JP2009051913A - 重合性組成物、架橋性樹脂および架橋体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 塊状重合可能なモノマー、重合触媒、および表面処理された固体粉体を含む重合性組成物であって、
前記表面処理が、テトラアルコキシシラン化合物から選択される第1表面処理剤により表面処理する第1表面処理工程、および
下記式(I)で表されるシラン化合物から選択される第2表面処理剤により表面処理する第2表面処理工程、
をこの順に含むものである重合性組成物。
SiR1(OR2)nX3−n・・・(I)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。nは0〜3の整数を表す。)
【選択図】 なし
Description
(1) 塊状重合可能なモノマー、重合触媒、および表面処理された固体粉体を含む重合性組成物であって、
前記表面処理が、テトラアルコキシシラン化合物から選択される第1表面処理剤により表面処理する第1表面処理工程、および
下記式(I)で表されるシラン化合物から選択される第2表面処理剤により表面処理する第2表面処理工程、
を含むものである重合性組成物。
SiR1(OR2)nX3−n・・・(I)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。nは0〜3の整数を表す。)
(3) 前記第2表面処理剤が、前記式(I)におけるR1が炭素−炭素二重結合を有する炭化水素基であるシラン化合物を含む前記(1)または(2)の重合性組成物。
(4) 前記固体粉体が金属酸化物である前記(1)〜(3)のいずれかの重合性組成物。
(5) 前記塊状重合可能なモノマーがシクロオレフィンモノマーである前記(1)〜(4)のいずれかの重合性組成物。
(6) さらに架橋剤を含む前記(1)〜(5)のいずれかの重合性組成物。
(8) 前記(6)の重合性組成物を塊状重合してなる架橋性樹脂成形体。
(9) 前記(8)の架橋性樹脂成形体を架橋してなる架橋樹脂成形体。
本発明に用いるモノマーは、塊状重合可能なものであれば特に制限されない。例えば、エポキシ化合物、アクリレート化合物、スチレン類、シクロオレフィンモノマーなどが挙げられる。これらのうち、誘電損失が低い成形体を得るとの観点から、非極性のモノマーであるスチレン類およびシクロオレフィンモノマーが好ましい。
また、後架橋が可能な架橋性樹脂成形体を容易に得ることができ、積層性に優れることから、シクロオレフィンモノマーがより好ましい。
ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンとも言う。)などの環の数が3であるジシクロペンタジエン類;
本発明の重合性組成物を構成する重合触媒は、上記の塊状重合可能なモノマーおよび重合反応形態に応じて適宜選択することができる。例えば、上記シクロオレフィンモノマーでは、メタセシス重合触媒が好適な重合触媒として選択できる。メタセシス重合触媒としては、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオン及び/又は化合物が結合してなる錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、長周期型周期律表第5周期以降の金属であって、5族、6族及び8族の原子が挙げられる。それぞれの族における原子は特に限定されず、例えば、5族の原子としてはタンタルが、6族の原子としてはモリブデンやタングステンが、8族の原子としてはルテニウムやオスミウムが挙げられる。
(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
本発明の重合性組成物は、上記塊状重合可能なモノマーおよび重合触媒に加えて、表面処理された固体粉体を含んでなる。
および/またはBとして複数の金属原子のイオンを有するものである。具体的には、A2+(B2+ 1/3B5+ 2/3)O3、A2+(B3+ 1/2B5+ 1/2)O3、A2+(B2+ 1/2B6+ 1/2)O3、A2+(B3+ 2/3B6+ 1/3)O3、A2+(B+ 1/4B5+ 3/4)O3、(A+ 1/2B3+ 1/2)B4+O3、A3+(B2+ 1/2B4+ 1/2)O3、(A+ 1/2A3+ 1/2)(B2+ 1/3B5+ 2/3)O3などの組成を有するものである。ここでAおよびBとしては、A+としてLi+,Na+,K+,Ag+;A2+としてPb2+,Ba2+,Sr2+,Ca2+;A3+としてBi3+,La3+,Ce3+,Nd3+;B+としてLi+,Cu+;B2+としてMg2+,Ni2+,Zn2+,Co2+,Sn2+,Fe2+,Cd2+,Cu2+,Cr2+;B3+としてMn3+,Sb3+,Al3+,Yb3+,In3+,Fe3+,Co3+,Sc3+,Y3+,Sn3+;B4+としてTi4+,Zr4+;B5+としてNb5+,Sb5+,Ta5+,Bi5+;B6+としてW6+,Te6+,Re6+;などが挙げられる。かかる複合ペロブスカイト型化合物の具体例としては、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、Ba(Ni1/3Nb2/3)O3、Pb(Sc1/2Nb2/3)O3、(Li1/2Bi1/2)TiO3、(Na1/2Bi1/2)TiO3、(K1/2Bi1/2)TiO3、(Ag1/2Bi1/2)TiO3、Bi(Mg1/2Ti1/2)O3、Bi(Zn1/2Ti1/2)O3、Bi(Ni1/2Ti1/2)O3、(Na1/2Bi1/2)(Mg1/3Nb2/3)O3などが挙げられる。複合ペロブスカイト型化合物を用いることで、得られる樹脂成形体を、誘電率の温度特性が安定で且つ誘電正接が小さなものとすることができる。
SiR1(OR2)nX3−n・・・(I)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。nは0〜3の整数を表す。)
Xはハロゲン原子を表し、具体的には、塩素原子および臭素原子などが挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、式(I)で表されるシラン化合物以外のシラン化合物を併用してもよい。
本発明の重合性組成物には、各種の添加剤、例えば、連鎖移動剤、架橋剤、架橋助剤、ラジカル架橋遅延剤、重合反応遅延剤、分散剤、溶剤、強化材、改質剤、酸化防止剤、着色剤、光安定剤などを含有させることができる。これらは、予め後述するモノマー液又は触媒液に溶解又は分散させて用いることができる。
連鎖移動剤は、用いるモノマーに応じて適宜選択できる。シクロオレフィンモノマーを用いた場合には、通常、ビニル基を有する化合物を用いることができる。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキシド類;などが挙げられる。中でも、メタセシス重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシド類およびペルオキシケタール類が好ましい。
また、ラジカル架橋遅延剤を用いることもできる。ラジカル架橋遅延剤としては、アルコキシフェノール類、カテコール類、ベンゾキノン類が挙げられ、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソールなどのアルコキシフェノール類が好ましい。
また、ノルボルネン系モノマーと共重合可能な環状オレフィン系モノマーのうち、分子内に1,5−ジエン構造や1,3,5−トリエン構造を有する環状オレフィンは重合反応遅延剤としても機能する。このような化合物としては、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
ここで、重合性組成物の粘度は、後述するように、モノマー液に重合触媒を添加した直後、ハイシェアレート粘度計を用いて20rpmで測定される値である。
本発明の樹脂成形体は、上記重合性組成物を、実質的に溶剤を用いない塊状重合することにより得られる。本発明の重合性組成物を塊状重合して成形体を得る方法に限定はないが、例えば、(a)重合性組成物を支持体上に塗布し、次いで塊状重合する方法、(b)重合性組成物を成形型の空間部に注入し、次いで塊状重合する方法、(c)重合性組成物を繊維状強化材に含浸させ、次いで塊状重合する方法などが挙げられる。
本発明の架橋樹脂成形体は、架橋剤を含有する重合性組成物を用いて得られた本発明の架橋性樹脂成形体を加熱して架橋させることにより得られるものである。架橋性樹脂成形体を加熱して架橋させるときの温度は、通常170〜250℃、好ましくは180〜220℃である。この温度は、前記塊状重合でのピーク温度より高いことが好ましく、20℃以上高いことがより好ましい。また、加熱して架橋させる時間は特に制約されないが、通常、1分から10時間である。
(1)重合性組成物の粘度
重合性組成物の粘度をハイシェアレート粘度計(型式CAP2000+L:ブルックフィールド社製)を用いて、回転数10rpm/25℃時の粘度を測定し、以下の指標で評価した。
A:0.01を超えて1Pa・s以下
B:1Pa・sを超えて2Pa・s以下
C:2Pa・sを超えて3Pa・s以下
D:3Pa・sを超えて5Pa・s以下
5Pa・sを超えると、測定不可能な砂状になるため、×とした。
銅箔/架橋性樹脂成形体の2層構造を有する積層体Aの厚みをマイクロメーターで10点測定し、銅箔の厚さを差し引いて、各点における厚さを求めた。ただし、実施例9および10においては、ガラスクロスが含浸されてなる架橋性樹脂成形体の厚みを同様に測定した。厚さの平均値からの最大バラツキ量を百分率(%)で求め、以下の指標で評価した。この値が小さいほど、重合性組成物の成形性が優れることを表す。
A:5%以下
B:5%を超えて10%以下
C:10%を超えて20%以下
D:20%超
積層体Bから銅箔を引き剥がすときの強度を、JIS C6481に基づいて測定した。ピール強度の値に応じて以下の指標で評価した。
A:0.6kN/mを超える
B:0.4kN/mを超え0.6kN/m以下
C:0.2kN/mを超え0.4kN/m以下
D:0.2kN/m以下
積層体Bを20mm角に切り出し、これを40℃の塩化第二鉄溶液(サンハヤト社製)に浸漬して表面の銅箔を除去し、試験片を得た。この試験片につき、インピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー社製、型番号E4991)を用いて周波数1GHzにおける誘電率(εr)および誘電損失(tanδ)を容量法にて測定した。
なお、誘電損失はその値に応じて以下の指標で評価した。
A:0.0015以下
B:0.0015を超え0.0020以下
C:0.0020を超え0.0025以下
D:0.0025を超える
(表面処理された固体粉体の調製)
ヘンシェルミキサー中に、固体粉体としてCaTiO3(平均粒径1.5μm、誘電率180)を500部入れ、第1表面処理剤としてテトラエトキシシラン(TEOS)を2部添加した。これを120℃で30分間攪拌することで第1表面処理工程を行った。次いで、第2表面処理剤としてトリエトキシオクタデシルシラン1部とトリメトキシスチリルシラン1部の混合物を添加して120℃で30分間攪拌し、第2表面処理工程を行った。
重合触媒として(1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド0.1部、重合反応遅延剤としてトリフェニルホスフィン0.2部をフラスコに入れ、ここに窒素雰囲気下でトルエン2.4部を入れて重合触媒を溶解させ、触媒液を調製した。
シクロオレフィンモノマーとして2−ノルボルネン(NB)20部およびテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン(TCD)80部をガラス容器に入れ、ここに上記表面処理されたCaTiO3を200部添加して均一に混合した。ここに連鎖移動剤としてメタクリル酸ヘキセニル(エコノマーML C5タイプ、新中村化学社製)1.8部と、有機過酸化物の架橋剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(化薬アクゾ社製、製品名カヤブチルD、1分間半減期温度192℃)1部を添加してモノマー液を得た。このモノマー液に上記触媒液0.35部を添加して混合し、重合性組成物を得た。この重合性組成物の粘度を測定した結果を表1に示す。
得られた重合性組成物を、支持体としての電解銅箔(Type F0、厚み0.012mm、古河サーキットフォイル製)の上に厚さが100μmとなるように流延し、その上からポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポンフィルム社製、厚み75μm)を重ねた。これをイナートオーブン内で130℃で1分間加熱し、重合性組成物を塊状重合させて、銅箔/架橋性樹脂成形体/PENフィルムの3層構造を有する積層体を得た。この積層体からPENフィルムを剥がし、銅箔/架橋性樹脂成形体の2層構造を有する積層体Aを得た。この積層体Aの表面形状を測定した。結果を表1に示す。
積層体Aから銅箔を剥がしたものを作成し、これを6枚重ねた。次いで、その両側を、2枚の積層体Aを用いて、銅箔側が外面となるように挟んだ。これを熱プレスにて圧力3MPa、温度200℃で30分間プレスして銅箔/架橋樹脂成形体/銅箔の3層構造を有する積層体Bを得た。この積層体Bを用いて、ピール強度および電気特性を測定した。結果を表1に示す。
固体粉体として、CaTiO3を500部に代えて、BaTiO3を主成分とする誘電体粒子(HF90、共立マテリアル社製、平均粒径1.2μm、誘電率90)を400部用いた他は、実施例1と同様にして表面処理を行い、表面処理されたHF90を得た。次いで、表面処理されたCaTiO3を200部に代えて、上記表面処理されたHF90を400部用いた他は、実施例1と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
第2表面処理剤として、トリエトキシオクタデシルシラン1部とトリメトキシスチリルシラン1部の混合物に代えて、トリエトキシデシルシラン1部とトリメトキシスチリルシラン1部の混合物を用いた他は、実施例2と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
第2表面処理剤として、トリエトキシオクタデシルシラン1部とトリメトキシスチリルシラン1部の混合物に代えて、トリエトキシオクタデシルシラン2部を用いた他は、実施例2と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
第2表面処理剤として、トリエトキシオクタデシルシラン2部に代えて、トリメトキシスチリルシラン2部を用いた他は、実施例4と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
第2表面処理剤として、トリエトキシオクタデシルシラン2部に代えて、トリメトキシビニルシラン2部を用いた他は、実施例4と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
(表面処理された固体粉体の調製)
第2表面処理剤として、トリエトキシオクタデシルシラン1部とトリメトキシスチリルシラン1部の混合物に代えて、トリメトキシデシルシラン2部を用いた他は、実施例2と同様にして表面処理を行い、表面処理されたHF90を得た。
スチレン類としてスチレン80部およびp−ジビニルベンゼン20部を窒素置換したガラス容器に入れ、ここに上記表面処理されたHF90を400部添加して均一に混合した。ここに連鎖移動剤として3−メチル−2−ブテン−1−チオール1部と、架橋剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(化薬アクゾ社製、製品名カヤブチルD、1分間半減期温度192℃)1部を添加してモノマー液を得た。このモノマー液に重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製、製品名ナイパーFF、1分間半減期温度130℃)0.02部を添加して混合し、重合性組成物を得た。
得られた重合性組成物を用い、加熱の条件を60℃で1分間とした他は実施例1と同様にして重合性組成物を塊状重合させて、銅箔/架橋性樹脂成形体/PENフィルムの3層構造を有する積層体を得た。この積層体からPENフィルムを剥がし、銅箔/架橋性樹脂成形体の2層構造を有する積層体Aを得た。この積層体Aの表面形状を測定した。結果を表1に示す。積層体Aを1cm角切り出し、PENフィルムと銅箔を剥離後にトルエンに溶解させたところ、すべて溶解した。
上記で得られた積層体Aを用い、熱プレスの条件を圧力3MPa、温度200℃で60分間とした他は実施例1と同様にして、銅箔/架橋樹脂成形体/銅箔の3層構造を有する積層体Bを得た。この積層体Bを用いて、ピール強度および電気特性を測定した。結果を表1に示す。
固体粉体として、CaTiO3を500部に代えて、BaTiO3を400部用いた他は、実施例1と同様にして表面処理を行い、表面処理されたBaTiO3を得た。次いで、表面処理されたCaTiO3を200部に代えて、上記表面処理されたBaTiO3を400部用いた他は、実施例1と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
表面処理されたCaTiO3の使用量を250部とした他は、実施例1と同様にして重合性組成物を得た。支持体としてポリエチレンナフタレート(PEN)製フィルム(帝人デュポンフィルム社製、厚み75μm)上に、40cm角に切ったガラス製ヤーンクロス(旭シュエーベル社製、製品名GC2116)を載せ、さらにその上に上記重合性組成物70部を流延した。その上からさらにポリエチレンナフタレートフィルムを被せ、ローラーを用いて重合性組成物をガラスクロス全体に含浸させた。次いで、これを130℃に熱した加熱炉中で、1分間加熱し、重合性組成物を塊状重合させた。次いでPENフィルムを剥がして、平均厚さが100μmの、ガラスクロスが含浸されてなる架橋性樹脂成形体を得た。このガラスクロスが含浸されてなる架橋性樹脂成形体の表面形状を測定した。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして得られた表面処理されたCaTiO3を320部と、実施例8と同様にして得られた表面処理されたBaTiO3を80部とを、混合して表面処理された固体粉体400部を得た。この表面処理された固体粉体400部を、表面処理されたCaTiO3を250部に代えて用いた他は、実施例1と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
第1表面処理工程を行わなかった他は、実施例4と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
第1表面処理工程を行わなかった他は、実施例5と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
第1表面処理工程を行わなかった他は、実施例6と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
第2表面処理工程を行わなかった他は、実施例2と同様にして実験を行ったが、重合性組成物の粘度が高すぎるため、樹脂成形体の製造はできなかった。結果を表1に示す。
第1表面処理剤として、テトラエトキシシラン2部に代えて、トリエトキシオクタデシルシラン2部を用い、第2表面処理剤として、トリエトキシオクタデシルシラン2部に代えて、テトラエトキシシラン2部を用いた他は、実施例4と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
ヘンシェルミキサー中に、固体粉体としてHF90を400部入れ、テトラエトキシシラン(TEOS)2部およびトリエトキシオクタデシルシラン2部を添加した。これを120℃で30分間攪拌することで表面処理されたHF90を得た。次いで、表面処理されたCaTiO3を200部に代えて、上記表面処理されたHF90を400部用いた他は、実施例1と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
HF90の量を100部とし、トリメトキシビニルシラン2部に代えて、トリメトキシビニルシラン1部とソルビダントリオレエート(分散剤、SPO30V、花王社製)2部との混合物を用いた他は、比較例3と同様にして実験を行い、各特性を測定した。結果を表1に示す。
一方、第2表面処理工程を行わない場合は、重合性組成物の粘度が高くなりすぎたために、樹脂成形体の製造ができなかった(比較例4)。また、第1表面処理工程と第2表面処理工程の順序を入れ替えた場合(比較例5)や、第1表面処理剤と第2表面処理剤とを混合して一括で表面処理を行った場合(比較例6)は、重合性組成物が高粘度化し、架橋性樹脂成形体の表面形状が不均一となり、架橋樹脂成形体の銅箔との密着性が低く、かつ架橋樹脂成形体の誘電損失も大きいものとなった。
Claims (9)
- 塊状重合可能なモノマー、重合触媒、および表面処理された固体粉体を含む重合性組成物であって、
前記表面処理が、テトラアルコキシシラン化合物から選択される第1表面処理剤により表面処理する第1表面処理工程、および
下記式(I)で表されるシラン化合物から選択される第2表面処理剤により表面処理する第2表面処理工程、
をこの順に含むものである重合性組成物。
SiR1(OR2)nX3−n・・・(I)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表す。nは0〜3の整数を表す。) - 前記第2表面処理剤が、前記式(I)におけるR1が炭素数5〜200のアルキル基であるシラン化合物を含む請求項1に記載の重合性組成物。
- 前記第2表面処理剤が、前記式(I)におけるR1が炭素−炭素二重結合を有する炭化水素基であるシラン化合物を含む請求項1または2に記載の重合性組成物。
- 前記固体粉体が金属酸化物である請求項1〜3のいずれかに記載の重合性組成物。
- 塊状重合可能なモノマーがシクロオレフィンモノマーである請求項1〜4のいずれかに記載の重合性組成物。
- さらに架橋剤を含む請求項1〜5のいずれかに記載の重合性組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の重合性組成物を塊状重合してなる樹脂成形体。
- 請求項6に記載の重合性組成物を塊状重合してなる架橋性樹脂成形体。
- 請求項8に記載の架橋性樹脂成形体を架橋してなる架橋樹脂成形体。
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