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JP2008280456A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 Download PDF

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JP2008280456A
JP2008280456A JP2007126970A JP2007126970A JP2008280456A JP 2008280456 A JP2008280456 A JP 2008280456A JP 2007126970 A JP2007126970 A JP 2007126970A JP 2007126970 A JP2007126970 A JP 2007126970A JP 2008280456 A JP2008280456 A JP 2008280456A
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Tomokazu Umeki
友和 梅基
Yuji Soejima
裕司 副島
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】タックフリーな表面を有する被膜を形成することのできる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、溶液が均一状であり、塗膜の乾燥条件、保管条件による影響が少なく、さらに硬化後の当該被膜は溶媒系樹脂溶液の上塗り性が良好で、上塗り樹脂被膜の剥離が繰り返し可能である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】イソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基及びイソシアネート基と反応し得る官能基を有する単量体との反応により生成した、軟化温度が40℃以上である反応生成物(A)と、造膜性樹脂(B)とを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、反応生成物(A)及び/又は造膜性樹脂(B)中にポリシロキサン部位を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、剥離性を有する硬化被膜を形成することができる樹脂組成物、特に、基材上にこの組成物を塗布して乾燥した場合に、未硬化状態であってもべたつかない、即ちタックフリーな表面を有する被膜を形成することができる組成物であって、かつ硬化後の当該被膜は溶媒系樹脂溶液の上塗り性が良好で、上塗り樹脂被膜の剥離が繰り返し可能である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物と、この樹脂組成物を含む離型材用組成物と、この樹脂組成物を用いた離型材又は積層体の形成方法に関するものである。
ポリシロキサンを主成分とする組成物を、各種の紙、合成フィルム又は繊維などの基材の表面で硬化させて被膜を形成することにより、粘着性物質に対する剥離性を付与することはよく知られている。ポリシロキサンを利用した離型材の中でも、被膜の硬化に活性エネルギー線を利用するものは、硬化時間が短くてすみ、また熱エネルギーによって損傷を受けるような基材に対しても加熱することなく硬化させることできるなどの利点がある。
被膜の硬化に活性エネルギー線を利用するものとして、各種の紫外線硬化型シリコーンが開発されている(特開昭56−166224号、特開昭60−84329号、及び特開平1−311103号各公報参照)。
しかし、これらの紫外線硬化型シリコーンの被膜は、未硬化の状態ではべたつき感があり取り扱い性に劣ることから、未硬化状態であってもべとつかない、即ちタックフリーであることが望まれる分野には不適当である。
例えば、基材上に形成した当該被膜にエンボス加工を施してから硬化させる場合では、硬化が完了するまでエンボス形状が良好に保持されるよう、被膜がべとつかず流動性のない状態が望まれる。また、被膜形成後に積層体を一時的に巻き取って保管する場合においても、被膜が基材裏面に付着しないように、被膜がタックフリーであることが重要となる。
剥離性を有する硬化被膜を形成することができ、未硬化状態であってもべたつかない、即ちタックフリーな表面を有する被膜を形成することのできる樹脂組成物として、イソシアネートと(メタ)アクリル化合物との反応生成物であって軟化温度が40℃以上のウレタンアクリレート化合物にシリコーン化合物を添加する方法が提案されている(特開2005−186516号公報)。
しかし、この方法では、ウレタンアクリレート化合物とシリコーン化合物の相溶性が低いために、固形分濃度が高い場合には相分離を起こして不透明な白濁溶液となる。また、シリコーン化合物が遊離しているために、塗工後の溶媒乾燥条件(温度、湿度等)によって被膜中のシリコーン化合物の挙動が変化しやすく、安定した塗膜物性が得られない場合がある。また、当該被膜の保管条件によっても塗膜物性が変化することがあり、これらの結果として溶媒系樹脂溶液の上塗り性能や樹脂被膜の剥離繰り返し回数の低下を招くことがあった。
特開昭56−166224号公報 特開昭60−84329号公報 特開平1−311103号公報 特開2005−186516号公報
本発明は未硬化状態であってもべたつかない、即ちタックフリーな表面を有する被膜を形成することのできる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、溶液が均一状であり、塗膜の乾燥条件、保管条件による影響が少なく、さらに硬化後の当該被膜は溶媒系樹脂溶液の上塗り性が良好で、上塗り樹脂被膜の剥離が繰り返し可能である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の反応生成物(A)と造膜性樹脂(B)とを含み、ポリシロキサン部位が反応生成物(A)及び/又は造膜性樹脂(B)中に結合された部分構造として含まれているものであれば、上記課題を解決することができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] イソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基及びイソシアネート基と反応し得る官能基を有する単量体との反応により生成した、軟化温度が40℃以上である反応生成物(A)と、造膜性樹脂(B)とを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、反応生成物(A)及び/又は造膜性樹脂(B)中にポリシロキサン部位を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
[2] 反応生成物(A)及び造膜性樹脂(B)中にポリシロキサン部位を含有することを特徴とする[1]に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
[3] 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中のポリシロキサン部位の含有量が0.5〜50重量%であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
[4] ポリシロキサン部位の重量平均分子量が500〜15000である[1]から[3]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
[5] ポリシロキサン部位がポリジメチルシロキサンからなることを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
[6] 造膜性樹脂(B)中のポリシロキサン部位が(メタ)アクリロイル基変性ポリジメチルシロキサンの重合体である[1]から[5]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
[7] イソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物の三量体であることを特徴とする[1]から[6]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
[8] イソシアネート化合物が、環状炭化水素に結合したイソシアネート基を有することを特徴とする[1]から[7]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
[9] [1]から[8]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含む離型材用組成物。
[10] [1]から[8]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を基材に塗布した後、塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする離型材又は積層体の形成方法。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、未硬化状態であってもべたつかず、即ちタックフリーな表面を有する被膜を形成することができ、また、溶液が均一状であり、塗膜の乾燥条件、保管条件による影響が少ない。しかも、硬化後の当該被膜は溶媒系樹脂溶液の上塗り性が良好で、上塗り樹脂被膜の剥離を繰り返し行うことができる優れた離型材及び積層体を提供し得る。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味し、(メタ)アクリル化合物とは、アクリル化合物及び/又はメタクリル化合物を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。
また、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法によるポリスチレン換算の値である。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、イソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基及びイソシアネート基と反応し得る官能基を有する単量体との反応により生成した、軟化温度が40℃以上である反応生成物(A)と、造膜性樹脂(B)とを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、反応生成物(A)及び/又は造膜性樹脂(B)中にポリシロキサン部位を含有することを特徴とする。
{反応生成物(A)}
反応生成物(A)は、イソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基及びイソシアネート基と反応し得る官能基を有する単量体(以下、「特定(メタ)アクリル化合物」と略称することがある。)との反応生成物であるが、イソシアネート化合物と特定(メタ)アクリル化合物の他、イソシアネート化合物と反応し得る他の活性水素化合物も反応に供して得られたものであっても良い。
<イソシアネート化合物>
本発明で用いるイソシアネート化合物とは、少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物であり、好ましくは2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。例えば、フェニルイソシアネート、キシリルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等のモノイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、さらには、上記ジイソシアネート化合物の三量体や上記ジイソシアネートと活性水素化合物、例えばトリメチロールプロパンとの3:1(モル比)の反応生成物などを用いることができる。また、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることもできる。
これらのイソシアネート化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明で用いるイソシアネート化合物としては、特に、非芳香族性炭化水素環(環状炭化水素)に結合したイソシアネート基を有する化合物、いわゆる脂環式ジイソシアネート化合物の三量体や、活性水素化合物との反応生成物が好ましい。イソホロンジイソシアネートの三量体や、イソホロンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの3:1(モル比)の反応生成物が、より好ましく、中でもイソホロンジイソシアネートの三量体は更に好ましい。
<特定(メタ)アクリル化合物>
特定(メタ)アクリル化合物のイソシアネートと反応し得る官能基としては、活性水素基を有する水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。
特に、イソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する特定(メタ)アクリル化合物との反応生成物はウレタンアクリレートと称される。
水酸基を有する特定(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリル酸とポリヒドロキシ化合物との反応生成物であるヒドロキシエステルが代表的な化合物である。更には、このヒドロキシエステルの水酸基に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、カプロラクトン等を付加させた化合物などが挙げられる。更にはこのヒドロキシエステルの水酸基の一部をモノカルボン酸によりエステル化した化合物も挙げられる。
そのいくつかを例示すると、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、更にはこれらのカプロラクトン付加物、エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物、エチレンオキシド・プロピレンオキシド付加物などが挙げられる。
また、エポキシアクリレートの水酸基を利用することもできる。具体的な化合物としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等の1分子中に2個のエポキシを有する化合物とアクリル酸とを反応させて得られるエポキシアクリレートを挙げることができる。これらの成分は、1分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有するので架橋密度を向上させる作用もある。
カルボキシル基を有する特定(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリル酸そのものや、上記のヒドロキシ(メタ)アクリレートに、カルボン酸無水物、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などを反応させた化合物などが挙げられる。
そのいくつかを例示すると、ペンタエリスリトールトリアクリレートコハク酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートコハク酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートマレイン酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートマレイン酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートフタル酸モノエステル、ジペンタエリスリトールトリアクリレートフタル酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートテトラヒドロフタル酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートテトラヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。
これらの特定(メタ)アクリル化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
<他の活性水素化合物>
イソシアネート化合物と特定(メタ)アクリル化合物との反応に際しては、イソシアネート化合物と反応し得る他の活性水素化合物を併用することもできる。このような活性水素化合物を目的に応じて選択し併用すると、得られる硬化性組成物の軟化温度が高まる効果や、最終的に得られる硬化塗膜の可撓性が増加する効果がある。このような活性水素含有化合物としては通常は水酸基含有化合物が用いられるが、アミノ基含有化合物やカルボキシル基含有化合物などを用いることもできる。
水酸基含有化合物としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−ヒドロキシエチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、エリスリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3個以上の水酸基を有する多価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1, 4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコールなどが用いられる。
また、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリルポリオール等の高分子量ポリオールを用いることもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノールAやエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3個以上の水酸基を有するポリオール類、或いは、エチレンジアミン、トルエンジアミン等のポリアミン類に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合させたもの及びテトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸等のジカルボン酸、又はトリメリット酸、ピロメリット酸等のトリもしくはテトラカルボン酸などのカルボン酸類と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1, 4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチルプロパンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、1 ,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール、又はビスフェノールA、ビスフェノールF等の芳香族系ポリヒドロキシ化合物との重縮合反応によって得られるものが挙げられる。
ポリエーテルエステルポリオールとしては、ポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させたものや、エーテル基含有ジオール又はそれと他のグリコールとの混合物に、前記のジカルボン酸又はそれらの無水物を反応させたもの、例えばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、多価アルコールとジメチル、ジエチル等のジアルキルカーボネートの脱アルコール縮合反応、多価アルコールとジフェニルカーボネートの脱フェノール縮合反応、多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応等で得られるポリカーボネートポリオールが挙げられる。この縮合反応に使用される多価アルコールとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2 ,2−ジエチルプロパンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、あるいは、1,4−シクロヘキサンジオール、1, 4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオールを挙げることができる。
また、アミノ基含有化合物(アミン化合物)としては、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン等が挙げられる。また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコールも活性水素含有化合物として用いることができる。
また、カルボキシル基含有化合物(有機カルボン酸)としては、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
これらの特定(メタ)アクリル化合物以外の活性水素化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらの特定(メタ)アクリル化合物以外の活性水素化合物は、イソシアネート化合物と特定(メタ)アクリル化合物との反応で得られる反応生成物(A)の特性を損わないように、特定(メタ)アクリル化合物の反応性基に対する活性水素化合物の反応性基のモル比が50%以下、特に40%以下となるように用いるのが好ましい。
<ポリシロキサン部位>
本発明は、イソシアネート化合物と特定(メタ)アクリル化合物との反応生成物(A)及び/又は造膜性樹脂(B)中にポリシロキサン部位を含有することを特徴とする。
イソシアネート化合物と特定(メタ)アクリル化合物との反応生成物(A)にポリシロキサン部位を含有させる方法として、上記特定(メタ)アクリル化合物以外の活性水素化合物に、活性水素官能基を有したポリシロキサン化合物を用いることが好ましい。
活性水素官能基を有したポリシロキサン化合物としては、水酸基変性、アミノ基変性、メルカプト基変性、カルボキシル基変性のポリシロキサン化合物が挙げられる。
具体的な化合物としては、水酸基変性ポリシロキサンとして、両末端水酸基変性ポリジメチルシロキサン(チッソ社製FM−4411:重量平均分子量1000、FM−4421:重量平均分子量5000、FM−4425:重量平均分子量:10000、信越化学工業社製X−22−160AS:重量平均分子量1000、KF6001)、片末端水酸基変性ポリジメチルシロキサン(チッソ社製FM−0411:重量平均分子量1000、FM−0421:重量平均分子量5000、FM−0425:重量平均分子量10000)、α−ブチル−ω−[3−(2,2−(ジヒドロキメチル)ブトキシ)プロピル]ポリジメチルシロキサン(チッソ社製FM−DA11:重量平均分子量1000、DA−21:重量平均分子量5000、DA−26:重量平均分子量15000)等が挙げられる。
アミノ基変性ポリシロキサンとしては、両末端アミノ基変性ポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製BY16−853、信越化学工業社製X−22−161AS、チッソ社製FM−3311:重量平均分子量1000、FM−3321:重量平均分子量5000、FM−3325:重量平均分子量10000)、片末端アミノ基変性ポリジメチルシロキサン(東芝シリコーン社製TSF4700:重量平均分子量3000)、側鎖アミノ基変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業社製KF−865)等が挙げられる。
メルカプト基変性ポリシロキサンとしては、両末端メルカプト基変性ポリジメチルシロキサン(信越化学製X−22−167B、KF−2001)、片末端メルカプト基変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
カルボキシル基変性ポリシロキサンとしては、両末端カルボキシル基変性ポリジメチルシロキサン(信越化学製X−22−167A、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製BY16−750)、片末端カルボキシル基変性ポリジメチルシロキサン、側鎖カルボキシル基変性ポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SF8418)等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
<イソシアネート化合物と特定(メタ)アクリル化合物/他の活性水素化合物との反応>
イソシネート化合物と特定(メタ)アクリル化合物及び場合により併用される他の活性水素化合物との反応は、好ましくは溶媒を用いて行う。溶媒を用いることにより反応の制御が容易となり、かつ反応生成物の粘度を調節できる。
溶媒としてはこの種の反応に常用の不活性溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶媒、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒などが用いられる。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
反応は、反応生成液中における反応生成物の濃度が30〜80重量%となるように、溶媒に反応原料を加え、必要であれば反応原料に対して0.01〜0.1重量%程度の有機錫系触媒等の触媒の存在下で50〜80℃で行われる。
イソシアネート化合物と特定(メタ)アクリル化合物及び場合により併用される他の活性水素化合物との仕込み比率は、イソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対し、これと反応し得る特定(メタ)アクリル化合物及び他の活性水素化合物の官能基が0.5モル以上、特に1モル以上となるようにするのが好ましい。なお、この仕込み比率の上限は遊離する特定(メタ)アクリル化合物および他の活性水素化合物による軟化温度の低下を避けるため、3モル以下が好ましい。
反応時間は通常3〜15時間程度であるが、分析により反応生成液中のイソシアネート基の含有量を追跡し、これが目標値に達した時点で反応を停止させるのが好ましい。
<軟化温度>
本発明のポリイソシアネート化合物と特定(メタ)アクリル化合物及び場合により併用される他の活性水素化合物との反応により生成した反応生成物(A)の軟化温度は、ポリシロキサン部位を含有する場合も含めて、40℃以上、好ましくは50℃以上である。この反応生成物(A)の軟化温度が低すぎると、硬化前の塗膜がブロッキングを生じるなどの塗膜不良が生じることがある。反応生成物(A)の軟化温度の上限は通常120℃程度である。
なお、本発明で規定する軟化温度は、反応生成物(A)から溶媒を除いたものについて下記の条件で測定された値である。
使用機器:セイコーインスツルメンツ製 TMA6100
測定モード:TMA針入モード
測定温度範囲:30〜230℃、昇温速度:5℃/分
針入断面積:0.758mm(1mmφ)、荷重:50g
上記条件で測定した際の、針入開始温度を軟化温度とする。
{造膜性樹脂(B)}
本発明における造膜性樹脂(B)については適当な造膜性を有するものであれば良く、特に制限はないが、好ましくは、(メタ)アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどを用いることができる。
造膜性樹脂中にポリシロキサン部位が含まれる場合は、ポリシロキサン部位を含有する反応生成物(A)との相溶性と、樹脂上塗り被膜の繰り返し剥離回数が向上するためより好ましい。
造膜性樹脂(B)中のポリジメチルシロキサン部位は、グラフト共重合体の形で存在していても良いし、ブロック共重合体の形で存在していても良い。
上記に述べた造膜性樹脂のうち、基材への密着性、製膜性などから(メタ)アクリル樹脂が特に好ましい。
例えば、ポリシロキサン部位を含有した(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサンとビニル単量体との共重合により得ることができる。
(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサンの具体的な化合物として、片末端アクリロイル基変性ポリジメチルシロキサン(チッソ社製FM−0711:重量平均分子量1000、FM−0721:重量平均分子量5000、 FM−0725:重量平均分子量10000)、両末端アクリロイル基変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業社製X−22−164B、X−22−164C:重量平均分子量5000)等が挙げられる。好ましくは片末端(メタ)アクリロイル基変性ポリジメチルシロキサンである。
また、ビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート等の脂肪族又は環式(メタ)アクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、エチレン、プロピレン、イソプレン等のオレフィン類、クロロプレン、ブタジエン等のジエン類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル等のエポキシ基含有単量体、無水マレイン酸、メタクリル酸、マレイミド基含有メタクリレート等が挙げられる。
これらのうち、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート等の脂肪族環式(メタ)アクリレートを含む共重合体は、繰り返し剥離回数の向上に有効であり、特に好ましい。
上記の(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサンとビニル単量体はそれぞれ単独で又は適宜混合して使用される。
ポリシロキサン部位を含有した(メタ)アクリル樹脂における各単量体の割合は、好ましくは(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサン1〜80重量%、ビニル単量体20〜99重量%、より好ましくは(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサン5〜50重量%、ビニル単量体50〜95重量%である。
その他、ポリシロキサン部位を含有したアクリルスチレン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールは、上記ビニル単量体とビニル基変性ポリシロキサン及び/又は(メタ)アクリロイル基変性ポリシロキサンとの共重合により得ることができる。また、ポリシロキサン部位を有したエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂は、それぞれ、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が有するエポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基と、活性水素基を有するポリシロキサンとの反応により得ることができる。
なお、上記造膜性樹脂(B)の例示は本発明を限定するものではない。これらの造膜性樹脂(B)は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
タックフリーの観点から造膜性樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は40℃以上が好ましく、さらには50℃以上が好ましい。造膜性樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)の上限は通常200℃以下である。
なお、造膜性樹脂(B)の重量平均分子量は特に制限はないが、1万〜50万、特に3万〜20万であることが好ましい。この範囲よりも分子量が大きいものは反応生成物(A)との相溶性が充分ではなく、小さいものでは軟化温度の向上効果が充分ではない。
{反応生成物(A)/造膜性樹脂(B)混合比}
反応生成物(A)と造膜性樹脂(B)の混合比率は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の固形物重量比で、通常95対5から5対95、好ましくは90対10から10対90、さらに好ましくは80対20から20対80である。この範囲よりも反応生成物(A)が少なすぎると硬化後の耐熱性が不十分となる。また、造膜性を有する樹脂を適量配合することにより、軟化温度の向上、基材への密着性、造膜性等が改良される効果が得られるが、この範囲よりも造膜性樹脂(B)が少な過ぎると、この効果を十分に得ることができなくなる。
{ポリシロキサン部位の含有量・重量平均分子量}
反応生成物(A)及び/又は造膜性樹脂(B)のポリシロキサン部位の含有量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中のポリシロキサン部位の固形分重量割合として、0.5〜50重量%、好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。この範囲よりもポリシロキサン部位が多すぎると塗膜がべとついたり、コストが高くなったりし、また溶剤系樹脂の上塗り性が損なわれる。また、ポリシロキサン部位が少なすぎると剥離性の効果が充分ではない。
ポリシロキサン部位の重量平均分子量は、好ましくは15000以下、より好ましくは8000以下、更に好ましくは2000以下であり、好ましくは500以上、より好ましくは800以上である。ポリシロキサン部位の重量平均分子量が大きすぎる場合は溶剤系樹脂溶液の上塗り性が低下する傾向にあり、小さ過ぎると剥離性の効果が充分ではない。
なお、本発明に係るポリシロキサン部位は、ジアルキルポリシロキサン及び/又はジアリールポリシロキサン、特にジメチルポリシロキサン由来のものであることが、剥離性の点で好ましい。
{その他の成分}
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、上述の反応生成物(A)と造膜性樹脂(B)に加えて、反応性モノマー、反応性オリゴマー、光重合開始剤、光増感剤、顔料や染料等の着色剤、炭酸カルシウム、シリカ、雲母等の無機フィラー、鉄、鉛等の金属フィラー、その他、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、シランカップリング剤等、公知の添加剤を用途に応じて適宜含有することができる。
反応性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ジアリルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物類;アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルフォリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル等のモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(n=5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(n=5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール(n=3〜16)、ジ(メタ)アクリル酸ポリ(1−メチルブチレングリコール)(n=5〜20)、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエポキシジ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート類等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
反応性オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどを用いるのが好ましい。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンや、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(例えば、チバスペシャリティケミカルズ製のダロキュア1173)、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(例えば、チバスペシャリティケミカルズ製のイルガキュア184)、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン(例えば、チバスペシャリティケミカルズ製のイルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、メチルベンゾイルホルメート(例えば、ストウファー株式会社製のバイキュア55)、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。中でもアセトフェノン型光重合開始剤が好ましい。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
また、上記反応性モノマーと反応性オリゴマーはラジカル重合性化合物であり、ラジカル重合性化合物として、ラジカル重合性の基と共にエポキシ基などのカチオン重合性の基を有する化合物を用いる場合は、上記した光ラジカル重合開始剤と共に光カチオン重合開始剤を併用してもよく、その場合の光カチオン重合開始剤の種類も特に制限されず、従来既知のものを使用することができる。
光重合開始剤の添加量は、活性エネルギー線樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。光重合開始剤の添加量が少なすぎると、活性エネルギー線種によっては光硬化性が極端に低下し、実質的に工業生産に適さない。また多すぎると照射光量が小さい場合に、硬化させた被膜に臭気が残るおそれがある。
なお、活性エネルギー線として電子線を用いる場合には、通常、上記光重合開始剤を添加しない方が好ましい。また、赤外線、可視光線、紫外線を用いる場合には、通常、上記光重合開始剤を添加するのが好ましい。
本発明に係る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて公知の光増感剤を添加することもできる。光増感剤としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等が挙げられる。これらの光増感剤も、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明に係る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度は、用途や使用態様などに応じて調節し得るが、一般に、回転式E型粘度計を用いて測定したときに、25℃において、その粘度が5〜10000mPa・s程度であることが、取り扱い性、塗工性、成形性、立体造形性などの点から好ましく、10〜5000mPa・s程度であるのがより好ましい。特に好ましくは10〜1000mPa・sである。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度の調節は、反応生成物(A)及び造膜性樹脂(B)、その他添加成分の配合割合の調節や、以下に例示する溶媒による希釈などによって行うことができる。
溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶媒、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、N −メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒などが用いられる。これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
当該活性エネルギー性樹脂組成物の溶解性、溶媒揮発性から、溶媒としてはメチルエチルケトン、酢酸エチルが好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、溶媒を除いた未硬化状態の軟化温度が、好ましくは40℃以上、さらに50℃以上が好ましい。軟化温度が低すぎる場合、塗膜にべたつき感あり、タックフリーな表面が得られない。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の軟化温度をこのような軟化温度とするためには、反応生成物(A)と造膜性樹脂(B)およびその他の成分の含有量を適宜調整すれば良い。なお、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の軟化温度についても、前述の反応生成物(A)の軟化温度と同様に測定することができる。
[離型材用組成物・離型材又は積層体の形成方法]
上述の本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、主としてコーティング用途に用いられ、エンボス加工可能な被膜の形成、下地層及び/又は基材の保護、積層体の形成、好ましくは離型材の形成に用いられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布する基材としては、紙、木材、布、ゴム等、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル、ポリカーボネート、ABS、ポリアミド、ナイロン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等のプラスチック類、鉄、ステンレス、アルミ、ブリキ、トタン、亜鉛鋼板等の金属や合金類、ガラス、セラミック、煉瓦、コンクリート等の無機物を用いることができる。
基材の形状には特に制限はなく、フィルムやシート、各種形状の成形体を用いることができる。基材には適宜予め目止め層やプライマー層、塗装などが施されていても良い。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の基材への塗工方法としては、バーコーター法、アプリケーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、グラビアコーター法、コンマコーター法、リバースロールコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、スロットダイコーター法、エアーナイフコーター法、ディップコーター法、あるいはローラーや刷毛による塗工など公知の方法が用いられる。
塗工後は、溶媒を蒸発させて塗膜を形成させる。塗膜の厚さは、用途に応じて設定され、特に制限はないが、溶媒蒸発後の乾燥膜厚で通常0.1〜300μm、好ましくは0.5〜150μmである。
また、この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗膜を硬化させて、離型材又は積層体を製造する際に使用する活性エネルギー線としては、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等が使用可能である。装置コストや生産性の観点から電子線又は紫外線を利用することが好ましく、光源としては、電子線照射装置、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、Arレーザー、He−Cdレーザー、固体レーザー、キセノンランプ、高周波誘導水銀ランプ、太陽光等が適している。紫外線の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプなどが用いられる。
活性エネルギー線の照射量は、用いる活性エネルギー線により異なり、例えば、電子線照射で硬化させる場合には、その照射量は1〜10Mradであることが好ましい。また、紫外線照射の場合は、その照射量は50〜1500mJ/cmであることが好ましい。
硬化時の雰囲気は、空気、窒素、あるいはアルゴン等の不活性ガス中、或いはフィルムやガラス等と金属金型との間の密閉空間のいずれでも良い。
次に実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例に記載の固形分とは、溶媒成分を除いた成分を指す。
ウレタンアクリレート(イ)の合成;
撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、メチルエチルケトン48.6g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(degussa社製、VESTANAT T1890)48.6gを仕込み、60℃に昇温して溶解させた。ここに、ジオクチル錫ジラウレート0.16g、エチレングリコール0.62gを添加し、60℃で2時間反応させた。次いで、片末端水酸基変性ポリジメチルシロキサン(チッソ株式会社製FM−0411:重量平均分子量1000)40.0gを添加し、60℃で2時間反応させた。次いで、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.09g、及びペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート300)58.6gを仕込み、60℃で5時間反応させた。反応生成液を赤外吸収スペクトル分析しイソシアネート基の吸収が消滅していることを確認した後、メチルエチルケトン147.8gを添加して反応を終了した。これにより構造にポリシロキサン部位を含有したウレタンアクリレート(イ)を得た。この反応生成液を塗布し、メチルエチルケトンを乾燥した塗膜の軟化温度は56℃であった。
ウレタンアクリレート(ロ)の合成;
各原料の仕込み重量を表1に記載の量に変更し、ウレタンアクリレート(イ)の合成に示した方法に従い、構造にポリジメチルシロキサン部位を含有したウレタンアクリレート(ロ)を合成した。この反応生成液を塗布し、メチルエチルケトンを蒸発、乾燥させた塗膜の軟化温度は62℃であった。
ウレタンアクリレート(ハ)の合成;
撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、メチルエチルケトン48.6g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(degussa社製、VESTANAT T1890)242.8gを仕込み、60℃に昇温して溶解させた。ここに、ジオクチル錫ジラウレート0.18g、1,4−ブタンジオール13.5g、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.09g、及びペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート300)146.6gを仕込み、60℃で5時間反応させた。反応生成液を赤外吸収スペクトル分析し、イソシアネート基の吸収が消滅していることを確認した後、メチルエチルケトン147.8gを添加して反応を終了した。これによりウレタンアクリレート(ハ)を得た。この反応生成液を塗布し、メチルエチルケトンを乾燥した塗膜の軟化温度は58℃であった。
以下の表1に、ウレタンアクリレート(イ)〜(ハ)の原料組成と、ポリシロキサン部位含有量及び軟化温度をまとめて示す。
Figure 2008280456
造膜性樹脂(a)の合成;
撹拌機、還流冷却器及び温度計を取り付けた反応器に、メチルメタクリレート72g、片末端アクリロイル基変性ポリジメチルシロキサン(チッソ株式会社製、FM−0711、重量平均分子量1000)18g及びメチルエチルケトン180gを仕込み、メチルエチルケトンの還流温度(約83℃)に加温した。更に、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬製、V−601)0.09gを加え3時間反応後、同0.27gを3時間毎に計5回添加し重合させた。その後、メチルエチルケトン30gを添加し、反応を終了した。得られた造膜性樹脂(a)は、ポリスチレン換算重量平均分子量が79000で、ガラス転移温度(Tg)が89℃であった。
造膜性樹脂(b)〜(e)の合成;
各原料の仕込み重量を表2に記載の量に変更し、造膜性樹脂(a)の合成に示した方法に従い、造膜性樹脂(b)〜(e)をそれぞれ合成した。
以下の表2に造膜性樹脂(a)〜(e)の原料仕込み重量と重量平均分子量及びガラス転移温度(Tg)をまとめて示す。
Figure 2008280456
造膜製樹脂(f)の入手;
アクリル樹脂の市販品(クラレ社製ポリメチルメタクリレート パラペットGF)を使用した。
シリコーン化合物(α)の合成;
撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器にメチルエチルケトン23 .3g及びイソホロンジイソシアネート10g、ペンタエリスリトールテトラアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの混合物20.4g、及びジオクチル錫ジラウレート0.10g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.10gを仕込み、溶液中に空気を吹き込んだ後25℃で3時間反応後、80℃まで断続的に昇温しながら5時間反応して得られた反応物に、アルコール変性シリコーン(チッソ社製FMDA21、重量平均分子量5000)240.8gを添加してさらに5時間反応させた後、メチルエチルケトン609.3gを添加して冷却し、シリコーン化合物(α)を得た。反応生成液からメチルエチルケトンを留去すると粘ちょう液体であり、軟化温度は40℃以下で、測定不能であった。
シリコーン化合物(β)の調達;
ヒドロキシル基末端ジメチルシリコーンの市販品(チッソ株式会社製、FM−0421、重量平均分子量5000)をそのまま使用した。
[実施例1〜7、比較例1,2]
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物溶液の調製>
前記のウレタンアクリレート(イ)33重量部、造膜性を有する樹脂(a)67重量部、(前述重量部はいずれも固形分重量部)を混合した。該組成物の固形分100重量部につき光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア907)を3重量部、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを固形分濃度が40重量%で、表3に示す粘度となるように添加して実施例1の活性エネルギー硬化性樹脂組成物溶液を調製した。
同様にウレタンアクリレート(イ)、(ロ)、(ハ)、造膜性を有する樹脂(a)〜(f)、シリコーン化合物(α)、(β)を表3に示す配合割合(数値はいずれも固形分重量部)で配合し、上記と同様の方法で、実施例2〜7、比較例1〜2の活性エネルギー硬化性樹脂組成物を調製した。
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物のポリシロキサン部位含有量、軟化温度及び粘度を表3に示す。
上記で得られたコーティング剤組成物溶液(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)を目止め剤が塗布されている紙に、塗膜厚さが乾燥後10μmとなるようにバーコーターで塗工し、110℃で1分間加熱蒸発乾燥した。次いで、出力120W/cmの高圧水銀灯を用い、800mJ/cmの紫外線照射を行い、塗膜を硬化させた。
各コーティング剤組成物溶液及び形成された硬化膜について、以下の評価を行って、結果を表3に示した。
<溶液の均一性試験>
上記で調製したコーティング剤組成物溶液の波長550nmにおける光透過率(%T)を測定した。
測定機器:日立 Spectrophotometer U−1000(光路長:1cm)
<樹脂溶液の上塗り性試験>
硬化膜に下記の割合で配合した溶剤系樹脂溶液を、塗膜厚さが乾燥後10μmとなるようにバーコーターで塗工し、110℃で1分間加熱蒸発乾燥した。塗工時にポリウレタン樹脂溶液の液はじきがなく、均一にポリウレタン樹脂塗膜が塗布されているか否かを調べ、下記基準で評価した。
(溶剤系樹脂溶液)
ポリウレタン樹脂溶液(大日本インキ社製、CRISVON 6116SL)
100重量部
カーボンブラック(三菱化学社製) 1重量部
溶剤(メチルエチルケトン) 100重量部
溶剤(ジメチルホルムアミド) 100重量部
(判定基準)
塗工面全面に均一に塗布できている:○
バーコーターの筋状にハジキがみられる:△
全面にハジキがみられる:×
<繰り返し剥離試験>
上述の硬化膜上に塗工されたポリウレタン樹脂塗膜に引き続き、下記配合の2液ウレタン接着剤をバーコーターで乾燥後の塗着量が20g/mとなるように塗工し、その上からバックスキンを貼合わせた後、120℃で2分間接着剤を加熱硬化し、さらに50℃で24時間熟成させてポリウレタン樹脂積層体を形成した。形成したポリウレタン樹脂積層体を角度90度で剥離を行った。繰り返し積層体の形成と剥離を行い、剥離可能な繰り返し回数を評価した。
(2液ウレタン接着剤)
主剤(大日本インキ社製、CRISVON、4070) 100重量部
硬化剤(大日本インキ社製、CRISVON、NX) 50重量部
促進剤(大日本インキ社製、CRISVON、ACCEL、HM) 3重量部
溶剤(トルエン) 80重量部
溶剤(酢酸エチル) 40重量部
<加圧保管安定性試験>
コーティング剤組成物溶液を目止め剤が塗布されている紙に塗布して、110℃で1分間加熱蒸発乾燥したものを、コピー用紙で挟み、プレス機で20kg/cm(約2MPa)の圧力をかけて16時間の加圧保管を行った。加圧保管後、紫外線照射による硬化を行った。この硬化膜に対して、上述の繰り返し剥離試験を行い、加圧保管しない場合との剥離回数を比較し、下記基準で評価した。
(判定基準)
剥離回数の低下が1回以下:○
剥離できない、もしくは回数の低下が2回以上:×
Figure 2008280456
表3より次のことが明らかである。
(1)実施例1から7において、コーティング剤組成物溶液の均一性、上塗り性、繰り返し剥離回数ともに良好である。
(2)実施例3、4、6において、未硬化状態で加圧保管を行った場合についても、繰り返し剥離回数は良好である。
以上の結果から、本発明の優位性が確認された。

Claims (10)

  1. イソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基及びイソシアネート基と反応し得る官能基を有する単量体との反応により生成した、軟化温度が40℃以上である反応生成物(A)と、造膜性樹脂(B)とを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、反応生成物(A)及び/又は造膜性樹脂(B)中にポリシロキサン部位を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 反応生成物(A)及び造膜性樹脂(B)中にポリシロキサン部位を含有することを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中のポリシロキサン部位の含有量が0.5〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. ポリシロキサン部位の重量平均分子量が500〜15000である請求項1から3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. ポリシロキサン部位がポリジメチルシロキサンからなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 造膜性樹脂(B)中のポリシロキサン部位が(メタ)アクリロイル基変性ポリジメチルシロキサンの重合体である請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  7. イソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物の三量体であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  8. イソシアネート化合物が、環状炭化水素に結合したイソシアネート基を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含む離型材用組成物。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を基材に塗布した後、塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする離型材又は積層体の形成方法。
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