JP2008213561A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents
センサ付車輪用軸受 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008213561A JP2008213561A JP2007051017A JP2007051017A JP2008213561A JP 2008213561 A JP2008213561 A JP 2008213561A JP 2007051017 A JP2007051017 A JP 2007051017A JP 2007051017 A JP2007051017 A JP 2007051017A JP 2008213561 A JP2008213561 A JP 2008213561A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensor
- strain
- flange
- wheel
- wheel bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
Abstract
【課題】軸受剛性を低下させることなく荷重センサを取付けることができ、車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】軸受けは、外方部材1と内方部材2と複列の転動体5とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する。固定側部材である例えば外方部材1は、その外周にナックルへ取付けるフランジ1aを有し、このフランジ1aの円周方向の複数箇所にボルト孔14が設けられる。前記外方部材1の前記フランジ1aの前記ボルト孔14と同位相の位置に、歪みセンサ16を1つまたは複数設置する。外方部材1に接する2つ以上の接触固定部17aおよび1つ以上の切欠部17bを有する歪み発生部材17にセンサ素子18を取付け、前記切欠部17bの歪みを測定する。センサ素子18の出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段19を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】軸受けは、外方部材1と内方部材2と複列の転動体5とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する。固定側部材である例えば外方部材1は、その外周にナックルへ取付けるフランジ1aを有し、このフランジ1aの円周方向の複数箇所にボルト孔14が設けられる。前記外方部材1の前記フランジ1aの前記ボルト孔14と同位相の位置に、歪みセンサ16を1つまたは複数設置する。外方部材1に接する2つ以上の接触固定部17aおよび1つ以上の切欠部17bを有する歪み発生部材17にセンサ素子18を取付け、前記切欠部17bの歪みを測定する。センサ素子18の出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段19を設ける。
【選択図】図1
Description
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪
用軸受に関する。
用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に
設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速
度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセン
サ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速
度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセン
サ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例
えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片
側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷
重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる
。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサス
ペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防
止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行う
ことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がな
く、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片
側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷
重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる
。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサス
ペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防
止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行う
ことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がな
く、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しない
システムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝
達することが求められる。
システムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝
達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の固定輪や回転輪に歪みゲージを貼り
付け、歪みゲージの検出する歪みから車輪にかかる荷重を推定するようにしたものが提案
されている(例えば特許文献1,2)。
特許文献1に開示の車輪用軸受では、固定輪である外輪の外周に歪みゲージを貼り付け
、転動体が通過するときの外輪の歪みを歪みゲージで検出する。また、特許文献2に開示
の車輪用軸受では、回転輪であるハブ輪の車輪取付用フランジに周方向に隣り合う複数の
透孔を設け、隣り合う透孔同士の間の柱部に歪みゲージを貼り付け、柱部の歪みを歪みゲ
ージで検出する。
付け、歪みゲージの検出する歪みから車輪にかかる荷重を推定するようにしたものが提案
されている(例えば特許文献1,2)。
特許文献1に開示の車輪用軸受では、固定輪である外輪の外周に歪みゲージを貼り付け
、転動体が通過するときの外輪の歪みを歪みゲージで検出する。また、特許文献2に開示
の車輪用軸受では、回転輪であるハブ輪の車輪取付用フランジに周方向に隣り合う複数の
透孔を設け、隣り合う透孔同士の間の柱部に歪みゲージを貼り付け、柱部の歪みを歪みゲ
ージで検出する。
また、固定輪の車体取付用フランジと外径面にわたって断面L字状の歪み拡大部材を設
け、この歪み拡大部材の歪みを荷重センサで検出するようにしたものも提案されている(
例えば特許文献3)。
特表2003−530565号公報
特開2004−053331号公報
特開2006−077807号公報
け、この歪み拡大部材の歪みを荷重センサで検出するようにしたものも提案されている(
例えば特許文献3)。
しかし、特許文献1に開示の車輪用軸受では、転動体の通過時の歪みを検出するため、
転走面と外輪外周との間の肉厚を薄くしないと歪みを検出できず、軸受剛性が低くなる可
能性がある。また、転動体通過時の歪みを検出するため、静止時や低速時の荷重を推定す
るのが困難である。
転走面と外輪外周との間の肉厚を薄くしないと歪みを検出できず、軸受剛性が低くなる可
能性がある。また、転動体通過時の歪みを検出するため、静止時や低速時の荷重を推定す
るのが困難である。
特許文献2に開示の車輪用軸受では、ハブ輪の車輪取付用フランジに透孔を設けて歪み
ゲージを貼り付けているため、やはり軸受剛性が低くなるという問題がある。
ゲージを貼り付けているため、やはり軸受剛性が低くなるという問題がある。
特許文献3に開示の車輪用軸受の場合、タイヤへの左右方向荷重(Fy荷重)に対して
は、固定輪の車体取付用フランジと外径面の相対変位が大きいため荷重を検出することが
できるが、垂直方向荷重(Fz荷重)に対しては、固定輪の車体取付用フランジと外径面
の相対変位が小さいため荷重を検出することが困難である。
は、固定輪の車体取付用フランジと外径面の相対変位が大きいため荷重を検出することが
できるが、垂直方向荷重(Fz荷重)に対しては、固定輪の車体取付用フランジと外径面
の相対変位が小さいため荷重を検出することが困難である。
この発明の目的は、軸受剛性を低下させることなく荷重センサを取付けることができ、
静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できるセンサ付車輪
用軸受を提供することである。
静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できるセンサ付車輪
用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この
転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在
した複列の転動体とを備え、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、
ナックルへ取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所に
ボルト孔が設けられ、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記
固定側部材に接する2つ以上の接触固定部および1つ以上の切欠部を有する歪み発生部材
に前記切欠部の歪みを測定するセンサ素子を取付けてなる歪みセンサを、前記固定側部材
における内径面または外径面に1つまたは複数設置し、前記切欠部は前記固定側部材の前
記フランジのボルト孔と同位相の位置に配置し、前記歪みセンサのセンサ素子の出力信号
により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたものである。
転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在
した複列の転動体とを備え、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、
ナックルへ取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所に
ボルト孔が設けられ、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記
固定側部材に接する2つ以上の接触固定部および1つ以上の切欠部を有する歪み発生部材
に前記切欠部の歪みを測定するセンサ素子を取付けてなる歪みセンサを、前記固定側部材
における内径面または外径面に1つまたは複数設置し、前記切欠部は前記固定側部材の前
記フランジのボルト孔と同位相の位置に配置し、前記歪みセンサのセンサ素子の出力信号
により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたものである。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の回転側部材にも荷重が印加さ
れ、転動体を介して固定側部材に変形が生じる。このとき、固定側部材のフランジに設け
られたボルト孔と同位相の位置は、ボルトにより車体の懸架装置におけるナックルに固定
されているのでほとんど変形せず、ボルト孔と同位相の位置から周方向に離間した両側の
位置が変形する。その変形は固定側部材の内径面または外径面に設置された歪み発生部材
に伝わり、歪み発生部材が変形する。この歪み発生部材の歪みをセンサ素子により測定す
る。
この際、歪み発生部材は固定側部材における歪み発生部材の固定箇所のラジアル方向の
変形に従って変形するが、歪み発生部材はラジアル方向に最も大きく変形する箇所に取付
けられているので、歪み発生部材の歪みが大きくなり、固定側部材のわずかな歪みも歪み
センサで検出できる。
さらに、歪み発生部材には切欠部が設けられ、この切欠部の箇所の剛性が低下している
ので、固定側部材の歪みよりも大きな歪みが歪み発生部材に現れることになり、より一層
固定側部材のわずかな歪みをセンサ素子で正確に検出することができる。このセンサ素子
の出力信号から、車輪のタイヤと路面間の作用力を推定手段で推定するようにしているの
で、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出することができ
、検出した荷重を自動の車両制御に利用することができる。
また、荷重センサである歪みセンサの取付けにおいては、車輪用軸受への追加工をほと
んど必要としないので、軸受剛性を低下させることもない。
また、このように構成したセンサ付車輪用軸受によると、車両への荷重センサの搭載が
容易となり、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
れ、転動体を介して固定側部材に変形が生じる。このとき、固定側部材のフランジに設け
られたボルト孔と同位相の位置は、ボルトにより車体の懸架装置におけるナックルに固定
されているのでほとんど変形せず、ボルト孔と同位相の位置から周方向に離間した両側の
位置が変形する。その変形は固定側部材の内径面または外径面に設置された歪み発生部材
に伝わり、歪み発生部材が変形する。この歪み発生部材の歪みをセンサ素子により測定す
る。
この際、歪み発生部材は固定側部材における歪み発生部材の固定箇所のラジアル方向の
変形に従って変形するが、歪み発生部材はラジアル方向に最も大きく変形する箇所に取付
けられているので、歪み発生部材の歪みが大きくなり、固定側部材のわずかな歪みも歪み
センサで検出できる。
さらに、歪み発生部材には切欠部が設けられ、この切欠部の箇所の剛性が低下している
ので、固定側部材の歪みよりも大きな歪みが歪み発生部材に現れることになり、より一層
固定側部材のわずかな歪みをセンサ素子で正確に検出することができる。このセンサ素子
の出力信号から、車輪のタイヤと路面間の作用力を推定手段で推定するようにしているの
で、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出することができ
、検出した荷重を自動の車両制御に利用することができる。
また、荷重センサである歪みセンサの取付けにおいては、車輪用軸受への追加工をほと
んど必要としないので、軸受剛性を低下させることもない。
また、このように構成したセンサ付車輪用軸受によると、車両への荷重センサの搭載が
容易となり、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
この発明において、前記歪み発生部材はリング状の部材で形成され、このリング状の歪
み発生部材は、前記切欠部として、前記固定側部材のフランジの全てのボルト孔とそれぞ
れ同位相となる複数の切欠部を有し、前記接触固定部は隣合う切欠部の間に設けても良い
。
この構成の場合、リング状の1つの歪み発生部材に、固定側部材におけるフランジの全
てのボルト孔とそれぞれ同位相となる複数の切欠部を形成しているので、各ボルト孔に対
応させて複数の歪み発生部材を用意する場合に比べて、組立工数や部品点数を減らすこと
ができる。
また、歪み発生部材における接触固定部を、隣合う切欠部の間に設けているので、各切
欠部を前記フランジのボルト孔と同位相の位置に位置合わせすることで、各接触固定部を
固定側部材における前記ボルト孔から周方向に離間した剛性の低い位置に容易に固定する
ことができる。
隣合う切欠部の間の中央位置に接触固定部を設けた場合、固定側部材の周方向における
最も剛性の低い位置に接触固定部を固定できるので、歪みセンサによる歪み検出感度がよ
り向上する。
み発生部材は、前記切欠部として、前記固定側部材のフランジの全てのボルト孔とそれぞ
れ同位相となる複数の切欠部を有し、前記接触固定部は隣合う切欠部の間に設けても良い
。
この構成の場合、リング状の1つの歪み発生部材に、固定側部材におけるフランジの全
てのボルト孔とそれぞれ同位相となる複数の切欠部を形成しているので、各ボルト孔に対
応させて複数の歪み発生部材を用意する場合に比べて、組立工数や部品点数を減らすこと
ができる。
また、歪み発生部材における接触固定部を、隣合う切欠部の間に設けているので、各切
欠部を前記フランジのボルト孔と同位相の位置に位置合わせすることで、各接触固定部を
固定側部材における前記ボルト孔から周方向に離間した剛性の低い位置に容易に固定する
ことができる。
隣合う切欠部の間の中央位置に接触固定部を設けた場合、固定側部材の周方向における
最も剛性の低い位置に接触固定部を固定できるので、歪みセンサによる歪み検出感度がよ
り向上する。
この発明において、前記固定側部材が外方部材であり、前記センサ素子は、歪みゲージであって、前記固定側部材の内径面の周方向の歪みを検出する方向に貼っても良い。
固定側部材における前記ボルト孔と同位相の位置では周方向に歪むため、センサ素子と
して歪みゲージを固定側部材の周方向の歪みを検出する方向に貼り付けた場合、歪みゲージによる固定側部材の歪み検出をより感度良く行うことができる。
固定側部材における前記ボルト孔と同位相の位置では周方向に歪むため、センサ素子と
して歪みゲージを固定側部材の周方向の歪みを検出する方向に貼り付けた場合、歪みゲージによる固定側部材の歪み検出をより感度良く行うことができる。
この発明において、前記固定側部材が外方部材であり、前記歪みセンサは前記固定側部
材における複列の転走面間の内径面に設けても良い。この構成の場合、複列の転走面に印
加される荷重を平均化したものを検出することになり、転動体の位置に影響されずに、よ
り正確に荷重を推定することができる。
材における複列の転走面間の内径面に設けても良い。この構成の場合、複列の転走面に印
加される荷重を平均化したものを検出することになり、転動体の位置に影響されずに、よ
り正確に荷重を推定することができる。
この発明において、前記固定側部材のフランジとナックルとの互いの対向面を、スペー
サまたは前記フランジもしくはナックルに設けられた突部からなる介在部を介して、前記
各ボルト孔の周縁で接触させ、前記対向面の残りの範囲を互いに非接触としても良い。
この構成の場合、固定側部材のフランジにおけるナックルとの対向面は、各ボルト孔の
周縁においてのみスペーサまたは介在部を介してナックルの対向面に接触し、周方向に並
ぶボルト孔とボルト孔の間の対向面は摩擦力の働かない非接触面となるので、荷重の印加
に伴う固定側部材の変形は、隣り合うボルト孔とボルト孔の間の位相の部位で特に顕著と
なり、ボルト孔の位相の部位に歪みがさらに集中しやすくなる。その結果、歪みゲージに
よる歪みの検出感度がさらに向上する。
サまたは前記フランジもしくはナックルに設けられた突部からなる介在部を介して、前記
各ボルト孔の周縁で接触させ、前記対向面の残りの範囲を互いに非接触としても良い。
この構成の場合、固定側部材のフランジにおけるナックルとの対向面は、各ボルト孔の
周縁においてのみスペーサまたは介在部を介してナックルの対向面に接触し、周方向に並
ぶボルト孔とボルト孔の間の対向面は摩擦力の働かない非接触面となるので、荷重の印加
に伴う固定側部材の変形は、隣り合うボルト孔とボルト孔の間の位相の部位で特に顕著と
なり、ボルト孔の位相の部位に歪みがさらに集中しやすくなる。その結果、歪みゲージに
よる歪みの検出感度がさらに向上する。
この発明において、前記推定手段は、前記歪みセンサの出力信号より、車軸に対して垂
直な方向となる上下方向の荷重を推定するものとしても良い。
車軸に対して垂直な方向に荷重が作用する場合、車輪用軸受に対しては純ラジアル荷重
に近い荷重が印加されるため、両列の転動体に対して同じ方向の荷重が加わる。そのため
、荷重方向に対して固定側部材の外径面が外方向へ変形する。この場合も、フランジのボ
ルト孔と同位相の位置では変形量が小さくなるため、ボルト孔と同位相である歪み発生部
材の切欠部に歪みが集中しやすくなり、この歪みをセンサ素子が測定する。このことから
、このセンサ付車輪用軸受では、歪みセンサのセンサ素子の出力信号により、車軸に対し
て垂直な方向となる上下方向の荷重を推定手段で推定するのに特に好適である。
直な方向となる上下方向の荷重を推定するものとしても良い。
車軸に対して垂直な方向に荷重が作用する場合、車輪用軸受に対しては純ラジアル荷重
に近い荷重が印加されるため、両列の転動体に対して同じ方向の荷重が加わる。そのため
、荷重方向に対して固定側部材の外径面が外方向へ変形する。この場合も、フランジのボ
ルト孔と同位相の位置では変形量が小さくなるため、ボルト孔と同位相である歪み発生部
材の切欠部に歪みが集中しやすくなり、この歪みをセンサ素子が測定する。このことから
、このセンサ付車輪用軸受では、歪みセンサのセンサ素子の出力信号により、車軸に対し
て垂直な方向となる上下方向の荷重を推定手段で推定するのに特に好適である。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この
転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在
した複列の転動体とを備え、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、
ナックルへ取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所に
ボルト孔が設けられ、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
前記固定側部材に接する2つ以上の接触固定部および1つ以上の切欠部を有する歪み発
生部材に前記切欠部の歪みを測定するセンサ素子を取付けてなる歪みセンサを、前記固定
側部材における内径面または外径面に1つまたは複数設置し、前記切欠部は前記固定側部
材の前記フランジのボルト孔と同位相の位置に配置し、前記歪みセンサの前記センサ素子
の出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたため
、軸受剛性を低下させることなく荷重センサを取付けることができ、静止時や低速時を問
わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できる。
転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在
した複列の転動体とを備え、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、
ナックルへ取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所に
ボルト孔が設けられ、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
前記固定側部材に接する2つ以上の接触固定部および1つ以上の切欠部を有する歪み発
生部材に前記切欠部の歪みを測定するセンサ素子を取付けてなる歪みセンサを、前記固定
側部材における内径面または外径面に1つまたは複数設置し、前記切欠部は前記固定側部
材の前記フランジのボルト孔と同位相の位置に配置し、前記歪みセンサの前記センサ素子
の出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたため
、軸受剛性を低下させることなく荷重センサを取付けることができ、静止時や低速時を問
わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できる。
この発明の一実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この実施形態は、第3世代型
の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細
書において、車両に取り付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード
側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細
書において、車両に取り付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード
側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転
走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部
材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5
とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5
はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状
であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部
材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5
とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5
はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状
であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナ
ックルに取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている
。フランジ1aには円周方向の複数箇所に車体取付用のボルト孔14が設けられている。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有する
ハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでな
る。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9
のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内
輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられてい
る。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設
けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ホイールおよび制動部品
(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2(A)は、この車輪用軸受のインボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、
図2(A)におけるI−O−I矢視断面図を示す。
ックルに取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている
。フランジ1aには円周方向の複数箇所に車体取付用のボルト孔14が設けられている。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有する
ハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでな
る。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9
のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内
輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられてい
る。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設
けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ホイールおよび制動部品
(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2(A)は、この車輪用軸受のインボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、
図2(A)におけるI−O−I矢視断面図を示す。
固定側部材である外方部材1の内径面には、荷重センサとして図2(A)のように周方
向に並ぶ1つまたは複数個(ここでは4個)の歪みセンサ16が設けられている。上記4
個の歪みセンサ16の位置は、この実施形態では、図の左上、右上、左下、右下の4箇所
とされている。歪みセンサ16は、図2(B)に示すように、前記外方部材1の内径面に
接する2つ以上の接触固定部17aおよび1つ以上の切欠部17bを有する歪み発生部材
17と、この歪み発生部材17の前記切欠部17bの歪みを測定するセンサ素子18とで
なる。
向に並ぶ1つまたは複数個(ここでは4個)の歪みセンサ16が設けられている。上記4
個の歪みセンサ16の位置は、この実施形態では、図の左上、右上、左下、右下の4箇所
とされている。歪みセンサ16は、図2(B)に示すように、前記外方部材1の内径面に
接する2つ以上の接触固定部17aおよび1つ以上の切欠部17bを有する歪み発生部材
17と、この歪み発生部材17の前記切欠部17bの歪みを測定するセンサ素子18とで
なる。
ここでは、歪み発生部材17は、図2(B)に拡大した側面図で示すように、外方部材
1に沿う周方向に長い略円弧状とされ、その両端部に円弧の外周側に張り出した一対の接
触固定部17a,17aが形成されている。また、切欠部17bは、歪み発生部材17の
中央部に円弧の外周側に開口するように1つ形成され、この切欠部17bの内面にセンサ
素子18が貼り付けられている。センサ素子18は、例えば抵抗線歪みゲージからなり、
外方部材1の内径面の周方向の歪み、つまり前記歪み発生部材17の円弧に沿う方向の歪
みを検出する方向に貼り付けられる。センサ素子18としては、そのほか半導体歪みゲー
ジを用いても良い。
1に沿う周方向に長い略円弧状とされ、その両端部に円弧の外周側に張り出した一対の接
触固定部17a,17aが形成されている。また、切欠部17bは、歪み発生部材17の
中央部に円弧の外周側に開口するように1つ形成され、この切欠部17bの内面にセンサ
素子18が貼り付けられている。センサ素子18は、例えば抵抗線歪みゲージからなり、
外方部材1の内径面の周方向の歪み、つまり前記歪み発生部材17の円弧に沿う方向の歪
みを検出する方向に貼り付けられる。センサ素子18としては、そのほか半導体歪みゲー
ジを用いても良い。
歪みセンサ16の設置位置は、図1のように外方部材1の内径面における両列の転走面
3,3間の位置であって、図2(A)のように、歪み発生部材17の切欠部17bが外方
部材1の車体取付用フランジ1aにおけるボルト孔14と同位相の位置とされている。
3,3間の位置であって、図2(A)のように、歪み発生部材17の切欠部17bが外方
部材1の車体取付用フランジ1aにおけるボルト孔14と同位相の位置とされている。
これらの歪みセンサ16は、歪み発生部材17の接触固定部17aによって外方部材1
に固定される。これら接触固定部17aの外方部材1への固定は、ここでは外方部材1に
設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔20に外方部材1の外周側から挿入したボルト
21を、歪み発生部材17の接触固定部17aに設けられたボルト孔22(図2(B))
に螺合させて締結することで行われるが、接着剤により接着固定しても良い。歪み発生部
材17の接触固定部17a以外の箇所では、外方部材1との間に隙間が生じている。ボルト挿通孔20を設ける場合、軸受内部に水分等が浸入しないようにシール構造(図示なし)を設けると良い。
に固定される。これら接触固定部17aの外方部材1への固定は、ここでは外方部材1に
設けられた径方向に貫通するボルト挿通孔20に外方部材1の外周側から挿入したボルト
21を、歪み発生部材17の接触固定部17aに設けられたボルト孔22(図2(B))
に螺合させて締結することで行われるが、接着剤により接着固定しても良い。歪み発生部
材17の接触固定部17a以外の箇所では、外方部材1との間に隙間が生じている。ボルト挿通孔20を設ける場合、軸受内部に水分等が浸入しないようにシール構造(図示なし)を設けると良い。
歪み発生部材17は、車輪のタイヤと路面間の作用力の予想される最大値において、塑
性変形しないものであることが好ましい。歪み発生部材17の材質としては、鋼材の他、
銅、黄銅、アルミニウム等の金属材料を用いることができる。
性変形しないものであることが好ましい。歪み発生部材17の材質としては、鋼材の他、
銅、黄銅、アルミニウム等の金属材料を用いることができる。
また、外方部材1には、センサ素子18の配線を外部に引き出す配線孔(図示せず)が
設けられている。この配線孔は、各センサ素子18の設置部の近傍にそれぞれ設けても良
いし、各センサ素子18の配線を一箇所にまとめて一つの配線孔から外部に引き出すよう
にしても良い。各センサ素子18は、保護用のカバーで被覆するのが望ましい。
設けられている。この配線孔は、各センサ素子18の設置部の近傍にそれぞれ設けても良
いし、各センサ素子18の配線を一箇所にまとめて一つの配線孔から外部に引き出すよう
にしても良い。各センサ素子18は、保護用のカバーで被覆するのが望ましい。
この実施形態では、外方部材1の内径面における歪みセンサ16の軸方向位置として、
両列の転走面3,3間の位置が選ばれているが、アウトボード側のシール7と転走面3の
間の位置や、インボード側のシール8と転走面3の間の位置に歪みセンサ16を設置して
も良い。また、外方部材1の内径面に歪みセンサ16を設置するのに代えて、外方部材1
の外径面に歪みセンサ16を設置しても良い。
両列の転走面3,3間の位置が選ばれているが、アウトボード側のシール7と転走面3の
間の位置や、インボード側のシール8と転走面3の間の位置に歪みセンサ16を設置して
も良い。また、外方部材1の内径面に歪みセンサ16を設置するのに代えて、外方部材1
の外径面に歪みセンサ16を設置しても良い。
これらの歪みセンサ16のセンサ素子18は推定手段19に接続される。推定手段19
は、歪みセンサ16におけるセンサ素子18の出力信号により、車輪のタイヤと路面間の
作用力を推定する手段である。推定手段19は、車輪のタイヤと路面間の作用力(例えば
垂直方向の作用力)とセンサ素子18の出力との関係を演算式またはテーブル等で設定し
た関係設定手段(図示せず)を有し、センサ素子18の出力から上記関係設定手段におけ
る対応する値となる作用力を出力する。関係設定手段の上記センサ出力と作用力との関係
は、予め試験やシミュレーション等で求めておいて設定する。
は、歪みセンサ16におけるセンサ素子18の出力信号により、車輪のタイヤと路面間の
作用力を推定する手段である。推定手段19は、車輪のタイヤと路面間の作用力(例えば
垂直方向の作用力)とセンサ素子18の出力との関係を演算式またはテーブル等で設定し
た関係設定手段(図示せず)を有し、センサ素子18の出力から上記関係設定手段におけ
る対応する値となる作用力を出力する。関係設定手段の上記センサ出力と作用力との関係
は、予め試験やシミュレーション等で求めておいて設定する。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の回転側部材である内方部材2
にも荷重が印加され、転動体5を介して固定側部材である外方部材1に変形が生じる。こ
のとき、外方部材1のフランジ1aに設けられたボルト孔14と同位相の位置は、ボルト
により車体の懸架装置におけるナックルに固定されているのでほとんど変形せず、ボルト
孔14と同位相の位置から周方向に離間した両側の位置が変形する。その変形は外方部材
1の内径面に設置された歪み発生部材17に伝わり、歪み発生部材17が変形する。この
歪み発生部材17の歪みをセンサ素子18により測定する。
この際、歪み発生部材17は外方部材1における歪み発生部材17の固定箇所のラジア
ル方向の変形に従って変形するが、歪み発生部材17はラジアル方向に最も大きく変形す
る箇所に取付けられているので、歪み発生部材17の歪みが大きくなり、固定側部材であ
る外方部材1のわずかな歪みも歪みセンサ16で検出できる。
さらに、歪み発生部材17には切欠部17bが設けられ、この切欠部17bの箇所の剛
性が低下しているので、外方部材1の歪みよりも大きな歪みが歪み発生部材17に現れる
ことになり、より一層外方部材1のわずかな歪みをセンサ素子18で正確に検出すること
ができる。このセンサ素子18の出力信号から、車輪のタイヤと路面間の作用力を推定手
段19で推定するようにしているので、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の
作用力を正確に検出することができ、検出した荷重を自動の車両制御に利用することがで
きる。
また、荷重センサである歪みセンサ16の取付けにおいては、車輪用軸受への追加工を
ほとんど必要としないので、軸受剛性を低下させることもない。
また、このように構成したセンサ付車輪用軸受によると、車両への荷重センサの搭載が
容易となり、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
にも荷重が印加され、転動体5を介して固定側部材である外方部材1に変形が生じる。こ
のとき、外方部材1のフランジ1aに設けられたボルト孔14と同位相の位置は、ボルト
により車体の懸架装置におけるナックルに固定されているのでほとんど変形せず、ボルト
孔14と同位相の位置から周方向に離間した両側の位置が変形する。その変形は外方部材
1の内径面に設置された歪み発生部材17に伝わり、歪み発生部材17が変形する。この
歪み発生部材17の歪みをセンサ素子18により測定する。
この際、歪み発生部材17は外方部材1における歪み発生部材17の固定箇所のラジア
ル方向の変形に従って変形するが、歪み発生部材17はラジアル方向に最も大きく変形す
る箇所に取付けられているので、歪み発生部材17の歪みが大きくなり、固定側部材であ
る外方部材1のわずかな歪みも歪みセンサ16で検出できる。
さらに、歪み発生部材17には切欠部17bが設けられ、この切欠部17bの箇所の剛
性が低下しているので、外方部材1の歪みよりも大きな歪みが歪み発生部材17に現れる
ことになり、より一層外方部材1のわずかな歪みをセンサ素子18で正確に検出すること
ができる。このセンサ素子18の出力信号から、車輪のタイヤと路面間の作用力を推定手
段19で推定するようにしているので、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の
作用力を正確に検出することができ、検出した荷重を自動の車両制御に利用することがで
きる。
また、荷重センサである歪みセンサ16の取付けにおいては、車輪用軸受への追加工を
ほとんど必要としないので、軸受剛性を低下させることもない。
また、このように構成したセンサ付車輪用軸受によると、車両への荷重センサの搭載が
容易となり、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
図3は、車輪のタイヤと路面間に垂直方向荷重Fzが作用した場合の外方部材1の変形
の説明図である。この場合、車輪用軸受に対しては純ラジアル荷重に近い荷重が印加され
るため、両列の転動体5に対して同じ方向の荷重が加わる。そのため、荷重方向に対して
外方部材1の外径面が同図に矢印で示すように外方向へ変形する。なお、同図中の矢印の
長さは、変形量の大きさを示す。この場合も、フランジ1aのボルト孔14と同位相の位
置では変形量が小さく、ボルト孔14から周方向に離間した歪み発生部材17の固定位置
で変形量が大きくなるので、前記ボルト孔14と同位相の位置に歪みが集中しやすくなる
。そのため、センサ素子18の取付けられた歪み発生部材17の切欠部17cにも歪みが
集中しやすくなり、このセンサ付車輪用軸受では、センサ素子18の出力信号により、車
軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重Fzを推定手段19で推定するのに特に好適
である。
の説明図である。この場合、車輪用軸受に対しては純ラジアル荷重に近い荷重が印加され
るため、両列の転動体5に対して同じ方向の荷重が加わる。そのため、荷重方向に対して
外方部材1の外径面が同図に矢印で示すように外方向へ変形する。なお、同図中の矢印の
長さは、変形量の大きさを示す。この場合も、フランジ1aのボルト孔14と同位相の位
置では変形量が小さく、ボルト孔14から周方向に離間した歪み発生部材17の固定位置
で変形量が大きくなるので、前記ボルト孔14と同位相の位置に歪みが集中しやすくなる
。そのため、センサ素子18の取付けられた歪み発生部材17の切欠部17cにも歪みが
集中しやすくなり、このセンサ付車輪用軸受では、センサ素子18の出力信号により、車
軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重Fzを推定手段19で推定するのに特に好適
である。
また、上記したように、外方部材1における前記ボルト孔14と同位相の位置では周方
向に歪むため、この実施形態のように、歪みゲージからなるセンサ素子16を外方部材1の周方向の歪みを検出する方向に貼り付けた場合、歪みセンサ16による外方部材1の歪み検出をより感度良く行うことができる。
向に歪むため、この実施形態のように、歪みゲージからなるセンサ素子16を外方部材1の周方向の歪みを検出する方向に貼り付けた場合、歪みセンサ16による外方部材1の歪み検出をより感度良く行うことができる。
また、この実施形態では、1つ以上(ここでは4個)の歪みセンサ16を、外方部材1
の内径面における両列の転走面3,3間の軸方向位置に設けているので、両列の転走面3
に印加される荷重を平均化したものを検出することになり、転動体5の位置に影響されず
により正確に荷重を推定することができる。
の内径面における両列の転走面3,3間の軸方向位置に設けているので、両列の転走面3
に印加される荷重を平均化したものを検出することになり、転動体5の位置に影響されず
により正確に荷重を推定することができる。
図4は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態では、図1〜図3に示す実施形
態において、歪みセンサ16の歪み発生部材17をリング状の部材で形成したものであり
る。このリング状の歪み発生部材17では、外方部材1における車体取付用フランジ1a
の全てのボルト孔14とそれぞれ同位相となる複数(ここでは4個)の切欠部17bが形
成されている。また、接触固定部17aは、隣り合う切欠部17b,17bの間、好まし
くは中央位置にそれぞれ形成されている。切欠部17bにセンサ素子18が設けられるこ
とや、歪み発生部材17の接触固定部17aがボルト21で外方部材1の内径面に固定さ
れることなどは、先の実施形態における歪みセンサ16の場合と同様である。この場合、
歪み発生部材1はリング状の部材であることから、圧入および接着により外方部材1の内
径面に固定しても良い。車輪用軸受の構成も、先の実施形態の場合と同様である。
態において、歪みセンサ16の歪み発生部材17をリング状の部材で形成したものであり
る。このリング状の歪み発生部材17では、外方部材1における車体取付用フランジ1a
の全てのボルト孔14とそれぞれ同位相となる複数(ここでは4個)の切欠部17bが形
成されている。また、接触固定部17aは、隣り合う切欠部17b,17bの間、好まし
くは中央位置にそれぞれ形成されている。切欠部17bにセンサ素子18が設けられるこ
とや、歪み発生部材17の接触固定部17aがボルト21で外方部材1の内径面に固定さ
れることなどは、先の実施形態における歪みセンサ16の場合と同様である。この場合、
歪み発生部材1はリング状の部材であることから、圧入および接着により外方部材1の内
径面に固定しても良い。車輪用軸受の構成も、先の実施形態の場合と同様である。
この実施形態の場合、リング状の1つの歪み発生部材17に、外方部材1におけるフラ
ンジ1aの全てのボルト孔14とそれぞれ同位相となる複数の切欠部17bを形成してい
るので、各ボルト孔14に対応させて複数の歪み発生部材17を用意する先の実施形態の
場合に比べて、組立工数や部品点数を減らすことができる。
また、歪み発生部材17における接触固定部17aを、隣合う切欠部17b,17bの
間に設けているので、各切欠部17bを前記フランジ1aのボルト孔14と同位相の位置
に位置合わせすることで、各接触固定部17aを外方部材1における前記ボルト孔14か
ら周方向に離間した剛性の低い位置に容易に固定することができる。隣合う切欠部17b
,17bの間の中央位置に接触固定部17aを設けた場合、外方部材1の周方向における
最も剛性の低い位置に接触固定部17aを固定できるので、歪みセンサ16による歪み検
出感度がより向上する。
ンジ1aの全てのボルト孔14とそれぞれ同位相となる複数の切欠部17bを形成してい
るので、各ボルト孔14に対応させて複数の歪み発生部材17を用意する先の実施形態の
場合に比べて、組立工数や部品点数を減らすことができる。
また、歪み発生部材17における接触固定部17aを、隣合う切欠部17b,17bの
間に設けているので、各切欠部17bを前記フランジ1aのボルト孔14と同位相の位置
に位置合わせすることで、各接触固定部17aを外方部材1における前記ボルト孔14か
ら周方向に離間した剛性の低い位置に容易に固定することができる。隣合う切欠部17b
,17bの間の中央位置に接触固定部17aを設けた場合、外方部材1の周方向における
最も剛性の低い位置に接触固定部17aを固定できるので、歪みセンサ16による歪み検
出感度がより向上する。
図5は、この発明のさらに他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受では、図1の
実施形態において、外方部材1のフランジ1aと車体の懸架装置のナックル23との互い
の対向面を、フランジ1aの各ボルト孔14の周縁においてリング状のスペーサ24を介在させることで接触させ、前記対向面の残りの範囲を互いに非接触としたものである。スペーサ24を介在させるのに代えて、フランジ1aまたはナックル23の前記対向面に突部からなる介在部を設け、この介在部を相手側の対向面に接触させるようにしても良い。上記介在部を設ける場合、その介在部の形状は、例えばスペーサ24と同様なリング状のものとされる。その他の構成は図1の実施形態の場合と同様である。
実施形態において、外方部材1のフランジ1aと車体の懸架装置のナックル23との互い
の対向面を、フランジ1aの各ボルト孔14の周縁においてリング状のスペーサ24を介在させることで接触させ、前記対向面の残りの範囲を互いに非接触としたものである。スペーサ24を介在させるのに代えて、フランジ1aまたはナックル23の前記対向面に突部からなる介在部を設け、この介在部を相手側の対向面に接触させるようにしても良い。上記介在部を設ける場合、その介在部の形状は、例えばスペーサ24と同様なリング状のものとされる。その他の構成は図1の実施形態の場合と同様である。
この実施形態の場合、外方部材1のフランジ1aにおけるナックル23との対向面は、
各ボルト孔14の周縁においてのみスペーサ(または介在部)24を介してナックル23
の対向面に接触し、周方向に並ぶボルト孔14とボルト孔14の間の対向面は摩擦力の働
かない非接触面となるので、荷重の印加に伴う外方部材1の変形は、隣り合うボルト孔1
4とボルト孔14の間の位相の部位で特に顕著となり、ボルト孔14の位相の部位に歪み
がさらに集中しやすくなる。その結果、歪みセンサ16による歪みの検出感度がさらに向
上する。
各ボルト孔14の周縁においてのみスペーサ(または介在部)24を介してナックル23
の対向面に接触し、周方向に並ぶボルト孔14とボルト孔14の間の対向面は摩擦力の働
かない非接触面となるので、荷重の印加に伴う外方部材1の変形は、隣り合うボルト孔1
4とボルト孔14の間の位相の部位で特に顕著となり、ボルト孔14の位相の部位に歪み
がさらに集中しやすくなる。その結果、歪みセンサ16による歪みの検出感度がさらに向
上する。
1…外方部材
1a…車体取付用フランジ
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
14…ボルト孔
15…圧入孔
16…歪みセンサ
17…歪み発生部材
17a…接触固定部
17b…切欠部
18…センサ素子
19…推定手段
23…ナックル
24…スペーサ
1a…車体取付用フランジ
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
14…ボルト孔
15…圧入孔
16…歪みセンサ
17…歪み発生部材
17a…接触固定部
17b…切欠部
18…センサ素子
19…推定手段
23…ナックル
24…スペーサ
Claims (7)
- 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この転走面と対向する転走面を外周に形
成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記外
方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、ナックルへ取付ける車体取付用のフ
ランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所にボルト孔が設けられ、車体に対して
車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
前記固定側部材に接する2つ以上の接触固定部および1つ以上の切欠部を有する歪み発
生部材に前記切欠部の歪みを測定するセンサ素子を取付けてなる歪みセンサを、前記固定
側部材における内径面または外径面に1つまたは複数設置し、前記切欠部は前記固定側部
材の前記フランジのボルト孔と同位相の位置に配置し、前記歪みセンサの前記センサ素子
の出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたセン
サ付車輪用軸受。 - 請求項1において、前記歪み発生部材はリング状の部材で形成され、このリング状の歪
み発生部材は、前記切欠部として、前記固定側部材のフランジの全てのボルト孔とそれぞ
れ同位相となる複数の切欠部を有し、前記接触固定部は隣合う切欠部の間に設けたセンサ
付車輪用軸受。 - 請求項2において、前記接触固定部は、隣合う切欠部の間の中央位置に設けたセンサ付
車輪用軸受。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記固定側部材が外方部材であり、
前記センサ素子は、歪みゲージであって、前記固定側部材の内径面の周方向の歪み
を検出する方向に貼ったセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記固定側部材が外方部材であり、
前記歪みセンサは前記固定側部材における複列の転走面間の内径面に設けたセンサ付車輪
用軸受。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記固定側部材のフランジとナック
ルとの互いの対向面を、スペーサまたは前記フランジもしくはナックルに設けられた突部
からなる介在部を介して、前記各ボルト孔の周縁で接触させ、前記対向面の残りの範囲を
互いに非接触としたセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記推定手段は、前記歪みセンサの
出力信号より、車軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重を推定するものとしたセン
サ付車輪用軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007051017A JP2008213561A (ja) | 2007-03-01 | 2007-03-01 | センサ付車輪用軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007051017A JP2008213561A (ja) | 2007-03-01 | 2007-03-01 | センサ付車輪用軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008213561A true JP2008213561A (ja) | 2008-09-18 |
Family
ID=39834134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007051017A Pending JP2008213561A (ja) | 2007-03-01 | 2007-03-01 | センサ付車輪用軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008213561A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110209562A1 (en) * | 2008-11-05 | 2011-09-01 | Ntn Corporation | Sensor-equipped bearing for wheel |
CN116929770A (zh) * | 2023-07-18 | 2023-10-24 | 哈尔滨工程大学 | 一种测量发动机主轴承载荷传感器及测量方法 |
-
2007
- 2007-03-01 JP JP2007051017A patent/JP2008213561A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110209562A1 (en) * | 2008-11-05 | 2011-09-01 | Ntn Corporation | Sensor-equipped bearing for wheel |
US8596146B2 (en) * | 2008-11-05 | 2013-12-03 | Ntn Corporation | Sensor-equipped bearing for wheel |
CN116929770A (zh) * | 2023-07-18 | 2023-10-24 | 哈尔滨工程大学 | 一种测量发动机主轴承载荷传感器及测量方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5147254B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP5019988B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP5089041B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP2008190706A (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP5424565B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP4925624B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP4864441B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP5094457B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP5063270B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP4925625B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP2008051283A (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP2008213561A (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP5142683B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP2008241359A (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP2007078615A (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP4986759B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP4936931B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP4889548B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP2008303892A (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP5072551B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP5219423B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP2008241492A (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP4986786B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP2008249566A (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JP4493569B2 (ja) | センサ付車輪用軸受 |