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JP2008530300A - 高温熱安定性を有するビスマレイミド樹脂 - Google Patents

高温熱安定性を有するビスマレイミド樹脂 Download PDF

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JP2008530300A JP2007555110A JP2007555110A JP2008530300A JP 2008530300 A JP2008530300 A JP 2008530300A JP 2007555110 A JP2007555110 A JP 2007555110A JP 2007555110 A JP2007555110 A JP 2007555110A JP 2008530300 A JP2008530300 A JP 2008530300A
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サイテク・テクノロジー・コーポレーシヨン
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Abstract

本発明は、脂肪族ビスマレイミド化合物をエポキシ樹脂系に用いて、熱老化後の重量損失の低減で測定されるような減少したミクロクラックにより硬化された樹脂系の熱老化性を向上させることである。更に本発明は、未溶解の固体BMIを有さないが、スラリー化された固体BMI粒子を含むBMI樹脂処方物と同等の機械的性質を維持するBMI樹脂処方物を提供する。

Description

本発明は、複雑な且つ多様な高性能複合物用途に使用するためのビスマレイミド(BMI)樹脂に関する。好適な具体例において、本発明は、酸化禁止剤(oxidation
inhibitors)及び粘度改変剤として液体脂肪族BMI、特にヘキサメチレンジアミンビスマレイミド(HMDA−BMI)を樹脂に導入することにより改良された熱老化安定性とタック性能を有するBMIの組成物に関する。
積層ポリマーマトリックス複合物構造体は、多くの用途に広く使用されている。例えば複合物構造は高性能航空宇宙空間での用途の使用量が暫時増加している。しかしながら、これらの用途のいくつかは、複合物の部品製造組み立て(part manufacturing lay−up)中に改良されたタックを有するが、最終複合物に対しては高熱耐久性を必要としている。
航空宇宙工業における多くのポリマーマトリックス複合物部品は、エポキシが機械的性質、広い使用温度範囲、及び部品製造の容易さを良好に組み合わせて有するので、エポキシ樹脂を使用している。
しかしながら、極端な環境、例えば高温での用途に使用されるポリマーマトリックス複合物部品は、適切な熱耐久性に欠けている。現在、これらの極端な環境に抗する価格的に有利なポリマーマトリックス複合物部品は存在しない。現在使用されている最も高温のポリマーマトリックス複合物樹脂は、カリフォルニア、アナハイムのサイテック・エンジニアード・マテリアルズ社(Cytec Engineered Materials Inc.)からサイコム(CYCOM(R))2237として売られているPMR−15である。このPMR−15の開発以来、その使用を制限している過酷な限界を克服するPMR−15代替物を発見する研究が精力的に行われてきた。このPMR−15の限界は、ミクロクラックと費用のかかる加工にある。PMR−15を使用する際の更なる限界は、それが広範な環境規制を必要とする健康に有害な4,4’−メチレンジアニリン(MDA)を含むことである。
航空宇宙の用途がエポキシ樹脂の能力を越える厳しい温度を必要とする場合、BMI樹脂はその価格効果、エポキシ樹脂様の加工性、及び高温耐久性のために是認されつつある。現在のBMI樹脂はより高い使用温度を提供するが、PMR−15ほど高くはない。BMI樹脂に基づく複合物は149−232℃の温度範囲において優秀な機械的性質を持ち、ミクロクラックも環境的な危険もない。例えばサイコム5250−4BMI樹脂プレプレグは、サイテック・エンジニアード・マテリアルズ社から、高温用航空宇宙一次構造体製造材料として提供されている。しかしながら、そのTgはエポキシよりも高いけれど、PMR−15ほど高くなく、且つ多くの高温での用途に不十分である。
BMI樹脂は、高温性能を達成するために、2,2’−ジアリルビスフェノールA(DABA)と、芳香族ビスマレイミド,最も特に4,4’−メチレンジアニリンを含むビスマレイミド(MDA−BMI)との共反応で改変されている。この方法は特許文献1により完全に記述されている。更なるBMI樹脂は、特許文献2及び3に記述され、更なる固体の未溶解MBIを含んでいて、増大したタックとドレープ性をもたらす。これらのBMI樹脂は優れた機械性、特に高温性能、及び複雑な複合物部品への容易な加工性を与えるが、PMR−15の場合のような健康に有害なMDAを含むことの制限を除く。
この従来法は、一般にヘキサメチレンBMI(HMDA−BMI)をBMI樹脂系に導入するが、そのような添加が熱安定性を向上させるか、粘度を減じるか、またはタックを改善するかについて何も教示していない。確かにその技術は、脂肪族BMI、例えばHMDA−BMIの導入がTgを減じ、かくして適当でないことを示唆している。更に脂肪族BMIの樹脂系への添加によって、より多くの芳香族BMIが溶解し、かくしてアウトタイム(out time)に対する損失なく樹脂に導入できること、一方で粘度を減じて、プレプレグの製造中の炭素繊維へ十分滲みこみさせうることについての教示はない。
BMIに関する他の改良は、BDA−BMIとトルエンジアミンからの芳香族ビスマレイミドと2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMH−BMI)に由来する脂肪族ビスマレイミドとの、MDA−BMI/TDA−BMI/TMH−BMI約50/25/15の割合の共晶混合物として開示された、テクノへミー(Technochemie)による進歩である。これらの処方物は特許文献4及び5により詳しく記述されている。しかしながらこれらのいずれもが、熱安定性を向上させ、粘度を減じ、またはタックを改善するための脂肪族BMIの使用を開示していないし、示唆もしていない。
他の制限要因は、現在のBMI樹脂系固有の高粘度のために,熱可塑性物が現在のBMI樹脂系に溶解し得ないということである。現在のBMI樹脂系へ熱可塑性物有効量を溶解させると、得られる樹脂処方物は実際の適用範囲外の程度まで樹脂粘度が向上する。
現在のBMI樹脂処方物に対する他の制限は、それを複合物プレプレグ中へ導入したとき、ハニカムサンドイッチ部品を製造するのに適当な流動制御性にしばしば欠けることである。
BMI樹脂の改良は、TMH−BMI、カボシル(Cabosil)、及びポリイミド熱可塑性マトリミド(Matrimid)5218の添加による流動制御性改善の研究であった。そのような系は、サイテック・エンジニアード・マテリアルズ社の提供するサイコム5250−4と呼ばれる低流動BMI樹脂に基づくプレプレグ製品で商品化されている。しかしながらそのような系は最終複合物の高熱安定性に依然欠けている。ある技術はTMH−BMIが向上した粘性をもたらすはずであることを示唆したが、それはプレプレグの加工中、繊維に十分滲みこみ且つ十分なタックを有する材料を与えるほど粘度を低下させなかった。
ここに滲みこみ(impregnation)はプレプレグ中に濡れていない繊維のないことに関する複合物プレプレグの性質であり、またスリットテーププレプレグの用途にとって特に重要である。スリットテーププレプレグ系は、一般に炭素繊維を効果的に結合させて自動化配置中の毛羽立ち(fuzzing)を減じるために、十分に滲みこませることが必要である。そのようなことで、現在のBMIはその高粘度のために炭素繊維プレプレグに十分に滲みこみえないという更なる制限要因を持つ。
現在のBMIに基づく樹脂系は、BMIの35−46重量%が未溶解の個体の形で樹脂中にスラリーとして存在するから、十分滲みこみ難いことで知られている。すなわち、プレプレグの繊維を完全にぬらしうる繊維束の空隙を満たす液体樹脂は少ない。BMI樹脂を含むプレプレグを完全に滲みこませるためには、高加工温度が必要である。これらの加工条件は、十分な滲みこみを保障するが、製造条件を困難にさせ且つ部品の製造中の自動テープ配置(lay−up)に低速を使用することが必要となるほどタックをひどく低下させる。固体のBMI粒子は、十分なタックを保証するために樹脂には必要であると教示されている。しかしながらより多くの固体粒子を使用すると、アウトタイムは、粘性が使用不能な程度まで低下するまでに、しばしば2日以下に短縮される。
本発明は、高温複合物に、増大したタックと減少した粘度を与えて、十分に滲みこんだBMI樹脂に基づくプレプレグを可能にすることによって、上記問題点の多くを解決する。更に減少した粘度は熱可塑性硬化剤の添加をも可能にする。本発明は、最終複合物の増大した機械的及び熱的性能を付与する。従って、本発明は、全体でより多くのBMIを樹脂系に導入させること並びに弾性向上のために熱可塑性物を導入することを可能にする。
本発明のBMI樹脂系は、従来のものより高い温度での耐久性を有する。本発明は複合物の熱老化性の向上と配置(lay−up)中のタックの改善を提供する。本発明は、少なくとも約342℃のガラス転移温度Tgを与え、高温の機械的性質がPMR−15に同等であり、揮発物なしに硬化できる利点を持ち、有害な成分を含まず、そしてより低い粘度による樹脂注入法で使用する能力を提供する。これはPMR−15に優る顕著な利点である。
米国特許第4,100,140号 米国特許第5,003,018号 米国特許第5,747,615号 米国特許第4,211,861号 米国特許第4,211,860号
本発明は、脂肪族ビスマレイミド化合物の樹脂系における使用に関し、熱老化後の重量減少で測定されるようなミクロクラックの低減によって硬化された樹脂複合物系の熱安定性を向上させることである。
更に本発明は未溶解の固体BMIを有さないが、未溶解のBMI粒子を含むBMI樹脂処方物と同等の機械的性質を保持するBMI樹脂処方物を提供する。
本発明は脂肪族BMI化合物を使用して、硬化した樹脂の性能を維持しつつ樹脂中の全BMI含量を驚くほど増大させる。
更に本発明は炭素繊維系を十分に滲みこませるのに十分な低粘度を維持しつつ、BMI樹脂処方物に向上した熱安定性を付与する。
本発明の好適な具体例は、液相及び固相、すなわち液相の脂肪族BMI、及び芳香族BMIを含んでなる、但し芳香族BMIの約1−約45%がスラリー混合温度において固相で存在する、BMI樹脂系を提供する。
本発明の更に好適な具体例は、混合温度において液相だけ且つ実質的にモノマーである液相の脂肪族BMIを含んでなるBMI樹脂系を提供する。
本発明の更なる好適な具体例は、脂肪族BMI約2−20重量%、オレフィン性共反応物約20−60重量%及び芳香族BMI約20−80重量%を含んでなり、但し樹脂が450°Fでの熱老化に対して改良された安定性を示す、BMI樹脂を提供する。
より低い樹脂粘度は、ある未硬化樹脂の特性、例えば液体成形法における改良された加工性を改善する。またそれはBMIプレプレグ及び接着剤の取り扱い性、例えばタック及びドレープ性も改善する。本発明によって提供されるより低い樹脂粘度は、未硬化の及び硬化樹脂の特性、例えば樹脂粘度を使用できない程度に維持しながら弾性を改善するために、溶解した及び粒状の熱可塑性物によって樹脂を改良するという更なる利点を有する。
驚くべきことに、ヘキサメチレンジアミンビスマレイミド(HMDA−BMI)は酸化禁止剤及び粘度改変剤として好適であることが発見された。
従来法は、BMIの71%以上の増量は推奨できないことを示唆している。脂肪族BMIは、更に一般的には芳香族BMIを代替した時硬化樹脂のTgをかなり低下させることが教示されている。しかしながら、HMDA−BMIの添加は、全BMIのパーセントが70%を越えても、タックまたはタックの安定性の低下が見られない。より高割合のBMIはTgをかなり向上させる。
更に脂肪族BMIが熱安定性を向上させることは教示されておらず、またそれはより低いTg性のために熱安定性を低下するはずであるとされていた。しかしながら、HMDA−BMIは驚くことに樹脂の熱安定性を向上させ且つ熱老化中のミクロクラックを防止す
ることが発見された。
(発明の詳細な説明)
(定義)
「タック(tack)」とは、プレプレグの層を一緒に積層する(plying)ときに必要とされる性質を意味し、また後段での複合物部品への圧縮及び熱成形のために複雑な部品にとって必要とされるようなプレプレグを一緒に接着した状態に保てる能力に関するものである。
「ドレープ性(drape)」とは、プレプレグの層を一緒に積層するときに必要とされる性質を意味し、また複雑な部品にとって必要とされるプレプレグをための性能に関するものである。
「流動(flow)」とは、加工、硬化中におけるプレプレグの、最終複合物部品への樹脂移動を記述するものである。低流動はハニカムサンドイッチ複合物部品を製造するのに望ましい高粘度樹脂に関するものである。低流動はハニカム複合物部品を作るための硬化、加熱加工中において、樹脂を炭素繊維中に滞留せしめる。
低流動または高粘度は、典型的には非ニュートン流樹脂特性を向上させる流動改変剤、粘度向上剤、特に熱可塑性物、例えばカボシル(cabosil)、チクソトロープによって達成される。
「基本樹脂(base resin)」とは、ビスマレイミド樹脂に由来する及びそれを含む樹脂系を意味する。
「ビスマレイミド」または「BMI」とは、密接に関連したナジシミド(nadicimide)も意味する。好適なビスマレイミドは、トルエンジアミン、脂肪族アミン、メチレンジアニリン、脂肪族ジアミン、イソフォロンジアミン、などのビスマレイミド及びナジシミドである。適当なビスマレイミドの更なる例は、米国特許第4,644,039号及び第5,003,018号に開示されている。一般に、ビスマレイミドはアルケニルフェノールコモノマー、例えばO,O’−ジアリルビスフェノールA、O,O’−ジイソプロペニルビスフェノールA、アリルオイゲノール、アルケニルフェノキシベンゾフォンなどと共重合される。BMI樹脂が主な熱硬化性樹脂の場合、低粘度のエポキシ樹脂、例えばビスフェノールFエポキシまたはレゾルシノールに基づくエポキシを少量樹脂系に添加することがしばしば望ましい。
「禁止剤」とは、樹脂成分の反応性を減じる化合物を意味する。適当な禁止剤は技術的に公知であり、本発明は米国特許第5,955,566号に更に完全に記述されるような禁止剤の使用も包含する。
「触媒」とは、樹脂成分の反応を開始させる化合物を意味する。適当な触媒は技術的に公知であり、いくつかは米国特許第4,644,039号によりよく記述されている。
「液相成分」または「液体モノマー成分」とは、スラリー混合または混合工程温度において液体の反応性樹脂系成分を意味する。この反応性樹脂系成分は、唯一の反応性モノマー、同一のまたは異なる化学的機能性のいくつかの反応性モノマー、交叉硬化性(cross−curative)モノマーまたはオリゴマー改変剤、或いはそのような成分のほかに、他の非反応性の補助成分、例えば可塑剤、充填剤、含量、熱可塑性強靭剤、レオロジー調整剤,増粘剤を含んでいてもよい。
本発明の未硬化の液体モノマー成分は低ガラス転移温度及び/または低軟化点を有するべきである。好ましくは、ガラス転移温度は約5℃またはそれ以下であるが、ある用途、例えばプレプレグ予熱器を備えた自動配置装置で使用するためにはそれより高いガラス転移温度も許容できる。いずれかの場合、最終樹脂系のガラス転移温度は、意図する使用温度以下少なくとも約20−30℃及び好ましくはそれ以下であるべきである。最も好ましくは、液体モノマー成分のガラス転移温度は−10℃またはそれ以下である。
無数の可能性があるために、可能な液体モノマーを完全に表示することはできない。しかしながら次の種類の液体モノマーは典型的なものとして考慮できるが、限定するものでは
ない。
不飽和ポリエステルは適当な液体モノマーである。これらのポリマーはスラリー化温度で液体でなければならない。そのようなポリエステルは多塩基性酸と多官能性アルコールをエステル化することによって製造できるが、それらの少なくとも1つはエチレン性またはアセチレン性不飽和を含む。そのようなポリエステルは、最低の融点を有するために、しばしば酸とアルコールの混合物から合成される。そのような不飽和ポリエステルの例は、ハーマン・ベニッヒ{Herman Boenig}著、「不飽和ポリエステル」(エルセビア、ニューヨーク)に見出すことができる。この種の多くの樹脂は、しばしば他の重合しうる種、例えばスチレンを含んで商業的に入手できる。
イソシアネートは適当な液体モノマーである。適当なイソシアネートの例は、トルエンイソシアネート、例えば2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート及びこれらの混合物、ジイソシアナトジフェニルメタン、例えば2,2’−、2,4’−、4,4’−、及び3,3’−ジイソシアナトジフェニルメタン、及びこれらの混合物、イソフォロンジイソシアネート、及びポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートである。
ビスマレイミド樹脂は適当な液体モノマー、特に2種またはそれ以上の共晶混合物であってよい。そのようなBMIは商業的によく知られたもので、例えば無水マレイン酸と適当なジ−またはポリアミンの反応で製造できる。例えばトルエンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルオキシド、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルスルホン、及びこれらの同族体のマレイミドも有用である。米国特許第4,175,175号、第4,656,208号、及びヨーロッパ特許第A−0,130,270号に教示されているような、オキシド、スルフィド、スルホン、またはカルボニル基の介在するアミン末端ポリアリーレンオリゴマーのマレイミドも適当である。
ジ−及びポリアミンの脂肪族BMI、例えばトリメチルヘキサンジアミン(TMH−BMI)、ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミンビスマレイミドまたはHMDA−BMI)、オクタンジアミン、デカンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、及びイソフォロンジアミンに由来するものも適当である。
シアネート樹脂も適当な液体モノマーである。そのような樹脂はシアノーゲンハライドを芳香族ジ−またはポリオール、例えばレゾルシノール、ハイドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、クレゾール系及びフェノール系ノボラック,及び種々のビスフェノールと反応させることによって製造される。そのようなシアネートの共晶混合物も液体モノマーとして適当である。
上述の液体モノマーは、本発明の実施に適当な種々の化学種を例示するのに役立つ。液体であって、スラリー混合温度において実質的に反応しないという必要条件に適する他の化学的官能基を有する他のモノマーは、同業者が容易に理解できるものである。
種々のモノマーの混合物も使用できる。そのような混合物の例は、エポキシ樹脂及びジ−またはポリフェノール;エポキシ樹脂及びシアネート樹脂;シアネート樹脂及びビスマレイミド樹脂、及びエポキシ樹脂及びイソシアネート樹脂を含む。すべてのそのような樹脂混合物は、スラリー混合温度において互いに可溶化できるべきであり、スラリーの混合及び混合温度において実質的に反応すべきでなく、また成分のいずれかが固体の場合、それらの成分はその成分の貯蔵温度で溶解度以上の検知できる量で、或いは未硬化樹脂系のガラス転移温度を許容できない程度まで上昇させるような程度で存在すべきでない。
液相成分の反応性モノマーは、それらが互いに反応しないが、それら同士のまたは他の系の成分との硬化時に反応するという共反応性であり、或いはそれらは硬化温度に達したときに互いに反応する交叉硬化性であってよい。しかしながら液体モノマー成分の反応性モノマーはスラリー混合工程中に実質的な程度で反応してはならず、或いは樹脂の予兆的な進行(advancement)は起こってもよい。
強靱化剤(tougheners)、例えばO,O’−ジアリルビスフェノール及びO,O’−ジイソプロペニルビスフェノール、またはアリルフェノキシ、プロペニルフェノキシ、アリルフェニル及びプロペニルフェニル末端のオリゴマー強靱化剤は、ビスマレイミドを含む液体モノマーへ添加できる。他の成分も液体モノマーに添加できる。そのような他の改変剤が個体の場合、オリゴマー強靱化剤の場合のように、液相に含まれる量は改変剤の貯蔵温度での溶解度を認めうるほど越えないようにしなければならない。
「実質的な程度の反応」とは、樹脂系がフィルム接着剤の製造、フィルムのホットメルトプレプレグ化、溶融物からの繊維強化物への直接滲みこみに対してもはや適当でないほど進行しているような程度を意味する。これらの場合、樹脂はもはや本質的に熱可塑性でなく、すぐ上で確認した用途の1つを意図する場合に最終的な硬化が起こるような高融点の熱可塑性物であり、或いはホットメルトまたはフィルム滲みこみが可能でないような適当に昇温度で高粘度を有するものである。
「スラリー相溶性(slurry compatible)固体」とは、反応性の固体モノマーまたは熱可塑性強靱化剤を意味する。熱可塑性強靱化剤の場合、その熱可塑性物は硬化温度において可溶または不溶であってよい。可溶ならば熱可塑性物はスラリー混合温度以上の温度で溶解するであろうが、スラリー混合温度では溶解しない。あるいは、熱可塑性物はスラリー混合温度で実質的に可溶であってよいが、スラリー工程は最小量の熱可塑性物だけが溶解するような時間にわたって行ってよい。いずれの場合でも、該熱可塑性物はスラリー混合温度で固体でなければならない。
スラリー相溶性固体が反応性モノマーの場合、それは約250ダルトンより上の分子量を有し、好ましくは最終樹脂系中の反応性化学モノマーの大部分と同一の反応性官能基を有するであろう。
「スラリー混合工程温度」とは、混合が起こり且つ意図する固相成分を実質的に固相に維持する温度のいずれかを意味する。この温度は70−280°F,好ましくは約120−約200°F、最も好ましくは約140−160°Fであってよい。
「混合工程温度」とは、混合が起こり且つ樹脂混合物の実質的な単一液相を維持しうるいずれかの温度を意味し、同様に70−280°F,好ましくは約120−約200°F、最も好ましくは約140−160°Fであってよい。
「化学的に相溶である(chemically compatible)」とは、反応性モノマーがスラリー混合工程温度または混合工程温度において他のモノマーと実質的な程度まで反応または「交叉硬化(cross−cure)」しないであろうという状態を意味する。好ましくは、化学的官能基は液体モノマーの大部分と同一である。化学的官能基が同一でないならば、スラリー相溶性固体は、これら個々の基の反応が共通して見られるにつれて、主たる液体モノマーと反応してはならない。スラリー相溶性固体と液体モノマーが同一の官能基を有する場合の系の例は、固体エポキシ樹脂の液体エポキシ樹脂へのスラリー混合または固体シアネート樹脂の液体シアネート樹脂へのスラリー混合を含む。個々の官能基が同一でない例は、固体ビスマレイミドの、エポキシ樹脂とジフェノールの混合物へのスラリー混合であろう。化学的に相溶性でない、すなわち本発明の範囲外であるスラリー相溶性固体の例は、エポキシ樹脂系の硬化剤として使用する場合のジアミノジフェニルスルホンまたはジアミノジフェニルケトンである。
「物理的に相溶性である(phisically compatible)」とは、反
応性スラリー相溶性固体が硬化温度に等しいまたはそれ以下のある温度で全樹脂系に実質的に可溶でなければならないが、スラリー混合条件下に「実質的に可溶でない」ことを意味する。
「実質的に可溶でない」とは、スラリー混合工程中に液体モノマーに溶解する反応性モノマーのスラリー相溶性固体の量が、液体モノマーの成分としてすでに存在する同一のモノマーの量と組み合わさったときに、冷却中または貯蔵時に20mμより上の寸法の粒子が生成するような全樹脂系中のその成分の貯蔵温度溶解度をかなり越えないことを意味する。好ましくは反応性モノマーのスラリー相溶性固体はスラリー混合条件下において実質的に不溶であるであろう。これは低混合温度、短混合時間、またはその両方のために実質的に何も溶解しないことを意味する。
例えばいくつかのビスマレイミド及びジアリルビスフェノールAのようなコモノマーからなるビスマレイミド樹脂系において、液体モノマーはジアリルビスフェノールA、アルケニルフェノキシベンゾフォンなど、及びいくつかのビスマレイミドを溶液に含んでいてもよい。これらビスマレイミドの1つの更なる量が液体モノマー中にスラリー化されているならば、その添加された固体のビスマレイミドは実質的に溶解しないことが望ましい。しかしながら、冷却時にその粒状成分の溶解度がかなり越えない、すなわち約20μm、好ましくは10μm以上の寸法の結晶または結晶子(crystallite)が実質的な数で生成しない限りにおいて、いくらかの溶解は許容できる。
本明細書に定義されるように反応性であるが、エポキシ樹脂系中でスラリー相溶性固体でない成分の例は、種々の芳香族ジアミン硬化剤、例えばジアミノジフェニルスルホン及びジシアンジアミドである。これらの化合物は「スラリー相溶性固体」であるために必要な分子量制限に適合せず、また液体モノマーの主たる部分と交叉硬化するであろう。そのような硬化剤は、本明細書で定義するごときスラリー相溶性固体もスラリー混合される限り、所望により液体モノマーとスラリー混合してもよい。本発明で定義するごときエポキシ系でスラリー相溶性固体でない成分の他の例は、たとえ高分子量であっても脂肪族ジアミンである。この理由は、これらの化合物が反応性が高すぎて、スラリー混合温度においても樹脂を望ましくなく反応進行させるからである。
スラリー相溶性固体でない可能性のある成分の他の例は、カルボキシル及びアミノ末端アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン弾性体、例えばB.F.グッドリッチ・ケミカル社(B.F.Goodrich Chemical Co.,オハイオ州クリーブランド市オークツリー通り6100)の商品名ハイカー(HYCAR)RTMゴムとして売られているような固体弾性体である。これらの弾性体は多くの系に不溶且つ不融であり、従って熱可塑性のスラリー相溶性固体でも、反応性モノマースラリー相溶性固体でもない。
「エポキシ樹脂」とは、約2つまたはそれ以上の官能基を有するエポキシ樹脂が適当であることを意味する。液体エポキシ樹脂の例は、多くの参考文献、例えばリー(Lee)及びネビル(Neville)著、「エポキシ樹脂ハンドブック」、マックグロ−ヒル社(McGraw−Hill)及びメイ(May)編、「エポキシ樹脂、化学と技術」、マーセル・デッカー(Marcel Dekker)、1973年に記述されている。これらの液体系には、DGEBA及びDGEBF樹脂、より低分子量のフェノール系及びクレゾール系ノボラック樹脂、及びトリスグリシジルアミノフェノール(trisglycidyl aminophenol)樹脂が含まれる。これらの液体エポキシ樹脂及び少量の固体エポキシ樹脂、例えばテトラグリシジルメチレンジアニリン(TGMDA)または他の個体エポキシ樹脂の混合物も有用である。この場合、固体エポキシ樹脂の量は、固体エポキシ樹脂の、残存液体モノマー中貯蔵温度溶解度をかなり越えず、または未硬化樹脂系のガラス転移温度が許容できないほど高温にまで上昇しないような量であるべきである。
スラリー温度においてエポキシに可溶で、反応性がないまたはほとんど反応しないエポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の混合物も使用できる。そのような系の例は、種々のグリシジル官能性エポキシ樹脂の一つまたはそれ以上、及び芳香族アミン硬化剤、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルオキシド、及びジアミノジフェニルスルホン、特に後者を含むものである。しかしながらこれらの芳香族アミンのいくつかは固体であるので、それらには固体エポキシドを含む混合物と同じ制限が適用される。液体モノマー成分に溶解した固体硬化剤の量は、硬化剤の残存液体モノマー成分中貯蔵温度溶解度をかなり越えるべきでなく、未硬化樹脂系のガラス転移温度が許容できないほど上昇すべきでないような量であるべきである。
「オレフィン性共反応物」とは、米国特許第4,100,140号及び第5,003,018号に記述されているような共反応物、例えば2,2’−ジアリルビスフェノールA(DABA)などを意味する。
「スラリー混合工程」とは、種々の条件下でのスラリー混合工程を意味する。好ましくはスラリー相溶性固体を常法で細かく粉砕し、適当な分散手段により更なる樹脂成分中へ分散させる。例えば固体は米国特許第4,607,069号に開示されているようにジェットミルで微粒子に粉砕したものでもよい。最も好ましくは固体を約20μmより下、好ましくは10μmより下の粒径まで粉砕する。ついでこの微粉砕した粒子を例えば高せん断混合機を用い、液体モノマー成分の反応性及び粘度に依存して、室温より下から200℃より上までの範囲の温度で分散させる。
他に、スラリー相溶性固体を、5μmから3μmまでの寸法範囲の小さい粒子として液体モノマーに添加してもよい。この更なる寸法の低下は高せん断混合機を用いて達成できる。そのような高せん断寸法低減に適当な装置は、IKAマシネンバウ・ヤンケ・アンド・クンケ社(IKA−Machinenbau Janke and Kunke,GMBH,独国バド・クルチンガー(Bad Kruzinger)2 D−7812)製のルトラ‐ターラクス(ULTRA−TURRAX)RTM混合機である。そのような高せん断混合機はかなりの熱を発生するから、固体が液体モノマーに溶解したり、時期尚早の反応が起こるほど高温にまでスラリー混合温度が上昇しないようにしばしば冷却が必要である。
固体成分が比較的鋭い液体モノマーへの溶解度曲線を有し且つ過飽和溶液を形成する傾向のない場合に可能な他のスラリー混合手段は、固体モノマーを別の容器で溶融し、そして高せん断下に冷却しつつそれを液体モノマーに添加することである。いくつかの系では、すべての成分を一緒に溶融し、高せん断下に混合しつつ冷却することさえ可能である。しかしながらこの方法は、得られる熱硬化性樹脂系が高々準安定状態にあり、過飽和成分の結晶化による予想外の形態変化が起こる可能性を持つために、適当ではない。この技術を用いる液体モノマーの温度は、混合が終了したときにスラリー相溶性固体の固化温度以下でなければならない。そのような場合、「スラリー混合温度」は、その後者の温度である。
いずれにしても、スラリー混合工程後、得られる樹脂系は液体モノマーを含む連続相とスラリー共存固体の大部分を約50μmより下、好ましくは20μmより下、最も好ましくは10μmより下の平均寸法を有する粒子形で含む不連続(固体)相からなる。
「熱可塑性物」とは、好適なエンジニアリング熱可塑性物、例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリケトンスルホン、及び同様のポリマーを意味する。そのような熱可塑性物は好ましくは150℃より高い、好ましくは250℃より高いガラス転移温度を有する。
(処方物)
本発明は、脂肪族BMIモノマーをBMI基本樹脂系に導入して、硬化後のTgを低下させず且つ未硬化のTg及び粘度を低下させつつ、熱老化後の減少重量損失で測定されるような硬化複合物構造体の耐ミクロクラック形成を改善する処方物を含む。この低下した未硬化のTgは、手動または自動加工法による複雑な形のプレプレグへの加工を助成する。
最適な脂肪族BMIは、驚くべきことに未硬化樹脂の最適粘度を低下させるためにオリゴマーを本質的に含んでいない。
好適な脂肪族BMIは樹脂処方物の約40重量%まで、好ましくは2−20重量%、最も好ましくは約5−約10重量%の量のHMDA−BMIである。他の好適な脂肪族BMIは本質的にオリゴマーを含まない実質的にモノマーのTMH−BMIである。
本発明は、好ましくは芳香族BMI、好ましくは例えばMDA−BMIまたはTDA−MBIと組み合わせて使用される。米国特許第5,003,018号及び5,747,615号は、芳香族BMIのいくらかまたはすべてを粉砕し、これを微粒子として樹脂組成物に添加するスラリー混合法を完全に開示している。このとき脂肪族BMIは液相成分の一部である。
本発明は、処方物に導入できる芳香族BMIの全量をより高くすることを可能にする。芳香族BMIは樹脂処方物の約20−約90重量%またはそれ以上、好ましくは50−90重量%、最も好ましくは約60−約75重量%であってよい。
更に本発明は、70重量%より下の、好ましくは約50重量%より下の固体芳香族BMIモノマーをスラリー混合することを可能にする。
処方物に混合される芳香族BMIモノマーは少なければ少ないほど、タック安定性は良好である。更に自動配置は、乾燥繊維及び低滲みこみが原因の毛羽立ちが減るために改善される。
樹脂液体部分の脂肪族BMIモノマーの更なる利点は、未硬化の樹脂に「弾性」を付与する高分子量熱可塑性物の使用を可能にすることである。本発明では、約1−約20重量%、好ましくは1−約5重量%の量で熱可塑性物の添加が可能である。
本発明はいずれのBMI樹脂系にも適用できて、その取り扱い性を改善することができる。この化学物は、取扱い特性を減ずることなく、硬化後のTg及び熱的性質を向上させることのできるエポキシ及び他の樹脂系をも改良することができる。
(特性)
図1及び2はBMI樹脂及び標準的エポキシ樹脂を用いて作った複合物の機械的性質を例示する。多くの複合物は用いた樹脂とは無関係に同様の繊維に支配された性質を示すけれど、マトリックス樹脂は供用温度及び耐損傷性で異なる。図1及び2は、実施例8で例示するような広く使用されているBMI、すなわちサイコム5250−4から作った複合物及びエポキシ樹脂から作った複合物の機械的性質を比較する。
供用(service)温度は完全に水分で飽和された試料のオープン‐ホール(open−hole)圧縮(OHC)強度が310−207MPaという標準的な測定値から下降する温度としてしばしば定義される。しかしながら複合物の供用温度についての工業
的標準測定法はない。
図1は、BMIがすべての供用温度においてエポキシよりも高いOHCを与える。この図は少なくとも177℃の供用温度値を有する標準的なBMIのOHC値をエポキシのOHC値と比較する。このOHCデータは圧縮強度に対して設計された部品がエポキシよりもBMIにおいて軽量であり、或いはより大きな安全性の範囲を有することを示す。
図2はBMI樹脂に基づく複合物が中靱性のエポキシに等しい耐損傷性を与えることを例示する。この図は1500インチ‐ポンド/インチで衝撃後の耐損傷圧縮性に関してBMI樹脂をエポキシ樹脂と比較する。
中靭性は約207MPaの衝撃(CAI)後の残存圧縮強度で定義される。この耐損傷性値は多くの用途に対して適当であると考えられる。中靭性エポキシは耐損傷性及び湿式昇温度機械性のバランスが良好であるけれど、供用温度は一般に93−121℃に制限される。最近、航空宇宙工業は「中靭性エポキシ」を新規用途の基準として使用することを言及した。
図3は熱/湿式条件での室温圧縮及び曲げ強度に関して本発明のBMIを例示する。246℃(湿式)において、両試験における維持力(retention)は50%以上であった。これは少なくとも246℃(湿式)における使用能力を示す。航空宇宙工業は、昇温度/湿式(湿度飽和)において最小35%の機械的性質の維持力がその温度での使用で許容できるとして受け入れた。しかしながら湿式Tgデータは正確に測定するのがしばしば困難であり、図3に例示する曲げモジュラスの高維持力はほとんど下降せず、湿式Tgが246℃(湿式)以上であることを示す。
図4は本発明のBMIの乾式Tgが標準的BMI及びPMR−15樹脂系よりも高いことを示す。この図は本発明のBMI(実施例11)を標準的なBMI樹脂(実施例8)及びPMR−15樹脂の乾式Tgと比較している。
図5は本発明のBMIで作った複合物の、熱衝撃後の磨いた断面を示す。示されるように、ミクロクッラクは起こっていない。
耐久性の一つの尺度は空気中での昇温度老化における耐酸化性である。重量損失の機構は最も外側の層が老化中に酸化されることである。従来法のBMI樹脂からなる複合物の場合、この重量損失は約177℃以上で気になりはじまることが分かった。本発明の適用物は232℃及びそれ以上である。この工業的な標準最高重量損失は2%である。
図6は本発明のBMIの複合物(実施例11)に対して、232℃で2000時間の熱老化後の重量損失が丁度2%であることを示す。従来法のBMI(サイコム5250−4)(実施例8)の重量損失は約2.8%である。実施例10はいずれの脂肪族BMIを含まないBMI複合物試料を使用した。試料は空気循環炉において232℃で老化させ、重量損失、Tg変化及び断面を500、1000、及び2000時間で評価した。
図6からは、従来法のエポキシ樹脂が良好な耐熱老化性を与えるが、Tgは必要値よりも低いことが分かる。脂肪族HMDA−BMIを有さないBMIは高いTgを与えるが、貧弱な耐熱老化性を示した。本発明のBMI樹脂は驚くべきことに、より高いTgを与え、一方で依然として良好な耐熱老化性を提供した。
このデータは、本発明の高温性能がPMR−15に近いことを示唆する。本発明のBMIに基づく樹脂複合物は、同等の機械的性質を維持しつつ、標準的なBMIよりも高い熱安定性を有する複合物製品を与える。
本発明での硬化サイクル実験は、本発明の高温性能を更に例示する。予想される必要供用温度は232℃以上である。
図8は標準的なBMI樹脂に基づく複合物と本発明のそれの機械的性質を、2つの異なる後硬化(232℃/6時間及び266℃/6時間)で比較する。この機械的性質は室温232℃/湿式で試験した。本発明の樹脂系の最初の硬化は約191℃/6時間で従来法のBMIと同様であった。
本発明に基づく複合物の266℃/6時間後硬化における機械的性質は232℃/6時間よりも良好であることが分かった。
図8は本発明の物の232℃(湿式)機械的性質が標準的な450°Fでの後硬化において従来法のBMI樹脂に基づく複合物のそれのほとんど2倍であった。曲げ強度は昇温度における圧縮面での降伏に支配され、従って圧縮強度に対する優秀なスクリーン試験である。この試験において、本発明は従来法によるBMIの2倍以上の曲げ強度を示した。
本発明の更なる利点の1つは、その低粘度によるRTM(樹脂トランスファー成形)の可能性である。
本発明のBMI樹脂は、標準的なBMI樹脂よりも約100°F高い乾式Tgを示す。また本発明は標準的なBMIと比べて、450°F/湿式において約40−45%高いSBS及び45−75%高い曲げ強度も示す。室温SBSは標準的な製品よりも1ksi低いに過ぎなかった。また450°Fでの熱衝撃(5回サイクル)後のパネルにはいずれにもミクロクラックがなかった。
本発明を以下の実施例を参照にして例示する。
[実施例]
以下の実施例において、TgはTAインスツルメンツ(Instruments)社製DMA2980型ダイナミック・メカニカル分析機により5℃/分及び1Hzで測定した貯蔵モジュラスの勾配変化で測った。
プレプレグはサイテック・エンジニアード・マテリアルズのアナハイム工場においてT650−35 3K−8HSまたは2x2ツウィル(Twill)により製造した。硬化樹脂含量は公称32%及び35%であった。
パネルは種々の硬化サイクルを用いて高温、高圧のオートクレーブで製造した。製造したパネルは0.01−0.015インチの標的(target)CPTを有する。
実験はBMI−Hの変わりにHMDA−BMIを使用したときに起こる粘度の低下を評価して行った。結果はHMDA−BMIをより多く含む混合物が、より少ないHMDA−BMIの混合物の100000ポイズに対して8883ポイズの粘度を持つことを示した。
アルミニウム混合缶においてマトリミド5292B 138.63gを160°Fで添加することにより第1の処方物を製造した。次に1,4−ナフトキノン0.56gを樹脂に混合した。温度を235°Fまで上昇させ、HMDA−BMI27.72g及びMDA−BMI133.08gを樹脂に溶解させた。樹脂は100%均質になり、溶解していた。この樹脂を室温まで冷却した。
未硬化の純樹脂について、次の設定のARES−3レオメータを用いて室温(27℃)粘度を測定した:平行プレート、直径25mmのプレート、間隙.5mm、回転頻度10ラジアン/秒、ストレイン50%、時間10分間。室温粘度は100000ポイズであった。
アルミニウム混合缶においてマトリミド5292B 138.63gを160°Fで添加することにより第2の処方物を製造した。次に1,4−ナフトキノン0.56gを樹脂に混合した。温度を235°Fまで上昇させ、HMDA−BMI55.44g及びMDA−BMI105.36gを樹脂に溶解させた。樹脂は100%均質になり、溶解していた。この樹脂を室温まで冷却した。
この室温粘度を第1の処方物と同一の方法で測定した。それは8883ポイズであった。
複合物にした3つの樹脂混合物の実験において、5%HMDA−BMIを用いた処方物はより良好な機械的性質を持つことが分かった。3つの混合物における唯一の相違は、BMIをHMDA−BMIの5%及び10%で置き換えたことである。この機械的結果は、5%改変がBMI−Hだけの処方物よりもわずかに昇温度での機械的性質を低下させるに過ぎないということを示す。
10ガロンのマイヤー(Myer)混合機において、マトリミド5292B7.5ポンドを160°Fで添加することにより第1の処方物を作った。次に1,4−ナフトキノン13.6gを樹脂に混合した。温度を200°Fまで上昇させ、HMDA−BMI(粒径<20μm 90%)22.47ポンドを樹脂にスラリー混合した。この樹脂を室温まで冷却した。最終樹脂系を、シリコーンを塗布した剥離紙上にコーティングし、カーボン/グラファイトプレプレグを製造するために使用した。
このプレプレグ8層を一緒に積層することによって積層物を作った。これをオートクレーブにより85psi、375°Fで6時間硬化させた。ついで炉中510°Fで6時間、自由放置の後硬化を完結した。
Tgを、TAインスツルメンツ社製DMA2980型ダイナミック・メカニカル分析機により5℃/分及び1Hzで測定される貯蔵モジュラスの勾配変化で測った。Tgは662°Fであった。
ASTM2344−98法により、室温乾式(RTD)及び475°F湿式(4日沸騰水)でショート・ビーム(short beam)せん断(SBS)試験を行った。試料の大きさは0.25インチx0.086インチで、スパンと深さの比は4:1であった。このSBA強度はRTDに対して8.7ksi及び475°F湿式に対して4.2ksiであった。
10ガロンのマイヤー混合機において、マトリミド5292B7.5ポンドを160°Fで添加することにより第2の処方物を作った。次に1,4−ナフトキノン13.6gを樹脂に混合した。温度を235°Fまで上昇させ、HMDA−BMI1.5ポンドを樹脂にスラリー溶解させた。この樹脂は100%均質であり、この段階で溶解した。温度を180°Fまで低下させ、HMDA−BMI(粒径<20μm 90%)20.97ポンドを樹脂にスラリー混合した。この樹脂を室温まで冷却した。最終樹脂系を、シリコーンを塗布した剥離紙上にコーティングし、カーボン/グラファイトプレプレグを製造するために使用した。このプレプレグから、第1の処方物と同じように積層物を製造した。
Tg及びSBS強度を第1の処方物と同じようにして測定した。Tgは681°Fで、SBSはRTDに対して9.5ksi及び475°F湿式に対して4.1ksiであった。
この第2の処方物からの機械的結果は、HMDA−BMIを用いる5%改変がBMI−Hだけの処方物と比べて昇温度の機械的性質を低下させなかった。
10%HMDA−BMIを用いた第3の処方物も製造したが、得られる複合物の試験はわずかに低下した機械的性質を示した。
HMDA−BMIを用いて混合した樹脂処方物をフィルムにし、プレプレグを製造した。このプレプレグ材料は良好な粘性を有し、HMDA−BMIを有さず、BMI−Hだけを含む処方物よりも容易に粘性の損失少なく滲みこんだ。このアウトライフ(out−life)はHMDA−BMIを有さず、BMI−Hだけを含む材料と同様であった。
アルミニウム混合缶において、マトリミド5292B625gを160°Fで添加することにより処方物を作った。次に1,4−ナフトキノン2.5gを樹脂に混合した。温度を255°Fまで上昇させ、HMDA−BMI 75g及びMDA−BMI597.5gを樹脂に溶解した。この樹脂は100%均質であり、この段階で溶解していた。温度を180°Fまで低下させ、HMDA−BMI(粒径<20μm 90%)1150gを樹脂にスラリー混合した。この樹脂を室温まで冷却した。最終樹脂系を、シリコーンを塗布した剥離紙上にコーティングし、カーボン/グラファイトプレプレグを製造するために使用した。プレプレグは良好な粘性とドレープ性及び粘性安定性を有した。
下記の表に示す3つの処方物を標準的な方法で製造した。ついで標準的な方法でこれから複合物を製造し、次いで試験した。
処方物1はサイテック・エンジニアード・マテリアルズからサイコム5250−4として入手できる液体BMIを含まないBMIに基づくプレプレグであった。
処方物2はサイテック・エンジニアード・マテリアルズからサイコム5250−4LFとして入手できる液体TMH−BMIを含むBMIに基づくプレプレグであった。
処方物3は、アルミニウム混合缶において、マトリミド5292B837gを200°Fで添加することにより処方物を作った。次に1,4−ナフトキノン3gを樹脂に混合した。温度を280°Fまで上昇させ、ウルテム(Ultem)1000P 1210gを樹脂に溶解した。温度を235°Fまで低下させ、HMDA−BMI 300g及びMDA−BMI597.5gを樹脂に溶解させた。この樹脂は100%均質であり、この段階で溶解していた。温度を180°Fまで低下させ、TDA−BMI115015.33g及びMDA−BMI29.67gを樹脂にスラリー混合した。この樹脂を、予混合物(マトリミド5292B95%及びTPP5%)90gの添加により触媒反応させた。この樹脂を室温まで冷却した。最終樹脂系を、シリコーンを塗布した剥離紙上にコーティングし、公称樹脂含量35%でIM7繊維上カーボン/グラファイトプレプレグを製造するために使用した。
積層物をこのプレプレグから製造し、85psi、375°Fのオートクレーブ中で6時間硬化させた。炉中440°Fで6時間、自由放置の後硬化を完結した。
処方物3のプレプレグの粘性、樹脂タンデルタ(tan delta)、及び積層物の機械的性質(Tg、CAL、OHC、及びEDS)の結果は、表1に報告するような2つの標準的な製品(サイコム5250−4及びサイコム5250−4LF)に匹敵した。
接触によりプレプレグの粘性を測定した。粘性にはリヒャート(lichert)スケールを使用した(5は高粘性、0は粘性なし)。
TgはTAインスツルメンツ社製DMA2980型ダイナミック・メカニカル分析機により5℃/分及び1Hzで測定したタンデルタのピークで採った。湿式Tgの結果は沸騰水中4日間で調整した。
室温(27℃)タンデルタは、次の設定のARES−3レオメータを用いて未硬化の純樹脂について測定した:平行プレート、直径25mmのプレート、間隙.5mm、回転頻度10ラジアン/秒、ストレイン50%、時間10分間。
衝撃後の圧縮(CAI)値を、サクマ(SACMA)SRM02R94試験法を用い、1500インチ‐ポンド/インチの力衝撃で測定した。
オープン‐ホール圧縮(OHC)の結果はサクマ(SACMA)SRM02R94試験法を用いて測定した。
端部剥離強度(EDS)結果は、SPTPT01−Aの4.27試験法を用いて測定した。
Figure 2008530300
処方物3は1日後で最良の粘性値を示した。また処方物3はHMDA−BMIのない処方物に同等のまたはそれ以上の機械的性質を示した。
実施例2の第2の処方物で記述したような本発明の基本ポリマーを含むプレプレグから複合物積層物を作り、232℃、10サイクルの熱衝撃に供した。この1サイクルは室温(24℃)の試料を232℃の炉に30分間置き、ついで試料を室温に30分間取り出すことからなった。クーポンを磨き、顕微鏡で検査した。ミクロクラックはなかった(図5)。
アルミニウム混合缶において、マトリミド5292B150gを室温で添加することにより処方物を作った。温度を121℃まで上昇させた。次に1,4−ナフトキノン水和物1g及び芳香族BMI290gを混合物に溶解した。この混合物は100%均質であり、この段階で溶解していた。温度を71℃まで低下させ、芳香族BMI粒子(90%<20μm)460gを混合物にスラリー混合した。最終樹脂系を、シリコーンを塗布した剥離紙上にコーティングし、カーボン/グラファイトプレプレグを製造するために使用した。
このプレプレグ8層を一緒に積層して積層物を製造した。これを85psi、375°Fのオートクレーブ中で6時間硬化させた。炉中510°Fにおいて、自由放置の後硬化を完結した。
積層物を4“x4”の試料に切断し、450°Fの炉に2000時間入れた。試料を老化前後で秤量して重量損失を決定した。重量損失は4.8%であった。積層物の断面を磨くと、部品の厚さにわたるミクロクラックと酸化がはっきりした。
アルミニウム混合缶において、マトリミド5292B150gを室温で添加することにより処方物を作った。温度を121℃まで上昇させた。次に1,4−ナフトキノン水和物1g、HMDA−BMI50g、及び芳香族BMI240gを混合物に溶解した。この混合物は100%均質であり、この段階で溶解していた。温度を71℃まで低下させ、芳香族BMI粒子(90%<20μm)460gを混合物にスラリー混合した。最終樹脂系を、シリコーンを塗布した剥離紙上にコーティングし、カーボン/グラファイトプレプレグを製造するために使用した。
このプレプレグ8層を一緒に積層して積層物を製造した。これを85psi、375°Fのオートクレーブ中で6時間硬化させた。炉中510°Fにおいて、自由放置の後硬化を完結した。
積層物を4“x4”の試料に切断し、450°Fの炉に2000時間入れた。試料を老化前後で秤量して重量損失を決定した。重量損失は2.2%であった。積層物の断面を磨くと、積層物の上面及び下面にだけにミクロクラックと酸化が見えた。
積層物を実施例7に従って製造した。ガラス転移温度(Tg)を、TAインスツルメンツ社製DMA2980型ダイナミック・メカニカル分析機により5℃/分及び1Hzで測定した。Tgのデータは貯蔵モジュラス曲線からの開始温度である。この材料のTgは650°Fであった。
ASTM2344−98法により、ショート・ビームせん断(SBS)試験を行った。試料の大きさは0.25インチx0.086インチで、スパンと深さの比は4:1であった。このSBA強度は70MPaであった。
アルミニウム混合缶において、マトリミド5292B400gを室温で添加することにより処方物を作った。温度を121℃まで上昇させ、芳香族BMI200gを混合物に溶解した。この混合物は100%均質であり、この段階で溶解していた。温度を71℃まで低下させ、芳香族BMI粒子(90%<20μm)400gを混合物にスラリー混合した。最終樹脂系を、シリコーンを塗布した剥離紙上にコーティングし、カーボン/グラファイトプレプレグを製造するために使用した。
このプレプレグ8層を一緒に積層して積層物を製造した。これを85psi、375°Fのオートクレーブ中で6時間硬化させた。炉中510°Fにおいて、自由放置の後硬化を完結した。
Tg及びSBSを実施例8と同一の方法で測定した。この材料に対してTgは600°F、SBS強度は49MPaであった。
アルミニウム混合缶において、マトリミド5292B400gを室温で添加することにより処方物を作った。温度を121℃まで上昇させ、芳香族BMI600gを混合物に溶解した。この混合物は100%均質であり、この段階で溶解していた。最終樹脂系を、シリコーンを塗布した剥離紙上にコーティングし、カーボン/グラファイトプレプレグを製造するために使用した。このプレプレグは粘性もドレープ性も有さなかった。
アルミニウム混合缶において、マトリミド5292B400gを室温で添加することにより処方物を作った。温度を121℃まで上昇させ、HMDA−BMI100及び芳香族BMI500gを混合物に溶解した。この混合物は100%均質であり、この段階で溶解していた。最終樹脂系を、シリコーンを塗布した剥離紙上にコーティングし、カーボン/グラファイトプレプレグを製造するために使用した。このプレプレグは良好な粘性とドレープ性を示した。
複合物プレプレグを実施例6に従って製造した。この材料は粘性もドレープ性もなかった。
複合物プレプレグを実施例7に従って製造した。この材料は良好な粘性とドレープ性を示した。
図1は標準的なBMIのOHC値と標準的なエポキシ樹脂系のOHC値とを比較する。 図2は標準的なBMIと標準的なエポキシ樹脂系の衝撃後の圧縮による損傷耐性を例示する。 図3は本発明の室温圧縮と曲げ強度を例示する。 図4は従来法のBMI系、本発明の系及びPMR−15系で成形した複合物の乾式Tgを比較する。 図5は熱衝撃老化試験後にミクロクラックを示さない本発明から作った複合物の磨いた断面を例示する。 図6はPMR−15、本発明、及び従来法のBMI系に対する232℃、2000時間後の重量損失を比較する。 図7は本明細書で議論する種々の化合物の化学処方物を例示する。 図8は標準的な樹脂に基づく複合物と本発明のものの、2つの異なる後硬化(232℃/6時間及び266℃/6時間)における機械的性質を比較する。

Claims (20)

  1. 液相及び固相を含んでなる基本樹脂系;基本樹脂系の約2−約20重量%を形成する液相の脂肪族BMI;芳香族BMIを含んでなる、但し芳香族BMIは約1−約45%がスラリー混合温度において固相で存在し且つ基本樹脂処方物の約50−90重量%を形成する、熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  2. 脂肪族BMIが実質的にモノマーである、請求項1の熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  3. 熱可塑性物を更に含んでなる、請求項1の熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  4. 脂肪族BMIがHMDA−BMIである、請求項1の熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  5. 禁止剤を更に含んでなる、請求項1の熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  6. スラリー混合温度が140−180°Fである、請求項1の熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  7. 固相芳香族BMIの約90−約100重量%が20μmまたはそれ以下の粒径を有する、請求項1の熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  8. 混合温度において液相だけを含んでなる基本樹脂系;実質的にモノマーである液相の脂肪族BMI、を含んでなる、熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  9. 熱可塑性物約1−約10重量%を更に含んでなる、請求項11の熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  10. 芳香族BMIを更に含んでなる、請求項12の熱硬化性ビスマレイミド樹脂系。
  11. 脂肪族BMI約2−20重量%;
    オレフィン性共反応物約15−60重量%;
    芳香族BMI約20−80重量%;
    を含んでなる、但し樹脂が約350−約600°Fにおける老化に対して改良された安定性を示す、熱硬化性樹脂。
  12. 熱老化後の重量損失が2.8%未満である、請求項11の熱硬化性樹脂。
  13. 触媒を更に含んでなる、請求項11の熱硬化性樹脂。
  14. 禁止剤を更に含んでなる、請求項11の熱硬化性樹脂。
  15. 流動調整剤を更に含んでなる、請求項11の熱硬化性樹脂。
  16. 熱可塑性物約0.5−約20重量%を更に含んでなる、請求項11による熱硬化性樹脂。
  17. 全樹脂改変剤が約30重量%またはそれ以下である、請求項11による熱硬化性樹脂。
  18. タックが、芳香族BMIだけを含んでなる同等のBMI樹脂処方物よりも増大している、請求項11による熱硬化性樹脂。
  19. オレフィン性共反応物が2,2’−ジアリルビスフェノールAまたはアルケニルフェノキシベンゾフォンである、請求項11の熱硬化性樹脂。
  20. 全BMI約70−約85重量%;
    オレフィン性共反応物約15−約30重量%
    を含んでなる、但し樹脂のTgが約500−750°Fである、熱硬化性樹脂系。
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