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JP2009051155A - 防カビ機能を付与したポリオレフィン系樹脂積層発泡体、およびそれからなる円筒体または成型体 - Google Patents

防カビ機能を付与したポリオレフィン系樹脂積層発泡体、およびそれからなる円筒体または成型体 Download PDF

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JP2009051155A
JP2009051155A JP2007222149A JP2007222149A JP2009051155A JP 2009051155 A JP2009051155 A JP 2009051155A JP 2007222149 A JP2007222149 A JP 2007222149A JP 2007222149 A JP2007222149 A JP 2007222149A JP 2009051155 A JP2009051155 A JP 2009051155A
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foam
polyolefin
polyolefin resin
antifungal
based resin
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Muneaki Tsukada
宗暁 塚田
Seizo Aoki
精三 青木
Masaru Morie
勝 森江
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Toray Pef Products Inc
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Toray Pef Products Inc
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Abstract

【課題】高湿度雰囲気下に設置される調理場近辺の貯蔵、冷却庫に用いる配管において、カビ類の配管用断熱材表面への付着、繁殖を抑制・阻止することができるポリオレフィン系樹脂積層発泡体を提供することにある。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも片面の表層面に、真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤を少なくとも含むポリオレフィン系樹脂層を設けることを特徴とする防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体である。
【選択図】なし

Description

本発明はポリオレフィン系樹脂層に真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤を添加し防カビ機能を付与したポリオレフィン系樹脂積層発泡体に関する。
ポリオレフィン系樹脂発泡体は冷暖房機器の配管用断熱材、水道管凍結防止用断熱材、金属屋根断熱材など保温、保冷、断熱の分野や台所マット、風呂マット、自動車内装材などの緩衝材の分野で広く使用されている。飲食店の食品や飲料の貯蔵、冷却庫に用いる配管においては調理場近辺の高い湿度雰囲気下に設置されることが多く、カビ類が配管を被覆した断熱材表面に付着、繁殖する場合があった。この断熱材表面へのカビ類の付着、繁殖は衛生上、美観上で好ましくなく、カビ類の成長や発育を抑制・阻止する断熱材が望まれた。
殺菌作用を有する有機化合物を含有した抗菌及び防カビ機能を有する高分子発泡体が開示されているが(特許文献1参照)、配管の外面に配置される断熱材は、施工時や施工後の使用において容易に傷等の破損を受けやすく、傷等による断熱性能低下や外観性に問題があった。
特開1998−139913号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、配管を被覆した断熱材表面へのカビ類の付着、繁殖の防止と断熱材の保護を行うため、真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤を含むポリオレフィン系樹脂層を設けたポリオレフィン系樹脂積層発泡体を提供することにある。
本発明はかかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。すなわち、真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤を少なくとも含むポリオレフィン系樹脂層を、ポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも片面の表層面に設けたことを特徴とする防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体である。
本発明の発泡体を用いることで、保温性、保冷性、断熱性、緩衝性、耐衝撃性等のポリオレフィン系樹脂発泡体が有する機能を活用する用途で、ポリオレフィン系樹脂発泡体を使用する環境において、カビ類の付着、繁殖を抑制することが可能であり、特に表面に配置したポリオレフィン系樹脂中に真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤が含まれることにより長期的な効果を付与することが可能となり、同時にポリオレフィン系樹脂発泡体の傷等からの保護が可能となる。
本発明の防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体とは、効率的かつ長期的に真菌の成長や発育を抑制・阻止する機能を付与するため、発泡体の少なくとも片方の表面に真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤(以下防カビ剤と称する)を付与したポリオレフィン系樹脂層を設けることが必要である。
本発明に用いる防カビ剤とは、無機系化合物と有機系化合物があり、無機系化合物では金属イオンを含有する無機系化合物、カルシウム化合物が例示され、有機系化合物では合成有機系化合物が例示される。
具体的には金属イオンを含有する無機系化合物は銀、銅、亜鉛等の金属イオンやイオン交換したベンザルコニウム、セチルピリジニウム等の有機系の防カビ剤を含有するゼオライトやシリカゲル等の珪酸塩化合物、燐酸ジルコニウムや燐酸カルシウム等の燐酸塩化合物が例示され、カルシウム化合物はカルシウム成分を50%以上含有する酸化カルシウムと炭酸カルシウムの複合体が例示される。
かかる無機系化合物はポリオレフィン系樹脂に均一分散させるため、平均粒子径は1〜100μmが好ましく、更には5〜50μmが好ましい。平均粒子径が1μm未満であればポリオレフィン系樹脂へ溶融混練する際、無機系化合物が部分的に凝集し均一な分散とならない場合があり、一方、平均粒子径が100μmを超える場合、ポリオレフィン系樹脂の引張強度や伸度といった機械的特性を著しく低下させる場合がある。
ここで示す平均粒子径とはレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の平均値の数値を示す。
有機系化合物では具体的には2−(4−チアゾリン)ベンゾイミダゾール、メチル2−ベンゾイミダゾリルカルバマート、ビスジメチルチオカルバミルジスルフィド、ジメチル4,4‘−o−フェニレンビス3−チオアロファナート、2−ヒドロキシビフェニルが例示される。
かかる有機系化合物はポリオレフィン系樹脂へ熱溶融加工による混練を容易に行うため、常温で粉末状、結晶状等の固体形状であることが好ましい。更には融点が50℃以上が好ましく、また沸点が160℃以上が好ましい。融点が50℃未満であれば混合や分散等の加工時の雰囲気温度や機器温度により熱溶融加工による混練の前に有機系化合物が液状となり、ポリオレフィン系樹脂へ均一な分散ができない場合があり、沸点が160℃未満であれば熱溶融加工による混練時に有機系化合物の逃散による添加不良や分散不良となる場合がある。
ここで示す融点、沸点とは金属製加熱ブロック方式融点測定器を用い1℃/分の昇温速度で室温から350℃に昇温し、目視観察により液状化が開始した点を融点とし、気泡が発生した点を沸点とした。
かかる有機系化合物の融点がポリオレフィン系樹脂より高く、更に熱溶融加工による混練温度より高い場合、平均粒子径は1〜100μmが好ましく、更には5〜50μmが好ましい。平均粒子径が1μm未満であればポリオレフィン系樹脂へ溶融混練する際、無機系化合物が部分的に凝集し均一な分散とならない場合があり、一方、平均粒子径が100μmを超える場合、ポリオレフィン系樹脂の引張強度や伸度といった機械的特性を著しく低下させる場合がある。
ここで示す平均粒子径とはレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の平均値の数値を示す。
上記防カビ剤は無機系化合物、有機系化合物をそれぞれ単独で用いても2種類以上を併用してもよく、無機系化合物と有機系化合物の併用してもよい。また単独または2種類以上併用した防カビ剤の総添加量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し0.01〜10重量部が好ましく、更に0.1〜5重量部が好ましい。添加量が0.01重量部未満であれば真菌の成長や発育を抑制・阻止することが困難となる場合や均一な分散が困難となる場合があり、一方10重量部を超えると引張強度や伸度といった機械的特性を著しく低下させる場合や熱溶融加工時の分散不良、混練不良、加工機器の各所ロールへの付着による工程不安定といった不具合が発生する場合がある。
かかる防カビ剤はポリオレフィン系樹脂への分散性や固着性を向上させるため防カビ剤の表面に公知の処理を施すことが好ましく、例えばシランカップリング剤等の有機官能基を有する表面処理剤、ワックスエマルジョン等のコート剤、共重合系ポリマーやエステル等の分散剤等を用いても良い。
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン系炭化水素の重合体または共重合体である。ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されないが、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、エチレン−オクテン共重合体、低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンとを共重合した直鎖状のポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等が例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。エチレンに共重合させるα−オレフィンについては特に限定されないが、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等が好ましい。
かかるポリオレフィン系樹脂の融点は80℃〜160℃が望ましく、更に90℃〜140℃が好ましい。融点が80℃未満であれば、一般的な使用環境温度で寸法等の著しい変化が生じる場合や加熱を伴う成型加工等で早期に溶融するため表面不良や成型不良といった不良が発生する場合がある。一方融点が160℃を超えると加熱加工により円筒体や成型体に加工する際、高温雰囲気下で加工する必要があり、ポリオレフィン系樹脂の熱劣化による加工不良が発生する場合や防カビ剤が一部分解し真菌の成長や発育を抑制・阻止する機能が低下する場合がある。
ポリオレフィン系樹脂には例えばエチレンを主鎖とするポリエチレン系樹脂あるいはその共重合体などとプロピレンを主鎖とするポリプロピレン系樹脂あるいはその共重合体などがあり、メルトフローレート(MFR)の測定温度は主に主鎖を形成する成分や融点に関連している。ポリオレフィン系樹脂に使用する融点が100〜140℃の範囲であるエチレンを主鎖とするポリエチレン系樹脂あるいはその共重合体などは190℃で測定したMFRにおいて0.1〜50g/10分であることが好ましく、更に、1〜30g/10分であることが好ましい。MFRが0.1g/10分未満であると押出機等でフィルム状のポリオレフィン系樹脂層を製造する際、混錬圧力過剰による生産性低下や防カビ剤の分解や分散不良あるいは吐出変動による幅方向、長手方向の厚み不良等の不具合が生じる場合があり、一方50g/10分を越えると混錬圧力不足による幅方向の厚み調整不良や防カビ剤の分散不良となる場合がある。
また、ポリオレフィン系樹脂に使用する融点が130℃〜160℃の範囲であるプロピレンを主鎖とするポリプロピレン系樹脂あるいはその共重合体などは230℃で測定したMFRにおいて0.1〜50g/10分であることが好ましく、更に、0.3〜30g/10分であることが好ましい。MFRが0.1g/10分未満であると押出機等でフィルム状のポリオレフィン系樹脂層を製造する際、混錬圧力過剰による生産性低下や防カビ剤の分解や分散不良あるいは吐出変動による幅方向、長手方向の厚み不良等の不具合が生じる場合があり、一方50g/10分を越えると混錬圧力不足による幅方向の厚み調整不良や防カビ剤の分散不良となる場合がある。ここで示すMFRとは2001年版JIS K 6922−2及びJIS K 6921−2に準じた測定方法で測定したものである。また、ここで示す融点とは、示差走査熱量分析で測定したDSC曲線から得られるものであり、測定方法は次に示すとおりである。
示差走査熱量分析装置を用い、−50℃から200℃の間で10℃/分の速度で昇温し、200℃で5分間保持した後、200℃から−50℃の間で10℃/分の速度で降温し、更に−50℃で5分間保持した後、−50℃から200℃の間で10℃/分の速度で昇温した2度目の昇温で得られたDSC曲線の結晶融解ピーク温度を融点とする。
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体とは、ポリオレフィン系樹脂とガスの混合体であり、その製造方法は特に限定されないが、押出機内でガスあるいは気化する溶剤を溶融させ高圧下で押出ながら発泡する押出発泡法、ガスあるいは気化する溶剤を含有した樹脂粒子を予備発泡し更に金型内で発泡融着するビーズ発泡法、高圧容器内でポリオレフィン系樹脂にガスを溶解し常圧で加熱し発泡するガス含浸法といった溶剤気散法やポリオレフィン系樹脂と熱分解型化学発泡剤を溶融混錬し常圧加熱にて発泡する常圧発泡法、押出機内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し高圧下で押出ながら発泡する押出発泡法、プレス金型内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し減圧しながら発泡するプレス発泡法といった発泡剤分解法等が例示される。
ここで示す溶剤気散法に用いるガスあるいは気化する溶剤は特に限定するものではなく、例えば有機、無機系の各種があり、有機系物理発泡剤としてはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、シクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、テトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が例示され、無機系物理発泡剤としては炭酸ガス、窒素、ヘリウム等が例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、発泡剤分解法に用いる熱分解型化学発泡剤とは、熱を加えることで分解しガスを放出する化学発泡剤であれば特に限定するものではなく、例えば有機、無機系の各種があり、有機系にはアゾジカルボンアミド、N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P.P´−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジドなど、無機系には重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、カルシウムアジドなどが例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができ、必要に応じて熱分解型発泡剤の分解性を改善する尿素、脂肪酸の金属塩、亜鉛華等の発泡助剤を添加しても良い。
ポリオレフィン系樹脂発泡体は、電離性放射線を照射し架橋させる電子線架橋法、ジクミルパ−オキサイド、ターシャリーブチルパ−ベンゾエ−ト、ジタ−シャリ−ブチルパ−オキサイド等の有機過酸化物を混練し発泡時に該有機過酸化物を分解し架橋させる化学架橋法、シラン基を持つポリオレフィン系樹脂を混合し加熱水分と接触することで架橋させるシラン架橋法などの方法を用いポリオレフィン系樹脂架橋発泡体としても良く、必要に応じて架橋特性を改善するジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋助剤を用いても良い。
ポリオレフィン系樹脂発泡体が部分的に露出する場合、ポリオレフィン系樹脂発泡体に前記した無機系化合物、有機系化合物の防カビ剤を単独あるいは2種類以上を併用して用いてもよく、無機系化合物と有機系化合物の併用して用いても良い。防カビ剤に有機系化合物を用いる場合、沸点は発泡加工時の温度以上が好ましく、250℃以上の沸点が最も好ましい。沸点が250℃未満であれば熱溶融加工による混練時に有機系化合物の逃散による添加不良や分散不良となる場合がある。
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体の見掛け密度は20〜200kg/mの範囲が必要であり、更には25〜50kg/mが好ましい。見掛け密度が20kg/mより小さい場合、圧縮特性や強伸度等の機械的特性が低下し加工特性が低下する場合や気泡内の熱貫流の影響で断熱性能が低下する場合があり、一方見かけ密度が200kg/mを超える場合、断熱性能が著しく低下し、必要とする保温や保冷の温度特性を満たさない場合や緩衝性、クッション性等の耐衝撃性が著しく低下する場合がある。ここで示す見掛け密度とは、2001年版JIS K−7222に準じた測定方法で測定した数値を示す。
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体の厚みは0.5〜500mmが好ましく、更には3〜100mmが好ましい。厚みが0.5mm未満であれば保温性、保冷性、断熱性や緩衝性、クッション性といった性能が著しく低下し、必要とする保温、保冷、断熱の温度特性を満たさない場合や緩衝性、クッション性等の耐衝撃性を満たさない場合があり、一方、厚みが500mmを越えると断熱性能や耐衝撃性は満たされるが、加工特性や生産性の低下、価格の高騰等といった問題が生じる場合がある。ここで示す厚みとは、JIS K−7222に準じた測定方法で測定した数値を示す。
本発明の防カビ機能を有したポリオレフィン系樹脂積層発泡体において防カビ剤を添加したポリオレフィン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂発泡体を積層する方法は特に限定されず、公知の方法を用いて積層しても良い。具体的積層方法としては、Tダイを用いた単軸押出機や二軸押出機等の公知の押出機やカレンダーロール等を用い、予め未延伸のフィルム状に成形した防カビ機能を有したポリオレフィン系樹脂層を、溶媒系、水系等の液状、ゲル状、固形状の公知の接着剤や公知の粘着テープを介してポリオレフィン系樹脂発泡体と積層する方法や、熱風、ヒータ等の公知の熱源による加熱、火炎処理等でポリオレフィン系樹脂発泡体の表面を溶融後、予め未延伸フィルム状に成型した該樹脂層と圧着により溶着する方法、あるいはTダイを用いた公知の押出機等を用いフィルム状に押し出した該樹脂層を同時にポリオレフィン系樹脂発泡体と冷却圧着し積層する方法が例示される。
特にポリオレフィン系樹脂に防カビ剤を均一分散させ、ポリオレフィン系樹脂発泡体に強固に積層する方法として、公知の押出機等でポリオレフィン系樹脂と防カビ剤をポリオレフィン系樹の融点以上かつ沸点を有する防カビ剤の場合はその沸点以下の温度で溶融混錬し、Tダイでフィルム状に押し出した樹脂層を同時にポリオレフィン系樹脂発泡体と冷却圧着し積層する方法が好ましい。更にポリオレフィン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂発泡体の主要樹脂を同一とすることで強固な融着が可能となり安定的に積層できることから好ましい。ここで主要樹脂とは複数種類のポリオレフィン系樹脂を混合した場合は最も多い樹脂成分を示す。
また、かかる発泡体は物品との接触面積を小さくし傷を軽減する効果や手作業時の滑り止め効果、あるいは湾曲加工した時の表面皺を目立たなくする意匠性向上効果といった施工時の作業効率を向上するため、少なくとも片面のポリオレフィン系樹脂層側に規則的凹凸形状を設けること(エンボス加工)が望ましい。規則的凹凸形状を設ける方法は特に限定されないが、上記方法で作成した防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のポリオレフィン系樹脂層側を熱風、ヒータ等の公知の熱源により加熱した後、該樹脂層側に配置したロール表面を規則的凹凸形状に刻印した金属ロールで加圧し、該ロールの規則的凹凸形状を該樹脂層に転写する方法、押出機等を用い溶融状態とした該樹脂層をポリオレフィン系樹脂発泡体と冷却圧着する際、該樹脂層側に配置したロール表面を規則的凹凸形状に刻印した金属ロールで加圧し該ロールの規則的凹凸形状を該樹脂層に転写する方法が例示される。
本発明の防カビ機能を有したポリオレフィン系樹脂層の厚みは0.01〜2mmが好ましく、更に、0.05〜1mmが好ましい。厚みが0.01mm未満であれば取り扱いによっては傷、破れの発生頻度が高くなり作業性が低下する場合があり、一方2mmを越えると軽量性、柔軟性、緩衝性などの発泡体特性を著しく低下させる場合や高い剛性により加工性が低下する場合がある。かかるポリオレフィン系樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂発泡体と積層した後加熱し所定形状に成型できるように未延伸であることが好ましい。
本発明の防カビ機能を有したポリオレフィン系樹脂積層発泡体は、必要に応じて例えば難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、離型剤、造核剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消臭剤など公知の各種添加剤をポリオレフィン系樹脂層及び/又はポリオレフィン系樹脂発泡体に添加しても良い。上記添加剤のうち有機系の添加剤は熱分解等により防カビ機能を低下させる場合があるためポリオレフィン系樹脂100重量部に対し5重量部未満の添加が好ましい。また、無機系の添加剤は引張強度、引裂強度等の機械的特性を低下させる場合があるためポリオレフィン系樹脂100重量部に対し30重量部未満の添加が好ましい。
本発明の防カビ機能を有したポリオレフィン系樹脂積層発泡体は配管内を流れる気体や液体等の流動性を有する物体の保温、保冷、結露防止を効率的に行うため、配管形状に則した被覆とする円筒体とすることが望ましい。かかる発泡体を円筒体とする方法は特に限定されないが、例えば上記方法で積層した該発泡体を円筒の直径に応じた幅に切断し、熱風や赤外線ヒータ等の公知の熱源で該発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通す方法、あるいはポリオレフィン系樹脂発泡体を円筒の直径に応じた幅に切断し、熱風や赤外線ヒータ等の公知の熱源で該発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通し円筒体とした後、適度な幅に切断した未延伸のフィルム状に成形した防カビ機能を有したポリオレフィン系樹脂層を溶媒系、水系等の液状、ゲル状、固形状の公知の接着剤や公知の粘着テープで接着する方法が例示される。
また、保温、保冷、結露防止を必要とする配管の湾曲部位、継手部位、バルブ等の流量調節部位等配管形状が円筒体と異なる部位や緩衝性、クッション性を必要とする所定形状の部位には、該部位と同等形状の所定形状に成型し被覆することが望ましい。かかる発泡体を所定形状の成型体とする方法は特に限定されないが、例えば上記方法で積層した該発泡体を循環式熱風オーブンや赤外線ヒータ等の公知の熱源で加熱した後、微細孔を有する金属製や木製等の所定型の上に置き、微細孔より空気を抜き取り該発泡体と所定型を密着する方法が例示される。
以下、本発明を以下の実施例を用いて更により詳細に説明するが、以下の実施例は一例であり特に限定されるものではない。
本発明における防カビ評価基準は次の通りである。
「カビ抵抗性試験」
JIS K 8263に準拠した寒天培養地上に、5cm×5cmに切取った試験片を置き、試験菌混合胞子液を試験片上に噴霧した後、28℃で14日間培養した。
なお器具の滅菌方法、カビの保存及び使用、培養はJIS Z 2911に準拠した。
「試験用のカビ」
Aspergillus niger ATCC 6275、Aspergillus terreus PQMD 82j、Paecilomyces variotii、Penicillium funiculosum ATCC 9644、Aureobasidium pullulans IAM F 24、Gliocladium virens IFO 9166
「混合胞子液」
KHPO:0.3g、KHPO:0.7g、NaNO:2.0g、KCL:0.5g、Saccharose:30.0g、MgSO・7H2O:0.5g、FeSO・7HO:0.01g、HO:1000ml
「寒天培地」
KHPO:0.7g、KHPO:0.7g、NHNO:1.0g、MgSO・7H2O:0.7g、Agar:15g、NaCl:0.005g、FeSO・7HO:0.002g、ZnSO・7HO:0.002g、MnSO・7HO:0.001g、HO:1000ml
「判定方法」
14日培養した試験片表面を観察し、カビの成長が肉眼でほとんど確認できないものを合格(◎)と判定し、肉眼で明らかに認められカビが試料表面の50%以下の覆いであれば合格(○)と判定し、肉眼で明らかに認められカビが試料表面の50%以上の覆いであれば不合格(×)と判定した。
[実施例1]
MFRが3.6g/10分、密度が0.922g/cmの高圧法低密度ポリエチレン50重量部とMFRが3.0g/10分、密度が0.935g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン50重量部をそれぞれ粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#3)10重量部、酸化防止剤ペンタエリスリト−ルテトラキス[3-(3,5-ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製IRGANOX1010)0.3重量部をスーパーミキサーで混合し、140〜160℃に加熱した90mmφの単軸押出機でTダイを用いて厚さ1.8mmの長尺シート状に成形した後、70kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、240℃に加熱した縦型熱風発泡装置で2〜3分加熱し厚さ4.1mm、見掛け密度34kg/mの長尺発泡体を得た。
MFRが3.0g/10分、密度が0.935g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン100重量部を粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後に防カビ剤として2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(融点301℃、沸点350℃以上)0.2重量部をスーパーミキサーで混合し、150〜250℃に加熱した40mmφの二軸押出機で溶融混練し、ノズルから押出すことにより直径2mmの棒状のストランドを作り、水冷後長さ3mmにカッティングし防カビ性樹脂組成物を得た。該防カビ性樹脂組成物を160〜230℃に加熱した65mmφの単軸押出機に投入しTダイを介してシート状に押し出した直後、上記長尺発泡体と共に間隙を発泡体厚みの半数に調整した2本のロールに通し防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.21mmであった。
表1に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長が肉眼でほとんど確認できず合格(◎)判定であった。
[実施例2]
一方のロールが3mm四方の凹四角錐を規則的に配置した連続形状をロール全面に刻印した2本のロールに通し規則的凹凸形状を有した防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体とした以外は実施例1と同様に防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.28mmであった。
表1に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長が肉眼でほとんど確認できず合格(◎)判定であった。
[実施例3]
MFRが3.6g/10分、密度が0.922g/cmの高圧法低密度ポリエチレン50重量部とプロピレンにエチレンを5.2重量%ランダム共重合したMFRが2.2g/10分、密度が0.901kg/m3のポリプロピレン樹脂50重量部をそれぞれ粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#3)12重量部、酸化防止剤ペンタエリスリト−ルテトラキス[3-(3,5-ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製IRGANOX1010)0.5重量部、架橋助剤としてジビニルベンゼン2.0重量部をスーパーミキサーで混合し、150〜170℃に加熱した90mmφの単軸押出機でTダイを用いて厚さ1.8mmの長尺シート状に成形した後、60kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、240℃に加熱した縦型熱風発泡装置で2〜3分加熱し厚さ4.3mm、見掛け密度32kg/mの長尺発泡体を得た。
MFRが3.0g/10分、密度が0.935g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン100重量部を粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後に防カビ剤として2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(融点301℃、沸点350℃以上)5.0重量部をスーパーミキサーで混合し、150〜250℃に加熱した40mmφの二軸押出機で溶融混練し、ノズルから押出すことにより直径2mmの棒状のストランドを作り、水冷後長さ3mmにカッティングし防カビ性樹脂組成物を得た。該防カビ性樹脂組成物を160〜230℃に加熱した65mmφの単軸押出機に投入しTダイを介してシート状に押し出した直後、上記長尺発泡体と共に間隙を発泡体厚みの半数に調整した2本のロールに通し防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.03mmであった。
表1に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長が肉眼でほとんど確認できず合格(◎)判定であった。
[実施例4]
MFRが3.6g/10分、密度が0.922g/cmの高圧法低密度ポリエチレン100重量部を粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#3)10重量部、酸化防止剤ペンタエリスリト−ルテトラキス[3-(3,5-ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製IRGANOX1010)0.3重量部をスーパーミキサーで混合し、140〜160℃に加熱した90mmφの単軸押出機でTダイを用いて厚さ3.8mmの長尺シート状に成形した後、両面から70kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、240℃に加熱した縦型熱風発泡装置で2〜3分加熱し厚さ8.6mm、見掛け密度32kg/mの長尺発泡体を得た。
MFRが3.6g/10分、密度が0.922g/cmの高圧法低密度ポリエチレン100重量部を粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後に防カビ剤として貝殻を焼成したカルシウム成分を50%以上含有する酸化カルシウムと炭酸カルシウムの複合体(日本天然素材株式会社製シェルフィル 平均粒子径15μm、融点350℃以上、沸点350℃以上)0.3重量部ををスーパーミキサーで混合し、150〜250℃に加熱した40mmφの二軸押出機で溶融混練し、ノズルから押出すことにより直径2mmの棒状のストランドを作り、水冷後長さ3mmにカッティングし防カビ性樹脂組成物を得た。該防カビ性樹脂組成物を160〜230℃に加熱した65mmφの単軸押出機に投入しTダイを介してシート状に押し出した直後、上記長尺発泡体と共に間隙を発泡体厚みの半数に調整した2本のロールに通し防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.08mmであった。
表1に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長は肉眼で認められるが、10%に満たない範囲であり合格(○)判定であった。
[実施例5]
MFRが6.0g/10分、密度が0.93g/cm、JIS K 7192に準じた測定方法で測定した酢酸ビニル含有量が10重量%のエチレン−酢酸ビニル供重合樹脂100重量部を粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#3)10重量部、酸化防止剤ペンタエリスリト−ルテトラキス[3-(3,5-ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製IRGANOX1010)0.3重量部をスーパーミキサーで混合し、140〜160℃に加熱した90mmφの単軸押出機でTダイを用いて厚さ1.8mmの長尺シート状に成形した後、両面から50kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、240℃に加熱した縦型熱風発泡装置で2〜3分加熱し厚さ4.7mm、見掛け密度35kg/mの長尺発泡体を得た。
MFRが3.6g/10分、密度が0.922g/cmの高圧法低密度ポリエチレン100重量部を粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後に防カビ剤として貝殻を焼成したカルシウム成分を50%以上含有する酸化カルシウムと炭酸カルシウムの複合体(日本天然素材株式会社製シェルフィル 平均粒子径15μm、融点350℃以上、沸点350℃以上)5.0重量部ををスーパーミキサーで混合し、150〜250℃に加熱した40mmφの二軸押出機で溶融混練し、ノズルから押出すことにより直径2mmの棒状のストランドを作り、水冷後長さ3mmにカッティングし防カビ性樹脂組成物を得た。該防カビ性樹脂組成物を160〜230℃に加熱した65mmφの単軸押出機に投入しTダイを介してシート状に押し出した直後、上記長尺発泡体と共に間隙を発泡体厚みの半数に調整した2本のロールに通し防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.43mmであった。
表1に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長が肉眼でほとんど確認できず合格(◎)判定であった。
[実施例6]
熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#3)16重量部とした他は実施例1と同様に長尺発泡体を得た。この時の発泡体は厚さ5.8mm、見掛け密度21kg/mであった。
また、防カビ剤としてイオン交換したベンザルコニウムを有する燐酸塩化合物(ラサ工業株式会社製QB−2500 平均粒子径153μm、融点350℃以上、沸点350℃以上)3.0重量部とした他は実施例1と同様に防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は1.12mmであった。
表1に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長が肉眼でほとんど確認できず合格(◎)判定であった。
[実施例7]
熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#3)2.5重量部とした他は実施例1と同様に長尺発泡体を得た。この時の発泡体は厚さ1.9mm、見掛け密度105kg/mであった。
また、防カビ剤としてイオン交換した銀を有する燐酸塩化合物(ラサ工業株式会社製AN−600 平均粒子径137μm、融点350℃以上、沸点350℃以上)0.1重量部とした他は実施例1と同様に防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.10mmであった。
表1に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長は肉眼で認められるが、20%に程度の範囲であり明らかに50%以下のカビの覆い状態であることから合格(○)判定であった。
[実施例8]
防カビ剤として2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(融点301℃、沸点350℃以上)0.2重量部を加えた他は実施例1と同様に長尺発泡体を得た。この時の発泡体は厚さ4.3mm、見掛け密度31kg/mであった。
また実施例1と同様に防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.20mmであった。
表2に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長が肉眼でほとんど確認できず合格(◎)判定であった。
[実施例9]
実施例2の規則的凹凸形状を有した防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を100mm幅に裁断し、最小直径が34mmの円錐状口金中に180℃の熱風を吹付けながら円筒状に成型した。
試験体採取調整として、円筒状の一方を長手方向に切断して広げ、80℃の熱風循環式オーブン中に全面を覆うよう10g/cmの荷重を加え12時間放置し平板状とした後5cm角を裁断し試験体とし、カビ抵抗性試験を実施した。
表2に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長が肉眼でほとんど確認できず合格(◎)判定であった。
[実施例10]
実施例1の防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を150℃の熱風オーブン中で3分間加熱し、直径180mm、深さ50mmの円柱状メス型金型で真空成型した。
該成型品の円柱底面から後5cm角を裁断し試験体とし、カビ抵抗性試験を実施した。
表2に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果カビの成長が肉眼でほとんど確認できず合格(◎)判定であった。
[比較例1]
防カビ剤を用いない以外は実施例1と同様にポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.21mmであった。
表3に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果肉眼で明らかに認められカビが試料表面の大半を覆い、80%以上を覆ったと判断したため不合格(×)判定であった。
[比較例2]
防カビ剤として2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(融点301℃、沸点350℃以上)0.001重量部とした以外は実施例1と同様にポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.21mmであった。
表3に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果肉眼で明らかに認められカビが試料表面の半分以上を覆い、60%以上を覆ったと判断したため不合格(×)判定であった。
[比較例3]
防カビ剤としてジイソプロピル1,3−ジチオラン−2−イリデンマロナート(融点53℃、沸点172℃以上)0.2重量部とした以外は実施例1と同様にポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層は逃散による気泡孔が多く発生していた。厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.21mmであった。
表3に示すとおり、上記方法で得た防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のカビ抵抗性試験結果は14日培養後の試験片表面観察の結果肉眼で明らかに認められカビが試料表面の半分以上を覆い、60%以上を覆ったと判断したため不合格(×)判定であった。
Figure 2009051155
Figure 2009051155
Figure 2009051155
以上述べたように、実施例に示した本発明による防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体はポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも片面の表層面に、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤0.01〜10重量部を少なくとも含むポリオレフィン系樹脂層を設けることで得ることができる。
真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤を含むポリオレフィン系樹脂層設けたポリオレフィン系樹脂積層発泡体であり、飲食店の食品や飲料の貯蔵、冷却庫の配管や食品販売店舗のショーケースにの配管に用いることができる。

Claims (5)

  1. 真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤を少なくとも含むポリオレフィン系樹脂層を、見掛け密度が20〜200kg/mの範囲であるポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも片面の表層面に設けたことを特徴とする防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
  2. ポリオレフィン系樹脂発泡体に、真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤を含む請求項1記載の防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
  3. 真菌の成長や発育を抑制・阻止する薬剤が(1)金属イオンやイオン交換した有機系防カビ剤を含有する無機系化合物、(2)カルシウム化合物、(3)合成有機系化合物から選ばれる少なくとも1種からなり、該化合物の含有量の総量がポリオレフィン系樹脂層のポリオレフィン系樹脂100重量部に対し0.01〜10重量部である請求項1または2に記載の防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体からなる円筒体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の防カビ機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体からなる成型体。
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