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JP2009045794A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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JP2009045794A JP2007213010A JP2007213010A JP2009045794A JP 2009045794 A JP2009045794 A JP 2009045794A JP 2007213010 A JP2007213010 A JP 2007213010A JP 2007213010 A JP2007213010 A JP 2007213010A JP 2009045794 A JP2009045794 A JP 2009045794A
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Toshiyuki Makuta
俊之 幕田
Hisamitsu Hori
久満 堀
Tsutomu Takatsuka
務 高塚
Gentaro Furukawa
源太郎 古川
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Abstract

【課題】中間転写体上でのインク液滴の移動を防止し、所望の広がり率を達成し、着弾干渉のない高品位画像の形成を可能とする。
【解決手段】中間転写体上に主走査方向(中間転写体の搬送方向に垂直な方向)に沿って複数の第1インク液滴が互いに接触せずに離間配置されるように打滴する工程と、複数の第1インク液滴の打滴位置に対してそれぞれ第1処理液滴を打滴する工程と、第1インク液滴及び第1処理液滴が打滴される工程後に複数の第1インク液滴間に第2インク液滴が配置されるように打滴する工程と、第1インク液滴及び第1処理液滴が打滴される工程後に第2インク液滴の打滴位置に対して第2処理液滴を打滴する工程と、中間転写体上のインク及び処理液の溶媒成分を除去する工程と、中間転写体から記録媒体に対して画像を転写する工程とを含む画像形成方法を提供することにより、前記課題を解決する。
【選択図】 図3

Description

本発明は画像形成方法及び画像形成装置に係り、特に、中間転写体上でインク及び処理液を混合反応させてインク凝集体(色材凝集体)からなるインク画像を形成し、中間転写体上に形成されたインク画像を記録媒体に転写する画像形成方法及び画像形成装置に関する。
現在、デジタルカメラにより撮影された画像や印刷物の複製画像などを出力する汎用の画像形成装置としてインクジェット記録装置が好適に用いられている。インクジェット記録装置は、紙のみならず樹脂シートや金属シートなど多種多様な記録媒体を用いることが可能である。インクジェット記録装置の最近の動向として、記録媒体の種類によらず高品位画像を出力したいという要望が高くなっている。
しかし、浸透性を有する記録媒体(例えば、普通紙や再生紙)を用いる場合には、記録媒体の繊維に沿ったインク滲みである「フェザーリング」が発生する。また、非浸透性を有する記録媒体や浸透速度が非常に遅い低浸透性を有する記録媒体を用いる場合には、記録媒体上に吐出されたインクを記録媒体が吸収しきれずに流れてしまう「はじき」と呼ばれる現象が発生したり、記録媒体に着弾したインクによるドットが集合し、隣接したインクドット同士が混ざり合う「ビーディング」が発生したりする。更にまた、カラー画像を形成する場合には、重なり合った色の境界部分が滲む「ブリーディング」が発生する。
浸透性を有する記録媒体を用いる場合に生じるフェザーリングを防止する方式として、中間転写体上に画像を形成し、中間転写体に画像を仮固定した後に中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写方式が提案されている。
転写方式では、非浸透性を有する中間転写体上に画像を形成するので、中間転写体上ではインクの浸透によるフェザーリングが発生しない。また、中間転写体に画像を仮固定する際に、インク液滴を乾燥させるとともに増粘させるので、記録媒体に転写された後の記録媒体へのインクの浸透が抑制されるとともに、記録媒体の繊維に沿ってインクが広がるフェザーリングも抑制される。
一方、中間転写体上で隣接するインク液滴同士が接触すると、着弾干渉が発生することがある。図9(a)には、少なくとも接触するように配置される2つのドットを形成する2つのインク液滴200及びインク液滴202が中間転写体204上に着弾した状態を示す。図9(a)に示すように、2つのドットを形成するインク液滴200、202は、大気中に存在するために、その周囲にはメニスカス(大気とインク液滴の界面)206、208が存在する。インク液滴200のメニスカス206とインク液滴202のメニスカス208が互いに接触すると(図9には、メニスカスの接触部分を符号210で図示)、インク液滴200とインク液滴202は表面張力(表面自由エネルギーのバランス)の関係で互いに引き合い、その結果、インク液滴200及びインク液滴202は中間転写体204上で合一してしまう。図9(b)には、図9(a)に示すインク液滴200とインク液滴202が合一して形成されたインク液滴212を示す。
このような着弾干渉による画像劣化を回避する方法として、中間転写体上でインクと処理液を反応させて中間転写体へのインクの定着を促進する、いわゆる2液系の画像形成方式が提案されている。
例えば、溶媒中に着色材(色材)として顔料を分散させた顔料系インクを用いる場合には、インク中に含まれる顔料の凝集を発現する処理液213をインク液滴212に先立ち中間転写体214に付与し、その後、画像データに応じてインク液滴212を付与する(図10(a)参照)。
中間転写体214上で処理液213とインク液滴212が接触し混合すると、図10(b)に示すように、中間転写体214上で処理液213とインク液滴212が反応し、インク凝集体(色材凝集体)216が形成される。図10(c)には、インク液滴212と処理液213の反応が終わり、インク凝集体216によるドットが形成された状態を図示する。
このように、中間転写体上でインク液滴を着弾と同時に素早く凝集(硬化)させることで、はじき、ビーディング、ブリーディングなどの現象の発生を防止することができる。上述した2液系の画像形成方式は、非浸透性を有する媒体を用いる場合に、特に効果を発揮する。
特許文献1には、はじきやビーディング、ブリーディングが抑制された画像を中間転写体上に形成する方法として、転写ドラム(中間転写体)へインクの流動性を低下させる第1材料を付与し、その第1材料に対して着色インク液を付与し、樹脂を含有する第2材料を付与して、中間転写体上に形成されたインク像を記録媒体へ転写するインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置が提案されている。
特開2005−170036号公報
しかしながら、図10(a)〜(c)を用いて説明した従来技術に係る2液系の画像形成方式では、処理液量がインク液滴量に対して少な過ぎる場合には、インク液滴を凝集させる効果を十分に発揮することができない。また、処理液量がインク液滴量に対して過剰な場合には、インク液滴が十分に広がる前に凝集反応が終了してしまうので、インク液滴が所定の大きさに広がらず、所定のサイズのインク凝集体(ドット)を得ることができず、また、インク凝集体と中間転写体との間の所定の接触面積を確保できない。
更に、インク液滴が中間転写体に到着するまでに凝集反応が終了してしまうので、インク凝集体と中間転写体との間の接着力が十分ではなくなってしまい、インク凝集体(ドット)が不安定な付着状態(例えば、処理液内を浮遊する状態)となってしまう。即ち、処理液量がインク液滴量に対して過剰な場合には、ドットの移動及びドットサイズの異常による画像乱れが発生してしまう。
特許文献1に記載された発明では、インクの流動性を低下させる第1材料として、インクと接触することでインクを凝集させる材料を、転写ドラム上に塗布ローラによって塗布ローラした後に、インクジェットヘッドにてインクを付与するので、第1材料の液中にインク液滴が着弾すると同時に凝集反応が起こり、転写ドラムの全面に第1材料が存在することから、色材の移動が起こり、画像が乱れるという問題が発生する。
また、インクの凝集力によって第1材料中でインク液滴が広がらず、所望のサイズのドットが形成されず、好ましいベタ画像が形成できない現象や、所望の幅よりも線幅が狭まる現象、ベタ画像が複数の線状に分離する現象などが発生してしまい、インクの凝集力による広がり率の低下や、色材(ドット)の移動が見られる。
更に、第1材料の厚さを1μm以下にすると、隣接する打滴点に重なるようにインク液滴を打滴する場合に、隣接するインク液滴同士に着弾干渉が発生し、合一したインク液滴となってしまい、ドット形状に乱れが発生する現象が見られる(図9(b)参照)。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、中間転写体に対してインク及び処理液をそれぞれ付与して、インク凝集体(色材凝集体)からなる画像を形成し、中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写方式において、中間転写体上でのインク液滴の移動を防止し、所望の広がり率を達成し、着弾干渉のない高品位画像の形成を可能とする画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る画像形成方法は、中間転写体を搬送しつつ、前記中間転写体に対して色材を含有するインク及び前記色材を凝集させる処理液をそれぞれ付与して、前記色材の凝集体からなる画像を前記中間転写体上に形成し、前記中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写する画像形成方法であって、前記中間転写体上に前記中間転写体の搬送方向に垂直な方向に沿って複数の第1インク液滴が互いに接触せずに離間配置されるように、前記中間転写体に対して前記複数の第1インク液滴を打滴する第1インク打滴工程と、前記中間転写体上の前記複数の第1インク液滴の打滴位置に対してそれぞれ第1処理液滴を打滴する第1処理液打滴工程と、前記第1インク打滴工程及び前記第1処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上に離間配置された前記複数の第1インク液滴間に第2インク液滴が配置されるように、前記中間転写体に対して前記第2インク液滴を打滴する第2インク打滴工程と、前記第1インク打滴工程及び前記第1処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上の前記第2インク液滴の打滴位置に対して第2処理液滴を打滴する第2処理液打滴工程と、前記中間転写体上の前記インク及び前記処理液の溶媒成分を除去する溶媒除去工程と、前記中間転写体から前記記録媒体に対して画像を転写する転写工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、中間転写体上で中間転写体の搬送方向に垂直な方向に隣接する位置に打滴されるインク液滴同士(第1及び第2インク液滴)は、一方のインク液滴(第1インク液滴)が処理液滴との混合反応によって凝集してから、他方のインク液滴(第2インク液滴)が打滴されるため、これらインク液滴同士が互いに接触しても合一することなく、着弾干渉が防止される。また、各インク液滴とそれぞれ同一位置に対して処理液滴が打滴されるため、色材が移動することなく、各インク液滴は所定の大きさに広がり、所望の広がり率を確保することができる。これによって、高品質な画像形成が可能となる。
本発明において、各インク打滴工程はそれぞれ対応する処理液打滴工程よりも先に行われることが好ましい。即ち、好ましい順序としては、第1インク打滴工程、第1処理液打滴工程、第2インク打滴工程、第2処理液工程である。中間転写体上で各インク液滴が所定の大きさに広がり、所望の広がり率を確保することができる。
なお、「広がり率」とは、インク液滴の吐出体積を真球に換算したときの直径に対する記録媒体上で定着したドットの直径の比で定義される。
また、転写工程後に中間転写体及び記録媒体を冷却する冷却工程と、中間転写体から記録媒体を剥離する剥離工程と、剥離工程後に中間転写体を清掃する清掃工程と、中間転写体から剥離された記録媒体に画像を定着させるために記録媒体を加熱する定着工程と、を含む態様が好ましい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成方法の一態様に係り、前記第1インク打滴工程及び前記第1処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上に配置された前記第1インク液滴の前記中間転写体の搬送方向に隣接する位置に第3インク液滴が配置されるように、前記中間転写体に対して前記第3インク液滴を打滴する第3インク打滴工程と、前記第1インク打滴工程及び前記第1処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上の前記第3インク液滴の打滴位置に対して第3処理液滴を打滴する第3処理液打滴工程と、 を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、中間転写体の搬送方向に垂直な方向だけでなく、中間転写体の搬送方向に隣接する位置に打滴されるインク液滴同士(第1及び第3インク液滴)についても、一方のインク液滴(第1インク液滴)が処理液滴との混合反応によって凝集してから、他方のインク液滴(第3インク液滴)が打滴されるため、これらインク液滴同士が互いに接触しても合一することなく、着弾干渉が防止される。また、各インク液滴とそれぞれ同一位置に対して処理液滴が打滴されるため、色材が移動することなく、各インク液滴は所定の大きさに広がり、所望の広がり率を確保することができる。これによって、更に高品質な画像形成が可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法の一態様に係り、 前記第2インク打滴工程及び前記第2処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上に配置された前記第2インク液滴の前記中間転写体の搬送方向に隣接する位置に第4インク液滴が配置されるように、前記中間転写体に対して前記第4インク液滴を打滴する第4インク打滴工程と、前記第2インク打滴工程及び前記第2処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上の前記第4インク液滴の打滴位置に対して第4処理液滴を打滴する第4処理液打滴工程と、を含むことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、中間転写体の搬送方向に垂直な方向だけでなく、中間転写体の搬送方向に隣接する位置に打滴されるインク液滴同士(第2及び第4インク液滴)についても、一方のインク液滴(第2インク液滴)が処理液滴との混合反応によって凝集してから、他方のインク液滴(第4インク液滴)が打滴されるため、これらインク液滴同士が互いに接触しても合一することなく、着弾干渉が防止される。また、各インク液滴とそれぞれ同一位置に対して処理液滴が打滴されるため、色材が移動することなく、各インク液滴は所定の大きさに広がり、所望の広がり率を確保することができる。これによって、更に高品質な画像形成が可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法の一態様に係り、前記インクはpH5未満で凝集する酸ポリマーを含有する液体であり、前記処理液はpH5未満の液体であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、ポリマー微粒子が極性変換を起こし、インクに含有する着色材粒子との間に引力が発生し凝集力が強くなるとともに、インク液滴の凝集速度が速くなり、インク液滴は素早く凝集することができる。
また、上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は装置発明を提供する。即ち、請求項5に記載の発明に係る画像形成装置は、中間転写体を搬送しつつ、前記中間転写体に対して色材を含有するインク及び前記色材を凝集させる処理液をそれぞれ付与して、前記色材の凝集体からなる画像を前記中間転写体上に形成し、前記中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写する画像形成装置であって、前記中間転写体上に前記中間転写体の搬送方向に垂直な方向に沿って複数の第1インク液滴が互いに接触せずに離間配置されるように、前記中間転写体に対して前記複数の第1インク液滴を打滴する第1インク打滴手段と、前記中間転写体上の前記複数の第1インク液滴の打滴位置に対してそれぞれ第1処理液滴を打滴する第1処理液打滴手段と、前記第1インク打滴手段及び前記第1処理液打滴手段より前記中間転写体の搬送方向下流側に設けられ、前記中間転写体上に離間配置された前記複数の第1インク液滴間に第2インク液滴が配置されるように、前記中間転写体に対して前記第2インク液滴を打滴する第2インク打滴手段と、前記第1インク打滴手段及び前記第1処理液打滴手段より前記中間転写体の搬送方向下流側に設けられ、前記中間転写体上の前記第2インク液滴の打滴位置に対して第2処理液滴を打滴する第2処理液打滴手段と、前記中間転写体上の前記インク及び前記処理液の溶媒成分を除去する溶媒除去手段と、前記中間転写体から前記記録媒体に対して画像を転写する転写手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明において、中間転写体の搬送方向に関して、第1インク打滴手段と第1処理液打滴手段が配置される順序は特に限定されるものではないが、第1インク打滴手段により打滴される第1インク液滴の広がり率を確保する観点から、第1インク打滴手段が第1処理液打滴手段よりも上流側に配置されることが好ましい。第2インク打滴手段と第2処理液打滴手段が配置される順序についても同様であり、第2インク打滴手段が第2処理液打滴手段よりも上流側に配置されることが好ましい。
また、溶媒除去手段は、中間転写体に接触して中間転写体上の溶媒成分を吸収除去する接触式の吸収手段を適用してもよいし、中間転写体に非接触で中間転写体上の溶媒成分を除去する非接触式の手段を適用してもよい。
また、溶媒除去手段により中間転写体上の溶媒が除去された後、転写手段による転写前に、中間転写体を予備加熱する予備加熱手段を備える態様が好ましい。予備加熱手段により中間転写体及び記録媒体の温度をポリマー微粒子の軟化点温度未満とする態様が好ましい。
また、転写後に中間転写体及び記録媒体を冷却する冷却手段と、中間転写体から記録媒体を剥離する剥離手段と、中間転写体から記録媒体を剥離した後に中間転写体を清掃する清掃手段と、中間転写体から剥離された記録媒体に画像を定着させるために記録媒体を加熱する定着手段と、を含む態様が好ましい。
本発明によれば、中間転写体上で中間転写体の搬送方向に垂直な方向に隣接する位置に打滴されるインク液滴同士(第1及び第2インク液滴)は、一方のインク液滴(第1インク液滴)が処理液滴との混合反応によって凝集してから、他方のインク液滴(第2インク液滴)が打滴されるため、これらインク液滴同士が互いに接触しても合一することなく、着弾干渉が防止される。また、各インク液滴とそれぞれ同一位置に対して処理液滴が打滴されるため、色材が移動することなく、各インク液滴は所定の大きさに広がり、所望の広がり率を確保することができる。これによって、高品質な画像形成が可能となる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
(第1の実施形態)
〔インクジェット記録装置〕
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置10は、中間転写体12に対してインク及び処理液をそれぞれ付与する印字部16と、中間転写体12上のインク及び処理液の溶媒成分を除去する溶媒除去部18と、中間転写体12から記録媒体14に対して画像転写する転写部20とから主に構成される。
印字部16の構成については後で詳説するが、印字部16には、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の各色のインクを吐出するインクジェット方式の液体吐出ヘッド(以下、「インクヘッド」という)がそれぞれ複数設けられるとともに、インクを凝集させる処理液(色材凝集液)を吐出するインクジェット方式の液体吐出ヘッド(以下、「処理液ヘッド」という。)が各インクヘッドにそれぞれ対応して設けられる。以下では、インクヘッド及び処理液ヘッドを総称して、単に「ヘッド」ということがある。
各ヘッドは中間転写体12の画像形成面12Aにそれぞれ対向する位置に配置されており、各ヘッドから中間転写体12に対してそれぞれ対応する液体(インク又は処理液)が液滴化された状態で吐出される。
本例で用いるインク及び処理液については後で詳説するが、本例では、各色に対応した色材(着色材)として顔料を含有するインク(顔料インク)と、インクに含有される色材を凝集させる成分を含有した処理液とが用いられる。
図1に示す中間転写体12には無端状ベルトが適用され、中間転写体(無端状ベルト)12は複数の張架ローラ(図1には7つの張架ローラ22A〜22Gを図示)に巻きかけられた構造を有し、張架ローラ22A〜22Gの少なくとも1つにモータ(図1中不図示、図5に符号88として図示)の動力が伝達されることにより、中間転写体12は、図1において反時計回り方向(図1中、矢印Aで示す方向)に駆動される。
中間転写体(無端状ベルト)12は、印字部16と対向する表面(画像形成面)12Aの少なくとも1次画像が形成される画像形成領域(不図示)には、樹脂、金属やゴムなどのインク液滴が浸透しない非浸透性を有している。また、中間転写体12の少なくとも画像形成領域は、所定の平坦性を有する水平面(フラット面)をなすように構成されている。
中間転写体12の画像形成面12Aを含む表面層に用いられる好ましい材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂等の公知の材料が挙げられる。
また、中間転写体12の表面層の表面張力は10mN/m以上40mN/m以下とする態様が好ましい。中間転写体12の表面層の表面張力を40mN/m以上とすると、1次画像が転写される記録媒体14との表面張力差がなくなり(または、極めて小さくなり)、インク凝集体の転写性が悪化する。更に、中間転写体12の表面層の表面張力が10mN/m以下であると、中間転写体12の表面層の設計自由度(選択範囲)が狭くなる。
図2は、図1に示したインクジェット記録装置10の印字部16の周辺を示した要部平面図である。図2に示すように、印字部16は、中間転写体搬送方向に沿って上流側から順に配置された、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の各色インクに対応した複数の打滴部24(24C、24M、24Y、24K)から構成されており、各打滴部24にはそれぞれ複数のインクヘッド26及び処理液ヘッド28が中間転写体搬送方向に沿って交互に設けられている。
本例の打滴部24には、各色インクに対応した2つのインクヘッド(第1及び第2のインクヘッド)26A、26Bが設けられるとともに、各インクヘッド26A、26Bにそれぞれ対応する処理液ヘッド(第1及び第2の処理液ヘッド)28A、28Bが中間転写体搬送方向下流側に隣接して設けられている。具体的には、図2に示すように、中間転写体搬送方向に沿って上流側から順に、第1のインクヘッド26A、第1の処理液ヘッド28A、第2のインクヘッド26B、第2の処理液ヘッド28Bが配置される。
各打滴部24(24C、24M、24Y、24K)に設けられるインクヘッド26(26A、26B)、及び処理液ヘッド28(28A、28B)は、それぞれ中間転写体12における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有し、その吐出面には画像形成領域の全幅にわたって液滴吐出用のノズル(図1中不図示、図3に符号51で図示)が複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。各ヘッド26、28は、中間転写体搬送方向と直交する方向に延在するように固定設置される。
各ヘッド26、28の吐出方式は、圧電素子の変位を利用して液体を吐出する方式(圧電方式)、発熱素子で生じる熱エネルギーを利用して液体を吐出する方式(サーマル方式)、その他各種方式を適用することが可能である。
本例の各ヘッド26、28は圧電方式のヘッドが適用され、ヘッド内部に設けられる圧力室内の液体(インク又は処理液)が圧電素子の変位によって加圧され、圧力室に連通するノズルから液滴として吐出される。
各ヘッド26、28は、中間転写体12における画像形成領域の最大幅に満たない短尺のヘッドブロック(ヘッドチップ)を千鳥状に配列して繋ぎ合わせたり、或いは一列に並べたりして、中間転写体12の全幅に対応する長さのノズル列を有するライン型のヘッドを構成してもよい。
中間転写体12の幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッドを吐出液別に設ける構成によれば、中間転写体搬送方向(副走査方向)について、中間転写体12と印字部16を構成する各打滴部24を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、中間転写体12の画像形成領域に1次画像を記録することができる。これにより、中間転写体搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドが適用される場合に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
また、本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、中間転写体12の主走査方向の長さに満たない短尺のヘッドを主走査方向に走査させて当該主走査方向の印字を行い、1回の主走査方向の印字が終わると中間転写体12を副走査方向に所定量だけ移動させて、次の印字領域の中間転写体12の主走査方向の印字を行い、この動作を繰り返して中間転写体12の印字領域の全面にわたって印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
図3は、打滴部24に配置される各ヘッド26、28のノズル配置構造の一例を示した構成図である。本例では、説明の便宜上、各ヘッド26、28のノズル数が6つである場合を一例として説明するが、もちろん、ノズル数は本例に限定されるものではない。
図3に示すように、各ヘッド26、28には、中間転写体搬送方向(副走査方向)に対して直交する方向(主走査方向)に沿って2列の千鳥状に複数のノズル51が配列されている。各ヘッド26、28のノズル配置構造は本例に限定されず、例えば、主走査方向に沿って1列に配列されたノズル列を有する構造や、複数のノズルが2次元的(マトリクス状)に配列された構造を適用することも可能である。
第1及び第2のインクヘッド26A、26Bに設けられる各ノズル51(51A、51B)を主走査方向に沿って1列に並ぶように投影した投影ノズル列52は、第1のインクヘッド26Aに設けられるノズル51Aと第2のインクヘッド26Bに設けられるノズル51Bとが主走査方向に沿って交互に等間隔で配列されるように構成される。即ち、第1及び第2のインクヘッド26A、26Bは互いに補完しあう関係にあり、例えば、図3中右側に示した主走査方向のドット列54を形成する場合には、第1及び第2のインクヘッド26A、26Bに設けられる各ノズル51(51A、51B)から打滴が行われる。
本実施形態では、第1及び第2のインクヘッド26A、26Bの各ノズル51(51A、51B)から構成される投影ノズル列52において、主走査方向に隣接するノズル51A、51Bの中心間距離(ノズルピッチ)をN、同一ヘッド内で主走査方向に隣接するノズル51A、51A(又は、51B、51B)同士の中心間距離(ノズルピッチ)をN、各ノズル51A、51Bから打滴されるインク液滴によって中間転写体12上に形成されるドットの直径(ドット径)をDとしたとき、次式 N<D<N(=2N)の関係を満たしている。つまり、図3に示すドット列54のように、投影ノズル列52において、主走査方向に隣接するノズル51A、51Bから打滴されたインク液滴によって形成されるドット同士は少なくともその一部が重なり、且つ、同一ヘッド内で主走査方向に隣接するノズル51A、51A(又は、51B、51B)から打滴されたインク液滴によって形成されるドット同士は重ならないように各インクヘッド26A、26Bの各ノズル51(51A、51B)のノズルピッチやドットサイズ(吐出液滴量)が決められている。
第1及び第2の処理液ヘッド28A、28Bは、それぞれ中間転写体搬送方向上流側に隣接して配置されるインクヘッド26A、26Bと同一構成(ノズル配置構造含む)が適用される。即ち、各処理液ヘッド28A、28Bの各ノズル51は、それぞれ中間転写体搬送方向上流側に隣接して配置されるインクヘッド26A、26Bの各ノズル51と主走査方向に関して同一位置に設けられる。
本実施形態において、例えば、図3の右側に示したドット列54を形成する場合には、次のような打滴順序で行われる。即ち、中間転写体12が搬送されつつ、まず、中間転写体12上の画像形成領域(ドット列54を形成すべき位置)が第1のインクヘッド26Aに対向する位置に移動したところで、第1のインクヘッド26Aの各ノズル51からそれぞれ第1インク液滴が打滴され、中間転写体12上に複数の第1インク液滴が中間転写体搬送方向に直交する方向(主走査方向)に沿って互いに接触せずに離間配置される。続いて、中間転写体12上の画像形成領域が第1の処理液ヘッド28Aに対向する位置に移動したところで、中間転写体12上に離間配置された複数の第1インク液滴と同一の打滴位置に対して、第1の処理液ヘッド28Aの各ノズル51からそれぞれ第1処理液滴が打滴される。中間転写体12上に離間配置された複数の第1インク液滴はそれぞれ同一位置に打滴された第1処理液滴と混合反応して、色材凝集体(ドット)が中間転写体12上に形成される。更に、その後、中間転写体12上の画像形成領域が第2のインクヘッド26Bに対向する位置に移動したところで、第2のインクヘッド26Bの各ノズル51からそれぞれ第2インク液滴が打滴され、中間転写体12上に離間配置された隣接する第1インク液滴同士の間にそれぞれ第2インク液滴が配置される。続いて、中間転写体12上の画像形成領域が第2の処理液ヘッド28Bに対向する位置に移動したところで、中間転写体12上に配置された第2インク液滴と同一の打滴位置に対して、第2の処理液ヘッド28Bの各ノズル51からそれぞれ第2処理液滴が打滴される。上記同様、中間転写体12上に配置された複数の第2インク液滴はそれぞれ同一位置に打滴された第2処理液滴と混合反応して色材凝集体(ドット)が中間転写体12上に形成される。こうして、中間転写体12上に主走査方向のドット列54が形成される。
このような打滴方法によれば、中間転写体12上で主走査方向に隣接する位置に打滴されるインク液滴同士(第1及び第2インク液滴)は、一方のインク液滴(第1インク液滴)が処理液滴との混合反応によって凝集してから、他方のインク液滴(第2インク液滴)が打滴されるため、インク液滴同士が互いに接触しても合一することなく、着弾干渉が防止される。また、各インク液滴とそれぞれ同一位置に対して処理液滴が打滴されるため、色材が移動することなく、各インク液滴は所定の大きさに広がり、所望の広がり率を確保することができる。これによって、高品質な画像が中間転写体12上に形成される。
本発明の実施に際して、インクヘッド26及びそれに対応する処理液ヘッド28の配置順序は図3に示した例に限定されず、インクヘッド26の中間転写体搬送方向上流側に隣接して該インクヘッド26に対応する処理液ヘッド28を設けて、中間転写体12上の所定の打滴位置に対して処理液滴、インク液滴の順で打滴を行ってもよい。
但し、本実施形態のように、中間転写体12上の所定の打滴位置に対してインク液滴、処理液滴の順で打滴を行う態様の方が好ましく、中間転写体12の表面層のぬれ性を制御することによって、中間転写体12上でインク液滴が所定の大きさに広がり、所望の広がり率を確保することができる。例えば、中間転写体12の表面層のぬれ性を制御することによって、ドット径の制御が容易となる。
なお、本実施形態の打滴方法は、中間転写体12上にベタ画像を形成する場合に限らず、主走査方向(中間転写体搬送方向)に隣接するドット同士が重なり部をもつ画像を含む場合に好適であり、着弾干渉のない高品質な画像形成が可能となる。
図1において、液体貯蔵/装填部34は、各打滴部24(24C、24M、24Y、24K)に配置される各ヘッド26、28(図2参照)にそれぞれ供給する液体(色インク又は処理液)を各々貯蔵する液体タンク(図1中不図示、図4に符号60で図示)を含んで構成され、各タンクは所要の流路を介してそれぞれ対応するヘッドと連通されており、各ヘッドに対してそれぞれ対応する液体(インク又は処理液)を供給する。また、液体貯蔵/装填部34は、タンク内の液体残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、液体間の誤装填を防止するための機構を有している。
更に、本例のインクジェット記録装置10は、中間転写体12上に付着したインク液滴が凝集されることで分離された液体成分(インク及び処理液の溶媒)を吸収除去する溶媒除去部18と、中間転写体12を予備加熱する予備加熱部36と、給紙部38から供給される記録媒体14を支持して搬送するための記録媒体搬送用ローラ対40A、40Bと、記録媒体搬送用ローラ対40A、40Bでニップ搬送される記録媒体14へ中間転写体12に形成された1次画像を転写する転写部20と、中間転写体12と記録媒体14とが貼り合わさった状態で中間転写体12及び記録媒体14を冷却する冷却部42と、中間転写体12から記録媒体14を剥離する剥離部44と、転写後の中間転写体12の画像形成面12Aに付着している残インクや溶媒等を除去するクリーニング部46とを備えている。また、剥離部44の記録媒体搬送方向(図1中、矢印Bで示す方向)の下流側には、記録媒体14に転写された画像を定着させる定着部48を備えている。
溶媒除去部18は、印字部16の中間転写体搬送方向下流側に配置され、中間転写体12を挟んでローラ22Bに対向する位置に設けられた溶媒除去ローラ18Aを含んで構成される。溶媒除去ローラ18Aはローラ状の多孔質体で構成され、中間転写体12の画像形成面12Aに当接させるように配置される。処理液の作用によってインク凝集体が形成され、インク凝集体と分離したインク及び処理液の液体溶媒(残溶媒)は、溶媒除去ローラ18Aによって中間転写体12上から除去される。
溶媒除去ローラ18Aの表面(中間転写体12の画像形成面12Aと接触する面)の表面エネルギーは中間転写体12の画像形成面12Aの表面エネルギーよりも小さいことが好ましく、本例では、溶媒除去ローラ18Aはその表面の表面エネルギーが30mN/m以下の部材が適用される。
上述した表面エネルギーの条件を満たす溶媒除去ローラ18Aを用いて溶媒除去を行うことで、溶媒除去ローラ18Aにインク凝集体が付着することを防止し、中間転写体12上の溶媒のみ除去が可能となる。
なお、溶媒除去ローラ18Aに代えて、エアナイフで余剰な溶媒を中間転写体12から取り除く方式や、中間転写体12を加熱して溶媒を蒸発させ除去する方式などを適用してもよい。溶媒除去の方式としては、先に例示した何れの方式でもよいが、加熱によらない方式を用いる方がより好ましい。
中間転写体12の表面を加熱する方式や、中間転写体12上のインク凝集体に熱を付与して溶媒を蒸発させる方式では、インク凝集体の過剰加熱により溶媒を過剰除去してしまい、転写時において好ましい凝集体の粘弾性を維持できず、かえって記録媒体14への転写性が低下することがある。更にまた、過剰加熱により生じた熱が各ヘッド26、28の吐出性能へ影響を与えることも懸念される。
一方、溶媒除去ローラ18Aによって中間転写体12の画像形成面12A上の溶媒を除去する態様では、中間転写体12の画像形成面12Aに処理液が多く付与されるような場合でも、中間転写体12上の溶媒が好適に除去されるため、転写部20で記録媒体14に多量の溶媒(分散媒)が転写されることはない。したがって、記録媒体14として紙類が用いられるような場合でも、カール、カックルといった水系溶媒に特徴的な問題が発生しない。
また、溶媒除去部18を用いてインク凝集体から余分な溶媒を除去することによって、インク凝集体を濃縮し、より内部凝集力を高めることができる。これによりインク凝集体に含まれる樹脂粒子の融着が効果的に促進され、転写部20による転写工程までにより強い内部凝集力をインク凝集体に付与することができる。更に、溶媒除去によるインク凝集体の効果的な濃縮により、記録媒体14に画像を転写した後も良好な定着性や光沢性を画像に付与することができる。
なお、溶媒除去部18によって、中間転写体12上の溶媒すべてを除去する必要は必ずしもない。過剰に除去しすぎてインク凝集体を濃縮しすぎるとインク凝集体の転写体の付着力が強くなりすぎて、転写に過大な圧力を必要とするため好ましくない。むしろ転写性に好適な粘弾性を保つためには、少量残留させることが好ましい。
中間転写体12上の溶媒を少量残留させることで得られる効果として、次のことが挙げられる。即ち、インク凝集体は疎水性であり、揮発しにくい溶媒成分(主にグリセリンなどの有機溶剤)は親水性であるので、インク凝集体と残留溶媒成分は溶媒除去実施後に分離し、残留溶媒成分からなる薄い液層がインク凝集体と中間転写体12との間に形成される。したがって、インク凝集体の中間転写体12への付着力は弱くなり、転写性向上に有利である。
予備加熱部36は、溶媒除去部18の中間転写体搬送方向下流側に配置され、中間転写体12の画像形成面12Aの裏面12B側に設けられたヒータ(図1中不図示、図5に符号89で図示)を含んで構成され、1次画像が形成された中間転写体12を裏面12B側からヒータによって予備加熱する構成となっている。
予備加熱部36に配置されるヒータの加熱温度範囲は40℃〜100℃であり、転写時の加熱温度よりも低く設定される。中間転写体12の画像形成領域を予備加熱することで、予備加熱を行わない場合に比べて転写部20の加熱温度を低く設定することが可能となり、更に、転写部20の転写時間を少なくすることができる。
記録媒体14を転写部20へ供給する給紙部38の構成としては、ロール紙(連続用紙)のマガジンを備える態様、或いは、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給する態様がある。ロール紙を使用する装置構成の場合、裁断用のカッターが設けられており、該カッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンやカセットを併設してもよい。
複数種類の記録媒体を利用可能な構成にした場合、メディアの種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
本例に適用される記録媒体14の具体例を挙げると、普通紙、インクジェット専用紙などの浸透性媒体、コート紙などの非浸透性又は低浸透性の媒体、裏面に粘着剤と剥離ラベルの付いたシール用紙、OHPシートなどの樹脂フィルム、金属シート、布、木など様々な媒体がある。
転写部20は、予備加熱部36の中間転写体搬送方向下流側に配置され、ヒータ(図1中不図示、図5に複数のヒータを代表して符号89で図示)を有した転写加熱ローラ20Aと、これに対向して配置される加熱加圧ニップ用の加熱対向ローラ20Bとを含んで構成され、これらローラ20A、20B間に中間転写体12と記録媒体14とを挟み込み、所定の温度(インク中の分散剤、ラテックス等のポリマーが含有される場合にはポリマーの軟化点以上の温度が好ましい)に加熱しながら、所定の圧力(ニップ圧)で加圧することにより、中間転写体12上に形成された1次画像を記録媒体14に転写する構成となっている。
転写部20による転写時の加熱温度は80℃〜170℃が好ましく、転写性の観点から100℃〜150℃がさらに好ましい。転写部20による転写時の加熱温度が170℃以上になると、中間転写体12の変形等の問題があり、一方、80℃以下になると転写性が悪化するという問題がある。
転写部20における転写時のニップ圧を調整するための手段としては、例えば、転写加熱ローラ20Aを図1の上下方向(符号Cで図示)に移動させる機構(駆動手段)が挙げられる。
冷却部42は、転写部20の中間転写体搬送方向下流側に配置され、転写部20を通過して中間転写体12と記録媒体14が張り合わさった状態のものを冷却する。冷却部42には、冷却ファン等で冷気を送風する態様が適用され、冷却温度等を調整可能であることが好ましい。本例に示す冷却部42は、所望の温度まで冷却するための中間転写体12の移動時間(冷却時間)が確保されている構成となっている。中間転写体12と記録媒体14とを冷却後に剥離することで、温度ムラ等に起因した転写不良を防止することができ、安定した画像の転写(剥離)が可能となる。
剥離部44は、冷却部42の中間転写体搬送方向下流側に配置され、中間転写体12の剥離ローラ22Eの巻き付け曲率によって、記録媒体14自身の剛性(腰の強さ)で中間転写体12から記録媒体14を剥離するように構成されている。剥離部44には、剥離爪等の剥離を促進させる手段を併用してもよい。
定着部48は、剥離部44の記録媒体搬送方向(図1中、矢印Bで示す方向)下流側に配置され、100℃〜180℃の範囲で温度調整可能な加熱ローラ対48Aを含んで構成される。定着部48では、ポリマー微粒子を造膜させる(画像の最表面にポリマー微粒子が溶解した薄膜が形成される)ことで、定着性・耐擦過性を向上させる。転写部20にて転写性と造膜化が両立することができれば、定着部48を省略する態様も可能である。
クリーニング部46は、剥離部44の中間転写体搬送方向下流側に配置され、記録媒体14への画像転写終了後の中間転写体12をクリーニングする手段として、中間転写体12の画像形成面12Aに当接しながら残インク凝集体を払拭除去するブレード(不図示)と、除去された残インク凝集体を回収する回収部(不図示)とを含んで構成される。
なお、中間転写体12から残インクを除去するクリーニング手段の構成は、上記の例に限らず、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、粘着ロール方式或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
本実施形態のインクジェット記録装置10によれば、印字部16を構成する各打滴部24において、中間転写体12上で主走査方向に隣接する位置に打滴されるインク液滴同士(第1及び第2インク液滴)は、一方のインク液滴(第1インク液滴)が処理液滴との混合反応によって凝集してから、他方のインク液滴(第2インク液滴)が打滴されるため、これらインク液滴同士が互いに接触しても合一することなく、着弾干渉が防止される。また、各インク液滴とそれぞれ同一位置に対して処理液滴が打滴されるため、色材が移動することなく、各インク液滴は所定の大きさに広がり、所望の広がり率を確保することができ、中間転写体12上にインク凝集体(色材凝集体)からなる画像を高品質に形成することができる。そして、溶媒除去部18にてインク及び処理液の溶媒成分が中間転写体12上から除去された後、転写部20にて中間転写体12上に形成された画像が記録媒体14に対して転写される。
〔供給系の構成〕
図4は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。なお、処理液供給系についてもインク供給系と同様の構成が適用される。
インク供給タンク60はインクヘッド26にインクを供給する基タンクであり、図1で説明した液体貯蔵/装填部34に含まれる。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図4に示したように、インク供給タンク60とインクヘッド26の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図4には示さないが、インクヘッド26の近傍又はインクヘッド26と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、インクヘッド26のインク吐出面の清掃手段としてクリーニングブレード66が設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によってインクヘッド26に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からインクヘッド26下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によってインクヘッド26に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、インクヘッド26に密着させることにより、インク吐出面(ノズル面)をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、圧電素子が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(圧電素子の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)圧電素子を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
なお、中間転写体12に向けてインクを打滴して予備吐出を行う態様も可能である。例えば、複数の画像を連続的に形成する場合には、画像間で予備吐出を実行することが可能である。特に、同一画像を複数枚形成する場合には、特定のノズルにおいてインク吐出の頻度が低くなり、吐出異常の発生する可能性が高くなり、当該特定のノズルについて画像間で予備吐出を行うことが好ましい。
中間転写体12に予備吐出を行う場合には、溶媒除去ローラ18Aや転写加熱ローラ20Aに予備吐出によるインクが付着しないように、溶媒除去ローラ18A及び転写加熱ローラ20Aを移動させて、溶媒除去ローラ18A及び転写加熱ローラ20Aと中間転写体12との間に所定のクリアランス(例えば、10mm程度)を設けるとよい。
また、インクヘッド26内(圧力室内)のインクに気泡が混入した場合、圧電素子が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合にはインクヘッド26にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66はゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりインクヘッド26のインク吐出面に摺動可能である。インク吐出面にインク液滴または異物が付着した場合、クリーニングブレード66をインク吐出面に摺動させることでインク吐出面を拭き取り、インク吐出面を清掃する。
〔制御系の説明〕
図5は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、インクヘッドドライバ84、処理液ヘッドドライバ85等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。
メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ72は、通信インターフェース70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
メモリ74には、システムコントローラ72のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、メモリ74は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ74は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバである。図5には、装置内の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号88で図示されている。例えば、図5に示すモータ88には、図1のローラ22A〜22Gの中の駆動ローラを駆動するモータや、溶媒除去ローラ18Aの移動機構のモータ、転写加熱ローラ20Aの移動機構のモータなどが含まれている。
ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって、ヒータ89を駆動するドライバである。図5には、インクジェット記録装置10に備えられる複数のヒータを代表して符号89で図示されている。例えば、図5に示すヒータ89には、図1に示す予備加熱部36のヒータや、定着部48の加熱ローラ対48Aに含まれるヒータなどが含まれている。
転写制御部79は、転写部20の転写加熱ローラ20Aの押圧制御や温度制御を行う。記録媒体14の種類やインクの種類ごとに、転写加熱ローラ20Aの押圧最適値や温度最適値が予め求められ、データテーブル化されて所定のメモリ(例えば、メモリ74)に記憶され、記録媒体14の情報や使用インクの情報を取得すると、当該メモリを参照して転写加熱ローラ20Aの押圧や温度が制御される。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をインクヘッドドライバ84及び処理液ヘッドドライバ85に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、インクヘッドドライバ84を介してインクヘッド26(26A、26B)のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われるとともに、処理液ヘッドドライバ85を介して処理液ヘッド28(28A、28B)の処理液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
インクヘッドドライバ84は、プリント制御部80から与えられる画像データに基づいて各インクヘッド26(26A、26B)の圧電素子に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号を圧電素子に印加して圧電素子を駆動する駆動回路を含んで構成される。なお、図5に示すインクヘッドドライバ84には、インクヘッド26の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
また、上述したインクヘッドドライバ84と同様に、処理液ヘッドドライバ85は、プリント制御部80から与えられる画像データに基づいて各処理液ヘッド28(28A、28B)の圧電素子に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号を圧電素子に印加して圧電素子を駆動する駆動回路を含んで構成される。なお、図5に示す処理液ヘッドドライバ85には、処理液ヘッド28の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース70を介して外部から入力され、メモリ74に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データがメモリ74に記憶される。
メモリ74に蓄えられた画像データは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてインク色ごとのドットデータ及び処理液のドットデータに変換される。即ち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをCMYKの4色のドットデータ及び処理液のドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部80で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
なお、中間転写体12上に形成される1次画像は、転写の際に反転することを考慮して、最終的に記録媒体14に形成される二次画像の鏡面画像としなければならない。即ち、インクヘッド26(26A、26B)及び処理液ヘッド28(28A、28B)に供給される駆動信号は鏡面画像に対応した駆動信号であり、プリント制御部80にて入力画像に対して反転処理を施す必要がある。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部290はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部90は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
〔インクの説明〕
<インク>
本発明に係るインクは、少なくとも顔料、ポリマー成分、溶媒を含有する。インク中にポリマー成分を含有させる手段としては、ポリマー微粒子としてインク中に分散させる方法、顔料表面をポリマー成分で覆ったカプセル顔料を用いる方法、顔料の周囲にポリマー成分を付着させる方法、また、これらの方法の組み合わせなどの各種方法を採用することができる。
本発明のインクに使用される顔料は、分散剤により分散されている顔料、自己分散顔料、樹脂により顔料表面を被覆された顔料(マイクロカプセル顔料)、及び高分子グラフト顔料が特に好ましい。また、顔料凝集性の観点から、解離度の小さいカルボキシル基によって修飾されている形態がより好ましい。
マイクロカプセル顔料の樹脂は、限定されるものではないが、水に対して自己分散能又は溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子の化合物であるのが好ましい。この樹脂は、通常、数平均分子量が1,000〜100,000範囲程度のものが好ましく、3、000〜50、000範囲程度のものが特に好ましい。また、この樹脂は有機溶剤に溶解して溶液となるものが好ましい。樹脂の数平均分子量がこの範囲であることにより、顔料における被覆膜として、又はインク組成物における塗膜としての機能を十分に発揮することができる。
前記樹脂は、自己分散能あるいは溶解するものであっても、又はその機能が何らかの手段によって付加されたものであってもよい。例えば、有機アミンやアルカリ金属を用いて中和することにより、カルボキシル基、スルホン酸基、またはホスホン酸基等のアニオン性基を導入されてなる樹脂であってもよい。また、同種または異種の一又は二以上のアニオン性基が導入された樹脂であってもよい。本発明にあっては、塩基をもって中和されて、カルボキシル基が導入された樹脂が好ましくは用いられる。
本発明に用いる顔料としては、特に限定はされないが、具体例としては、オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。 レッドまたはマゼンタ用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明に用いるインクに含まれる色材の濃度は、使用する色材により最適な値を選択すればよいが、インクの全重量に対し、0.1重量%〜40質量%の範囲にするのが好ましい。より好ましくは、1重量%〜30質量%、さらに好ましくは2重量%〜20質量%である。
本発明に係るインク中にポリマー成分を含有させる手段としてインク中にポリマー微粒子を含有させる方法が好ましく用いられる。ポリマー微粒子は、処理液との反応によりインクの増粘作用、凝集作用を強め、画像品位の向上させることができる。特に、アニオン性のポリマー微粒子をインクに含有せしめることにより、安全性の高いインクが得られる。
処理液と反応して、増粘・凝集作用を起こすポリマー微粒子をインクに用いることにより、画像の品位を高めることができると同時に、ポリマー微粒子の種類によっては、ポリマー微粒子が中間転写体上で皮膜を形成し、画像の耐擦性、耐水性をも向上させる効果を有する。
ポリマーインクでの分散方法はエマルジョンに限定するものではなく、溶解していても、コロイダルディスパージョン状態で存在していてもよい。
ポリマー微粒子は、乳化剤を用いてポリマー微粒子を分散させたものであっても、また、乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては、通常、低分子量の界面活性剤が用いられているが、高分子量の界面活性剤を乳化剤として用いることもできる。外殻がアクリル酸、メタクリル酸などにより構成されたカプセル型のポリマー微粒子(粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー微粒子)を用いることも好ましい。
分散手法として、低分子量の界面活性剤を用いていないポリマー微粒子は、高分子量の界面活性剤を用いたポリマー微粒子、乳化剤を使用しないポリマー微粒子を含めてソープフリーラテックスと呼ばれている。例えば上記に記述した、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるブロックポリマー)を乳化剤として用いたポリマー微粒子もこれに含まれる。
本発明に用いられる酸ポリマーはカルボン酸系の酸ポリマーが好ましく用いられる。
カルボン酸のpKaは概ね3〜4であるため、pH5であれば酸ポリマーはほとんど解離した状態であるので、電化反発により、分散安定性を有し、凝集を起こさない。これ以下であると、非解離状態となり、電化反発が失われ、凝集を起こす。
本発明では、特にこのソープフリーラテックスを用いることが好ましく、ソープフリーラテックスは従来の乳化剤を用いて重合したポリマー微粒子にくらべ、乳化剤がポリマー微粒子の反応凝集や造膜を阻害したり、遊離した乳化剤がポリマー微粒子の造膜後に表面に移動し、顔料とポリマー微粒子の混合した凝集体と中間転写体との接着性を低下させる懸念がない。
インクにポリマー微粒子として添加する樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
ポリマー微粒子への高速凝集性付与の観点から、解離度の小さいカルボン酸基を有するものがより好ましい。カルボン酸基はpH変化によって影響を受けやすいので、分散状態が変化しやすく、凝集性が高い。
ポリマー微粒子のpH変化に対する分散状態の変化は、アクリル酸エステルなどのカルボン酸基を有する、ポリマー微粒子中の構成成分の含有割合によって調整することができ、分散剤として用いるアニオン性の界面活性剤によっても調整可能である。
ポリマー微粒子の樹脂成分は、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。疎水性部分を有することで、ポリマー微粒子の内側に疎水部分が配向し、外側に親水部分が効率よく外側に配向され、液体のpH変化に対する分散状態の変化がより大きくなる効果があり、凝集がより効率よくおこなわれる。
市販のポリマー微粒子の例としては、ジョンクリル537、7640(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、ジョンソンポリマー株式会社製)、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、ジュリマーET−410、FC−30(アクリル系樹脂エマルジョン、日本純薬株式会社製)、アロンHD−5、A−104(アクリル系樹脂エマルジョン、東亞合成株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、ザイクセンL(アクリル系樹脂エマルジョン、住友精化株式会社製)などが挙げられるが、これに限定するものではない。
インクに添加するポリマー微粒子の分子量は融着したときの接着力を鑑みて、5,000以上が好ましい。5,000未満だと、凝集したときのインク凝集体の内部凝集力向上や記録媒体に画像の定着性に効果が不足し、また画質改善効果が不足する。
ポリマー微粒子の体積平均粒子径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜500nmの範囲がより好ましく、20〜200nmの範囲が更に好ましく、50〜200nmの範囲が特に好ましい。10nm以下では、凝集しても画質の改善効果、転写性の向上に効果があまり期待できない。1μm以上では、インクのヘッドからの吐出性や保存安定性が悪化するおそれがある。また、ポリマー粒子の体積平均粒子径分布に関しては、特に制限は無く、広い体積平均粒子径分布を持つもの、又は単分散の体積平均粒子径分布を持つもの、いずれでもよい。
また、ポリマー微粒子を、インク内に2種以上混合して含有させて使用してもよい。
本発明のインクに添加するpH調整剤としては中和剤として、有機塩基、無機アルカリ塩基を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましい。
本発明のインクは、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。
水溶性有機溶媒としては、処理液の場合と同様に、例えば、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が、含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
本発明のインクには、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。 これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
表面張力を下げて中間転写体上での又は処理液上でのぬれ性を高め、二液の接触面積の増加により効果的に凝集作用がすすむ。
本発明のインクの表面張力は、10〜50mN/mであることが好ましく、直接記録を行う場合には浸透性記録媒体への浸透性、また中間転写方式によって記録を行う場合には中間転写体上でのぬれ性と液滴の微液滴化および吐出性の両立の観点からは、15〜45mN/mであることが更に好ましい。
本発明のインクの粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましい。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
<処理液>
本発明に係る処理液として、インクのpHを変化させることにより、インクに含有される顔料およびポリマー微粒子を凝集させ、凝集物を生じさせるような処理液が好ましい。
処理液の成分として、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。
また、本発明に係る処理液の好ましい例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
本発明に係る処理液はインクとのpH凝集性能の観点からpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることが特に好ましい。
本発明に係る処理液の中における、インクの顔料およびポリマー微粒子を凝集させる成分の添加量としては、液体の全重量に対し、0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましい。0.01重量%以下の場合は処理液とインクが接触時に、濃度拡散が十分に進まずpH変化による凝集作用が十分に発生しないことがある。また20重量%以上であると、インクジェットヘッドからの吐出性が悪化することがある。
本発明に係る処理液は、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水、その他添加剤溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水、その他添加剤溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。
これらの溶媒は、水,その他添加剤と共に単独若しくは複数を混合して用いることができる。
水、その他添加剤溶性有機溶媒の含有量は処理液の全重量に対し、60重量%以下であることが好ましい。60重量%以上よりも多い場合は処理液の粘度が増加し、インクジェットヘッドからの吐出性が悪化することがある。
処理液には、定着性および耐擦性を向上させるため、樹脂成分をさらに含有してもよい。樹脂成分は、処理液をインクジェット方式によって打滴する場合ヘッドからの吐出性を損なわないもの、保存安定性があるものであればよく、水溶性樹脂や樹脂エマルジョンなどを自由に用いることができる。
インクと逆極性のポリマー微粒子を処理液に含ませ、インク中の顔料及びポリマー微粒子と凝集させることによってさらに凝集性を高めてもよい。
また、インクに含まれるポリマー微粒子成分に対応した硬化剤を処理液に含有し、二液が接触後、インク成分中の樹脂エマルジョンが凝集するとともに架橋又は重合するようにして、凝集性を高めてもよい。
本発明に係る処理液は、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
表面張力を下げて中間転写体上でのぬれ性を高めるのに効果がある。また、インクを先立って打滴する場合においてもインク上でのぬれ性を高め、二液の接触面積の増加により効果的に凝集作用がすすむ。
本発明に係る処理液の表面張力は、10〜50mN/mであることが好ましく、直接記録を行う場合には浸透性記録媒体への浸透性、また中間転写方式によって記録を行う場合には、中間転写体上でのぬれ性と液滴の微液滴化および吐出性の両立の観点からは、15〜45mN/mであることが更に好ましい。
本発明に係る処理液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましい。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線、吸収剤、等も添加することができる。
〔実施例〕
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<顔料インクCの作製>
(顔料分散物の作製)
大日精化社製のシアニンブルーA−22(PB15:3)10g、低分子量分散剤2−1、10.0g、グリセリン4.0g、イオン交換水26gを攪拌混合させて分散液を調製した。次いで、超音波照射装置(SONICS社製 Vibra-cell VC-750、テーパーマイクロチップ:φ5mm、Ampitude:30%)を用いて、前述の分散液に、超音波を間欠照射(照射0.5秒、休止1.0秒)で2時間照射して顔料を更に分散させ、20質量%顔料分散液とした。なお、低分子量分散剤2−1は次の化学式で表される。
Figure 2009045794
上述したものとは別に、以下に示す化合物を秤量攪拌混合して、混合液Iを調製した。
グリセリン 5.0g
ジエチレングリコール 10.0g
オルフィンE1010(日信化学工業製) 1.0g
イオン交換水 11.0g
この混合液Iを、攪拌した44%SBR分散液(ポリマー微粒子:アクリル酸3質量%、Tg(ガラス転移点温度)30℃)23.0gにゆっくりと滴下して攪拌混合し、混合液IIを調製した。
また、混合液IIを上述した20質量%顔料分散液にゆっくりと滴下しながら攪拌混合して、シアン色の顔料インクC(シアンインク)を100g調製した。東亜DKK(株)製pHメーターWM−50EGを用いて、このようにして調製された顔料インクCのpHを測定したところ、pH値は8.5であった。
<顔料インクMの作製>
顔料インクCの調製に使用した顔料に代えて、チバ・スペシャリティーケミカルズ社のCromophtal Jet Magenta DMQ(PR-122)とした。顔料以外は、上述した顔料インクCの調製と同様の方法でマゼンタ色の顔料インクM(マゼンダインク)を調整した。東亜DKK(株)製pHメーターWM−50EGにて、このように調製された顔料インクMのpHを測定したところ、pH値は8.5であった。
<顔料インクYの作製>
顔料インクCの調製に使用した顔料に代えて、チバ・スペシャリティーケミカルズ社のIrgalite Yellow GS(PY74)とした。顔料以外は、上述した顔料インクCの調製と同様の方法でイエロー色の顔料インクY(イエローインク)を調整した。東亜DKK(株)製pHメーターWM−50EGにて、このように調製された顔料インクYのpHを測定したところ、pH値は8.5であった。
<顔料インクKの作製>
顔料インクCの調製に使用した顔料分散液をCABOT社製分散体CAB−O−JETTM_200(カーボンブラック)としたこと以外は、上述した顔料インクCの調製と同様の方法でブラック色の顔料インクK(ブラックインク)を調整した。東亜DKK(株)製pHメーターWM−50EGにて、このように調製された顔料インクKのpHを測定したところ、pH値は8.5であった。
<処理液の作製>
処理液は、以下の材料を混合して作製した。
・ジエチレングリコール 20g
・オルフィンE1010(日信化学工業製) 1g
・2−ピロリドン−5−カルボン酸 1g
・水酸化ナトリウム 0.25g
・イオン交換水 77.8g
東亜DKK(株)製pHメーターWM−50EGにて、このように調製された第2処理液のpHを測定したところ、pH値は3.5であった。
このようにして作製されたインク及び処理液を用いて、先に説明したインクジェット記録装置10により画像記録を行ったところ、画質劣化が生じない好ましい記録画像が得られた。
本発明の構成ではないシングルパスの打滴装置であって、インク液の隣接打滴を処理液供給前に打滴する装置を用いる場合には打滴干渉による画質劣化が見られる。これに対して、本発明のインクジェット記録装置を用いれば、打滴干渉による画質劣化のない好ましい記録画像が得られた。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
図6は、第2の実施形態としての打滴部24′に配置される各ヘッド26、28のノズル配置構造の一例を示した構成図である。図6中、図3と共通する部分には同一番号を付している。図6に示すように、本例の打滴部24′には、第1〜第4のインクヘッド26(26A〜26D)が設けられるとともに、各インクヘッド26にそれぞれ対応する第1〜第4の処理液ヘッド28(28A〜28D)が中間転写体搬送方向下流側に隣接して設けられている。即ち、中間転写体搬送方向に沿って上流側から順に、第1のインクヘッド26A、第1の処理液ヘッド28A、第2のインクヘッド26B、第2の処理液ヘッド28B、第3のインクヘッド26C、第3の処理液ヘッド28C、第4のインクヘッド26D、第4の処理液ヘッド28Dが配置される。
図6に示すように、第3及び第4のインクヘッド26C、26Dは、それぞれ第1及び第2のインクヘッド26A、26Bと同一のノズル配置構造が適用される。また、第1の実施形態と同様、第1〜第4の処理液ヘッド28A〜28Dは、それぞれ中間転写体搬送方向上流側に隣接して配置される第1〜第4のインクヘッド26A〜26Dと同一のノズル配置構造が適用される。つまり、第2の実施形態の打滴部24′は、第1の実施形態の打滴部24を中間転写体搬送方向に沿って2つ並べた構成に相当する。
図7は、中間転写体12に対する各ヘッド26、28の打滴順序を示した説明図である。図7において、中間転写体12上に示された各円は各ヘッド26、28の打滴位置を表しており、各円の中に示した数字はその打滴位置に対して打滴するヘッド番号を表している。数字が「1」である場合には第1のインクヘッド26A及び第1の処理液ヘッド28Aの打滴位置、数字が「2」である場合には第2のインクヘッド26B及び第2の処理液ヘッド28Bの打滴位置、数字が「3」である場合には第3のインクヘッド26C及び第3の処理液ヘッド28Cの打滴位置、数字が「4」である場合には第4のインクヘッド26D及び第4の処理液ヘッド28Dの打滴位置をそれぞれ表している。
なお、中間転写体12上の各打滴位置に打滴されるインク液滴によって形成されるドットは、主走査方向だけでなく副走査方向(中間転写体搬送方向)に隣接する打滴位置に打滴されるインク液滴によって形成されるドットと少なくとも一部が重なり、且つ、同一のヘッド番号で示される打滴位置に打滴されるインク液滴によって形成されるドットとは重ならないように、各ヘッド26、28のノズルピッチや吐出条件(吐出液滴量、吐出周期など)、中間転写体12の搬送条件(搬送速度)が決められている。
本実施形態の打滴方法は次のような順序で行われる。例えば、中間転写体12上の画像形成領域全体にベタ画像を形成する場合には、図7に示すように、中間転写体12の搬送とともに、第1列目(一番左側)の各打滴位置のうち、数字「1」で示された打滴位置に対して、第1のインクヘッド26A及び第1の処理液ヘッド28Aから第1インク液滴、第1処理液滴が順次打滴される。続いて、第1列目の残りの打滴位置、即ち、数字「2」で示された打滴位置に対して、第2のインクヘッド26B及び第2の処理液ヘッド28Bから第2インク液滴、第2処理液滴が順次打滴される。次に、第2列目の各打滴位置のうち、数字「3」で示された打滴位置に対して、第3のインクヘッド26C及び第3の処理液ヘッド28Cから第3インク液滴、第3処理液滴が順次打滴される。続いて、第2列目の残りの打滴位置、即ち、数字「4」で示された打滴位置に対して、第4のインクヘッド26D及び第4の処理液ヘッド28Dから第4インク液滴、第4処理液滴が順次打滴される。第3列目以降については、第1及び第2列目と同様な打滴が繰り返される。
本実施形態によれば、中間転写体12上で主走査方向だけでなく副走査方向(中間転写体搬送方向)に隣接する位置に打滴されるインク液滴同士(例えば、第1インク液滴と第3インク液滴)についても、一方のインク液滴(第1インク液滴)が処理液滴との混合反応によって凝集してから、他方のインク液滴(第3インク液滴)が打滴されるため、インク液滴同士が互いに接触しても合一することなく、着弾干渉が防止される。また、各インク液滴とそれぞれ同一位置に対して処理液滴が打滴されるため、色材が移動することなく、各インク液滴は所定の大きさに広がり、所望の広がり率を確保することができる。これによって、第1の実施形態に比べて、更に高品質な画像形成が可能となる。
なお、本実施形態の打滴方法は、中間転写体12上にベタ画像を形成する場合に限らず、副走査方向(中間転写体搬送方向)に隣接するドット同士が重なり部をもつ画像を含む場合に好適であり、着弾干渉のない高品質な画像形成が可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
図8は、第3の実施形態としてのインクジェット記録装置10′の要部を示した構成図である。図8中、図1と共通する部分には同一番号を付している。
図8に示すように、印字部16を構成する各打滴部24(24C、24M、24Y、24K)に、第1及び第2のインクヘッド26A、26Bが設けられるとともに、中間転写体搬送方向下流側にはそれぞれ対応する第1及び第2の処理液ヘッド28A、28Bが隣接して設けられている点については第1の実施形態と同様であるが(図2参照)、更に、第3の実施形態では、各処理液ヘッド28A、28Bの中間転写体搬送方向下流側にはそれぞれ溶媒除去ローラ18Aが隣接して設けられている。なお、中間転写体12を挟んで各溶媒除去ローラ18Aに対向する位置にはそれぞれ対向ローラ18Bが設けられている。
本実施形態によれば、中間転写体12に処理液が多く付与されるような場合でも、各処理液ヘッド28A、28Bの中間転写体搬送方向下流側に設けられた溶媒除去ローラ18Aによって中間転写体12上の溶媒成分を確実に除去することができる。これによって、中間転写体搬送方向の上流側と下流側で各インクヘッド26から打滴されるインク液滴の着弾条件を処理液量に左右されることなく同一にすることができ、インク液滴の広がり率を安定することができる。これによって、更に高品質な画像形成が可能となる。
以上、本発明の画像形成方法及び画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図 図1に示すインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 打滴部に配置される各ヘッドのノズル配置構造の一例を示した構成図である。 図1に示すインクジェット記録装置のインク供給系の構成を示す概略図 図1に示すインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 第2の実施形態に係る打滴部に配置される各ヘッドのノズル配置構造の一例を示した構成図である。 中間転写体に対する各ヘッドの打滴順序を示した説明図 第3の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図 着弾干渉を説明する図 従来技術に係る2液系の画像形成方式を説明する図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…中間転写体、14…記録媒体、16…印字部、18…溶媒除去部、18A…溶媒除去ローラ、20…転写部、24…打滴部、26…インクヘッド、28…処理液ヘッド、36…予備加熱部、42…冷却部、44…剥離部、46…クリーニング部、48…定着部、51…ノズル

Claims (5)

  1. 中間転写体を搬送しつつ、前記中間転写体に対して色材を含有するインク及び前記色材を凝集させる処理液をそれぞれ付与して、前記色材の凝集体からなる画像を前記中間転写体上に形成し、前記中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写する画像形成方法であって、
    前記中間転写体上に前記中間転写体の搬送方向に垂直な方向に沿って複数の第1インク液滴が互いに接触せずに離間配置されるように、前記中間転写体に対して前記複数の第1インク液滴を打滴する第1インク打滴工程と、
    前記中間転写体上の前記複数の第1インク液滴の打滴位置に対してそれぞれ第1処理液滴を打滴する第1処理液打滴工程と、
    前記第1インク打滴工程及び前記第1処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上に離間配置された前記複数の第1インク液滴間に第2インク液滴が配置されるように、前記中間転写体に対して前記第2インク液滴を打滴する第2インク打滴工程と、
    前記第1インク打滴工程及び前記第1処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上の前記第2インク液滴の打滴位置に対して第2処理液滴を打滴する第2処理液打滴工程と、
    前記中間転写体上の前記インク及び前記処理液の溶媒成分を除去する溶媒除去工程と、
    前記中間転写体から前記記録媒体に対して画像を転写する転写工程と、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記第1インク打滴工程及び前記第1処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上に配置された前記第1インク液滴の前記中間転写体の搬送方向に隣接する位置に第3インク液滴が配置されるように、前記中間転写体に対して前記第3インク液滴を打滴する第3インク打滴工程と、
    前記第1インク打滴工程及び前記第1処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上の前記第3インク液滴の打滴位置に対して第3処理液滴を打滴する第3処理液打滴工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記第2インク打滴工程及び前記第2処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上に配置された前記第2インク液滴の前記中間転写体の搬送方向に隣接する位置に第4インク液滴が配置されるように、前記中間転写体に対して前記第4インク液滴を打滴する第4インク打滴工程と、
    前記第2インク打滴工程及び前記第2処理液打滴工程が行われた後、前記中間転写体上の前記第4インク液滴の打滴位置に対して第4処理液滴を打滴する第4処理液打滴工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記インクはpH5未満で凝集する酸ポリマーを含有する液体であり、前記処理液はpH5未満の液体であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 中間転写体を搬送しつつ、前記中間転写体に対して色材を含有するインク及び前記色材を凝集させる処理液をそれぞれ付与して、前記色材の凝集体からなる画像を前記中間転写体上に形成し、前記中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写する画像形成装置であって、
    前記中間転写体上に前記中間転写体の搬送方向に垂直な方向に沿って複数の第1インク液滴が互いに接触せずに離間配置されるように、前記中間転写体に対して前記複数の第1インク液滴を打滴する第1インク打滴手段と、
    前記中間転写体上の前記複数の第1インク液滴の打滴位置に対してそれぞれ第1処理液滴を打滴する第1処理液打滴手段と、
    前記第1インク打滴手段及び前記第1処理液打滴手段より前記中間転写体の搬送方向下流側に設けられ、前記中間転写体上に離間配置された前記複数の第1インク液滴間に第2インク液滴が配置されるように、前記中間転写体に対して前記第2インク液滴を打滴する第2インク打滴手段と、
    前記第1インク打滴手段及び前記第1処理液打滴手段より前記中間転写体の搬送方向下流側に設けられ、前記中間転写体上の前記第2インク液滴の打滴位置に対して第2処理液滴を打滴する第2処理液打滴手段と、
    前記中間転写体上の前記インク及び前記処理液の溶媒成分を除去する溶媒除去手段と、
    前記中間転写体から前記記録媒体に対して画像を転写する転写手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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