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JP2008539216A - Egfおよび/またはerbb2受容体チロシンキナーゼの阻害剤としてのキナゾリン誘導体 - Google Patents

Egfおよび/またはerbb2受容体チロシンキナーゼの阻害剤としてのキナゾリン誘導体 Download PDF

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JP2008539216A JP2008508301A JP2008508301A JP2008539216A JP 2008539216 A JP2008539216 A JP 2008539216A JP 2008508301 A JP2008508301 A JP 2008508301A JP 2008508301 A JP2008508301 A JP 2008508301A JP 2008539216 A JP2008539216 A JP 2008539216A
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ブラッドベリー,ロバート・ヒュー
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アストラゼネカ アクチボラグ
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Abstract

ヒトなどの温血動物のerbB2受容体チロシンキナーゼを阻害することによって単独でまたは部分的に抗増殖作用をもたらすのに使用される式(I)のキナゾリン誘導体(置換基は、文中に定義されている通りである。)。

Description

本発明は、抗腫瘍活性を保有し、したがってヒトまたは動物の身体の治療方法に有用な、ある新規なキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩に関する。また本発明は、前記キナゾリン誘導体を製造するための方法、これらを含有する医薬組成物、および治療方法におけるこれらの使用、例えばヒトなどの温血動物の充実性腫瘍疾患を予防しまたは治療するのに使用される、医薬の製造におけるこれらの使用にも関する。
乾癬や癌など、細胞増殖の異常調節からもたらされる疾患の現在の治療法の多くは、DNA合成および細胞増殖を阻害する化合物を利用する。これまでのところ、そのような治療で使用される化合物は、一般に細胞に対して毒性があるが、腫瘍細胞などの細胞の素早い分裂に対するそれらの強力な作用を利用することができる。これらの細胞毒性抗腫瘍医薬に対する別のアプローチ、例えば細胞シグナル伝達経路の選択的阻害剤が、現在開発されている。これらのタイプの阻害剤は、腫瘍細胞に対して作用の高い選択性を示す可能性を持つ傾向があり、したがって、望ましくない副作用を保持する治療の可能性を、低下させる傾向がある。
真核細胞は、生物内の細胞間の情報伝達を可能にする、多くの多様な細胞外シグナルに対して連続的に応答する。これらのシグナルは、増殖、分化、アポトーシス、および運動を含めた細胞内の広く様々な物理的応答を調節する。細胞外シグナルは、増殖因子とその他のオートクリン、パラクリン、およびエンドクリン因子を含めた多様な種類の可溶性因子の形をとる。特定の膜貫通受容体と結合することにより、これらのリガンドは細胞外シグナルと細胞内シグナル経路とを一体化し、したがってシグナルを原形質膜全体に伝達し、個々の細胞をその細胞外シグナルに応答させる。これらのシグナル伝達プロセスの多くは、これらの多様な細胞応答の促進に関わるタンパク質のリン酸化の可逆的プロセスを利用する。標的タンパク質のリン酸化状態は、哺乳類のゲノムによってコード化された全てのタンパク質の約3分の1の調節を担う、応答可能な特定のキナーゼおよびホスファターゼによって調節される。リン酸化は、シグナル伝達プロセスにおいてそのように重要な調節メカニズムであるので、これらの細胞内経路の乱れが異常な細胞増殖および分化をもたらし、したがって細胞の形質転換を促進させることは、意外なことではない(Cohen他,Curr Opin Chem Biol,1999,3,459〜465に記載されている)。
いくつかのこれらのチロシンキナーゼは、恒常的に活性な形に変異し、および/または過発現する場合には様々なヒト細胞の形質転換をもたらすことが、広く示されている。これらの変異および過発現した形のキナーゼは、多数のヒト腫瘍中に存在する(Kolibaba他,Biochimica et Biophysica Acta,1997,133,F217〜F248に記載されている)。チロシンキナーゼは、様々な組織の増殖および分化で基本的な役割を演ずるので、新規な抗癌治療の開発ではこれらの酵素に関心が集まっている。この種類の酵素は2つのグループに分けられ、すなわち受容体および非受容体チロシンキナーゼ、例えばEFG受容体およびSRCファミリーにそれぞれ分けられる。Human Genome Projectを含めた多数の研究結果から、約90種のチロシンキナーゼがヒトゲノムにおいて特定され、このうち58種は受容体タイプであり、32種は非受容体タイプである。これらは、20種の受容体チロシンキナーゼおよび10種の非受容体チロシンキナーゼサブファミリーに区画化することができる(Robinson他,Oncogene,2000,19,5548〜5557)。
受容体チロシンキナーゼは、細胞の複製を開始するマイトジェンシグナルの伝達において、特に重要なものである。細胞の原形質膜に拡がるこれらの大きな糖タンパク質は、その特異的なリガンドに関する細胞外結合ドメインを保有する(EGF受容体に関する上皮成長因子(EGF)など)。リガンドの結合の結果、受容体の細胞内部分に存在する受容体のキナーゼ酵素活性が活性化する。この活性化は、標的タンパク質中の重要なチロシンアミノ酸をリン酸化し、その結果、細胞の原形質膜を横断して増殖シグナルが伝達される。
EGFR、erbB2、erbB3、およびerbB4を含む受容体チロシンキナーゼのerbBファミリーは、しばしば腫瘍細胞の増殖および生存に関与することが知られている(Olayioye他,EMBOJ.,2000,19,3159に記載されている)。これを実現することができる1つのメカニズムは、一般には遺伝子増幅の結果として、タンパク質レベルでの受容体の過発現によるものである。これは、乳癌(Sainsbury他,Brit.J.Cancer,1988,58,458;Guerin他,Oncogene Res.,1988,3,21;Slamon他,Science,1989,244,707;Klijn他,Breast Cancer Res.Treat.,1994,29,73、およびSalomon他,Crit.Rev.Oncol.Hematol.,1995,19,183に記載されている)や、腺癌(Cerny他,Brit.J.Cancer,1986,54,265;Reubi他,Int.J.Cancer,1990,45,269;Rusch他,Cancer Research,1993,53,2379;Brabender他,Clin.Cancer Res.,2001,7,1850)ならびにその他の肺癌(Hendler他,Cancer Cells,1989,7,347;Ohsaki他,Oncol.Rep.,2000,7,603)を含めた非小細胞肺癌(NSCLC)、膀胱癌(Neal他,Lancet,1985,366;Chow他,Clin.Cancer Res.,2001,7,1957,Zhau他,Mol.Carcinog.,3,254)、食道癌(Mukaida他,Cancer,1991,68,142)、結腸や直腸、胃癌などの胃腸癌(Bolen他,Oncogene Res.,1987,1,149;Kapitanovic他,Gastroenterology,2000,112,1103;Ross他,Cancer Invest.,2001,19,554)、前立腺癌(Visakorpi他,Histochem.J.,1992,24,481;Kumar他,2000,32,73;Scher他,J.Natl.Cancer Inst.,2000,92,1866)、白血病(Konaka他,Cell,1984,37,1035,Martin−Subero他,Cancer Genet Cytogenet.,2001,127,174)、卵巣(Hellstrom他,Cancer Res.,2001,61,2420)、頭頚部(Shiga他,Head Neck,2000,22,599)、膵臓癌(Ovotny他,Neoplasma,2001,48,188)など、多くの一般的なヒト癌で観察されている(Klapper他,Adv.Cancer Res.,2000,77,25に記載されている)。より多くのヒト腫瘍組織が、受容体チロシンキナーゼのerbBファミリーの発現について試験されると、その広範な普及および重要性が将来さらに高まることが予測される。
これらの受容体の1種または複数(特にerbB2)の誤調節の結果、多くの腫瘍が臨床的により攻撃的になり、したがって、より不十分な患者の予後と相関すると広く考えられている(Brabender他,Clin.Cancer Res.,2001,7,1850;Ross他,Cancer Investigation,2001,19,554,Yu他,Bioessays,2000,22.7,673)。
これらの臨床的な発見に加え、豊富な臨床前情報は、受容体チロシンキナーゼのerbBファミリーが細胞の形質転換に関わっていることを示唆している。これは、多くの腫瘍細胞系がerbB受容体の1種または複数を過発現し、EGFRまたはerbB2が非腫瘍細胞にトランスフェクトされた場合にこれらの細胞を形質転換できるという知見を含んでいる。この催腫瘍性能力については、erbB2を過発現するトランスジェニックマウスが乳腺で腫瘍を自発的に発現することにより、さらに検証されている。これに加え、いくつかの臨床前研究は、小分子阻害剤、ドミナントネガティブ、または遮断抗体により1つまたは複数のerbB活性をノックアウトすることによって、抗増殖作用を引き起こすことができることを実証している(Mendelsohn他,Oncogene,2000,19,6550に記載されている)。このように、これらの受容体チロシンキナーゼの阻害剤は、哺乳類癌細胞の増殖の選択的阻害剤として、価値あるものであるべきことが認められている(Yaish他,Science,1988,242,933,Kolibaba他,Biochemica et Biophysica Acta,1997,133,F217〜F248;Al−Obeidi他,2000,Oncogene,19,5690〜5701;Mendelsohn他,2000,Oncogene,19,6550〜6565)。
この臨床前データに加え、小分子EGFRチロシンキナーゼ阻害剤Iressa(登録商標)(ゲフィチニブおよびZD1839としても知られている)およびTarceva(登録商標)(エルロチニブおよびCP−358、774としても知られている)は、進行性非小細胞肺癌の治療用として認可されている。さらに、EGFRおよびerbB2に対する遮断抗体(それぞれerbitux(登録商標)(c−255/セツキシマブ)およびherceptin(登録商標)(トラスツズマブ))は、選択された充実性腫瘍の治療用として、診療所で有用であることが証明されている(Mendelsohn他,2000,Oncogene,19,6550〜6565に記載されている)。
最近、EGF受容体の細胞内触媒ドメインのATP結合ポケットにおける変異が、非小細胞肺癌(NSCLC)のあるサブセットで発見された。受容体における変異の存在は、ゲフィチニブなどのEGFRチロシンキナーゼ阻害剤に対する応答と相関するように見えるが(Lynch他,N Engl J Med 2004;350:2129〜2139;Paez他,Science 2004;304:1497〜1500)、ゲフィチニブやエルロチニブなどの化合物の臨床上の利益は、EGFR変異のみによって媒介されるのではないことが明らかになっている。リガンドの刺激は、変異型受容体に、野生型受容体で見られる場合と比べて異なるリン酸化パターンをもたらすことが実証されており、変異体であるEGF受容体は、NSCLCが依存する生存シグナルを選択的に伝達すると考えられる。ゲフィチニブなどの化合物によるこれらのシグナルの阻害は、そのような薬物の効力に寄与する可能性がある(Sordella他,Science 2004;305;1163〜1167)。同様に、erbB2キナーゼドメイン内での変異が、NSCLCやグリア芽細胞腫、胃および卵巣腫瘍などの、ある原発腫瘍で最近発見された(Stephens他,Nature 2004;431;525〜526)。したがって、野生型と変異型受容体との療法におけるEGFおよび/またはerbB2チロシンキナーゼの阻害は、抗癌作用をもたらすことが期待される重要な目標である。
erbB型受容体チロシンキナーゼの膜の増幅および/または活性が検出されており、したがって、乾癬(Ben−Bassat,Curr.Pharm.Des.,2000,6,933;Elder他,Science,1989,243,811)や前立腺肥大(BPH)(Kumar他,Int.Urol.Nephrol.,2000,32,73)、アテローム性動脈硬化症、再狭窄(Bokemeyer他,Kidney Int.,2000,58,549)などのいくつかの非悪性増殖性障害で、ある役割を演ずると見なされている。したがって、erbB型受容体チロシンキナーゼの阻害剤は、過剰な細胞増殖のこれらおよびその他の非悪性障害の治療で有用になることが予測される。
WO96/09294、WO96/15118、WO96/16960、WO96/30347、WO96/33977、WO96/33978、WO96/33979、WO96/33980、WO96/33981、WO97/03069、WO97/13771、WO97/30034、WO97/30035、WO97/38983、WO98/02437、WO98/02434、WO98/02438、WO98/13354、WO99/35132、WO99/35146、WO01/21596、WO01/55141、およびWO02/18372はそれぞれ、4位にアニリノ置換基を有するあるキナゾリン誘導体が、受容体チロシンキナーゼ阻害活性を有することを開示している。
WO01/94341は、5−置換基を保持するあるキナゾリン誘導体が、c−Srcやc−Yes、c−Fynなどの非受容体チロシンキナーゼのSrcファミリーの阻害剤であることを開示している。WO01/94341には、インドリル基の窒素原子がアリールまたはヘテロアリール基を含有する置換基によって置換される、4−(インドール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体についての開示はない。
WO03/040108およびWO03/040109はそれぞれ、5−置換基を保持するあるキナゾリン誘導体が、チロシンキナーゼ阻害剤のerbBファミリー、特にEGFおよびerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害剤であることを開示している。WO03/040108およびWO03/040109はそれぞれ、ある4−(インドール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体を開示している。開示されるキナゾリン誘導体の中で、キナゾリン環の5位にアシルアミノエトキシ基を含有するものはない。
WO02/034744は、ある4−(インドール−7−イルアミノ)キナゾリン誘導体と、例えば非受容体チロシンキナーゼのSrcファミリーに対する阻害による充実性腫瘍疾患の封じ込めおよび/または治療でのその使用とを開示している。開示されるキナゾリン誘導体は、キナゾリン環の5位に置換基を、またはキナゾリン環の4位に(インドール−5−イルアミノ)置換基を含有しない。
US2004/0048880は、ある4−アニリノキナゾリン誘導体と、腫瘍性疾患の治療におけるその使用とを開示する。開示されるキナゾリン誘導体は、キナゾリン環の5位に置換基を含有しない。
WO2004/46101は、あるキナゾリン誘導体と、EGFおよびerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害剤としてのその使用を開示する。開示されるキナゾリン誘導体は、キナゾリン環の5位に置換基を含有しない。さらに、4−(インドール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体の開示はない。
WO2004/093880およびWO2005/051923はそれぞれ、ある4−アニリノキナゾリン誘導体と、erbB2受容体チロシンキナーゼの阻害剤としてのその使用を開示する。これらの文書のいずれも、4−(インドール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体を開示していない。
既知のerbBチロシンキナーゼ阻害剤、特に選択的erbB2チロシンキナーゼ阻害剤である化合物と比較して、改善された薬理学的特徴と一緒に良好なin−vivo活性を有するその他の化合物を見出すことが、依然として求められている。例えば、限定するものではないが例えば(i)物理的性質;(ii)高いバイオアベイラビリティおよび/または有利な半減期および/または有利な分布体積および/または高い吸収度などの、好ましいDMPK特性;(iii)臨床的な薬物間の相互作用に寄与する性質を低下させる因子(例えば、シトクロームP450酵素阻害または誘導);および(iv)患者におけるQT間隔延長に寄与する性質を低下させる化合物、例えばHERGアッセイで不活性でありまたは弱い活性を有する化合物において、有利なおよび/または改善された特徴を有する新規な化合物が求められている。
驚くべきことに、本発明者等はついに、あるアシルアミノエトキシ基を含有する置換基により5位で置換された4−(インドール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体の選択群が、強力な抗腫瘍活性を有することを見出した。本発明で開示されるキナゾリン誘導体は、単一の生物学的プロセスに及ぼす作用によってのみ薬理学的活性を有することを意味しようとするものではないが、キナゾリン誘導体は、腫瘍細胞の増殖をもたらすシグナル伝達ステップに関与する受容体チロシンキナーゼの、erbBファミリーの1種または複数の阻害を通して、抗腫瘍作用を発揮すると考えられる。特に、本発明のキナゾリン誘導体は、EGFおよび/またはerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害を通して抗腫瘍作用を発揮する考えられる。より具体的には、本発明のキナゾリン誘導体は、EGF受容体チロシンキナーゼと比較して、erbB2受容体チロシンキナーゼの選択的阻害を通して抗腫瘍作用を発揮すると考えられる。また、本発明のキナゾリン誘導体は、既に述べたような好ましい性質の組合せを示すことも考えられる。
本明細書で使用されるerbB受容体、特にerbB2に言及する場合、特に他に指示しない限り、野生型および変異型受容体の両方を含むものとする。「変異」という用語には、遺伝子増幅、ヌクレオチドのインフレーム欠失、またはerbB2などの受容体をコード化するエクソンの1つまたは複数の置換が含まれるが、これらに限定するものではない。
一般に、本発明のキナゾリン誘導体は、例えばEGFおよび/またはerbB2および/またはerb4受容体チロシンキナーゼの阻害によって、受容体チロシンキナーゼファミリーに対して強力な阻害活性を有するが、その他のキナーゼに対しては、それほど強力ではない阻害活性を有する。さらに、一般に本発明のキナゾリン誘導体は、EGFRチロシンキナーゼの場合よりも、erbB2チロシンキナーゼに対してかなり良好な効力を有し、そのためerbB2によって発症する腫瘍の効果的な治療をもたらす可能性がある。したがって本発明によるキナゾリン誘導体を、erbB2チロシンキナーゼを阻害するのに十分であるがFGFRまたはその他のチロシンキナーゼには著しい効果を発揮しない用量で、投与することが可能と考えられる。本発明によるキナゾリン誘導体によってもたらされる選択的阻害は、その他のチロシンキナーゼの阻害に関連する可能性のある望ましくない副作用を低減させながら、erbB2チロシンキナーゼによって媒介された状態の治療を提供することができる。
本発明の第1の態様によれば、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が提供される
Figure 2008539216
(式中、
は、水素、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4アルコキシC1〜4アルコキシから選択され;
、G、G、G、およびGは、それぞれ独立に、水素およびハロゲノから選択され;
は、SO、CO、SON(R)、およびC(Rから選択され、ここで各Rは独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を任意に有し;
、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成し、または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成し;
は、水素およびC1〜4アルキルから選択され;
Aは、水素、式Z−(CR−の基、およびR10から選択され、
ここでpは1、2、3、または4であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合したRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
10は、C1〜4アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は、上記にて定義した通りであり、
ZまたはR10基内のどのCHまたはCH基も、任意に、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を有する)。
本発明の第2の態様によれば、式Iのキナゾリン誘導体(式中、
は、水素、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4アルコキシC1〜4アルコキシから選択され;
、G、G、G、およびGは、それぞれ独立に、水素およびハロゲノから選択され;
は、SO、CO、SON(R)、およびC(Rから選択され、ここで各Rは独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を任意に有し;
、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され;
は、水素およびC1〜4アルキルから選択され;
Aは、水素、式Z−(CR−の基、およびR10から選択され、
ここでpは1、2、3、または4であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合したRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、そして
10は、C1〜4アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は、上記にて定義した通りであり、そして
ZまたはR10基内のどのCHまたはCH基も、任意に、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を有する)、または製薬上許容されるその塩が提供される。
この明細書において、「アルキル」という総称は、プロピルやイソプロピル、t−ブチルなどの直鎖および分枝鎖アルキル基の両方を含む。しかし、「プロピル」など個々のアルキル基を記載する場合は、直鎖状のもののみに限定され、「イソプロピル」など個々の分枝鎖アルキル基を記載する場合は、分枝鎖状のもののみに限定される。類似の変換形態がその他の総称に適用され、例えばC1〜4アルコキシはメトキシおよびエトキシを含む。
上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体の一部が、1個または複数の不斉炭素原子によって光学的に活性なまたはラセミ体の形で存在することができる限り、本発明は、その定義の中に、上述の活性を有するような任意の光学的に活性なまたはラセミ体の形を含むことが理解されよう。特に式Iのキナゾリン誘導体は、基RおよびRおよび/または基RおよびRが同一ではない場合、基RおよびRに結合した炭素原子上にかつ/または基RおよびRに結合した炭素原子上に、キラル中心を有することができる。本発明は、本明細書で定義したような活性を有する全てのそのような立体異性体、例えば(2R)および(2S)異性体(特に(2R)異性体)を包含する。さらに、キラル化合物の名称においては、(R,S)が任意の非ラセミ体キラル(scalemic)またはラセミ体の混合物を指すのに対し、(R)および(S)は鏡像異性体を指すことが理解されよう。名称中に(R,S)、(R)、または(S)が存在しない場合、その名称は、非ラセミ体キラルの混合物がRおよびS鏡像異性体(enantiomers)を任意の相対的な割合で含有し、またラセミ体の混合物がRおよびS鏡像異性体を50:50の比で含有する、任意の非ラセミ体キラルまたはラセミ体の混合物を指すことが理解されよう。光学的に活性な形の合成は、当技術分野で知られている有機化学の標準的な技法によって、例えば光学的に活性な出発物質から合成することによって、またはラセミ体の分割によって実施することができる。同様に、上述の活性は、以下に述べる標準的な実験室技法を使用して評価することができる。
上記にて言及された総称的な基の適切な意味は、以下に述べるものを含む。
がアリールであるの場合のその適切な意味は、例えばフェニルまたはナフチルであり、特にフェニルである。
がヘテロアリールである場合のその適切な意味は、例えば、酸素、窒素、および硫黄から独立に選択された最大4個の環状ヘテロ原子を有する芳香族5または6員の単環であり、例えばフリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、または1,3,5−トリアジニルである。Qがヘテロアリールである場合のその特定の意味は、例えば、窒素と、任意に、酸素、窒素、および硫黄から独立に選択された1個または2個(例えば1個)の追加の環状ヘテロ原子とを含有する芳香族5または6員単環であり、例えばピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、または1,3,5−トリアジニル(特にピリジル)である。
「R」基(RからR13)のいずれか、「G」基(GからG)のいずれか、またはQ、X、A、もしくはZ基内の様々な基に関する適切な意味は、
ハロゲノの場合はフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード;
1〜4アルキルの場合はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびt−ブチル;
1〜4アルコキシの場合はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、およびブトキシ;
1〜4アルコキシC1〜4アルコキシの場合はエトキシメトキシ、プロポキシメトキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、メトキシイソプロポキシ、およびメトキシブトキシを含む。
先に定義されたように、式−X−Qの基において、Xが例えばSON(R)結合基である場合、SON(R)結合基のSO基が式I中のインドール基に結合され、そして窒素原子がQ基に結合される。
式Iの、あるキナゾリン誘導体は、例えば水和した形態のように、溶媒和した形態ならびに溶媒和していない形態で存在してもよいことが理解されよう。本発明は、抗増殖活性など、erbB受容体チロシンキナーゼに対して阻害作用を示すような全ての溶媒和形態を包含することが理解されよう。
また、式Iのあるキナゾリン誘導体は多形性を示してもよいこと、および本発明は、抗増殖活性など、erbB受容体チロシンキナーゼに対して阻害作用を示すような全ての形態を包含することも理解されよう。
また本発明は、抗増殖活性など、erbB受容体チロシンキナーゼに対する阻害作用を示す、式Iのキナゾリン誘導体の全ての互変異性型に関することも理解されよう。
式Iのキナゾリン誘導体の、適切な、製薬上許容される塩は、例えば式Iのキナゾリン誘導体の酸付加塩であり、例えば無機または有機酸との酸付加塩である。適切な無機酸には、例えば塩酸、臭化水素酸、または硫酸が含まれる。適切な有機酸には、例えばトリフルオロ酢酸、クエン酸、またはマレイン酸が含まれる。式Iのキナゾリン誘導体の、その他の適切な、製薬上許容される塩は、例えば十分に酸性である式Iのキナゾリン誘導体の塩であり、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩などのアルカリまたはアルカリ土類金属塩、またはアンモニウム塩、またはメチルアミンやジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン、トリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンなどの有機塩基との塩である。
本発明の、特定の新規なキナゾリン誘導体は、例えば式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩であって、他に特に示さない限りR、R、R、R、R、R、G、G、G、G、G、Q、X、およびAのそれぞれが、上記にて定義されまたは以下のパラグラフ(a)から(kkk)で定義された意味のいずれかを有するもの、を含む:
(a)Rは、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、およびメトキシエトキシから選択され;
(b)Rは、水素およびメトキシから選択され;
(c)Rは水素であり;
(d)G、G、G、G、およびGは、それぞれ独立に、水素、クロロ、およびフルオロから選択され;
(e)G、G、G、G、およびGは、全て水素であり;
(f)XはC(Rであり、ここで各Rは独立に、水素およびC1〜4アルキル(C1〜2アルキルなど)から選択され;
(g)XはCHであり;
(h)Qは、フェニル、および5または6員の単環式ヘテロアリール環から選択され、該環は、酸素、窒素、および硫黄から独立に選択された1、2、または3個のヘテロ原子を含有し、フェニルまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有するものであり;
(i)Qは、フェニル、および5または6員単環式ヘテロアリール環から選択され、該環は、酸素、窒素、および硫黄から独立に選択された1、2、または3個のヘテロ原子を含有し、フェニルまたはヘテロアリール基は、クロロ、フルオロ、シアノ、およびC1〜3アルコキシから独立に選択された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有するものであり;
(j)Qは、フェニル基が、(h)または(i)で既に定義された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有するフェニルであり;
(k)Qは、フェニル基が、クロロおよびフルオロから独立に選択された1個または2個の置換基を任意に有するフェニルであり;
(l)Qは、フェニル基が、クロロおよびフルオロから独立に選択された1個または2個の置換基を有するフェニルであり;
(m)Qは、フェニル基が、1個または2個(特に1個)のフルオロ置換基を有するフェニルであり;
(n)Qは、3−フルオロフェニルであり;
(o)Qは、5または6員の単環式ヘテロアリール環であり、環が、1個の窒素ヘテロ原子と、任意に、酸素、窒素、および硫黄から選択された1個の追加のヘテロ原子とを含有し、ヘテロアリール基が、(h)または(i)で既に定義された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有するものであり;
(p)Qは、(h)または(i)で既に定義された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有する、フェニル、ピリジル、ピラジニル、1,3−チアゾリル、1H−イミダゾリル、1H−ピラゾリル、1,3−オキサゾリル、およびイソオキサゾリルから選択され;
(q)Qは、(h)または(i)で既に定義された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有する、フェニル、ピリジル、ピラジニル、1,3−チアゾリル、およびイソオキサゾリルから選択され;
(r)Qは、(h)または(i)で既に定義された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有する、2−、3−、または4−ピリジル、2−ピラジニル、1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、および5−イソオキサゾリルから選択され;
(s)Qは、(h)または(i)で既に定義された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有する、フェニル、2−ピリジル、および1,3−チアゾール−4−イルから選択され;
(t)Qは、(h)または(i)で既に定義された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有する、ピリジル(特に2−ピリジルまたは3−ピリジル、より具体的には2−ピリジル)であり;
(u)Qは、フルオロ、クロロ、および(1〜2C)アルコキシから独立に選択された1個または2個の置換基を任意に有する2−ピリジルであり;
(v)Qは2−ピリジルであり;
(w)Qは、(h)または(i)で既に定義された1個または2個の置換基(例えば1個)を任意に有する、1,3−チアゾリル(特に1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イル、または1,3−チアゾリル−5−イル)であり;
(x)Qは、フルオロ、クロロ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1個または2個の置換基を任意に有する、1,3−チアゾール−4−イルであり;
(y)Qは、1,3−チアゾール−4−イルであり;
(z)Qは、(h)または(i)で既に定義された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有する、2−、3−、または4−ピリジル、2−ピラジニル、1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、および5−イソオキサゾリルから選択され;
はC(Rであり、ここで各Rは独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され(特に各Rは、水素である);
(aa)Qは、(h)または(i)で既に定義された1、2、または3個の置換基(例えば1個または2個)を任意に有する、2−、3−、または4−ピリジル、2−ピラジニル、1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、および5−イソオキサゾリルから選択され;
はC(Rであり、ここで各Rは独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され(特に各Rは、水素である);
、G、G、G、およびGは、全て水素であり;
(bb)基−X−Qは、ピリド−2−イルメチル、1,3−チアゾール−4−イルメチル、および3−フルオロベンジルから選択され;
(cc)基−X−Qは、ピリド−2−イルメチルであり;
(dd)R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキル(メチルなど)から選択され;
(ee)R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され、ここでR、R、R、およびRの少なくとも1つがC1〜2アルキル(メチルなど)であり;
(ff)R、R、およびRは全て水素であり、RはC1〜2アルキル(メチルなど)であり;
(gg)R、R、およびRは全て水素であり、RはC1〜2アルキル(メチルなど)であり;
(hh)RおよびRは共に水素であり、RおよびRは共にC1〜2アルキル(メチルなど)であり;
(ii)RおよびRは共に水素であり;
(jj)RおよびRは水素であり、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成し;
(kk)RおよびRは水素であり、そして
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成し;
(ll)R、R、R、およびRは全て水素であり;
(mm)Rは、水素およびC1〜2アルキルから選択され;
(nn)Rはメチルであり;
(oo)Rは水素であり;
(pp)Aは、式Z−(CR−の基、およびR10から選択され、
ここでpは1、2、3、または4であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合されたRおよびR基が、シクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
10は、C1〜4アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は、上記にて定義された通りであり、
ZまたはR10基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(qq)Aは、式Z−(CR−の基、およびR10から選択され、
ここでpは1、2、または3(例えば1または2個)であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合されたRおよびR基が、シクロプロピル環を形成し、
Zは、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され、
10は、C1〜2アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は、上記にて定義された通りであり、
そして、ここでZまたはR10基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜2アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(rr)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合されたRおよびR基が、シクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
Z基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜2アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(ss)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
そして、ここでZ基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜2アルキル、およびヒドロキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(tt)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合されたRおよびR基が、シクロプロピル環を形成し、
Zは、水素およびOR11から選択され、ここでR11は、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
そして、ここでZ基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜2アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(uu)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合されたRおよびR基が、シクロプロピル環を形成し、そして
Zはヒドロキシであり;
(vv)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され、そして
Zはヒドロキシであり;
(ww)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合されたRおよびR基が、シクロプロピル環を形成し、
Zは、NR1213であり、ここでR12およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
そして、ここでZ基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜2アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(xx)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合されたRおよびR基が、シクロプロピル環を形成し、
ここで(i)RまたはR基の少なくとも1つがC1〜4アルキルであるか、または(ii)同じ炭素原子に結合されたRおよびR基がシクロプロピル環を形成することを条件とし、
Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
そして、ここでZ基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(yy)AはR10であり、ここでR10は、C1〜4アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
そして、ここでR10基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(zz)AはR10であり、ここでR10は、C1〜4アルコキシ(特に、メトキシなどのC1〜2アルコキシ)であり、
そして、ここでR10基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜2アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(aaa)AはR10であり、ここでR10はNR1213であり、ここでR12およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
そして、ここでR10基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜2アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1個または複数(例えば1、2、または3個)の置換基を任意に有し;
(bbb)Aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、1−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メトキシプロピル、2−メトキシプロピル、2−メトキシプロプ−2−イル、2−(メトキシメチル)プロプ−2−イル、2−メトキシ−2−メチルプロピル、エトキシメチル、2−エトキシエチル、1−エトキシエチル、1−ヒドロキシ−3−ブロモプロピル、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、2−アミノプロプ−2−イル、2−(アミノメチル)プロプ−2−イル、2−アミノ−2−メチルプロピル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、1−(N−メチルアミノ)エチル、3−(N−メチルアミノ)プロピル、1−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノ)−2−メチルプロピル、N,N−ジメチルアミノメチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、1−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルプロピル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、(2−クロロエチル)アミノ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルおよび1−ヒドロキシシクロプロピル;から選択され;
(ccc)Aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、1−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メトキシプロピル、2−メトキシプロピル、2−メトキシプロプ−2−イル、2−(メトキシメチル)プロプ−2−イル、2−メトキシ−2−メチルプロピル、エトキシメチル、2−エトキシエチル、1−エトキシエチル、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、2−アミノプロプ−2−イル、2−(アミノメチル)プロプ−2−イル、2−アミノ−2−メチルプロピル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、1−(N−メチルアミノ)エチル、3−(N−メチルアミノ)プロピル、1−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノ)−2−メチルプロピル、N,N−ジメチルアミノメチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、1−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルプロピル、シクロプロピルおよび1−ヒドロキシシクロプロピル;から選択され;
(ddd)Aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、1−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メトキシプロピル、2−メトキシプロピル、2−メトキシプロプ−2−イル、1−ヒドロキシ−3−ブロモプロピル、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、2−アミノプロプ−2−イル、2−(アミノメチル)プロプ−2−イル、2−アミノ−2−メチルプロピル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、1−(N−メチルアミノ)エチル、N,N−ジメチルアミノメチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、(2−クロロエチル)アミノ、メトキシ、エトキシ、シクロプロピルおよび1−ヒドロキシシクロプロピル;から選択され;
(eee)Aは、メチル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イル、メトキシメチル、1−メトキシエチル、1−ヒドロキシ−3−ブロモプロピル、アミノメチル、N−メチルアミノメチル、メチルアミノ、(2−クロロエチル)アミノ、メトキシおよび1−ヒドロキシシクロプロピル;から選択され;
(fff)Aは、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イル、および2−ヒドロキシ−2−メトキシプロピルから選択され;
(ggg)Aは、メチル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、および2−ヒドロキシプロプ−2−イルから選択され;
(hhh)Aは、メチルおよびヒドロキシメチルから選択され;
(iii)Aはヒドロキシメチルであり;
(jjj)Aは、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、2−アミノプロプ−2−イル、2−(アミノメチル)プロプ−2−イル、2−アミノ−2−メチルプロピル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、1−(N−メチルアミノ)エチル、3−(N−メチルアミノ)プロピル、1−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノ)−2−メチルプロピル、N,N−ジメチルアミノメチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、1−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)プロプ−2−イルおよび2−(N,Nジメチルアミノ)−2−メチルプロピル;から選択され;
(kkk)Aは、アミノメチル、2−アミノエチル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、N,N−ジメチルアミノメチル、および2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルから選択される。
本発明の一つの実施形態は、式Iのキナゾリン誘導体
(式中、
は、水素およびC1〜2アルコキシから選択され(例えばRは、水素またはメトキシであり、特に水素である);
はCHであり;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、該アリールまたはヘテロアリール基は、クロロ、フルオロ、シアノ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基(例えば1個または2個)を任意に有し;
、G、G、G、G、R、R、R、R、R、およびAは、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、
または製薬上許容されるその塩である。
この実施形態において、Qに関する特定の意味は、フェニル、または1個の窒素ヘテロ原子と任意に酸素、窒素、および硫黄から独立に選択された1個の追加のヘテロ原子とを含有する5もしくは6員ヘテロアリール環であり、このフェニルまたはヘテロアリール基は、上記にて定義された1、2、または3個の置換基を任意に有するものである。Qに関するより具体的な意味は、上記にて定義された1、2、または3個の置換基を任意に有するピリジルである。
本発明の別の実施形態は、式Iのキナゾリン誘導体
(式中、
は、水素およびC1〜2アルコキシから選択され(例えばRは、水素またはメトキシであり、特に水素である);
はCHであり;
はヘテロアリールであり、ここでこのヘテロアリール基は、クロロ、フルオロ、シアノ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基(例えば1個または2個)を任意に有し;
そして、ここでG、G、G、G、G、R、R、R、R、R、およびAは、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、
または製薬上許容されるその塩である。
この実施形態において、Qに関する特定の意味は、1個の窒素ヘテロ原子と任意に酸素、窒素、および硫黄から独立に選択された1個の追加のヘテロ原子とを含有する5または6員ヘテロアリール環であり、このヘテロアリール基は、上記にて定義された1、2、または3個の置換基を任意に有するものである。Qに関するより具体的な意味は、上記にて定義された1、2、または3個の置換基を任意に有するピリジルである。
本発明の別の実施形態は、式Iのキナゾリン誘導体
(式中、
は、水素およびC1〜2アルコキシから選択され(例えばRは、水素またはメトキシであり、特に水素である);
はCHであり;
は、フェニル、または1個の窒素ヘテロ原子と任意に酸素、窒素、および硫黄から独立に選択された1個の追加のヘテロ原子とを含有する5もしくは6員ヘテロアリール環であり;
Aは、式Z−(CR−の基であり、ここでpは1または2であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され、Zは、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され;
そして、ここでG、G、G、G、G、R、R、R、R、およびRは、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、
または製薬上許容されるその塩である。
この実施形態において、Qに関する特定の意味は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、1,3−チアゾリル、またはイソオキサゾリルであり、より具体的にはQは、2−ピリジル、3−ピリジル、2−ピラジニル、1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル、および3−イソオキサゾリル(特に2−ピリジル)から選択され、ここでQは、上記にて定義された1、2、または3個の置換基を任意に有するものである。
式Iのキナゾリン誘導体の実施形態は、式Iaのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩である
Figure 2008539216
(式中、
、G、G、G、およびGは、それぞれ独立に、水素およびハロゲノから選択され;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を任意に有するものであり、
、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成し、または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成し;
は、水素およびC1〜4アルキルから選択され;
Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
そして、ここでZ基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を任意に有する)。
式Iaのキナゾリン誘導体のZに関する特定の意味は、ヒドロキシである。
式Iのキナゾリン誘導体の更なるその他の実施形態は、式Ibのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩である
Figure 2008539216
(式中、
、G、G、G、およびGは、それぞれ独立に、水素およびハロゲノから選択され;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を任意に有するものであり;
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され;
は、水素およびC1〜4アルキルから選択され:
Aは、水素、式Z−(CR−の基、およびR10から選択され、
ここでpは1、2、3、または4であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合されたRおよびR基がシクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
10は、C1〜4アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は上記にて定義された通りであり、
そして、ここでZまたはR10基内のどのCHまたはCH基も、各前記CHまたはCH基上に、ハロゲノ、C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を任意に有する)。
式Ibのキナゾリン誘導体のZに関する特定の意味は、ヒドロキシである。
特に、式Ibのキナゾリン誘導体では、基RおよびRの1つがC1〜4アルキルである(例えば、メチルなどのC1〜2アルキル)。
いかなる疑義も避けるため、式IaおよびIbのキナゾリン誘導体において、式Iのキナゾリン誘導体のRに対応する基は水素である。
本発明の特定のキナゾリン誘導体は、例えば
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(2R)−2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]プロピル}アセトアミド;および
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(1R)−1−メチル−2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}アセトアミド;
から選択された式Iの1つまたは複数のキナゾリン誘導体、
または製薬上許容されるその塩である。
式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩は、化学的に関連ある化合物の調製に利用可能であることが知られている任意のプロセス(方法)によって、調製することができる。適切なプロセスは、例えばWO96/15118、WO01/94341、WO03/040108、およびWO03/040109に例示されているものを含む。そのようなプロセスは、式Iのキナゾリン誘導体を調製するのに使用される場合、本発明の更なるその他の特徴として提供され、下記の代表的なプロセス変形例として示されるが、その場合は他に特に指示しない限り、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、G、G、G、およびAは上記にて定義された意味のいずれかを有する。必要な出発物質は、有機化学の標準的な手順によって得ることができる。そのような出発物質の調製について、下記の代表的なプロセス変形例と併せて、かつ付随する実施例の中で記述する。あるいは必要な出発物質は、有機化学の当業者の範囲内にある、例示されるものと類似した手順によって、得ることが可能である。
プロセス(a) 好適には適切な塩基の存在下での、式IIのキナゾリンと
Figure 2008539216
(式中、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も
保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、
式IIIのカルボン酸またはその反応性誘導体
A−COOH
III
(式中、Aは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)
とのカップリング;
または
プロセス(b) 式Iのこれらのキナゾリン誘導体(ここでAは、式Z−(CR−の基であり、ZはNR1213である。)の調製では、式IVのキナゾリンと
Figure 2008539216
(式中、Lは、適切な置換可能な基であり、p、R、R、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、式Vのアミン
1213N−H

(式中、R12およびR13は、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)
とのカップリング;または
プロセス(c) 好適には適切な塩基の存在下、式VIのキナゾリンと
Figure 2008539216
(式中、R、R、R、R、R、R、A、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、式VIIの化合物
−X−L
VII
(式中、Lは、適切な置換可能な基であり、そしてQおよびXは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)とのカップリング;
プロセス(d) 好適には適切な塩基の存在下、式VIIIのキナゾリンと
Figure 2008539216
(式中、Lは、適切な置換可能な基であり、R、R、R、R、R、R、およびAは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、式IXの化合物
Figure 2008539216
(式中、G、G、G、G、G、Q、およびXは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)とのカップリングを行い;
そして、その後、必要に応じて、
(i)式Iのキナゾリン誘導体を、式Iの別のキナゾリン誘導体に変換し;
(ii)存在するどの保護基も除去し(従来の手段によって);
(iii)製薬上許容される塩を形成する。
上述の反応に関する特定の条件は、下記の通りである:
プロセス(a)
プロセス(a)に関する反応条件
当業者なら理解されるように、カップリング反応は、必要に応じて、カルボジイミドなどの適切なカップリング剤または適切なペプチドカップリング剤、例えばO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート(HATU)またはジシクロヘキシルカルボジイミドなどのカルボジイミドの存在下、任意にジメチルアミノピリジンや4−ピロリジノピリジンなどの触媒の存在下で、好適に実施することができる。
カップリング反応は、適切な塩基の存在下で好適に実施される。適切な塩基は、例えば、ピリジンや2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの有機アミン、または例えば、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリまたはアルカリ土類金属炭酸塩である。
反応は、適切な不活性溶媒または希釈液の存在下、例えば酢酸エチルなどのエステル、塩化メチレンやクロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化溶媒、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オンまたはジメチルスルホキシドなどの双極性非プロトン性溶媒の存在下で好適に実施される。反応は、例えば0から120℃の範囲内の温度、好適には周囲温度または周囲温度近くで都合良く実施される。
式IIIのカルボン酸の「反応性誘導体」という用語によって、式IIのキナゾリンと反応して対応するアミドを得るであろうカルボン酸誘導体を意味する。式IIIのカルボン酸の適切な反応性誘導体は、例えばアシルハロゲン化物、例えば酸と無機酸塩化物との反応によって形成された塩化アシル、例えば塩化チオニル;混合無水物、例えば、酸とイソブチルクロロホルメートなどのクロロホルメートとの反応によって形成された無水物;活性エステル、例えば酸と、ペンタフルオロフェノールなどのフェノール、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニルなどのエステル、またはメタノールやエタノール、イソプロパノール、ブタノール、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのアルコールとの反応によって形成されたエステル;アシルアジド、例えば酸とジフェニルホスホリルアジドなどのアジドとの反応によって形成されたアジド;またはアシルシアニド、例えば酸とジエチルホスホリルシアニドなどのシアニドとの反応によって形成されたシアニドである。そのようなカルボン酸の反応性誘導体とアミン(式IIの化合物など)との反応は、当技術分野で周知であり、例えば上述のような塩基の存在下、上述のような適切な溶媒中で反応させることができる。反応は、上述の温度で好適に行うことができる。
プロセス(a)用の出発物質の調製
式IIのキナゾリンは、従来の手順によって得ることができる。例えば式IIのキナゾリンは、好適には適切な塩基の存在下、式IIaのキナゾリンと
Figure 2008539216
(式中、Lは、適切な置換可能な基であり、そしてR、X、Q、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、式IIbのアルコール
Figure 2008539216
(式中、R、R、R、R、およびRは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)との反応によって、そしてその後、必要に応じて存在するどの保護基も従来の手段により除去することによって、得ることができる。例えば、式IIbのアルコールを使用する代わりに、式IIb’のアルコール(保護基Pgを含む)を使用し
Figure 2008539216
(式中、R、R、R、R、およびRは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する)、その後、当業者に知られる適切な方法によって、保護基(Pg)を除去することもできる。
式IIaのキナゾリンにおける、適切な置換可能な基Lは、例えばハロゲノまたはスルホニルオキシ基であり、例えばフルオロ、クロロ、メチルスルホニルオキシ、またはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。特定の置換可能な基Lは、フルオロまたはクロロであり、より具体的にはフルオロである。
式IIaのキナゾリンと式IIbまたはIIb’のアルコールとの反応に適切な塩基は、例えば、アルカリ金属水素化物などの非求核性強塩基、例えば水素化ナトリウム、またはアルカリ金属アミド、例えばリチウムジ−イロプロピルアミド(LDA)を含む。
式IIaのキナゾリンと、式IIbまたはIIb’のアルコールとの反応は、適切な不活性溶媒または希釈剤の存在下、例えばテトラヒドロフランや1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、ジメチルスルホキシドなどの双極性非プロトン性溶媒の存在下で、好適に実施される。反応は、例えば10から250℃の範囲内、好ましくは40から150℃の範囲内の温度で好適に実施される。都合の良い場合、この反応は、マイクロ波ヒーターなどの適切な加熱装置を使用して、反応物を密閉容器内で加熱することにより行ってもよい。
好適には、式IIaのキナゾリンと式IIbまたはIIb’のアルコールとの反応は、適切な触媒、例えば15−クラウン−5などのクラウンエーテルの存在下で行うことができる。
式IIbまたはIIb’のアルコール類は、市販されている化合物であり、またはこれらのアルコールは文献で知られており、またはこれらのアルコール類は、当技術分野で知られている標準的なプロセスによって調製することができる。例えば、式IIbまたはIIb’のアルコールであってRおよびRの両方が水素であるアルコールは、反応スキーム1に示されるように、対応する酸またはそのエステルの還元によって調製することができる
Figure 2008539216
(式中、R、R、およびRは、上記にて定義された通りであり、Pgは、適切な保護基を表し(アリルやt−ブトキシカルボニルなど)、TMSはトリメチルシランを表し、Dibal−Hは水素化ジイソブチルアルミニウムを表す)。
反応スキーム1において、TMS−ジアゾメタンとの反応は、メタノールの存在下、任意に適切な不活性溶媒または希釈液の存在下、約25℃の温度で好適に実施することができる。
反応スキーム1において、DiBal−H、LiAlH、またはLiBHとの反応は、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどの適切な不活性溶媒または希釈液の存在下、例えば−78から60℃の範囲内の温度で好適に実施することができる。
あるいは、式IIbまたはIIb’のアルコールは、反応スキーム2に示すように調製することができる
Figure 2008539216
(式中、Pgは、適切なアミン保護基(アリルなど)であり、R、R、R、R、およびRは、上記にて定義された通りである)。
反応スキーム2のステップ(i)のカップリングおよび開環反応は、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)などの適切な金属触媒の存在下で都合良く実施される。反応は、ジオキサンなどの不活性溶媒または希釈液の存在下で適切に実施される。反応は、好ましくは高温で、例えば50から約150℃で実施される。
反応スキーム2のステップ(ii)では、保護基Pgを従来の方法を使用して除去することができ、例えばPgがアリル基の場合は、金属触媒開裂によって除去することができる。金属触媒開裂に適切な触媒は、例えばクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)である。
先に論じたように、いくつかの実施形態では、反応スキーム2の式IIb’のアルコールを、プロセス(a)で直接使用することができる。この実施形態では、式IIIの酸(またはその反応性誘導体)とのカップリングの前に、アミン保護基(Pg)を、プロセス中の都合の良い段階で除去することができる。
式IIaのキナゾリンは、従来の手順によって得ることができる。例えば式IIcのキナゾリンと
Figure 2008539216
(式中、Rは、上記にて定義した通りであり、LおよびLは置換可能な基であり、そしてLはLよりも不安定である。)、式IIdの化合物とを反応させることができ
Figure 2008539216
(式中、X、Q、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、その後、存在するどの保護基も従来の手段によって除去する。
適切な置換可能な基Lは、上記にて定義された通りであり、特にフルオロである。適切な置換可能な基Lは、例えばハロゲノ(特にクロロ)、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、またはアリールスルホニルオキシ基であり、例えばクロロ、ブロモ、メトキシ、フェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ、メチルチオ、メタンスルホニル、メタンスルホニルオキシまたはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。
式IIcのキナゾリンと式IIdの化合物との反応は、触媒量の酸の存在下で好適に実施することができる。適切な酸は、例えば塩化水素ガス(好適には、ジエチルエーテルまたはジオキサンに溶解される)または塩酸を含む。
あるいは、式IIcのキナゾリンと式IIdの化合物との反応は、適切な塩基の存在下で実施することができる。適切な塩基は、例えばピリジンや2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの有機アミン塩基であり、または例えば、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩、または例えば、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物である。
あるいは、式IIcのキナゾリンであってLがハロゲノ(例えばクロロ)であるキナゾリンを、酸または塩基が存在しない状態で式IIdの化合物と反応させることができる。この反応では、ハロゲノ離脱基Lの置換によって、その場での酸HLの形成、および反応の自己触媒がもたらされる。
上述の反応は、適切な不活性溶媒または希釈液、例えばメタノールやエタノール、イソプロパノール、酢酸エチルなどのアルコールまたはエステル、メチレンクロライド、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化溶媒、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのハロゲン化溶媒、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、ジメチルスルホキシドなどの双極性非プロトン性溶媒の存在下で好適に実施される。上述の反応は、例えば0から250℃の範囲内の温度で好適に実施され、好都合には40から80℃の範囲内で、好ましくは、使用する場合には溶媒の還流温度またはその還流温度近くで実施される。
あるいは、式IIaのキナゾリンは、反応スキーム3に示すように得ることができ
Figure 2008539216
(式中、L、L、およびLは、適切な置換可能な基であり、R、X、Q、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、その後、存在するどの保護基も従来の手段によって除去する。
反応スキーム3において、式VIIの化合物中の適切な置換可能な基Lは、例えばハロゲノまたはスルホニルオキシ基であり、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチルスルホニルオキシまたはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。特定の基Lは、ブロモ、クロロ、またはメチルスルホニルオキシである。適切な置換可能な基LおよびLは、上記にて定義された通りである。
式IIcの化合物と式IId’の化合物との反応は、式IIcのキナゾリンと式IIdの化合物との反応に関して上記にて論じたものと類似した条件を使用して、好適に実施される。
式IIeの化合物と式VIIの化合物との反応は、プロセス(c)に関して以下に論じるものと類似した条件を使用して好適に実施される。
式IIcのキナゾリンは、従来の方法を使用して得ることができ、Rが水素であり、Lがフルオロであり、Lがハロゲノである場合には、5−フルオロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを、塩化チオニルや塩化ホスホリル、四塩化炭素とトリフェニルホスフィンとの混合物などの、適切なハロゲン化剤と反応させることができる。5−フルオロ−3,4−ジヒドロキナゾリン出発物質は市販されており、例えばJ.Org.Chem.1952,17,164〜176に記載されているような、従来の方法を使用して調製することができる。
式IIdおよびIId’の化合物は、市販されている化合物であるか、または文献で知られているか、または当技術分野で知られている標準的なプロセスによって調製することができる。例えば、式IIdまたはIId’の化合物は、反応スキーム4に示されるように調製することができ
Figure 2008539216
(式中、Lは、上記にて定義されたように、適切な置換可能な基であり、そしてX、Q、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)、その後、存在するどの保護基も、従来の手段によって除去する。
反応スキーム4のステップ(i)の反応は、プロセス(c)に関して以下に論じられるものと類似した条件を使用して、好適に実施される。
反応スキーム4のステップ(ii)の還元は、従来の方法を使用して実施することができる。例えば、ステップ(ii)でのニトロ基の還元は、標準的な条件下で実施することができ、例えば、白金/炭素、パラジウム/炭素、またはニッケル触媒、または酸化白金(IV)上での接触水素化、鉄や塩化チタン(III)、塩化スズ(II)、インジウムなどの金属による処理、あるいは亜ジチオン酸ナトリウムなどの別の適切な還元剤による処理によって実施することができる。
あるいは式IIのキナゾリンは、例えば反応スキーム5に示されるように、従来の手順により得ることができる
Figure 2008539216
(式中、LおよびLは、適切な置換可能な基であり、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する)。
適切な置換可能な基Lは、上記にて定義された通りである。例えばLは、クロロやフルオロなどのハロゲノでもよい。
式IIa’の化合物の、適切な置換可能な基Lは、例えばハロゲノまたはスルホニルオキシ基であり、例えばフルオロ、クロロ、メチルスルホニルオキシ、またはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。特定の基Lは、フルオロ、クロロ、またはメチルスルホニルオキシであり、特にクロロである。
反応スキーム5のステップ(i)は、上記にて論じられた式IIaの化合物、および式IIbまたはIIb’のアルコールとの反応で使用されたものと類似の条件を使用して、実施することができる。
反応スキーム5のステップ(ii)は、適切な変換反応を使用して実施することができる。例えば、Lがクロロである場合、ステップ(ii)は、塩化チオニルなどの適切な塩素化剤を使用して実施することができる。
反応スキーム5のステップ(iii)では、式IIa’の化合物と式IIgのアミンとの反応を、適切な塩基の存在下で好適に実施することができる。適切な塩基は、例えば、ピリジンや2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの有機アミン塩基、または炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩、または水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物である。あるいは反応は、前述の適切な塩基の代わりに、過剰な式IIgのアミンを使用してもよい。
必要に応じて、式IIa’の化合物と式IIgのアミンとの反応を、適切な触媒の存在下、例えばヨウ化テトラブチルアンモニウムの存在下で好適に実施することができる。
式IIa’の化合物と式IIgのアミンとの反応は、適切な不活性溶媒または希釈液の存在下、例えばテトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、ジメチルスルホキシドなどの双極性非プロトン性溶媒の存在下で都合良く実施することができる。反応は、例えば25から150℃の範囲内の温度、好適には約100℃で、都合良く実施することができる。
式IIaの化合物は、例えば上記にて論じられたように、従来の手順を使用して得ることができる。
式IIfおよびIIgの化合物は、市販の化合物であるか、または文献で知られているか、または当技術分野で知られている標準的なプロセスによって調製することができる。
プロセス(b)
プロセス(b)の反応条件
式IVの化合物の、適切な置換可能な基Lは、例えばハロゲノまたはスルホニルオキシ基であり、例えばフルオロ、クロロ、メチルスルホニルオキシ、またはトルエン−4−スルホニル基である。特定の置換可能な基Lは、フルオロ、クロロ、またはメチルスルホニルオキシであり、特にクロロである。
式IVの化合物と式Vのアミンとの反応は、適切な塩基の存在下で好適に実施することができる。適切な塩基は、例えば、ピリジンや2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの有機アミン塩基、または炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩、または水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物である。あるいは反応は、前述の適切な塩基の代わりに、過剰な式Vのアミンを使用してもよい。
必要に応じて、反応は、適切な触媒の存在下、例えばヨウ化テトラブチルアンモニウムの存在下で好適に実施することができる。
式IVの化合物と式Vのアミンとの反応は、適切な不活性溶媒または希釈液の存在下、例えばテトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、ジメチルスルホキシドなどの双極性非プロトン性溶媒の存在下で好適に実施される。反応は、例えば25から150℃の範囲内の温度、好適には約100℃の温度で都合良く実施することができる。
プロセス(b)用の出発物質の調製
式IVのキナゾリンの化合物は、例えば上記にて論じたような従来の方法を使用して、調製することができる。
式Vのアミンは、市販の化合物であるか、または文献で知られているか、または当技術分野で知られている標準的なプロセスによって調製することができる。
プロセス(c)
プロセス(c)の反応条件
式VIIの化合物の、適切な置換可能な基Lは、例えばハロゲノまたはスルホニルオキシ基であり、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチルスルホニルオキシ、またはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。特定の置換可能な基Lは、ブロモ、クロロ、またはメチルスルホニルオキシである。
式VIのキナゾリンと式VIIの化合物との反応は、適切な塩基の存在下で都合良く実施される。適切な塩基は、例えば、ピリジンや2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの有機アミン塩基、または例えば、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩、または例えば、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物である。
式VIのキナゾリンと式VIIとの化合物との反応は、適切な不活性溶媒または希釈液の存在下、例えば塩化メチレンやクロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化溶媒、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、ジメチルスルホキシドなどの双極性非プロトン性溶媒の存在下で好適に実施される。あるいは反応は、不活性溶媒または希釈液が存在しない状態で、実施してもよい。反応は、例えば25から100℃の範囲内の温度、好適には周囲温度または周囲温度近くで、都合良く実施することができる。
プロセス(c)用の出発物質の調製
式VIのキナゾリンは、従来の方法を使用して、例えば、式VIaの化合物と
Figure 2008539216
(式中、R、R、R、R、R、R、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された通りである。)、式IIIのカルボン酸またはその反応性誘導体
A−COOH
III
(式中、Aは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)とを反応させることによって調製することができ、そしてその後、存在するどの保護基も従来の手段によって除去する。
式VIaのキナゾリンと式IIIの化合物との反応は、プロセス(a)に関して既に述べたものと類似した条件を使用して、好適に実施される。
式VIIの化合物は、市販の化合物であるか、または文献で知られているか、または当技術分野で知られている標準的なプロセスによって調製することができる。
プロセス(d)
式VIIIの化合物と式IXの化合物との反応は、式IIcのキナゾリンと式IIdの化合物との反応に関して既に述べたものと類似した条件を使用して、好適に実施される。
プロセス(d)用の出発物質の調製
式VIIIのキナゾリンは、上記にて論じた従来の手順によって得ることができる。
式IXの化合物は、市販の化合物であるか、または文献で知られているか、または当技術分野で知られている標準的なプロセスによって調製することができる。
式Iのキナゾリン誘導体は、上述のプロセスから遊離塩基の形で得ることができ、あるいは塩の形、例えば酸付加塩の形で得ることができる。式Iのキナゾリン誘導体の塩から遊離塩基を得ることが望まれる場合、その塩を、適切な塩基で、例えばアルカリまたはアルカリ土類金属炭酸塩または水酸化物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムで処理してもよく、またはアンモニアによる処理、例えば7Nアンモニアをメタノールに溶かしたようなメタノール系アンモニア溶液を使用して処理してもよい。
上述のプロセスで使用した保護基は、一般に、問題になっている基を保護するための、文献に記述されまたは熟練した化学者に知られている基のいずれかから必要に応じて選択することができ、または従来の方法によって導入することができる。保護基は、問題となっている保護基を除去するための、文献に記述されておりまたは熟練した化学者に知られている任意の都合の良い方法によって、必要に応じて除去することができ、そのような方法は、分子の他の部分の基の乱れを最小限に抑えた状態で、保護基の除去が行われるように選択される。
保護基の特定の例を、便宜のため以下に示すが、例えば低級アルキルの場合のような「低級」は、これが適用される基が好ましくは1から4個の炭素原子を有することを示す。これらの例は、完全なものではないことが理解されよう。保護基を除去する方法の特定の例を以下に示す場合、これらも同様に完全なものではない。具体的に記述されていない保護基の使用および脱保護の方法は、当然ながら、本発明の範囲内にある。
カルボキシ保護基は、エステルを形成する脂肪族またはアリール脂肪族アルコール、あるいはエステルを形成するシラノール(好ましくは1から17個の炭素原子を含有する前記アルコールまたはシラノール)の残基でもよい。カルボキシ保護基の例は、直鎖または分枝鎖C1〜12アルキル基(例えばイソプロピル、およびt−ブチル);低級アルコキシ−低級アルキル基(例えばメトキシメチル、エトキシメチル、およびイソブトキシメチル);低級アシルオキシ−低級アルキル基(例えばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、およびピバロイルオキシメチル);低級アルコキシカル
ボニルオキシ−低級アルキル基(例えば1−メトキシカルボニルオキシエチル、および1−エトキシカルボニルオキシエチル);アリール−低級アルキル基(例えばベンジル、4−メトキシベンジル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、ベンズヒドリル、およびフタリジル);トリ(低級アルキル)シリル基(例えばトリメチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリル);トリ(低級アルキル)シリル−低級アルキル基(例えばトリメチルシリルエチル);およびC2〜6アルケニル基(例えばアリル)を含む。カルボキシル保護基の除去に特に適切な方法は、例えば、酸、塩基、金属、または酵素による触媒開裂である。
ヒドロキシ保護基の例は、低級アルキル基(例えばt−ブチル)、低級アルケニル基(例えばアリル);低級アルカノイル基(例えばアセチル);低級アルコキシカルボニル基(例えばt−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル基(例えばアリルオキシカルボニル);アリール−低級アルコキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、および4−ニトロベンジルオキシカルボニル);トリ(低級アルキル)シリル(例えばトリメチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリル)、およびアリール−低級アルキル(例えばベンジル)基を含む。
アミノ保護基の例は、ホルミル、アリール−低級アルキル基(例えばベンジルおよび置換ベンジル、4−メトキシベンジル、2−ニトロベンジル、および2,4−ジメトキシベンジル、およびトリフェニルメチル);ジ−4−アニシルメチルおよびフリルメチル基;低級アルコキシカルボニル(例えばt−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル(例えばアリルオキシカルボニル);アリール−低級アルコキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、および4−ニトロベンジルオキシカルボニル);低級アルカノイルオキシアルキル基(例えばピバロイルオキシメチル);トリアルキルシリル(例えばトリメチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリル);アルキリデン(例えばメチリデン)、ベンジリデンおよび置換ベンジリデン基を含む。
ヒドロキシおよびアミノ保護基を除去するのに適切な方法は、例えば、2−ニトロベンジルオキシカルボニルなどの基の酸、塩基、金属、または酵素による触媒加水分解、ベンジルなどの基の水素化、2−ニトロベジルオキシカルボニルなどの基の光分解を含む。例えばt−ブトキシカルボニル保護基は、トリフルオロ酢酸を使用した酸触媒加水分解によって、アミノ基から除去することもできる。
読者は、反応条件および試薬に関する全体的指針に関してはJ.MarchによるAdvanced Organic Chemistry,第4版,John Wiley & Sons出版(1992)を、また保護基に関する全体的指針に関しては、T.Green他によるProtective Groups in Organic Synthesis,第2版,同様にJohn Wiley & Son出版を参照されたい。
本発明のキナゾリン誘導体中の様々な環置換基の一部は、上述のプロセスの前または後に、標準的な芳香族置換反応によって導入することができ、または従来の官能基修飾によって生成することができ、したがってそれらは本発明のプロセス態様に含まれることを理解されたい。そのような反応および修飾は、例えば、芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化、および置換基の酸化を含む。そのような手順に関する試薬および反応条件は、化学分野で周知である。芳香族置換反応の特定の例は、濃硝酸を使用したニトロ基の導入、例えばフリーデルクラフツ条件下でアシルハロゲン化物およびルイス酸(三塩化アルミニウムなど)を使用したアシル基の導入;フリーデルクラフツ条件下でアルキルハロゲン化物およびルイス酸(三塩化アルミニウムなど)を使用したアルキル基の導入;およびハロゲノ基の導入を含む。
式Iのキナゾリン誘導体の、製薬上許容される塩、例えば酸付加塩が必要とされる場合、その塩を、例えば従来手順を使用した前記キナゾリン誘導体と適切な酸との反応によって得ることができる。
先に述べたように、本発明による化合物のいくつかは、1つまたは複数のキラル中心を含有してもよく、したがって立体異性体として存在することができる。立体異性体は、従来の技法を使用して、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶を使用して分離することができる。鏡像異性体は、ラセミ体の分離によって、例えば分別結晶、分割、またはHPLCによって単離することができる。ジアステレオ異性体は、ジアステレオ異性体の異なる物理的性質を用いた分離によって、例えば分別結晶、HPLC、またはフラッシュクロマトグラフィーによって単離することができる。あるいは特定の立体異性体は、ラセミ化またはエピマー化を引き起こさない条件下での、キラル出発物質からのキラル合成によって、あるいはキラル試薬を用いた誘導体化(derivatisation)によって作製することができる。特定の立体異性体を単離する場合、この立体異性体は、その他の立体異性体を実質的に含まない状態で適切に単離され、例えばその他の立体異性体を20重量%未満含有し、特に10重量%未満含有し、より特別には5重量%未満含有する。
式Iのキナゾリン誘導体の調製に関する上記セクションにおいて、「不活性溶媒」という表現は、所望の生成物の収量に悪影響を及ぼす態様で出発物質、試薬、中間体、または生成物と反応しない溶媒を指す。
当業者なら、代わりとなりまたいくつかの場合にはより都合の良い手法で本発明のキナゾリン誘導体を得るために、既に述べた個々のプロセスステップを異なる順序で行ってもよく、および/または個々の反応を全経路における異なる段階で行ってもよいことが理解されよう(すなわち化学変化は、特定の反応により上記にて関連あるのものとは異なる中間体で行うことができる)。
上述のプロセスで使用されたある中間体は、新規であり、本発明の更なるその他の特徴を形成する。したがって、上記にて定義された式II、IV、VI、およびVIIIの化合物、またはその塩から選択された化合物が提供される。中間体は、中間体の塩の形態をとってもよい。そのような塩は、必ずしも製薬上許容される塩でなくてもよい。例えば、そのような塩が式Iのキナゾリン誘導体の製造に有用である場合には、この塩は、例えば製薬上許容されない塩の形態をした中間体の調製に役立てることができる。
本発明の特定の中間体化合物は、例えば、
5−[(1R)−1−メチル−2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミン;および
5−[(R)−2−(メチルアミノ)プロポキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミン
から選択された、1種または複数の式IIのキナゾリン誘導体、あるいはその塩である。
生物学的アッセイ
化合物の阻害活性について、そのin vivo活性を異種移植(Xenograft)研究で評価する前に、非細胞ベースタンパク質チロシンキナーゼアッセイで、ならびに細胞ベース増殖アッセイで評価した。
a)タンパク質チロシンキナーゼリン酸化アッセイ
この試験は、EGFR、erbB2、およびerbB4チロシンキナーゼ酵素によって、チロシン含有ポリペプチド基質のリン酸化を阻害する、試験化合物の能力について測定する。
EGFR、erbB2、およびerbB4の組換え細胞内断片(受入れ番号はそれぞれ、X00588、X03363、およびL07868)をクローニングし、バキュロウイルス/Sf21系内で発現させた。溶解産物を、これらの細胞から、氷冷溶解緩衝液(20mMのN−2−ヒドロキシエチルピペリジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)pH7.5、150mMのNaCl、10%のグリセロール、1%のトリトンX−100、1.5mMのMgCl、1mMのエチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)N’,N’,N’,N’−四酢酸(EGTA)、およびプロテアーゼ阻害剤での処理によって調製し、次いで遠心分離によって清澄化した。
これら組換えタンパク質の構成キナーゼ活性は、これらのタンパク質が合成ペプチド(グルタミン酸、アラニン、およびチロシンが6:3:1の比であるランダムコポリマーで作製された)をリン酸化する能力によって決定した。特に、Maxisorb(商標)96ウェル(well)免疫プレートを、合成ペプチドで被覆した(ペプチド0.2μgを100μlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液に溶かし、4℃で一晩インキュベートした)。プレートを、50mMのHEPES(pH7.4)で、室温で洗浄して、過剰な結合していない合成ペプチドを全て除去した。EGFRまたはrebB2活性は、ペプチド被覆プレートの、室温の50mM HEPES(pH7.4)、それぞれの酵素に関してKm濃度のアデノシン3リン酸(ATP)、10mMのMnCl、0.05mMのNaVO、0.1mMのDL−ジチオトレイトール(DTT)、0.05%のトリトンX−100中でDMSO中の試験化合物(最終濃度は2.5%)と共に室温で20分間インキュベートすることによって評価した。反応は、アッセイの液体成分を除去することによって停止させ、その後、プレートをPBS−T(0.05%のTween 20を含むリン酸緩衝生理食塩水)で洗浄した。
この反応の固定化ホスホ−ペプチド生成物を、免疫学的方法によって検出した。まずプレートを、マウスで産生させた抗(anti-)ホスホチロシン1次抗体(Upstate Biotechnology製4G10)と共に、室温で90分間インキュベートした。完全に洗浄した後、プレートを、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合ヒツジ抗マウス2次抗体(Amersham製NXA931)で、室温で60分間処理した。さらに洗浄した後、プレートの各ウェル内のHRP活性を、基質として22’−アジノ−ジ−[3−エチルベンズチアゾリンスルホネート(6)]2アンモニウム塩結晶(Roche製ABTS(商標))を使用した比色分析で測定した。
発色、したがって酵素活性の定量を、Molecular Devices ThermoMaxマイクロプレート読取り器で405nmの吸光度を測定することにより行った。所与の化合物に関するキナーゼ阻害を、IC50値として表した。この値は、このアッセイにおいてリン酸化の50%阻害をもたらすのに必要とされる、化合物の濃度を計算することによって決定した。リン酸化の範囲は、陽性(ビヒクル+ATP)および陰性(ビヒクル−ATP)対照の値から計算した。
b)EGFR促進型(driven)KB細胞増殖アッセイ
このアッセイでは、試験化合物がヒト腫瘍細胞系KB(American Type Culture Collection(ATCC)から得られた)の増殖を阻害する能力を測定する。
KB細胞を、37℃の7.5%CO空気インキュベータ内で、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、および非必須アミノ酸を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で培養した。細胞を、トリプシン/エチルアミンジアミン四酢酸(EDTA)を使用してストックフラスコから収集した。細胞密度は血球計数器を使用して測定し、生存度はトリパンブルー溶液を使用して計算し、その後、7.5%CO中37℃で、2.5%木炭ストリップ血清、1mMグルタミン、および非必須アミノ酸を含有するDMEM中、96ウェルプレートのウェル1個当たり1.25×10細胞密度で播き、そして4時間置いた。
プレートに付着した後、細胞を、EGF(最終濃度1ng/ml)を用いるかまたは用いず、そしてジメチルスルホキシド(DMSO)中のある濃度範囲(最終0.1%)の化合物を用いるかまたは用いずに処理し、その後4日間インキュベートする。インキュベーション期間の後、臭化3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム(MTT)(ストック5mg/ml)50μlを、2時間にわたり添加することによって、細胞数を決定した。次いでプレートを傾けてMTT溶液を除去し、プレートを逆さにし軽く叩いて乾燥し、DMSO 100μlを添加して細胞を溶解した。
可溶化細胞の吸光度を、Molecular Devices ThermoMaxマイクロプレート読取り器を使用して、540nmで読み取った。増殖の阻害は、IC50の値として表した。この値は、増殖の50%阻害をもたらすのに必要とされる化合物の濃度を計算することによって、決定した。増殖の範囲は、陽性(ビヒクル+EGF)および陰性(ビヒクル−EGF)対照の値から計算した。
c)クローン24ホスホ−erbB2アッセイ
この免疫蛍光エンドポイントアッセイでは、完全長の野生型erbB2タンパク質を過発現する細胞系をもたらす標準的な方法を使用して、完全長erbB2遺伝子をMCF7細胞にトランスフェクトすることにより生成されたMCF7(乳癌)由来細胞系のerbB2(以後、「クローン24」細胞と呼ぶ)のリン酸化を、試験化合物が阻害する能力について測定する。
クローン24細胞を、増殖培地(10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、および1.2mg/ml G418を含有するフェノールレッドを含まない(free)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM))で、37℃の7.5%CO空気インキュベータ内で培養した。細胞を、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4、Gibco No.10010−015)で1回洗浄することによってT75ストックフラスコから収集し、トリプシン(1.25mg/ml)/エチルアミンジアミン四酢酸(EDTA)(0.8mg/ml)溶液2mlを使用して収集した。細胞を、増殖培地に再懸濁した。細胞密度は血球計数器を使用して測定し、生存度はトリパンブルー溶液を使用して計算し、その後さらに増殖培地で希釈し、クリアボトム型96ウェルプレート(Packard,No.6005182)にウェル(100μl)1個当たり1×10細胞の密度で播いた。
3日後、増殖培地をウェルから除去し、erbB阻害剤化合物を含みまたは含まない100ulのアッセイ培地(フェノールレッドフリーDEME、2mMグルタミン、1.2mg/ml G418)に代えた。プレートを4時間インキュベータに戻し、次いでPBS中の20%ホルムアルデヒド溶液20μlを各ウェルに添加し、プレートを室温で30分間放置した。この固定液をマルチチャネルピペットで除去し、PBS 100μlを各ウェルに添加し、次いでマルチチャネルピペットで除去し、次いで50μlのPBSを各ウェルに添加した。次いでウェルを密閉し、4℃で最長2週間保存した。
免疫染色を室温で行った。細胞を、プレート洗浄器を使用して、200μlのPBS/Tween 20(PBS/Tween乾燥粉末(Sigma,No.P3563)1サッシェを、2回蒸留したHO 1Lに添加することによって作製した)で1回洗浄し、次いで0.5%Triton X−100/PBS 100μlを各ウェルに添加して、細胞を透過化処理した。10分後、プレートを200μlのPBS/Tween 20で洗浄し、次いで100μlの遮断溶液(Marvel脱脂粉乳(Nestle)の5%PBS溶液)をウェルごとに添加し、プレートを15分間インキュベートした。プレート洗浄器で遮断溶液を除去した後、遮断溶液中に1:250で希釈したウサギポリクローナル抗ホスホErbB2 IgG抗体(エピトープホスホ−Tyr 1248,SantaCruz,No.SC−12352−R)30μlを、各ウェルに添加し、2時間インキュベートした。次いでこの1次抗体溶液を、プレート洗浄器を使用してウェルから除去し、その後、プレート洗浄器を使用して200μlのPBS/Tween 20で2回洗浄した。遮断溶液100μlをウェルごとに添加し、プレートを10分間インキュベートした。次いで遮断溶液中で1:750に希釈したAlexa−Fluor 488ヤギ抗ウサギIgG2次抗体(Molecular Probes,No.A−11008)30μlを、各ウェルに添加した。以後、可能な限りプレートは、黒色遮断テープで密閉することによって、この段階で露光から保護された。プレートを45分間インキュベートし、次いで2次抗体溶液をウェルから除去し、その後、プレート洗浄器を使用して200μlのPBS/Tween 20により3回洗浄した。次いでPBS 50μlを各ウェルに添加し、プレートを黒色遮断テープで再度密閉し、分析前に4℃で保存した。プレートを、免疫染色完了から6時間以内に分析した。
各ウェルからの蛍光シグナルは、Acumen Explorer Instrument(Acumen Bioscience Ltd.)、レーザ走査によって生成された画像のフィーチャを迅速に定量するのに使用することができるプレート読取り器を使用して測定した。この機器を、事前設定された閾値よりも高い蛍光対象の数が測定されるように設定し、このようにすることで、erbB2タンパク質のリン酸化状態の測定を行った。各化合物について得られた蛍光用量応答データを、適切なソフトウェアパッケージ(Originなど)にエクスポートして、曲線当てはめの解析を行った。erbB2リン酸化の阻害を、IC50の値として表した。この値は、erbB2リン酸化シグナルの50%阻害をもたらすのに必要とされる、化合物の濃度を計算することによって決定した。
d)in vivo BT474C異種移植アッセイ
このアッセイでは、メススイス無胸腺マウス(Alderley Park,nu/nu遺伝子型)の異種移植片として増殖された、BT−474腫瘍細胞系の特定の変種の増殖を、試験化合物が阻害する能力を測定する(Baselga,J.他(1998)Cancer Research,58,2825〜2831)。
BT−474腫瘍細胞系(ヒト乳癌)を、Dr.Baselga(Laboratorio Recerca Oncologica,Paseo Vall D’Hebron 119〜129,Barcerona 08035,スペイン)から得た。この細胞系をサブクローニングし、ある集団(以後、「BT474C」と呼ぶ)を得た。
メススイス無胸腺(nu/nu遺伝子型)マウスを繁殖させ、陰圧隔離器(PFI System Ltd.)のAlderley Parkで維持した。マウスを、12時間の明/暗サイクルのバリア施設に収容し、滅菌した食物および水を適宜与えた。全ての手順を、少なくとも8週齢のマウスについて行った。BT474C腫瘍細胞異種移植は、1匹当たり50%Matrigelを含む無血清培地100μl中の、1×10個の新鮮な培養細胞の皮下注射によって、ドナーマウスの後側腹部に確立した。動物に、安息香酸エストラジオール(Mesalin,Intravet UK 0.2mg/ml)を補い、100μg/動物を、細胞移植の前日に皮下注射し、引き続き毎週、50μg/動物を追加免疫した。移植後14日目に、マウスを10個の群に無作為化して、0.1ml/10g体重で1日1回投与された、化合物またはビヒクル対照で処理した。腫瘍体積は、式(長さ×幅)×√(長さ×幅)×(π/6)(式中、長さは腫瘍の端から端までの最長直径であり、幅はこれに対応する垂直線である)を使用して、バイラテラルノギス測定によって毎週2回評価した。処理開始からの増殖阻害は、対照群と処理群との間での腫瘍体積の平均的変化を比較することによって計算し、これらの2つの群の間での統計的有意性を、ステューデントt検定を使用して評価した。
e)BT474細胞増殖アッセイ
BT474細胞は、上記にて論じたように、in vivoコンピテント細胞のサブクローニング済み集団である。
BT474Cアッセイは、MTS(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム、分子内塩−Promega G1111)エンドポイントベースの細胞増殖アッセイであり、試験化合物が4日間にわたって細胞増殖を阻害する能力について測定する。細胞を、増殖培地(10%ウシ胎児血清、10% M1サプリメント(AstraZeneca internal supply)、1%オキサロ酢酸を含有するフェノールレッドフリーダルベッコ改変イーグル培地(DMEM))内で、37℃の7.5%CO空気インキュベータ内で対数期まで増殖させる。細胞を、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4、Gibco No.10010−015)中で1回洗浄することによってストックフラスコから収集し、トリプシン(1.25mg/ml)/エチルアミンジアミン四酢酸(EDTA)(0.8mg/ml)溶液2mlを使用して除去する。細胞を、アッセイ培地(10%木炭/デキストランストリップウシ胎児血清、10%M1サプリメント、1%オキサロ酢酸を含有するフェノールレッドフリーダルベッコ改変イーグル培地(DMEM))に再懸濁する。細胞密度は血球計数器を使用して測定し、生存度はトリパンブルー溶液を使用して計算し、その後、さらにアッセイ培地中に希釈し、クリアボトム型96ウェルプレート(Costar 3598)にウェル当たり(100μl中)1×10細胞の密度で播く。もう1つ余分なプレートを設定して、第0日の対照プレートとして役立てる。
4時間後、用量応答の形をとる、100%DMSO(Sigma D5879)中に連続希釈された試験化合物を含有するアッセイ培地を、プレート全体に3重に添加した。第0日のプレートを、MTS溶液(テトラゾリウム化合物−エト硫酸フェナジン(PES−Sigma P4544PBS)/PBSに投入したMTS粉末から作製)で処理し、2時間インキュベートした後に、10%SDSを添加することによって反応を停止させる。プレートを、分光光度計で490nmで読み取る。
アッセイプレートを、37℃で4日間放置し、MTS溶液(上記の通り)で処理し、これを、活性細胞によって可溶性ホルマザン生成物に変換する。プレートを2時間インキュベートした後、10%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を添加することによって反応を停止させ、プレートを分光高度計で、490nmで読み取ることにより、変換された染料の濃度に対する吸光度の値が得られる。
各化合物に関して得られた吸光度用量応答データを、適切なソフトウェアパッケージ(Originなど)にエクスポートして、曲線当てはめの解析を行う。BT474C細胞増殖の阻害を、IC50の値として表す(log/linプロットを用いてGI50として計算する−第0日の吸光度の値よりも高いデータを分析する)として表す。これは、細胞増殖の50%阻害をもたらすのに必要とされる、化合物の濃度を計算することによって決定される。
f)hERGコード化カリウムチャネル阻害アッセイ
Ion Works(商標)HTの細胞培養:
Persson他により記述されたhERG発現チャイニーズハムスター卵巣K1(CHO)細胞(Persson,F.,Carlsson,L.,Duker,G.,およびJacobson,I.,Blocking characteristics of hERG,hNav1.5,およびhKvLQT1/hminK after administration of the novel anti−arrhythmic compound AZD7009.,J Cardiovasc.Electrophysiol.,16,329〜341.2005)を、L−グルタミン、10%ウシ胎児血清(FCS)、および0.6mg/mlハイグロマイシン(全てSigma)を含有するF−12 Ham培地において、37℃の加湿環境(5%CO)下で半集密状態に増殖させた。使用前に、予熱された(37℃)3mlの一定分量のVersene 1:5000(Invitrogen)を使用して、単層を洗浄した。この溶液を吸引した後、フラスコを、さらに2mlのVersene 1:5000と共に、37℃のインキュベータ内で6分間にわたりインキュベートした。次いで細胞を、穏やかに叩くことによってフラスコの底から切り離し、次いでカルシウム(0.9mM)およびマグネシウム(0.5mM)を含有するダルベッコ−PBS(PBS;Invitrogen)10mlをフラスコに添加し、15mlの遠心分離管内に吸引し、その後、遠心分離した(50g、4分間)。得られた上澄みを廃棄し、ペレットを、PBS 3ml中に穏やかに再懸濁した。細胞懸濁液0.5mlの一定分量を取り出して、トリパンブルー排除法(Cedex;Innovatis)に基づく生細胞数と、所望の最終細胞濃度をもたらすようにPBSで調節された細胞再懸濁液の体積とを決定した。Ion Works(商標)HT上で電圧オフセットを調節するのに使用されたCHO−Kv1.5細胞を維持し、調製して、同じ方法で使用した。
Ion Works(商標)HTの電気生理:
この機器の原理および操作については、Schroeder他により記述されている(Schroeder,K.,Neagle,B.,Trezise,D.J.,およびWorley,J.,Ionworks HT:a new high−throughput electrophyisiology measurement platform,J Biomol Screen,8,50〜64,2003)。簡単に言うと、この技術は、2つの隔離された流体チャンバを分離する小さな孔に、細胞を位置決めし保持するために、吸引を使用することによって各ウェルで記録が試みられる、384ウェルプレート(PatchPlate(商標))に基づいている。密閉を行ったら、PatchPlate(商標)の下側の溶液を、アンホテリシンBを含有するものに変更する。これは、各ウェルの孔を覆う細胞膜のパッチを透過化し、事実上、穿孔処理された全細胞パッチクランプ記録を行うことが可能になる。
Ion Works(商標)HT(Essen Instruments製β試験機)を、下記の方法に従って室温(約21℃)で操作した。「バッファ」ポジションにある貯蔵部に、PBS 4mlを投入し、「セル」ポジションにある貯蔵部に、上述のCHO−hERG細胞懸濁液を投入した。試験がなされる化合物が入っている(それぞれの最終試験濃度の3×)96ウェルプレート(V底、Greiner Bio−one)を、「プレート1」ポジションに配置し、PatchPlate(商標)をPatchPlate(商標)ステーション内にクランプ留めした。各化合物プレートを12列に配列して、10本の8点濃度効果曲線を構成できるようにし、プレート上の残りの2列は、ビヒクルで処理して(最終濃度0.33%DMSO)アッセイの基準線を画定し、超最大遮断濃度のシサプリドで処理して(最終濃度10μM)100%阻害レベルを決定した。次いで流体ヘッド(F−ヘッド)のIon Works(商標)では、PBS 3.5μlをPatchPlate(商標)の各ウェルに添加し、その下側には、下記の組成物、すなわちK−グルコネート100mM、KCl 40mM、MgCl 3.2mM、EGTA 3mM、およびHEPES 5mM(全てSigma)(10M KOHを使用してpH 7.25〜7.30)を有する「内部」溶液を満たした。次いでプライム処理および脱バブリングの後、電子ヘッド(E−ヘッド)をPatchPlate(商標)の周りを周回させ、孔の試験を行う(すなわち、電圧パルスを加えて、各ウェルの孔が開放されているか否かを決定する)。次いでF−ヘッドから、上述の細胞懸濁液3.5μlをPatchPlate(商標)の各ウェルに定量吐出させ、これらの細胞を200秒間供給して、各ウェルの孔に到達させ密閉した。この後、E−ヘッドをPatchPlate(商標)の周りで周回させて、各ウェルで得られた密閉抵抗を決定した。次に、PatchPlate(商標)の下側にある溶液を、下記の組成物、すなわちKCl 140mM、EGTA 1mM、MgCl 1mMおよびHEPES 20mM(10M KOHを使用して、pH 7.25〜7.30)、およびアンホテリシンB(全てSigma)100μg/mlを有する「アクセス」溶液に変更した。パッチ穿孔処理を9分間行った後、E−ヘッドを一度にPatchPlate(商標)48ウェルの周りに周回させて、プレ化合物hERG電流測定値を得た。次いでF−ヘッドでは、化合物プレートの各ウェルから得た溶液3.5μlを、PatchPlate(商標)上の4個のウェルに添加した(最終DMSO濃度は、全てのウェルにおいて0.33%であった)。これは、あらゆる化合物のキャリーオーバーの影響を最小限に抑えるために、化合物プレートの最も希釈されたウェルから最も濃縮されたウェルに移動させることによって実現させた。約3分半のインキュベーションの後、E−ヘッドをPatchPlate(商標)の384ウェル全ての周りに周回させて、ポスト化合物hERG電流測定値を得た。このように、非累積的濃度効果曲線を作成することができ、かなりのパーセンテージのウェルにおいて受入れ基準が達成される場合には(以下参照)、試験化合物の各濃度の影響は、1から4個の間の細胞の記録を基にした。
プレおよびポスト化合物hERG電流は、−70mVでの20秒間の保持、−60mMへ160ミリ秒ステップ(漏洩までの推定値を得るため)、−70mVへ100ミリ秒ステップバック、+40mVへ1秒ステップ、−30mVへ2秒ステップ、および最後に−70mVへ500ミリ秒ステップからなる単一の電圧パルスによって誘起された。プレおよびポスト化合物電圧パルスの間では、膜電位のクランピングはなかった。電圧パルスプロトコル開始時の+10mVステップ中に誘起される、電流の推定値に基づいて、電流から漏れ電流を差し引いた。電流信号を、2.5kHzでサンプリングした。
プレおよびポスト走査hERG電流の大きさは、−70mVでの初期保持期間中の電流(基準線の電流)の40ミリ秒平均値を得て、この値をテール電流応答のピーク値から差し引くことにより、Ion Works(商標)HTソフトウェアによって漏れ電流差引きトレースから自動的に測定した。各ウェルで誘起された電流の受入れ基準は:プレ走査密閉抵抗>60MΩ、プレ走査hERGテール電流の大きさ>150pA;ポスト走査密閉抵抗>60MΩであった。hERG電流の阻害の程度は、各ウェルごとに、ポスト走査hERG電流をそれぞれのプレ走査へRG電流で割ることによって評価した。
式Iのキナゾリン誘導体の薬理学的性質は、予想通り、構造変化に合わせて様々に変わり、一般に式Iのキナゾリン誘導体によって保有される活性は、上記試験(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)1つまたは複数において、下記の濃度または用量で実証することができる。
試験(a):例えば0.001〜1μMの範囲のIC50
試験(b):例えば0.001〜5μMの範囲のIC50
試験(c):例えば0.001〜5μMの範囲のIC50
試験(d):例えば1〜200mg/kg/日の範囲の活性;
試験(e):例えば0.001〜1μMの範囲のIC50
生理学的に許容されない毒性は、試験(d)において、本発明で試験されたキナゾリン誘導体の有効用量で観察されなかった。試験(f)は、目標とhERG活性との間での安全なマージンを示し、hERGチャネルの阻害によって引き起こされる不整脈が起こりそうもないことを示唆している。したがって、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が、以下に定義される投薬量範囲で投与される場合、有害な毒物学的作用は予測されない。
例として、表Aは、本発明による代表的なキナゾリン誘導体の活性を示す。表Aの第2欄は、EGFRチロシンキナーゼタンパク質リン酸化の阻害に関する試験(a)から得たIC50データを示し;第3欄は、erbB2チロシンキナーゼタンパク質リン酸化の阻害に関する試験(a)から得たIC50データを示し;第4欄は、上述の試験(c)におけるMCF7由来細胞系でのerbB2のリン酸化の阻害に関するIC50データを示す。
Figure 2008539216
本発明の別の態様によれば、式Iのキナゾリン誘導体、または製薬上許容される希釈剤もしくは担体に関連して上記にて定義された製薬上許容されるその塩を含む、医薬組成物が提供される。
本発明の組成物は、経口使用に適した形(例えば錠剤、ロゼンジ、硬質または軟質カプセル、水性または油性懸濁液、エマルジョン、分散性粉末または顆粒、シロップ、エリキシルなど)、局所使用に適した形(例えばクリーム、軟膏、ジェル、水性または油性溶液または懸濁液など)、吸入投与に適した形(例えば超微粒子粉末)、または非経口投与に適した形(例えば静脈内、皮下、または筋肉内投与のための滅菌水性または油性溶液として、または直腸投与のための坐薬として)をとることができる。
本発明の組成物は、当技術分野で周知の従来の医薬品賦形剤を使用して、従来の手順によって得てもよい。したがって、経口使用を目的とする組成物は、例えば1種または複数の着色剤、甘味料、香料、および/または保存剤を含むことができる。
単一剤形を生成する1種または複数の賦形剤と組み合わされる、活性成分の量は、治療がなされる宿主および特定の投与経路に必ず依存することになる。例えば、ヒトへの経口投与を目的とした製剤は、一般に、例えば活性剤0.5mgから0.5g(より適切な場合には0.5から100mg、例えば1から30mg)を、全組成物に対して約5から約98重量%まで変化させることができる適切かつ都合の良い量の賦形剤と配合させて、含有することになる。
式Iのキナゾリン誘導体の、治療または予防を目的とした用量サイズは、本来、動物または患者の状態、年齢、および性別と、投与経路に応じて、また医療の周知の原理に応じて変化することになる。
治療または予防の目的で式Iのキナゾリン誘導体を使用する際、一般に、例えば0.1mg/kgから75mg/kg体重の範囲内の日用量が与えられるように、また必要に応じて分割量で与えられるように投与することになる。一般に、より低い用量は、非経口経路を用いる場合に投与されることになる。したがって、例えば静脈内投与では、例えば0.1mg/kgから30mg/kg体重の範囲内の用量が、一般に使用されることになる。同様に、吸入投与では、例えば0.05mg/kgから25mg/kg体重の範囲内の用量が、使用されることになる。しかし、特に錠剤の形での経口投与が好ましい。典型的な場合、単位剤形は、本発明のキナゾリン誘導体を約0.5mgから0.5g含有することになる。
本発明者等は、本発明のキナゾリン誘導体が、そのerbB、特にFGFから、より具体的にはerbB2受容体チロシンキナーゼ阻害活性から生ずると考えられる、抗癌性などの抗増殖性を保有することを見出した。さらに、本発明によるキナゾリン誘導体の一部は、EGFRチロシンキナーゼなどのその他のチロシンキナーゼ酵素に対するよりも、erbB2受容体チロシンキナーゼに対してかなり良好な効力を保有する。そのようなキナゾリン誘導体は、erbB2受容体チロシンキナーゼを阻害するのに十分であるがEGFRなどのその他のチロシンキナーゼに対してはごくわずかありまたは著しく低い活性を示す量で、erbB2受容体チロシンキナーゼに対して十分な効力を保有する。そのようなキナゾリン誘導体は、erbB2受容体チロシンキナーゼの選択的阻害におそらくは役立てることができ、例えばerbB2で誘発される腫瘍の有効な治療におそらくは役立てることができる。
したがって、本発明のキナゾリン誘導体は、erbB単独でまたは一部がerbBによって、特にerbB2受容体チロシンキナーゼによって媒介された、疾患または病状の治療に役立つことが予測され、すなわちこの化合物は、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼ阻害効果を、上記治療を必要とする温血動物で発揮させるのに使用することができる。したがって本発明のキナゾリン誘導体は、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害によって特徴付けられる悪性細胞を治療するための方法を提供する。特に本発明のキナゾリン誘導体は、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害のみによって、または部分的な上記阻害によって、抗増殖および/またはプロアポトーシスおよび/または抗侵襲効果を発揮させるのに使用してもよい。特に本発明のキナゾリン誘導体は、これら腫瘍細胞の増殖および生存を促進させるシグナル伝達ステップに関与する、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害に対して感受性ある腫瘍の予防または治療に有用であることが予測される。したがって本発明のキナゾリン誘導体は、抗増殖効果を発揮することによって、いくつかの過剰増殖障害の治療および/または予防に有用であることが予測される。これらの障害には、例えば、乾癬、前立腺肥大症(BPH)、アテローム性動脈硬化症、および再狭窄が含まれ、特にerbB、より具体的にはerbB2受容体チロシンキナーゼ促進型腫瘍が含まれる。そのような良性または悪性腫瘍は、任意の組織に影響を及ぼす可能性があり、白血病や多発性骨髄腫、リンパ腫などの非充実性腫瘍と、例えば胆管、骨、膀胱、脳/CNS、胸、結腸直腸、頚部、子宮内膜、胃、頭頚部、肝臓、肺、筋肉、ニューロン、食道、卵巣、膵臓、胸膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、外陰腫瘍などの充実性腫瘍も含まれる。
本発明のこの態様によれば、医薬として使用される、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が提供される。
したがって本発明のこの態様によれば、ヒトなどの温血動物で抗増殖作用をもたらすのに使用される医薬の製造における、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用が提供される。
本発明のこの態様のその他の特徴によれば、前記動物に、有効量の、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与するステップを含む、そのような治療を必要とするヒトなどの温血動物で抗増殖作用をもたらすための方法が提供される。
本発明のその他の態様によれば、ヒトなどの温血動物で抗増殖作用をもたらすのに使用される、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が提供される。
本発明のその他の態様によれば、ヒトなどの温血動物のerbB2受容体チロシンキナーゼを阻害することによって単独でまたは部分的にもたらされる、抗増殖作用をもたらすのに使用される医薬の製造における、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用が提供される。
本発明のこの態様の、さらに別の特徴によれば、前記動物に、有効量の、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与するステップを含む、ヒトなどの温血動物でerbB2受容体チロシンキナーゼを阻害することによって単独でまたは部分的にもたらされる、抗増殖作用をもたらすための方法が提供される。
本発明のその他の態様によれば、ヒトなどの温血動物のerbB2受容体チロシンキナーゼを阻害することによって単独でまたは部分的にもたらされる、抗増殖作用をもたらすのに使用される、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が提供される。
本発明のその他の態様によれば、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼ単独でまたは部分的に媒介された疾患または病状(例えば、上述のような癌)の治療で使用される医薬の製造における、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用が提供される。
本発明のこの態様のその他の特徴によれば、温血動物に、有効量の、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容される塩を投与するステップを含む、そのような治療を必要とするヒトなどの温血動物のerbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼ単独でまたは部分的に媒介された疾患または病状(例えば、上述のような癌)を治療するための方法が提供される。
本発明のその他の態様によれば、erbBによって、特にerbB2受容体チロシンキナーゼ単独でまたは部分的に媒介された疾患または病状(例えば、上述のような癌)を治療するのに使用される、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が提供される。
本発明のその他の態様によれば、腫瘍細胞の増殖をもたらすシグナル伝達に関与する、EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(特にerbB2)受容体チロシンキナーゼなどの1種または複数のerb受容体チロシンキナーゼの阻害に対して感受性のある腫瘍の、予防または治療に使用される医薬の製造における、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用が提供される。
本発明のこの態様のその他の特徴によれば、前記動物に、有効量の、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与するステップを含む、そのような治療を必要とするヒトなどの温血動物での腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達ステップに関与する、EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(特にerbB2)受容体チロシンキナーゼなどの1種または複数のerb受容体チロシンキナーゼの阻害に対して感受性のある腫瘍を、予防しまたは治療するための方法が提供される。
本発明のその他の態様によれば、腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達ステップに関与する、EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(特にerbB2)受容体チロシンキナーゼなどの1種または複数のerbB受容体チロシンキナーゼの阻害に対して感受性のある腫瘍の、予防または治療で使用される、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が提供される。
本発明のその他の態様によれば、EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(特にerbB2)受容体チロシンキナーゼ阻害作用をもたらすのに使用される医薬の製造における、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用が提供される。
本発明のこの態様のその他の特徴によれば、前記動物に、有効量の、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与するステップを含む、そのような治療を必要とするヒトなドの温血動物でEGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(特にerbB2)受容体チロシンキナーゼ阻害作用をもたらすための方法が提供される。
本発明のその他の態様によれば、EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(特にerbB2)受容体チロシンキナーゼ阻害作用をもたらすのに使用される、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が提供される。
本発明のその他の態様によれば、選択的erbB2キナーゼ阻害作用をもたらすのに使用される医薬の製造における、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用が提供される。
本発明のこの態様のその他の特徴によれば、前記動物に、有効量の、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与するステップを含む、そのような治療を必要とするヒトなどの温血動物で選択的erbB2キナーゼ阻害作用をもたらすための方法が提供される。
本発明のその他の態様によれば、選択的erbB2キナーゼ阻害作用をもたらすのに使用される、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が提供される。
「選択的erbB2キナーゼ阻害作用」とは、式Iのキナゾリン誘導体が、erbB2受容体チロシンキナーゼに対してその他のキナーゼよりも強力であることを意味する。特に本発明による化合物のいくつかは、その他のerbB2受容体チロシンキナーゼなどのその他のチロシンキナーゼ、特にEGFRチロシンキナーゼに対するよりも、erbB2受容体キナーゼに対して強力である。例えば、本発明による選択的erbB2キナーゼ阻害剤は、適切なアッセイでの相対IC50値から決定されるように(例えば、上述の所与の試験化合物に関し、クローン24ホスホ−erbB2細胞アッセイから得たIC50値(細胞内でのerbB2チロシンキナーゼ阻害活性の尺度)とKB細胞活性から得たIC50値(細胞内でのEGFRチロシンキナーゼ阻害活性の尺度)とを比較することによる)、EGFRチロシンキナーゼに対するよりも、erbB2受容体チロシンキナーゼに対して少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍強力である。
本発明のその他の態様によれば、癌、例えば白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、胆管、骨、膀胱、脳/CNS、胸、結腸直腸、頚部、子宮内膜、胃、頭頚部、肝臓、肺、筋肉、ニューロン、食道、卵巣、膵臓、胸膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、外陰癌から選択された癌の治療で使用される医薬の製造における、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用が提供される。
本発明のこの態様のその他の特徴によれば、前記動物に、有効量の、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与するステップを含む、そのような治療を必要とするヒトなどの温血動物の癌、例えば白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、胆管、骨、膀胱、脳/CNS、胸、結腸直腸、頚部、子宮内膜、胃、頭頚部、肝臓、肺、筋肉、ニューロン、食道、卵巣、膵臓、胸膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、外陰癌から選択された癌を治療するための方法が提供される。
本発明のその他の態様によれば、癌、例えば白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、胆管、骨、膀胱、脳/CNS、胸、結腸直腸、頚部、子宮内膜、胃、頭頚部、肝臓、肺、筋肉、ニューロン、食道、卵巣、膵臓、胸膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、外陰癌から選択された癌を治療するのに使用される、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩が提供される。
上述のように、特定の疾患の治療または予防処置に必要とされる用量のサイズは、とりわけ治療がなされる宿主、投与経路、および治療がなされる病気の重症度に応じて必ず変わることになる。
本発明のキナゾリン誘導体は、本発明のキナゾリン誘導体を放出するために、ヒトなどの温血動物内で崩壊する化合物を意味するプロドラッグの形で投与することができる。プロドラッグは、本発明のキナゾリン誘導体の物理的性質および/または薬物動態的性質を変化させるのに使用してもよい。プロドラッグは、本発明のキナゾリン誘導体が、特性変更基を結合させることができる適切な基または置換基を含有する場合に、形成することができる。プロドラッグの例には、式Iのキナゾリン誘導体のヒドロキシ基で形成することができるin vivo切断性エステル誘導体、および式Iのキナゾリン誘導体のアミノ基で形成することができるin vivo切断性アミド誘導体が含まれる。
したがって本発明は、有機合成によって得ることができる場合、およびそのプロドラッグの切断を介してヒトまたは動物内で得ることができる場合に、上記にたて意義された式Iのキナゾリン誘導体を含む。したがって本発明は、有機合成手段によって生成される式Iのキナゾリン誘導体と、前駆化合物の代謝を経てヒトまたは動物内で生成されるようなキナゾリン誘導体とを含み、すなわちこの式Iのキナゾリン誘導体は、合成により生成されたキナゾリン誘導体、または代謝により生成されたキナゾリン誘導体である。
式Iのキナゾリン誘導体の、適切な製薬上許容されるプロドラッグは、望ましくない薬理活性なしに、かつ必要以上の毒性なしに、ヒトまたは動物への投与に適するような、妥当な医療判断に基づくものである。
様々な形のプロドラッグが、例えば下記の文書に記載されている。
a)Method in Enzymology,Vol.42,p.309〜396,K.Widder他編(Academic Press,1985);
b)Design of Pro−drugs,H.Bundgaard編(Elsevier,1985);
c)A Textbook of Drug Design and Development,Krogsgaard−LarsenおよびH.Bundgaard編,Chapter 5”Design and Application of Pro−drugs”,H.Bundgaard編,p.113〜191(1991);
d)H.Bundgaard,Advanced Drug Delivery Reviews,8,1〜38(1992);および
e)H.Bundgaard他,Journal of Pharmaceutical Sciences,77,285(1988)。
上記にて定義された抗増殖治療は、単独療法として適用してもよく、または本発明の化合物の他に、従来の手術または放射線療法または化学療法を含んでもよい。そのような化学療法は、下記の範疇の抗腫瘍剤の1種または複数を含んでもよい。
(i)アルキル化剤(例えばシス−プラチン、オキサプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾラミド、およびニトロソウレア);抗代謝剤(例えば、ゲムシタビンおよび葉酸代謝拮抗薬、例えば5−フルオロウラシルのようなフルオロピリミジンなど、タゲフール、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、およびヒドロキシウレア);抗腫瘍抗体(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトマイシン−C、ダクチノマイシン、およびミトラマイシンなどのアントラサイクリン);細胞分裂抑制剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビンのようなビンカアルカロイドと、タキソールおよびポロキナーゼ阻害剤のようなタキソイド);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィルロトキシン、アムサクリン、トポテカン、およびカンプトテシン)など、医療腫瘍学で使用される、その他の抗増殖/抗腫瘍薬と、これらの組合せ;
(ii)抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、およびヨードキシフェン)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、および酢酸シプロテロン)、LHRH拮抗薬またはLHRH作動薬(例えば、ゴセレリン、ロイプロレリン、およびブセレリン)、プロゲステロン(例えば、酢酸メゲステロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、およびエキセメスタン)などの細胞増殖抑制剤と、フィナステリドなどの5α−レダクターゼの阻害剤;
(iii)抗侵襲薬(例えば、4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]−5−テトラヒドロピラン−4−イルオキシキナゾリン(AZD0530;国際特許出願WO01/94341)およびN−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ}チアゾール−5−カルボキスアミド(ダサチニブ、BMS−354825;J.Med.Chem.,2004,47,6658〜6661)のようなc−Srcキナーゼファミリー阻害剤、およびマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性剤受容体機能の阻害剤、またはヘパラナーゼの抗体);
(iv)増殖因子機能の阻害剤:例えば、増殖因子抗体および増殖因子受容体抗体を含めた阻害剤(例えば、抗erbB2抗体トラスツズマブ[Herceptin(商標)]および抗erbB1抗体セツキシマブ[Erbitux,C225])など;チロシンキナーゼ阻害剤も含めた阻害剤など、例えば、表皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)、および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)−キナゾリン−4−アミン(CI1033)などのpEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、ラパチニブなどのerbB2チロシンキナーゼ阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、イマチニブなどの血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼなどのRas/Rafシグナル伝達阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY43−9006))、MEKおよび/またはAKTキナーゼを通した細胞シグナル伝達の阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、c−キット阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インスリン様増殖因子)キナーゼ阻害剤;オーロラキナーゼ阻害剤(例えばAZD1152、PH739358、VX−680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX−528、およびAX39459)、CDK2および/またはCDK4阻害剤などのサイクリン依存性キナーゼ阻害剤)など;
(v)血管内皮増殖因子の作用を阻害するような抗血管形成剤[例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバチズマブ(Avastin(商標))およびVFGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤であって、例えば4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;WO01/32651の実施例2)や4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212の実施例240)、バタラニブ(PTK787;WO98/35985)、SU11248(スニチニブ;WO01/60814)など、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856、およびWO98/13354に開示されているような化合物、その他のメカニズムによって作用する化合物(例えばリノミド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、およびアンギオスタチン)];
(vi)コムブレスタチンA4や、国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434、およびWO02/08213に開示されている化合物などの、血管損傷剤;
(vii)アンチセンス療法、例えば上記にて列挙された標的を対象とするもの、例えばISIS 2503、抗rasアンチセヌンスなど;
(viii)例えば、異型p53や異型BRCA1またはBRCA2などの異型遺伝子を置換するアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、または細菌性ニトロレダクターゼ酵素を使用するようなGDEPT(遺伝子対象酵素プロドラッグ療法)アプローチ、多剤耐性遺伝子療法などの化学療法または放射線療法に対する患者の耐性を増大させるアプローチを含めた遺伝子療法アプローチ;
(ix)例えば、インターロイキン2やインターロイキン4、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインによるトランスフェクションなど、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大させるex−vivoおよびin−vivoアプローチ、T細胞アネルギーを低下させるアプローチ、サイトカイントランスフェクト樹状細胞などのトランスフェクトされた免疫細胞を使用するアプローチ、サイトカイントランスフェクト腫瘍細胞系を使用するアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチを含めた免疫療法アプローチ。
そのような同席治療は、治療の個々の成分を同時に、順次に、または別々に用いることによって実現してもよい。そのような組合せの生成物は、本発明のキナゾリン誘導体を、先に述べた投薬量範囲内で用いられ、その他の製薬上の活性剤は、その許容された投薬量範囲内で用いられる。
本発明のこの態様によれば、癌の同席治療のために、上記にて定義された式Iのキナゾリン誘導体と、上記にて定義された追加の抗腫瘍剤とを含む医薬品が提供される。
式Iのキナゾリン誘導体は、温血動物(ヒトを含む)に使用される治療薬として第1に価値のあるものであるが、この誘導体は、erbB受容体チロシンタンパク質キナーゼの作用を阻害するのに必要とされる場合にも、いつでも役に立つ。したがって、これらの誘導体は、新しい生物学的試験の開発で、また新しい薬物の探求で使用される、薬理学的標準として有用である。
次に本発明を、下記の非限定的な実施例によって例示するが、他に特に指示がない限り、
(i)温度は摂氏温度(℃)で示され;操作は室温または周囲温度で実施され、すなわち18〜25℃の範囲内の温度で実施した;
(ii)有機溶液は、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し;溶媒の蒸発は、浴温度を最高60℃までとして、減圧下(600〜4000パスカル;4.5〜30mmHg)でロータリーエバポレータを使用して行った;
(iii)クロマトグラフィーは、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーを指し;薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲルプレート上で実施した;
(iv)一般に、反応の過程の後、TLCおよび/または分析LC−MSを行い、反応時間は単なる例示として示す;
(v)最終生成物は、満足のいくプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび/または質量スペクトルデータを有する;
(vi)収量は、単なる例示として示され、必ずしも入念なプロセス開発によって得ることができるものでなくともよく;調製は、より多くの材料を必要とする場合は繰り返した;
(vii)NMRデータが、大部分の診断用プロトンに関するデルタ値の形をとると仮定する場合であって、内部標準物質としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)と単位として示される場合は、他に特に指示しない限り、溶媒として過重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)を使用して300MHzで決定され;下記の略語を使用した:s、1重項;d、2重項;t、3重項;q、4重項;m、多重項;b、ブロード;
(viii)化学記号は、その通常の意味を有し;SI単位および記号が使用され;
(ix)溶媒の比は、体積で示される:体積(v/v)という用語;
(x)質量分析は、直接照射プローブ使用して、化学イオン化(CI)モードで70電子ボルトの電子エネルギーにより実施した;この場合、示されるイオン化は、電子衝撃(EI)、高速原子衝撃(FAB)、またはエレクトロスプレー(ESP)によって引き起こされた;m/zに関する値が与えられ;一般に、親質量を示すイオンのみが報告され;他に特に指示されない場合には、引用された質量イオンは(MH)であり、これはプロトン化質量イオンを指す;Mという記載は、電子の損失によって生成された質量イオンを指し;M−Hという記載は、プロトンの損失によって生成された質量イオンを指す;
(xi)他に特に指示しない限り、非対称に置換された炭素および/または硫黄原子を含有する化合物は、分解されていない;
(xii)合成が、先の実施例で述べたものと類似しているとして記述される場合、使用される量は、先の実施例で使用された量と均等なミリモル比である;
(xiii)全てのマイクロ波反応は、CEM Discover(商標)マイクロ波合成器で実施した;
(xiv)分取高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)は、下記の条件を使用して、Gilson機器上で行った:
カラム: 21mm×10cm Hichrom RPB
溶媒A: 水+0.1%トリフルオロ酢酸、
溶媒B: アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸
流量: 18ml/分
実行時間: 15分、および10分の勾配(5〜95%B)
波長: 254nm、バンド幅10nm
注入体積 2.0〜4.0ml;
(xv)下記の略語を使用した:
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート;および
THF テトラヒドロフラン;
DMF N,N−ジメチルホルムアミド;
DMA N,N−ジメチルアセトアミド;
DCM ジクロロメタン;
DMSO ジメチルスルホキシド;
IPA イソプロピルアルコール;
エーテル ジエチルエーテル;
TFA トリフルオロ酢酸。
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(2R)−2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]プロピル}アセトアミド
5−[(1R)−1−メチル−2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(204mg、0.47mM)およびトリエチルアミン(71mg、0.71mM)をジクロロメタン(5ml)に溶かした0〜4℃の撹拌溶液に、塩化アセトキシアセチル(71mg、0.52mM)を1滴ずつ添加した。溶液を周囲温度まで温め、30分間撹拌した。溶液をDCMで希釈し、水性NaCOで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、蒸発させてゴム状にした。
ゴムを、7.0M NH/メタノール(10ml)中に溶解し、18時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、標題の化合物をクロマトグラフィー(シリカ、5%メタノール/DCM)によって単離し、エーテルでの粉末化によって非晶質の固体を得た(143mg、61%);NMRスペクトル(400MHz,373°K)1.47(d,3H)、2.98(s,3H)、3.60(dd,1H)、3.97(bm,1H)、4.08(bm,3H)、5.12(m,1H)、5.49(s,2H)、6.52(d,1H)、7.07(d,1H)、7.21(d,1H)、7.26(dd,1H)、7.32(d,1H)、7.40(m,3H)、7.68(m,2H)、8.05(bm,1H)、8.41(s,1H)、8.54(d,1H)、9.91(s,1H);質量スペクトル MH 497。
出発物質として使用した5−[(1R)−1−メチル−2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミンは、下記の通り調製した:
(2R)−2−メチルオキシラン(13.76g)を、N−メチルプロポ−2−エン−1−アミン(25ml)およびトリフルオロメタンスルホン酸イテルビウム(III)(100mg)をジオキサン(100ml)に懸濁させた懸濁液に添加し、マイクロ波照射の下で1時間、140℃に加熱した。溶液を真空濃縮し、残留物を、水(100ml)と酢酸エチル(200ml)との間で分配した。有機抽出物を乾燥し、溶媒を真空除去することにより、(2R)−1−[アリル(メチル)アミノ]プロパン−2−オールが黄色の油として得られた(8.8g、29%);NMRスペクトル(CDCl)1.20(d,3H)、2.33(s,3H)、2.27〜2.46(m,2H)、3.05(m,1H)、3.23(m,1H)、3.88(m,1H)、5.19〜5.29(m,2H)、5.90(m,1H);質量スペクトル M 129。
DMF(0.2ml)を、5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−3H−キナゾリン−4−オン(1.64g)を塩化チオニル(10ml)に懸濁させた懸濁液に添加し、混合物を撹拌し、80℃で6時間加熱した。揮発性物質を蒸発によって除去し、残留物を、トルエン(20ml)と共に共沸させた。得られた固体を、その温度が5℃よりも低く保たれるように、少量ずつ、激しく撹拌された飽和重炭酸ナトリウム(50ml)、クラッシュアイス(50g)、およびDCM(50ml)の混合物に添加した。有機相を分離し、乾燥し、濃縮した結果、4−クロロ−5−フルオロキナゾリンが固体として得られ(1.82g、99%)、これを精製することなく使用した;NMRスペクトル(CDCl)7.35〜7.45(m,1H)、7.85〜7.95(m,2H)、9.0(s,1H)。
4−クロロ−5−フルオロキナゾリン(10.77g、59mM)および5−アミノインドール(7.80g、59mM)をイソプロパノール(200ml)に溶かした撹拌された部分溶液を、4時間加熱還流した。周囲温度に冷却したら、生成物である塩酸塩を濾別し、イソプロパノールおよびエーテルで洗浄した。円を、水/エタノールで加熱し、部分溶液をアンモニア水で塩基性にした。沈殿した5−フルオロ−N−1H−インドール−5−イルキナゾリン−4−アミンを濾別し、水(15.46g、94%)で洗浄した;NMRスペクトル 6.42(s,1H)、7.29(dd,1H)、7.38(m,3H)、7.58(d,1H)、7.80(m,1H)、7.89(s,1H)、8.48(s,1H)、9.07(d,1H)、11.08(s,1H);質量スペクトル MH 279。
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、1.26g、31.5mM)を、5−フルオロ−N−1H−インドール−5−イルキナゾリン−4−アミン(4.17g、15mM)および塩化2−ピコリル塩酸塩(2.58、15.75mM)をDMF(75ml)に溶かした撹拌済み部分溶液に、少量ずつ添加した。反応混合物を、わずかに冷却することによって周囲温度で維持し、18時間撹拌した。反応混合物を、飽和塩化アンモニア水溶液(5ml)の添加によってその反応を停止させ、高真空中で蒸発させた。残留物を、2.5M NaOH水溶液とDCMとの間で分配し、有機相を無水NaSO上で乾燥し、蒸発させた。生成物を、クロマトグラフィー(2%メタノール/酢酸エチル)によって精製し、エーテルでの粉末化により結晶化して、5−フルオロ−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミンを得た(1.34g、24%);NMRスペクトル 5.52(s,2H)、6.52(d,1H)、6.98(d,1H)、7.27(m,2H)、7.40(m,2H)、7.52(d,1H)、7.58(d,1H)、7.70(m,1H)、7.80(m,1H)、7.90(s,1H)、8.47(s,1H)、8.55(d,1H)、9.07(d,1H);質量スペクトル MH 370。
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、100mg、2.5mM)を、撹拌した乾燥THF(5ml)中に懸濁し、(2R)−1−[アリル(メチル)アミノ]プロパン−2−オール(323mg、2.5mM)を1滴ずつ添加した。5から10分間撹拌した後、5−フルオロ−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(369mg、1.0mM)を添加し、混合物を、マイクロ波反応器内で、130℃で30分間加熱した。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(1ml)を添加することによって、その反応を停止させ、2.5M NaOH水溶液とDCMとの間で分配した。有機相を無水NaSO上で乾燥し、蒸発させることによって、5−{(1R)−2−[アリル(メチル)アミノ]−1−メチルエトキシ}−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミンがゴムとして得られ(448mg、94%)、これをさらに精製することなく使用した;質量スペクトル MH 479。
5−{(1R)−2−[アリル(メチル)アミノ]−1−メチルエトキシ}−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(448mg、0.94mM)およびクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(70mg、0.075mM)をMeCN/水5:1(6ml)中に混合した、撹拌した混合物を、マイクロ波反応器内で20分間、110℃で加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物を、水とSCMとの間で分配した。有機相を、無水NaSO上で乾燥し、蒸発させた。生成物を、クロマトグラフィー(シリカ、2〜10%アンモニア−MeOH/DCM)によって単離し、エーテルでの粉末化によって結晶化して、5−[(1R)−1−メチル−2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミンを得た(273mg、66%);NMRスペクトル 1.43(d,3H)、2.13(広幅 s,1H)、2.33(s,3H)、2.89(m,2H)、4.89(m,1H)、5.50(s,2H)、6.50(d,1H)、6.96(d,1H)、7.14(d,1H)、7.25(m,2H)、7.38(m,2H)、7.50(d,1H)、7.68(m,2H)、8.13(s,1H)、8.40(s,1H)、8.53(d,1H)、10.52(s,1H);質量スペクトル MH 439。
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(R)−1−メチル−2−[4−(1−ピリジン−2−イルメチル−1H−インドール−5−イルアミノ)−キナゾリン−5−イルオキシ]−エチル}−アセトアミド
5−[(R)−2−(メチルアミノ)プロポキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(306mg、0.70mM)、グリコール酸(64mg、0.84mM)、およびジイソプロピルエチルアミン(226mg、1.755mM)をDMF(8ml)に溶かした周囲温度の撹拌溶液に、HATU(319mg、0.84mM)を少量ずつ添加した。溶液を、周囲温度で一晩撹拌した。溶液を、SCX−2カートリッジに通して、最初にメタノールで、次いで1%NH/メタノール溶液で離した。後者の画分を一緒にし、蒸発させた結果、金褐色の油が得られ、これをクロマトグラフィー(1〜10%メタノール/DCM)により精製し、エーテルでの粉末化により結晶した結果、標題の化合物が得られた(221mg、64%)。NMRスペクトル(400MHz,373°K)1.27(d,3H)、2.85(s,3H)、3.88〜3.92(m,1H)、3.96〜4.02(m,2H)、4.34〜4.39(m,1H)、4.47〜4.51(m,1H)、4.90(bs,1H)、5.48(s,2H)、6.50〜6.51(m,1H)、7.06(d,1H)、7.18(d,1H)、7.24〜7.30(m,2H)、7.32〜7.35(m,1H)、7.39〜7.44(m,2H)、7.66〜7.72(m,2H)、7.89〜7.91(m,1H)、838(s,1H)、8.53〜8.55(m,1H)、9.62(bs,1H);質量スペクトル MH 497。
出発物質として使用した5−[(R)−2−(メチルアミノ)プロポキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミンは、出発物質5−フルオロ−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミンおよび(R)−2−メチルアミノ−プロパン−1−オール(Becker他,J.Chem.Soc.1957,858に記載されるように調製した)を使用して、実質的に実施例1で述べたように(出発物質の調製)調製した。粗製物質を、クロマトグラフィー(1〜10%メタノール/DCM)によって精製することにより、5[(R)−2−(メチルアミノ)プロポキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]キナゾリン−4−アミンが80%の収率で得られた;NMRスペクトル(400MHz)1.18(d,3H)、2.36(s,3H)、3.05〜3.12(m,1H)、4.12〜4.15(m,1H)、4.27〜4.30(m,1H)、5.52(s,2H)、6.52(d,1H)、7.01(d,1H)、7.10(d,1H)、7.27〜7.31(m,2H)、7.41(d,1H)、7.46〜7.52(m,2H)、7.67〜7.75(m,2H)、8.15(d,1H)、8.43(s,1H)、8.55〜8.56(m,1H)、10.56(s,1H);質量スペクトル MH 439。

Claims (30)

  1. 式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩。
    Figure 2008539216
    (式中、
    は、水素、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4アルコキシC1〜4アルコキシから選択され;
    、G、G、G、およびGは、それぞれ独立に、水素およびハロゲノから選択され;
    は、SO、CO、SON(R)、およびC(Rから選択され、ここで各Rは独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され;
    は、アリールまたはヘテロアリールであり、アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を任意に有し;
    、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または
    およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成し、または
    およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成し;
    は、水素およびC1〜4アルキルから選択され;
    Aは、水素、式Z−(CR−の基、およびR10から選択され、
    ここでpは1、2、3、または4であり、
    およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合したRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、
    Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
    10は、C1〜4アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は、上記にて定義した通りであり、
    ZまたはR10基内のどのCHまたはCH基も、任意に、ハロゲノ、C1〜4アルキル、ヒドロキシ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1個または複数の置換基を有する)。
  2. が、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、およびメトキシエトキシから選択される、請求項1に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  3. が水素である、請求項2に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  4. 、G、G、G、およびGが、それぞれ独立に、水素、クロロ、およびフルオロから選択される、請求項1から3のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  5. 、G、G、G、およびGが全て水素である、請求項4に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  6. がC(Rであり、ここで各Rは独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択される、請求項1から5のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  7. がCHである、請求項6に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  8. が、フェニル、および5または6員の単環式ヘテロアリール環から選択され、該環は、酸素、窒素、および硫黄から独立に選択された1、2、または3個のヘテロ原子を含有し、フェニルまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1、2、または3個の置換基を任意に有する、請求項1から7のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  9. が、フェニル、2−ピリジル、および1,3−チアゾール−4−イルから選択され、任意に、ハロゲノ、シアノ、およびC1〜4アルコキシから独立に選択された1、2、または3個の置換基を有する、請求項8に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  10. が、フルオロ、クロロ、およびC1〜2アルコキシから独立に選択された1または2個の置換基を任意に有する2−ピリジルである、請求項9に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  11. が2−ピリジルである、請求項10に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  12. 、R、R、およびRが、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択される、請求項1から11のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  13. 、R、R、およびRが、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され、R、R、R、およびRの少なくとも1つがC1〜2アルキルである、請求項12に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  14. がメチルである、請求項1から13のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  15. Aが、式Z−(CR−の基であり、
    ここでpは1または2であり、
    およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
    Zは、水素、OR11、およびNR1213から選択され、ここでR11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素およびC1〜4アルキルから選択され、
    Z基内のどのCHまたはCH基も、ハロゲノ、C1〜2アルキル、およびヒドロキシから独立に選択された1個または複数の置換基を任意に有する、請求項1から14のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  16. Aが、式Z−(CR−の基であり、
    ここでpは1または2であり、
    およびRは、それぞれ独立に、水素およびC1〜2アルキルから選択され、
    Zはヒドロキシである、請求項15に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  17. Aがヒドロキシメチルである、請求項16に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  18. 下記の1つまたは複数から選択された、式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩。
    2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(2R)−2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]プロピル}アセトアミド;および
    2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(1R)−1−メチル−2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}アセトアミド。
  19. 請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を製薬上許容される希釈剤または担体と組み合わせて含む医薬組成物。
  20. 請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩と、癌の同席治療のための追加の抗腫瘍薬とを含む医薬品。
  21. 製薬上使用するための、請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩。
  22. 温血動物で抗増殖作用をもたらすのに使用される医薬の製造における、請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用。
  23. 温血動物に、有効量の、請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与することを含む、そのような治療を必要とする温血動物において抗増殖作用をもたらすための方法。
  24. erbB受容体チロシンキナーゼ単独でまたは部分的に媒介された、疾患または病状の治療で使用される医薬の製造における、請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用。
  25. 温血動物に、有効量の、請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与することを含む、そのような治療を必要とする温血動物においてerbB受容体チロシンキナーゼ単独でまたは部分的に媒介された疾患または病状を治療するための方法。
  26. 温血動物での腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達ステップに関与する、1種または複数のerbB受容体チロシンキナーゼの阻害に対して感受性のある腫瘍の予防または治療に使用するための医薬の製造における、請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用。
  27. 温血動物に、有効量の、請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与することを含む、そのような治療を必要とする温血動物での腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達ステップに関与する、1種または複数のerbB受容体チロシンキナーゼの阻害に対して感受性のある腫瘍を予防または治療するための方法。
  28. 癌の治療のための医薬の製造における、請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の使用。
  29. 温血動物に、有効量の、請求項1から18のいずれか一項または複数に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩を投与することを含む、そのような治療を必要とする温血動物において癌を治療するための方法。
  30. 下記の(a)、(b)、(c)または(d)のカップリングをし、そして、その後、必要に応じて、
    (i)式Iのキナゾリン誘導体を、式Iの別のキナゾリン誘導体に変換し;
    (ii)存在するどの保護基も除去し;および/または
    (iii)製薬上許容される塩を形成する
    ことを含む、請求項1に記載の式Iのキナゾリン誘導体または製薬上許容されるその塩の調製方法。
    (a)好適には適切な塩基の存在下での、式IIのキナゾリンと
    Figure 2008539216
    (式中、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、請求項1で定義された意味のいずれかを有する。)、
    式IIIのカルボン酸またはその反応性誘導体
    A−COOH
    III
    (式中、Aは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、請求項1で定義された意味のいずれかを有する。)
    とのカップリング;
    または
    (b)式Iのキナゾリン誘導体(ここでAは、式Z−(CR−の基であり、ZはNR1213である。)の調製では、式IVのキナゾリンと
    Figure 2008539216
    (式中、Lは、適切な置換可能な基であり、p、R、R、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、請求項1で定義された意味のいずれかを有する。)、式Vのアミン
    1213N−H

    (式中、R12およびR13は、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、請求項1で定義された意味のいずれかを有する。)
    とのカップリング;または
    (c)好適には適切な塩基の存在下、式VIのキナゾリンと
    Figure 2008539216
    (式中、R、R、R、R、R、R、A、G、G、G、G、およびGは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、請求項1で定義された意味のいずれかを有する。)、式VIIの化合物
    −X−L
    VII
    (式中、Lは、適切な置換可能な基であり、QおよびXは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、請求項1で定義された意味のいずれかを有する。)とのカップリング;
    (d)好適には適切な塩基の存在下、式VIIIのキナゾリンと
    Figure 2008539216
    (式中、Lは、適切な置換可能な基であり、R、R、R、R、R、R、およびAは、必要に応じてどの官能基も
    保護されること以外、請求項1で定義された意味のいずれかを有する。)、式IXの化合物
    Figure 2008539216
    (式中、G、G、G、G、G、Q、およびXは、必要に応じてどの官能基も保護されること以外、上記にて定義された意味のいずれかを有する。)とのカップリング。
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