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JP2008522959A - 肝臓への送達を改善したリバビリンのプロドラッグ - Google Patents

肝臓への送達を改善したリバビリンのプロドラッグ Download PDF

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Abstract

本発明はリバビリン送達システムに関し、より具体的には、単独アミノ酸又はペプチドとしてリバビリンに共有結合するアミノ酸を含む組成と、結合したリバビリン組成物を投与する方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、経口投与されてリバビリンを肝臓に優先的に送達することのできる、リバビリンの小分子プロドラッグに関する。特に、本発明は、低分子ペプチド又は糖ペプチド鎖(1つの糖の部分を有する又は有しない2〜5のアミノ酸)とリバビリンの、限定するものではないが、主としてヌクレオシド類の5’位における結合を含む。通常、これらペプチド又は糖ペプチドの結合は、ヌクレオシドの糖の部分の1つ、2つ、又はすべての3つの水酸基のいずれかの組み合わせで起こる。この合成による改変は、この新しい誘導体が赤血球細胞膜を可逆的に透過することを可能にし、その結果、溶血性貧血のリスクが大幅に減少する。この結合はまた、肝臓への薬物の選択的な送達を促進する。
世界人口の3%近く(〜2億人)とアメリカ人の1.8%(390万人)がC型肝炎ウイルス(HCV)に感染していると推定されている。その感染者の75〜85%は長期感染であり、70%が慢性肝臓病に苦しみ、15%が肝硬変になり、約3%がそのウイルスの影響により死亡する。肝炎は、特に、AIDS患者や臓器移植者などの免疫不全の患者を脅かしている。
リバビリン(図1)は、シェリング−プラウ・リミテッドがHCV感染を治療するための治療薬としてリバファームのライセンス下で販売する抗ウイルス剤である。リバビリンはまた、幼児の呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、A型インフルエンザ(FLUAV)とB型インフルエンザ(FLUBV)、A型肝炎(HAV)とB型肝炎(HBV)、ラッサ熱ウイルス(LFV)、ハンターンウイルス(HTNV)、及びSARSを引き起こす呼吸器のウイルスの治療に有用であることが分かっている。今日まで、HCV感染の最も効果的な治療は、インターフェロン・アルファ−2a又はb(IFN−α−2a又はIFN−α−2b)、或いは、PEG化インターフェロン・アルファ−2a又はb(PEG−IFN−α−2a又はPEG−IFN−α−2b)とともに、活性物質リバビリンを投与することである。
リバビリンの作用形態は、かなり複雑で完全には解明されていない。それは、ウイルスによっておこるRNA鎖とDNA鎖の複製を阻害するだけでなく、免疫調整剤としても作用する。抗ウイルス治療の目標は、新しい細胞の感染を制限して、免疫システムが感染した細胞を排除できるようにすることであり、両方の作用形態は、ほかの一般的な抗HCV剤を超える明確な利点をリバビリンに与えている。
リバビリンによる治療は多数のウイルスの治療に最も効果的であるが、非常に多くの欠点を有する。以下の警告は、REBETOL(登録商標)(経口リバビリン)に記載されており、遊離リバビリンの毒性の範囲と重大性を示している。
リバビリンの主要な毒性は、溶血性貧血である。このREBETOL治療に伴う貧血は、致命的又は非致命的な心筋梗塞を引き起こす心臓病を悪化させる可能性がある。重大な又は不安定な心臓病の病歴がある患者は、REBETOLにより治療してはならない。
リバビリンに接触させたすべての動物種において顕著な催奇形効果が見られた。さらに、リバビリンは、複数回投与の半減期が12日であり、このため6ヶ月もの長期にわたって非血漿区画に残存する可能性がある。したがって、REBETOL治療は、妊娠した女性と、妊娠した女性の男性パートナーに禁忌である。女性患者及びREBETOL治療を受けている男性患者の女性パートナーにおいて、治療中及び治療後6ヶ月間の妊娠を防ぐための細心の注意を払わなければならない。治療中と治療後に続く期間の6ヶ月間は、少なくとも2つの効果的な避妊法を利用しなければならない。非特許文献1を参照。
リバビリンは、顕著な毒性を呈し、通常、溶血性貧血を招く。現状のPEG−IFN−αとリバビリン治療における潜在的副作用は、医学会に対する関心事の主要な領域であり、治療が中止されるか投与されないかの理由となっている。それぞれIFN−αとリバビリンは両方とも、結果として生じる軽い又は深刻な副作用を伴う遺伝子毒性と細胞毒性を示す。経口投与されたリバビリンは、明確に投与量に依存した溶血性貧血と鬱病を示す。溶血性貧血は、赤血球(RBC)中のリバビリン 5’−三リン酸の蓄積に起因し、治療の終了とともに回復可能である。この副作用は、患者へ与えられる用量を制限し、いくらかの患者におけるさらに進んだリバビリンを用いた治療を妨げる。
薬理的に、リバビリンは、低く可変の生物学的利用能(33〜69%)を有する。これにより、ウイルス感染を阻害できる血中濃度を得るために、大量の投与が要求される。この低い生物学的利用能は、大きな初回通過代謝効果によって引き起こされる。経口投与されたリバビリンの簡略化した代謝経路を、図2に概説する。消化管に到達した後、薬剤の大部分(約53%)は、原型を保った薬剤として、又は代謝体(1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシアミド及び1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸)として、72〜80時間以内に尿中に排出される。一回の経口投与量の約15%は、72時間以内に糞便中に排出される。リバビリンの生物学的利用能の総計は、平均64%である。リバビリンは、血漿からヌクレオシドトランスポータを経由して別の細胞系列中に速やかに吸収され、そこで種々のキナーゼによって、それぞれ5’−一リン酸、5’−二リン酸、そして最終的に5’−三リン酸へ変換される。このリン酸化反応カスケードは、核のある細胞中では可逆であるが、分裂に必要なホスホリラーゼを欠いている、赤血球などの核のない細胞中では不可逆である。この理由により、リバビリンは赤血球内に蓄積され、溶血性貧血の原因となる。
リバビリンは、免疫システムにおいても作用することが報告されているが、インビトロの研究により、感染した細胞の内側でIFN−αと相乗作用の効果があることが実証された(非特許文献2、3)。さらに、(赤血球溶血に伴う)肝細胞の鉄濃度の増加がIFN−αの効能を弱めるようである(非特許文献4、5)。その結果として、ペプチド/糖ペプチド結合誘導体の使用による赤血球溶血の減少は、併用治療の間のIFN−αの長期にわたる応答性を高める。この結果は、選択的に肝臓に送達するためのさらなる動機付けを与える。
リバビリンの肝臓への選択的送達は、HCV治療に伴う副作用のリスクを減少させるものでなくてはならない。しかし、選択的な薬物送達には、克服しなければならい困難なハードルが常に存在する。リバビリンの場合において、選択的治療の典型的なルートは、ビラミジン(リバビリンの3−カルボキシアミジン類似体)などのプロドラッグを活用するものであり、それは肝臓中で(例えば、ビラミジンについてはアデノシンデアミナーゼによって)親化合物に変換される。選択的な薬物送達の別の一般的な経路は巨大分子を用いるものであり、ここで薬物は、作用部位に共有結合し、作用部位から最終的に放出される。この輸送形態は通常、巨大分子の受容体結合に依存し、ほとんどの場合において、経口投与することができない。
本発明は、リバビリンを肝臓へ優先的に送達するために経口投与可能な、リバビリンの小分子プロドラッグに関する。特に、我々はリバビリンの多くの低分子ペプチドと糖ペプチドの結合誘導体を作製した。リバビリンのペプチド/糖ペプチド誘導体の潜在的な用途は、従来はそれぞれ解決するために努力されるだけであったHCV治療の主要な欠点を両方とも改善し、すなわち副作用を顕著に減少させ、そして侵襲的な治療法を減らすための、新規な方法を代表するものである。毒性が減少した現在のリバビリンのプロドラッグは、静注(IV)投与又は筋注(IM)投与が必要である。遊離リバビリンは、経口摂取可能である(REBETOL(登録商標))が、望ましくない副作用を示す。両方の方法の利点を組み合わせて、同時に、薬剤の薬物動態を厳密に制御することでその欠点を排除し又は少なくとも大幅に軽減することで、顕著な治療上及び商業上の利益を伴った新規な方法が実証される。
例えば、本発明のリバビリンのペプチドと糖ペプチドの結合誘導体は、親化合物の毒性の改善に役立つ。毒性を減少させるために、本発明は、特定の低分子ペプチド(2〜5のアミノ酸)又は糖ペプチド(1〜2の糖の部分を有する2〜5のアミノ酸)をリバビリンの糖の部分へ結合させ、特定部位の肝臓ターゲティングを可能にし、早期の劣化を防止する。胃腸内(GI)消化に対しては安定であるが感染部において最初に代謝されるリバビリンのペプチド又は糖ペプチドの誘導体(又は「プロドラッグ」)は、大幅に向上された毒性プロフィールと、初回通過代謝を避けることにより高められた生物学的利用能を示す。このリバビリン誘導体のほとんどは、その5’−OHがペプチドによってブロックされて肝臓(その他の細胞内では少量)で加水分解されるまでリン酸化されないので、形質細胞膜を可逆的に通過できるはずである。その結果、プロドラッグとその代謝体は、無核細胞(non-nucleated cell)中で蓄積しない。この効果は、この薬剤の毒性(特に溶血性貧血)を大幅に減少させるはずであり、肝臓への選択的送達をも改善するものと思われる。
本発明のリバビリンのペプチドと糖ペプチドの結合誘導体のもう1つの利点は、抗ウイルス性の疾病(例えば、HCV)の治療用の方法として、この結合誘導体を用いることである。治療は、(例えば、インターフェロンとの)併用治療を不要とする経口投与のみに単純化可能である。さらに、リバビリンと低分子ペプチド鎖又は糖ペプチド鎖の結合は、さらなる可変性を与え、その結果、治療の最適化(例えば、毒性の低減、生物学的利用能の向上)にさらなる可能性を与える。他方、低分子ペプチド又は糖ペプチドの誘導体は、リバビリンの巨大分子(例えば、蛋白質)誘導体よりも作製、特性決定、最適化が容易である。
Koren, G. et al., Can. Med. Ass. J. 2003, 168(10), 1289-1292. Miller, J. P., et al., J. Ann. N. Y. Acad. Sci. 1977, 284, 211-229. Weiss, R. C., et al., Veter. Microbiol. 1989, 20, 255-265. Okada, I., et al., J. Lab. Clin. Med. 1992, 120, 569-723. Di Bisceglie, A. M., et al., J. Hepatol. 1994, 21, 1109-1112.
本発明は、リバビリンのペプチド又は糖ペプチドへの共有結合誘導体に関する。本発明は、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド(ここではキャリアペプチドのことも意味する)、又は糖ペプチドの、N末端、C末端、又は側鎖へ、リバビリンを直接共有結合する点において、従来技術から区別される。
一実施形態において、本発明は、アミノ酸、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、ポリペプチド、又は糖ペプチドに共有結合したリバビリンを含む組成物を提供する。好ましくは、アミノ酸、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、ポリペプチド、又は糖ペプチドは、(i)20の天然型アミノ酸(L又はD異性体)、又はその異性体、類似体、誘導体のうちの1つ、(ii)20の天然型アミノ酸(L又はD異性体)、又はその異性体、類似体、誘導体のうちの2つ以上、(iii)1つの合成アミノ酸、(iv)2つ以上の合成アミノ酸、又は(v)1つ以上の天然アミノ酸と1つ以上の合成アミノ酸、を含む。好ましくは、アルキル側鎖を有する合成アミノ酸は、長さがC1〜C17のアルキル基、より好ましくは長さがC1〜C6のアルキル基から選択される。ペプチドは好ましくは、(i)1つのオリゴペプチド、(ii)20の天然アミノ酸(L又はD異性体)、又はその異性体、類似体、誘導体のうちの1つのホモポリマー、(iii)20の天然アミノ酸(L又はD異性体)、又はその異性体、類似体、誘導体のうちの2つ以上のヘテロポリマー、(iv)合成アミノ酸のホモポリマー、(v)2つ以上の合成アミノ酸のヘテロポリマー、又は(vi)1つ以上の天然アミノ酸と1つ以上の合成アミノ酸のヘテロポリマーである。糖ペプチドは、好ましくは、上述のペプチドにさらに糖が結合したものである。
一実施形態において、リバビリン結合は、天然アミノ酸と合成アミノ酸のいずれかの単一のアミノ酸に結合している。別の実施例において、リバビリン結合は、天然アミノ酸と合成アミノ酸の任意の組み合わせからなるジペプチド、トリペプチド、ポリペプチド、又は糖ペプチドに結合している。別の実施形態において、アミノ酸は、プロテアーゼで消化されるようにL−アミノ酸から選択される。
別の実施形態において、ペプチドキャリアは、従来の方法を用いて作製することができる。好ましい方法は、アミノ酸N−カルボキシ無水物の混合物の共重合である。別の実施形態において、ペプチドは、組み換え微生物の発酵プロセスと、その後の適切なペプチドの取得と精製によって作製可能である。或いは、特定のアミノ酸配列が必要な場合は、特定のパフォーマンス特性を目的とした特定の物理化学的特性を有するペプチドを製造するために、自動ペプチド合成装置を用いることができる。
リバビリンは、従来の方法を用いてペプチド又は糖ペプチドの側鎖に共有結合させることができる。好適な実施形態において、リバビリンを含むカルボン酸は、ペプチド側鎖のアミン又はアルコールに結合して、アミド又はエステルをそれぞれ形成することができる。別の実施形態において、リバビリンを含むアミンは、側鎖のカルボン酸塩、カルバミド、又はグアニンに結合して、アミド又は新規のグアニンを形成することができる。さらに本発明の別の実施形態において、リンカーは、事実上ペプチドの任意の側鎖が結合可能な化合物のすべての化学種のグループから選択可能である。別の実施形態において、リバビリンは、リンカーを用いることなくアミノ酸に直接結合する。
別の実施形態において、リバビリンのキャリアペプチド又は糖ペプチドへの直接結合は安定な化合物を形成しない可能性があり、このため、リバビリンとペプチドの間のリンカーの組み込みが必要とされる。リンカーは、キャリアペプチドの共有結合する、カルボン酸塩、アルコール、チオール、オキシム、ヒドラキソン、ヒドラジド、又はアミンなどのペンダント官能基を有する。
本発明はまた、ペプチド又は糖ペプチドへ共有結合したリバビリンを含む組成物の作製方法を提供する。この方法は以下のステップからなる。
(a)リバビリンをアミノ酸の側鎖(及び/又はN末端、及び/又はC末端)に結合させ、リバビリン/アミノ酸複合体を形成する。
(b)リバビリン/アミノ酸複合体から、アミノ酸複合体N−カルボキシ無水物(NCA)を形成し、又はリバビリン/アミノ酸複合体NCAを形成する。
(c)リバビリン/アミノ酸複合体N−カルボキシ無水物(NCA)を重合する。
本発明の別の実施形態は、投与形態の信頼性とバッチ間の再現性を提供するための、リバビリン結合誘導体の使用方法である。
別の実施形態において、本発明は患者にリバビリンを送達する方法を提供し、患者はヒト又はヒト以外の動物であり、その方法は、ペプチド又は糖ペプチドに共有結合したリバビリンを含む組成物を患者へ投与することを含む。一実施形態において、リバビリンは、酵素触媒反応によってその組成物から放出される。別の実施形態において、リバビリンは、酵素触媒性放出の薬物動態学に基づく時間に依存した方法で放出される。
本発明の組成物は、1つ以上のマイクロカプセル化剤、助剤、薬学的に許容可能な賦形剤を含んでいてもよい。リバビリンは、マイクロカプセル化剤、助剤、薬学的に許容可能な賦形剤と、共有結合、イオン結合、親水性の相互作用を通じて、又はほかの非共有の方法によって結合させることができる。マイクロカプセル化剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、アミノ酸、糖類、塩から選択可能である。別の実施形態において、その組成物に助剤が含まれている場合、その助剤は好ましくは、腸又は胃の膜の透過性を向上させること、又は腸のトランスポータを活性化させること、のいずれかによって、より優れた吸収作用を与える。
本発明の別の実施形態において、リバビリンは、要求された性能特性を与えるために、分子量、サイズ、官能基、pH感受性、溶解度、三次元構造、消化率などの共有結合に対して特定の物理化学的特性を与える、種々のアミノ酸のペプチドに結合されている。
別の好適な実施形態において、アミノ酸の鎖長は異なる送達基準に適合するように変化させることができる。生物学的利用能を高めて送達するために、リバビリンは単一のアミノ酸から8つのアミノ酸に結合させてもよいが、2つから5つの範囲のアミノ酸が好ましい。送達を調節し又はリバビリンの生物学的利用能を向上させるために、糖ペプチドの好適な長さは、アミノ酸の長さで2つから50の間である。別の実施形態において、キャリアペプチドは、リバビリン−ペプチド又はリバビリン−糖ペプチド結合誘導体の溶解度を制御し、リバビリンの溶解度には左右されない。したがって、結合リバビリン組成物によって与えられる持続された又はゼロ次速度過程のメカニズムは、不規則な放出と、典型的な分解制御された徐放法が直面する扱いにくい処方を避けるものである。
別の実施形態において、リバビリンは、活性トランスポータとして認識され取り上げられているアジュバントに結合させてもよい。一実施例において、その活性トランスポータは、胆汁酸活性トランスポータではない。別の実施形態において、本発明は、送達用の活性トランスポータとして認識され取り上げられているアジュバントへリバビリンを結合させることを要求しない。
別の実施形態において、キャリアペプチドは複数のリバビリンが結合可能である。その結合誘導体は、リバビリン部分、又は、さらに送達を変更可能とし放出と標的送達を増進し及び/又は吸着を増進するほかの修飾分子、が複数結合することを可能とする追加的な利点を提供する。さらなる実施形態において、その結合誘導体は、アジュバントと結合させてもよく、マイクロカプセル化してもよい。
別の実施形態において、その結合誘導体は、薬剤送達、細胞標的、増強されれた生物学的感応性などの、広範囲にわたる薬学的応用法を提供する。
別の好適な実施形態において、本発明の組成物は、摂取可能なピル、タブレット又はカプセル、静脈注射製剤、筋肉注射製剤、皮下注射製剤、持続性製剤インプラント、経皮製剤、経口懸濁液、舌下製剤、経鼻製剤、吸入剤、又は座薬の形態である。別の実施形態において、ペプチド又は糖ペプチドは、pH依存性の方法で組成物からリバビリンを放出することができる。
別の実施形態において、経口以外の方法でリバビリン結合誘導体を投与した後、そのペプチド構造のために肝臓の酸化酵素の認識が回避されることによって、初回代謝が妨げられる。
本発明は、組成物からリバビリンの放出を制御するための方法も提供し、その組成物は、ペプチド又は糖ペプチドを含み、その方法は、リバビリンをペプチド又は糖ペプチドへ共有結合させることを含む。本発明のさらなる実施形態において、治療濃度域内で血中濃度が持続する期間を延長することによって、種々の化学的又は治療上の分類の中からリバビリンの性能を増強することが達成される。標準的な製剤が良好な生物学的利用能を実現する薬剤において、血中濃度は、以下に説明するような最適治療効果を狙って、あまりにも早くピークに達する。腸の酵素による消化でリバビリンを放出する特定のペプチド結合誘導体の設計と合成は、放出と吸収のプロフィールを調節し、したがって、曲線下の比較されうる面積を維持し、一方、長時間にわたってリバビリンの吸収を円滑にする。
結合プロドラッグは、持続した又は延長された放出を親化合物に与える。持続した放出とは、通常、遅い一次反応速度に向けて吸収をシフトさせることをいう。延長された放出とは、通常、化合物の吸収にゼロ次反応速度を与えることをいう。生物学的利用能は、吸収速度以外の、腸細胞と肝臓による初回代謝、腎臓によるクリアランス速度などのファクターによっても影響を受ける。これらのファクターに関連したメカニズムは、薬剤結合誘導体が吸収後に原型を保っていることを必要とする。徐放のメカニズムは、多数のファクターのいずれか又はすべてが要因となっている。これらのファクターにはつぎのものが含まれる。1)管腔の消化酵素により親薬剤を穏やかに酵素的に放出させること、2)腸粘膜の表面結合酵素により穏やかに放出させること、3)腸粘膜細胞の細胞間酵素により穏やかに放出させること、4)血清酵素により穏やかに放出させること、5)吸収の受動メカニズムを摂取の能動メカニズムへ変換し、薬物吸収を受容体密度と同様に受容体結合についてのKに依存させること、6)親薬剤の溶解度を低下させ、その結果としてより穏やかに分解させること、7)溶解度を増加させ、その結果としてより大量の薬物を分解させ、利用可能量の増加により長期にわたって吸収させること。
酵素が仲介した放出技術の潜在的長所は、上述の例を超えて拡大する。例えば、はじめの方で説明したように、リバビリンをペプチドの1つ以上のアミノ酸と共有結合させて、その薬剤を患者に投与することによって達成される吸収の増加により、リバビリン結合誘導体は恩恵を受ける。本発明はまた、腸上皮輸送システムを対象とし、リバビリンの吸収を促進することも可能とする。つぎには、改善された生物学的利用能が、必要とされる投与量の低下に貢献する。したがって、本発明のさらなる実施形態において、ここで説明した方法でリバビリンの放出を調節し生物学的利用能を改善することによって、リバビリンの毒性を減らすことが可能となる。
本発明の別の実施形態において、使用されるアミノ酸によって、要求された送達に応じた特定のpH又は温度において結合を幾らか不安定にさせることが可能となる。さらに、一実施形態において、アミノ酸の選択は、要求された物理的性質に依存する。例えば、嵩高さ(bulk)又は親油性の増加が求められる場合は、キャリアポリペプチドはグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、及びチロシンを含む。他方、極性アミノ酸は、ペプチドの親水性を増加させるために選択される。別の実施形態において、反応性の側鎖を有するアミノ酸(例えば、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、セリン、トレオニン、及びシステイン)は、リバビリン又はアジュバントが同じキャリアペプチドに結合するための複数の点を得るために組み込まれてもよい。
別の実施形態において、本発明は、Caco−2細胞を用いて結合を試験する方法を提供する。
前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明はともに典型的なものであって、本発明を限定するものではない。種々の利点と有用性と同様に本発明のこれらの又はその他の特徴は、好適な実施形態の詳細な説明を参照することによって、及び添付した図面によって、より明確になるであろう。
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と関連付けて読んだときに最もよく理解される。
リバビリンの構造を示す。 リバビリン代謝(左)とリバビリン−ペプチド/糖ペプチド結合誘導体(右)の起こりうる代謝の比較を示す。 ELISA分析により測定されたときのポリ(Glu)−AZTの2つのバッチに対するAZTの血中濃度を示す。 ELISAによって検出されたAZT/Glu(AZT)濃度と、LC−MS/MSにより検出された遊離AZT濃度の比較を示す。 AZTのアミノ酸プロドラッグを示す。 親薬剤(赤、四角)とペンタペプチドプロドラッグ(青、菱)について、IV投与後にLC−MS/MSで検出された遊離薬剤の量を示す。 リバビリンジペプチドの一般式を示す。 カルバミン酸結合を含む、リバビリンの糖ペプチドの構造を示す。 種々の鎖長を有するリバビリンペプチド誘導体の合成スキームの例を示す。 リバビリン糖ペプチドの合成スキームの例を示す。 典型的な創薬方法を示すフローチャートである。
本発明の全体を通じて使用する「ペプチド」は、単一のアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、又はポリペプチドを含むことを意味する。本発明の全体を通じて使用する「糖ペプチド」は、単一のアミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、又はポリペプチドに共有結合した糖質を含むことを意味する。本発明の全体を通じて使用する「キャリアペプチド」は、ペプチド又は糖ペプチドのことをいう。本発明の全体を通じて使用する「プロドラッグ」及び/又は「誘導体」は、ペプチド−リバビリン結合誘導体及び/又は糖ペプチド−リバビリン結合誘導体のことをいう。
本発明においてリバビリンがペプチド又は糖ペプチドに結合しているというときは、リバビリンの特定の実施形態を説明するものである。好適な結合の長さとその他の好適な実施形態は、ここで説明される。
調節とは、全体の吸収量、吸収速度、及び/又は標的送達に、少なくとも変化を及ぼすか、又は変化させることを含むことを意味する。持続された放出とは、少なくとも、単独で送達された基準薬剤と比較して、キャリアペプチド−リバビリン組成物の送達後36時間までの期間、血流中の基準化合物の量が増加することを含むことを意味する。持続された放出とは、さらに、従来の製剤設計のリバビリンを同じ送達経路を経て放出したときと比較して長期間にわたって全身の血液循環中へリバビリンが放出されることとして定義されてもよい。
リバビリンは、その組成物から酵素触媒によって放出されてもよく、又はpH依存性の化学触媒によって放出されてもよい。好適な実施形態において、リバビリンは、その組成物から酵素触媒によって放出される。一実施形態において、リバビリンは、持続された放出法によって組成物から放出される。別の実施形態において、組成物からのリバビリンの持続された放出は、ゼロ次、又はほぼゼロ次の薬物動態を有する。
本発明は、リバビリンの送達にいくつかの利益をもたらす。ほとんどの現在のリバビリン治療薬は、静注(IV)又は筋注(IM)をいまだに必要とするが、本発明は、非常に侵襲性が少なく送達可能なリバビリン結合誘導体を提供する。このペプチドプロドラッグの安定性は、アミノ酸配列又は結合だけでなく、アミノ酸の種類にも依存する。ほとんどの天然アミノ酸は、L−配置を有する。しかし、D−アミノ酸、合成アミノ酸、及びN−メチルアミノ酸の結合は、ペプチドとその誘導体の代謝安定性を顕著に増加させることがある。分岐アミノ酸結合を有する組み合わせにおいて(薬剤はアミノ酸の側鎖に結合している)、これらの非天然ペプチド結合誘導体は、特異性の低い肝酵素として知られているにもかかわらず、消化酵素又は血中酵素の基質になる可能性が小さい。
アミノ酸の選択は、要求された物理的性質に依存する。例えば、嵩高さ又は親油性の増加が求められる場合には、キャリアペプチドは、嵩高い、親油性の側鎖を有するアミノ酸が高められたものとなる。他方、極性アミノ酸は、ペプチドの親水性を増加させるために選択される。イオン化アミノ酸は、pH制御のペプチドの展開のために選択される。アスパラギン酸、グルタミン酸、及びチロシンは、胃の中では電荷を帯びていないが、腸に入るとイオン化する。反対に、ヒスチジン、リジン、及びアルギニンなどの塩基性アミノ酸は、胃の中ではイオン化され、アルカリ性環境下では電荷を帯びていない。
芳香族残基間のπ−π相互作用、プロリンの付加によるペプチド鎖のよじれ、ジスルフィド架橋結合、及び水素結合などのその他のファクターは、要求された性能パラメータのために最適なアミノ酸配列を選択するためにすべて用いることができる。直線状の配列の順序は、これらの相互作用を最大にすることのできる方法に影響を与え、ポリペプチドの二次及び三次の構造の方向付けに重要である。
分子量可変のキャリアペプチドは、リバビリン放出の反応速度において意味深い効果を有する。結果として、低分子量のリバビリン送達システムが好ましい。本発明の1つの長所は、ペプチドの鎖長と分子量を、要求された保護のレベルに応じて最適化できることである。この特性は、放出のメカニズムの第一段階の反応速度に合せて最適化することができる。したがって、本発明の別の長所は、延長された放出時間がキャリアペプチドの分子量を増加させることによって与えられることである。
一実施形態において、リバビリンは、長さが1個ないし450のアミノ酸の間の範囲にあるペプチドに結合している。別の実施形態において、2ないし50のアミノ酸が好ましく、1ないし12個のアミノ酸がより好ましく、1ないし8個のアミノ酸が最も好ましい。別の実施形態において、アミノ酸の数は、1,2,3,4,5,6,又は7個のアミノ酸から選択される。本発明の別の実施形態において、結合誘導体のキャリア部分の分子量は、約2,500未満、より好ましくは、約1,000未満、最も好ましくは、約500未満である。
最適には、ペプチドの鎖長は、開発と生産のコストと時間を最小化するためにできるだけ短くすべきである。好ましくは、結合誘導体はアミノ酸が2個から最大5個までの範囲の鎖長を有するべきである。5を超えるアミノ酸を有するペプチドは、GI消化を切る抜けることができず、製造にコストがかかる。ジペプチドとトリペプチドの誘導体が特に好適である。
本発明の糖ペプチドは、ペプチド鎖に結合する少なくとも1つの糖の部分を含む。考えられる糖の候補としては、ガラクトース、マンノース、及びこれらの誘導体が含まれる。これら二つの糖は、肝臓のアシアロ糖蛋白受容体に最高の親和性を示す。
本発明の組成物は、3つの必須の結合の型を含む。この結合の型は、C−キャッピング、N−キャッピング、側鎖結合と称される。C−キャッピングは、リバビリンのペプチドのC−末端への直接又はリンカーを経由した共有結合からなる。N−キャッピングは、リバビリンのペプチドのN−末端への直接又はリンカーを経由した共有結合からなる。側鎖結合は、リバビリンのペプチドの官能側鎖への直接又はリンカーを経由した共有結合からなる。反応性の側鎖を有するアミノ酸(例えば、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、セリン、トレオニン、システイン)は、複数のリバビリン又はアジュバントを同じキャリアペプチドに結合させるために組み込まれてもよい。本発明はまた、キャリアの鎖に沿った複数のリバビリン部分を用いることを想定している。
リバビリンには、ペプチドのC−末端が結合できる4つの位置がある。2’−OH、3’−OH、5’−OH、核酸塩基のアミド基である。
Figure 2008522959
本発明の一実施形態において、置換誘導体が修飾されるのは、好ましくは糖環の5’−位である。この第一アルコールは、糖環の立体障害が最小の位置である。このほかのいずれかの水酸基への結合も可能であるが、合成的により困難である。その2つの第二の水酸基は、イソプロピリデン基で簡単に保護できるが、3’−OHと5’−OH、又は2’−OHと5’−OHの選択的保護は、より複雑な経路を要する。さらに、5’−OHの直接ブロッキングは、リン酸化反応を回避し、したがってRBC中の蓄積を回避する、最良の方法であると思われる。同様に、アミド基の塩基部分にペプチドを付加すると、保護されていない5’−OHが残り、その上、最終的なペプチドに分裂する間に、それぞれの親薬剤のカルボン酸誘導体への望ましくない変換が生じる可能性がある。さらに、ペプチドは、ヌクレオシドの1つ以上の官能基に付加し、複数置換誘導体を与える可能性がある。
ペプチドを糖の水酸基に結合するには、主に2つの方法がある。第一は、エステル結合を経由したペプチドのC−末端の結合である。もう1つの方法は、ペプチドの安定なアミノ酸(例えば、Asp,Glu,Lys,Ser,Thr,Tyr)の側鎖官能基へヌクレオシドを結合することを含む。これらの結合は、エステル結合、アミド結合、カルバミン酸結合、カーボネート結合、又はエーテル結合である。ペプチドとヌクレオシドの間の接続は、結合の安定性を決定するものであるので、この種々の異なった結合の選択の余地は、要求された性質を示す適切な主要化合物を見つける機会を増加させるだろう。
同様に、糖ペプチド結合誘導体は、すでに結合しているペプチドのN−末端又は側鎖官能基へ糖の部分を付加することによって合成することができる。糖をペプチドへ結合する単純な方法は、カルバミン酸結合を経由する(図8)。もしこの糖ペプチドが十分な安定性を示さない場合は、ほかのタイプの結合、例えば、カーボネート結合又はエーテル結合を検討することができる。
本発明について、以下の限定されない実施例を参照して説明する。
[リバビリンのペプチド/糖ペプチド誘導体の調製]
リバビリンのペプチド及び/又は糖ペプチドの誘導体を多数調製し(表1)、合成の実行可能性と、その化合物の予備的なスクリーニング法を検討した(図7)。標準的なペプチドとヌクレオシドの化学により、これらの結合誘導体が簡単に得られることを見出した。
Figure 2008522959
これらの結合誘導体のいくつかについて、胃腸(GI)区域で通常見出される酵素、ペプシン、エステラーゼ、パンクレアチンを用いたインビトロアッセイを用いて胃腸(GI)消化への安定性を試験した。得られたデータは、ほとんどのリバビリンが、与えられた条件下で活性薬剤の最小量しか放出しないことを示した。
[実験計画と方法]
本発明は、経口投与されたときに、原型を保って血流に吸収され、循環し、肝臓でリバビリンに代謝される、リバビリンのプロドラッグの発見に関する。この発見は、リバビリンの低分子ペプチドと糖ペプチドのプロドラッグの合成と、種々のインビトロアッセイにおけるそれらの安定性、吸収、代謝の特性決定を伴う。後述のように、リバビリンのエステルを調製するための合成手順は、標準的な溶液相のペプチドと糖の化学に従うものであり、その両方は、この技術において十分に確立されたものである。さらに、安定性、吸収、代謝を評価するインビトロアッセイは、十分に文書化されており、胃腸の消化、腸の吸収、血中濃度半減期、全血の性質、肝臓の取り込みと代謝のモデルを示すものである。提案されたインビトロの基準のいくつか又はすべてを満たす選択されたリバビリン結合誘導体について、インビボの薬物動態学のプロフィールと分布を試験した。
[合成計画]
ペプチド鎖をエステル結合を介してリバビリンなどのヌクレオシドへ共有結合する方法は、標準的なペプチドと糖の化学に関係するものである。この方法は、ペプチド前駆体の合成、又は単一のアミノ酸の所定の薬剤への直接カップリングで始まる。アミノ酸又はペプチドの側鎖は、つぎにその中間体と、追加のペプチド(通常はジペプチド)のスクシミニドエステルを縮合することによって、延長される。アミノ酸と遊離した薬剤に応じて、我々は、初期のカップリング反応は以下の2つの技術のうちの1つを用いることで、最も効率的に行うことができることを見出した。1)アミノ酸/ペプチドのスクシミニドエステルの付加、又は、2)活性化剤(例えば、HBTU、TSTU)を用いた直接カップリング。リバビリンの場合、スクシミニドエステル法が、反応時間、収率、純度の点で好ましい結果を与える。
[合成スキーム]
我々は、表1(図8と9)に記載された化合物を首尾よく合成することのできる合成経路を開発した。全合成は短く(3〜7ステップ)、短時間で変形体(variables)の最大数を調査し、スクリーニング結果に素早く対応することが可能である(図8)。第一ステップにおいて、リバビリンをイソプロピリデン基で保護した。つぎのN−保護ジペプチドとのカップリングにより、最終のペプチド又は糖ペプチドの誘導体の前駆体が得られた。前者は1つの脱保護反応後に容易に得られた。後者の調製は、イソプロピリデン基を分離せず、又は側鎖官能基(例えば、Asp,Glu,Lys)を有すると見込まれるアミノ酸を保護することなく、ペプチドのN−末端を選択的に脱保護することが必要であった。結果として得られた中間体を糖の誘導体とカップリングし、つぎに完全に脱保護して最終のリバビリン糖ペプチドを得た(図9)。
リバビリン−2’,3’−イソプロピリデンの調製
無水オルト蟻酸トリエチル(2.2当量)とトルエンスルホン酸一水和物を無水アセトンに溶解した。溶液を20時間、室温で撹拌した。リバビリン(1当量)をできるだけ少量の無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、続いてアセトン溶液に加えた。混合物を20時間、50℃に加熱した。溶媒を蒸発させて乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(0〜8%MeOH/CHCl)により精製した。
保護されたリバビリンジペプチド誘導体の調製
イソプロピリデンで保護されたリバビリンを無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。N−メチルモルホリン(5当量)と保護されたジペプチドスクシニミドエステル(1当量)を加えた。溶液を20時間、室温で撹拌した。溶媒を蒸発させ、飽和重炭酸ナトリウム溶液を残渣に加えた。その懸濁液を45分間撹拌した。固体の粗生成物を濾別し、HPLCで精製した。
Bocで保護されたペプチド/アミノ酸側鎖の選択的脱保護
保護された結合誘導体を無水1,2−ジオキサンに溶解した。つづいて、4N塩酸の1,2−ジオキサン溶液を加え、混合物中の全体の塩酸を2Nとした。この懸濁液を3時間、室温で撹拌した。溶媒を蒸発させて乾燥し、十分な純度の生成物を得た。
Bocで保護されたペプチド/アミノ酸側鎖とリバビリンの脱保護
ペプチド/アミノ酸側鎖とリバビリンの保護された結合誘導体を、無水1,2−ジオキサンに溶解した。溶液を4N塩酸の1,2−ジオキサン溶液で酸性にし、全体の塩酸濃度を2Nとした。この混合物を3時間、室温で撹拌し、つぎに水で希釈して全体の塩酸濃度を0.5Nにした。その溶液を再び室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させて乾燥し、十分な純度の生成物を得た。
リバビリンペプチドの遊離型のN−末端と糖誘導体(例えば、1,2:3,4−ジ−O−イソプロピリデン−α−D−ガラクトピラノース)の水酸基の間のカップリング
糖誘導体(1当量)を無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。その溶液に1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI;1当量)を加え、その混合物を室温で2時間撹拌した。リバビリンペプチド結合誘導体(1.5当量)とイミダゾール(0.2当量)を無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。この溶液を活性化した糖に加え、その結果として得られた混合物を24時間55℃に加熱した。溶媒を蒸発させて、残渣をカラムクロマトグラフィー(0〜3%MeOH/CHCl)により精製した。
[インビトロスクリーニングアッセイ]
遊離リバビリンと結合リバビリンの分析
遊離リバビリンとそのペプチド結合誘導体をLC−MSで分析する。LC−MSシステムは、Agilent1100シリーズバイナリポンプ、真空脱気装置、オートサンプラー、温度自動調節カラムコンパートメント、可変波長検出器、エレクトロスプレーイオン化源を備えたMSD SL四重極質量分析計を備えている。分離は、30℃に保持された150×4.6mmのPrincetonSPHER−100アミノカラム(プリンストン・クロマトグラフィー,プリンストン,NJ)を用いて、80%MeCNと20%NHOAcからなる定組成移動相(10mM,pH3.5)、流速1ml/分で行う。UV検出器は、波長210nmに設定する。フラグメンター、キャピラリー電圧、スプレーチャンバーパラメータなどのMSの条件は、現在、遊離したリバビリンとその結合誘導体の類似体の最大感度に最適化されている。
特に示さない限り、表示された時間の各アッセイの保温の後、分析用のサンプルの調製は、1%のHPOを含むMeCNで2倍に希釈して不溶性物質の沈殿を生じさせた後に行う。沈殿物は遠心器で沈降させ、上澄みはテフロンフィルタ(0.2μm)を通して分析用のHPLCバイアル中に濾過する。遊離リバビリンとその親結合誘導体の両方の存在について、結合誘導体を三重に分析する。
リバビリンと結合誘導体の原液の調製
リバビリン結合誘導体の原液は、分析の前に調製し、分析が必要になるまで80℃に保つ。原液の過度の凍結融解サイクルを避けるために、分注して別々に保存し、分析が必要なときに希釈する。原液は、各結合誘導体の目標分析濃度の100倍に調製し、以下で言及するように、分析中又は直前に希釈する。必要に応じて、有機溶媒(例えば、MeOH、MeCN)の分析時の濃度を1%未満に保つために、この原液中の濃度を50%未満に保つ。各分析中のすべての結合誘導体の計画された濃度は、分析感度に応じて10μMとする。遊離リバビリンの原液は、各分析時に新たに調製し、各結合誘導体の較正標準を、それぞれの分析濃度に希釈する。
蛋白質分解消化に対するリバビリン結合誘導体の安定性
いくつかのインビトロの酵素分析を、リバビリンがそのプロドラッグ結合誘導体から放出されるかどうかを判断するために行った。胃又は上部腸管のモデルにおいて酵素消化が起きるかどうかを判断するために、胃腸シミュレーションのためのUSPプロトコルをわずかの変更を加えて行う。U.S.Pharmacopeiaand National Formulary (2000) Reagents, Indicators, and Solution P. 2235-2236. 豚の肝臓から分離したエステラーゼを用いた分析を、リバビリン結合誘導体の肝臓消化のモデルとして用いる。さらに、スプレプトマイセス・グリセウス(タイプXIV、プロナーゼ)から分離した非特異的プロテアーゼを、結合リバビリンの一般的な加水分解性を判断するために用いる。
使用前に、各酵素の原液は、以下のように分析濃度の2倍に調製する。胃のシミュレーター用に、豚の胃粘膜から精製したペプシンをNaCl緩衝液(68mM、pH1.2)に6.4mg/mlの濃度で加える。腸のシミュレーター用に、豚の膵臓から分離したパンクレアチンの溶液を、KHPO緩衝液(100mM、pH7.5)中で20mg/mlの濃度に調製する。腸のシミュレーター緩衝液は、プロナーゼ(6mg/ml)を用いた消化にも用いる。
エステラーゼ活性実験のために、酵素原液を50mM NaHPO緩衝液(pH8)中に6.6mg/mlの濃度で調製する。リバビリン結合誘導体の原液は、各分析を開始するために酵素で2倍に希釈する(1ml 最終体積)前に、水で50倍に希釈する。サンプルをつぎに、ボルテックスインキュベータ中、37℃で1時間(ペプシン、プロナーゼ)と4時間(パンクレアチン)保温する。カゼイン(パンクレアチン、プロナーゼ)とヘモグロビン(ペプシン)からのチロシンの放出と、酢酸4−ニトロフェニル(エステラーゼ)からの4−ニトロフェノールの放出は、酵素活性のコントロールとして用いられる。
腸吸収のCaco−2モデル
ヒト結腸腺癌に由来するCaco−2細胞は、多くの小腸の性質を有する。それは、腸の粘膜を横切る薬剤の吸収を予測するために用いられる、有用でよく知られたインビトロモデルに相当する。膜支持体上に蒔かれたCaco−2細胞は、尖端(腸の管腔)から胃腸管の側底(血液)側への薬物輸送の研究を可能にする。予め蒔かれたCaco−2細胞を、結合リバビリンの吸収と浸透性(及び起こりうる代謝)を判断するために、インビトロ・テクノロジーズ(IVT、ボルチモア、MD)から購入する。発送前に、すべての予め蒔かれたCaco−2単層は、特に、径上皮電気抵抗、完全な単層状態であることの評価、などの厳しい一連の品質管理基準を満たしている。尖端から側底への薬剤輸送を判断するために、IVTから入手可能な技術的プロトコルに従う。In Vitro Technologies, Inc., Instructions for Using Plated Caco-2 Cells: Transport Study, Apical to Basolateral (2003).
Caco−2細胞を受け取ったら、COインキュベーター(5%CO、37℃)中で24時間、輸送培地で細胞を保温する。尖端から側底へのCaco−2輸送分析の間に用いられる培地は、供給されている輸送培地から調製する。側底の輸送培地(BTM)は、1N NaOHでそのpHを7.4に合せて調製し、尖端の輸送培地(ATM)は1N HClでそのpHを6.5に合せて調製する。側底のウェルに0.6mlのBTMを加えた後、Caco−2細胞を含む各トランスウェルを、注意深くATMで「リンス」し、排液し、そのウェルに入れる。つぎに、0.1mlのATM中の投薬溶液を各トランスウェルの尖端側にゆっくりと加え、その系を1時間保温する(5%CO、37℃)。側底の培地を、つぎに各ウェルから除去し、HPLCバイアルに濾過し、指示されたようにLC−MSで分析する。
血漿安定性及び全血の性質
リバビリンは、HCV治療の間に溶血性貧血を引き起こす可能性のあるRBCに蓄積する。この提案で予定されているように、血漿中の加水分解に安定な5’−結合リバビリンプロドラッグは、リン酸化されず、したがって、RBCに蓄積することなく(少しでもRBCに入った場合は)細胞内で拡散平衡となる。さらに、血漿安定性は、原型を保ったまま結合誘導体を肝臓へ届けるために重要である。したがって、血漿安定性とリバビリン結合誘導体のRBCへの取り込みの両方が評価される。
ヒト血漿中のリバビリン結合誘導体の安定性を判断するために、既に確立されたプロトコルに従う。Aggarwal, S. K., et al., J. Med Chem. 1990, 33, 1505-1510. 結合誘導体(100倍原液からの)又は、遊離リバビリンの溶液を、37℃の保温の前に直接血漿内で希釈する(例えば、990μlの血漿に10μlの結合誘導体溶液)。1時間後、説明したように、サンプルを分析用に調製する。
血漿中の安定性に応じて、選択されたリバビリン結合誘導体のRBCへの取り込みを評価する。現在のプロトコルである、Homma, M., rt al., Antimicrob. Agents Chemother. 1999, 43(11), 2716-2719、を少し変更して、遊離リバビリンと結合誘導体の両方を、ラット(rattus norvegicus)からヘパリン添加チューブに収集した全血中で100倍に希釈する。穏やかに振とうしながら37℃で1時間保温した後、サンプルを遠心分離にかけ(1500G、15分)、血漿とRBCを分離する。血漿を除去し、上述のとおり分析用に調製する。リバビリンと結合誘導体のRBCへの取り込みを測定するために、分析用の調製に先立って、残った細胞を溶解させて酸ホスファターゼで処理する。
肝臓の吸収と代謝
分離されたヒト肝臓ミクロソームと肝細胞は、無傷の肝臓の性質の多くを示し、広く受け入れられた薬物代謝を調査するためのモデルである。ヒト肝細胞は、多くの典型的な肝機能を示し、ヒトの肝臓に最も近いインビトロモデルを与える代謝酵素を発現する。このモデルに基づいて、薬剤のインビトロとインビボの代謝の間の類似性が観察された。Gomez-Lechon, M. J., et al., Curr. Drug Metab. 2003, 4(4), 292-312. したがって、ヒト肝臓ミクロソームと予め培養されたヒト肝細胞を、インビトロ・テクノロジーズ(IVT、ボルチモア、MD)から購入し、結合リバビリンの肝臓の吸収と代謝を測定するために用いる。
結合誘導体からリバビリンへの変換は、ヒト肝臓ミクロソームで観測する。各結合誘導体の安定性をインビトロ・テクノロジーズから入手可能な技術的プロトコルに従って測定する。In Vitro Technologies, Inc., Instructions for Using Microsomes and S9 fractions, 2003. 一般的な手順は、つぎのとおりである。1.7mg/mlのNADPを含む2%(w/v)NaHCO緩衝液、7.8mg/mlのグルコース−6−リン酸、6単位/mlのグルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PD)を調製する。この活性化緩衝液を使用するまで4℃に保ち、8時間まで安定させる。16×100mmの試験管へ、50μlのミクロソーム(2mg/mlの原液から)、10μlの結合誘導体(100倍の原液から)、690μlの2%NaHCO緩衝液(活性化緩衝液ではない)を加える。この混合物を37℃で穏やかに5〜10分間ボルテックスで撹拌し、つぎに250μlの活性化緩衝液を加える(最終体積1ml)。サンプルを分析用の調製前に37℃で1時間保温する。
培養肝細胞中のリバビリンの吸収と代謝を観察するための分析条件は、IVTから入手可能な技術的プロトコルに説明されている。In Vitro Technologies, Inc., Cultured HepatocyteXenobiotic Metabolism Assay, 2001.細胞に加える前に、結合誘導体の原液を、各キットに附属する肝細胞培養培地(HIM)中に分析濃度へ100倍に希釈する。現存の培地を細胞から除去し、10μMの結合誘導体を含む培地と交換する。処理済の細胞を、COインキュベーター(5%CO、37℃)中で1時間保温する。保温後、培地を除去して、吸収されなかった結合誘導体の濃度を決定する分析のための準備をする。つぎに細胞を洗浄(HIMで)し、2回吸引する。残った細胞を各ウェルから(初期のウェル体積の)2体積分のMeCN(1%HPO)で抽出し、結合誘導体の吸収と遊離ビバビリンへの変換を決定する分析のための準備をする。
[インビボモデル]
プロドラッグの発見の初期では、インビトロのデータの有意性を確認することが重要である。我々は、主として、インビトロモデルの使用がプロドラッグのライフサイクルの間に起こる実際の生物学的プロセスの多くを無視していることに気付いた。これには、限定するものではないが、消化酵素又は胆汁酸塩、メカニズムの働き、活性輸送メカニズム、受動拡散メカニズム、細菌性の分解/代謝、代替の代謝経路とクリアランスメカニズムが含まれる。しかし、このすべてのファクターは、プロドラッグが動物に投与されたときに考慮される。それは、各インビトロアッセイの適切さと、そのインビボの動物モデルへの相関を確認することが重要であることを我々が確信する理由である。
動物保護と発見処理量(discovery throughput)の利益のために、我々は、すでに検証された技術を用いたインビトロアッセイの広範囲にわたるライブラリを構築し、そして、これらのアッセイからのデータを我々の第一世代の化合物を分類するために用いることにした。成績が優秀ないくつかの化合物(1つの参照標準で9つのプロドラッグ)を、ラットに経口投与し、その後、その血液と肝臓を分析する。この初期データは、我々のインビトロモデルの適切さを評価し、我々がその使用を続けるべきかどうかの判断をするのに役立つ。インビトロモデルがインビボデータと相関しないならば、我々は、つぎには、より大きく動物モデルに頼らざるを得ないだろう。
インビボモデルの有意性が立証された後、つぎに我々は、プロドラッグの薬物動態学の検証を助け、潜在的な主要な化合物の数(1つの参照標準で4つのプロドラッグ)を減らすために、インビボモデルのみを用いるだろう。
[発見戦略]
プロドラッグを設計し試験するときに、初めに変形体(variables)の数を最小にすべきであり、一方、これらの化合物から得られる情報は最大にすべきである。我々の発見のためのアプローチは、過去のプロジェクトにおいて極めて上首尾であり、それを図9に示す。これと同様なアプローチは、リバビリン結合誘導体の研究のために実施される。初めに、我々の第一世代の化合物をスクリーニングし、上述のインビボ/インビトロ相関を確証する。このデータを用いて、我々はつぎに、次の化合物のセットを最適化するために、インビトロデータの連続フローを用いて要求された特性を最適化する。
例えば、5’−位の結合がRBC中の蓄積を減少させることをデータが示唆する場合は、すべての今後の化合物はこの傾向に合せられる。特定の鎖長が要求される特性を有する場合は、つぎにスポットライトはその鎖長を有する結合誘導体のみを開発するためにシフトする。インビトロ/インビボデータからのフィードバックは、リバビリン結合誘導体のより好ましいセットを絶えず生み出す。
[消化と腸吸収で残存するペプチド結合誘導体]
アミノ酸又は低分子ペプチドを薬物に添加すると、能動及び受動輸送メカニズムの両方が利用されて生物学的利用能が増加するだけでなく、有意な濃度の無傷のプロドラッグが血流に到達する。この方法の古典的な例としては、アシクロビルのL−バリンプロドラッグ(バラシクロビル)がある。ヌクレオシドに類似するアシクロビルは、生物学的利用能に乏しい(15−30%)抗ウイルス薬であるが、いったんエステル結合でバリンに結合すると、その生物学的利用能が2倍(54%)に増加する。ほとんどの研究は、アミノ酸プロドラッグ結合誘導体が血清中に見つかり、ジペプチドトランスポーターを通して活発に輸送されることを示唆している。いったん吸収されると、バラシクロビルは腸と肝臓の加水分解を受けてL−バリンとアシクロビルになると思われる。
血清中の有意な抗ウイルス薬の結合誘導体濃度と結びついて吸収が改善される、ほかの例を実施した。AIDS治療に用いられるヌクレオシド類似体であるAZTを、エステル結合を経由してポリグルタミン酸の側鎖に共有結合させ、ポリ(Glu)−AZTを形成した。この物質をつぎに、AZTの等モルの量でラットに経口投与した。ELISAによりAZTを検出したところ、高濃度の遊離AZT又は部分的に消化されたポリ(Glu)−AZT(Glu(AZT)、ここでn≧1、n=グルタミン酸サブユニットの数)のいずれかが、経口投与後のラットの血漿中に存在することが示された(図3)。後のマススペクトロメトリーを用いた動物実験により、ELISAが主に結合誘導体であるGlu(AZT)を検出しており、遊離AZTの血清濃度は低いことが確認された(図4)。
多くのAZT結合誘導体の一連の実験により、これらのプロドラッグに対する一般的なELISAの応答が、遊離AZTに対する応答と常に同等以下であることが示された。したがって、ELISAとLC−MS/MS(遊離AZTのみを検出)プロットの間の大きな濃度の相違は、消化と吸収の過程を無傷で通過した相当量のGlu(AZT)に起因すると思われる。
[血中で安定なペプチド結合誘導体]
この書面中には、血中で無傷で残存したアミノ酸プロドラッグについてのいくつかの例がある。一例において、抗−HIV薬であるAZTを数種のアミノ酸のC−末端にエステル結合を経由して結合させた(図5)。つぎに、これらの結合誘導体をヒト血漿とラット肝臓ミクロソーム中で保温した。Aggarwal, S. K., et al., J. MEd. Chem. 1990, 33, 1505-1510. ヒト血漿中のこれらの化合物の加水分解半減期(t1/2)は、フェニルアラニン誘導体の20分から、イソロイシン誘導体の240分超まで分布した。ラット肝臓ミクロソーム中において、t1/2は、チロシンの5分から、グルタミン酸とフェニルアラニンの30分まで分布した。
Figure 2008522959
我々は、血中で無傷で残存するエステルプロドラッグの数例を発見した。一例は、ペンタペプチドのC−末端にエステル結合を介して結合した薬剤である。静注投与(IV)したときに、この結合誘導体は最初の薬剤放出量が少量であるが、4時間の間に、最大85%まで無傷で残存した(図6)。このデータは、血清酵素が循環系をきれいにする前に、このプロドラッグのほとんどを切断しないことを示唆している。
薬物標的特性を示すプロドラッグの例としては、ラクトサミン ポリ−L−リジン(L−ポリ(Lys)−RIBV)に結合したリバビリンがあった。Fiume, L., et al., J. Vir. Hep. 1997, 4(6), 363-370. この結合誘導体は、マウスに筋肉注射で注入したときに、マウス肝炎ウイルス(MHV)の複製を阻害した。この化合物は、選択的に肝臓によって吸収され([H]で標識化したリバビリンは、肝臓中の毎分あたりの分解量の値とRBC中の毎分あたりの分解量の値の比が4.7:1であった)、ヒトの血液、又はマウスの血液とともに保温したときに薬剤を放出しなかった。
この実験結果を踏まえて、我々は、リバビリンの低分子ペプチド又は糖ペプチドの誘導体が、以下の理由で慢性HCVの併用治療のための最も適切なプロドラッグであると理論上想定している。ヒトのアルブミンなどの巨大分子を含む結合誘導体は胃腸(GI)管内で溶解性と安定性が乏しく、結果として、IV投与を要すること。同様に、ラクトサミン L−ポリ(Lys)−RIBVは、IM注射を必要とし、様々な部位に薬物が結合した個々の成分からなる不明瞭なポリマー混合物から構成されること。ビラミジンのようなリバビリン前駆体は、活性を与えるために、1つのヌクレオシド類似体を別のものに変換することを必要とすること。Wu, J. Z., et al., J. Antimicrob. Chemother, 2003, 52, 543-546. その前駆体はそれ自身、さらに別の毒性を示し、選択的送達をせず、代謝後のリバビリンの毒作用を除去しない。しかし、我々のプロドラッグは、肝臓ターゲティングの間中の副作用を減少させ、実際の活性薬物部分を改変しなければ、以前は気付かれていなかった毒性を示すとは思われない。
ここで示され説明された本発明の特定の実施形態は、典型的なもののみである。本発明の思想と範囲から逸脱することなく、当業者には、多くの変形、変更、置換、均等物が生じる。特に、本出願で用いられる用語は、関連出願で用いられる同じ用語を考慮して広く解釈されるべきである。さらに、説明した1つの実施形態からの種々の特徴を別の実施形態からの特徴とともに使用することは、当業者の能力の範囲である。したがって、ここで説明され添付された図面に示されたすべての事項は、説明のためのみであって限定する意味ではなく、本発明の範囲は添付された特許請求の範囲によってのみ決定されることを意図する。

Claims (27)


  1. Figure 2008522959
    を有し、Aはペプチド、糖ペプチド、又は水素、Bはペプチド、糖ペプチド、又は水素、Cはペプチド、糖ペプチド、又は水素、Dはペプチド、糖ペプチド、又は水素であって、A、B、C及びDは同時にすべてHではない化合物。
  2. Aがペプチドである請求項1記載の化合物。
  3. Aが糖ペプチドである請求項1記載の化合物。
  4. Aが2、3、4又は5個のアミノ酸からなるペプチドである請求項2記載の化合物。
  5. Aがジペプチドである請求項4記載の化合物。
  6. Aがトリペプチドである請求項4記載の化合物。
  7. 前記ペプチドのN−末端に糖が結合している請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
  8. 前記ペプチドの側鎖に糖が結合している請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
  9. AがAla−Ile−、Ala−Pro−、Asp−Asp−、D−Lys−Lys−、D−Phe−Pro−、Gal−Gly−Gly−、Gal−Pro−Phe−、Glu−Glu−、Gly−Gly−、Gly−Leu−、Leu−Leu−、Leu−Phe−、Leu−Pro−、Lys−Lys−、Phe−Ala−、Phe−Gly−、Phe−Leu−、Phe−Phe−、Phe−Pro−、Phe−、Pro−Ile−、Pro−Phe−、Pro−Pro−、Val−Pro−、及びVal−Val−からなる群から選ばれる請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
  10. A、B及びCが水素原子である化合物と比較して低い毒性を示す請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
  11. 前記ペプチド又は糖ペプチドがエステル結合を介して結合している請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
  12. 消化プロセス中に安定で、循環への吸収で残存し、肝臓へ無傷で到達する請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
  13. ヒトにおける総平均生物学的利用能が64パーセントより大きい請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物の製造方法であって、出発材料としてリバビリンを準備すること、前記リバビリンの2’及び3’のC−末端を保護すること、及び、前記リバビリンの5’のC−末端にペプチド又は糖ペプチドを付加すること、を備えた方法。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物の使用方法であって、前記化合物又はその薬学的に許容可能な誘導体を、それを必要とする患者に投与すること、を備えた方法。
  16. 前記化合物が経口投与される請求項15記載の方法。
  17. 前記それを必要とする患者が、C型肝炎ウイルス(HCV)、幼児の呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、A型インフルエンザウイルス(FLUAV)、B型インフルエンザウイルス(FLUBV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ラッサ熱ウイルス(LFV)、ハンターンウイルス(HTNV)、及びSARSを引き起こす呼吸器のウイルスからなる群から選択されたウイルスに感染している請求項15又は16記載の方法。
  18. 前記患者がHCVに感染している請求項17記載の方法。
  19. 請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物又はその薬学的に許容可能な誘導体を含む医薬組成。
  20. さらに賦形剤を含む請求項19記載の医薬組成。
  21. 経口投与剤形である請求項19又は20記載の医薬組成。
  22. 前記経口投与組成がピル、タブレット又はカプセルである請求項21記載の医薬組成。
  23. 前記化合物又はその薬学的に許容可能な誘導体を、インターフェロンとともに患者へ同時投与すること、を備えた請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
  24. 前記インターフェロンがインターフェロン・アルファ−2a又はインターフェロン・アルファ−2bである請求項23記載の方法。
  25. 前記インターフェロンがPEG化インターフェロン・アルファ−2a又はPEG化インターフェロン・アルファ−2bである請求項23記載の方法。
  26. 前記患者が、C型肝炎ウイルス(HCV)、幼児の呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、A型インフルエンザウイルス(FLUAV)、B型インフルエンザウイルス(FLUBV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ラッサ熱ウイルス(LFV)、ハンターンウイルス(HTNV)、及びSARSを引き起こす呼吸器のウイルスからなる群から選択されたウイルスに感染している請求項23〜25のいずれか1項記載の方法。
  27. 前記患者がHCVに感染している請求項26記載の方法。
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