JP2008278151A - Ts信号伝送遅延時間調整装置及びその動作方法並びに地上デジタル放送送信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】通常運用中においてもTS信号を途切らせることなく系統間遅延調整を行えるようにし、迅速なSFN網の復旧を可能にして保守性を向上させる。
【解決手段】TS信号伝送遅延時間調整装置10は、伝送されたTS信号をクロック信号と共に入力し、そのクロック信号に同期してTS信号を遅延させて出力することにより、TS信号の伝送遅延時間を調整する。遅延調整用メモリ11は、入力されたTS信号を成すTSデータをデータ書き込みクロックに同期して書き込むと共に、そのTSデータをデータ読み出しクロックに同期して読み出す。PLL回路12は、入力されたクロック信号に同期してデータ書き込みクロックを生成する。PLL回路13は、データ書き込みクロックに同期しかつ可変設定された周波数のデータ読み出しクロックを生成する。制御回路14は、TS信号の伝送遅延時間に応じてデータ読み出しクロックの周波数を可変設定する。
【選択図】図1
【解決手段】TS信号伝送遅延時間調整装置10は、伝送されたTS信号をクロック信号と共に入力し、そのクロック信号に同期してTS信号を遅延させて出力することにより、TS信号の伝送遅延時間を調整する。遅延調整用メモリ11は、入力されたTS信号を成すTSデータをデータ書き込みクロックに同期して書き込むと共に、そのTSデータをデータ読み出しクロックに同期して読み出す。PLL回路12は、入力されたクロック信号に同期してデータ書き込みクロックを生成する。PLL回路13は、データ書き込みクロックに同期しかつ可変設定された周波数のデータ読み出しクロックを生成する。制御回路14は、TS信号の伝送遅延時間に応じてデータ読み出しクロックの周波数を可変設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、TS信号の伝送時間を調整するTS信号伝送遅延時間調整装置及びその動作方法並びに地上デジタル放送送信システムに関する。
地上デジタル放送システムでは、複数の送信所から同一の周波数で放送を行っても、受信側で混信することなく受信可能なSFN網(Single Frequency Network:単一周波数網)を構築できる。SFNは、逼迫する電波資源の有効利用に効果的である。SFNを行うためには、受信地点で、各送信所からの電波受信タイミングがある範囲内(ガードインターバル以内)であることが必要である。このため、地上デジタル放送送信システムでは、通常、遅延時間を調整するための装置又は回路が必要になる。一般的な地上デジタル放送送信システムのブロック図を図3と図4に示す。
図3は、マイクロ波(無線)回線を複数使用してSFNを行う場合の地上デジタル放送送信システムのブロック図である。この地上デジタル放送送信システムは、図3(a)に示す放送局本社に置かれる放送局本社(スタジオ)システム110と、図3(b)に示す複数の送信所(図中の例では送信所1、2)に置かれる送信所システム120とを有する。
図3(a)に示す放送局本社システム110では、放送TS(Transport Stream)データを構成する複数のTS信号が地上デジタル放送用スタジオRe−MUX(再多重化)装置111にて多重化される。そして、その多重化TS信号が基準クロック信号と共に64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調器112によりデジタル変調されてIF(Intermediate Frequency)信号に変換される。さらに、そのIF信号が送信変換器113にてRF(Radio Frequency)信号に変換され、そのRF信号が送信アンテナ114を介してマイクロ波回線経由で送信される。
図3(b)に示す送信所システム120では、送信所毎にマイクロ波回線経由で送信されてくるRF信号が受信アンテナ121で受信されると、そのRF信号が受信変換器122にIF信号に変換される。そのIF信号は、64QAM復調器123にてデジタル復調されてTS信号及びクロック信号に変換される。そして、その変換されたTS信号に対し、遅延調整装置124にて、クロック信号に従い遅延時間が調整される。遅延調整されたTS信号は、デジタルテレビ送信機125により送信アンテナ126を介してSFN受信エリアに送信される。
図4は、光回線を複数使用してSFNを行う場合の地上デジタル放送送信システムのブロック図である。同図に示す地上デジタル放送送信システムは、図4(a)に示す放送局本社に置かれる放送局本社(スタジオ)システム210と、図4(b)に示す複数の送信所(図中の例では送信所1、2)に置かれる送信所システム220とを有する。
図4(a)に示すに示す放送局本社システム210では、放送TSデータを構成する複数のTS信号が地上デジタル放送用スタジオRe−MUX装置211にて多重化される。その多重化TS信号は、基準クロック信号と共に複数の光回線(図中の例では光回線1、2)毎に並列に設けられた64QAM変調器212にてIF信号に変換される。そして、そのIF信号は、E/O(Electrical/Optical:電気/光)変換器(光端局)213にて電気信号から光信号に変換され、その光信号が光回線毎に送信される。
図4(b)に示す送信所システム220では、送信所毎に光回線経由で送信されてくる光信号がO/E(Optical/Electrical:光/電気)変換器(光端局)211にて電気信号のIF信号に変換される。そのIF信号は、64QAM復調器222にてTS信号及びクロック信号に変換される。そして、その変換されたTS信号に対し、遅延調整装置223にて、クロック信号に従い遅延時間が調整される。遅延調整されたTS信号は、デジタルテレビ送信機224により送信アンテナ225を介してSFN受信エリアに送信される。
図3及び図4において、送信所まで送られた放送TS(Transport Stream)データは、デジタルテレビ送信機125、224に入力される前に遅延調整装置124、223で送信所毎に設定された遅延時間が与えられる。なお、地上デジタル放送では、システム全体が同一クロックに同期して動作する必要があるため、TS信号のみならずクロック信号も伝送される。
図5は、上記の地上デジタル放送送信システムで用いる遅延調整装置の内部構成を示すブロック図である。
図5に示す遅延調整装置300は、遅延時間調整用メモリ(以下、「遅延メモリ」)301と、入力されたクロック信号からTS信号処理クロック(データ書き込み/読み出しクロック)を生成するPLL(Phase Locked Loop)回路302とを備えている。
PLL回路302は、位相比較器、ループフィルタ、及び電圧制御発振器(VCO)を有する。位相比較器は、入力された基準信号となるクロック信号と、その比較信号となるVCO出力(又はVCO出力を分周器で分周した出力)との位相差を検出する。VCOは、その位相差が一定になるようにフィードバック制御され、その発振周波数が調整される。これにより、PLL回路302は、クロック信号に同期したVCO出力、すなわちTS信号処理クロックを生成し、遅延メモリ301に供給する。
遅延メモリ301は、PLL回路302からのTS信号処理クロック、すなわちデータ書き込み/読み出しクロックに同期したタイミングで、入力されたTSデータを書き込む。そして、遅延メモリ301は、その書き込まれたTSデータをPLL回路302からのデータ書き込み/読み出しクロックに同期したタイミングで読み出す。
図6は、図5に示す遅延調整装置300の遅延動作を説明する図である。図6の例では、遅延メモリ301内に5バイトのTSデータを蓄積し、読み出しているため、遅延時間が5クロックの遅延回路になっている。同図に示すように、入力されるTSデータ(DATA1〜15)は、PLL回路302からのデータ書き込み/読み出しクロックに同期して遅延メモリ301内に1バイトのデータ毎に書き込まれる。
図6の例では、データ書き込み/読み出しクロックに同期したタイミングに従い、先頭から5バイトのTSデータ(DATA1〜5)が順次書き込まれる。次いで、遅延メモリ301に書き込まれた5バイトのTSデータ(DATA1〜5)は、その次のデータ書き込み/読み出しクロックから順次読み出される。そして、その次のTSデータ(DATA6〜10)が遅延メモリ301内に順次書き込まれていく。これにより、遅延メモリ301に書き込まれたTSデータがそのデータ書き込みタイミングから5クロック分遅延したデータ読み出しタイミングで読み出される。
ここで、複数の伝送系統、送信機を使用してSFN網を構築する場合、各送信所からの送信タイミングを厳密に管理する必要がある。このため、システム運用中に回線異常や経路切替などの理由である伝送路の伝送遅延時間変動が発生した場合には、再度、複数の伝送系統間のTS信号伝送遅延時間を調整する必要がある。
図7は、このような場合に図5に示す遅延調整装置300の遅延調整時の動作を説明するものである。図7の例では、TS信号伝送遅延時間を小さくする場合、例えば5クロック(図6参照)から4クロックに変更する場合を説明するものである。この場合、データ書き込み/読み出しクロックに同期して遅延メモリ301内に書き込まれる5バイト分のTSデータ(DATA1〜5)に対し、途中の1バイトのTSデータ(DATA4)を読み捨てて、残りの4バイトのTSデータ(DATA1〜3、5)を読み出す。これにより、伝送遅延時間を変更している。
一方、TS信号伝送遅延時間を大きくする場合、例えば5クロックから6クロックに変更する場合は、遅延メモリ301内に書き込まれた5バイトのTSデータ(DATA1〜5)に対し、途中に1バイトのTSデータ読み出し時間に対応する待ち時間を入れて読み出す。これにより、TS信号伝送遅延時間を変更している。
上記のような遅延時間調整に関連して、特許文献1には、OFDM(直交周波数分割多重)信号を任意の時間遅延させ複数の送信所間の時間差を解消することを課題としたOFDM信号遅延装置が記載されている。この遅延装置は、OFDM信号を受けてこれをデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、このデジタル信号を外部から与えられた所定時間に応じてメモリ領域に格納し再び読み出すメモリ装置と、読み出されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータとを有している。
特開2000−269927号公報
上記のようなTS信号伝送遅延時間の調整方式では、運用中に回線異常や経路切替などの理由である伝送路の伝送遅延時間変動が発生した場合、再度、複数の伝送系統間のTS信号伝送遅延時間を調整する必要がある。このため、遅延調整装置が持つ遅延メモリ内のデータを読み捨てる、あるいは読み出し待ち時間を入れる必要がある。
いずれの場合も、遅延メモリ出力から読み出されるTSデータは不連続になるため、遅延時間補正を行う送信所のカバーする受信エリアでは、一時的に受信ができなくなる、すなわち受信画像にブロックノイズなどが表れるという問題がある。このため、遅延時間がずれた場合の遅延調整は放送休止中に行う必要がある。この場合、各送信所から受信する電波のタイミングがずれたままになるため、SFN受信エリアでは、遅延調整が行われるまで放送の受信ができなくなる可能性がある。その理由は、遅延調整装置の遅延メモリへのデータの書き込み、読み出しとも同一かつ固定周波数のクロックを使用しているためである。
このように、伝送経路や回線障害の発生により伝送遅延時間を調整する場合、データの読み飛ばし(遅延時間を短くする場合)、読み待ち(遅延を大きくする場合)を行っている。このため、TSデータが途切れ、一時的な受信障害を引き起こし、放送中には遅延調整を行うことが難しいという問題が発生する。
本発明の目的は、通常運用中においてもTS信号を途切らせることなく系統間遅延調整を行えるようにし、迅速なSFN網の復旧を可能にして保守性を向上させることができるTS信号伝送遅延時間調整装置及びその動作方法並びに地上デジタル放送送信システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るTS信号伝送遅延時間調整装置は、伝送されたTS信号をクロック信号と共に入力し、そのクロック信号に同期して前記TS信号を遅延させて出力することによりTS信号の伝送遅延時間を調整する装置であって、入力された前記TS信号を成すTSデータをデータ書き込みクロックに同期して書き込むと共に、書き込んだTSデータをデータ読み出しクロックに同期して読み出す遅延時間調整用メモリと、入力された前記クロック信号に同期して前記データ書き込みクロックを生成する第1のクロック生成手段と、前記データ書き込みクロックに同期し、かつ、可変設定された周波数の前記データ読み出しクロックを生成する第2のクロック生成手段と、前記TS信号の伝送遅延時間に応じて前記第2のクロック生成手段により生成されるデータ読み出しクロックの周波数を可変設定する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明において、前記制御手段は、前記TS信号の伝送遅延時間を所定時間とする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数と同一とし、前記TS信号の伝送遅延時間を前記所定時間よりも小さくする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数よりも高くするように可変設定してもよい。前記制御手段は、前記TS信号の伝送遅延時間を前記所定時間よりも大きくする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数よりも低くするように可変設定してもよい。前記第1のクロック生成手段は、第1のPLL回路で構成され、前記第2のクロック生成手段は、与えられた周波数設定値に応じて前記データ読み出しクロックの周波数を可変設定する第2のPLL回路で構成されてもよい。
本発明に係るTS信号伝送遅延時間調整装置の動作方法は、伝送されたTS信号をクロック信号と共に入力し、そのクロック信号に同期して前記TS信号を遅延させて出力することによりTS信号の伝送遅延時間を調整する装置の動作方法であって、入力された前記クロック信号に同期してデータ書き込みクロックを生成し、前記データ書き込みクロックに同期し、かつ、可変設定された周波数のデータ読み出しクロックを生成し、入力された前記TS信号を成すTSデータを前記データ書き込みクロックに同期して遅延時間調整用メモリに書き込むと共に、前記遅延時間調整用メモリに書き込んだTSデータを前記データ読み出しクロックに同期して読み出し、前記TS信号の伝送遅延時間に応じて前記データ読み出しクロックの周波数を可変設定することを有することを特徴とする。
本発明において、前記TS信号の伝送遅延時間を所定時間とする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数と同一とし、前記TS信号の伝送遅延時間を前記所定時間よりも小さくする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数よりも高くするように可変設定してもよい。前記TS信号の伝送遅延時間を前記所定時間よりも大きくする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数よりも低くするように可変設定してもよい。
本発明に係る地上デジタル放送送信システムは、上記いずれかに記載のTS信号伝送遅延時間調整装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、通常運用中においてもTS信号を途切らせることなく系統間遅延調整を行えるようにし、迅速なSFN網の復旧を可能にして保守性を向上させることができるTS信号伝送遅延時間調整装置及びその動作方法並びに地上デジタル放送送信システムを提供することができる。
以下、本発明の実施例に係るTS信号伝送遅延時間調整装置及びその動作方法並びに地上デジタル放送送信システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
図1を参照すると、本実施例に係るTS信号伝送遅延時間調整装置(以下、「遅延調整装置」)10は、地上デジタル放送送信システムに適用されるものである。例えば、前述した図3に示すマイクロ波回線を用いた地上デジタル放送送信システムの送信所システム120に用いる場合は、遅延調整装置124に適用される。また、前述した図4に示す光回線を用いた地上デジタル放送送信システムの送信所システム220に用いる場合は、遅延調整装置223に適用される。その他の構成は図3及び図4と同様であるため、その説明を省略する。
図1に示す本実施例の遅延調整回路10は、伝送されたTS信号をクロック信号と共に入力し、そのクロック信号に同期してTS信号を遅延させて出力することによりTS信号の伝送遅延時間を調整する。具体的には、遅延時間調整用メモリ(以下、「遅延メモリ」)11と、入力されたクロック信号に同期して所定周波数のTS信号処理クロック(以下、データ書き込みクロック)を生成するPLL回路12とを有する。
この構成に加え、本実施例の遅延調整回路10は、PLL回路12からのTS信号処理クロックに同期して、可変設定された所定周波数のデータ読み出しクロックを生成する可変周波数PLLである周波数設定機能付きPLL回路13と、PLL回路13に対して周波数を設定する周波数設定用制御回路14とを有している。
遅延メモリ11は、遅延調整回路10に入力されたTS信号を成すTSデータを、PLL回路12からのデータ書き込みクロックに同期したタイミングで書き込む。そして、遅延メモリ11は、その書き込んだTSデータをPLL回路13からのデータ読み出しクロックに同期したタイミングで読み出し、遅延調整回路10から出力する。
PLL回路12は、位相比較器、ループフィルタ(ローパスフィルタ)、及び電圧制御発振器(VCO)を有する。位相比較器は、入力された基準信号となるクロック信号と、その比較信号となるVCO出力(又は分周器で分周されたVCO出力)との位相差を検出する。VCOは、その位相差が一定になるようにフィードバック制御によりその発振周波数が調整される。これにより、PLL回路12は、クロック信号に同期した所定周波数のVCO出力、すなわちデータ書き込みクロックを生成し、そのデータ書き込みクロックを遅延メモリ11及びPLL回路13に供給する。なお、PLL回路12は、本発明の第1のクロック生成手段及び第1のPLL回路に対応する。
PLL回路13は、位相比較器、ループフィルタ(ローパスフィルタ)、及び電圧制御発振器(VCO)に加え、本実施例では位相比較器の比較信号となるVCO出力を制御回路14の周波数設定値に応じた可変分周数(整数値)で分周する可変分周器(プログラマル分周器)を有する。位相比較器は、PLL回路12から入力された基準信号となるデータ書き込みクロックと、その比較信号となる、可変分周器で分周されたVCO出力との位相差を検出する。VCOは、その位相差が一定になるようにフィードバック制御によりその発振周波数が調整される。これにより、PLL回路13は、データ書き込みクロックに同期し、かつ、可変設定された周波数のVCO出力、すなわちデータ読み出しクロックを生成し、そのデータ読み出しクロックを遅延メモリ11に供給する。なお、PLL回路13は、本発明の第2のクロック生成手段及び第2のPLL回路に対応する。
制御回路14は、例えばPLL回路13内の可変分周器の分周数を可変設定することにより、PLL回路13のVCO出力となるデータ読み出しクロックの周波数を可変設定する機能を有する。なお、制御回路14は、本発明の制御手段に対応する。
次に、図2を用いて、本実施例の動作について説明する。
まず、地上デジタル放送送信システムにおいて、放送局本社システムから各送信所にTS信号がクロック信号と共に伝送される(前述参照)。その伝送されてきたTS信号のデータは、送信所システム内の遅延調整回路10に入力され、そのTS入力(TSデータ)が、順次、遅延メモリ11に書き込まれる。このとき、遅延メモリ11内のTSデータの書き込み動作は、PLL回路12によりクロック信号に同期して生成された所定周波数のデータ書き込みクロックに同期して行われる。
このように遅延メモリ11に書き込まれたTSデータは、送信所毎に設定されたTS信号の伝送遅延時間遅延して読み出され、遅延調整回路10から出力され、TS出力となる。このとき、遅延メモリ11内からのTSデータの読み出し動作は、PLL回路13によりデータ書き込みクロックに同期して生成されたデータ読み出しクロックに同期して行われる。この場合、PLL回路13からのデータ読み出しクロックの周波数は、PLL回路12からのデータ書き込みクロックの周波数と同一である。図2の例では、遅延調整回路10は、遅延メモリ11内に5バイトのデータを蓄積し、読み出しているため、伝送遅延時間が5クロック(所定時間)の遅延回路になっている。
ここで、地上デジタル放送送信システムの運用中に回線異常や経路切替などの理由である伝送路の伝送遅延時間変動が発生し、各送信所で、再度、複数の伝送系統間の伝送遅延時間を調整する場合を説明する。
まず、上記遅延調整動作に際し、遅延調整回路10のTS信号伝送遅延時間を所定時間(5クロック)よりも小さくする場合、例えば5クロックから4クロックに変更する場合を考える。この場合は、制御回路14の周波数設定により、図2に示すように、PLL回路13からのデータ読み出しクロックの周波数をデータ書き込みクロックの周波数よりも高くなるように一時的に上げる。すなわち、遅延メモリ11へのデータ書き込み速度よりもデータ読み出し速度を早くする。その結果、遅延メモリ11内に蓄えられるデータの数が減少するので、遅延メモリ11内のデータが4バイトになった時点で、データ読み出しクロックの周波数を元の周波数、すなわちデータ書き込みクロックの周波数に戻す。これにより、遅延調整動作を終了する。従って、この場合には、遅延メモリ11内のデータを読み捨てる(読み飛ばす)必要がないため、TS信号を途切らせることなくTS信号伝送遅延時間を変更することができる。
一方、遅延調整回路10のTS信号伝送遅延時間を所定時間(5クロック)よりも大きくする場合、例えば5クロックから6クロックに変更する場合を考える。この場合は、制御回路14の周波数設定により、PLL回路13からのデータ読み出しクロックの周波数をデータ書き込みクロックの周波数よりも低くなるように一時的に下げる。すなわち、遅延メモリ11へのデータ書き込み速度よりもデータ読み出し速度を遅くする。その結果、遅延メモリ11内に蓄えられるデータの数が増加するので、遅延メモリ11内のデータが6バイトになった時点で、データ読み出しクロックの周波数を元の周波数、すなわちデータ書き込みクロックの周波数に戻す。これにより、遅延調整動作を終了する。従って、この場合には、読み出し待ち時間を入れる必要がないため、TS信号を途切らせることなくTS信号伝送遅延時間を変更することができる。
以上のように、本実施例では、遅延メモリ11にTSデータを書き込むために使用するクロック生成用のPLL回路12に加えて、遅延メモリ11からTSデータを読み出すために使用するクロック生成用のPLL回路13を独立して持つ。すなわち、遅延時間調整用に可変周波数PLLであるPLL回路13を用意し、その出力を遅延メモリ11からのデータ読み出しクロックに使用する。これにより、TS信号の伝送遅延時間を小さくする場合には、遅延メモリ11からのデータ読み出しクロックの周波数を一時的に高く、またTS信号の伝送遅延時間を大きくする場合には、データ読み出しクロックの周波数を一時的に低く設定する。そして、目標となるTS信号伝送遅延時間に調整が完了した段階で、データ読み出しクロックの周波数を元の周波数、すなわちデータ書き込みクロックの周波数と同一にする。こうすることで、遅延調整動作を完了する。
従って、本実施例によれば、TS信号伝送遅延時間を調整する際に、TS信号の入出力遅延時間に応じて、データ読み出しクロックの周波数を可変している。こうすることで、遅延メモリ11内のTSデータを読み捨てる、あるいは読み出し待ち時間を入れる必要がないため、TS信号を途切らせることなく伝送遅延時間を変更することができる。このように伝送遅延時間の調整時においてもTS信号が途切れないため、回線異常などで回線の遅延が変動した場合でも、運用中(放送中)に自動で遅延時間調整を行える。このため、SFN網の復旧が迅速に行うことができる。
以上、本発明の実施例を詳細に説明したが、本発明は、代表的に例示した上述の実施例に限定されるものではなく、当業者であれば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することができる。これらの変形例や変更例も本発明の権利範囲に属するものである。
本発明は、地上デジタル放送送信システムの各送信所に配置される送信所システム内の遅延調整装置の用途に適用できる。
10 遅延調整装置(TS信号伝送遅延時間調整装置)
11 遅延時間調整用メモリ(遅延メモリ)
12 PLL回路(第1のクロック生成手段、第1のPLL回路)
13 周波数設定機能付きPLL回路(第2のクロック生成手段、第2のPLL回路)
14 周波数設定用制御回路(制御手段)
110 放送局本社(スタジオ)システム
111 Re−MUX装置
112 64QAM変調器
113 送信変換器
114 送信アンテナ
120 送信所システム
121 受信アンテナ
122 受信変換器
123 64QAM復調器
124 遅延調整装置
125 デジタルテレビ送信機
126 送信アンテナ
210 放送局本社(スタジオ)システム
211 Re−MUX装置
212 64QAM変調器
213 E/O変換器(光端局)
220 送信所システム
221 O/E変換器(光端局)
222 64QAM復調器
223 遅延調整装置
224 デジタルテレビ送信機
225 送信アンテナ
300 遅延調整装置
301 遅延時間調整用メモリ
302 PLL回路
11 遅延時間調整用メモリ(遅延メモリ)
12 PLL回路(第1のクロック生成手段、第1のPLL回路)
13 周波数設定機能付きPLL回路(第2のクロック生成手段、第2のPLL回路)
14 周波数設定用制御回路(制御手段)
110 放送局本社(スタジオ)システム
111 Re−MUX装置
112 64QAM変調器
113 送信変換器
114 送信アンテナ
120 送信所システム
121 受信アンテナ
122 受信変換器
123 64QAM復調器
124 遅延調整装置
125 デジタルテレビ送信機
126 送信アンテナ
210 放送局本社(スタジオ)システム
211 Re−MUX装置
212 64QAM変調器
213 E/O変換器(光端局)
220 送信所システム
221 O/E変換器(光端局)
222 64QAM復調器
223 遅延調整装置
224 デジタルテレビ送信機
225 送信アンテナ
300 遅延調整装置
301 遅延時間調整用メモリ
302 PLL回路
Claims (8)
- 伝送されたTS信号をクロック信号と共に入力し、そのクロック信号に同期して前記TS信号を遅延させて出力することによりTS信号の伝送遅延時間を調整する装置であって、
入力された前記TS信号を成すTSデータをデータ書き込みクロックに同期して書き込むと共に、書き込んだTSデータをデータ読み出しクロックに同期して読み出す遅延時間調整用メモリと、
入力された前記クロック信号に同期して前記データ書き込みクロックを生成する第1のクロック生成手段と、
前記データ書き込みクロックに同期し、かつ、可変設定された周波数の前記データ読み出しクロックを生成する第2のクロック生成手段と、
前記TS信号の伝送遅延時間に応じて前記第2のクロック生成手段により生成されるデータ読み出しクロックの周波数を可変設定する制御手段とを有することを特徴とするTS信号伝送遅延時間調整装置。 - 前記制御手段は、前記TS信号の伝送遅延時間を所定時間とする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数と同一とし、前記TS信号の伝送遅延時間を前記所定時間よりも小さくする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数よりも高くするように可変設定することを特徴とする請求項1に記載のTS信号伝送遅延時間調整装置。
- 前記制御手段は、前記TS信号の伝送遅延時間を前記所定時間よりも大きくする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数よりも低くするように可変設定することを特徴とする請求項2に記載のTS信号伝送遅延時間調整装置。
- 前記第1のクロック生成手段は、第1のPLL回路で構成され、
前記第2のクロック生成手段は、与えられた周波数設定値に応じて前記データ読み出しクロックの周波数を可変設定する第2のPLL回路で構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のTS信号伝送遅延時間調整装置。 - 伝送されたTS信号をクロック信号と共に入力し、そのクロック信号に同期して前記TS信号を遅延させて出力することによりTS信号の伝送遅延時間を調整する装置の動作方法であって、
入力された前記クロック信号に同期してデータ書き込みクロックを生成し、
前記データ書き込みクロックに同期し、かつ、可変設定された周波数のデータ読み出しクロックを生成し、
入力された前記TS信号を成すTSデータを前記データ書き込みクロックに同期して遅延時間調整用メモリに書き込むと共に、前記遅延時間調整用メモリに書き込んだTSデータを前記データ読み出しクロックに同期して読み出し、
前記TS信号の伝送遅延時間に応じて前記データ読み出しクロックの周波数を可変設定することを有することを特徴とするTS信号伝送遅延時間調整装置の動作方法。 - 前記TS信号の伝送遅延時間を所定時間とする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数と同一とし、前記TS信号の伝送遅延時間を前記所定時間よりも小さくする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数よりも高くするように可変設定することを特徴とする請求項5に記載のTS信号伝送遅延時間調整装置の動作方法。
- 前記TS信号の伝送遅延時間を前記所定時間よりも大きくする場合に前記データ読み出しクロックの周波数を前記データ書き込みクロックの周波数よりも低くするように可変設定することを特徴とする請求項6に記載のTS信号伝送遅延時間調整装置の動作方法。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載のTS信号伝送遅延時間調整装置を有することを特徴とする地上デジタル放送送信システム。
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JP2007118621A JP2008278151A (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | Ts信号伝送遅延時間調整装置及びその動作方法並びに地上デジタル放送送信システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010239178A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Kddi Corp | 送信局 |
CN102186106A (zh) * | 2011-05-04 | 2011-09-14 | 苏州全波通信技术有限公司 | 单频网中时钟同步装置 |
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2007
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