JP2008293888A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】低透磁率の材質で構成される被加熱調理器具をより効率よく加熱することができる誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】トッププレート3の下面側の載置部4に対応する部位に誘導発熱体21と断熱絶縁体23とをトッププレート3側からこの順にて層状に配置する。誘導発熱体21に、加熱コイル6の巻回方向に交わる方向に延びたスリットを設け、加熱コイル8は、このスリットを横断しないように巻回する。加熱コイル8に高周波電流が供給された場合、加熱コイル8で発生する磁束により誘導発熱体21に誘導電流が流れて発熱し、熱伝導により被加熱調理器具10を間接的に加熱する。一方、加熱コイル6に高周波電流が供給された場合、スリットの作用により誘導発熱体21に誘導電流はほとんど流れない。
【選択図】図1
【解決手段】トッププレート3の下面側の載置部4に対応する部位に誘導発熱体21と断熱絶縁体23とをトッププレート3側からこの順にて層状に配置する。誘導発熱体21に、加熱コイル6の巻回方向に交わる方向に延びたスリットを設け、加熱コイル8は、このスリットを横断しないように巻回する。加熱コイル8に高周波電流が供給された場合、加熱コイル8で発生する磁束により誘導発熱体21に誘導電流が流れて発熱し、熱伝導により被加熱調理器具10を間接的に加熱する。一方、加熱コイル6に高周波電流が供給された場合、スリットの作用により誘導発熱体21に誘導電流はほとんど流れない。
【選択図】図1
Description
本発明は、調理器本体の上面を構成するトッププレート上に載置される被加熱調理器具を加熱するための誘導加熱コイルを備えた誘導加熱調理器に関する。
誘導加熱調理器において、アルミや銅のように低透磁率で電気伝導度が高い材質の鍋は、鉄などの磁性体の鍋に比べ加熱コイル(誘導加熱コイル)からの磁束を吸収しにくく加熱効率が悪いという問題がある。また、鍋底に流れる誘導電流と磁束との相互作用により、いわゆる鍋浮きも生じ易い。こうした課題を解決するため、特許文献1には、スリットを有する円環形状のアルミ板がアルミ鍋と加熱コイルとの間に配設された誘導加熱装置が開示されている。
この誘導加熱装置によれば、加熱コイルから発生する磁束の一部が、アルミ鍋に到達する前にアルミ板に鎖交し、アルミ板に誘導電流が流れることで加熱コイルの等価直列抵抗が増大する。また、アルミ板の周囲から迂回した磁束がアルミ鍋に鎖交して誘導加熱が行われるので、同一の消費電力でアルミ鍋を加熱する場合には、加熱コイルに流す電流を小さくすることができ、それに伴って上述の鍋浮きも抑制できる。
特許第3465712号公報(図1)
特許文献1の誘導加熱装置において、アルミ鍋など表皮抵抗が小さく電気伝導度の高い鍋を加熱する場合、加熱コイルは自身の損失により発熱する。その上、上記アルミ板も鍋と同様に誘導加熱されて高温になるので、加熱コイルは、このアルミ板により加熱されて一層高温となる。
このような加熱コイルの温度上昇を軽減するためには、例えばアルミ板と加熱コイルとの間に断熱材を設け、これらの間に冷却風を流す構造にする必要がある。しかし、このような構造にすると、加熱コイルと誘導加熱対象である鍋とのギャップが、トッププレート(厚さ4mm)も含め11〜12mmとなり、一般の誘導加熱調理器におけるギャップ6〜7mmよりも5mm程度大きくなる。その結果、鉄などの磁性体の鍋に比べて磁束が届きにくいアルミ鍋に、加熱コイルから発生する磁束が一層届きにくくなり、アルミ鍋を十分に加熱することができなくなる。
また、アルミや銅などの表皮抵抗の小さい鍋は抵抗が小さいため、加熱コイルの巻き数を例えば3倍程度に増加させるように3段程度に重ねた多段巻き線構造にしたり、加熱コイルに流れる交流電流の周波数を高めたりして、加熱コイルの等価直列抵抗を大きくすることも考えられる。しかし、前者の場合には、アルミ鍋と加熱コイルとのギャップが一層増えて鍋に磁束が届きにくくなり、後者の場合には、加熱コイル及び加熱コイルに高周波電流を供給するためのインバータ回路における損失が増大するので、加熱効率が悪化してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低透磁率の材質で構成される被加熱調理器具をより効率よく加熱することができる誘導加熱調理器を提供することにある。
本発明の誘導加熱調理器は、調理器本体と、
この調理器本体の上面を構成し、被加熱調理器具が載置されるトッププレートと、
前記被加熱調理器具を加熱するために前記トッププレートの下方に設けられた第1の誘導加熱コイル、第2の誘導加熱コイルおよび誘導発熱体と、
前記第1および第2の誘導加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給手段と、
前記被加熱調理器具の材質に応じて前記高周波電流供給手段を制御することにより前記被加熱調理器具に対する加熱を制御する加熱制御手段とを備え、
前記誘導発熱体は、前記トッププレートに熱的に接続されるとともに、前記第1の誘導加熱コイルに高周波電流が供給されることにより当該誘導発熱体に発生する誘導電流を遮断する誘導電流遮断部を有し、
前記第2の誘導加熱コイルは、前記誘導発熱体の誘導電流遮断部を横断しないように配置された環状をなすことを特徴とする。
この調理器本体の上面を構成し、被加熱調理器具が載置されるトッププレートと、
前記被加熱調理器具を加熱するために前記トッププレートの下方に設けられた第1の誘導加熱コイル、第2の誘導加熱コイルおよび誘導発熱体と、
前記第1および第2の誘導加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給手段と、
前記被加熱調理器具の材質に応じて前記高周波電流供給手段を制御することにより前記被加熱調理器具に対する加熱を制御する加熱制御手段とを備え、
前記誘導発熱体は、前記トッププレートに熱的に接続されるとともに、前記第1の誘導加熱コイルに高周波電流が供給されることにより当該誘導発熱体に発生する誘導電流を遮断する誘導電流遮断部を有し、
前記第2の誘導加熱コイルは、前記誘導発熱体の誘導電流遮断部を横断しないように配置された環状をなすことを特徴とする。
このように構成すれば、高周波電流供給手段により第1の誘導加熱コイルに高周波電流が供給されると、被加熱調理器具に対して誘導加熱が行われる。このとき、誘導発熱体には、誘導電流遮断部の作用により誘導電流が流れない。また、高周波電流供給手段により第2の誘導加熱コイルに高周波電流が供給されると、トッププレートに熱的に接続された誘導発熱体に誘導電流が発生し、この誘導発熱体が発熱することで被加熱調理器具に対して熱伝導による間接加熱が行われる。そして、加熱制御手段は、被加熱調理器具の材質に応じて高周波電流供給手段を制御し、被加熱調理器具に対する誘導加熱または間接加熱を制御するので、様々な種類の被加熱調理器具を加熱することが可能となる。
本発明によれば、第1の誘導加熱コイル、または、第2の誘導加熱コイルおよび誘導発熱体を用いて被加熱調理器具の材質に適した加熱を行うので、磁性体で構成された被加熱調理器具はもちろん、低透磁率の材質で構成された被加熱調理器具など、様々な材質の被加熱調理器具を効率よく加熱することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図9を参照しながら説明する。
図1は、誘導加熱調理器本体の正面断面図である。調理器本体1は、外殻が本体ケース2であり、この上方にトッププレート3が位置することによって、調理器本体1の上面をトッププレート3が構成している。本体ケース2の内部において、トッププレート3の載置部4、5の下方には、それぞれ誘導加熱用の加熱コイル6、7(第1の誘導加熱コイルに相当)と、間接加熱用の加熱コイル8、9(第2の誘導加熱コイルに相当)とが配設されている。これらによって、載置部4、5に載置される鍋などの被加熱調理器具(図2に符号10を付して示す)をそれぞれ加熱するようにしている。
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図9を参照しながら説明する。
図1は、誘導加熱調理器本体の正面断面図である。調理器本体1は、外殻が本体ケース2であり、この上方にトッププレート3が位置することによって、調理器本体1の上面をトッププレート3が構成している。本体ケース2の内部において、トッププレート3の載置部4、5の下方には、それぞれ誘導加熱用の加熱コイル6、7(第1の誘導加熱コイルに相当)と、間接加熱用の加熱コイル8、9(第2の誘導加熱コイルに相当)とが配設されている。これらによって、載置部4、5に載置される鍋などの被加熱調理器具(図2に符号10を付して示す)をそれぞれ加熱するようにしている。
本体ケース2の前面には、操作パネル11とオーブン扉12とが設けられており、使用者は、操作パネル11によって被加熱調理器具10への加熱に関する各種操作を行うことができるようになっている。オーブン扉12の後方(本体ケース2の内部)には、オーブン(図示せず)が連なっている。トッププレート3の下面中、特に載置部4、5の中心部の直下位置には、サーミスタなどで構成される温度検知部13、14(温度検出手段に相当)が設けられている。加熱コイル6、8および加熱コイル7、9は、コイルベース15および16によって支持されており、コイルベース15および16には、後述するように、加熱コイル6、8および7、9からの磁束の磁路を形成するためのフェライト17および18が配置されている。
トッププレート3の下面側で載置部4、5に対応する部位には、加熱部19、20が設けられている。なお、以下では、載置部4に対応する部分の構成について説明を行うが、載置部5に対応する部分についても同様に構成されており、載置部5に対応する各構成のうち図1に示すものについては()内に符号を示す。
図2は、図1における載置部4部分を拡大して示している。図1および図2に示すように、載置部4(5)の下方には、誘導発熱体21(22)と断熱用の断熱絶縁体23(24)とが、トッププレート3側からこの順にて層状に配置されており、その下方にはコイルベース15(16)が位置している。コイルベース15(16)の上面には円環板状に巻回された加熱コイル8(9)が配置されており、下面には円環板状に巻回された加熱コイル6(7)が配置されている。
誘導発熱体21(22)および断熱絶縁体23(24)は、図示しないスペーサなどを介してコイルベース15(16)によりトッププレート3に押し付けられており、誘導発熱体21(22)がトッププレート3の下面側に密着するように配置されている。誘導発熱体21(22)は、加熱コイル8(9)の上面全体を覆うように設けられており、これらの間のギャップは、2mm〜3mmとなるように設定されている。加熱コイル6(7)の下側には、その下面全体を覆うようにフェライト17(18)が配置されている。以上のようにして加熱部19(20)が構成されている。
図3は、加熱部19の一部についての詳細構成を示している。誘導発熱体21は、例えば非磁性ステンレス(非磁性SUS)、カーボン、窒化珪素などの非磁性体を材料として構成されている。誘導発熱体21は、中央部に円形の開口部21aを有する円環状の薄板に、図3中、上下方向(後述する加熱コイル6の巻回方向に交わる方向)に延びたスリット21bが設けられることにより、左右対称形状とした逆C字状の発熱部21cおよびC字状の発熱部21dとを有する構成となっている。なお、本実施形態では、スリット21bが誘導電流遮断部として機能するようになっている。断熱絶縁体23は、中央部に円形の開口部23aを有する円環状の薄板に形成されている。
加熱コイル6は、誘導発熱体21の開口部21aを避けるように巻回され、そのコイル束が円環板状をなすように形成されている。これに対し、加熱コイル8は、誘導発熱体21の発熱部21cおよび21dのそれぞれの周部内側に沿うような位置から周部と周部との中間位置まで巻回された巻線部8aおよび巻線部8bを有している。巻線部8aのコイル束がなす環状は逆C字状になっており、巻線部8bのコイル束がなす環状はC字状になっている。すなわち、加熱コイル8は、開口部21aとスリット21bとを避けるような(横断しないような)形状となっている。なお、巻線部8aと巻線部8bとは、それぞれの端部にて電気的に直列に接続されている(図4参照)。
誘導発熱体21は、加熱コイル8に高周波電流が供給されると、加熱コイル8で発生する磁束により誘導電流が流れて発熱する(後述の作用説明参照)。誘導発熱体21で発生するジュール熱は、その上面全体に密着して配置されたトッププレート3を介して被加熱調理器具10に対して伝導される。また、誘導発熱体21の下面全体に密着して断熱絶縁体23を配置することにより、上記ジュール熱によって加熱コイル6、8が加熱されにくい構造としている。なお、誘導発熱体21における誘導電流は、加熱コイル8で高周波電流が流れる経路に対応する位置に流れる。このため、誘導電流が流れる経路は長くなり、加熱コイル8に高周波電流が供給された状態における加熱コイル8の等価抵抗は大きくなる。
一方、加熱コイル6に高周波電流が供給された場合、誘導発熱体21は、スリット21bの作用により、誘導電流はほとんど流れず、誘導発熱体21はほとんど発熱しない(後述の作用説明参照)。
図4は、制御系の構成を示す機能ブロック図である。なお、加熱部19と20とは同様の構成であるため、図4では加熱部20およびこれに対応するその他の構成は省略している。誘導加熱制御装置24(加熱制御手段および材質判定手段に相当)は、前述した本体ケース2の内部に設けられており、マイクロコンピュータを主体として構成されている。誘導加熱制御装置24には、操作パネル11に配置されている操作部25から操作信号が入力されるとともに、温度検知部13から温度検知信号が入力されている。この操作部25は、後述する火力調整ダイヤル25aや土鍋などの非金属鍋を加熱する際に用いる土鍋選択スイッチ25b(操作手段に相当)などを有している(図1参照)。
誘導加熱制御装置24は、これらの入力信号および予め記憶された制御プログラムに基づいて、操作パネル11に配置されている表示部26の作動を制御するとともにインバータ27(高周波電流供給手段に相当)を制御し、加熱コイル6、8に高周波電流を供給して被加熱調理器具10に対する加熱を制御する。インバータ27には、商用交流電源28から整流回路29を介して直流に変換したものが駆動用電源として供給されている。なお、本実施形態では、この高周波電流の周波数を25kHz程度としている。
インバータ27から出力される高周波電流は、リレー30の切換スイッチ30sを介して加熱コイル6または8に供給されるようになっている。すなわち、切換スイッチ30sの接点c−a間がオンされると、加熱コイル6に高周波電流が供給され、接点c−b間がオンされると、加熱コイル8に高周波電流が供給されるようになっている。誘導加熱制御装置24は、被加熱調理器具10の材質を検出し、その材質に応じてリレー30の切換スイッチ30sの切り換えを制御するようになっている。
加熱コイル6および8の切換スイッチ30sと反対側の端子は共通に接続されており、この共通接続点とインバータ27との間には共振コンデンサ31が直列に接続されている。これにより、加熱コイル6または8と、共振コンデンサ31と、被加熱調理器具10または誘導発熱体21とによりインバータ27の一部をなす共振回路が構成されている。なお、本実施形態における加熱コイル8は、巻線部8aと巻線部8bとを直列に接続するようにしているが、これら巻線部8aおよび巻線部8bを並列に接続(加熱コイル6と並列に接続)するようにしてもよい。
整流回路29の入力側には電流トランス32が配置され、インバータ27の出力側には電流トランス33が配置されており、それらの検知信号は誘導加熱制御装置24に与えられている。誘導加熱制御装置24は、被加熱調理器具10の材質を検出する際、リレー30の切換スイッチ30sの接点c−a間をオンにし、被加熱調理器具10への入力電流ipとインバータ27の出力電流(コイル電流)icとを検出するようになっている。
次に、本実施形態の作用について図5〜図9も参照して説明する。
まず、被加熱調理器具10および誘導発熱体21に流れる誘導電流について説明する。加熱コイル6に高周波電流が供給されると、図2に示すように磁束B1が発生する。図5は、このときの被加熱調理器具10である鍋の底部(鍋底)10aおよび誘導発熱体21に流れる誘導電流の状態を模式的に示している。磁束B1は誘導発熱体21を通るが、スリット21bにより誘導電流の通電経路が遮断されているため、図5に示すように誘導発熱体21には誘導電流が流れない。従って、誘導発熱体21は誘導加熱されない。一方、磁束B1が被加熱調理器具10を通ることにより、その底部10aに誘導電流I1が流れ、被加熱調理器具10は誘導加熱される。
まず、被加熱調理器具10および誘導発熱体21に流れる誘導電流について説明する。加熱コイル6に高周波電流が供給されると、図2に示すように磁束B1が発生する。図5は、このときの被加熱調理器具10である鍋の底部(鍋底)10aおよび誘導発熱体21に流れる誘導電流の状態を模式的に示している。磁束B1は誘導発熱体21を通るが、スリット21bにより誘導電流の通電経路が遮断されているため、図5に示すように誘導発熱体21には誘導電流が流れない。従って、誘導発熱体21は誘導加熱されない。一方、磁束B1が被加熱調理器具10を通ることにより、その底部10aに誘導電流I1が流れ、被加熱調理器具10は誘導加熱される。
これに対し、加熱コイル8に高周波電流が供給されると、図2に示すように磁束B2が発生する。図6は、このときの鍋底10aおよび誘導発熱体21に流れる誘導電流の状態を模式的に示している。磁束B2が誘導発熱体21の発熱部21cおよび21dを通ることにより、図6に示すように発熱部21cおよび21dにそれぞれ誘導電流I2が流れ、誘導発熱体21は誘導加熱される。この誘導電流I2は、誘導発熱体21の周部に沿うように流れるとともに、開口部21aおよびスリット21bに沿うように流れる。この場合、磁束B2は、この誘導発熱体21に流れる誘導電流I2に基づく磁束によって打ち消されるため、被加熱調理器具10まで到達しない。従って、被加熱調理器具10には誘導電流が流れず、被加熱調理器具10は誘導加熱されない。
図7は、誘導加熱制御装置24による制御内容を、本発明の要旨に係る部分について示すフローチャートである。なお、以下では、載置部4に載置された被加熱調理器具10を加熱する際の制御内容について説明を行うが、載置部5に関しても同様の制御内容となる。
誘導加熱制御装置24は、火力調整ダイヤル25aの操作により設定された入力電力の設定値を読み込むと(ステップS1)、土鍋選択スイッチ25bがオンされているか否かを判断する(ステップS2)。そして、土鍋選択スイッチ25bがオンである(YES)と判断すると、後述するステップS10へと進む。
誘導加熱制御装置24は、火力調整ダイヤル25aの操作により設定された入力電力の設定値を読み込むと(ステップS1)、土鍋選択スイッチ25bがオンされているか否かを判断する(ステップS2)。そして、土鍋選択スイッチ25bがオンである(YES)と判断すると、後述するステップS10へと進む。
一方、土鍋選択スイッチ25bがオフである(NO)と判断すると、リレー30の切換スイッチ30sの接点c−a間をオンし(ステップS3)、被加熱調理器具10の材質判定を行う(ステップS4)。そして、ステップS5、S7において、高抵抗金属材料か否か、低抵抗金属材料か否かをそれぞれ判定する。
例えば鉄やステンレス(SUS)などの高抵抗金属材料か否かを判定するには、インバータ27により電圧、周波数が一定の高周波電流を加熱コイル6に供給し、図8(a)に示すように入力電流ipとコイル電流icとの関係に基づいて判定を行う。
すなわち、被加熱調理器具10の材質が鉄などの磁性体の場合、加熱コイル6で発生した磁束は被加熱調理器具10を通り易くなり、被加熱調理器具10と鎖交し易くなる。その結果、漏れ磁束が少なくなり、加熱コイル6の等価インダクタンスL(図8(b)参照)は小さくなる。また、磁性体材料は比抵抗が大きく、表皮効果(鍋底のトッププレート3側に渦電流が集中する効果)も大きいので加熱コイル6の等価抵抗Rが大きくなる。
すなわち、被加熱調理器具10の材質が鉄などの磁性体の場合、加熱コイル6で発生した磁束は被加熱調理器具10を通り易くなり、被加熱調理器具10と鎖交し易くなる。その結果、漏れ磁束が少なくなり、加熱コイル6の等価インダクタンスL(図8(b)参照)は小さくなる。また、磁性体材料は比抵抗が大きく、表皮効果(鍋底のトッププレート3側に渦電流が集中する効果)も大きいので加熱コイル6の等価抵抗Rが大きくなる。
一方、アルミや銅のように非磁性で比抵抗が小さい材料の場合、加熱コイル6で発生した磁束は被加熱調理器具10に通り難くなり、漏れ磁束が多くなるので加熱コイル6の等価インダクタンスLが大きくなる。そして、比抵抗が小さく表皮効果も小さいので等価抵抗Rも小さくなる。また、土鍋などの非金属鍋の場合あるいは無負荷の場合は、誘導電流が全く流れないので等価インダクタンスLは最も大きくなり、等価抵抗Rは最も小さくなる。
そして、コイル電流icは、加熱コイル6の等価インピーダンスZに反比例し、入力電流ipは、コイル電流icとR/Zに比例する。その結果、被加熱調理器具10の材質に応じて図8(a)に示すような関係となる。すなわち、
材質 コイル電流ic 入力電流ip
鉄 小(Rが大 →Zが大) 大(R/Zが大)
アルミ 大(Rが小 →Zが小) 小(R/Zが小)
非金属(土鍋) 小(ωLが大→Zが大) 小(R/Zが小)
従って、入力電流ip、コイル電流icの大小関係に基づいて、被加熱調理器具10の材質を判定することができる。
材質 コイル電流ic 入力電流ip
鉄 小(Rが大 →Zが大) 大(R/Zが大)
アルミ 大(Rが小 →Zが小) 小(R/Zが小)
非金属(土鍋) 小(ωLが大→Zが大) 小(R/Zが小)
従って、入力電流ip、コイル電流icの大小関係に基づいて、被加熱調理器具10の材質を判定することができる。
さて、ステップS5において、材質が高抵抗金属材料である(YES)と判断すると、誘導加熱制御装置24は、ステップS1で読み込んだ入力電力設定値をインバータ27に対する入力電力として誘導加熱調理を行う(ステップS6)。すなわち、従来行われている通常の誘導加熱調理である。この場合、前述したとおり、誘導発熱体21に誘導電流はほとんど流れない。従って、インバータ27への入力電力はほとんど被加熱調理器具10で消費されることになる。
一方、材質が高抵抗金属材料でない場合(ステップS5、「NO」)、誘導加熱制御装置24は、材質がアルミや銅のような低抵抗の非磁性金属材料か、あるいは土鍋のような非金属鍋(もしくは無負荷)かを判断する(ステップS7)。
低抵抗金属材料であれば(YES)、誘導加熱制御装置24は、リレー30の切換スイッチ30sの接点c−b間をオンする(ステップS8)。そして、誘導加熱制御装置24は、ステップS1で読み込んだ入力電力設定値をインバータ27に対する入力電力として、加熱コイル8へ高周波電流を供給する(ステップS9)。すると、加熱コイル8に流れる高周波電流により発生する磁束B2に応じて誘導発熱体21に誘導電流I2が流れ、誘導発熱体21は誘導加熱される。この発熱した誘導発熱体21は、トッププレート3を介してアルミや銅からなる被加熱調理器具10を熱伝導により間接的に加熱する。
この場合、前述したとおり、磁束B2は、被加熱調理器具10まで到達しない。従って、インバータ27への入力電力のほとんどが、誘導発熱体21での加熱に消費されることになる。
低抵抗金属材料であれば(YES)、誘導加熱制御装置24は、リレー30の切換スイッチ30sの接点c−b間をオンする(ステップS8)。そして、誘導加熱制御装置24は、ステップS1で読み込んだ入力電力設定値をインバータ27に対する入力電力として、加熱コイル8へ高周波電流を供給する(ステップS9)。すると、加熱コイル8に流れる高周波電流により発生する磁束B2に応じて誘導発熱体21に誘導電流I2が流れ、誘導発熱体21は誘導加熱される。この発熱した誘導発熱体21は、トッププレート3を介してアルミや銅からなる被加熱調理器具10を熱伝導により間接的に加熱する。
この場合、前述したとおり、磁束B2は、被加熱調理器具10まで到達しない。従って、インバータ27への入力電力のほとんどが、誘導発熱体21での加熱に消費されることになる。
ステップS7において材質が低抵抗金属材料でない(NO)と判断する場合、あるいはステップS2において土鍋選択スイッチ25bがオンされている(YES)と判断する場合には、材質が非金属材料である場合の他に無負荷の場合も含まれる。この場合、ステップS8、S9と同様に、誘導加熱制御装置24は、リレー30の切換スイッチ30sの接点c−b間をオンし(ステップS10)、誘導発熱体21を発熱させて熱伝導による間接加熱を行う(ステップS11)。
ところで、上述した入力電流ipとコイル電流icとの関係からは非金属材料と無負荷との判別ができない。そこで、温度検知部13によって、ステップS10における間接加熱開始からの温度上昇度合いを検出する(ステップS12)。
すなわち、図9に示すように、例えばトッププレート3の載置部4に土鍋などが載置されている場合は負荷の熱容量が大きいため、加熱開始からの温度上昇度合い(立ち上がり)は比較的緩やかになる。これに対して、無負荷である場合は、トッププレート3の熱容量分しかないため、加熱開始からの温度上昇度合いは比較的急激になる。このような温度上昇度合いの相違に基づいて、非金属材料と無負荷とを判定する(ステップS13)。
すなわち、図9に示すように、例えばトッププレート3の載置部4に土鍋などが載置されている場合は負荷の熱容量が大きいため、加熱開始からの温度上昇度合い(立ち上がり)は比較的緩やかになる。これに対して、無負荷である場合は、トッププレート3の熱容量分しかないため、加熱開始からの温度上昇度合いは比較的急激になる。このような温度上昇度合いの相違に基づいて、非金属材料と無負荷とを判定する(ステップS13)。
そして、誘導加熱制御装置24は、無負荷であると判断すると(ステップS13で「YES」)間接加熱を停止し(ステップS14)、非金属材料である(ステップS13で「NO」)と判断するとそのままステップS1に戻り、誘導発熱体21による間接加熱を継続する。
以上説明したように、本実施形態によれば次のような効果を奏する。
誘導加熱調理器は、磁性体金属で構成された表皮抵抗の大きい鍋を加熱する場合には、加熱コイル6により誘導加熱を行い、非磁性体金属で構成された表皮抵抗の小さい鍋や非金属製の鍋を加熱する場合には、誘導発熱体21の発熱による間接加熱を行う。従って、鉄、ステンレス(SUS)、アルミ、銅などの金属製鍋や、土鍋、ガラス製鍋などの非金属製鍋など、様々な材質の鍋を加熱することができる。
誘導加熱調理器は、磁性体金属で構成された表皮抵抗の大きい鍋を加熱する場合には、加熱コイル6により誘導加熱を行い、非磁性体金属で構成された表皮抵抗の小さい鍋や非金属製の鍋を加熱する場合には、誘導発熱体21の発熱による間接加熱を行う。従って、鉄、ステンレス(SUS)、アルミ、銅などの金属製鍋や、土鍋、ガラス製鍋などの非金属製鍋など、様々な材質の鍋を加熱することができる。
また、アルミ鍋などの表皮抵抗の小さい鍋を加熱する場合、加熱コイル8で発生する磁束B2により誘導発熱体21を誘導加熱し、その発熱によってアルミ鍋を間接的に加熱するようにした。アルミ鍋などの表皮抵抗の小さい鍋に対して直接誘導加熱をしないので、鍋底に流れる誘導電流と磁束との相互作用による鍋浮きが発生しない。従って、鍋によって火力が変わることがなく良好な調理性能が得られるとともに、安全で効率のよい加熱ができる。
誘導発熱体21を加熱コイル8に近接させて配置するとともに、誘導発熱体21に流れる誘導電流の経路を長くしたので、加熱コイル8に高周波電流を供給した状態での加熱コイル8の等価直列抵抗が大きくなる。このため、加熱コイル8の巻き数を少なくでき、加熱コイル8における損失が低減し、アルミ鍋を加熱する際の効率をさらに高められる。また、加熱コイル6は、上述したとおり、磁性体金属で構成された表皮抵抗の大きい鍋を加熱する場合に使用される。従って、加熱コイル6に高周波電流を供給した状態での加熱コイル6の等価直列抵抗も大きくなる。このため、加熱コイル6は、加熱コイル8と同様、巻き数を少なくすることができる。
そして、加熱コイル6、8の巻き数を少なくしたことにより、インバータ27における共振電圧を1/5程度と低くすることができる。従って、加熱コイル6、8と被加熱調理器具10との間の浮遊容量に起因して発生し、人体が鍋に触れると人体を介して大地に流れる漏れ電流を小さくでき、安全性を一層高められる。さらに、漏れ電流低減用の静電シールドも不要となり部品点数の削減も図ることができる。
また、加熱コイル6、8の等価直列抵抗を大きくしたことにより、インバータ27における発振周波数を25kHz程度と低くすることが可能となる。従って、アルミ鍋などの非磁性体金属製の鍋を加熱する際においても、インバータ27を構成するIGBTなどの半導体スイッチング素子や加熱コイル6、8の損失を大幅に低減できる。
さらに、誘導発熱体21と加熱コイル8とのギャップを2〜3mmとし、誘導発熱体21を、加熱コイル8の上面全体を覆うように配置した。このため、アルミ製の鍋や銅製の鍋などを間接加熱する際、加熱コイル8で発生する磁束により誘導発熱体21を誘導加熱するときの漏れ磁束が非常に小さくなる。また、加熱コイル8の巻き数を少なくしたことにより磁束発生量が少なくなるため、電磁波の漏れの少ない誘導加熱調理器を構成することができる。
表皮効果による損失を軽減するため、従来の加熱コイルには直径50μm程度の細線を1000〜2000本撚ったリッツ線を用い、さらに共振電圧による加熱コイルの巻き線間耐圧に耐えるようにリッツ線をテフロン(登録商標)チューブで絶縁していた。これに対し、本実施形態では、インバータ27における発振周波数および共振電圧を低減することにより、加熱コイル6、8の直径を300μm程度にすることができ、リッツ線の撚本数も従来の1/36程度にすることができる。さらに、リッツ線間の絶縁も不要にできる。
上述した構成を用いることにより、アルミ製の鍋や銅製の鍋などの表皮抵抗の小さい鍋を加熱する際における加熱効率を従来のものよりも大幅に改善するとともに信頼性も向上する。この加熱効率に関して一例を示せば、従来の構成による加熱効率が60%であったとすれば、本実施形態の場合には70%程度にまで改善することができる。
加熱コイル6に高周波電流が供給されると、これにより発生する磁束B1が被加熱調理器具10を通ることにより、その底部10aに誘導電流I1が流れ、被加熱調理器具10が誘導加熱される。このとき、この磁束B1は誘導発熱体21を通るが、スリット21bにより誘導電流の通電経路が遮断されているため、誘導発熱体21にはほとんど誘導電流が流れない。従って、鉄やステンレスなどの高抵抗の磁性体金属鍋を加熱する場合、加熱コイル6の電力はほとんど鍋で消費されることになり、加熱効率が向上する。
誘導加熱制御装置24は、リレー30の切換スイッチ30sの接点c−a間をオンにして、加熱コイル6に高周波電流を供給し、入力電流ip及びコイル電流icを検出することにより、トッププレート3に載置された被加熱調理器具10が、鉄やステンレスなどの磁性体金属で構成された表皮抵抗の大きい鍋か、アルミや銅などの非磁性体金属で構成された表皮抵抗の小さい鍋かを判別する。従って、金属製の被加熱調理器具10を加熱する際、その材質が磁性体金属であるか非磁性体金属であるかを自動的に判別し、その材質に応じた最適且つ効率のよい加熱を行うことができる。さらに、この材質検知を行うとき、つまり加熱コイル6に高周波電流が供給されたときには、上述したように誘導発熱体21にほとんど誘導電流が流れないので、精度の良い材質検知が可能となる。
操作パネル11に土鍋選択スイッチ25bを設け、この土鍋選択スイッチ25bをオンにすることにより、誘導発熱体21の発熱による間接加熱を実行するように構成した。従って、直接誘導加熱することができない土鍋やガラス製の鍋などの非金属製鍋も加熱することができる。
また、誘導加熱制御装置24は、トッププレート3に載置された被加熱調理器具10が金属製ではないと判断した場合、誘導発熱体21の発熱による間接加熱を行う。そして、温度検知部13からの検出温度に基づいて温度上昇度合い(立ち上がり)を検出し、この温度上昇度合いが比較的緩やかな場合、非金属製の鍋が載置されていると判断して間接加熱を継続する。一方、温度上昇度合いが比較的急激な場合、無負荷であると判断し、間接加熱を停止する。従って、従来の加熱コイル6の等価インピーダンスによる材質検出方法では検出できなかった無負荷状態を検出することができ、トッププレート3に被加熱調理器具10が載置されていない場合、直ちに誘導発熱体21の発熱による間接加熱を停止し、無駄な電力消費を無くすことができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図10および図11を参照しながら説明する。
図10および図11は、第1の実施形態における図2および図3相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
図10および図11に示す加熱部41は、図2および図3に示す加熱部19に対し、加熱コイル6および加熱コイル8の配置と、フェライト17に替えてフェライト42を備えている点とが異なっている。すなわち、コイルベース15の上面に加熱コイル6が配置されており、下面に加熱コイル8が配置されている。そして、この加熱コイル8の下側には、その下面全体を覆うような形状をなすフェライト42が配置されている。
以下、本発明の第2の実施形態について図10および図11を参照しながら説明する。
図10および図11は、第1の実施形態における図2および図3相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
図10および図11に示す加熱部41は、図2および図3に示す加熱部19に対し、加熱コイル6および加熱コイル8の配置と、フェライト17に替えてフェライト42を備えている点とが異なっている。すなわち、コイルベース15の上面に加熱コイル6が配置されており、下面に加熱コイル8が配置されている。そして、この加熱コイル8の下側には、その下面全体を覆うような形状をなすフェライト42が配置されている。
上記構成のように、第1の実施形態に対し、加熱コイル6および8の位置を反対にして配置した場合、加熱コイル8と誘導発熱体21とのギャップが第1の実施形態に比べ若干大きくなるが、従来技術における加熱コイルと誘導加熱対象である鍋とのギャップに比べると十分小さいため、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、上記構成によれば、加熱コイル6と被加熱調理器具10とのギャップが第1の実施形態よりも若干小さくなるため、鉄やステンレスなどの高抵抗の磁性体金属鍋を加熱する場合、加熱コイル6からの磁束が被加熱調理器具10へ届き易くなるため、加熱効率が向上する。
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態を示す加熱部の一部構成図である。
この図12に示す加熱部51は、図3に示す加熱部19に対し、誘導発熱体21に替えて誘導発熱体52を備えている点と、加熱コイル8に替えて加熱コイル53(第2の誘導加熱コイルに相当)を備えている点とが異なっているが、その他の構成部分については同一であり、図3と同一符号を付している。
図12は、本発明の第3の実施形態を示す加熱部の一部構成図である。
この図12に示す加熱部51は、図3に示す加熱部19に対し、誘導発熱体21に替えて誘導発熱体52を備えている点と、加熱コイル8に替えて加熱コイル53(第2の誘導加熱コイルに相当)を備えている点とが異なっているが、その他の構成部分については同一であり、図3と同一符号を付している。
誘導発熱体52は、誘導発熱体21と同様の中央部に円形の開口部52aを有する円環状の薄板に、誘導発熱体52の中央上部から開口部52aに至るまで延びたスリット52b(誘導電流遮断部に相当)が設けられることにより、中央上部が開放された円環状に形成されている。加熱コイル53は、誘導発熱体52の周部内側に沿うような位置から周部と周部との中間位置まで巻回されて構成されている。すなわち、加熱コイル53は、開口部52aとスリット52bとを避けるような(横断しないような)形状となっている。このような構成によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態を示す加熱部の一部構成図である。
この図13に示す加熱部61は、図12に示す加熱部51に対し、誘導発熱体52に替えて誘導発熱体62を備えている点と、加熱コイル53に替えて加熱コイル63(第2の誘導加熱コイルに相当)を備えている点とが異なっているが、その他の構成部分については同一であり、図12と同一符号を付している。
図13は、本発明の第4の実施形態を示す加熱部の一部構成図である。
この図13に示す加熱部61は、図12に示す加熱部51に対し、誘導発熱体52に替えて誘導発熱体62を備えている点と、加熱コイル53に替えて加熱コイル63(第2の誘導加熱コイルに相当)を備えている点とが異なっているが、その他の構成部分については同一であり、図12と同一符号を付している。
誘導発熱体62は、中央部に円形の開口部62aを有する円環状の薄板に、誘導発熱体62の中央上部から開口部62aに至るまで延びたスリット62b(誘導電流遮断部に相当)が設けられることにより、中央上部が開放された円環状に形成されている。ただし、このスリット62bは、上端部および下端部に向けて円弧状に拡がる形状となっており、このため、誘導発熱体62の中央上部の開放端は丸みを帯びた形状となっている。加熱コイル63は、誘導発熱体62の周部内側に沿うような位置から周部と周部との中間位置まで巻回された3つの巻線部63a〜63cを有している。これら巻線部63a〜63cは、開口部62aとスリット62bとを避けるような(横断しないような)形状となっている。このような構成によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第5の実施形態)
図14は、本発明の第5の実施形態を示す加熱部の一部構成図である。
この図14に示す加熱部71は、図3に示す加熱部19に対し、誘導発熱体21に替えて誘導発熱体72を備えている点と、第2の誘導加熱コイルの形状とが異なっているが、その他の構成部分については同一であり、図3と同一符号を付している。誘導発熱体72は、中央部に円形の開口部72aを有する円環状の薄板に形成されている。また、誘導発熱体72には、その上下左右の周部から中央の開口部72aに向けて延びるスリット72b〜72e(誘導電流遮断部に相当)が設けられており、これにより、発熱部72f〜72iを有する構成となっている。
図14は、本発明の第5の実施形態を示す加熱部の一部構成図である。
この図14に示す加熱部71は、図3に示す加熱部19に対し、誘導発熱体21に替えて誘導発熱体72を備えている点と、第2の誘導加熱コイルの形状とが異なっているが、その他の構成部分については同一であり、図3と同一符号を付している。誘導発熱体72は、中央部に円形の開口部72aを有する円環状の薄板に形成されている。また、誘導発熱体72には、その上下左右の周部から中央の開口部72aに向けて延びるスリット72b〜72e(誘導電流遮断部に相当)が設けられており、これにより、発熱部72f〜72iを有する構成となっている。
スリット72b〜72eの端部には薄肉部分が存在しており、発熱部72f〜72iは一体に形成されている。また、図示しないが、本実施形態における第2の誘導加熱コイルとしては、発熱部72f〜72iのそれぞれの周部内側に沿うような位置から周部と周部との中間位置まで巻回された4つの巻線部を有するものが用いられる。すなわち、本実施形態において用いられる第2の誘導加熱コイルは、誘導発熱体72における開口部72aおよびスリット72b〜72eを避けるような(横断しないような)形状となっている。このような構成によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形又は拡張が可能である。
誘導発熱体における誘導電流遮断部の形状は、誘導電流を遮断可能な形状であればよい。また、第2の誘導加熱コイルの形状は、誘導発熱体の誘導電流遮断部を横断しないように配置された環状であればよい。つまり、これらの形状は、上記した各実施形態にて開示したものに限ることなく、上記条件を満たす範囲内であれば個別の設計に応じて適宜変更して実施すればよい。
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形又は拡張が可能である。
誘導発熱体における誘導電流遮断部の形状は、誘導電流を遮断可能な形状であればよい。また、第2の誘導加熱コイルの形状は、誘導発熱体の誘導電流遮断部を横断しないように配置された環状であればよい。つまり、これらの形状は、上記した各実施形態にて開示したものに限ることなく、上記条件を満たす範囲内であれば個別の設計に応じて適宜変更して実施すればよい。
被加熱調理器具10の材質を誘導加熱調理器側が自動的に判別するものに限らず、例えば、ユーザが材質を入力して設定するものであってもよい。また、土鍋選択スイッチ25bは、必要に応じて設ければよい。
上記実施形態では、リレー30を用いて、インバータ27から第1の誘導加熱コイルおよび第2の誘導加熱コイルへの高周波電流の供給を切り換えるようにしたが、第1および第2の誘導加熱コイルのそれぞれに専用のインバータを設け、誘導加熱制御装置24がこれら2つのインバータを制御して第1および第2の誘導加熱コイルへの通電を制御するようにしてもよい。
上記実施形態では、リレー30を用いて、インバータ27から第1の誘導加熱コイルおよび第2の誘導加熱コイルへの高周波電流の供給を切り換えるようにしたが、第1および第2の誘導加熱コイルのそれぞれに専用のインバータを設け、誘導加熱制御装置24がこれら2つのインバータを制御して第1および第2の誘導加熱コイルへの通電を制御するようにしてもよい。
図面中、1は調理器本体、3はトッププレート、6、7は加熱コイル(第1の誘導加熱コイル)、8、9、53、63は加熱コイル(第2の誘導加熱コイル)、10は被加熱調理器具、13、14は温度検知部(温度検出手段に相当)、21、22、52、62、72は誘導発熱体、21b、52b、62b、72b〜72eはスリット(誘導電流遮断部)、24は誘導加熱制御装置(加熱制御手段、材質判定手段)、25bは土鍋選択スイッチ(操作手段)、27はインバータ(高周波電流供給手段)を示す。
Claims (6)
- 調理器本体と、
この調理器本体の上面を構成し、被加熱調理器具が載置されるトッププレートと、
前記被加熱調理器具を加熱するために前記トッププレートの下方に設けられた第1の誘導加熱コイル、第2の誘導加熱コイルおよび誘導発熱体と、
前記第1および第2の誘導加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給手段と、
前記被加熱調理器具の材質に応じて前記高周波電流供給手段を制御することにより前記被加熱調理器具に対する加熱を制御する加熱制御手段とを備え、
前記誘導発熱体は、前記トッププレートに熱的に接続されるとともに、前記第1の誘導加熱コイルに高周波電流が供給されることにより当該誘導発熱体に発生する誘導電流を遮断する誘導電流遮断部を有し、
前記第2の誘導加熱コイルは、前記誘導発熱体の誘導電流遮断部を横断しないように配置された環状をなすことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 誘導発熱体に設けられた誘導電流遮断部は、第1の誘導加熱コイルの巻回方向に交わる方向に延びており、
第2の誘導加熱コイルは、前記誘導電流遮断部に沿って高周波電流が流れるように巻回されていることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 加熱制御手段は、
第1の誘導加熱コイルの入力インピーダンスを検出し、この入力インピーダンスに基づいて被加熱調理器具の材質を判定する材質判定手段を備え、
前記材質判定手段によって前記被加熱調理器具の材質が高抵抗金属であると判定された場合に第1の誘導加熱コイルへの通電を行い、低抵抗金属であると判定された場合に第2の誘導加熱コイルへの通電を行うように高周波電流供給手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱調理器。 - 加熱制御手段は、
被加熱調理器具の材質が非金属であるか否かを判定可能な材質判定手段を備え、
前記材質判定手段によって被加熱調理器具の材質が非金属であると判定された場合に第2の誘導加熱コイルへの通電を行うように高周波電流供給手段を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の誘導加熱調理器。 - 被加熱調理器具の温度を検出する温度検出手段を備え、
材質判定手段は、前記温度検出手段によって検出される温度の上昇度合いにも基づいて、被加熱調理器具の材質が非金属であるか、若しくは、被加熱調理器具が存在しない無負荷の状態にあるかを判定することを特徴とする請求項4記載の誘導加熱調理器。 - 非金属製の被加熱調理器具の加熱を選択的に実行させるための操作手段を備え、
加熱制御手段は、前記操作手段によって非金属製の被加熱調理器具の加熱が選択された場合に第2の誘導加熱コイルへの通電を行うように高周波電流供給手段を制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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- 2007-05-28 JP JP2007140392A patent/JP2008293888A/ja active Pending
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