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JP2008189677A - 洗浄剤 - Google Patents

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JP2008189677A
JP2008189677A JP2008060319A JP2008060319A JP2008189677A JP 2008189677 A JP2008189677 A JP 2008189677A JP 2008060319 A JP2008060319 A JP 2008060319A JP 2008060319 A JP2008060319 A JP 2008060319A JP 2008189677 A JP2008189677 A JP 2008189677A
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acid
antihistamine
eyewash
salt
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JP2008060319A
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Kenichi Haruna
健一 春名
Tadashi Seto
忠史 瀬戸
Tetsuhisa Koike
哲央 小池
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】抗炎症作用が高く、鎮痒効果の優れたコンタクトレンズ装用者用の洗眼剤を提供する。
【解決手段】亜鉛又は亜鉛塩と抗ヒスタミン薬とを含有するコンタクトレンズ装用者用の洗眼剤。該亜鉛塩としては、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、2−オキソグルタル酸亜鉛、及び酢酸亜鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。該抗ヒスタミン薬が、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、エメダスチン、メキタジン又はそれらの薬理学的に許容される塩から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗炎症効果が増強された洗眼剤または洗鼻剤に関する。
今日、環境や生活様式の変化に伴い、花粉症を始めとするアレルギー性疾患に悩む人が急増しており、より効果的な薬剤の開発が望まれている。たとえば、アレルギー性角結膜疾患(例えば、アレルギー性結膜炎など)は主としてI型アレルギー反応によるもので、IgEと肥満細胞が関与する反応であり、結膜の肥満細胞表面のIgEレセプターに結合しているIgEと抗原が肥満細胞表面上で結合すると、脱顆粒によりヒスタミン等の活性物質が放出される。その結果、例えば、ヒスタミンでは、毛細血管浸透性の増加や知覚神経刺激の亢進などの炎症作用が起こり、浮腫、充血、そう痒感、くしゃみ及び粘膜分泌反応などのアレルギー症状が引き起こされる。従って、ヒスタミン等の活性物質の遊離を抑制する薬剤や遊離ヒスタミンに対して拮抗的に作用する抗ヒスタミン薬が、アレルギー性疾患の治療薬としてよく用いられている。
たとえば、アレルギー性疾患に用いる製剤としては、目の痒みを抑制または緩和するためには、塩酸ジフェンヒドラミンやマレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン薬を配合した点眼剤が用いられている。また、眼の洗浄のためには、これらを配合した洗眼剤が用いられている。しかし、点眼薬では、適用する液量も少なく、花粉やハウスダストなどの炎症の原因物質を洗い流すことができず、また、接触時間も少ないなどの理由で、十分に痒みを抑制することが出来ず、しかも持続性も弱いという問題があった。
一方、洗眼薬では、多量の液で眼粘膜を洗浄するため、炎症の原因物質を十分に洗い流すことができるため、高い鎮痒効果が得られるが、異物等と共に、涙液の大部分も除去され、さらには、ムチンやグロブリンなどの再生に時間のかかる粘膜保護成分も除去されるため、頻繁に洗眼することは眼粘膜保護の観点から望ましくない。従って、抗炎症作用が高く、優れた持続性を有する製剤が望まれていた。
糖タンパク質性の生理活性物質であるサイトカインは種々のアレルギーおよび炎症反応の制御において中心的役割を担っている。そのなかでもIL−8は、単球、マクロファージ、繊維芽細胞、血液内皮細胞、皮膚角化細胞、腎メサンジウム細胞、腸管並びに気道上皮細胞、肝臓実質細胞や種々の腫瘍細胞により産生されるサイトカインで、産生刺激物質としては、IL−1、TNF、グラム陰性菌由来のエンドトキシンなどが知られている。(松島綱治、p88―93、1994年、サイトカイン94 基礎から最新情報まで、笠倉新平編集、日本医学館出版)。in vitroにて種々の細胞をIL−1やTNFαなどの刺戟物質で処理すると、数時間後にIL−8の産生が認められる。in vivoにおいても同様の作用が認められる。また、結膜上皮細胞をヒスタミン刺激するとIL-8を産生することも知られている(Allergy Immunology 115 p288-293)。
IL−8の作用としては、好中球、Tリンパ球、好塩基球に走化性活性化作用を示す他、好中球の活性化、好塩基球のヒスタミン放出促進、単球の血管内皮細胞への付着促進などの作用を有することが知られている(久野耕嗣と松島綱治、免疫薬理、9、p197−205、1991)。また、アレルギー性角結膜炎患者の角結膜では好酸球および好中球が浸潤し、組織傷害を引き起こし症状悪化の一因となっている。このような患者において結膜上皮細胞におけるIL-8発現量と好中球および好酸球浸潤レベルに相関関係が認められている(Cornea 20(7)、p743-747、2001)。
本発明は、抗炎症作用が増強された眼粘膜や鼻粘膜の洗浄剤を提供することを目的とするものである。さらには、本発明はまた、鎮痒効果の優れた眼粘膜や鼻粘膜の洗浄剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鎮痒効果の高い眼粘膜や鼻粘膜の洗浄剤を得るために種々検討した結果、驚くべきことに、亜鉛又は亜鉛塩及び抗ヒスタミン薬を含有する洗浄剤が、眼粘膜や鼻粘膜において、優れた鎮痒作用を有することを見出した。また、亜鉛又は亜鉛塩がIL−8産生抑制による抗炎症作用を有することのみならず、亜鉛又は亜鉛塩が抗ヒスタミン薬に相乗的に作用して、IL−8産生抑制による抗炎症作用を増強することを見出した。即ち、本発明は、(1)亜鉛又は亜鉛塩及び抗ヒスタミン薬を含有することを特徴とする眼粘膜あるいは鼻粘膜の洗眼剤、(2)亜鉛塩が、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、2−オキソグルタル酸亜鉛、酢酸亜鉛から選ばれる1種以上である(1)に記載の洗浄剤、(3)抗ヒスタミン薬が、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、エメダスチン、メキタジン又はこれらの薬理学的に許容されるから選ばれる1種以上である(1)または(2)記載の洗浄剤、(4)さらに、清涼化剤をも含有すること特徴とする(1)(2)または(3)記載の洗浄剤、(5)清涼化剤が、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、カフェインから選ばれる1種以上である(4)記載の洗浄剤、(6)亜鉛又は亜鉛塩及び抗ヒスタミン薬を含有するアレルギー疾患用の洗浄剤、(7)亜鉛又は亜鉛塩及び抗ヒスタミン薬を含有するコンタクトレンズ装用者の眼粘膜の洗浄剤、(8)亜鉛又は亜鉛塩を有効成分とするIL-8産生抑制剤、及び(9)抗ヒスタミン薬を含有する組成物に、亜鉛または亜鉛塩を含有させることを特徴とするIL−8産生を抑制する方法、などに関する。
本明細書中、本発明の「眼粘膜あるいは鼻粘膜の洗浄剤」を、それぞれ「洗眼薬(洗眼剤)」および「洗鼻薬(鼻洗浄剤、洗鼻剤)」とも呼称する。
本明細書中、特に言及しない限り、%はw/v%を意味するものとする。また、コンタクトレンズ(CL)という語句は、特記しない限り、ハード、酸素透過性ハード、ソフトなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する意味で用いる。
本発明の洗浄剤は、亜鉛又は亜鉛塩及び抗ヒスタミン薬を含有している。使用可能な亜鉛塩としては、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛および2−オキソグルタル酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、アルミン酸亜鉛、弗化亜鉛、沃化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、クロム酸亜鉛、安息香酸亜鉛、酢酸亜鉛、パラアミノ安息香酸亜鉛、パラジメチルアミノ安息香酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、パラメトキシ桂皮酸亜鉛、2−メルカプトピリジン−N−オキシド亜鉛、ピクリン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、セバシン酸亜鉛、トリポリリン酸亜鉛ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、カプリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ポリホスホン酸亜鉛、コンドロイチン硫酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、アスコルビン酸亜鉛、ジンクピリチオン、ヒノキチオール亜鉛、亜鉛ジピコリネート、亜鉛グリセロレート錯体、ビズヒスチジン亜鉛錯体、亜鉛−3,4−ジヒドロキシ安息香酸錯体などの亜鉛錯体などが挙げられる。中でも粘膜への刺激が少ないため、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、2−オキソグルタル酸亜鉛、酢酸亜鉛などが好ましく、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化亜鉛などがより好ましい。水に対する溶解性が高く製剤化しやすいことから、硫酸亜鉛や乳酸亜鉛が特に好ましい。これらの亜鉛塩は、安全性が確認されて点眼剤にも汎用されており、本発明の洗眼薬や洗鼻薬における使用に際して安全性が高く好ましい。以下、本発明の組成物に用いる亜鉛又は亜鉛塩を、亜鉛塩などと呼称することもある。
本発明の洗浄剤における亜鉛塩などの使用量は、組成物の態様、適用方法、化合物の種類などによって異なるが、通常、0.0001〜5%の範囲である。詳しくは、亜鉛塩などの局所刺激の面や収斂作用の面から、洗鼻薬の場合には、0.0005〜5%、好ましくは、0.001〜2%、さらに好ましくは、0.01〜0.5%の範囲であり、洗眼薬の場合には、0.0001〜5%、好ましくは、0.0005〜2%、さらに好ましくは、0.001〜0.5%の範囲である。亜鉛塩などは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の洗浄剤に配合する抗ヒスタミン薬としては、抗ヒスタミン作用を有するものであれば良く、たとえば、具体的には、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、イプロヘプチン、ケトチフェン、エメダスチン、クレマスチン、アゼラスチン、レボカバスチン、オロパタジン、メキタジン、ロラタジン(loratadine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、セチリジン(cetirizine)、ペミロラスト、及び薬理学的に許容される塩(例えば塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸イプロヘプチン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカバスチンなど)などが挙げられる。なかでも、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、エメダスチン、メキタジン又はその薬理学的に許容される塩が好ましい。特に、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチンなどが安全性の面からも好ましい。本発明の組成物中における抗ヒスタミン薬の濃度は、0.0001〜1.0%、好ましくは0.0005〜0.5%、特に好ましくは、0.0005〜0.05%である。抗ヒスタミン薬は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
さらに、本発明の洗浄剤には、清涼化剤をも配合することができる。清涼化剤は、アレルギー疾患や炎症性疾患などの痒みに対する抑制効果並びに薬効成分や基剤成分由来の刺激の緩和作用(マスキング)により、アレルギー疾患や炎症性疾患などの改善を高める作用がある。本発明で用いられる清涼化剤としては、モノテルペンあるいはキサンチン誘導体などを使用することができ、少なくとも1種を含有させることができる。本発明の洗浄剤に含有させるモノテルペンとしては、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノールなどが挙げられる。これらのモノテルペンは、d体、l体又はdl体のいずれでもよいが、清涼感や香りなどの官能面や安全性の面から、1−メントール、d−メントール、dl−メントール、d−カンフル、dl−カンフル、d−ボルネオール及びdl−ボルネオールが好ましい。ゲラニオール、1−メントール、d−カンフル及びd−ボルネオールが特に好ましい。また、前記モノテルペンは、精油に含有した状態で使用することもでき、好ましい精油は、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油などである。
本発明の洗浄剤に含有させるキサンチン誘導体としては、下式(1):
Figure 2008189677
(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ、水素原子又は置換されてもよいアルキル基を示す)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩などの化合物が挙げられる。例えば、カフェイン、ペントキシフィリン、テオフィリン、ジプロフィリン、テオブロミン、プロキシフィリンなどがあり、特に、刺激性の改善の面から、カフェインが好ましい。
これらのモノテルペンあるいはキサンチン誘導体を1種類又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の洗浄剤中におけるモノテルペン又はキサンチン誘導体の濃度は、組成物の態様、適用方法、化合物の種類などによって異なるが、モノテルペンの場合、通常、0.00001〜0.1%、好ましくは0.0001〜0.05%の範囲である。特に、モノテルペンの刺激性を考慮して、0.1%以下であることが好ましく、モノテルペンによる鎮痒作用並びに使用感の改善効果を得るという観点から、0.00001%以上であることが好ましい。好適な範囲として、例えば、洗眼薬では、0.0003〜0.05%、洗鼻薬では、0.0001〜0.03%が採用ざれうる。
キサンチン誘導体の場合には、通常、0.00001〜2%、好ましくは、0.0001〜1%の範囲である。特にキサンチン誘導体の刺激性を発揮しない濃度という観点から、1%以下であることが好ましく、使用感の改善を得るという観点から、0.00001%以上であることが好ましい。なお、好適な範囲として、例えば、洗眼剤では、0.003〜0.5%、鼻洗浄剤では、0.0001〜0.3%が採用される。
本発明の洗浄剤は、鼻粘膜(鼻腔)や眼粘膜(眼組織)などの粘膜を洗浄するための粘膜適用組成物として広範に使用可能であり、あらゆる分野に適用しうる。たとえば、医薬品、医薬部外品、雑品などの広範な分野で利用することができる。さらに具体的には、洗鼻剤、洗眼剤などが挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の効果を妨げない限り、前記の亜鉛、亜鉛塩、抗ヒスタミン薬、清涼化剤の他に、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成分の種類としては特に限定されず、例えば、充血除去成分、抗炎症成分、抗菌薬または殺菌成分、抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、糖類、局所麻酔成分、ステロイド成分などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
充血除去成分:例えば、イミダゾリン誘導体(ナファゾリン、テトラヒドロゾリンなど)、β―フェニルエチルアミン誘導体(フェニレフリン、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリンなど)又はそれらの薬理学的に許容される塩(例えば、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリンなどの無機酸塩、酒石酸水素エピネフリンなどの有機酸塩など)など。
抗炎症薬成分:セレコキシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、インドメタシン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、プラノプロフェン、ピロキシカム、メロキシカム(meloxicam)、イプシロン−アミノカプロン酸、ベルベリン又はそれらの薬理学的に許容される塩(例えば、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリンなど)、リゾチーム、塩化リゾチーム、サリチル酸メチル、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウムなど。
抗菌薬又は殺菌薬成分:例えば、スルホンアミド類[ 例えば、スルファメトキサゾール、スルフィソキサゾール、スルフィソミジン又はそれらの薬理学的に許容される塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフィソミジンナトリウムなど)など]、アクリノール、第4級アンモニウム化合物(例えば、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、セチルピリジニウムなど)又はそれらの薬理学的に許容される塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウムなど)、アルキルポリアミノエチルグリシン、ニューキノロン剤(ロメフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシンなど)、ビグアニド類(ポリヘキサメチレンビグアニド、クロルヘキシジン又はその塩など)、ベルベリン又はその塩、塩化ポリドロニウム、Glokill(商品名、ローディア社製)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エトレンジクロリド)、パラベン類(メチルパラベン、エチルパラベン又はそれらの塩など)など。
抗アレルギー薬:例えば、クロモグリク酸、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、ペミロラストなど。
ビタミン類:例えば、ビタミンA類 [例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)など] 、ビタミンB類 (例えば、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硝酸エステル塩、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プルスルチアミン、ベンフォチアミン、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ビオチンなど) 、ビタミンC類[ アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及びその誘導体及びそれらの薬理学的に許容される塩類(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウムなど)など] 、ビタミンD類(例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール及びそれらの薬理学的に許容される塩類など)、ビタミンE類[ 例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウムなど)など] 、その他のビタミン類[ 例えば、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン及びその薬理学的に許容される塩類(塩化カルニチンなど)など] 。
アミノ酸類:例えば、ロイシン、イソイロイシン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、チロシン、システイン、ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、グリシルグリシン、アミノエチルスルホン酸(タウリン)又はそれらの薬理学的に許容される塩類(例えばアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、塩酸システインなど)など。
糖類:単糖類(例えば、グルコースなど)、二糖類(例えば、トレハロース、ラクトース、フルクトースなど)、オリゴ糖類(例えば、ラクツロース、ラフィノース、プルランなど)、セルロース又はその誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースなど)、高分子糖類(例えば、アルギン酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸など)及びその薬理学的に許容される塩類(例えば、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなど)、糖アルコール類(例えば、マンニトール、キシリトール、ソルビトールなど)など。
局所麻酔薬成分:リドカイン、オキシプロカイン、ジプカイン、プロカイン、アミノ安息香酸エチル、メプリルカイン及びそれらの塩(塩酸リドカイン、塩酸オキシブプロカインなど)など。
ステロイド成分:ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン及びそれらの塩など。
その他の成分:ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドンなど。
本発明の洗浄剤中のこれらの成分の配合量は製剤の種類、活性成分の種類などに応じて適宜選択され、眼粘膜や鼻粘膜の洗浄剤における各種成分の配合量は当該技術分野で既知である。例えば、製剤全体に対して0.00001〜30%、好ましくは、0.001〜10%程度の範囲から選択できる。より具体的には,洗浄剤中の各成分の含有量は、例えば、以下の通りである。
充血除去成分(血管収縮剤又は交感神経興奮剤):例えば,0.00001〜0.5%、好ましくは、0.0001〜0.3%,さらに好ましくは0.001〜0.1%程度。
抗炎症薬成分:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.0001〜5%。
抗菌薬または殺菌薬成分:例えば、0.00001〜10%、好ましくは、0.0001〜10%、さらに好ましくは0.001〜5%。
抗アレルギー成分:例えば、0.00001〜10%、好ましくは0.0001〜5%。
ビタミン類:例えば、0.0001〜10%、好ましくは、0.0001〜5%、さらに好ましくは0.0001〜1%。
アミノ酸類:例えば、0.0001〜10%、好ましくは0.001〜3%。糖類:例えば、0.0001〜5%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜2%。
局所麻酔薬成分:例えば、0.001〜1%、好ましくは0.01〜1%。
ステロイド成分:例えば、0.0001〜1%、好ましくは0.001〜1%。
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール:例えば、0.001〜10%、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%。
また、本発明の洗浄剤には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、種々の成分や添加物を適宜選択し、一種又はそれ以上を併用して含有させてもよい。それらの成分又は添加物として、例えば、増粘剤、界面活性剤、防腐/殺菌/抗菌剤、pH調節剤、等張化剤、無機塩類、キレート剤、緩衝剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、抗酸化剤、香料などの各種添加剤を挙げることができる。
以下に本発明の組成物に使用される代表的な成分を例示するが、これらは単なる提示に過ぎない。
増粘剤:例えば、多糖類又はその誘導体(アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など)、セラミド、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セルロースなど)、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、リボ核酸、デオキシリボ核酸、及びそれらの薬理学的に許容される塩類などが挙げられる。
界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン(POE)−ポリオキシプロピレン(POP)ブロックコポリマー (例えば、ポロクサマー407 、ポロクサマー235 、ポロクサマー188 など) 、エチレンジアミンのPOE―POPブロックコポリマー付加物(例えば、ポロキサミンなど)、モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20) 、モノオレイン酸POE(80)ソルビタン (ポリソルベート80) などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ油などのPOE硬化ヒマシ油、POE(9) ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POE(20)POP(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類などの非イオン性界面活性剤、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤、POE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−ココイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルタウリン塩、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、POE(3) ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのPOEアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩[ 塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ポリドロニウム、Glokill(商品名、例えばGlokill PQ、ローディア社製)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレンー(ジメチルイミニオ)エトレンジクロリド]、ポリエチレンポリアミン、ジメチルアミンエピクロルヒドリン重縮合物(商品名、例えばBusan1157、バックマン・ラボラトリーズ社製など]、アルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジウム、臭化セチルピリジウムなど)、クロルヘキシジン塩(グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジンなど)の陽イオン界面活性剤などが挙げられる。なお、括弧内の数字は不加モル数を示す。
防腐・抗菌・殺菌剤:例えば、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、スルホンアミド類(例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、及び薬理学的に許容される塩)、ニューキノロン剤(ロメフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロキサシンなど)、塩化メチルロザニリン、第4級アンモニウム化合物(例えば、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、セチルピリジニウム)及びそれらの薬理学的に許容される塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム)、クロルヘキシジン、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、クロロブタノール、イソプロパノール、エタノール、フェノキシエタノール、イオウ、リン酸ジルコニウムの銀、亜鉛、酸化亜鉛などの担持体、銀亜鉛アルミノケイ酸塩、マーキュロクロム、ポビドンヨード、デヒドロ酢酸、クロルキシレノール、クレゾール、クロロフェン、フェノール、レゾルシン、オルトフェニルフェノール、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヒノキチオール、スルファミン、リゾチーム、ラクトフェリン、トリクロサン、8−ヒドロキシキノリン、ウンデシレン酸、カプリル酸、プロピオン酸、安息香酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ソルビン酸トリクロカルバン、ハロカルバン、チアベンダゾール、ポリミキシンB、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ポリリジン、過酸化水素、塩化ポリドロニウム(ポリクォーテリウム−1)、Glokill(商品名、例えばGlokill PQ、ローディア社製)、ユニセンスCP(商品名、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、センカ社製)、WSCP(商品名、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エトレンジクロリド]を約60重量%含有、バックマン・ラボラトリーズ社製))、コスモシルCQ(商品名、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩を約20重量%含有、アビシア社製)などが挙げられる。
pH調整剤:例えば、無機塩(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸など)、有機酸(乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジンなど)、ホウ砂、及びその薬理学的に許容される塩類などが挙げられる。
等張化剤:例えば、グリセリン、プロピレングリコールなどの多価アルコール、糖類(ブトウ糖,マンニトール,ソルビトールなど)などが挙げられる。
キレート剤:例えば、エデト酸、クエン酸、ポリリン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸、アスコルビン酸、コハク酸、トリヒドロキシメチルアミノメタン、ニトリロトリ酢酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸及びそれらの薬理学的に許容される塩類などが挙げられる。
無機塩類:例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、チオ硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明の洗浄剤は、必要に応じて、生体に許容される範囲内のpH及び/又は浸透圧に調節する必要がある。適切なpHは、浸透圧は適用部位、剤形などにより異なるが、使用時の形態では、通常、pH4.0〜9.0、刺激を緩和するために、好ましくはpH4.0〜8.0、特に好ましくはpH4.0〜7.0;生理食塩液に対する浸透圧比は、通常、0.4〜4.0、刺激を緩和するために、好ましくは0.5〜2.5、特に好ましくは0.6〜1.6の範囲である。なお、pHあるいは浸透圧の調整は、緩衝剤、前記pH調節剤、前記等張化剤、前記無機塩類などを用いて行うことができる。
ここで、緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸塩などが挙げられる。これらの緩衝剤は組み合わせて使用しても良い。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤及びクエン酸緩衝剤である。特に好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩などのホウ酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸アルカリ金属塩などが挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩などのリン酸塩が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的には、ホウ酸又はその塩 (ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウムなど) 、リン酸又はその塩 (リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなど)、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなど)が挙げられる。緩衝剤として、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤を用いる場合、本発明の洗浄剤中におけるこれらの緩衝剤の濃度は、例えば、0.0001〜10.0重量%程度である。
本発明の洗浄剤は、花粉やダニなどの炎症原因物質(アレルギー原因物質)を洗い流すと共に、優れた鎮痒効果が得られるため、洗眼剤又は洗鼻剤として使用することができる。また、花粉などのアレルギー患者では眼粘膜や鼻粘膜に対してそう痒感が強く、また、コンタクトレンズ装用者でも炎症を起こしている場合が多く、眼のそう痒感を有するため、本発明の洗浄剤は、アレルギー性疾患の患者やコンタクトレンズ装用者に対して特に好ましい。また、本発明の洗浄剤は、炎症原因物質を十分に洗い流すこともできるため、低濃度の亜鉛又は亜鉛塩及び抗ヒスタミン薬を配合することができる。
本発明の洗浄剤は公知の方法により製造することができる。液剤は、各成分とを混合し、調製できる。さらに、必要により、ろ過滅菌処理工程や、容器への充填工程などを加えることができる。本発明の洗浄剤についても、上記の公知の方法により製造できるが、より具体的には、例えば、洗眼剤であれば、亜鉛又は亜鉛塩、抗ヒスタミン薬と、その他の配合成分とを精製水に溶解し、所定の浸透圧及びpHに調整し、無菌環境下、ろ過滅菌処理し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造できる。また、洗鼻剤も同様の方法で製造できる。また、用時溶解可能な製剤の場合、剤型に応じ公知の方法により製造することができ、使用時に水または付属の溶液などに溶解して使用する。
以下に、試験例および実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
試験例1 ヒスタミン誘発IL−8産生抑制作用試験増殖培地(10%ウシ胎児血清含有F199培地)1mLに懸濁したヒト結膜上皮細胞株1-5c-4、5×105個を24ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO下で一晩培養した。増殖培地を吸引後、マレイン酸クロルフェニラミン5×10-7Mおよび硫酸亜鉛0.001〜0.005%を含む増殖培地を1mLずつ加えた。対照には増殖培地のみ加えた。30分間培養した後、25μMヒスタミンを添加し、さらに24時間培養した。培養上清を回収し、各上清中のIL-8濃度をELISAキット(商品名:QUANTIKINE human IL-8、R&D SYSTEMS社製)を用いて定量し、対照に対するヒスタミン誘発IL−8産生抑制率を以下の式より求めた。
抑制率(%)=(1−(試験例のIL-8量/対照例のIL-8量))× 100
試験結果を表1に示す。
試験結果
Figure 2008189677
以上の結果から、硫酸亜鉛0.001%〜0.005%では10〜20%の抑制率であった。ヒスタミン誘発IL-8産生に対して約20%の抑制率が期待できる50nM濃度のマレイン酸クロルフェニラミンと0.001〜0.005%硫酸亜鉛の併用で、マレイン酸クロルフェニラミン単独或いは硫酸亜鉛単独添加時に比べて明らかに強い抑制効果を認め、その効果は相乗的であり、0.0025%硫酸亜鉛と50nMマレイン酸クロルフェニラミンの併用で抑制率は約60%であった。この結果より、亜鉛化合物と抗ヒスタミン薬は、眼局所においてIL−8の産生を相乗的に抑制することが明らかになった。
つまり、抗ヒスタミン薬と亜鉛塩等を含有した溶液で事前に処理することにより、アレルギー起因物質とマストセルが接触しヒスタミンが放出された場合でも、IL−8の産生が抑制されるため、抗ヒスタミン薬と亜鉛塩を含有する洗浄剤は、アレルギー性疾患に対して抗炎症作用を有し、非常に有効であることが予想される。
実施例1及び比較例1−3 洗眼剤以下の表2に記載の処方に従い、各配合成分を滅菌精製水に溶解させ、浸透圧並びにpHを調整後、全量を100mlとし、滅菌濾過して、容器に充填し、洗眼剤(洗眼薬)を調製した。
Figure 2008189677
試験2 洗眼剤の使用試験(1)
実施例1 及び比較例1〜3で調製した洗眼液5mlを洗眼カップに入れ、花粉症患者を対象として使用試験を行った。被験者10名を対象として、痒みを感じた場合に、左右両眼に10秒間使用させた。洗眼後の痒みについて、以下の基準に従い、経時的に評価した。
評価基準掻痒感の有無:
−:全く掻痒感が感じられない
+:少し掻痒感が感じられる
++:かなり掻痒感が感じられる
結果を表3に示す。
Figure 2008189677
上記の試験結果から、亜鉛又は亜鉛塩及び抗ヒスタミン薬を含有する洗浄剤は、鎮痒効果が優れた組成物であることが確認された。
試験3 洗眼剤の使用試験(2)
実施例1 及び比較例1〜3で調製した洗眼液5mlを洗眼カップに入れ、コンタクトレンズ装用者を対象として使用試験を行った。被験者10名(酸素透過性ハードコンタクトレンズ装用者5名、ソフトコンタクトレンズ装用者5名)を対象として、痒みを感じた場合に、左右両眼に10秒間使用させた。洗眼後の痒みについて、以下の基準に従い、経時的に評価した。
評価基準掻痒感の有無:
−:全く掻痒感が感じられない
+:少し掻痒感が感じられる
++:かなり掻痒感が感じられる
結果を表4に示す。
Figure 2008189677
上記の試験結果から、亜鉛又は亜鉛塩及び抗ヒスタミン薬を含有する洗浄剤は、鎮痒効果が優れた組成物であることが確認された。
実施例2−13 洗眼剤以下の表5及び表6に記載の処方に従い、各配合成分を滅菌精製水に溶解させ、浸透圧並びにpHを調整後、全量を100mlとし、滅菌濾過して、容器に充填し、洗眼剤(洗眼薬)を調製した。
Figure 2008189677
Figure 2008189677
実施例14−20 洗鼻剤以下の表7に記載の処方に従い、各配合成分を滅菌精製水に溶解させ、浸透圧並びにpHを調整後、全量を100mlとし、滅菌濾過して、容器に充填し、洗鼻剤(洗鼻薬)を調製した。
Figure 2008189677
本発明によれば、抗炎症作用が高く、鎮痒効果の優れた鼻粘膜や眼粘膜の洗浄剤を得ることができる。本発明は、眼粘膜や鼻粘膜に炎症を起こしやすく、また、痒みを感じやすい花粉症などのアレルギー性疾患の患者やコンタクトレンズ装用者に対して、特に有効である。

Claims (8)

  1. 亜鉛又は亜鉛塩と抗ヒスタミン薬とを含有することを特徴とする、コンタクトレンズ装用者用の洗眼剤。
  2. 亜鉛塩が、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、2−オキソグルタル酸亜鉛、及び酢酸亜鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の洗眼剤。
  3. 抗ヒスタミン薬が、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、エメダスチン、メキタジン又はそれらの薬理学的に許容される塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗眼剤。
  4. さらに、清涼化剤を含有すること特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗眼剤。
  5. 亜鉛又は亜鉛塩の含有量が、0.005〜0.025(w/v)%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗眼剤。
  6. 抗ヒスタミン薬の含有量が、0.0006〜0.005(w/v)%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗眼剤。
  7. 抗ヒスタミン薬を含有する洗眼剤に、亜鉛又は亜鉛塩を添加することを特徴とする、該洗眼剤の鎮痒作用を増強する方法
  8. 抗ヒスタミン薬を含有する洗眼剤に、亜鉛又は亜鉛塩を添加することを特徴とする、該洗眼剤の鎮痒作用を持続させる方法。
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