、最終成形品に必要な形状に合わせて、パリソン肉厚を適宜調整することにより、所望の容器製品を得ることができる。移動式コア16の位置制御にあたっては、パリソン底部の肉厚が不均一にならないように調整することが好ましい。
ダイ11と、複数のパリソン径調節手段12と、パリソン切断シャッター13とは、密封構造となるように配置される。密封構造を採用することにより、所望の形状の付加が容易となる。密封構造とするためには、ダイ11とパリソン径調節手段12との間、パリソン径調節手段12の相互間、パリソン径調節手段12とパリソン切断シャッター13との間の接触を良好にし、且つ、必要に応じてシールオイルや、シールグリース等を使用する。
ダイ11と、複数のパリソン径調節手段12と、パリソン切断シャッター13とは、成形材料の溶融温度以上に設定する。溶融温度以下では、得られる有底パリソンの肉厚にむらが生じるおそれがある。
図6は、図1の成形装置を、パリソン絞り部材12、13や移動コアの動作を制御する制御装置18と共に示す。ダイ11、パリソン径調節手段12及びパリソン切断シャッター13は、制御装置18で制御された駆動機構17によって、相互間の連動をとって制御される。このように、ダイ11、パリソン径調節手段12及びパリソン切断シャッター13を、連動して駆動することにより、繰り返して行われる一連の工程を、効率的に無駄なく進行させることができる。駆動機構17による駆動方式や制御装置18による制御方式は、所望の制御を行う限り、いかなる方式も採用可能であり、目的とする製品等に合わせて適宜選択できる。
駆動機構17による駆動や、制御装置18による制御の好ましい態様としては、以下の態様が挙げられる。まず、パリソン押出し時においては、パリソン径調節手段12及びパリソン切断シャッター13の開口部の径は、ダイ径(ダイ出口の環状間隙23の外径)と同じかまたはそれ以上の径とする。通常は、パリソンがダイ11を出た直後には、スウェルによってパリソン径がダイ11の径以上となるため、パリソン径調節手段12の径は、ダイ11の径よりも十分に大きい値、例えば3倍以上の径とする。移動式コア16は、製品厚さを制御する目的で、必要に応じて上下するように制御する。
パリソン底部の形成、及び、これに続くパリソンの切断時には、パリソン径調節手段12の絞り径は、経時的に徐々に小さくする。好ましくは、複数のパリソン径調節手段12の絞り径は、ダイ11に近い位置のものほど大きい状態を常に保持するように、連続的にその径を小さくする。また、パリソン径調節手段12の絞り径を小さくするのに伴い、ダイ11内の移動式コア16を移動させてパリソンの肉厚を調整する。これによって、パリソン底部にしわが発生することを防止する。特に、必要に応じてスクリュー回転数などを調整して、樹脂材料の押出量を少なくすることで、垂直押出し時のパリソン肉厚よりも底部の肉厚が薄くなるように調節する。底部とその他(胴部)との肉厚バランスの調整は、膨らませた後の製品の肉厚分布を見ながら調整可能である。
溶融した合成樹脂をダイより押し出して筒状のパリソンとし、その後このパリソンをモールド内に配置し、パリソン内に流体を吹き込んで中空成形体を成形する成形方法は、一般にブロー成形と呼ばれる。本実施形態では、ダイのパリソン出口外側に底部間隙を形成し、その底部間隙を含む環状間隙に溶融した合成樹脂を存在又は充満させることにより、ピンチオフ部のない有底パリソンを形成することができる。この工程で得られた有底パリソンを、成形金型内に位置させ、通常の方法によりパリソン内に流体を吹き込むことにより、中空成形体とすることができる。このような方法を採用することにより、有底パリソンを形成する際に従来は生じていた、パリソンを”食い切る”ことによって生じるピンチオフ部を形成することがない。
パリソン底部の成形が完了した後においては、パリソン径調節手段12の下端に隣接するパリソン切断シャッター13が完全に閉じているため、直ちにパリソンを切断することができる。パリソン切断シャッター13の厚みを小さくすることにより、ピンチオフ部の発生が更に効果的に防止できる。また、パリソンの切断は、パリソンが十分に熱い溶融状態で行われるため、ブロー成形の金型内で有底パリソンに圧縮空気が吹き込まれて賦型されるまでには十分に融着し、欠陥部の強度はその他の部位と同等の強度が得られるまでになる。
本発明の成形装置は、成形材料が熱可塑性材料であればいずれの材料も使用可能であるが、ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の合成樹脂に特に好適に適用可能である。ポリエチレンとしては、具体的には、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセン等の炭素数2〜18程度の他のα−オレフィン等との二元或いは三元の共重合体等、具体的には、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等のエチレン系樹脂が挙げられ、これらのエチレン系重合体は2種以上が併用されていてもよい。
また、改質を目的とする場合には、ジエンとの共重合も可能である。このとき使用されるジエン化合物の例としては、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等を挙げることができる。なお、重合の際のコモノマー含有率は、任意に選択することができるが、例えば、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合の場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含有量は0〜40モル%、好ましくは0〜30モル%である。
上記エチレン系重合体は、分子量が重量平均分子量で2,000〜500,000であるのが通常であり、更には5,000〜200,000、また更には10,000〜100,000であるものが使用可能である。
エチレン系重合体の重合触媒は、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の各種触媒が用いられる。重合触媒は、水素がオレフィン重合の連鎖移動作用を示すような触媒であればいずれも使用することができる。具体的には、固体触媒成分と有機金属化合物とからなり、水素がオレフィン重合の連鎖移動作用を示すようなスラリー法オレフィン重合に適する触媒であればいずれも使用することができる。
上記固体触媒成分としては、遷移金属化合物を含有するオレフィン重合用の固体触媒として用いられるものであれば特に制限はない。遷移金属化合物としては、周期表第4族〜第10族、好ましくは第4族〜第6族の元素の化合物を使用することができ、具体例としては、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mo等の化合物が挙げられる。
また、前記のエチレン系重合体の重合触媒として用いることができるメタロセン触媒とは、活性点が比較的単一な、いわゆるシングルサイト触媒と呼ばれる種類の触媒であり、代表的なものとして、遷移金属のメタロセン錯体、例えばジルコニウムやチタンのビスシクロペンタジエニル錯体に助触媒としてのメチルアルミノキサン等を反応させて得られる触媒が挙げられ、各種の錯体、助触媒、担体等を種々組み合わせた均一又は不均一触媒である。
メタロセン触媒としては、例えば、特開昭58−19309号、同59−95292号、同59−23011号、同60−35006号、同60−35007号、同60−35008号、同60−35009号、同61−130314号、特開平3−163088号公報等で公知であるものが挙げられる。
前記のポリエチレンは、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法などの製造プロセスにより製造することができる。エチレン系重合体の重合条件のうち重合温度としては、0〜300℃の範囲から選択することができる。重合圧力は、大気圧〜約100kg/cm2の範囲から選択することができる。実質的に酸素、水等を断った状態で、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等から選ばれる不活性炭化水素溶媒の存在下でエチレン及びα−オレフィンの重合を行うことにより製造することができる。
上記重合において、重合器に供給される水素は、連鎖移動剤として消費され、生成するエチレン系重合体の平均分子量を決定するほか、一部は溶媒に溶解して重合器から排出される。溶媒中への水素の溶解度は、小さく、重合器内に大量の気相部が存在しない限り、触媒の重合活性点付近の水素濃度は低い。そのため、水素供給量を変化させれば、触媒の重合活性点における水素濃度が速やかに変化し、生成するエチレン系重合体の分子量は、短時間の間に水素供給量に追随して変化する。従って、短い周期で水素供給量を変化させれば、より均質な製品を製造することができる。また、水素供給量の変化の態様は、連続的に変化させるよりも不連続的に変化させる方が、分子量分布を広げる効果が得られる。
また、本発明に係るエチレン系重合体においては、水素供給量を変化させることが重要であるが、その他の重合条件、例えば重合温度、触媒供給量、エチレンなどのオレフィンの供給量、1−ブテンなどのコモノマーの供給量、溶媒の供給量等を、適宜に水素の変化と同時に又は別個に変化させることも重要である。
上記のポリエチレンは、常法に従い、ペレタイザーやホモジナイザー等による機械的な溶融混合によりペレット化した後、使用することができる。また、上記のポリエチレンには、常法に従い、他のオレフィン系重合体やゴム等のほか、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、加工助剤、着色顔料、パール顔料、光輝材、偏光パール顔料、架橋剤、発泡剤、中和剤、熱安定剤、結晶核剤、無機又は有機充填剤、難燃剤等の公知の添加剤を配合することができる。着色方法としてはベース樹脂に必要量添加したコンパウンドでも、高濃度添加したマスターバッチを後にブレンドしてもよい。
添加剤として、例えば酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系)、滑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を1種又は2種以上適宜併用することができる。他の充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、金属粉(アルミニウム、銅、鉄、鉛など)、珪石、珪藻土、アルミナ、石膏、アスベスト、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン等が使用可能である。いずれの場合でも、上記成形材料に、必要に応じ各種添加剤を配合し、混練押出機、バンバリーミキサー等にて混練し、成形用材料とすることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に制約されるものではない。
[実施例1]
使用合成樹脂:以下の密度及びメルトフローレートの高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製ノバテックHB432E)であって、密度(JIS K6922−1及び2:1997に準じて測定)が0.957g/cm3であり、温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(JIS K6922−2:1997に準拠して測定)が、28g/10分であるものを使用した。
中空成形機:タハラ社製TL5543(スクリュー径55mm、L/D24、圧縮比3.0)、ダイ径20.0mm(コア径18.0mm)の押出中空成形機。
ダイ及びコアの形状:コンバージェント型(図1と同タイプ)。
環状間隙を形成するダイの出口の外径:20mm。
環状間隙を形成するダイの出口の内径:18mm(成形品形状に合わせて適宜調整可能)。
ダイの出口の環状間隙の間隔(押出し時のパリソン厚み):0.2〜10mm(成形品形状に合わせて適宜調整可能)。
樹脂押出し圧力:8〜30MPa。
パリソン径調節手段の形状:特許文献5の第1図及び第2図に開示されている写真機のレンズシャッターの絞り機構に類似の構造。
パリソン径調節手段の厚み:4mm。
パリソン径調節手段の使用組数:8組。
パリソン切断シャッターの形状:特許文献5の第1図及び第2図に開示されている写真機のレンズシャッターの絞り機構に類似する構造。
パリソン切断シャッターの厚み:3.5mm。
中空成形金型の形状:外径80mmの円筒状丸型ボトル。
中空成形金型の容量:500ml。
上記の条件で、中空成形体を50個、連続的に製造した。
このときの成形サイクルは10秒/個であった。
使用合成樹脂:以下の密度及びメルトフローレートの高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製ノバテックHB432E)であって、密度(JIS K6922−1及び2:1997に準じて測定)が0.957g/cm3であり、温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(JIS K6922−2:1997に準拠して測定)が、28g/10分であるものを使用した。
中空成形機:タハラ社製TL5543(スクリュー径55mm、L/D24、圧縮比3.0)、ダイ径20.0mm(コア径18.0mm)の押出中空成形機。
ダイ及びコアの形状:コンバージェント型(図1と同タイプ)。
環状間隙を形成するダイの出口の外径:20mm。
環状間隙を形成するダイの出口の内径:18mm(成形品形状に合わせて適宜調整可能)。
ダイの出口の環状間隙の間隔(押出し時のパリソン厚み):0.2〜10mm(成形品形状に合わせて適宜調整可能)。
樹脂押出し圧力:8〜30MPa。
パリソン径調節手段の形状:特許文献5の第1図及び第2図に開示されている写真機のレンズシャッターの絞り機構に類似の構造。
パリソン径調節手段の厚み:4mm。
パリソン径調節手段の使用組数:8組。
パリソン切断シャッターの形状:特許文献5の第1図及び第2図に開示されている写真機のレンズシャッターの絞り機構に類似する構造。
パリソン切断シャッターの厚み:3.5mm。
中空成形金型の形状:外径80mmの円筒状丸型ボトル。
中空成形金型の容量:500ml。
上記の条件で、中空成形体を50個、連続的に製造した。
このときの成形サイクルは10秒/個であった。
得られた中空成形体を図7に示す。中空成形体19はボトル形状を有し、特にボトル底部の状態に着目した。得られた中空成形体について、以下の項目の評価を行った。その結果を表1に示した。
ボトル重量は、最小値が29.8g、最大値が30.0gであった。
樹脂不良率は一切発生せず、樹脂不良率0%であった。
ボトル底樹脂融着部20には不良がなく、50本いずれも良好であった。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.75mm、最大厚みの平均値は1.33mmであった。最小厚みの最小値は0.72mm、最大厚みの最大値は1.40mmであり、50本の容器の厚み分布のばらつきは小さかった。
ボトル落下試験は、500mlの水を充填して密栓した容器を5℃にて2mの高さから落下試験を実施(ランダムに選んだ20本にて実施)したが、割れは発生しなかった。
ボトル重量は、最小値が29.8g、最大値が30.0gであった。
樹脂不良率は一切発生せず、樹脂不良率0%であった。
ボトル底樹脂融着部20には不良がなく、50本いずれも良好であった。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.75mm、最大厚みの平均値は1.33mmであった。最小厚みの最小値は0.72mm、最大厚みの最大値は1.40mmであり、50本の容器の厚み分布のばらつきは小さかった。
ボトル落下試験は、500mlの水を充填して密栓した容器を5℃にて2mの高さから落下試験を実施(ランダムに選んだ20本にて実施)したが、割れは発生しなかった。
ボトルESCRは、落下試験に使用しなかった30本の容器のボトルESCRを測定した。その結果、ボトルESCRの平均値は500hr、最小値は420hrであった。割れは、いずれの容器もボトル底のコーナーノッチ部で発生した。なお、ボトルESCRの測定方法は、ASTM D−2561−95に準拠して行った。具体的には、ボトルに100mlの界面活性剤液(日本油脂製ノニオンNS210:33%溶液)を充填し、60℃の恒温槽内でボトルに34.5KPaの圧力を加え続け、ボトルに亀裂が発生するまでの時間を測定した。
[実施例2]
高密度ポリエチレンの代わりに、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製ノバテックLB240。密度が0.922g/cm3であり、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが0.6g/10分であるもの)を使用し、ボトルESCRの測定においてボトルに加えた圧力を11.5KPaとした以外は、実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示した。
高密度ポリエチレンの代わりに、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製ノバテックLB240。密度が0.922g/cm3であり、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレートが0.6g/10分であるもの)を使用し、ボトルESCRの測定においてボトルに加えた圧力を11.5KPaとした以外は、実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示した。
[実施例3]
ダイ11及びコア12を、コンバージェント型に代えてストレート型とした以外は、実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示した。ストレート型とは、図9に示すように、ダイ11の出口がストレートの形状のものをいう。
ダイ11及びコア12を、コンバージェント型に代えてストレート型とした以外は、実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示した。ストレート型とは、図9に示すように、ダイ11の出口がストレートの形状のものをいう。
[実施例4]
ダイ11及びコア12を、コンバージェント型に代えてダイバージェント型とした以外は、実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示した。ダイバージェント型とは、図10に示すように、ダイ11の出口が外側に向かって拡がる形状のものをいう。
ダイ11及びコア12を、コンバージェント型に代えてダイバージェント型とした以外は、実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示した。ダイバージェント型とは、図10に示すように、ダイ11の出口が外側に向かって拡がる形状のものをいう。
[比較例1](パリソン径調節手段なしの場合)
パリソン径調節手段を使用しない以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示した。
成形された容器(図8)のうち13本は口部の成形不良となったため、不良率は26%であった。口部成形不良は、パリソンに発生した絞り皺であった。
ボトル底樹脂融着部に、50本いずれにも絞りシワ21の痕跡が見られた。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.42mm、最大厚みの平均値は1.96mmであった。最小厚みの最小値は0.20mm、最大厚みの最大値は2.68mmであった。
ボトル落下試験の結果は、20本とも割れが発生した。容器の割れは、いずれもボトル底部の絞りシワの部分で発生した。
ボトルESCRは、平均値は28hr、最小値は1hrであった。割れは、いずれも絞りシワの部分で発生した。
パリソン径調節手段を使用しない以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示した。
成形された容器(図8)のうち13本は口部の成形不良となったため、不良率は26%であった。口部成形不良は、パリソンに発生した絞り皺であった。
ボトル底樹脂融着部に、50本いずれにも絞りシワ21の痕跡が見られた。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.42mm、最大厚みの平均値は1.96mmであった。最小厚みの最小値は0.20mm、最大厚みの最大値は2.68mmであった。
ボトル落下試験の結果は、20本とも割れが発生した。容器の割れは、いずれもボトル底部の絞りシワの部分で発生した。
ボトルESCRは、平均値は28hr、最小値は1hrであった。割れは、いずれも絞りシワの部分で発生した。
[比較例2]
パリソン径調節手段を1組のみ使用した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示した。
成形された容器のうち6本は口部の成形不良となったため、不良率は12%であった。口部成形不良の原因は、パリソンに発生した絞りシワであった。
ボトル底樹脂融着部に、50本いずれにも絞りシワの痕跡が見られた。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.50mm、最大厚みの平均値は1.67mmであった。最小厚みの最小値は0.32mm、最大厚みの最大値は1.82mmであり、肉厚のばらつきが大きい結果となった。
ボトル落下試験の結果は、20本のうち18本に割れが発生した。容器の割れは、いずれも絞り皺の部分で発生した。
ボトルESCRは、平均値は42hr、最小値は1hrであった。割れは、いずれも絞り皺の部分で発生した。
パリソン径調節手段を1組のみ使用した以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示した。
成形された容器のうち6本は口部の成形不良となったため、不良率は12%であった。口部成形不良の原因は、パリソンに発生した絞りシワであった。
ボトル底樹脂融着部に、50本いずれにも絞りシワの痕跡が見られた。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.50mm、最大厚みの平均値は1.67mmであった。最小厚みの最小値は0.32mm、最大厚みの最大値は1.82mmであり、肉厚のばらつきが大きい結果となった。
ボトル落下試験の結果は、20本のうち18本に割れが発生した。容器の割れは、いずれも絞り皺の部分で発生した。
ボトルESCRは、平均値は42hr、最小値は1hrであった。割れは、いずれも絞り皺の部分で発生した。
[比較例3]
パリソン径調節手段及びパリソン切断シャッターを使用せず、パリソンを有底としないまま押し出し、金型で挟み込むと同時に上部及び下部を金型の食い切り刃で切断して圧着することによりピンチオフ部を形成してボトルを成形した以外は実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示した。
バリが容器1本成形毎に底と口部に発生し、不良率は23%であった。
ボトル底樹脂融着部は、50本いずれも融着したが、ピンチオフ部はノッチ形状となった。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.62mm、最大厚みの平均値は2.93mmであった。最小厚みの最小値は0.60mm、最大厚みの最大値は3.18mmであった。
ボトル落下試験の結果は、20本のうち6本に割れが発生した。容器の割れは、いずれもピンチオフ部のノッチ形状部で発生した。
ボトルESCRの平均値は72hr、最小値は48hrであった。30本中27本はピンチオフ部で割れが発生し、その他の容器はボトル底のコーナーノッチ部で割れが発生した。
パリソン径調節手段及びパリソン切断シャッターを使用せず、パリソンを有底としないまま押し出し、金型で挟み込むと同時に上部及び下部を金型の食い切り刃で切断して圧着することによりピンチオフ部を形成してボトルを成形した以外は実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示した。
バリが容器1本成形毎に底と口部に発生し、不良率は23%であった。
ボトル底樹脂融着部は、50本いずれも融着したが、ピンチオフ部はノッチ形状となった。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.62mm、最大厚みの平均値は2.93mmであった。最小厚みの最小値は0.60mm、最大厚みの最大値は3.18mmであった。
ボトル落下試験の結果は、20本のうち6本に割れが発生した。容器の割れは、いずれもピンチオフ部のノッチ形状部で発生した。
ボトルESCRの平均値は72hr、最小値は48hrであった。30本中27本はピンチオフ部で割れが発生し、その他の容器はボトル底のコーナーノッチ部で割れが発生した。
[比較例4]
パリソン径調節手段及びパリソン切断シャッターを使用せず、パリソンを有底としないまま押し出し、金型で挟み込むと同時に上部及び下部を金型の食い切り刃で切断して圧着することによりピンチオフ部を形成してボトルを成形した以外は実施例2と同様に行なった。その結果を表1に示した。
バリが容器1本成形毎に底と口部に発生し、不良率は23%であった。
ボトル底樹脂融着部は、50本いずれも融着したが、ピンチオフ部はノッチ形状となった。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.60mm、最大厚みの平均値は3.22mmであった。最小厚みの最小値は0.54mm、最大厚みの最大値は3.49mmであった。
ボトル落下試験の結果は、20本のうち12本に割れが発生した。容器の割れは、いずれもピンチオフ部のノッチ形状部で発生した。
ボトルESCRの平均値は8hr、最小値は1hrであった。30本いずれもピンチオフ部で割れが発生した。
パリソン径調節手段及びパリソン切断シャッターを使用せず、パリソンを有底としないまま押し出し、金型で挟み込むと同時に上部及び下部を金型の食い切り刃で切断して圧着することによりピンチオフ部を形成してボトルを成形した以外は実施例2と同様に行なった。その結果を表1に示した。
バリが容器1本成形毎に底と口部に発生し、不良率は23%であった。
ボトル底樹脂融着部は、50本いずれも融着したが、ピンチオフ部はノッチ形状となった。
ボトル底部肉厚均一性(最小厚み、最大厚み)は、最小厚みの平均値は0.60mm、最大厚みの平均値は3.22mmであった。最小厚みの最小値は0.54mm、最大厚みの最大値は3.49mmであった。
ボトル落下試験の結果は、20本のうち12本に割れが発生した。容器の割れは、いずれもピンチオフ部のノッチ形状部で発生した。
ボトルESCRの平均値は8hr、最小値は1hrであった。30本いずれもピンチオフ部で割れが発生した。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の中空成形体、その成形装置及び方法は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
本発明の中空成形体の成形装置及び方法は、特に合成樹脂材料から有底パリソンを成形する際に好適に使用できる。また、本発明の中空成形体は、合成樹脂材料から成る容器として利用可能である。
11:ダイ、12:パリソン径調節手段(パリソン絞り部材)、13:パリソン切断手段(パリソン切断シャッター)、14:底部間隙、15:有底パリソン、16:移動式コア、17:駆動機構、18:制御装置、19:成形品(ボトル)、20:ボトル底部、21:ピンチオフ部(シワ)、22:空気孔、23:環状間隙。
Claims (15)
- ダイ及びコアによって形成される環状間隙からパリソンを押し出して成形体を形成する中空成形体の成形装置において、
前記ダイのパリソン押出し出口に隣接し且つパリソン押出し方向に相互に並んで配設される複数のパリソン絞り部材と、
前記パリソン絞り部材の絞り径をそれぞれ制御する制御装置とを備えたことを特徴とする中空成形体の成形装置。 - 前記複数のパリソン絞り部材のうち前記ダイから最も遠いパリソン絞り部材は、絞り径が実質的にゼロとなるように制御されてパリソンを切断するパリソン切断手段を構成する、請求項1に記載の中空成形体の成形装置。
- 前記複数のパリソン絞り部材は、少なくとも前記パリソンを切断する段階では、パリソン押出し方向に向かって順次に絞り径が小さくなるように制御される、請求項2に記載の中空成形体の成形装置。
- 前記複数のパリソン絞り部材は、前記パリソン切断手段を構成するパリソン絞り部材を除き、それぞれの絞り開口がパリソン押出し方向に向かって狭くなるテーパ形状を有する、請求項2又は3に記載の中空成形体の成形装置。
- 前記複数のパリソン絞り部材は、少なくともパリソン押出し段階では、前記ダイの内径とほぼ同じ絞り径となるように制御される、請求項2〜4の何れか一に記載の中空成形体の成形装置。
- 前記コアが、パリソンの押出し方向に移動可能であり、該コアの位置制御によってパリソンの厚みが制御される、請求項2〜5の何れか一に記載の中空成形体の成形装置。
- 前記ダイと、前記パリソン切断手段を含むパリソン絞り部材とが密封構造を形成するように配置される、請求項2〜6の何れか一に記載の中空成形体の成形装置。
- 前記ダイ、及び、前記パリソン絞り部材が、成形材料の溶融温度以上に設定される、請求項2〜7の何れか一に記載の中空成形体の成形装置。
- ダイ及びコアによって形成される環状間隙からパリソンを押し出して成形体を形成する中空成形体の成形方法において、
前記ダイのパリソン押出し出口に隣接し且つパリソン押出し方向に複数のパリソン絞り部材を並べて配設し、
前記複数のパリソン絞り部材の開口を開いてパリソンを押し出し、
前記複数の絞り部材の絞り径がパリソン押出し方向に向かって順次に小さくなるように、前記複数のパリソン絞り部材の絞り径を制御して、パリソンの底部を成形することを特徴とする中空成形体の成形方法。 - 前記ダイから最も遠いパリソン絞り部材を、絞り径が実質的にゼロとなるように制御してパリソンを切断する、請求項9に記載の中空成形体の成形方法。
- 前記複数のパリソン絞り部材を、少なくとも前記パリソンを切断する段階では、パリソン押出し方向に向かって順次に絞り径が小さくなるように制御する、請求項10に記載の中空成形体の成形方法。
- 前記複数のパリソン絞り部材を、少なくともパリソン押出し段階では、前記ダイの内径とほぼ同じ絞り径となるように制御する、請求項9〜11の何れか一に記載の中空成形体の成形方法。
- 前記コアを、パリソンの押出し方向に位置制御することによってパリソンの厚みを制御する、請求項9〜12の何れか一に記載の中空成形体の成形方法。
- 前記ダイ、及び、前記パリソン絞り部を、成形材料の溶融温度以上に設定する、請求項9〜13の何れか一に記載の中空成形体の成形方法。
- 請求項9〜14の何れか一に記載の成形方法によって成形されることを特徴とする中空成形体。
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WO2016104373A1 (ja) * | 2014-12-25 | 2016-06-30 | キョーラク株式会社 | ブロー成形方法 |
US9725633B2 (en) | 2007-09-03 | 2017-08-08 | Sca Hygiene Products Ab | Multi-component fibres |
JP7487582B2 (ja) | 2020-06-29 | 2024-05-21 | 東ソー株式会社 | ブロー成形用ダイ及びそれを用いたブロー成形体の製造方法 |
-
2007
- 2007-12-13 JP JP2007321709A patent/JP2009143079A/ja active Pending
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