JP2009097002A - 液晶組成物、光学異方性膜、及び位相差板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の少なくとも一種と、円盤状構造(但し、1,3,5置換ベンゼン骨格は除く)を部分構造として有する化合物の少なくとも一種とを含有することを特徴とする液晶組成物である。
【選択図】なし
Description
ところで、位相差板の作製には、液晶化合物の分子を欠陥なく配向させることが必要であるが、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物を用いた場合には、膜中にスジ状の配向欠陥が生じやすく、改善が望まれている。
また、本発明は、スジ状の配向欠陥がない(又は少ない)、該液晶組成物を用いて作製された光学異方性膜、及び位相差板を提供することにある。
[1] 1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の少なくとも一種と、円盤状構造(但し、1,3,5置換ベンゼン骨格は除く)を部分構造として有する化合物の少なくとも一種とを含有することを特徴とする液晶組成物。
[2] 前記円盤状構造を部分構造として有する化合物が、下記一般式(TI)で表される化合物であることを特徴とする[1]の液晶組成物:
式(R−IA)
*−Cy1−(L1A−Cy2)p−L2A−(L3A)r−Q1A
[式(R−IA)中、*はL1に結合する位置を表し;Cy1及びCy2はそれぞれ、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基を表し;L1Aは単結合又は二価の連結基を表し;L2Aは単結合又は二価の連結基を表し;L3Aは、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、又は置換アルキニレン基を表し;Q1Aは重合性基又は水素原子を表し;pは0〜2の整数を表し;rは0又は1を表す]を表す。
[5] 支持体と、該支持体上に、[1]〜[3]のいずれかの液晶組成物から形成された光学異方性層とを有することを特徴とする位相差板。
[6] 前記支持体と前記光学異方性層との間に配向膜を有し、該配向膜が部分鹸化されたポリビニルアルコール誘導体を含有することを特徴とする[5]の位相差板。
[7] 1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の分子を配向膜の表面上で配向させる配向工程と、配向工程で得られた配向状態を固定することを含む光学異方性膜の製造方法であって、
前記配向工程において、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の分子を、配向膜界面におけるチルト角1〜12°で配向させることを特徴とする光学異方性膜の製造方法。
即ち、本発明によれば、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物を含有する液晶組成物であって、スジ状の配向欠陥を生じることなく(又はスジ状の配向欠陥の発生を抑制しつつ)光学異方性膜を形成可能な液晶組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、スジ状の配向欠陥がない(又は少ない)、該液晶組成物を用いて作製された光学異方性膜、及び位相差板を提供することができる。
[液晶組成物]
本発明の液晶組成物は、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の少なくとも一種と、円盤状構造(但し、1,3,5置換ベンゼン骨格は除く)を部分構造として有する化合物の少なくとも一種とを含有することを特徴とする。
本発明の液晶組成物により形成された光学異方性膜には、スジ状の配向欠陥がない(又は少ない)。本発明の作用機構についての詳細は定かではないが、円盤状構造を部分構造として有する化合物の存在下で、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の分子を配向膜表面上で配向させると、該分子の配向膜界面におけるチルト角が軽減され、その結果、形成される光学異方性膜中に生じするスジ状の配向欠陥が少なくなると考えられる。
(配向膜側のチルト角)
本発明でチルト角とは、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の分子の円板面の法線の平均方向(ディスコティック液晶相のダイレクター)と、配向膜面の法線とのなす角をいう。
1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物を用いた場合に発生するスジ状の配向欠陥の発生原因を詳細に検討した結果、スジ状の欠陥は、配向膜側のチルト角が高いことにより発生することがわかってきた。具体的には、チルト角が13°以上では、配向欠陥が多くなるので、本発明では、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の分子の配向膜界面のチルト角を、1〜12°(さらに好ましくは、3〜10°)まで低減可能な円盤状構造を部分構造として有する化合物を用いるのが好ましい。
1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の液晶状態でのチルト角の測定は、液晶の調製方法以外は既知の方法を用いて測定することができる。例えば、「液晶便覧」丸善の239頁に記載のクリスタルローテーション法を好適に用いることができる。この方法は、まずアンチパラレルラビング処理した比較的厚いセルに、液晶組成物を注入して、液晶組成物を均一配向させる。次にクロスニコルに配置した一対の偏光プルズムの間に、液晶セルのラビング方向が対角位になるように配置し、これをセル面に平行でラビングに直交する軸でセルを回転させて、入射光にレーザーなどの単色光源を用いて、透過光強度をこの回転角に対して測定することによって、プレチルト角を算出する方法である。このセルをヒータージャケットなどで覆い加熱温度制御することによって、液晶温度範囲が100℃を超えるディスコティック液晶についても測定することができる。
本発明の液晶組成物が、空気界面側配向剤や表面張力調整剤など、塗布後に空気界面側に偏在する素材が混入されている場合は、その素材がセルの配向膜側に偏析して本来のプレチルト角に影響を与えるため、それを除いた組成物に重合禁止剤を混合して試料を調製する。
また、重合開始剤を含む液晶組成物の場合、開始剤の種類や量によっては加熱によって重合が進行することもあり得る。その場合は開始剤を除去もしくは減量した組成物を調製することによって測定を行うことができる。
(1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物)
本発明に用いる1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物については、特に制限されず、1,3,5位が置換されたベンゼン骨格を、部分構造として有するディスコティック液晶化合物は、いずれも用いることができる。具体的には、特開2005−122155号公報に記載の一般式(I)及び一般式(II)で表される化合物;特開2006−76992号公報に記載の一般式(DI)及び一般式(DII)で表される化合物;特開2006−265283号公報に記載の一般式(DI)で表される化合物;特開2006−316013号公報に記載の一般式(DI)で表される化合物;特開2006−327975号公報に記載の一般式(DI)で表される化合物;及び特開2007−2220号公報に記載の一般式(DI)及び一般式(DII)で表される化合物;などが例示される。その中でも特に、特開2007−2220号公報に記載の下記一般式(DI)で表され化合物が好ましい。
Y11、Y12及びY13は、いずれもメチンであることがより好ましく、メチンは無置換であることがさらに好ましい。
A11及びA12は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
A13、A14、A15及びA16は、それらのうち、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、すべてメチンであることがより好ましい。さらに、メチンは無置換であることが好ましい。
A11、A12、A13、A14、A15又はA16がメチンの場合の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
X1は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し、酸素原子が好ましい。
A21及びA22は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
A23、A24、A25及びA26は、それらのうち、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、すべてメチンであることがより好ましい。
A21、A22、A23、A24、A25又はA26がメチンの場合の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
X2は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し、酸素原子が好ましい。
A31及びA32は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
A33、A34、A35及びA36は、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、すべてメチンであることがより好ましい。
A31、A32、A33、A34、A35又はA36がメチンの場合、メチンは置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
X3は、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し、酸素原子が好ましい。
上記式(M−1)〜(M−6)の中、(M−1)又は(M−2)が好ましく、(M−1)がより好ましい。
本発明の液晶組成物は、円盤状構造を部分構造として有する化合物(以下、「円盤状化合物」という)の少なくとも一種を含有する。該円盤状化合物は、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の分子の配向膜界面におけるチルト角を低減し得る化合物である。円盤状構造は、1,3,5置換ベンゼン骨格以外であれば、その構造については特に制限されない。前記円盤状化合物は、液晶化合物であっても、非液晶化合物であってもよい。ディスコティック液晶性化合物やディスコティック液晶のコア部を有するような円盤状の形状を有する化合物を用いるのが好ましい。
一般式(D) D(−L−Q)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基である。また、nは3〜12の整数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(又はQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。以下に一般式(D)の具体例(D1〜D16)の構造式を示す。
L2:−AL−C(=O)−O−AL−O−
L3:−AL−C(=O)−O−AL−O−AL−
L4:−AL−C(=O)−O−AL−O−C(=O)−
L5:−C(=O)−AR−O−AL−
L6:−C(=O)−AR−O−AL−O−
L7:−C(=O)−AR−O−AL−O−C(=O)−
L8:−C(=O)−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−C(=O)−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−C(=O)−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−C(=O)−AL−AR−O−AL−O−C(=O)−
L17:−O−C(=O)−AR−O−AL−C(=O)−
L18:−O−C(=O)−AR−O−AL−O−C(=O)−
L19:−O−C(=O)−AR−O−AL−O−AL−O−C(=O)−
L20:−O−C(=O)−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−C(=O)−
L21:−S−AL−
L22:−S−AL−O−
L23:−S−AL−O−C(=O)−
L24:−S−AL−S−AL−
L25:−S−AR−AL−
重合性基(Q)の好ましい具体例は、数式(I)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物Rにおける記載と同様であり、また、より好ましい重合性基(Q)も、数式(I)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物Rと同様である。
また、二価の連結基(L)としては、上記具体例L1〜L25の中で、エステル結合を有するL1〜L8、L10、L13、L16〜L20、L23が好ましい。コア部がD4の場合、二価の連結基(L)としては、L18が特に好ましい。
エステル結合が好ましい理由は、明確にはできていないが、以下のような理由が考えられる。エステル結合のカルボニル基(C=O)のダイポールモーメントは多くの場合、円盤状化合物の円板面内には存在せず、面外に向いていることが多い。また、配向膜は、例えば、後述のようにポリビニルアルコール系ポリマーを用いた場合、ポリビニルアルコール表面は、アセチル基や水酸基が多く存在する。このような配向膜表面に対して、エステル基を有する添加剤は、強い相互作用(双極子−双極子相互作用ならびに水素結合)が起こることが予想される。また、添加剤が円盤状の形状でなお且つ面外にカルボニル基を有することで、配向膜界面に円板面を平行にして吸着されることも予想される。そのような状態になることにより、円盤状化合物の排除体積効果が働き、結果として、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物も配向膜界面と円板面を平行になりやすくなる(チルトが低下する)と考えられる。
一般式(TI)中、R1は下記式(R−IA)を表す。
式(R−IA)
*−Cy1−(L1A−Cy2)p−L2A−(L3A)r−Q1A
式(R−IA)中、*はL1に結合する位置を表す。
前記アルキレン基は、分岐を有していてもよい。また、アルキレン基中の−CH2−は、例えば−O−、−S−で置き換えられていてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜16であることが好ましく、2〜14であることがさらに好ましく、2〜12であることが最も好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としては、アルキル基やハロゲン原子が含まれる。
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基又は開環重合性基が好ましい。
上記(M−1)〜(M−6)のなかでも、(M−1)又は(M−2)が好ましく、(M−1)がよりさらに好ましい。
本発明の液晶組成物は、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物及び円盤状化合物とともに、必要に応じて他の添加剤を加えることができる。添加剤の例としては、後述する空気界面配向制御剤、レベリング剤、重合開始剤、重合性モノマー等が挙げられる。
本発明の液晶組成物は、空気界面配向制御剤を含有していてもよい。空気界面配向制御剤は、空気界面における液晶化合物の分子の配向を制御する。例えば、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶性化合物の分子を、ホメオトロピック配向もしくはハイブリッド配向させるのは、空気界面配向制御剤を添加するのが好ましい。このような添加剤としては、例えば、特開2004−46038号公報明細書中の段落番号[0015]〜[0049]記載のポリマー化合物、特願2004−188333号公報明細書中の段落番号[0020]〜[0100]記載の含フッ素ポリマー化合物、特願2004−3803号公報明細書中の段落番号[0019]〜[0057]記載のマレイミド基含有ポリマー化合物、特願2003−295212号公報明細書中の段落番号[0040]〜[0069]記載の含フッ素化合物、特願2003−330303号公報明細書中の段落番号[0011]〜[0031]記載の含フッ素化合物、特願2002−212100号公報明細書中の段落番号[0031]〜[0075]記載の排除体積基含有化合物が挙げられる。チルト角制御剤の好ましい例としては、特開2002−37777号公報明細書中の(1)〜(15)、特開2002−38158号公報明細書中の(3)〜(22)、特開2004−46038号公報明細書中のP−4、P6〜P12、P15〜P40、特願2004−188333号公報明細書中のP1〜P5、P14〜P18、P31〜P40、P61〜P70、特願2004−3803号公報明細書中のP6〜P21、特願2003−295212号公報明細書中のI−1〜I−38、I−43〜I−66、特願2003−330303号公報明細書中のI−1〜I−45、特願2002−212100号公報明細書中のIb−3〜Ib−10が挙げられる。
本発明の液晶組成物には、レベリング剤を添加してもよい。該組成物を塗布液として調製し、塗布して光学異方性膜等を形成する場合は、添加するのが好ましい。レベリング剤としては、一般に高分子化合物が用いられる。レべリング剤として使用するポリマーとしては、前記液晶化合物の分子の傾斜角を変化させたり、配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。
レべリング剤として使用可能なポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としては、セルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
レべリング剤の添加量は、本発明の液晶組成物の総質量に対して一般に0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明の液晶組成物は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物、特開2005−179636号公報中の段落番号[0100]〜[0118]記載の化合物が挙げられる。上記界面活性剤は、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック化合物に対して、一般に0.005〜8質量%(好ましくは0.05〜2.5質量%)であるのが好ましい。
本発明の液晶組成物は、硬化性であるのが好ましく、そのためには、重合開始剤を含有しているのが好ましい。重合開始剤は、熱重合開始剤であっても、光重合開始剤であってもよいが、光重合開始剤を含有し、光照射により反応が進行し、硬化する組成物として調製するのが好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同第2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同第2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、本発明の液晶組成物(塗布液の場合は固形分)の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
本発明の液晶組成物には、重合性のモノマーを添加してもよい。本発明で使用できる重合性モノマーとしては、前記1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物と相溶性を有し、配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、前記ディスコティック液晶化合物に対して0.5〜50質量%の範囲にあることが好ましく、1〜30質量%の範囲にあることがより好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
本発明の液晶組成物は、塗布液として調製してもよい。調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジン)、炭化水素(例えば、トルエン、ヘキサン)、アルキルハライド(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド、エステル及びケトンが好ましい。これらは、2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
次に、本発明の液晶組成物を利用して作製される、本発明の光学異方性膜について説明する。
本発明の光学異方性膜は、本発明の液晶組成物から形成されたことを特徴とする。例えば、本発明の液晶組成物を、塗布液として調製し、該塗布液を配向膜の表面に塗布して、配向膜上で、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の分子を配向させた後、その配向状態を固定することで作製することができる。
ラビング処理又は光照射により形成される配向膜を利用するのが好ましく、ポリマーのラビング処理により形成される配向膜がさらに好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に擦ることにより実施することができる。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜3μmであることがより好ましい。
ポリビニルアルコール系ポリマーの中でも、水への溶解性の高い部分鹸化されたポリビニルアルコール系ポリマーが特に好ましい。鹸化度としては、97%〜70%が好ましく、特に、91%〜85%が好ましい。重合度としては、100〜3000が好ましく、特に200〜1000が好ましい。
特に、部分鹸化ポリビニルアルコールのヒドロキシル基が、ビニル、オキシラニル、又はアジリジニルを有する基で置換されているものが好ましい。このような置換基の置換度としては、0.2〜10%が好ましく、0.5〜3.0が特に好ましい。このようなポリマーの具体例は、特開平9−152509号公報に記載されている。
配向状態が固定化された状態とは、その配向が保持された状態が最も典型的、かつ、好ましい態様ではあるが、それだけには限定されず、例えば、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、該固定化された液晶性組成物に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を含む趣旨である。なお、配向状態が最終的に固定化され光学異方性膜が形成された際に、本発明の液晶組成物はもはや液晶性を示す必要はない。例えば、液晶化合物として重合性基を有する化合物を用いている場合は、重合又は架橋反応が進行し、高分子量化して、結果的に、液晶性を失ってもよい。
次に、本発明の光学異方性膜を光学異方性層として有する位相差板について説明する。
本発明の位相差板は、支持体の上に、本発明の液晶組成物から形成される光学異方性層を有する。支持体と光学異方性層との間に、配向膜を有していてもよい。
本発明の位相差板は、前記光学異方性層を支持する支持体を有する。支持体は、主に光学的等方性で、光透過率が80%以上であれば、特に材料の制限はないが、ポリマーフィルムやガラスが好ましい。
ポリマーの具体例として、セルロースアシレート類(例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、ノルボルネン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリレートエステル類のフィルムなどを挙げることができ、多くの市販のポリマーを好適に用いることが可能である。このうち、光学性能の観点からセルロースエステル類が好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下脂肪酸で、炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)又は4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルローストリアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開WO00/26705号パンフレットに記載の分子の修飾により該発現性を低下させたものも使用できる。
セルロースアシレートとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。特に酢化度が57.0〜62.0%であることが好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定及び計算に従う。セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることがさらに好ましく、1.4〜1.6であることがよりさらに好ましい。
芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。
ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35質量%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延及び乾燥方法については、米国特許第2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許第640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
複数のセルロースアシレート溶液を流延する場合、支持体の進行方向に間隔をおいて設けた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて、それらを積層させながらフィルムを作製してもよい。例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、及び特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延することによりフィルム化してもよい。例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、及び特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、特開昭56−162617号公報に記載の、高粘度セルロースアセテート溶液の流れを低粘度のセルロースアセテート溶液で包み込み、高粘度及び低粘度のセルロースアセテート溶液を同時に押出すセルロースアセテートフィルムの流延方法を用いてもよい。
特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤については、特開平7−11056号公報に記載がある。
フィルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアシレートフィルムの温度をガラス転移温度(Tg)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、及び吸着法により求めることができる。本発明に用いるセルロースアシレートフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースアシレートフィルムに滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
[楕円偏光板]
本発明の位相差板と偏光膜を積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の位相差板を利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大しうる楕円偏光板を提供することができる。
前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
本発明の位相差板の利用により、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。TNモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)は、特開平6−214116号公報、米国特許第5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモード又はFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモード又はHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許第5805253号明細書及び国際公開WO96/37804号パンフレットに記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許登録第2866372号公報に記載がある。
液晶表示装置は、液晶セル、偏光素子及び位相差板(光学補償シート)からなる。偏光素子は、一般に偏光膜と保護膜からなる。偏光膜と保護膜については、上記楕円偏光で説明したものを用いることができる。
[位相差板の作製]
(ポリマーフィルム(支持体)の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
───────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
───────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100 100
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9
メチレンクロライド(第1溶媒) 293 314
メタノール(第2溶媒) 71 76
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5 1.6
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0 0.8
下記レターデーション上昇剤 1.7 0
───────────────────────────────────
作製したフィルムPK−1を2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。
上記のフィルムPK−1の表面(アルカリ処理面)に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥し、膜を作製した。
配向膜塗布液組成
───────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
クエン酸エステル(三協化学製 AS3) 0.35質量部
───────────────────────────────────
上記のフィルムPK−1を速度20m/分で搬送し、長手方向に対して0°にラビング処理されるようにラビングロール(300mm直径)を設定し、650rpmで回転させて、フィルムPK−1上に形成された膜の表面にラビング処理を施して、配向膜を形成した。
配向膜のラビング処理面に、下記の組成の光学異方性層塗布液を#3.0のワイヤーバーを391回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、20m/分で搬送されている配向膜面に連続的に塗布した。
───────────────────────────────────
1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物(TD1)
91.00質量部
円盤状化合物(例示化合物TP−1) 9.00質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3.00質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.00質量部
フルオロ脂肪族基含有共重合体 1.00質量部
(メガファックF780 大日本インキ(株)製)
メチルエチルケトン 226.34質量部
───────────────────────────────────
更に位相差板01の作製において、円盤状化合物として用いた例示化合物TP−1の9質量部を、下記表1に示した液晶化合物に置き換えた以外は同様にして、位相差板02〜04をそれぞれ作製した。
実施例1で用いたフィルムPK−1を用い、その表面に、実施例1と同様にして、配向膜を形成した。
次に、光学異方性層の形成では、実施例1で用いた1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物(TD1)に換えて、例示化合物D−112を同じ配合比率で用いた以外は、実施例1と同様にして光学異方性層を形成し、位相差板05を作製した。
下記の組成の光学異方性層塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例用位相差板Aを作製した。
───────────────────────────────────
1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物(TD1)
100.00質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3.00質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.00質量部
フルオロ脂肪族基含有共重合体 1.00質量部
(メガファックF780 大日本インキ(株)製)
メチルエチルケトン 226.34質量部
───────────────────────────────────
比較例1において、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物(TD1)に換えて例示化合物D−112を同じ配合比率で用いた以外は、比較例1と同様にして光学異方性層を形成し、位相差板Bを作製した。
<配向膜の形成>
厚さ1.1mmのガラスを洗浄後、これに、上記配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2の塗布量で塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、ラビング布としてレーヨンを巻いたローラ直径65mmのラビングローラを用いて、回転数1000rpmで一往復のラビング処理を室温で行った。この際、布の毛の押し込み長さを0.1mmとしラビング処理を実施した。
セルに注入後、均一な配向が得られるまで130℃で保持した。その後、クリスタルローテーション法を用いて、90℃の温度で測定を行い、チルト角を求めた。測定には、He−Neレーザー(633nm)を光源として用いた。なお、前記組成物の調製及び測定はすべて黄色灯下で行い、また、プレチルト角測定後に組成物を回収して重合反応が生じていないことをNMR測定により確認した。
得られた位相差板のそれぞれについて、偏光顕微鏡(Nikon製ECLIPSE LV100POL)とバックライトを設けたクロスニコル中での観察により、目視で配向状態の確認を行った。その結果を表1に示す。また、位相差板01〜04の偏光顕微鏡観察写真を図1(いずれも同様の観察写真が得られたので、代表として位相差板01の観察写真を図1に表示)、位相差板Aの偏光顕微鏡観察写真を図2にそれぞれ示す。
Claims (7)
- 1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の少なくとも一種と、円盤状構造(但し、1,3,5置換ベンゼン骨格は除く)を部分構造として有する化合物の少なくとも一種とを含有することを特徴とする液晶組成物。
- 前記円盤状構造を部分構造として有する化合物が、下記一般式(TI)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物:
式(R−IA)
*−Cy1−(L1A−Cy2)p−L2A−(L3A)r−Q1A
[式(R−IA)中、*はL1に結合する位置を表し;Cy1及びCy2はそれぞれ、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基を表し;L1Aは単結合又は二価の連結基を表し;L2Aは単結合又は二価の連結基を表し;L3Aは、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、又は置換アルキニレン基を表し;Q1Aは重合性基又は水素原子を表し;pは0〜2の整数を表し;rは0又は1を表す]を表す。 - 前記1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物が、下記一般式(DI)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶組成物;
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶組成物から形成されたことを特徴とする光学異方性膜。
- 支持体と、該支持体上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶組成物から形成された光学異方性層とを有することを特徴とする位相差板。
- 前記支持体と前記光学異方性層との間に配向膜を有し、該配向膜が部分鹸化されたポリビニルアルコール誘導体を含有することを特徴とする請求項5に記載の位相差板。
- 1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の分子を配向膜の表面上で配向させる配向工程と、配向工程で得られた配向状態を固定することを含む光学異方性膜の製造方法であって、
前記配向工程において、1,3,5置換ベンゼン型ディスコティック液晶化合物の分子を、配向膜界面におけるチルト角1〜12°で配向させることを特徴とする光学異方性膜の製造方法。
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