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JP2009096752A - アルコール類の製造方法 - Google Patents

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JP2009096752A
JP2009096752A JP2007269229A JP2007269229A JP2009096752A JP 2009096752 A JP2009096752 A JP 2009096752A JP 2007269229 A JP2007269229 A JP 2007269229A JP 2007269229 A JP2007269229 A JP 2007269229A JP 2009096752 A JP2009096752 A JP 2009096752A
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Yasunori Ino
恭規 猪野
Wataru Kuriyama
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Takasago International Corp
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Abstract

【課題】比較的温和な条件下、合成の容易な触媒を用い、エステル又はラクトンからアルコール類を高収率かつ高触媒効率で製造する方法を提供する。
【解決手段】ルテニウム(Ru)化合物、モノスホスフィン及びアミン類からなる触媒を用いてエステル又はラクトンを水素還元する。前記反応は、塩基又は還元剤の存在下で行うことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、エステル又はラクトンを水素還元してアルコール類を製造する方法に関する。
エステル及びラクトンを還元してアルコール類を得る方法は化学合成において重要である。エステル又はラクトンを水素化してアルコール類を得る方法としては、ルテニウム化合物及び有機ホスフィン化合物からなるルテニウム錯体を使用しての液相でのエステル類の水素化反応によるアルコール類の製造方法(例えば、特許文献1〜3及び非特許文献1〜3参照)、ルテニウム化合物及び二座又は四座のアミノホスフィンを配位子とするルテニウム錯体を用いた水素化反応によるアルコール類の製造方法(例えば、特許文献4、5参照)など多数の方法が提案されている。
特開2001−247499号公報 特開2004−300131号公報 特表2005−524704号公報 WO2006/106483 WO2006/106484 J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1980,783 J.Mol.Catal.A,2002,178,105 Angew.Chem.Int.Ed.,2006,45,1113
しかし、上記特許文献1〜3及び非特許文献1〜3に記載の水素化反応はいずれも、収率及び触媒効率を共に満たすものではなく、経済的に有利な方法と言いがたい。また特許文献2及び非特許文献1に記載のエステルの水素化反応では、含フッ素アルコールが溶媒として使用され、経済性、環境負荷の観点において課題を有する。また非特許文献2に記載の方法は、180〜200℃の高温が必要なため、工業的観点から経済性、操作性において課題を有する。さらに非特許文献3に記載の方法は、反応溶媒として、経済的に不利で、かつ人体への影響が懸念される、1,4−ジオキサンが採用されている。特許文献4及び5に記載の方法は、同一分子内にリン原子と窒素原子を有する非対称型の配位子を有するルテニウム錯体を用いているため、配位子の合成が煩雑になる場合がある。
従って、本発明の目的は、製造の容易な触媒を用い、比較的温和な条件下で、簡便にエステル又はラクトンからアルコール類を高収率かつ高触媒効率で製造することができる、エステル又はラクトンからのアルコール類の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記の事情に鑑み、鋭意検討を行った結果、ルテニウム化合物、モノホスフィン化合物及びアミン化合物からなる触媒を用いることにより、エステル又はラクトンから対応するアルコール類を高収率かつ高触媒効率で製造することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の1〜7に関するものである。
1.下記成分(i)、(ii)、及び(iii)からなる触媒の存在下、エステル又はラクトンを水素還元することを特徴とするアルコール類の製造方法。
(i)ルテニウム化合物
(ii)モノホスフィン
(iii)アミン類
2.(i)ルテニウム化合物、(ii)モノホスフィン、及び(iii)アミン類からなる触媒が、下記一般式(1)で表されるルテニウム−モノホスフィン錯体とアミン類である上記1に記載のアルコール類の製造方法。
Figure 2009096752
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を表し、LPはモノホスフィンを表し、mは3又は4である。)
3.(i)ルテニウム化合物、(ii)モノホスフィン、及び(iii)アミン類からなる触媒が、下記一般式(2)で表されるルテニウム錯体である上記1に記載のアルコール類の製造方法。
Figure 2009096752
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を表し、LPはモノホスフィンを表し、LNは二座配位性のアミン類を表す。)
4.アミン類がジアミンである上記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.添加剤の存在下に行う上記1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.添加剤が塩基又は還元剤である上記5に記載の製造方法。
7.添加剤と、(i)ルテニウム化合物、(ii)モノホスフィン、及び(iii)アミン類からなる触媒とを予め混合撹拌した混合物を触媒として用いる上記5又は6に記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、工業的に有利な低い水素圧及び反応温度で、エステル及びラクトンからアルコール類を高収率、高触媒効率で製造することが可能である。また圧力及び温度を抑えることで、芳香環の還元等の副反応を抑制することができる。さらに溶剤を用いる場合にも、環境面・健康面において問題のある溶剤を必要とせず、また使用する配位子は比較的安価かつ入手容易な試薬を用いていることから、経済的にも有用な製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、原料の水素化基質としてエステル又はラクトンが用いられる。水素化基質として用いられるエステルとしては、脂肪族カルボン酸エステル又は芳香族カルボン酸エステル等が挙げられる。該エステルはモノカルボン酸由来でもポリカルボン酸由来でもよい。これらのエステル類やラクトン類は、本発明の水素化方法において悪影響を及ぼさないいかなる置換基で置換されていてもよい。
本発明において水素化基質として用いられるエステル類としては、例えば、下記の脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、オクチルエステル等の炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状又は環状のアルキル基からなるアルキルエステル;フェニルエステル、ビフェニルエステル、ナフチルエステル等の炭素数6〜40、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式のアリール基からなるアリールエステル;ベンジルエステル、1−フェネチルエステル等の炭素数7〜40、好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜15のアラルキル基からなるアラルキルエステル等が挙げられる。好ましいエステル類としては、メチルエステル、エチルエステルなどの炭素数1〜5のアルキルエステルが挙げられる。
本発明の方法における原料の水素化基質のエステルを構成する脂肪族カルボン酸としては、置換基を有していてもよい炭素数2〜30、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜15のモノ−又はポリカルボン酸が挙げられ、脂肪族カルボン酸における脂肪族基としては鎖状のものでも環状のものであってもよいし、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、シュウ酸、プロパンジカルボン酸、ブタンジカルボン酸、ヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、アクリル酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸等が挙げられる。
また、これら脂肪族カルボン酸は置換基で置換されていてもよく、該置換基として、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、水酸基等が挙げられる。
上記脂肪族カルボン酸の置換基としてのアルキル基は、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、脂肪族カルボン酸の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖又は環状(環状の場合の炭素数は3以上である。)のアルキル基からなるアルコキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
さらに、脂肪族カルボン酸の置換基としてのアミノ基としては、アミノ基;N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基;N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、N−ナフチル−N−フェニルアミノ基等のモノ又はジアリールアミノ基;N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等のモノ又はジアラルキルアミノ基等が挙げられる。更に、アミノ基は、テオドーラ W.グリーン、ピーター G.M.ウッツ、「プロテクティング グループス イン オーガニック シンセシス 第二版」、ジョン ウイリー アンド サンズ、1991(Theodora W. Greene, Peter G.M.Wuts,PROTECTING GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS Second Eddition,JOHN WILEY & SONS,INC.1991)に記載されている一般的な保護基を有するアミノ基であってもよく、保護基としては、例えばt−ブトキシカルボニル(Boc)やベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アセチル(Ac)、p−トルエンスルホニル(Ts)、t−ブチルジメチルシリル(TBS)等が挙げられる。
また、脂肪族カルボン酸の置換基としてのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられ、これらアリール基は、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基等で置換されていてもよい。
さらに、脂肪族カルボン酸の置換基としてのヘテロアリール基としては、例えば炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式ヘテロアリール基、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられる。具体的には、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
また、脂肪族カルボン酸の置換基としてのアラルキル基としては、ベンジル基、1−フェネチル基等が挙げられる。
本発明の方法における原料の水素化基質のエステルを構成する芳香族カルボン酸としては、炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、より好ましく炭素数6〜12の単環式、多環式もしくは縮合環式のアリール基;又は、1個〜4個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個の窒素原子、酸素原子、もしくは硫黄原子からなる異種原子を含有する3〜8員、好ましくは5〜8員の環を有する単環式、多環式、もしくは縮合環式のヘテロアリール基を有する芳香族カルボン酸が挙げられ、具体的には、例えば、安息香酸、ナフタレンカルボン酸、ピリジンカルボン酸、キノリンカルボン酸、フランカルボン酸、チオフェンカルボン酸等が挙げられる。
また、これら芳香族カルボン酸は、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、水酸基等で置換されていてもよい。
一方、本発明において用いられるラクトン類としては、β−ラクトン、γ−ラクトン、δ−ラクトン等が挙げられ、これらのラクトン類は前記したようなアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、水酸基等で置換されていてもよい。また、ビシクロ環構造や芳香族環と縮合環構造を有していてもよい。
次に、本発明に用いられる触媒について説明する。
本発明の触媒を構成する成分は、(i)ルテニウム化合物、(ii)モノホスフィン、及び(iii)アミン類からなる。これら成分(i)、(ii)、(iii)は、(A)これら各成分が単体化合物からなる三者の化合物の混合物からなっていてもよいし、(B)成分(i)と(ii)の錯体と成分(iii)のアミン類からなっていてもよいし、(C)成分(i)、(ii)、(iii)からなる錯体であってもよいが、(B)と(C)の態様が好ましい。成分(i)と(ii)からなる錯体としては、前記一般式(1)で表される錯体が好ましいものであり、また成分(i)、(ii)、(iii)からなる錯体としては、前記一般式(2)で表される錯体が好ましいものである。
本発明で用いられる触媒成分(i)のルテニウム化合物の具体例としては、RuCl2(DMSO)4、RuCl3・nH2O、(cod)2Ru(μ−OAc)、(cod)2Ru(μ−O2CCF3)、(cod)Ru(η2−O2CCF32、(cod)Ru(η3−メタリル(methallyl))2、Ru2(CO)6(C88)、RuCl(CO)3(C35)、Ru(C552、Ru(C55)(CH3COC54)、Ru(C55)(C54CH3)、[Ru(cod)Cl2]n、[Ru(ベンゼン)Cl22、[Ru(ベンゼン)Br22、[Ru(ベンゼン)I22、[Ru(p−シメン)Cl22、[Ru(p−シメン)Br22、[Ru(p−シメン)I22、[Ru(メシチレン)Cl22、[Ru(メシチレン)Br22、[Ru(メシチレン)I22等が挙げられる。例示中、DMSOはジメチルスルホキシド、codは1,5−シクロオクタジエン、Acはアセチル(以下においても同じ。)をそれぞれ表す。
続いて、本発明で用いられる触媒の成分(ii)のモノホスフィンについて説明する。
本発明で用いられるモノホスフィンとしては、下記一般式(3)で表される単座モノホスフィンが挙げられる。
Figure 2009096752
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表す。)
上記式中、R1、R2及びR3で表されるアルキル基としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、アルキル基の好ましい具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
上記式中、R1、R2及びR3で表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖又は環状(環状の場合の炭素数は3以上である。)のアルキル基もしくはアリール基からなるアルコキシ基が挙げられ、アルコキシ基の好ましい具体例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
上記式中、R1、R2及びR3で表される置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、フリル基等が挙げられる。これらアリール基の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アリール基等が挙げられる。
該アリール基の置換基としてのアルキル基としては、直鎖状又は分岐状の、例えば炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
また、該アリール基の置換基としてのアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状の、例えば炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基及びt−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
該アリール基の置換基としてのアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、フリル基等が挙げられる。
上記式中、R1、R2及びR3で表される置換基を有していてもよいアリールオキシ基のアリールオキシ基としては、例えば炭素数6〜14のアリールオキシ基が挙げられ、具体的にはフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、ビフェニル基等が挙げられる。これらアリールオキシ基の置換基としては、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
また、R1、R2及びR3で表される、置換基を有していてもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、5員環又は6員環のシクロアルキル基が挙げられ、好ましいシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらシクロアルキル基は、前記アリール基の置換基として挙げたようなアルキル基又はアルコキシ基等の置換基で、1又は2以上置換されていてもよい。
前記した一般式(3)で表されるモノホスフィンの具体例としては、例えば、トリフェニルホスフィン〔PPh3〕、トリ(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリ(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メトキシフェニル]ホスフィン、トリ(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホスフィン、トリ(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ジクロロフェニル)ホスフィン、トリ(1−ナフチル)ホスフィン、トリメチルホスフィン〔PMe3〕、トリス(トリフルオロメチル)ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリペンチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリ−n−ヘプチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、シクロヘキシルメチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン等が挙げられる。
続いて、本発明で用いられる触媒の成分(iii)のアミン類について説明する。
本発明で用いられるアミン類としては、単座配位性アミン類(モノアミン、モノイミン)、及び二座配位性アミン類(ジアミン、ジイミン、イミノアミン)のアミン類が挙げられ、この中でも二座配位性のアミン類が好ましい。単座配位性アミン類及び二座配位性アミン類(ジイミン、イミノアミン)としては、例えば下記式(A)〜(F)で表されるアミン類が挙げられる。
Figure 2009096752
(式中、Ra〜Rsはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、Qa、Qb、Qcはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキレン鎖、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基、又は置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。また、RaとRb、RcとRd、RcとRf、RhとRi、RjとRk、RpとRqは、それぞれ独立して脂環を形成してもよい。)
さらに、本発明で好ましく用いられる二座配位性のアミン類であるジアミンとしては、置換されていてもよいジアミン、例えば下記一般式(4)で表されるものが好ましいものとして挙げられる。
Figure 2009096752
(式中、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルカン又はアレーンスルホニル基を表し、Q1は置換基を有していてもよいアルキレン鎖、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基、又は置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。)
一般式(4)で表されるジアミンにおいて、R4、R5、R6及びR7のうちの少なくとも一つの基が水素原子であるジアミンが好ましい。
また、一般式(4)のR4、R5、R6及びR7における置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、例えば前記したR1、R2及びR3の説明で例示されたような基が挙げられる。
一般式(4)のR4、R5、R6及びR7における置換基を有していてもよいアルカン又はアレーンスルホニル基としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルカン、又は炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは炭素数6〜12の単環式、多環式、若しくは縮合環式のアレーンに結合したスルホニル基が挙げられ、例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
1で表される、置換基を有していてもよいアルキレン鎖としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6の鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げられ、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。これらアルキレン鎖に置換する置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、4−メトキシフェニル基、ナフチル基等のアリール基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1で表される、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基としては、炭素数3〜15、好ましくは炭素数4〜6のシクロアルキル基からなる二価の基が挙げられ、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。これらシクロアルキレン基の置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
1で表される、置換基を有していてもよいアリーレン基としては、炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式のアリーレン基が挙げられ、例えば、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ビナフタレンジイル基等が挙げられる。フェニレン基としては、o又はm−フェニレン基が挙げられ、これらのアリーレン基における置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基及びt−ブトキシ基等のアルコキシ基;水酸基、アミノ基又は置換アミノ基等の置換基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記置換基を有していてもよいビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基としては、1,1’−ビアリール−2,2’−ジイル型の構造を有するものが好ましく、該ビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基の置換基としては、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基等のアルキレンジオキシ基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基等の置換基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられるジアミンの具体例としては、例えばエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、2−メチル−1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、1,2−ジアミノペンタン、1,3−ジアミノペンタン、1,2−シクロペンタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、2,3−ジメチル−2,3−ジアミノブタン、o−フェニレンジアミン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−ジメチルアミノ−1−フェニルエチルアミン、2−ジエチルアミノ−1−フェニルエチルアミン、2−ジイソプロピルアミノ−1−フェニルエチルアミン、1,2−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−ビス(4−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン、1,2−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−ビス(4−N,N−ジエチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−ビス(4−N,N−ジプロピルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−ベンゼンスルホニル)−1,2−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−p−トルエンスルホニル)−1,2−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−メタンスルホニル)−1,2−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−トリフルオロメタンスルホニル)−1,2−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−ベンゼンスルホニル)−1,2−ビス(4−N,N−ジエチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−ベンゼンスルホニル)−1,2−ビス(4−N,N−ジプロピルアミノフェニル)エチレンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、1−メチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、N,N’−ビス(フェニルメチル)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン、N,N’−ビス(メシチルメチル)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン、N,N’−ビス(ナフチルメチル)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン等が挙げられる。また、この他にも以下に示すようなジアミンも挙げられる。しかし、本発明で用いられるジアミンは、これら具体的に例示されたものに限定されるものではない。
Figure 2009096752
また、二座配位性イミンとしては、ジアミンとケトンまたはアルデヒドから調製される前記式(C)で示されるジイミンや、ジケトン、ケトアルデヒド、ジアルデヒドとアミンから調製される前記式(D)で示されるジイミン、アミンとケトンまたはアルデヒドから調製される前記式(E)又は式(F)で示されるイミン(イミノアミン)などが挙げられる。
具体的なジイミンあるいはイミノアミンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2009096752
続いて、本発明の製造法に用いられる一般式(1):
Figure 2009096752
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を表し、LPはモノホスフィンを表し、mは3又は4である。)
で表されるルテニウム錯体について説明する。
上記一般式(1)において、LPで表されるモノホスフィンとしては、成分(ii)で説明したモノホスフィンが挙げられる。
上記一般式(1)において、X1、X2で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基等が挙げられる。
前記一般式(1)において、X1、X2で表されるアシルオキシ基としては、(RaCO2)で表されるものが挙げられる。アシルオキシ基:RaCO2におけるRaとしては、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又はナフチル基が挙げられ、該置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基の置換基としては炭素数1〜4のアルキル基及びハロゲン原子が挙げられる。置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。また、置換基を有してもよいフェニル基あるいはナフチル基において、その置換基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基等のアルキル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、例えば塩素、臭素等のハロゲン原子などが挙げられる。
一般式(1)で表されるルテニウム錯体としては、例えばモノホスフィンとしてトリフェニルホスフィンを用いる場合であれば、RuCl2(PPh33、RuBr2(PPh33、RuI2(PPh33、RuH4(PPh33、RuClH(PPh33等が、またモノホスフィンとしてトリメチルホスフィンを用いる場合であれば、例えばRuCl2(PMe33等が、その他、例えばRuCl2(PCy33、RuCl2(P(n−Bu)33、RuCl2(P(t−Bu)33、RuCl2(P(4−MeO−C6433等が例示される。しかし、モノホスフィンがこれら例示されたものに限定されないことはもちろんである。例示中、Phはフェニル、Cyはシクロヘキシル、Buはブチル、Meはメチル(以下同様である。)を表す。
本発明の触媒が、これら一般式(1)で表されるルテニウム錯体と成分(iii)のアミン類からなる場合、アミン類としては、二座配位性のアミン類が好ましく、さらに一般式(4)中、Q1がエチレンである、エチレンジアミン、(1R,2R)−1,2−ジフェニルエチレンジアミンなどのエチレンジアミン骨格を有するジアミンが好ましい。
続いて、本発明の製造法に用いられる一般式(2):
Figure 2009096752
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を表し、LPはモノホスフィンを表し、LNは二座配位性のアミン類を表す。)
で表されるルテニウム錯体について説明する。
上記一般式(2)において、X1及びX2で表されるハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシルオキシ基、Lpで表されるモノホスフィンは、具体的には一般式(1)で説明したと同様のものが、またLNで表される二座配位性のアミン類としては、具体的には上記成分(iii)で説明したものと同様のが挙げられる。
本発明で用いられる一般式(1)及び一般式(2)で表されるルテニウム錯体合成のための出発原料であるルテニウム化合物としては、ルテニウムハロゲン化物、例えば、RuCl3水和物、RuBr3水和物、RuI3水和物等の無機ルテニウム化合物、RuCl2(DMSO)4、[Ru(cod)Cl2]n、[Ru(nbd)Cl2]n、[Ru(ベンゼン)Cl22、[Ru(ベンゼン)Br22、[Ru(ベンゼン)I22、[Ru(p−シメン)Cl22、[Ru(p−シメン)Br22、[Ru(p−シメン)I22、[Ru(メシチレン)Cl22、[Ru(メシチレン)Br22、[Ru(メシチレン)I22、[Ru(ヘキサメチルベンゼン)Cl22、[Ru(ヘキサメチルベンゼン)Br22、[Ru(ヘキサメチルベンゼン)I22等が、さらに一般式(2)で表されるルテニウム錯体合成のための出発原料としては、一般式(1)で表される錯体等が挙げられる。なお、nbdはノルボルナジエンを表す。
一般式(1)で表されるルテニウム錯体は、例えばInorg.synth.,1972,12,238やJ.Organometal.Chem.,1973,54,259に記載の方法などにより得ることができる。製造法の一例を示すと、例えばRuCl3・3H2Oと過剰のトリフェニルホスフィンをメタノール中で還流することで、RuCl2(PPh33が得られる。また、RuCl3・3H2Oとトリフェニルホスフィン及びNaBH4をエタノール中で還流するか、RuCl2(PPh33とトリフェニルホスフィン及びNaBH4をエタノール中で還流することで、RuH2(PPh34が得られる。
また、一般式(2)で表されるルテニウム錯体は、例えば特開平11−189600号公報に記載の方法などにより得ることができる。例えば、先ずルテニウム化合物を溶媒中でモノホスフィン配位子と反応させ、次いで得られた化合物をアミン配位子と反応させる方法による。より具体的には、例えばルテニウム化合物としてハロゲン化ルテニウムを用いる場合、ハロゲン化ルテニウムとホスフィン配位子との反応は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、適当な反応温度で行われ、ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。次いで、得られたホスフィン−ルテニウムハライド錯体とアミン配位子との反応は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、適当な反応温度で行われ、一般式(2)で表されるルテニウム錯体を得ることができる。しかし、本発明の一般式(2)で表されるルテニウム錯体の製法が、上記のものに限られるものではない。
なお、一般式(2)で表されるルテニウム錯体は一つのジアステレオマーに限るものではなく、cis体、trans体、又はcis体とtrans体の混合物のいずれであってもよい。
本発明のアルコール類の製造方法は、無溶媒又は溶媒中で好適に実施することができるが、溶媒を使用することが好ましい。用いられる溶媒としては、水素化基質及び触媒であるRu錯体を溶解できるものが好ましく、単一溶媒あるいは混合溶媒が用いられる。具体的には水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール及びグリセリン等の多価アルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、ピリジン、トリエチルアミン等のアミン類等が挙げられる。この中でもエーテル類が好ましい。特に好ましいのは、テトラヒドロフランである。溶媒の使用量は、反応条件等により適宜選択することができるが、原料に対して0.5mol/L〜8.0mol/L、好ましくは0.8mol/L〜2.0mol/Lである。反応は必要に応じ攪拌下に行われる。
本発明の製造方法の好適な実施の一態様において、反応系に更に塩基を加え、反応を塩基の存在下に行うことができ、これにより水素還元が円滑に進行する。反応系に加えるために用いられる塩基としては、有機塩基化合物及び無機塩基化合物が挙げられる。
有機塩基化合物の例としては、次に示すホスファゼン化合物等が挙げられる。
Figure 2009096752
本発明において用いられる無機塩基化合物としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムt−ブトキシド、リチウムメトキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等のアルカリ土類金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムメトキシドである。
本発明において用いられる塩基化合物の使用量は、使用するルテニウム化合物及びルテニウム錯体、反応条件等により適宜選択することができるが、ルテニウム化合物及びルテニウム錯体に対して通常2当量〜100,000当量、好ましくは5当量〜10,000当量である。なお、塩基化合物はそのまま反応系に加えることもできるし、反応溶媒等に溶解させた溶液としても反応系に加えることもできる。
塩基は、上記したように、ルテニウム化合物、モノホスフィン及びアミン類からなる触媒と、水素化基質及び必要により用いられる溶剤との混合物からなる反応系に直接あるいは溶解溶液として加えられてもよいが、ルテニウム化合物、モノホスフィン化合物及びアミン化合物からなる触媒と塩基とを予め混合し、この混合物を触媒として用いることもできる。具体的には、ルテニウム化合物及びモノホスフィン化合物及びアミン化合物からなる触媒と塩基とを予め溶媒中で混合撹拌し、混合溶液をそのまま反応系に加えるか、溶媒を留去した残渣を触媒として反応系に加えるか、この残渣を反応溶媒に溶解し、得られた溶液を反応系に触媒として添加する。これにより、水素化基質のアルコールへの転化率、目的とするアルコールへの転化率である選択率の改善が見られる場合がある。
また、本発明においては、添加剤として還元剤を用いることができる。本発明において用いることのできる還元剤としては、Zn、Zn(BH42、LiAlH4、LiAlH(OBu−t)3、NaAlH4、LiAlHEt3、(i−Bu)2AlH、NaBH4などが挙げられる。還元剤の使用量としては、使用するルテニウム化合物及びルテニウム錯体、反応条件等により適宜選択することができるが、ルテニウム化合物及びルテニウム錯体に対して通常1当量〜50当量、好ましくは1当量〜10当量である。なお、還元剤はそのまま反応系に加えることもできるし、反応溶媒等に溶解させた溶液としても反応系に加えることもできる。
本発明において、水素還元を行う際の反応温度は、10℃〜200℃が好ましく、より好ましくは50℃〜120℃である。反応温度が低すぎると未反応の原料が多く残存する場合があり、また高すぎると、原料、触媒等の分解が起こる場合があり、いずれも好ましいものとはいえない。
本発明において、水素還元を行う際の水素の圧力は、好ましくは0.5MPa〜10MPa、より好ましくは3MPa〜6MPaである。
本発明において、触媒の使用量は、原料である水素化基質や反応条件、触媒の種類等、さらには経済性によって異なるが、通常、水素化基質に対するルテニウム金属としてのモル比で0.0001モル%〜10モル%、好ましくは0.01モル%〜5モル%、より好ましくは0.1モル%〜5モル%の範囲である。
また反応時間は8時間〜24時間程度で十分に高い原料転化率を得ることができる。反応終了後は、抽出、濾過、結晶化、蒸留、各種クロマトグラフィー等、通常用いられる精製法を単独又は適宜組み合わせることにより目的のアルコール類を得ることができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、転化率、選択率の測定はガスクロマトグラフィー(GC)で行った。用いた装置は次のとおりである。
GC:Agilent Technologies 6850 Series GC System
カラム:HP−INNO WAX 0.25mm(I.D.)×30m(length),0.250μm(thickness)〔ヒュレット・パッカード社製〕
条件:injection 250℃, detector 250℃
80℃(1min.)−10℃/min.−250℃(12min.)
また、合成で得られた錯体の1H-NMRスペクトル及び31P-NMRスペクトルの測定は、バリアンテクノロジージャパンリミテッド製Mercury plus 300 4N型(1H-NMR 300MHz,31P-NMR 121MHz)を用いて行った。
実施例1(RuCl2[PPh32[(1R,2R)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1)の合成)
20mLのシュレンク型反応管に、RuCl2(PPh33(800mg,0.83mmol)と(1R,2R)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン(195mg,0.92mmol)を量り取り、容器内を減圧にして空気を除いた後に、窒素を導入した。ジクロロメタン(8mL)を注射器で加えた後、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。続いて反応溶液をセライト濾過して、さらにジクロロメタン(2mL)で洗浄した。得られた母液を減圧下で2mLほどに濃縮して、ヘキサン(16mL)を加えて室温で1時間撹拌した。析出物を窒素雰囲気下で濾取して、得られた粉体を減圧下(1mmHg)で乾燥して531mgの目的物を得た。(収率70%)
1H-NMR(CDCl3):δ(ppm)7.52(d,J=9.6Hz,12H),7.21(t,J=9.6Hz,6H),7.09(m,18H),6.83(m,4H),4.25(m,2H),3.75(m,2H),3.35(m,2H).
31P-NMR(CDCl):δ(ppm)43.76.
実施例2(安息香酸メチルの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、実施例1で得られた触媒(1)(0.02mmol)とカリウムt−ブトキシド(0.4mmol)を量り取り、テトラヒドロフラン(3mL)と安息香酸メチル(4.0mmol)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は88.9%であり、ベンジルアルコールへの選択率93.2%であった。
実施例3(フタリドの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、フタリド(3.73mmol)、実施例1で得られた触媒(1)(0.0373mmol)及びカリウムt−ブトキシド(0.373mmol)を量り取り、テトラヒドロフラン(3mL)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で16時間撹拌を行った。その結果、フタリドの転化率84.8%であり、o−キシリレングリコールへの選択率97.1%であった。
実施例4(安息香酸メチルの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、RuCl2(PPh33(0.02mmol)、(1R,2R)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン(0.02mmol)、及びカリウムt−ブトキシド(0.4mmol)を量り取り、テトラヒドロフラン(3mL)と安息香酸メチル(4.0mmol)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は81.7%であり、ベンジルアルコールへの選択率89.0%であった。
実施例5(ヘキサン酸メチルの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、RuCl2(PPh33(0.017mmol)、(1R,2R)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン(0.017mmol)及びカリウムt−ブトキシド(0.34mmol)を量り取り、テトラヒドロフラン(3mL)とヘキサン酸メチル(3.4mmol)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、ヘキサン酸メチルの転化率は48.7%であり、1−ヘキサノールへの選択率43.1%であった。
実施例6(安息香酸メチルの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、RuCl2(PPh33(0.02mmol)とカリウムt−ブトキシド(0.4mmol)を量り取り、エチレンジアミン(0.02mmol)、テトラヒドロフラン(3mL)、及び安息香酸メチル(4.0mmol)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は18.0%であり、ベンジルアルコールへの選択率35.3%であった。
実施例7(安息香酸メチルの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、RuCl2(PPh33(0.02mmol)とカリウムt−ブトキシド(0.4mmol)を量り取り、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.02mmol)、テトラヒドロフラン(3mL)及び安息香酸メチル(4.0mmol)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は26.6%であり、ベンジルアルコールへの選択率52.5%であった。
実施例8(RuCl2[PMe32[エチレンジアミン](2)の合成)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、(cod)Ru(η3−メタリル)2(150mg,0.47mmol)を量り取り、窒素雰囲気下でヘプタン(3mL)、1.0M PMe3トルエン溶液(1mL,1.0mmol)を注射器で加えた後、80℃で5時間撹拌した。反応溶液を20mLのシュレンク型反応管に移し、溶媒を減圧下で留去した後、得られた粉体を減圧下で乾燥して132mgの(PMe32Ru(η3−メタリル)2を得た。(収率77%)。
20mLのシュレンク型反応管に、上記で得られた(PMe32Ru(η3−メタリル)2(123.6mg,0.34mmol)を量り取り、窒素雰囲気下、アセトン(3mL)、1.25M HClエタノール溶液(0.6mL,0.75mmol)を注射器で加えた後、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去した後、ジメチルホルムアミド(3mL)とエチレンジアミン(60μL,0.90mmol)を注射器で加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去した後、得られた粉体を減圧下で乾燥して123mgの目的物を得た。(収率94%)
1H-NMR(C66):δ(ppm)2.69(s,4H),2.30(s,4H),1.28(t,J=4.2Hz,18H).
31P-NMR(C66):δ(ppm)19.94.
実施例9(安息香酸メチルの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、実施例8で得られた触媒(2)(0.02mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.4mmol)を量り取り、テトラヒドロフラン(3mL)と安息香酸メチル(4.0mmol)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は49.0%であり、ベンジルアルコールへの選択率76.1%であった。
実施例10(RuCl2[PMe32[(1R,2R)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](3)の合成)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、(cod)Ru(η3−メタリル)2(150mg,0.47mmol)を量り取り、窒素雰囲気下でヘプタン(3mL)、1.0M PMe3トルエン溶液(1mL,1.0mmol)を注射器で加えた後、80℃で6.5時間撹拌した。反応溶液を20mLのシュレンク型反応管に移し、溶媒を減圧下で留去した後、得られた粉体を減圧下で乾燥して、144mgの(PMe32Ru(η3−メタリル)2を得た(収率84%)。続いて、アセトン(3mL)、1.25M HClエタノール溶液(0.7mL,0.88mmol)を注射器で加えた後、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去した後、ジメチルホルムアミド(3mL)と(1R,2R)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン(84.1mg,0.40mmol)、トリエチルアミン(0.07mL,0.50mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去した後、トルエン(4mL)を加えて室温で5分撹拌した。反応液をセライト濾過し、母液から溶媒を減圧下で留去した後、得られた粉体を減圧下で乾燥して196mgの目的物を得た。(収率92%)
1H-NMR(C66):δ(ppm)7.00(m,4H),6.84(m,6H),4.53(m,2H),3.90(m,4H),1.25(t,J=4.2Hz,18H).
31P-NMR(C66):δ(ppm)19.78.
実施例11(安息香酸メチルの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、実施例10で得られた触媒(3)(0.02mmol)とカリウムt−ブトキシド(0.4mmol)を量り取り、テトラヒドロフラン(3mL)と安息香酸メチル(4.0mmol)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は55.9%であり、ベンジルアルコールへの選択率70.1%であった。

Claims (7)

  1. 下記成分(i)、(ii)及び(iii)からなる触媒の存在下、エステル又はラクトンを水素還元することを特徴とするアルコール類の製造方法。
    (i)ルテニウム化合物
    (ii)モノホスフィン
    (iii)アミン類
  2. (i)ルテニウム化合物、(ii)モノホスフィン、及び(iii)アミン類からなる触媒が、下記一般式(1)で表されるルテニウム−モノホスフィン錯体とアミン類である請求項1に記載のアルコール類の製造方法。
    Figure 2009096752
    (式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を表し、LPはモノホスフィンを表し、mは3又は4である。)
  3. (i)ルテニウム化合物、(ii)モノホスフィン、及び(iii)アミン類からなる触媒が、下記一般式(2)で表されるルテニウム錯体として存在する請求項1に記載のアルコール類の製造方法。
    Figure 2009096752
    (式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を表し、LPはモノホスフィンを表し、LNは二座配位性のアミン類を表す。)
  4. アミン類がジアミンである請求項1〜3のいずれかに記載のアルコール類の製造方法。
  5. 添加剤の存在下に行う請求項1〜4のいずれかに記載のアルコール類の製造方法。
  6. 添加剤が塩基又は還元剤である請求項5に記載のアルコール類の製造方法。
  7. 添加剤と、(i)ルテニウム化合物、(ii)モノホスフィン、及び(iii)アミン類からなる触媒とを予め混合撹拌した混合物を触媒として用いる請求項5又は6に記載のアルコール類の製造方法。
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