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JP2009071192A - 光電変換装置、及びその製造方法 - Google Patents

光電変換装置、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造変更によって、ホットスポット現象による破損を防止できる技術を提供する。
【解決手段】基板上に配置された複数の光電変換セルと、バイパス部と、を具備し、前記複数の光電変換セルの各々は、光を受光して電力に変換する光電変換層と、前記光電変換層を挟むように光の入射面側に設けられた透明電極層と、光の入射面と逆側に設けられた裏面電極層とを備え、前記透明電極層及び前記裏面電極層は、それぞれ、分割溝によって前記複数の光電変換セルに対応して分割されており、前記裏面電極層は、前記複数の光電変換セルが電気的に直列に接続されるように、隣接する前記各光電変換セルの前記透明電極層に接続されている光電変換装置であって、前記バイパス部は、隣接する前記各光電変換セルの前記透明電極層同士又は裏面電極層同士を接続するように、前記分割溝の少なくとも一部を埋めるように設けられていること。
【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換装置及びその製造方法に関し、特に、薄膜系太陽電池及びその製造方法に関する。
光を受光して電力を取り出す光電変換装置として、発生する電圧を高めるために、複数の光電変換セルを電気的に直列に接続した光電変換装置が知られている。こうした光電変換装置として、例えば、太陽電池が挙げられる。
太陽電池は、通常、屋外に設置される。その際、光の入射面の一部が、建物や樹木などの影となってしまう可能性がある。これにより、直列に接続された複数の光電変換セルのうちの一部のセルだけが、遮光された状態となることがある。正常に光を受光したセルは、発電して光起電力を発生させる。一方、遮光されたセルでは光起電力が低下する。遮光されたセルには、正常に光を受光したセルの光起電力による電圧が印加されてしまう。その結果、遮光されたセルは、通常の発電方向を逆方向として接続されたダイオードと振舞うことになる。遮光されたセルにセルの逆方向電圧の耐電圧以上の電圧が印加されると、絶縁破壊が生じて電流が逆電流として流れる。この時、逆電流が逆方向電圧の耐電圧が低い箇所に流れはじめて局所的なジュール発熱がおこることがある。この発熱箇所では更に逆方向電圧の抵抗が低下するために逆電流は集中して流れてしまい、発熱が増加する。このような現象は、ホットスポット現象と呼ばれる。ホットスポット現象による太陽電池の局所加熱により、セル自身が破損したり、ガラスに例示される支持基板などが周囲との温度差で破損してしまうことがある。ホットスポット現象による破損を防止する事のできる技術が望まれる。
ホットスポット現象の対策に関する技術が、特許文献1〜5に記載されている。
特許文献1には、直列に接続された複数の光電変換セルにおいて、任意のセルの裏面電極表面と隣接するセルの裏面電極表面とを、バイパステープによって接続することが記載されている。
また、特許文献2には、複数の薄膜光電変換セルを直列接続してなる複数の直列アレイと、その複数の直列アレイを並列接続する一対の共通電極とを備え、それぞれの直列アレイの短絡電流を600mA以下とした薄膜光電変換モジュールが開示されている。
また、特許文献3には、基板上に設けられた透明前面電極と、その透明前面電極上に設けられた薄膜光電変換ユニットと、その薄膜光電変換ユニット上に設けられた透明酸化物層と、その透明酸化物層上に設けられた金属裏面電極と、その透明前面電極とその金属裏面電極とに挟まれた領域の一部でその薄膜光電変換ユニットの一方の面と接触する金属部とを具備する薄膜光電変換モジュールが開示されている。
また、特許文献4には、直列に接続された複数の薄膜光電変換セルと、その複数の薄膜光電変換セルの直列接続された各々のn個とそれぞれ並列接続された複数のバイパスダイオードとを具備する薄膜光電変換モジュールが開示されている。
また、特許文献5には、基板の受光面側に形成された第1の導電型層と、基板の裏面側に形成された第2の導電型用電極と、第1の導電型層及び第2の導電型用電極に接触するように形成されたバイパス電極を有する太陽電池素子が開示されている。
特開2006−5020号 公報 特開2001−68713号 公報 特開2001−85709号 公報 特開2001−68696号 公報 特開2006−4999号 公報
既述の特許文献に記載された技術は、短絡電流を下げるか、逆電圧にたいしてバイパスダイオードなどでバイパス通路を設けることによって、遮光されたセルに大きな逆電流が流れ込むことによる発熱を防止している。しかしながら、こうした技術では大掛かりな構造変更を伴なうこととなり、製造工程を煩雑にしていた。また、逆電圧に対するバイパス通路に個々の特性差が生じてバイパス通路のアンバランスにより発電量が低下するなど信頼性を向上させるにあたっての課題を生じていた。
すなわち、ホットスポット現象に対する対策を施し信頼性を向上させるために、構造を大幅に変更して製造工程を煩雑にする必要があり、製造コストが増加していた。
従って、本発明の目的は、簡単な構造変更によって、ホットスポット現象による破損を防止できる技術を提供する事にある。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の光電変換装置は、基板(3)上に配置された複数の光電変換セル(4)と、バイパス部(8)と、を具備する。複数の光電変換セル(4)の各々は、光を受光して電力に変換する光電変換層(42)と、光電変換層(42)を挟むように光の入射面側に設けられた透明電極層(41)と、光の入射面と逆側に設けられた裏面電極層(43)とを備える。透明電極層(41)及び裏面電極層(43)は、それぞれ、分割溝によって前記複数の光電変換セルに対応して分割されている。裏面電極層(43)は、複数の光電変換セル(4)が電気的に直列に接続されるように、隣接する各光電変換セル(4)の透明電極層(41)と接続されている。バイパス部(8)は、隣接する各光電変換セル(4)の透明電極層(43)同士または裏面電極層(43)同士を接続するように、前記分割溝の少なくとも一部を埋めるように設けられている。
このような構成によれば、遮光された光電変換セル(4)に逆方向電圧である逆バイアス電圧が印加されたとしても、光電変換層(42)部分ではなくてバイパス部(8)を経由して逆電流の多くが流れる。遮光された光電変換セル(4)において、1ヶ所に逆電流が流れはじめ、発熱によりさらに集中してしまうことを防止でき、局所発熱を抑制することができる。ここで、透明電極層(41)間または裏面電極(43)間をバイパス部(8)によって接続するという、簡単な構造変更によって、遮光された光電変換セル(4)に逆バイアス電圧が印加による局所的な発熱を抑制することができる。
既述の特許文献1では、裏面電極表面にバイパステープが設置されるので、バイパステープを設置する工程を追加しなければならない。これに対して、本発明では、分割溝の少なくとも一部を埋めるようにバイパス部が設けられる。このような分割溝に設けられるバイパス部は、例えば、分割溝を形成する際のレーザーエッチング条件を変更するだけで作成することができ、大掛かりな製造工程の追加を伴わない。
また、既述の特許文献2では、複数のセルが直列に接続されて直列アレイを形成し、更に、直列アレイ同士が一対の共通電極によって並列に接続されており、複雑な構造が採用されている。これに対して、本発明では、分割溝を埋めるようにバイパス部が設けられるだけであり、複数の直列アレイを並列に接続する必要は無い。複数の直列アレイを並列に接続するといった複雑な構造は必要なく、単純な構造で局所的な発熱を抑制することができる。
また、既述の特許文献3では、透明前面電極とその金属裏面電極とに挟まれた領域の一部に、薄膜光電変換ユニットの一方の面と接触する金属部が設けられる。金属部は、金属裏面電極層と透明前面電極層との間の短絡を直ちに生じさせるためのものであり、本発明のように、隣接する光電変換セル間で、透明電極層同士又は裏面電極層同士を接続するためのものではない。
また、既述の特許文献4では、複数のセルが直列接続されたもの同士が、バイパスダイオードによって並列に接続されている。このような構造は、バイパスダイオードが追加されていることや、複数のセルが直列接続されたもの同士をさらに並列に接続にしていること、などから、複雑な構造であり、製造工程の大幅な変更を必要とする。これに対して、本発明によれば、上述したように大掛かりな製造工程の追加は必要ない。
また、既述の特許文献5では、バイパス電極が、基板の主面に設けられた第1の導電型層と裏面に設けられた第2の導電型層とを接続しなければならない。従って、バイパス電極は、基板の側面にも設けられることとなり、複雑な構造となる。これに対して、本発明によれば、基板の側面にバイパス部を設ける必要は無く、単純な構造で局所的な発熱を抑制することができる。
隣接する2つの前記光電変換セル間における前記バイパス部は、前記各光電変換セルを電気的に直列に接続する際に形成される前記透明電極層の分離溝または前記裏面電極層の分離溝を部分的に形成せずに、隣接する2つの前記光電変換セルの前記透明電極層または前記裏面電極層どうしを電気的に導通があるように接続していることが好ましい。
透明電極層(41)間または裏面電極(43)間が、バイパス部(8)によって、透明電極層(41)の分離溝(7)または裏面電極層(43)の分離溝(18)において電気的に導通があるように接続されるので、接触抵抗を小さくして各バイパス部での電気抵抗値のアンバランスを少なくして、信頼性の高いバイパス部の接続となるので、逆方向電圧である逆バイアス電圧が印加されたとしても、光電変換層(42)部分ではなくてバイパス部(8)を確実に経由して逆電流の多くが流れ、遮光された光電変換セル(4)に逆電流が集中してしまうことを防止でき、局所発熱を確実に抑制することができる。
また、隣接する2つの光電変換セル(4)間におけるバイパス部(8)の電気抵抗値は、各光電変換セル(4)の暗状態の逆方向電圧に対する電気抵抗値よりも小さいことが好ましい。
バイパス部(8)の電気抵抗値が小さ過ぎると、通常発電時においても、隣接する光電変換セル(4)間でバイパス部(8)を介して電流が流れて漏れ電流となってしまう。このことは、電池特性、特にF.F.(曲性因子)を悪化させる。通常、各光電変換セル(4)の明状態(発電状態)における電気抵抗値よりも高いことが好ましい。また、バイパス部(8)の電気抵抗値を、各光電変換セル(4)の暗状態における電気抵抗値よりも小さくすることで、遮光された光電変換セル(4)に逆バイアス電圧が印加された際にバイパス部(8)に選択的に電流が流れるようにすることができる。このためには、各光電変換セル(4)の暗状態における電気抵抗値以下とすることが、更に好ましい。
また、隣接する光電変換セル(4)間において、バイパス部(8)が設けられた部分を合計した光電変換セルの長手方向の長さは、バイパス部(8)の設けられていない部分を合計した光電変換セルの長手方向の長さよりも小さいことが好ましい。
バイパス部(8)の光電変換セルの長手方向の長さをバイパス部(8)のない部分より小さくすることで、正常に発電している際にバイパス部(8)を介した電流を無視できるほどに少なくすることができる。それにより、漏れ電流による電池特性、特にF.F.(曲性因子)を悪化させることが極めて少なくなる。また、遮光された光電変換セル(4)に逆方向電圧である逆バイアス電圧が印加された際には、バイパス部(8)に選択的に逆電流の多くが流れる様にすることができる。
また、複数の光電変換セル(4)の各々が、短冊状に形成されている場合、光電変換セル(4)間の一つに設けられたバイパス部(8)の位置は、隣の光電変換セル(4)間に設けられたバイパス部(8)の位置と、各光電変換セル(4)の長手方向において異なっていることが好ましい。バイパス部(8)がこのように配置されることで、基板(3)上に配置された複数の光電変換セル(4)全体に逆電流の流れる位置を分散させる事ができる。これにより、基板(3)上に配置された複数の光電変換セル(4)のいずれの位置に遮光された光電変換セル(4)が発生して、遮光された光電変換セル(4)に逆方向電圧である逆バイアス電圧が印加されたとしても、局所的な発熱を更に抑制できる。
また、一観点から、バイパス部(8)は、透明電極層(41)が隣接する前記光電変換セル間の一部で繋がるように透明電極層(41)の分離溝(7)を形成しない部分であることが好ましい。バイパス部(8)は、透明電極層(41)の分離溝(7)を形成しない部分の透明電極層(41)であるので、分離溝(7)の非形成位置を制御するだけで、簡単に、実質的に接触抵抗がない信頼性の高いバイパス部(8)を形成することができる。
また、他の一観点から、透明電極層(41)は、隣接する光電変換セル(4)同士の境界において、透明電極層(41)の分離溝(7)が複数のドット状となる様に形成されていることが好ましい。このとき、バイパス部(8)は、隣接するそのドット同士間で、透明電極層(41)が残っている部分となる。透明電極層(41)の分離溝(7)はそもそも、パルス状に照射されたレーザ光によりドット状に加工されるものを重ね合わせることで連続な分離溝としているので、レーザ光のパルス発振周波数と透明電極層(41)のある基板(3)の相対移動速度を調整することで、簡単に信頼性の高いバイパス部(8)を形成することができる。
また、更に別の一観点から、バイパス部(8)は、透明電極層(41)の分離溝(7)に設けた金属膜により形成されていることが好ましい。このように、バイパス部(8)を金属膜によって形成すれば、バイパス部(8)と光電変換層(4)部分とがショットキー接続により接合することとなる。これにより、遮光がない通常の発電時には、バイパス部(8)は逆方向電圧となりバイパス部(8)を微小通電することによるロスが更に少なく、遮光された光電変換セル(4)に逆バイアス印加時においてバイパス部(8)に逆電流が流れて、光電変換層(4)部分に逆電流が流れ難くなる。
また、更に別の一観点から、バイパス部(8)は、裏面電極層(43)の分離溝(18)に設けた裏面電極層(43)よりも高抵抗である高抵抗膜により形成されていることが好ましい。これにより隣接する各光電変換セル(4)間の一部で、裏面電極層(43)の表面からその分離溝(18)を含めて高抵抗膜を形成するだけで、簡単に接触抵抗が小さく信頼性の高く、遮光がない通常の発電時に通電する微小電流が少ない、バイパス部(8)を形成することができる。さらに基板(3)端部に近い隣接する各光電変換セル(4)間の分離溝(18)に高抵抗膜を形成することで、これより内側の光電変換層領域へ外気湿分が進入する経路を遮断するので、太陽電池パネルの信頼性向上に寄与する。
本発明の光電変換装置の製造方法は、複数の光電変換セル(4)が電気的に直列に接続され、複数の光電変換セル(4)の各々は、光を受光して電力に変換する光電変換層(42)と、光電変換層(42)を挟むように光の入射面側に設けられた透明電極層(41)と、光の入射面と逆側に設けられた裏面電極層(43)とを備え、裏面電極層(43)は、複数の光電変換セル(4)が電気的に直列に接続されるように、隣接する各光電変換セル(4)の透明電極層(41)に接続されている光電変換装置の製造方法である。この光電変換装置の製造方法は、透明電極層(41)を形成する透明電極層形成工程(ステップS10)と、光電変換層(42)を形成する光電変換層形成工程(ステップS20)と、裏面電極層(43)を形成する裏面電極層製膜工程(ステップS30)と、を具備する。透明電極層形成工程(S10)は、透明電極層(41)を製膜する工程(ステップS11)と、製膜された透明電極層(41)が複数の光電変換セル(4)の各々に対応して分割されるように、透明電極層(41)をパターニングするパターニング工程と、を備える。ここで、パターニング工程において、隣接する各光電変換セル(4)間の一部で透明電極層(41)同士を繋ぐバイパス部(8)が形成されるように、パターニングを行うことを特徴とする。
このように、バイパス部(8)は、透明電極層(41)を分割する際のパターニング工程を工夫することによって形成することができる。透明電極層(41)は、光電変換セル(4)に対応させて分割する必要がある。従って、透明電極層(41)のパターニングは、元々必要な工程である。すなわち、バイパス部(8)を設けるために新たな工程を追加する必要がない。
本発明の光電変換装置の製造方法の他の形態は、複数の光電変換セル(4)が電気的に直列に接続され、複数の光電変換セル(4)の各々は、光を受光して電力に変換する光電変換層(42)と、光電変換層(42)を挟むように光の入射面側に設けられた透明電極層(41)と、光の入射面と逆側に設けられた裏面電極層(43)とを備え、裏面電極層(43)は、複数の光電変換セル(4)が電気的に直列に接続されるように、隣接する各光電変換セル(4)の透明電極層(41)に接続されている光電変換装置の製造方法である。この光電変換装置の製造方法は、透明電極層(41)を形成する透明電極層形成工程(ステップS10)と、光電変換層(42)を形成する光電変換層形成工程(ステップS20)と、裏面電極層(43)を形成する裏面電極層形成工程(ステップS30)と、を具備する。裏面電極層形成工程(S30)は、裏面電極層(43)を製膜する工程と、製膜された裏面電極層(43)が複数の光電変換セル(4)の各々に対応して分割されるように、裏面電極層(43)をパターニングするパターニング工程と、を備える。ここで、そのパターニング工程において、隣接する各光電変換セル(4)間の一部で裏面電極層(43)同士を繋ぐバイパス部(8)が形成されるように、パターニングを行うことを特徴とする。
バイパス部(8)は、裏面電極層(43)を分割する際のパターニング工程を工夫することによって形成することができる。裏面電極層(43)は、光電変換セル(4)に対応させて分割する必要がある。従って、裏面電極層(43)のパターニングは、元々必要な工程である。すなわち、バイパス部(8)を設けるために新たな工程を追加する必要がない。
また、パターニング工程において、隣接する光電変換セル(4)間でバイパス部(8)が設けられた部分の光電変換セルの長手方向の長さが、バイパス部(8)の設けられていない部分の光電変換セルの長手方向の長さよりも小さくなるように、パターニングを行うことが好ましい。バイパス部(8)の光電変換セルの長手方向の長さをバイパス部(8)のない部分より小さくすることで、正常に発電している際にバイパス部(8)を介した電流を無視できるほどに少なくすることができる。それにより、漏れ電流による電池特性、特にF.F.(曲性因子)を悪化させることが極めて少なくなる。また、遮光された光電変換セル(4)に逆方向電圧である逆バイアス電圧が印加された際には、バイパス部(8)に選択的に電流が流れるようにすることができる。
また、パターニング工程において、レーザーを被パターニング対象に照射することによりパターニングを行うことが好ましい。被パターニング対象の分離溝はそもそも、パルス状に照射されたレーザ光によりドット状に加工されるものを重ね合わせることで連続な分離溝としているので、レーザ光のパルス発振周波数と被パターニング対象のある基板(3)の相対移動速度を調整することで、簡単に信頼性の高いバイパス部(8)を形成することができる。
また、一観点から、パターニング工程は、バイパス部(8)を形成する予定の領域にマスクを配置する工程と、マスクを配置した後に、被パターニング対象にレーザを照射する工程と、を備えることが好ましい。
このように、マスクを配置した状態で被パターニング対象をレーザーエッチングすれば、簡易な工程でバイパス部(8)を形成することができる。
また、他の一観点から、パターニング工程において、レーザの光路上に配置されるシャッターを切り変える事によって、バイパス部(8)が形成される様にパターニングを行うことが好ましい。
このように、シャッターの切替えによってレーザーの照射される位置を制御すれば、簡易な工程で、かつ、正確にバイパス部(8)を形成することができる。
また、更に他の一観点から、パターニング工程においてレーザを照射するに際し、レーザービームが被パターニング対象に間隔をあけた複数のドット状に入射するように、照射を行うことが好ましい。
レーザは通常パルス的に発振され、照射される。上述のように、間隔を空けた複数のドット状となるようにレーザを照射すれば、バイパス部(8)を設けることができる。その際、レーザの照射条件(走査速度、パルス間隔など)を工夫するだけで良く、簡易な工程で正確に、バイパス部(8)を設けることができる。
また、更に他の一観点から、パターニング工程は、隣接する光電変換セル(4)間で被パターニング対象同士が完全に分離するようにパターニングする完全パターニング工程と、完全パターニング工程の後に実施され、バイパス部形成予定の領域に金属ペーストを配置する金属ペースト配置工程、を備えることが好ましい。バイパス部(8)を金属膜により形成すれば、半導体層である光電変換層(42)とバイパス部(8)とがショットキー接合により接触することになる。そのため、遮光された光電変換セル(4)に逆バイアス電圧が印加した際においても、光電変換層(42)へ逆電流が流れ難くなる。すなわち、遮光された光電変換セル(4)に逆バイアス電圧が印加した際に、バイパス部(8)に逆電流が流れ易くなる。また、通常発電時においても、バイパス部(8)は逆方向電圧となり光電変換層(42)からバイパス部(8)側へ微小電流がもれてしまうロスを抑制することができる。このことは、光電変換モジュールの特性(F.F.)が低下することを抑制する。
また、更に他の一観点から、パターニング工程は、隣接する光電変換セル(4)間で被パターニング対象同士が完全に分離するようにパターニングする完全パターニング工程と、その完全パターニング工程の後に実施され、バイパス部形成予定の領域に、レーザを単一のパルスで照射して、被パターニング対象の残渣により、隣接する被パターニング対象同士をつなげる単一パルス照射工程と、を備えることが好ましい。
被パターニング対象である電極層の残渣は、高抵抗となる。バイパス部(8)を被パターニング対象のレーザー残渣により形成すれば、通常発電時にバイパス部(8)を介して電流が流れることを防止できる。
また、本発明の光電変換装置の更に他の形態は、複数の光電変換セル(4)が電気的に直列に接続された光電変換装置の製造方法である。この光電変換装置の製造方法は、透明電極層(41)を形成する透明電極層形成工程と、光を受光して電力に変換する光電変換層(42)を形成する光電変換層形成工程と、裏面電極層(41)を形成する裏面電極層形成工程と、隣接する各光電変換セル(4)間の一部で裏面電極層(41)同士を繋ぐバイパス部(8)を形成するバイパス部形成工程と、を具備する。裏面電極層形成工程は、裏面電極層を製膜する工程と、製膜された裏面電極層が、分割溝(18)によって複数の光電変換セル(4)の各々に対応して分割されるように、裏面電極層(43)をパターニングするパターニング工程と、を備える。バイパス部形成工程はパターニング工程の後に実行される。バイパス部形成工程において、裏面電極層(43)よりも高抵抗である高抵抗膜(45)を、分割溝(18)の少なくとも一部を埋めるように形成することで、バイパス部(8)を形成することを特徴とする。
このように、裏面電極層(43)の分離溝(18)の少なくとも一部を埋めるように裏面電極層(43)よりも高抵抗である高抵抗膜を形成するだけで、簡単に接触抵抗が小さく信頼性の高く、遮光がない通常の発電時に通電する微小電流が少ない、バイパス部(8)を形成することができる。さらに基板(3)端部に近い隣接する各光電変換セル(4)間の分離溝(18)に高抵抗膜を形成すれば、これより内側の光電変換層領域へ外気湿分が進入する経路を遮断するので、太陽電池パネルの信頼性向上に寄与する。
本発明によれば、簡単な構造変更によって、ホットスポット現象による光電変換装置の破損を防止できる技術が提供される。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書中では、光電変換装置として、太陽電池を例として説明する。また、基板上に配置された複数の光電変換セルである光電変換ユニットとして、太陽電池膜が形成され発電が可能となったものを光電変換モジュール1とする。そして、光電変換モジュール1にバックシートや端子箱が取り付けられて耐環境性を保持させて屋外での使用を可能としたものを、太陽電池パネル50とする。
(第1の実施形態)
図1Aは、本実施形態に係る光電変換モジュール1の平面図であり、図1Bは、図1AのXX断面を示す断面図である。この光電変換モジュール1は、透光性基板3と、透光性基板3上に設けられた太陽電池膜(発電領域6)とを備えている。透光性基板3の周縁部(以下、周囲領域2)に太陽電池膜は設けられておらず、透光性基板3が剥き出しとなっている。周囲領域2は、光電変換モジュール1にバックシート等を取りつける際の接着面とするために設けられている。
発電領域6において、太陽電池膜は複数の光電変換セル4(以下、単にセルと記載することもある)に分割されている。複数の光電変換セル4の各々は、Y方向を長手方向とした短冊状である。複数の光電変換セル4は、電気的に直列に接続されている。発電領域6のY方向両端部には、X方向に延びる絶縁溝5が設けられている。絶縁溝5では、太陽電池膜が完全に除去されている。絶縁溝5は、光電変換セル4の端部部分の電気的短絡を防止するとともに基板端部からの水分が浸入することなどによって、発電領域6の外部との導通や、発電領域6が湿分で特性劣化してしまうことを防止する目的などから設けられている。
図1Bを参照して、各光電変換セル4の構造について説明する。透光性基板3上には、透明電極層41と、光電変換層42と、裏面電極層43とがこの順で積層されている。光電変換層42は、半導体層であり、光を受光して電力に変換する層である。透明電極層41は、透明電極層分離溝7によって、各光電変換セル4に対応するように分割されている。透明電極層分離溝7には、光電変換層42が埋めこまれている。また、光電変換層42も、溝17によって、各光電変換セル4に対応する様に分割されている。溝17は、裏面電極層43を構成する成分により、裏面電極層43と隣接する光電変換セル4の透明電極層41とを、電気的に導通するように接続している。また、裏面電極層43も、溝18によって、各光電変換セル4に対応する様に分割されている。このような構造によって、複数の光電変換セル4が電気的に直列に接続された構造となっている。
本実施形態においては、透明電極層41の形状が工夫されている。図2は、透明電極層41の形状を説明するための説明図である。図2において、実際には、透明電極層41上に光電変換層42などが積層されているが、説明の便宜上、透明電極層41のみを示してある。
図2に示されるように、隣接する光電変換セル4の透明電極層41間の一部には、バイパス部8が設けられている。隣接するセル4の透明電極層41同士は、透明電極層分離溝7によって完全に分割されているのではなく、バイパス部8によって、透明電極層分離溝7間が完全に分離されることがないように、一部で接続されている。バイパス部8は、透明電極層41を構成する成分と同一成分であり、同一の厚みである。すなわち、透明電極層分離溝7中の一部で、透明電極層41が残存した形となっているので、バイパス部8と透明電極層41は実質的に接触抵抗がなく確実に接続された状況にある。
このバイパス部8は、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加した際に、光電変換層42部分に逆電流がほとんど流れない様にするために設けられている。遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加が発生したとしても、逆電流の多くはバイパス部8を介して流れ、光電変換層42部分には流れ難くなる。
尚、バイパス部8は、全ての透明電極層分離溝7(セル4間)に設けられていることが好ましいが、必ずしも全ての透明電極層分離溝7に設けられている必要は無い。特定のセル4だけが全ての領域に渡り遮光された場合を除くと、光電変換層42部分に逆電流が集中して流れない様にすることができればよく、例えば、複数セル毎に透明電極層分離溝7にバイパス部8を設けるするようにしてもよい。また、影になり遮光され易い箇所や、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加されたときの影響を受け易い箇所、たとえば太陽電池パネル1の周囲付近の温度が上昇しやすい領域にのみ、バイパス部8を設けるようにしてもよい。
バイパス部8は、太陽電池の特性を落とさないように設けられる必要がある。バイパス部8の電気抵抗値が大き過ぎると、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加が発生した際に、逆電流がバイパス部8に流れ難くなる。その結果、耐逆電圧の閾値を超えると光電変換層42部分に逆電流の多くが流れてしまい、局所的な加熱が起こり易くなる。従って、バイパス部8の電気抵抗値は、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加が発生した際に、バイパス部8に逆電流の多くが流れる程度に小さいことが望ましい。具体的には、セルが影となった状態(暗状態)におけるセルの逆電圧方向の電気抵抗値よりも、バイパス部8の電気抵抗値の方が小さい事が望ましい。一方、バイパス部8の電気抵抗値が小さすぎると、正常に発電が行われている場合においても、電流がバイパス部8を介して漏れ電流として流れてしまう。このことは、太陽電池特性のF.F.(fill factor:曲性因子)を低下させ、太陽電池発電量の低減となる。従って、バイパス部8の電気抵抗値は、F.F.を低下させない程度に大きいことが望ましい。
上述の観点から、前記バイパス部が設けられた部分を合計した前記光電変換セルの長手方向の長さは、前記バイパス部分の設けられていない部分を合計した前記光電変換セルの長手方向の長さよりも小さいことが好ましい。また、バイパス部8を、透明電極層分離溝7中においてバイパス部8の設けられた部分の光電変換セルの長手方向の長さ(後述の図3中、W2)が、設けられていない部分の光電変換セルの長手方向の長さ(図3中、L1)に対して、1/400以上で1/100以下となるように、設けることが好ましい。このような範囲とするには、例えば、一つのバイパス部8の光電変換セルの長手方向の長さ(W2)を0.5mm程度とし、設けられていない部分の光電変換セルの長手方向の長さ(L1)を50〜200mmとするとよい。
以下に、このような光電変換セルの長手方向の長さ(W2)、間隔(L1)でバイパス部8を設置した具体例を示す。
図3に示されるように、一つの透明電極層分離溝7に対して、複数のバイパス部8が設けられるものとする。透明電極層41の厚みをt(cm)、各セル4における透明電極層41のX方向幅をW1(cm)、バイパス部8間の距離をL1(cm)、一つのバイパス部8のY方向幅をW2(cm)、セル4間の距離(バイパス部8のX方向幅)をL2(cm)、透明電極層41の抵抗率をρ(Ωcm)、段間抵抗をR、バイパス部8間における一のセル4の透明電極層41のセル長手方向の電気抵抗値をR1、隣接するセル4の透明電極層41のセル長手方向の電気抵抗値をR3、バイパス部8のセル間方向電気抵抗値をR2とする。
既述のように、逆バイアス電圧が印加時にバイパス部8に逆電流の多くが流れる様にするためには、隣接するセル4間におけるバイパス部8の電気抵抗値(合計)が、各セル4の暗状態における逆電圧方向の電気抵抗値よりも小さければよい。以下の(a)〜(d)に例示される条件を仮定して、各セル4の暗状態における逆電圧方向の電気抵抗値を算出する。
(a)光電変換モジュール中において直列接続された光電変換セルの数を160個、モジュールの面積を14000cmとする。
(b)光電変換モジュール中の一つのセル4の逆方向耐電圧を10Vとする。
(c)一の光電変換セルあたりの開放電圧Vocを0.88V、短絡電流を14mA/cmとする。
(d)ホットスポット試験で遮光で逆バイアス電圧が印加されたセル数を全体の3%と仮定して、5セルとする。
このとき、光電変換モジュール全体の短絡電流は、14mA/cm×14000cm/160=1.22Aである。
従って、5つのセルの遮光時(暗状態)における逆電圧方向の電気抵抗値は、最大で短絡電流(1.22×(160−5)/160=1.18A)の10%の逆方向電流が遮光されたセルの隣接するセル4間を繋ぐバイパス部8を流れることで、セル4の逆方向耐電圧を超えないことに有効に作用するとすると、(10×5)/(1.18×10%)=424(Ω/5セル)である。
よって、隣接するセル4間を繋ぐバイパス部8の電気抵抗値R2の合計が、424/5=85(Ω/セル)よりも小さければ、遮光された光電変換セルに逆バイアス電圧が印加されたとしても、バイパス部8に逆電流の多くが流れて、遮光セルには逆方向耐電圧より高い逆電圧が印加されないので、セルの逆方向電流は流れにくくなる。透明電極層41の抵抗率で、L1、L2、L3方向のものをρ1、ρ2、ρ3、(Ωcm)として、一つのバイパス部8の電気抵抗値は、ρ2×L2/(W2×t)で表される。セル4間のバイパス部8の電気抵抗値の合計は、バイパス部8の幅(W2)の合計をW2totalとすると、ρ2×L2/(W2total×t)となる。
従って、ρ2×L2/(W2total×t)<85(Ω)が成り立つ様に、バイパス部8の幅(W2total)を決定すればよい。
具体的な数値を例示する。透明電極層の抵抗率:ρ2=7×10−4(Ωcm)、L2=0.005(cm)、t=7×10−6(cm)であると仮定すると、W2total>0.01(cm)となる。
すなわち、この例においては、隣接するセル4間を繋ぐバイパス部8の幅(W2)の合計(W2total)が、0.01cmより広ければよいことになる。
上述の結果に基いて、バイパス部8の合計の幅W2totalが0.01cmよりも広くなる様に、製造工程から見た適切なサイズとして、一つのバイパス部8の幅W2を、0.05cmと仮定する。
既述したように、バイパス部8による電気抵抗値は、F.F.を低下させない程度に大きい事が好ましい。一つのバイパス部8の幅(W2)が決められている場合、隣接するバイパス部8の間隔(L1)が狭くなると、段間抵抗値が小さくなる。従って、隣接するバイパス部8の間隔(L1)は、F.F.を低下させない程度に、広いことが好ましい。隣接するセル4間における透明電極層41の段間抵抗(R)は、R1+R2+R3として求められる。従って、R1+R2+R3が、F.F.を低下させないような範囲であればよい。
更に具体的に、数値を例示して説明する。
F.F.を低下させないようにするには、すなわち太陽電池出力が上記段間抵抗(R)=R1+R2+R3による抵抗損出が、太陽電池出力の1%程度内に収まることとして算出することが出来る。
R1〜R3は、それぞれ、R1=ρ1×L1/(W1×t)、R2=ρ2×L2/(W2×t)、R3=ρ3×L1/(W1×t)として求められるが、実際にはR1、R3は隣接セルの裏面電極も導通経路となるために、R1、R3はR2に比べて小さい。
従って、
式;(0.88V×160)/(R×160)
≦{(0.88V×160)×0.014A/cm×14000cm/160}×1%
これより、Rは72(Ω/セル)以上が望ましい。
(式;ここで、R=ρ1×(L1/2)/(W1×t)+ρ2×L2/(W2×t)+ρ3×(L1/2)/(W1×t))
上記が成り立つRとなるL1を選定することで、F.F.の低下を防止できる。
このRの値は、各仮定数値の差より、前述の隣接するセル4間を繋ぐバイパス部8の電気抵抗値R2の合計:85(Ω/セル)以下の条件から、R≒80(Ω/セル)が選定目標となる。しかし実際には各仮定値には若干の差があるので、ここで算出したRの電気抵抗を目標とすることで、セル4の逆方向耐電圧を上回ることなく、抵抗損出を小さくすることが出来ると判断して、以降の試算を行う。
また、W2=0.05cm、W1=0.7cm、ρ2=7×10−4(Ωcm)、ρ1=ρ3≒ρ2×0.1(Ωcm)、L2=0.005(cm)、t=7×10−6(cm)であると仮定する。
このとき、上述の式が成り立つようなバイパス部8の間隔(L1)の範囲は、L1>4.3(cm)である。
従って、一つのバイパス部8の幅(W2)を0.05cm(0.5mm)とした場合、バイパス部8同士の間隔(L1)は4.3cm(43mm)より大きくすればよい。従って、既述のように、バイパス部の幅(W2)が0.5mmであり、ρ1、ρ3は隣接セルの裏面電極層42との接触状態に影響されるが概ねρ2の1/10〜1/50であることから、設けられていない部分の幅(L1)が概ね50〜200mmの範囲に収まる事になる。
透明電極層分離溝7中においてバイパス部8の設けられた部分の幅(W2:0.5mm)は、設けられていない部分の幅(L1:50mm〜200mm)よりも少なく、更にW2はL1に対しては、1/400以上で1/100以下となる。
また、例えば、セル4の長さ(Y方向の長さ)が140cmであった場合には、一の透明電極層分離溝7に対して、5〜28箇所のバイパス部8を設ければよいこととなる。
このような幅(W2)、間隔(L1)でバイパス部8を設ければ、実質的にF.F.を低下させずに、遮光された一つの光電変換セルに逆バイアス電圧が印加時に光電変換層42ではなくバイパス部8に逆電流の多くを流す事ができる。
続いて、バイパス部8の形成方法について説明する。図4は、光電変換モジュールの製造方法の全体の流れを示すフローチャートである。まず、透光性基板3上に、透明電極層41が形成される(ステップS10)。次に、透明電極層41上に光電変換層42が形成される(ステップS20)。そして、光電変換層42上に裏面電極層43が形成される(ステップS30)。その後、周囲領域2の研磨等の処理が施され、光電変換モジュール1が製造される。
本実施形態においては、バイパス部8を形成するために、透明電極層41を形成する工程(S10)が工夫される。以下に、透明電極層41を形成する工程(S10)について詳述する。透明電極層41を形成するにあたっては、まず、透光性基板3の片面全体に、透明電極層41が製膜される(ステップS11)。つぎに、透明電極層41が、各光電変換セル4に対応して分割される様に、パターニングされ溝7が形成される(ステップS12)。光電変換層42の形成(ステップS20)と裏面電極層43の形成(ステップS30)には、パラーニングにより分割して各溝部を形成して隣接する各セル間の透明電極層と裏面電極層を電気的に直列接続する工程が含まれるが、ここでは説明を省略する。
図5は、透明電極層41をパターニングする際(S12)の様子を示す説明図である。透明電極層41は、レーザーエッチングによってパターニングされる。この図に示されるように、X−Yテーブル9上に、透明電極層41の製膜された基板3が載置される。基板3上には、バイパス部8形成予定の領域に、マスク10が配置される。また、基板のY方向両端部にも、基板3の範囲外で照射されたレーザーからX−Yテーブル9を保護するためのマスク11が配置される。マスク10、11としては、例えば金属板を用いる事ができる。この状態で、レーザービーム12を透明電極層41に照射し、エッチングする。レーザービーム12を照射しながら、X−Yテーブル9をY方向に移動させる事で、レーザービーム12の照射位置を移動させる。これにより、透明電極層41が、Y方向に沿ってエッチングされ、各セル4に対応する様に分割される。この際、マスク10、11で保護された領域では、透明電極層41にレーザービーム12が照射されず、透明電極層41が残存する。マスク10で保護された領域では、隣接する光電変換セル4間で透明電極層41同士を繋ぐバイパス部8が形成される。尚、図5中には、光電変換モジュール周囲膜除去予定の領域が描かれているが、これは説明の便宜上であり、本段階ではこの周囲膜除去予定の領域にも透明電極層41が残っている。
図5で示したようにバイパス部8を形成すれば、簡単な工程でバイパス部8を形成できる。すなわち、レーザーエッチング時において、マスクを配置して基板3を保護しておくだけでよく、バイパス部8を形成するために特別を工程を追加する必要がない。
以上のようにして製造された光電変換モジュール1に対して、最大出力Pmax、及びF.F.を測定した。尚、既述のように、本実施形態の光電変換モジュール1としては、各光電変換セル間において、約0.5mm幅のバイパス部8が、100mm間隔で設けられたものを用いた。また、光電変換モジュール1中において、160個の光電変換セルが直列に接続されているものとした。
測定の結果、本実施形態の光電変換モジュール1の特性は、バイパス部8を設けなかったものと比較して、F.F.が0.690から約0.5%低下したものの、Pmaxとして99.5%の出力が確保できた。この結果から、バイパス部8を設けたことによる性能低下は実質的に問題とならない範囲である事が確認された。
また、本実施形態の光電変換モジュール1に対して、ホットスポット試験を実施した。図6は、ホットスポット試験の様子を示す説明図である。図6に示されるように、光電変換モジュール1上の一部に光マスクを配置し、出力端子を短絡させて模擬光を1時間ほど照射した。そして、光電変換モジュール表面の温度変化を計測した。尚、光マスクによって遮光される幅は、5セル分とした。また、模擬光は、1000W/mとした。
ホットスポット試験の結果、本実施形態の光電変換モジュールでは、1時間後に約80℃の温度上昇が見られた。但し、局所的な異常温度上昇による太陽電池部材の破損や基板割れなどはなく、ホットスポット発生の抑制が確認された。一方、バイパス部8を設けなかった光電変換モジュールに対しても同様のホットスポット試験を実施した。その結果、局所的に100℃を超える温度上昇が見られた。すなわち、本実施形態の光電変換モジュールでは、局所的な温度上昇が抑制できた事が確認された。
以上説明した様に、本実施形態によれば、バイパス部8を設けることによって、遮光された一つの光電変換セルに逆バイアス電圧が印加時においてもホットスポット現象による局所的な温度上昇を抑制することができる。
また、バイパス部8を形成するにあたって、透明電極層41をレーザーエッチングする際にマスクを配置しておくだけでよい。すなわち、簡易な工程でバイパス部8を形成することができる。
また、バイパス部8の幅、間隔を適切に設定することで、実質的に光電変換モジュール特性のF.F.などを落とさずに、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加されてもホットスポット現象を抑制することができる。
(第1の実施形態における実施例)
続いて、本実施形態の光電変換モジュール1及び太陽電池パネルについて、構成及び製造方法をより詳細に説明するため、実施例を挙げて説明する。
まず、実施例により製造される光電変換モジュール(光電変換装置)の構成について説明する。図7は、本発明の光電変換モジュールの製造方法により製造される光電変換モジュールの構成を示す概略図である。この光電変換モジュールは、シリコン系太陽電池であり、基板3(透光性基板)、透明電極層41、太陽電池光電変換層42、及び裏面電極層43を具備する。また、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。
次に、本発明の太陽電池パネルの製造方法について説明する。図8A〜図8Dは、本実施例の太陽電池パネルの製造方法を示す概略図である。
(1)図8A(a):
基板3としてソーダフロートガラス基板(1.4m×1.1m×板厚:4mm)を使用する。基板端面は破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
(2)図8A(b):
透明電極層41として酸化錫膜(SnO)を主成分とする透明電極膜を、約500nm〜800nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明電極層41として、透明電極膜に加えて、基板3と透明電極層41との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
(3)図8A(c):
その後、基板3をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極層41の膜面側から入射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜をセル4の直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板3とレーザー光を相対移動させ、透明電極層分離溝7を形成するように幅約6mm〜15mmの短冊状にレーザーエッチングする。この際、既述の実施形態で述べた様に、基板3上にマスクを配置して、バイパス部8が形成されるように、レーザーエッチングする。
(4)図8A(d):
プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:30〜1000Pa、基板温度:約200℃にて光電変換層42としてのアモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜する。光電変換層42は、SiHガスとHガスとを主原料に、透明電極層41の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層、i層、n層がこの順で積層される。光電変換層43は本実施形態では、p層:BドープしたアモルファスSiCを主とし膜厚10nm〜30nm、i層:アモルファスSiを主とし膜厚200nm〜350nm、n層:pドープした微結晶Siを主とし膜厚30nm〜50nmである。またp層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
尚、光電変換層42は第1セル層42−1としてアモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を形成した上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz〜100MHzにて、第2セル42−3としての微結晶シリコン薄膜からなる微結晶p層膜/微結晶i層膜/微結晶n層膜を順次製膜してもよい。
第2セル42−3は本実施形態では、微結晶p層:Bドープした微結晶SiCを主とし膜厚10nm〜50nm、微結晶i層:微結晶Siを主とし膜厚1.2μm〜3.0μm、微結晶n層:pドープした微結晶Siを主とし膜厚20nm〜50nmである。
第1セル層42−1と第2セル層42−3の間に接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる、中間コンタクト層42−2としてGZO(GaドープZnO)膜を膜厚:20nm〜100nm、スパッタリング装置により製膜して設けても良い。また、中間コンタクト層42−2を設けない場合もある。
(5)図8A(e):
基板3をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層42の膜面側から入射する。パルス発振:10〜20kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層41のレーザーエッチングライン(透明電極層分離溝7)の約100〜150μmの横側を、溝17を形成するようにレーザーエッチングする。レーザーエッチングラインの位置は前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め交差を考慮して選定する。
(6)図8B(a):
裏面電極層43としてAg膜/Ti膜をスパッタリング装置により減圧雰囲気、約150℃にて順次製膜する。裏面電極層43は本実施形態では、Ag膜:200〜500nm、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10〜20nmをこの順に積層する。n層と裏面電極層43との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層42と裏面電極層43との間にGZO(GaドープZnO)膜を膜厚:50〜100nm、スパッタリング装置により製膜して設けてもよい。
(7)図8B(b)
基板3をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板3側から入射する。レーザー光が光電変換層42で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層43が爆裂して除去される。パルス発振:1〜10kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層41のレーザーエッチングライン(透明電極層分離溝7)の約250〜400μmの横側を、溝18を形成するようにレーザーエッチングする。
(8)図8B(c)と図8C(a):
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部においてレーザーエッチングによる直列接続部分が短絡し易い影響を除去する。基板3をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板3側から入射する。レーザー光が透明電極層41と光電変換層42で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層43が爆裂して、裏面電極層43/光電変換層42/透明導電層41が除去される。パルス発振:1〜10kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板3の端部から5〜20mmの位置を、図8C(a)に示すように、X方向絶縁溝5を形成するようにレーザーエッチングする。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板3周囲領域2の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。図8B(c)は、レーザー照射位置を示すために便宜上、X方向断面とY方向断面を混在して記載している。
絶縁溝5は基板3の端より5〜10mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの光電変換モジュール1内部への外部湿分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
(9)図8C(a:太陽電池膜面側から見た図、b:受光面の基板側から見た図)
後工程のEVA等を介したバックシート19との健在な接着・シール面を確保するために、基板3周辺(周囲領域2)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去する。基板3の端から5〜20mmで基板3の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図8B(c)工程で設けた絶縁溝5よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝7よりも基板端側において、裏面電極層43/光電変換層42/透明電極層41を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。研磨屑や砥粒は基板3を洗浄処理して除去した。
(10)図8D(a)
端子箱取付け部分はバックシート19に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層を設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の光電変換セル4と、他方端部の光電変換セル4とから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱部分から電力が取出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、光電変換モジュール1の全体を覆い、基板3からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートを配置する。
EVAの上に、防水効果の高いバックシート19を設置する。バックシート19は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/AL箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート19までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、EVAを架橋させて密着させる。
(11)図8D(b)
光電変換モジュール1の裏側に端子箱20を接着剤で取付ける。
銅箔と端子箱20の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル50が完成する。
(12)図8D(c)と図8D(d)
図8D(b)までの工程で形成された太陽電池パネル50について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m)のソーラシミュレータを用いて行う。
上記製造方法により、本発明を用いた製品となる太陽電池パネルが製造され、その特性が従来の工程によるものと変わりないことを確認した。
上記の実施例では、太陽電池として、アモルファスシリコン系光電変換層を有する単層アモルファスシリコン系太陽電池、もしくはトップセルとしてアモルファスシリコン系光電変換層を有し、ボトムセルとして結晶質(微結晶)シリコン系光電変換層を有するタンデム型太陽電池を用いた場合について説明したが、この例に限定されるものではない。
例えば、光電変換層として、トップセルとボトムセルに加えて更に1層以上の別の光電変換層を設けた、多接合型太陽電池のような他の種類の薄膜系太陽電池にも同様に適用可能である。
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、透明電極層41をパターニングする際の方法が更に工夫されている。その他の点については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図9は、透明電極層41をパターニングする際の様子を示す説明図である。第1の実施形態と同様に、X−Yテーブル9上に、透明電極層41が片面側全体に製膜された基板3が配置される。基板のY方向両端部には、基板3の範囲外で照射されたレーザーからX−Yテーブル9を保護するためのマスク11が配置される。但し、基板3上の発電領域には、第1の実施形態で記載したようなマスク10は配置されない。本実施形態では、発振器13から発振されるレーザービーム12の光路上に、シャッター14が追加されている。シャッター14は、シャッター制御装置15からの指示によってレーザービーム12の光路を遮るように開閉される。またレーザービーム12のフォーカスをずらすことで実質的に透明電極層41がエッチングされない状況にしてもよい。シャッター制御装置15は、コンピュータに例示され、X−Yテーブル9を移動させるための駆動装置16と接続されている。
シャッター制御装置15には、駆動装置16よりX−Yテーブル9の駆動量を示す情報が通知される。これにより、シャッター制御装置15は、基板3上のどの位置にレーザービーム12が照射されるのかを、把握できる。シャッター制御装置15には、予め、バイパス部8形成領域の位置を示す情報が格納されている。シャッター制御装置15は、X−Yテーブル9の駆動量に基いて、バイパス部8形成領域にレーザービーム12が照射されないように、シャッター14の開閉を行う。
本実施形態によれば、第1の実施形態と異なり、バイパス部8の形成領域に金属板マスクなどを配置する必要はない。保護用のマスクが不要で、基板の脱着が容易になるとともに、保護マスクを配置する際の位置ずれなどがない。第1の実施形態と比較して、更に簡易で信頼性の高い加工が可能となる。
(第3の実施形態)
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、既述の実施形態と比較して、透明電極層41をパターニングする際の方法が更に工夫されている。その他の点については、既述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図10Aは、透明電極層41をパターニングする際の様子を示す説明図である。既述の実施形態と同様に、X−Yテーブル9上に、透明電極層41の製膜された基板3が配置される。レーザービーム12は、発振器13によりパルス的に生成され、透明電極層41に照射され、パルス状に照射されたレーザビームによりドット状にエッチング加工されるものを重ね合わせることで連続な透明電極層分離溝7となっている。発振器13のレーザービーム12生成条件は、レーザー制御装置21によって制御される。また、レーザー照射時に、X−Yテーブル9は駆動装置16によって駆動される。それにより、レーザービーム12は、照射位置を変えながら、透明電極層41に照射されることとなる。本実施の形態において、レーザビームのパルス発振周波数と透明電極層41のある基板3の相対移動速度を調整することで、バイパス部8を形成する。
レーザー制御装置21は、X−Yテーブル9を駆動する駆動装置16に接続されている。レーザー制御装置21は、駆動装置16から通知される駆動速度に基いて、発振器13が生成するレーザービーム12のパルス間隔を制御する。具体的には、図10Bに示されるように、透明電極層41にレーザービーム12が間隔を空けたドット状に入射するように、パルス間隔を制御する。これにより、各パルスのレーザービーム12によって、透明電極層41がドット状にエッチング除去される。そして、ドット間において透明電極層41の残存した部分が、バイパス部8となる。
各パルス間でレーザービーム12が照射されずに透明電極層41が残存した部分の幅(バイパス部8)の幅は、各パルスでレーザービーム12により透明電極層41がエッチング除去された部分の幅に対して、1/400〜1/100の範囲となる様にすることが好ましい。1/400より小さいと、バイパス部8の電気抵抗値が大きくなり、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加時において、バイパス部8に逆電流が流れ難くなり、光電変換層が逆方向耐電圧を上回る逆電圧が印加されて逆電流の多くが流れてしまいやすくなる。一方、1/100より大きいと、通常発電時にもバイパス部8を介して電流が流れてしまい、漏れ電流としてF.F.が低下する。尚、バイパス部8が実質的に分散されて設けられるので、電池特性の低下を極力抑制する観点から、バイパス部8の幅は、各パルスでレーザービーム12により透明電極層41が除去された部分の幅に対して、1/400〜1/200となる様にすることが、より好ましい。
本実施形態のように、レーザービーム12の発振条件を制御することによっても、バイパス部8を簡単に形成することができる。これにより、既述の実施形態と同様に、ホットスポット現象発生を防止できる。
また、本実施形態によれば、第1の実施形態のようなマスクを配置する工程は不要である。これにより、マスクの位置ずれなどがなく簡易で信頼性の高い加工が可能となる。
また、パルス発振数(パルス間隔)をパラメータにして、太陽電池の発電特性(特にF.F.)と段間抵抗とホットスポット発熱量の関係を数値的に把握しておくことができ、量産の監視や安定生産条件選定を行いやすい。
(第4の実施形態)
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、既述の実施形態と比較して、バイパス部8の配置が工夫されている。その他の点については、既述の実施形態と同様とすることができるので、説明を省略する。
図11は、本実施形態の透明電極層41の構造を示す斜視図である。光電変換層42や裏面電極層43などの、透明電極層41上の構成は、説明の便宜上省略されている。
本実施形態において、バイパス部8は、光電変換モジュール1の中で千鳥状に並ぶ様に、設けられている。すなわち、透明電極層分離溝7に設けられたバイパス部8の位置は、隣の透明電極層分離溝7(セル4間)に配置されたバイパス部8の位置と、Y方向において異なっている。
これにより、バイパス部8は、バイパス部8を光電変換モジュール1の中に分散して配置されることになる。従って、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加され、バイパス部8に逆電流が流れる時にも、逆電流の流れる位置が分散することになる。そのため、遮光される位置が光電変換モジュール1のどこに生じたとしても、ホットスポット現象の発生が、更に抑制される。
(第5の実施形態)
続いて、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態では、既述の実施形態に対して、バイパス部8の構成及び形成方法が異なっている。既述の実施形態において、バイパス部8は透明電極層41がパターニングされて形成された部分であったのに対して、本実施形態におけるバイパス部8は、金属ペーストにより形成された金属膜である。その他の点については、既述の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
図12A、Bは、本実施形態における透明電極層パターニング工程(既述の実施形態のステップS12に対応)を説明するための説明図である。本実施形態では、図12Aに示されるように、まず透明電極層41が、各光電変換セル4に対応して完全に分割されるように、レーザーエッチング(パターニング)される。次に、バイパス部形成予定の領域に、金属ペーストを配置する。その金属ペーストとしては、例えば、Agペーストや、Alペーストを用いる事ができる。そして、配置した金属ペーストを乾燥させ、図12Bに示されるように、金属膜からなるバイパス部8を形成する。金属膜からなるバイパス部8は、透明電極層分離溝7中において、50〜200mm毎に1ヶ所の割合で設けることが好ましい。バイパス部8を50mm毎に1ヶ所の割合よりも大きい割合で設けた場合、正常発電時においてバイパス部8を介して電流が漏れてしまい、F.F.が低下する傾向にある。一方、200mm毎に1ヶ所の割合よりも小さい割合で設けた場合、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加時に光電変換層の逆方向耐電圧を越えて光電変換層側に逆電流の多くが流れ易くなる。
本実施形態のように、バイパス部8を金属膜により形成すれば、半導体層である光電変換層42とバイパス部8とがショットキー接合により接触することになる。そのため、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加した際においても、光電変換層42へ逆電流が流れ難くなる。すなわち、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加した際に、バイパス部8に逆電流の多くが流れ易くなる。また、通常発電時においても、バイパス部8は逆方向電圧となり光電変換層42からバイパス部8側へ微小電流がもれてしまうロスを抑制することができる。このことは、光電変換モジュールの特性(F.F.)が低下することを抑制する。
(第6の実施形態)
続いて、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態では、既述の実施形態に対して、バイパス部8の構成及び形成方法が異なっている。すなわち、本実施形態におけるバイパス部8は、透明電極層41がレーザーエッチングに蒸散して発生した残さにより形成される。その他の点については、既述の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、第5の実施形態と同様に、透明電極層41をパターニングするに際して、まず完全に透明電極層41が分割されるように、パターニングする。このパターニングは、例えば、レーザーエッチングにより行われる。
続いて、バイパス部8形成予定の領域の透明電極層の分離溝付近に、レーザービームをパルスで再度照射する。これにより、透明電極層41が蒸散する。そして、その残渣により、隣接する光電変換セル4間の透明電極層41同士が接続される。これにより、本実施形態におけるバイパス部8が形成される。残渣によるバイパス部8は、透明電極層分離溝7中において、50〜200mm毎に1ヶ所の割合で設けられることが好ましい。バイパス部8を50mm毎に1ヶ所の割合よりも大きい割合で設けた場合、正常発電時においてバイパス部8を介して電流が漏れてしまい、F.F.が低下する傾向にある。一方、200mm毎に1ヶ所の割合よりも小さい割合で設けた場合、遮光された光電変換セル4に逆バイアス電圧が印加時に光電変換層側に逆電流が流れ易くなる。
透明電極層41の残渣は、透明電極層41と比較して高抵抗となる。そのため、バイパス部8の形成によるF.F.低下を抑制することができる。また、レーザーエッチングの回数を変更するだけであり、バイパス部8を形成するために特別に工夫された工程の追加も必要ない。従って、簡単な工程変更で、バイパス部8を形成することができる。
(第7の実施形態)
続いて、本発明の第7の実施形態について説明する。本実施形態では、既述の実施形態に対して、バイパス部8は、裏面電極層43の分離溝18に設けた裏面電極層43よりも高抵抗である高抵抗膜45により形成されていて、構成及び形成方法が異なっている。既述の実施形態において、バイパス部8は透明電極層41の分離溝7に部分的にバイパス部8を形成したのに対して、本実施形態におけるバイパス部8は、裏面電極層43の分離溝18に設けた裏面電極層43よりも高抵抗である高抵抗膜45により形成された膜である。その他の点については、既述の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
図13A、Bは、本実施形態における高抵抗膜45の敷設状況を説明するための説明図である。本実施形態では、基板3の端から5〜20mmで基板3の全周囲にわたり、裏面電極層43/光電変換層42/透明電極層41を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行い、研磨屑や砥粒は基板3を洗浄処理して除去が終了した光電変換モジュール1(図8C参照)に対して、図13Aに示されるように、裏面電極層43側から高抵抗膜45を施設する。
高抵抗膜45は、幅100mmの帯状の膜を光電変換モジュール1の裏面電極層43側に4条設置し、極力均等にバイパス部8が設けられるようにする。高抵抗膜45は、裏面電極層43よりも高抵抗な膜である。高抵抗膜45は酸化チタンなど低導電性微粒子を含むスラリー状の塗布液を裏面電極層43の分離溝18にも入り込んで塗布することにより接触抵抗を小さくするように工夫されていて、約150℃で焼成することで設置される。前述の特許文献1に示した、裏面電極表面と隣接するセルの裏面電極表面とを、バイパステープによって接続することに比べて、裏面電極層43の分離溝18部分において接触抵抗を低減するとともに安定させた信頼性の高い接続が出来るところが、大きく改善されている。
高抵抗膜45は、膜厚が約0.002(cm)で、この膜厚でのシート抵抗が1×10(Ω/□)のものを使用し、L2=0.005(cm)とする。
この時、段間抵抗は
R=1×10(Ω/□)×0.005(cm)/{10(cm)×4(本)}
=125(Ω/セル)
となり、電池性能を低下させない目標の72(Ω/セル)以上を満足している。
以上のようにして製造された光電変換モジュール1に対して、最大出力Pmax、及びF.F.を測定した。測定の結果、本実施形態の光電変換モジュール1の特性は、バイパス部8を設けなかったものと比較して、F.F.が0.690から約0.3%低下したものの、Pmaxとして99.6%の出力が確保できた。この結果から、高抵抗膜45によりバイパス部8を設けたことによる性能低下は実質的に問題とならない範囲である事が確認された。
また、本実施形態の光電変換モジュール1に対して、ホットスポット試験を実施した。図6に示されるように、光電変換モジュール1上の一部に光マスクを配置し、出力端子を短絡させて模擬光を1時間ほど照射した。そして、光電変換モジュール表面の温度変化を計測した。尚、光マスクによって遮光される幅は、5セル分とした。また、模擬光は、1000W/mとした。ホットスポット試験の結果、本実施形態の光電変換モジュールでは、1時間後に約75℃の温度上昇が見られ、第1の実施形態とほぼ同様な温度上昇抑制であるが、更に温度上昇を抑制できたのは、セル段間抵抗は高めではあるが幅広いバイパス部8を設けたことによる逆方向電流の分散が更に効果的に行われ、遮光されたセルにセルの逆方向電圧の耐電圧以上の電圧が印加されることなく、遮光された光電変換層側へ逆電流の多くが流れることを抑制したものによると考えられる。また、局所的な異常温度上昇による太陽電池部材の破損や基板割れなどはなく、ホットスポット発生の抑制が確認された。
高抵抗膜45は、スラリー状の塗布液のほかに、ゾルゲル法による製膜、スパッタリングなどの真空蒸着による製膜も可能であり、塗膜のように溶剤で分散させたものを塗布後に十分乾燥させても良い。また、後工程で裏面電極層43に密着するEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートの表層に酸化チタンなど低導電性微粒子を含むようにしたものを配設することでも良い。
また、本実施形態では、50mm幅の帯状のものを4条設置したが、裏面電極層43の全面に設置しても良い。全面に設置することで、逆方向電流の分散が更に効果的に行われるので好適である。
さらには、高抵抗膜45の形成は、一連のレーザエッチング加工を終了した光電変換モジュール1(図8B参照)に対して実施すればよく、高抵抗膜45となるスラリー状の塗布液を裏面電極層43の分離溝18にも入り込んで接触抵抗を小さくするように塗布し、約150℃で焼成した後に、基板3の端から5〜20mmで基板3の全周囲にわたり、裏面電極層43/光電変換層42/透明電極層41を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行い、研磨屑や砥粒は基板3を洗浄処理して除去して光電変換モジュール1(図8C参照)を形成しても良い。
これにより隣接する各光電変換セル4間の一部で、裏面電極層43の表面からその分離溝18を含めて高抵抗膜45を形成するだけで、簡単に接触抵抗が小さく信頼性の高いバイパス部8を形成することができる。これにより、既述の実施形態と同様に、ホットスポット現象発生を防止できる。
さらに基板3端部に近い隣接する各光電変換セル4間の分離溝18に高抵抗膜45を形成することで、これより内側の光電変換層領域へ外気湿分が進入する溝部分で形成される経路を遮断するので、太陽電池パネルの信頼性向上に寄与することができる。
以上、第1〜7の実施形態について説明した。尚、これらの実施形態、実施例は、各々が独立したものではなく、矛盾の無い範囲内で組み合わせて用いる事も可能である。
また、実施形態においては、ガラス基板3/透明電極層41/光電変換層42/裏面電極層43の順に構成し、太陽光をガラス基板3側から入射する形態として記載を行っているが、基板上に裏面電極層43/光電変換層42/透明電極層41の順に形成して、透明電極層41側から太陽光を入射する形態であっても同様な効果が得られる。
また、既述の第1〜6の実施形態においては、バイパス部8を透明電極層分割溝7に設ける場合について説明した。ただし、裏面電極層を形成する工程においても、透明電極層を形成する工程と同様に、隣接する各光電変換セル4間を分割するためのレーザーエッチングが実施されることがある。従って、第1〜6の実施形態で透明電極層分割溝7に設けられたバイパス部8を、裏面電極層分割溝18に設けてもよい。この場合、裏面電極層をレーザーエッチングする工程において、第1〜第6の実施形態で述べた工夫(透明電極層をレーザーエッチングする工程における工夫)を適用することができる。このように、隣接する各光電変換セル4の裏面電極層同士をバイパス部8によって接続することでも、既述の実施形態で述べたのと同様の効果を奏することができる。
光電変換モジュールの平面図である。 光電変換モジュールの断面図である。 第1の実施形態の光電変換モジュールにおける透明電極層の形状を示す説明図である。 バイパス部の幅及び間隔の求め方を説明するための説明図である。 第1の実施形態の光電変換モジュールの製造方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態において透明電極層のパターニングを説明するための説明図である。 ホットスポット発生試験を説明するための説明図である。 実施例における光電変換モジュールの構造を示す概略断面図である。 実施例における太陽電池パネルの製造方法を示す工程断面図である。 実施例における太陽電池パネルの製造方法を示す工程断面図である。 実施例における太陽電池パネルの製造方法を示す工程断面図である。 実施例における太陽電池パネルの製造方法を示す工程断面図である。 第2の実施形態における透明電極層のパターニングを説明するための説明図である。 第3の実施形態における透明電極層のパターニングを説明するための説明図である。 第3の実施形態におけるバイパス部の構造を説明するための説明図である。 第4の実施形態における透明電極層の構造を説明するための説明図である。 第5の実施形態におけるバイパス部の形成を説明するための説明図である。 第5の実施形態におけるバイパス部の形成を説明するための説明図である。 第7の実施形態における裏面電極層にバイパス部の形成を説明するための説明図である。 第7の実施形態における裏面電極層にバイパス部の形成を説明するための説明図である。
符号の説明
1 光電変換モジュール
2 周囲領域
3 透光性基板
4 光電変換セル
41 透明電極層
42 光電変換層
43 裏面電極層
45 高抵抗膜
5 絶縁溝
6 発電領域
7 透明電極層分離溝
8 バイパス部
9 X−Yテーブル
10 マスク
11 マスク
12 エッチング用レーザービーム
13 発振器
14 シャッター
15 シャッター制御装置
16 駆動装置
17 溝
18 溝
19 バックシート
20 端子箱
21 レーザー制御装置
50 太陽電池パネル

Claims (19)

  1. 基板上に配置された複数の光電変換セルと、
    バイパス部と、
    を具備し、
    前記複数の光電変換セルの各々は、
    光を受光して電力に変換する光電変換層と、
    前記光電変換層を挟むように光の入射面側に設けられた透明電極層と、光の入射面と逆側に設けられた裏面電極層とを備え、
    前記透明電極層及び前記裏面電極層は、それぞれ、分割溝によって前記複数の光電変換セルに対応して分割されており、
    前記裏面電極層は、前記複数の光電変換セルが電気的に直列に接続されるように、隣接する前記各光電変換セルの前記透明電極層に接続されている光電変換装置であって、
    前記バイパス部は、隣接する前記各光電変換セルの前記透明電極層同士又は裏面電極層同士を接続するように、前記分割溝の少なくとも一部を埋めるように設けられていることを特徴とする
    光電変換装置。
  2. 請求項1に記載された光電変換装置であって、
    前記バイパス部は、前記各光電変換セルを電気的に直列に接続する際に形成される前記透明電極層の分離溝または前記裏面電極層の分離溝を部分的に形成せずに、隣接する2つの前記光電変換セルの前記透明電極層または前記裏面電極層同士を電気的に導通するよう接続していることを特徴とする
    光電変換装置。
  3. 請求項2に記載された光電変換装置であって、
    隣接する2つの前記光電変換セル間における前記バイパス部の電気抵抗値は、前記各光電変換セルの暗状態の逆方向電圧に対する電気抵抗値よりも小さいことを特徴とする
    光電変換装置。
  4. 請求項3に記載された光電変換装置であって、
    隣接する前記光電変換セル間において、前記バイパス部が設けられた部分を合計した前記光電変換セルの長手方向の長さは、前記バイパス部の設けられていない部分を合計した前記光電変換セルの長手方向の長さよりも小さいことを特徴とする
    光電変換装置。
  5. 請求項4に記載された光電変換装置であって、
    前記複数の光電変換セルの各々は、短冊状に形成され、
    前記光電変換セル間の前記分離溝に設けられた前記バイパス部の位置は、隣の前記光電変換セル間の前記分離溝に設けられた前記バイパス部の位置と、前記各光電変換セルの長手方向において異なっていることを特徴とする
    光電変換装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された光電変換装置であって、
    前記バイパス部は、前記透明電極層が、隣接する前記光電変換セル間の一部で繋がるように前記透明電極層の分離溝を形成しない部分であることを特徴とする
    光電変換装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載された光電変換装置であって、
    前記透明電極層は、隣接する前記光電変換セル同士の境界において、前記透明電極層の分離溝が複数のドット状となる様に形成されており、
    前記バイパス部は、隣接する前記ドット同士間で、前記透明電極層が残っている部分であることを特徴とする
    光電変換装置。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載された光電変換装置であって、
    前記バイパス部は、前記透明電極層の分離溝に設けた金属膜により形成されていることを特徴とする
    光電変換装置。
  9. 請求項1乃至5のいずれかに記載された光電変換装置であって、
    前記バイパス部は、前記裏面電極層の分離溝に設けられ、前記裏面電極層よりも高抵抗である高抵抗膜により形成されていることを特徴とする
    光電変換装置。
  10. 複数の光電変換セルが電気的に直列に接続された光電変換装置の製造方法であって、
    透明電極層を形成する透明電極層形成工程と、
    光を受光して電力に変換する光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、
    裏面電極層を形成する裏面電極層形成工程と、
    を具備し、
    前記透明電極層形成工程は、
    前記透明電極層を製膜する工程と、
    製膜された前記透明電極層が、分割溝によって前記複数の光電変換セルの各々に対応して分割されるように、前記透明電極層をパターニングするパターニング工程と、を備え
    前記パターニング工程において、隣接する前記各光電変換セルの前記透明電極層同士を繋ぐバイパス部が形成されるように、パターニングを行うことを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
  11. 複数の光電変換セルが電気的に直列に接続された光電変換装置の製造方法であって、
    透明電極層を形成する透明電極層形成工程と、
    光を受光して電力に変換する光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、
    裏面電極層を形成する裏面電極層形成工程と、
    を具備し、
    前記裏面電極層形成工程は、
    前記裏面電極層を製膜する工程と、
    製膜された前記裏面電極層が、分割溝によって前記複数の光電変換セルの各々に対応して分割されるように、前記裏面電極層をパターニングするパターニング工程と、を備え
    前記パターニング工程において、隣接する前記各光電変換セル間の一部で前記裏面電極層同士を繋ぐバイパス部が形成されるように、パターニングを行うことを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
  12. 請求項10又は11に記載された光電変換装置の製造方法であって、
    前記パターニング工程において、隣接する前記光電変換セル間で前記バイパス部が設けられた部分の前記光電変換セルの長手方向の長さが、前記バイパス部分の設けられていない部分の前記光電変換セルの長手方向の長さよりも小さくなるように、パターニングを行うことを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
  13. 請求項10乃至12のいずれかに記載された光電変換装置の製造方法であって、
    前記パターニング工程において、レーザを照射することによりパターニングを行うことを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
  14. 請求項13に記載された光電変換装置の製造方法であって、
    前記パターニング工程は、
    前記バイパス部を形成する予定の領域にマスクを配置する工程と、
    前記マスクを配置した後に、レーザを照射する工程と、を備えることを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
  15. 請求項13に記載された光電変換装置の製造方法であって、
    前記パターニング工程において、レーザの光路上に配置されるシャッターを切り変える事によって、前記バイパス部が形成されるようにパターニングを行うことを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
  16. 請求項13に記載された光電変換装置の製造方法であって、
    前記パターニング工程においてレーザを照射するに際し、レーザビームが間隔をあけた複数のドット状に入射するように、照射を行うことを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
  17. 請求項10乃至13のいずれかに記載された光電変換装置の製造方法であって、
    前記パターニング工程は、
    隣接する前記光電変換セル間で被パターニング対象同士が完全に分離するようにパターニングする完全パターニング工程と、
    前記完全パターニング工程の後に前記バイパス部形成予定の領域に金属ペーストを配置する金属ペースト配置工程、を備えることを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
  18. 請求項10乃至13のいずれかに記載された光電変換装置の製造方法であって、
    前記パターニング工程は、
    隣接する前記光電変換セル間で被パターニング対象同士が完全に分離するようにパターニングする完全パターニング工程と、
    前記完全パターニング工程の後に前記バイパス部形成予定の領域の前記被パターニング対象の分離溝付近に、レーザをパルスで照射して、前記被パターニング対象の残渣により、隣接する前記被パターニング対象同士をつなげるパルス照射工程と、を備えることを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
  19. 複数の光電変換セルが電気的に直列に接続された光電変換装置の製造方法であって、
    透明電極層を形成する透明電極層形成工程と、
    光を受光して電力に変換する光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、
    裏面電極層を形成する裏面電極層形成工程と、
    隣接する前記各光電変換セル間の一部で前記裏面電極層同士を繋ぐバイパス部を形成するバイパス部形成工程と、
    を具備し、
    前記裏面電極層形成工程は、
    前記裏面電極層を製膜する工程と、
    製膜された前記裏面電極層が、分割溝によって前記複数の光電変換セルの各々に対応して分割されるように、前記裏面電極層をパターニングするパターニング工程と、を備え
    前記バイパス部形成工程は前記パターニング工程の後に実行され、
    前記バイパス部形成工程において、前記裏面電極層よりも高抵抗である高抵抗膜を、前記分割溝の少なくとも一部を埋めるように形成することで、前記バイパス部を形成することを特徴とする
    光電変換装置の製造方法。
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