JP2009092628A - 蓄電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度に異常判断ができる簡単な制御の蓄電装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電圧検出回路を内蔵し、蓄電部23に接続された充電回路19と、充電回路19に接続された制御回路41とを有し、制御回路41は、蓄電部23が電力を蓄えた積算時間tを計測するとともに、蓄電部23を定電流Iで充電する際に、蓄電部23の電圧Vcが充電を開始してから既定電圧幅ΔVだけ変化するまでの実測時間幅dtmを計測し、蓄電部23の電圧Vcが既定電圧幅ΔVだけ変化した時点の積算時間tに応じた内部抵抗値Rと容量値Cを求め、計算時間幅dtcを、dtc=(ΔV−I・R)・C/Iより計算し、実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの差の絶対値が既定値を超えるか、または実測時間幅dtmが既定下限値以下になれば、蓄電装置11に異常が起こっていると判断するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】電圧検出回路を内蔵し、蓄電部23に接続された充電回路19と、充電回路19に接続された制御回路41とを有し、制御回路41は、蓄電部23が電力を蓄えた積算時間tを計測するとともに、蓄電部23を定電流Iで充電する際に、蓄電部23の電圧Vcが充電を開始してから既定電圧幅ΔVだけ変化するまでの実測時間幅dtmを計測し、蓄電部23の電圧Vcが既定電圧幅ΔVだけ変化した時点の積算時間tに応じた内部抵抗値Rと容量値Cを求め、計算時間幅dtcを、dtc=(ΔV−I・R)・C/Iより計算し、実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの差の絶対値が既定値を超えるか、または実測時間幅dtmが既定下限値以下になれば、蓄電装置11に異常が起こっていると判断するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、主電源の電圧低下時に蓄電部から電力を供給する補助電源としての蓄電装置に関するものである。
近年、環境への配慮や燃費向上のために停車時にエンジン駆動を停止するアイドリングストップ機能を搭載した自動車(以下、車両という)が市販されている。このような車両は使用中に断続的に大電流を消費するスタータが駆動すると一時的にバッテリの電圧が下がる。その結果、オーディオやカーナビゲーション等の他の負荷への供給電圧も下がり、その動作が不安定になる可能性があった。
また、車両の制動についても、従来の機械的な油圧制御から電気的な油圧制御への各種車両制動システムの提案がなされてきているが、バッテリが異常になった時、車両制動システムが動作しなくなる等の可能性があった。
これらに対し、一時的なバッテリの電圧低下時に負荷に十分な電力を供給したり、バッテリ異常時に車両制動システム等に電力を供給するために、あらかじめ蓄電部を充電しておき、バッテリの電圧低下時や異常時に負荷へ蓄電部の電力を供給する補助電源としての車両用蓄電装置が開発されている。このような蓄電装置の蓄電部には、例えば急速充放電特性に優れる電気二重層キャパシタが用いられ、バッテリが正常電圧時に電気二重層キャパシタを充電するようにしている。
このような蓄電装置は、特にバッテリが異常になった時に車両制動システム等の負荷に電力を確実に供給できるように、高信頼性が要求される。そのために、蓄電装置の異常を判断することが重要となる。この異常判断を行うために、例えば下記特許文献1の構成が提案されている。なお、特許文献1では異常判断の中でも特に電気二重層キャパシタの劣化判断について記載されている。
図7はこのような蓄電装置のブロック回路図である。電力を蓄える蓄電素子には例えば大容量の電気二重層キャパシタが用いられ、これを複数個接続して蓄電部としてのキャパシタユニット101が構成されている。キャパシタユニット101には、その充放電を制御する充電回路103、および放電回路105が接続されている。充電回路103と放電回路105はマイコン107によって制御されている。マイコン107にはバッテリ異常を検出するための電圧検出手段109が接続され、電圧検出手段109には異常時にキャパシタユニット101の電力を供給するFETスイッチ111が接続されている。
このようにして構成された蓄電装置113はバッテリ115と電子制御部117の間に接続されており、イグニションスイッチ119によって起動、停止するように制御されている。
電子制御部117は車両制動システムであるので、安全確保のためにバッテリ115が異常になっても電子制御部117を駆動させ続けなければならない。そこで、バッテリ115の異常を電圧検出手段109が検出すれば、FETスイッチ111をオンにしてキャパシタユニット101の電力を電子制御部117に供給することで、バッテリ115の異常に対応している。また、車両の使用終了時には、キャパシタユニット101の劣化を抑制するために、マイコン107は放電回路105によってキャパシタユニット101に蓄えられた電力を放電している。
このような蓄電装置113は、バッテリ115の異常時にも確実に電子制御部117に必要十分な電力を供給できるようにするために、キャパシタユニット101の劣化判断を行っている。すなわち、キャパシタユニット101は劣化が進行するに伴って、その内部抵抗値Rが上昇し容量値Cが低減するので、現在の内部抵抗値Rと容量値Cを求め、例えばあらかじめ求めたこれらの劣化限界値(順にRd、Cdとする)と比較することにより、キャパシタユニット101の劣化を判断することができる。この劣化判断動作の詳細を図8により説明する。
図8は、蓄電装置113を起動した際におけるキャパシタユニット101の電圧経時変化特性を示し、横軸は時間を、縦軸はキャパシタユニット101の電圧を、それぞれ示す。
前記したように、マイコン107は放電回路105によりキャパシタユニット101の電力を放電しているので、図8の時間0に示すように、蓄電装置113の起動時にはキャパシタユニット101の電圧は0Vである。この状態で、マイコン107が充電回路103により定電流Iでキャパシタユニット101を充電すると、充電開始直後に、図8の時間0に示すようにキャパシタユニット101の内部抵抗値Rに比例した電圧上昇が起こり、その後、キャパシタユニット101の電圧が経時的に上昇していく。
ここで、マイコン107はキャパシタユニット101の内部抵抗値Rを求めるために充電を80ミリ秒(80mS)の間、中断し、その際の電圧降下幅ΔV1を求める。これにより、内部抵抗値Rを、R=ΔV1/Iより求めている。
その後、マイコン107は充電を再開し、その際の任意の時間幅twにおける電圧上昇幅ΔV2を求める。これにより、キャパシタユニット101の容量値Cを、C=I・tw/ΔV2より求めている。
このようにして求めた内部抵抗値Rと容量値Cを用いて、前記した劣化限界値Rd、Cdとそれぞれ比較し、R≧Rd、またはC≦Cdであれば、キャパシタユニット101が劣化していると判断することができる。これにより、蓄電装置113の高信頼性を得ていた。
特開2005−28908号公報
上記の蓄電装置113によると、確かに蓄電装置113の異常判断を行うことにより、高信頼性が得られるのであるが、特に内部抵抗値Rを求める際に、キャパシタユニット101の充電を一定の時間だけ中断する必要があり、キャパシタユニット101の劣化判断を行う際のマイコン107の制御が複雑になるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、蓄電部の充電を中断しなくても高精度に異常判断ができる簡単な制御の蓄電装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の蓄電装置は、キャパシタからなる蓄電部と、前記蓄電部に接続された充電回路、および電圧検出回路と、前記充電回路、および前記電圧検出回路が接続された制御回路とを有し、前記制御回路は、前記蓄電部が電力を蓄えた積算時間(t)を計測するとともに、前記蓄電部を定電流(I)で充電、または放電する際に、前記蓄電部の電圧(Vc)が充電、または放電を開始してから既定電圧幅(ΔV)だけ変化するまでの実測時間幅(dtm)を計測し、あらかじめ求めておいた、前記積算時間(t)に対する前記蓄電部の内部抵抗値と容量値の相関関係を用いて、前記蓄電部の電圧(Vc)が前記既定電圧幅(ΔV)だけ変化した時点の前記積算時間(t)に応じた内部抵抗値(R)と容量値(C)を求め、計算時間幅(dtc)を、dtc=(ΔV−I・R)・C/Iより計算し、前記実測時間幅(dtm)と前記計算時間幅(dtc)の差の絶対値が既定値を超えるか、または前記実測時間幅(dtm)が既定下限値以下になれば、異常が起こっていると判断するようにしたものである。
本発明の蓄電装置によれば、蓄電部が電力を蓄えた積算時間(t)を計測するだけで、積算時間(t)に対応した内部抵抗値(R)と容量値(C)を求めるようにしているので、蓄電部の充電を中断する必要がない。さらに、求めた内部抵抗値(R)と容量値(C)から、蓄電部の電圧(Vc)が既定電圧幅(ΔV)だけ変化する際の計算時間幅(dtc)を求めて、実測時間幅(dtm)と比較し、また実測時間幅(dtm)と既定下限値を比較することで、実測に基いた異常判断を行っているので、単に積算時間(t)に対応した内部抵抗値(R)と容量値(C)のみで異常判断するよりも高精度な異常判断が可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における蓄電装置のブロック回路図である。図2は、本発明の実施の形態における蓄電装置の起動時のフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態における蓄電装置の起動時における蓄電部の電圧の経時特性図である。図4は、本発明の実施の形態における蓄電装置の使用積算時間計測のフローチャートである。図5は、本発明の実施の形態における蓄電装置の通常動作時のフローチャートである。図6は、本発明の実施の形態における蓄電装置の使用終了時のフローチャートである。なお、図1において太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。また、本実施の形態では蓄電装置をアイドリングストップ車に適用した場合について述べる。
図1は、本発明の実施の形態における蓄電装置のブロック回路図である。図2は、本発明の実施の形態における蓄電装置の起動時のフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態における蓄電装置の起動時における蓄電部の電圧の経時特性図である。図4は、本発明の実施の形態における蓄電装置の使用積算時間計測のフローチャートである。図5は、本発明の実施の形態における蓄電装置の通常動作時のフローチャートである。図6は、本発明の実施の形態における蓄電装置の使用終了時のフローチャートである。なお、図1において太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。また、本実施の形態では蓄電装置をアイドリングストップ車に適用した場合について述べる。
図1において、蓄電装置11は主電源15と負荷17との間に接続されている。主電源15はバッテリであり、図示していないが大電流を断続的に消費するスタータも接続されている。また、負荷17はオーディオやナビゲーション等の補機である。
蓄電装置11は次の構成を有する。まず、主電源15の出力には充電回路19が接続されている。充電回路19は後述する蓄電部の電圧Vcを検出しながら、定電流、または定電圧で設定電圧まで充電する機能を有する。さらに、主電源15の電圧Vbと蓄電部の電圧Vcを出力する機能も有する。従って、充電回路19は電圧検出回路を内蔵していることになるので、図1では電圧検出回路を省略して示している。
充電回路19の出力と負荷17の間には、蓄電部23が接続されている。蓄電部23は、例えば蓄電素子として電気二重層キャパシタを複数個直列接続して必要な電力を賄う構成としている。なお、負荷17の要求電力仕様によって電気二重層キャパシタの個数を増減したり直並列接続としてもよい。
蓄電部23には温度センサ31が配されている。温度センサ31は蓄電部23の環境温度を検出している。温度センサ31には、温度に対する抵抗値変化が大きい特性を有するサーミスタを用いた。
蓄電部23と負荷17の間には放電回路33が接続されている。放電回路33は蓄電部23に蓄えられた電力を負荷17に供給せずに放電するものである。これにより、任意に蓄電部23の放電が可能となる。また、蓄電部23と負荷17の間には、さらに切替スイッチ35と第1ダイオード37が直列に接続されている。切替スイッチ35は外部からオンオフ制御できる構成のもので、ここではFETを用いた。また、第1ダイオード37はアノードが切替スイッチ35に、カソードが負荷17にそれぞれ接続されている。
なお、主電源15と負荷17の間にも第2ダイオード39が接続されている。第2ダイオード39はアノードが主電源15に、カソードが負荷17にそれぞれ接続されている。従って、第1ダイオード37と第2ダイオード39により主電源15からの電力と蓄電部23からの電力が互いに逆流することを防止している。
充電回路19、温度センサ31、放電回路33、および切替スイッチ35は信号系配線で制御回路41にも接続されている。なお、充電回路19には電圧検出回路(図示せず)が内蔵されているので、その出力も信号系配線で制御回路41に接続されている。制御回路41はマイクロコンピュータと周辺回路から構成されており、蓄電装置11の全体の動作を制御している。すなわち、制御回路41は充電回路19の出力から主電源15の電圧Vbと蓄電部23の電圧Vcを、温度センサ31から蓄電部23の温度Tをそれぞれ読み込む。また、制御回路41は充電回路19に充電制御信号Ccontを送信することで充電回路19の制御を行うとともに、放電回路33に放電制御信号Dcontを送信することで放電回路33の制御を行う。また、切替スイッチ35に切替スイッチオンオフ信号Sofを送信することで切替スイッチ35のオンオフ制御を行う。また、制御回路41は車両側制御回路(図示せず)とデータ信号dataの送受信を行うことで互いに交信する機能を有している。
次に、このような蓄電装置11の動作について、まず起動時における動作を図2、図4のフローチャート、および図3の蓄電部電圧Vcの経時特性図を用いて説明する。なお、制御回路41はメインルーチン(図示せず)から必要に応じて様々なサブルーチンを実行することにより全体の動作を行うソフトウエア構成としているので、以後全てのフローチャートをサブルーチンの形態で示す。
車両が起動すると、蓄電装置11も同時に起動する。これにより、制御回路41のメインルーチンは図2のサブルーチンを実行する。その結果、まず制御回路41は、図4に示す割り込みルーチンの実行を許可する(ステップ番号S11)。なお、図4の割り込みルーチンは既定時間間隔Δt毎(本実施の形態では0.1秒毎)に割り込んで実行され、蓄電部23が電力を蓄えた積算時間tの加算と、後述する経時カウンタdtの加算を行う。これらの動作の詳細は後で述べる。
次に、制御回路41は経時カウンタdtに0を代入してクリアする(S13)。なお、この動作を図2のフローチャートではdt=0と示す。すなわち、dt=0と記載することにより、右辺の値(0)を左辺の変数(dt)に代入するという動作を行うことを意味する。以後のフローチャートにおいても、判断処理以外の数式は全て同様の意味を有するものとする。
ここで、経時カウンタdtは蓄電部23への充電を開始してからの経過時間を示すもので、前記した割り込みルーチンにより0.1秒毎に経時カウンタdtの値が1ずつ増える。従って、任意のタイミングで経時カウンタdtを10で割ることにより、充電開始後の経過時間を知ることができる。なお、S13の時点では蓄電部23の充電直前であるので、dtに0を代入してクリアしている。
次に、制御回路41は異常判断フラグHTに0を代入してクリアする(S14)。ここで、異常判断フラグHTは蓄電装置11の起動時に異常判断を行ったか否かを示すフラグで、HTが0の時は異常判断をまだ行っていない状態を、HTが1の時は異常判断を行った後の状態を、それぞれ示す。S14の時点では蓄電装置11の起動直後であるので、HTに0を代入してクリアしている。
その後、制御回路41は充電回路19に対し、蓄電部23を定電流Iで充電するように充電制御信号Ccontを送信する。これにより、充電回路19は蓄電部23の充電を開始する(以上、S15)。この時の蓄電部23の電圧Vcの状態を図3の時間t0近傍に示す。時間t0を充電開始時間とすると、蓄電部23は時間t0から充電されることになる。この充電開始直後は、蓄電部23の内部抵抗値Rに比例した電圧上昇が発生する。従って、図3の時間t0で蓄電部23の電圧Vcは0Vから急に上昇している。その後は充電回路19により定電流Iで充電されていくので、図3の時間t0以降に示すように、蓄電部23の電圧Vcは一定の傾きを持って経時的に上昇していく。但し、蓄電部23が劣化すると内部抵抗値Rが大きく、容量値Cが小さくなるので、蓄電部23の劣化に従って、時間t0における電圧Vcの急上昇幅、および時間t0以降の電圧Vcの傾きがともに大きくなっていく。すなわち、蓄電部23の新品時には図3の実線に示す特性であったものが、蓄電部23の劣化とともに、図3の太点線(劣化後)に示す特性に向かって変化していく。
ここで図2に戻り、充電が開始すると制御回路41は充電回路19に内蔵した電圧検出回路(図示せず)で蓄電部23の電圧Vcを読み込み(S17)、電圧Vcが既定電圧幅ΔVと等しくなったか否かを判断する(S19)。なお、等しくなるということは、充電回路19に内蔵した電圧検出回路の検出誤差や制御回路41の計算誤差、カウント誤差等を含む誤差範囲内で等しくなるということであると以下定義する。
ここで、既定電圧幅ΔVは、蓄電装置11の異常判断を行う際の電圧Vcにおける電圧変化幅のことであり、電圧Vcが充電開始後ΔVだけ変化した時に異常判断を行うようにしている。この状態を図3に示す。時間t0で充電をスタートしてから、蓄電部23の電圧Vcが既定電圧幅ΔVだけ変化した時点で異常判断を行うのであるが、本実施の形態の場合、充電開始時(時間t0)では電圧Vcが0Vであるので、蓄電部23の電圧VcがΔV(=Vc1)と等しくなれば異常判断を行うようにしている。なお、既定電圧幅ΔVは任意に決定できるが、本実施の形態では検出誤差等を考慮してΔVを8Vとした。この値は制御回路41内のメモリに記憶してある。
ここで図2に戻り、蓄電部23の電圧Vcが既定電圧幅ΔVと等しければ(S19のYes)、蓄電装置11の異常判断を行うために、後述するS25にジャンプする。一方、電圧Vcが既定電圧幅ΔVと等しくなければ(S19のNo)、次に電圧Vcと設定電圧を比較する(S21)。なお、設定電圧は蓄電部23を満充電した時の電圧である。本実施の形態では、蓄電部23が定格電圧2.2Vの電気二重層キャパシタを6個直列に接続した構成としたので、設定電圧は13.2V(=2.2V×6個)となる。
もし、電圧Vcが設定電圧未満であれば(S21のYes)、蓄電部23を満充電にするためにS15に戻り、蓄電部23の充電を継続する。一方、電圧Vcが設定電圧以上になれば(S21のNo)、蓄電部23の充電が完了したので、制御回路41は充電回路19に対し設定電圧を維持するように充電制御信号Ccontを送信する(S23)。これにより、蓄電部23の電圧Vcは充電回路19によって設定電圧に維持される。その後、図2のサブルーチンを終了し、メインルーチンに戻る。
次に、蓄電装置11の異常判断動作について説明する。S19において、電圧Vcと既定電圧幅ΔVが等しければ(S19のYes)、制御回路41は異常判断フラグHTが0であるか否かを判断する(S25)。もし、異常判断フラグHTが0でなければ(S25のNo)、蓄電装置11の起動後に既に異常判断を行っているので、S21にジャンプし充電完了判断以降の動作を行う。
一方、異常判断フラグHTが0ならば(S25のYes)、蓄電装置11の起動後に異常判断を行っていないことになるので、異常判断動作を行う。具体的には、まず異常判断フラグHTに1を代入する(S26)。これにより、起動後に異常判断が行われたことが記憶される。次に、実測時間幅dtmをdtm=dt/10より計算する(S27)。なお、経時カウンタdtを10で割っているのは、前記したように実際の時間(秒単位)に換算するためである。これにより、図3の時間t0(充電スタート)から蓄電部23の電圧VcがΔVだけ変化するまでの時間が得られる。なお、電圧VcがΔVだけ変化するまでの時間は、蓄電部23の劣化度合いによって異なり、図3に示すように蓄電部23の新品時にはdtm=t2−t0であったものが、劣化後にはdtm=t1−t0と短くなる。
次に、計算時間幅dtcを求める。具体的には、まず現在(蓄電部23の電圧Vcが既定電圧幅ΔVだけ変化した時点)の積算時間tを求める。積算時間tは後述する図4の割り込みルーチンで都度計算されている。次に、現在の積算時間tにおける内部抵抗値Rと容量値Cを、制御回路41に内蔵したメモリにあらかじめ記憶した対応表より読み込む(以上、S29)。なお、蓄電部23の積算時間tに応じた内部抵抗値と容量値の相関関係を示す対応表は、多数の蓄電部23における積算時間tと内部抵抗値、および積算時間tと容量値の相関を実験的に求め、その平均値を計算することで作成している。次に、得られた内部抵抗値Rと容量値Cから、計算時間幅dtcを、dtc=(ΔV−I・R)・C/Iより計算する(S31)。ここで既定電圧幅ΔVと充電時の定電流Iは既知である。
次に、制御回路41は実測時間幅dtmと既定下限値を比較する(S33)。ここで、既定下限値は、蓄電部23がこれ以上劣化すると蓄電装置11として使用できなくなる限界状態における実測時間幅のことで、図3の時間t1−t0で表される。もし、実測時間幅dtmが既定下限値以下であれば(S33のYes)、蓄電部23は劣化限界まで劣化していることになるので、これ以上蓄電装置11を使用することができない。この場合は、後述するS43にジャンプする。
一方、実測時間幅dtmが既定下限値より大きければ(S33のNo)、実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの差の絶対値と既定値を比較する(S35)。ここで、既定値は実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの差に対する許容幅に相当するものである。これは、具体的には次の通りである。
蓄電装置11が正常であれば、積算時間tに応じた内部抵抗値Rと容量値Cから計算した計算時間幅dtcは実測時間幅dtmとほぼ等しくなる。しかし、両者には、実測時間幅dtmや蓄電部23の電圧Vc、積算時間t等における検出誤差や測定誤差、および計算時間幅dtc等を求める際の計算誤差、内部抵抗値Rや容量値Cのバラツキ誤差といった多くの誤差を含む。そこで、この誤差を許容幅として既定値を決定している。すなわち、図3の時間t2近傍に示すように、実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの差に対する許容幅(誤差)が既定値の2倍になるように、既定値をあらかじめ決定している。従って、実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの差の絶対値が既定値以下であれば(S35のNo)、実測時間幅dtmと計算時間幅dtcが許容誤差範囲内で等しいことになるので、蓄電装置11は正常であると判断する。この場合は、異常カウンタRCに0を代入しクリアする(S37)。ここで、異常カウンタRCは実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの差の絶対値が既定値を超えた連続回数をカウントするもので、蓄電装置11の起動時に3回連続して既定値を超えれば異常が起こっていると判断するようにしている。これにより、突発的に既定値を超えたものの、次の起動時には元に戻るような場合には異常と判断しないようにしている。なお、既定値を超える連続回数は3回に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
S37の場合は、蓄電装置11が正常であるので、異常カウンタRCを0にクリアしている。その後、引き続き蓄電部23を満充電するために、S21にジャンプする。
一方、実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの差の絶対値が既定値を超えていれば(S35のYes)、実測時間幅dtmと計算時間幅dtcは許容誤差範囲を超えて相違していることになる。この場合は、積算時間tによって得られる蓄電部23の平均的な劣化特性から外れているので、蓄電部23の内部抵抗値Rと容量値Cの一方だけが極端に変化したり、蓄電部23を構成する蓄電素子の一部だけが早く劣化した等の状態が考えられる。また、蓄電部23は正常でも、充電回路19や、それに内蔵された電圧検出回路等が異常を起こして許容誤差範囲を超えている場合も考えられる。一方で、電圧Vcの検出時や積算時間t等の測定時にノイズ等の影響で突発的に実測時間幅dtmと計算時間幅dtcが相違している状態も考えられる。そこで、制御回路41は、異常カウンタRCに1を加算し(S39)、RCが3以上になったか否かを判断する(S41)。もし、RCが3未満であれば(S41のNo)、突発的な要因による実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの相違の可能性が残るため、まだ蓄電装置11が異常であるとは判断せずに、引き続き蓄電部23を満充電するために、S21にジャンプする。なお、この際に蓄電部23が劣化していたとしても、S33で実測時間幅dtmが既定下限値より大きいと判断されているので、直ちに蓄電装置11が使用できなくなることはない。従って、蓄電部23が劣化していても、引き続き蓄電部23を満充電する動作を行う。
一方、異常カウンタRCが3以上であれば(S41のYes)、3回以上連続して実測時間幅dtmと計算時間幅dtcが相違していることになるので、蓄電装置11が異常を起こしていると判断する。この場合、異常箇所は特定できないものの、制御回路41は蓄電装置異常信号を車両側制御回路に出力する(S43)。具体的には、蓄電装置異常信号をデータ信号dataとして車両側制御回路に送信する。これを受け、車両側制御回路は、蓄電装置11が何らかの原因で異常を起こしている状態であるので、運転者に対しこれ以上使用できないことを警告し修理を促すとともに、アイドリングストップ動作を禁止する。
次に、制御回路41は、蓄電部23への充電を停止するよう充電回路19に充電制御信号Ccontを送信する(S45)。これにより、蓄電装置11の異常が判断されると直ちに蓄電部23の充電が停止される。その後、図2のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。なお、制御回路41は蓄電装置11に異常が起こっていると判断されれば、それ以降はメインルーチンにより、蓄電部23が放電された状態であっても充電回路19による蓄電部23への充電を禁止するように制御し、蓄電装置11を使用しないようにしている。
このような動作により、運転者が修理を行うまではアイドリングストップ動作を禁止するので、運転者が蓄電装置11の異常に気づき、速やかに修理を行う可能性を大きく高めることができる。なお、アイドリングストップ動作を禁止しても通常の走行は可能であるので、運転者はそのまま車両を運転して修理工場に持ち込むことができる。
次に、図4の積算時間tと経時カウンタdtの計測割り込みルーチンについて説明する。既定時間間隔Δt(0.1秒)毎に割り込みが発生し、図4の計測ルーチンが実行されると、まず温度センサ31により蓄電部23の温度Tを読み込むと同時に、充電回路19から蓄電部23の電圧Vcを読み込む(S51)。次に、温度Tと電圧Vcの影響を加味した積算時間tを計算する(S53)。
ここで、積算時間tの計算方法について説明する。一般に、電気二重層キャパシタは印加されている電圧Vcや温度Tによって寿命が大きく影響される。すなわち、電圧Vcが高いほど、また温度Tが高いほど、指数関数的に寿命が短くなる傾向がある。
そこで、本実施の形態では、まず蓄電部23の電圧Vcと寿命の関係から電圧劣化係数K(Vc)を求めておく。これは、電圧Vcが基準電圧(例えば13.2V)時の電圧劣化係数K(13.2V)を1とした時に、基準電圧と異なる電圧Vcが印加された時の蓄電部23の寿命が基準電圧印加時の寿命の何倍になるか、の逆数を求めたもので、電圧Vcが大きいほど電圧劣化係数K(Vc)も大きくなる。従って、電圧劣化係数K(Vc)が例えば2であれば、寿命は1/2(2の逆数)になるので、同じ既定時間間隔Δtであっても、蓄電部23に基準電圧(13.2V)が印加されている場合の2倍の時間(=2×Δt)が経過したことに相当するとして積算時間tを計算する。すなわち、2×Δtを積算時間tに加算するようにしている。これにより、蓄電部23の印加電圧Vcの影響を加味した積算時間tを計算することができる。なお、電圧劣化係数K(Vc)はあらかじめ制御回路41のメモリに記憶してある。
同様に、蓄電部23の温度Tと寿命の関係から温度劣化係数K(T)も求めておく。これは、温度Tが基準温度(例えば25℃)時の温度劣化係数K(25℃)を1とした時に、基準温度と異なる温度Tの環境下における蓄電部23の寿命が基準温度時の寿命の何倍になるか、の逆数を求めたもので、温度Tが高いほど温度劣化係数K(T)も大きくなる。従って、同じ既定時間間隔Δtであっても、温度劣化係数K(T)が例えば2であれば、蓄電部23が基準温度(25℃)下の場合の2倍の時間、すなわち2×Δtを積算時間tに加算するようにしている。これにより、蓄電部23の温度Tの影響を加味した積算時間tを計算することができる。なお、温度劣化係数K(T)はあらかじめ制御回路41のメモリに記憶してある。
以上のことから、蓄電部23の電圧Vcと温度Tの両方の影響を加味すると、制御回路41は、既定時間間隔Δt毎に蓄電部23の電圧Vcから現在の電圧劣化係数K(Vc)を求めるとともに、蓄電部23の温度Tから現在の温度劣化係数K(T)を求め、既定時間間隔Δtに現在の電圧劣化係数K(Vc)と現在の温度劣化係数K(T)を乗じた値を積算時間tに加算することで、積算時間tを計測することになる。すなわち、これまでの積算時間tにΔt×K(Vc)×K(T)を加算して、積算時間tの値を更新する。
次に、経時カウンタdtに1を加算する(S55)。これにより、経時カウンタdtの値が既定時間間隔Δt毎に1ずつ増加することになる。その後、図4のサブルーチンを終了して、割り込み元に戻る。
以上に説明した蓄電装置11の異常判断動作をまとめると、次のようになる。まず、制御回路41は図4に示す割り込みルーチンにより既定時間間隔Δt毎に蓄電部23が電力を蓄えた積算時間tを計測している。この状態で、蓄電部23を定電流Iで充電する際に、蓄電部23の電圧Vcが充電を開始してから既定電圧幅ΔVだけ変化するまでの実測時間幅dtmを計測する。一方で、あらかじめ求めておいた積算時間tに対する蓄電部23の内部抵抗値と容量値の相関関係を示す対応表から、蓄電部23の電圧Vcが既定電圧幅ΔVだけ変化した時点の積算時間tに応じた内部抵抗値Rと容量値Cを求め、計算時間幅dtcを、dtc=(ΔV−I・R)・C/Iより計算する。次に、実測時間幅dtmと計算時間幅dtcの差の絶対値が既定値を超えるか、または実測時間幅dtmが既定下限値以下になれば、蓄電装置11に異常が起こっていると判断している。
次に、蓄電装置11の通常時の動作について図5を用いて説明する。なお、制御回路41のメインルーチンは車両使用時に適宜(例えば一定時間毎に)図5のサブルーチンを実行している。
これにより、まず制御回路41は主電源15の電圧Vbを充電回路19から読み込む(S61)。次に、電圧Vbと既定下限値を比較する(S63)。ここで、既定下限値は負荷17を動作させるための最低電圧(本実施の形態では10.5V)とした。もし、電圧Vbが既定下限値より大きければ(S63のNo)、車両が通常走行時等の状態であり、主電源15は正常な電圧を出力しているので、そのまま図5のサブルーチンを終了し、メインルーチンに戻る。
一方、電圧Vbが既定下限値以下であれば(S63のYes)、アイドリングストップが終了し、主電源15がスタータを駆動している状態であるため、負荷17を動作させられないほど電圧低下を起こしていることになる。この場合は、制御回路41が切替スイッチ35をオンにする(S65)。具体的には切替スイッチオンオフ信号Sofをオン信号として制御回路41から切替スイッチ35に送信する。これにより、蓄電部23の電力が図1の放電経路と書かれた矢印の方向に流れ、負荷17に供給される。この時、第2ダイオード39のアノード電圧(=主電源15の電圧Vb)はカソード電圧(=蓄電部23により負荷17に印加される電圧)より小さくなるので、第2ダイオード39はオフになり、蓄電部23の電力が主電源15に供給されることはない。このことから、蓄電部23の電力は負荷17にのみ供給され、負荷17は動作し続けられる。
次に、制御回路41は充電回路19から主電源15の電圧Vbと蓄電部23の電圧Vcを読み込む(S67)。その後、まず電圧Vbと既定下限値を比較し(S69)、もし電圧Vbが既定下限値以下のままであれば(S69のNo)、スタータの駆動中であると想定されるので、次に電圧Vcと既定下限値(S69と同様に10.5V)を比較する(S71)。もし、電圧Vcが既定下限値より大きければ(S71のNo)、蓄電部23から負荷17に正常な電圧が印加されていることになるので、引き続き蓄電部23が負荷17に電力を供給しつつS67に戻り、電圧Vbと電圧Vcの監視を続ける。
一方、電圧Vcが既定下限値以下であれば(S71のYes)、主電源15の電圧Vbが既定下限値以下であり、かつ電圧Vcが既定下限値以下であることになるので、負荷17を駆動し続けることができない。この場合は、主電源15やスタータ等の何らかの異常により電圧Vbが回復しないまま、蓄電部23の電力を使ってしまった状態であるので、制御回路41は車両側制御回路に主電源異常信号を出力する(S73)。これを受け、車両側制御回路は運転者に主電源15の電力系統の異常を警告し、修理を促す。その後、図5のサブルーチンを終了する。
ここでS69に戻って、スタータの駆動が完了し、電圧Vbが既定下限値より大きい電圧に戻れば(S69のYes)、再び主電源15の電力で負荷17を動作させることができるので、切替スイッチ35をオフにする(S75)。これにより、蓄電部23からの電力供給が停止するので、第1ダイオード37のカソード側電圧が低下するが、主電源15の電圧Vbは既定下限値以上に回復しているので、第2ダイオード39のアノード電圧がカソード電圧より高くなり、第2ダイオード39がオンになる。その結果、主電源15の電力が再び負荷17に供給される。
次に、制御回路41は次回のアイドリングストップに備えるために、蓄電部23から負荷17に放電した分の電力を再び充電する。具体的には、まず制御回路41が充電回路19に対し、蓄電部23を定電流Iで充電するように充電制御信号Ccontを送信する。これにより、充電回路19は蓄電部23の充電を開始する(以上、S77)。
次に、制御回路41は充電回路19から蓄電部23の電圧Vcを読み込み(S79)、電圧Vcと設定電圧を比較する(S81)。なお、設定電圧はS21で説明したものと同じである。もし、電圧Vcが設定電圧未満であれば(S81のYes)、蓄電部23を満充電にするためにS77に戻り、蓄電部23の充電を継続する。
一方、電圧Vcが設定電圧以上になれば(S81のNo)、蓄電部23の充電が完了したので、制御回路41は充電回路19に対し設定電圧を維持するように充電制御信号Ccontを送信する(S83)。これにより、蓄電部23の電圧Vcは充電回路19によって設定電圧に維持される。その後、図5のサブルーチンを終了し、メインルーチンに戻る。
次に、車両の使用を終了した時の蓄電装置11の動作について図6を用いて説明する。車両の使用が終了すると、制御回路41は図6のサブルーチンを実行する。これにより、まず放電回路33に対し蓄電部23の電力を放電するように放電制御信号Dcontを送信する(S91)。これを受け、放電回路33は蓄電部23の放電を行う。放電が完了すれば図4の割り込みルーチンの実行を禁止し(S93)、図6のサブルーチンを終了する。
使用終了時に図6のような動作を行うのは以下の理由による。車両非使用時にも蓄電部23に電力を蓄えたままにしておくと、蓄電部23の劣化が進行する。そのため、図4の割り込みルーチンを車両非使用時にも実行し続ける必要がある。従って、車両非使用時に蓄電部23を蓄電したままにしておくと、蓄電部23の劣化が進行してしまうだけでなく、蓄電装置11が積算時間tの計算や経時カウンタdtの加算を行い続けるために暗電流を消費し続けることになる。
そこで、車両使用終了時に放電回路33により強制的に蓄電部23の電力を放電するようにしている。これにより、蓄電部23の電圧Vcがほぼ0Vとなり、非使用時の劣化進行を抑制できる。さらに、電圧Vcがほぼ0Vなので電圧劣化係数K(Vc)もほぼ0になる。従って、図4のS53におけるΔt×K(Vc)×K(T)が0となり積算時間tを加算する必要がなくなる。ゆえに、図4のサブルーチンを実行し続ける必要がなくなり、暗電流消費を抑制できる。
以上の構成、動作により、蓄電部23が電力を蓄えた積算時間tを計測するだけで、積算時間tに対応した内部抵抗値Rと容量値Cを求めるようにしているので、蓄電部の充電を中断する必要がない上に、内部抵抗値Rと容量値Cから蓄電部23の電圧Vcが既定電圧幅ΔVだけ変化する際の計算時間幅dtcを求めて、実測時間幅dtmと比較し、また実測時間幅dtmと既定下限値を比較することで、実測に基いた異常判断を行っているので、簡単な制御で高精度な異常判断が可能な蓄電装置11を実現できる。
なお、本実施の形態では蓄電装置11の起動時で蓄電部23を充電する際に異常判断を行っているが、これは蓄電装置11の使用終了時の放電中に行ってもよい。この場合、図6に示す使用終了時のサブルーチン中で、放電回路33により蓄電部23の電力を定電流Iで放電し、その際の蓄電部23の電圧Vcが放電開始後、既定電圧幅ΔVだけ変化するまでの実測時間幅dtmを求めるようにすればよい。なお、計算時間幅dtcは充電時の場合と同じ方法で計算できる。
さらに、蓄電装置11の異常判断は充電時と放電時の両方で行ってもよい。この場合は、車両使用前後にそれぞれ劣化判断が行われるので、よりタイムリーに蓄電装置11の異常を判断できる。
これらのことから、異常判断は蓄電装置11の起動時、または使用終了時の少なくともいずれかに行えばよい。
また、本実施の形態では、積算時間tに対する蓄電部23の内部抵抗値と容量値の相関関係を対応表として制御回路41のメモリに記憶しているが、これは前記相関関係を例えば最小二乗法により相関式として求めておき、この相関式に積算時間tを代入することで、内部抵抗値Rや容量値Cを計算するようにしてもよい。
また、本実施の形態において蓄電部23には蓄電素子として電気二重層キャパシタを用いたが、これは電気化学キャパシタ等の他のキャパシタでもよい。
また、本実施の形態において蓄電装置11をアイドリングストップ車の補助電源に適用した場合について述べたが、それらに限らず、ハイブリッド車や、電動パワーステアリング、車両制動システム、電動過給器等の各システムにおける車両用補助電源等にも適用可能である。
また、本実施の形態において、積算時間tが蓄電部23の電圧Vcと温度Tの影響を加味して計算されているが、これはいずれか一方のみの影響を加味してもよい。この場合、例えば車両制動システムのように、主電源15の異常時にのみ動作するシステムでは、通常車両使用時は蓄電部23の電圧Vcが満充電電圧のまま一定であるので、電圧Vcの影響は加味せず、温度の影響のみを加味して積算時間tを計算してもよい。具体的には、既定時間間隔Δt毎に蓄電部23の温度Tから現在の温度劣化係数K(T)を求め、既定時間間隔Δtに現在の温度劣化係数K(T)を乗じた値を積算時間tに加算する、すなわちt=t+Δt×K(T)を計算することにより、積算時間tを計測すればよい。
また、蓄電装置11が温度の影響を受けにくい車室内等に設置された場合は、温度の影響を加味せず、電圧Vcの影響のみを加味して計算してもよい。この場合は、既定時間間隔Δt毎に蓄電部23の電圧Vcから現在の電圧劣化係数K(Vc)を求め、既定時間間隔Δtに現在の電圧劣化係数K(Vc)を乗じた値を積算時間tに加算する、すなわちt=t+Δt×K(Vc)を計算することにより、積算時間tを計測すればよい。
さらに、電圧Vcや温度Tの両方の影響を受けにくい場合(例えば車両制動システムを車室内等に設置した場合)は両者の影響を加味せずに、単にt=t+Δtより積算時間tを計測してもよい。
なお、温度Tについては、車両非使用時に車両の置かれた環境により大きく変化することが考えられるが、本実施の形態においては車両非使用時には蓄電部23が放電されているので、車両の環境温度が変化しても蓄電部23の劣化にはほとんど影響しない。従って、車両非使用時の温度Tの影響を考慮しなくてもよい。
本発明にかかる蓄電装置は、簡単な制御で高精度な異常判断が可能となるので、特に主電源の電圧低下時に蓄電部から電力を供給する車両用補助電源としての蓄電装置等として有用である。
11 蓄電装置
19 充電回路
23 蓄電部
31 温度センサ
33 放電回路
41 制御回路
19 充電回路
23 蓄電部
31 温度センサ
33 放電回路
41 制御回路
Claims (8)
- キャパシタからなる蓄電部と、
前記蓄電部に接続された充電回路、および電圧検出回路と、
前記充電回路、および前記電圧検出回路が接続された制御回路とを有し、
前記制御回路は、前記蓄電部が電力を蓄えた積算時間(t)を計測するとともに、
前記蓄電部を定電流(I)で充電、または放電する際に、前記蓄電部の電圧(Vc)が充電、または放電を開始してから既定電圧幅(ΔV)だけ変化するまでの実測時間幅(dtm)を計測し、
あらかじめ求めておいた、前記積算時間(t)に対する前記蓄電部の内部抵抗値と容量値の相関関係を用いて、前記蓄電部の電圧(Vc)が前記既定電圧幅(ΔV)だけ変化した時点の前記積算時間(t)に応じた内部抵抗値(R)と容量値(C)を求め、
計算時間幅(dtc)を、dtc=(ΔV−I・R)・C/Iより計算し、
前記実測時間幅(dtm)と前記計算時間幅(dtc)の差の絶対値が既定値を超えるか、または前記実測時間幅(dtm)が既定下限値以下になれば、異常が起こっていると判断するようにした蓄電装置。 - 前記蓄電部の電圧(Vc)が基準電圧時の前記蓄電部の寿命を1とした時に、前記基準電圧と異なる電圧が印加された時の前記蓄電部の寿命が前記基準電圧の印加時における寿命の何倍になるか、の逆数を求めた電圧劣化係数(K(Vc))をあらかじめ前記制御回路に記憶しておき、
前記制御回路は、既定時間間隔(Δt)毎に前記蓄電部の電圧(Vc)から現在の前記電圧劣化係数(K(Vc))を求め、前記既定時間間隔(Δt)に現在の前記電圧劣化係数(K(Vc))を乗じた値を前記積算時間(t)に加算することで、前記積算時間(t)を計測するようにした請求項1に記載の蓄電装置。 - 前記制御回路に接続された温度センサを前記蓄電部に配した構成を有し、
前記蓄電部の温度(T)が基準温度時の前記蓄電部の寿命を1とした時に、前記基準温度と異なる温度環境下の前記蓄電部の寿命が前記基準温度時における寿命の何倍になるか、の逆数を求めた温度劣化係数(K(T))をあらかじめ前記制御回路に記憶しておき、
前記制御回路は、既定時間間隔(Δt)毎に前記蓄電部の温度(T)から現在の前記温度劣化係数(K(T))を求め、前記既定時間間隔(Δt)に現在の前記温度劣化係数(K(T))を乗じた値を前記積算時間(t)に加算することで、前記積算時間(t)を計測するようにした請求項1に記載の蓄電装置。 - 前記制御回路に接続された温度センサを前記蓄電部に配した構成を有し、
前記蓄電部の電圧(Vc)が基準電圧時の前記蓄電部の寿命を1とした時に、前記基準電圧と異なる電圧が印加された時の前記蓄電部の寿命が前記基準電圧の印加時における寿命の何倍になるか、の逆数を求めた電圧劣化係数(K(Vc))、および前記蓄電部の温度(T)が基準温度時の前記蓄電部の寿命を1とした時に、前記基準温度と異なる温度環境下の前記蓄電部の寿命が前記基準温度時における寿命の何倍になるか、の逆数を求めた温度劣化係数(K(T))をあらかじめ前記制御回路に記憶しておき、
前記制御回路は、既定時間間隔(Δt)毎に前記蓄電部の電圧(Vc)から現在の前記電圧劣化係数(K(Vc))を求めるとともに、前記蓄電部の温度(T)から現在の前記温度劣化係数(K(T))を求め、前記既定時間間隔(Δt)に現在の前記電圧劣化係数(K(Vc))と現在の前記温度劣化係数(K(T))を乗じた値を前記積算時間(t)に加算することで、前記積算時間(t)を計測するようにした請求項1に記載の蓄電装置。 - 前記制御回路は、異常判断を起動時、または使用終了時の少なくともいずれかに行うようにした請求項1に記載の蓄電装置。
- 前記蓄電部と前記制御回路に接続された放電回路を設けた構成を有し、
前記制御回路は、使用終了時に前記蓄電部を前記放電回路により放電するようにした請求項1に記載の蓄電装置。 - 前記制御回路は、異常が起こっていると判断すれば、それ以降は前記蓄電部が放電された状態であっても前記充電回路による前記蓄電部への充電を禁止するようにした請求項1に記載の蓄電装置。
- 前記制御回路は、異常が起こっていると判断すれば、異常信号を出力するようにした請求項1に記載の蓄電装置。
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