JP2009092355A - エマルジョン燃料燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エマルジョン燃料の燃焼効率を高めることが出来る、新規な構造のエマルジョン燃料燃焼装置を提供することを、目的とする。
【解決手段】燃焼室16が、耐火性を有する仕切部材30によって、噴射ノズル24によるエマルジョン燃料の噴射方向で仕切られており、燃焼室16内において仕切部材30を挟んだ両側に形成されている二つの燃焼空間36,38が、仕切部材30に貫通形成された連通孔32を通じて、相互に連通せしめられている。
【選択図】図1
【解決手段】燃焼室16が、耐火性を有する仕切部材30によって、噴射ノズル24によるエマルジョン燃料の噴射方向で仕切られており、燃焼室16内において仕切部材30を挟んだ両側に形成されている二つの燃焼空間36,38が、仕切部材30に貫通形成された連通孔32を通じて、相互に連通せしめられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、エマルジョン燃料を燃焼させるためのエマルジョン燃料燃焼装置に関するものである。
従来から、自家発電や農業機械,船舶等のディーゼルエンジンやボイラー,焼却炉等の燃料として、灯油や軽油,重油等の石油系流体燃料が採用されている。しかしながら、石油系流体燃料を燃焼する場合、煤塵や二酸化炭素,窒素酸化物,硫黄酸化物等が大気中に排出されて、大気が汚染されるという問題がある。
そこで、近年では、石油系流体燃料だけを燃焼する場合によりも煤塵や窒素酸化物等の発生量が少なくなることから、石油系流体燃料と水と界面活性剤を混ぜ合わせたエマルジョン燃料を、石油系流体燃料の代わりに、採用することが行われている。
また、近年の原油価格の高騰により、エマルジョン燃料における石油系流体燃料の比率を減らすこと、換言すれば、エマルジョン燃料において石油系流体燃料に対する水の割合を増やすことが検討されている。しかしながら、エマルジョン燃料において石油系流体燃料に対する水の割合を増やした場合、エマルジョン燃料の燃焼の安定性が低下して、エマルジョン燃料の燃焼効率が低下するという問題があった。
そこで、特許文献1(特開2007−113887号公報)において、エマルジョン燃料用のノズルの他に、灯油や重油等の油用のノズルを備えたバーナーが提案されている。しかしながら、エマルジョン燃料用のノズルの他に、油用のノズルを別途設けただけでは、エマルジョン燃料の着火が安定するだけであって、エマルジョン燃料の燃焼効率を向上させることは難しい。
また、特許文献2には、有機性廃棄物を炭化して粒径30μm以下に微粉砕して得たマイクロパウダーが加えられたエマルジョン燃料を燃焼させることが記載されている。しかしながら、特許文献2に記載のエマルジョン燃料を製造するためには、上述の如きマイクロパウダーを別途製造しなければならず、その作業が面倒という問題がある。
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、エマルジョン燃料の燃焼効率を高めることが出来る、新規な構造のエマルジョン燃料燃焼装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明は、噴射ノズルから噴射されたエマルジョン燃料を燃焼室内で燃焼させるエマルジョン燃料燃焼装置において、燃焼室が、耐火性を有する仕切部材によって、噴射ノズルによるエマルジョン燃料の噴射方向で仕切られており、燃焼室内において仕切部材を挟んだ両側に形成されている二つの燃焼空間が、仕切部材に貫通形成された連通孔を通じて、相互に連通されていることを、特徴とする。
このような本発明に従う構造とされたエマルジョン燃料燃焼装置においては、エマルジョン燃料の燃焼効率を向上させることが可能となる。その理由として、以下に示す (1) , (2) の理由が考えられる。
(1)噴射ノズルの噴射方向の前方に仕切部材が配置されていることにより、エマルジョン燃料の燃焼に伴って発生する熱が、仕切部材よりも噴射ノズル側の燃焼空間に篭りやすくなり、その結果、噴射ノズルが温められて、エマルジョン燃料が加温された状態、即ち、粘性が低下した状態で噴射されることに起因すると考えられる。即ち、粘性が低下した状態では、エマルジョン燃料に含まれる燃料油を微粒化して噴霧することが可能となる。また、高温となった燃焼室内に噴霧されたエマルジョン燃料に含まれる水のミクロ爆発で周囲の燃料油を飛散させることにより、燃料油の更なる微粒化が進む。これにより、燃料油と空気との接触面積が大きくなる。その結果、局部的な不完全燃焼を抑えることが出来、エマルジョン燃料の燃焼効率を高めることが可能になるものと考えられるのである。
(2)エマルジョン燃料に含まれている水がミクロ爆発することで飛散せしめられたエマルジョン燃料の燃料油が、噴射ノズルの噴射方向の前方に配置された仕切部材に衝突することによって、より一層微粒化されることに起因すると考えられる。即ち、燃料油は微粒化されることにより、空気との接触面積が大きくなる。これにより、局部的な不完全燃焼を抑えることが出来る。その結果、エマルジョン燃料の燃焼効率を向上させることが可能になると考えられる。
なお、本発明において、エマルジョン燃料とは、燃料油と水と必要に応じて界面活性剤とを混ぜ合わせることにより乳化させた燃料をいい、水中油滴型であっても良いし、油中水滴型であっても良い。
そこにおいて、燃料油とは、灯油や軽油,ガソリン,重油等の石油を精製して得ることが出来る石油系流体燃料の他、動植物油や鉱物油,更には、これらの廃油等、燃焼に適する全ての油をいう。また、燃料油として、これらのなかから1種類だけ用いるようにしても良いし、2種類以上を混合して用いるようにしても良い。なお、燃料油は、1種類であることが望ましく、それによって、複数種類の燃料油を用いる場合に比して、燃料油の貯蔵や管理が楽になる。
また、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤,双性(両性)界面活性剤,非イオン性(ノニオン性)界面活性剤の何れもが採用可能であり、エマルジョン燃料を水中油滴型にするか油中水滴型にするかに応じて、適当な界面活性剤が採用される。その際、界面活性剤は、1種類だけ採用するようにしても良いし、複数種類を混ぜ合わせて採用するようにしても良い。
更にまた、水は、水道水や工業用水の他、井戸水や河川水,湖沼水,海水,廃棄処理水等を採用することが出来る。その際、1種類の水だけを採用するようにしても良いし、複数種類の水を混ぜ合わせて採用するようにしても良い。また、燃料油が硫黄を含む場合には、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを水に加えておくことにより、カルシウムイオンやマグネシウムイオンが硫黄と化学反応し、硫黄を無害な硫酸化合物の形で固定することにより、有害な亜硫酸ガスの発生を抑制することが出来る。
また、本発明においては、噴射ノズルの他に、石油系流体燃料を燃焼室内に噴射する油用ノズルが、噴射ノズルと噴射方向を同じにして噴射ノズルに並設されていることが望ましい。この場合、エマルジョン燃料とは別に、石油系流体燃料だけを燃焼させることが可能となる。これにより、石油系流体燃料の燃焼に伴って発生する炎を利用して、エマルジョン燃料に着火することが可能となる。その結果、エマルジョン燃料に着火し易くなる。
そこにおいて、石油系流体燃料とは、石油を精製して得られるものであり、灯油や軽油,ガソリン,重油等である。なお、エマルジョン燃料に着火して、エマルジョン燃料の燃焼が安定した状態になった場合には、石油系流体燃料の燃焼は終了しても良い。また、エマルジョン燃料の燃焼と石油系流体燃料の燃焼を同時に行うことにより、火力を大きくすることも可能である。更にまた、油用ノズルの噴射方向と噴射ノズルの噴射方向は厳密に一致している必要はなく、一方が他方に対して僅かに傾斜していたり、噴射方向で前後に配設位置が異なっていても良い。
さらに、本発明においては、仕切部材がセラミックスによって形成されていることが望ましい。この場合、仕切部材に蓄熱性を付与することが可能となる。これにより、仕切部材よりも噴射ノズル側の燃焼空間に熱が一層篭り易くなる。その結果、噴射ノズルを温めることが容易になり、エマルジョン燃料に含まれる燃料油の微粒化、延いては、エマルジョン燃料の燃焼効率の向上が容易になる。
更にまた、本発明においては、燃焼室の周壁において、中心軸方向の中間部分に段差部が形成されて段付筒体形状とされており、段差部の軸方向一方の側が小径の絞り部とされていると共に、段差部の軸方向他方の側が大径の開放部とされている一方、絞り部内に噴射ノズルが位置せしめられていると共に、開放部内に仕切部材が位置せしめられていることが望ましい。これにより、仕切部材よりも噴射ノズル側の燃焼空間の容積を小さくすることが可能となる。その結果、噴射ノズルを温めることが容易になり、エマルジョン燃料に含まれる燃料油の微粒化、延いては、エマルジョン燃料の燃焼効率の向上が容易になる。
そこにおいて、上述の如き構成を採用する場合、仕切部材の中心軸に対する直交方向での外径寸法が、絞り部の内径寸法よりも大きくされていることが望ましい。これにより、仕切部材の軸方向での投影において、ノズル包囲部の出口側の開口が仕切部材で覆われることとなり、仕切部材よりも噴射ノズル側の燃焼空間に熱が篭り易くなる。その結果、噴射ノズルを温めることが容易になり、エマルジョン燃料に含まれる燃料油の微粒化、延いては、エマルジョン燃料の燃焼効率の向上が容易になる。
また、本発明においては、仕切部材の厚さ寸法が一定の大きさとされていることが望ましい。これにより、仕切部材の厚さ寸法が部分的に異なることで、熱が逃げ易くなる部位が存在する等の不具合を有利に回避することが可能となる。そこにおいて、仕切部材の厚さ寸法の範囲は、15〜100mmであることが望ましい。蓋し、仕切部材の厚さ寸法が15mmよりも小さい場合には、仕切部材よりも噴射ノズル側の燃焼空間で発生した熱が、仕切部材を通じて、他方の燃焼空間に逃げ易くなってしまうからである。一方、仕切部材の厚さ寸法が100mmよりも大きい場合には、仕切部材の重量化が避け難くなるからである。
更にまた、本発明においては、仕切部材と噴射ノズルの対向方向での離隔距離が300〜450mmとされていることが望ましい。蓋し、仕切部材と噴射ノズルの噴射口との離隔距離が300mmよりも短い場合には、噴射ノズルから噴射されたエマルジョン燃料に含まれる燃料油が、エマルジョン燃料に含まれる水のミクロ爆発の前に、仕切部材に衝突してしまい、仕切部材によるエマルジョン燃料に含まれる燃料油の微細化の促進効果が不十分になるおそれがあるからである。一方、仕切部材と噴射ノズルの噴射口との離隔距離が450mmよりも長い場合には、エマルジョン燃料に含まれる水のミクロ爆発で飛散せしめられたエマルジョン燃料の燃料油が、仕切部材に衝突し難くなり、仕切部材によるエマルジョン燃料に含まれる燃料油の微細化の促進効果が充分に発揮され難くなるおそれがあるからである。
また、本発明においては、仕切部材に対して連通孔が複数形成されていることが望ましい。これにより、エマルジョン燃料に含まれる水のミクロ爆発で飛散・拡散せしめられたエマルジョン燃料の燃料油が、連通孔を通じて、他の燃焼空間、即ち、仕切部材を挟んで噴射ノズルが配置された燃焼空間とは反対側に形成された燃焼空間に到達することがある。これにより、エマルジョン燃料の燃料油が温められる時間が長くなる。その結果、エマルジョン燃料の燃料油が着火点を越え易くなり、エマルジョン燃料の燃焼効率の更なる向上を図ることが可能となる。
更にまた、上述の如き構成を採用する場合、エマルジョン燃料の燃焼によって発生する排ガスの排出を有利に行うことが可能となる。その結果、エマルジョン燃料の燃焼効率を一層向上させることが可能となる。
また、上述の如き構成を採用する場合、仕切部材において噴射ノズルの噴射方向で対向する位置に形成された中央連通孔を含んで、複数の連通孔が構成されていることが望ましい。これにより、エマルジョン燃料の燃焼によって発生した排ガスの排出をスムーズにすることが可能となる。
更にまた、複数の連通孔が中央連通孔を含んで構成されている場合、中央連通孔の開口面積は、中央連通孔の外側に形成された外周連通孔の開口面積よりも大きくされていることが望ましい。これにより、エマルジョン燃料の燃焼によって発生した排ガスの排出をよりスムーズにすることが可能となる。
また、本発明においては、燃焼室における仕切部材の配設位置において、仕切部材の外周面と燃焼室の内周面との間には50mm以上の幅寸法で周方向に延びる隙間が形成されていることが望ましい。
このように仕切部材の外周部分に比較的に大きな隙間を形成することにより、噴射ノズルの直接的な噴射領域を外れた燃焼室の外周領域において滞留部分が発生してしまって、そこにおける燃焼不良の問題が効果的に軽減乃至は回避される。燃焼室の外周部分で仕切部材の両側をつなげることにより、仕切部材を挟んで噴射ノズル側に位置する領域での燃焼炎を、仕切部材を挟んで反対側に位置する領域にまで効率的に回り込ませて、燃焼を促進し、以て全体としての燃焼効率の更なる向上を図ることが可能となるのである。
より好適には、仕切部材の配設位置において、燃焼室の内径寸法は、噴射ノズルから噴射されるエマルジョン燃料の噴射領域よりも小さく設定される。具体的には、例えば、噴射ノズルの噴射角度(円錐形に噴射されるエマルジョン燃料の噴射領域における縦断面での頂角)が45度とすると、噴射領域の外径寸法が2L(但し、Lは、噴射ノズルの先端からの噴射方向の直線距離)で表されることから、仕切部材の配設位置における燃焼室の内径寸法は、2L以下に設定されることが望ましい。
さらに、本発明において好適には、仕切部材の配設位置における燃焼室の内径寸法をDとすると、仕切部材の外径寸法Aと仕切部材の外周側に形成される隙間寸法Bとは、下式のとおり設定される。このような寸法設定をすることによって、上述の如き燃焼室の外周縁部における滞留が一層効果的に防止されて燃焼効率の向上が促進される。
(1/3)D ≦ A ≦ (2/3)D
(1/6)D ≦ B ≦ (1/3)D
(1/3)D ≦ A ≦ (2/3)D
(1/6)D ≦ B ≦ (1/3)D
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1には、本発明に係るエマルジョン燃料燃焼装置の一実施形態としてのバーナー10が概略的に示されている。このバーナー10は、バーナー本体12を備えている。このバーナー本体12は、本実施形態では、円形断面を有する筒形状とされているが、多角形断面を有する枠体形状等であっても良い。また、バーナー本体12の軸方向一端側の開口は、蓋部材14によって覆蓋されている。これにより、バーナー本体12内において、軸方向他端側が開放された燃焼室16が形成されている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、燃焼室16で発生した排ガスの排出口がバーナー本体12の軸方向他端側の開口によって構成されている。また、バーナー本体12によって、燃焼室16の周壁が構成されている。
そこにおいて、本実施形態のバーナー本体12には、軸方向の一方の端部付近において、円環板状の段差部18が形成されており、段差部18を挟んで軸方向一端側が絞り部としての小径部20とされている一方、段差部18を挟んで軸方向他端側が開放部としての大径部22とされている。特に本実施形態では、小径部20の径方向寸法は大径部22の径方向寸法の2倍以上の大きさとされていると共に、小径部20と大径部22は同一中心軸線上に位置せしめられている。なお、本実施形態のものにおいて寸法をより具体的に例示すると、小径部20の内径寸法は100〜250mmとされる一方、大径部22の内径寸法は400〜700mmとされる。また、本実施形態では、バーナー本体12の軸方向長さは800〜1400mmとされる。
上述の如き形状とされたバーナー本体12の小径部20内には、後述するエマルジョン燃料が噴射される噴射ノズルとしてのメインノズル24が収容位置せしめられている。そこにおいて、本実施形態のメインノズル24は、エマルジョン燃料と空気を先端付近に形成された混合室内で混合して噴射する、従来公知の二流体ノズルによって構成されており、図示はされていないが、メインノズル24には、エマルジョン燃料が貯蔵されたエマルジョン燃料貯蔵タンクに接続されたエマルジョン燃料供給配管と、大気に接続された空気配管が連結されている。また、本実施形態のメインノズル24は、噴射角度が45〜60度に設定されることが望ましい。蓋し、メインノズル24の噴射角度が45度よりも小さい場合には、エマルジョン燃料を燃焼室16内に効率良く分散させることが困難になるおそれがある。一方、メインノズル24の噴射角度が60度よりも大きい場合には、噴射されたエマルジョン燃料の燃料油が水の気化・蒸発により飛散する前に小径部20に衝突してしまうおそれがある。なお、メインノズル24の噴射角度とは、メインノズル24の先端に形成されたノズル開口としての噴射口の中心軸線が為す円錐角をいう。具体的には、メインノズル24の先端に形成された複数の噴射口においてメインノズル24の中心軸線から最も離れた位置にあって、且つ、メインノズル24の中心軸線を挟んだ位置にある一対の噴射口のそれぞれの中心軸線が為す円錐角をいう。そして、メインノズル24は、基端側が蓋部材14に固定されることにより、バーナー本体12の小径部20内に収容位置せしめられている。
また、本実施形態では、上述の如くメインノズル24が小径部20内に配置された状態で、メインノズル24の先端は、小径部20内に位置せしめられている。換言すれば、メインノズル24は、小径部20の軸方向他端(段差部18)から大径部22内に突出しないようにされている。
さらに、本実施形態では、上述の如くメインノズル24が小径部20内に収容配置された状態で、メインノズル24の噴射方向が、小径部20、延いては、バーナー本体12の軸方向と略一致するようにされている。
更にまた、本実施形態では、上述の如くメインノズル24が小径部20内に収容配置された状態で、メインノズル24の中心軸線は、バーナー本体12の中心軸線上に位置していても良い。或いは、小径部20内で所定量偏倚位置していても良く、その場合、後述するサブノズル26の配設スペースを容易に確保することが可能となる。因みに、本実施形態では、メインノズル24の中心軸線は、バーナー本体12の中心軸線から径方向外方に偏倚した位置にある。
また、本実施形態では、メインノズル24の他に、後述する石油系流体燃料が噴射される油用ノズルとしてのサブノズル26が、メインノズル24と同様に、基端側が蓋部材14に固定された状態で、バーナー本体12の小径部20内に収容配置されている。特に本実施形態では、サブノズル26とメインノズル24における噴射口が形成された突出端部において中心軸線上に位置する部分が小径部20の軸方向で同じ位置にあるようにされている。これにより、メインノズル24から噴射されるエマルジョン燃料への点火を有利に実現することが可能になる。なお、本実施形態のサブノズル26は、メインノズル24と同様に、従来から公知の二流体ノズルによって構成されており、図示はされていないが、サブノズル26には、石油系流体燃料が貯蔵された油貯蔵タンクに接続された油供給用配管と、大気に接続された空気供給用配管が連結されている。
そこにおいて、本実施形態のサブノズル26は、噴射角度が45〜60度の範囲内で設定される。また、本実施形態のサブノズル26は、噴射方向が、メインノズル24の噴射方向と同様に、バーナー本体12の軸方向に略一致するようにされている。更にまた、本実施形態のサブノズル26は、その中心軸線が、メインノズル24の中心軸線と同様に、バーナー本体12の中心軸線と同じ位置にあっても良いし、偏心していても良い。因みに、本実施形態では、サブノズル26の中心軸線は、バーナー本体12の中心軸線から外れた位置にある。特に本実施形態では、サブノズル26は、バーナー本体12の中心軸線を挟んで、メインノズル24とは反対側の位置にある。
また、サブノズル26の近くには、蓋部材14によって固定的に支持されたイグナイター28が位置せしめられており、かかるイグナイター28によって、サブノズル26から噴射される石油系流体燃料に着火するようになっている。
更にまた、バーナー本体12の大径部22内には、仕切部材30が、大径部22に支持された状態で、収容配置されている。この仕切部材30は、図2に示されているように、全体として略一定厚さ寸法の円板形状を呈している。そこにおいて、本実施形態の仕切部材30は、厚さ方向の寸法:L1が15〜100mmの範囲内に設定されると共に、軸直角方向の寸法(径方向寸法):L2が250〜400mmの範囲内に設定される。また、仕切部材30は耐熱材によって形成されており、特に本実施形態では、セラミックスで形成されている。これにより、本実施形態の仕切部材30には、蓄熱性が付与されている。なお、蓄熱性や表面の実質面積の向上のために、かかる仕切部材30として、連続気孔を有する多孔質なセラミック製のものを採用することも望ましい。
また、仕切部材30には、厚さ方向に略一定の断面形状(本実施形態では、円形断面)で貫通する連通孔32が形成されており、特に本実施形態では、複数の連通孔32が形成されている。そこにおいて、本実施形態では、仕切部材30の中央に形成された中央連通孔34が他の連通孔32(外周連通孔33)よりも開口面積が大きくされている。また、本実施形態では、複数の連通孔32のうち、中央連通孔34以外の連通孔32(外周連通孔33)は、中央連通孔34よりも外周側の領域において、略均等に分布する位置に形成されている。なお、中央連通孔34は、直径が15〜50mmであることが望ましく、中央連通孔34以外の連通孔32(外周連通孔33)は、直径が10〜20mmであることが望ましい。即ち、中央連通孔34は、その中心軸方向の投影において、メインノズル24の中心軸線が中央連通孔34内に位置するように、直径、延いては、開口面積が設定されるようになっている。これにより、燃焼排ガスの排出を有利に実現しつつ、保温効果を確保することが可能となる。また、メインノズル24の噴射角度が大きくなるに従って中央連通孔34の開口面積が大きくなるようにされている。一方、中央連通孔34以外の連通孔32(外周連通孔33)は、メインノズル24の中心軸線から外れた位置に形成されるようになっており、中央連通孔34の開口面積が大きくなるに従って、中央連通孔34以外の連通孔32(外周連通孔33)の開口面積が小さくなるように設定されている。これにより、仕切部材30において連通孔32が占める割合が大きくなり過ぎないようにされている。また、中央連通孔34以外の連通孔32(外周連通孔33)は、メインノズル24の噴射角度内に位置せしめられるようにされている。
このような形状とされた仕切部材30は、その中心軸方向がバーナー本体12の軸方向、即ち、メインノズル24の噴射方向と略一致するようにして、バーナー本体12の大径部22内に収容配置されている。換言すれば、仕切部材30は、厚さ方向両面が、それぞれ、メインノズル24の噴射方向に対する直交方向に広がるようにして、バーナー本体12の大径部22内に収容配置されており、仕切部材30がメインノズル24に対向位置せしめられているのである。これにより、燃焼室16がバーナー本体12の軸方向に二分されて、仕切部材30を挟んだ両側に二つの燃焼空間36,38が形成されており、これら二つの燃焼空間36,38は仕切部材30に設けられた複数の連通孔32を通じて相互に連通せしめられている。
また、本実施形態では、仕切部材30がバーナー本体12の大径部22に対して同一中心軸線上に位置せしめられている。これにより、仕切部材30の外周面と大径部22の内周面との間には、全周に亘って略一定の大きさの隙間39が形成されている。なお、本実施形態では、かかる隙間39の大きさ(B)が100〜260mmの範囲内で設定される。これにより、後述の如く飛散したエマルジョン燃料の燃料油が仕切部材30に衝突し易くしつつ、エマルジョン燃料の燃焼排ガスの排出を効率良く行うことや、仕切部材30で仕切られた両室間での燃焼状態の相互移行などによる燃焼効率の向上が可能となる。
加えて、メインノズル24からの直接的な噴射圧力が及ぼされる仕切部材30の連通孔32には、かかる噴射圧力の作用によって上流側の燃焼空間38から下流側の燃焼空間36に向かうガス流動が積極的に生ぜしめられる。隙間39が、このメインノズル24からの直接的な噴射圧力が及ぼされる領域に形成されることによって、燃焼ガスの上流側燃焼領域から下流側燃焼領域へのスムーズな移行が実現されて、燃焼室全体として効率的で均一且つ安定した燃焼状態の実現が図られ得る。一方、隙間39が、メインノズル24の直接的な噴射領域を外周側に外れた位置に形成されていても良い。これにより、隙間39にはメインノズル24からの直接的な噴射圧力の作用が回避されることとなり、上流側の燃焼空間38内で外周部分の圧力が低くなる結果、燃焼状態によって、下流側の燃焼空間36から上流側の燃焼空間38への燃焼ガスの一部還流を図ることも可能となる。そして、この燃焼ガスの還流によって、更なる燃焼効率やエネルギ変換効率の向上なども図られ得るのである。
さらに、本実施形態では、このように仕切部材30が大径部22内に収容配置された状態で、仕切部材30の外周面は、バーナー本体12の軸方向の投影において、小径部20の内周面よりも径方向外方に位置せしめられるようになっている。換言すれば、バーナー本体12の軸方向の投影において、小径部20の開口が仕切部材30で覆われるようになっているのである。
更にまた、本実施形態では、仕切部材30の厚さ方向一方の面(軸方向一端側の面)とメインノズル24の先端、即ち、メインノズル24における噴射口が形成された端部において中心軸線上に位置する部分との離隔距離:L3が、300〜450mmとされている。特に本実施形態では、仕切部材30の厚さ方向一方の面と小径部20の軸方向他方の開口端との離隔距離が、メインノズル24の先端、即ち、メインノズル24における噴射口が形成された端部において中心軸線上に位置する部分と小径部20の軸方向他方の開口端との離隔距離の2倍以上の大きさとなるように、仕切部材30が大径部22内に収容配置されている。
なお、仕切部材30は、適当な取付部材を介して、大径部22に取り付けられることにより、大径部22に対して直接的又は間接的に支持された状態で、大径部22内に位置固定に収容配置されている。具体的には、例えば、仕切部材30と大径部22との径方向対向面間に跨がって複数の支持部材を設けて、仕切部材30を、その周上の複数箇所において大径部22に固定することも可能である。或いは、ノズル配設された小径部20から大径部に向かって延びだす一本又は複数本の支持部材を設けて、仕切部材30を小径部20に対して固定的に支持せしめることも可能である。勿論、仕切部材30において、周上で部分的に外周側に突出する取付部を一体的に形成し、かかる取付部において、仕切部材を大径部22に対して固定的に位置決めすることなども可能である。
上述の如き構造とされたバーナー10は、先ず、イグナイター28によって、サブノズル26から噴射される石油系流体燃料に着火する。そこにおいて、石油系流体燃料としては、灯油や軽油,ガソリン,重油等の石油を精製して得ることが出来る油であれば、特に限定されるものではないが、安価である等の観点から、重油が好適に採用される。
次に、石油系流体燃料の燃焼に伴って発生する炎を利用して、メインノズル24から噴射されるエマルジョン燃料に着火する。これにより、エマルジョン燃料の燃焼に基づく炎40が発生し、バーナー10が使用状態になる。そこにおいて、エマルジョン燃料は、灯油や軽油,ガソリン,重油等の燃料油と、水道水等の水と、界面活性剤を混ぜ合わせたものである。因みに、本実施形態では、重油と水と界面活性剤を混ぜ合わせたものである。
そこにおいて、エマルジョン燃料は、エマルジョン燃料貯蔵タンク内において常時攪拌されている状態で供給されるようになっていても良いし、先に攪拌したものが攪拌されずにそのまま供給されるようになっていても良い。なお、エマルジョン燃料の攪拌手段は、従来から公知の各種攪拌手段が何れも採用可能である。また、エマルジョン燃料の燃焼が安定したなら、石油系流体燃料の燃焼を止めるようにしても良い。
上述の如き構造とされたバーナー10においては、エマルジョン燃料の燃焼を効率良く行うことが出来る。それは、次のような理由に基づくと考えられる。
すなわち、燃焼室16内に収容配置された仕切部材30によって、メインノズル24側の燃焼空間38に熱が篭り易くなり、メインノズル24、延いては、メインノズル24から噴射されるエマルジョン燃料が温められることとなる。これにより、エマルジョン燃料を低粘性状態で噴射することが可能となる。換言すれば、エマルジョン燃料に含まれる燃料油(本実施形態では、重油)を微粒化した状態で噴射することが可能となる。
また、噴射されたエマルジョン燃料において、燃料油よりも沸点が低い水粒子が気化・蒸発する。これにより、水粒子の周りを取り囲む燃料油が飛散し、燃料油がより細かい径の粒子となる。その結果、燃料油粒子は、体積あたりの酸素と接する面積が大きくなり、局部的な不完全燃焼が少なくなるために、燃焼効率が高まる。
更にまた、水粒子が気化・蒸発した際に拡散される燃料油粒子が、仕切部材30に衝突することにより、更に微粒化される。これにより、燃料油粒子が酸素と接触する面積が一層大きくなる。その結果、局部的な不完全燃焼が一層少なくなって、燃焼効率が更に高まることとなる。
そこにおいて、本実施形態では、仕切部材30がセラミックで形成されており、仕切部材30に対して蓄熱性が付与されていることから、仕切部材30よりもメインノズル24側の燃焼空間38に熱が一層篭り易くなる。
特に、本実施形態では、仕切部材30の厚さ寸法が15〜100mmとされていることから、仕切部材30の重量化を回避しつつ、仕切部材30による燃焼空間38の保温効果を有効に得ることが出来るようになっている。
また、本実施形態では、バーナー本体12の軸方向の投影において、小径部20の開口が仕切部材30で覆われるようになっていることから、仕切部材30によるメインノズル24側の燃焼空間38の保温効果を有効に得ることが出来ると共に、メインノズル24から噴射されたエマルジョン燃料の水粒子が気化・蒸発した際に飛散する燃料油粒子を仕切部材30に衝突させて更に微細化させる出来る。
特に、本実施形態では、仕切部材30の外周面とバーナー本体12の大径部22の内周面との間に形成されている隙間39が100〜260mmとされていることから、仕切部材30によるメインノズル24側の燃焼空間38の保温効果を一層有効に得ることが出来ると共に、メインノズル24から噴射されたエマルジョン燃料の水粒子が気化・蒸発した際に飛散する燃料油粒子を仕切部材30に衝突させて更に微細化させることを有利に実現することが出来る。
さらに、本実施形態では、仕切部材30とメインノズル24の離隔距離が300〜450mmとされていることから、メインノズル24から噴射されたエマルジョン燃料の水粒子が気化・蒸発した際に飛散する燃料油粒子を仕切部材30に衝突させて更に微細化させることが一層有利に実現され得る。
更にまた、本実施形態では、メインノズル24の噴射角度が60度に設定されていると共に、メインノズル24の先端から小径部20の軸方向他方の開口端までの距離が、仕切部材30の厚さ方向一方の面から小径部20の軸方向他方の開口端までの距離の半分以下に設定されていることから、エマルジョン燃料を広範囲に噴射しつつ、メインノズル24側の燃焼空間38の容積を小さくして、エマルジョン燃料の燃焼効率の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、仕切部材30に複数の連通孔32が形成されていることから、エマルジョン燃料の水粒子が気化・蒸発した際に飛散乃至は拡散される燃料油粒子を、仕切部材30よりも軸方向他端側の燃焼空間36、即ち、メインノズル24側とは反対側の燃焼空間36に到達させることが可能となる。即ち、気化・蒸発した水粒子によって飛散乃至は拡散された燃料油粒子の滞空時間を長くすることが可能となるのである。これにより、燃料油粒子が熱せられる時間が長くなる。その結果、燃料油粒子が着火温度を越え易くなり、エマルジョン燃料の燃焼効率の更なる向上を図ることが可能となる。
特に本実施形態では、仕切部材30が蓄熱性を有していることから、仕切部材30付近の温度が他の領域よりも上昇し易くなる。これにより、燃料油粒子が更に熱せられることとなる。その結果、燃料油粒子が着火温度を一層越え易くなり、エマルジョン燃料の燃焼効率をより一層向上させることが可能となる。
因みに、本実施形態のバーナー10における燃焼室16の温度を測定してみた。その結果を表1に示す。そこにおいて、バーナー本体12の長さは1300mmである。また、大径部22の内径寸法は500mmである。エマルジョン燃料は、A重油と水(工業用水又は水道水)と乳化剤(非イオン系界面活性剤)を機械攪拌で充分に攪拌混合したものである。そこにおいて、A重油は50重量%,水は49重量%,乳化剤は1重量%である。また、エマルジョン燃料の供給量は、30L/時間である。更に、仕切部材30は、厚さ方向一方の面が、メインノズル24の先端から400mmの位置にあるように配置した。更にまた、燃焼室16の温度は、メインノズル24の先端からの距離が200mmの位置(計測位置1)と、300mmの位置(計測位置2)と、400mmの位置(計測位置3)と、500mmの位置(計測位置4)と、600mmの位置(計測位置5)と、700mmの位置(計測位置6)で測定した。即ち、燃焼室16の温度の測定位置は、仕切部材30よりもメインノズル24側で3箇所、仕切部材30よりも排気口側で3箇所とされている。なお、仕切部材30の外径寸法は280mmとされており、中央連通孔34の内径寸法は40mmとされており、外周連通孔33の内径寸法は15mmとされている。また、比較の為に、仕切部材30を燃焼室16内に配置しない場合についても、測定した。その結果を、表1に併せて示す。更にまた、図3乃至5に示されている、本発明において採用可能な仕切部材42,44,46が配置されたバーナーについても、同様に、燃焼室16の温度を測定した。
そこにおいて、図3に示されている仕切部材42は、その中央部分において、円形断面を有する内側連通孔48が縦3列横3列に並んだ状態で貫通形成されている。なお、真中の内側連通孔48は他の内側連通孔48よりも大径とされている。更にまた、これら九つの内側連通孔48が形成された中央部分よりも径方向外方には、周方向に所定長さに亘って延びる外側連通孔50が周方向に等間隔に四つ形成されている。因みに、真中の内側連通孔48の内径寸法は40mmとされており、残りの内側連通孔48の内径寸法は15mmとされており、外側連通孔50の径方向での幅寸法は15mmとされている。
また、図4に示されている仕切部材44は、その中央部分において、円形断面を有する中央連通孔52が形成されていると共に、かかる中央連通孔52の外側において、円形断面を有する外側連通孔54が周方向に等間隔に12個並んで形成されている。更にまた、中央連通孔52内には、3枚のステンレス製の平板56が径方向一方向に等間隔に並ぶように組み付けられている。因みに、平板56の幅寸法(図4の左右方向の寸法)は200mmとされており、平板56の厚さ寸法は4mmとされており、中央連通孔52の内径寸法は150mmとされており、外側連通孔54の内径寸法は20mmとされている。
さらに、図5に示されている仕切部材46は、その中央部分において、円形断面を有する中央連通孔58が形成されていると共に、かかる中央連通孔58の外周側において、径方向に延びる外側連通孔60が周方向に等間隔に八つ形成されている。なお、図5に示されている態様においては、八つの外側連通孔60のうちの四つは、他の四つの外側連通孔60よりも周方向寸法(幅方向寸法)が大きくされており、他の四つの外側連通孔60と交互に並んでいる。因みに、中央連通孔58の内径寸法は40mmとされており、各外側連通孔60における仕切部材46の径方向での寸法は120mmとされており、外側連通孔60の幅寸法(仕切部材46の径方向に直交する方向での寸法)は15mmと10mmとされている。
なお、図3乃至5に示されている仕切部材42,44,46において、厚さ寸法や径方向寸法,形成材料等は、本実施形態の仕切部材30と同じとされている。
表1に示された結果から明らかなように、本実施形態の仕切部材30や図3乃至5に示された仕切部材42,44,46が配置された燃焼室16の温度は、仕切部材30,42,44,46が配置されていない燃焼室16の温度よりも高くなっていることが確認できた。
また、燃焼室16の温度は、仕切部材30,42,44,46に近いほうが高くなっていることが確認できた。これは、仕切部材30,42,44,46が蓄熱性を有していることに因るものと考えられる。
さらに、本実施形態の仕切部材30が配置されている燃焼室16の温度が、図3乃至5に示された仕切部材42,44,46が配置されている燃焼室16の温度よりも高いことが確認できた。これは、本実施形態の仕切部材30に多くの連通孔32が形成されており、本実施形態の仕切部材30における厚さ方向の端面全体に対する連通孔32の開口面積の割合が、図3乃至5に示された仕切部材42,44,46における厚さ方向の端面全体に対する連通孔48,50,52,54,58,60の開口面積の割合よりも大きくされていることに起因すると考えられる。
更にまた、図4に示された仕切部材44が配置されている燃焼室16の温度が、本実施形態の仕切部材30が配置されている燃焼室16の温度や、図3及び図5に示された仕切部材42,46が配置されている燃焼室16の温度よりも低くなっていることが確認できた。これは、図4に示された仕切部材44がステンレス製の平板56を備えていることに起因すると考えられる。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態において、メインノズル24やサブノズル26は、二流体ノズルである必要はない。
また、前記実施形態において、メインノズル24やサブノズル26は、それぞれ、二つ以上あっても良い。
さらに、前記実施形態において、サブノズル26は、必ずしも必要ではない。この場合、例えば、バーナー本体12の小径部20にヒーター線を巻き付けておき、かかるヒーター線の熱を利用して小径部20内を温めた後、イグナイターを利用して、メインノズル24から噴射されるエマルジョン燃料に着火するようにしても良い。
更にまた、前記実施形態において、仕切部材30が燃焼室16内に複数配置されていても良い。
また、仕切部材の形状や大きさ等、更には、連通孔の形状や大きさ,数,形成位置等は、前記実施形態や図3乃至5に示された態様に限定されるものではない。
さらに、エマルジョン燃料の燃料油として、オイルサンドやビチューメン,更には、石油の蒸留残渣やアスファルト等の重質油を採用することも可能である。
加えて、前記実施形態では、バーナーに対して本発明を適用した場合の一具体例が示されていたが、本発明は、バーナーの他、ディーゼルエンジンやボイラー焼却炉等に対しても、勿論、適用可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:バーナー,16:燃焼室,24:メインノズル,30:仕切部材,32:連通孔,36:燃焼空間,38:燃焼空間
Claims (10)
- 噴射ノズルから噴射されたエマルジョン燃料を燃焼室内で燃焼させるエマルジョン燃料燃焼装置において、
前記燃焼室が、耐火性を有する仕切部材によって、前記噴射ノズルによる前記エマルジョン燃料の噴射方向で仕切られており、該燃焼室内において該仕切部材を挟んだ両側に形成されている二つの燃焼空間が、該仕切部材に貫通形成された連通孔を通じて、相互に連通されていることを特徴とするエマルジョン燃料燃焼装置。 - 前記噴射ノズルの他に、石油系流体燃料を前記燃焼室内に噴射する油用ノズルが、該噴射ノズルと噴射方向を同じにして該噴射ノズルに並設されている請求項1に記載のエマルジョン燃料燃焼装置。
- 前記仕切部材がセラミックスによって形成されている請求項1又は2に記載のエマルジョン燃料燃焼装置。
- 前記燃焼室の周壁において、中心軸方向の中間部分に段差部が形成されて段付筒体形状とされており、該段差部の軸方向一方の側が小径の絞り部とされていると共に、該段差部の軸方向他方の側が大径の開放部とされている一方、該絞り部内に前記噴射ノズルが位置せしめられていると共に、該開放部内に前記仕切部材が位置せしめられている請求項1乃至3の何れか1項に記載のエマルジョン燃料燃焼装置。
- 前記仕切部材の外径寸法が、前記絞り部の内径寸法よりも大きくされている請求項4に記載のエマルジョン燃料燃焼装置。
- 前記仕切部材の厚さ寸法が一定の大きさとされている請求項1乃至5の何れか1項に記載のエマルジョン燃料燃焼装置。
- 前記仕切部材と前記噴射ノズルとの対向方向での離隔距離が300〜450mmとされている請求項1乃至6の何れか1項に記載のエマルジョン燃料燃焼装置。
- 前記仕切部材において前記連通孔が複数形成されている請求項1乃至7の何れか1項に記載のエマルジョン燃料燃焼装置。
- 前記仕切部材において前記噴射ノズルの噴射方向で対向する位置に中央連通孔が形成されていると共に、該中央連通孔の周りに外周連通孔が形成されており、該中央連通孔の開口面積が、該外周連通孔の開口面積よりも大きくされている請求項8に記載のエマルジョン燃料燃焼装置。
- 前記燃焼室における前記仕切部材の配設位置において、該仕切部材の外周面と該燃焼室の内周面との間には50mm以上の幅寸法で周方向に延びる隙間が形成されている請求項1乃至9の何れか一項に記載のエマルジョン燃料燃焼装置。
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WO2010073710A1 (ja) * | 2008-12-27 | 2010-07-01 | 株式会社ブイエスディー | ガス化燃焼装置 |
JP2010216732A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Ibs Co Ltd | 燃料と有機化合物水溶液を使用する高温燃焼方法及び装置 |
WO2012077172A1 (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-14 | 株式会社ニレコ | 加水燃料燃焼装置用チャンバー |
-
2007
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