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JP2008504249A - 糖尿病を治療するための方法 - Google Patents

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JP2008504249A
JP2008504249A JP2007517298A JP2007517298A JP2008504249A JP 2008504249 A JP2008504249 A JP 2008504249A JP 2007517298 A JP2007517298 A JP 2007517298A JP 2007517298 A JP2007517298 A JP 2007517298A JP 2008504249 A JP2008504249 A JP 2008504249A
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ハンセン、ラース
ガルスガード、エリザベス・ディー.
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Novo Nordisk AS
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Abstract

プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤の投与によりインシュリン分泌を増加させることによって糖尿病を治療する方法が提供される。

Description

発明の分野
本発明は、糖代謝障害の治療に有用な方法および組成物に関する。
発明の背景
糖尿病には、膵臓ホルモンであるインシュリンの相対的または絶対的欠乏によって血中グルコース値の上昇をもたらす一群の疾患が含まれる。インシュリンは血中グルコース値に応じて血液中へ膵臓から分泌される。その主な機能は体内貯蔵庫に血中グルコースを送達することであり、その結果、血中グルコース値が制御される。
血中グルコース値の慢性的上昇は、糖尿病における最も明らかな代謝効果であり、血管への段階的な損傷に関係している。これは、心臓発作、卒中、失明、末梢神経機能障害、および腎不全を引き起こす。糖尿病には、I型とII型が知られている。I型糖尿病は、インシュリンを分泌する膵臓細胞の免疫学的破壊に関係する。II型糖尿病は、細胞欠失と末梢インスリン抵抗の組み合わせに関係する。II型糖尿病はゆるやかな段階的疾患であり、現在利用可能な全ての治療にも係らず、細胞機能が低下し続ける。糖尿病は、少なくとも500万およびおそらく1000万人ものアメリカ人に影響を与える主要な国民健康問題である。
現在、I型および最終段階のII型糖尿病には、患者へのインシュリンまたはインシュリン化合物の投与によって治療が行われる。初期段階のII型糖尿病は、通常、膵臓からのインシュリン分泌を増加させるかまたはインシュリンに対する組織感度を増加させる経口薬剤で治療が行われる。不幸にも、インシュリン補充療法または上述経口薬剤では正常血糖を回復することはできず、食後の血中グルコース値は、典型的には過剰に高くなり、多くの場合において、上述の糖尿病の合併症を最終的には誘導する。従って、膵臓が血中グルコース値に応じてインシュリンを生成する能力を回復させる効果的な治療法が開発されることには、明らかな利点がある。
β細胞の移植が提案されているが、移植には、適切なドナー、外科的処置および移植の受諾が必要になる。
WO 00/07617には、GLP-1およびその類似体が細胞の数および大きさを増加させることが開示されている。
WO 00/09666には、GLP-1および実質的に相同的なアミノ酸配列をもつ成長因子が、非インシュリン依存性細胞のインシュリン生成細胞への分化を誘導し得ることが開示されている。
WO 01/39784には、糖尿病患者を治療する方法が開示されている。該方法には、膵臓から幹細胞を単離し、前記幹細胞を生体外で処理し(例えば、ある特定のGLP-1受容体アゴニストで)、患者への移植によってインシュリン生成細胞に分化する始原細胞を提供することが含まれる。
WO 95/19785には、糖尿病を治療する方法が開示されている。該方法には、内皮成長因子(EGF)受容体リガンド(例えばEGF自体)とともに、ガストリン受容体リガンド(例えばガストリン自体)の投与が含まれる。特定の実施態様において、前記方法には、体内においてガストリン産生を誘導する化合物およびEGF受容体リガンドの投与が含まれる。
このようなガストリン誘導体の一つとして、オメプラゾールがある。
WO 04/037195には、ガストリンと組み合わせてGLP-1受容体リガンドが糖尿病を治療するために使用され得ることが開示されている。
Hammer et al in Scan. J. Gastroenterology, 33, 595-599, 1998には、オメプラゾール、シプロフィブラート、ならびにオメプラゾールおよびシプロフィブラートの組合せが、胃管栄養法によって投与されたときに、血清中のガストリン値を増加させることが開示されている。
ジペプチジル ペプチダーゼ-IV (DPP-IV) (プロリン/アラニン後を開裂するアミノジペプチターゼの群に属するセリンプロテアーゼ)は、末位から二番目にプロリンまたはアラニンを有するタンパク質から2つのN-末端アミノ酸を特異的に除去する。
DPP-IVの基質には、インシュリン分泌性のホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)および胃阻害性ペプチド(GIP)が含まれるので、DPP-IVはグルコース代謝の制御に関係する。GLP-1およびGIPはそれらの完全な形態でのみ活性を示し、それらの2つのN-末端アミノ酸を除去することによって不活性化される。
DPP-IVの合成阻害剤の生体内投与は、GLP-1およびGIPのN末端分解を防止し、これらのホルモンのより高い血漿中濃度を与える。
DPP-IVの阻害剤は、WO 95/15309 (Ferring B.V.)、WO 98/19998、WO 00/34241、US 6124305 (Novartis AG)、WO 03/00180 (Merck & Co.)、およびWO 02/38541 (Taisho Pharmaceutical Co.) において既に開示されている。
発明の概要
一実施態様において、本発明は、患者のインシュリン分泌において
- 増加、
- 保存(維持)(preserving)、
- または喪失の割合を減少させる方法であって、
治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
一実施態様において、本発明は、患者のβ細胞機能の増加、保存または喪失の割合を減少させる方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
一実施態様において、本発明は、患者のβ細胞の数および/または大きさにおいて増加、保存または喪失の割合を減少させる方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
一実施態様において、本発明は、インシュリン分泌における増加、保存または喪失の割合における減少から利益を受ける疾患の治療方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
一実施態様において、本発明は、β細胞機能における増加、保存または喪失の割合における減少から利益を受ける疾患の治療方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
一実施態様において、本発明は、β細胞の数および/または大きさの増加、保存または喪失の割合における減少から利益を受ける疾患の治療方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
一実施態様において、本発明は、患者におけるインシュリン分泌の増加、保存または喪失の割合における減少のための薬剤の製造における、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤の使用に関する。
一実施態様において、本発明は、患者のβ細胞機能の増加、保存または喪失の割合の減少のための薬剤の製造における、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤の使用に関する。
一実施態様において、本発明は、患者のβ細胞の数および/または大きさにおける増加、保存または喪失の減少のための薬剤の製造における、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤の使用に関する。
一実施態様において、本発明は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を含む薬学的組成物に関する。
一実施態様において、本発明は、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を含む容器と、プロトンポンプ阻害剤を含む容器と、任意的にはPPARアゴニストを含む容器とを具備するキットに関する。
一実施態様において、本発明は、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、プロトンポンプ阻害剤、および任意的にはPPARアゴニストを含む組成物またはキットの販売を促進する方法であって、β細胞の増殖および/またはβ細胞の再生に関連する情報の社会的配信を含む方法に関する。
定義
本明細書中において、単語「a」は一以上を意味する。
本明細書中において、「GLP-1受容体アゴニスト」は、ヒトGLP-1受容体を完全または部分的に活性化するペプチドおよび非ペプチド化合物を含む、任意の化合物として取り扱われる。好ましい実施態様において、「GLP-1受容体アゴニスト」は、当該技術分野において既知の方法によって測定されたときに(WO 98/08871を参照。本明細書にその全体が組み込まれる)、1μM未満、例えば100nM未満の親和性定数(KD)または作用強度(EC50)でGLP-1受容体と結合する全てのペプチドまたは非ペプチド分子であって、インシュリン分泌活性を示すペプチドまたは非ペプチド分子である(インシュリン分泌活性は、当業者に既知のインビボまたはインビトロアッセイを使用して測定され得る)。GLP-1受容体アゴニストの特定の例には、ヒトGLP-1およびGLP-1化合物が含まれる。ヒトGLP-1は、回腸末端、膵臓および脳のL細胞において合成されるプレプログルカゴンが起源の37アミノ酸残基のペプチドである。GLP-1は、グルコース代謝および胃腸管系分泌および代謝における制御機能を有する重要な腸ホルモンである。GLP-1(7-36)-アミド、GLP-1(7-37)およびGLP-2を与えるプレプログルカゴンのプロセシングは、主にL細胞中において起こる。断片GLP-1(7-36)-アミドおよびGLP-1(7-37)は、共にグルコース依存性インシュリン分泌性薬剤である。過去何十年において、多数のGLP-1の構造的類似体が、アメリカドクトカゲの毒液から単離されてきた(Heloderma suspectum and Heloderma horridum)。エキセンジン-4は、Heloderma horridum の毒液から単離された39アミノ酸残基のペプチドであり、このペプチドはGLP-1と52%の相同性を共有します。エキセンジン-4は、イヌに注射したときに、インシュリンの放出を刺激し、血中グルコース値の低下を保証することが明らかになっている、強力なGLP-1受容体アゴニストである。ヒトGLP-1(1-37)およびエキセンジン-4(1-39)およびインシュリン分泌性断片、その類似体および誘導体(本明細書中において設計されたGLP-1化合物)の群は、本発明において全て適用可能である。GLP-1(1-37)のインシュリン分泌性断片は、その全配列がGLP-1(1-37)の配列中に見出され得るインシュリン分泌性ペプチドであり、少なくとも一つの末端アミノ酸が欠失している。GLP-1(1-37)のインシュリン分泌性類似体およびうエキセンジン-4(1-39)とは、一以上のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基と交換されている、および/または一以上のアミノ酸残基が欠失している、および/または一以上のアミノ酸残基が付加されている、それぞれの分子をいう(但し、前記類似体はインシュリン分泌性であるかまたはインシュリン分泌性化合物のプロドラッグである)。GLP-1(1-37)、エキセンジン-4(1-39)のインシュリン分泌性誘導体およびその類似体とは、当業者がこれらのペプチドの誘導体であると考えられるものをいう。すなわち、親ペプチド分子中には存在しない少なくとも一つの置換基を有する(但し、前記誘導体はインシュリン分泌性であるかまたはインシュリン分泌性化合物のプロドラッグである。置換基の例は、アミド、炭水化物、アルキル基PEG、および親油性置換基である。GLP-1受容体アゴニストの誘導体は、長期作用(遅延性)を示し得る。長期作用の誘導体は、親ペプチドと比較してより長い血漿半減期を示す。GLP-1化合物の例は、例えばWO 98/08871、WO 99/43706、US 5424286 および WO 00/09666に記載されている(これらは全て本明細書中においてその全体が含まれる)。
本明細書中において、「DPP-IV 阻害剤」とは、CD26としても知られる、ジペプチジルペプチダーゼを意味するDPP-IV (EC 3.4.14.5; DPP-IV)をいう。DPP-IVは、末位から二番目の位置にあるプロリンまたはアラニンを含むポリペプチド鎖のN末端からジペプチドを開裂させる。DPP-IVの阻害剤は、DPP-IVの活性または効能を低下させる化合物である。
本明細書中において、「プロトンポンプ阻害剤」とは、胃壁細胞の水素-カリウムアデノシン3リン酸塩酵素系を阻害する化合物を指すことを意味し、その結果、これらの細胞からの胃酸分泌が妨げられる。プロトンポンプ阻害剤は、例えば胃潰瘍の治療中において使用される。プロトンポンプ阻害性薬剤の著名な例には、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾールおよびラベプラゾールがある。
「ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体」(PPAR)は、核ホルモン受容体のスーパーファミリーの構成員であり、これらは例えば飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸および様々な合成リガンドによって活性化される。PPARは異質的であり、3つのサブタイプ(すなわちPPARα、PPARδおよびPPARγ)が今日までに単離されている。PPARαおよび/またはPPARδおよび/またはPPARγのアゴニストである化合物は、PPARアゴニストとしてみなされる。
PPARαは、高い割合の脂肪酸異化作用を示す組織(例えば肝臓)において大部分が発現する。これは一般に脂質代謝に関与する。PPARαアゴニストはPPARα受容体を活性化する化合物であり、このような化合物は、WO 02/28821、Beispiel A(これは本明細書中にその全体が組み込まれる)に開示されたPPARαトランスアクチベーション分析を使用して同定され得る。EC50が20 μM未満の全ての化合物は、PPARαアゴニストとみなされる。フィブラートは、PPARアゴニストの特定の例である。
PPARδの活性化は、dbIdbマウスにおいてHDLコレステロール値の上昇を誘導することが明らかになっている。さらに、インシュリン耐性の初老の肥満のアカゲザルに投与されたPPARアゴニストは、LDLコレステロールの値を低下させ、トリグリセリドを絶食させ、かつインシュリンを絶食させている間に、血清HDLコレステロールの劇的な投与量依存的な上昇を引き起こした。PPARδアゴニストはPPARδ受容体を活性化する化合物であり、このような化合物はWO 04/037776において開示されたようなPPARδトランスアクチベーション分析を使用して同定し得る。EC50が20 μM未満の全ての化合物は、PPARδアゴニストとみなされる。
PPARγは、その大部分が代謝有意性を示す組織 (例えば、脂肪組織、骨格筋)において存在し、かつ、肝臓においてPPARγアゴニストはPPARγ受容体を活性化する化合物であり、該化合物は、例えばSauerberg et al. J. Med. Chem. 2002, 45, 789-804(本明細書中にその全体が組み込まれる)に開示されたようなPPARγトランスアクチベーションを使用して同定し得る。EC50が20 μM未満の全ての化合物は、PPARγアゴニストとみなされる。PPARγアゴニストの特定のタイプは、分子構造におけるチアゾリジン-2,4-ジオン基の存在によって特徴づけられるチアゾリジン化合物(TZD)である。
Figure 2008504249
関連するTZD には、例えば、バラグリタゾン、トログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、イサグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、CS-011/CI-1037 または T 174 またはWO 97/41097、WO 97/41119、WO 97/41120、WO 00/41121 および WO 98/45292に開示された化合物(参照によって本明細書中にその全てが組み込まれる)が含まれる。
また、非チアゾリジンPPARγアゴニスト、例えばGI 262570、YM-440、MCC-555、JTT-501、AR-H039242、KRP-297、GW-409544、CRE-16336、AR-H049020、LY510929、MBX-102、CLX-0940、GW-501516 または WO 99/19313 (例えば Ragaglitazar)、WO 00/50414、WO 00/63191、WO 00/63192、WO 00/63193 (Dr. Reddy’s Research Foundation) および WO 00/23425、WO 00/23415、WO 00/23451、WO 00/23445、WO 00/23417、WO 00/23416、WO 00/63153、WO 00/63196、WO 00/63209、WO 00/63190 および WO 00/63189 (Novo Nordisk A/S)に開示された化合物(参照によって本明細書中に組み込まれる)が存在する。
一部の化合物は、二重または三重作用のPPARアゴニストである。すなわち、これらは、PPARαおよびPPARδのアゴニスト、PPARαおよびPPARγのアゴニスト、PPARδおよびPPARγのアゴニスト、またはPPARα、PPARδおよびPPARγのアゴニストである。二重および三重作用のPPARアゴニストは、本発明の方法、使用、組成およびキットにおいて有用である。
DPP-IV阻害剤は、例えば、ビルダグリプチン、MK-0431、BMS-477118 (サキサグリプチン)、PSN-9301、823093、SYR-322、SYR-619、815541、825964、TA-6666 または TS-021のような化合物である。
本明細書中において、「薬剤」とは、本発明の方法において使用される全ての治療学的活性薬剤を含む一組成物を包含することを意味し、また、本発明の方法において使用される全ての治療学的活性薬剤を組み合わせて含む二つ以上の容器を具備するキットを包含することを意味する。
本明細書中において使用された化合物の「治療学的有効量」とは、疾患およびその合併症の臨床的症状を治療、軽減または部分的に抑止するのに十分な量を意味する。これを達成するために十分な量は、「治療学的有効量」として定義される。各目的についての有効量は、疾患または障害の重症度ならびに患者の体重および通常の状態に依存するであろう。適切な投与量の決定は、値のマトリックスを構築し、該マトリックス中の異なる地点を試験することによって、その全てが訓練を積んだ内科医または獣医の当業者の内にある日常的実験手法を使用して達成され得ることが理解されるであろう。
本明細書中に使用された用語「治療」および「治療すること」は、疾患または障害状態と戦うための患者の管理とケアを意味する。該用語は、患者が受ける状態についての治療の全範囲が含まれることを意味する。例えば、症状または合併症を軽減する活性化合物の投与、疾患、障害または状態の進行を遅延させる活性化合物の投与、症状および合併症を軽減または緩和する活性化合物の投与、および/または疾患、障害または状態を治療または除去する活性化合物の投与、ならびに状態を予防する活性化合物の投与(ここで、予防とは、疾患、状態または障害と戦うための患者の管理およびケアとして理解される)および症状または合併症の発症を防ぐ活性化合物の投与が含まれる。治療すべき対象は、好ましくは哺乳類であり、特に好ましくはヒトであるが、動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヘビおよびブタが含まれ得る。
本明細書中において、所定のパラメーター(例えば、インシュリンの分泌、β細胞の機能またはβ細胞の数および/または大きさ)の「増加」または「増加する」、「保存」または「保存する」、および「喪失の割合の減少」とは、本発明の方法、組成物、キットまたは使用の欠如下における前記パラメーター(対照)と、存在下における前記パラメーターとを比較する実験との関係において理解される。該パラメーターが、本発明の方法、組成物、キットまたは使用の欠如下と比較して存在下において増加する場合、所定のパラメーターは「増加」している。一実施態様において、前記増加は、5%超、例えば10%超、例えば20%超、例えば50%超、例えば100%超であって、前記方法は、本発明の方法、組成物、キットまたは使用の欠如下のパラメーターの値と比較して算出される。該パラメーターが、本発明の方法、組成物、キットまたは使用の存在下の初期値で維持される場合(その欠如下で減少するにもかかわらず)、所定のパラメーターは「保存」されている。該パラメーターが、本発明の方法、組成物、キットまたは使用の存在下においてゆるやかな速度で減少する場合(その欠如下と比較して)、所定のパラメーターの「喪失の割合の減少」に該当する。
一実施態様において、本発明の方法、組成物、キットまたは使用の存在下における喪失の割合は、本発明の方法、組成物、キットまたは使用の欠如下における喪失の割合の95%未満、例えば90%未満、例えば70%未満、例えば50%未満、例えば20%未満である。
発明の説明
本発明は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤と関係した方法、使用、組成物およびキットを提供する。
本発明の実施態様には、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせたGLP-1受容体アゴニストが含まれる。また、プロトンポンプ阻害剤と組み合わされたDPP-IV阻害剤が含まれる。また、プロトンポンプ阻害剤と組み合わされたGLP-1受容体アゴニストおよびDPP-IV阻害剤が含まれる。実施態様はまた、PPARアゴニストと組み合わされ得る。
一実施態様において、本発明は、プロトンポンプ阻害剤およびPPARアゴニストと組み合わされたGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤と関連した方法、使用、組成物およびキットを提供する。
一実施態様において、GLP-1受容体アゴニストは、GLP-1化合物である。特定の例には、GLP-1、例えばヒトGLP-1およびエキセンジン-4が含まれる。
一実施態様において、GLP-1化合物は、ヒトGLP-1(1-37)またはエキセンジン-4(1-39)のインシュリン分泌性断片、例えばヒトGLP-1(7-37)(ヒトGLP-1(1-37)の1-6位のアミノ酸残基が欠失)およびヒトGLP-1(7-36)(ヒトGLP-1(1-37)の1-6位および37位のアミノ酸残基が欠失)、エキセンジン-4(1-38)(39位のアミノ酸残基がエキセンジン-1(1-39)から欠失)、エキセンジン-4(1-31)(32-39位のアミノ酸残基がエキセンジン-4(1-39)から欠失)である。
一実施態様において、GLP-1化合物は、ヒトGLP-1(1-37)またはエキセンジン-4(1-39)のインシュリン分泌性類似体、例えばMet8-GLP-1(7-37)(位置8のアラニンがメチオニンによって置換、位置1〜6のアミノ酸残基がヒトGLP-1(1-37)から欠失);Arg34-GLP-1(7-37)(位置34のバリンがアルギニンによって置換、位置1-6のアミノ酸残基がヒトGLP-1(1-37)から欠失);およびSer2Asp3-エキセンジン-4(1-39)(位置2および3のアミノ酸残基がセリンおよびアスパラギン酸によって置換)である(この特定の類似体はまたエキセンジン-3として当該技術において知られる)。
一実施態様において、GLP-1化合物は、ヒトGLP-1(1-37)またはエキセンジン-4(1-39)のインシュリン分泌性誘導体、例えばGLP-1(7-36)-アミド、Arg34、Lys26(Nε-(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37) および Tyr31-エキセンジン-4(1-31)-アミドである。特定の例は、Arg34、Lys26(Nε-(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37)である。
一実施態様において、プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾールおよびラベプラゾール、および特に、オメプラゾールまたはエソメプラゾールから選択される。
一実施態様において、DPP-IV阻害剤は、例えばビルダグリプチン、MK-0431、BMS-477118 (サキサグリプチン)、PSN-9301、823093、SYR-322、SYR-619、815541、825964、TA-6666またはTS-021のような化合物である。
一実施態様において、PPARアゴニストは、PPARαアゴニストである。特に、PPARαアゴニストは、フィブラート、例えばクロフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、ロフィブラート、クロフィブリド、ゲンフィブロシルおよびフェノフィブラートである。特定の例は、シプロフィブラートである。
一実施態様において、PPARアゴニストは、二重または三重作用のアゴニスト、例えばMK-767、LY818、テサグリタザル、DRF-4158、LY465608、BMS-298585、ネトグリタゾンおよびEML-16156である。
一実施態様において、本発明の方法は、プロトンポンプ阻害剤およびPPARアゴニストと組み合わせて、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストをそれを必要とする患者に投与することを含む。
一実施態様において、本発明の方法は、プロトンポンプ阻害剤およびPPARαアゴニストと組み合わせて、治療学的有効量のGLP-1化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む。
一実施態様において、本発明の方法は、障害性のグルコース耐性(IGT)の非インシュリン依存性II型糖尿病への経過を遅延させる方法に関し、該方法は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせて、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤をそれを必要とする患者に投与することを含む。
一実施態様において、本発明は、非インシュリン依存性II型糖尿病のインシュリン依存性II型糖尿病への経過を遅延させる方法に関し、該方法は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせて、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤をそれを必要とする患者に投与することを含む。
一実施態様において、本発明は、II型糖尿病を治療する方法に関し、該方法は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせて、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤をそれを必要とする患者に投与することを含む。
一実施態様において、本発明は、I型糖尿病を治療する方法に関し、該方法は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせて、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤をそれを必要とする患者に投与することを含む。
一実施態様において、本発明は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせて、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストをそれを必要とする患者に投与することを含む、上記記載の疾患を治療する方法に関する。
一実施態様において、本発明は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせて、治療学的有効量のDPP-IV阻害剤をそれを必要とする患者に投与することを含む、上記記載の疾患を治療する方法に関する。
一実施態様において、本発明は、障害性のグルコース耐性(IGT)の非インシュリン依存性II型糖尿病への経過を遅延させるための薬剤の調製における、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤の使用に関する。
一実施態様において、本発明は、非インシュリン依存性糖尿病のインシュリン依存性II型糖尿病への経過を遅延させるための薬剤の調製における、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤の使用に関する。
一実施態様において、本発明は、II型糖尿病を治療するための薬剤の製造における、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤の使用に関する。
一実施態様において、本発明は、I型糖尿病を治療するための薬剤の製造における、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤の使用に関する。
一実施態様において、本発明は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストの上記記載の使用に関する。
一実施態様において、本発明は、I型糖尿病を治療するための薬剤の調製における、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニストと組み合わせた、DPP-IV阻害剤の使用に関する。
上述したように、β細胞の免疫学的崩壊は、糖尿病の原因の一部であり、本発明の方法、使用、組成物およびキットには、有意には免疫抑制剤および/または免疫調節剤が含まれ得る。
一実施態様において、免疫抑制剤には、ラパマイシン、コルトイコステロイド、アザチオプリン、ミコフェノラート モフェチル、エベロリムス、6-メルカプトプリン、アレファセプト、HLA-B2702ペプチド、Azathioprine、Cladribine、シクロスポリンA、デキサメタゾン、グラチラマーアセタート、グスペリムス、インフリキシマブ、ミコフェノラート モフェチル、ムロモナブ-CD3、プレドニソロネシクロスポリン、シクロホスファミド、メトトレキサート、ミトキサントロン、デムチンムノマイシン、バシリキシマブ、シロリムス、タクロリムス、アンチチモサイト イムノグロブリン、エファリズマブ および ダクリズマブが含まれる。
一実施態様において、免疫調節剤には、DiaPep277 および Diamyd が含まれる。
一実施態様において、本発明は、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、プロトンポンプ阻害剤、PPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニスト、および任意的には免疫抑制剤および/または免疫調節剤を含む組成物に関する
一実施態様において、組成物には、GLP-1受容体アゴニストおよびプロトンポンプ阻害剤が含まれる。一実施態様において、組成物にはさらに、PPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニスト、および任意的には免疫抑制剤および/または免疫調節剤が含まれる。
一実施態様において、組成物には、DPP-IV阻害剤およびプロトンポンプ阻害剤が含まれる。
一実施態様において、組成物にはさらに、PPARアゴニスト、例えばPPARαアゴニスト、および任意的には免疫抑制剤および/または免疫調節剤が含まれる。
一実施態様において、本発明は、本発明の方法において使用される治療学的薬剤を含むいくつかの容器を含むキットに関する。すなわち、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を含む容器、プロトンポンプ阻害剤を含む容器、PPARアゴニスト(例えばPPARαアゴニスト)を含む容器、ならびに任意的には免疫抑制剤および/または免疫調節剤を含む容器を含むキットに関する。治療学的薬剤がともに処方され得るか否かに依存して、キットの容器には一以上の活性薬剤が含まれ得る。組み合わせにおいて、キットの容器は、本発明の方法において使用される全ての活性薬剤を含む。
上述したように、本発明の方法は、プロトンポンプ阻害剤および任意的にはPPARアゴニストおよび/または免疫抑制剤および/または免疫調節剤と組み合わせた、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤の投与を含む。これらの治療学的活性薬剤は、同時に投与されてもよく、同じまたは異なる間隔で投与されてもよく、および内科医または獣医が患者のために本発明を十分に利用する投与措置を選択することができる。
特定の実施態様において、患者は、GLP-1化合物については一日一回以上または二日毎に投与されるが、プロトンポンプ阻害剤(例えばオメプラゾール)を任意的にはPPARαアゴニスト(例えばシプロフィブラート)と組み合わせて投与するのは、4、5、6または12月毎のみである。
一実施態様において、本発明は、本発明の組成物およびキットの販売の促進であって、前記組成物およびキットの使用がβ細胞の増殖またはβ細胞の再生に関連する情報の社会的配信を含む促進に関する。一実施態様において、前記情報の配信は、薬学的組成物を含むパッケージに関連した、口頭でのやりとり、パンフレット配布、活字メディア、オーディオテープ、磁気メディア、ディジタルメディア、視聴覚メディア、広告掲示板、広告、新聞、雑誌、ダイレクトメール、ラジオ、テレビ、電子メール、点字法、電子メディア、バナー広告、光ファイバー、ちらし、レーザーライトショーからなる群から選択された方法によって達成される。
薬学的組成物
薬学的組成物の以下の記載は、本発明の方法において使用される全ての治療学的活性薬剤を含む薬学的組成物に関する。以下の記載はまた、本発明の方法において使用される一以上であるが全てを除く治療学的活性薬剤を含む薬学的組成物に関する。二以上のこのような組成物は、本発明の方法において使用されるキットとして存在し得、組み合わせにおけるこれらの組成物には、本発明の方法において使用される全ての治療学的活性薬剤が含まれる。
本発明による方法のための化合物は、一回投与または複数回投与のいずれかにおいて、単独で投与され得るかまたは薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と組み合わせて投与され得る。本発明による薬学的組成物は、薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈液と、任意の公知のアジュバントおよび賦形剤とともに処方され得る。該処方は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 2000 に開示されたような従来技術に基づいて行われる。
薬学的組成物は、任意の適切な経路、例えば経口、直腸、鼻、肺、局所(バッカルおよび舌下腺を含む)、経皮的、大槽内、腹腔内、膣内および腸管外(皮下内、筋肉内、鞘内、静脈内および皮内)経路によって投与するために特別に処方され得る。経口経路は好ましい。好ましい経路は、治療される患者の一般的条件および年齢、治療される条件の性質および選択された活性成分に依存するであろう。また、本発明の方法において使用される治療学的活性薬剤が、一以上の組成物において提供され(すなわち、キットとして提供)、その後、各組成物が同一または異なる経路によって投与される場合もある。
経口投与のための薬学的組成物には、固体投与形態、例えば、硬質または軟質カプセル剤、錠剤、口内錠、糖衣錠、丸薬、舐剤、粉末薬および顆粒剤が含まれる。適切な場合には、これらは腸溶コーティングのようなコーティングで調製され得るかまたは活性成分の制御された放出(例えば徐放性または遅延性の放出)を提供するために当業者に周知の方法に基づいて処方され得る。
経口投与のための液体投与形態には、溶液、エマルジョン、水溶液または油性懸濁液、シロップおよびエリキシルが含まれる。
非経口的投与のための薬学的組成物には、無菌水および非水性注射溶液、分散溶液、懸濁液またはエマルジョンならびに使用前に無菌注射溶液または分散液で再構成される無菌粉末薬が含まれる。貯蔵性注射用処方もまた、本発明の範囲内に含まれ得る。
他の適切な投与形態には、坐薬、噴霧剤、軟膏剤、クリーム、ゲル、吸入剤、経皮パッチ、移植などが含まれる。
プロトンポンプ阻害剤およびPPARアゴニストについての典型的な経口投与は、約1〜約1000 mg/kg体重/日、好ましくは約1〜約500 mg/kg体重/日、およびより好ましくは約1〜約100 mg/kg体重/日の範囲内にあり、一回以上の投与(例えば1〜3回投与)において投与される。GLP-1受容体アゴニストの典型的投与は、約0.1μg/kg/日〜約40μg/kg/日の範囲内にある。
正確な投与量は、投与の回数および形式、性別、年齢、体重および治療対象の患者の一般的状態、治療対象の状態の性質および重症度および治療対象の任意の合併症および当業者に明らかな他の因子に依存するであろう。
該処方は、当業者に周知の方法による単位投与形態において提供され得る。プロトンポンプ阻害剤またはPPARアゴニストの経口投与のための典型的な単位投与形態(一日一回以上、例えば一日1〜3回)は、約0.05〜約1000 mg、好ましくは約0.1〜約500 mg、より好ましくは約0.5mg〜約200mgを含み得る。GLP-1受容体アゴニストの典型的な処方は約0.1 mg/ml〜約80 mg/mlを含み得る。
非経口的投与、例えば静脈内、くも膜下腔内、筋肉内および類似の投与について、典型的な投与は、経口投与について使用される投与量の約半分程度である。
非経口的投与について、無菌水溶液、水溶性プロピレングリコールまたはゴマまたはピーナッツ油中において本発明による使用のための化合物の溶液が使用され得る。このような水溶液は必要に応じて適切にバッファー処理を行い、液体希釈液は、十分な生理食塩水またはグルコースで等張性を最初に与えられる。水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下内および腹腔内投与に特に適している。使用される無菌水性溶媒は、当業者に周知の標準的技術によって容易に利用可能である。
適切な薬学的キャリアには、不活性な固体希釈剤または賦形剤、無菌水溶液および様々な有機溶媒が含まれる。固体キャリアの例には、ラクトース、テラアルバ、スクロース、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびセルロースの低級アルキルエーテルがある。液体キャリアの例には、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水がある。同様に、キャリアまたは希釈剤には、当業者に周知の任意の徐放性材料、例えばグリセリル モノステアラートまたはグリセリル ジステアラート、単独またはワックスとの混合剤が含まれ得る。本発明の方法において使用される治療学的活性薬剤と薬学的に許容可能なキャリアとを組み合わせることによって形成される薬学的組成物は、開示された投与経路に適した様々な投与形態において容易に投与され得る。該処方は、薬学分野において既知の方法によって単位投与形態において提供され得る。
経口投与に適した本発明の処方は、カプセル剤または錠剤のような不連続単位として提供され得、各々は所定量の活性成分を含み、適切な賦形剤を含み得る。さらに、経口的に利用可能な処方は、粉末または顆粒、水性または非水性液体における溶液もしくは懸濁液、または水中油型もしくは油中水型の液体エマルジョンの形態であってもよい。
経口使用を意図した組成物は、任意の既知の方法によって調製され得、このような組成には、薬学的に上品でかつ味のよい製剤を提供するために甘味料、着香剤、着色剤および保存剤からなる群から選択された一以上の薬剤が含まれ得る。錠剤には、錠剤の製造に適している無毒な薬学的に許容可能な賦形剤と混合した活性成分が含まれ得る。これらの添加剤には、例えば不活性な希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化および崩壊化薬剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えばスターチ、ゼラチンまたはアカシア;および平滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクがある。錠剤は、未コーティングであっても、または既知の技術によってコーティングされていてもよく、コーティングは、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、その結果、より長期間にわたる徐放性作用を提供する。例えば、グリセリルモノステアラートまたはグリセリルジステアラートのような時間遅延性材料が使用され得る。これらの材料は、米国特許番号4,356,108; 4,166,452; および4,265,874に記載された技術(参照に本明細書中に組み込まれる)によってコーティングされ得、制御された放出のための浸透性治療学的錠剤を形成する。
経口使用のための処方はまた、硬質ゼラチンカプセル剤であって、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリン)と混合される硬質ゼラチン、または、軟質ゼラチンであって、活性成分が水もしくは油媒体(例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油)と混合される軟質ゼラチンとして提供され得る。
水性懸濁液には、水性懸濁液の製造に適した賦形剤を加えた本発明による使用のための化合物を含み得る。このような賦形剤には、沈澱防止剤、例えばナトリウム カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムがあり;分散剤または湿潤剤には、例えば、天然に生じるホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアリン酸塩、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチル-エネオキセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分的エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分的エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートがある。水溶性懸濁液にはまた、一以上の着色剤、一以上の着香剤、および一以上の甘味剤、例えばスクロールまたはサッカリンが含まれ得る。
油性懸濁液は、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油やし油、または流動パラフィンのような鉱油中に活性成分を懸濁させることによって処方化され得る。油性懸濁液には、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールが含まれ得る。上述したような甘味剤および着香薬剤を加えて、味のよい経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加によって保存され得る。
水の追加による水性懸濁液の調製に適した分散性の粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、沈澱防止剤および一以上の保存剤を加えた活性化合物を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および沈澱防止剤は、既に上述したものによって例証される。追加の賦形剤、例えば甘味料、香味料、および着色剤がまた提供され得る。
本発明の方法において使用される治療学的活性薬剤を含む薬学的組成物はまた、水中油型エマルションの形態をとり得る。油相は、植物油、例えばオリーブ油、落花生油、鉱油、例えば流動パラフィン、またはこれらの混合物にし得る。適切な乳化剤は、自然発生のゴム、例えばアラビアゴム、トラガカントゴム、自然発生のホスファチド、例えばダイズ、レシチン、および脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されたエステルまたは部分的エステル、例えばソルビタンモノオレアート、およびエチレンオキシドをもつ前記部分的エステルの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートにし得る。乳化剤にはまた、甘味剤および着香剤が含まれ得る。
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースで処方され得る。このような処方にはまた、粘滑剤、保存剤およびフレーバー剤および着色剤が含まれ得る。薬学的組成物は、水性無菌注射剤または油性懸濁液の形態をとり得る。この懸濁液は、上述した適切な分散剤または湿潤剤および沈澱防止剤を使用する既知の方法によって処方され得る。無菌注射剤製剤はまた、無毒な非経口的に許容可能な希釈剤または溶剤における無菌注射剤溶液または懸濁液になり得る(例えば1,3-ブタンジオール中の溶液として)。使用され得る許容可能なビヒクルおよび溶剤の中には、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁溶媒として使用される。この目的のために、任意の刺激の少ない不揮発性油が合成モノまたはジグリセリドを使用して使用され得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸は、注入可能な薬剤の調製における使用を見出される。
組成物はまた、発明の化合物の直腸投与に適した坐薬の形態をとり得る。これらの組成物は、薬剤を、常温で固体であるが直腸の温度で液体であり、直腸中において溶けて薬剤を放出する適切な非刺激性の賦形剤と混合することによって調製され得る。このような材料には、ココアバターおよびポリエチレングリコールなどが含まれる。
局所的使用のために、本発明の方法において使用される治療学的活性薬剤を含む、クリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、懸濁液の溶液などが考えられる。本出願の目的のために、局所的適用には、口内洗剤およびうがい薬が含まれる。
本発明の化合物はまた、リポソーム送達系の形態、例えば小さなユニラメラベシクル、大きなユニラメラベシクル、およびマルチラメラベシクルの形態において投与され得る。リポソームは、様々なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成され得る。
固体キャリアが経口投与に使用される場合、粉末またはペレット形態において硬質ゼラチンカプセル中に静置された製剤は錠剤化され、あるいはトローチ剤または口内錠の形態をとり得る。固体キャリアの量は、様々であるが、通常は約25mg〜約1gとすることができる。液体キャリアが使用される場合、製剤はシロップ、エマルジョン、軟質ゼラチンカプセルまたは無菌注射剤液体、例えば水性または非水性液体懸濁液または溶液の形態をとり得る。
薬学的タンパク質処方
本発明の他の目的は、0.001mg/ml〜100mg/mlの濃度で存在する化合物を含む薬学的処方であって、前記処方が2.0〜10.0のpHを示す薬学的処方を提供することである。その処方には、さらに緩衝剤、保存剤、等張性剤、キレート剤、安定剤および界面活性剤が含まれ得る。本発明の一実施態様において、薬学的処方は、水性処方、すなわち、水を含む処方である。このような処方は、典型的には溶液または懸濁液である。本発明のさらなる実施態様において、薬学的処方は水溶液である。用語「水性製剤」は、少なくとも50%w/w水を含む処方として定義される。同様に、用語「水溶液」は、少なくとも50%w/w水を含む溶液として定義され、かつ用語「水性懸濁液」は、少なくとも50%w/w水を含む懸濁液として定義される。
他の実施態様において、薬学的処方は凍結乾燥処方であり、内科医または患者は、使用の前に溶媒および/または希釈剤を加える。
他の実施態様において、薬学的処方は、任意の事前溶解を伴わない使用に適した乾燥処方(例えば、凍結乾燥または噴霧乾燥)である。
さらなる側面において、本発明は、水溶性溶液の化合物とバッファーとを含む薬学的処方であって、前記化合物が0.001mg/ml以上の濃度において存在し、かつ前記処方が約2.0〜約10.0のpHを示す薬学的処方に関する。
本発明の他の実施態様において、該処方のpHは、2.0, 2.1, 2.2, 2.3, 2.4, 2.5, 2.6, 2.7, 2.8, 2.9, 3.0, 3.1, 3.2, 3.3, 3.4, 3.5, 3.6, 3.7, 3.8, 3.9, 4.0, 4.1, 4.2, 4.3, 4.4, 4.5, 4.6, 4.7, 4.8, 4.9, 5.0, 5.1, 5.2, 5.3, 5.4, 5.5, 5.6, 5.7, 5.8, 5.9, 6.0, 6.1, 6.2, 6.3, 6.4, 6.5, 6.6, 6.7, 6.8, 6.9, 7.0, 7.1, 7.2, 7.3, 7.4, 7.5, 7.6, 7.7, 7.8, 7.9, 8.0, 8.1, 8.2, 8.3, 8.4, 8.5, 8.6, 8.7, 8.8, 8.9, 9.0, 9.1, 9.2, 9.3, 9.4, 9.5, 9.6, 9.7, 9.8, 9.9, および 10.0 からなる群から選択される。
本発明のさらなる実施態様において、前記バッファーは、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、シトラート、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、およびトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、スクシナート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される。これらの特定のバッファーの各々は、本発明の代替の実施態様を構成する。
本発明のさらなる実施態様において、該処方には、さらに薬学的に許容可能な保存剤が含まれる。本発明のさらなる実施態様において、該保存剤は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、メチルp-ヒドロキシベンゾエート、プロピル p-ヒドロキシベンゾエート、2-フェノキシエタノール、ブチル p-ヒドロキシベンゾエート、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、およびチオメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、ナトリウムデヒドロアセタート、クロロクレゾール、エチルp-ヒドロキシベンゾエート、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン (3p-クロルフェノキシプロパン-1,2-ジオール) およびこれらの混合物 からなる群から選択される。本発明のさらなる実施態様において、該保存剤は、0.1mg/ml〜20mg/mlの濃度において存在する。本発明のさらなる実施態様において、該保存剤は、0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度において存在する。本発明のさらなる実施態様において、該保存剤は、5mg/ml〜10mg/mlの濃度において存在する。本発明のさらなる実施態様において、該保存剤は、10mg/ml〜20mg/mlの濃度において存在する。これらの特異的な保存剤は各々は、発明の代替の実施態様を構成する。薬学的組成物における保存剤の使用は、当業者に周知である。便宜上、参照文献には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995 がある。
本発明のさらなる実施態様において、該処方には、さらに等張性薬剤が含まれる。本発明のさらなる実施態様において、等張性薬剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖または糖アルコール、アミノ酸 (例えば、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、トレオニン)、アルジトール (例えば、グリセロール (グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)ポリエチレングリコール (例えば、PEG400)、およびこれらの混合物 からなる群から選択される。任意の糖、例えば単糖、二糖、または多糖、または水溶性グルカン、例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性スターチ、ヒドロキシエチルスターチおよびカルボキシメチルセルロース-Na が使用され得る。一実施態様において、糖添加物はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも一つの−OH基を有するC4-C8炭化水素として定義され、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトールおよびアラビトールが含まれる。一実施態様において、糖アルコール添加物は、マンニトールである。上述した糖または糖アルコールは、単独または組み合わせて使用され得る。糖または糖アルコールが液体製剤中において溶解する限りにおいて、そして、本発明の方法を使用して達成される安定化作用に悪影響を与えない限りにおいて、使用される量は何ら制限されない。一つの実施態様において、糖または糖アルコールの濃度は、約1mg/mlおよび約150mg/mlの間である。本発明のさらなる実施態様において、等張性薬剤は、1 mg/ml〜50mg/ml の濃度において存在する。本発明のさらなる実施態様において、等張性薬剤は、1 mg/ml〜7 mg/ml の濃度において存在する。本発明のさらなる実施態様において、等張性薬剤は、1 mg/ml〜7mg/mlの濃度において存在する。本発明のさらなる実施態様において、等張性薬剤は、8 mg/ml〜24 mg/mlの濃度において存在する。本発明のさらなる実施態様において、等張性薬剤は、25 mg/ml〜50 mg/mlの濃度において存在する。これらの特定の等張性薬剤の各々は、本発明の代替の実施態様を構成する。薬学的組成物における等張性薬剤の使用は、当業者にとって周知である。便宜上、参照文献には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995 がある。
本発明のさらなる実施態様において、前記処方にはさらに、キレート剤が含まれる。本発明のさらなる実施態様において、キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸およびアスパラギン酸の塩およびこれらの混合物から選択される。本発明のさらなる実施態様において、キレート剤は0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施態様において、キレート剤は0.1mg/ml〜2mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施態様において、キレート剤は2mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在する。これらの特異的なキレート剤は各々、発明の代替の実施態様を構成する。薬学的組成物におけるキレート剤の使用は、当業者に周知である。便宜上、参照文献には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995 がある。
本発明のさらなる実施態様において、前記処方はさらに、安定化剤を含む。薬学的組成物における安定剤の使用は、当業者に周知である。便宜上、参照文献には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995 がある。
より好ましくは、発明の組成物は、治療学的活性成分が液体薬学的処方の貯蔵中に凝集形成を示すであろうポリペプチドを含む、安定化された液体薬学的組成物である。「凝集形成」とは、オリゴマーの形成をもたらすポリペプチド分子間の物理的な相互作用を意味し、可溶性を保つかまたは溶液から沈殿する大きな可視的凝集物をもたらす。「貯蔵中」とは、いったん調製された液体薬学的組成物または処方が、患者に直ちに投与されないことを意味する。もっと正確に言えば、調製後、貯蔵のためにパッケージされる、すなわち、患者に投与に適した液体状態または他の状態に後に再構成するために液体状態、凍結状態、または乾燥状態においてパッケージされる。「乾燥状態」とは、液体薬学的組成物または処方が、冷凍乾燥(すなわち凍結乾燥;例えば Williams and Polli (1984) J. Parenteral Sci. Technol. 38:48-59を参照されたい)、噴霧乾燥 (Masters (1991) in Spray-Drying Hand-book (5th ed; Longman Scientific and Technical, Essez, U.K.), pp. 491-676; Broadhead et al. (1992) Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169-1206; および Mumenthaler et al. (1994) Pharm. Res. 11:12-20を参照されたい)、または空気乾燥 (Carpenter and Crowe (1988) Cryobiology 25:459-470; and Roser (1991) Biopharm. 4:47-53)のいずれかによって乾燥されることを意味する。液体薬学的組成物の貯蔵中のポリペプチドによる凝集形成は、そのポリペプチドの生物学的活性に悪影響を及ぼすおそれがあり、その結果として、薬学的組成物の治療学的効果の喪失をもたらす。さらに、ポリペプチドを含む薬学的組成物が輸液系を使用して投与されるとき、細管、膜またはポンプを詰まらせるといった他の問題を引き起こすおそれがある。
本発明の薬学的組成物はさらに、組成物の貯蔵中のポリペプチドによる凝集形成を減少させるのに十分な量のアミノ酸基を含み得る。「アミノ酸基」とは、任意のアミノ酸が遊離基の形態またはその塩の形態において存在する、アミノ酸またはアミノ酸の組み合わせを意味する。アミノ酸の組合せが使用される場合、全てのアミノ酸がその遊離基の形態において存在するか、全てがその塩の形態において存在するか、またはいくつかがその遊離基の形態において存在し、その他がその塩の形態において存在する。一実施態様において、発明の組成物を調製するのに使用するアミノ酸は、荷電側鎖を有するアミノ酸、例えばアルギニン、リジン、アスパラギン酸およびグルタミン酸である。特定のアミノ酸 (例えばメチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、トレオニンおよびこれらの混合物) の任意の立体異性体(すなわちL、Dまたはそれの混合物)またはこれらの立体異性体の組合せはまた、特定のアミノ酸がその遊離基の形態またはその塩の形態において存在する限りにおいて、本発明の薬学的組成物において存在し得る一実施態様において、L-立体異性体が使用される。本発明の組成物はまた、これらのアミノ酸の類似体で処方され得る。「アミノ酸の類似体」とは、本発明の液体薬学的組成物の貯蔵中のポリペプチドによる凝集形成を減少させる所望の結果を引き起こす、天然に存在するアミノ酸の誘導体を意味する。適切なアルギニンの類似体には、例えば、アミノグアニジン、オルニチンおよびN-モノエチルL-アルギニンが含まれ、適切なメチオニンの類似体には、エチオニンおよびブチオニンが含まれ、および適切なシステイン類似体には、S-メチル-L-システインが含まれる。他のアミノ酸と一緒に、アミノ酸の類似体がそれらの遊離基の形態またはそれらの塩の形態において組成物中に組み込まれる。本発明のさらなる実施態様において、アミノ酸またはアミノ酸の類似体は、タンパク質の凝集を防ぐかまたは遅らせるのに十分な濃度で使用される。
本発明のさらなる実施態様において、メチオニン(または他の硫黄アミノ酸またはアミノ酸類似体)は、治療学的薬剤として作用するポリペプチドが酸化に弱い少なくとも一つのメチオニン残基を含むポリペプチドであるとき、メチオニンスルホキシドへのメチオニン残基の酸化を阻害するために添加され得る。「阻害する」とは、経時にわたるメチオニン酸化種の最小の蓄積を意味する。メチオニン酸化を阻害することは、その適切な分子形態におけるポリペプチドのより大きな維持をもたらす。任意の立体異性体のメチオニン(LまたはD)またはこれらの組合せが使用され得る。加えられる量は、メチオニンスルホキシドの量が管理機関に許容可能である限り、メチオニン残基の酸化を阻害するのに十分な量とすべきである。典型的には、このことは、前記組成物が、約10%〜約30%を超えるメチオニンスルホキシドを含まないことを意味する。一般には、これは、添加するメチオニンとメチオニン残基との割合が、約1:1〜約1000:1、例えば10:1〜約100:1の範囲になるようにメチオニンを添加することによって達成され得る。
本発明のさらなる実施態様において、前記処方にはさらに、高分子量ポリマーまたは低分子化合物の群から選択された安定剤が含まれる。本発明のさらなる実施態様において、前記安定剤は、ポリエチレングリコール(例えばPEG 3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ/ヒドロキシセルロースまたはこれらの誘導体(例えばHPC、HPC-SL、HPC-LおよびHPMC)、シクロデキストリン、硫黄含有物質、例えばモノチオグリセロール、チオグリコール酸および2-メチルチオエタノール、および異なる塩(例えば塩化ナトリウム)から選択される。これらの特異的な安定剤の各々は、本発明の代替の実施態様を構成する。
前記薬学的組成物にはまた、治療学的活性ポリペプチドの安定をさらに増強する、追加の安定化剤が含まれ得る。本発明にとって特定の興味のある安定化剤には、メチオニン酸化に対してポリペプチドを保護するメチオニンおよびEDTA、および凍結融解または機械的分断に関連した凝集からポリペプチドを保護する非イオン性界面活性剤が含まれるがこれらに限定されない。
本発明のさらなる実施態様において、前記処方にはさらに、界面活性剤が含まれる。本発明のさらなる実施態様において、界面活性剤は、洗浄剤、エトキシル化されたヒマシ油、ポリグリコール化されたグリセリド、アセチル化されたモノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンブロックポリマー (例えば、ポロキサマー、Pluronic(登録商標)F68、ポロキサマー188および407、Triton X-100)、ポリオキシエチレン ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンおよびポリエチレン誘導体、例えばアルキル化されたまたはアルコキシ化された誘導体(Tween、例えばTween-20, Tween-40, Tween-80 および Brij-35)、モノグリセリドまたはそのエトキシ化された誘導体、ジグリセリドまたはそのポリオキシエチレン誘導体、アルコール、グリセロール、レクチンおよびリン脂質(例えば、フォスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、 フォスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロールおよびスフィンゴミエリン)、リン脂質の誘導体(例えば、ジパルミトイルホスファチジン酸)およびリソ(lyso-)リン脂質(例えば、パルミトイル リソホスファチジル-L-セリンおよび1-アシル-sn-グリセロ-3-リン酸塩、エタノールアミン、コリン、セリンまたはトレオニンのエステル)およびリソホスファチジルコリン、ホスファチジルコリンのアルキル、アルコキシル(アルキルエステル)、アルコキシ(アルキルエーテル)誘導体、例えばリソホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンのラウロイルおよびミリストイル誘導体、および極性頭頂基(すなわち、コリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトール)の修飾体、および正に帯電したDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リソホスファチジルセリンおよびリソホスファチジルスレオニン、およびグリセロリン脂質(例えば、セファリン)、グリセロ糖脂質(例えば、ガラクトピランソイド)、スフィンゴ糖脂質(例えば、セラミド、ガングリオシド)、ドデシルホスフォコリン、雌卵リゾレシチン、フシジン酸誘導体 (例えばナトリウムタウロ-ジヒドロフシジン酸塩など)、長鎖脂肪酸およびその塩C6-C12(例えば、オレイン酸およびカプリル酸)、アシルカルニチンおよびその誘導体、リジンまたはアルギニンまたはヒスチジンのNα-アシル化誘導体、またはリジンまたはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニンまたはヒスチジンと中性または酸性アミノ酸との任意の組み合わせを含むジペプチドのNα-アシル化誘導体、中性アミノ酸と二電荷のアミノ酸との任意の組み合わせを含むトリペプチドのNα-アシル化誘導体、DSS(ドキュセート ナトリウム、CAS登録番号[577-11-7] )、ドキュセート カルシウム、CAS登録番号[128-49-4] )、ドキュセート カリウム、CAS登録番号[7491-09-0]、SDS(ドデシル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸ナトリウム)、カプリル酸ナトリウム、コール酸またはその誘導体、胆汁酸およびその塩およびグリシンまたはタウリンの結合体、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホン酸塩、陰イオン(アルキル-アリール-スルホン酸塩)、一価の界面活性剤、両性イオンの界面活性剤(例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホン酸塩)、3-コルアミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホン酸塩、陽イオン界面活性剤 (第四級アンモニウム塩基)(例えば、セチル-トリメチルアンモニウムブロミド、塩化セチルピリジウム)、非イオン性界面活性剤 (例えば、ドデシル―Dグルコピラノシド)、ポロキサミン(例えば、Tetronic製)(プロピレン酸化物およびエチレン酸化物のエチレンジアミンへの連続的付加から誘導された四官能性ブロックコポリマーである)から選択される。 また、界面活性剤は、イミダゾール誘導体またはその混合物の群から選択され得る。これらの特異的な界面活性剤の各々は、本発明の代替の実施態様を構成する。
薬学的組成物における界面活性剤の使用は、当業者に周知である。便宜上、参照文献には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995 がある。
本発明のさらなる実施態様において、前記処方には、さらにプロテアーゼ阻害剤、例えばEDTA(エチレンジアミン四酢酸)およびベンズアミジンHClが含まれ、他の商業的に利用可能なプロテアーゼ阻害剤もまた使用され得る。プロテアーゼ阻害剤の使用は、自己触媒反応を阻害するためにプロテアーゼの酵素前駆体を含む薬学的組成物において特に有用である。
他の成分が本発明のペプチド薬学的処方中に存在する可能性がある。このようなさらなる成分には、湿潤剤、乳化剤、酸化防止剤、充填剤、張性調節剤、キレート剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えばヒト血清アルブミン、ゼラチンまたはタンパク質)、および/または双性イオン(例えばベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジンおよびヒスチジンのようなアミノ酸)が含まれ得る。このような追加の成分は、当然ながら、本発明の薬学的処方の全体的安定性に悪影響を及ぼすものであってはならない。
本発明による化合物を含む薬学的組成物は、幾つかの部位で治療を必要とする患者に投与され得る。幾つかの部位における投与には、例えば、局所的部位、例えば、皮膚および粘膜部位、バイパス吸収の部位、例えば、動脈内、静脈内、心臓内投与、および吸収に関与する部位、例えば皮膚内、皮膚下、筋肉内または腹部内への投与がある。
本発明による薬学的組成物の投与は、いくつかの投与経路で行われ得る。例えば、このような治療を必要とする患者の舌側、例えば、舌下腺、バッカル、口、経口において、胃と腸、鼻、肺において、例えば、細気管支および胃小窩またはこれらの組合せを通して、表皮、皮膚、経皮的、膣、直腸、目を通して、例えば結膜、尿管、および非経口投与薬を通して行われる。
本発明の組成物は、いくつかの投与形態において投与され得る。例えば溶液、懸濁液、乳剤、マイクロエマルジョン、多重エマルジョン、泡、軟膏(salve)、ペースト剤、絆創膏、軟膏(ointment)、錠剤、コーティング錠、リンス、カプセル剤、例えば、硬質ゼラチンカプセル剤および軟質ゼラチンカプセル剤、坐剤、直腸カプセル剤、滴剤、ゲル化剤、噴霧剤、粉末剤、エアゾール剤、吸入剤、点眼薬、眼軟膏剤、眼性リンス、膣内ペッサリー、膣内管、膣内軟膏剤、注入溶液、in situゲル化剤、in situセッティング剤、in situ沈殿化剤、in situ結晶化剤、輸液、および移植などがある。
本発明の組成物は、共有結合、疎水性および静電的相互作用、薬剤キャリア、ドラッグデリバリーシステムおよびアドバンスドラッグデリバリーシステムを通して合成または付加され得、化合物の安定性をさらに増強させ、生物学的利用可能性を増加させ、可溶性を増加させ、悪影響を減少させ、当業者に周知の時間治療を達成し、および/または患者のコンプライアンスを増加させる。キャリア、ドラッグデリバリーシステムおよびアドバンスドラッグデリバリーシステムの例には、ポリマー、例えばセルロースおよびその誘導体、多糖類、例えば、デキストランおよびその誘導体、スターチおよびその誘導体、ポリ(ビニルアルコール)、アクリル酸塩およびメタクリレートポリマー、ポリ乳酸およびポリグリコール酸およびブロックコポリマー、ポリエチレングリコール、キャリアタンパク質、例えば、アルブミン、ゲル、例えば、熱産生ゲル系、例えば、当業者に周知のブロックコポリマー系、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノ粒子、液晶およびその分散剤、L2相およびその分散剤、当業者に周知の脂質-水系における相挙動、重合ミセル、多重エマルジョン、自己エマルジョン、自己マイクロエマルジョン、シクロデキストリンおよびその誘導体、およびデンドリマーが含まれるがこれらに限定されない。
本発明の組成物は、肺性投与のための固体、半固体、粉末および溶液の処方において有用である。例えば、当業者に周知の計量式吸入器、乾燥粉吸入器、噴霧器を使用して行われる。
本発明の組成物は、制御された、徐法された、延長された、遅延された、遅い放出性ドラッグデリバリーシステムの処方において特に有用である。より具体的には、前記組成物は、当業者に周知の腸管外制御放出および徐放性放出系 (両システムは投与において何倍もの減少を導く)において有用であるがこれらに限定されない。さらにより好ましくは、皮下投与された制御放出および徐放性放出系である。本発明の範囲を制限することなく、有用な制御放出系および組成物の例は、ヒドロゲル、油性ゲル、液晶、重合ミセル、ミクロスフェア、ナノ粒子である。
本発明の組成物に有用な制御放出系を生成する方法には、結晶化、凝縮、共結晶化、沈殿、共沈殿、乳化、分散、高圧均質化、カプセル化、噴霧乾燥、マイクロカプセル化、コアセルベーション、相分離、ミクロスフェアを生む溶剤蒸発、押出および超臨界流体プロセスが含まれるがこれらに限定されない。一般的参照文献としては、Handbook of Pharmaceutical Controlled Release (Wise, D.L., ed. Marcel Dekker, New York, 2000) and Drug and the Pharmaceutical Sciences vol. 99: Protein Formulation and Delivery (MacNally, E.J., ed. Marcel Dekker, New York, 2000) がある。
非経口投与は、注射器、任意にはペン状の注射器による、皮下内、筋肉内、腹腔内または静脈内注射によって行われ得る。代わりに、非経口投与は輸液ポンプによって行なうことができる。さらに任意的には、組成物は、鼻または肺スプレーの形態において化合物を投与するための溶液または懸濁液であってもよい。さらに任意的には、本発明の[タンパク質]化合物を含む薬学的組成物がまた、経皮的投与に適合し得る(例えば、針無しの注入、またはパッチ、任意的にはイオン導入パッチ、または口腔粘膜、例えばバッカル投与)。
化合物は、肺性薬剤送達に適した任意の既知のタイプの装置を使用して溶液、懸濁液または乾燥粉末としてビヒクルにおいて肺経路を介して投与され得る。
これらの例は、これに限定されないが、3つの一般的なタイプの肺性薬剤送達用のエアロゾル生成で構成され、かつ、ジェットまたは超音波ネブライザー、計量式吸入器または乾燥粉吸入器が含まれ得る (Yu J, Chien YW. Pulmonary drug de-livery: Physiologic and mechanistic aspects. Crit Rev Ther Drug Carr Sys 14(4) (1997) 395-453を参照されたい)。
標準化された試験方法に基づいて、粒子の空気力学的径(da)は、単位密度(1g/cm3)の参照標準球状粒子の幾何学的な当量直径として定義される。最も単純な場合において、球状微粒子について、daは、以下の式によって密度比の平方根の関数として基準円直径(d)と関係づけられる:
Figure 2008504249
この関係に対する修飾は、非球状微粒子について起こる (Edwards DA, Ben-Jebria A, Langer R. Recent advances in pulmonary drug delivery using large, porous inhaled particles. J Appl Physiol 84(2) (1998) 379-385 を参照されたい)。用語「MMAD」および「MMEAD」は常用されており、かつ当業者に周知である ( Edwards DA, Ben-Jebria A, Langer R and represents a measure of the median value of an aerodynamic particle size distribution. Recent advances in pulmonary drug delivery using large, porous inhaled particles. J Appl Physiol 84(2) (1998) 379-385 を参照されたい)。質量メジアン空気力学的径 (MMAD)および質量メジアン有効空気力学的径 (MMEAD)は、相互に交換可能に使用され、統計学的パラメーターであり、かつ実際の形状、寸法または密度に依存する肺内に堆積するそれらの電位に関連してエアロゾル粒子の寸法を経験的に割り出す( Edwards DA, Ben-Jebria A, Langer R. Recent advances in pulmonary drug delivery using large, porous inhaled particles. J Appl Physiol 84(2) (1998) 379-385 を参照されたい)。MMADは通常、空気中の粒子の慣性挙動を測定する機器としての、衝撃装置で出た測定値から算出される。
さらなる実施態様において、前記処方は、10μm未満、より好ましくは1〜5μm、および最も好ましくは1〜3μmのエアロゾル粒子のMMADを達成するために、噴霧化のような任意の既知のエーロゾル適用技術によってエアロゾル化され得る。好ましい粒径は、タンパク質が最適に吸収される肺深部への薬剤の送達のための最大有効径に基づく( Edwards DA, Ben-Jebria A, Langer A, Recent ad-vances in pulmonary drug delivery using large, porous inhaled particles. J Appl Physiol 84(2) (1998) 379-385 を参照されたい )。
化合物を含む肺性処方の深部肺への堆積は、吸入技術の修飾技術(例えば、これらに限定されないが、遅い吸入流(例えば30 L/分)、呼吸保持および作動時間制御)を使用することによってさらに最適化され得る。
用語「安定化された処方」とは、増加した物理的安定性、増加した化学的安定性または増加した物理的および化学的安定性を備えた処方を意味する。
本明細書中で使用されるタンパク質処方の用語「物理的安定性」とは、生物学的不活性および/または不溶性の凝集塊を形成するタンパク質の傾向をいい、結果として、タンパク質が、熱-機械的ストレスおよび/または疎水性表面および境界面のような不安定化する境界面および表面での相互作用にさらされる。水性タンパク質処方の物理安定度は、適切な容器(例えばカートリッジまたはバイアル)の中に充填された処方を、機械的/物理的ストレス(例えば攪拌)に異なる温度で異なる時間でさらした後に、目視検査および/または濁度測定によって評価される。処方の目視検査は、暗色背景でシャープな焦点を合わせた光の中で行なわれる。処方の濁度は、例えば、0〜3の尺度で濁度の度合いを評価する視覚的スコアによって特徴づけられる ( 濁りのない処方は視覚的スコア0に相当し、昼光で視覚的濁りを示す処方は視覚的スコア3に相当する)。処方が昼光で視覚的濁りを示すとき、該処方は、タンパク質の凝集に関して物理的不安定なものとして分類される。代わりに、処方の濁度は、当業者に周知の単純な濁度測定によって評価することもできる。水性タンパク質処方の物理的安定性もまた、タンパク質の高次構造状態の分光学的薬剤またはプローブを使用することによって評価され得る。プローブは、好ましくはタンパク質の非天然配座異性体と優先的に結合する小分子である。タンパク質構造の小分子の分光学的プローブの一つの例には、チオフラビンTがある。チオフラビンTは、アミロイド線維の検出に広く使用されている蛍光色素である。原線維、およびおそらくは他のタンパク質構造の存在下、チオフラビンTは約450nmで新たな励起最大値まで上昇し、原線維タンパク質と結合したときに約482nmで増強された発光を示す。未結合のチオフラビンTは、前記波長で本質的に非蛍光性である。
他の小分子は、天然の状態から非天然の状態へのタンパク質の構造における変化のプローブとして使用され得る。例えば、好ましくはタンパク質の露出した疎水性パッチに結合する「疎水性パッチ」プローブがある。疎水性パッチは、一般的にはその天然の状態においてタンパク質の三次構造内に埋め込まれているが、タンパク質の折り畳み構造が解かれるかまたは変性すると露出してくる。これらの小分子の分光学的プローブの例には、芳香族、疎水性色素、例えばアントラセン、アクリジン、フェナントロリンまたはその他のものがある。他の分光学的プローブには、疎水性アミノ酸(例えば、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニンおよびバリン)のコバルト金属複合体のような、金属-アミノ酸複合体またはこれに類するものがある。
本明細書中で使用されるタンパク質処方の用語「化学的安定性」とは、天然のタンパク質構造体と比較して潜在的により少ない生物学的効力および/または潜在的に増加した免疫原性で、化学的分解産物の形成を導くタンパク質構造における化学的共有結合の変化を意味する。様々な化学的分解産物は、天然のタンパク質、およびタンパク質がさらされる環境のタイプおよび性質に依存しながら形成され得る。化学的分解の排除は、おそらくは完全には回避し得ず、化学的分解産物の量の増加はしばしば、貯蔵中および当業者に周知のタンパク質処方の使用中に観察される。大部分のタンパク質は脱アミド化を受けやすく、プロセスにおいてグルタミニルまたはアスパラギニル残基中の側鎖アミド基が加水分解され、遊離カルボキシル酸を形成する。他の分解経路は、高分子量の形質転換産物の形成に関与し、二以上のタンパク質分子が、共有結合性ダイマー、オリゴマーおよびポリマー分解産物の形成を導く、アミド基転移および/またはジスルフィド相互作用を通して互いに共有結合している(Stability of Protein Pharmaceuticals, Ahern. T.J. & Man-ning M.C., Plenum Press, New York 1992)。酸化 (例えばメチオニン残基の酸化) は、化学分解の他の変形として言及し得る。タンパク質処方の化学的安定性は、異なる環境条件にさらされた後の様々な時間点での化学分解産物の量を測定することによって評価し得る(分解産物の形成はしばしば、例えば温度を上昇させることによって加速され得る)。個々の分解産物の量はしばしば、様々なクロマトグラフィー技術 (例えば、SEC-HPLCおよび/またはRP-HPLC)を使用して、分子サイズおよび/または電荷に依存する分解産物の分離によって決定される。
従って、上述したように、「安定化された処方」とは、増加した物理安定性、増加した化学的安定性、または増加した物理的および化学的安定性を有する処方を意味する。一般的に、処方は、使用期限を過ぎるまでは使用および貯蔵中(推奨された使用および貯蔵条件に従って)において安定でなければならない。
本発明の一実施態様において、前記化合物を含む薬学的処方は、6週間以上の使用、および3年間以上の貯蔵について安定である。
本発明の他の実施態様において、前記化合物を含む薬学的処方は、4週間以上の使用、および3年間以上の貯蔵について安定である。
本発明のさらなる実施態様において、前記化合物を含む薬学的処方は、4週間以上の使用、および2年間以上の貯蔵について安定である。
本発明のさらなる実施態様において、前記化合物を含む薬学的処方は、2週間以上の使用、および2年間以上の貯蔵について安定である。
薬理学的方法
β細胞の機能およびβ細胞の数および/または大きさは、グルコース負荷(OGTT、IVGTT)、混合された金属耐性試験(MMTT)、Boost試験(炭水化物に富んだ流動食)または分泌促進物質、例えばアルギニン、Katp、チャネル遮断剤および内分泌ホルモンに対するインビボ反応における、インシュリンおよび/またはC-ペプチド分泌として測定され得る。特に好ましくは、グルコース負荷で行われる。分泌されたインシュリンは、酵素結合免疫吸着定量法、DAKOインシュリンキットK6219を使用して血清インシュリンとして測定され得る。そしてCペプチドは、ラジオイムノアッセイを使用して測定され得る(Novo抗体 M1230を使用するRIA、Diabetes Care 26:832-36, 2003)。
GLP-1化合物とプロトンポンプ阻害剤との組み合わせ:
糖尿病デブスナネズミ(Diabetic Psammomys obesus)を、ビヒクルのみ、GLP-1化合物のみ(100g/kg, s.c.)、またはランゾプラゾール(lanzoprazole)(30mg/kg, p.o.)と組み合わせたもので治療した。二週間の治療期間後、ビヒクルで治療された動物は未だ糖尿病であったが(BG 14.0±6.8mM, HbA1 8.9±1.5 %)、GLP-1化合物のみを与えた動物群は糖血症のレベルが低下し(BG 8.5±6.0 mM, HbA1C 8.5±2.0 %)、GLP-1化合物およびランゾプラゾールで治療された動物は正常血糖になった(朝 BG 4.1±2.3 mM, HbA1C 6.8±1.0% p<0.01 ビヒクルと比較したとき)。治療群の間での体重増における顕著な差異はなかった。

Claims (49)

  1. インシュリン分泌において増加、保存または喪失の割合を減少させる方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  2. 患者のβ細胞機能の増加、保存または喪失の割合を減少させる方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  3. β細胞の数および/または大きさの増加、保存または喪失の割合を減少させる方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  4. インシュリン分泌における増加、保存または喪失の割合における減少から利益を受ける疾患を治療する方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  5. β細胞機能における増加、保存または喪失の割合における減少から利益を受ける疾患を治療する方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  6. β細胞の数および/または大きさにおける増加、保存または喪失の割合における減少から利益を受ける疾患を治療する方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  7. IGTの非インシュリン依存性II型糖尿病への経過を遅延させる方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  8. 非インシュリン依存性II型糖尿病のインシュリン依存性II型糖尿病への経過を遅延させる方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  9. II型糖尿病を治療する方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  10. I型糖尿病を治療する方法であって、治療学的有効量のGLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤を、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  11. 前記組み合わせが、GLP-1受容体アゴニストを、プロトンポンプ阻害剤と組み合わせてなる請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記GLP-1受容体アゴニストが、GLP-1化合物である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記プロトンポンプ阻害剤が、オメプラゾールまたはエソメプラゾールである請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. さらにPPARアゴニストの投与を含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記PPARアゴニストが、PPARαアゴニストである請求項14に記載の方法。
  16. 前記PPARαアゴニストが、フィブラートである請求項15に記載の方法。
  17. 前記フィブラートが、シプロフィブラートである請求項16に記載の方法。
  18. 免疫抑制剤および/または免疫調節剤の前記患者への投与を含む請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. インシュリン分泌における増加、保存または喪失の割合における減少のための薬剤の製造における、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、およびプロトンポンプ阻害剤の使用。
  20. β細胞機能における増加、保存または喪失の割合における減少のための薬剤の製造における、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、およびプロトンポンプ阻害剤の使用。
  21. β細胞の数および/または大きさにおける増加、保存または喪失における減少のための薬剤の製造における、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、およびプロトンポンプ阻害剤の使用。
  22. IGTの非インシュリン依存性II型糖尿病への経過を遅延させるための薬剤の製造における、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、およびプロトンポンプ阻害剤の使用。
  23. 非インシュリン依存性II型糖尿病のインシュリン依存性II型糖尿病への経過を遅延させるための薬剤の製造における、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、およびプロトンポンプ阻害剤の使用。
  24. II型糖尿病を治療するための薬剤の製造における、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、およびプロトンポンプ阻害剤の使用。
  25. I型糖尿病を治療するための薬剤の製造における、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、およびプロトンポンプ阻害剤の使用。
  26. 前記組み合わせが、GLP-1受容体アゴニストとプロトンポンプ阻害剤で構成される請求項19〜25のいずれか一項に記載の使用。
  27. 前記GLP-1受容体アゴニストが、GLP-1化合物である請求項19〜26のいずれか一項に記載の使用。
  28. 前記プロトンポンプ阻害剤が、オメプラゾールまたはエソメプラゾールである請求項19〜27のいずれか一項に記載の使用。
  29. さらにPPARアゴニストの使用を含む請求項19〜28のいずれか一項に記載の使用。
  30. 前記PPARアゴニストが、PPARαアゴニストである請求項29に記載の使用。
  31. 前記PPARαアゴニストが、フィブラートである請求項30に記載の使用。
  32. 前記フィブラートが、シプロフィブラートである請求項31に記載の使用。
  33. 免疫抑制剤および/または免疫調節剤の使用をさらに含む請求項19〜32のいずれか一項に記載の使用。
  34. GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、およびプロトンポンプ阻害剤を含む組成物。
  35. 前記GLP-1受容体アゴニストが、GLP-1化合物である請求項34に記載の組成物。
  36. 前記プロトンポンプ阻害剤が、オメプラゾールまたはエソメプラゾールである請求項34または35に記載の組成物。
  37. PPARアゴニストを含む請求項34〜36のいずれか一項に記載の組成物。
  38. 前記PPARアゴニストが、PPARαアゴニストである請求項37に記載の組成物。
  39. 前記PPARαアゴニストが、フィブラートである請求項38に記載の組成物。
  40. 前記フィブラートが、シプロフィブラートである請求項39に記載の組成物。
  41. さらに免疫抑制剤および/または免疫調節剤を含む請求項34〜40のいずれか一項に記載の組成物。
  42. 二以上の容器(第一の容器)を含むキットであって、前記各容器が、GLP-1受容体アゴニストおよび/またはDPP-IV阻害剤、プロトンポンプ阻害剤および/またはPPARアゴニストから選択された少なくとも一つの治療学的活性薬剤を含み、かつ前記容器が一緒になって前記活性化合物の全てを含むキット。
  43. 前記GLP-1受容体アゴニストが、GLP-1化合物である請求項42に記載のキット。
  44. 前記プロトンポンプ阻害剤が、オメプラゾールまたはエソメプラゾールである請求項42または43に記載のキット。
  45. 前記PPARアゴニストが、PPARαアゴニストである請求項42〜44のいずれか一項に記載のキット。
  46. 前記PPARαアゴニストが、フィブラートである請求項45に記載のキット。
  47. 前記フィブラートが、シプロフィブラートである請求項46に記載のキット。
  48. さらに免疫抑制剤および/または免疫調節剤を含む請求項42〜47のいずれか一項に記載のキットであって、前記免疫抑制剤および/または免疫調節剤が、前記第一の容器中または第二の容器中において構成されるキット。
  49. GLP-1受容体アゴニスト、プロトンポンプ阻害剤、および任意的にはPPARアゴニストを含む組成物またはキットの販売を促進する方法であって、前記組成物またはキットの投与がβ細胞の増殖および/またはβ細胞の再生に関連する情報の社会的配信を含む方法。
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