JP2009099346A - 電線端末接続構造及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構造で複数の電線10の端末同士の接続信頼性を高める。
【解決手段】各電線10は導体12及び絶縁被覆14を有し、その端末において導体12が露出する。その露出した導体12が互いに揃うように電線同士が束ねられ、当該導体12同士が溶融溶接により一体化されることにより共通接続部18が形成される。さらに、共通接続部18には溶融溶接により拘束部材16が一体化される。この拘束部材16は、共通接続部18から絶縁被覆14に至るまでの領域で電線束を外側から拘束することにより、共通接続部18に対する各導体12の角度の変化を抑止する。
【選択図】図1
【解決手段】各電線10は導体12及び絶縁被覆14を有し、その端末において導体12が露出する。その露出した導体12が互いに揃うように電線同士が束ねられ、当該導体12同士が溶融溶接により一体化されることにより共通接続部18が形成される。さらに、共通接続部18には溶融溶接により拘束部材16が一体化される。この拘束部材16は、共通接続部18から絶縁被覆14に至るまでの領域で電線束を外側から拘束することにより、共通接続部18に対する各導体12の角度の変化を抑止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等に配線される複数の電線の端末同士を電気的に接続するための技術に関する。
従来、前記のような電線の端末同士を接続するための方法として、特許文献1の図5及び図6に記載されるものが知られている。この方法は次の工程からなる。
1)各電線における導体(芯線)の端末を露出させ、これらの端末同士を抵抗溶接または超音波溶接により接合する。
2)前記接合部分に絶縁樹脂製の保護キャップを被せ、この保護キャップから突出する舌片に前記電線群をテープ巻きにより固定する。
特開2002−15784号公報
前記特許文献1に記載されている抵抗溶接または超音波溶接は、いずれも、導体の端末の表面同士を接合するにとどまるものであり、その接続信頼性の飛躍的な向上は望みがたい。また、この方法では、溶接による接続部位に機械的荷重が作用して当該部位に破断が生ずるのを防ぐため、当該溶接部位を覆うための保護キャップから舌片を延ばし、かつ、この舌片に前記電線群をテープ巻きで固定する必要がある。このことは、構造全体を複雑にするとともに、面倒なテープ巻き作業を必要にする。また、当該電線群の固定の信頼性の向上も課題である。
本発明は、このような事情に鑑み、簡素な構造で電線の端末同士の接続信頼性を高めることができる構造、及び、当該接続を少ない工数で行うことができる方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記の接続信頼性を高めるため、各電線の導体の端末同士を溶融溶接により接続することに想到した。ここでいう溶融溶接とは、例えばTIG溶接やサブマージアーク溶接をはじめとする各種アーク溶接や一部のガス溶接のように、機械的圧力の付加を要することなく材料の溶融そのものによって接合する方法の総称であり(JIS Z 3001)、当該溶融溶接は、前記導体を構成する材料同士を混ぜ合わせることによりその接続信頼性を飛躍的に高めることが可能である。
しかしながら、このような溶融溶接による導体接続部分では、前記電線に作用する張力の方向によっては破断荷重が大幅に下がり、比較的低い張力でも破断が生じてしまうことが判明した。これは、前記溶融溶接による溶融により形成された共通接続部とこれにつながる電線の導体とのなす角度を大きく変化させるような張力が当該電線に作用した場合に、その共通接続部と当該電線の導体との間に曲げ荷重が作用し、この曲げ荷重によるせん断力が前記破断を引き起こすためであると考えられる。
本発明は、このような背景からなされたものであり、複数の電線の端末同士が電気的に接続される電線端末接続構造であって、前記各電線は、導体及びこの導体を覆う絶縁被覆を有し、かつ、その端末において前記導体が露出し、その露出した導体が互いに揃うように電線同士が束ねられるとともに、当該導体同士が溶融溶接により一体化されることにより共通接続部が形成され、さらに、前記共通接続部から前記絶縁被覆に至るまでの領域で前記電線の束を外側から拘束することにより当該共通接続部に対する前記各電線の導体の角度の変化を抑止するように前記電線の束の周囲に拘束部材が設けられ、この拘束部材のうち少なくとも前記共通接続部側の端部が前記溶融溶接が可能な金属材料からなり、当該端部が前記導体とともに溶融溶接されて前記共通接続部と一体化されているものである。
この構造において、前記各導体同士を接合する溶融溶接は、当該導体を構成する材料同士を混ぜ合わせるものであるため、当該溶融溶接により形成される共通接続部での接続信頼性が高い。さらに、この共通接続部から絶縁被覆に至る領域で電線束が拘束部材により外側から拘束されることにより、当該共通接続部に対する導体の角度の変化が抑止されるため、各電線に作用する張力の方向にかかわらず、前記共通接続部と前記導体との接続部位またはその近傍部位に曲げ荷重が作用することが有効に抑制され、その結果、当該接続部位の耐久性が高められる。しかも、この拘束部材は前記溶融溶接により前記共通接続部と一体化されているため、当該拘束部材による前記拘束は確実に維持される。
前記拘束部材は前記溶融溶接可能な金属材料からなる拘束用スリーブであり、その内側に前記電線の束が挿通されていることが、好ましい。このような拘束用スリーブの使用は、部品点数の少ない簡単な構造で、前記電線束の外側からの拘束を確実に行うことを可能にする。
前記拘束用スリーブでは、前記共通接続部と反対側の端部がその末端に向かうに従って拡径する拡径部を構成することが、より好ましい。このような拡径部は、前記電線に前記拘束用スリーブの軸方向と異なる方向の張力が作用したときに当該電線と当該拘束用スリーブの端部とが圧接することによる当該電線の損傷の発生を有効に抑止することができる。
本発明に係る構造では、絶縁材料からなり、前記共通接続部及び前記拘束用スリーブを覆うことが可能な形状を有する保護用キャップを備えることが好ましい。この場合、前記保護用キャップは、前記拘束用スリーブの拡径部に対して前記共通接続部と反対の側から係合することにより当該保護用キャップからの当該拘束用スリーブの離脱を阻止する係止部を有するものであれば、当該拡径部の形状を利用した簡素な構造で前記拘束用スリーブの離脱を行うことが可能である。
前記拘束部材では、その少なくとも前記共通接続部側の端部が銅または銅合金からなることが好ましい。当該銅または銅合金は、高い導電率を有するため、前記溶融溶接により前記共通接続部と混ざり合っても当該共通接続部の電気抵抗値をほとんど上昇させない。一方、前記溶融溶接は、溶接対象の材質について制約を受けにくいため、適用範囲が広く、例えば前記電線の導体がアルミニウムやアルミニウム合金である場合にも本発明を適用することが可能である。
また本発明は、複数の電線であってそれぞれが導体及びこの導体を覆う絶縁被覆を有しかつ当該導体の端末が露出する電線の当該端末同士を電気的に接続するための電線端末接続方法であって、前記導体の端末が互いに揃うように電線同士を束ね、これらの電線の周囲に、少なくとも前記導体の端末側の端部が溶融溶接可能な金属により構成された拘束部材を配置して当該端部から前記導体の端末が突出する状態にする配置工程と、前記各導体の端末及び前記拘束部材の端部を前記溶融溶接によって一体化することにより、当該導体同士が電気的に接続される共通接続部を形成するとともに、当該共通接続部から前記各電線の絶縁被覆に至るまでの領域で前記電線の束を外側から拘束する位置に前記拘束用スリーブを固定する溶接工程とを含むものである。
この方法によれば、少ない工数で前記の信頼性の高い接続構造を構築することができる。すなわち、この方法では、導体同士を接続するための溶融溶接を利用して前記拘束部材の固定すなわち当該拘束部材と共通接続部との一体化がなされるため、少ない工数で拘束信頼性の高い電線端末接続構造を製造することができる。
前記配置工程では、前記拘束部材として前記溶融溶接可能な金属(より好ましくは銅または銅合金)からなる拘束用スリーブを用い、この拘束用スリーブの内側に前記電線の束を挿通することが、より好ましい。
以上のように、本発明によれば、各電線の導体の端末と、これらの電線の端末を外側から拘束するための拘束部材とを溶融溶接により一体化することにより、簡素な構造で、また少ない工数で、前記電線同士の接続信頼性を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、図1及び図2に示すような3本の電線10を束ねてこれらを相互接続するものであるが、本発明は相互に接続される電線の本数について限定されない。
この実施の形態では、次の各工程によって前記電線10同士の接続が行われる。
1)端末処理工程
この工程では、前記各電線10の端末処理が行われる。具体的に、各電線10は、単数または複数の素線を含む導体12と、この導体12を覆う絶縁被覆14とからなるが、そのうち絶縁被覆14の端末の部分的除去により前記導体12の端末のみを露出させる処理が行われる。
この工程では、前記各電線10の端末処理が行われる。具体的に、各電線10は、単数または複数の素線を含む導体12と、この導体12を覆う絶縁被覆14とからなるが、そのうち絶縁被覆14の端末の部分的除去により前記導体12の端末のみを露出させる処理が行われる。
2)配置工程
この工程では、図1(a)に示されるように前記各電線10の端末同士が束ねられ、その電線束が共通の拘束用スリーブ16に挿通される。これにより、前記拘束用スリーブ16は、同図(b)に示されるように当該拘束用スリーブ16の片側の端部から前記各導体12の端末を突出させ、かつ、その突出部分よりも後ろ側の導体12と絶縁被覆14の端末部分を覆うような位置に配置される。
この工程では、図1(a)に示されるように前記各電線10の端末同士が束ねられ、その電線束が共通の拘束用スリーブ16に挿通される。これにより、前記拘束用スリーブ16は、同図(b)に示されるように当該拘束用スリーブ16の片側の端部から前記各導体12の端末を突出させ、かつ、その突出部分よりも後ろ側の導体12と絶縁被覆14の端末部分を覆うような位置に配置される。
前記拘束用スリーブ16の材質は、溶融溶接が可能な金属材料であればよい。例えばアルミニウムやアルミニウム合金、ステンレス鋼の適用も可能である。しかし、後述のように、特に導電率の高い材料、例えば銅または銅合金がより好適である。
3)接続工程
この工程では、前記拘束用スリーブ16と、この拘束用スリーブ16の片側の端部から突出する各導体12の端末とが、溶融溶接により接合される。この溶融溶接は、前記各導体12の溶融により、これらの導体12が共通につながる(図例では球状の)共通接続部18を形成するのに加え、この共通接続部18と前記共通接続部18とを一体化する。
この工程では、前記拘束用スリーブ16と、この拘束用スリーブ16の片側の端部から突出する各導体12の端末とが、溶融溶接により接合される。この溶融溶接は、前記各導体12の溶融により、これらの導体12が共通につながる(図例では球状の)共通接続部18を形成するのに加え、この共通接続部18と前記共通接続部18とを一体化する。
前記共通接続部18は、前記各導体12の端末を構成する材料が一旦溶融した状態で混ざり合ったものであるため、その接続信頼性はきわめて高い。例えば、溶接前の段階で各導体12の端末の表面が酸化皮膜等の比較的高抵抗の膜で被覆されていたとしても、当該膜は前記溶融溶接による高熱で消滅する。また、当該溶融溶接は、抵抗溶接や超音波溶接に比べて材料の制約を受けにくいため、本発明の適用の範囲は広い。従って、本発明は、前記導体12がアルミニウムまたはアルミニウム合金のように表面に酸化皮膜が形成されやすい金属材料で構成されていても高い接続信頼性でもって導体12同士を電気的に接続することが可能である。
前記拘束用スリーブ16は、前記共通接続部18から前記絶縁被覆14の端末に至るまでの領域で電線10を外側から拘束するだけのものであるが、その拘束が前記共通接続部18の保護に著しく寄与する。仮に、この拘束用スリーブ16が省略された場合、前記電線10に作用する張力の方向によっては、比較的低い張力で前記共通接続部18と導体12との接続部位もしくはその近傍部位に破断が生じるおそれがある。これは当該張力の方向によって、前記部位に加わる荷重の性質が異なることによる。
具体的に、図2の矢印Aに示すように、前記共通接続部18とこれに接続される導体12とのなす角度を変化させないような向きの張力は、そのほとんどが引張荷重としてのみ作用する。この引張荷重に対する前記接続部位の耐久性は高い。これに対し、図2の矢印Bに示すように、前記共通接続部18とこれに接続される導体12とのなす角度を著しく変化させる(図では略90°変化させる)ような向きの張力は、曲げ荷重として作用する。この曲げ荷重により前記接続部位に生ずるせん断力は、当該曲げ荷重が低くても当該接続部位もしくはその近傍部位を破断(せん断)させるおそれがある。
前記拘束用スリーブ16は、前記共通接続部18から前記絶縁被覆14に至るまでの領域で前記電線の束を外側から拘束することにより、当該共通接続部18に対する前記各導体12の角度の変化を抑止するため、各電線10に作用する張力の向きにかかわらず、当該張力に起因して前記共通接続部18と前記導体12との接続部位に生ずる荷重をほとんど引張荷重のみに限定することが可能である。このことは、当該接続部位の機械的耐久性を飛躍的に向上させる。
しかも、この拘束用スリーブ16は、前記溶融溶接によって前記共通接続部18と一体化されるため、当該拘束用スリーブ16の固定強度及び拘束信頼性はきわめて高い。また、当該拘束用スリーブ16の固定のために前記導体12同士の接続と別の工程を行う必要がないため、少ない工数で前記の信頼性の高い接続構造を得ることができる。
この拘束用スリーブ16の構成材料は、前記溶融溶接によって前記導体12の構成材料と混じり合うことになるが、当該拘束用スリーブ16が前記銅や銅合金のような導電率の高い材料で構成されていれば、前記の材料同士の混じり合いによる電気抵抗値の上昇を有効に抑止することが可能である。
前記拘束用スリーブ16は、完全にストレートな筒状であってもよいが、図3及び図4に示されるように、当該拘束用スリーブ16のうち前記共通接続部18と反対側の端部(図3では下端部)がその末端に向かうに従って拡径する拡径部16aを構成することが、より好ましい。このような拡径部16aは、拘束用スリーブ16内への電線束の挿入を容易にするとともに、図3に示すように電線10にその向きを大きく変化させるような張力が加えられたときに当該電線10に局所的に作用する曲げ荷重を有効に緩和する。
さらに、前記共通接続部18及び拘束用スリーブ16に図4に示すような保護用キャップ20が被せられる場合、当該保護用キャップ20からの前記拘束用スリーブ16の離脱を前記拡径部16aを利用して阻止することが可能である。前記保護用キャップ20は、前記共通接続部18や拘束用スリーブ16が他の導体部分と接触して短絡するのを防ぐためのもので、合成樹脂等の絶縁材料により成形されている。この保護用キャップ20の例えば開口部周縁に図示のような内向きの係止爪22が形成され、この係止爪22が前記拡径部16aに対して前記共通接続部18と反対の側(図4では左側)から係合するように当該保護用キャップ20が成形されれば、前記拡径部16aを利用した簡素な構造で当該保護用キャップ20からの当該拘束用スリーブ16の離脱を有効に阻止することが可能である。
なお、前記拡径部16aの形成に代え、もしくはこれに加え、拘束用スリーブ16の前記共通接続部18側の端部と反対側の端部の内側エッジを面取り加工するようにしてもよい。
また、本発明に係る拘束部材は前記拘束用スリーブ16のような筒状のものに限られない。例えば、前記電線束の周囲に周方向に配列される複数の部材からなり、これらの部材が前記溶融溶接により前記導体12の端末と一体化されるものであってもよい。ただし、図示のように周方向に連続する拘束用スリーブ16は、部品点数の少ない構造で、前記電線束をより確実に拘束することが可能である。
また、当該拘束部材は必ずしもその全体が溶融溶接可能な金属材料により形成されていなくてもよく、少なくとも前記共通接続部18側の端部が当該金属材料により構成されていればよい。
次の内容の実施例及び比較例について耐久試験を行った。
1)実施例:ステンレス鋼製の導体を有して総断面積が0.13mm2である3本の電線についてそれぞれ端末処理がなされ、これらの電線の束が直径3mmの銅製パイプからなる拘束用スリーブに挿通される。そして、各電線の導体の端末と前記拘束用スリーブとがTIG溶接により一体化され、共通接続部18が形成される。
2)比較例:拘束用スリーブが省略される以外は前記実施例と同一である。
3)耐久試験の内容:図5に示すような装置が用いられる。この装置は、互いに離間する固定クランプ30及び可動クランプ32を有する。固定クランプ30は、3本の電線10のうち測定対象である電線以外の2本の電線を把持する。可動クランプ32は、残りの測定対象電線を把持し、これを前記固定クランプ30から離れる方向、すなわち他の2本の電線とは反対の方向(180°離れた方向)に引張る。
この耐久試験において、前記実施例にかかる構造では、拘束用スリーブ16が各電線を外側から拘束するため、前記可動クランプ32の引張力は全て、前記共通接続部18と測定対象電線との接続部位に引張荷重として作用する。これに対して比較例では、前記可動クランプ32の引張力が前記共通接続部18と測定対象電線との接続部位に曲げ荷重、すなわち前記共通接続部18に対する前記測定対象電線の角度を約90°変化させる荷重として作用する。
この耐久試験の結果を図6に示す。比較例では、破断荷重の最低値が22.7N、最高値が56.4N、平均値が43.4Nであるのに対し、実施例では、破断荷重の最低値が50N、最高値が60N、平均値が55.4Nであり、いずれの値も前記比較例の値を上回っている。特に、最低値の差が著しく、このことは、実施例に係る構造の接続信頼性の高さを如実に示している。
10 電線
12 導体
14 絶縁被覆
16 拘束用スリーブ
16a 拡径部
18 共通接続部
20 保護用キャップ
22 係止爪
12 導体
14 絶縁被覆
16 拘束用スリーブ
16a 拡径部
18 共通接続部
20 保護用キャップ
22 係止爪
Claims (8)
- 複数の電線の端末同士が電気的に接続される電線端末接続構造であって、
前記各電線は、導体及びこの導体を覆う絶縁被覆を有し、かつ、その端末において前記導体が露出し、その露出した導体が互いに揃うように電線同士が束ねられるとともに、当該導体同士が溶融溶接により一体化されることにより共通接続部が形成され、
さらに、前記共通接続部から前記絶縁被覆に至るまでの領域で前記電線の束を外側から拘束することにより当該共通接続部に対する前記各電線の導体の角度の変化を抑止するように前記電線の束の周囲に拘束部材が設けられ、
この拘束部材のうち少なくとも前記共通接続部側の端部が前記溶融溶接が可能な金属材料からなり、当該端部が前記導体とともに溶融溶接されて前記共通接続部と一体化されていることを特徴とする電線端末接続構造。 - 請求項1記載の電線端末接続構造において、
前記拘束部材は前記溶融溶接可能な金属材料からなる拘束用スリーブであり、その内側に前記電線の束が挿通されていることを特徴とする電線端末接続構造。 - 請求項2記載の電線端末接続構造において、
前記拘束用スリーブのうち前記共通接続部と反対側の端部がその末端に向かうに従って拡径する拡径部を構成することを特徴とする電線端末接続構造。 - 請求項3記載の電線端末接続構造において、
絶縁材料からなり、前記共通接続部及び前記拘束用スリーブを覆うことが可能な形状を有する保護用キャップを備え、この保護用キャップは、前記拘束用スリーブの拡径部に対して前記共通接続部と反対の側から係合することにより当該保護用キャップからの当該拘束用スリーブの離脱を阻止する係止部を有することを特徴とする電線端末接続構造。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の電線端末接続構造において、
前記拘束部材のうち少なくとも前記共通接続部側の端部が銅または銅合金からなることを特徴とする電線端末接続構造。 - 複数の電線であってそれぞれが導体及びこの導体を覆う絶縁被覆を有しかつ当該導体の端末が露出する電線の当該端末同士を電気的に接続するための電線端末接続方法であって、
前記導体の端末が互いに揃うように電線同士を束ね、これらの電線の周囲に、少なくとも前記導体の端末側の端部が溶融溶接可能な金属により構成された拘束部材を配置して当該端部から前記導体の端末が突出する状態にする配置工程と、
前記各導体の端末及び前記拘束部材の端部を前記溶融溶接によって一体化することにより、当該導体同士が電気的に接続される共通接続部を形成するとともに、当該共通接続部から前記各電線の絶縁被覆に至るまでの領域で前記電線の束を外側から拘束する位置に前記拘束用スリーブを固定する溶接工程とを含むことを特徴とする電線端末接続方法。 - 請求項6記載の電線端末接続方法において、
前記配置工程では、前記拘束部材として前記溶融溶接可能な金属からなる拘束用スリーブを用い、この拘束用スリーブの内側に前記電線の束を挿通することを特徴とする電線端末接続方法。 - 請求項7記載の電線端末接続方法において、
前記拘束部材として銅または銅合金からなる拘束用スリーブを用いることを特徴とする電線端末接続方法。
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