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JP2008224301A - 回転体変位測定装置 - Google Patents

回転体変位測定装置 Download PDF

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JP2008224301A
JP2008224301A JP2007060222A JP2007060222A JP2008224301A JP 2008224301 A JP2008224301 A JP 2008224301A JP 2007060222 A JP2007060222 A JP 2007060222A JP 2007060222 A JP2007060222 A JP 2007060222A JP 2008224301 A JP2008224301 A JP 2008224301A
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displacement
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JP2007060222A
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Masumi Izumi
真澄 和泉
Akio Ochi
秋雄 越智
Hiroyuki Morizaki
浩幸 森崎
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Hiroshima Industrial Promotion Organization
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Abstract

【課題】高速で回転する軸のブレ等によるX軸方向及びY軸方向の変位を同時に且つ高精度に測定することを課題とする。
【解決手段】回転体12を挟むように近接してX軸方向に平行に2組の第1磁石51、52と2つの第1磁気抵抗素子41、42、43、44を対向して配置し、第1磁気抵抗素子41、42、43、44で第1ブリッジ回路を形成する。また、回転体12を挟むように近接してY軸方向に平行に2組の第2磁石53、54と2つの第2磁気抵抗素子45、46、47、48を対向して配置し、第2磁気抵抗素子45、46、47、48で第2ブリッジ回路を形成する。第1ブリッジ回路でX軸方向の回転体12の変位を測定し、同時に第2ブリッジ回路でY軸方向の回転体12の変位を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転体を挟むようにX軸方向及びY軸方向に対し、平行に磁気抵抗素子をそれぞれ対向して配置し、回転体のX軸方向及びY軸方向の変位を同時に測定する回転体変位測定装置に関する。
切削加工では加工時間の短縮化の目的から、切削スピードがより高速になるように技術開発が進んでいる。特に、工具直径が1mm以下のドリルやエンドミルでは、工具回転数が10万rpmに達するほどである。工具は駆動源であるモーターに直結された主軸端に取り付けられて加工に寄与するが、主軸の回転精度が十分でないと、工具の切れ刃が正しい円を描いて回転することができず、動的不釣り合いが生じて振動が発生する他、切削作業が精度良く行えなくなる。そこで、工具は慎重な取り付け作業によって主軸の中心に把持させることは当然であるが、主軸系自体の回転精度を適時に測定し確認しておくことが重要である。このため、接触式変位計、静電容量型変位計、レーザ変位計等、各種測定装置によって主軸系のブレ等を測定、検査してきた。
しかし、近年において、これらの装置の小型化及び高速回転に伴って、主軸系と永久磁石との間に生じる磁束の変化を検知して主軸系の回転誤差を測定する装置が注目されてきている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
特許文献1に記載の発明は、主軸に凹凸状の歯を設けた磁性体からなるロータを設置し、磁気抵抗素子4個から構成した磁気センサを、ロータの歯に対向させて設置している。また、磁気センサは2組用意し、各々のセンサは主軸を中心に対向させて設けている。
1対の磁気センサが対向する方向へ主軸が移動した場合、それぞれの磁束の強弱により、当該方向への変位を検知するとともに、主軸が当該方向と直角方向に移動した場合には、ロータの歯の回転の変動を検知することで、この直角方向への変位を検知している。
また、非特許文献1に記載の発明は、二つの磁気抵抗素子を直列に接続した磁気センサを備え、二つの磁気抵抗素子の間に設置した主軸の変位を測定する方法である。
直列に接続した磁気抵抗素子と平行に主軸が移動すると、一方の磁気抵抗素子の電気抵抗が大きくなり、他方の磁気抵抗素子の電気抵抗が小さくなることを利用し、磁気センサの検知面に対して平行方向へ移動する主軸の変位を測定している。
特開平5−87512号公報 2005年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集p.27〜28「磁気抵抗素子を利用した主軸回転誤差の測定法」
特許文献1に記載の発明は、機械加工装置等、大径の回転体の変位を測定することを対象としており、小径の回転体には適用できないという課題を有する。
また、歯車の通常の回転を検知し、磁気センサが対向する方向と直角方向に主軸が移動した場合、歯車の進み具合によって主軸の変位を検知しているため、主軸に歯車を設けないと検知できないという課題を有する。
更に、歯車を主軸に取り付けなければならず、小径の軸に用いようとしても、非常に微小な歯車を作成、設置する必要があり、小径の主軸に適用することが難しいという問題がある。
非特許文献1に記載の発明では、磁気センサの検知面に対して主軸が直角方向に移動した場合、検知面から遠ざかる方向には感度が鈍いため、主軸が検知面に対して直角に移動する際の変位を正確に計測できないという課題を有する。
また、同じ磁気センサを2つ用い、これらをL字状に配置してX軸方向及びY軸方向の変位を計測しようとしても、隣接する磁気センサに設置された磁石からの磁力が互いに干渉してしまい、主軸の位置変位を正確に捉えることができないという課題を有する。
更に、2つの磁気抵抗素子と2つの固定抵抗でブリッジ回路を形成し、回転体の1軸方向の変位を測定しているため、感度が鈍く精度が低いという課題を有する。
本発明は、小径且つ高速で回転する回転体のブレ等によるX軸方向及びY軸方向の変位を同時に且つ高精度に測定することを課題とする。
本発明は、回転体の変位を測定する回転体変位測定装置において、
前記回転体を挟むように近接してX軸方向に平行に2組の第1磁石と2つの第1磁気抵抗素子を対向して配置し、前記第1磁気抵抗素子で第1ブリッジ回路を形成し、
前記回転体を挟むように近接してY軸方向に平行に2組の第2磁石と2つの第2磁気抵抗素子を対向して配置し、前記第2磁気抵抗素子で第2ブリッジ回路を形成し、
前記第1ブリッジ回路でX軸方向の前記回転体の変位を測定し、同時に前記第2ブリッジ回路でY軸方向の前記回転体の変位を測定することを特徴とする。
また、本発明は、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に接続する演算装置を設け、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路からの出力電圧を、前記演算装置で正弦波に変換してリサージュ図形を作成することを特徴とする。
更に、本発明は、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に補正手段を設け、
前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路からの出力電圧を初期補正することを特徴とする。
更に、本発明は、前記第1磁石と前記第1磁気抵抗素子及び前記第2磁石と前記第2磁気抵抗素子をそれぞれ1の函体に収容したことを特徴とする。
本発明によれば、回転体を挟むように近接してX軸方向に平行に2組の第1磁石と2つの第1磁気抵抗素子を対向して配置して第1ブリッジ回路を形成し、また、同様にY軸方向に平行に2組の第2磁石と2つの第2磁気抵抗素子を対向して配置して第2ブリッジ回路を形成して、回転体のX軸方向の変位及びY軸方向の変位を、それぞれ第1ブリッジ回路および第2ブリッジ回路からの出力電圧にて測定している。回転体がX軸方向にのみ移動した場合、第2磁気抵抗素子に隣接する2つの第1磁石からの磁力の干渉が対称となるため、1組の第2磁気抵抗素子対のそれぞれを通過する磁力線は等しくなり、Y軸方向の変位を測定する第2ブリッジ回路は平衡状態を維持する。このためY軸方向への変位がないことを測定できるので、回転体のX軸方向及びY軸方向の変位を同時に測定できる。
また、本発明によれば、回転体を挟むように近接してX軸方向に平行に2組の第1磁気抵抗素子を対向して配置し、また、同様にY軸方向に平行に2組の第1磁気抵抗素子を対向して配置しているため、回転体の変位に伴う微小な磁力線の向きの変化を検知でき、高速回転する小径の回転体であっても、サブミクロンレベルの微小な変位を正確に測定することができる。
更に、本発明によれば、第1ブリッジ回路及び第2ブリッジ回路をそれぞれ4つの磁気抵抗素子で構成して1軸方向の変位を測定しているため、2つの磁気抵抗素子と2つの固定抵抗でブリッジ回路を構成したものに比べ、ブリッジ回路からの出力電圧が2倍になる。このため、2倍の高感度で、より高精度に回転体の変位測定が可能である。
更に、本発明によれば、リサージュ図形を作成して回転体の変位を測定しているため、一見して回転体の変位がわかる利点を有する。
更に、第1ブリッジ回路及び第2ブリッジ回路には補正手段を設けているため、事前に初期補正を行うことができ、回転体の初期位置にズレがあった場合でもゼロ調整が可能であり、高倍率で正確な測定ができる利点がある。
更に、磁石と磁気抵抗素子を1の函体に収容しているため、誘導ノイズを防止でき、回転体の変位を高精度に測定することが可能である。
図1を参照して、本発明の回転体変位測定装置について説明する。図1は、本装置の内部構造を示す断面図である。
回転体変位測定装置は、主に本体部11と、回転体12と、4つの磁気センサ21、22、23、24と、演算装置13(図3参照)から構成される。
本体部11は、円柱状に形成しており、回転体12を貫通させて配置できるよう、中心部分を空洞にしている。磁気センサを挿入する磁気センサ配置孔14は、本体部11外周から内部の空洞まで貫通させて配置している。2つの磁気センサ配置孔14は回転体を中心としてX軸方向に平行に対向させて設け、他の2つの磁気センサ配置孔14を同様にY軸方向に平行に対向させて設けている。磁気センサ配置孔14にはそれぞれ磁気センサを1つずつ挿入している。
磁気センサ21、22、23、24は磁気センサ配置孔14にそれぞれ挿入されており、全ての磁気センサ21の検知面と回転体12は200μm程度の間隔で配置される。それぞれの磁気センサ21、22、23、24は、それぞれ接続コード31、32、33、34を介して演算装置13に接続している。
磁気センサ21及び22は回転体12を挟むように近接してX軸方向に平行に対向して配置されている。同様に、回転体12を挟むように近接してY軸方向に平行に磁気センサ23及び24が対向して配置されている。これらの磁気センサ21、22、23、24の検知面と回転体12は全て均一な間隔となるように配置している。回転体12と磁気センサの検知面が近ければ近いほど、回転体12の変位に伴う磁界の変化を磁気センサ21、22、23、24が捉え、より高精度の測定が可能となるため、できるだけ近づけると良い。また、小さな磁気センサ21、22、23、24を用いると、より小径の回転体12であっても磁気センサ21、22、23、24の検知面を回転体12に近づけることができ、高精度の変位測定ができる。
磁気センサ21内部には、第1磁石51と2つの第1磁気抵抗素子41、42が設けられ、また、磁気センサ22内部には、第1磁石52と2つの第1磁気抵抗素子43、44が設けられ、これらが回転体を挟むように対向して配置している。第1の磁気抵抗素子41、42、43、44が、接続コード31、32、33、34を介して第1ブリッジ回路を形成している。
磁気センサ23内部には、第2磁石53と2つの第2磁気抵抗素子45、46が設けられ、また、磁気センサ24内部には、第2磁石54と2つの第1磁気抵抗素子47、48が設けられ、これらが回転体12を挟むように対向して配置している。第2の磁気抵抗素子45、46、47、48は、接続コード35、36、37、38を介して第2ブリッジ回路を形成している。
磁気抵抗素子は磁界の変化によって抵抗値が変化する性質があり、微小な磁界の変化を高感度に検知する。回転体12がX軸方向あるいはY軸方向に移動すると、第1の磁気抵抗素子41、42、43、44によって回転体12のX軸方向の変位を検知するとともに、第2の磁気抵抗素子45、46、47、48によって回転体12のY方向の変位を検知している。
磁気センサ21には、磁気抵抗素子41、42が電気的に直列接続して配置されている。そして、磁気抵抗素子41、42の背後に磁石51が配置されており、この2つの磁気抵抗素子41、42及び永久磁石51は1つの函体に収容されている。函体は主に導電性のある金属ケースを使用し、誘導ノイズを防ぐ役割がある。他の磁気センサ22、23、24も同様の構造としている。
回転体12は鋼、SUJ等の磁性材料から構成しており、回転体12の変位によって、磁気センサ21、22、23、24に収容された磁石からの磁力線の向きが変化するようにしている。回転体12は、基準ピンゲージやモーターの軸等の円柱体や円筒体のほか、基準球等の球体であっても測定することができる。なお、これら円柱体、円筒体、球体は真円度、円筒度、真球度が優れた物を用いた方が、より正確に偏芯の測定を行うことができる。
図2は、磁気センサ21の内部構造を示す断面図である。図2は検知面から見たものであり、磁気抵抗素子41、42が並んで配置されている。また、磁気抵抗素子41、42の背後には第1磁石51が配置してある。測定の初期状態では、磁気抵抗素子41、42の中心に回転体12がくるように配置する。磁気抵抗素子41、42は電気的に直列接続しており、回転体12の変位にともなって生じる磁気抵抗素子41、42の抵抗値の変化を電圧の変化として、磁気抵抗素子41と42の接続間から出力する。磁気抵抗素子41、42は、InSb等、化合物半導体からなり、磁気抵抗素子を流れる電流に対し、主に垂直に磁界が与えられると、磁気抵抗素子41、42の抵抗値が変化する。この変化を電圧の変化として取り出している。
磁気抵抗素子41、42は、回転体12が移動した際に変化する磁力線の向きに伴う磁界の変化を検知しているため、回転体12の径によらず、種々の径を有する回転体12の変位を測定できる。磁気抵抗素子41、42は、そして、微小な磁力線の向きを高感度に検知できるため、サブミクロンレベルでの回転体12の変位をも測定できるとともに、回転体12が高速で回転していても測定可能である。
磁気抵抗素子41、42は特性が同じものを用いるとともに、他の磁気センサ22、23、24内の磁気抵抗素子も同様の特性のものを用いる必要がある。
図3は本発明の回転体変位測定装置の概略的構成を示す斜視図である。
回転体12にはモーター14が接続し、回転体12はモーター15と連結して回転する。モーター14の回転に伴って回転体12に偏心が生じ、この偏心による磁力線の向きの変化を磁気抵抗素子が捉え、X軸方向及びY軸方向の変位を測定している。
図4に第1ブリッジ回路及び第2ブリッジ回路の構成を示す。図4(A)は、回転体のX軸方向の変位を検出する第1ブリッジ回路図であり、図4(B)は、回転体のY軸方向の変位を検出する第2ブリッジ回路図である。
図4(A)では、第1磁気抵抗素子41、42、43、44で第1ブリッジ回路を形成している。第1ブリッジ回路に電源装置64から電源供給し、第1ブリッジ回路からの出力電圧が増幅器62xにより増幅されて出力される。
電源装置64と磁気抵抗素子41、44は可変抵抗61xを介して接続している。可変抵抗61xは補正手段として、第1ブリッジ回路からの出力を初期補正している。回転体12を配置した際に、第1ブリッジ回路のブリッジ部に流れる電流が0になるよう可変抵抗61xを所定の抵抗値にして初期補正をし、回転体の変位測定を行う。これにより、回転体12の初期位置がずれていても、ゼロ調節補正を行い、変位を高倍率で正確に測定することができる。
図4(B)では、第2磁気抵抗素子45、46、47、48で第2ブリッジ回路を形成している以外は、図4(A)の回路図と同様である。
次に、図5を参照して、回転体の変位の測定方法について説明する。図5は、回転体の変位を測定する工程を示すブロック図である。
回転体が変位することによって、磁気センサ内の磁石と回転体との磁力線の向きが変化し、磁気センサ内の磁気抵抗素子の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化により、ブリッジ回路の平衡が崩れ、ブリッジ回路に電流が流れる。ブリッジ回路から出力された電圧がオペアンプにて増幅された後、記録計にて計測され、出力電圧が正弦波形として得られる。
また、X軸方向の変位を示す正弦波形、及びY軸方向の変位を示す正弦波形から、リサージュ図形を作成し、回転体の変位を測定している。
本発明では、上述のように2組の第1磁気抵抗素子を、X軸方向に平行に対向させて配置し、X軸方向の変位を測定しているため、磁気センサを1つ配置したものよりも出力感度を2倍に向上させることが可能である。
図6(A)は、本発明の装置に適用する2つの磁気抵抗素子を回転体中心に2組対向して配置し、磁気抵抗素子でブリッジ回路を形成した回路図である。一方、図6(B)は、比較例として2つの磁気抵抗素子と、2つの固定抵抗を回転体中心に対向して配置し、磁気抵抗素子及び固定抵抗でブリッジ回路を形成した回路図である。
図6(A)及び(B)いずれにおいても、出力電圧として測定される端子a、b間の電位差Δeは、
Figure 2008224301
である。
図6(A)の本発明において、Δe=0の時の抵抗値をR1=R2=R3=R4=Rとすると、回転体が移動した場合、各抵抗値の変化は、R1:R2=(R+ΔR):(R−ΔR)、R3:R4=(R−ΔR):(R+ΔR)となる。
これらを数1に当てはめると、
Figure 2008224301
となり、Eが一定であれば、端子a、b間の電圧の変化Δeは、ΔR/Rに比例する。
一方、図6(B)の比較例では、前述同様に回転体が中心にある場合において、Δe=0の時の抵抗値をR1=R2=R3=R4=Rとすると、回転体が移動した場合、各抵抗値の変化は、R1:R2=(R+ΔR):(R−ΔR)、R3=R4=Rとなる。
これらを数1に当てはめると、
Figure 2008224301
となり、Eが一定であれば、端子a、b間の電圧の変化Δeは、ΔR/2Rに比例する。
したがって、本発明に用いる図6(A)のように回転体の1方向への移動を、2つの磁気抵抗素子を2組配置して測定すれば、図6(B)の比較例である2つの磁気抵抗素子を1組配置して測定する場合と比較して2倍の出力値を得ることができる。このため、本発明による装置では2倍の高感度を得られ、高精度の測定が可能である。
また、4つの磁気センサを用いているため、X軸方向及びY軸方向は独立して計測可能である。図7(A)は、すべての磁気センサ21、22、23、24の中心に円柱状の回転体12が配置された状態であり、矢印は磁力線の向きを示している。
それぞれの磁気センサに配置されている磁石は回転体12に対し、全て同じ極性(S極又はN極)を向けて設置してある。このため、それぞれの磁石からの磁力が反発することになる。しかし、それぞれの磁石から回転体12に向かう磁力線の向きは磁気センサの中心を基点に対称になるため、磁気抵抗素子41、42を通過する磁力の向きは等しいので、磁気抵抗素子41、42の抵抗値は等しくなる。他の磁気センサ22、23、24も同様である。したがって、第1ブリッジ回路及び第2ブリッジ回路は平衡状態を保ち、出力電圧は0となる。
図7(B)は、回転体12がX軸方向に移動した場合の磁力線の向きを示している。回転体12が磁気センサ24に近づくため、磁気抵抗素子41及び43を垂直に通過する磁力線が減少し、第1ブリッジ回路の平衡状態が崩れ出力電圧が発生する。これにより、回転体12のX軸方向の変位を測定できる。
また、回転体12が磁気センサ24に近づくため、磁気センサ22の第1磁石52と、磁気センサ24の第2磁石54との磁力の反発が強まり、それぞれの磁力が干渉を起こすことになる。しかし、磁気センサ21の第1磁石42と磁気センサ24の第2磁石54においても、同様の反発が起こるため、第2磁石54からの磁力線の向きは、磁気センサ24と回転体12を結ぶ線を中心に対称となる。このため、磁気抵抗素子47、48を通過する磁力線は等しくなり、それぞれの磁気抵抗素子47及び48の抵抗値は等しいままである。
一方、磁気センサ23と回転体12が離れていくため、磁気センサ23の第2磁石23と磁気センサ22の第1磁石52との磁力の反発が弱まっていくが、第2磁石53と磁気センサ21の第1磁石51でも同様に反発が弱まっていく。このため、第2磁石53からの磁力線は、磁気センサ23と回転体12を結んだ線を中心として対称となる。したがって、磁気抵抗素子45、46を通過する磁力線が等しくなるため、それぞれの磁気抵抗素子45、46の抵抗値は等しくなる。
このように、回転体12がX軸方向に移動しても、磁気抵抗素子45及び46の抵抗値、また、磁気抵抗素子47及び48の抵抗値はそれぞれ等しく、Y軸方向の変位を測定する第2ブリッジ回路は平衡状態を保つため、回転体12のX軸方向の変位を独立して計測可能となる。
図7(C)は、回転体12をY軸方向に移動させた場合を示している。回転体12が磁気センサ21に近づくため、磁気抵抗素子46及び48を直角に通過する磁力線が減少し、第2ブリッジ回路の平衡状態が崩れ、出力電圧が発生する。これにより、回転体12のY軸方向の変位を測定できる。
一方で、前述のように、回転体12がY軸方向に移動しても、磁気抵抗素子41及び42の抵抗値、また、磁気抵抗素子43及び44の抵抗値はそれぞれ等しく、X軸方向の変位を測定する第1ブリッジ回路は平衡状態を保つため、回転体12のY軸方向の変位を独立して計測可能である。
次に、回転体をX軸方向及びY軸方向に一方向ずつ移動させ、X軸方向及びY軸方向の変位を独立して計測し、検証を行った。図8は、回転体を回転させずにX軸方向及びY軸方向に移動させた場合のブリッジ回路からの出力を示す測定図である。
図8(A)では、回転体をX軸方向に10μmのステップで移動させた場合の、第1ブリッジ回路からの出力電圧(a)、及び第2ブリッジ回路からの出力電圧(b)を示している。
図8(A)に示すように、X軸方向に回転体を10μm移動すると、第1ブリッジ回路の出力電圧が約0.91V変化するのに対し、第2ブリッジ回路の出力電圧の変化は0.075Vであり、Y軸方向の変位誤差は約0.8μmと微小である。このため、回転体のX軸方向の変位の測定をY軸方向の変位と独立して測定し得る。
また、図8(B)では、回転体をY軸方向に10μmのステップで移動させた場合の、第2ブリッジ回路からの出力電圧(c)、及び第1ブリッジ回路からの出力電圧(d)を示している。
Y軸方向に回転体を10μm移動すると、第2ブリッジ回路の出力電圧が約0.91V変化するのに対し、第1ブリッジ回路の出力電圧の変化は0.075Vであり、前述同様、X軸方向の変位誤差は約0.8μmと小さい。このため、回転体のY軸方向の変位の測定をX軸方向の変位と独立して測定し得る。
なお、4つの磁気センサは特性が同じものを用いているが、磁気センサを構成する磁気抵抗素子及び磁石の製造上、これらの特性には若干の相異が生じてしまう。このため、測定値に誤差が生じたものと考えられる。
また、前述の誤差には直線的な関係があることがわかる。このため、補正手段を設け、それぞれの誤差を初期設定にて補正をかけることで、完全に独立させることも可能である。
図9は、比較例として、磁気センサを二つ用いて回転体12の変位を測定したものである。図9(A)は、回転体12をX軸方向に移動させた場合を示す図であり、図9(B)はその測定図である。
磁気抵抗素子71、72と固定抵抗(図示を省略)からブリッジ回路を構成して、回転体12のX軸方向の変位を測定している。また、磁気抵抗素子73、74と固定抵抗からブリッジ回路を構成して、回転体12のY軸方向の変位を測定している。
図9(A)では、回転体12のX軸方向(磁気センサ26方向)への移動にともない、磁気抵抗素子55を垂直に通過する磁力線が減少し、X軸方向の変位を測定するブリッジ回路の平衡状態が崩れる。これにより、回転体12の変位を測定している。
しかし、回転体12が磁気センサ26へ近づくため、磁石55及び56からの磁力の反発が強まり、結果として磁気抵抗素子74を垂直に通過する磁力線が減少する。このため、回転体12をY軸方向に移動させていないにもかかわらず、Y軸方向を測定するブリッジ回路の平衡状態が崩れ、出力電圧が発生してしまうと考えられる。
図9(B)に示す測定図では、回転体12をX軸方向に10μmのステップで移動させた場合の、X軸方向を測定するブリッジ回路からの出力電圧(a)、及びY軸方向を測定するブリッジ回路からの出力電圧(b)を示している。回転体12を移動させただけにも関わらず、(b)のように、Y軸方向への変位を示す出力電圧が発生していることがわかる。このように、磁気センサを2つ用いただけでは、回転体12の移動に伴う磁力の干渉を打ち消すことができないため、回転体12のX軸方向及びY軸方向の変位を測定できないことがわかる。
図10に、本発明の回転体変位測定装置を用いて、第1ブリッジ回路からの出力電圧及び第2ブリッジ回路からの出力電圧をそれぞれ正弦波形に変換した測定図を示す。また、図11に、前述の第1ブリッジ回路及び第2ブリッジ回路からの正弦波から作成したリサージュ図形を示す。なお、比較として、電気マイクロメーターによる測定図を掲載する。
実験条件は、以下の通りである。
回転体のサイズ:φ10mm、長さ40mm、真円度0.3μm、材質SUJ
磁気センサへの供給電圧:3V
増幅器への供給電圧:±12V
回転体回転数:10rpm
図10(A)は、本発明の第1ブリッジ回路からのX軸方向の変位を示す正弦波形、(B)は、第2ブリッジ回路からのY軸方向の変位を示す正弦波形である。一方、図10(C)は、電気マイクロメーターによるX軸方向の変位を示す正弦波形、(D)は、電気マイクロメーターによるY軸方向の変位を示す正弦波形である。
回転体にブレ等がなく、変位が変わらなければ、電圧が一定となるが、いずれも波形に振幅が現れており、回転体が偏心していることがわかる。図10(A)及び(C)、また、図10(B)及び(D)では、同様の傾向を示しており、本発明の装置が、回転体の変位を測定し得ることがわかる。
次に、図10(A)及び(B)の波形、また、図10(C)及び(D)の波形から、リサージュ図形を作成した。リサージュ図形はX軸方向の波形を90度変換し、Y軸方向の波形と合成したものである。
図11(A)が、本発明の装置によって測定したリサージュ図形であり、(B)が電気マイクロメーターによるリサージュ図形である。非同期回転誤差は1μm程度となっており、また、いずれの図形も前述同様、同じ傾向を示しており、本発明による装置は、回転体の変位を正確に測定し得ることがわかる。
次に、回転体の回転数を6000rpmに上げ、高速に回転する回転体の変位が測定できるか検証を行った。その結果を図12に示す。図12(A)が、回転体のX軸方向及びY軸方向の変位を示す、第1ブリッジ回路及び第2ブリッジ回路からの出力電圧を変換した正弦波形である。図12(B)は、上述の正弦波形から作成したリサージュ図形である。
図12(B)をみると、回転体のブレはX軸方向では約17μm、Y軸方向では20μmである。また、非同期回転誤差は大きいところで3μmである。このように、リサージュ図形を作成しているため、回転体のブレが一見して判断することが可能である。また、回転体が小径(φ10mm)であり、かつ、6000rpmという高速回転であっても、本測定装置では回転体の変位を高精度に測定できることがわかる。
本発明の回転体変位測定装置では、微弱な磁力の変化を検知し得る磁気センサを利用し、高速回転する小径の回転体であっても変位の測定が可能である。このため、超精密加工に用いられる小径の工具、回転円筒または球体の回転精度、非同期回転精度の測定が可能である。
本発明の回転体変位測定装置の断面図である。 本発明の磁気センサの内部構造を示す断面図である。 本発明の回転体変位測定装置の概略を示す斜視図である。 本発明のブリッジ回路を示す回路図である。 本発明の測定方法を示すブロック図である。 本発明の検出感度を説明する回路図である。 本発明の装置で回転体を移動させた場合の磁力線の様子を示す概要図である。 本発明の装置にて回転体の変位を測定した測定図である。 本発明の装置の対比となる磁気センサを2つ用いて回転体の変位を測定した測定図である。 本発明の装置にて回転体の変位を測定した測定図である。 本発明の装置にて回転体の変位を測定した測定図である。 本発明の装置にて回転体の変位を測定した測定図である。
符号の説明
11 本体部
12 回転体
13 演算装置
14 磁気センサ配置孔
15 モーター
21、22、23、24、25、26 磁気センサ
31、32、33、34 接続コード
41、42、43、44 第1磁気抵抗素子
45、46、47、48 第2磁気抵抗素子
51、52 第1磁石
53、54 第2磁石
55、56 磁石
61x、61y 可変抵抗
62x、62y オペアンプ
63x、63y 可変抵抗
64、65 電源装置
71、72、73、74 磁気抵抗素子

Claims (4)

  1. 回転体の変位を測定する回転体変位測定装置において、
    前記回転体を挟むように近接してX軸方向に平行に2組の第1磁石と2つの第1磁気抵抗素子を対向して配置し、前記第1磁気抵抗素子で第1ブリッジ回路を形成し、
    前記回転体を挟むように近接してY軸方向に平行に2組の第2磁石と2つの第2磁気抵抗素子を対向して配置し、前記第2磁気抵抗素子で第2ブリッジ回路を形成し、
    前記第1ブリッジ回路でX軸方向の前記回転体の変位を測定し、同時に前記第2ブリッジ回路でY軸方向の前記回転体の変位を測定することを特徴とする回転体変位測定装置。
  2. 前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に接続する演算装置を設け、
    前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路からの出力電圧を、前記演算装置で正弦波に変換してリサージュ図形を作成することを特徴とする請求項1に記載の回転体変位測定装置。
  3. 前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に補正手段を設け、
    前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路からの出力電圧を初期補正することを特徴とする請求項1に記載の回転体変位測定装置。
  4. 前記第1磁石と前記第1磁気抵抗素子及び前記第2磁石と前記第2磁気抵抗素子をそれぞれ1の函体に収容したことを特徴とする請求項1に記載の回転体変位測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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