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JP2008523958A - ポリシロキサン、合成方法および眼用組成物 - Google Patents

ポリシロキサン、合成方法および眼用組成物 Download PDF

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JP2008523958A JP2007548351A JP2007548351A JP2008523958A JP 2008523958 A JP2008523958 A JP 2008523958A JP 2007548351 A JP2007548351 A JP 2007548351A JP 2007548351 A JP2007548351 A JP 2007548351A JP 2008523958 A JP2008523958 A JP 2008523958A
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Abstract

線状ポリシロキサンコポリマーは少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を有する。このポリマーは、塩基触媒による重合と、酸触媒による再分布化との組合せを含むプロセスによって調製され、眼内レンズを現場において形成するための眼用組成物を調製するために好適である。

Description

(関連出願)
本出願は、米国特許出願第60/637,861号(2004年12月20日出願)およびスウェーデン国特許出願番号0403093−8(2004年12月20日出願)(これらはともにその全体が本明細書中に組み込まれる)の米国特許法119条による優先権を主張する。
本発明は、少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を有するポリシロキサンに関する。1つの実施形態において、本発明のポリシロキサンは1.40〜1.45の屈折率および1g/cmを超える密度を有する。さらに、本発明はまた、そのようなポリシロキサンの合成、および、少なくとも1つのポリシロキサンを含有し、眼内レンズを形成する際に使用するために好適な注入可能な眼用組成物に関する。
ヒトの眼は、高度に進化した複雑な感覚器官である。ヒトの眼は、虹彩に向かって光線を屈折させる角膜(すなわち、透明な外側組織)、瞳孔のサイズを制御し、従って、眼に入る光の量を調節する虹彩、および、入射する光を、硝子体液を通って網膜上に収束させる水晶体から構成される。網膜は、入射する光を電気的エネルギーに変換し、この電気的エネルギーは脳幹を通って、視覚像をもたらす後頭皮質に伝えられる。完全な眼では、角膜から水晶体および硝子体液を通って網膜までの光路には障害がない。これらの構造体の内部での透明性における何らかの障害または喪失は光線の散乱または吸収を引き起こし、その結果、視力の低下をもたらす。例えば、角膜は損傷を受け、これにより、浮腫、瘢痕形成または表皮剥離を生じさせる可能性がある;水晶体は、酸化的損傷、外傷および感染を受けやすい;硝子体液は、出血または炎症により濁る可能性がある。
加齢するにつれて、環境的暴露および内因性のフリーラジカル産生によって引き起こされる酸化的損傷の様々な影響が蓄積し、その結果、水晶体の柔軟性の喪失がもたらされ、また、ゆっくり凝固し、それにより、水晶体の透過性を低下させる変性したタンパク質がもたらされる。水晶体の天然の柔軟性は、遠近調節と呼ばれるプロセスによって光を網膜上に収束させるためには不可欠である。遠近調節により、眼は、異なる距離にある物体を見るために屈折力を自動的に調節することが可能である。酸化的損傷の累積的な影響はこの柔軟性を小さくし、従って、これにより、近方の視覚能力が低下するとき、それは老眼として知られている。老眼は通常、40歳代半ばの人々に現れ始める。老眼になった人は、異なる物体距離のための異なる度数のメガネを必要とするか、あるいは、多焦点光学系または累進光学系を有するメガネまたはコンタクトレンズを必要とする。これらの代替法のすべてが様々な制限を多くの実際の状況において有する。
水晶体白内障は、凝固したタンパク質のさらなる発生から生じる水晶体障害である。4つの一般的なタイプの白内障が存在する(加齢および酸化的ストレスに関連する老年性白内障;眼への物体の貫通性または非貫通性の衝撃の後、あるいは、強い放射線にさらされた後に発生する外傷性白内障;糖尿病などの疾患、または、網膜剥離、緑内障および色素性網膜炎などの眼の障害に対して二次的である併発白内障;および、薬物または化学物質の毒性から生じる薬物性白内障。その原因にかかわらず、この疾患は、損なわれた視覚をもたらし、失明に至る場合がある。
白内障および/または老眼の処置は水晶体の外科的除去を必要とし、これには、水晶体超音波吸引、その後の洗浄および吸引が伴う。水晶体がない場合、眼は、入射する光を網膜上に収束させることができない。結果として、人工レンズが、視覚を回復するために使用される。3タイプの補綴用レンズが利用可能である:白内障メガネレンズ、外用コンタクトレンズおよび眼内レンズ(IOL)。眼内レンズ(これは単焦点または多焦点のどちらでも可能である)が、現在、白内障メガネレンズおよび外用コンタクトレンズに付随する様々な困難を克服するために大部分の患者において使用される。多焦点の眼内レンズは擬似的な遠近調節を提供する。すなわち、遠方および近方の両方の物体を鮮明に見ることができ、しかしながら、単焦点のレンズと比較して、常にコントラスの低下が存在する。多焦点レンズは時には、コントラスの低下にもかかわらず、白内障を有しない老眼の場合において使用されることがある(いわゆる、透明レンズ交換)。
先行技術文献において述べられるIOLは通常、下記のカテゴリーのいずれかに属する:堅いヒドロゲル、折り畳み可能ヒドロゲル、膨張性ヒドロゲルおよび注入可能。外科的に実用化されている最も初期のIOLは、ポリ(メタクリル酸メチル)から構成される堅いインプラントであった。これらのタイプのレンズは大きな角膜切開を必要とし、そのため、長期化した回復期間、および、乱視を持ち込む可能性をもたらしていた。回復期間および患者の不快を軽減する試みでは、いくつかの小切開技術が、これらの小さい切開部を介して埋め込み可能な眼内レンズと併せて開発されている。
現在のIOLは、小さい切開での埋め込みのために設計されるため、エラストマー特性を有しており、軟らかいシリコーンゴムまたはアクリルゴムあるいは軟らかいヒドロゲル材から作製される。これらのタイプのレンズは巻くことができるか、または、折り畳むことができ、水晶体嚢(capsular bag)の中に挿入することができ、その後、内部に入れられると、広げることができる。しかし、それらは典型的には遠近調節能力を全くもたらさない。しかしながら、いわゆる遠近調節レンズが存在する。このレンズは、毛様体筋の収縮に応答して前方に移動することによって遠近調節能力をもたらすと主張されるが、その光学的効果は最小限であり、約1ジオプトリーであり、これは1メートルの物体距離に対応する。
IOLをさらに開発し、手術切開部のサイズを小さくするために、注入可能なIOLを使用する様々な技術が提案されている。これらの技術において、低粘度のレンズ材料が、空にされた水晶体嚢の中に直接に注入され、手術手技の一部としてその場で硬化させられる。そのようなプロセスにおいて、水晶体嚢は、レンズの形状を形成し、それにより、その屈折の制御に寄与するための鋳型として使用される。注入可能なIOLとしての使用のために好適な材料を開発するためのいくつかの試みが、米国特許第5,278,258号、同第5,391,590号、同第5,411,553号および同第5,476,515号ならびに国際特許出願公開WO01/76651に開示されるようになされている。
遠近調節IOL(すなわち、人工水晶体(ACL))のための天然の水晶体の白内障摘出および置換の技術では、十分に低い粘度を有する液体を小さい切開部から水晶体嚢の中に注入すること、その後、その液体を架橋して、要求される形状のレンズを、鋳型としての水晶体嚢の形態を使用して作製することが伴う。天然の水晶体の光学的性能を再現するために、置換レンズは約1.42の屈折率が要求され、また、遠近調節力に応答するために、レンズの圧縮弾性率(ヤング係数)が1kPa〜5kPa以下の範囲でなければならない。ACLの分野におけるほとんどの研究者(例えば、Haefliger他(1994)、J.Refractive and Corneal Surgery、10、550〜555)は、シリコーンオイルまたはLTV(低温加硫)シリコーンエラストマーのいずれかの形態で水晶体嚢を満たすためのシリコーン由来システムを使用している。そのようなシステムは、ジメチルシロキサンから得られるレンズが限定された屈折率(1.40)を示すという点で、レンズの再充填に関連していくつかの欠点に悩まされている。そのうえ、LTVシリコーンエラストマーはゆっくり硬化する;12時間までの時間が、その硬化を完了させるために必要となる場合がある。このような遅い硬化は、角膜切開部を介した水晶体嚢からの材料喪失をもたらす。
光重合は、硬化速度を増大させ、それにより、処置時間を減少させるための注目される代替法を提供する。Hettlich他、J.Cataract Refract.Surg.、1994、20、115〜123、および、de Groot他、、J.Biomacromolecules、2003、4、608〜616は、人工レンズを作製するための光硬化システムを記載する。しかしながら、開示された材料は、好適であるためには低すぎる粘度ならびに/あるいは低すぎる屈折率および/または大きすぎる屈折率(これらは近視または遠視を引き起こし得る)を有していた。天然の水晶体に取って代わるために使用される人工レンズは、屈折率(RI)が、天然の水晶体のRIに近いRIでなければならないからである。すなわち、前記レンズは1.40〜1.45のRIを有しなければならない。
注入可能なIOLのために好適な上記特性(すなわち、速い硬化、水よりも大きい密度、人の水晶体に近い屈折率、および、遠近調節することができる十分な弾性)を有するシリコーン材料を、種々の異なるシロキサンモノマーを共重合することによって得ることができる。α,ω−ジヒドロキシヘキシル−シリコーンは、ヒドロキシヘキシルジメチルシロキシ基が十分な安定性を有するので、光硬化性アクリロイルエステルへのポリシロキサンの変換を容易にするための好適な中間体であることが判明している(Yilgor他、Polym.Bull.、1998、40、525〜532)。しかしながら、ヒドロキシル基の比較的大きい反応性はいくつかの問題を引き起こす可能性があり、従って、Kojima他(J.Polym.Sci.,A−1、1966、4、2325〜2327)は、α,ω−ジヒドロキシル末端シロキサンの合成に関する初期の研究において、1,3−ビス(4−ヒドロキシブチル)テトラメチルジシロキサンの存在下でのオクタメチルシクロ−テトラシロキサンの硫酸触媒による重合を使用した。得られたオリゴマーの分子量は、末端基の官能性の喪失をもたらした、硫酸によって引き起こされる脱水のために、予想された値よりも数倍大きかった。Yilgoer他は、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよび1,3−ビス(4−ヒドロキシブチル)−テトラメチルジシロキサン(エンドキャップ剤として)のトリフルオロ酢酸触媒による平衡化反応、それに続く、末端トリフルオロアセチル基の穏和な加水分解によるα,ω−ジヒドロキシル末端シロキサンの制御された合成を行っている(Reactive Oligomers、ACS Symposium Series 282;Harris他;ACS:Washington D.C.、米国、1985;161頁〜174頁)。
しかしながら、制御された分子量と、安定な、容易かつ迅速に光架橋された末端基との組合せを有する十分に規定された末端官能性シロキサンを調製するためのプロセスが依然として求められている。
発明が解決するための手段
本発明は、ヒドロキシアルキル末端ポリ(ジメチル−co−ジフェニル−co−メチルトリフルオロプロピルシロキサン)(これに限定されない)をはじめとする様々なヒドロキシアルキル末端ポリシロキサンに関する。本発明はまた、そのようなコポリマーを製造するための方法、および、そのようなコポリマーを含む組成物に関する。さらに、本発明はまた、前記コポリマーを使用することによって眼内レンズを作製する方法に関する。
本発明によるポリシロキサンは、性質の望ましい組合せを示すことにおいて好都合である。例えば、1つの実施形態において、本発明のポリシロキサンは、制御された分子量を示し、安定であり、また、容易かつ迅速に光架橋される。さらに、本発明のポリシロキサンは、屈折率が人の眼の範囲にあり、密度が1よりも大きいレンズの形態での重合組成物を提供することができる。
これらの利点およびさらなる利点が、下記の詳細な説明を考慮してさらに一層明らかである。
下記の詳細な説明は、図面を考慮してより十分に理解される。
本発明は、例えば、注入可能な眼内レンズの分野での使用のために好適なポリシロキサンコポリマーに関する。好都合なことに、本発明は、1よりも大きいにもかかわらず、人の眼の範囲における屈折率、制御された分子量、および、容易かつ迅速に架橋される安定な末端基を有するヒドロキシアルキル末端ポリシロキサンを調製するための制御された合成方法を提供する。
1つの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を有する線状ポリシロキサンコポリマーを提供し、さらなる実施形態では、1g/cmよりも大きい密度および人の眼のRIに近い屈折率を有するそのような線状ポリシロキサンコポリマーを提供する。
別の実施形態において、本発明は、塩基触媒による重合と、酸触媒による再分布化との組合せを含むプロセスによって調製される、少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を有する線状ポリシロキサンコポリマーを提供する。
本発明の1つの実施形態によれば、少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基は、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチルおよびヒドロキシオクチルからなる群から選択される。具体的な実施形態によれば、末端基はヒドロキシヘキシルである。
本発明による別の具体的な実施形態によれば、線状ポリシロキサンコポリマーは下記の一般式を有する:
Figure 2008523958
式中、R、RおよびRは独立して、C〜Cアルキルである;RおよびRは独立してフェニルまたはC〜Cアルキルである;RはCF(CH(式中、xは1〜5である)である。さらに、lは0〜0.9のモル分率範囲であり、mは0〜0.6のモル分率範囲であり、nは0〜0.6のモル分率範囲である。より具体的な実施形態において、線状ポリシロキサンコポリマーは、R、RおよびRがメチルであり、RおよびRがフェニルであり、かつ、Rが3,3,3−トリフルオロプロピルである上記式のターポリマーである。上記で示された一般式は、得られたコポリマーが、ランダム分布コポリマー、ブロックコポリマーなどであり得るように、一般式として解釈されなければならない。具体的な実施形態において、得られたコポリマーはモノマーのランダム分布を有する。
別の実施形態において、本発明は、眼の水晶体嚢において眼内レンズを形成するために好適な注入可能な眼用組成物を提供する。本発明の組成物は、末端ヒドロキシアルキル基が官能基(例えば、アクリルアルキル基)に変換されている上記で開示されたコポリマーの少なくとも1つを含む。注入可能な眼用組成物はまた、医学的に受容可能な光開始剤(例えば、UV光開始剤または青色光光開始剤)を含むことができる。さらに、注入可能な組成物はまた、眼用の注入可能な組成物において一般に使用されるUV吸収剤または他の添加剤をさらに含むことができる。本発明の別の実施形態によれば、注入可能な眼用組成物は、上記で開示されたコポリマーの二官能性コポリマーおよび一官能性コポリマーと、官能基に変換されている末端ヒドロキシアルキル基を有しないそのような官能性コポリマーと本質的には同じ構造を有する非官能性コポリマーとの混合物を含む。組成物は望ましくは、21ゲージのニードルを通過することができなければならず、従って、具体的な実施形態では、約60,000cSt未満の粘度を有しなければならず、より具体的な実施形態では、粘度は8,000cSt未満である。生理学的危険を軽減するために、アクリル置換シロキサンポリマーのみが、医学的に許容され得る光開始剤および場合により他の成分と一緒に水晶体嚢の中に導入される。現場での使用のための任意の好適な光開始剤を用いることができる。1つの実施形態において、青色光光開始剤が、アシルホスフィンオキシド由来化合物、ビスアシルホスフィンオキシド由来化合物およびチタノセン光開始剤を含む群から選択される。当業者は、本発明の範囲に含まれる、光開始剤として使用可能な他の好適な化合物を見出すことができる。しかしながら、使用される光開始剤は、青色光またはUVにさらされたとき、アクリル基の重合を開始させることができなければならず、具体的な実施形態では、それらは「光退色性」でなければならない。
さらに、本発明の別の実施形態は、塩基触媒による重合と、酸触媒による再分布化との組合せを使用する、本発明のコポリマーを調製するためのプロセスを提供する。1つの具体的な実施形態によれば、コポリマーは、開環重合、それに続く、1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンをエンドブロック剤として使用する塩基触媒による重合を使用することによって合成される。ヒドロキシアルキル基(特に、ヒドロキシヘキシル基)は十分な安定性を酸性媒体において示す。従って、塩基触媒による重合が、酸触媒による再分布化と組み合わされる。すなわち、エステル化が、末端ヒドロキシアルキル基がその場合には遊離化される酸性加水分解と組み合わされる。得られるα,ω−ジヒドロキシルポリマーは、その後、眼用組成物のために好適であるように、すなわち、光硬化によって、眼内レンズを作製するために使用される組成物において好適であるようにアクリル化される。
本発明による別の実施形態において、ヒドロキシヘキシル末端シロキサンターポリマーを合成するための代わりの方法が提供される。この方法では、1,3−ビス(6−トリメチルシロキシヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが、塩基触媒による開環重合における1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの代わりのエンドキャプ剤として使用される。従って、コポリマーの開環重合および官能基化が同じ工程において行われ、その後、末端ヒドロキシルを遊離させるための酸性加水分解が続く。
ヒドロキシルヘキシル末端ターポリマーを合成するためのさらに別の代わりの実施形態では、下記の式の1,3−ビス(6−トリメチルシロキシヘキシル)テトラメチルジシロキサン(TMS)が使用される:
Figure 2008523958
この合成では、放出されたトリメチルシラノールが縮合し、ヘキサメチルジシロキサンを形成し、ヒドロキシル末端が骨格の中に入る。末端ヒドロキシル基を、酸性加水分解を使用することによって遊離させることができる。末端シラノール基を、ヒドロキシアルキル基およびトリメチルシリル基の両方によってキャップ化することができ、従って、混合されたエンドキャップ型コポリマーが得られる。そのようなコポリマーの例には、下記の式を有するものがある:
Figure 2008523958
そのようなプロセスから得られるビス(ヒドロキシヘキシル)末端ポリ(ジメチル−co−ジフェニル−co−メチルトリフルオロプロピルシロキサン)、ヒドロキシルヘキシル/トリメチルシリル末端ポリ(ジメチル−co−ジフェニル−co−メチルトリフルオロプロピルシロキサン)およびビス(トリメチルシリル)末端ポリ(ジメチル−co−ジフェニル−co−メチルトリフルオロプロピルシロキサン)の混合物についてのGPC粘度測定結果を表1に示す:
Figure 2008523958
本発明の別の実施形態は、本発明の組成物の本発明のコポリマーを含む眼内レンズを提供する。本発明の眼内レンズは、人の眼に近い屈折率(好ましくは、1.40〜1.45)を有し、好ましくは、遠近調製可能であり、すなわち、本発明の眼内レンズは、毛様体筋を使用して水晶体嚢において遠近調節し得るような弾性率を有する。
さらに、本発明の別の実施形態は、眼の水晶体嚢において眼内レンズを調製するための方法である。この方法は、末端ヒドロキシアルキル基のコポリマーを本発明に従って調製する工程、コポリマーの少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を少なくとも1つのアクリルアルキル基に変換する工程、得られたコポリマーおよび医学的に許容され得る光開始剤を混合して、注入可能な眼用組成物を得る工程、組成物を眼の空の水晶体嚢の中に注入する工程、その後、光重合を開始し、従って、眼内レンズを眼の水晶体嚢において作製する工程を含む。従って、眼の水晶体嚢は鋳型として機能する。本発明による1つの実施形態によれば、眼内レンズが、混合されたエンドキャップ型ポリマー(すなわち、ビス(ヒドロキシアルキル)末端ターポリマー、ヒドロキシルアルキル−トリメチルシリル末端ターポリマーおよびビス(トリメチルシリル)末端ターポリマー)を含む組成物を使用して作製される。
本発明の別の実施形態は、本発明の組成物を含む手術用キットである。
下記の実施例は、本発明の原理を例示するために含められ、本発明の範囲を限定するとして決して解釈してはならない。レンズを作製するために使用された組成物は従来の成分(例えば、架橋剤およびUV吸収剤など(これらに限定されない))をさらに含み得ることを理解しなければならない。
オクタメチルシクロテトラシロキサンと、高密度モノマーの(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサンおよび高屈折率モノマーのオクタフェニルシクロテトラシロキサンとの組合せは、(眼内レンズとしての)意図された使用のために、また、1よりも大きい密度(これにより、手術時における材料の浮遊が回避される)を有するコポリマーを得るために必要である、屈折率および密度の調節をもたらす。α,ω−ジヒドロキシルヘキシル末端ポリシロキサンは、種々の官能基性を有するポリシロキサンに転換することができる(例えば、アクリロイル末端の光硬化性前駆体)。ヒドロキシルをシロキサンに導入するための一般的な重合法では、エステルの形成によって末端ヒドロキシルを保護しながら、開環平衡を触媒するトリフルオロ酢酸の使用が伴う。
ヒドロキシヘキシル末端ポリシロキサンの、アクリロイルクロリドを使用するアクリル化により、アクリロイル末端ターポリマーが得られる。このようなターポリマーは、青色光光開始剤の助けをかりて室温で光硬化させることができ、弾力性のある無色透明なゲルを形成し、従って、眼の水晶体嚢において硬化させられる注入可能な眼内レンズのために使用することができる。
本明細書中に提供される実験は下記のように要約することができる:オクタメチルシクロテトラシロキサン(D)、オクタフェニルシクロテトラシロキサン(D”)および(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン(F)の比率が変化させられ、それにより、シロキサンターポリマーの屈折率および密度を調節する。種々の組成物による屈折率および密度の予測が、下記の式1および式2を使用して行われる:
20 = 1.404νD4 + 1.64νD”4 + 1.383νF3 (1)
20 = 0.95νD4 + 1.185νD”4 + 1.24νF3 (2)
式中、n 20およびd20 はターポリマーの屈折率および密度であり、νD4、νD”4およびνF3はそれぞれ、D、D”およびFの体積分率である。体積分率はモノマーのモル分率から計算される。エンドブロック剤の寄与は無視される。数係数は、市販のポリ(ジメチル−co−ジフェニルシロキサン)に由来する値であるD”についての屈折率を除き、モノマーの屈折率および密度である。密度と、D、D”およびFの体積分率との関係が図1に示され、一方、体積分率の関数としての屈折率のプロットが図2に示される。これら3つのモノマーの比率の調節により、所望する屈折率範囲(1.40=1.45)および密度(>1.000)を有するターポリマーが得られる。一部の場合には、実質的に2mol%を超えるD”が、所望する性質を得るために、共重合によってターポリマーに含まれる。
塩基触媒による重合を酸触媒による再分布化と組み合わせることによって、α,ω−ビス(トリフルオロアセチルヘキシル)末端ターポリマーが得られる。第1工程において、3つのモノマー(D、D”およびF)が、水酸化テトラメチルアンモニウムを触媒として使用して、エンドキャップ剤の非存在下で共重合される。第2工程において、ターポリマーが、図3に示されるように、エンドキャップ剤の1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)−テトラメチルジシロキサンの存在下でのトリフルオロ酢酸触媒による再分布化によって切断される。第2工程では、トリフルオロ酢酸は2つの機能を有する。トリフルオロ酢酸は、再分布化反応を触媒し、かつ、遊離ヒドロキシヘキシル基を有するトリフルオロアセタートを形成させ、従って、遊離ヒドロキシヘキシル基を保護する。ポリシロキサン主鎖内へのヒドロキシヘキシルの取り込みが、H−NMR(図4)を使用して立証された。図4は、ジクロロメタン−dにおける、反応混合物、および、ヒドロキシヘキシルエンドキャップ型ポリ(ジメチル−co−ジフェニル−co−メチルトリフルオロプロピルシロキサン)の加水分解サンプルのH−NMR(400MHz)を示す。横軸の単位はパーツ・パー・ミリオン(すなわち、ppm)である。粗重合生成物のH−NMRスペクトルは、3つの比較的強い三重線を、δ3.71ppm、δ3.66ppmおよびδ3.61ppmに示す。δ3.71ppmにおける三重線は、ヘキサノール末端基が、ジフェニルシロキサンユニットに結合することによって主鎖の中に入っていることを示している。3.66ppmおよび3.61ppmにおけるピークは、メチルトリフルオロプロピルシロキサンユニットおよびジメチルシロキサンユニットに対するヘキサノールの結合をそれぞれ示す。これらの化学シフトは、ブタノール−D系、ブタノール−F系およびブタノール−D−D”系を、ゲル化を伴わない同一条件のもとで使用するモデル反応において確認される。H−NMRスペクトルにおける積分値(三重線、J6.3、HO−C −)の比率は6:12:80であり、これはポリマーの3つの異なる組立単位のモル比に対応する。
エンドキャップされた鎖におけるケイ素−酸素−炭素の結合は、シロキサン骨格における酸素−ケイ素−酸素の結合よりも大きな反応性をアシドリシスにおいて示す。従って、ヒドロキシアルキル基は、ほんの微量の塩酸を使用するTHFまたはジクロロメタンにおける酸触媒による加水分解の時に容易に遊離化される。
GPCが、加水分解の前後におけるヒドロキシヘキシル末端ターポリマーの分子量を決定するために使用され、結果が表1に示される。
実験
材料:すべての化学物質および溶媒をFlukaおよびAldrichから得て、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D)、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン(F)(これらは減圧下で蒸留される)、および、オクタフェニルシクロテトラシロキサン(D”)(これはジクロロメタンから再結晶によって精製される)を除き、精製することなく使用する。1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンおよび1,3−ビス(6−トリメチルシロキシヘキシル)−テトラメチルジシロキサン(TMS)を、Merker他、J.Polym.Sci.、1960、43、297〜310に従って調製する。Polymer Laboratories(Shropshire、UK)から得られるポリスチレンを、多分散性指数が1.05未満である狭い標準物として使用する。
装置:プロトンNMRスペクトルを、残留CHCl(δ=5.25ppm)を内部基準物質として使用して、Bruker DPX−400装置でジクロロメタン−dにおいて記録する。NMRデータの略号は、t(三重線)、bs(幅広い一重線)、s(一重線)である。FTIRスペクトルを、Golden Gate(登録商標)アクセサリーを備え、浸透深さの波長依存性について補正されたNicolet Magna DSP650において減衰全反射(ATR)モードで得る。GPCを、オンライン示差粘度測定法により変更されたWaters 150CVにおいて行う。THFを、40℃で、3本のWaters高分解能カラム(HR/4/3/2)での溶出液として使用する。常用的な値を、ポリスチレン標準物を使用する粘度検出器曲線から計算する。注入ポリマー量は最後まで5mg/mlの濃度で0.1mlである。屈折率をB+S RFM340屈折計で測定する。
実施例1:トリフルオロセチル−ヘキシル末端ポリ(ジメチル−co−ジフェニル−co−メチルトリフルオロプロピル−シロキサン)(I)の合成
機械式撹拌装置を備えるSchlenkバルーン(100ml)に、D(8.45g、28.5mmol)、F(2.12g、4.52mmol)およびD”(1.62g、2.04mmol)をTHE(2ml)において仕込み、水酸化テトラメチルアンモニウム五水和物(90mg)を触媒として使用する。反応装置に窒素を流し、反応装置を110℃に加熱して、重合を開始させる。分子量、および、従って、粘度が2日間の反応の後で大きくなり、これにより、撹拌の問題が引き起こされる。この時点で、温度を、触媒を分解するために20分で160℃に上げる。反応混合物を60℃に冷却し、エンドブロック剤としての1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(0.81g、2.43mmol)と、トリフルオロ酢酸(1.14g、10mmol、0.8ml)とを2mlのTHFにおいて加える。60℃で24時間撹拌した後、混合物を50mlのジエチルエーテルに溶解し、水で洗浄し(100mlで2回)、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒をエバポレーションし、α,ω−ビス(トリフルオロアセチルヘキシル)末端ターポリマーを無色のオイルとして回収する(12.0g、91%)。H−NMR(400MHz、CDCl、ppm):δ7.65(3.8H、bs、o−フェニル)、7.38(5.6H、m、m−フェニル、p−フェニル)、4.38(0.7H、t、J6.7、FCCO−O−CH−)、2.2〜1.9(4.3H、m、−Si−CHCH −CF)、1.56(2.5H、s、−CH−)、1.4〜1.3(3.0H、m、−CH−)、0.84〜0.50(4.3H、m、−Si−CH −CH−CFおよび−CH−Si−)、0.21〜0.06(100H、m、−Si−CH)、n20 1.4237。
実施例2:Iの加水分解によるヒドロキシヘキシル末端ポリ(ジメチル−co−ジフェニル−co−メチルトリフルオロプロピル−シロキサン)(II)の合成
トリフルオロアセチル−ヘキシル末端ターポリマー(5g)を30mlのTHFに溶解し、炭酸ナトリウム水溶液(2.5%、30ml)を加える。2相混合物を60℃に加熱し、48時間激しく撹拌し、その後、2つの相を分離する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を真空下で除いて、粘性のオイルを得る(9.6g、96%)。H−NMR(400MHz、CDCl、ppm):δ7.65(3.9H、bs、o−フェニル)、7.38(5.7H、m、m−フェニル、p−フェニル)、2.2〜1.9(4.4H、m、−Si−CH−C −CF)、0.84〜0.63(3.6H、m、−Si−C −CH−CF)、0.21〜0.06(100H、m、−Si−CH)、n20 1.4263。水相をジエチルエーテルにより抽出し(20mlで3回)、エーテル層を一緒にして硫酸ナトリウムおよび硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を真空下で除いた後、微量の無色のオイルを回収する(0.3g、3%)。
表2は、エンドキャップ型ポリ(ジメチル−co−ジフェニル−co−メチルトリフルオロプロピルシロキサン)の加水分解物および非加水分解物についてのGPC粘度測定結果を示す。
Figure 2008523958
実施例3:エンドブロック剤としての1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンによるIIの合成
上部撹拌装置を備えるSchlenkバルーン(100ml)に、D(8.45g、28.5mmol)、F(2.12g、4.53mmol)、D”(1.62g、2.04mmol)および1,3−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(0.41g、1.23mmol)(これはエンドブロック剤として使用される)をTHE(2ml)において仕込み、次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム五水和物(90mg)(これは触媒として使用される)を加える。反応装置を110℃に加熱し、反応装置に窒素を流す。混合物を、12時間の反応の後、室温に冷却する(これよりも長い反応時間はゲル化を引き起こすので)。10mlのTHFにおける塩酸(0.2ml、35%)を加えて、ヒドロキシル末端基を加水分解またはプロトン化により遊離させる。加水分解をATR−IR分光計によってモニターする。加水分解が終了したとき(60分)、シリコーンオイルを50mlのジエチルエーテルに溶解し、水により抽出し(100mlで2回)、その後、ブライン(30ml)で洗浄する。エーテル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を真空下で除いて、11.71g(92.6%)の無色のオイルを得る。H−NMR(400MHz、CDC1、ppm):δ7.71〜7.53(4.4H、bs、o−フェニル)、7.48〜7.25(6.8H、m、m−フェニル、p−フェニル)、3.61(0.7H、t、J6.3、HO−C −)、2.2〜1.9(3.8H、m、−Si−CH−C −CF)、1.56(2.5H、s、−C −)、1.4〜1.3(3.4H、m、−C −)、0.84〜0.63(4.0H、m、−Si−C −CH−CF)、0.59(0.9H、t、J7.7、−C −Si−)、0.21〜0.06(100H、m、−Si−CH)、n20 1.4279。
実施例4:エンドブロック剤としての1,3−ビス(6−トリメチルシロキシルヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンによるIIの合成の典型的手順
上記で記載されたように、3つのモノマー、すなわち、D(18.4g、62.0mmol)、F(5.1g、10.9mmol)およびD”(4.5g、5.7mmol)を反応装置に仕込む。1,3−ビス(6−トリメチルシロキシルヘキシル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(2.7g、5.6mmol)および水酸化テトラメチルアンモニウム五水和物(120mg)を加える。反応装置に窒素を流し、反応装置を110℃に加熱し、12時間の反応の後、混合物を室温に冷却し、ポリマーをジエチルエーテル(50ml)およびメタノール(10ml)の混合物に溶解する。塩酸(0.8ml、35%)を、混合型末端基を遊離させるために加える。1時間激しく撹拌した後、混合物を100mlのメタノール:水(1:1)により抽出し、その後、pHが7に等しくなるまで水により抽出する。エーテル相を硫酸ナトリウムおよび硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒をエバポレーションして、ヒドロキシヘキシル末端ターポリマーを得る(26.6g、86%)。H−NMRは上記合成物と同一である。n20 1.4231。
実施例5:アクリル酸化ポリ(ジメチル−co−ジフェニル−co−メチルトリフルオロプロピル−シロキサン)(III)の合成の典型的手順
ゴム栓および磁石撹拌棒を備えた50mlの3口丸底フラスコに、13mlのCHClにおけるII(5.05g、1.01mmol)と、CaH(254.4mg、6.04mmol)とを仕込む。フラスコを2つのガラス製栓により閉じ、溶液を氷/水により0℃に冷却する。アクリロイルクロリド(0.3ml、3.39mmol)(シロキサンに対して過剰)を、ゴム栓を介してフラスコに注入する。溶液を室温で24時間撹拌し、P5焼結ガラスフィルターでろ過する。無色の溶液を100mlの分液ロートに移し、10mlの水で2回洗浄する。溶媒を、ロータリーエバポレーターおよび真空オーブンを使用して除き、透明かつ無色であるオイルを96%の収率で得る。H−NMR(400MHz、CDCl、ppm):δ7.63〜7.51(4.2H、bis オルト−フェニル)、7.41〜7.26(6.2H、m、メタ−フェニル、パラ−フェニル)、6.41〜5.79(0.2H、m、C =C−COO−)、4.14(0.7H、bs、−COO−C −)、2.12〜1.95(3.0H、m、−Si−CH−C −CF)、1.34〜1.31(1.4H、m、−C −)、1.23〜1.22(1.5H、m、−C −)、1.06(1.6H、bs、−C −)、0.63〜0.60(1.2H、m、−C −)、0.79〜0.66(2.91H、m、−Si−C −CH−CF)、0.52(0.9H、m、−CH−Si−)、0.22〜0.1(82.1H、bm、−Si−C )、n20 1.4339。
実施例6:IIIの光硬化
0.02gのビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(Irgacure819)および0.1gのIIIを10mlの塩化メチレンに溶解する。溶媒を除き、粘性の液体をポリスチレンキュベットに移す。硬化をUV光(100Wの高圧Xeランプ、20cmの距離、1分間の照射)により行う。
実施例7:IIIを含む組成物の埋め込み
人死体の眼を水晶体嚢内への小さい開口部切開により準備し、水晶体を除く。シリコンプラグを、組成物が漏れ出すことを防止するために使用する。
1.0gのIIIをUV光開始剤と一緒に10mlの塩化メチレンに溶解する。溶媒を除き、得られた粘性の液体を通常のカニューレによって吸引し、空の水晶体嚢の中に注入する。組成物をUV光により硬化させ、眼内レンズをこのようにして作製する。
本明細書中に記載される具体的な実施形態または実施例は単に例示にすぎず、請求項によって規定される発明の限定であることは意図されない。請求項によって規定される本発明の様々な形態のさらなる実施形態および実施例、ならびに/あるいは、本明細書中に示される具体的な実施形態および実施例に対して等価であるさらなる実施形態および実施例が、当業者には明らかであり得るし、また、請求項に記載される発明の範囲に含まれる。
それぞれのモノマーの体積分率によるターポリマーの予測される密度のグラフでの関係を示す。 それぞれのモノマーの体積分率によるターポリマーの予測される屈折率のグラフでの関係を示す。 塩基触媒による重合、それに続く、トリフルオロ酢酸再分布化および加水分解の概略的反応を示す。 粗重合生成物のH−NMRスペクトルを示す。

Claims (19)

  1. 少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を有する線状ポリシロキサンコポリマー。
  2. 1g/cmよりも大きい密度および1.40〜1.45の屈折率を有する、請求項1に記載の線状ポリシロキサンコポリマー。
  3. 塩基触媒による重合と、酸触媒による再分布化との組合せを含むプロセスによって得られ、1g/cmよりも大きい密度および1.40〜1.45の屈折率を有する、請求項1に記載の線状ポリシロキサンコポリマー。
  4. 前記少なくとも1つの末端基が、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチルおよびヒドロキシオクチルからなる群から選択される、請求項1に記載の線状ポリシロキサンコポリマー。
  5. 前記末端基がヒドロキシヘキシルである、請求項4に記載の線状ポリシロキサンコポリマー。
  6. 下記の一般式:
    Figure 2008523958
    (式中、R、RおよびRは独立して、C〜Cアルキルである;RおよびRは独立してフェニルまたはC〜Cアルキルである;RはCF(CH(式中、xは1〜5である)である;lは0〜0.95のモル分率範囲である;mは0〜0.7のモル分率範囲である;nは0〜0.65のモル分率範囲である)
    を有する、請求項1に記載の線状ポリシロキサンコポリマー。
  7. 、RおよびRがメチルであり、RおよびRがフェニルであり、かつ、Rが3,3,3−トリフルオロプロピルであるランダム分布ターポリマーである、請求項6に記載の線状ポリシロキサンコポリマー。
  8. 少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を有する線状ポリシロキサンコポリマーを含み、前記少なくとも1つのヒドロキシアルキル基がアクリル基に変換されている、眼の水晶体嚢において眼内レンズを形成するために好適な注入可能な眼用組成物。
  9. 医学的に許容され得る光開始剤をさらに含む、請求項8に記載の注入可能な眼用組成物。
  10. 前記医学的に許容され得る光開始剤がUV光開始剤または青色光光開始剤である、請求項9に記載の注入可能な眼用組成物。
  11. UV吸収剤をさらに含む、請求項9に記載の注入可能な眼用組成物。
  12. 少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を有する線状ポリシロキサンコポリマーをそれぞれの官能性コポリマーが含む二官能性コポリマーおよび一官能性コポリマーと、前記官能性コポリマーと本質的には同じ構造を有する非官能性コポリマーとの混合物を含む、眼の水晶体嚢において眼内レンズを形成するために好適な注入可能な眼用組成物。
  13. (a)シロキサンモノマーを塩基触媒による重合反応において重合する工程;
    (b)末端アルキル基を酸触媒による再分布化プロセスによって工程(a)のポリマーに導入する工程;および
    (c)工程(b)で得られたポリマーを加水分解して、ヒドロキシアルキル末端ポリシロキサンを得る工程
    を含む、線状シロキサンポリマーの製造方法。
  14. 前記シロキサンモノマーの前記重合が開環重合である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記シロキサンモノマーの前記開環重合および官能基化がプロセスの同じ工程において行われる、請求項14に記載の方法。
  16. 酸触媒による前記再分布化プロセスが1,3−ビス(6−ヒドロキシアルキル)−テトラジメチルジシロキサン型エンドキャップ剤の存在下で行われる、請求項13に記載の方法。
  17. a.少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を有する線状ポリシロキサンコポリマーを請求項13に記載の方法によって製造する工程;
    b.前記コポリマーの前記少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を少なくとも1つのアクリルアルキル基に変換する工程;
    c.b.で得られたコポリマーを医学的に許容され得る光開始剤と混合する工程;
    d.c.で得られた混合物を眼の空の水晶体嚢の中に注入する工程;および
    e.重合を開始させ、従って、眼内レンズを眼の水晶体嚢において作製する工程
    を含む、眼内レンズを作製する方法。
  18. a.少なくとも1つの末端ヒドロキシアルキル基を有する線状ポリシロキサンコポリマーを含み、前記少なくとも1つのヒドロキシアルキル基がアクリル基に変換されている組成物を眼の空の水晶体嚢の中に注入する工程;および
    b.重合反応を開始させ、それにより、眼内レンズを得る工程
    を含む、眼内レンズを作製するための方法。
  19. 前記重合反応が光重合反応である、請求項18に記載の、眼内レンズを作製するための方法。
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