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JP2009003331A - 防眩フィルム - Google Patents

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JP2009003331A JP2007166075A JP2007166075A JP2009003331A JP 2009003331 A JP2009003331 A JP 2009003331A JP 2007166075 A JP2007166075 A JP 2007166075A JP 2007166075 A JP2007166075 A JP 2007166075A JP 2009003331 A JP2009003331 A JP 2009003331A
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久光 亀島
Tomo Yoshinari
朋 吉成
Hanae Takahashi
華恵 高橋
Yusuke Tochigi
佑介 栃木
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】良好な防眩性を備え、白茶ける現象(白ボケ)が少なく、高い耐擦傷性を備え、ギラツキが少なく、白化がない防眩フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】有機粒子Aの平均粒径を前記防眩層の平均膜厚で除した値が0.40以上0.80以下であり、有機粒子Bの平均粒径を有機粒子Aの平均粒径で除した値が0.20以上0.60以下の範囲内であり、有機粒子Aの含有量と有機粒子Bの含有量の合計の含有量をバインダマトリックスの含有量で除した値が0.10以上0.40以内であり、有機粒子Bの含有量を有機粒子Aの含有量で除した値が0.50以上1.50以内であり、有機粒子Aの屈折率及び有機粒子Bとバインダマトリックスの屈折率との屈折率差がそれぞれ0.02以上0.05以下の範囲内であり、有機粒子Aの屈折率と有機粒子Bの屈折率との屈折率差が0.01以内であることを特徴とする防眩フィルムとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、窓やディスプレイなどの表面に設けられる防眩フィルムに関する。特に、液晶ディスプレイ(LCD)、CRTディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などのディスプレイの表面に設けられる防眩フィルムに関する。
液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、ELディスプレイ、および、プラズマディスプレイなどのディスプレイにおいては、視聴時にディスプレイ表面に外光が映りこむことによる視認性の低下を防ぐために、表面に凹凸構造を備える防眩フィルムをディスプレイの表面に設けることが知られている。
防眩フィルムとしては、例えば、下記の技術が知られている。
・エンボス加工法により防眩フィルム表面に凹凸構造を形成する技術
・バインダマトリックス形成材料中に粒子を混入させた塗液を塗布し、バインダマトリックス中に粒子を分散させることにより、防眩フィルム表面に凹凸構造を形成する技術
このようにして形成される凹凸構造を表面に備える防眩フィルムにおいては、表面凹凸構造により防眩フィルム入射する外光が散乱することにより、外光の像が不鮮明となり、ディスプレイ表面に外光が移りこむことによる視認性の低下を防ぐことが可能となる。
ここで、エンボス加工により表面に凹凸が形成されている防眩フィルムは、表面凹凸を完全に制御できる。そのため、再現性が良い。しかし、エンボスロールに欠陥または異物付着があるとロールのピッチで延々欠陥が出るといった問題がある。
一方、バインダマトリックスと粒子を用いた防眩フィルムは前記エンボス加工を用いた防眩フィルムよりも工程数が少ない。よって、安価に製造できる。そのため、バインダマトリックス中に粒子を分散させた様々な態様の防眩フィルムが知られている(特許文献1)。
バインダマトリックスと粒子を用いた防眩フィルムにあってはさまざまな技術が開示されており、例えば、以下のような技術が開示されている。
・バインダマトリックス樹脂と球形粒子と不定形粒子を併用する技術(特許文献2)
・バインダマトリックス樹脂と複数の粒径の異なる粒子を用いる技術(特許文献3)
・表面凹凸を有し、凹部の断面積を規定した技術(特許文献4)
また、以下のような技術も開示されている。
・内部の散乱と表面の散乱を併用し、防眩層の内部ヘイズ(曇度)を1〜15%とし、表面ヘイズ(曇度)を7〜30%とする技術(特許文献5)
・バインダー樹脂と粒径0.5〜5μmの粒子を用い、樹脂と粒子の屈折率差を0.02〜0.2とする技術(特許文献6)
・バインダー樹脂と粒径1〜5μmの粒子を用い、樹脂と粒子の屈折率差を0.05〜0.15とする技術。さらに、用いる溶媒、表面粗さなどを所定の範囲とした技術(特許文献7)
・バインダー樹脂と複数の粒子を用い、樹脂と粒子の屈折率差を0.03〜0.2とする技術(特許文献8)
・また視野角を変化させたときのコントラストの低下、色相変化等を低減することを目的とし、表面ヘイズ(曇度)を3以上、法線方向のヘイズ値と±60°方向のヘイズ値の差が4以下とする技術(特許文献9)
このように様々な目的で様々な構成の防眩フィルムが開示されている。
ディスプレイの前面に用いられる防眩フィルムの性能は場合、ディスプレイによって異なる。言い換えると、ディスプレイの解像度や使用目的などにより最適な防眩フィルムは異なる。したがって、目的に応じた形で多様な防眩フィルムが求められる。
特開平6−18706号公報 特開2003−260748号公報 特開2004−004777号公報 特開2003−004903号公報 特開平11−305010号公報 特開平11−326608号公報 特開2000−338310号公報 特開2000−180611号公報 特開平11−160505号公報
現在、防眩フィルムにあっては、(1)防眩層を備える側の表面に外光が映りこんだ際にその外光の像が不鮮明で良好な防眩性を備えることだけでなく、(2)防眩層を備える側の表面に蛍光灯等の照明が映りこんだ際に防眩フィルムが白茶ける現象(白ボケ)が少ないこと、(3)防眩層を備える側の表面が高い耐擦傷性を備えること、(4)防眩フィルムを備えるディスプレイにおいて表示した画像がチラチラする現象(ギラツキ)が少ないこと、(5)防眩フィルム自体が白っぽくない(白化がない)ことが好まれる傾向にある。本発明にあっては、(1)〜(4)に示した性能をすべて備える防眩フィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために請求項1にかかる発明としては、透明基材上に、バインダマトリックス及び有機粒子A及び該有機粒子Aの平均粒径よりも小さい平均粒径を有する有機粒子Bを備え、該バインダマトリックス中に前記有機粒子A及び前記有機粒子Bが分散してなる防眩層を備える防眩フィルムであって、前記有機粒子Aの平均粒径(R)を前記防眩層の平均膜厚(H)で除した値(R/H)が0.40以上0.80以下の範囲内であり、且つ、前記有機粒子Bの平均粒径(R)を前記有機粒子Aの平均粒径(R)で除した値(R/R)が0.20以上0.60以下の範囲内であり、且つ、前記防眩層中における有機粒子Aの含有量(w)と前記有機粒子Bの含有量(w)の合計の含有量(w+w)を前記防眩層中におけるバインダマトリックスの含有量(w)で除した値((w+w)/w)が0.10以上0.40以内であり、且つ、前記防眩層における有機粒子Bの含有量(w)を有機粒子Aの含有量(w)で除した値(w/w)が0.50以上1.50以内であり、且つ、前記有機粒子Aの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)及び前記有機粒子Bの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)がそれぞれ0.02以上0.05以下の範囲内であり、且つ、前記有機粒子Aの屈折率(n)と前記有機粒子B(n)の屈折率との屈折率差(|n−n|)が0.01以内であることを特徴とする防眩フィルムとした。
また、請求項2にかかる発明としては、前記防眩層が、透明基材と反対側の面に機能層を備え、且つ、前記防眩層がアクリル系の添加剤を含むことを特徴とする請求項1記載の防眩フィルムとした。
また、請求項3にかかる発明としては、観察者側から順に、請求項1または請求項2に記載の防眩フィルム、偏光板、液晶セル、偏光板、バックライトユニットをこの順に備えることを特徴とする透過型液晶ディスプレイとした。
上記構成の防眩フィルムとすることにより、(1)良好な防眩性を備え、(2)白ボケが少なく、(3)高い耐擦傷性を備え、(4)ギラツキが少なく、(5)それ自体が白っぽくない防眩フィルムとすることが可能となった。
図1に本発明の防眩フィルムの断面模式図を示した。本発明の防眩フィルム(1)は、透明基材(11)上に防眩層(12)を備える。本発明の防眩フィルム(1)の防眩層(12)は、バインダマトリックス(120)と有機粒子A(12A)と該有機粒子A(12A)の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する有機粒子B(12B)を含む。
本発明にあっては、(a)有機粒子Aの平均粒径(R)を防眩層の平均膜厚(H)で除した値(R/H)が0.40以上0.80以下の範囲内であること、(b)有機粒子Bの平均粒径(R)を有機粒子Aの平均粒径(R)で除した値(R/R)が0.20以上0.60以下の範囲内であること、(c)防眩層中における有機粒子Aの含有量(w)と前記有機粒子Bの含有量(w)の合計の含有量(w+w)を防眩層中におけるバインダマトリックスの含有量(w)で除した値((w+w)/w)が0.10以上0.40以内であること、(d)防眩層における有機粒子Bの含有量(w)を有機粒子Aの含有量(w)で除した値(w/w)が0.50以上1.50以内であること、(e)有機粒子Aの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)及び有機粒子Bの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)がそれぞれ0.02以上0.05以下の範囲内であること、(f)有機粒子Aの屈折率(n)と前記有機粒子B(n)の屈折率との屈折率差(|n−n|)が0.01以内であることを特徴とする。
本発明にあっては、(a)有機粒子Aの平均粒径(R)を防眩層の平均膜厚(H)で除した値(R/H)が0.40以上0.80以下の範囲内であることを特徴とする。R/Hが0.40に満たない場合、防眩層表面に凹凸を形成することが困難となり、防眩性が低下し、外光の映り込みを十分に防ぐことができなくなってしまう。一方、R/Hが0.80を超えるような場合、防眩層表面に大きな凸部が形成され、表面凹凸が過剰となり、外光が映りこんだ際に白ボケが発生してしまう。また、大きな凸部は防眩フィルム表面を擦った際に削りとられやすくなることから、耐擦傷性が低下する。
なお、本発明において、防眩層の平均膜厚(H)とは表面凹凸のある防眩層の膜厚の平均値のことである。平均膜厚は、電子マイクロメーター、全自動微細形状測定機により求めることができる。また、本発明に用いられる有機粒子Aの平均粒子径は、光散乱式粒子径分布測定装置により求められる。
また、本発明にあっては、(b)有機粒子Bの平均粒径(R)を有機粒子Aの平均粒径(R)で除した値(R/R)が0.20以上0.60以下の範囲内であることを特徴とする。R/Rが0.60を超えるような場合、有機粒子Aと有機粒子Bによって形成される表面の凹凸構造は過剰なものとなり、白ボケが発生し、また、耐擦傷性は低下する。一方、R/Rが0.20を下回るような場合、有機粒子Aと有機粒子Bが一体となって凝集してしまい、表面に過剰な凹凸を形成してしまう。すなわち、有機粒子Bが近接する複数の有機粒子Aの間に入り込み、有機粒子の凝集を防ぐことが困難となり、有機粒子Aによって形成される表面の凹凸構造は過剰なものとなり、白ボケが発生し、また、耐擦傷性は低下する。なお、本発明において、有機粒子Bの平均粒子径は、有機粒子Aの平均粒子径と同様に、光散乱式粒子径分布測定装置により求められる。
また、本発明にあっては、(c)防眩層中における有機粒子Aの含有量(w)と前記有機粒子Bの含有量(w)の合計の含有量(w+w)を防眩層中におけるバインダマトリックスの含有量(w)で除した値((w+w)/w)が0.10以上0.40以内であることを特徴とする。(w+w)/wが0.40を超えるような場合、有機粒子Aと有機粒子Bによって形成される表面の凹凸構造は過剰なものとなり、白ボケが発生し、また、耐擦傷性は低下する。また、(w+w)/wが0.10に満たない場合、防眩層表面に凹凸を形成することが困難となり、防眩性が低下し、外光の映り込みを十分に防ぐことができなくなってしまう。なお、本発明において、防眩層においてバインダマトリックスの含有量(w)は、防眩層全体の重量から有機粒子Aの重量及び有機粒子Bの重量を除いたものを指す
また、本発明にあっては、(d)有機粒子Bの含有量(w)を有機粒子Aの含有量(w)で除した値(w/w)が0.50以上1.50以内であることを特徴とする。本発明にあっては、前述の(a)、(b)、(c)を満たす有機粒子A、有機粒子Bを用い、w/wを0.50以上1.50以内とすることにより、隣接する有機粒子Aの間に有機粒子Bが配置され、防眩層中で有機粒子Aが凝集することがなく、有機粒子Aを均一に分散させることが可能となり、白ボケのない防眩フィルム、高い耐擦傷性を備える防眩フィルムとすることができる。w/wが0.50を下回る場合、有機粒子Bを隣接する有機粒子Aの間に配置することによって、有機粒子Aを防眩層中で均一に分散させることができず、有機粒子Aと有機粒子Bによって形成される表面の凹凸構造は過剰なものとなり、白ボケが発生し、また、耐擦傷性は低下する。w/wが1.50を上回るような場合、有機粒子Aの分散を防ぐことができるものの、有機粒子Bが凝集することにより、有機粒子Aと有機粒子Bによって形成される表面の凹凸構造は過剰なものとなり、白ボケが発生し、また、耐擦傷性は低下する。
表面に凹凸構造を備える防眩フィルムにおいては、表面に形成される凸部を大きくすることにより、外光が映りこんだ際に外光の像が不鮮明で良好な防眩性を得ることができる。しかしながら、防眩層表面の凹凸構造が過剰となった場合には、蛍光灯等の照明が映りこんだ際に「白ボケ」と呼ばれるディスプレイ全体が白茶ける現象が発生する。白ボケは、防眩層表面に形成された過剰な凹凸構造により、防眩層表面に入射する蛍光灯等の照明が過剰に散乱することによる。
また、過剰な凹凸構造を防眩層表面に備える防眩フィルムにあっては、防眩フィルム表面を擦った際に凸部が削り取られやすい。したがって、防眩フィルムを擦った際に、凸部が削り取られることによる痕が視認されやすく耐擦傷性の低い防眩フィルムとなってしまう。
バインダマトリックス中に粒子を分散させることにより防眩層表面に凹凸構造を形成する防眩フィルムにあっては、用いる粒子の平均粒子径を大きくすることにより防眩層表面に形成される凸部が大きくなる傾向を示す。一方、平均粒子径が小さい粒子を用いた場合にあっても、粒子が防眩層中で不均一に分散することにより、すなわち、粒子が凝集することにより、防眩層表面に過剰な凹凸構造が形成される。
本発明者らは、有機粒子Aと有機粒子Aの平均粒径に対して小さい平均粒径を備える有機粒子Bを用いて防眩層を形成することにより、2つの有機粒子Aの間に有機粒子Bが入り込むことにより、防眩層中で有機粒子Aを均一に分散させることが可能となり、白茶けない防眩フィルム、高い耐擦傷性を備える防眩フィルムとすることができることを見出した。
すなわち、本発明においては、(a)で規定されるような防眩層の平均膜厚Hに0.40掛けた値以上、防眩層の平均膜厚Hに0.80を掛けた値以下の平均粒径を有する有機粒子Aを用いる。そして、(b)に規定されるような有機粒子Aの平均粒径Rに0.20を掛けた値以上、有機粒子の平均粒径Rに0.60を掛けた値以下の平均粒径を有する有機粒子Bを用いる。そして、(c)に規定されるように防眩層において有機粒子Aと有機粒子Bの合計の含有量をバインダマトリックスの含有量に対する0.10を掛けた値以上0.40を掛けた値以下とし、(d)に規定されるように有機粒子Bの含有量を有機粒子Aの含有量wに0.50を掛けた値以上1.50を掛けた値以下とする。そして、(a)、(b)、(c)、(d)を満たすような防眩層を備える防眩フィルムにあっては、防眩層中で隣接する有機粒子Aの間に有機粒子Bが配置され、有機粒子Aが均一に分散され、良好な防眩性を備えるだけでなく、白ボケが少なく、高い耐擦傷性を備える防眩フィルムとすることができる。
また、本発明にあっては、(e)有機粒子Aの屈折率(n)とバインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)、及び前記有機粒子Bの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)がそれぞれ0.02以上0.05以下の範囲内であることを特徴とする。屈折率差|n−n|及び|n−n|が0.02に満たない場合、防眩層を透過した光が十分に拡散せず、画像を表示した際に表示した画像がチラチラする現象であるギラツキの度合いが大きくなってしまう。一方、屈折率差|n−n|及び|n−n|が0.05を超えるような場合にあっては、防眩層内部における光の散乱が過剰となり、防眩フィルム自体が白っぽくなってしまう。
なお、本発明において、バインダマトリックスの屈折率(n)とはバインダマトリックスで膜を形成した後の膜の屈折率を意味する。電離放射線によって硬化する電離放射線硬化型のバインダマトリックス形成材料を用いた場合にはバインダマトリックスの屈折率(n)は電離放射線を照射して硬化させた後の屈折率となる。すなわち、防眩層において有機粒子A及び有機粒子Bを除いた箇所での屈折率がバインダマトリックスの屈折率となる。なお、バインダマトリックスの屈折率(n)及び有機粒子A及び有機粒子Bの屈折率(n、n)はベッケ線検出法(液浸法)により求めることができる。
また、本発明にあっては、(f)有機粒子Aの屈折率(n)と有機粒子B(n)の屈折率との屈折率差(|n−n|)が0.01以内であることを特徴とする。|n−n|が0.01を超えるような場合、微小領域での光の拡散具合にムラが生じることにより、ギラツキの度合いが大きくなってしまう。すなわち、防眩層中で、粒子Aとバインダマトリックスの屈折率差による光の拡散具合と、粒子Bとバインダマトリックスとの屈折率差による光の拡散具合が異なることにより、画像を表示した際に表示した画像がチラチラする現象(ギラツキ)の度合いが大きくなってしまう。なお、本発明にあっては、有機粒子Aと有機粒子Bが同一の材料からなり、その屈折率差(|n−n|)が0であっても構わない。
本発明者らは、防眩フィルムを設けたディスプレイにおいて画像を表示した際に表示した画像がチラチラする現象(ギラツキ)は、防眩層を透過する光を粒子とバインダマトリックスの屈折率差によって十分且つ均一に散乱させることにより解消できることを見出した。すなわち、有機粒子Aの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)および有機粒子Bの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)が0.02に満たない場合にあっては防眩層を透過する光が十分に拡散しないことからギラツキの度合いが大きくなってしまうことを見出し、さらには、有機粒子Aと有機粒子Bの屈折率が0.01を超えるような場合にあっては、微小領域での光の拡散が不均一になることによりギラツキの度合いが大きくなってしまうことを見出したのである。また、有機粒子A及び有機粒子Bとバインダマトリックスとの屈折率差(|n−n|、|n−n|)を0.05以下とすることによりそれ自体が白っぽくならない防眩フィルムとすることができることを見出したのである。
なお、本発明の防眩フィルムにあっては、防眩層の平均膜厚(H)が3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。防眩層の平均膜厚が3μmを下回る場合、得られる防眩フィルムはディスプレイ表面に設けられるだけの十分な硬度を得ることができなくなってしまうことがある。一方、防眩層の平均膜厚が30μmを超えるような場合、コスト高になり、また、得られる防眩フィルムのカールの度合いが大きくなってしまいディスプレイ表面に設けるための加工工程に適さないことがある。なお、より好ましい防眩層の平均膜厚は4μm〜20μmである。
本発明の防眩フィルムは、必要に応じて、反射防止性能、帯電防止性能、防汚性能、電磁波シールド性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収性能、色補正性能等を有する機能層が設けられる。これらの機能層としては、反射防止層、帯電防止層、防汚層、電磁波遮蔽層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層等が挙げられる。なお、これらの機能層は単層であってもかまわないし、複数の層であってもかまわない。機能層は、防汚性能を有する反射防止層というように、1層で複数の機能を有していても構わない。また、これらの機能層は、透明基材と防眩層の間に設けても良いし、防眩層上に設けても良い。また、本発明にあっては、各種層間の接着性向上のために、各層間にプライマー層や接着層等を設けても良い。
図2に本発明の別の態様の防眩フィルムの断面模式図を示した。本発明の別の態様の防眩フィルム(1´)は、透明基材(11)上に防眩層(12)を備え、防眩層(12)上に機能層(13)が設けられる。機能層としては、帯電防止層、反射防止層、防汚層等から選択して設けられる。中でも、防眩層上に設けられる機能層として反射防止層が好適に設けられる。防眩層上に反射防止層を設けることにより、防眩フィルム表面に入射する外光の映りこみの度合いを更に低下させることが可能となる。防眩層上に反射防止層を設けることにより、防眩フィルムに入射する外光を防眩層表面の凹凸構造により散乱させるだけでなく、反射防止層により干渉させることにより、外光の映りこみを防止することができる。
ここで、防眩層上に機能層を設けるにあっては、透明基材にバインダマトリックス形成材料と有機粒子Aと有機粒子Bを少なくとも備える塗液を塗布して防眩層を形成する際に、アクリル系の添加剤を好適に用いることができる。塗液を透明基材上に塗布し防眩フィルムを用いるにあっては、塗液を透明基材上に均一に塗布すること、塗液を塗布することにより形成される防眩層(塗膜)においてハジキ、泡、ムラ、ピンホール、クレーターといった塗膜欠陥の発生を防止するために、塗液に表面調整剤と呼ばれる添加剤が加えられる。表面調整剤は、その働きに応じて、レベリング剤、消泡剤、界面張力調整剤、表面張力調整剤とも呼ばれ、いずれも塗膜の表面張力を低下させる働きを備える。
そして、表面調整剤として用いられる添加剤としてはシリコーン系添加剤、フッ素系添加剤、アクリル系添加剤を用いることが可能である。ここで、表面調整剤としてシリコーン系添加剤、フッ素系添加剤を用いた場合、ハジキ、ムラといった塗膜欠陥は解消されるが、防眩層上に機能層を設けた際に防眩層と機能層との密着性が低下する等の問題が発生する。そして、防眩層と機能層界面での密着性が低下すると、防眩フィルム表面を擦った際に機能層が剥がれやすくなることから、耐擦傷性が低下するといった問題が発生する。これに対し、アクリル系添加剤を用いた場合には、防眩層と機能層との密着性が低下し、耐擦傷性が低下するといった問題は発生しにくい。
すなわち、本発明において防眩層上にさらに機能層を設けるにあっては、防眩層を形成する際の塗液に表面調整剤としてアクリル系の添加剤を好適に用いることができる。表面調整剤としてアクリル系の添加剤を用いることにより、防眩層とその上に設けられる防汚層との密着性を低下させることなく、高い耐擦傷性を備える防眩フィルムとすることができる。
防眩層上に設けられる機能層としては、帯電防止層、反射防止層、防汚層等を挙げることができる。また、これらの機能層は単層であってもかまわないし、複数の層であってもかまわない。機能層は、防汚性能を有する反射防止層というように、1層で複数の機能を有していても構わない。反射防止層にあっては、低屈折率層単層で構成される反射防止層であっても構わないし、低屈折率層と高屈折率層の繰り返し構造からなる反射防止層であっても構わない。
図3に本発明の防眩フィルムを用いた透過型液晶ディスプレイを示した。図3(a)の透過型液晶ディスプレイにおいては、バックライトユニット(5)、偏光板(4)、液晶セル(3)、偏光板(2)、防眩フィルム(1)をこの順に備えている。このとき、防眩フィルム(1)側が観察側すなわちディスプレイ表面となる。
バックライトユニット(5)は、光源と光拡散板を備える。液晶セルは、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極及びカラーフィルターを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セル(3)を挟むように設けられる偏光板にあっては、透明基材(21、22、41、42)間に偏光層(23、43)を挟持した構造となっている。
図3(a)にあっては、防眩フィルム(1)の透明基材(11)と偏光板(2)の透明基材を別々に備える透過型液晶ディスプレイとなっている。一方、図3(b)にあっては、防眩フィルム(1)の透明基材(11)の防眩層の反対側の面に偏光層(23)が設けられており、透明基材(11)が防眩フィルム(1)の透明基材と偏光板(2)の透明基材を兼ねる構造となっている。
また、本発明の透過型液晶ディスプレイにあっては、他の機能性部材を備えても良い。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルムが挙げられるが、本発明の透過型液晶ディスプレイはこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の防眩フィルムの製造方法について示す。
本発明の防眩フィルムの製造方法にあっては、少なくとも電離放射線によって硬化するバインダマトリックス形成材料と有機粒子Aと有機粒子Bを含む防眩層形成用塗液を透明基材上に塗布し、透明基材上に塗膜を形成する工程と、バインダマトリックス形成材料を電離放射線により硬化させる硬化工程を備えることにより透明基材上に防眩層を形成することができる。
本発明に用いられる透明基材としては、ガラスやプラスチックフィルムなどを用いることができる。プラスチックフィルムとしては適度の透明性、機械強度を有していれば良い。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等のフィルムを用いることができる。中でも、トリアセチルセルロースフィルムは複屈折が少なく、透明性が良好であることから好適に用いることができ、特に、本発明の防眩フィルムを液晶ディスプレイ表面に設けるにあっては、透明基材としてトリアセチルセルロースを用いることが好ましい。
また、図3(b)で示したように、透明基材の防眩層が設けられる面の反対側の面に偏光層を設けることも可能である。このとき、偏光層としては、ヨウ素を加えた延伸ポリビニルアルコール(PVA)からなるものを例示することができる。このとき、偏光層は透明基材に狭持されている。
防眩層を形成するための塗液としては、少なくとも電離放射線によって硬化するバインダマトリックス形成材料と有機粒子A、有機粒子Bを含む。このとき、バインダマトリックス形成材料としては、電離放射線硬化型材料を用いることができる。電離放射線硬化型材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレートを使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
中でも、バインダマトリックス形成材料として、電離放射線硬化型材料である、3官能アクリレートモノマーと4官能アクリレートモノマーを用いることが好ましい。3官能アクリレートモノマーと4官能アクリレートモノマーを用いることにより十分な耐擦傷性を備える防眩フィルムとすることができる。3官能アクリレートモノマーと4官能アクリレートモノマーの具体例としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレートモノマー、または、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレートモノマーのうち、3官能及び4官能のものを指す。このとき、3官能アクリレートモノマー若しくは4官能アクリレートモノマーをバインダマトリックス形成材料に対し合計80wt%以上用いることが好ましい。
また、バインダマトリックス形成材料としては、電離放射線硬化型材料の他に熱可塑性樹脂等を加えることもできる。熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を使用できる。熱可塑性樹脂を加えることにより、透明基材と防眩層との密着性を向上させることができる。また、熱可塑性樹脂を加えることにより、製造される防眩フィルムのカールを抑制することができる。
本発明に用いられる有機粒子A及び有機粒子Bとしては、アクリル粒子(屈折率1.49)、アクリルスチレン粒子(屈折率1.49〜1.59)、ポリスチレン粒子(屈折率1.59)、ポリカーボネート粒子(屈折率1.58)、メラミン粒子(屈折率1.66)、エポキシ粒子(屈折率1.58)、ポリウレタン粒子(屈折率1.55)、ナイロン粒子(屈折率1.50)、ポリエチレン粒子(1.50〜1.56)、ポリプロピレン粒子(屈折率1.49)、シリコーン粒子(屈折率1.43)、ポリテトラフルオロエチレン粒子(屈折率1.35)、ポリフッ化ビニリデン粒子(屈折率1.42)、ポリ塩化ビニル粒子(屈折率1.54)、ポリ塩化ビニリデン粒子(屈折率1.62)等を用いることができる。なお、本発明にあっては、有機粒子Aと有機粒子Bは同一の材料であっても構わない。
本発明においては、防眩層に含ませる粒子として有機材料からなる有機粒子を用いることにより、高い透明性を備える防眩フィルムとすることができ、また、用いる粒子の屈折率の調整が容易となる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合、防眩層形成用塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤は、公知の光重合開始剤を用いることができるが、用いるバインダマトリックス形成材料にあったものを用いることが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類等が用いられる。光重合開始剤の使用量は、バインダマトリックス形成材料に対して0.5〜20wt%である。好ましくは1〜5wt%である。
防眩層形成用塗液には、必要に応じて溶媒を加える。溶媒を加えることにより、粒子やバインダマトリックスを均一に分散させ、また、塗液を透明基材上に塗布するに際し、塗液の粘度を適切な範囲に調整することが可能となる。
本発明においては、透明基材としてトリアセチルセルロースを用い、トリアセチルフィルム上に直接防眩層を形成する場合には、防眩層形成用塗液の溶媒として、トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させる溶媒とトリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させない溶媒の混合溶媒を用いることが好ましく、混合溶媒を用いることによりトリアセチルセルロースと防眩層界面において十分な密着性を有する防眩フィルムとすることができる。
このとき、トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させる溶媒としては、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等の一部のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させない溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトンなどの一部のケトン類などが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、防眩層形成用塗液を塗布し、形成される防眩層(塗膜)においてハジキ、ムラといった塗膜欠陥の発生を防止するために、表面調整剤と呼ばれる添加剤を加えても良い。表面調整剤は、その働きに応じて、レベリング剤、消泡剤、界面張力調整剤、表面張力調整剤とも呼ばれるが、いずれも形成される塗膜(防眩層)の表面張力を低下させる働きを備える。
表面調整剤として通常用いられる添加剤としては、シリコーン系添加剤、フッ素系添加剤、アクリル系添加剤等が挙げられる。シリコーン系添加剤にあっては、ポリジメチルシロキサンを基本構造とする誘導体であり、ポリジメチルシロキサン構造の側鎖を変性したものが用いられる。例えば、ポリエーテル変性ジメチルシロキサンがシリコーン添加剤として用いられる。また、フッ素系添加剤としては、パーフルオロアルキル基を備える化合物が用いられる
しかしながら、表面調整剤としてシリコーン系添加剤、フッ素系添加剤を用いた場合、ハジキ、泡、ムラ、ピンホール、クレーターといった塗膜欠陥は解消されるが、防眩層上に機能層を設けた際に防眩層と機能層との密着性が低下し、防眩フィルム表面を擦ったときに機能層がはがれやすくなり、耐擦傷性が低下する場合がある。また、機能層形成材料を含む機能層形成用塗液を用い、塗布法により防眩層上に塗布し、防眩層上に機能層を形成するにあっては、塗液をはじくという問題が発生することもある。
これに対し、表面調整剤として防眩層形成用塗液に加えられる添加剤として、シリコーン系添加剤及びフッ素系添加剤ではなくアクリル系添加剤を用いた場合には、防眩層上に機能層を設けた際の防眩層と機能層の間での密着性の低下等の問題は発生しない。
防眩層上に反射防止層等の機能層を設けるにあっては、防眩層形成塗液に表面調整剤としてシリコーン系添加剤やフッ素系添加剤を用いた場合には、機能層と防眩層の密着不良、塗布法により機能層を設けた場合のハジキといった問題が発生することがある。これに対し、本発明にあっては、防眩層上に機能層を設ける際には、防眩層形成塗液に表面調整剤としてアクリル系添加剤を好適に添加することができる。アクリル系添加剤を用いることにより、形成される防眩層(塗膜)においてハジキ、泡、ムラ、ピンホール、クレーターといった塗膜欠陥の発生を防止するだけでなく、防眩層上に機能層を形成する際にも、シリコーン添加剤やフッ素系添加剤を用いた場合に発生する機能層と防眩層との密着不良や、機能層のハジキといった問題を解消することができる。
特に、防眩層上に設けられる機能層形成材料としては、電離放射線硬化型材料を含むほうが好ましい。すなわち、アクリル系の添加剤を含み、バインダマトリックスとして電離放射線硬化型材料を硬化して形成される防眩層上に、電離放射線硬化型材料を含む機能層形成用塗液を塗布し、硬化して機能層を形成した場合には、防眩層と防眩層上に設けられる機能層との間で高い密着性を有すことができ、得られる防眩フィルムは高い耐擦傷性を得ることができる。もちろん、機能層形成用塗液として塗布法により防眩層上に塗布した際に塗液をはじくという問題が発生することもない。
このとき、表面調整剤として用いられるアクリル系添加剤としては、アクリルモノマーやメタクリルモノマーやスチレンモノマーを重合させた構造を基本構造とする。また、アクリル系添加剤にあっては、アクリルモノマーやメタクリルモノマーやスチレンモノマーを重合させた構造を基本構造として、側鎖にアルキル基やポリエーテル基、ポリエステル基、水酸基、エポキシ基等の置換基を含有していても構わない。
また、本発明の防眩層形成用塗液においては、塗液中に先に述べた表面調整剤のほかにも、他の添加剤を加えても良い。ただし、これらの添加剤は形成される防眩層の透明性、光の拡散性などに影響を与えないほうが好ましい。機能性添加剤としては、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、防汚剤、撥水剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤、などを使用でき、それにより、形成される防眩層に帯電防止機能、紫外線吸収機能、赤外線吸収機能、防汚機能、撥水機能といった、防眩機能以外の機能を持たせることができる。
防眩層形成用塗液は透明基材上に塗布され、塗膜を形成する。
防眩層形成用塗液を透明基材上に塗布するための塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーターを用いた塗工方法を使用できる。中でも、ロール・ツー・ロール方式で高速で塗工することが可能なダイコーターを用いることが好ましい。また塗液の固形分濃度は、塗工方法により異なる。固形分濃度は、重量比でおおよそ30〜70重量%であればよい。
次に、本発明のダイコーター塗布装置について説明する。図4に本発明のダイコーター塗布装置の模式図を示した。本発明のダイコーター塗布装置は、ダイヘッド30と塗液タンク32が配管31によって接続され、送液ポンプ33によって、塗液タンク32の防眩層形成用塗液がダイヘッド30内に送液される構造となっている。ダイヘッド30に送液された塗液はスリット間隙から塗液を吐出し、透明基材11上に塗膜が形成される。巻き取り式の透明基材11を用い回転ロール35を使用することにより、ロール・ツー・ロール方式により連続して透明基材上に塗膜を形成することができる。
防眩層形成用塗液を透明基材上に塗布することにより得られる塗膜に対し、電離放射線を照射することにより、防眩層が形成される。電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。電子線は、50〜1000KeVのエネルギーを有するのが好ましい。100〜300KeVのエネルギーを有する電子線がより好ましい。
このとき、硬化により防眩層を形成する工程の前後に塗液の溶媒を除去するための乾燥工程を設けてもよい。また、硬化と乾燥を同時におこなってもよい。特に、塗液がバインダマトリックス材料と粒子と溶媒を含む場合、形成された塗膜の溶媒を除去するために電離放射線を照射する前に乾燥工程を設ける必要がある。すなわち、防眩層形成用塗液を透明基材上に塗布する塗布工程、透明基材上塗布した塗膜を乾燥する乾燥工程、透明基材上の塗膜に電離放射線を照射する電離放射線照射工程の順で透明基材上に防眩層が形成される。なお、乾燥手段としては加熱、送風、熱風などが例示される。
以上により、本発明の防眩フィルムは製造される。
次に、図2に示したような、防眩層上に機能層として反射防止層を備える防眩フィルムの、反射防止層の形成方法について述べる。反射防止層は、低屈折率層単層で構成される単層構造の反射防止層や、低屈折率層と高屈折率層の繰り返し構造からなる積層構造の反射防止層が挙げられる。また、反射防止層を形成する方法としては、反射防止層形成用塗液を防眩層表面に塗布し形成する湿式成膜法による方法と、真空蒸着法やスパッタリング法やCVD法といった真空成膜法により形成する方法に分けられる。
以下に、反射防止層として、反射防止層形成塗液を防眩層表面に塗布し、湿式成膜法により低屈折率層単層を形成する方法について述べる。このとき反射防止層である低屈折率層単層の膜厚(d)は、その膜厚(d)に低屈折率層の屈折率(n)をかけることによって得られる光学膜厚(nd)が可視光の波長の1/4と等しくなるように設計される。低屈折率層としてはバインダマトリックス中に低屈折粒子を分散させたものを用いることができる。
このとき、低屈折率粒子としては、フッ化マグネシウムやフッ化カルシウムやシリカ等の低屈折材料からなる低屈折率粒子を挙げることができる。一方、バインダマトリックス形成材料としては、電離放射線型材料である、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレートを使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。これら電離放射線硬化型材料を用いた場合には、紫外線や電子線等の電離放射線を照射することによりバインダマトリックスは形成される。また、バインダマトリックス形成材料として、テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン等の珪素アルコキシド等の金属アルコキシドを用いることができる。これらは、加水分解、脱水縮合により、無機系または有機無機複合系バインダマトリックスとすることができる。
また、低屈折率層としては、バインダマトリックス中に低屈折率粒子を分散させたものだけでなく、低屈折粒子を用いずに低い屈折率を備えるフッ素系の有機材料から形成することも可能である。
なお、防眩層上に設けられる低屈折率層形成材料としては、電離放射線硬化型材料を含む方が好ましい。すなわち、アクリル系の添加剤を含み、バインダマトリックスとして電離放射線硬化型材料を硬化して形成される防眩層上に、電離放射線硬化型材料を含む低屈折率層形成用塗液を硬化して低屈折率層を形成した場合には、防眩層と低屈折率層との間で高い密着性を有すことができ、得られる防眩フィルムは高い耐擦傷性を得ることができる。
これら、低屈折率材料とバインダマトリックス形成材料を含む低屈折率層形成塗液は防眩層表面に塗布される。このとき、低屈折率層形成塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、添加剤として、表面調整剤、帯電防止剤、防汚剤、撥水剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
また、塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーターを用いた塗工方法を用いることができる。
そして、塗液を透明基材上に塗布することにより得られる塗膜に対し、バインダマトリックス形成材料として電離放射線硬化型材料を用いた場合にあっては、必要に応じて塗膜の乾燥をおこなったあとに、電離放射線を照射することにより、反射防止層が形成される。また、バインダマトリックス形成材料として金属アルコキシドを用いた場合には、乾燥、加熱等により反射防止層が形成される。
また、反射防止層としては、低屈折率層と高屈折率層の繰り返し構造からなる積層構造を有する反射防止層とすることができる。例えば、防眩層側から順に、高屈折率層として酸化チタン、低屈折率層として酸化ケイ素、高屈折率層として酸化チタン、低屈折率層として酸化ケイ素を真空蒸着法により成膜することにより反射防止層とすることもできる。
また、本発明の防眩フィルムにおいて機能層として帯電防止層を設けるにあっては、金属及び金属酸化物等の導電性材料を真空成膜法により成膜し帯電防止層として形成する方法や、金属及び金属酸化物等の導電性材料をバインダマトリックス材料中に分散させた塗液を塗布することにより帯電防止層を形成する方法を用いることができる。
以下に実施例を示す。
(実施例1)
透明基材としてトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム製TD−80U)を用いた。塗液として、(表1)のAG塗液1に示したバインダマトリックス構成材料と有機粒子Aと有機粒子Bと溶媒からなる防眩層形成用塗液を用いた。そしてダイコーター塗布装置を用い乾燥硬化後の防眩層の平均膜厚が12μmとなるようにトリアセチルセルロース上に塗布し、塗膜を得た。得られた塗膜に対し、乾燥を行い塗膜に含まれる溶媒を除去し、その後、高圧水銀灯を用いて酸素濃度が0.03%以下の雰囲気下で400mJ/cmの紫外線照射により、塗膜を硬化させ、透明基材上に防眩層を備える防眩フィルムを作製した。
このとき、防眩層の平均膜厚は電子マイクロメーター(アンリツ製K351C)により測定した。また、有機粒子A、有機粒子Bの平均粒径は、いずれも、光散乱式粒径分布測定装置(SALD−7000 島津製作所製)を用いて測定した。また、有機粒子A、有機粒子Bの屈折率はベッケ線検出法(液浸法)により測定した。また、バインダマトリックスの屈折率は、有機粒子A及び有機粒子Bを除いた形で、バインダマトリックス材料を塗布、乾燥、紫外線硬化させたものを用い、ベッケ線検出法(液浸法)により測定した。
(実施例2)〜(実施例11)、(比較例11)〜(比較例14)
(実施例2)〜(実施例11)、(比較例11)〜(比較例14)においては、(表1)〜(表5)に示したAG塗液2〜AG塗液25を用い、それ以外は実施例1と同様にし、防眩層の平均膜厚が12μmとなるようにトリアセチルセルロース上に防眩層を形成した。
以下の(表1)〜(表5)に、(実施例1)〜(実施例11)、(比較例11)〜(比較例14)に用いたAG塗液1〜25をまとめたものを示す。





(実施例12)
(実施例1)で作製したサンプルの防眩層の上に、(表6)のLR塗液1として示した、シリカゾル(屈折率1.3、エタノール分散体、固形分30wt%)20重量部と、ペンタエリスリトールトリアクリレート15重量部と、イソプロピルアルコール200重量部と、イルガキュア184が1重量部からなる低屈折率層形成用塗液を用い、乾燥硬化後の膜厚が100nmとなるように塗布し、塗膜を得た。得られた塗膜に対し、乾燥を行い塗膜に含まれる溶媒を除去し、その後、高圧水銀灯を用いて酸素濃度が0.03%以下の雰囲気下で400mJ/cmの紫外線照射により、低屈折率層を硬化させ、防眩層上に機能層として反射防止層である低屈折率層を備える防眩フィルムを作製した。
(実施例13)
(表6)に示したAG塗液26を用い、それ以外は実施例1と同様にし、防眩層の平均膜厚が12μmとなるようにトリアセチルセルロース上に防眩層を形成した。次に、(実施例12)と同様に、LR塗液1を用い、機能層として反射防止層である低屈折率層を平均膜厚100nmの厚さで形成し、防眩フィルムを作製した。
以下の(表6)に、(実施例12)、(実施例13)に用いたAG塗液1、AG塗液27、LR塗液1をまとめたものを示す。

(実施例14)
(表7)に示したAG塗液27を用い、それ以外は実施例1と同様にし、防眩層の平均膜厚が12μmとなるようにトリアセチルセルロース上に防眩層を形成した。次に、(実施例12)と同様に、LR塗液1を用い、機能層として反射防止層である低屈折率層を平均膜厚100nmの厚さで形成し、防眩フィルムを作製した。
(実施例15)
(実施例1)で作製したサンプルの防眩層の上に、(表6)のLR塗液1として示した、テトラエトキシシランを1mol/L塩酸により加水分解して得られたオリゴマー7重量部(固形分3.0wt%)と、多孔質微粒子として屈折率1.2のシリカ粒子3重量部と、190重量部のイソプロパノールからなる低屈折率層用塗液を、乾燥硬化後の膜厚が100nmとなるように塗布し、塗膜を得た。得られた塗膜に対し、120℃1分の加熱処理をおこなうことにより、防眩層上に機能層として反射防止層である低屈折率層を備える防眩フィルムを作製した。
以下の(表7)に、(実施例14)、(実施例15)に用いたAG塗液27、AG塗液1、LR塗液1、LR塗液2をまとめたものを示す。

実施例1〜15及び比較例1〜14で得られた防眩フィルムについて、以下の方法で、防眩フィルムに外光が映りこんだ際にその外光の像が不鮮明であるか否か(「防眩性」)、防眩フィルムに蛍光灯の照明が映りこんだ際に防眩フィルムが白茶けるか否か(「白ボケ」)、防眩層表面を擦った際に擦り跡や傷などが発生するか否か(「耐擦傷性」)、防眩フィルムを備えるディスプレイにおいて表示した画像がチラチラする現象が発生するか否か(「ギラツキ」)、防眩フィルム自体が白っぽくないか否か(「白化」)の評価をおこなった。以下に、その評価方法の詳細を示す。
・「防眩性」
実施例及び比較例において得られた防眩フィルムを黒色のプラスティック板に粘着剤を介して貼り付けた状態で、蛍光灯などが映りこんだ像の鮮明さを目視評価した。目視評価の結果、蛍光灯の像が全く気にならない場合を「二重丸印」、蛍光灯の像が確認されるものの許容される場合を「丸印」、蛍光灯の像が鮮明であり気になる場合「バツ印」とした。
・「白ボケ」
実施例及び比較例において得られた防眩フィルムを粘着剤を介して黒色のプラスティック板に貼り付けた状態で、蛍光灯を映りこませ、防眩フィルムの光の拡散具合を目視で評価した。光の拡散具合が小さく、防眩フィルムに白っぽさを感じない場合を「丸印」、白っぽさを感じ、許容できない場合を「バツ印」とした。
・「耐擦傷性」
実施例及び比較例で得られた防眩フィルムを、スチールウール(#0000)を用い500g/cmの荷重をかけ10往復擦り、擦り跡やキズなどによる外観の変化を目視で評価した。外観の変化が全く確認されないものを「二重丸印」、外観の変化は確認されるものの目立たない場合を「丸印」、外観の変化が目立つ場合を「バツ印」とした。
・「ギラツキ」
蛍光灯を内蔵したライトテーブル上に80〜200ppiのパターンを有するブラックマトリックス(BM)ガラス基板を配置し、その上に、実施例及び比較例において得られた防眩性光拡散部材を貼り合わせたガラス基板を配置し、真上より目視にて防眩性光拡散部層のギラツキを評価した。このとき、ギラツキが気にならないBM解像度のうち、最大のものを対応解像度とし、対応解像度が150ppi以上の場合を「丸印」、150ppi以下の場合を「バツ印」とした。
・「白化」
実施例及び比較例において得られた防眩性光拡散部材を粘着剤を介して黒色のプラスティック板に貼り付けた状態で、特に外光を映りこませないで、防眩性光拡散部材自体の白さを目視で評価した。白さを感じなかった場合を「丸印」、白さを感じ気になった場合「バツ印」とした。
表2に実施例及び比較例で得られた防眩フィルムの「防眩性」、「白ボケ」、「耐擦傷性」、「ギラツキ」、「白化」の評価結果を示す。

なお、(表8)において、(a)、(b)、(c)、(d)、(e1)、(e2)、(e3)はそれぞれ以下を指す。
・(a) 有機粒子Aの平均粒径(R)を防眩層の平均膜厚(H)で除した値(R/H)
・(b) 有機粒子Bの平均粒径(R)を有機粒子Aの平均粒径(R)で除した値(R/R
・(c) 防眩層中における有機粒子Aの含有量(w)と前記有機粒子Bの含有量(w)の合計の含有量(w+w)を防眩層中におけるバインダマトリックスの含有量(w)で除した値((w+w)/w
・(d)防眩層における有機粒子Bの含有量(w)を有機粒子Aの含有量(w)で除した値(w/w
・(e1)有機粒子Aの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)
・(e2)有機粒子Bの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)
・(f)有機粒子Aの屈折率(n)と前記有機粒子B(n)の屈折率との屈折率差(|n−n|)
図1は本発明の防眩フィルムの断面模式図である。 図2は本発明の別の態様の防眩フィルムの断面模式図である。 図3は本発明の防眩フィルムを用いた透過型液晶ディスプレイである。 図4は本発明のダイコーター塗布装置の模式図である。
符号の説明
1 防眩フィルム
1´ 防眩フィルム
11 透明基材
12 防眩層
120 バインダマトリックス
12A 有機粒子A
12B 有機粒子B
有機粒子Aの平均粒子径
有機粒子Bの平均粒子径
H 防眩層の平均膜厚
12 機能層
2 偏光板
21 透明基材
22 透明基材
23 偏光層
3 液晶セル
41 透明基材
42 透明基材
43 偏光層
5 バックライトユニット
30 ダイヘッド
31 配管
32 塗液タンク
33 送液ポンプ
35 回転ロール

Claims (3)

  1. 透明基材上に、バインダマトリックス及び有機粒子A及び該有機粒子Aの平均粒径よりも小さい平均粒径を有する有機粒子Bを備え、該バインダマトリックス中に前記有機粒子A及び前記有機粒子Bが分散してなる防眩層を備える防眩フィルムであって、
    前記有機粒子Aの平均粒径(R)を前記防眩層の平均膜厚(H)で除した値(R/H)が0.40以上0.80以下の範囲内であり、且つ、
    前記有機粒子Bの平均粒径(R)を前記有機粒子Aの平均粒径(R)で除した値(R/R)が0.20以上0.60以下の範囲内であり、且つ、
    前記防眩層中における有機粒子Aの含有量(w)と前記有機粒子Bの含有量(w)の合計の含有量(w+w)を前記防眩層中におけるバインダマトリックスの含有量(w)で除した値((w+w)/w)が0.10以上0.40以内であり、且つ、
    前記防眩層における有機粒子Bの含有量(w)を有機粒子Aの含有量(w)で除した値(w/w)が0.50以上1.50以内であり、且つ、
    前記有機粒子Aの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)及び前記有機粒子Bの屈折率(n)と前記バインダマトリックスの屈折率(n)との屈折率差(|n−n|)がそれぞれ0.02以上0.05以下の範囲内であり、且つ、
    前記有機粒子Aの屈折率(n)と前記有機粒子B(n)の屈折率との屈折率差(|n−n|)が0.01以内である
    ことを特徴とする防眩フィルム。
  2. 前記防眩層が、透明基材と反対側の面に機能層を備え、且つ、前記防眩層がアクリル系の添加剤を含むことを特徴とする請求項1記載の防眩フィルム。
  3. 観察者側から順に、請求項1または請求項2に記載の防眩フィルム、偏光板、液晶セル、偏光板、バックライトユニットをこの順に備えることを特徴とする透過型液晶ディスプレイ。
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