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JP2009091529A - 弱溶剤系塗料用耐候性向上剤及び改質された弱溶剤系塗料 - Google Patents

弱溶剤系塗料用耐候性向上剤及び改質された弱溶剤系塗料 Download PDF

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JP2009091529A
JP2009091529A JP2007266326A JP2007266326A JP2009091529A JP 2009091529 A JP2009091529 A JP 2009091529A JP 2007266326 A JP2007266326 A JP 2007266326A JP 2007266326 A JP2007266326 A JP 2007266326A JP 2009091529 A JP2009091529 A JP 2009091529A
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weak solvent
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resistance improver
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JP2007266326A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kiura
正明 木浦
Takahiro Mukuda
貴寛 椋田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

【課題】弱溶剤系塗料に高度な耐候性を付与できる耐候性向上剤及び該向上剤を添加された弱溶剤塗料組成物を提供する。
【解決手段】一般式(I)の分子内にピペリジル基を持つエチレン性不飽和単量体(a)0.1〜50質量部と、C4以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート少なくとも1種の単量体(b)50〜99.9質量部と、前記単量体以外のエチレン性不飽和単量体(c)0〜20質量部((a)、(b)、(c)の合計は100質量部)からなる不飽和単量体混合物の共重合体(A)を含有する耐候性向上剤を使用する。
Figure 2009091529

(R1は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、Xは酸素原子又はイミノ基、Yは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシル基、Zは水素原子又はシアノ基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は弱溶剤系塗料用耐候性向上剤および改質された弱溶剤系塗料に関するものであり、より詳しくは、主として弱溶剤系塗料の改質の用に供され、弱溶剤系塗料に添加されることにより、当該塗料の耐候性能を飛躍的に向上せしめる耐候性向上剤および改質された塗料組成物に関するものである。
近年、塗料分野においては、地球環境や塗装作業環境等への配慮から、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類を媒体として用いる所謂、強溶剤系塗料から、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類を媒体の主成分とする弱溶剤系塗料への変換が図られている。それに伴って弱溶剤系塗料への要求性能も高度になってきており、中でも塗膜の耐候性能は最も重要な性能の1つとして近年その要求が高まってきている。このため、シリコーンやフッ素等の高耐候成分を含有させる等、様々な手段によってその向上が図られている。
一方、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン型ラジカル捕捉剤(以下HALS)、酸化防止剤などの耐候性向上剤の添加は、要求性能の異なる各種塗料の耐候性を向上できる有効な手段として用いられており、中でもHALSは格段に高い耐候性向上能から様々なタイプの商品が市販されている。しかしながら、市販されているHALSの多くが低分子量型のものであるため、塗膜の耐水性を低下させたり、塗膜からの経時的なブリードアウトにより高度化する耐候性能要求を満足できない問題があった。このような問題を解決する為、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する反応性HALSを高濃度に共重合させたポリマーを粉体回収し、溶剤系塗料に溶解して耐候性を向上させる技術が提案されている(特許文献1)。しかし、特許文献1記載の粉体回収ポリマーはいずれも強溶剤には可溶であるが、弱溶剤には不溶であり、弱溶剤系塗料には使用できない問題があった。
WO2006−126680公報
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、高いアンチブリードアウト性を有することで長期に亘る耐候性向上能を付与でき、弱溶剤系塗料にも適用可能である弱溶剤系塗料用耐候性向上剤の提供、および当該弱溶剤系塗料用耐候性向上剤を添加した高耐候な弱溶剤系塗料を提供することを目的とする。
発明者らは、上記問題を解決することを目的として鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を持つ単量体を特定の比率の範囲内で混合した単量体混合物を重合して得られる共重合体を含むものは、弱溶剤系塗料可溶であって、弱溶剤系塗料に所定量添加した場合、当該弱溶剤系塗料の耐候性を飛躍的に向上させることを見出した。すなわち、本発明の弱溶剤系耐候性向上剤は、分子内にピペリジル基を持つエチレン性不飽和単量体(a)0.1〜50質量部と、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種以上の単量体(b)50〜99.9質量部と、前記単量体(a)及び(b)以外のエチレン性不飽和単量体(c)0〜20質量部(但し(a)、(b)、(c)の合計は100質量部)からなる不飽和単量体混合物を重合することで得られる共重合体(A)を含有することを特徴とする弱溶剤系塗料用耐候性向上剤である。
Figure 2009091529
(Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基、Xは酸素原子またはイミノ基、Yは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基またはアルコキシル基、Zは水素原子またはシアノ基を示す。)
本発明によれば、弱溶剤系塗料の耐候性を飛躍的に向上せしめる弱溶剤系塗料用耐候性向上剤および高い耐候性を有する弱溶剤系塗料を提供できる。
本発明の弱溶剤系塗料用耐候性向上剤は、分子内にピペリジル基を持つエチレン性不飽和単量体(a)0.1〜50質量部と、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種以上の単量体(b)50〜99.9質量部と、前記単量体(a)及び(b)以外のエチレン性不飽和単量体(c)0〜20質量部(但し(a)、(b)、(c)の合計は100質量部)からなる不飽和単量体混合物を重合することで得られる共重合体(A)を含有することを特徴とする弱溶剤系塗料用耐候性向上剤である。
Figure 2009091529
(Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基、Xは酸素原子またはイミノ基、Yは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシル基、Zは水素原子またはシアノ基を示す。)
本発明の弱溶剤系塗料用耐候性向上剤(以下、耐候性向上剤)を構成する共重合体(A)は、当該耐候性向上剤を添加する弱溶剤系塗料の耐候性向上能の点から、重合時の全単量体量を100質量部としたとき、一般式(I)で表される不飽和単量体(a)の含有量が0.1〜50質量部である必要がある。単量体(a)の含有量が0.1質量部以上であれば、被添加塗料の特性のうち1つ以上を大幅に低下させることのない添加量の範囲で十分な耐候性を付与できる。また、単量体(a)の量が50質量部以下であれば、弱溶剤への溶解性を確保できるばかりでなく、重合時の安定性も確保できる。単量体(a)の含有量として、5〜50質量部が好ましく、10〜50質量部が最も好ましい。
単量体(a)としては、紫外線安定化機能を有するものを使用することができ、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。上記単量体のうち、本発明の耐候性向上剤を含む塗膜の耐候性向上能の点で、R1=メチル基であるメタクリレート系単量体が好ましい。これらは必要に応じて1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明の耐候性向上剤は、当該耐候性向上剤を添加する弱溶剤系塗料への溶解性の点から、単量体(a)の共重合成分として、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種の単量体(b)を選択し、その含有量を50〜99.9質量部の範囲とする必要がある。単量体(b)として上記単量体の中から1種以上を選択し、共重合体(A)中の含有量を50質量部以上とすれば、弱溶剤に対する十分な溶解性が確保できる。単量体(b)の量が99.9質量部を超える場合には、相対的に単量体(a)の量が減少し好ましくない。単量体(b)の含有量として、50〜95質量部がより好ましく、50〜90質量部が最も好ましい。
単量体(b)としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ノルマルヘキシル(メタアクリレート)、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、p−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体の中でも、固形分のハンドリング性および添加塗料の耐候性向上の点からt−ブチルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレートから選ばれる少なくとも1種以上の単量体を必須成分として含有することが好ましく、これらの単量体の含有量が50質量部以上であることが特に好ましい。単量体(b)の溶解度パラメーター(Sp値)は特に規定しないが、共重合体(A)の弱溶剤への溶解性の点でFedorsのSp値で20.10((J/cm)1/2)以下であることが好ましい。上記単量体は必要に応じて、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明の耐候性向上剤は、必要に応じて前記単量体(a)及び(b)以外の単量体(c)を共重合成分として用いても良いが、その含有量は20質量部以下であることが必要である。単量体(c)の含有量が20質量部以下であれば、弱溶剤への溶解性を確保できる。単量体(c)として15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
単量体(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、メチル(エタ)アクリレート、エチル(エタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(3−)ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ビニルエーテル等が挙げられる。
単量体(c)として、分子内に不飽和二重結合と紫外線吸収性官能基を有する反応性UVAやヒンダードフェノールなどの酸化防止能含有官能基を有する反応性酸化防止剤などを選択すれば、さらに高い耐候性向上能が得られるので好ましい。上記単量体(c)は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
尚、本発明で言う、「弱溶剤」とは、塗料用樹脂を溶解する有機溶剤中の脂肪族炭化水素含有量が50質量%以上である溶剤を指し、単成分系溶剤としては、n−ブタン、nーヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソノナン、n−デカン、n−ドデカン等の他、テルペン油やミネラルスピリット等が挙げられる。また、上記単成分系溶剤以外に混合成分溶剤系として、「LAWS」、「HAWS」(以上、シェル化学社製)、「ペガゾール3040」、「ペガゾールAN45」(以上、エクソン・モービル社製)などが挙げられる。
また、本発明における「弱溶剤系塗料」とは熱可塑性樹脂を上記弱溶剤に溶解もしくは分散せしめてなる塗料の総称であり、熱可塑性樹脂としては、アクリル系、フッ素系、塩素系、ウレタン系、ポリエステル系、芳香族系、シリコーン系などの熱可塑性樹脂が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の耐候性向上剤を構成する共重合体(A)を得るための重合法は、特に規定されず、乳化重合法、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等の公知の重合法を用いて重合することができる。また、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、滴下懸濁重合法などの粒子構造体を得ることができる重合法を用いて重合する場合、その粒子構造は単層構造であっても多層構造であっても良いが、多層構造粒子の場合、経済性の点から3層構造以下であることが好ましい。
本発明の耐候性向上剤を乳化重合にて重合する際の乳化剤としては、従来より知られる各種のアニオン性、またはノニオン性の乳化剤、高分子乳化剤さらに分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。乳化剤としては、日本乳化剤社製商品名「ニューコール560SF」、「同562SF」、「同707SF」、「同707SN」、「同714SF」、「同723SF」、「同740SF」、「同2308SF」、「同2320SN」、「同1305SN」、「同271A」、「同271NH」、「同210」、「同220」、「同RA331」、「同RA332」、花王社製商品名「ラテムルB−118E」、「レベノールWZ」、「ネオペレックスG15」、第一工業製薬社製商品名「ハイテノールN08」などのごときアニオン性乳化剤、例えば三洋化成社製商品名「ノニポール200」、「ニューポールPE−68」などの如きノニオン性乳化剤等が挙げられる。高分子乳化剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。反応性乳化剤としては、例えば日本乳化剤社製商品名「Antox MS−60」、「同MS−2N」、三洋化成社製商品名「エレミノールJS−2」、花王社製「ラテムルS−120」、「同S−180」、「同S−180A」、「同PD−104」、ADEKA社製商品名「アデカリアソープSR−10」、「同SE−10」、第一工業製薬社製商品名「アクアロンKH−05」、「同KH−10」、「同HS−10」等の反応性アニオン性乳化剤、例えばADEKA社製商品名「アデカリアソープNE−10」、「同ER−10」、「同NE−20」、「同ER−20」、「同NE−30」、「同ER−30」、「同NE−40」、「同ER−40」、第一工業製薬社製商品名「アクアロンRN−10」、「同RN−20」、「同RN−30」、「同RN−50」等の反応性ノニオン性乳化剤などが挙げられる。本発明の耐候性向上剤を乳化重合によって得る場合の乳化剤としては、本発明の耐候性向上剤を含む弱溶剤系塗料の耐候性向上能の点から、反応性乳化剤を用いることが好ましい。これらは必要に応じて1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。尚、本発明の不飽和単量体には、反応性乳化剤は含まないものとする。
また、本発明の耐候性向上剤を構成する共重合体(A)を溶液重合法にて重合する際の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、その他の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等の公知の有機溶剤を使用して重合後に固形分回収しても良いし、ミネラルスピリット等の弱溶剤中で重合し、共重合体(A)溶液をそのまま耐候性向上剤として用いても良い。
また、本発明の耐候性向上剤を構成する共重合体(A)を懸濁重合法にて重合する際の分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、澱粉末シリカ等の水難溶性無機化合物、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロース誘導体等のノニオン系高分子化合物、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、メタクリル酸エステルとメタクリル酸及びその塩との共重合体等のアニオン系高分子化合物などが使用できる。その中でも、アニオン系高分子化合物は、極少量で分散安定性を保持でき、懸濁重合の分散剤として非常に優れている。これらの分散安定剤は1種を単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
各種重合法によって重合された本発明の耐候性向上剤を構成する共重合体(A)は、各々の重合法に適した方法で固形分回収すれば良い。例えば、乳化重合にて重合せしめた場合は、スプレードライ法、塩析凝固法、遠心分離法、凍結乾燥法等の方法で樹脂分を回収すれば良い。スプレードライ法による固形分回収法としては、乳化重合して得られた乳化分散体をスプレードライヤーにて、入り口温度:120〜220℃、出口温度:40〜90℃にて噴霧乾燥し、粉末回収することができる。出口温度として40〜80℃が回収2次粒子の1次粒子への解砕性の点で好ましく、40〜70℃が特に好ましい。また、凝固法による回収法としては、乳化分散体を30〜60℃で凝析剤に接触させ、攪拌しながら凝析させてスラリーとし、脱水乾燥して粉末回収できる。塩析凝固法における凝析剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸類、蟻酸、酢酸等の有機酸類、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム等の有機塩類等を挙げることができるが、酸によるヒンダードアミン基の失活の危険性があるため、塩酸などの酸類による凝固を行った場合は、粉体回収後にアンモニア水等の塩基性水溶液で洗浄することが好ましい。また、溶液重合にて重合せしめた場合においては、再沈殿法、溶媒揮発除去法等の方法で回収すればよい。懸濁重合にて重合せしめた場合は、ろ過回収が最も簡便である。
また、本発明の耐候性向上剤を構成する共重合体(A)は、単量体(a)、(b)および(c)を用い、ラジカル性重合開始剤を用いて重合することができる。重合開始剤としては、一般的にラジカル重合に使用されるものが使用可能であり、その具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類;2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)およびその塩類2,2’−アゾビス(2−メチルプロピンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]およびその塩類等の水溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類等が挙げられる。これらの開始剤は単独でも使用できるほか、2種類以上の混合物としても使用できる。また、乳化重合法にて重合を行う場合には、例えば、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸塩等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
本発明の耐候性向上剤を構成する共重合体(A)の重量平均分子量(以下、Mw)は特に規定されないが、5,000〜200,000の範囲であることが好ましい。Mwが5,000以上であれば塗膜からの溶出性に問題がなく長期に亘る耐候性向上能を発現する。一方、Mwが200,000以下であれば、弱溶剤への良好な溶解性が確保できる。Mwの範囲として、5,000〜100,000がより好ましく、5,000〜50,000が特に好ましい。Mwを調整する方法は特に規定しないが、開始剤量の調整による方法の他、連鎖移動剤を用いるのも有効な手段である。
連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物;α−メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤を用いればよい。連鎖移動剤の使用量は、使用する連鎖移動剤の種類や不飽和単量体の構成比に応じて変化させれば良い。上記連鎖移動剤は、単独、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の耐候性向上剤を構成する共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は規定しないが、ハンドリング性の点で、50℃以上であることが好ましい。特に乳化重合法を用いて多層構造粒子を形成させる場合は、最外層にTgが50℃以上の共重合体層を形成することが好ましい。なお、上記TgとしてはFoxの計算式により求められる計算ガラス転移温度を使用する。Foxの式とは、以下に示すような、共重合体のガラス転移温度(℃)と、共重合単量体のそれぞれを単独重合したホモポリマーのガラス転移温度(℃)との関係式である。
1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))
[式中、Wiはモノマーiの質量分率、TgiはモノマーiのホモポリマーのTg(℃)を示す。]
なお、ホモポリマーのTgとしては、具体的には、「Polymer Handbook 3rd Edition」(A WILEY−INTERSCIENCE PUBLICATION、1989年)に記載された値を使用することができる。
本発明の耐候性向上剤は、同一組成の共重合体(A)を単独で使用しても、組成の異なる共重合体(A)を2種以上組み合わせて使用しても良い。また、本発明の耐候性向上剤は弱溶剤系塗料に直接添加して使用しても良いし、一旦弱溶剤に溶解させた後、弱溶剤溶液を弱溶剤系塗料に添加して使用してもよい。
また、本発明の耐候性向上剤は紫外線吸収剤(UVA)と併用することが耐候性向上能の点で好ましい。本発明の耐候性向上剤と併用できるUVAとしては、ベンゾフェノン系UVA、ベンゾトリアゾール系UVA、無機系UVA、ヒドロキシフェニルトリアジン系UVAなどの既知のUVAを使用できる。これらのUVAのうち、塗装皮膜の耐候性向上能の点で、ヒドロキシフェニルトリアジン系UVAとの併用が最も好ましい。ベンゾフェノン系UVAとしては、例えば、住友化学社製商品名「スミソーブ130」、BASFジャパン社製商品名「Uvinul3049」、「同3050」等が挙げられ、ベンゾトリアゾール系UVAとしては、例えば、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製商品名「チヌビン PS」、「同99−2」、「同109」、「同384−2」、「同900」、「同928」、「同1130」、住友化学社製商品名「スミソーブ200」、「同250」、「同300」、一方社油脂工業社製商品名「ULS−1935LH」、城北化学工業社製商品名「JF−77」、「同78」、「同79」、「同80」、「同83」等が挙げられ、無機系UVAとしては、例えば、多木化学社製商品名「ニードラール W−100」等が挙げられ、ヒドロキシフェニルトリアジン系UVAとしては、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製商品名「チヌビン400」、「同405」、「同460」、「同477DW」、「同479」等が挙げられる。これらのUVAは1種を単独でもしくは2種以上を組合せて使用してもよい。本発明の耐候性向上剤を含む弱溶剤系塗料に添加されるUVAの量は特に規定されないが、耐候性向上剤と被添加弱溶剤系塗料中の固形分およびUVAの和を100質量部とした時、1.5質量部以下であることが塗装皮膜の着色性の点で好ましい。
本発明の耐候性向上剤は被添加弱溶剤系塗料に所定量を添加した後、スプレー塗布、ローラー塗布等の公知の塗装方法により塗装することができる。本発明の耐候性向上剤の添加量については特に規定されないが、耐候性向上剤と被添加弱溶剤系塗料中の固形分の和を100質量部とした時、0.1〜30質量部範囲で添加されることが好ましい。本発明の耐候性向上剤の添加量が0.1質量部未満の場合、十分な耐候性向上能を発現しない場合がある。また、添加量が30質量部以下であれば、被添加弱溶剤系塗料の特性のうち1つ以上を大幅に低下させない。また、本発明の耐候性向上剤およびそれを含む弱溶剤系塗料に高度な性能を発現させるために、各種顔料、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、艶消し剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、防腐剤、抗菌剤等を添加してもよい。
また、本発明の耐候性向上剤は、各種熱可塑性樹脂用途として使用してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」は質量基準である。
<重量平均分子量(Mw)測定>
実施例1〜11、比較例1〜2の耐候性向上剤を各0.1gずつサンプル瓶に採取し、テトラヒドロフラン(THF)10gを添加して室温で一晩放置する。調製した試料溶液を東ソー(株)製HLC−8120を用いて以下の条件にて測定し、標準ポリスチレン換算した値を重量平均分子量(Mw)とした。
〔GPC測定条件〕
カラム:TSK-gel TSL-gel SuperHM-M×4本(6.0mmI.D.×15cmL)
溶離液:THF
流量:0.6ml/min
注入量:20μl
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折率検出器(RI)
<弱溶剤溶解性試験>
実施例1〜11、比較例1〜3の耐候性向上剤をミネラルスピリットに固形分濃度が5質量%になるよう混合し、40℃で1時間攪拌する。さらに40℃で3日間放置後の溶液の状態について以下の基準で目視で判断した。
○:透明な溶液であり、可溶と判断される
×:沈殿物がある、もしくは液が白濁しており、不溶もしくは一部不溶と判断される
弱溶剤溶解性試験の結果、可溶と判断された耐候性向上剤について以下の試験を実施した。
<クリアー塗板の作成>
ベース弱溶剤塗料用樹脂としてアクリル系樹脂「BR−118」(商品名、三菱レイヨン(株)社製)に、表1記載の割合で耐候性向上剤、ミネラルスピリットを配合する。樹脂分が十分に溶解したことを確認したら、100メッシュナイロン紗を用いてろ過を行い、評価用クリアー塗料を得た。リン酸亜鉛処理鋼鈑(「ボンデライト」#100処理鋼鈑、板厚0.8mm、70mm×150mm)に上記で作成した塗料を乾燥膜厚が30μmになるようにバーコーターで塗装し、60℃で0.5時間強制乾燥した後、さらに40℃で1晩乾燥させたものを、耐候性試験の試験塗板とした。
<促進耐候性試験>
上記方法で作成した試験塗板を、評価装置「ダイプラ・メタルウェザー」KU−R4−W型(商品名、ダイプラ・ウィンテス(株)製)に入れ、試験サイクル:照射4時間/結露4時間、UV強度:85mW/cm2、ブラックパネル温度:照射時63℃/結露時30℃、湿度:照射時50%RH/結露時96%RHの条件で、300時間経過後の60゜グロスの光沢保持率を耐候性の指標とし、以下の基準で判定した。なお、60゜グロスは日本電色工業(株)製偏光光沢計「VG−2000型」を用いて測定した。
「6」 :光沢保持率が90%以上
「5」 :光沢保持率が80%以上90%未満
「4」 :光沢保持率が75%以上80%未満
「3」 :光沢保持率が70%以上75%未満
「2」 :光沢保持率が60%以上70%未満
「1」 :光沢保持率が60%未満
<耐水性試験>
上記方法で作成した試験塗板を、60℃恒温水槽に3日間浸漬し、引き上げ直後のΔL値を耐水性の指標とし、以下の基準で判定した。なお、ΔL値は日本電色工業(株)製スペクトロカラーメーター「SE−2000型」を用いて測定した。
「○」 :ΔL<3
「×」 :ΔL≧3
<懸濁重合用分散剤(a)の合成>
メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム165g、メタクリル酸カリウム25g、メタクリル酸メチル30g、脱イオン水2250gを内容積3000mlのコンデンサーを備えたセパラブルフラスコ中で窒素雰囲気下に攪拌しながら50℃に昇温した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.25gを添加して60℃に昇温した。一方、重合開始剤の添加と同時に、メタクリル酸メチルを0.4g/分の速度で75分間連続的に滴下した。60℃で6時間攪拌を続けたところ、1000mPa・sの粘度を有する透明な重合体溶液が得られた。これを脱イオン水で固形分10%に調整し、懸濁重合時に使用する分散剤Aとした。
<実施例>
(実施例1)
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、滴下ポンプ及び窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン水45部、続いて28%アンモニア水溶液0.2部と表1に示す割合で配合された乳化物の5部を反応容器内に仕込み、反応容器内部を窒素で置換しながら75℃まで昇温した後、過硫酸アンモニウム(重合開始剤)0.1部を5部の水に溶解した開始剤溶液を加えシード粒子を形成した。溶液の温度を温度計にて計測し、発熱ピークを確認した後、乳化物の残りを内温75℃で4時間かけて滴下し、更に内温75℃のまま2時間熟成することで乳化重合を行い、乳化分散体を形成した。得られた乳化分散体を室温に冷却した後、スプレードライヤー(大川原化工機(株)製、L−8型)を用いて、入り口温度170℃、出口温度60℃、アトマイザー回転数25000rpmにて噴霧乾燥し、耐候性向上剤として固体回収した。得られた耐候性向上剤は前記溶解性試験法にて可溶であることを確認した。このため、表1記載の割合にて塗料組成物を調製後、前記した方法にて試験板を作成し、耐候性試験に供した。結果を表1に示す。
(実施例2〜5)
実施例1と同様な方法で、表1に示された組成の乳化重合を行い、得られた乳化分散体を、実施例1と同様のスプレードライ法にて固体回収した。得られた耐候性向上剤が可溶であったため、表1記載の割合にて配合した塗料組成物を調製後、試験板を作成し、耐候性試験に供した。結果を表1に示す。
(実施例6)
撹拌機及び温度計を備えた反応容器に、脱イオン水145質量部、分散剤A0.5質量部、硫酸ナトリウム0.1質量部、28%アンモニア水溶液0.1質量部を仕込み、次いで表1に示された組成の単量体混合物と重合開始剤として過酸化ラウロイル0.6質量部を添加した。内容物を攪拌しながら40℃から90℃まで1時間25分間で昇温し、内容物の温度を90℃に到達させた。90℃到達後さらに1時間30分攪拌した後、冷却し、重合体粒子の懸濁液を得た。得られた懸濁液を目開き45μmのナイロン製ろ過布でろ過し、脱イオン水で十分に洗浄後、50℃で24時間乾燥して耐候性向上剤を得た。得られた耐候性向上剤が可溶であったため、表1記載の割合にて配合した塗料組成物を調整後、試験板を作成し、耐候性試験に供した。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例6と同様な方法で、表1に示された組成の懸濁重合を行い、得られた懸濁液を実施例6と同様のろ過法にて固体回収した。得られた耐候性向上剤が可溶であったため、表1記載の割合にて配合した塗料組成物を調製後、試験板を作成し、耐候性試験に供した。結果を表1に示す。
(実施例8)
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコに「ENEOS ミネラルスピリットA」(商品名、新日本石油(株)製)180質量部と表1に示した単量体混合物を投入し、窒素導入管から窒素を吹き込みながら攪拌し、50℃まで昇温した。その後、「ミネラルスピリットA」20質量部に溶解したアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5質量部を添加し、攪拌しながら70℃まで昇温し、8時間反応を行い、固形分濃度33質量%の共重合体(A)溶液を得た。冷却した共重合体(A)溶液をそのまま弱溶剤系耐候性向上剤として用いることとし、アクリル樹脂(α)92質量部を「ミネラルスピリットA」184質量部に溶解した評価用弱溶剤系塗料に共重合体(A)溶液24質量部を加え、表1記載の配合比からなる弱溶剤系塗料組成物を得た。得られた塗料組成物を用いて試験板を作成し、耐候性試験に供した。結果を表1に示す。
(実施例9〜11)
実施例8と同様な方法で、表1に示された組成の溶液重合を行い、得られた耐候性向上剤溶液を実施例8と同様の方法で、表1記載の割合にて配合した塗料組成物を調製後、試験板を作成し、耐候性試験に供した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様な方法で、表1に示された組成の乳化重合を行い、得られた乳化分散体を、実施例1と同様のスプレードライ法にて固体回収した。得られた耐候性向上剤が前記溶解試験法にて不溶であったため、耐候性試験を断念した。
(比較例2)
実施例6と同様な方法で、表1に示された組成の懸濁重合を行い、得られた懸濁液を実施例6と同様のろ過法にて固体回収した。得られた耐候性向上剤が前記溶解試験法にて不溶であったため、耐候性試験を断念した。
(比較例3)
耐候性向上剤として「チヌビン−770」(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)を用い、表1記載の割合にて塗料組成物を調製後、試験板を作成し、耐候性試験に供した。結果を表1に示す。
(比較例4)
耐候性向上剤は使用せず、表1記載の割合にて塗料組成物を調製後、試験板を作成し、耐候性試験に供した。結果を表1に示す。
Figure 2009091529
表中の略号は以下の通り。
HALS1:4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
HALS2:4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
HALS3:チヌビン−770(商品名、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
t−BMA:ターシャリーブチルメタアクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタアクリレート
n−BMA:ノルマルブチルメタアクリレート
i−BMA:イソブチルメタアクリレート
n−BA:ノルマルブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
MMA:メチルメタアクリレート
St:スチレン
2HEMA:2−ヒドロキシエチルメタアクリレート
n−DM:ノルマルドデシルメルカプタン
乳化剤(1):「アデカリアソープSR−10」(商品名、ADEKA(株)製)
分散剤(a):メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム/メタクリル酸カリウム/メタクリル酸メチル共重合体10質量%水溶液
アクリル樹脂(α):「BR−118」(商品名、三菱レイヨン(株)製)
弱溶剤1:「ENEOS ミネラルスピリットA」(商品名、新日本石油(株)製)
UVA1:「チヌビン400」(商品名、チバ・スペシャルティーケミカルズ(株)製)
UVA2:「チヌビン99−2」(商品名、チバ・スペシャルティーケミカルズ(株)製)
表1から分かるように、本発明の耐候性向上剤は弱溶剤に対し優れた溶解性を有し、弱溶剤系塗料に添加した場合、優れた耐候性向上能を付与できる。一方、比較例1では単量体(a)及び(b)の組成比が、比較例2では単量体(c)の組成比が、本発明に規定の範囲に入っていないものであり、弱溶剤に対し溶解しない。比較例3では、低分子量型耐候性向上剤を使用しているが、塗膜の耐水性が低下するとともに、耐候性向上剤の塗膜からの溶出に基づくと思われる理由で耐候性向上能が不十分である。したがって、本発明の耐候性向上場剤は弱溶剤系塗料用の耐候性向上剤として極めて有用であることが分かる。
本発明の耐候性向上剤は、セメントモルタル、スレート板、石膏ボード、押し出し成形板、発泡性コンクリート、金属、ガラス、磁器タイル、アスファルト、木材、防水ゴム材、プラスチック、珪酸カルシウム基材等の各種素材の表面仕上げに使用される弱溶剤系塗料に添加することにより、長期間に亘って耐候性を向上させることができ、工業上極めて有益なものである。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される、分子内にピペリジル基を持つエチレン性不飽和単量体(a)0.1〜50質量部と、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種以上の単量体(b)50〜99.9質量部と、前記単量体(a)、及び(b)以外のエチレン性不飽和単量体(c)0〜20質量部(但し(a)、(b)、(c)の合計は100質量部)からなる不飽和単量体混合物を重合することで得られる共重合体(A)を含有する弱溶剤系塗料用耐候性向上剤。
    Figure 2009091529
    (Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基、Xは酸素原子またはイミノ基、Yは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシル基、Zは水素原子またはシアノ基を示す。)
  2. 請求項1記載の耐候性向上剤を含む弱溶剤系塗料。
  3. さらに紫外線吸収剤を含む請求項2記載の弱溶剤系塗料。
  4. 請求項2記載の弱溶剤系塗料を製膜して得られる高耐候塗装被膜。
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