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JP2008280364A - 変性pvaの製造方法 - Google Patents

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JP2008280364A JP2007123104A JP2007123104A JP2008280364A JP 2008280364 A JP2008280364 A JP 2008280364A JP 2007123104 A JP2007123104 A JP 2007123104A JP 2007123104 A JP2007123104 A JP 2007123104A JP 2008280364 A JP2008280364 A JP 2008280364A
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Yutaka Omori
裕 大森
Seiji Umemoto
清司 梅本
Tsutomu Hani
勉 羽仁
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Abstract

【課題】逆波長分散特性を示すフィルムを形成できる変性PVAを、安価に製造することができる製法を提供する。
【解決手段】溶剤に溶解させたビニルエステル系ポリマーを、この溶媒中において、加水分解及びアセタール化を行うことにより、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を少なくとも有する変性PVAを製造する。
Figure 2008280364

【選択図】なし

Description

本発明は、アセタール結合を有する変性PVAの製造方法に関する。
液晶表示装置は、携帯電話やノートパソコン、液晶テレビ等に広く普及している。かかる液晶表示装置には、液晶表示装置の視野角等の改善のため、位相差フィルムが用いられている。
従来、該位相差フィルムとして、アセタール結合を有する変性PVA(本発明において、「PVA」とは、「ポリビニルアルコール」の略称である)を含む位相差フィルムが知られている(特許文献1)。
かかる変性PVAを含むポリマーを製膜した位相差フィルムは、位相差が短波長側ほど小さく且つ長波長側ほど大きい波長分散(以下、「逆波長分散特性」という)を示し、光学的に好ましいものである。
上記変性PVAは、PVAをDMSOに溶解させ、更に、メシトアルデヒドやプロピオンアルデヒドなどを溶解させ、PVAをアセタール化することにより製造することができる(特許文献1の[実施例]欄など)。
特許第3802544号公報
しかしながら、DMSO(ジメチルスルホキシド)は、汎用的な溶剤ではないので、上記製造方法は、変性PVAを安価に製造できない。なお、PVAは、ジメチルアセトアミドのような高極性溶媒にも溶解し得るが、かかる溶媒も同様に汎用的な溶媒ではない。
また、PVAは、水に溶解するが、溶媒として水を用いると、反応中間体が反応途中で析出する虞があり、目的とする変性PVAを収率良く得ることができない。
本発明の目的は、逆波長分散特性を示すフィルムを形成できる変性PVAを、安価に且つ効率的に製造することができる方法を提供することである。
本発明の変性PVAの製造方法は、溶剤に溶解させたビニルエステル系ポリマーを、この溶媒中において、加水分解及びアセタール化を行うことにより、下記一般式(I)または一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも何れか一方を有する変性PVAを製造することを特徴とする。
Figure 2008280364
一般式(I)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のチオアルコキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基又はチオール基を示す(但し、R及びRは同時に水素原子ではない)。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を示す。
一般式(II)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Aは、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントラニル基、又は置換基を有していてもよいフェナントレニル基を示す。ナフチル基、アントラニル基、又はフェナントレニル基を構成する炭素原子のうち1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい。
好ましい変性PVAの製造方法では、上記ビニルエステル系ポリマーが、ポリ酢酸ビニルまたはポリプロピオン酸ビニルの何れかを含む。
他の好ましい変性PVAの製造方法では、上記溶剤が、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノールから選ばれる少なくとも1種を含む。
本発明の変性PVAの製造方法は、ビニルエステル系ポリマーから直接的に、一般式(I)または(II)の繰り返し単位を少なくとも有する変性PVAを得ることができる。本発明の変性PVAの製造方法は、例えば、トルエンなどの汎用溶媒中に於いて反応を完了させて変性PVAを得ることができる。従って、本発明によれば、工程数が少なく且つ汎用溶媒を用いることができので、安価に変性PVAを製造することができ、更に、該変性PVAを収率良く得ることができる。
本発明は、ビニルエステル系ポリマーから、(PVAを経ることなく)式(I)又は式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも何れかを有する変性PVAを製造するものであって、ビニルエステル系ポリマーを特定の溶媒に溶解させ、該ポリ酢酸ビニルの加水分解とアセタール化を逐次的または同時並行的に行うことにより、上記変性PVAを得ることができる。
ビニルエステル系ポリマーは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニルなどを含む重合体を用いることができる。好ましくは、酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニルの重合体であるポリ酢酸ビニルまたはポリプロピオン酸ビニルが用いられる。なお、部分的にOH基に置換されているビニルエステル系ポリマーを用いてもよい。かかるビニルエステル系ポリマーをケン化率で表すと、そのケン化率は、1%〜10%程度のものが該当する。ただし、ケン化率は、式:{(OH基の数)/(OH基の数+酢酸基等のエステル結合基の数)}×100、で求めることができる。
ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルをラジカル重合して得られるものを用いることができ、ポリプロピオン酸ビニルも同様に、プロピオン酸ビニルのラジカル重合体を用いることができる。該酢酸ビニル等のラジカル重合は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、粒状重合のいずれでもよい。上記重合法のうち、比較的高い重合度のものが得られるなどの点から、溶液重合が好適である。溶液重合で使用される溶媒は、メタノール、エタノール、ベンゾール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸、アセトン、ベンゼン等が挙げられ、好ましくはメタノールである。
ポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系ポリマーの重合度は、特に制限されるものではないが、例えば100〜20000程度、好ましくは500〜10000程度の重合度のものである。
上記ビニルエステル系ポリマーを溶解させる溶媒は、これを溶解させることができるのであれば特に限定されない。例えば、上記ポリ酢酸ビニルやポリプロピオン酸ビニルを溶解させる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、四塩化炭素とエタノールの混合溶媒、ジクロロエチレンとエタノールの混合溶媒(20:80)、クロロベンゼン、メタノール、エタノール水溶液、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、ベンジルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、アセトン、酢酸、低級脂肪族エステル、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明では、酸性条件下で水酸基と反応しない溶媒が好ましく、このような溶媒としては、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、DMF、メタノール、エタノールなどから選ばれる1種または2種以上の混合溶媒が挙げられる。
上記ビニルエステル系ポリマーの溶媒に対する濃度は、特に限定されず、好ましくは2.5質量%〜30質量%の溶液に調製される。
上記溶媒にビニルエステル系ポリマーを溶解させた溶液に、酸触媒存在下で、前記ポリマーのエステル部位を加水分解する化合物、及び、アルデヒド(またはアセタール)を有する芳香族化合物を添加する。これにより、ビニルエステル系ポリマーのエステル部位が加水分解され、該部位がOH基に変換されていくと共に、逐次生じるOH基とアルデヒドがアセタール化反応を起こし、側鎖にアセタール結合した芳香族基を導入できる。
上記ポリマーのエステル部位を加水分解する化合物(以下、便宜上「加水分解化合物」という)は、ビニルエステル系ポリマーがポリ酢酸ビニルの場合、酢酸基を加水分解し、OH基に変換する(ケン化とも呼ばれる)化合物である。
上記アルデヒドを有する芳香族化合物(以下、「芳香族アルデヒド」という)は、上記加水分解により生じたOH基をアセタール化し、上記ポリマーの側鎖に芳香族基を導入し、一般式(I)または一般式(II)で表される繰り返し単位を有する変性PVAを生じさせる化合物である。
加水分解反応及びアセタール化反応は、加温下で進行する。
上記酸触媒としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、硝酸、カンファ−スルホン酸などを使用することができる。該酸触媒の添加量は、ビニルエステル系ポリマー100質量部に対し、0.1質量部〜20質量部程度である。
上記加水分解化合物としては、水、アルコール、又はこれらの混合物が挙げられる。加水分解化合物としてアルコールを用いる場合には、反応性の点から、好ましくは炭素数1〜4の低級アルコールであり、より好ましくはメタノール又は/及びエタノールである。
該加水分解化合物の添加量は、ビニルエステル系ポリマーのモノマー単位1モルに対し、2モル以上とすることが好ましい。ビニルエステル系ポリマーの酢酸基などの多くをOH基に変換して、ケン化率を高めるためである。
得られるビニルエステル系ポリマーのケン化率(式:{(OH基の数)/(OH基の数+酢酸基等のエステル結合基の数)}×100)は、90%以上、好ましくは95%以上である。ただし、本発明では、ビニルエステル系ポリマーに生じたOH基の一部を、同一溶剤中において、アセタール化して変性PVAを製造する。このため、上記ケン化度を求める式中のOH基とは、ビニルエステル系ポリマーのアセタール化に供されるOH基も含めた意味である。
次に、上記芳香族アルデヒドは、上記ビニルエステル系ポリマーの加水分解により生じるOH基をアセタール化して、該ポリマーの側鎖に芳香族化合物を導入するためのものである。
ただし、本発明において、アセタール化(RCH(OR)(OR)構造の導入)とは、ケタール化(RRC(OR)(OR)構造の導入)を含む意味である。
このようにアセタール化することにより、下記一般式(I)または(II)で表される繰り返し単位を有する変性PVAを得ることができる。
Figure 2008280364
一般式(I)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のチオアルコキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基又はチオール基を示す(但し、R及びRは同時に水素原子ではない)。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を示す。
一般式(II)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Aは、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントラニル基、又は置換基を有していてもよいフェナントレニル基を示す。ナフチル基、アントラニル基、又はフェナントレニル基を構成する炭素原子のうち1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい。
上記芳香族アルデヒドとして、オルト位の少なくとも一方に置換基を有するベンズアルデヒド、同アセトフェノンなどを用いることにより、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する変性PVAを得ることができる。オルト位の一方に少なくとも置換基を有するベンズアルデヒド又は同アセトフェノンの具体例としては、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド(メシトアルデヒド)、2,4,6−トリエチルベンズアルデヒド、2,6−ジメチルベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、2−メチルアセトフェノン、2,4−ジメチルアセトフェノンなどが例示される。
また、上記芳香族アルデヒドとして、縮合形芳香族アルデヒド、縮合形芳香族ケトンを用いることにより、一般式(II)で表される繰り返し単位を有する変性PVAを得ることができる。該縮合形芳香族アルデヒド又はケトンの具体例としては、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド、2−エトキシ−1−ナフトアルデヒド、2−プロポキシ−1−ナフトアルデヒド、2−メチル−1−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、その他置換基を有する1−ナフトアルデヒド、置換基を有する2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−アセトナフトン、8’−ヒドロキシ−1’−ベンゾナフトン等のナフトン類、9−アントラアルデヒド、置換基を有する9−アントラアルデヒド、アセトナフトンなどが例示される。
これら芳香族アルデヒドは、1種単独で、又は2種以上を添加してもよい。
上記芳香族アルデヒドの添加量は、目的とする変性PVAに於ける式(I)や式(II)の繰り返し単位量に応じて適宜設定される。上記芳香族アルデヒドの添加量は、通常、ビニルエステル系ポリマーのモノマー単位1モルに対し、0.05モル〜0.5モルが好ましい。かかる添加量により、加水分解によって生じたビニルエステル系ポリマーのOH基の全てが上記芳香族アルデヒドによってアセタール化されず、OH基の一部が残存した変性PVAを得ることができる。
上記加水分解化合物と芳香族アルデヒドは、ビニルエステル系ポリマーが溶解された溶液に、同時に溶解させてもよい。また、当初、ビニルエステル系ポリマーが溶解された溶液に、加水分解化合物を溶解させておき、加水分解によって該ポリマーにOH基がある程度生じた後、芳香族アルデヒドを添加してもよい。なお、加水分解反応が進行し過ぎると(つまり、ケン化率が高くなっていくと)、ポリマーの析出が生じ始めるので、該析出よりも前に芳香族アルデヒドを添加することが好ましい。
また、上記芳香族アルデヒド以外に、他のアルデヒド類やケトン類を添加してもよい。
例えば、炭素数1〜12の飽和脂肪族アルデヒド、脂環族アルデヒドなどを、芳香族アルデヒドと同時に又は前後して、上記溶液に添加してもよい。飽和脂肪族アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、1,1−ジエトキシエタン(アセタール)、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒドなどが挙げられる。脂環族アルデヒドとしては、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドなどが挙げられる。
このように脂肪族アルデヒドなどを加えることにより、ビニルエステル系ポリマーをアセタール化して、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を導入することができる。
Figure 2008280364
上記一般式(III)中、Rは、水素原子、又は直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を示し、アルキル基の炭素原子は隣接しない酸素原子によって置換されていてもよい。
なお、芳香族アルデヒドを複数種使用する場合、或いは、芳香族アルデヒドと脂肪族アルデヒドなどを添加する場合には、各アルデヒドは、同時に添加してもよいし、逐次添加してもよい。
上記加水分解化合物及び芳香族アルデヒドなどを加えた溶液は、攪拌することによって反応が進行する。
反応温度は、好ましくは40℃〜100℃である。反応温度が、40℃未満であると、ビニルエステル系ポリマーの加水分解やアセタール化反応が十分に進行しないからである。一方、反応温度が100℃を超えると副反応が生じ、目的とする変性PVAを収率良く得ることができないからである。
反応時間は、通常、1時間〜10時間程度である。
反応終了後、貧溶媒に再沈殿することにより、目的とする変性PVAを得ることができる。
本発明の変性PVAの製造方法によれば、ポリ酢酸ビニルなどのビニルエステル系ポリマーから直接的に変性PVAを作製できるので、従来法(ポリ酢酸ビニルからPVAを作製する工程と、該PVAをアセタール化して変性PVAを作製する工程との、2工程からなる製造方法)に比して、少ない工程で変性PVAを得ることができる。また、ポリ酢酸ビニルは、汎用溶媒を含めた多くの溶媒に溶解させることができ、該溶媒中における反応(加水分解及びアセタール化)途中で、中間体や変性PVAが析出することがない。従って、変性PVAを収率良く得ることができる。
上記製造方法によって、例えば、下記一般式(a)〜(e)で表される変性PVAを得ることができる。
Figure 2008280364
一般式(a)中、lは、5〜30モル%、mは、20〜80モル%、nは、1〜70モル%を示す(l+m+n≦100モル%)。
Figure 2008280364
一般式(b)中、lは、5〜30モル%、mは、20〜80モル%、nは、1〜70モル%を示す(l+m+n≦100モル%)。
Figure 2008280364
一般式(c)中、lは、5〜30モル%、mは、20〜80モル%、nは、1〜70モル%を示す(l+m+n≦100モル%)。
Figure 2008280364
一般式(d)中、lは、5〜30モル%、mは、20〜60モル%、nは、20〜60モル%、oは、1〜55モル%を示す(l+m+n+o≦100モル%)。
Figure 2008280364
一般式(e)中、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アジド基、ニトロ基、シアノ基または水酸基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝アルキル基、炭素数5〜10の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のナフチル基、または、置換若しくは非置換のヘテロ環基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基、ベンジル基、シリル基、リン酸基、アシル基、ベンゾイル基、またはスルホニル基を示す。また、式(e)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基または水酸基を示し、該Rは、ベンゼン環のオルト位、メタ位またはパラ位に置換した置換基である。
上記式(e)中、基本単位l、m、nおよびoの比率は、適宜、適切な値が選択され得る。上記基本単位;lの比率は、好ましくは1モル%〜20モル%であり、さらに好ましくは5モル%〜15モル%である。上記基本単位;mの比率は、好ましくは25モル%〜50モル%であり、さらに好ましくは30モル%〜50モル%である。上記基本単位;nの比率は、好ましくは10モル%〜55モル%であり、さらに好ましくは15モル%〜50モル%である。上記基本単位;oの比率は、好ましくは1モル%〜20モル%であり、さらに好ましくは5モル%〜15モル%である。ただし、l+m+n+o≦100モル%。
さらに、式(e)において、構成単位lと、構成単位m及びoの合計との比率〔l/(m+o)〕(モル/モル)は、好ましくは0.10〜0.50であり、さらに好ましくは0.12〜0.40であり、特に好ましくは0.15〜0.30である。
かかる比率の変性PVAを製膜することにより得られる位相差フィルムは、透明性、耐熱性、位相差の発現性、逆波長分散特性を兼ね備えている。
上記式(e)で表される変性PVAにおいて、Rは、好ましくは炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基であり、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基である。該Rは、これが結合するナフチル環の立体配座を制御し、該ナフチル環を2つの酸素原子の間に配座しやすくする作用を有すると推定される。このように配座するナフチル環を有する変性PVAは、これを製膜することにより、逆波長分散特性を示す位相差フィルムを形成できる。
また、上記式(e)で表される変性PVAにおいて、Rは、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分枝のアルキル基である。また、上記式(e)で表される変性PVAにおいて、Rは、好ましくは水素原子である。上記式(e)で表される変性PVAにおいて、Rは、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基である。
上記式(e)で表される変性PVAは、例えば、置換または無置換のベンズアルデヒドと、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド等の置換基を有する1−ナフトアルデヒドと、1,1−ジエトキシエタン(アセタール)等とを、加水分解化合物と共にビニルエステル系ポリマーが溶解した溶液に添加することにより、得ることができる。
本発明の製造方法によって得られた変性PVAの用途は、特に限定されず、様々な用途に使用することができる。
好ましくは、本製造方法で得られる変性PVAは、フィルム状に製膜され、位相差フィルムとして使用される。上記変性PVAを含む位相差フィルムは、逆波長分散特性を示し、液晶表示装置などの画像表示装置の光学部材として好適に用いることができる。
なお、上記変性PVAを含む位相差フィルムの製法、用途などについては、特許第3802544号公報に記載されているので、それを参照されたい。

Claims (3)

  1. 溶剤に溶解させたビニルエステル系ポリマーを、前記溶媒中において、加水分解及びアセタール化を行うことにより、下記一般式(I)または下記一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも何れか一方を有する変性PVAを製造することを特徴とする変性PVAの製造方法。
    Figure 2008280364

    一般式(I)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のチオアルコキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、水酸基又はチオール基を示す(但し、R及びRは同時に水素原子ではない)。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を示す。
    一般式(II)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Aは、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントラニル基、又は置換基を有していてもよいフェナントレニル基を示す。ナフチル基、アントラニル基、又はフェナントレニル基を構成する炭素原子のうち1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい。
  2. 前記ビニルエステル系ポリマーが、ポリ酢酸ビニルまたはポリプロピオン酸ビニルの何れかを含む請求項1に記載の変性PVAの製造方法。
  3. 前記溶媒が、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノールから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の変性PVAの製造方法。
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