JP2008241937A - マルチモード干渉光カプラ及びマッハツェンダ型光変調器 - Google Patents
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Abstract
【課題】全長を短く保ったまま、許容できる幅誤差を大きくすることができるマルチモード干渉光カプラ。
【解決手段】第1入出力光導波路110、120と、相隣接する少なくとも2つの第2入出力光導波路140、150と、第1入出力光導波路110、120と第2入出力光導波路140、150との間に設けられマルチモード導波光を伝搬するマルチモード光導波路130と、を有するマルチモード干渉光カプラ100を提供する。このマルチモード干渉光カプラ100が有するマルチモード光導波路130は、第1入出力光導波路110、120が接続される第1マルチモード光導波路部131と、第2入出力光導波路140、150が接続され、マルチモード導波光の伝搬方向に垂直な方向の幅が第1マルチモード光導波路部131より狭い第2マルチモード光導波路部132と、から構成される。
【選択図】図1
【解決手段】第1入出力光導波路110、120と、相隣接する少なくとも2つの第2入出力光導波路140、150と、第1入出力光導波路110、120と第2入出力光導波路140、150との間に設けられマルチモード導波光を伝搬するマルチモード光導波路130と、を有するマルチモード干渉光カプラ100を提供する。このマルチモード干渉光カプラ100が有するマルチモード光導波路130は、第1入出力光導波路110、120が接続される第1マルチモード光導波路部131と、第2入出力光導波路140、150が接続され、マルチモード導波光の伝搬方向に垂直な方向の幅が第1マルチモード光導波路部131より狭い第2マルチモード光導波路部132と、から構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、マルチモード干渉光カプラ及びマッハツェンダ型光変調器に関する。
近年、光エレクトロニクスが飛躍的に発展し、光を用いた光通信等の情報伝達技術が目覚しい発展を遂げている。この光エレクトロニクスでは、様々な光学素子が開発されている。中でも、伝搬する光を分離する光カプラや、光を結合する光スプリッタ等は、多様な用途を有し複雑化し多様化する光通信網をも支える光学素子として重要である。
この光カプラは、主に方向性結合器型、X分岐型、Y分岐型、マルチモード干渉(Multimode Interferometer:MMI)型に分類される。このうちMMI型の光カプラ(以下、「MMI光カプラ」という。)は、構造が単純化でき、小型に形成可能であり、屈折率や伝搬する光の波長によって特性があまり変化しない等の利点を有しており、また、製造プロセスの寸法精度の偏差に対しても影響を受け難いという特性を有している。
また、光カプラを用いたマッハツェンダ型光変調器は、高屈折率性によって微小な導波路構造を有することができるが、マッハツェンダ型光変調器を製造する場合、微細な構造を形成するためには、製造プロセスに影響を受けやすい方向性結合器型等の光カプラを使用するよりも、MMI光カプラが多く使用される。また、出力ポートを2つ用意できるので、波長チャープ効果の少ない変調光を出力するポートを選択可能であるという理由から、2×1型のMMI光カプラを使用するよりも、2×2型のMMI光カプラを使用する方が一般化している。
このようなMMI光カプラの更なる性能向上を図るために多くの開発が成されている。例えば、特許文献1には、MMI光カプラによる過剰損失及び損失の波長特性を低減するために、シングルモード導波路のコアの幅をマルチモード光導波路に接近するほど拡大するテーパ状に形成する発明が開示されており、特許文献2には、MMI光カプラの全長を短縮するために、マルチモード光導波路の中央部で導波路幅を狭く形成する発明が開示されている。
MMI光カプラを製造する場合、フォトリソグラフィやエッチング等による微細加工技術が使用され、製造プロセスの寸法精度の偏差により、最適な幅Wからの製造誤差(以下、「幅誤差」、「幅誤差dW」、「dW」等という。)が生じる。上述のようにMMI光カプラは他の種類の光カプラよりも優れた特性を有するが、この幅誤差dWによる従来のMMI光カプラの特性の変化は、依然として大きいという問題があった。
上記特許文献1に記載のMMI光カプラによれば、シングルモード光導波路をテーパ状に形成することにより、この幅誤差dWによる特性の変化を低減することができるが、幅誤差dWによる影響を充分に低減するには至っていない。また、特許文献1に記載のMMI光カプラによれば、シングルモード光導波路をテーパ形状とするため、並設されたシングルモード光導波路間の間隙が狭くなる。この間隙は、ドライエッチング等によって掘り込むことにより形成するが、この間隙が狭いと、エッチングガスの進入が難しくなり、製造過程で使用する反応生成物の離脱も困難となる。その結果、エッチングレートが極端に悪くなり、間隙を2μm以下にすることは製造上困難であるという問題があった。
そこで、この間隙を2μm以上にすることも考えられるが、この場合、MMI光カプラの幅Wをも大きくする必要があり、それに伴いMMI光カプラの最適な長さLを長くする必要があるため、MMI光カプラ全体の大きさが大きくなるという問題があった。
上述のように、MMI光カプラの長さLを短縮する方法が上記特許文献2には開示されているが、特許文献2に記載のMMI光カプラによっても充分な短縮効率は得られていなかった。また、2×2MMI光カプラを構成した場合、光を分岐したときの分配比が1:1からずれてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、全長を短く保ったまま、許容できる幅誤差を大きくすることが可能な、新規かつ改良されたマルチモード干渉光カプラ及びマッハツェンダ型光変調器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1入出力光導波路と、相隣接する少なくとも2つの第2入出力光導波路と、第1入出力光導波路と第2入出力光導波路との間に設けられマルチモード導波光を伝搬するマルチモード光導波路と、を有するマルチモード干渉光カプラであって、マルチモード光導波路は、第1入出力光導波路が接続される第1マルチモード光導波路部と、第2入出力光導波路が接続され、マルチモード導波光の伝搬方向に垂直な方向の幅が第1マルチモード光導波路部より狭い第2マルチモード光導波路部と、から構成されることを特徴とする、マルチモード干渉光カプラが提供される。かかる構成によれば、幅誤差の変化によるマルチモード干渉光カプラの特性の変化を低減することができる。
また、第1入出力光導波路は、マルチモード導波光の伝搬方向と平行なマルチモード光導波路の中心軸から、マルチモード光導波路の幅の約1/6の距離離隔して配置されてもよい。
また、伝搬方向と平行な第2マルチモード光導波路部の側面と、各第2入出力光導波路の外側面とが段差なく接合されてもよい。
また、第1入出力光導波路及び第2入出力光導波路の少なくともいずれか一方は、マルチモード光導波路に接近するに従ってテーパ状に拡大する幅を有してもよい。かかる構成によれば、テーパ状に拡大する幅により、マルチモード光導波路への入力光のスポットサイズを拡大することができ、その結果、励振された一次モードとの干渉の効率を大きくすることができ、損失を小さくすることができる。
また、第2入出力光導波路は、マルチモード導波光の伝搬方向と平行なマルチモード光導波路の中心軸から、マルチモード光導波路の幅の1/6〜1/5の距離だけ離隔して配置されてもよい。
また、第2マルチモード光導波路部の幅は、第1マルチモード光導波路部の幅の50%〜60%であってもよい。
また、第2マルチモード光導波路部の長さは、マルチモード光導波路の長さの2%〜10%であってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1入出力光導波路と、相隣接する少なくとも2つの第2入出力光導波路と、第1入出力光導波路と第2入出力光導波路との間に設けられマルチモード導波光を伝搬するマルチモード光導波路と、を有し、マルチモード光導波路は、第1入出力光導波路が接続される第1マルチモード光導波路部と、第2入出力光導波路が接続され、第1マルチモード光導波路部よりマルチモード導波光の伝搬方向に垂直な方向の幅が狭い第2マルチモード光導波路部と、から構成されるマルチモード干渉光カプラを2つ有し、一のマルチモード干渉光カプラの第2入出力光導波路と、他のマルチモード干渉光カプラの第2入出力光導波路とが連結導波路で連結されることを特徴とする、マッハツェンダ型光変調器が提供される。かかる構成によれば、幅誤差の変化によるマルチモード干渉光カプラの特性の変化を低減することができる。
以上説明したように本発明によれば、全長を短く保ったまま、許容できる幅誤差を大きくすることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本願の一実施形態に係るMMI光カプラの説明をする前に、まず、図8を参照して、例えば特許文献1に記載の従来のMMI光カプラについて説明する。
<従来のMMI光カプラ500>
図8は、従来のMMI光カプラ500を説明するための説明図である。図8の(A)は、従来のMMI光カプラ500の構成を示し、(B)は、従来のMMI光カプラ500の特性を示し、(C)は、従来のMMI光カプラ500によって構成されたマッハツェンダ型光変調器700を示し、(D)は、そのマッハツェンダ型光変調器700の特性を示す。
図8は、従来のMMI光カプラ500を説明するための説明図である。図8の(A)は、従来のMMI光カプラ500の構成を示し、(B)は、従来のMMI光カプラ500の特性を示し、(C)は、従来のMMI光カプラ500によって構成されたマッハツェンダ型光変調器700を示し、(D)は、そのマッハツェンダ型光変調器700の特性を示す。
尚、MMI光カプラの特性は、MMI光カプラによって光を分岐する場合の出力光の強度比や、製造時の幅誤差に対する出力光の強度の変化等によって判断され、この特性は、マッハツェンダ型光変調器を構成した場合のこの幅誤差による出力強度の変化等にも表れる。そこで、以下では、このMMI光カプラやマッハツェンダ型光変調器の特性を、単に「特性」という。
従来のMMI光カプラ500は、図8の(A)に示すように、シングルモード光導波路510、520、540、550と、マルチモード光導波路530と、を有する。マルチモード光導波路530は、シングルモード光導波路510、520と、シングルモード光導波路540、550との間に配置される。そして、シングルモード光導波路510、520、540、550は、それぞれマルチモード光導波路530に近づくに従ってテーパ状に拡大する幅を有する。
この従来のMMI光カプラ500は、n型InP等の化学物半導体等で形成された基板上に、順次積層された下部クラッド、光導波路及び上部クラッドによる三層構造を有するリッジ導波路(図示せず)として形成される。この下部クラッドは、n型InP等で形成され、光導波路は、InGaAsPで形成され、上部クラッドは、p型InPで形成される。
ここで、この従来のMMI光カプラ500を、1.55μmの波長の光を伝搬するとして以下のような寸法で形成した。
テーパ状のシングルモード光導波路510、520、540、550の幅が狭い端部の幅を1.8μmとし、幅が広い端部の幅を2μmとし、長さを50μmとした。マルチモード光導波路530の長さを205μmとして、幅を12μmとした。この際、シングルモード光導波路510とシングルモード光導波路520との間隙、及び、シングルモード光導波路540とシングルモード光導波路550との間隙は2μmとした。そして、下部クラッドの厚みを0.5μmとし、光導波層の厚みを0.2μmとし、上部クラッドの厚みを、2μmとした。
テーパ状のシングルモード光導波路510、520、540、550の幅が狭い端部の幅を1.8μmとし、幅が広い端部の幅を2μmとし、長さを50μmとした。マルチモード光導波路530の長さを205μmとして、幅を12μmとした。この際、シングルモード光導波路510とシングルモード光導波路520との間隙、及び、シングルモード光導波路540とシングルモード光導波路550との間隙は2μmとした。そして、下部クラッドの厚みを0.5μmとし、光導波層の厚みを0.2μmとし、上部クラッドの厚みを、2μmとした。
このような構成を有する従来のMMI光カプラ500の特性について、Beam Propagation Method(以下、「BPM」という。)等のシミュレーション方法を使用してシミュレーションを行うことにより算出した結果を、図8の(B)に示す。横軸は、幅の誤差である幅誤差dWを示し、縦軸は、入力光の強度を1とした場合の出力光強度を示す。尚、このシミュレーション方法と各軸については、以下で説明するグラフにおいて共通である。
図8の(B)は、従来のMMI光カプラ500のシングルモード光導波路510に入力光610を入力した場合に、シングルモード光導波路540から出力される第1出力光620と、シングルモード光導波路550から出力される第2出力光630との幅誤差dWに対する変化を示している。
図8の(B)から判るように、幅誤差dWが−0.3μmから−0.1μmへと変化するにつれて、第1出力光620の強度は約0.35から約0.49へと増加している。そして、dWが−0.1μmと0μmとの間では、第1出力光620の強度はほぼ一定の値となり、dWが0μmから0.3μmへと変化するにつれて、第1出力光620は、約0.49から約0.3近傍まで減少する。一方、第2出力光630の強度は、dW=−0.3〜0.3μmの間、第1出力光620の強度とほぼ同じ値となっている。
つまり、従来のMMI光カプラ500は、第1出力光320と第2出力光330との強度比を、dWの変化にかかわらず約1:1にすることができる。しかし、従来のMMI光カプラ500によれば、|dW|が大きくなると、第1出力光620及び第2出力光630の強度は、急激に減少し、dW=0.3μm近傍においては、約0.3まで減少してしまうことが判る。
次に、この従来のMMI光カプラ500を2つ使用してマッハツェンダ型光変調器700を構成した場合の出力光について説明する。マッハツェンダ型光変調器700は、2つのMMI光カプラ500と、2つの連結導波路とによって構成される。
連結導波路は、曲線導波路210と、直線導波路220と、曲線導波路210とによって構成される。そして、連結導波路の1つは、一方のMMI光カプラ500のシングルモード光導波路540と、他方のMMI光カプラ500のシングルモード光導波路540とを接続し、連結導波路の他の1つは、一方のMMI光カプラ500のシングルモード光導波路550と、他方のMMI光カプラ500のシングルモード光導波路550とを接続する。この各連結導波路については、本発明の一実施形態に係るMMI光カプラ100に使用されるものと同様であるため、後述する。
このような構成を有する従来のマッハツェンダ型光変調器700の特性について、BPM等のシミュレーション方法によってシミュレーションを行うことにより算出した結果を、図8の(D)に示す。
図8の(D)は、従来のマッハツェンダ型光変調器700の一方のシングルモード光導波路510に入力光610を入力した場合に、他方のシングルモード光導波路510から出力される第3出力光640と、シングルモード光導波路520から出力される第4出力光650との幅誤差dWに対する変化を示している。
図8の(D)から判るように、第3出力光640の強度は、dWの変化に対して0.1以下の小さな値に抑えられている。一方、第4出力光650の強度は、dW=−0.3μmにおいて0.5であったものが、dWが増加するに従って増加し、dW=−0.23μmで0.6を超え、dW=0.12μm付近まで0.6以上となっている。そして、この第4出力光650は、dWが0.12μm以上では0.6以下となっている。
ここで、一般的にマッハツェンダ型光変調器の製品品質を維持するためには、この第4出力光の強度が0.6〜0.7よりも大きいことが望まれる。そこで、以下ではこの強度を約0.6〜0.7よりも大きくするために、誤差として許容しうる幅誤差dWの範囲を「許容幅誤差」という。つまり、許容幅誤差が大きければ大きいほど、製造プロセスの偏差により発生する幅誤差dWによる製品品質のバラツキを抑えることができることを意味する。
従来のMMI光カプラ500によるマッハツェンダ型光変調器700の許容幅誤差は、図8の(D)に示すように、約−0.2〜0.1μmの約0.3μmとなる。そこで、本願出願人は、この許容幅誤差を更に広くして幅誤差dWの変化に対するMMI光カプラの特性の変化を抑えることにより、MMI光カプラの更なる品質の向上が図れることに着目した。
ここで、このような2×2MMI光カプラ及びマッハツェンダ型光変調器の最適な寸法は、一般的には、マルチモード光導波路の長さをLとし、その幅をWとした場合、
L=2nW2/(3λ) …(式1)
で表される。このnは導波路の屈折率を意味し、λは伝搬する光の波長を意味する。
L=2nW2/(3λ) …(式1)
で表される。このnは導波路の屈折率を意味し、λは伝搬する光の波長を意味する。
そして、MMI光カプラの特性の変化は、例えば、dL/Lの値が所定の値以上になることで表され、このdL/Lは、
dL/L=(2×dW)/W …(式2)
で表される。即ち、dWが大きくなると、dL/Lも大きくなり所定の値以上になった場合には、MMI光カプラの特性の変化は大きくなり、製品品質の劣化を招いてしまう。このdL/Lが所定の値以上となり特性の変化が大きくない幅誤差dWの範囲が、許容幅誤差となる。
dL/L=(2×dW)/W …(式2)
で表される。即ち、dWが大きくなると、dL/Lも大きくなり所定の値以上になった場合には、MMI光カプラの特性の変化は大きくなり、製品品質の劣化を招いてしまう。このdL/Lが所定の値以上となり特性の変化が大きくない幅誤差dWの範囲が、許容幅誤差となる。
このdWによる特性の変化を抑えるために、許容幅誤差を大きくするのではなくdWを小さくこともできるが、そのためには、製造プロセスの精度を上げる必要がある。しかし、数μm単位での加工精度をより向上させることは容易ではない。そこで、Wを大きくしてdWによる影響を小さくすることにより、製品品質を低下させない程度の許容できる幅誤差dWを大きくすることもできるが、Wを大きくすると(式1)より最適なLが大きくなり、MMI光カプラ全体の大きさが大きくなってしまう。
そこで、本願出願人は、上記のように製品品質の向上を図り、かつ、上記の問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、以下のような本願発明に想到した。以下で、本発明の一実施形態に係るMMI光カプラについて詳細に説明する。
<本実施形態に係るMMI光カプラ100>
本実施形態に係るMMI光カプラは、様々な用途で効果を発揮するが、特にマッハツェンダ型光変調器に適用した場合にその効果を発揮する。従って、以下では、まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係るMMI光カプラの構成を説明し、その後、MMI光カプラの特性、及びこのMMI光カプラを使用したマッハツェンダ型光変調器の構成及び特性について説明する。
本実施形態に係るMMI光カプラは、様々な用途で効果を発揮するが、特にマッハツェンダ型光変調器に適用した場合にその効果を発揮する。従って、以下では、まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係るMMI光カプラの構成を説明し、その後、MMI光カプラの特性、及びこのMMI光カプラを使用したマッハツェンダ型光変調器の構成及び特性について説明する。
(MMI光カプラ100)
図1は、本実施形態に係るMMI光カプラ100の構成を示す説明図である。図2は、本実施形態に係るMMI光カプラ100の構成を示す断面図であり、図1のA−A線における断面図である。そして、図3は、本実施形態に係るMMI光カプラ100の構成を示す平面図である。尚、図1においては、MMI光カプラ100に入出力される光の導波路を、MMI光カプラ100と一体に構成して基板10上に形成した場合の例を示した。図3においては、MMI光カプラ100のみを図示した。
図1は、本実施形態に係るMMI光カプラ100の構成を示す説明図である。図2は、本実施形態に係るMMI光カプラ100の構成を示す断面図であり、図1のA−A線における断面図である。そして、図3は、本実施形態に係るMMI光カプラ100の構成を示す平面図である。尚、図1においては、MMI光カプラ100に入出力される光の導波路を、MMI光カプラ100と一体に構成して基板10上に形成した場合の例を示した。図3においては、MMI光カプラ100のみを図示した。
図1では、MMI光カプラ100をマッハツェンダ型光変調器に使用する場合において、伝搬する光を分岐する用途に使用されたMMI光カプラ100を示している。以下では、光が図1中のx軸負の方向から正の方向に伝搬する場合について説明するが、かかる例に限定されず、光は、図1中のx軸正の方向から負の方向へと伝搬してもよいことは、言うまでもない。つまり、図1に示す下記の構成において、マルチモード光導波路130の部材をy軸に関して反転させて、シングルモード光導波路110、120をMMI光カプラ100の出力導波路として使用し、光導波路140、150の少なくともいずれかを入力導波路として使用することも可能である。
本実施形態に係るMMI光カプラ100は、例えば、図1、2に示すように、n型InP等の化合物半導体等で形成された基板10上に形成される。MMI光カプラ100は、下部クラッド20A、光導波層20B及び上部クラッド20Cによる三層構造を有するリッジ導波路20として形成される。この下部クラッド20Aの厚み(図2中のz軸方向の厚み)をDAとし、光導波層20Bの厚みをDBとし、上部クラッド20Cの厚みをDCとする。
ここで、下部クラッド20Aは、例えば、基板10と同じくn型InP等の化合物半導体で形成されてもよく、基板10と一体に形成されてもよい。また、光導波層20Bは、例えば、InGaAsPで形成されてもよく、上部クラッド20Cは、例えば、p型InP等の化合物半導体で形成されてもよい。
尚、このMMI光カプラ100は、基板10の上に、下部クラッド20A、光導波層20B、及び上部クラッド20Cを順次積層してリッジ導波路20を形成した後、下部クラッド20A、光導波層20B及び上部クラッド20Cをドライエッチング等を行うことにより形成される。
このような三層構造を有するMMI光カプラ100は、基板10上に以下のような構成で形成される。つまり、MMI光カプラ100は、シングルモード光導波路110、120と、マルチモード光導波路130と、光導波路140、150と、を有する。
シングルモード光導波路110、120は、シングルモード導波光を伝搬する第1入出力光導波路の一例であり、外部からの光をマルチモード光導波路130に入力するか、又はマルチモード光導波路130からの光を外部に出力する。
このシングルモード光導波路110、120は、基板10と平行な面である光導波層20B内において光が伝搬する方向(以下、「伝搬方向」という。)に略平行にマルチモード光導波路130の端部に接続され、マルチモード光導波路130の中心軸133を挟んで互いに対称に形成される。尚、以下では、シングルモード光導波路110に光が入力されるとして説明する。
シングルモード光導波路110、120は、例えば、マルチモード光導波路130(第1マルチモード光導波路部131)に近づくに従って、伝搬方向と直交する方向(以下、「幅方向」という。)の幅(y軸方向の長さ)がテーパ状に拡大するように形成されてもよい。そして、例えば、シングルモード光導波路110は、伝搬方向に平行な中心軸111に対して対称的な形状で形成されてもよく、シングルモード光導波路120は、伝搬方向に平行な中心軸121に対して対称的な形状で形成されてもよい。尚、以下では、各部材の幅方向(y軸方向)の長さを単に「幅」といい、各部材の伝搬方向(x軸方向)の長さを単に「長さ」という。
この場合、図3に示すように、シングルモード光導波路110、120の幅が狭い端部の幅をWss1とし、幅が広い端部の幅をWsl1とする。そして、シングルモード光導波路110、120の長さをLs1とする。この幅が広い端部の幅Wsl1を広くすることにより、MMI光カプラ100の特性を向上させることができる。
このシングルモード光導波路110、120は、例えば、それぞれ、光の伝搬方向に対して平行なマルチモード光導波路130の中心軸133から、マルチモード光導波路130の幅(図1中、y軸方向の長さ)の約1/6の距離だけ離隔した位置の近傍でマルチモード光導波路130に接続されてもよい。
つまり、マルチモード光導波路130の幅をWmとした場合、中心軸133からシングルモード光導波路110、120の中心軸111、121までの距離P1は、(1/6)×Wmとなる。この位置にシングルモード光導波路110、120を接続することにより、マルチモード光導波路130の伝搬方向の長さLが最適な値からずれた場合に、光の出力方向が最適な場合から大きくずれてしまうことを防ぐことができ、MMI光カプラ100は、伝搬方向へ光を出力する特性を保持することができる。
ここで、シングルモード光導波路110とシングルモード光導波路120との間隙をWg1とすると、Wg1は、例えば、2μm以上に設定されてもよい。このように間隙Wg1を設定することにより、ドライエッチング等による製造プロセスの精度に起因する製品品質への影響を抑えることができる。
MMI光カプラ100は、第1入出力光導波路として、図1に示すように2つのシングルモード光導波路110、120を備える場合について説明したが、1つのシングルモード光導波路110を備えてもよく、3つ以上のシングルモード光導波路を備えてもよい。複数のシングルモード光導波路を備える場合、各第1入出力光導波路は、幅方向に並設される。
マルチモード光導波路130は、入力されたシングルモード導波光を干渉させることでマルチモード導波光に励振し、このマルチモード導波光を伝搬する。マルチモード光導波路130は、シングルモード光導波路110、120と、光導波路140、150との間に配置される。
マルチモード光導波路130の幅は、光導波路140、150が接続された端部(x軸正方向側の端部)で絞られている。つまり、マルチモード光導波路130は、シングルモード光導波路110、120が接続される第1マルチモード光導波路部131と、光導波路140、150が接続され第1マルチモード光導波路部131よりも幅が狭い第2マルチモード光導波路部132と、によって構成される。
この第1マルチモード光導波路部131の幅をWmとし、第2マルチモード光導波路部132の幅をWm2とする。この場合、マルチモード光導波路130の幅とは、第1マルチモード光導波路部131の幅Wmを意味する。
第1マルチモード光導波路部131は、入力されたシングルモード導波光を干渉させることでマルチモード導波光に励振し、このマルチモード導波光を伝搬する導波路である。この第1マルチモード光導波路部131には、シングルモード光導波路110、120が接続される。
第1マルチモード光導波路部131は、幅方向に第2マルチモード光導波路部132よりも広い幅で形成され、伝搬方向に第2マルチモード光導波路部132よりも長く形成される。この第1マルチモード光導波路部131の長さをLm1とし、幅をWmとする。
第2マルチモード光導波路部132は、伝搬する光を第1マルチモード光導波路部131とは異なる干渉状態で干渉させることでマルチモード導波光のモードの間隙を広げて、マルチモード導波光を伝搬する導波路である。この第2マルチモード光導波路部132は、第1マルチモード光導波路部131と光導波路140、150との間を接続する。
第2マルチモード光導波路部132は、幅方向に第1マルチモード光導波路部131よりも狭い幅で形成され、伝搬方向に第1マルチモード光導波路部131よりも短く形成される。つまり、第2マルチモード光導波路部132の幅をWm2とし、長さをLm2とすると、Wm2<Wm、Lm2<Lm1となる。
この幅Wm2は、例えば、マルチモード光導波路130の幅Wmの50〜60%であることが好ましい。このWm2をWmの50%よりも小さくすると、マッハツェンダ型光変調器を構成した場合の出力強度が全体的に低下してしまう。また、Wm2を60%よりも大きくすると、許容幅誤差が狭くなり、幅誤差dWの変化による特性の変化が大きくなる。
そして、長さLm2は、例えば、マルチモード光導波路130の長さLの2%〜10%であることが好ましい。このLm2がLの2%未満であると、許容幅誤差が狭くなり、幅誤差dWの変化による特性の変化が大きくなる。また、Lm2をLの10%を超過すると、マッハツェンダ型光変調器を構成した場合の出力強度が全体的に低下して特性が劣化してしまう。
尚、第1マルチモード光導波路部131は、第2マルチモード光導波路部132に近づくに従って、幅が狭くなるテーパ状の部位を有していてもよい。但し、このテーパ状の部位の長さが短いほど、MMI光カプラ100の特性は良い傾向にあり、この長さが5μm以上では特性は劣化する。よって、このテーパ状の部位の伝搬方向の長さは、例えば、5μm未満とすることが好ましい。
このように、マルチモード光導波路130は、幅の広い第1マルチモード光導波路部131と、幅の狭い第2マルチモード光導波路部132と、によって構成されるため、これらの外側面(x軸方向に平行な側面)に段差が形成されている。従来では、このように段差が形成されると、MMI光カプラの特性が悪くなることが知られており、本実施形態に係るMMI光カプラ100では、このような特性の悪化を招くことなく、更なる特性の向上をさせることに成功している。
光導波路140、150は、シングルモード導波光を伝搬する第2入出力光導波路の一例であり、マルチモード光導波路130からの光を外部に出力するか、又は外部からの光をマルチモード光導波路130に入力する。
尚、ここでは、上記のように光導波路140、150から光が外部に出力されるとする。この光導波路140、150は、幅方向に互いに隣接して並設され、伝搬方向と略平行に第2マルチモード光導波路部132の端部に接続される。
また、光導波路140、150は、例えば、マルチモード光導波路130の第2マルチモード光導波路部132に近づくに従って幅がテーパ状に拡大するように形成されてもよい。そして、例えば、光導波路140は、伝搬方向に平行な中心軸141に対して対称的な形状で形成されてもよく、光導波路150は、伝搬方向に平行な中心軸151に対して対称的な形状で形成されてもよい。
ここで、図3に示すように、光導波路140、150の幅が狭い端部の幅をWss2とし、幅が広い端部の幅をWsl2とする。そして、光導波路140、150の長さをLs2とする。
光導波路140、150の接続位置は、第2マルチモード光導波路部132の幅Wm2と、接続端における光導波路140、150の幅Wsl2とに依存する。しかし、この光導波路140、150は、例えば、それぞれ、マルチモード光導波路130の中心軸133から、マルチモード光導波路130の幅(図1中、y軸方向の長さ)の1/6〜1/5の距離だけ離隔した位置の近傍において、第2マルチモード光導波路部132に接続されることが好ましい。
つまり、マルチモード光導波路130の中心軸133から光導波路140、150の中心軸141、151までの距離をP2とした場合、P2は、例えば、マルチモード光導波路130の幅Wmの1/6〜1/5とすることが好ましい。P2がWmの1/5を超えると、このMMI光カプラ100でマッハツェンダ光変調器を構成する場合に、許容幅誤差が狭くなり、幅誤差dWの変化による特性の変化が大きくなる。また、P2を1/6より小さく設定すると、光導波路140と光導波路150との間の間隙Wg2が小さくなり、ドライエッチング等の製造プロセスの精度による製品品質への影響を抑えることができなくなる。この影響を抑えるために、この間隙Wg2を、例えば、2μm以上に設定することが好ましい。
例えば図3に示したように、光導波路140の幅方向の外側面140aは、段差を有さずに第2マルチモード光導波路部132の幅方向の一方の側面132aと連続して形成される。そして、光導波路150の幅方向の外側面150bは、段差を有さずに第2マルチモード光導波路部132の幅方向の一方の側面132bと連続して形成される。
このように、光導波路140、150を第2マルチモード光導波路部132の側面132a、132bに対して段差を有さず連続して形成することにより、このMMI光カプラでマッハツェンダ光変調器を構成したときの特性を向上させることができる。つまり、このように構成したMMI光カプラ100によってマッハツェンダ光変調器を構成すると、マルチモード光導波路130の幅誤差dWが増減した際の、出力光の強度差を低減することができる。
しかし、本発明は係る例に限定されず、光導波路140の外側面140aと、第2マルチモード光導波路部132の側面132aとの間は、連続して形成されずに段差が形成されてもよく、光導波路150の外側面150bと、第2マルチモード光導波路部132の側面132bとの間は、連続して形成されずに段差が形成されてもよい。
尚、図1に示して上述したように、シングルモード光導波路110、120、及び光導波路140、150は、それぞれマルチモード光導波路130に近づくに従って幅が拡大するテーパ状に形成された場合について説明した。シングルモード光導波路110、120、及び光導波路140、150をこのような形状で形成することにより、マルチモード光導波路130の始点(例えば、シングルモード光導波路110、120が接続された端部)において、マルチモード導波光に励振する光の幅が、マルチモード光導波路130の幅に対して広くなる。これにより、低次のモードだけを励振することができ、幅誤差によるモード間の位相差変化を小さくすることができる。その結果、上記(式2)におけるMMI光カプラ100の特性の変化の許容値であるdL/Lの比を大きくすることができ、幅誤差に対するMMI光カプラ100の特性の変化を抑えることができる。
以上、MMI光カプラ100の構成について説明した。このMMI光カプラ100を使用してマッハツェンダ型光変調器等を構成する場合等においては、シングルモード光導波路110、120、及び光導波路140、150に入出力される光の導波路を、例えば、同一の基板10上に形成することができる。この光の導波路の例として、図1には、曲線導波路210を示す。
曲線導波路210は、図1に示すように、例えば、光導波路140又は光導波路150に接続されて一体に形成されてもよい。このように、入出力される光の導波路を、各シングルモード光導波路110、120、及び光導波路140、150等と一体に形成することで、テーパ形状を有する各シングルモード光導波路110、120、及び光導波路140、150を、入出力される光の導波路の一部として構成することができ、光学素子全体の大きさを小さくすることができる。しかし、本発明は係る例に限定されず、曲線導波路210は、光導波路140又は光導波路150と別体に形成されてもよい。
図1においては、伝搬する光の入力光310が、シングルモード光導波路110に入力される場合について説明した。この場合、光は、第1マルチモード光導波路部131において干渉して2つのモードの光に分離される。そして、分離された光は、第2マルチモード光導波路部132において第1マルチモード光導波路部131とは違う干渉状態となり、それにより分離された2つの光のモードの間隙は、広げられる。この分離光の間隙が広がることにより、光導波路140と光導波路150との間隙Wg2が確保されて、分離された2つの光は、光導波路140と光導波路150とに分岐して出力される。これらの光は、それぞれ光導波路140を介して曲線導波路210から第1出力光320として、及び、光導波路150を介して曲線導波路210から第2出力光330として、出力される。
ここで、この伝搬する光の入力光310は、シングルモード光導波路110に入力されるとしたが、かかる例に限られず、例えば、伝搬する光が、それぞれの曲線導波路210を介して光導波路140と、光導波路150と、に入力されてもよい。この場合、光は、マルチモード光導波路130において結合され、シングルモード光導波路110から出力される。
(本実施形態に係るMMI光カプラ100の特性)
以上、本実施形態に係るMMI光カプラ100の構成について説明した。以下では、図4を参照して、このような構成を有するMMI光カプラ100に光通信等で使用される約1.55μmの波長の光を伝搬する場合の、MMI光カプラ100の特性について説明する。但し、以下に示すMMI光カプラ100の各構成の寸法は、この場合の一例であり、他の波長の光を伝搬する場合等においては、以下の寸法を適宜変更することもできることはいうまでもない。
以上、本実施形態に係るMMI光カプラ100の構成について説明した。以下では、図4を参照して、このような構成を有するMMI光カプラ100に光通信等で使用される約1.55μmの波長の光を伝搬する場合の、MMI光カプラ100の特性について説明する。但し、以下に示すMMI光カプラ100の各構成の寸法は、この場合の一例であり、他の波長の光を伝搬する場合等においては、以下の寸法を適宜変更することもできることはいうまでもない。
図4は、本実施形態に係るMMI光カプラ100の特性を説明するための説明図である。そして、図4の(A)は、MMI光カプラ100の寸法を示し、(B)は、幅誤差dWに対するMMI光カプラ100の第1出力光320、第2出力光330の変化をBPM等で計算した結果を示す。そして、(C)は、MMI光カプラ100によって構成したマッハツェンダ型光変調器400の構成及び寸法を示し、(D)は、幅誤差dWに対するマッハツェンダ型光変調器400の第3出力光340、第4出力光350の変化をBPM等で計算した結果を示すグラフである。
まず、この場合の、MMI光カプラ100の各構成の寸法の一例を、図4の(A)を参照して説明する。基板10及び下部クラッド20Aをn型InPにより形成し、下部クラッド20Aの厚みを0.5μmとした。光導波層20BをInGaAsPにより形成し、厚みを0.2μmとした。そして上部クラッド20Cをp型InPにより形成し、厚みを2μmとした。
この場合、基板10、下部クラッド20A、上部クラッド20Cの屈折率は3.17となり、光導波層20Bの屈折率は3.32となる。また、基板10上のMMI光カプラ100等の導波路が形成されていない表面には、例えばポリイミド等の屈折率1.5程度の高分子層が形成されてもよい。この場合、等価屈折率法で2次元化すると、導波路部分の屈折率を3.2に、その他の部分の屈折率を1.5にすることができる。
図4の(A)に示すように、シングルモード光導波路110、120の幅が狭い端部の幅Wss1を1.8μmとし、幅が広い端部の幅Wsl1を2.6μmとし、長さLs1を50μmとした。そして、シングルモード光導波路110とシングルモード光導波路120との間隙Wg1を2μmとした。
マルチモード光導波路130の長さLを210μmとし、幅Wmを12μmとした。そして、第1マルチモード光導波路部131の長さLm1を200μmとして、第2マルチモード光導波路部132の長さLm2を10μmとした。この際、Lm2はLの約4.8%となる。そして、第2マルチモード光導波路部132の幅Wm2を6.8μmとした。このWm2はWmの約57%となる。
光導波路140、150の幅が狭い端部の幅Wss2を1.8μmとし、幅が広い端部の幅Wsl2を2.4μmとし、長さLs2を50μmとした。そして、光導波路140と光導波路150との間隙Wg2を2μmとした。
シングルモード光導波路110、120、及び光導波路140、150の幅が狭い端部の幅Wss1、Wss2を1.8μmとしたのは、この位置を伝搬する光をシングルモードにするためである。
上記のような寸法によって構成したMMI光カプラ100に入力光310を入力した場合に、光導波路140から出力される第1出力光320と、光導波路150から出力される第2出力光330との幅誤差dWに対する変化について、図4の(B)を参照して説明する。
図4の(B)から判るように、幅誤差dWが−0.3μmから0μmへと変化するにつれて、第1出力光320の強度は約0.4から約0.47へと増加している。そして、dWが0μmから0.3μmへと変化するにつれて、第1出力光320は、約0.47から0.4近傍まで減少する。一方、第2出力光330の強度は、dW=−0.3〜0.3μmの間、第1出力光320の強度とほぼ同じ値となっている。
つまり、本実施形態に係るMMI光カプラ100は、第1出力光320と第2出力光330との強度比を、dWの変化にかかわらず約1:1にすることができる。そして、MMI光カプラ100によれば、dWの大きさ|dW|が大きくなった場合でも、第1出力光320及び第2出力光330の強度は、約0.4以上の高い値に維持されている。
次に、図4の(C)に示すように、上記のMMI光カプラ100を2つ使用してマッハツェンダ型光変調器400を構成したときの出力光について説明する。このマッハツェンダ型光変調器400は、2つのMMI光カプラ100に加えて、2つの連結導波路を有する。
連結導波路の1つは、一方のMMI光カプラ100の光導波路140と、他方のMMI光カプラ100の光導波路140とを接続し、連結導波路の他の1つは、一方のMMI光カプラ100の光導波路150と、他方のMMI光カプラ100の光導波路150とを接続する。
この連結導波路は、例えば、曲線導波路210及び直線導波路220によって構成されてもよい。この場合、曲線導波路210及び直線導波路220は、例えば、基板上にMMI光カプラ100と共に一体に形成されてもよい。
そして、曲線導波路210及び直線導波路220の幅は、1.8μmとした。これは、伝搬する光をシングルモードにするためである。そして曲線導波路210の長さを100μmとし、直線導波路220の長さを300μmとすることで、各MMI光カプラ100の間の光路の長さを500μmとした。そして、各直線導波路220の間の距離は、15μmとした。曲線導波路210及び直線導波路220の導波層の屈折率は3.2であり、その外側の屈折率は1.5である。
次に、このような構成を有する本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器400の特性について、BPM等のシミュレーション方法によってシミュレーションを行うことにより算出した結果を、図4の(D)に示す。
図4の(D)は、マッハツェンダ型光変調器400の一方のシングルモード光導波路110に入力光310を入力した場合に、他方のシングルモード光導波路110から出力される第3出力光340と、シングルモード光導波路120から出力される第4出力光350との幅誤差dWに対する変化を示している。
この場合、シングルモード光導波路110から入力された入力光310は、一方のMMI光カプラ100で分岐され、分岐された光は、曲線導波路210、直線導波路220を介して他方のMMI光カプラ100に伝搬する。そして、伝搬する光は、他方のMMI光カプラ100で結合されて、シングルモード光導波路110又はシングルモード光導波路120から出力される。
図4の(D)から判るように、第3出力光340の強度は、dWの変化に対して0.1以下の小さな値に抑えられている。一方、第4出力光350の強度は、dW=−0.3μmにおいても0.6以上であったものが、dWが増加するに従って更に増加してから減少し、dW=0.28μm付近まで0.6以上となっている。そして、この第4出力光350は、dWが0.28μm以上では0.6以下となっている。つまり、MMI光カプラ100によれば、許容幅誤差は、約−0.3〜0.28μmの約0.6μmとなることが判る。
(MMI光カプラの特性比較)
幅誤差dWに対する出力光の強度の変化について、このMMI光カプラ100と、前述した従来のMMI光カプラ500とを比較すると、従来のMMI光カプラ500によれば|dW|を大きくした場合、第1出力光620及び第2出力光630は、約0.3まで低下してしまうのに対して、本実施形態に係るMMI光カプラ100によれば|dW|を大きくしても第1出力光320及び第2出力光330の強度を約0.4以上の高い値に維持することができることが判る。
幅誤差dWに対する出力光の強度の変化について、このMMI光カプラ100と、前述した従来のMMI光カプラ500とを比較すると、従来のMMI光カプラ500によれば|dW|を大きくした場合、第1出力光620及び第2出力光630は、約0.3まで低下してしまうのに対して、本実施形態に係るMMI光カプラ100によれば|dW|を大きくしても第1出力光320及び第2出力光330の強度を約0.4以上の高い値に維持することができることが判る。
更に、従来のマッハツェンダ型光変調器700では許容幅誤差は、約−0.2〜0.1μmの約0.3μmに過ぎないが、本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器400によれば、この許容幅誤差を従来の許容幅誤差の約2倍の約−0.3〜0.28μmの約0.6μmにまで拡大することができることが判る。換言すれば、本実施形態によれば、許容幅誤差を80%以上も増加させることができる。
そして、このように広い許容幅誤差を、従来のマッハツェンダ型光変調器700によって達成するためには、マルチモード光導波路530の幅を広げる必要があり、それに伴い長さを約400μmまで長くする必要がある。本実施形態に係るマルチモード光導波路130の長さLは210μmであるので、本実施形態によれば長さを約半分に短縮することができる。
(本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係るMMI光カプラ100によれば、作製時に生じる誤差、特に幅誤差dWによって出力光の強度の分配特性が変化してしまうことを防ぐことができる。さらに、本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器400によれば、許容することができる幅誤差dWを約2倍近くまで広げることができる。つまり、実用上充分な約±0.3μmの許容幅誤差を確保することができる。換言すれば、MMI光カプラ100の長さを、この許容幅誤差の範囲を有する従来のMMI光カプラ500に対して約半分の長さにまで短縮することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るMMI光カプラ100によれば、作製時に生じる誤差、特に幅誤差dWによって出力光の強度の分配特性が変化してしまうことを防ぐことができる。さらに、本実施形態に係るマッハツェンダ型光変調器400によれば、許容することができる幅誤差dWを約2倍近くまで広げることができる。つまり、実用上充分な約±0.3μmの許容幅誤差を確保することができる。換言すれば、MMI光カプラ100の長さを、この許容幅誤差の範囲を有する従来のMMI光カプラ500に対して約半分の長さにまで短縮することができる。
この様に、出力強度を幅誤差dWに対して変動することなく高い値に維持することができるので、製品としての均一性を向上することができる。更に製品品質を向上することにより、その後の使用上での微調整等の必要性を低減することができるため、使用上の便宜を向上することができる。つまり、同様の特性を有するMMI光カプラを作製する際に、作製装置等に要求される精度を低減することができるため、MMI光カプラの作製を容易にすることができる。
(各部材の寸法による許容幅誤差の変化)
以上、本実施形態に係るMMI光カプラ100及びマッハツェンダ型光変調器400の構成及び効果等について説明した。以下では、このMMI光カプラ100の各部材の寸法による特性の変化、つまり、MMI光カプラ100の各部材の寸法を変更した場合に、そのMMI光カプラ100を使用してマッハツェンダ型光変調器400を構成した場合の許容幅誤差の変化について説明する。
以上、本実施形態に係るMMI光カプラ100及びマッハツェンダ型光変調器400の構成及び効果等について説明した。以下では、このMMI光カプラ100の各部材の寸法による特性の変化、つまり、MMI光カプラ100の各部材の寸法を変更した場合に、そのMMI光カプラ100を使用してマッハツェンダ型光変調器400を構成した場合の許容幅誤差の変化について説明する。
そこで、以下では、上記の寸法を有する本実施形態に係るMMI光カプラ100を基本に、一部の構成部材の寸法のみを変更した場合について説明する。従って、以下では、変更した寸法のみを示し、他の寸法については上記のMMI光カプラ100の寸法と同様である。
(第2マルチモード光導波路部132の幅Wm2)
まず、図5を参照して、第2マルチモード光導波路部132の幅Wm2を変化させた場合の許容幅誤差の変化について説明する。図5は、本実施形態に係るMMI光カプラ100における第2マルチモード光導波路部132の幅Wm2の変化に対する特性の変化を示す図面である。
まず、図5を参照して、第2マルチモード光導波路部132の幅Wm2を変化させた場合の許容幅誤差の変化について説明する。図5は、本実施形態に係るMMI光カプラ100における第2マルチモード光導波路部132の幅Wm2の変化に対する特性の変化を示す図面である。
(A)は、Wm2=7.3μmにした場合のMMI光カプラ100を示し、この場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を(B)のグラフに示す。また、(C)は、Wm2=7.2μmにした場合のMMI光カプラ100を示し、この場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を(D)のグラフに示す。(E)は、Wm2=6.0μmにした場合のMMI光カプラ100を示し、この場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を(F)のグラフに示す。
尚、(C)に示すように、Wm2=7.2μmの場合、光導波路140、150の外側面140a、150bがそれぞれ、第2マルチモード光導波路部132の側面132a、132bと連続して形成されるように、光導波路140、150の幅が広い端部の幅Wsl2を2.6μmとした。そして、(E)に示すように、Wm2=6.0μmの場合、光導波路140と光導波路150との間隙Wg2を2μm確保するために、光導波路140、150の幅が広い端部の幅Wsl2を2.0μmとした。
(B)に示すように、Wm2=7.3μmのときの許容幅誤差は、約−0.22〜0.26μmとなる。このWm2=7.3μmは、マルチモード光導波路130の幅Wmの約61%にあたり、光導波路140、150の中心軸141、151とマルチモード光導波路130の中心軸133との間の距離P2は、マルチモード光導波路130の幅Wmの約1/5.5倍となる。この許容幅誤差は、従来のMMI光カプラの許容幅誤差(約−0.2〜0.1μm)よりも広くなっている。Wm2をWmの60%より長くすると、許容幅誤差は、狭くなり従来の許容幅誤差に近づく。
(D)に示すように、Wm2=7.2μmのときの許容幅誤差は、約−0.24〜0.18μmとなる。この場合、距離P2は、Wmの約1/5.2倍となる。この許容幅誤差も、従来の許容幅誤差(約−0.2〜0.1μm)よりも広くなっている。更に距離P2を大きくすると、許容幅誤差は、従来の許容幅誤差に近づく。従って、P2をWmの約1/5倍よりも大きくすると、許容幅誤差は狭くなり従来の許容幅誤差に近づく。
(E)に示すように、Wm2=6.0μmの場合、幅誤差dWの変化によって第4出力光350の強度は波立つような変化をし、許容幅誤差は−0.2近傍のみとなる。このWm2はWmの約50%にあたり、距離P2は幅Wmの約1/6倍となる。この距離P2をより小さくすると、第4出力光350の強度は更に多く波立つこととなる。この様に出力光の強度が波立つように変化すると、作製誤差による出力変動が不確定になり製品品質が低下する恐れがある。
以上から判るように、本実施形態においては、光導波路140、150の中心軸141、151とマルチモード光導波路130の中心軸133との間の距離P2を、マルチモード光導波路130の幅Wmの約1/6〜1/5倍にすることにより、出力強度の波立ちを抑えつつ、許容幅誤差を広くすることができ、MMI光カプラ100の特性を向上させることができる。そして、第2マルチモード光導波路部132の幅Wm2を、マルチモード光導波路130の幅Wmの約50%〜60%にすることにより、出力強度の波立ちを抑えつつ、許容幅誤差を広くすることができ、MMI光カプラ100の特性を向上させることができる。
(第2マルチモード光導波路部132の長さLm2)
次に、図6を参照して、図6の(A)に示すように第2マルチモード光導波路部132の長さLm2を変化させた場合の許容幅誤差の変化について説明する。図6は、本実施形態に係るMMI光カプラ100における第2マルチモード光導波路部132の長さLm2の変化に対する特性の変化を示す図面である。
次に、図6を参照して、図6の(A)に示すように第2マルチモード光導波路部132の長さLm2を変化させた場合の許容幅誤差の変化について説明する。図6は、本実施形態に係るMMI光カプラ100における第2マルチモード光導波路部132の長さLm2の変化に対する特性の変化を示す図面である。
(B)は、Lm2=5μmにした場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を示したグラフで、(C)は、Lm2=10μmにした場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を示したグラフで、(D)は、Lm2=15μmにした場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を示したグラフである。尚、マルチモード光導波路130の長さLを210μmに固定しているため、Lm2によって第1マルチモード光導波路部131の長さLm1は変化する。
(C)に示すLm2=10μmの場合は、上述したMMI光カプラ100の場合であり、その許容幅誤差は、約−0.3〜0.28μmであった。それに対して(B)に示すように、Lm2を短くし5μmとしたときの許容幅誤差は狭くなり約−0.28〜0.25μmとなる。しかし、この許容幅誤差もMMI光カプラ500の許容幅誤差(約−0.2〜0.1μm)より広くなっている。この場合Lm2は、Lの約2.3%にあたる。更に、このLm2を短くした場合、許容幅誤差は更に狭くなる。
そして、(D)に示すように、Lm2を10μmよりも長くして15μmとした場合、第4出力光350の強度は減少して0.6近傍で波立つように変化した。この場合Lm2は、Lの約7.1%にあたる。更に、このLm2を長くした場合、第4出力光350の強度は減少する。特に、Lm2をLの約10%以上にした場合、第4出力光350の強度が更に減少し、必要な強度を得ることができなくなる。
以上から判るように、本実施形態においては、第2マルチモード光導波路部132の長さLm2をマルチモード光導波路130の長さLの約2〜10%にすることにより、許容幅誤差を広くすることができ、MMI光カプラ100の特性を向上させることができる。
(シングルモード光導波路110、120の幅が狭い端部の幅Wsl1)
図7を参照して、図7の(A)に示すようにシングルモード光導波路110、120の幅が狭い端部の幅Wsl1を変化させた場合の許容幅誤差の変化について説明する。図7は、本実施形態に係るMMI光カプラ100におけるシングルモード光導波路110、120の幅が狭い端部の幅Wsl1の変化に対する特性の変化を示す図面である。
図7を参照して、図7の(A)に示すようにシングルモード光導波路110、120の幅が狭い端部の幅Wsl1を変化させた場合の許容幅誤差の変化について説明する。図7は、本実施形態に係るMMI光カプラ100におけるシングルモード光導波路110、120の幅が狭い端部の幅Wsl1の変化に対する特性の変化を示す図面である。
(B)は、Wsl1=2μmとした場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を示したグラフで、(C)は、Wsl1=2.3μmとした場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を示したグラフで、(D)は、Wsl1=2.6μmとした場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を示したグラフで、(E)は、Wsl1=2.9μmとした場合の第3出力光340及び第4出力光350の強度を示したグラフである。
(B)に示すように、Wsl1=2μmのときの許容幅誤差は約−0.27〜0.26μmとなり、(C)に示すように、Wsl1=2.3μmのときの許容幅誤差は約−0.29〜0.27μmとなり、(D)に示すように、Wsl1=2.6μmのときの許容幅誤差は約−0.3〜0.28μmとなり、(E)に示すように、Wsl1=2.9μmのときの許容幅誤差は約−0.3〜0.27μmとなる。
従って、許容幅誤差のWsl1依存性はそれほど大きくはないが、Wsl1=2.6μmとすることにより許容幅誤差を更に広くすることができることが判る。そして、Wsl1を長くすることによって、第4出力光350の全体の強度が大きくなることが判る。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、MMI光カプラ100は、第2入出力光導波路として、図1に示すように2つの光導波路140、150を備えるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、MMI光カプラ100は、3つ以上の第2入出力光導波路を備えてもよい。複数の第2入出力光導波路が備えられる場合、各第2入出力光導波路は、幅方向に並設されてもよい。
10 基板
20 リッジ導波路
20A 下部クラッド
20B 光導波層
20C 上部クラッド
100 MMI光カプラ
110、120 シングルモード光導波路
111、121 中心軸
130 マルチモード光導波路
131 第1マルチモード光導波路部
132 第2マルチモード光導波路部
132a、132b 側面
133 中心軸
140、150 光導波路
140a、150b 外側面
141、151 中心軸
210 曲線導波路
220 直線導波路
310 入力光
320 第1出力光
330 第2出力光
340 第3出力光
350 第4出力光
400 マッハツェンダ型光変調器
500 MMI光カプラ
510、520 シングルモード光導波路
530 マルチモード光導波路
540、550 シングルモード光導波路
610 入力光
620 第1出力光
630 第2出力光
640 第3出力光
650 第4出力光
700 マッハツェンダ型光変調器
20 リッジ導波路
20A 下部クラッド
20B 光導波層
20C 上部クラッド
100 MMI光カプラ
110、120 シングルモード光導波路
111、121 中心軸
130 マルチモード光導波路
131 第1マルチモード光導波路部
132 第2マルチモード光導波路部
132a、132b 側面
133 中心軸
140、150 光導波路
140a、150b 外側面
141、151 中心軸
210 曲線導波路
220 直線導波路
310 入力光
320 第1出力光
330 第2出力光
340 第3出力光
350 第4出力光
400 マッハツェンダ型光変調器
500 MMI光カプラ
510、520 シングルモード光導波路
530 マルチモード光導波路
540、550 シングルモード光導波路
610 入力光
620 第1出力光
630 第2出力光
640 第3出力光
650 第4出力光
700 マッハツェンダ型光変調器
Claims (8)
- 第1入出力光導波路と、相隣接する少なくとも2つの第2入出力光導波路と、前記第1入出力光導波路と前記第2入出力光導波路との間に設けられマルチモード導波光を伝搬するマルチモード光導波路と、を有するマルチモード干渉光カプラであって、
前記マルチモード光導波路は、
前記第1入出力光導波路が接続される第1マルチモード光導波路部と、
前記第2入出力光導波路が接続され、前記マルチモード導波光の伝搬方向に垂直な方向の幅が前記第1マルチモード光導波路部より狭い第2マルチモード光導波路部と、
から構成されることを特徴とする、マルチモード干渉光カプラ。 - 前記第1入出力光導波路は、前記マルチモード導波光の伝搬方向と平行な前記マルチモード光導波路の中心軸から、前記マルチモード光導波路の幅の約1/6の距離離隔して配置されることを特徴とする、請求項1に記載のマルチモード干渉光カプラ。
- 前記伝搬方向と平行な前記第2マルチモード光導波路部の側面と、前記各第2入出力光導波路の外側面とが段差なく接合されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のマルチモード干渉光カプラ。
- 前記第1入出力光導波路及び前記第2入出力光導波路の少なくともいずれか一方は、前記マルチモード光導波路に接近するに従ってテーパ状に拡大する幅を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のマルチモード干渉光カプラ。
- 前記第2入出力光導波路は、前記マルチモード導波光の伝搬方向と平行な前記マルチモード光導波路の中心軸から、前記マルチモード光導波路の幅の1/6〜1/5の距離だけ離隔して配置されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のマルチモード干渉光カプラ。
- 前記第2マルチモード光導波路部の幅は、前記第1マルチモード光導波路部の幅の50%〜60%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のマルチモード干渉光カプラ。
- 前記第2マルチモード光導波路部の長さは、前記マルチモード光導波路の長さの2%〜10%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のマルチモード干渉光カプラ。
- 第1入出力光導波路と、相隣接する少なくとも2つの第2入出力光導波路と、前記第1入出力光導波路と前記第2入出力光導波路との間に設けられマルチモード導波光を伝搬するマルチモード光導波路と、を有し、前記マルチモード光導波路は、前記第1入出力光導波路が接続される第1マルチモード光導波路部と、前記第2入出力光導波路が接続され、前記第1マルチモード光導波路部より前記マルチモード導波光の伝搬方向に垂直な方向の幅が狭い第2マルチモード光導波路部と、から構成されるマルチモード干渉光カプラを2つ有し、
一の前記マルチモード干渉光カプラの前記第2入出力光導波路と、他の前記マルチモード干渉光カプラの前記第2入出力光導波路とが連結導波路で連結されることを特徴とする、マッハツェンダ型光変調器。
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- 2007-03-26 JP JP2007080209A patent/JP2008241937A/ja active Pending
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