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JP2008244943A - 薄膜バルク波共振器及びその製造方法 - Google Patents

薄膜バルク波共振器及びその製造方法 Download PDF

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JP2008244943A JP2007083470A JP2007083470A JP2008244943A JP 2008244943 A JP2008244943 A JP 2008244943A JP 2007083470 A JP2007083470 A JP 2007083470A JP 2007083470 A JP2007083470 A JP 2007083470A JP 2008244943 A JP2008244943 A JP 2008244943A
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Kazumi Inubushi
和海 犬伏
Jun Hirabayashi
潤 平林
Koji Kuroki
康二 黒木
Yutaka Matsuo
裕 松尾
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Abstract

【課題】スプリアス振動を惹起することなく、簡易な構成で反共振周波数を調整可能な加工制御性に優れた薄膜バルク波共振器を提供する。
【解決手段】薄膜バルク波共振器50は、厚み方向に縦振動する積層共振体51と、積層共振体51のインピーダンスを変化させることにより積層共振体51の反共振周波数を調整するためのインピーダンス調整部52とを備える。積層共振体51に並列接続する容量素子をインピーダンス調整部52として形成することで、積層共振体51の反共振周波数を調整することが可能となる。積層共振体51の下部電極20Aとインピーダンス調整部52の下部電極20Bは物理的に分離しており、積層共振体51中で発生した横波がインピーダンス調整部52に伝播することによるスプリアス振動の発生を抑制している。
【選択図】図3

Description

本発明は薄膜バルク波共振器及びその製造方法に関する。
無線LANや移動体通信機器のバンドパスフィルタを構成する共振子として、薄膜バルク波共振器(Film Bulk Acoustic Resonator)や表面弾性波(Surface Acoustic Wave)共振器など、圧電材料を用いた数々の共振器が実用化されている。中でも薄膜バルク波共振器は、弾性波が膜厚方向に伝搬する構造上、Q値に優れており、高い周波数選択性が要求されるPCS(Personal Communication Service)システム用RFフィルタなどに製品化されている。薄膜バルク波共振器は、基板と、その基板上に形成される積層共振体とを有している。積層共振体は、圧電体膜と、その圧電体膜を上下から挟む一対の上部電極及び下部電極を有しており、上部電極と下部電極との間に高周波信号が印加されると、積層共振体の膜厚が1/2波長に等しくなる共振周波数にて厚み縦方向に励振する。
薄膜バルク波共振器では、積層共振体の厚みを調整することにより、共振周波数を制御することができる。所望の共振周波数を得るには、圧電体膜や電極の厚みの寸法を正確に調整する必要があるが、エッチング等の加工精度には限界がある。このような事情に鑑み、特許3822470号公報には、共振子の上部電極又は下部電極に接続する切断予定部を設け、切断予定部の状態に応じてインダクタンスを変化させることにより、共振子の共振周波数を調整する手法が提案されている。
ところが、ラダー型フィルタのように、1ポートの共振器を直列及び並列に梯子型に接続したものを基本構成とし、直列腕共振器の共振周波数と並列腕共振器の反共振周波数をほぼ一致させることでバンドパス特性を得るフィルタでは、共振周波数だけでなく反共振周波数の調整も必要となる。このような事情に鑑み、特開平9−64682号公報には、共振子に接続する周波数調整用コンデンサを設け、周波数調整用コンデンサの電極面積の増減加工により、共振子の反共振周波数を調整する手法が提案されている。
特許3822470号公報 特開平9−64682号公報
しかし、特開平9−64682号公報に開示されている手法では、周波数調整用コンデンサの作製のための工程が増加する上に、ある程度の実装面積を必要とすることから、共振子の小型化が困難になるという不都合が生じる。
また、薄膜バルク波共振器では、主振動モードの縦波(TE波)だけでなく、副次的に横波(TS波)も発生する。同公報に開示されている共振子の下部電極と、周波数調整用の下部電極は、共通のものが使用されているので、共振子の圧電体膜中に発生する横波は、共通の下部電極を伝搬して周波数調整用コンデンサの端部で反射し、それが原因でスプリアス振動を惹起し、フィルタ特性を劣化させる虞がある。
更に、同公報に開示されている共振器構造では、アルカリ水溶液等を用いたウェットエッチングにより共振器の圧電体膜と周波数調整用コンデンサの圧電体膜とを分離する過程で、共通の下部電極をオーバーエッチングしてしまう虞があり、精密な加工制御が困難であるという課題を有する。
そこで、本発明はこのような問題を解決し、スプリアス振動を惹起することなく、簡易な構成で反共振周波数を調整可能な加工制御性に優れた薄膜バルク波共振器及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係わる薄膜バルク波共振器は、厚み方向に縦振動する積層共振体と、積層共振体のインピーダンスを変化させることにより積層共振体の反共振周波数を調整するためのインピーダンス調整部とを備える。積層共振体に並列接続する容量素子をインピーダンス調整部として形成することで、積層共振体の反共振周波数を調整することが可能となる。
ここで、積層共振体は、基板に積層される第一の下部電極、及び第一の下部電極に積層される第一の圧電体膜を含む。インピーダンス調整部は、基板に積層される第二の下部電極、及び第二の下部電極に積層される第二の圧電体膜を含む。第一の圧電体膜と第二の圧電体膜には共通の上部電極が積層されており、第一の下部電極と第二の下部電極は分離している。
かかる構成によれば、インピーダンス調整用グランドを基板底面に形成する必要がないので、複雑な製造工程を経ることなくインピーダンス調整部を形成できる。また、インピーダンス調整部の面積は、積層共振体のインピーダンス調整量に応じて設計可能であるので、チップ上の余った部分に任意の形状で形成でき、限られた面積の有効利用が可能となる。更に、積層共振体中で発生する横波がインピーダンス調整部に伝搬し、その反射波がスプリアス振動となるが、積層共振体の第一の下部電極とインピーダンス調整部の第二の下部電極とは、物理的に分離しているので、積層共振体中に発生する横波がインピーダンス調整部に伝播することはなく、スプリアス振動の発生を抑制できる。
第一の下部電極と第二の下部電極との間には、基板内部に陥没する溝状の凹部が形成されていてもよい。かかる構成によれば、積層共振体中に発生する横波のインピーダンス調整部への伝播を効果的に抑制できるので、スプリアス振動の発生を一層効果的に抑制できる。
基板には、積層共振体に対応する位置にキャビティが形成されており、凹部はキャビティの側面に斜向する向きに延設されているのが好ましい。かかる構成によれば、積層共振体から凹部に伝搬する横波をその入斜方向とは異なる方向に反射させ、振動エネルギーを減衰させることができるので、横波同士が干渉することによるスプリアス振動の発生を効果的に抑制できる。
インピーダンス調整部を構成する上部電極の平面パターンは、第二の下部電極の平面パターンよりも大きくすると、上部電極と基板との間に形成される寄生容量を利用して積層共振体のインピーダンスを微調整できるので、高周波化が進んだときに有効である。
本発明に係わる薄膜バルク波共振器の製造方法は、第一の下部電極及び第一の圧電体膜を含む積層共振体と、積層共振体のインピーダンスを変化させることにより積層共振体の反共振周波数を調整するためのインピーダンス調整部であって、第二の下部電極及び第二の圧電体膜を含むインピーダンス調整部とを有する薄膜バルク波共振器を製造するための方法であって、第一の下部電極と、第一の下部電極とは分離された第二の下部電極とをそれぞれ基板上に形成する工程と、第一の下部電極上に第一の圧電体膜を形成する工程と、第二の下部電極上に第二の圧電体膜を形成する工程と、第一の圧電体膜上及び第二の圧電体膜上に共通の上部電極を形成する工程とを備える。
かかる方法によれば、簡易な製造工程によりインピーダンス調整部を形成することができる。
本発明によれば、複雑な製造工程を経ることなくインピーダンス調整部を形成できる。また、インピーダンス調整部の面積は、積層共振体のインピーダンス調整量に応じて設計可能であるので、チップ上の余った部分に任意の形状で形成でき、限られた面積の有効利用が可能となる。更に、積層共振体の第一の下部電極とインピーダンス調整部の第二の下部電極とは、物理的に分離しているので、積層共振体中に発生する横波がインピーダンス調整部に伝播することはなく、スプリアス振動の発生を抑制できる。
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施例について説明する。同一符号のデバイスは、同一のデバイスを示すものとして、重複する説明を省略する。図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率は現実のものとは異なる。また、図面相互間において互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
図1乃至図3を参照しながら実施例1に係わる薄膜バルク波共振器50のデバイス構造について説明する。ここで、図1は薄膜バルク波共振器50の平面図、図2は図1における2−2線断面図、図3は図1における3−3線断面図である。
薄膜バルク波共振器50は、基板10、積層共振体51、及びインピーダンス調整部52を備える(図3参照)。基板10の材質としては、適度な機械的強度を有し、且つエッチングなどの微細加工に適した材質であれば、特に限定されるものではないが、例えば、シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミックス基板、石英基板、ガラス基板などが好適である。基板10の表面及び裏面には、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜などの絶縁膜11が形成されている。更に、基板10には、積層共振体51の厚み方向の自由振動を確保するために積層共振体51の位置に対応してキャビティ12が基板裏面に開口している。但し、絶縁膜11は積層共振体51に必須ではないので、形成してなくてもよい。
積層共振体51は、絶縁膜11上に積層される下部電極20A、下部電極20A上に積層される圧電体膜30A、及び圧電体膜30A上に積層される上部電極40を備える。圧電体膜30Aの材質としては、電気機械結合係数が大きく、伝搬損失及びパワーフロー角が小さく、遅延時間温度係数が小さく、伝搬速度の周波数分散性が少ない圧電材料が望ましく、例えば、酸化亜鉛(ZnO),窒化アルミニウム(AlN),ニオブ酸カリウム(KNbO3),ニオブ酸リチウム(LiNbO3),タンタル酸リチウム(LiTaO3),チタン酸ジルコン酸鉛(PZT),チタン酸バリウム(BaTiO3)などが好適である。また、下部電極20A及び上部電極40の材質としては、圧電体膜30Aが適度な配向性を形成し得る導電性材質、例えば、ルテニウム(Ru),アルミニウム(Al),モリブデン(Mo),チタン(Ti),白金(Pt),金(Au),タングステン(W),タンタル(Ta),又はこれら何れか2種以上を含む合金などが好適である。
下部電極20A及び上部電極40に高周波信号を印加すると、圧電体膜30Aの逆圧電効果により圧電体膜30Aはその厚み方向に振動し、電気的共振特性を示す。更に圧電体膜30Aに生じる弾性波又は振動は、圧電体膜30Aの圧電効果により電気信号に変換される。この弾性波は、圧電体膜30Aの厚み方向に主変位を有する厚み縦振動波であり、電極材料にもよるが、積層共振体51の膜厚が略1/2波長に等しくなる共振周波数にて励振する。
一方、インピーダンス調整部52は、絶縁膜11上に積層される下部電極20B、下部電極20B上に積層される圧電体膜30B、及び圧電体膜30B上に積層される上部電極40を備える。インピーダンス調整部52は、キャビティ12が形成されていない基板10上に形成されており、容量素子として機能する。ここで、積層共振体51の上部電極40と、インピーダンス調整部52の上部電極40とは共通しており、積層共振体51の下部電極20Aと、インピーダンス調整部52の下部電極20Bとは、3−3線断面図では物理的に分離しているが、配線(図示せず)又は共通グランド(図示せず)を介して電気的に接続されている。インピーダンス調整部52は積層共振体51に並列接続しており、積層共振体51のインピーダンス(容量性リアクタンス成分)を調整する機能を有する。但し、絶縁膜11はインピーダンス調整部52に必須ではないので、形成してなくてもよい。
尚、積層共振体51の圧電体膜30Aと、インピーダンス調整部52の圧電体膜30Bとは、それぞれ島状に分離している。
図4は薄膜バルク波共振器50の等価回路を示す。この等価回路は、積層共振体51の等価回路51Eと、インピーダンス調整部52の等価回路52Eとを並列接続した回路である。等価回路51Eは、容量C1、インダクタンスL、及び抵抗Rの直列接続回路と容量C2との並列接続回路であり、等価回路52Eは容量Cvである。ここで、薄膜バルク波共振器50の共振周波数をfr、反共振周波数をfaとすると、以下の(1)〜(2)式が成立する。
fr=1/2π(L×C1)1/2 …(1)
fa=fr[1+{C1/(C2+Cv)}]1/2 …(2)
(1)〜(2)式より、インピーダンス調整部52は、容量Cvを調整することによって、共振周波数frを変更することなく、反共振周波数faのみを調整できることが理解できる。ここで、Cvは上部電極40と下部電極20Bとの間の静電容量を意味し、インピーダンス調整部52を構成する上部電極40の平面パターンが下部電極20Bの平面パターンよりも大きい形状を有している場合には、圧電体膜30Bを介して上部電極40と基板10との間に形成される寄生容量も含まれる。ここで、上部電極40と下部電極20Bとの間の静電容量は、反共振周波数faの粗調整に有効であり、上部電極40と基板10との間の寄生容量は、反共振周波数faの微調整に有効である。
尚、平面パターンとは、基板10の上面に垂直方向の無限の遠方から基板10を鳥瞰したときの平面図においてという意味である。
図5はインピーダンス調整部52の電極面積と反共振周波数変化量との関係を示すグラフである。インピーダンス調整部52の容量値Cvは、圧電体膜30Bの膜厚及び誘電率と電極面積により定まる。このグラフによると、圧電体膜30Bの膜厚が一定の場合、電極面積が広い程、反共振周波数変化量が大きくなる傾向が示されている。
図6はインピーダンス調整部52の容量値Cvと反共振周波数変化量Δfaとの関係を示している。このテーブルによると、容量値Cvが大きい程、反共振周波数変化量Δfaが大きくなる傾向が示されている。参考までに、このテーブルには、容量値Cvと共振周波数fr及び反共振周波数faとの関係も記されている。
図7はインピーダンス調整部52の電極面積、圧電体膜30Bの膜厚、及び容量値Cvとの対応関係を示している。
図8はインピーダンス調整部52の電極面積と容量値Cvとの対応関係を示すグラフである。容量値Cvは、圧電体膜30Bの膜厚及び誘電率と電極面積により定まるので、グラフは原点を通る直線となり、圧電体膜30Bの膜厚が薄い程、急勾配となる。
これらのグラフ又はテーブルに示すように、反共振周波数faが所望の周波数に一致しないときには、圧電体膜30Bの厚みに応じて、エッチング加工等によりインピーダンス調整部52の電極面積を減少させるための変形加工を施すことで、反共振周波数faを所望の周波数に一致させることができる。
尚、インピーダンス調整部52の容量値Cvとしては、0pF〜10pF程度あれば実用上十分であり、特に0pF〜5pF程度の容量が実用的である。また、反共振周波数の調整量は最大で150MHz程度あれば実用上十分であり、特に最大50MHz程度の調整量が実用的である。
次に、図9を参照しながら薄膜バルク波共振器50の製造工程について説明する。
まず、図9(A)に示すように、基板10として、例えば、(100)シリコン基板などを用意し、基板10の表面及び裏面に絶縁膜11を形成する。絶縁膜11として、例えばシリコン酸化膜を形成するには、熱酸化法などを適用すればよい。更に絶縁膜11の上にRFマグネトロンスパッタ法などを用いて50nm〜600nm程度の金属膜を堆積し、フォトリソグラフィによってエッチングマスクを形成した後、イオンミリング等によって金属膜をパターニングし、島状に分離された下部電極20A,20Bを形成する。但し、上述の如く絶縁膜11は必須ではない。
次に、図9(B)に示すように、RFマグネトロンスパッタ法等により圧電材料を下部電極20A,20B上に堆積する。圧電材料の膜厚は、共振周波数frに応じて調整すればよく、例えば、AlNを用いて共振周波数2.0GHz程度に設定するのであれば、電極材料にもよるが、0.8μm〜2μm程度の膜厚に設定すればよい。そして、フォトリソグラフィによってエッチングマスクを形成した後、塩化物系ガスを用いた反応性イオンエッチング、或いはアルカリ水溶液等を用いたウェットエッチング等によって圧電材料をパターニングし、島状に分離された圧電体膜30A,30Bを形成する。
続いて、図9(C)に示すように、表面に露出している圧電体膜30A,30B、及び絶縁膜11を被覆するように、RFマグネトロンスパッタ法等により50nm〜600nm程度の金属膜を堆積し、フォトリソグラフィによってエッチングマスクを形成した後、イオンミリングやウェットエッチング等によって金属膜を選択エッチングし、上部電極40を形成する。
最後に、図9(D)に示すように、基板10の裏面にフォトリソグラフィによってエッチングマスクを形成した後、フッ化物系ガスを用いた反応性イオンエッチング等によって基板裏面を開口し、キャビティ12を形成する。
本実施例によれば、インピーダンス調整用グランドを基板底面に形成する必要がないので、複雑な製造工程を経ることなくインピーダンス調整部52を形成できる。また、インピーダンス調整部52の面積は、積層共振体51のインピーダンス調整量に応じて設計可能であるので、チップ上の余った部分に任意の形状で形成することが可能であり、限られた面積を有効利用できる。
図10乃至図11を参照しながら実施例2に係わる薄膜バルク波共振器60のデバイス構造について説明する。ここで、図10は薄膜バルク波共振器60の平面図、図11は図10における11−11線断面図である。
薄膜バルク波共振器60は、基板10、積層共振体61、及びインピーダンス調整部62を備える(図11参照)。積層共振体61とインピーダンス調整部62との間には、基板表面から基板内部に陥没する溝状の凹部63が形成されている。凹部63は、積層共振体61の圧電体膜30A中に発生する横波がインピーダンス調整部62に伝搬しないように遮断する機能を有する。凹部63の深さD1及び幅W1としては、横波の伝搬を遮断するために必要且つ十分な寸法を有していることが好ましく、例えば、横波の半波長以上の寸法が好適である。また、凹部63の延在方向は、キャビティ12側面に対して斜向していることが望ましい。かかる構成によれば、積層共振体61から凹部63に伝搬する横波をその入斜方向とは異なる方向に反射させ、振動エネルギーを減衰させることができるので、横波同士が干渉することによるスプリアス振動の発生を効果的に抑制できる。
図12乃至図13を参照しながら実施例3に係わる薄膜バルク波共振器70のデバイス構造について説明する。ここで、図12は薄膜バルク波共振器70の平面図、図13は図12における13−13線断面図である。
薄膜バルク波共振器70は、基板10、積層共振体71、及びインピーダンス調整部72を備える(図13参照)。積層共振体71とインピーダンス調整部72との間には、基板裏面から基板内部に陥没する溝状の凹部14が形成されている。凹部14は、積層共振体71の圧電体膜30A中に発生する横波がインピーダンス調整部72に伝搬しないように遮断する機能を有する。凹部14の深さD2及び幅W2としては、横波の伝搬を遮断するために必要且つ十分な寸法を有していることが好ましく、例えば、横波の半波長以上の寸法が好適である。凹部14は、基板表面の絶縁膜11が基板裏側に露出する深さに形成されていてもよい。また、凹部14の延在方向は、キャビティ12側面に対して斜向していることが望ましい。かかる構成によれば、積層共振体71から凹部14に伝搬する横波をその入斜方向とは異なる方向に反射させ、振動エネルギーを減衰させることができるので、横波同士が干渉することによるスプリアス振動の発生を効果的に抑制できる。
図14乃至図15を参照しながら実施例4に係わる薄膜バルク波共振器80のデバイス構造について説明する。ここで、図14は薄膜バルク波共振器80の平面図、図15は図14における15−15線断面図である。
薄膜バルク波共振器80は、基板10、積層共振体81、及び複数のインピーダンス調整部82A,82Bを備える(図15参照)。インピーダンス調整部82Aは、下部電極20B、圧電体膜30B、及び上部電極40Aを備えており、その上部電極40Aは、積層共振体81の上部電極40Aと共通している。インピーダンス調整部82Bは、下部電極20B、圧電体膜30B、及び上部電極40Bを備えている。上部電極40Aと上部電極40Bは、15−15線断面図では物理的に分離しているが、配線(図示せず)又は共通グランド(図示せず)を介して電気的に接続されている。
本実施例によれば、薄膜バルク波共振器80は、複数のインピーダンス調整部82A,82Bを有しているので、積層共振体81のインピーダンスをきめ細かく調整することが可能である。個々のインピーダンス調整部82A,82Bの容量値は0pF〜1.5pF程度が好適であり、複数のインピーダンス調整部82A,82Bの合成容量は0pF〜5pF程度が好適である。また、積層共振体81のインピーダンス調整を容易にする観点から個々のインピーダンス調整部82A,82Bの容量値は同一であってもよく、またその形状は全て同一であってもよい。
図16は実施例5に係わるデュプレクサ90の回路構成を示している。
デュプレクサ90は、アンテナ(図示せず)に接続されるアンテナ端子ANT1と、アンテナに送信信号を出力する送信回路(図示せず)に接続される送信信号端子SX1と、アンテナを介して受信した受信信号を入力する受信回路(図示せず)に接続される受信信号端子RX1と、送信信号を通過させるとともに受信信号を遮断する送信用フィルタ91と、受信信号を通過させるとともに送信信号を遮断する受信用フィルタ92とを備える。送信用フィルタ91と受信用フィルタ92の何れか一方又は両者は、図17に示すラダー型フィルタ100を複数段カスケード接続した回路構成を有している。ラダー型フィルタ100は、直列腕共振器101と並列腕共振器102を梯子型に接続したものである。直列腕共振器101と並列腕共振器102の何れか一方又は両者は、実施例1〜4に係わる薄膜バルク波共振器50〜80の何れかである。
実施例1に係わる薄膜バルク波共振器の平面図である。 図1における2−2線断面図である。 図1における3−3線断面図である。 実施例1に係わる薄膜バルク波共振器の等価回路図である。 インピーダンス調整部の電極面積と反共振周波数変化量との関係を示すグラフである。 インピーダンス調整部の容量値と反共振周波数変化量との関係を示すテーブルである インピーダンス調整部の電極面積、圧電体膜の膜厚、及び容量値との対応関係を示すテーブルである。 インピーダンス調整部の電極面積と容量値との対応関係を示すグラフである。 実施例1に係わる薄膜バルク波共振器の製造工程断面図である。 実施例2に係わる薄膜バルク波共振器の平面図である。 図10における11−11線断面図である。 実施例3に係わる薄膜バルク波共振器の平面図である。 図12における13−13線断面図である。 実施例4に係わる薄膜バルク波共振器の平面図である。 図14における15−15線断面図である。 実施例5に係わるデュプレクサの回路構成図である。 ラダー型フィルタの回路構成図である。
符号の説明
50,60,70,80…薄膜バルク波共振器
51,61,71,81…積層共振体
52,62,72,82…インピーダンス調整部
20A,20B…下部電極
30A,30B…圧電体膜
40,40A,40B…上部電極

Claims (5)

  1. 厚み方向に縦振動する積層共振体と、前記積層共振体のインピーダンスを変化させることにより前記積層共振体の反共振周波数を調整するためのインピーダンス調整部とを備える薄膜バルク波共振器であって、
    前記積層共振体は、基板に積層される第一の下部電極、及び前記第一の下部電極に積層される第一の圧電体膜を含み、
    前記インピーダンス調整部は、前記基板に積層される第二の下部電極、及び前記第二の下部電極に積層される第二の圧電体膜を含み、
    前記第一の圧電体膜と前記第二の圧電体膜には共通の上部電極が積層されており、
    前記第一の下部電極と前記第二の下部電極は分離している、薄膜バルク波共振器。
  2. 請求項1に記載の薄膜バルク波共振器であって、
    前記第一の下部電極と前記第二の下部電極との間には、基板内部に陥没する溝状の凹部が形成されている、薄膜バルク波共振器。
  3. 請求項2に記載の薄膜バルク波共振器であって、
    前記基板には、前記積層共振体に対応する位置にキャビティが形成されており、
    前記凹部は前記キャビティの側面に斜向する向きに延設されている、薄膜バルク波共振器。
  4. 請求項1に記載の薄膜バルク波共振器であって、
    前記インピーダンス調整部を構成する前記上部電極の平面パターンは、前記第二の下部電極の平面パターンよりも大きい、薄膜バルク波共振器。
  5. 第一の下部電極及び第一の圧電体膜を含む積層共振体と、前記積層共振体のインピーダンスを変化させることにより前記積層共振体の反共振周波数を調整するためのインピーダンス調整部であって、第二の下部電極及び第二の圧電体膜を含むインピーダンス調整部とを有する薄膜バルク波共振器を製造するための方法であって、
    前記第一の下部電極と、前記第一の下部電極とは分離された前記第二の下部電極とをそれぞれ基板上に形成する工程と、
    前記第一の下部電極上に前記第一の圧電体膜を形成する工程と、
    前記第二の下部電極上に前記第二の圧電体膜を形成する工程と、
    前記第一の圧電体膜上及び前記第二の圧電体膜上に共通の上部電極を形成する工程と、
    を備える薄膜バルク波共振器の製造方法。
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