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JP2008543824A - アシッドポンプアンタゴニストとしてのクロマン置換ベンゾイミダゾール誘導体 - Google Patents

アシッドポンプアンタゴニストとしてのクロマン置換ベンゾイミダゾール誘導体 Download PDF

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JP2008543824A
JP2008543824A JP2008516435A JP2008516435A JP2008543824A JP 2008543824 A JP2008543824 A JP 2008543824A JP 2008516435 A JP2008516435 A JP 2008516435A JP 2008516435 A JP2008516435 A JP 2008516435A JP 2008543824 A JP2008543824 A JP 2008543824A
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広記 小池
佐知子 榊原
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ファイザー株式会社
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Abstract

本発明は、式(I)の化合物:もしくは薬学的に許容できるそれらの塩(式中、A、B、X、R、R、R、R、RおよびR、R、RおよびRは、各々、本明細書に記載されている通りである)または薬学的に許容できる塩、ならびにそのような化合物を含有する組成物および胃腸疾患、胃食道疾患、胃食道逆流疾患(GERD)、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、胃炎、ヘリコバクターピロリの感染、消化不良、機能性消化不良、ゾリンジャー−エリソン症候群、非びらん性逆流疾患(NERD)、内臓痛、胸やけ、悪心、食道炎、嚥下障害、唾液分泌過多、気道障害または喘息などであるがこれらに限定されない、アシッドポンプアンタゴニスト活性によって仲介される状態の治療におけるそのような化合物の使用に関する。
【化1】

Description

本発明は、クロマン置換ベンゾイミダゾール誘導体に関する。これらの化合物は、選択的アシッドポンプ阻害活性を有する。また、本発明は、アシッドポンプ調節活性、特にアシッドポンプ阻害活性によって仲介される疾患状態を治療するための上記誘導体を含む医薬組成物、治療および使用の方法に関する。
プロトンポンプ阻害剤(PPI)は、H/K−ATPアーゼのシステイン残基と共有結合することにより、H/K−ATPアーゼを阻害できるようにする酸触媒化学転位を受けるプロドラッグであることが十分明らかにされてきた(Sachs,G.他、Digestive Diseases and Sciences、1995、40、3S〜23S;Sachs他、Annu Rev Pharmacol Toxicol、1995、35、277−305)。しかしながら、PPIと異なり、アシッドポンプアンタゴニストは、H/K−ATPアーゼの可逆的なカリウム競合的阻害を介して酸分泌を阻害する。SCH28080は、そのような可逆的阻害剤の1つであり、広く研究されてきた。他のより新しい薬剤(レバプラザン(revaprazan)、ソラプラザン(soraprazan)、AZD−0865およびCS−526)は、ヒトにおけるそれらの有効性を確認する臨床試験に入っている(Pope,A.;Parsons,M.、Trends in Pharmacological Sciences、1993、14、323〜5;Vakil,N.、Alimentary Pharmacology and Therapeutics、2004、19、1041〜1049)。一般に、アシッドポンプアンタゴニストは、胃腸疾患、胃食道疾患、胃食道逆流疾患(GERD)、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)誘発性潰瘍、胃炎、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)の感染、消化不良、機能性消化不良、ゾリンジャー−エリソン症候群、非びらん性逆流疾患(NERD)、内臓痛、胸やけ、悪心、食道炎、嚥下障害、唾液分泌過多、気道障害または喘息を含む様々な疾患の治療に有用であることが判明している(Kiljander,Toni O、American Journal of Medicine、2003、115(Suppl.3A)、65S〜71S)。
WO04/054984は、アシッドポンプアンタゴニストであると報告されている化合物を開示している。それらは、ベンゾイミダゾール構造を有する特定の化合物に言及している。
良好な薬物候補であり、疾患を治療するためにPPIにより満たされていないニーズに対処する新たなアシッドポンプアンタゴニストを提供することが必要である。特に、好ましい化合物は、他の受容体に対してほとんど親和性を示さずにアシッドポンプと強力に結合し、胃において酸分泌の阻害剤としての機能活性を示さなければならない。それらは、胃腸管から十分に吸収され、代謝安定性であり、好ましい薬物動態学的特性を有していなければならない。それらは、無毒性でなければならない。さらに、理想的な薬物候補は、安定で、非吸湿性で、容易に製剤化される物理的形態で存在するはずである。
本発明において、今回、クロマン部分を有する新しいクラスの化合物が、アシッドポンプ阻害活性および薬物候補としての好ましい特性を示し、したがって、胃腸疾患、胃食道疾患、GERD、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、胃炎、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)の感染、消化不良、機能性消化不良、ゾリンジャー−エリソン症候群、NERD、内臓痛、胸やけ、悪心、食道炎、嚥下障害、唾液分泌過多、気道障害または喘息などのアシッドポンプ阻害活性によって仲介される疾患状態(以後、「APA疾患」と呼ぶ)の治療に有用であることが判明した。
本発明は、以下の式(I)の化合物、
Figure 2008543824
または、薬学的に許容できるその塩を提供し、式中
−A−B−は、−O−CH−、−S−CH−、−CH−O−または−CH−S−を表し、
Xは、酸素原子またはNHを表し、
およびRは、独立して、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基を表し、
およびRは、独立して、水素原子、C〜Cアルキル基もしくはC〜Cシクロアルキル基を表し、前記C〜Cアルキル基および前記C〜Cシクロアルキル基は、非置換か、もしくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルコキシ基およびC〜Cシクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換か、もしくはヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されている4〜6員複素環基を形成し、
、R、RおよびRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルキル基またはC〜Cアルコキシ基を表し、
は、水素原子、ヒドロキシ基またはC〜Cアルコキシ基を表す。
また、本発明は、アシッドポンプ調節活性、特にアシッドポンプ阻害活性によって仲介される状態の治療のための医薬品を製造するための、各々が本明細書に記載されているような式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用を提供する。
また、本発明は、APA疾患から選択される疾患の治療のための医薬品を製造するための、各々が本明細書に記載されているような式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用を提供することが好ましい。
また、本発明は、各々が本明細書に記載されているような式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を、薬学的に許容できる前記化合物用の担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
また、本発明は、各々が本明細書に記載されているような式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を、薬学的に許容できる前記化合物用の担体および他の薬理学的に活性な1種または複数の薬剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
さらに、本発明は、ヒトを含む哺乳類対象において、アシッドポンプ阻害活性によって仲介される状態を治療する方法であって、そのような治療を必要としている哺乳類に、各々が本明細書に記載されているような治療有効量の式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法を提供する。
アシッドポンプ阻害活性によって仲介される状態の例には、APA疾患が含まれるが、それらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、良好な生物学的利用能、より低い毒性、良好な吸収、分布、良好な溶解性、アシッドポンプ以外のタンパク質に対する低結合親和性、より低い薬物−薬物相互作用、および良好な代謝安定性を示すことがある。
本発明の化合物において:
、R、R、R、R、R、RおよびRがC〜Cアルキル基である場合、このC〜Cアルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖基であってよく、例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル基が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、C〜Cアルキル基が好ましく、C〜Cアルキル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
およびRならびにRおよびRの置換基がC〜Cシクロアルキル基である場合、これは、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を表し、例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル基が含まれる。これらのうち、C〜Cシクロアルキル基が好ましく、シクロプロピル基がより好ましい。
およびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4〜6員複素環基を形成する場合、この4〜6員複素環基は、前記窒素原子以外の炭素原子、窒素原子、イオウ原子および酸素原子から選択される3〜5個の環原子を有する飽和複素環基を表し、例には、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、アゼチジニルが含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、ピロリジニル、アゼチジニルおよびピペラジニル基がより好ましい。
4〜6員複素環基の置換基がヒドロキシ−C〜Cアルキル基である場合、これは、ヒドロキシ基で置換されている前記C〜Cアルキル基を表し、例には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピルおよび3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル基が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、ヒドロキシ−C〜Cアルキル基が好ましく、ヒドロキシメチル基がより好ましい。
4〜6員複素環基の置換基がC〜Cアシル基である場合、これは、前記C〜Cアルキル基で置換されているカルボニル基を表し、例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル基が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、アセチル基が好ましい。
、R、R、R、RならびにR、R、RおよびRの置換基がC〜Cアルコキシ基である場合、これは、前記C〜Cアルキル基で置換されている酸素原子を表し、例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシ基が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、C〜Cアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
、R、R、RならびにRおよびRの置換基がハロゲン原子である場合、これは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子であってよい。これらのうち、フッ素原子が好ましい。
−A−B−が−O−CH−または−S−CH−である場合、−A−は、−O−または−S−に相当し、−B−は、−CH−に相当する。
−A−B−が−CH−O−または−CH−S−である場合、−A−は、−CH−に相当し、−B−は、−O−または−S−に相当する。
本明細書で使用する用語「治療すること」および「治療」は、そのような用語があてはまる障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つまたは複数の症状の進行を逆転、軽減、阻害すること、またはそれらを予防することを含む治癒的、姑息的および予防的治療を指す。
本発明の好ましい化合物は、
(A)−A−B−が、−O−CH−、−S−CH−、−CH−O−または−CH−S−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、独立して、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基であり、RおよびRが、独立して、水素原子、C〜Cアルキル基またはC〜Cシクロアルキル基であり、前記C〜Cアルキル基および前記C〜Cシクロアルキル基は、非置換か、もしくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルコキシ基およびC〜Cシクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、またはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジニル基、ピロリジニル基もしくはピペラジニル基を形成し、前記アゼチジニル基、前記ピロリジニル基および前記ピペラジニル基は、非置換か、もしくはヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されており、RおよびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルキル基またはC〜Cアルコキシ基であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(B)−A−B−が、−O−CH−または−CH−O−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、独立して、C〜Cアルキル基であり、RおよびRが、独立して、水素原子、非置換か、もしくはヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル基であり、またはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジニル基、ピロリジニル基もしくはピペラジニル基を形成し、前記アゼチジニル基、前記ピロリジニル基および前記ピペラジニル基は、非置換か、もしくはヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されており、RおよびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子またはC〜Cアルキル基であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(C)−A−B−が、−O−CH−、−S−CH−、−CH−O−または−CH−S−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、独立して、C〜Cアルキル基であり、RおよびRが、独立して、非置換か、もしくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルコキシ基およびC〜Cシクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基であり、またはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル基、アゼチジニル基もしくはピペラジニル基を形成し、前記ピロリジニル基、前記アゼチジニル基および前記ピペラジニル基は、非置換か、もしくはヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されており、RおよびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルキル基またはC〜Cアルコキシ基であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(D)−A−B−が、−O−CH−または−CH−O−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、独立して、C〜Cアルキル基であり、RおよびRが、独立して、非置換か、もしくはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基であり、またはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換か、もしくはヒドロキシ基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されているピロリジニル基を形成し、RおよびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルキル基またはC〜Cアルコキシ基であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(E)−A−B−が、−O−CH−または−CH−O−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、独立して、C〜Cアルキル基であり、RおよびRが、独立して、非置換か、もしくはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基であり、またはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換か、もしくはヒドロキシ基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されているピロリジニル基を形成し、RおよびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはC〜Cアルキル基であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(F)−A−B−が、−CH−O−または−CH−S−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、独立して、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基であり、RおよびRが、独立して、C〜Cアルキル基であり、またはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換か、もしくはヒドロキシ基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されているピロリジニル基を形成し、RおよびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはC〜Cアルキル基であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(G)−A−B−が、−O−CH−または−CH−O−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、独立して、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基であり、RおよびRが、独立して、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基であり、Rが、C〜Cアルキル基であり、R、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(H)−A−B−が、−O−CH−または−CH−O−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、独立して、C〜Cアルキル基であり、RおよびRが、独立して、非置換か、またはハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルコキシ基およびC〜Cシクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基であり、Rが、水素原子またはハロゲン原子であり、Rが、ハロゲン原子であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(I)−A−B−が、−O−CH−または−CH−O−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、独立して、C〜Cアルキル基であり、RおよびRが、独立して、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基であり、Rが、水素原子またはハロゲン原子であり、Rが、ハロゲン原子であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(J)−A−B−が、−CH−O−であり、Xが、酸素原子であり、R、R、RおよびRが、各々メチル基であり、RおよびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
(K)−A−B−が、−CH−O−であり、Xが、酸素原子であり、RおよびRが、各々メチル基であり、RおよびRが、各々メチル基であり、またはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル基もしくは4−アセチル−ピペラジン−1−イル基を形成し、RおよびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子もしくはメチル基であり、R、RおよびRが、各々水素原子である、
各々が本明細書に記載されているような式(I)の化合物または薬学的に許容できるそれらの塩である。
本発明の好ましいクラスの化合物は、
(a)−A−B−が、−O−CH−または−CH−O−である、
(b)Rが、C〜Cアルキル基である、
(c)Rが、C〜Cアルキル基である、
(d)Rが、メチル基である、
(e)Rが、C〜Cアルキル基である、
(f)Rが、C〜Cアルキル基である、
(g)Rが、メチル基である、
(h)Rが、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基である、
(i)Rが、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される置換基で置換されているC〜Cアルキル基である、
(j)Rが、非置換か、または1〜2個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル基である、
(k)Rが、非置換か、またはヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル基である、
(l)Rが、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基である、
(m)Rが、メチル基または2−ヒドロキシエチル基である、
(n)Rが、水素原子またはC〜Cアルキル基である、
(o)Rが、C〜Cアルキル基である、
(p)Rが、C〜Cアルキル基である、
(q)Rが、メチル基である、
(r)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、さらに窒素原子を有してもよい5〜6員複素環基を形成し、前記複素環基は、非置換か、またはヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されている、
(s)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル基、アゼチジニル基またはピペラジニル基を形成し、前記ピロリジニル基、前記アゼチジニル基および前記ピペラジニル基は、非置換か、またはヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されている、
(t)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル基またはピペラジニル基を形成し、前記ピロリジニル基および前記ピペラジニル基は、非置換か、またはヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されている、
(u)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換か、またはヒドロキシ基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されているピロリジニル基を形成する、
(v)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換か、またはヒドロキシ基および2−ヒドロキシエチル基からなる群から選択される置換基で置換されているピロリジニル基を形成する、
(w)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジン−1−イル基、3−ヒドロキシ−3−メチル−アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル基、2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル基、4−アセチル−ピペラジン−1−イル基または4−メチル−ピペラジン−1−イル基を形成する、
(x)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジン−1−イル基、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル基または4−アセチル−ピペラジン−1−イル基を形成する、
(y)Rが、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルキル基またはC〜Cアルコキシ基である、
(z)Rが、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基である、
(aa)Rが、ヒドロキシ基、C〜Cアルキル基またはC〜Cアルコキシ基である、
(bb)Rが、水素原子、塩素原子またはフッ素原子である、
(cc)Rが、水素原子またはフッ素原子である、
(dd)Rが、C〜Cアルキル基である、
(ee)Rが、メチル基である、
(ff)Rが、水素原子またはハロゲン原子である、
(gg)Rが、水素原子である、
(hh)Rが、塩素原子またはフッ素原子である、
(ii)Rが、フッ素原子である、
(jj)RおよびRが、独立して、水素原子またはハロゲン原子である、
(kk)RおよびRが、各々水素原子である、
(ll)Rが、水素原子、ヒドロキシ基またはC〜Cアルコキシ基である、
(mm)Rが、水素原子である、
各々が本明細書に記載されているような式(I)の化合物または薬学的に許容できるそれらの塩である。
これらのクラスの化合物のうち、(a)から(mm)の間の任意の組合せも好ましい。
本発明の一実施形態は、4−[(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド、4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド、N,N,1,2−テトラメチル−4−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミドからなる群から選択される化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
薬学的に許容できる式(I)の化合物の塩には、それらの酸付加塩および塩基塩(二塩を含む)が含まれる。
適当な酸付加塩は、無毒性塩を形成する酸から形成される。例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素塩/臭化物、ヨウ化水素塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチレート、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシノホ酸塩(xinofoate)が含まれる。
適当な塩基塩は、無毒性塩を形成する塩基から形成される。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛塩が含まれる。
適当な塩の総説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、Weinheim、Germany、2002)を参照されたい。薬学的に許容できる式(I)の化合物の塩は、必要に応じて、式(I)の化合物および望ましい酸または塩基の溶液を混ぜ合わせることによって容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿させて濾過によって集めるか、または溶媒の蒸発によって回収することができる。塩におけるイオン化の程度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化までと様々であってよい。
薬学的に許容できるその式(I)の化合物の塩には、非溶媒和形態と溶媒和形態の双方が含まれる。本明細書において、用語「溶媒和物」は、本発明の化合物および1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えばエタノールを含む分子錯体について記載するために使用される。用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に用いられる。
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒が同位体置換されている、例えばDO、d−アセトン、d−DMSOであってよい水和物および溶媒和物が含まれる。
用語「本発明の化合物(compound of the invention)」または「本発明の化合物(compounds of the invention)」は、他に指示がない限り、本明細書において前に定義したような式(I)の化合物、本明細書において後で定義するようなその異性体(光学異性体、幾何異性体および互変異性体を含む)ならびに式(I)の同位体標識化合物を指す。
1個または複数の不斉炭素原子を含む式(I)の化合物は、2種以上の立体異性体として存在することがある。化合物がケト部分を含む場合、互変異性(tautomeric isomerism)(「互変異性(tautomerism)」)が存在することがある。その結果、単一の化合物が2種以上のタイプの異性を示すことがある。
2つ以上のタイプの異性を示す化合物、および1種または複数種のそれらの混合物を含む式(I)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体および互変異性形態は、本発明の範囲内に含まれる。対イオンが、光学活性な、例えば、D−乳酸塩もしくはL−リジン、またはラセミの、例えば、DL−酒石酸塩もしくはDL−アルギニンである酸付加塩または塩基塩も含まれる。
本発明には、1個または複数の原子が、同じ原子番号であるが、自然に通常見いだされる原子量または質量数と異なる原子量または質量数を有する原子によって置き換えられているすべての薬学的に許容できる式(I)の同位体標識化合物が含まれる。
本発明の化合物中に含めるのに適している同位体の例には、HおよびHなどの水素、11C、13Cおよび14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iおよび125Iなどのヨウ素、13Nおよび15Nなどの窒素、15O、17Oおよび18Oなどの酸素、32Pなどのリン、ならびに35Sなどのイオウの同位体が含まれる。
式(I)の特定の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を組み入れた同位体標識化合物は、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわちH、および炭素−14、すなわち14Cは、それらを組み入れる容易さおよびそれらを検出する手段が用意されていることに鑑みてこの目的に特に有用である。
重水素、すなわちHなどのより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性に由来する特定の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の増加または用量要件の軽減を提供することがあるため、一部の環境において好ましいことがある。
11C、18F、15Oおよび13Nなどのポジトロン放出同位体による置換は、基質受容体占有を調べるためのポジトロン放出断層撮影(PET)研究において有用なことがある。
通常、式(I)の同位体標識化合物は、当業者に知られている従来技法により、またはこれまでに用いた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用い、添付の実施例および調製に記載されているプロセスに類似したプロセスにより調製することができる。
式(I)のすべての化合物は、以下に示す一般的方法に記載されている手順により、または実施例の項および調製の項に記載されている具体的方法により、またはそれらの通常の変更形態により調製することができる。また、本発明は、式(I)の化合物を調製するためのこれらのプロセスのうちの任意の1つまたは複数を、そこで使用される任意の新規中間体に加えて包含する。
一般的合成
本発明の化合物は、例えば、以下の方法A〜Dに示すように、このタイプの化合物を調製するためのよく知られている様々なプロセスによって調製することができる。
以下の一般的合成におけるすべての出発材料は、市販されているか、または以下の方法E〜DもしくはWO2000078751およびWO2004054984などの当業者に知られている従来の方法によって得ることができ、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
方法A
これは、式(I)の化合物の調製を図示している。
Figure 2008543824
反応スキームAにおいて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、A、BおよびXは、上記で定義した通りであり、Lvは、脱離基であり、R1aは、上記で定義したようなRまたはヒドロキシ基がヒドロキシ保護基によって保護されているRであり、R2aは、上記で定義したようなRまたはヒドロキシ基がヒドロキシ保護基によって保護されているRであり、R3aは、上記で定義したようなRまたはヒドロキシ基がヒドロキシ保護基によって保護されているRであり、R4aは、上記で定義したようなRまたはヒドロキシ基がヒドロキシ保護基によって保護されているRであり、R5aは、上記で定義したようなRまたはヒドロキシ基がヒドロキシ保護基によって保護されているRであり、R6aは、上記で定義したようなRまたはヒドロキシ基がヒドロキシ保護基によって保護されているRであり、R7aは、上記で定義したようなRまたはヒドロキシ基がヒドロキシ保護基によって保護されているRであり、R8aは、上記で定義したようなRまたはヒドロキシ基がヒドロキシ保護基によって保護されているRであり、R9aは、上記で定義したようなRまたはヒドロキシ基がヒドロキシ保護基によって保護されているRであり、同じことは以下にあてはまるであろう。
本明細書で使用する用語「脱離基」は、ヒドロキシ基またはアミンなどの求核基によって置換することができる基を意味し、そのような脱離基の例には、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、ハロゲノアルキルスルホニルオキシ基およびフェニルスルホニルオキシ基が含まれる。これらのうち、臭素原子、塩素原子、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基および4−メチルフェニルスルホニルオキシ基が好ましい。
本明細書で使用する用語「ヒドロキシ保護基」は、水素化分解、加水分解、電気分解または光分解などの、ヒドロキシ基を得るための様々な手段によって切断することができる保護基を意味し、そのようなヒドロキシ保護基は、T.W.Greene他により編集されたProtective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons、1999)に記載されている。例えば、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、トリ−C〜Cアルキルシリルまたはトリ−C〜Cアルキルアリールシリル基、およびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル基など。適当なヒドロキシ保護基には、アセチルおよびtert−ブチルジメチルシリルが含まれる。
(ステップA1)
ステップA1において、式(I)の化合物は、市販されているか、またはWO2000078751、US20050038032に記載されている方法もしくは以下の方法E〜Fによって調製することができる式(III)の化合物のLvの、市販されているか、またはWO2004054984に記載されている方法によって調製することができる式(II)の化合物による求核置換によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルアニリンおよびN,N−ジエチルアニリンなどのアミン、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、アセトンおよびジエチルケトンなどのケトン、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらの溶媒のうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはエタノールが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)などのアミン、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどのアルカリ金属アミドが含まれる。これらのうち、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたはカリウムtert−ブトキシドが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約30分〜約48時間の時間で通常は十分なはずである。
脱保護ステップ
1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R6a、R7a、R8aまたはR9aが、保護されたヒドロキシ基を有する場合、脱保護反応を続けてヒドロキシ基を得る。この反応は、T.W.Greene他、Protective Groups in Organic Synthesis、369〜453、(1999)によって詳細に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。以下は、保護基tert−ブチルジメチルシリルがかかわる典型的反応を例示している。
ヒドロキシル基の脱保護は、酢酸、フッ化水素、フッ化水素−ピリジン錯体などの酸、またはフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)などのフッ化物イオンで行われる。
脱保護反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、メタノール、エタノールなどのアルコール、またはそれらの混合溶媒が含まれるが、これらに限定されるものではない。
脱保護反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約10分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
方法B
これは、式(I)の化合物の調製を図示している。
Figure 2008543824
反応スキームBにおいて、Rは、C〜Cアルキル基またはベンジル基である。
(ステップB1)
このステップにおいて、式(V)の化合物は、市販されているか、またはWO2000078751に記載されている方法もしくは以下の方法E〜Fによって調製することができる式(III)の化合物のLvの、市販されているか、またはWO2004054984に記載されている方法によって調製することができる式(IV)の化合物による求核置換によって調製される。この反応は、方法AのステップA1において記載したのと同一の条件下で行うことができる。
(ステップB2)
このステップにおいて、化合物(VI)は、塩基または酸による式(V)の化合物のエステル基の加水分解によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、水、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらの溶媒のうち、メタノール、エタノールまたはテトラヒドロフランが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行うことができる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が含まれる。これらのうち、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムが好ましい。
この反応は、酸の存在下で行うことができる。同様に、使用される酸の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の酸を等しく使用することができる。そのような酸の例には、酢酸またはプロピオン酸などのカルボン酸、塩酸、硫酸または臭化水素酸などの酸が含まれる。これらのうち、塩酸が好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約60分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップB3)
このステップにおいて、化合物(I)は、式(VI)の化合物の、市販されている式(VII)の化合物によるアミド化によって調製される。式(VI)または(VII)の化合物がヒドロキシ保護基を有する場合、方法Aに記載されている脱保護反応が適切なステップにおいて適用されるであろう。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、DBN、DABCOおよびDBUなどのアミンが含まれる。これらのうち、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンが好ましい。
この反応は、縮合剤の存在下で行われる。同様に、使用される縮合剤の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の縮合剤を等しく使用することができる。そのような縮合剤の例には、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムおよびテトラフルオロホウ酸2−ブロモ−1−エチルピリジニウム(BEP)などのハロゲン化2−ハロ−1−低級アルキルピリジニウム、アジ化ジフェニルホスホリル(DPPA)などのアジ化ジアリールホスホリル、クロロギ酸エチルおよびクロロギ酸イソブチルなどのクロロギ酸エステル、ジエチルホスホロシアニデート(DEPC)などのホスホロシアニデート、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)などのイミダゾール誘導体、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)などのカルボジイミド誘導体、ヘキサフルオロリン酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,−テトラメチルウロニウム(HBTU)およびヘキサフルオロリン酸テトラメチルフルオロホルムアミジニウム(TFFH)などのイミニウム塩、ならびにヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)およびヘキサフルオロリン酸ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム(PyBrop)などのホスホニウム塩が含まれる。これらのうち、EDCIまたはHBTUが好ましい。
4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)などの試薬をこのステップに用いることができる。これらのうち、HOBtが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約80℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約30分〜約48時間の時間で通常は十分なはずである。
方法C
これは、Xが酸素原子である式(Ia)の化合物の調製を図示している。
Figure 2008543824
(ステップC1)
このステップにおいて、化合物(Ia)は、市販されているか、またはWO2004054984に記載されている方法によって調製することができる式(IIa)の化合物の、市販されているか、または以下の方法E〜Fに記載されている方法によって調製することができる式(VIII)の化合物とのエーテル形成反応によって調製される。式(IIa)または(VIII)の化合物がヒドロキシ保護基を有する場合、方法Aに記載されている脱保護反応が適用されるであろう。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、テトラヒドロフランまたはトルエンが好ましい。
この反応は、縮合剤の存在下で行われる。同様に、使用される縮合剤の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の縮合剤を等しく使用することができる。そのような縮合剤の例には、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)およびアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(DTAD)などのアゾジカルボン酸ジ低級アルキルエステル、N,N,N’,N’−テトライソプロピルアゾジカルボキサミド(TIPA)、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP)およびN,N,N’,N’−テトラメチルアゾジカルボキサミド(TMAD)などのアゾジカルボキサミド、(シアノメチレン)トリブチルホスホラン(CMBP)および(シアノメチレン)トリメチルホスホラン(CMMP)などのホスホランが含まれる。これらのうち、DIADが好ましい。
トリフェニルホスフィン、およびトリブチルホスフィンなどのホスフィン試薬をこのステップのために用いることができる。これらのうち、トリフェニルホスフィンが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約60分〜約48時間の時間で通常は十分なはずである。
方法D
これは、Rが、ヒドロキシ基またはC〜Cアルコキシ基である式(Ib)の化合物の調製を図示している。
Figure 2008543824
反応スキームDにおいて、Halは、ハロゲン原子であり、Rは、C〜Cアルキル基であり、R9bは、ヒドロキシ基またはR−O−である。
(ステップD1)
このステップにおいて、式(Ib)の化合物は、市販されているか、またはWO2004054984に記載されている方法によって調製することができる式(II)の化合物の、市販されているか、または以下の方法Gに従って調製することができる化合物(IX)とのエポキシ開環反応(D1−a)によって調製される。この反応後、式(X)の化合物によるヒドロキシ基のアルキル化(D1−b)を続けることができる。式(II)または(IX)の化合物がヒドロキシ保護基を有する場合、方法Aに記載されている脱保護反応が適用されるであろう。
(D1−a)エポキシ開環反応
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、アセトンおよびジエチルケトンなどのケトン、水、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、水を含んだエタノールが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、DBN、DABCOおよびDBUなどのアミンが含まれる。これらのうち、トリエチルアミンが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約20℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約60分〜約48時間の時間で通常は十分なはずである。
(D1−b)アルキル化
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどのアルカリ金属アミドが含まれる。これらのうち、水素化ナトリウムが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約30分〜約48時間の時間で通常は十分なはずである。
方法E
これは、Aが、CHである式(IIIa)の化合物の調製を図示している。
Figure 2008543824
反応スキームEにおいて、Halは、ハロゲン原子であり、同じことは以下にあてはまるであろう。
(ステップE1)
このステップにおいて、式(XIV)の化合物は、式(XI)の化合物の式(XII)の化合物とのマイケル反応(E1−a)、または式(XI)の化合物の式(XIII)の化合物によるアルキル化反応(E1−b)によって調製される。式(XI)、(XII)および(XIII)の化合物は市販されている。
(E1−a)マイケル反応
この反応は、溶媒の存在下または非存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、溶媒の非存在下での反応が好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、DBN、DABCO、DBUおよび水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムなどのアミン、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどのアルカリ金属アミドが含まれる。これらのうち、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムまたはナトリウムメトキシドが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約20℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約60分〜約48時間の時間で通常は十分なはずである。
上記の手順後、加水分解は、式(XIV)の化合物を製造するために溶媒中で酸を加えることによって行われ、通常の加水分解条件で行うことができる。酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの無機酸が含まれてよい。塩酸であることが好ましい。溶媒には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノールおよびtert−ブタノールなどのアルコール、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジエトキシメタンおよびジオキサンなどのエーテル、またはそれらの混合物が含まれてよい。水であることが好ましい。反応温度は、出発化合物、試薬および溶媒に応じて異なるが、通常は、20℃〜還流温度である。反応時間は、出発化合物、試薬、溶媒および反応温度に応じて異なるが、通常は、60分〜24時間である。
(E1−b)アルキル化反応
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、アセトンおよびジエチルケトンなどのケトン、水、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、水が好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどのアルカリ金属アミドが含まれる。これらのうち、水酸化ナトリウムが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約20℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約60分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
ヒドロキシ保護基の導入
ヒドロキシ基を有する式(IIIa)の化合物の場合、必要ならば、反応は、ヒドロキシ基を保護することによって行うことができる。
ヒドロキシ保護基の導入は、反応がヒドロキシ基によって影響を受ける前に適切なステップで行うことができる。
この反応は、T.W.Greene他、Protective Groups in Organic Synthesis、369〜453、(1999)によって詳細に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。以下は、保護基tert−ブチルジメチルシリルがかかわる典型的反応を例示している。
例えば、ヒドロキシ保護基が「tert−ブチルジメチルシリル」である場合、このステップは、塩基の存在下で不活性溶媒中、望ましいヒドロキシ保護基ハロゲン化物と反応させることにより行われる。
適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、テトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
上記反応において使用可能なヒドロキシ保護基ハロゲン化物の例には、塩化トリメチルシリル、塩化トリエチルシリル、塩化tert−ブチルジメチルシリル、臭化tert−ブチルジメチルシリル、塩化アセチルが含まれ、好ましい。
塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、ならびにトリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、イミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、DBNおよびDBUなどの有機アミンが含まれる。これらのうち、トリエチルアミン、イミダゾール、またはピリジンが好ましい。液体形態の有機アミンを使用すると、大過剰に用いた場合、溶媒としての役割も果たす。
反応温度は、出発化合物、ハロゲン化物および溶媒の性質によって異なるが、通常は、0℃〜80℃(好ましくは、0〜30℃)である。反応時間は、反応温度などによって異なるが、10分〜2日(好ましくは、30分〜1日)の間である。
(ステップE2)
このステップにおいて、式(XVa)の化合物は、ハロゲン化(E2−b)後のフリーデルクラフト反応(E2−a)により、または式(XIV)の化合物の環化(E2−c)によって調製される。
(E2−a)フリーデルクラフト反応
この反応は、溶媒の存在下または非存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1,2,2−テトラクロロエタンおよび1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、二硫化炭素、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、ジクロロメタンまたは二硫化炭素が好ましい。
この反応は、酸の存在下で行われる。同様に、使用される酸の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の酸を等しく使用することができる。そのような酸の例には、BF、AlCl、AlBr、FeCl、AgCl、ZnI、ZnCl、Fe(NO、CFSOSi(CH、Yb(CFSO、およびSnClなどのルイス酸が含まれる。これらのうち、AlClが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約150℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約30分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
(E2−b)ハロゲン化
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリルなどのアミン、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、1,2−ジクロロエタンまたはジクロロメタンが好ましい。
この反応は、ハロゲン化剤の存在下で行われる。同様に、使用されるハロゲン化剤の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意のハロゲン化剤を等しく使用することができる。そのようなハロゲン化剤の例には、塩化チオニル、塩化オキサリルおよびオキシ塩化リンが含まれる。これらのうち、塩化チオニルが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約80℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約10分〜約8時間の時間で通常は十分なはずである。
(E2−c)環化
この反応は、溶媒の存在下または非存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、ジクロロメタンまたは溶媒の非存在が好ましい。
この反応は、酸の存在下で行われる。同様に、使用される酸の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の酸を等しく使用することができる。そのような酸の例には、塩酸、硫酸、または臭化水素酸などの酸、トリフルオロ酢酸、またはポリリン酸などの酸が含まれる。これらのうち、ポリリン酸が好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約20℃〜約150℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約30分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップE3)
このステップにおいて、化合物(XVIa)は、式(XVa)の化合物のカルボニル基の還元によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、メタノールまたはテトラヒドロフランが好ましい。
この反応は、還元剤の存在下で行われる。同様に、使用される還元剤の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の還元剤を等しく使用することができる。そのような還元剤の例には、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウムおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素化ホウ素物、水素化リチウムアルミニウムおよび水素化ジイソブチルアルミニウムなどの水素化物化合物が含まれる。これらのうち、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約80℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約10分〜約8時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップE4)
このステップにおいて、式(IIIa)の化合物は、式(XVIa)の化合物のヒドロキシ基のハロゲン化によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下または非存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルアニリンおよびN,N−ジエチルアニリンなどのアミン、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行うことができる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、DBN、DABCOおよびDBUなどのアミンが含まれる。これらのうち、ピリジンが好ましい。
この反応は、ハロゲン化剤の存在下で行われる。同様に、使用されるハロゲン化剤の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意のハロゲン化剤を等しく使用することができる。そのようなハロゲン化剤の例には、塩化チオニル、塩化オキサリル、五塩化リンおよびオキシ塩化リンが含まれる。これらのうち、塩化チオニルが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約10分〜約8時間の時間で通常は十分なはずである。
方法F
これは、BがCHである式(IIIb)の化合物の調製を図示している。
Figure 2008543824
反応スキームFにおいて、RおよびRは、独立して、C〜Cアルキル基を表す。
(ステップF1)
このステップにおいて、式(XVIII)の化合物は、式(XVII)の化合物のメチル基のハロゲン化によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、四塩化炭素または1,2−ジクロロエタンが好ましい。
この反応は、ハロゲン化剤の存在下で行われる。同様に、使用されるハロゲン化剤の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意のハロゲン化剤を等しく使用することができる。そのようなハロゲン化剤の例には、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−クロロスクシンイミド(NCS)などのスクシンイミド、臭素が含まれる。これらのうち、NBSが好ましい。
過酸化ベンゾイルおよび2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)などの試薬をこのステップで使用することができる。これらのうち、過酸化ベンゾイルが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約30分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップF2)
このステップにおいて、式(XX)の化合物は、式(XVIII)の化合物の、市販されている式(XIX)の化合物とのエーテル形成反応によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、N,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどのアルカリ金属アミドが含まれる。これらのうち、水素化ナトリウムが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約20℃〜約150℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約60分〜約48時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップF3)
このステップにおいて、式(XXI)の化合物は、式(XX)の化合物の環化(ディークマン縮合)によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、トルエンが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、リチウムおよびナトリウムなどのアルカリ金属、水素化リチウム、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどのアルカリ金属アミドが含まれる。これらのうち、ナトリウムが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約150℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約30分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップF4)
このステップにおいて、式(XVb)の化合物は、式(XXI)の化合物の脱炭酸によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコールおよびブタノールなどのアルコール、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、水、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、エタノールが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行うことができる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が含まれる。これらのうち、水酸化ナトリウムが好ましい。
この反応は、酸の存在下で行うことができる。同様に、使用される酸の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の酸を等しく使用することができる。そのような酸の例には、酢酸またはプロピオン酸などのカルボン酸、塩酸、硫酸、または臭化水素酸などの酸が含まれる。これらのうち、塩酸が好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約20℃〜約120℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約60分〜約48時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップF5)
このステップにおいて、式(XVIb)の化合物は、式(XVb)の化合物の還元によって調製される。この反応は、方法EのステップE3に記載したのと同じ条件下で行うことができる。
(ステップF6)
このステップにおいて、式(IIIb)の化合物は、式(XVIb)の化合物のハロゲン化によって調製される。この反応は、方法EのステップE4に記載したのと同じ条件下で行うことができる。式(IIIb)の化合物がヒドロキシ基を有する場合、方法Eに記載したヒドロキシ保護基を導入するための方法が適切なステップで適用されるであろう。
(ステップF7)
このステップにおいて、式(XXIV)の化合物は、式(XXII)の化合物の、市販されている式(XXIII)の化合物とのエーテル形成反応によって調製される。この反応は、方法FのステップF2に記載したのと同じ条件下で行うことができる。
(ステップF8)
このステップにおいて、式(XXV)の化合物は、式(XXIV)の化合物の加水分解によって調製される。この反応は、方法BのステップB2に記載したのと同じ条件下で行うことができる。
(ステップF9)
このステップにおいて、式(XVb)の化合物は、式(XXIV)の化合物の環化(F9−a)によって、または式(XXV)の化合物の酸ハロゲン化物の形成(F9−b)と、続くフリーデルクラフト反応(F9−c)によって調製される。この反応は、方法EのステップE2に記載したのと同じ条件下で行うことができる。
方法G
これは、式(IX)の化合物の調製を図示している。
Figure 2008543824
(ステップG1)
このステップにおいて、式(XXVII)の化合物は、市販されているか、または上記の方法EまたはFによって調製することができる式(XXVI)の化合物の分子内脱水によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、トルエンが好ましい。
この反応は、酸の存在下で行われる。同様に、使用される酸の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の酸を等しく使用することができる。そのような酸の例には、酢酸、トリフルオロ酢酸またはプロピオン酸などのカルボン酸、塩酸、塩酸、硫酸、またはp−トルエンスルホン酸などの酸、BF、AlCl、FeCl、AgCl、ZnI、Fe(NO、CFSOSi(CH、Yb(CFSOおよびSnClなどのルイス酸が含まれる。これらのうち、p−トルエンスルホン酸が好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約150℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約10分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップG2)
このステップにおいて、式(IX)の化合物は、式(XXVII)の化合物のエポキシ化によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、アセトンおよびジエチルケトンなどのケトン、水、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、ジクロロメタンが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、DBN、DABCOおよびDBUなどのアミンが含まれる。これらのうち、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
この反応は、酸化剤の存在下で行われる。同様に、使用される酸化剤の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の酸化剤を等しく使用することができる。そのような酸化剤の例には、3−クロロ過安息香酸(MCPBA)、過安息香酸、過酢酸およびトリフルオロ過酢酸などのペルオキシ酸、過酸化水素およびtert−ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸化物が含まれる。これらのうち、MCPBAが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約−78℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約10分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップG3)
このステップにおいて、式(XXVIII)の化合物は、式(XXVII)の化合物の求電子付加によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、アセトンおよびジエチルケトンなどのケトン、水、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、ジメチルスルホキシドまたは水が好ましい。
この反応は、ハロゲン化剤の存在下で行われる。同様に、使用されるハロゲン化剤の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意のハロゲン化剤を等しく使用することができる。そのようなハロゲン化剤の例には、NBS、NCSなどのスクシンイミド、臭素が含まれる。これらのうち、NBSが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約60分〜約24時間の時間で通常は十分なはずである。
(ステップG4)
このステップにおいて、式(IX)の化合物は、式(XXVIII)の化合物のエポキシ化によって調製される。
この反応は、溶媒の存在下で行われることが普通で好ましい。用いるべき溶媒の性質に対する特定の制限はないが、ただし、反応または関与する試薬に対して有害な影響がなく、少なくともある程度、試薬を溶かすことができることとする。適当な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル、ベンゼン、トルエンおよびニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルアニリンおよびN,N−ジエチルアニリンなどのアミン、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールなどのアルコール、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシドおよびスルホランなどのスルホキシド、またはそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、ジエチルエーテルが好ましい。
この反応は、塩基の存在下で行われる。同様に、使用される塩基の性質に対して特定の制限はなく、この場合、このタイプの反応で一般的に使用される任意の塩基を等しく使用することができる。そのような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、DBN、DABCOおよびDBUなどのアミンが含まれる。これらのうち、水酸化カリウムが好ましい。
この反応は、広範囲の温度にわたって行うことができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質などの要素、および出発材料によって異なるはずである。しかしながら、一般に、約0℃〜約100℃の温度で反応を行うことが好都合である。反応に必要な時間も、多くの要素、特に、反応温度ならびに用いられる出発材料および溶媒の性質に応じて、大きく異なることがある。しかしながら、反応が、上記に概説した好ましい条件下で行われるならば、約60分〜約48時間の時間で通常は十分なはずである。
式(I)の化合物、および上述の調製方法における中間体は、蒸留、再結晶またはクロマトグラフ精製などの従来の手順によって単離および精製することができる。
医薬使用を目的とする本発明の化合物は、結晶性または非晶性製品として投与することができる。それらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法により、例えば、固体プラグ剤(solid plugs)、散剤、またはフィルム剤として得ることができる。この目的には、マイクロ波または高周波乾燥を使用することができる。
個々の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技法には、適当な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または、例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いるラセミ混合物(または塩もしくは誘導体のラセミ混合物)の分割が含まれる。
あるいは、ラセミ混合物(またはラセミ前駆体)の光学分割の方法は、従来の手順、例えば、優先晶出、または式(I)の化合物の塩基性部分と酒石酸などの適当な光学活性な酸との間のジアステレオマー塩の分割から適切に選択することができる。
医薬使用を目的とする本発明の化合物は、結晶性または非晶性製品として投与することができる。それらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法により、例えば、固体プラグ剤、散剤、またはフィルム剤として得ることができる。この目的には、マイクロ波または高周波乾燥を使用することができる。
それらは、単独で、または1種もしくは複数の本発明の他の薬物との組合せで、または1種もしくは複数の他の薬物との組合せで(または、それらの任意の組合せとして)投与することができる。一般的に、それらは、1種または複数の薬学的に許容できる担体または賦形剤と共に医薬組成物または製剤として投与される。本明細書において、用語「担体」または「賦形剤」は、本発明の1種または複数の化合物以外の任意の成分について記載するのに使用される。担体または賦形剤の選択は、特定の投与方法、溶解度および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの要素によって大きく左右されるであろう。
本発明の化合物を送達するのに適している医薬組成物およびそれらを調製するための方法は、当業者には容易に明らかであろう。そのような組成物およびそれらを調製するための方法は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995)中に見いだすことができる。
経口投与
本発明の化合物は、経口的に投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入るように嚥下することを含み得、または、化合物が口から直接血流に入る口腔内もしくは舌下投与を用いることができる。
経口投与に適している製剤には、例えば、錠剤、微粒子を含有するカプセル剤、液剤、または散剤、ロゼンジ剤(液体入りを含む)、咀嚼剤(chews)、多粒子およびナノ粒子剤、ゲル剤、固溶体、リポソーム、フィルム剤(粘膜付着剤を含む)、膣坐剤、噴霧剤などの固形製剤ならびに液状製剤が含まれる。
液状製剤には、例えば、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。このような製剤は、軟質または硬質カプセル剤における充填剤として用いることができ、通常、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適当な油、ならびに1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。また、液状製剤は、例えばサシェから、固体の再構成により調製することができる。
本発明の化合物は、LiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986(2001)に記載されている剤形などの速溶、速崩壊剤形においても使用することができる。
錠剤剤形の場合、投与量に応じて、薬物は、剤形の約1重量%〜約80重量%、より典型的には剤形の約5重量%〜約60重量%を占めることができる。通常、錠剤は、薬物の他に、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムが含まれる。通常、崩壊剤は、剤形の約1重量%〜約25重量%、好ましくは約5重量%〜約20重量%を占めるものとする。
通常、錠剤製剤に凝集性を付与するために結合剤が使用される。適当な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。また、錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水など)、マンニトール、キシリトール、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよび第二リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤を含有することができる。
また、錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を場合により含んでいてもよい。存在する場合、界面活性剤は、錠剤の約0.2重量%〜約5重量%を占め、流動促進剤は、錠剤の約0.2重量%〜約1重量%を占めることがある。
また、錠剤は、通常、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物などの滑沢剤を含有する。通常、滑沢剤は、錠剤の約0.25重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%を占める。
他の可能な成分には、抗酸化剤、着色剤、矯味剤、保存剤および味覚マスキング剤が含まれる。
例示的錠剤は、薬物約80%まで、結合剤約10重量%〜約90重量%、希釈剤約0重量%〜約85重量%、崩壊剤約2重量%〜約10重量%、および滑沢剤約0.25重量%〜約10重量%を含有する。
錠剤ブレンドを直接、またはローラーにより圧縮し、錠剤を作製することができる。あるいは、錠剤ブレンドまたはブレンドの一部を、打錠前に湿式、乾式、または融解式造粒するか、あるいは融解式凝結させるか、あるいは押し出すことができる。最終製剤は、1つまたは複数の層を含んでいてもよく、コーティングされていてもされていなくてもよく、カプセル化されてもよい。
錠剤の製剤化については、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Vol.1」、Marcel Dekker、N.Y.、N.Y.、1980(ISBN0−8247−6918−X)中で論じられている。
経口投与のための固形製剤は、即時放出および/または放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出が含まれる。
本発明の目的に適している放出調節製剤については、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散ならびに浸透圧およびコーティングした粒子などの他の適当な放出技術の詳細は、Verma他、Pharmaceutical Technology On−line、25(2)、1〜14(2001)に見いだすことができる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用については、WO00/35298に記載されている。
非経口投与
本発明の化合物は、血流中、筋肉中、または内臓中に直接投与することもできる。非経口投与に適している手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下が含まれる。非経口投与に適している装置には、針(極微針を含む)注射器、無針注射器および注入技法が含まれる。
通常、非経口製剤は、塩、炭水化物および緩衝剤(約3〜約9のpHが好ましい)などの賦形剤を含有してもよい水溶液であるが、一部の応用例については、滅菌非水溶液として、または乾燥形態として製剤化し、滅菌した発熱物質を含まない水などの適当なビヒクルと併せて使用することがより適当である。
無菌条件下、例えば、凍結乾燥による非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準的製薬技法を用いて容易に行うことができる。
非経口液剤の調製において使用される式(I)の化合物の溶解性は、溶解性促進剤の組み入れなどの適切な製剤技法の使用によって高めることができる。
非経口投与のための製剤は、即時放出および/または放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出が含まれる。すなわち、本発明の化合物は、活性化合物の放出調節を提供する埋込型デポー剤として投与するための固体、半固体、またはチキソトロピックな液体として製剤化することができる。そのような製剤の例には、薬物をコーティングしたステントおよびPGLAミクロスフェアが含まれる。
局所投与
本発明の化合物は、皮膚または粘膜へ、すなわち経皮的(dermally)または経皮的(transdermally)に、局所的に投与することもできる。この目的に典型的な製剤には、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散布剤、包帯剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚用パッチ剤、ウェハー剤、インプラント剤、スポンジ剤、ファイバー剤、絆創膏剤およびマイクロエマルジョン剤が含まれる。リポソームも使用することができる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが含まれる。透過促進剤を組み入れることができる。例えば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、88(10)、955〜958(1999年10月)を参照されたい。
局所投与の他の手段には、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよび極微針または無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が含まれる。
局所投与のための製剤は、即時放出および/または放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出が含まれる。
吸入/鼻腔内投与
また、本発明の化合物は、鼻腔内または吸入により、通常、乾燥粉末インヘイラーから乾燥粉末(単独で、例えば、ラクトースとの乾燥ブレンドにおける混合物として、または、例えば、ホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された混合成分粒子として)の形態で、または1,1,1,2−テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適当な噴射剤の使用の有無にかかわらず加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは細かい霧を発生するための電気流体力学を用いるアトマイザー)、もしくはネブライザーからのエアゾールスプレーとして投与することができる。鼻腔内使用の場合、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含むことができる。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、例えば、エタノール、水性エタノール、または活性物質の分散、可溶化、または延長放出のための適当な代替試剤、溶媒としての1種または複数の噴射剤およびソルビタントリオレエート、オレイン酸、またはオリゴ乳酸などの任意選択の界面活性剤を含む本発明の1種または複数の化合物の溶液または懸濁液を含む。
乾燥粉末または懸濁液製剤における使用に先立って、薬物製品は、吸入による送達に適しているサイズ(通常5ミクロン未満)まで微粉化される。これは、スパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を形成するための超臨界流体プロセシング、高圧均質化、または噴霧乾燥などの任意の適切な粉砕方法によって行うことができる。
インヘイラーまたはインサフレーターにおいて使用するためのカプセル(例えば、ゼラチンまたはHPMC製)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤およびl−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの動作調整剤の粉末ミックスを含有するように製剤化することができる。ラクトースは、無水または一水和物の形態であってよく、後者であることが好ましい。他の適当な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが含まれる。
細かい霧を発生するための電気流体力学を用いるアトマイザーにおいて使用するのに適している溶液製剤は、1動作につき本発明の化合物約1μg〜約20mgを含有することがあり、動作容積は、約1μlから約100μlまで変化することがある。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含むことができる。プロピレングリコールの代わりに使用することができる代替溶媒には、グリセロールおよびポリエチレングリコールが含まれる。
吸入/鼻腔内投与を目的とする本発明の製剤には、メントールおよびレボメントールなどの適当な香料、またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を添加することができる。吸入/鼻腔内投与のための製剤は、即時放出および/または、例えば、DL−乳酸/グリコール酸共重合体(poly(DL−lactic−coglycolic acid))(PGLA)を用いる放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出が含まれる。
乾燥粉末インヘイラーおよびエアゾール剤の場合、用量単位は、一定量を送達するバルブによって決定される。通常、本発明による単位は、式(I)の化合物約1〜約100μgを含有する一定量すなわち「パフ」を投与するように配置される。通常、全1日量は、1回量か、またはより一般的には1日を通して分割量として投与することができる約50μg〜約20mgの範囲とする。
直腸/膣内投与
本発明の化合物は、例えば、坐剤、膣坐薬、または浣腸の形態で経直腸的または経膣的に投与することができる。カカオ脂は、伝統的な坐剤基剤であるが、必要に応じて様々な代替物を使用することができる。
直腸/膣内投与のための製剤は、即時放出および/または放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出が含まれる。
眼/耳投与
本発明の化合物は、通常、等張性のpH調整した滅菌食塩水中の微粉末化された懸濁液または溶液の点滴剤の形態で、眼または耳に直接投与することもできる。眼および耳投与に適した他の製剤には、軟膏剤、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)埋込錠、ウェハー剤、レンズ剤およびニオソームまたはリポソームなどの微粒子または小胞系が含まれる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ゲランガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と一緒に組み入れることができる。そのような製剤は、イオントフォレーシスによっても送達することができる。
眼/耳投与のための製剤は、即時放出および/または放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出が含まれる。
他の技術
本発明の化合物は、シクロデキストリンおよび適当なその誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性高分子と混ぜ合わせ、前述の投与方法のいずれかにおいて使用するために、それらの溶解性、溶出速度、味覚マスキング、生物学的利用能および/または安定性を改善することができる。
例えば、薬物−シクロデキストリン錯体は、大部分の剤形および投与経路にとって一般的に有用であることが判明している。包接錯体と非包接錯体の双方を使用することができる。薬物との直接錯体化の代替法として、シクロデキストリンを補助的な添加剤、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として使用することができる。これらの目的のためにα−、β−およびγ−シクロデキストリンが最も一般的に使用され、その例は、WO91/11172、WO94/02518およびWO98/55148に見いだすことができる。
複数の構成部材からなるキット
活性化合物の組合せを、例えば、特定の疾患または状態を治療する目的で投与することが望ましいため、少なくとも1つは本発明による化合物を含有する2つ以上の医薬組成物を、組成物の同時投与に適しているキットの形態で都合良く組み合わせることは、本発明の範囲内にある。
したがって、本発明のキットは、少なくとも1つは本発明による式(I)の化合物を含有する2つ以上の別々の医薬組成物および容器、分かれたボトル、または分かれたホイルパケットなどの前記組成物を別々に保持するための手段を含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用されるよく知られているブリスターパックである。
本発明のキットは、様々な剤形を、例えば、経口および非経口で投与するのに、様々な投与間隔で別々の組成物を投与するのに、またはお互いに対して別々の組成物を増量するのに特に適している。コンプライアンスを補助するため、キットは、通常、投与説明書を含み、いわゆる記憶補助を提供することができる。
用量
ヒト患者への投与の場合、本発明の化合物の全1日量は、通常、言うまでもなく投与方法に応じて、約0.05mg〜約100mgの範囲であり、約0.1mg〜約50mgの範囲であることが好ましく、約0.5mg〜約20mgの範囲であることがより好ましい。例えば、経口投与は、約1mg〜約20mgの全1日量を必要とすることがあるが、静脈内投与は、約0.5mg〜約10mgを必要とするに過ぎないことがある。全1日量は、1回量または分割量で投与することができる。
これらの用量は、約65〜約70kgの体重を有する平均的なヒト対象に基づいている。医師は、乳児および高齢者などの、体重がこの範囲から外れている対象に対する投与量を容易に決定することができるはずである。
本発明のアシッドポンプアンタゴニストは、特に胃食道逆流疾患の治療において、別の薬学的に活性な化合物、または、2種以上の他の薬理学的に活性な化合物と有用に組み合わせることができる。例えば、上記で定義したようなアシッドポンプアンタゴニスト、特に式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩は、
(i)ヒスタミンH受容体アンタゴニスト、例えば、ラニチジン、ラフチジン、ニザチジン、シメチジン、ファモチジンおよびロキサチジン;
(ii)プロトンポンプ阻害剤、例えば、オメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、テナトプラゾール、イラプラゾール(ilaprazole)およびランソプラゾール;
(iii)経口制酸剤混合物、例えば、Maalox(登録商標)、Aludrox(登録商標)およびGaviscon(登録商標);
(iv)粘膜保護剤、例えば、ポラプレジンク、エカベトナトリウム、レバミピド、テプレノン、セトラキサート、スクラルファート、クロロピリン(chloropylline)−銅およびプラウノトール;
(v)抗ガストリン剤、例えば、抗ガストリンワクチン、イトリグルミド(itriglumide)およびZ−360;
(vi)5−HTアンタゴニスト、例えば、ドラセトロン、パロノセトロン、アロセトロン、アザセトロン、ラモセトロン、ミトラザピン、グラニセトロン、トロピセトロン、E−3620、オンダンセトロンおよびインジセトロン;
(vii)5−HTアゴニスト、例えば、テガセロド、モサプリド、シニタプリドおよびオキシトリプタン;
(viii)緩下剤、例えば、Trifyba(登録商標)、Fybogel(登録商標)、Konsyl(登録商標)、Isogel(登録商標)、Regulan(登録商標)、Celevac(登録商標)およびNormacol(登録商標);
(ix)GABAアゴニスト、例えば、バクロフェンおよびAZD−3355;
(x)GABAアンタゴニスト、例えば、GAS−360およびSGS−742;
(xi)カルシウムチャネルブロッカー、例えば、アラニジピン、ラシジピン、ファロジピン(falodipine)、アゼルニジピン、シルニジピン、ロメリジン、ジルチアゼム、ガロパミル、エホニジピン、ニソルジピン、アムロジピン、レルカニジピン、ベバントロール、ニカルジピン、イスラジピン、ベニジピン、ベラパミル、ニトレンジピン、バルニジピン、プロパフェノン、マニジピン、ベプリジル、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピンおよびファスジル;
(xii)ドーパミンアンタゴニスト、例えば、メトクロプラミド、ドンペリドンおよびレボスルピリド;
(xiii)タキキニン(NK)アンタゴニスト、特にNK−3、NK−2およびNK−1アンタゴニスト、例えば、ネパズタント、サレズタント、タルネタント、(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、ラネピタント、ダピタントおよび3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メチルアミノ]−2−フェニル−ピペリジン(2S,3S);
(xiv)ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)感染剤、例えば、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、ロキタマイシン、フルリスロマイシン、テリスロマイシン、アモキシリン、アンピシリン、テモシリン、バカンピシリン、アスポキシシリン、スルタミシリン、ピペラシリン、レナンピシリン、テトラサイクリン、メトロニダゾール、クエン酸ビスマスおよび次サリチル酸ビスマス;
(xv)一酸化窒素合成酵素阻害剤、例えば、GW−274150、ティラルギニン、P54、グアニジオエチルジスルフィド(guanidioethyldisulfide)およびニトロフルルビプロフェン(nitroflurbiprofen);
(xvi)バニロイド受容体1アンタゴニスト、例えば、AMG−517およびGW−705498;
(xvii)ムスカリン受容体アンタゴニスト、例えば、トロスピウム、ソリフェナシン、トルテロジン、チオトロピウム、シメトロピウム、オキシトロピウム、イプラトロピウム、チキジウム、ダリフェナシンおよびイミダフェナシン;
(xviii)カルモジュリンアンタゴニスト、例えば、スクアラミンおよびDY−9760;
(xix)カリウムチャネルアゴニスト、例えば、ピナシジル、チリソロール、ニコランジル、NS−8およびレチガバイン;
(xx)β1アゴニスト、例えば、ドブタミン、デノパミン、キサモテロール、デノパミン、ドカルパミンおよびキサモテロール;
(xxi)β2アゴニスト、例えば、サルブタモール、テルブタリン、アルフォルモテロール、メルアドリン、マブテロール、リトドリン、フェノテロール、クレンブテロール、フォルモテロール、プロカテロール、ツロブテロール、ピルブテロール、バンブテロール、ツロブテロール、ドペキサミンおよびレボサルブタモール;
(xxii)βアゴニスト、例えば、イソプロテレノールおよびテルブタリン;
(xxiii)α2アゴニスト、例えば、クロニジン、メデトミジン、ロフェキシジン、モキソニジン、チザニジン、グアンファシン、グアナベンズ、タリペキソールおよびデクスメデトミジン;
(xxiv)エンドセリンAアンタゴニスト、例えば、ボセンタン、アトラセンタン、アンブリセンタン、クラゾセンタン、シタクスセンタン、ファンドセンタン(fandosentan)およびダルセンタン;
(xxv)オピオイドμアゴニスト、例えば、モルヒネ、フェンタニルおよびロペラミド;
(xxvi)オピオイドμアンタゴニスト、例えば、ナロキソン、ブプレノルフィンおよびアルビモパン;
(xxvii)モチリンアゴニスト、例えば、エリスロマイシン、ミテムシナル、SLV−305およびアチルモチン(atilmotin);
(xxviii)グレリンアゴニスト、例えば、カプロモレリン(capromorelin)およびTZP−101;
(xxix)AchE放出刺激薬、例えば、Z−338およびKW−5092;
(xxx)CCK−Bアンタゴニスト、例えば、イトリグルミド、YF−476およびS−0509;
(xxxi)グルカゴンアンタゴニスト、例えば、NN−2501およびA−770077から選択される1種または複数の薬剤と組み合わせて、同時に、順次にまたは個別に投与することができる。
生物学的活性を評価するための方法:
本発明の化合物のアシッドポンプ阻害活性および他の生物学的活性は、以下の手順により決定した。
新鮮なブタ胃からの胃ベシクルの調製
ブタ胃H/K−ATPアーゼ阻害アッセイのためのブタ胃ベシクルは、4℃における0.25Mスクロース中でのぴったり合ったポリテトラフルオロエチレン(Teflone(登録商標))ホモジナイザーによる均質化により、新鮮なブタ胃内の粘膜から調製した。粗ペレットを、20,000gにて30分間の遠心分離で除去した。次いで、上清を、100,000gにて30分間遠心分離した。得られたペレットを、0.25Mスクロースに再懸濁し、次いで、132,000gにて90分間の密度勾配遠心分離にかけた。胃ベシクルは、7%Ficoll(商標)PM400(Amersham Biosciences)を含有する0.25Mスクロース層上の界面から集めた。この手順は、低温室内で行った。
イオン漏出性(Ion−leaky)ブタ胃H/K−ATPアーゼ阻害
イオン漏出性ブタ胃H/K−ATPアーゼ阻害は、Biochemical Pharmacology、1988、37、2231〜2236に記載されている改良法に従って測定した。
単離ベシクルは、凍結乾燥し、次いで、使用するまでディープフリーザー内に保存した。酵素アッセイの場合、凍結乾燥ベシクルを、40mM Bis−tris(37℃にてpH6.4)を含有する3mM MgSOで再構成した。
酵素反応は、試験化合物の有無にかかわらず、最終60μlの反応混合物(40mM Bis−tris、pH6.4)中で37℃にて30分間、5mM KCl、3mM NaATP、3mM MgSOおよび再構成ベシクル1.0μgをインキュベートして行った。酵素反応は、10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加することにより停止させた。ATPからの遊離無機リン酸塩は、750nmに光学密度を有するリンモリブデン酸をもたらす15mM酢酸亜鉛水和物中の35mMモリブデン酸アンモニウム四水和物1部と10%アスコルビン酸(pH5.0)4部の混合物とのインキュベーションにより検出した。すべての実施例化合物は、強力な阻害活性を示した。
イオンタイト(Ion−tight)ブタ胃H/K−ATPアーゼ阻害
イオンタイトブタ胃H/K−ATPアーゼ阻害は、Biochemical Pharmacology、1988、37、2231〜2236に記載されている改良法に従って測定した。
単離ベシクルは、使用するまでディープフリーザー内に保存した。酵素アッセイの場合、ベシクルを、5mM Tris(37℃にてpH7.4)を含有する3mM MgSOで希釈した。
酵素反応は、試験化合物の有無にかかわらず、最終60μlの反応混合物(5mM Tris、pH7.4)中で37℃にて30分間、150mM KCl、3mM NaATP、3mM MgSO、15μMバリノマイシンおよびベシクル3.0μgをインキュベートして行った。酵素反応は、10%SDSを添加することにより停止させた。ATPからの遊離無機リン酸塩は、750nmに光学密度を有するリンモリブデン酸をもたらす15mM酢酸亜鉛水和物中の35mMモリブデン酸アンモニウム四水和物1部と10%アスコルビン酸(pH5.0)4部の混合物とのインキュベーションにより検出した。
以下の実施例の化合物についての阻害活性のIC50値の結果を表1に示す。
Figure 2008543824
イヌ腎Na/K−ATPアーゼ阻害
粉末イヌ腎Na/K−ATPアーゼ(Sigma)を、40mM Tris(37℃にてpH7.4)を含有する3mM MgSOで再構成した。酵素反応は、試験化合物の有無にかかわらず、最終60μlの反応混合物(40mM Tris、pH7.4)中で37℃にて30分間、100mM NaCl、2mM KCl、3mM NaATP、3mM MgSOおよび酵素12μgをインキュベートして行った。酵素反応は、10%SDSを添加することにより停止させた。ATPからの遊離無機リン酸塩は、750nmに光学密度を有するリンモリブデン酸をもたらす15mM酢酸亜鉛水和物中の35mMモリブデン酸アンモニウム四水和物1部と10%アスコルビン酸(pH5.0)4部の混合物とのインキュベーションにより検出した。
胃管腔灌流ラットにおける酸分泌の阻害
胃管腔灌流ラットにおける酸分泌は、Watanabe他[Watanabe K他、J.Physiol.(Paris)2000;94:111〜116]に従って測定した。
水を自由に摂取させながら実験前の18時間は食物を与えられなかった8週齢の雄性Sprague−Dawleyラットを、ウレタン(1.4g/kg、i.p.)で麻酔し、気管切開した。中間腹部切開後、デュアルポリエチレンカニューレを前胃に挿入し、胃を、1ml/分の速度にて食塩水(37℃、pH5.0)で灌流した。灌流液中の酸分泌量は、0.02N NaOHでpH5.0まで滴定することにより5分間隔で決定した。30分間の基礎酸分泌の決定後、酸分泌を、ペンタガストリンの持続静脈内注入(16μg/kg/h)により刺激した。刺激された酸分泌がプラトー相に達した後、静脈内ボーラス注射または十二指腸内投与により試験化合物を投与した。投与後、酸分泌をモニターした。
活性は、投与後0時間から1.5もしくは3.5時間までの総酸分泌の阻害かまたは投与後の最大阻害で評価した。
ハイデンハイン小胃イヌにおける胃酸分泌の阻害
ハイデンハイン小胃[Heidenhain R:Arch Ges Physiol.1879;19:148〜167]で体重が7〜15kgの雄性ビーグル犬を使用した。実験前の少なくとも3週間は、動物を手術から回復させた。動物を、12時間の明暗リズムに保ち、個別に収容した。動物には、11:00a.m.に1日1回、標準的な食物を、および水道水を自由に与え、水を自由に摂取させながら実験に先立って一夜絶食させた。胃液試料は、実験を通じて、15分毎に重力排液法により集めた。胃液の酸性度は、pH7.0の終点までの滴定により測定した。酸分泌は、ヒスタミンの持続静脈内注入(80μg/kg/h)により刺激した。試験化合物の経口または静脈内ボーラス投与を、ヒスタミン注入の開始から90分後に行った。投与後、酸分泌をモニターした。活性は、対応する対照値に対する最大阻害により評価した。
実施例6の化合物は、良好な阻害活性を示した。
ヒトドフェチリド結合
ヒトエーテルアゴーゴー(ether−a−go−go)関連遺伝子(HERG)を形質移入したHEK293S細胞は、社内で調製して増殖させた。HERG産物を発現するHEK293細胞の細胞ペーストは、1mM MgCl、10mM KClを含有する2M HClで25℃にてpH7.5に調整された10倍容積の50mM Tris緩衝液に懸濁することができる。細胞を、Polytronホモジナイザーを用いて均質化し(最大出力で20秒間)、4℃にて20分間、48,000gで遠心分離した。ペレットを再懸濁し、均質化し、同じようにもう一度遠心分離した。得られた上清を捨て、最終ペレットを再懸濁し(10倍容積の50mM Tris緩衝液)、最大出力で20秒間均質化した。膜ホモジネートを等分し、使用するまで−80℃で保存した。Protein Assay Rapid Kit(wako)およびSpectraマックスプレートリーダー(Wallac)を用いるタンパク質濃度決定にはアリコートを使用した。すべての操作、保存溶液および機器は、常に氷上に置いた。飽和アッセイの場合、実験は、200μLの総容積で実施した。飽和は、全結合または非特異的結合についてそれぞれ、最終濃度の10μMドフェチリド(4μl)の存在下または非存在下で室温にて60分間、[H]ドフェチリド36μl、および膜ホモジネート160μl(ウェル当たり20〜30μgタンパク質)をインキュベートすることにより決定した。すべてのインキュベーションは、Skatronセルハーベスターを用いるPEI浸漬グラスファイバー濾紙上の迅速な真空濾過と、続く50mM Tris緩衝液(25℃にてpH7.4)による2回の洗浄により終了させた。受容体結合放射活性は、Packard LSカウンターを用い、液体シンチレーションカウンティングにより定量化した。
競合アッセイの場合、化合物は、セミログフォーマットの4点希釈として96ウェルのポリプロピレンプレート中で希釈した。すべての希釈は、まずDMSOで行い、次いで、最終DMSO濃度が1%に等しくなるように、1mM MgCl、10mM KClを含有する50mM Tris緩衝液(25℃にてpH7.4)に移した。化合物は、アッセイプレート(4μl)へ三重に分配した。総結合および非特異的結合ウェルはそれぞれ、ビヒクルおよび最終濃度10μMのドフェチリドとして6個のウェルにセットした。放射性リガンドを5.6×最終濃度にて調製し、この溶液を各ウェルに添加した(36μl)。アッセイは、YSiポリ−L−リジンSPAビーズ(50μl、1mg/ウェル)および膜(110μl、20μg/ウェル)の添加により開始させた。インキュベーションを室温にて60分間続けた。室温にてさらに3時間、プレートをインキュベートし、ビーズを沈めた。受容体結合放射活性は、Wallac MicroBetaプレートカウンターでカウントすることにより定量化した。
Caco−2透過性
Caco−2透過性は、Shiyin Yee、Pharmaceutical Research、763(1997)に記載されている方法に従って測定した。
Caco−2細胞を、フィルターサポート(Falcon HTSマルチウェルインサートシステム)上で14日間培養した。培養培地を、アピカルコンパートメントとバソラテラルコンパートメントの双方から除去し、単層を、50サイクル/分の振盪機水浴中37℃にて0.5時間、予熱したアピカル緩衝液0.3mlおよびバソラテラル緩衝液1.0mlと共にプレインキュベートした。アピカル緩衝液は、ハンクス平衡塩溶液、25mM D−グルコース一水和物、20mM 2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)生物学的緩衝液、1.25mM CaClおよび0.5mM MgClからなっていた(pH6.5)。バソラテラル緩衝液は、ハンクス平衡塩溶液、25mM D−グルコース一水和物、20mM 2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)生物学的緩衝液、1.25mM CaClおよび0.5mM MgClからなっていた(pH7.4)。プレインキュベーションが終わったら、培地を除去し、緩衝液中の試験化合物溶液(10μM)を、アピカルコンパートメントに添加した。インサートを、新鮮なバソラテラル緩衝液の入ったウェルに1時間で移動した。緩衝液中の薬物濃度は、LC/MS分析により測定した。
流出速度(F、質量/時間)は、レシーバー側への基質の累積的出現の傾きから算出され、見掛けの透過係数(Papp)は、下式から算出された。
app(cm/秒)=(FVD)/(SAMD)
ここで、SAは、輸送のための表面積であり(0.3cm)、VDは、ドナー容積であり(0.3ml)、MDは、t=0におけるドナー側の薬物の総量である。すべてのデータは、2つのインサートの平均を表す。単層の完全性は、ルシファーイエロー輸送により判定した。
ヒト肝ミクロソーム(HLM)における半減期
試験化合物(1μM)を、96穴ディープウェルプレート上、37℃にて100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中の3.3mM MgClおよび0.78mg/mL HLM(HL101)と共にインキュベートした。反応混合物を、非P450およびP450群の2つの群に分けた。P450群の反応混合物にだけNADPHを加えた。P450群の試料のアリコートを、0、10、30、および60分の時点(0分時点は、P450群の反応混合物にNADPHを加えた時間を示す)で集めた。非P450群の試料のアリコートは、−10および65分時点で集めた。集めたアリコートを、内部標準を含有するアセトニトリル溶液で抽出した。沈殿したタンパク質を、遠心分離機中でスピンダウンした(2000rpm、15分)。上清中の化合物濃度は、LC/MS/MSシステムにより測定した。
半減期値は、時間に対して化合物/内部標準のピーク面積比の自然対数をプロットすることにより得られた。ポイントを通して最適合直線の傾きから代謝速度(k)が得られる。これを、下式を用いて半減期値に変換した。
半減期=ln2/k
5種の主要なCYPについてのin vitro薬物−薬物相互作用試験(fDDI)
CYP1A2 試験化合物(3μM)を、30℃にて5分間、100mM Kリン酸緩衝液(pH7.4)中の組換えCYP1A2(Baculosomeロット番号21198 Invitrogen、50pmol P450/ml)および基質としての10μM Vivid blue1A2プローブ(Invitrogen)と共にプレインキュベートした。反応は、0.50mM NADPおよび10mM MgCl、6.2mM DL−イソクエン酸ならびに0.5U/mlイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(ICD)からなる温めたNADPH再生系Aの溶液を添加することにより開始させた。プレートを、30℃にてプレートリーダー内に置き、15サイクルにわたり、各読み取りの間に10秒間振盪しながら1.5分毎に読み取りを行った。励起/発光の波長はそれぞれ、408/465nmとした。
CYP2C9 試験化合物(3μM)を、37℃にて5分間、100mM Kリン酸緩衝液(pH7.4)中の組換えCYP2C9(Baculosomeロット番号20967 Invitrogen、50pmol P450/ml)および基質としての30μM MFCプローブ(Gentest)と共にプレインキュベートした。反応は、温めたNADPH再生系Aの溶液を添加することにより開始させた。プレートを、37℃にてプレートリーダー内に置き、15サイクルにわたり、各読み取りの間に10秒間振盪しながら2.0分毎に読み取りを行った。励起/発光の波長はそれぞれ、408/535nmとした。
CYP2C19 試験化合物(3μM)を、37℃にて5分間、100mM Kリン酸緩衝液(pH7.4)中の組換えCYP2C19(Baculosomeロット番号20795 Invitrogen、5pmol P450/ml)および基質としての10μM Vivid blue2C19プローブ(Invitrogen)と共にプレインキュベートした。反応は、温めたNADPH再生系Aの溶液を添加することにより開始させた。プレートを、37℃にてプレートリーダー内に置き、15サイクルにわたり、各読み取りの間に10秒間振盪しながら1.5分毎に読み取りを行った。励起/発光の波長はそれぞれ、408/465nmとした。
CYP2D6 試験化合物(3μM)を、37℃にて5分間、100mM Kリン酸緩衝液(pH7.4)中の組換えCYP2D6(Baculosomeロット番号21248 Invitrogen、20pmol P450/ml)および基質としての1μM 3−[2−(N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウム)エチル]−7−メトキシ−4−メチルクマリン(AMMC)プローブ(Gentest)と共にプレインキュベートした。反応は、0.03mM NADPおよび10mM MgCl、6.2mM DL−イソクエン酸ならびに0.5U/ml ICDからなる温めたNADPH再生系Bの溶液を添加することにより開始させた。プレートを、37℃にてプレートリーダー内に置き、15サイクルにわたり、各読み取りの間に10秒間振盪しながら2.0分毎に読み取りを行った。励起/発光の波長はそれぞれ、400/465nmとした。
CYP3A4 試験化合物(3μM)を、30℃にて5分間、100mM Kリン酸緩衝液(pH7.4)中の組換えCYP3A4(Baculosomeロット番号20814 Invitrogen、5pmol P450/ml)および基質としての2μM Vivid Redプローブ(Invitrogen)と共にプレインキュベートした。反応は、温めたNADPH再生系Aの溶液を添加することにより開始させた。プレートを、30℃にてプレートリーダー内に置き、15サイクルにわたり、各読み取りの間に10秒間振盪しながら最少の間隔で読み取りを行った。励起/発光の波長はそれぞれ、530/595nmとした。
薬物−薬物相互作用は、直線領域における傾き(時間対蛍光単位)により算出される代謝産物生成の速度または下式によって算出される試験化合物による阻害の割合によって評価した。
阻害%={(v−v)/v100
ここで、vは、対照反応(試験化合物なし)の速度であり、vは、試験化合物存在下での反応の速度である。
HERGアッセイ
ヒトエーテルアゴーゴー関連遺伝子(HERG)を形質移入したHEK293細胞は、社内で調製して増殖させる。HEK細胞におけるこのチャネルの安定な形質移入のための方法は、他の場所で見いだすことができる(Z.Zhou他、1998、Biophysical journal、74、230〜241)。実験の日に、細胞を培養フラスコから収集し、23℃の室内雰囲気中、標準的な外液(その組成については以下を参照)中の細胞懸濁液として保存する。収集の0.5〜5時間後に細胞を検討する。
ホールセルモードの標準パッチクランプ技法を用い、HERG電流を検討する。実験中は、細胞を、下記の組成(mM);NaCl、130;KCl、4;CaCl、2;MgCl、1;グルコース、10;HEPES、5;NaOHでpH7.4の標準的な外液で表面灌流する。パッチクランプ増幅器および下記の組成(mM);KCl、130;MgATP、5;MgCl、1;HEPES、10;EGTA 5、KOHでpH7.2の標準的な内液で満たした場合に1〜3MOhmの抵抗を有するパッチピペットを用い、ホールセル記録を行う。アクセス抵抗が10MOhm以下でかつシール抵抗が1GOhm超である細胞のみをその先の実験に受け入れる。直列抵抗補償は、リーク減算を行わずに最高80%まで適用する。ホールセルコンフィギュレーションの達成およびピペット溶液による細胞透析に十分な時間後(>5分)、膜を、1000ms間、−80mV〜+30mVの保持電位から脱分極させ、続いて保持電位に戻る下降電圧ランプ(速度0.5mV msec−1)を行う。この脱分極およびランプを、4秒毎に連続的に細胞に適用する(0.25Hz)。ランプ中に−40mV近辺で誘発されるピーク電流の振幅を測定する。いったん外液中で振幅の変化が最小限である安定な誘発電流応答が得られたら、単一細胞における複数回の投与により、試験化合物を10〜20分間適用する。また、細胞を、高用量の、特異的IKrブロッカーであるドフェチリド(5μM)に曝露させ、非感受性の内因性電流を評価する。
すべての実験は、23+/−1℃にて行う。誘発膜電流は、コンピューターでオンライン記録し、500〜1000Hz(Bessel −3dB)にてフィルターにかけ、1〜2KHzにてサンプリングする。オスモル濃度および外液中で試験化合物によって誘発されるpH変化は、最高濃度で調べるものとする。
ピーク電流のこれら10個の値の算術平均を、対照条件下および薬物の存在下で算出する。各実験におけるIの減少率は、次式、すなわちI=(I−I)/(I−Idof)×100(式中、Iは、対照条件下の平均電流値であり、Iは、試験化合物存在下の平均電流値であり、Idofは、ドフェチリド適用における平均電流値である)を用いる正規化電流値によって得られる。別々の実験を行い、各実験からの算術平均をプールしたデータが試験の結果と定義される。
hERGパッチクランプアッセイ
化合物がhERGチャネルを阻害する可能性を判定するため、急速不活性型遅延整流性カリウム電流(IKr)のクローン化対応物。
hERGチャネルを安定に発現するHEK293細胞を、周囲温度(26.5〜28.5℃)にてホールセルパッチクランプ電気生理学研究に使用した。HEK細胞におけるこのチャネルの安定な形質移入のための方法は、他の場所で見いだすことができる(Zhou他、1998、Biophysical Journal、74、230〜241ページ)。実験に使用する溶液は、以下の組成(mM);NaCl、137;KCl、4;CaCl、1.8;MgCl、1;グルコース、10;HEPES、10;NaOH/HClでpH7.4±0.05の標準的な細胞外液、および以下の組成(mM);KCl、130;MgCl、1;HEPES、10;EGTA、5;MgATP、5;KOHでpH7.2±0.05の標準的な細胞内液とした。適用される電圧プロトコルは、hERGチャネルを活性化し、チャネルの薬物ブロックの測定を可能にするように設計した。その電圧プロトコルは以下の通りである。まず、膜電位を、1秒間で−80mVの保持電位から+30mVまでステップさせた。これに続いて、−80mVの保持電位に戻る速度0.5mV/msの下降電圧ランプを行い、再分極ランプの間に観察される最大の外向き電流を測定した。このプロトコルを4秒毎に繰り返し誘起した(0.25Hz)。ビヒクル(0.1%v/vDMSO)の存在下で安定なベースライン期間を確立した後、次いで、応答が定常状態に達するか、または10分まで(どちらが最初に起きても)、4つの漸増濃度の試験化合物を順次浴に加えた。10μmol/Lのドフェチリドを、内部陽性対照として各実験の終わりに使用し、最大ブロックを定めた。
ラットにおける生物学的利用能
Sprague−Dawley系の成体ラットを使用した。実験の1〜2日前に、麻酔下での右頸静脈にカニューレ挿入してすべてのラットを準備した。カニューレは、頸部の項部で体外に出した。血液試料(0.2〜0.3mL)は、試験化合物の静脈内または経口投与後24時間まで周期的に頸静脈から採取した。試料は、分析するまで凍結させた。生物学的利用能は、経口投与または静脈内投与後の血漿濃度曲線下面積(AUC)間の商を算出することにより評価した。
イヌにおける生物学的利用能
成体ビーグル犬を使用した。血液試料(0.2〜0.5mL)を、試験化合物の静脈内または経口投与後24時間まで周期的に橈側皮静脈から採取した。試料は、分析するまで凍結させた。生物学的利用能は、経口投与または静脈内投与後の血漿濃度曲線下面積(AUC)間の商を算出することにより評価した。
血漿タンパク質結合
試験化合物(1μM)の血漿タンパク質結合は、96ウェルプレート型装置を用いる平衡透析の方法により測定した。Spectra−Por(登録商標)、再生セルロース膜(分子量カットオフ12,000〜14,000、22mm×120mm)を、蒸留水に一夜、次いで30%エタノールに20分間、最後に透析緩衝液(ダルベッコのリン酸緩衝食塩水、pH7.4)に15分間浸漬した。ヒト、Sprague−Dawleyラット、およびビーグル犬の凍結血漿を使用した。透析装置を組み立て、各ウェルの一方の側に化合物を添加した血漿150μLを、各ウェルのもう一方の側に透析緩衝液150μLを加えた。37℃にて150r.p.mでの4時間のインキュベーション後、血漿および緩衝液のアリコートをサンプリングした。血漿および緩衝液中の化合物を、分析用の内部標準化合物を含有するアセトニトリル300μLで抽出した。化合物の濃度は、LC/MS/MS分析で決定した。
非結合化合物の割合は、下式によって算出した。
fu=1−{([血漿]eq−[緩衝液]eq)/([血漿]eq)}
ここで、[血漿]eqおよび[緩衝液]eqはそれぞれ、血漿および緩衝液中の化合物の濃度である。
水溶解度
媒体(a)〜(c)における水溶解度を以下の方法により決定した。
化合物0.5mg超および各媒体0.5mLが入ったWhatmanミニ−UniPrepチャンバー(Clifton、NJ、USA)を、室温にて一夜(8時間以上)振盪させた。分析の前に、すべての試料を、0.45μm二フッ化ポリビニリデン(PVDF)膜に通してWhatmanミニ−UniPrepプランジャー中に濾過した。濾液をHPLCによりアッセイした。
<媒体>(a)pH1.2の酵素のない人工胃液(SGN):10N HCl7.0mLおよび十分な水にNaCl2.0gを溶かして1000mLとする;(b)pH6.5のリン酸緩衝食塩水(PBS):十分な水にKHPO6.35g、NaHPO2.84gおよびNaCl5.50gを溶かして1000mLとし、pHを6.5まで調整する;(c)PBS(pH6.5)1mL中のタウロコール酸ナトリウム(NaTC)3.94mgおよび1−パルミトイル−2−オレイル−L−ホスファチジルコリン(POPC)1.06mg。
ヒト肝細胞における代謝安定性を用いる肝クリアランスの推定
試験化合物(1μM)を、標的細胞密度0.5×10細胞/mlおよび総容積50μLで95%空気/5%CO中37℃にてヒトからの肝細胞と共に静的にインキュベートした。インキュベーションを、氷冷したアセトニトリル(ACN)の添加により各時点で停止させた。試料のアリコートを、LC/MS/MS分析用の内部標準を含有する10%ACNと混ぜた。試料を10分間超音波処理した後、試料を2,000rpmで15分間遠心分離し、次いで、上清を、分析用の他のプレートに移した。上清中の化合物濃度は、LC/MS/MSシステムにより測定した。
試験化合物の消失速度は、時間に対して化合物/内部標準のピーク面積比の常用対数をプロットすることにより得た。すべてのポイントを通して最適合直線の傾きから代謝速度(k)が得られた。この値を、肝細胞性(hepatocellularity)、肝重量および体重を考慮に入れてスケーリングすると、式1に示すようなml/分/kgで固有クリアランス値(CLint)が得られた。肝クリアランス(CL)は、式2に示すようなパラレルチューブモデルを用い、この固有クリアランス値から予測した。予測クリアランスを肝血流量(Q)で割ると、抽出比(E)が得られた(式3)。
式1:k×(肝重量(g)/体重(kg))×(インキュベーション(ml)/インキュベーション中の細胞数)×(細胞/肝重量(g))
式2:CL=Q×{1−exp(−CLint/Q)}
式3:E=CL/Q
ここで、「肝重量(g)/体重(kg)」は、21であり、「細胞/肝重量(g)」は、1.2×10であり、「インキュベーション(ml)/インキュベーション中の細胞数」は、2.0×10−6であり、Qは、20ml/分/kgである。
肝代謝が薬物消失の主経路であると仮定すれば、経口投与後の全身的曝露(AUCpo)は、式4を用いて算出される。
式4 AUCpo=投与量×(1−E)/CL
本発明を、以下の非限定的な実施例で例示する。他に述べていない限り、すべての操作は、室温または周囲温度、すなわち18〜25℃の範囲で行った。溶媒の蒸発は、60℃までの浴温で減圧下、ロータリーエバポレーターを用いて行った。反応は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。反応時間は、例示のみのために示す。示される融点(mp)は、未補正である(多形性は、異なる融点をもたらすことがある)。すべての単離化合物の構造および純度は、下記の技法、すなわち、TLC(Merckシリカゲル60 F254プレコートTLCプレートまたはMerck NHゲル(アミンをコーティングしたシリカゲル)F254SプレコートTLCプレート)、質量分析法、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)または微量分析のうちの少なくとも1つによって保証した。収率は、例示的目的のためにのみ示す。陽イオン交換カラムによる後処理は、メタノールでプレコンディショニングしたSCXカートリッジ(Varian BondElute)を用いて行った。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60(63〜200μm)、Wakoシリカゲル300HG(40〜60μm)、Fuji Silysia NHゲル(アミンをコーティングしたシリカゲル)(30〜50μm)、Biotage KP−SIL(32〜63μm)またはBiotage AMINOSILICA(アミンをコーティングしたシリカゲル)(40〜75μm)を用いて行った。調製用TLCは、Merckシリカゲル60 F254プレコートTLCプレート(厚さ0.5または1.0mm)を用いて行った。低分解能質量スペクトルデータ(EI)は、Integrity(Waters)質量分析計で得た。低分解能質量スペクトルデータ(ESI)は、ZMD(商標)またはZQ(商標)(Waters)質量分析計で得た。NMRデータは、百万分率(ppm)で内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対して、他に指示のない限り溶媒として重水素化クロロホルム(99.8%D)またはジメチルスルホキシド(99.9%D)を用い、270MHz(JEOL JNM−LA 270分光計)、300MHz(JEOL JNM−LA300分光計)または600MHz(Bruker AVANCE 600分光計)にて測定した。使用する慣用略語は、s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、quint=五重線、m=多重線、br.s=幅広い一重線などである。IRスペクトルは、フーリエ変換赤外分光光度計(Shimazu FTIR−8300)により測定した。旋光度は、JASCO DIP−370 Digital Polarimeter(Japan Spectroscopic Co,Ltd.)を用いて測定した。化学記号は、それらの通常の意味を有する。bp(沸点)、mp(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq.(当量)、qunat.(定量的収率)、mm(ミリメートル)、min(分)。
(実施例1)
4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
Figure 2008543824
N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の4−ヒドロキシ−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(50mg、0.21mmol、WO2004054984)の攪拌した懸濁液に、室温にて水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、11mg、0.27mmol)を加えた。20分間攪拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の4−クロロクロマン(71mg、0.42mmol、WO2000078751)の溶液を室温にて加えた。反応混合物を70℃まで温め、同じ温度にて6時間攪拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた抽出液を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶出液として酢酸エチル:メタノール=10:1)により精製すると、白色の固体として表題化合物(40mg、52%)が得られた:
H NMR(CDCl)δ:7.34〜7.27(m,1H)、7.25〜7.16(m,1H)、7.11(s,1H)、6.91〜6.80(m,3H)、5.99(t,J=3.3Hz,1H)、4.52〜4.40(m,1H)、432〜4.22(m,1H)、3.73(s,3H)、3.20〜2.90(m,6H)、2.62(s,3H)、2.43〜2.13(m,2H)ppm;
MS(ESI):366(M+H)、364(M−H)
(実施例2)
4−[(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
Figure 2008543824
ステップ1:7−フルオロクロマン−4−オール
メタノール(60mL)中の7−フルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン(6.25g、37.6mmol、US20050038032)の溶液に、0℃にて水素化ホウ素ナトリウム(1.57g、41.4mmol)を加えた。反応混合物を同じ温度にて1時間攪拌し、蒸発させてメタノールを除去した。残渣を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶出液としてヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製すると、薄い灰色の固体として表題化合物(4.70g、74%)が得られた:
H NMR(CDCl)δ:7.35〜7.22(m,1H)、6.70〜6.50(m,2H)、4.83〜4.72(m,1H)、4.27(dd,J=7.3,3.7Hz,2H)、2.18〜1.90(m,3H)ppm。
ステップ2:4−クロロ−7−フルオロクロマン
ジエチルエーテル(14mL)中の7−フルオロクロマン−4−オール(1.80g、10.7mmol、ステップ1)およびピリジン(0.35mL)の溶液に、0℃にて塩化チオニル(3.9mL、53.5mmol)を加えた。反応混合物を同じ温度にて3時間攪拌し、蒸発させて過剰の塩化チオニルを除去した。残渣を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、淡褐色の固体として表題化合物(2.0g、定量的収率)が得られた:
H NMR(CDCl)δ:7.24(dd,J=8.6,5.9Hz,1H)、6.68〜6.58(m,1H)、6.53(dd,J=9.9,2.6Hz,1H)、5.25〜5.18(m,1H)、4.56〜4.28(m,2H)、2.55〜2.39(m,1H)、2.34〜2.24(m,1H)ppm。
ステップ3:4−[(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
表題化合物は、実施例1のステップ1と同じ方法により4−ヒドロキシ−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(1.3g、5.5mmol、WO2004054984)および4−クロロ−7−フルオロクロマン(2.0g、11mmol、ステップ2)から45%の収率で白色の固体(0.96g)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.33〜7.23(m,1H)、7.11(d,J=1.3Hz,1H)、6.83(d,J=1.3Hz,1H)、6.62〜6.52(m,2H)、5.98(t,J=3.3Hz,1H)、4.52〜4.39(m,1H)、4.32〜4.22(m,1H)、3.73(s,3H)、3.11(s,3H)、3.02(s,3H)、2.62(s,3H)、2.42〜2.30(m,1H)、2.25〜2.10(m,1H)ppm;
MS(ESI):384(M+H)
(実施例3)
(−)−4−[(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−1)および
(実施例4)
(+)−4−[(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−2)
画分−1(337mg)および画分−2(372mg)は、以下の通りHPLCにより、ラセミの4−[(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(960mg、実施例2のステップ3)から調製した。
分離条件
カラム:CHIRALCEL OJ−H(20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン(85/15/0.1)
流速:18.9mL/分
(−)−4−[(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−1)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 24=−129.4°(C=1.11、メタノール)
保持時間:16.7分
(+)−4−[(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 24=+124.0°(C=1.07、メタノール)
保持時間:21.0分
(実施例5)
4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
Figure 2008543824
ステップ1:5,7−ジフルオロクロマン−4−オール
表題化合物は、実施例2のステップ1と同じ方法により5,7−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン(14g、77mmol、US20050038032)から68%の収率で白色の固体(9.6g)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:6.47〜6.36(m,2H)、5.05〜4.97(m,1H)、4.36〜4.20(m,2H)、2.16〜1.92(m,3H)ppm。
ステップ2:4−クロロ−5,7−ジフルオロクロマン
表題化合物は、実施例2のステップ2と同じ方法により5,7−ジフルオロクロマン−4−オール(8.6g、46mmol、ステップ1)から94%の収率で緑色の油(9.0g)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:6.47〜6.35(m,2H)、5.36〜5.31(m,1H)、4.56〜4.36(m,2H)、2.48〜2.23(m,2H)ppm。
ステップ3:4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
表題化合物は、実施例1のステップ1と同じ方法により4−ヒドロキシ−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(0.14g、0.61mmol、WO2004054984)および4−クロロ−5,7−ジフルオロクロマン(0.15g、0.73mmol、ステップ2)から49%の収率で白色の固体(0.12g)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.08(s,1H)、6.90(s,1H)、6.48〜6.32(m,2H)、6.08〜6.00(m,1H)、4.55〜4.42(m,1H)、4.35〜4.24(m,1H)、3.71(s,3H)、3.09(s,6H)、2.60(s,3H)、2.45〜2.33(m,1H)、2.17〜1.97(m,1H)ppm;
MS(ESI):402(M+H)
(実施例6)
(−)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミドおよび
(実施例7)
(+)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
画分−1(1.13g)および画分−2(1.09g)は、以下の通りHPLCにより、ラセミの4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(3.05g、実施例5のステップ3)から調製した。
分離条件
カラム:CHIRALPAK AD−H(20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン(80/20/0.1)
流速:18.9mL/分
(−)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−1)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 24=−119.3°(C=1.00、メタノール)
保持時間:9.4分
(+)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 24=+116.7°(C=1.00、メタノール)
保持時間:21.1分
(実施例8)
N,N,1,2−テトラメチル−4−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
Figure 2008543824
ステップ1:5−メチルクロマン−4−オール
表題化合物は、実施例2のステップ1と同じ方法により5−メチル−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン(4.9g、30mmol、Synth.Commun.、2004、1691.)から99%の収率で白色の固体(4.9g)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.12(t,J=7.9Hz,1H)、6.81〜6.69(m,2H)、4.91〜4.83(m,1H)、4.36〜4.12(m,2H)、2.43(s,3H)、2.16〜1.98(m,2H)、1.75(d,J=5.3Hz,1H)ppm。
ステップ2:4−クロロ−5−メチルクロマン
表題化合物は、実施例2のステップ2と同じ方法により5−メチルクロマン−4−オール(1.86g、11mmol、ステップ1)から定量的収率で無色の油(2.2g)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.18〜7.09(m,1H)、6.80〜6.62(m,2H)、5.36〜5.22(m,1H)、4.61〜4.32(m,2H)、2.51〜2.28(m,2H)、2.41(s,3H)ppm。
ステップ3:N,N,1,2−テトラメチル−4−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
表題化合物は、実施例1のステップ1と同じ方法により4−ヒドロキシ−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(100mg、0.61mmol、WO2004054984)および4−クロロ−5−メチルクロマン(191mg、1.0mmol、ステップ2)から50%の収率で白色の固体(116mg)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.14(t,J=8.1Hz,1H)、7.08(s,1H)、6.91(s,1H)、6.78〜6.73(m,2H)、6.02〜5.95(m,1H)、4.42〜4.30(m,1H)、4.27〜4.17(m,1H)、3.72(s,3H)、3.25〜2.98(m,6H)、2.60(s,3H)、2.40〜2.35(m,1H)、2.31(s,3H)、2.20〜2.07(m,1H)ppm;
MS(ESI):380(M+H)
(実施例9)
4−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
Figure 2008543824
ステップ1:5−フルオロクロマン−4−オール
表題化合物は、実施例2のステップ1と同じ方法により5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン(0.9g、5mmol、GB2355264)から定量的収率で黒色の油(0.9g)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.25〜7.11(m,1H)、6.75〜6.60(m,2H)、5.13〜5.02(m,1H)、4.40〜4.18(m,2H)、2.25〜1.95(m,3H)ppm。
ステップ2:4−クロロ−5−フルオロクロマン
表題化合物は、実施例2のステップ2と同じ方法により5−フルオロクロマン−4−オール(0.92g、5.5mmol、ステップ1)から90%の収率で黒色の油(0.92g)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.24〜7.13(m,1H)、6.70〜6.59(m,2H)、5.45〜5.36(m,1H)、4.56〜4.34(m,2H)、2.50〜2.24(m,2H)ppm。
ステップ3:4−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
表題化合物は、実施例1のステップ1と同じ方法により4−ヒドロキシ−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(120mg、0.51mmol、WO2004054984)および4−クロロ−5−フルオロクロマン(100mg、0.54mmol、ステップ2)から35%の収率で淡褐色の固体(69mg)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.25〜7.14(m,1H)、7.08(d,J=1.3Hz,1H)、6.92(d,J=1.3Hz,1H)、6.70(d,J=8.6Hz,1H)、6.60(t,J=8.6Hz,1H)、6.10〜6.03(m,1H)、4.55〜4.41(m,1H)、4.34〜4.24(m,1H)、3.71(s,3H)、3.11(s,3H)、3.07(s,3H)、2.59(s,3H)、2.45〜2.33(m,1H)、2.18〜2.02(m,1H)ppm;
MS(ESI):384(M+H)
(実施例10)
4−(3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン−4−イルオキシ)−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
Figure 2008543824
ステップ1:4−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン
表題化合物は、実施例2のステップ2と同じ方法により3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン−4−オール(5.9g、39mmol、WO2004024081)から99%の収率で黄色の油(6.6g)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.54〜7.42(m,1H)、7.35〜7.22(m,2H)、7.08〜6.97(m,1H)、5.18〜5.08(m,1H)、4.91(d,J=15.0Hz,1H)、4.78(d,J=15.2Hz,1H)、4.27〜4.08(m,2H)ppm。
ステップ2:4−(3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン−4−イルオキシ)−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
表題化合物は、実施例1のステップ1と同じ方法により4−ヒドロキシ−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(0.20g、0.85mmol、WO2004054984)および4−クロロ−3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン(0.20g、1.2mmol、ステップ1)から12%の収率で白色の固体(38mg)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.50(d,J=7.3Hz,1H)、7.34〜7.17(m,2H)、7.14(s,1H)、7.06(d,J=7.3Hz,1H)、6.88(s,1H)、6.09〜6.00(m,1H)、4.91(d,J=15.1Hz,1H)、4.77(d,J=15.1Hz,1H)、4.32(dd,J=12.5,4.0Hz,1H)、4.11(dd,J=12.5,3.3Hz,1H)、3.72(s,3H)、3.09(s,3H)、3.02(s,3H)、2.61(s,3H)ppm;
MS(ESI):366(M+H)、364(M−H)
(実施例11)
4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N,1,2−トリメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
Figure 2008543824
ステップ1:4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸メチル
N,N−ジメチルホルムアミド(40mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.71g、18mmol)の懸濁液に、室温にて窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド(40mL)中の4−ヒドロキシ−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸メチル(3.0g、14mmol、WO2004054984)の懸濁液を滴加した。20分間攪拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の4−クロロクロマン(4.6g、27mmol、WO2000078751)の溶液を室温にて加えた。反応混合物を2.5時間で70℃まで温め、室温まで冷却し、同じ温度にて18時間攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(250mL×2)で抽出した。合わせた抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液、塩化アンモニウム水溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた固体を酢酸エチルおよびジエチルエーテルに懸濁し、濾過により集めると、白色の固体として表題化合物(2.95g、61%)が得られた:
H NMR(CDCl)δ:7.75(s,1H)、7.55(s,1H)、7.36(dd,J=7.9,1.3Hz,1H)、7.27〜7.15(m,1H)、6.90〜6.80(m,2H)、5.96〜5.90(m,1H)、4.52〜4.40(m,1H)、4.32〜4.25(m,1H)、3.95(s,3H)、3.77(s,3H)、2.63(s,3H)、2.42〜2.20(m,2H)ppm;
MS(ESI):353(M+H)
ステップ2:4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸
メタノール(20mL)およびテトラヒドロフラン(30mL)中の4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸メチル(1.0g、2.8mmol、ステップ1)の攪拌した溶液に、室温にて4M水酸化リチウム水溶液(4mL、16mmol)を加えた。60℃にて5時間攪拌した後、反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水に溶かし、2M塩酸で酸性化(pH=3)した。得られた沈殿を濾過し、真空中で乾燥すると、白色の固体として表題化合物(0.85g、89%)が得られた:
H NMR(CDCl)δ:7.81(s,1H)、7.62(s,1H)、7.38〜7.34(m,1H)、7.27〜7.18(m,1H)、6.90〜6.83(m,2H)、5.93〜5.90(m,1H)、4.53〜4.50(m,1H)、4.32〜4.26(m,1H)、3.80(s,3H)、2.68(s,3H)、2.40〜2.10(m,2H)ppm(−OHは認められなかった);
MS(ESI):339(M+H)、337(M−H)
ステップ3:4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N,1,2−トリメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
ジメチルホルムアミド(2mL)中の4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(70mg、0.21mmol、ステップ2)と2−(メチルアミノ)エタノール(31mg、0.41mmol)の攪拌した混合物に、室温にて1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)(67mg、0.35mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(60mg、0.41mmol)を加えた。室温にて18時間攪拌した後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)でクエンチし、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた抽出液を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶出液として酢酸エチル:メタノール=10:1)により精製した。残渣をジエチルエーテルに懸濁し、濾過により集めると、白色の固体として表題化合物(24mg、24%)が得られた:
H NMR(CDCl)δ:7.30〜7.16(m,3H)、6.92〜6.82(m,3H)、6.02〜5.97(m,1H)、4.50〜4.43(m,1H)、4.33〜4.23(m,1H)、3.95〜3.88(m,2H)、3.75〜3.50(m,2H)、3.73(s,3H)、3.07(s,3H)、2.62(s,3H)、2.40〜2.34(m,1H)、2.28〜2.18(m,1H)ppm(−OHは認められなかった);
MS(ESI):396(M+H)
(実施例12)
(3S)−1−{[4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル]カルボニル}ピロリジン−3−オール
Figure 2008543824
表題化合物は、実施例11のステップ3と同じ方法により4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(100mg、0.30mmol、実施例11のステップ2)および(S)−(+)−3−ピロリジノール(77mg、0.63mmol)から25%の収率で白色の固体(30mg)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.28〜7.18(m,3H)、6.98〜6.82(m,3H)、6.02〜5.91(m,1H)、4.62〜4.58(m,1H)、4.49〜4.40(m,1H)、4.33〜4.24(m,1H)、3.90〜3.62(m,2H)、3.72(s,3H)、3.60〜3.31(m,2H)、2.62(s,3H)、2.44〜2.30(m,1H)、2.30〜2.12(m,1H)、2.11〜1.85(m,2H)ppm(−OHは認められなかった);
MS(ESI):408(M+H)
(実施例13)
(3R)−1−{[4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル]カルボニル}ピロリジン−3−オール
Figure 2008543824
表題化合物は、実施例11のステップ3と同じ方法により4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(70mg、0.21mmol、実施例11のステップ2)および(R)−(−)−3−ピロリジノール(77mg、0.63mmol)から23%の収率で白色の固体(19mg)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.33〜7.17(m,3H)、7.01〜6.80(m,3H)、6.04〜5.93(m,1H)、4.63〜4.58(m,1H)、4.51〜4.37(m,1H)、4.32〜4.21(m,1H)、3.93〜3.32(m,4H)、3.73(m,3H)、2.62(s,3H)、2.44〜2.30(m,1H)、2.30〜1.91(m,3H)、1.85〜1.70(m,1H)ppm;
MS(ESI):408(M+H)
(実施例14)
(2R)−1−{[4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル]カルボニル}ピロリジン−2−イル)メタノール
Figure 2008543824
表題化合物は、実施例11のステップ3と同じ方法により4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(70mg、0.21mmol、実施例11のステップ2)および(R)−(−)−2−ピロリジンメタノール(41mg、0.42mmol)から57%の収率で白色の固体(50mg)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.32〜7.18(m,3H)、6.96〜6.80(m,3H)、6.08〜5.99(m,1H)、5.10〜4.94(m,1H)、4.53〜4.35(m,2H)、4.82〜4.25(m,1H)、3.89〜3.69(m,2H)、3.74(s,3H)、3.65〜3.33(m,2H)、2.63(s,3H)、2.46〜2.31(m,1H)、2.30〜2.11(m,2H)、1.94〜1.60(m,3H)ppm;
MS(ESI):422(M+H)
(実施例15)
4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−6−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]−1H−ベンゾイミダゾール
Figure 2008543824
表題化合物は、実施例11のステップ3と同じ方法により4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(70mg、0.21mmol、実施例11のステップ2)および1−メチルピペラジン(41mg、0.42mmol)から34%の収率で白色の固体(30mg)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.27〜7.20(m,2H)、7.10(s,1H)、6.89〜6.80(m,3H)、6.05〜6.00(m,1H)、4.45〜4.43(m,1H)、4.32〜4.25(m,1H)、3.80〜3.55(m,2H)、3.74(s,3H)、3.52〜3.45(m,2H)、2.62(s,3H)、2.45〜2.21(m,6H)、2.32(s,3H)ppm。
MS(ESI):421(M+H)
(実施例16)
6−[(4−アセチルピペラジン−1−イル)カルボニル]−4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
Figure 2008543824
表題化合物は、実施例11のステップ3と同じ方法により4−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルオキシ)−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(70mg、0.21mmol、実施例11のステップ2)および1−アセチルピペラジン(53mg、0.42mmol)から38%の収率で白色の固体(35mg)として調製した:
H NMR(CDCl)δ:7.31〜7.23(m,2H)、7.21(s,1H)、6.89〜6.77(m,3H)、6.50〜6.00(m,1H)、4.50〜4.40(m,1H)、4.27〜4.32(m,1H)、3.75(s,3H)、3.80〜3.36(m,8H)、2.64(s,3H)、2.40〜2.19(m,2H)、2.13(s,3H)ppm;MS(ESI):449(M+H)
(実施例17)
(−)−4−{[5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]オキシ}−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミドおよび
(実施例18)
(+)−4−{[5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]オキシ}−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
画分−1(315mg)および画分−2(307mg)は、以下の通りHPLCにより、ラセミの4−{[5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]オキシ}−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(750mg、実施例9のステップ3)から調製した。
分離条件
カラム:CHIRALCEL OJ−H(20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン(85/15/0.1)
流速:18.9mL/分
(−)−4−{[5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]オキシ}−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−1)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 21=−124.3°(C=1.00、メタノール)
保持時間:18分
(+)−4−{[5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]オキシ}−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 21=+125.8°(C=1.01、メタノール)
保持時間:23分
(実施例19)
4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,1,2−トリメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
Figure 2008543824
ステップ1:4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸メチル
表題化合物は、実施例11のステップ1と同じ方法により4−ヒドロキシ−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸メチル(3.0g、14mmol、WO2004054984)および4−クロロ−5,7−ジフルオロクロマン(4.7g、21mmol、実施例5のステップ2)から59%の収率で白色の固体(3.2g)として調製した。
H NMR(CDCl)δ:7.74(s,1H)、7.57(s,1H)、6.46〜6.33(m,2H)、6.01〜6.04(m,1H)、4.55〜4.44(m,1H)、4.33〜4.24(m,1H)、3.96(s,3H)、3.76(s,3H)、2.62(s,3H)、2.44〜2.36(m,1H)、2.19〜2.04(m,1H)ppm;
MS(ESI):389(M+H)
ステップ2:4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸
表題化合物は、実施例11のステップ2と同じ方法により4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸メチル(3.2g、8.2mmol、ステップ1)から88%の収率で白色の固体(2.7g)として調製した。
H NMR(DMSO−d)δ:12.8(br s,1H)、7.79(s,1H)、7.40(s,1H)、6.86〜6.80(m,1H)、6.73〜6.68(m,1H)、6.16〜6.14(m,1H)、4.40〜4.19(m,2H)、3.77(s,3H)、2.50(s,3H)、2.27〜2.00(m,2H)ppm;
MS(ESI):375(M+H)、373(M−H)
ステップ3:4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,1,2−トリメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
表題化合物は、実施例11のステップ3と同じ方法により4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(1.0g、2.7mmol、ステップ2)およびメタナミン塩酸塩(0.54g、8.0mmol)から96%の収率で無色の非晶質(0.99g)として調製した。
H NMR(CDCl)δ:7.43(d,J=1.5Hz,1H)、7.23(d,J=1.5Hz,1H)、6.47〜6.32(m,3H)、6.10〜6.05(m,1H)、4.52〜4.40(m,1H)、4.34〜4.24(m,1H)、3.69(s,3H)、3.04(d,J=5.1Hz,3H)、2.58(s,3H)、2.43〜2.33(m,1H)、2.15〜2.00(m,1H)ppm;
MS(ESI):388(M+H),386(M−H)
(実施例20)
(−)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,1,2−トリメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミドおよび
(実施例21)
(+)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,1,2−トリメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド
画分−1(0.42g)および画分−2(0.43g)は、以下の通りHPLCにより、ラセミの4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,1,2−トリメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(0.99g、実施例19のステップ3)から調製した。
分離条件
カラム:CHIRALPAK AD−H(20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン(85/15/0.1)
流速:18.9mL/分
(−)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,1,2−トリメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−1)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 24=−111.9°(C=0.50、メタノール)
保持時間:10分
(+)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,1,2−トリメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド(画分−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 24=+110.7°(C=0.50、メタノール)
保持時間:14分
(実施例22)
6−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
Figure 2008543824
表題化合物は、実施例11のステップ3と同じ方法により4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(1.6g、4.2mmol、実施例19のステップ2)およびアゼチジン塩酸塩(0.79g、8.4mmol)から80%の収率で無色の非晶質(1.4g)として調製した。
H NMR(CDCl)δ:7.33(d,J=1.5Hz,1H)、7.11(d,J=1.5Hz,1H)、6.48〜6.32(m,2H)、6.03〜5.98(m,1H)、4.56〜4.42(m,1H)、4.41〜4.20(m,5H)、3.72(s,3H)、2.60(s,3H)、2.46〜2.30(m,3H)、2.16〜2.01(m,1H)ppm;MS(ESI):414(M+H)
(実施例23)
(−)−6−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾールおよび
(実施例24)
(+)−6−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール
画分−1(0.48g)および画分−2(0.48g)は、以下の通りHPLCにより、ラセミの6−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール(1.4g、実施例22)から調製した。
分離条件
カラム:CHIRALPAK AD−H(20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン(80/20/0.1)
流速:20mL/分
(−)−6−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール(画分−1)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 21=−113.6°(C=0.48、メタノール)
保持時間:15分
(+)−6−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール(画分−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ混合物のスペクトルデータと一致した
旋光度:[α] 22=+119.8°(C=0.49、メタノール)
保持時間:26分
(実施例25)
4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−6−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1H−ベンゾイミダゾール
Figure 2008543824
表題化合物は、実施例11のステップ3と同じ方法により4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(100mg、0.27mmol、実施例19のステップ2)およびピロリジン(38mg、0.53mmol)から39%の収率で無色の非晶質(45mg)として調製した。
H NMR(CDCl)δ:7.20(s,1H)、7.01(s,1H)、6.48〜6.32(m,2H)、6.07〜6.00(m,1H)、4.55〜4.42(m,1H)、4.35〜4.25(m,1H)、3.78〜3.63(m,2H)、3.72(s,3H)、3.55〜3.42(m,2H)、2.60(s,3H)、2.45〜2.34(m,1H)、2.15〜1.80(m,5H)ppm;
MS(ESI):428(M+H)
(実施例26)
1−({4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル}カルボニル)−3−メチルアゼチジン−3−オール
Figure 2008543824
ステップ1:3−メチルアゼチジン−3−オール塩酸塩
メタノール(4mL)中の1−(ジフェニルメチル)−3−メチルアゼチジン−3−オール(0.48g、1.9mmol)および10%の活性炭上パラジウム(0.20g)を水素ガス(4気圧)下で10時間攪拌した。得られた混合物をセライトのパッドに通して濾過した。ジオキサン(1mL)中の4M塩化水素を濾液に加え、混合物を真空中で濃縮すると、粗製の油として表題化合物(0.38g)が得られた。
ステップ2:1−({4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル}カルボニル)−3−メチルアゼチジン−3−オール
表題化合物は、実施例11のステップ3と同じ方法により4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1,2−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(80mg、0.21mmol、実施例19のステップ2)および3−メチルアゼチジン−3−オール塩酸塩(粗製135mg、ステップ1)から76%の収率で無色の非晶質(71mg)として調製した。
H NMR(CDCl)δ:7.25〜7.15(m,1H)、7.11(br s,1H)、6.48〜6.33(m,2H)、6.05〜5.98(m,1H)、4.53〜4.41(m,1H)、4.35〜4.13(m,5H)、3.67(s,3H)、2.58(s,3H)、2.43〜2.32(m,1H)、2.16〜2.02(m,1H)、1.56(s,3H)ppm(−OHは認められなかった。);
MS(ESI):444(M+H)
本出願で引用されている発行済み特許、特許出願、および学術論文を含むがそれらに限定されないすべての刊行物は、各々、参照により全体として本明細書に組み込まれるものとする。
本発明を、開示された実施形態を参照して上記に説明してきたが、当業者は、詳述した具体的な実験は、本発明の一例に過ぎないことを容易に理解するであろう。本発明の精神を逸脱することなく様々な変更を実施することができることが理解されるべきである。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (10)

  1. 以下の式(I)の化合物、
    Figure 2008543824
    または、薬学的に許容できるその塩[式中
    −A−B−は、−O−CH−、−S−CH−、−CH−O−または−CH−S−を表し、
    Xは、酸素原子またはNHを表し、
    およびRは、独立して、非置換か、またはヒドロキシ基およびC〜Cアルコキシ基からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されているC〜Cアルキル基を表し、
    およびRは、独立して、水素原子、C〜Cアルキル基またはC〜Cシクロアルキル基を表し、前記C〜Cアルキル基および前記C〜Cシクロアルキル基は、非置換か、もしくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルコキシ基およびC〜Cシクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換か、もしくはヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されている4〜6員複素環基を形成し、
    、R、RおよびRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルキル基またはC〜Cアルコキシ基を表し、
    は、水素原子、ヒドロキシ基またはC〜Cアルコキシ基を表す]。
  2. Xが、酸素原子であり、
    およびRが、独立して、水素原子、C〜Cアルキル基またはC〜Cシクロアルキル基であり、前記C〜Cアルキル基および前記C〜Cシクロアルキル基は、非置換か、もしくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルコキシ基およびC〜Cシクロアルキル基からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、またはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジニル基、ピロリジニル基もしくはピペラジニル基を形成し、前記アゼチジニル基、前記ピロリジニル基および前記ピペラジニル基は、非置換か、もしくはヒドロキシ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアシル基およびヒドロキシ−C〜Cアルキル基からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されており、
    およびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C〜Cアルキル基またはC〜Cアルコキシ基であり、
    、RおよびRが、各々水素原子である請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できる塩。
  3. −A−B−が、−CH−O−であり、
    Xが、酸素原子であり、
    およびRが、各々メチル基であり、RおよびRが、各々メチル基であり、またはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル基もしくは4−アセチル−ピペラジン−1−イル基を形成し、
    およびRが、独立して、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基であり、
    、RおよびRが、各々水素原子である請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できる塩。
  4. 4−[(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド、4−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−N,N,1,2−テトラメチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミド、N,N,1,2−テトラメチル−4−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)オキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキサミドから選択される請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるそれらの塩。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
  6. 他の1種または複数の薬理学的に活性な薬剤をさらに含む請求項5に記載の医薬組成物。
  7. ヒトを含む哺乳類対象においてアシッドポンプ阻害活性によって仲介される状態を治療するための方法であって、そのような治療を必要としている哺乳類に、治療有効量の請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法。
  8. 前記状態が、胃腸疾患、胃食道疾患、胃食道逆流疾患(GERD)、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、胃炎、ヘリコバクターピロリの感染、消化不良、機能性消化不良、ゾリンジャー−エリソン症候群、非びらん性逆流疾患(NERD)、内臓痛、胸やけ、悪心、食道炎、嚥下障害、唾液分泌過多、気道障害または喘息である請求項7に記載の方法。
  9. アシッドポンプ阻害活性によって仲介される状態の治療のための医薬品を製造するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用。
  10. 前記状態が、胃腸疾患、胃食道疾患、胃食道逆流疾患(GERD)、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、胃炎、ヘリコバクターピロリの感染、消化不良、機能性消化不良、ゾリンジャー−エリソン症候群、非びらん性逆流疾患(NERD)、内臓痛、胸やけ、悪心、食道炎、嚥下障害、唾液分泌過多、気道障害または喘息である請求項9に記載の使用。
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