JP2008267467A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高地など、同一のアクセル開度でもエンジントルクが減少する環境において、変速制御量を補正してドライバビリティーの悪化を防止する。
【解決手段】無段変速機の制御装置は、変速比制御手段と、変速開始ディレー決定手段とを備える。変速比制御手段は、例えばアクセル開度、車速などにより示される車両の運転状態に基づいて、無段変速機の変速比を制御する。変速開始ディレー決定手段は、エンジントルクの立ち上がりに応じて、変速開始ディレーを決定する。例えば高地などでは、エンジントルクが小さくなるため、変速開始ディレーが大きく設定される。変速比制御手段は、変速開始ディレーに応じたタイミングで変速比を制御する。
【選択図】図5
【解決手段】無段変速機の制御装置は、変速比制御手段と、変速開始ディレー決定手段とを備える。変速比制御手段は、例えばアクセル開度、車速などにより示される車両の運転状態に基づいて、無段変速機の変速比を制御する。変速開始ディレー決定手段は、エンジントルクの立ち上がりに応じて、変速開始ディレーを決定する。例えば高地などでは、エンジントルクが小さくなるため、変速開始ディレーが大きく設定される。変速比制御手段は、変速開始ディレーに応じたタイミングで変速比を制御する。
【選択図】図5
Description
本発明は、無段変速機の変速比の制御に関し、特に高地での気圧減少などに起因するエンジントルクの減少を考慮した制御に関する。
車両に用いる変速機として、変速比を連続的に変化させることが可能な無段変速機(CVT)が知られている。特許文献1は、エンジントルクが目標トルクとなるようにスロットル開度を制御するとともに、目標トルクから算出した伝達トルクに基づいて無段変速機を制御する制御装置において、車両の周囲の大気状態に基づいてエンジン目標トルクを補正することが記載されている。また、特許文献2には、自動変速機の制御装置において、スロットル開度に基づいて求めた要求吸入空気量と、実際の吸入空気量との比を補正係数とし、この補正係数に応じて変速判断を補正することが記載されている。その他、変速機において、高度(高地/低地)や大気圧を考慮して変速制御を行う手法が特許文献3、4に記載されている。
無段変速機において、変速時(ダウンシフト時)にはプライマリシーブの回転数が上昇する。シーブは剛体としてある速度で回転している状態から回転数を上げようとすると、慣性力にうち勝つ力が必要となる。このため、エンジントルクの一部がこれに使用される。つまり、変速時には損失(イナーシャ損失)が発生する。イナーシャ損失は、回転の変化速度を緩和することにより小さくすることができる。
高地などでは同一のアクセル開度でもエンジントルクが減少するため、上記のような変速時の損失の割合が増大する。このため、変速中に車両の駆動力が低下し、ドライバビリティーが悪化することがある。
また、上記のように変速時にはイナーシャ損失が発生するため、ある程度のエンジントルクが出力される前に変速を行うと、イナーシャ損失の影響により、車両に駆動力が発生するまでに時間を要してしまう。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、高地など、同一のアクセル開度でもエンジントルクが減少する環境において、変速制御量を補正してドライバビリティーの悪化を防止することを課題とする。
本発明の1つの観点では、無段変速機の制御装置は、車両の運転状態に基づいて前記無段変速機の変速比を制御する変速比制御手段と、エンジントルクの立ち上がりに応じて、変速開始ディレーを決定する変速開始ディレー決定手段と、を備え、前記変速比制御手段は、前記変速開始ディレーに応じたタイミングで前記変速比を制御する。
上記の制御装置は、変速比制御手段と、変速開始ディレー決定手段とを備える。変速比制御手段は、例えばアクセル開度、車速などにより示される車両の運転状態に基づいて、無段変速機の変速比を制御する。変速開始ディレーとは、変速比制御手段が変速比を制御するタイミングを遅らせる時間、即ちディレー時間である。変速開始ディレー決定手段は、エンジントルクの立ち上がりに応じて、変速開始ディレーを決定する。例えば高地などでは、エンジントルクが小さくなるため、変速開始ディレーが大きく設定される。そして、変速比制御手段は、変速開始ディレーに応じたタイミングで変速比を制御する。
上記の無段変速機の制御装置の一態様では、前記変速開始ディレー決定手段は、エンジンの要求吸入空気量と、前記エンジンの実際の吸入空気量との比である空気量補正係数を求める空気量補正係数決定手段と、前記空気量補正係数に基づいて、変速開始ディレーを決定する変速開始ディレー決定手段と、を備える。これにより、高地などの気圧の相違により吸入空気量が変動し、エンジントルクが減少する際に、変速開始タイミングを適切に補正することができる。
上記の無段変速機の制御装置の好適な例では、前記変速開始ディレー決定手段は、前記エンジンの回転数と、アクセル開度とに基づいて、ベース変速開始ディレーを算出する手段と、前記空気量補正係数に基づいて、変速開始ディレー補正係数を決定する手段と、前記ベース変速開始ディレーと、前記ベース変速開始ディレー補正係数とに基づいて変速開始ディレーを算出する手段と、を備える。
上記の無段変速機の制御装置の他の好適な例では、前記変速開始ディレー補正係数は、前記空気量補正係数が1のときに1であり、前記空気量補正係数が増加するほど増加し、前記空気量補正係数が減少するほど減少する。これにより、エンジントルクの立ち上がりが緩やかな場合ほど、変速開始タイミングを遅らせることができ、駆動力発生の遅れを抑制することができる。
上記の無段変速機の制御装置の他の一態様は、前記空気量補正係数に基づいて、変速速度を決定する変速速度決定手段を備え、前記変速比制御手段は、前記変速速度で前記変速比を制御する。エンジントルクの立ち上がりが遅い場合には、変速速度を緩やかにすることにより、変速時のイナーシャ損失の割合を低下させ、駆動力を確保することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(車両の構成)
本発明を適用した車両の動力伝達系統の構成例を図1に示す。図1において、動力源1が変速機構2に連結され、その変速機構2の出力軸3がディファレンシャル4を介して左右の駆動輪5に連結されている。動力源1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関あるいはモータなどの電動機、さらにはこれら内燃機関と電動機とを組み合わせた装置など、車両に使用可能な種々の動力源を含む。以下の説明では、動力源1として、燃料をシリンダの内部に直接噴射し、その噴射量およびタイミングを制御することにより均質燃焼や成層燃焼の可能ないわゆる直噴ガソリンエンジン、あるいはスロットル開度を電気的に自由に制御できる電子スロットルバルブを備えたガソリンエンジンを採用した例を説明する。
本発明を適用した車両の動力伝達系統の構成例を図1に示す。図1において、動力源1が変速機構2に連結され、その変速機構2の出力軸3がディファレンシャル4を介して左右の駆動輪5に連結されている。動力源1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関あるいはモータなどの電動機、さらにはこれら内燃機関と電動機とを組み合わせた装置など、車両に使用可能な種々の動力源を含む。以下の説明では、動力源1として、燃料をシリンダの内部に直接噴射し、その噴射量およびタイミングを制御することにより均質燃焼や成層燃焼の可能ないわゆる直噴ガソリンエンジン、あるいはスロットル開度を電気的に自由に制御できる電子スロットルバルブを備えたガソリンエンジンを採用した例を説明する。
エンジン1は電気的に制御できるように構成されており、その制御のためのマイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(E−ECU)6が設けられている。この電子制御装置6は、少なくともエンジン1の出力を制御するように構成されており、その制御のためのデータとしてエンジン回転数NEと、アクセル開度PAなどの要求駆動量とが入力されている。
要求駆動量は、エンジン1の出力の増大・減少のための信号であり、運転者が操作するアクセルペダルなどの加減速操作装置7の操作量信号やその操作量を電気的に処理して得た信号を採用することができる。
変速機構2は、流体伝動機構8と、前後進切換機構9と、無段変速機(CVT)10とから構成されている。流体伝動機構8は、オイルなどの流体を介して入力側の部材と出力側の部材との間でトルクを伝達するように構成された装置であって、一例として、一般の車両に採用されているトルクコンバータを挙げることができる。流体伝動機構8は、図示しない直結クラッチを備えている。直結クラッチは、入力側の部材と出力側の部材とを摩擦板などの機械的手段で直接連結するように構成されたクラッチであって、緩衝をおこなうためのコイルスプリングなどの弾性体からなるダンパーを備えている。
流体伝動機構8の入力部材がエンジン1の出力部材に連結され、流体伝動機構8の出力部材が前後進切換機構9の入力部材に連結されている。前後進切換機構9は、一例としてダブルピニオン型遊星歯車機構によって構成され、特には図示しないが、サンギヤとキャリヤとのいずれか一方を入力要素とし、かつ他方を出力要素とするとともに、リングギヤを選択的に固定するブレーキ手段と、サンギヤおよびキャリヤならびにリンクギヤの3要素のうちのいずれか2つの回転要素を選択的に連結して遊星歯車機構の全体を一体化するクラッチ手段とを備えている。すなわち、そのクラッチ手段を係合させることに前進状態を設定し、またブレーキ手段を係合させることにより後進状態を設定する。
図1に示す無段変速機10は、その入力側の部材の回転数と出力側の部材の回転数との比率すなわち変速比を無段階に(連続的に)変化させることのできる機構であり、ベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機などを採用することができる。
ベルト式無段変速機10の一例を図2を参照して簡単に説明する。ベルト式無段変速機10は、駆動側プーリー(プライマリープーリー)20と、従動側プーリー(セカンダリープーリー)21と、プーリー20、21に巻き掛けられたベルト22とを備えている。プーリー20、21のそれぞれは、固定シーブ23、24と、その固定シーブ23、24に対して接近・離隔する可動シーブ25、26とからなり、可動シーブ25、26を固定シーブ23、24に対して接近する方向に押圧する油圧アクチュエータ27、28が設けられている。
上記の駆動側プーリー20が入力軸29に取り付けられ、その入力軸29と平行に配置された出力軸30に従動側プーリー21が取り付けられている。従動側プーリー21における油圧アクチュエータ28には、アクセル開度PAに代表される要求駆動量に応じた油圧が供給され、トルクを伝達するのに必要な張力をベルト22に付与するようになっている。駆動側プーリー20の油圧アクチュエータ27には、入力軸29の回転数を目標入力回転数に一致させるための変速比となるように、油圧が給排されている。すなわち、各プーリー20,21における溝幅(固定シーブ23,24と可動シーブ25,26との間隔)を変化させることにより、各プーリー20,21に対するベルト22の巻き掛け半径が大小に変化して変速が実行されるようになっている。
したがって、図2に示す無段変速機10では、駆動側プーリー20に対するベルト22の巻き掛け半径が最小でかつ従動側プーリー21に対するベルト22の巻き掛け半径が最大の状態で、最低速側の変速比(最大変速比)γmaxが設定され、これとは反対に駆動側プーリー20に対するベルト22の巻き掛け半径が最大でかつ従動側プーリー21に対するベルト22の巻き掛け半径が最小の状態で、最高速側の変速比(最小変速比)γminが設定される。
変速機構2における直結クラッチの係合・解放及び滑りを伴う半係合の各状態の制御、前後進切換機構9での前後進の切り換え、ならびに無段変速機10での変速比の制御は、基本的には、車速やアクセル開度などで表される車両の走行状態に基づいて制御される。その制御のためにマイクロコンピュータを主体として構成された電子制御装置(T−ECU)13が設けられている。
電子制御装置13は、前述したエンジン用の電子制御装置6とデータ通信可能に連結される一方、制御のためのデータとして車速SPD、変速機構2の出力回転数NO及び入力回転数NINなどのデータが入力されている。また、変速機構2を停止状態(パーキングポジション:P)、後進状態(リバースポジション:R)、中立状態(ニュートラルポジション:N)、車両の走行状態に応じて変速比を自動的に設定して通常の走行をおこなう自動前進状態(ドライブポジション:D)などの各状態(ポジション)を選択するレンジ切換装置14が設けられており、このレンジ切換装置14が電子制御装置13に電気的に連結されている。
上記の構成により、車両の運転状態に応じて無段変速機10の変速比が制御される。具体的には、アクセル開度などの要求駆動量と車速などの走行条件とに基づいて要求駆動力が演算され、その要求駆動力に基づいて要求出力が求められる。その要求出力を最適燃費の運転状態で発生させるための回転数が目標出力回転数(無段変速機10に対しては目標入力回転数)として求められ、実際の入力回転数がその目標入力回転数となるように無段変速機10の変速比が制御される。また、要求出力とエンジン回転数とに基づいて目標出力トルクが算出され、エンジン1のスロットル開度や燃料量がその目標出力トルクを出力するように制御される。
(補正係数Kshift)
上記のようにアクセル開度はエンジンの負荷状態を示すものとして無段変速機10の変速制御に用いられているが、近年では、エンジンの低燃費化や車両の運転状態に応じてエンジン出力を最適化するなどの目的で、可変バルブタイミング機構やアイドル回転数制御機構など、各種の吸入空気量可変機構がエンジンに設けられている。このためアクセル開度は必ずしもエンジンの負荷状態を忠実に表すものでは無くなってきている。また、平地と高地とでは気圧が異なるため、アクセル開度が同一でも実際の吸入空気量は相違し、それに応じてエンジンの負荷状態も変化する。このため、吸入空気量に基づいて変速制御の補正を行うための補正係数Kshiftが使用される。補正係数Kshiftは、以下の式で表される。
上記のようにアクセル開度はエンジンの負荷状態を示すものとして無段変速機10の変速制御に用いられているが、近年では、エンジンの低燃費化や車両の運転状態に応じてエンジン出力を最適化するなどの目的で、可変バルブタイミング機構やアイドル回転数制御機構など、各種の吸入空気量可変機構がエンジンに設けられている。このためアクセル開度は必ずしもエンジンの負荷状態を忠実に表すものでは無くなってきている。また、平地と高地とでは気圧が異なるため、アクセル開度が同一でも実際の吸入空気量は相違し、それに応じてエンジンの負荷状態も変化する。このため、吸入空気量に基づいて変速制御の補正を行うための補正係数Kshiftが使用される。補正係数Kshiftは、以下の式で表される。
Kshift=(要求吸入空気量QNTA)/(実際の吸入空気量Qm)
具体的には、エンジンの回転数及びアクセル開度に基づいて要求吸入空気量、即ち計算上の吸入空気量QNTAを求め、吸入空気量検出手段により実際の吸入空気量Qmを求める。そして、上記の式により、補正係数Kshiftを求める。なお、本明細書では、後述の変速速度補正係数及び変速開始ディレー補正係数と区別するため、補正係数Kshiftを「空気量補正係数」とも呼ぶ。高地などでは、気圧の関係で実際の吸入空気量Qmが要求吸入空気量QNTAに対して小さくなるため、補正係数Kshiftは大きくなる。
具体的には、エンジンの回転数及びアクセル開度に基づいて要求吸入空気量、即ち計算上の吸入空気量QNTAを求め、吸入空気量検出手段により実際の吸入空気量Qmを求める。そして、上記の式により、補正係数Kshiftを求める。なお、本明細書では、後述の変速速度補正係数及び変速開始ディレー補正係数と区別するため、補正係数Kshiftを「空気量補正係数」とも呼ぶ。高地などでは、気圧の関係で実際の吸入空気量Qmが要求吸入空気量QNTAに対して小さくなるため、補正係数Kshiftは大きくなる。
具体例としては、上記のように補正係数Kshiftを算出し、これをアクセル開度に乗算してアクセル開度を補正する。そして、補正後のアクセル開度と、車速などに基づいて変速比を決定し、変速制御が実行される。
(変速速度の制御)
既述のように、変速時(ダウンシフト時)には、無段変速機の構造上、イナーシャ損失が発生する。高地などにおいて補正係数Kshiftが大きくなるとエンジントルクが小さくなるため、変速時には、エンジントルクに対するイナーシャ損失の割合が大きくなる。その結果、変速中の駆動力が減少し、ドライバビリティーが悪化する。そこで、補正係数Kshiftに応じて変速速度を遅くしてイナーシャ損失の割合を減少させ、変速時の駆動力低下を防止する。なお、変速速度とは変速動作を行う速度をいい、変速速度が遅いとは変速動作をゆっくり行うことをいう。
既述のように、変速時(ダウンシフト時)には、無段変速機の構造上、イナーシャ損失が発生する。高地などにおいて補正係数Kshiftが大きくなるとエンジントルクが小さくなるため、変速時には、エンジントルクに対するイナーシャ損失の割合が大きくなる。その結果、変速中の駆動力が減少し、ドライバビリティーが悪化する。そこで、補正係数Kshiftに応じて変速速度を遅くしてイナーシャ損失の割合を減少させ、変速時の駆動力低下を防止する。なお、変速速度とは変速動作を行う速度をいい、変速速度が遅いとは変速動作をゆっくり行うことをいう。
具体的には、変速速度を補正するための変速速度補正係数Aを導入する。変速速度補正係数Aは、その値が小さいほど変速速度が遅く、その値が大きいほど変速速度が速くなる。図3(A)に変速速度補正係数Aと補正係数Kshiftとの関係を示す。補正係数Kshiftが1であるときに変速速度補正係数Aは1となる。補正係数Kshiftが増加するほど変速速度補正係数Aは減少し、補正係数Kshiftが減少するほど変速速度補正係数Aは増加する。例えば高地などでは補正係数Kshiftが大きくなるので、変速速度補正係数Aは小さい値となり、変速動作がゆっくりと行われる。
図3(B)は、補正係数Kshift=1(低地)の場合と、補正係数Kshift>1(高地)の場合の変速動作例を示す。図示のようにアクセル開度が同じタイミングで変化したとする。破線のグラフ61で示す高地の場合のエンジントルクは、実線のグラフ51で示す低地の場合のエンジントルクよりもゆっくりと上昇する。即ち、高地の場合は平地の場合と比較してエンジントルクの立ち上がりが遅い。そこで、高地では変速速度補正係数Aにより、変速速度、即ち入力回転数の変化速度を遅くする。変速速度補正係数Aが1の場合は実線のグラフ52となり、変速速度補正係数Aが1より小さいと、破線のグラフ62に示すように入力回転数の上昇率(グラフ62の傾き)が小さくなり、変速がゆっくり行われるようになる。こうすることにより、エンジントルクに対するイナーシャ損失の割合を低下させ、駆動力を確保することができ、ドライバビリティーの悪化を抑制できる。
図4は、変速速度の制御を伴う変速制御のフローチャートである。この処理は主として電子制御装置13により実行される。シフト装置16が操作されるなどして変速要求があると、電子制御装置13は、要求駆動量としての車速を読み込む(ステップS101)とともに、走行条件としてのアクセル開度を読み込む(ステップS102)。そして、電子制御装置13は車速とアクセル開度に基づいて要求駆動力を算出し、その要求駆動力に基づいて要求出力を算出し、その要求出力が得られる回転数である目標入力回転数を算出する(ステップS103)。なお、この際、必要に応じてアクセル開度は前述の補正係数Kshiftにより補正される。
一方で、電子制御装置13はエンジン1の実際の入力回転数を読み込み、実際の入力回転数が目標入力回転数となるように変速比を決定する(ステップS104)。
また、電子制御装置13は、アクセル開度、車速などに基づいて、ベース変速速度Xを決定する(ステップS105)。ベース変速速度Xは、補正前の変速速度のベース値である。次に、電子制御装置13は、補正係数Kshiftを読み込み(ステップS106)、図3(A)に例示するマップなどを参照して変速速度補正係数Aを算出し(ステップS107)、ベース変速速度Xに変速速度補正係数Aを乗算することにより、補正後の変速速度を決定する(ステップS108)。そして、電子制御装置13は、算出された変速比となるように、補正後の変速速度で変速制御を実行する(ステップS109)。これにより、図3(B)に例示するように、高地などで補正係数Kshiftが1より大きい場合には、変速速度がゆっくりとなるので、変速時のエンジントルクに対するイナーシャ損失の割合が相対的に減少し、駆動力を確保することができる。
(変速開始ディレーの制御)
上記の実施例では、変速時のイナーシャ損失の割合を低下させるために、補正係数Kshiftに応じて変速速度を補正している。その代わりに、補正係数Kshiftに応じて変速開始ディレーを補正することもできる。変速開始ディレーとは、変速機構2を動作させて変速を開始するタイミングのディレー時間である。
上記の実施例では、変速時のイナーシャ損失の割合を低下させるために、補正係数Kshiftに応じて変速速度を補正している。その代わりに、補正係数Kshiftに応じて変速開始ディレーを補正することもできる。変速開始ディレーとは、変速機構2を動作させて変速を開始するタイミングのディレー時間である。
既述のように、変速時にはイナーシャ損失が発生するため、エンジントルクがある程度のレベルに達する前に変速動作を開始すると、駆動力が発生するまでに時間を要してしまう。高地などで補正係数Kshiftが大きいほどエンジントルクの立ち上がりが緩やかになり、この現象は顕著となる。そこで、補正係数Kshiftが大きいほど、変速動作の開始時間を遅らせるように変速開始ディレーを補正する。これにより、エンジントルクがある程度のレベルまで立ち上がった後で変速を開始するので、イナーシャ損失の影響を小さくすることができ、迅速に駆動力を得ることができる。
図5(A)は、変速開始ディレー補正係数Bと補正係数Kshiftとの関係を示すグラフである。補正係数Kshiftが1であるとき変速開始ディレー補正係数Bは1となる。また、補正係数Kshiftが大きくなるほど変速開始ディレー補正係数は大きくなり、変速開始タイミングは遅くなる。
図5(B)は変速開始ディレーを制御した場合の変速制御例を示す。アクセル開度が増加するとそれに応じてエンジントルクが上昇する。但し、エンジントルクの立ち上がりは実線のグラフ51で示す平地の場合より、破線のグラフ61で示す高地の場合の方が緩やかとなる。平地の場合は変速動作を時刻t1で開始し、その後はグラフ52で示すように入力回転数が上昇する。これに対し、高地の場合は補正係数Kshift>1であるので、図5(A)に示すように変速開始ディレー補正係数B>1となり、変速開始タイミングが時刻t2までディレーDだけ遅延され、その後グラフ64で示すように入力回転数が上昇する。こうして、変速開始をディレーDだけ遅延させた分、エンジントルクが上昇した状態で変速を開始することができ、駆動力発生の遅れを抑制することができる。
図6に変速開始時間ディレーの算出処理のフローチャートを示す。なお、変速動作にともなう変速比の算出方法などは図4に示す処理と同様であるので、説明は省略する。
電子制御装置13は、エンジン回転数及びアクセル開度を読み込み(ステップS201、S202)、アクセル開度、エンジン回転数などに基づいてベース変速開始ディレーYを算出する(ステップS203)。ベース変速開始ディレーYとは、補正前の変速開始ディレーのベース値である。次に、電子制御装置13は、補正係数Kshiftを読み込み(ステップS204)、図5(A)に例示するマップなどを参照して変速開始ディレー補正係数Bを算出する(ステップS205)。そして、電子制御装置13は、ベース変速開始ディレーYに変速開始ディレー補正係数Bを乗算して補正後の変速開始ディレーDを算出する(ステップS206)。電子制御装置13は、こうして得られた補正後の変速開始ディレーDに基づいて、例えば図5(B)に示すように変速開始タイミングを遅延させる。
なお、上記の例では、変速速度の制御の代わりに変速開始ディレーを制御することとしているが、変速速度の制御と変速開始ディレーの制御の両方を実行してもよい。
1 動力源(エンジン)
2 変速機構
6 電子制御装置(E−ECU)
7 加減速操作装置
10 無段変速機
13 電子制御装置(T−ECU)
14 レンジ切換装置
2 変速機構
6 電子制御装置(E−ECU)
7 加減速操作装置
10 無段変速機
13 電子制御装置(T−ECU)
14 レンジ切換装置
Claims (5)
- 無段変速機の制御装置であって、
車両の運転状態に基づいて前記無段変速機の変速比を制御する変速比制御手段と、
エンジントルクの立ち上がりに応じて、変速開始ディレーを決定する変速開始ディレー決定手段と、を備え、
前記変速比制御手段は、前記変速開始ディレーに応じたタイミングで前記変速比を制御することを特徴とする無段変速機の制御装置。 - 前記変速開始ディレー決定手段は、
エンジンの要求吸入空気量と、前記エンジンの実際の吸入空気量との比である空気量補正係数を求める空気量補正係数決定手段と、
前記空気量補正係数に基づいて、変速開始ディレーを決定する変速開始ディレー決定手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の制御装置。 - 前記変速開始ディレー決定手段は、
前記エンジンの回転数と、アクセル開度とに基づいて、ベース変速開始ディレーを算出する手段と、
前記空気量補正係数に基づいて、変速開始ディレー補正係数を決定する手段と、
前記ベース変速開始ディレーと、前記ベース変速開始ディレー補正係数とに基づいて変速開始ディレーを算出する手段と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の無段変速機の制御装置。 - 前記変速開始ディレー補正係数は、前記空気量補正係数が1のときに1であり、前記空気量補正係数が増加するほど増加し、前記空気量補正係数が減少するほど減少することを特徴とする請求項3に記載の無段変速機の制御装置。
- 前記空気量補正係数に基づいて、変速速度を決定する変速速度決定手段を備え、
前記変速比制御手段は、前記変速速度で前記変速比を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無段変速機の制御装置。
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