JP2009024101A - タイヤインナーライナー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ製造時における不具合を防止し、耐空気透過性の更なる向上を図りつつ、更に耐屈曲疲労性を改良したタイヤインナーライナー用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ハロゲン化ブチルゴム及び/又はブチルゴムからなるゴム成分100重量部に対して、石炭粉砕物10〜30重量部と、カーボンブラック30〜60重量部と、炭化水素樹脂2〜15重量部と、硫黄0.1〜0.3重量部とを配合し、オイルなどの軟化剤及び可塑剤は配合しないか又は配合しても3重量部以下とする。
【選択図】なし
【解決手段】ハロゲン化ブチルゴム及び/又はブチルゴムからなるゴム成分100重量部に対して、石炭粉砕物10〜30重量部と、カーボンブラック30〜60重量部と、炭化水素樹脂2〜15重量部と、硫黄0.1〜0.3重量部とを配合し、オイルなどの軟化剤及び可塑剤は配合しないか又は配合しても3重量部以下とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、空気入りタイヤのインナーライナーとして用いられるゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
チューブレス空気入りタイヤにおいては、耐空気透過性を向上するために、そのタイヤ内面にインナーライナーと呼ばれる空気透過性の低いゴム層が設けられている。かかるインナーライナーには、トレッドやサイドウォールなどを構成する通常のゴム層に比べて空気透過性の低いハロゲン化ブチルゴムが使用されている。
しかしながら、ハロゲン化ブチルゴムを多量に用いた場合、とりわけゴム成分として単独で用いた場合、加硫前の段階で収縮性が大きく、そのため、グリーンタイヤ成形後の加硫までの間にインナーライナーのジョイント部が開口して、製造上の不具合が発生することがある。
一方、インナーライナー用ゴム組成物においては、耐空気透過性を向上させるために、下記特許文献1には、石炭粉砕物などからなる平板状有機充填剤を配合することが提案されている。また、下記特許文献2,3には、板状や層状の鉱物などの平板状無機充填剤を配合することが開示されている。
また、下記特許文献4には、ハロゲン化ブチルゴムを高配合とした場合の上記インナーライナーのジョイント部の開きを防止するため、フェノールホルムアルデヒド樹脂や直鎖状炭化水素樹脂などの粘着性樹脂とゲル化剤を配合することが記載されている。
特開2002−205507号公報
特開2002−88191号公報
特開2004−204204号公報
特開平10−130442号公報
特許文献1のように石炭粉砕物を配合した場合、耐空気透過性が向上するが、それだけでなく、ハロゲン化ブチルゴム配合時の加硫前の段階での収縮性も抑制されることを見い出した。但し、石炭粉砕物を配合することにより未加硫ゴムの粘着性が低下してしまい、その結果、ジョイント部の接着不良によって、加硫までの間でのジョイント部の開口を抑制するまでには至らないことが判明した。
そこで、本出願人は先に、本件出願時に未公開である特願2006−182798において、ハロゲン化ブチルゴム及び/又はブチルゴムからなるゴム成分に、平板状充填剤と、カーボンブラックと、炭化水素樹脂を含有させたタイヤインナーライナー用ゴム組成物を提案している。
該提案のゴム組成物によれば、ジョイント部の接着不良によるタイヤ製造時の不具合を解消するとともに、インナーライナーの耐空気透過性を向上させることができる。しかしながら、更に詳細に検討したところ、耐屈曲疲労性が損なわれ、結果としてタイヤの耐久性に劣ることが判明した。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、タイヤ製造時における不具合を防止し、耐空気透過性の更なる向上を図りつつ、更に耐屈曲疲労性を改良したタイヤインナーライナー用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤインナーライナー用ゴム組成物は、ハロゲン化ブチルゴム及び/又はブチルゴムからなるゴム成分100重量部に対して、石炭粉砕物10〜30重量部と、カーボンブラック30〜60重量部と、炭化水素樹脂2〜15重量部と、硫黄0.1〜0.3重量部とを含有し、軟化剤及び可塑剤を含有しないか又は含有しても3重量部以下であることを特徴とする。
かかるゴム組成物によれば、石炭粉砕物を配合することにより、耐空気透過性を向上するとともに、未加硫時のゴムの収縮を抑制することができる。また、炭化水素樹脂の添加により、石炭粉砕物の配合による耐空気透過性向上効果およびゴム収縮抑制効果を損なうことなく、未加硫ゴムの粘着性を向上することができ、タイヤ製造時におけるインナーライナーのジョイント部の開きを抑制することができる。しかも、軟化剤や可塑剤を実質的に無添加とすることにより、これら軟化剤や可塑剤を配合することによる耐空気透過性の悪化を抑制することができる。更に、硫黄量を上記の通り規定したことにより、ゴム組成物の耐屈曲疲労性を改良することができた。
このように、本発明によれば、インナーライナー用ゴム組成物として、石炭粉砕物と炭化水素樹脂を併用するとともに、軟化剤及び可塑剤を実質的に無添加とし、更に硫黄量の上記規定により、タイヤ製造時の不具合を防止するとともに、インナーライナーの耐空気透過性及び耐屈曲疲労性を向上して、タイヤの耐久性を向上することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分は、ハロゲン化ブチルゴム及び/又はブチルゴムからなるものである。ハロゲン化ブチルゴムとしては、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)などが挙げられ、これらを用いることによりインナーライナーの耐空気透過性を向上することができる。より好ましくは、ゴム成分は、ハロゲン化ブチルゴムの単独、又は、ハロゲン化ブチルゴムとブチルゴムのブレンドゴムからなり、ハロゲン化ブチルゴムのゴム成分中に占める比率は50重量%以上であることが好ましい。
上記ハロゲン化ブチルゴムとブチルゴムとしては、いずれも125℃でのムーニー粘度ML(1+8)が25〜60であるものを用いることが、本ゴム組成物の未加硫時の粘着性の点から好ましく、より好ましくは25〜40である。該ムーニー粘度が高すぎると、粘着性が悪化する。ここで、ムーニー粘度はJIS K6396:1997に準拠して測定される値である。
なお、該ゴム成分中には、耐空気透過性の点からハロゲン化ブチルゴム及びブチルゴム以外のゴムを含まないことが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのジエン系ゴムを含有させてもよい。例えば、天然ゴムを添加することでゴム組成物に粘着性を付与してタイヤ成形性を向上することができるが、耐空気透過性が悪化してしまう。そのため、これらジエン系ゴムの配合は最小限にとどめるべきであり、ゴム成分中に占める比率としては多くても30重量%であることが好ましく、より好ましくは10重量%以下である。
本発明のゴム組成物に用いられる石炭粉砕物は、石炭を細かく砕いてなるものである。石炭は、層状構造を有するため、ボールミル等の粉砕機で砕くことにより平板状の粒子が得られる。このように石炭粉砕物は、粒子の主形状が平板状である充填剤であるため、ゴム層中で空気の透過を阻害することでインナーライナーの耐空気透過性を向上させる。すなわち、薄いゴム層からなるインナーライナーは、一般にロールや押出機などでシート状に押し出されて成形されるため、石炭粉砕物の各粒子がゴム層中において層表面に略平行に寝かされた状態で配設され、これにより、ゴム層をその厚み方向において通過しようとする空気が石炭粉砕物によりその通路を遮られ、もって空気の透過が阻害される。また、石炭粉砕物を配合することにより、ハロゲン化ブチルゴムを用いた場合の未加硫ゴムの収縮性を抑制することができ、タイヤ成形性を向上させることができる。更に、石炭粉砕物は、炭素を主成分とする有機充填剤であることから、ゴム成分との相溶性がよく、そのためゴム成分に対する分散性を向上することができる。
石炭粉砕物は、平均粒径が0.5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは1〜30μmである。0.5μm未満では、耐空気透過性の改良効果が低下し、また100μmを超えると、インナーライナーの耐久性が低下する。ここで、平均粒径はレーザ回折散乱法により測定されるものである。
石炭粉砕物は、また、比重が1.1〜1.5であることが好ましい。ここで、比重とはかさ比重ではなく、真比重である。該比重の測定は(株)セイシン企業製の全自動真比重計「MAT−5000」を用いて行うことができる。
本発明のゴム組成物に用いられるカーボンブラックとしては、特に限定されず、種々のグレードのものを適宜選択して使用することができるが、ヨウ素吸着量が15〜55mg/gであり、かつDBP(ジブチルフタレート)吸油量が75〜125cm3/100gであるものが好ましく用いられる。具体的には、GPF級に属するカーボンブラックを用いることが好ましい。ヨウ素吸着量が大きすぎると、粘着性が損なわれる。ここで、ヨウ素吸着量(IA)は、JIS K6217−1に準拠して測定される値であり、また、DBP吸油量は、JIS K6217−4に準拠して測定される値である。本発明では、フィラーとして、石炭粉砕物とともにカーボンブラックを用いることにより補強性に優れる。
石炭粉砕物とカーボンブラックの配合量については、ゴム成分100重量部に対して、石炭粉砕物が10〜30重量部、カーボンブラックが30〜60重量部であり、トータルのフィラー量として50〜80重量部であることが好ましい。カーボンブラックのより好ましい配合量は30〜50重量部であり、トータルフィラー量はより好ましくは50〜70重量部である。なお、フィラーとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、石炭粉砕物及びカーボンブラック以外の充填剤、例えばシリカなどを配合してもよい。
本発明のゴム組成物に用いられる炭化水素樹脂としては、軟化点が90〜110℃であるものが好ましい。炭化水素樹脂は、オイルなどの軟化剤や可塑剤に比べて、耐空気透過性を下げる要因とはならない。そのため、上記石炭粉砕物による耐空気透過性やゴム収縮抑制効果を損なうことなく、未加硫ゴムの粘着性を向上することができる。ここで、軟化点は、JIS K6220に準拠して測定される値である。
該炭化水素樹脂としては、ナフサの熱分解により得られるC5〜C9のオレフィンを混合状態のまま重合して得られる石油樹脂を用いることが好ましく、更に、C5成分を主成分とする石油樹脂が好ましい。かかる石油樹脂は、ゴム成分であるブチル系ゴムとの相溶性に優れ、粘着性の改良効果に優れる。
該炭化水素樹脂の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、2〜15重量部であることが好ましい。該配合量が上記範囲より少ないと、タイヤ成形時にジョイント部の開口を抑制する効果が不十分となる。
本発明のゴム組成物においては、加硫剤としての硫黄を、ゴム成分100重量部に対して0.1〜0.3重量部と、通常の配合量に比して少なく配合することを特徴とする。このように硫黄量を規定したことで、加硫ゴムの架橋密度を最適化して耐屈曲疲労性を改良することができる。硫黄量が0.1重量部未満では架橋密度が少なくすぎて、インナーライナーとしての物性を確保することが難しく、逆に0.3重量部を超えると架橋密度が高くなりすぎて耐屈曲疲労性が損なわれる。
本発明のゴム組成物には、軟化剤や可塑剤は基本的には配合しない。すなわち、軟化剤や可塑剤は、ゴム組成物に粘着性を付与してタイヤ成形時の加工性を改善させる効果を持っているが、同時にこれらはインナーライナーの耐空気透過性を悪化させる要因となる。そのため、本発明では、軟化剤及び可塑剤は含有しないか、含有する場合でも、ゴム成分100重量部に対してせいぜい3重量部以下に設定している。好ましくは、軟化剤及び可塑剤は、それ単体では配合しないことであり、他の添加剤にオイル等が予め含まれている場合でも、そのオイル分を含めた軟化剤及び可塑剤の量が、ゴム成分100重量部に対して1重量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量部以下である。また、このようにオイルを実質上未添加とすることにより、耐熱老化性を向上させることができるという副次的効果も得られる。
ここで、上記軟化剤及び可塑剤とは、タイヤ用ゴム組成物において、一般的に、軟化剤及び可塑剤として用いられているものであり、具体的には、軟化剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどの各種オイルであり、可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどのフタル酸エステル、ジオクチルアジペートなどのアジピン酸エステル、ジオクチルセバケートなどのセバシン酸エステル、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステルなどの各種エステル系可塑剤、エーテル系可塑剤である。
本発明のゴム組成物には、上記した各成分の他、亜鉛華やステアリン酸のような加硫助剤、加硫促進剤、老化防止剤など、インナーライナーのゴム組成物に通常配合される各種添加剤を配合することができる。
以上よりなるゴム組成物は、常法に従ってロールや押出機などでシート状に押し出し、押し出したシート状物をトレッドやサイドウォールなどを構成するゴムの内側に貼り付けて加硫成形することにより、タイヤ内面に薄いゴム層よりなるインナーライナーを備えるチューブレス空気入りタイヤが形成される。なお、インナーライナーの厚みは、タイヤサイズなどにより異なるが、通常は0.5〜3.0mmである。
本発明は、特に限定されるものではないが、より高度な耐空気透過性が要求されるトラックやバスなどの重荷重用空気入りタイヤに特に好ましく用いられる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記表1に示す配合の実施例1〜7及び比較例1〜7のインナーライナー用ゴム組成物について、粘着性(タッキネス)、タイヤ成形性、耐空気透過性、耐熱老化性、及び耐屈曲疲労性を評価した。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・Br−IIR(2222):エクソンモービル社製「ブロモブチル2222」、(32ML(1+8)125℃)、
・Br−IIR(2255):エクソンモービル社製「ブロモブチル2255」、(46ML(1+8)125℃)、
・IIR(268):エクソンモービル社製ブチルゴム「EXXON BUTYL268」、(50ML(1+8)125℃)、
・IIR(365):エクソンモービル社製ブチルゴム「EXXON BUTYL365」、(32ML(1+8)125℃)、
・NR:天然ゴム(RSS#3)。
・Br−IIR(2255):エクソンモービル社製「ブロモブチル2255」、(46ML(1+8)125℃)、
・IIR(268):エクソンモービル社製ブチルゴム「EXXON BUTYL268」、(50ML(1+8)125℃)、
・IIR(365):エクソンモービル社製ブチルゴム「EXXON BUTYL365」、(32ML(1+8)125℃)、
・NR:天然ゴム(RSS#3)。
・石炭粉砕物1:石炭(瀝青炭)をボールミルにて粉砕した石炭粉砕物(平均粒径(日機装社製の粒径分析器「Microtrac HRA」を用いて測定。以下同じ。)=5.5μm、比重=1.3)、
・石炭粉砕物2:石炭(瀝青炭)をボールミルにて粉砕した石炭粉砕物(平均粒径=60μm、比重=1.3)、
・カーボンブラック1:GPF(東海カーボン社製「シーストV」、ヨウ素吸着量=26mg/g、DBP吸油量=87cm3/100g)、
・カーボンブラック2:HAF(東海カーボン社製「シースト3」、ヨウ素吸着量=80mg/g、DBP吸油量=101cm3/100g)。
・石炭粉砕物2:石炭(瀝青炭)をボールミルにて粉砕した石炭粉砕物(平均粒径=60μm、比重=1.3)、
・カーボンブラック1:GPF(東海カーボン社製「シーストV」、ヨウ素吸着量=26mg/g、DBP吸油量=87cm3/100g)、
・カーボンブラック2:HAF(東海カーボン社製「シースト3」、ヨウ素吸着量=80mg/g、DBP吸油量=101cm3/100g)。
・炭化水素樹脂1:エクソンモービル社製「エスコレッツ1102」(軟化点=100℃であるC5成分を主成分とする石油樹脂)、
・炭化水素樹脂2:ストラクトール社製「ストラクトール40MSF」(軟化点=103℃である石油樹脂)、
・パラフィンオイル:ジャパンエナジー社製「JOMOプロセスP200」、
・亜鉛華:三井金属鉱業製「亜鉛華3号」、
・ステアリン酸:日本油脂製「ビーズステアリン酸」、
・加硫促進剤DM:大内新興化学工業製「ノクセラーDM−P」、
・硫黄:鶴見化学工業製「5%油処理粉末硫黄」。
・炭化水素樹脂2:ストラクトール社製「ストラクトール40MSF」(軟化点=103℃である石油樹脂)、
・パラフィンオイル:ジャパンエナジー社製「JOMOプロセスP200」、
・亜鉛華:三井金属鉱業製「亜鉛華3号」、
・ステアリン酸:日本油脂製「ビーズステアリン酸」、
・加硫促進剤DM:大内新興化学工業製「ノクセラーDM−P」、
・硫黄:鶴見化学工業製「5%油処理粉末硫黄」。
粘着性、タイヤ成形性、耐空気透過性、耐熱老化性、耐屈曲疲労性の各評価方法は以下の通りである。
・粘着性(タッキネス):各ゴム組成物につき、ロールを用いて厚み1mmのシート状に押し出し、得られた未加硫のゴムシートについて、タックテスター(東洋精機製作所製「タックテスターII」)を用いてタッキネスを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。数値が大きいほど粘着性に優れることを示す。
・タイヤ成形性:上記ゴムシートをインナーライナー用のゴム層として用いて、タイヤサイズ:11R22.5の空気入りタイヤを常法に従い作製し、タイヤ成形時におけるインナーライナーのジョイント部の開きによる不具合を調べた。100本成形時における不具合の発生数に応じて、不具合が0本の場合を「○」、1〜4本の場合を「△」、5本以上の場合を「×」とした。
・耐空気透過性:上記未加硫のゴムシートを160℃×30分で加硫した加硫ゴムシートについて、ガス透過率試験器(東洋精機製作所製「BT−3」)を用いて空気透過率を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。数値が小さいほど耐空気透過性に優れることを示す。
・耐熱老化性:上記加硫ゴムシートをオーブンにて120℃×7日間老化し、弾性率E’の変化率を算出し、比較例1の値を100とした指数で表した。数値が小さいほど耐熱老化性に優れることを示す。ここで、弾性率E’は、粘弾性スペクトロメータを用い、初期歪み10%、動的歪み±2.5%、周波数10Hz、温度23℃の条件で測定した。
・耐屈曲疲労性:JIS K6260に準拠し、160℃×30分で加硫した試験片について、デマチャ屈曲試験機を用い、比較例2の亀裂成長回数を100とした際の指数で表示した。数値が大きいほど耐屈曲疲労性に優れることを示す。
結果は表1に示す通りであり、実施例1〜7のものでは、粘着性に優れ、タイヤ成形性に優れるとともに、オイル添加により粘着性を付与した比較例1に対し、耐空気透過性が大幅に向上しており、耐熱老化性も向上していた。
また、硫黄量の多い比較例2では、粘着性、タイヤ成形性、耐空気透過性、耐熱老化性には優れていたが、耐屈曲疲労性に劣っていた。これに対し、硫黄量を0.1〜0.3重量部の範囲内とした実施例1〜7では、耐屈曲疲労性が大幅に向上していた。
比較例4では、石炭粉砕物の配合量が多すぎて、粘着性に劣り、タイヤ成形性が損なわれた。また、炭化水素樹脂の代わりに天然ゴムで粘着性を改善した比較例5では、ハロゲン化ブチルゴム及び石炭粉砕物の添加効果が損なわれて、耐空気透過性が大幅に悪化していた。
比較例6では、オイルを添加したことにより、耐空気透過性が悪化し、また耐熱老化性が悪化していた。また、比較例7では、石炭粉砕物が未添加であるため、耐空気透過性に劣り、またハロゲン化ブチルゴムの収縮抑制効果も得られず、タイヤ成形性が悪化していた。
本発明のタイヤインナーライナー用ゴム組成物は、各種のチューブレス空気入りタイヤに利用することができ、特に、トラックやバスなどに使用される大型タイヤ、即ち重荷重用タイヤのインナーライナーとして好適に用いることができる。
Claims (5)
- ハロゲン化ブチルゴム及び/又はブチルゴムからなるゴム成分100重量部に対して、石炭粉砕物10〜30重量部と、カーボンブラック30〜60重量部と、炭化水素樹脂2〜15重量部と、硫黄0.1〜0.3重量部とを含有し、軟化剤及び可塑剤を含有しないか又は含有しても3重量部以下であることを特徴とするタイヤインナーライナー用ゴム組成物。
- 前記石炭粉砕物は、平均粒径が0.5〜100μmであり、かつ比重が1.1〜1.5である、請求項1記載のタイヤインナーライナー用ゴム組成物。
- 前記ハロゲン化ブチルゴム及び前記ブチルゴムのムーニー粘度ML(1+8)125℃が25〜60である、請求項1又は2記載のタイヤインナーライナー用ゴム組成物。
- 前記炭化水素樹脂の軟化点が90〜110℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤインナーライナー用ゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物からなるインナーライナーを備える空気入りタイヤ。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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