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JP2009019659A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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JP2009019659A JP2007181035A JP2007181035A JP2009019659A JP 2009019659 A JP2009019659 A JP 2009019659A JP 2007181035 A JP2007181035 A JP 2007181035A JP 2007181035 A JP2007181035 A JP 2007181035A JP 2009019659 A JP2009019659 A JP 2009019659A
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Abstract

【課題】車両走行時の前輪(左輪)−後輪(右輪)回転速度差による、駆動系の残留ねじれに起因するショックを防止する。
【解決手段】駆動系のねじれ角度を検出して、ねじれ方向が反転する際の角度がゼロの近傍に至った時点で、電磁コイル13aに対する印加電流を低減して、メインクラッチ機構10cに残留する残留トルクを開放し、その後、電磁コイル13aに電流を印加してメインクラッチ機構10cを再係合する制御を行う。これにより、駆動系のねじれがほぼ解消された状態でメインクラッチ機構10cにおけるトルク低減がなされることから、トルク抜けに起因するショックの発生を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の前後輪の動力伝達経路に配置されて前後輪駆動車を構成する駆動力伝達装置や、車両の左右輪の動力伝達経路に配置されてリミテッドスリップデファレンシャルを構成する駆動力伝達装置に関する。
車両用の駆動力伝達装置の一形式として、外側回転部材と同外側回転部材内にて同軸的かつ回転可能に位置する内側回転部材との間に、メインクラッチ機構、カム機構および電磁式のパイロットクラッチ機構を配設して構成され、前記パイロットクラッチ機構の電磁コイルに電流を印加することにより発生するパイロットトルクを前記カム機構にて軸方向のカム推力に変換し、同カム推力にて前記メインクラッチ機構を押圧して係合動作させて、前記両回転部材間のトルク伝達を行う駆動力伝達装置であって、前記電磁コイルに対する印加電流を増減することにより前記メインクラッチ機構に生じるカップリング伝達トルクを制御する制御装置を備える形式の駆動力伝達装置がある(特許文献1を参照)。
ところで、当該形式の駆動力伝達装置が車両の前後輪の動力伝達経路に配置されて車両を四輪駆動車に構成する使用形態においては、カム機構がパイロットトルクにより作動状態にあって両回転部材間でトルク伝達がなされている場合に、両回転部材の差動回転に反転状態(トルクの反転)が発生することがある。両回転部材の差動回転に反転状態が発生する伝達トルクの反転時には、駆動系を構成する各構成部材のガタや摩擦等に起因するスティクスリップにより伝達トルクの変動(トルク変動)が発生することがあり、また、当該トルク変動は異音の発生原因となることがある。
例えば、当該形式の駆動力伝達装置を搭載する後輪駆動をベースとする四輪駆動車においては、特に発進時では後輪の回転速度が前輪の回転速度より速いが、例えば、この状態から旋回走行状態に移行すると、旋回半径の関係で、前輪の回転速度が後輪の回転速度より速くなって、両回転部材の差動回転が反転する状態が発生する。両回転部材の差動回転が反転すると、駆動系を構成する各構成部材のガタや摩擦等に起因するスティクスリップにより伝達トルクの変動(トルク変動)が発生する。その他、後輪駆動をベースとする四輪駆動車、前輪駆動をベースとする四輪駆動車の両者において、駆動力伝達装置の両回転部材の差動回転が反転する状態が発生する場合としては、前進走行から後進走行に移行した場合、および、後進走行から前進走行に移行した場合がある。
また、当該形式の駆動力伝達装置が車両の左右輪の動力伝達経路に配置されてリミッテッドスリップデファレンシャルを構成する使用形態においては、車両の旋回走行状態時に左右の車輪間で回転速度差が生じて両回転部材に差動回転が発生するが、車両の旋回方向が反転した時点で、駆動力伝達装置の両回転部材の差動回転が反転する状態(トルクの反転)が発生し、両回転部材の差動回転に反転状態が発生する伝達トルクの反転時には、駆動系を構成する各構成部材のガタや摩擦等に起因するスティクスリップにより伝達トルクの変動(トルク変動)が発生することがあり、また、当該トルク変動は異音の発生原因となることがある。
特許第3848835号公報
このように、当該形式の駆動力伝達装置においては、伝達トルクの反転時には、駆動系を構成する各構成部材のガタや摩擦等に起因するスティクスリップにより伝達トルクの変動(トルク変動)が発生することがあり、また、当該トルク変動は異音の発生原因となることがある。このような問題に対処すべく、上記した特許文献1にて提案されている駆動力伝達装置においては、伝達トルクの方向が反転した時点で、メインクラッチ機構におけるトルクを低減する手段が採られている。しかしながら、このようなトルク低減手段を採る場合には、駆動系にねじれが残留しているうちにトルクを低減することになるため、トルク抜けに起因するショックが発生するおそれがある。従って、本発明の目的は、このようなトルク抜けによるショックの発生を防止することにある。
本発明は、駆動力伝達装置に関する。本発明が適用対象とする駆動力伝達装置は、外側回転部材と同外側回転部材内にて同軸的かつ回転可能に位置する内側回転部材との間に、メインクラッチ機構、カム機構および電磁式のパイロットクラッチ機構を配設して構成され、前記パイロットクラッチ機構の電磁コイルに電流を印加することにより発生するパイロットトルクを前記カム機構にて軸方向のカム推力に変換し、同カム推力にて前記メインクラッチ機構を押圧して係合動作させて、前記両回転部材間のトルク伝達を行う駆動力伝達装置であって、前記電磁コイルに対する印加電流を増減することにより前記メインクラッチ機構に生じるカップリング伝達トルクを制御する制御装置を備える形式の駆動力伝達装置である。
しかして、本発明に係る第1の駆動力伝達装置は、上記した形式の駆動力伝達装置であって、前記外側回転部材または同外側回転部材に連結された駆動経路と前記内側回転部材または同内側回転部材に連結された駆動経路との間のねじれ角を検出するねじれ角検出手段を備え、前記制御装置は、前記ねじれ角検出手段にて検出されるねじれ角のねじれ方向が反転する際のねじれ角度がゼロの近傍に至った時点で、前記電磁コイルに対する印加電流を低減して、前記カム機構に残留するカム推力を開放し、その後、前記電磁コイルに電流を印加して前記メインクラッチ機構を再係合する制御を行うことを特徴とするものである。
また、本発明に係る第2の駆動力伝達装置は、上記した形式の駆動力伝達装置であって、前記外側回転部材または同外側回転部材に連結された駆動経路と前記内側回転部材または同内側回転部材に連結された駆動経路との間のねじれ角を検出するねじれ角検出手段を備え、前記制御装置は、前記ねじれ角検出手段にて検出されるねじれ角のねじれ方向が反転する際のねじれ角度がゼロを越えて反転方向の所定の角度に至った時点で、前記電磁コイルに対する印加電流を低減して、前記カム機構に残留するカム推力を開放し、その後、前記電磁コイルに電流を印加して前記メインクラッチ機構を再係合する制御を行うことを特徴とするものである。
本発明に係るこれらの駆動力伝達装置においては、エンジンの駆動力を前輪側および後輪側に伝達する駆動経路に配設して、後輪駆動をベースとする前後輪駆動車を構成する使用形態を採ることができ、エンジンの駆動力を後輪側に伝達する駆動経路に配設して、前輪駆動をベースとする前後輪駆動車を構成する使用形態を採ることができ、また、エンジンの駆動力を左輪側および右輪側に伝達する駆動経路に配設して、リミテッドスリップデファレンシャルを構成する使用形態を採ることができる。
本発明に係る第1の駆動力伝達装置においては、外側回転部材または外側回転部材に連結された駆動経路と内側回転部材または内側回転部材に連結された駆動経路との間のねじれ角度を検出して、ねじれ方向が反転する際の角度がゼロの近傍に至った時点で、電磁コイルに対する印加電流を低減して、前記カム機構に残留するカム推力を開放し、その後、電磁コイルに電流を印加してメインクラッチ機構を再係合する制御を行うため、駆動系のねじれがほぼ解消された状態でメインクラッチ機構におけるトルク低減がなされることから、トルク抜けに起因するショックの発生を防止することができる。
また、本発明に係る第2の駆動力伝達装置においては、外側回転部材または外側回転部材に連結された駆動経路と内側回転部材または内側回転部材に連結された駆動経路との間のねじれ角度を検出して、ねじれ方向が反転する際の角度がゼロを越えて反転方向の所定の角度に至った時点で、電磁コイルに対する印加電流を低減して、カム機構に残留するカム推力を開放し、その後、電磁コイルに電流を印加してメインクラッチを再係合する制御を行っているため、上記した第1の駆動力伝達装置と同様、駆動系のねじれがほぼ解消された状態でメインクラッチ機構におけるトルク低減がなされることから、トルク抜けに起因するショックの発生を防止することができる。
特に、本発明に係る第2の駆動力伝達装置のごとく、電磁コイルの印加電流を制御する制御手段を採る場合には、一旦、車両を駆動系のねじれ方向が反転する走行状態に変更したが、車両を元の走行状態に速やかに復帰させる走行状態を採る場合には、電磁コイルに印加する電流の無用な制御を回避することができる利点がある。
本発明に係る駆動力伝達装置は、外側回転部材と同外側回転部材内にて同軸的かつ回転可能に位置する内側回転部材との間に、メインクラッチ機構、カム機構および電磁式のパイロットクラッチ機構を配設して構成され、前記パイロットクラッチ機構の電磁コイルに電流を印加することにより発生するパイロットトルクを前記カム機構にて軸方向のカム推力に変換し、同カム推力にて前記メインクラッチ機構を押圧して係合動作させて、前記両回転部材間のトルク伝達を行う駆動力伝達装置であって、前記電磁コイルに対する印加電流を増減することにより前記メインクラッチ機構に生じるカップリング伝達トルクを制御する制御装置を備える駆動力伝達装置である。
図1には、本発明の一実施形態に係る駆動力伝達装置を示している。当該駆動力伝達装置10は、軸線を中心として略対称に構成されているもので、図1には、軸線を中心とした略半分の断面を示している。当該駆動力伝達装置10は、図2に示すように、後輪駆動をベースとする四輪駆動車を構成するトランスファの構成部品として搭載される使用形態が採られ、また、図3に示すように、前輪駆動をベースとする四輪駆動車の後輪側の動力伝達経路の途中に配設される使用形態が採られ、また、図示はしないが、車両の左右輪の動力伝達経路に配置されてリミテッドスリップデファレンシャルを構成する使用形態が採られる。
図2に示す四輪駆動車は、縦型エンジン21を搭載する後輪駆動をベースとする四輪駆動車であって、エンジン21の後側に配設したトランスミッション22の後側にトランスファ23を備えている。トランスファ23は、後側プロペラシャフト24aと前側プロペラシャフト24b間に配設されていて、これら両プロペラシャフト24a,24bの連結を断続するもので、エンジン21の駆動力を後側プロペラシャフト24aへ常時出力するとともに、両プロペラシャフト24a,24bが互いに連結されている場合には、エンジン21の駆動力を分配して前側プロペラシャフト24bへも出力する。
当該四輪駆動車においては、両プロペラシャフト24a,24bが非連結状態にある場合には、エンジン21の駆動力は後側プロペラシャフト24aにのみ出力されて、当該駆動力は後側ディファレンシャル25aを介して両アクスルシャフト26a,26aに出力して左右の後輪26b,26bを駆動させる。これにより、当該四輪駆動車は、後輪26b,26b駆動の二輪駆動状態を構成する。また、当該四輪駆動車においては、両プロペラシャフト24a,24bが連結状態にある場合には、エンジン21の駆動力は後側プロペラシャフト24aおよび前側プロペラシャフト24bへ分配され、前側プロペラシャフト24bへ出力された駆動力は、前側ディファレンシャル25bを介して両アクスルシャフト27a,27aに出力して左右の前輪27b,27bを駆動させる。これにより、当該四輪駆動車は、四輪駆動状態を構成する。
駆動力伝達装置10は、図示しない連結機構と一体にトランスファを構成するもので、図1に示すように、外側回転部材であるアウタケース10a、内側回転部材であるインナシャフト10b、メインクラッチ機構10c、パイロットクラッチ機構10d、および、カム機構10eを備えている。
駆動力伝達装置10を構成するアウタケース10aは、筒状のハウジング11aと、ハウジング11aの後端開口部に嵌合螺着されて同開口部を覆蓋するリヤカバー11bとにより形成されている。ハウジング11aは非磁性材料であるアルミ合金にて、かつ、リヤカバー11bは磁性材料である鉄にてそれぞれ形成されている。リヤカバー11bには、その中間部に、非磁性材料であるステンレス製の筒体11cが埋設されており、筒体11cは環状の非磁性部位を形成している。インナシャフト10bは、リヤカバー11bの中央部を液密的に貫通してアウタケース10a内に同軸的に挿入されていて、軸方向を規制された状態で、ハウジング11aの前側壁部とリヤカバー11bとに回転可能に支持されている。
インナシャフト10bは、その内孔を貫通する後側プロペラシャフト24aとスプライン嵌合して、後側プロペラシャフト24aとはトルク伝達可能に連結される。なお、ハウジング11aの前側壁部には図示しないドライブスプロケットが一体回転可能に組付けられ、かつ、前側プロペラシャフト24bの外周には図示しないドリブンスプロケットが一体回転可能に組付けられている。これら両スプロケットには、図示しないドライブチェーンが懸装されていて、トランスファの連結機構を構成している。連結機構は、アウタケース10aの駆動力を前側プロペラシャフト24bに伝達すべく機能する。
メインクラッチ機構10cは湿式多板式の摩擦クラッチであり、多数のクラッチプレート(インナクラッチプレート12a、アウタクラッチプレート12b)を備え、ハウジング11a内に配設されている。メインクラッチ機構10cを構成する各インナクラッチプレート12aは、インナシャフト10bの外スプライン11dにスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各アウタクラッチプレート12bはハウジング11aの内スプライン11eにスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。各インナクラッチプレート12aと各アウタクラッチプレート12bは交互に位置していて、互いに当接して摩擦係合するとともに、互いに離間して自由状態となる。
パイロットクラッチ機構10dは、電磁石13、摩擦クラッチ14、アーマチャ15、および、ヨーク16にて構成されている。電磁石13は環状を呈し、ヨーク16に嵌着された状態でリヤカバー11bの環状凹所に嵌合されている。ヨーク16は、リヤカバー11bの後端部の外周に回転可能に支持された状態で、車体側に固定されている。
摩擦クラッチ14は、複数のアウタクラッチプレート14aとインナクラッチプレート14bとからなる湿式の摩擦クラッチであり、各アウタクラッチプレート14aは、ハウジング11aの内スプライン11eにスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、かつ、各インナクラッチプレート14bは、後述するカム機構10eを構成する第1カム部材17aの外スプライン17a1にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられている。アーマチャ15は環状を呈するもので、ハウジング11aの内スプライン11eにスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられていて、摩擦クラッチ14の前側に位置してこれと対向している。
以上の構成のパイロットクラッチ機構10dにおいては、電磁石13の電磁コイル13aへ通電することによって、電磁石13を基点としてヨーク16、リヤカバー11b、摩擦クラッチ14、および、アーマチャ15を循環する磁束が通るループ状の循環磁路が形成される。電磁石13の電磁コイル13aへの印加電流は、デューティ制御により設定された所定の電流値に制御される。
電磁石13の電磁コイル13aに対する通電の断続(印加電流の断続)は、手動スイッチの切替え操作によってなされ、後述する3つの駆動モードを選択できるようになっている。当該スイッチは、車室内の運転席の近傍に配設されて、運転者が容易に操作し得るようになっている。なお、当該駆動力伝達装置10を後述する第2の駆動モードのみの構成とすれば、当該スイッチを省略できる。
カム機構10eは、第1カム部材17a、第2カム部材17b、および、カムフォロアー17cにて構成されている。第1カム部材17aは、インナシャフト10bの外周に回転可能に嵌合していて、リヤカバー11bに回転可能に支承されており、その外スプライン17a1には、摩擦クラッチ14のインナクラッチプレート14bがスプライン嵌合している。第2カム部材17bは、インナシャフト10bの外スプライン11dにスプライン嵌合して一体回転可能に組付けられていて、メインクラッチ機構10cのインナクラッチプレート12aの後側に対向して位置している。第1カム部材17aと第2カム部材17bの互いに対向するカム溝には、ボール状のカムフォロア17cが介在している。
当該駆動力伝達装置10においては、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁石13の電磁コイル13aが非通電状態にある場合には磁路は形成されず、摩擦クラッチ14は非係合状態にある。このため、パイロットクラッチ機構10dは非作動の状態にあって、カム機構10eを構成する第1カム部材17aはカムフォロア17cを介して第2カム部材17bと一体回転可能であり、メインクラッチ機構10cは非作動の状態にある。このため、アウタケース10aとインナシャフト10bとは非連結状態にあって、車両は後輪26b,26bが駆動する二輪駆動である第1の駆動モードを構成する。
一方、当該駆動力伝達装置10において、パイロットクラッチ機構10dの電磁石13の電磁コイル13aへ通電されると、電磁石13を基点とするループ状の循環磁路が形成されて磁力が発生し、電磁石13はアーマチャ15を吸引する。これにより、アーマチャ15は摩擦クラッチ14を押圧して摩擦係合させ、カム機構10eの第1カム部材17aをアウタケース10a側へ連結させて、第2カム部材17bとの間に相対回転を生じさせる。この結果、カム機構10eでは、カムフォロア17cが両カム部材17a,17bを互いに離間する方向へ押圧する。
このため、第2カム部材17bはメインクラッチ機構10c側へ押動されて、メインクラッチ機構10cをハウジング11aの前側壁部とにより押圧して、摩擦クラッチ14の摩擦係合力に応じて摩擦係合させる。これにより、アウタケース10aとインナシャフト10b間のトルク伝達が生じ、車両は両プロペラシャフト24a,24bが非直結状態と直結状態間での四輪駆動である第2の駆動モードを構成する。この駆動モードでは、車両の走行状態に応じて、後前輪間の駆動力分配比を100:0(二輪駆動状態)〜直結状態の範囲で制御することができる。
この第2の駆動モードでは、車輪速度センサ、アクセル開度センサ、舵角センサ等各種のセンサからの信号に基づいて、車両の走行状態や路面状態に応じて電磁コイル13aへの印加電流をデューティ制御することにより、摩擦クラッチ14の摩擦係合力に起因するカム推力が制御されて、前輪27b,27b側への伝達トルクが制御される。
また、電磁石13の電磁コイル13aへの印加電流を所定の値に高めると電磁石13のアーマチャ15に対する吸引力が増大し、アーマチャ15は強く吸引されて摩擦クラッチ14の摩擦係合力を増大させ、両カム部材17a,17b間の相対回転を増大させる。この結果、カムフォロアー17cは第2カム部材17bに対する押圧力(カム推力)を高めて、メインクラッチ機構10cを結合状態とする。このため、車両は両プロペラシャフト24a,24bが直結状態の四輪駆動である第3の駆動モードを構成する。
当該駆動力伝達装置10は、図2に示すように、後輪駆動をベースとする四輪駆動車を構成するトランスファの構成部品として搭載されているものであるが、当該駆動力伝達装置10を、前輪駆動をベースとする四輪駆動車の後輪側の駆動力伝達経路の途中に配設できる構成に変更して、変更された駆動力伝達装置10Aを、図3に示すように、後輪側への駆動力伝達経路の途中に配設することにより、前輪駆動をベースとする四輪駆動車を構成することができる。
当該駆動力伝達装置10Aにおいては、図1に示す駆動力伝達装置10を構成するアウタケース10aが後述する第1プロペラシャフト24cにトルク伝達可能に連結される構成に変更され、インナシャフト10bが後述する第2プロペラシャフト24dが挿入されてトルク伝達可能に連結される構成に変更されている。当該駆動力伝達装置10Aは、アウタケース10aに第1プロペラシャフト24cをトルク伝達可能に連結し、かつ、インナシャフト10bに第2プロペラシャフト24dをトルク伝達可能に連結することにより、後輪側への駆動力伝達経路の途中に配設されて、前輪駆動をベースとする四輪駆動車を構成している。
当該四輪駆動車において、トランスアクスル28はトランスミッション、トランスファおよびフロントディファレンシャルを一体に備えるもので、エンジン21の駆動力をトランスアクスル28の前側ディファレンシャル25bを介して、両アクスルシャフト27a,27aに出力して左右の前輪27b,27bを駆動させるとともに、第1プロペラシャフト24c側に出力させる。第1プロペラシャフト24cは、駆動力伝達装置10Aを介して第2プロペラシャフト24dに連結されており、両プロペラシャフト24c,24dがトルク伝達可能に連結された場合には、駆動力は後側ディファレンシャル25aに伝達され、後側ディファレンシャル25aから両アクスルシャフト26a,26aへ出力されて左右の後輪26b,26bを駆動させる。
しかして、当該駆動力伝達装置10においては、電磁石13の電磁コイル13aに対する印加電流を増減することによってメインクラッチ機構10cに生じる伝達トルク(カップリング伝達トルク)を制御する電気的制御装置30を備えている。電気的制御装置30は、図4に示すように、マイクロコンピュータおよび駆動回路を内蔵する制御装置31、および、当該駆動力伝達装置10を中心として前輪側(左輪側)および後輪側(右輪側)の角速度を検出する角速度検出手段32a,32bを必須とするもので、制御装置31は、電源33から電磁コイル13aに印加される電流の増減を制御する。
図5は、制御装置31による電磁石13の電磁コイル13aに対する印加電流の増減制御に不可欠の要素を説明するもので、同図(a)は、当該駆動力伝達装置10を前輪−後輪(左輪−右輪)間に配設された状態を模式的に示するものであり、同図(b)は、カップリング伝達トルクTと前輪−後輪(左輪−右輪)の駆動系ねじれ角Δθの関係を示すグラフである。なお、同図(a)に表示するωFは前輪(左輪)側の角速度を示し、ωRは後輪(右輪)側の角速度を示している。また、同図(b)に表示するTcはカップリング伝達トルクTのカップリング制御トルクTcを示し、Δθmaxはカップリング制御トルクTcで残留可能な駆動系ねじれ角の最大値を示している。
制御装置31を構成するマイクロコンピュータは、エンジンの始動により動作を開始し、制御プログラム(A)を図6に示すフローチャートに基づいて実行するとともに、制御プログラム(B),(C)のいずれかを、図7または図8に示すフローチャートに基づいて実行する。なお、制御装置31は、当該駆動力伝達装置10を搭載されている車両の駆動状態を制御するその他の制御プログラムも実行するが、当該制御プログラムを実行するためのフローチャートの表示は省略してある。なお、図5〜図8に示している制御に不可欠の要素の定義については、表1に一括して示している。
Figure 2009019659
電気的制御装置30は、パイロットクラッチ機構10dを構成する電磁コイル13aに対する印加電流を増減して、前輪(左輪)−後輪(右輪)(アウタケース10aとインナシャフト10b間)のトルク(カップリング伝達トルクT)を制御するもので、制御装置31を構成するマイクロコンピュータは、エンジンの始動よって動作を開始し、先ず、制御プログラム(A)を図6に示すフローチャートに基づいて実行して、前輪(左輪)−後輪(右輪)駆動系のねじれ角の最大値Δθsを記憶し、次いで、制御プログラム(B),(C)のいずれかを図7または図8に示すフローチャートに基づいて実行して、カップリング伝達トルクTの制御を行う。
図7に示すカップリング伝達トルクTの制御プログラム(B)は、前輪(左輪)−後輪(右輪)駆動系のねじれ方向が反転する際の駆動系ねじれ角度Δθがゼロの近傍に至った時点で電磁コイル13aに対する印加電流を低減して、カム機構10eに残留するカム推力を開放し、その後、メインクラッチ機構10cを再係合する制御を行うものである。一方、図8に示すカップリング伝達トルクTの制御プログラム(C)は、前輪(左輪)−後輪(右輪)駆動系のねじれ方向が反転する際の駆動系ねじれ角度Δθがゼロを越えて反転方向の所定の角度に至った時点で、電磁コイル13aに対する印加電流を低減して、カム機構10eに残留するカム推力を開放し、その後、メインクラッチ機構10cを再係合する制御を行うものである。
制御装置31を構成するマイクロコンピュータは、前輪(左輪)−後輪(右輪)駆動系のねじれ角の最大値Δθsを記憶する制御プログラム(A)の実行では、前輪(左輪)の角速度ωFと後輪(右輪)の角速度ωRから前輪(左輪)−後輪(右輪)駆動系の相対角θwを算出し(ステップ101)するとともに、カップリング制御トルクTcと駆動系剛性特性から、カップリング制御トルクTcで残留可能な駆動系最大ねじれ角Δθmaxを算出する(ステップ102)。なお、駆動系最大ねじれ角Δθmaxは、図5(b)に示すグラフ(マップ化)から算出してもよく、また、計算によって算出してもよい。
次いで、マイクロコンピュータは、ステップ103にて、算出された駆動系相対角θwの絶対値と算出された残留可能な駆動系最大ねじれ角Δθmaxの絶対値を比較し(ステップ103)、駆動系相対角θwの絶対値が残留可能な駆動系最大ねじれ角Δθmaxより小さい場合には、前輪(左輪)−後輪(右輪)駆動系ねじれ角Δθと駆動系相対角θwとが等しいものとし(ステップ104)、駆動系相対角θwが残留可能な駆動系最大ねじれ角Δθmaxと同等かこれより大きい場合には、前輪(左輪)−後輪(右輪)駆動系ねじれ角Δθと残留可能な駆動系最大ねじれ角Δθmaxとが等しいものとして(ステップ105)、制御プログラムをステップ106に進める。
マイクロコンピュータは、ステップ106では、残留可能な駆動系最大ねじれ角Δθmaxの絶対値が所定の角度Δθ1以上か否かを判定し、残留可能な駆動系最大ねじれ角Δθmaxの絶対値が所定の角度Δθ1以上であると判定した場合には、ステップ107にて、駆動系ねじれ角Δθの絶対値が所定の角度Δθ2以上か否かを判定し、駆動系ねじれ角Δθの絶対値が所定の角度Δθ2以上であると判定した場合には、ステップ108にて、駆動系ねじれ角の最大値Δθsは駆動系ねじれ角Δθであるとしてこれを記憶する。
一方、マイクロコンピュータは、ステップ106にて、残留可能な駆動系最大ねじれ角Δθmaxの絶対値が所定の角度Δθ1未満であると判定した場合には、ステップ109にて、駆動系ねじれ角の最大値Δθsは0であるものして、駆動系ねじれ角の最大値Δθsの記憶をクリアする。すなわち、残留可能な駆動系最大ねじれ角Δθmaxの絶対値が所定の角度Δθ1未満である場合には、ねじれによるエネルギーが小さいものと判定して、駆動系ねじれ角の最大値Δθsの記憶をクリアする。また、マイクロコンピュータは、ステップ107にて、駆動系ねじれ角Δθの絶対値が所定の角度Δθ2未満であると判定した場合には、駆動系ねじれ角の最大値Δθsを記憶することなく、制御プログラムの実行を終了する。
マイクロコンピュータは、上記した駆動系ねじれ角の最大値Δθsを記憶するか否かの制御を終了した時点で、カップリング伝達トルクTの制御プログラム(B),(C)のいずれかを、図7または図8に示すフローチャートに基づいて実行する。
図7に示すカップリング伝達トルクTの制御プログラム(B)は、前輪(左輪)−後輪(右輪)駆動系のねじれ方向が反転する際の駆動系ねじれ角度Δθがゼロの近傍に至った時点で電磁コイル13aに対する印加電流を低減して、カム機構10eに残留するカム推力を開放し、その後、メインクラッチ機構10cを再係合する制御を行うものである。
マイクロコンピュータは、ステップ201にて、駆動系ねじれ角の最大値Δθsが記憶されているか否かを判定し、駆動系ねじれ角の最大値Δθsが記憶されていると判定した場合には、ステップ202にて、駆動系ねじれ角Δθの絶対値が所定の角度Δθ3以下否かを判定し、駆動系ねじれ角Δθの絶対値が所定の角度Δθ3以下であると判定した場合には、駆動系のねじれ方向が反転する際の駆動系ねじれ角度Δθがゼロの近傍に至ったものと判定して、ステップ203にて、制御トルクを所定時間低減して、カム機構10eに残留するカム推力を開放し、その後に、メインクラッチ機構10cを再係合させる。
一方、マイクロコンピュータは、ステップ201にて、駆動系ねじれ角の最大値Δθsが記憶されていないものと判定した場合、および、ステップ202にて、駆動系ねじれ角Δθの絶対値が所定の角度Δθ3を越えるものと判定した場合には、制御トルクを所定時間低減する制御を行うことなく、制御プログラムの実行を終了する。
このように、当該制御プログラム(B)の実行では、駆動系のねじれ方向が反転する際の駆動系ねじれ角度Δθがゼロの近傍に至った時点で電磁コイル13aに対する印加電流を低減して、カム機構10eに残留するカム推力を開放し、その後、メインクラッチ機構10cを再係合する制御を行うものであることから、駆動系のねじれがほぼ解消された状態でメインクラッチ機構10cにおけるトルク低減がなされることになり、トルク抜けに起因するショックの発生を防止することができる。
図8に示すカップリング伝達トルクTの制御プログラム(C)は、前輪(左輪)−後輪(右輪)駆動系のねじれ方向が反転する際の駆動系ねじれ角度Δθがゼロを越えて反転方向の所定の角度に至った時点で、電磁コイル13aに対する印加電流を低減して、カム機構10eに残留するカム推力を開放し、その後、メインクラッチ機構10cを再係合する制御を行うものである。
マイクロコンピュータは、ステップ301にて、駆動系ねじれ角の最大値Δθsが記憶されているか否かを判定し、駆動系ねじれ角の最大値Δθsが記憶されていると判定した場合には、ステップ302にて、(駆動系ねじれ角Δθ×駆動系ねじれ角の最大値Δθs)がゼロ未満か否かを判定し、(駆動系ねじれ角Δθ×駆動系ねじれ角の最大値Δθs)がゼロ未満であると判定した場合には反転があったものとして、ステップ303にて、駆動系ねじれ角Δθの絶対値が所定の角度Δθ4以上であるか否かを判定し、駆動系ねじれ角Δθの絶対値が所定の角度Δθ4以上であると判定した場合には、駆動系のねじれ方向が反転する際の駆動系ねじれ角度Δθがゼロを越えて反転方向の所定の角度に至ったものと判定して、ステップ304にて、制御トルクを所定時間低減して、カム機構10eに残留するカム推力を開放し、その後、メインクラッチ機構10cを再係合させる。
一方、マイクロコンピュータは、ステップ301にて、駆動系ねじれ角の最大値Δθsが記憶されていないものと判定した場合、ステップ302にて、(駆動系のねじれ角Δθ×駆動系ねじれ角の最大値Δθs)がゼロ以上であると判定した場合、および、ステップ303にて、駆動系ねじれ角Δθの絶対値が所定の角度Δθ4未満であると判定した場合には、制御トルクを所定時間低減する制御を行うことなく、制御プログラムの実行を終了する。
このように、当該制御プログラム(C)の実行によれば、駆動系のねじれ方向が反転する際の駆動系ねじれ角度Δθがゼロを越えて反転方向の所定の角度に至った時点で、電磁コイル13aに対する印加電流を低減して、カム機構10eに残留するカム推力を開放し、その後、メインクラッチ機構10cを再係合する制御を行うものであることから、駆動系のねじれがほぼ解消された状態でメインクラッチ機構10cにおけるトルク低減がなされることになり、トルク抜けに起因するショックの発生を防止することができる。当該制御プログラム(C)によれば、特に、一旦、駆動系の回転方向が反転する走行状態に変更したが、車両を元の走行状態にすぐに復帰させる走行状態を採る場合には、電磁コイル13aに対する無用な印加電流の制御を回避することができる利点がある。
本発明の一実施形態に係る駆動力伝達装置の部分断面図である。 同駆動力伝達装置をトランスファに組込んで搭載した後輪駆動をベースとする四輪駆動車のスケルトン図である。 同駆動力伝達装置を搭載した前輪駆動をベースとする四輪駆動車のスケルトン図である。 同駆動力伝達装置を構成する電気的制御装置の概略を示すブロック図である。 同駆動力伝達装置を配設した駆動系の構成を概略的に示す模式図(a)、および、カップリングトルクTと駆動系ねじれ角Δθとの関係を示すグラフ(b)である。 同駆動力伝達装置における駆動系ねじれ角の最大値Δθsを記憶する制御プログラム(A)を実行するためのフローチャートである。 同駆動力伝達装置におけるカップリング伝達トルクTの制御プログラム(B)を実施するためのフローチャートである。 図駆動力伝達装置におけるカップリング伝達トルクTの制御プログラム(C)を実施するためのフローチャートである。
符号の説明
10,10A…駆動力伝達装置、10a…アウタケース、10b…インナシャフト、10c…メインクラッチ機構、10d…パイロットクラッチ機構、10e…カム機構、11a…ハウジング、11b…リヤカバー、11c…筒体、11d…外スプライン、11e…内スプライン、12a…インナクラッチプレート、12b…アウタクラッチプレート、13…電磁石、13a…電磁コイル、14…摩擦クラッチ、14a…アウタクラッチプレート、14b…インナクラッチプレート、15…アーマチャ、16…ヨーク、17a…第1カム部材、17b…第2カム部材、17c…カムフォロア、21…エンジン、22…トランスミッション、23…トランスファ、24a…後側プロペラシャフト、24b…前側プロペラシャフト、24c…第1プロペラシャフト、24d…第2プロペラシャフト、25a…後側ディファレンシャル、25b…前側ディファレンシャル、26a…後側アクスルシャフト、26b…後輪、27a…前側アクスルシャフト、27b…前輪、28…トランスアクスル、30…電気的制御手段、31…制御装置、32a,32b…角速度検出手段、33…電源。

Claims (5)

  1. 外側回転部材と同外側回転部材内にて同軸的かつ回転可能に位置する内側回転部材との間に、メインクラッチ機構、カム機構および電磁式のパイロットクラッチ機構を配設して構成され、前記パイロットクラッチ機構の電磁コイルに電流を印加することにより発生するパイロットトルクを前記カム機構にて軸方向のカム推力に変換し、同カム推力にて前記メインクラッチ機構を押圧して係合動作させて、前記両回転部材間のトルク伝達を行う駆動力伝達装置であって、前記電磁コイルに対する印加電流を増減することにより前記メインクラッチ機構に生じるカップリング伝達トルクを制御する制御装置を備える駆動力伝達装置であり、当該駆動力伝達装置は、前記外側回転部材または同外側回転部材に連結された駆動経路と前記内側回転部材または同内側回転部材に連結された駆動経路との間のねじれ角を検出するねじれ角検出手段を備え、前記制御装置は、前記ねじれ角検出手段にて検出されるねじれ角のねじれ方向が反転する際のねじれ角度がゼロの近傍に至った時点で、前記電磁コイルに対する印加電流を低減して、前記カム機構に残留するカム推力を開放し、その後、前記電磁コイルに電流を印加して前記メインクラッチ機構を再係合する制御を行うことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 外側回転部材と同外側回転部材内にて同軸的かつ回転可能に位置する内側回転部材との間に、メインクラッチ機構、カム機構および電磁式のパイロットクラッチ機構を配設して構成され、前記パイロットクラッチ機構の電磁コイルに電流を印加することにより発生するパイロットトルクを前記カム機構にて軸方向のカム推力に変換し、同カム推力にて前記メインクラッチ機構を押圧して係合動作させて、前記両回転部材間のトルク伝達を行う駆動力伝達装置であって、前記電磁コイルに対する印加電流を増減することにより前記メインクラッチ機構に生じるカップリング伝達トルクを制御する制御装置を備える駆動力伝達装置であり、当該駆動力伝達装置は、前記外側回転部材または同外側回転部材に連結された駆動経路と前記内側回転部材または同内側回転部材に連結された駆動経路との間のねじれ角を検出するねじれ角検出手段を備え、前記制御装置は、前記ねじれ角検出手段にて検出されるねじれ方向が反転する際のねじれ角度がゼロを越えて反転方向の所定の角度に至った時点で、前記電磁コイルに対する印加電流を低減して、前記カム機構に残留するカム推力を開放し、その後、前記電磁コイルに電流を印加して前記メインクラッチ機構を再係合する制御を行うことを特徴とする駆動力伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の駆動力伝達装置は、エンジンの駆動力を前輪側および後輪側に伝達する駆動経路に配設されて、後輪駆動をベースとする前後輪駆動車を構成することを特徴とする駆動力伝達装置。
  4. 請求項1または2の記載に駆動力伝達装置は、エンジンの駆動力を後輪側に伝達する駆動経路に配設されて、前輪駆動をベースとする前後輪駆動車を構成することを特徴とする駆動力伝達装置。
  5. 請求項1または2に記載の駆動力伝達装置は、エンジンの駆動力を左輪側および右輪側に伝達する駆動経路に配設されて、リミテッドスリップデファレンシャルを構成することを特徴とする駆動力伝達装置。
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