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JP2008262022A - 電子写真装置用ブレード - Google Patents

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JP2008262022A
JP2008262022A JP2007104615A JP2007104615A JP2008262022A JP 2008262022 A JP2008262022 A JP 2008262022A JP 2007104615 A JP2007104615 A JP 2007104615A JP 2007104615 A JP2007104615 A JP 2007104615A JP 2008262022 A JP2008262022 A JP 2008262022A
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blade
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elastic body
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JP2007104615A
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English (en)
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Sadaji Nakamura
定治 中村
Takayuki Nagase
貴行 永瀬
Takashi Miki
隆司 三木
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】耐用期間をより長期化させ得る電子写真装置用ブレードの提供を課題としている。
【解決手段】少なくとも表面がフィラーを含有するポリウレタン弾性体で形成された弾性部材が備えられており、しかも、前記フィラーが前記ポリウレタン弾性体中に最大粒径100nm以下となる状態で分散されていることを特徴とする電子写真装置用ブレードを提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真装置用ブレードに関する。
従来、電子写真装置には、現像用ブレード、クリーニングブレードなどのブレードや、現像ローラ、中間転写ローラなどのローラ、さらには、これらのローラを駆動するための歯付ベルトなどのベルトといった部材が用いられている。
この電子写真装置用ブレードは、通常、板状の弾性部材が用いられており、この板状の弾性部材の表面を感光体やローラの外周面に当接させた状態で用いられている。
例えば、クリーニングブレードは、感光体に当接されて電子写真装置に配されており、電子写真装置の運転時には感光体表面に付着する不要なトナーなどを除去すべく前記板状の弾性部材を回転する感光体に摺接させて用いられている。
また、現像用ブレードは、現像ローラに当接されて電子写真装置に配されており、電子写真装置の運転時には、板状の弾性部材を回転する現像ローラに摺接させて用いられている。
これら電子写真装置用ブレードに用いられる板状の弾性部材には、それぞれ適した硬度を有することが求められており、ポリウレタン樹脂をベースとした樹脂組成物が用いられたりしている。
例えば、特許文献1には、特定のポリオールとイソシアネートを含むポリウレタン樹脂組成物ならびにこのポリウレタン樹脂組成物により形成されたポリウレタン弾性体をクリーニングブレードに用いることが記載されている。
また、電子写真装置用ブレードに用いられるポリウレタン弾性体は、無機物粒子あるいは有機物粒子などのフィラーが配合されたポリウレタン樹脂組成物で形成されたりもしており、例えば、特許文献2には、平均粒径100μm以下のフィラーを含むポリウレタン樹脂組成物でブレードの弾性部材を形成することが記載されている。
ところで、一般に弾性部材は、屈曲や伸長などの変形が繰り返して与えられるとクラックなどの亀裂を生じるおそれがあり、このような変形が与えられる用途における弾性部材には、耐用期間を長期化させるべく、引き裂き強さなどの機械的強度の向上が求められている。
しかし、例えば、フィラーなどの充填剤を弾性体中に分散させるなどして弾性部材の機械的強度を向上させようとすると、通常、同時に硬度も向上されてしまうこととなり、従来、所望の硬度を維持しつつ弾性部材の強度を向上させることが困難である。
このようなことから、電子写真装置用ブレードにおいては、耐用期間を従来よりも長期化させることが困難であるという問題を有している。
特開平9−212059号公報 特開2006−343411号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、耐用期間をより長期化させ得る電子写真装置用ブレードの提供を課題としている。
本発明者らは、ポリウレタン弾性体に所定の状態でフィラーを含有させることにより、硬度の上昇を抑制しつつ引裂強さなどの機械的強度を向上させ得ることを見出し本発明の完成にいたったのである。
本発明は、前記課題を解決すべく、少なくとも表面がフィラーを含有するポリウレタン弾性体で形成された弾性部材が備えられており、しかも、前記フィラーが前記ポリウレタン弾性体中に最大粒径100nm以下となる状態で分散されていることを特徴とする電子写真装置用ブレードを提供する。
なお、“フィラーが最大粒径100nm以下となる状態で分散されている”とは、この一次粒子の粒径が100nm以下のフィラーがポリウレタン弾性体中に一次粒子の状態で分散されているか、あるいは、このフィラーの一次粒子が複数個凝集して凝集粒子の状態でポリウレタン弾性体中に含まれている場合でもその大きさが100nm以下であり、このフィラーがポリウレタン弾性体中に100nmを超える状態では実質含有されていないことを意図している。
また、この“実質含有されていない”とは、このフィラーが一次粒子および凝集粒子の状態でポリウレタン弾性体中に分散されている内、100nmを超える一次粒子および凝集粒子が個数で0.5%未満の割合となっていることを意図している。
このフィラーがポリウレタン弾性体中に100nmを超える状態で含有されているかどうか、ならびに、その個数については、例えば、走査型オージェ電子分光装置を用いて、ポリウレタン弾性体の表面における無作為に選定した数箇所に対してこのフィラー特有の元素によるマッピングを実施することで確認することができる。
本発明の電子写真装置用ブレードは、表面がフィラーを含むポリウレタン弾性体で形成された弾性部材が備えられている。
しかも、前記ポリウレタン弾性体には、前記フィラーが最大粒径100nm以下となる分散状態で含有されている。
したがって、ポリウレタン弾性体の硬度の上昇を抑制しつつ引裂強さなどの機械的強度の向上を実施させ得る。
すなわち、このポリウレタン弾性体が用いられた電子写真装置用ブレードの耐用期間をより長期化させ得る。
まず、電子写真装置内の印刷機構について、図1を参照しつつ説明する。
図1は、電子写真装置の印刷機構を示す概略図であり、電子写真装置による印刷は、この印刷機構1を用いて、静電潜像の形成、現像、転写、定着の段階を経て行われるものである。
この図1中の10は、静電潜像の形成と、現像と、印刷媒体への転写が行われる感光体である。
該感光体10は、全体が円筒状に形成されており、この円筒形状の長さ方向端部に装着されるタイミングベルトを介して駆動装置により回転可能とされ、その外周面における中央領域は、画像の形成に用いられるべく平滑面とされている。
11は、この感光体10の表面に電荷を与えるための帯電ローラであり、12は、帯電ローラ11により帯電された感光体10の表面にレーザー光などを照射して、該レーザー光照射箇所の電荷を消失させることにより静電潜像を形成させるための露光機である。
20は、感光体10の電荷消失箇所にトナーTを付着させて静電潜像を顕像化(現像)させるための現像ローラであり、22は、この現像ローラ20と摺接されており、感光体10に供給するトナーTを現像ローラ20表面に担持させるための供給ローラであり、21は、供給ローラ22により現像ローラ20表面の表面に担持されたトナーTを薄層化且つ平準化させて感光体10側に供給すべく、現像ローラ20の表面に当接する板状の弾性部材21bと、該弾性部材21bを支持するための支持部材21aとを有する現像用ブレードである。
この現像ローラ20と供給ローラ22とは、共に電圧が印加されており、しかも、現像ローラ20と供給ローラ22の間を通過することによりトナーTを現像ローラ20側に吸着させ得るように電圧が印加されている。
また、現像用ブレード21には電圧は印加されてはいないが、現像用ブレード21と現像ローラ20との間を通過するトナーTに対して摩擦帯電させるべく前記弾性部材21bを現像ローラ20に当接させて電子写真装置内に設けられている。
30は、感光体10とともに印刷媒体Aを挟持し得るように電子写真装置に設けられている転写ローラであり、該転写ローラ30は、感光体10表面に現像された画像(トナー)を、印刷媒体A上に静電気力により転写させるべく設けられている。
40は、転写ローラ30により印刷媒体A上に転写されたトナーを加熱、加圧して印刷媒体A上に定着させるための定着装置であり、該定着装置40には、印刷媒体Aを挟持する2本の定着ローラ41a、41bが備えられている。
50は、転写ローラ30による感光体10表面から印刷媒体A上へのトナーTの転写後に感光体10表面にトナーTが残留する場合など、感光体10表面の付着物を除去して感光体10表面を清浄な状態とするためのクリーニングブレードであり、該クリーニングブレード50は、感光体10表面に当接する板状の弾性部材50bと、該弾性部材50bを支持するための支持部材50aとを有している。
60は、感光体10を駆動させるための駆動装置である。
61は、感光体10を一定速度で駆動させるためのタイミングベルトであり、該タイミングベルト61には、内周面に凹凸が形成されている歯付きベルトが用いられている。
62は、タイミングベルト61の内周面の凹凸に嵌合可能な外周面を有するタイミングプーリであり、63は、伝達歯車Gを介して前記タイミングプーリ62に駆動力を付与するための駆動モータである。
また、駆動モータ63には、駆動歯車63aが回転軸に固定された状態で備えられており、タイミングプーリ62には、従動歯車62aが回転軸に固定された状態で備えられている。
そして、前記伝達歯車Gは、駆動歯車63aならびに従動歯車62aと歯合された状態で駆動装置60に配置されている。
64a、64bは、タイミングベルト61の内周面の凹凸に嵌合可能な外周面を有し、しかも、感光体10端部の凹凸が形成された外周面にタイミングベルト61の外周面を部分的に巻き掛けた状態で支持し得るようにそれぞれ駆動装置60に配置された支持プーリである。
次いで、本発明の実施形態として、図2を参照しつつ、クリーニングブレード50を例に説明する。(この図2は、クリーニングブレード50の構造を模式的に示した断面図である。)
このクリーニングブレード50は、感光体10の平滑な中央領域に相当する長さを有し、この長さ方向を横断する断面形状が略矩形となるよう形成された板状の弾性部材50bと、該弾性部材50bを支持するための支持部材50aとを有し、該支持部材50aは、弾性部材50bと略同長の剛性を有する板材にて形成されている。
この弾性部材50bは、その表面の、特に、前記矩形断面の角部(以下「エッジ部」、または、単に「エッジ」ともいう)を感光体10に当接させて用いられる。
この感光体10に当接される表面側と、この表面側とは逆側の背面側とは異なる材料で形成されており、厚み方向に2層の積層構造が形成されている。
より詳しくは、この弾性部材50bの最表面側に配される層(以下「エッジ層501」ともいう)は、フィラーを含有するポリウレタン樹脂組成物で形成されており、前記エッジ層501の背面側の層(以下「ベース層502」ともいう)は、フィラーを含有しないポリウレタン樹脂組成物で形成されている。
この弾性部材50bのエッジ層501の形成に用いられるポリウレタン樹脂組成物は、例えば、熱硬化性のポリウレタン樹脂成分にフィラーを配合させてなるものを挙げることができ、未硬化時においては、常温〜70℃の温度で十分な流動性を示す液状であることが好ましい。
未硬化時においては、十分な流動性を示す液状であることが好ましいのは、金型などを用いて成形する場合などにおいて、良好なる作業性となり、しかも、エア抜け性が良好となることから、形成されるエッジ層501中に気泡などの欠陥を発生させるおそれを低減させ得るためである。
また、硬化後のポリウレタン樹脂組成物(以下「ポリウレタン弾性体」ともいう)において、23℃でのJIS A 硬さを、65〜72°程度とさせ得るものが好ましい。
硬化時に、このような硬さとさせ得ることが好ましいのは、エッジ層501がJIS A 硬さ65°未満に形成されると、感光体10に当接されるエッジ部のニップ幅が広くなりトナーの除去性能が低下してしまうおそれがあり、72°を超えると耐摩耗性を低下させるおそれを有するためである。
このような点において、硬化後に、JIS A 硬さが65〜70°のポリウレタン弾性体を形成させ得るものが好ましく、硬化後に、JIS A 硬さを65〜68°のポリウレタン弾性体を形成させ得るものがさらに好ましい。
なお、この“JIS A 硬さ”は、JIS K 7312に準じてスプリング式タイプA硬さ試験機を用いて測定することができる。
また、このエッジ層501の形成に用いられるポリウレタン樹脂組成物としては、硬化後に、反発弾性が37〜60%のポリウレタン弾性体を形成させ得るものが好ましい。
反発弾性をこのような範囲とさせ得るものが好ましいのは、エッジ層501が反発弾性37%未満に形成されると、低温低湿下におけるクリーニング性能が低下するおそれを有し、60%を超えると耐摩耗性を低下させるおそれがあるためである。
このような点において、硬化後に、反発弾性が37〜50%のポリウレタン弾性体を形成させ得るものが好ましく、硬化後に、反発弾性が37〜45%のポリウレタン弾性体を形成させ得るものがさらに好ましい。
なお、この“反発弾性率”は、JIS K 7312に準じて反発弾性試験機を用いて測定することができる。
また、このエッジ層501の形成に用いられるポリウレタン樹脂組成物としては、硬化後に、23℃における200%モジュラス値が4.7〜13.8MPaのポリウレタン弾性体を形成させ得るものが好ましい。
200%モジュラス値をこのような範囲とさせ得るものが好ましいのは、エッジ層501が200%モジュラス値4.7MPa未満に形成されるとクリーニング時におけるエッジの変形が大きくなり耐摩耗性が低下するおそれを有し、13.8MPaを超えると、クリーニング時にエッジ近傍に生じる応力を分散することが困難となり耐摩耗性が低下するおそれを有するためである。
このような点において、硬化後に、ポリウレタン弾性体の200%モジュラス値を8.0〜11.5MPaとさせ得るものが好ましく、硬化時に、ポリウレタン弾性体の200%モジュラス値を8.5〜10.5MPaとさせ得るものがさらに好ましい。
なお、この“200%モジュラス値”は、JIS K 6251に準じ、ダンベル型試験片(3号)を用いて測定することができる。
このような、エッジ層501の形成に用いられるポリウレタン樹脂組成物に含有される前記フィラーとしては、ポリウレタン弾性体中に、最大粒径が100nm以下となる状態で分散させ得るものであれば、有機系フィラー、無機系フィラーなど、特に制限されるものではない。
すなわち、通常、これらのフィラーとしては、一次粒子の最大粒径が、実質100nm以下のものが用いられる。
前記有機系フィラーとしては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末などを例示することができ、前記無機系フィラーとしては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ケイ素(以下「シリカ」ともいう)などの金属酸化物粒子、金属粒子、モンモリロナイトなどの鉱物粒子を例示できる。
なお、ポリウレタン弾性体の硬度を上昇させることを抑制しつつポリウレタン弾性体の機械的強度を向上させ得るとともに、ポリウレタン弾性体の摩擦係数を低減させる効果にも優れる点から、前記フィラーにはシリカ粒子が用いられることが好ましく、一次粒子が20〜30nmの粒径を有するシリカ粒子が用いられることが特に好ましい。
この100nm以下の粒径を有するフィラーの一次粒子の状態などについては、透過型電子顕微鏡(TEM)などによって直接観察することができる。
これらのフィラーは、その種類にもよるが、例えば、クリーニングブレード50のエッジ層501のポリウレタン弾性体に、シリカ粒子が用いられる場合には、エッジ層501中における含有量が0体積%を超え6体積%以下とされることが好ましい。
このポリウレタン弾性体中におけるフィラーの含有量は、通常、ポリウレタン樹脂組成物の配合の調整により実施することができる。
前記熱硬化性のポリウレタン樹脂成分は、特に限定されるものではなく、ポリオール、ポリイソシアネート及び必要に応じて架橋剤を含有させることができる。
前記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなどを挙げることができる。
なかでも、感光体10表面の残留トナーなどのすり抜けを防止するとともに優れた耐摩耗性を有する点において、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールが好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオールは、数平均分子量が1000〜3000であることが好ましい。
前記範囲内のポリオールを用いることにより、感光体10表面の残留トナーのすり抜けなどを効果的に防止することができる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸とグリコールとを常法に従って反応させることにより得ることができるものを挙げることができる。
前記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、それらのエステル形成性誘導体などを挙げることができる。
前記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、p−キシレンジオールなどの芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールなどを挙げることができる。
これらによるポリエステルポリオールは、線状構造であるが、3価以上のエステル形成成分を用いて分枝状ポリエステルであってもよい。
なかでも、感光体10表面の残留トナーのすり抜けなどをより確実に防止し得る点から、前記ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン酸がさらに好ましい。
前記グリコールとしては、脂肪族グリコールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンが更に好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、それらの共重合体などのポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。
なかでも、感光体10表面の残留トナーのすり抜けなどを防止することができる点から、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、触媒の存在下に低分子量グリコールを開始剤としてε−カプロラクトンを開環付加させることにより得ることができるものを挙げることができる。
前記低分子量グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価のアルコールとトリメチレングリコール、グリセリン等の3価のアルコールが好ましく用いられる。
前記触媒としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラエチルチタネートなどの有機チタン系化合物、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、塩化第1スズ、臭化第1スズなどのスズ系化合物などが好ましく用いられる。
なお、前記ε−カプロラクトン以外にもトリメチルカプロラクトンやバレロラクトンのような他の環状ラクトンを一部混合してもかまわない。
前記ポリイソシアネートとしては特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネートなどを挙げることができる。
なかでも、感光体10表面の残留トナーのすり抜けなどを防止することができる点から、芳香族イソシアネートが好ましい。
前記脂肪族イソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体の変性体などを挙げることができる。
前記脂環族イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)などの脂環族ジイソシアネートなどを挙げることができる。
前記芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、カルボジイミド変性のMDI、ウレタン 変性のMDIなどを挙げることができる。
前記ポリイソシアネートのなかでも、感光体10表面の残留トナーのすり抜けなどを防止することができる点から、MDI、ウレタン 変性のMDIが好ましく、MDIが特に好ましい。
前記ポリウレタン樹脂組成物において、用いられる架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、水などを挙げることができる。
なかでも、感光体10表面の残留トナーなどのすり抜けをより確実に防止し得る点から、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリンが好ましく、特にエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンが好ましい。
前記エッジ層501のポリウレタン弾性体は、このような原料を使用して公知の方法で製造することができ、例えば、適当な有機溶剤中で必要に応じて触媒を使用し、各原料の当量比をNCO/OH=1.02〜1.18に調整して反応させることや、無溶剤で溶融反応させることなどにより形成することができる。
また、全原料を同時に反応させるワンショト法、プレポリマー法などにより形成することができる。
このプレポリマー法を用いる場合には、例えば、脱水処理を行ったポリオールとイソシアネートとを混合し、温度50〜80℃で10〜600分間反応させて得られるプレポリマーに、架橋剤などを加えて金型に注型するなどして硬化させる方法を採用することができ、ワンショット法を用いる場合には、例えば、脱水処理を行ったポリオールと架橋剤とを計量し、さらにそこにポリイソシアネートを加えて計量して混合して金型に注型するなどして硬化させる方法を採用することができる。
前記弾性部材50bのベース層502の形成に用いるポリウレタン樹脂組成物には、フィラーを含有させない点を除き、前記ポリオールや前記ポリイソシアネートなどエッジ層501の形成に用いた原料と同様の原料を用いることができる。
ただし、ベース層502の形成に用いるポリウレタン樹脂組成物は、硬化後に、23℃でのJIS A 硬さが65〜80°程度のポリウレタン弾性体を形成させ得るものが好ましい。
硬化後に、このような硬さとさせ得ることが好ましいのは、ベース層502がJIS A 硬さ65°未満に形成されると、クリーニング時において弾性部材50bのエッジが巻き込まれやすくなり、座屈を発生させやすくなるおそれがあるためである。
また、80°を超えると、エッジにかかる応力の抑制効果が低減してしまうおそれを有する。
このような点において、ベース層502の形成に用いられるポリウレタン樹脂組成物としては、硬化後に、JIS A 硬さが65〜68°のポリウレタン弾性体を形成させ得るものが好ましい。
また、このベース層502の形成に用いられるポリウレタン樹脂組成物としては、硬化後に、反発弾性が5〜30%のポリウレタン弾性体を形成させ得るものが好ましい。
反発弾性をこのような範囲とさせ得るものが好ましいのは、ベース層502が反発弾性5%未満に形成されると、低温低湿下におけるクリーニング性能を阻害するおそれを有し、30%を超えるとダンパー効果を低下させるおそれがあるためである。
このような点において、硬化後に、反発弾性が8〜26%のポリウレタン弾性体を形成させ得るポリウレタン樹脂組成物が好ましく、硬化後に、反発弾性が10〜20%のポリウレタン弾性体を形成させ得るものがさらに好ましい。
また、このベース層502の形成に用いられるポリウレタン樹脂組成物としては、硬化後に、23℃における200%モジュラス値が3.5〜12MPaのポリウレタン弾性体を形成させ得るものが好ましい。
200%モジュラス値をこのような範囲とさせ得るものが好ましいのは、ベース層502が200%モジュラス値3.5MPa未満に形成されるとクリーニング時における座屈が生じるおそれを有し、12MPaを超えると、ダンパー効果を低下させるおそれを有するためである。
このような点において、ベース層502の形成に用いられるポリウレタン樹脂組成物としては、硬化後に、200%モジュラス値が4.0〜10.0MPaのポリウレタン弾性体を形成させ得るものが好ましく、硬化後に、200%モジュラス値が4.0〜8.0MPaのポリウレタン弾性体を形成させ得るものがさらに好ましい。
このクリーニングブレード50におけるエッジ層501とベース層502のそれぞれの厚みについては、エッジ層501の厚みをE(mm)、ベース層502の厚みをB(mm)としたときに、0.05≦{E/(E+B)}≦0.75の関係を満たすように形成されていることが好ましく、0.25≦{E/(E+B)}≦0.75の関係を満たすように形成されていることがさらに好ましい。
また、エッジ層501の厚み(E)については、50μmを超えるものであることが好ましく、0.2〜2.0mmであることがより好ましい。
エッジ層501の厚みをこのような範囲とすることにより、クリーニング性能と耐摩耗性とを両立させることができ、クリーニングブレードの耐用期間を長期化させ得る。
前記支持部材50aは、弾性部材50bを支持することのできる剛性を有する金属板や合成樹脂板、セラミックス板などを用いることができる。
前記支持部材50aと前記弾性部材50bとを接着させる接着剤層51には、接着する弾性部材50bや支持部材50aの材質にもよるが、通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系のホットメルト接着剤や、硬化型接着剤などを用いることができる。
次いで、このようなクリーニングブレード50を作製する方法について遠心成形機を用いた遠心成形法で弾性体を作製する場合を例に説明する。
この遠心成形法とは、高速で回転する加熱した円筒形状の成形金型の内面に、熱硬化性の材料を流し込んで硬化させることにより、厚みが比較的均一な円筒体を形成させるものであり、この円筒体から平面状の部材を切り出すことにより、厚み精度に優れた部材を容易に形成することができる。
図3(a)は、遠心成形機の一例を説明するための説明図であり、遠心成形機の側面ならびに部分的に内部の様子を示している。
(b)は、(a)図におけるX−X’線断面図である。
この図3に示すように、前記遠心成形機100は、一旦側が閉塞端111、他端側が開放端112とされた有底円筒形状を有し、該有底円筒が横置きされた状態で遠心成形機100に配置されている金型110と、該金型110を加熱するためヒータ120と、金型110を前記円筒形状の中心軸周りに回転させるためのモータ130とが備えられている。
また、この遠心成形機100においては、金型110とヒータ120とが、開閉扉140を備えた全体略方形の断熱室150内に収容されている。
該断熱室150には、前記金型110を収容するのに十分な大きさの直方形の内部空間が形成されており、前記金型110は、その開放端112を開閉扉140側に向けて断熱室150内に収容されている。
前記ヒータ120は、金型110を全方面から取り囲むべく配置されており、断熱室150の内壁六面全てに固定された状態で備えられている。
前記断熱室150には、開閉扉140の反対側の壁面に貫通孔が設けられており、金型110は、この貫通孔を通じて断熱室150外から断熱室150内に延在するシャフト160により閉塞端111側で軸支されている。
このシャフト160は、金型110の中心軸と同軸上に配されており、メカニカルシールが用いられて貫通孔に対して回転自在に固定されている。
また、このシャフト160には、断熱室150外においてプーリ161が装着されており、モータ130の回転軸131に装着されたプーリ132の回転にともなって回転されるべく、シャフト160のプーリ161とモータ130のプーリ132との間には伝動ベルト170が張架されている。
すなわち、この図3に例示の遠心成形機は、断熱室150の開閉扉140を開けて、金型110の開放端112側から金型110内に材料を流入させ得ると共に、前記ヒータ120で金型110(流入させた材料)を外部側から加熱しつつモータ130を駆動させることにより、金型110を中心軸周りに回転させ得るように形成されている。
次いで、このような遠心成形機100を用いてクリーニングブレード50の板状の弾性部材50bを作製する方法を説明する。
まず、弾性部材50bのエッジ層501、ベース層502を形成するための未硬化のポリウレタン樹脂組成物を調整する。
このとき、未硬化のポリウレタン樹脂組成物を遠心成形法に好適に供し得るように、溶剤などを用いて未硬化のポリウレタン樹脂組成物を適度な粘度の液体(以下「ポリウレタン樹脂溶液」ともいう)となるように調整する。
なお、エッジ層501の形成に用いるポリウレタン樹脂溶液には、フィラーを分散させることとなるが、このポリウレタン樹脂溶液に対するフィラーの分散は、予めポリウレタン樹脂溶液に用いるポリオールなどに対して実施しておくことが好ましい。
すなわち、ポリオールとフィラーとを予め混合攪拌して、フィラーをポリオール中に分散させた分散液を作製した後に、この分散液にポリイソシアネートや架橋剤などの成分を混合する方法を採用することが好ましい。
このとき、後からポリイソシアネートや架橋剤などの成分が加えられて分散液が希釈されることから、この分散液には、最終的に形成されるエッジ層501におけるフィラーの濃度よりも、通常、高濃度にフィラーを含有させる。
このポリオールへのフィラーの分散においては、一般的な混合攪拌手段を採用して実施することができる。
なかでも、分散液全体においてせん断を与えることができ、最終的に得られるポリウレタン樹脂溶液中にフィラーの凝集が生じることをより確実に防止し得る点においてビーズミルなどの攪拌手段を用いて実施することが好ましい。
このとき、ポリオールにフィラーを分散させた分散液を適宜採取してポリオール中におけるフィラーの分散状況が最大粒径100nm以下となっているかどうかを確認しつつポリオールとフィラーとの混合攪拌を実施することも可能である。
また、このポリオールにフィラーを分散させた分散液に対して、ポリイソシアネートや架橋剤などの成分を混合する方法については、一般的な混合攪拌手段を採用して実施することができる。
このポリオールにフィラーを分散させた分散液に対してポリイソシアネートや架橋剤などの成分を混合する方法と同じく、ベース層502の形成に用いるポリウレタン樹脂溶液も、ポリオール、ポリイソシアネート、架橋剤などを一般的な混合攪拌手段を採用して混合攪拌することにより作製することができる。
次いで、このエッジ層用ポリウレタン樹脂溶液と、ベース層用ポリウレタン樹脂溶液とを用いて遠心成形法によりエッジ層501とベース層502との2層構造が形成された弾性部材50bを作製する。
なお、遠心成形法による成形品は、成形の際に内側となっていた面(以下「空気側面」ともいう)は、鏡面状の平滑面を得られやすいのに対し、金型110と接触する側(以下「金型接触面」ともいう)の表面の精度は金型110の内周面の粗度に影響される。
このため、通常、この遠心成形法によりクリーニングブレード50の弾性部材50bを作製したりする場合には、この「空気側面」が感光体10に当接される表面側として用いられる。
しかし、ポリウレタン樹脂溶液を金型110内に流入させる際に、ホコリなどの異物が混入したり、ポリウレタン樹脂溶液中に気泡が発生していたりすると遠心成形を実施する際に、これら異物や気泡が「空気側面」に移動して表面近傍で硬化してしまうおそれがある。
この表面近傍で異物や気泡が内在するとその部分が周囲と異なる弾性挙動を示すことなりクリーニングブレード50としての機能を果たさない不良品となるおそれがある。
また、遠心成形法による成形品の厚みの精度(遠心成形法により形成される円筒体に見られる最大厚みと最小厚みとの差)は、金型110の振れ精度(金型110を回転軸周りに一回転させた場合に観察される回転軸から金型内周面までの距離の最大値と最小値との差)に左右される。
したがって、場合によっては、遠心成形法により形成された円筒体からクリーニングブレード50に用いる弾性部材50bを切り出す際の歩留まりを低下させるおそれを有する。
このようなことに対して、以下に説明するような、遠心成形法を実施することにより、エッジ層501の表面平滑性に優れ、しかも、歩留まり良くクリーニングブレード用の弾性部材50bを作製し得る。
まず、エッジ層用ポリウレタン樹脂溶液やベース層用ポリウレタン樹脂溶液を金型110に流入させる前に、液状シリコーンゴムを遠心成形機の金型110に流入させて、この金型110を回転しつつ液状シリコーンゴムの硬化を実施することによりシリコーンゴム円筒体(以下「シリコーンゴム層500」ともいう)を金型110内周面上に形成させる。
次いで、このシリコーンゴムを金型110内周面から取り除くことなく、エッジ層用ポリウレタン樹脂溶液を金型110内に流入させて金型110を回転しつつエッジ層用ポリウレタン樹脂溶液を硬化させてシリコーンゴムの内周面側にエッジ層を501形成させる。
さらに、このエッジ層501を取り除くことなく、ベース層用ポリウレタン樹脂溶液を金型110内に流入させて金型110を回転しつつベース層用ポリウレタン樹脂溶液を硬化させベース層502を形成させる(図4(図3のB部の部分拡大断面図)参照)。
このことにより、図4に示すように、金型110内周面側(外側)からシリコーンゴム層500/エッジ層501/ベース層502の3層構造を形成させる。
このシリコーンゴム層500は、エッジ層501表面から容易に剥離可能であり、前記3層構造を形成後、外周側にエッジ層501、内周側にベース層502が形成された筒状体を得ることができ、該筒状体から板状に切り出してクリーニングブレード50に用いる弾性部材50bを作製することができる。
この遠心成形法に用いるシリコーンゴム層500の形成には、付加硬化型シリコーンゴム組成物から得られるものが好ましく、この付加硬化型シリコーンゴム組成物としては、ケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合する水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジエンポリシロキサン、及び、白金系触媒を含むものが好ましい。
この場合、高い振れ精度を有するシリコーンゴムの成形体が形成され、良好なる厚み精度を有する弾性部材50bを作製できる。
また、弾性部材50bのエッジ層501における表面不良を改善することができる。
さらに、得られたクリーニングブレード50における耐摩耗性とクリーニング性能と両立させ得る。
また、有機溶剤が添加されていない組成物を使用した場合、作業者の健康を害することなく、作業環境の衛生を良好に保つことができる。
このケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、付加硬化型シリコーンゴム組成物のベースポリマーとなる成分であり、平均組成式(1):R1 a2 bSiO[4-(a+b)]/2で表される化合物であることが好ましい。
この式(1)においては、R1は、炭素数2〜10で表される1価の脂肪族不飽和炭化水素基を表す。好ましくは、炭素数2〜6である。
1の具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロピル基、ブテニル基、イソブテニル基などのアルケニル基が好ましく、ビニル基がより好ましい。
2は、炭素数が1〜12の置換または非置換の1価の炭化水素基を表す。好ましくは、炭素数1〜8である。ただし、R2には、前記脂肪族不飽和炭化水素基は除かれる。
2の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリル基;ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基;これらの基の水素原子の一部または全部がフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子やシアノ基で置換されているもの(クロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基など)を挙げることができる。
なかでも、メチル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
2は、92モル%以上がメチル基であることが好ましく、実質的に全てメチル基でもよい。
また、耐溶剤性が求められるときは、3,3,3−トリフルオロプロピル基など、要求特性に応じて適宜他の基を併用することができる。
前記式(1)におけるa、bは、それぞれ0<a≦1、1<b<3、1<(a+b)<3の関係を満足する数を表し、好ましくは、0.0001≦a≦0.5、1.8≦b≦2.2、1.8≦(a+b)≦2.25の関係を満足する数である。
前記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンは、その1分子中に前記脂肪族不飽和炭化水素基の2個以上がケイ素原子と結合している。
前記脂肪族不飽和炭化水素基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していてもよく、また分子鎖中のケイ素原子のいずれかに結合していてもよく、さらには両方に結合していてもよい。
なかでも、前記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンは、前記脂肪族不飽和炭化水素基(好ましくはアルケニル基、より好ましくはビニル基)が分子鎖両末端のケイ素原子に結合しているものが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンは、その骨格が直鎖状、分岐上または環状のいずれであってもよいが、主鎖部分がジオルガノシロキサン単位を繰り返し単位として有し、分子鎖末端がトリオルガノシロキサン単位を有しているものが好ましい。
前記トリオルガノシロキサン単位(置換または非置換の1価の炭化水素基のみがケイ素原子に結合したトリオルガノシロキサン単位)としては、トリメチルシロキサン単位、ジメチルフェニルシロキサン単位、メチルジフェニルシロキサン単位などのビニル基を含まないもの;ジメチルビニルシロキサン単位、メチルフェニルビニルシロキサン単位などのビニル基を含むものを挙げることができ、なかでも、ビニル基を含むものが好ましい。
前記オルガノポリシロキサンの重合度(分子中のSi原子の数)は、10〜20000であることが好ましく、100〜15000であることがより好ましい。10未満であると、十分な機械的強度(強度、伸び、硬さなど)を有する硬化物が得られないおそれがある。
15000を超えると、得られるシリコーンゴム組成物の流動性が悪化するおそれがある。
前記ケイ素原子に結合する水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジエンポリシロキサンは、ケイ素原子に結合する水素原子が前記オルガノポリシロキサンの脂肪族不飽和炭化水素基と付加反応(ヒドロシリル化)することにより、オルガノポリシロキサンの架橋剤として機能するものである。
前記オルガノハイドロジエンポリシロキサンとしては、平均組成式(2):R3 cdSiO[4-(c+d)]/2]で表される化合物であることが好ましい。
3は、前記R2と同一の基を表す。
なかでも、炭素数が1〜4の置換または非置換の1価の炭化水素基が好ましい。
合成のしやすさ、コストの面からアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記式(2)中のc、dは、それぞれ、0.8≦c≦2.2、0.002≦d≦1、0.8<(c+d)<3の関係を満足する数を表し、好ましくは1≦c≦2.2、0.01≦d≦1、1.8≦(c+d)≦2.5の関係を満足する数である。
前記式(2)で表されるオルガノハイドロジエンポリシロキサンは、その骨格が直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、ジオルガノハイドロジエンシロキサン単位とSiO2単位を含有し、適宜にトリオルガノシロキサン単位やジオルガノシロキサン単位を含有している三次元網状構造の樹脂状物であってもよい。
前記オルガノハイドロジエンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上の水素原子がケイ素原子と結合してSiH基が形成された化合物である。
この場合、H原子は、分子鎖末端のSi原子に結合していてもよく、分子鎖中のSi原子のいずれかに結合していてもよく、さらには両方に結合していてもよい。
また、前記オルガノハイドロジエンポリシロキサンの重合度(分子中のSi原子の数)は、3〜400であることが好ましく、4〜300であることが特に好ましい。
前記オルガノハイドロジエンポリシロキサンの具体例としては、例えば、メチルハイドロジエンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジエンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジエンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジエンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジエンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジエンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジエンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジエンシロキシ基封鎖メチルハイドロジエンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653HSiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
前記付加硬化型シリコーンゴム組成物において、前記オルガノポリシロキサンと前記オルガノハイドロジエンポリシロキサンの配合割合は、オルガノポリシロキサン中の脂肪族不飽和炭化水素基とオルガノハイドロジエンポリシロキサン中の水素原子とがモル比で1:10〜10:1であることが好ましく、1:3〜3:1の配合割合であることがより好ましい。
前記白金系触媒は、前記オルガノポリシロキサンと前記オルガノハイドロジエンポリシロキサンとの付加反応を開始させる機能を有する成分であり、例えば、白金、塩化第一白金、塩化白金酸、これらのビニルシロキサン錯体やそのアルコール変性溶液などの白金族金属化合物;ロジウム系化合物やパラジウム系化合物を挙げることができる。
この白金系触媒の配合量は、前記オルガノポリシロキサンに対して0.1〜1000ppmであることが好ましく、1〜500ppmであることがより好ましい。
前記付加硬化型シリコーンゴム組成物は、補強用シリカを含むものであってもよい。
これは、強度特性を高めるために配合される充填剤であり、例えば、フュームドシリカ、沈降法シリカ、溶融シリカなどを挙げることができる。
粒径は20μm以下であることが好ましい。
また、この補強用シリカは、オルガノシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザンなどで予め表面処理されたものであってもよく、また、またこの処理剤とインプロセスで反応させたものであってもよい。
この補強用シリカの含有量は、前記オルガノポリシロキサン100重量部に対して5〜200質量部であることが好ましい。
前記付加硬化型シリコーンゴム組成物は、また、アセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、スズ化合物、水銀化合物、イオウ化合物など公知の反応制御剤を含むものであってものよい。
前記付加硬化型シリコーンゴム組成物の市販品としては、例えば、商品名「TSE3032」(GE東芝シリコーン社製)、商品名「KE103」(信越ポリマー社製)などを挙げることができる。
このような付加硬化型シリコーンゴム組成物を用いての遠心成形法の一例を挙げると、例えば、前記付加硬化型シリコーンゴム組成物などのシリコーンゴム成形体の構成材料を30〜50℃に予熱した遠心成形機100の金型110内に注入し、120〜180分間硬化させることによりシリコーンゴム層500(以下「シリコーンゴム成形体」ともいう)を形成させることができる。
このとき形成するシリコーンゴム層500の厚みは、0.5〜3.0mmであることが好ましい。
0.5mm未満であると、シリコーンゴム層500の厚みが薄すぎるために強度がなく、金型110より剥離させる際に、全てをきれいに剥離させることができなくなるおそれがあり、3mmを超えると、金型110の熱を有効に伝達させることができずに、形成される弾性部材50bの特性に悪影響を与えるおそれがある。
このシリコーンゴム成形体(シリコーンゴム層500)上にエッジ層501を形成させるには、遠心成形機を130〜150℃に予熱してエッジ層用ポリウレタン樹脂溶液を注入して、5〜10分間硬化させる。
続いて、ベース層形成用のポリウレタン樹脂溶液を注入して、25〜50分間硬化させる。
このベース層502の形成後には、ここで形成された、外周側にエッジ層501、内周側にベース層502が形成された筒状体を、前記シリコーンゴム成形体から剥離して遠心成形機100から取り出して所定の大きさに切断してクリーニングブレード50用の弾性部材50bを作製することができる。
この弾性部材50bを、接着剤層51を介して支持部材50aに接着させる方法は、特に限定されず、一般的に電子写真装置用のブレードを製造する際に用いられている方法を採用することができる。
このように作製されるクリーニングブレード50は、エッジ層501の形成に、フィラーが粒径100nm以下となる状態で分散されているポリオールがもちいられている。
しかも、エッジ層用のポリウレタン樹脂組成物を作製する際には、さらにポリイソシアネートなどの成分で希釈されることから、このポリウレタン樹脂組成物中のフィラーの分散状態も最大粒径100nm以下となる。
したがって、クリーニングブレード50のエッジ層501におけるフィラーの分散状態も最大粒径100nm以下となる。
ただし、例えば、表面処理などの施されていないフィラーなどを用いる場合には、硬化反応時などに凝集してしまうおそれがある。
このことから、硬化後のポリウレタン弾性体におけるフィラーの分散状態をより確実に最大粒径100nm以下とさせ得る点においてフィラーに表面処理を施しておくことが好ましい。
なお、このエッジ層501おけるフィラーの一次粒子および凝集粒子の粒径については、例えば、走査型オージェ電子分光装置を用いて、エッジ層501の表面に対してフィラー特有の元素によるマッピングを実施して確認することができる。
また、さらに細かな分散状態については、例えば、株式会社リガク製の試料水平型X線回折装置(商品名「RINT−TTR III」)を用いて、CuKα線、管球電圧50kV、電流300mAの条件で、エッジ層の表面に対するX線回折分析を行うなどして確認することができる。
このとき、2θが0.08〜1.2°の間を0.001°ステップ測定するなど、小角でのX線回折を行うなどしてエッジ層における粒径100nm以下の粒子(一次粒子や凝集粒子)の分散状態を確認することができる。
このエッジ層501のフィラーの分散状態を最大粒径100nm以下とすることで、エッジ層501の硬さが高い値となることを抑制しつつエッジ層501の引裂強さなどの機械的特性を向上させ得る。
しかも、フィラーとして、一次粒子が20〜30nmの粒径を有するシリカ粒子が用いられることによりこれらの効果をより顕著に発揮させ得るのみならず、エッジ層501の摩擦係数を低減させ得る。
したがって、使用中などにおける亀裂や摩耗の発生が抑制されてクリーニングブレード50の耐用期間を長期化させ得る。
さらに、本実施形態において説明したクリーニングブレード50の弾性部材50bは、遠心成形法により作製されており、しかも、金型110内にエッジ層用ポリウレタン樹脂溶液を流入させる前に、シリコーンゴム層500を形成させて作製されている。
このエッジ層用ポリウレタン樹脂溶液を流入させる前に、シリコーンゴム層500を形成させることにより、金型110を回転軸周りに一回転させた場合に観察される回転軸からシリコーンゴム層の空気側面までの距離の最大値と最小値との差を金型110の振れ精度に対して十分小さなものとすることができ、クリーニングブレード用の弾性部材50bの厚みの精度を十分向上させ得る。
すなわち、本実施形態において説明したクリーニングブレード50は、弾性部材50bの寸法精度が優れており、歩留まりを向上させ得ることから、生産性に優れるという効果を奏する。
また、シリコーンゴム層500の空気側面は、平滑性に優れた状態に形成されることから、このシリコーンゴム層500の空気側面に接した状態で遠心成形されるエッジ層501の表面を平滑性に優れたものとさせ得る。
しかも、このエッジ層501の形成に際して、エッジ層形成用ポリウレタン樹脂溶液にホコリなどの異物や気泡などが含有されていたとしても、これらは、エッジ層501の空気層側、すなわち、ベース層502との境界側に移動することになり、エッジ層501の表面に与える影響を抑制せ得る。
すなわち、本実施形態において説明したクリーニングブレード50は、クリーニング性能に優れるという効果をも奏する。
なお、本実施形態においては、フィラーの使用量を削減でき、ブレードを低コストで生産し得る点において、フィラーを含むポリウレタン弾性体をエッジ層にのみ用いて、フィラーが含有されていないポリウレタン弾性体によりベース層が形成された弾性部材を用いる場合を例に電子写真装置用ブレードを説明したが、本発明においては、電子写真装置用ブレードを、フィラーが含有されていないポリウレタン弾性体によりベース層が形成された弾性部材を備えているものに限定するものではない。
また、本実施形態においては、弾性部材として、主として表面(エッジ部)に求められる物性と弾性部材全体に求められる物性とを容易に両立させ得る点においてエッジ層とベース層との積層構造を有する場合を例に説明したが、本発明においては、弾性部材をこのような2層の積層構造を有するものに限定するものではなく、単層、あるいは、3層以上の積層構造を有する場合も本発明の意図する範囲である。
また、本実施形態においては、このような多層の弾性部材を優れた品質で歩留まりよく製造させ得る点において遠心成形法で製造する場合を例に説明したが、本発明においては電子写真装置用ブレードを、製造時に遠心成形法が用いられるものに限定するものではない。
また、本実施形態においては、耐摩耗性や耐引裂性などが特に強く要望されており、本発明の効果をより顕著に発揮させ得る点において、クリーニングブレードの弾性部材に発明の電子写真装置用部材をクリーニングブレードに限定するものではなく、例えば、現像用ブレードなどの他のブレード類などにおいても本実施形態において例示したクリーニングブレードと同様の効果を期待し得る。
さらに、本実施形態で例示したような電子写真装置以外の電子写真装置にも、本発明の電子写真装置用ブレードを適用可能である。
例えば、液体トナーが用いられる液体現像電子写真装置にも本発明の電子写真装置用ブレードを適用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜5)
(ポリウレタン樹脂溶液の調整)
表1に示す配合によりポリウレタン樹脂溶液を調整した。
なお、ポリウレタン樹脂溶液の調整に際しては、まず、予め一次粒子の粒径が20〜30nmで表面処理が施されているシリカ粒子をポリオール中に最大粒径100nm以下の分散状態(凝集粒子などが形成されていたとしても、その粒径が100nm以下である状態)で分散させてシリカ含有ポリオール(シリカ粒子含有量:25質量%)を作製し、このシリカ含有ポリオールをシリカが含有されていないポリオールで適度に希釈して、作製されるポリウレタン樹脂溶液中におけるシリカ粒子の含有量が表1に示す通りとなり、しかも、プレポリマーとポリオールとの比率が重量で(プレポリマー:ポリオール)≒(100:91)となるように調整した。
このシリカ含有ポリオールとポリオールとの混合は、高速攪拌機を用いて実施し攪拌した後には脱泡を実施した。
次いで、このポリオールとシリカ含有ポリオールとの混合物にプレポリマーと架橋剤とを添加して再び攪拌した後に脱泡処理を実施し後段の注型に供するポリウレタン樹脂溶液とした。
(評価用試料の作製)
このポリウレタン樹脂溶液を、金型内に注型し、140℃×60分の硬化を実施し実施例1〜5のブレード用弾性部材を作製した。
なお、実施例1乃至5の弾性部材に対して、走査型オージェ電子分光装置を用いて、ケイ素元素のマッピングを実施したが、100nmを超える大きさの粒子は観測されなかった。
(比較例1)
シリカ含有ポリオールを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にポリウレタン樹脂溶液を作製し、該ポリウレタン樹脂溶液を用いてブレード用弾性部材を作製した。
(比較例2)
実施例1と同じ粒径を有し表面無処理のシリカ粒子を用いて凝集粒子を形成させやすい状態にてポリウレタン樹脂溶液を作製し、該ポリウレタン樹脂溶液を用いてブレード用弾性部材を作製した。
得られたブレード用弾性部材には、10〜20μmの凝集粒子が観察された。
(実施例6)
シリカ粒子の含有量が11質量%(6.3体積%)となる配合を用いた以外は、実施例1と同様にポリウレタン樹脂溶液を作製した。
得られたポリウレタン樹脂溶液は、粘度が高く実施例1のブレード用弾性部材を作製した金型に注型することが困難な状態であった。
なお、このポリウレタン樹脂溶液を硬化させた弾性体にはフィラーの凝集などは見られず最大粒径が100nm以下の分散状態であることが確認できた。
(実施例7)
一次粒子の粒径が20〜30nmの酸化チタン粒子をシリカ粒子に代えて1質量%(0.3体積%)の量で用いた以外は、実施例1と同様にポリウレタン樹脂溶液を作製し、該ポリウレタン樹脂溶液を用いてブレード用弾性部材を作製した。
このブレード用弾性部材にはフィラーの凝集などは見られず最大粒径が100nm以下の分散状態であることが確認できた。
(実施例8)
一次粒子の粒径が20〜30nmの酸化アルミニウム粒子をシリカ粒子に代えて1質量%(0.4体積%)の量で用いた以外は、実施例1と同様にポリウレタン樹脂溶液を作製し、該ポリウレタン樹脂溶液を用いてブレード用弾性部材を作製した。
このブレード用弾性部材にはフィラーの凝集などは見られず最大粒径が100nm以下の分散状態であることが確認できた。
(実施例9)
一次粒子の粒径が20〜30nmの酸化鉄第二鉄粒子をシリカ粒子に代えて1質量%(0.2体積%)の量で用いた以外は実施例1と同様にポリウレタン樹脂溶液を作製し、該ポリウレタン樹脂溶液を用いてブレード用弾性部材を作製した。
このブレード用弾性部材にはフィラーの凝集などは見られず最大粒径が100nm以下の分散状態であることが確認できた。
(実施例10)
一次粒子の粒径が20〜30nmのポリテトラフルオロエチレン粒子をシリカ粒子に代えて1質量%(0.9体積%)の量で用いた以外は、実施例1と同様にポリウレタン樹脂溶液を作製し、該ポリウレタン樹脂溶液を用いてブレード用弾性部材を作製した。
このブレード用弾性部材にはフィラーの凝集などは見られず最大粒径が100nm以下の分散状態であることが確認できた。

Figure 2008262022
(評価)
各実施例、比較例のブレード用弾性部材を評価用試料として、以下の評価を実施した。
(硬さ)
JIS K 6253に準じて、ウォーレス社製のウォーレスウォーレス硬度計を用いて、国際ゴム硬さ(IRHD)試験法のM法で測定したものである。
なお、測定条件は23℃、50%RHである。
(引張試験)
JIS K 7312に準じて、ダンベル型試験片(JIS 3号)を用いて引張試験を実施し、100%モジュラス(M100)、200%モジュラス(M200)、引張強さ、および、切断時伸びを測定した。
(引裂強さ)
JIS K 7312に準じて、(B)切込なしアングル型試験片を用いて測定を実施した。
(引張弾性率)
ダンベル型試験片(JIS 1号)を用い、標線間距離40mmとして引張試験を実施し、この標線間が5%伸長したときの荷重を読み取り、計算により引張弾性率を求めた。
(永久伸び)
23℃の温度条件下において100%伸長×10分の伸長試験をそれぞれ実施し、初期に対する寸法変化を測定し、永久伸びを計算により求めた。
(反発弾性)
JIS K 7312に準じて、10℃、23℃、40℃、55℃の4条件にて測定を実施した。
(tanδピーク温度)
JIS K 7244−4に準じて、10mm幅×50mm長さ×2.0mm厚さの試験片を用いて、測定周波数:10Hz、測定温度範囲:−40〜60℃における引張貯蔵弾性率(E’)、引張損失弾性率(E”)、引張り損失係数(tanδ)を測定し温度依存性を観測してtanδピーク温度を測定した。
(摩擦係数)
JIS K 7312に準じて、動摩擦係数を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2008262022
表1に示す各評価結果から、フィラーが最大粒径100nm以下となる分散状態で含有されているポリウレタン弾性体は、硬度の上昇を抑制しつつ引裂強さなどの機械的強度の向上を実施させ得ることがわかる。
また、比較例2においては、硬度の上昇が抑制されてはいるものの、強度を向上させることはできなかった。
電子写真装置の印刷機構を示す概略図。 本実施形態のクリーニングブレードの構造を示す断面図。 (a)遠心成形機の構造を示す説明図。(b)同左X−X’線矢視断面図。 図3(a)におけるB部拡大図。
符号の説明
1:印刷機構、10:感光体、11:帯電ローラ、20:現像ローラ、21:現像用ブレード、21a:支持部材、21b:弾性部材、22:供給ローラ、30:転写ローラ、40:定着装置、41a、41b:定着ローラ、50:クリーニングブレード、50a:支持部材、50b:弾性部材、51:接着剤層、60:駆動装置、61:タイミングベルト(歯付きベルト)、62:タイミングプーリ、62a:従動歯車、63:駆動モータ、63a:駆動歯車、64a、64b:支持プーリ、65a、65b:伝達歯車、100:遠心成形機、110:金型、111:閉塞端、112:開放端、120:ヒータ、130:モータ、131:回転軸、132:プーリ、140:開閉扉、150:断熱室、160:シャフト、161:プーリ、170:伝動ベルト、500:シリコーンゴム層、501:エッジ層、502:ベース層、A:印刷媒体、G:伝達歯車、T:トナー

Claims (4)

  1. 少なくとも表面がフィラーを含有するポリウレタン弾性体で形成された弾性部材が備えられており、しかも、前記フィラーが前記ポリウレタン弾性体中に最大粒径100nm以下となる状態で分散されていることを特徴とする電子写真装置用ブレード。
  2. 前記フィラーとしてシリカ粒子が用いられており、しかも、前記ポリウレタン弾性体には、前記シリカ粒子が0体積%を超え6体積%以下の割合で含有されている請求項1記載の電子写真装置用ブレード。
  3. 最表面側に設けられたエッジ層と、該エッジ層の背面側に形成されたベース層の少なくとも2層を含む積層構造が厚み方向に形成されている板状の弾性部材が備えられており、前記エッジ層が前記ポリウレタン弾性体で形成されており、前記ベース層が前記エッジ層とは異なる弾性体で形成されている請求項1または2記載の電子写真装置用ブレード。
  4. 前記ベース層が、フィラーを含有していないポリウレタン弾性体で形成されている請求項3記載の電子写真装置用ブレード。
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