JP2008178820A - 液滴噴射ヘッド充填装置及び物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】気泡の残留による液滴の噴射不良の発生を防止することができる液滴噴射ヘッド充填装置を提供する。
【解決手段】液滴噴射ヘッド充填装置1において、充填口H1からノズル面M2に向けて伸びる第1内部流路21、その流路から屈曲して伸び、複数の液室に連通する第2内部流路22、及びその流路から屈曲して伸び、排出口H2に連通する第3内部流路23により構成された液体流路R1を有する液滴噴射ヘッド2を、第2内部流路22と第3内部流路23との屈曲部が液体流路R1内で最も高い位置にある状態に傾け、その状態になった液滴噴射ヘッド2の液体流路R1に液体を供給し、液体流路R1を進行する液体における気体との界面が屈曲部に到達した場合、前述の状態になった液滴噴射ヘッド2を排出口H2が液体流路R1内で最も高い位置にある状態に傾ける手段を備える。
【選択図】図1
【解決手段】液滴噴射ヘッド充填装置1において、充填口H1からノズル面M2に向けて伸びる第1内部流路21、その流路から屈曲して伸び、複数の液室に連通する第2内部流路22、及びその流路から屈曲して伸び、排出口H2に連通する第3内部流路23により構成された液体流路R1を有する液滴噴射ヘッド2を、第2内部流路22と第3内部流路23との屈曲部が液体流路R1内で最も高い位置にある状態に傾け、その状態になった液滴噴射ヘッド2の液体流路R1に液体を供給し、液体流路R1を進行する液体における気体との界面が屈曲部に到達した場合、前述の状態になった液滴噴射ヘッド2を排出口H2が液体流路R1内で最も高い位置にある状態に傾ける手段を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、液滴を噴射する液滴噴射ヘッドに液体を充填する液滴噴射ヘッド充填装置及び液体が充填された液滴噴射ヘッドを用いる物品の製造方法に関する。
液滴噴射ヘッド充填装置は、被塗布物に向けて液滴を噴射する液滴噴射ヘッドに液体を充填する装置である。液滴噴射ヘッドは、物品としての塗布物を製造するために用いる塗布装置である液滴噴射装置に搭載されて利用されている。この液滴噴射ヘッドとしては、例えばインクジェットヘッド等が挙げられる。なお、液滴噴射装置は、例えば、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置、電子放出表示装置、プラズマ表示装置及び電気泳動表示装置等の様々な表示装置を製造するために利用されている。
液滴噴射ヘッドは、メインタンク等から供給される液体が流れる液体流路と、その液体流路から流入する液体をそれぞれ収容する複数の液室と、それらの液室にそれぞれ連通する複数のノズルを有するノズルプレートとを備えている(例えば、特許文献1参照)。この液滴噴射ヘッドは、圧電素子等を用いる圧電方式の液滴噴射ヘッドであり、液室内の容積変化に応じて、液室内の液体をノズルから液滴として噴射する。このような液滴噴射ヘッドでは、液体流路は複雑な構造になっているため、液体流路には、屈曲する箇所(屈曲部)が多数存在する。
特開2005−270743号公報
しかしながら、前述の液滴噴射ヘッド充填装置では、液体の充填中、液滴噴射ヘッドが固定されているため、気泡が溜まりやすい箇所(例えば、液体流路の屈曲部等の箇所)が生じる。気泡が液体流路内に残留すると、液滴の不噴射や噴射ヨレ等の噴射不良が発生してしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、気泡の残留による液滴の噴射不良の発生を防止することができる液滴噴射ヘッド充填装置及び物品の製造方法を提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、液滴噴射ヘッド充填装置において、複数のノズルが形成されたノズル面と、複数のノズルにそれぞれ連通し、液体を収容する複数の液室と、充填口及び排出口が形成された面であってノズル面の反対面と、充填口からノズル面に向けて伸びる第1内部流路、第1内部流路から屈曲して伸び、複数の液室に連通する第2内部流路、及び第2内部流路から屈曲して伸び、排出口に連通する第3内部流路により構成された液体流路とを有するヘッドであって、液室内の液体をノズルから液滴として噴射する液滴噴射ヘッドを支持して傾ける支持傾斜部と、充填口から液体流路に液体を供給する液体供給部と、支持傾斜部により第2内部流路と第3内部流路との屈曲部が液体流路内で最も高い位置にある状態に液滴噴射ヘッドを傾け、屈曲部が液体流路内で最も高い位置にある状態になった液滴噴射ヘッドの液体流路に液体供給部により液体を供給し、液体流路を進行する液体における気体との界面が屈曲部に到達した場合、屈曲部が液体流路内で最も高い位置にある状態になった液滴噴射ヘッドを支持傾斜部により排出口が液体流路内で最も高い位置にある状態に傾ける制御手段とを備えることである。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、物品の製造方法において、複数のノズルが形成されたノズル面と、複数のノズルにそれぞれ連通し、液体を収容する複数の液室と、充填口及び排出口が形成された面であってノズル面の反対面と、充填口からノズル面に向けて伸びる第1内部流路、第1内部流路から屈曲して伸び、複数の液室に連通する第2内部流路、及び第2内部流路から屈曲して伸び、排出口に連通する第3内部流路により構成された液体流路とを有するヘッドであって、液室内の液体をノズルから液滴として噴射する液滴噴射ヘッドを、第2内部流路と第3内部流路との屈曲部が液体流路内で最も高い位置にある状態に傾け、屈曲部が液体流路内で最も高い位置にある状態になった液滴噴射ヘッドの液体流路に液体を供給し、液体流路を進行する液体における気体との界面が屈曲部に到達した場合、屈曲部が液体流路内で最も高い位置にある状態になった液滴噴射ヘッドを排出口が液体流路内で最も高い位置にある状態に傾け、液滴噴射ヘッドに液体を充填する充填工程と、液体が充填された液滴噴射ヘッドにより、液室内の液体をノズルから液滴として噴射し、液滴を被塗布物に塗布する塗布工程とを有することである。
本発明によれば、気泡の残留による液滴の噴射不良の発生を防止することができる。
本発明の実施の一形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る液滴噴射ヘッド充填装置1は、液滴を噴射する液滴噴射ヘッド2を支持して傾ける支持傾斜部3と、液滴噴射ヘッド2にインク等の液体を供給する液体供給部4と、それら各部の駆動を制御する制御部5とを備えている。
液滴噴射ヘッド2は、箱型形状のヘッド本体2aと、そのヘッド本体2aに取り付けられたノズルプレート2bとを備えている。この液滴噴射ヘッド2としては、例えば、圧電素子を使用する圧電方式の液滴噴射ヘッドを用いる。
ヘッド本体2aの表面には、液体供給部4から供給される液体が流入する充填口H1と、液滴噴射ヘッド2から液体が流出する排出口H2とが設けられている。これらの充填口H1及び排出口H2は、ヘッド本体2aの同一面であって、ノズルプレート2bが設けられた面の反対面M1に形成されている。
ヘッド本体2aの内部には、図2に示すように、充填口H1から排出口H2まで伸びる液体流路R1と、その液体流路R1にそれぞれ連通し、液体流路R1から流入する液体を収容する複数の液室Eとが設けられている。
各液室Eは、ヘッド本体2aにおけるノズルプレート2b側に位置付けられ、ノズルプレート2bに平行に所定のピッチで2列に並べて設けられている。これらの液室Eには、液体流路R1から液体が流入して供給される。
液体流路R1は、流路途中で分岐し、再度合流する構造になっており、第1液体流路R1a及び第2液体流路R1bから構成されている。第1液体流路R1aは、ノズルプレート2bに向かって伸びる第1内部流路21と、第1内部流路21から屈曲して伸び、各液室Eに連通する第2内部流路22と、第2内部流路22から屈曲して伸び、排出口H2に連通する第3内部流路23とにより構成されている。なお、第2液体流路R1bも、第1液体流路R1aと同様である。第1内部流路21及び第3内部流路23はノズルプレート2bに対してほぼ垂直に伸びており、第2内部流路24はノズルプレート2bに対して略平行に伸びている。なお、第1液体流路R1aには、第1内部流路21と第2内部流路22との屈曲部K1が存在し、第2内部流路22と第3内部流路23との屈曲部K2が存在する。
図1に戻り、ノズルプレート2bには、各液室Eにそれぞれ連通する複数のノズル(貫通孔)Nが設けられている。各ノズルNは、ノズルプレート2bに所定のピッチで2列に並べて設けられている。例えば、ノズルNの数は数十個から数百個程度であり、ノズルNの直径は数μmから数十μm程度であり、ノズルNのピッチ(間隔)は数十μmから数百μm程度である。なお、このノズルプレート2bの外面がノズル面M2となる。
このような液滴噴射ヘッド2は、各液室Eに対応させて設けられた複数の圧電素子(図示せず)に対する駆動電圧の印加により、各液室Eの容積を変化させ、各液室Eに収容された液体を対応するノズルNから液滴として被塗布物に向けて噴射し、被塗布物の表面に所定のドットパターンを形成する。
なお、ノズルプレート2bには、液滴噴射ヘッド2に対して液体の充填を行う際、全てのノズルNを塞ぐキャップCが取り付けられる。このキャップCは、充填中の液体の垂れ流しを防止するための部材である。ここで、ノズルNの直径が液体の垂れ流しが発生しない程度に小さい場合には、キャップCを設ける必要はない。なお、充填中に液体の垂れ流しが発生しないノズルNの直径は、液体の種類や粘度等の様々な要因に応じて変化する。
キャップCは、液滴噴射ヘッド2にノズルプレート2bの各ノズルNを塞いでノズル面M2を覆うように着脱可能に形成されている。このキャップCは、液滴噴射ヘッド2の側面を復元力により挟持し、ノズルプレート2bのノズル面M2を覆うようにヘッド本体2aに取り付けられる。なお、キャップCには、各ノズルNに当接して塞ぐ部材として密着性を有する弾性体(例えば、シリコーン)が設けられている。この弾性体の表面には、ノズルNから流出した液体による劣化を防止するためのフィルム(例えば、カプトンフィルム)が貼り付けられている。
支持傾斜部3は、液滴噴射ヘッド2を支持し、軸心Zを中心に回転可能に設けられた支持部材3aと、その支持部材3aを回動させるモータ等の駆動源3bと備えている。支持部材3aには、液滴噴射ヘッド2がボルト等の締結部材により着脱可能に取り付けられる。この支持傾斜部3は、駆動源3bの駆動力により支持部材3aを回動させ、液滴噴射ヘッド2を基準位置から所定角度だけ傾ける。
液体供給部4は、インク等の液体を収容するメインタンク4aと、水頭差hを調整するためのバッファタンク(中間タンク)4bと、そのバッファタンク4b内の液体量を検出するセンサ4cと、液滴噴射ヘッド2に液体を供給するための送液ポンプP1と、液滴噴射ヘッド2から液体をメインタンク4aに戻すための送液ポンプP2とを備えている。
メインタンク4aとバッファタンク4bとは、液体が流れる第1液体供給流路R2により接続されている。また、バッファタンク4bと液滴噴射ヘッド2の充填口H1とは、液体が流れる第2液体供給流路R3により接続されている。液滴噴射ヘッド2の排出口H2とメインタンク4aとは、液滴噴射ヘッド2の排出口H2から流出した液体が流れる液体戻し流路R4により接続されている。これらの第1液体供給流路R2、第2液体供給流路R3及び液体戻し流路R4としては、例えば、可撓性を有するチューブやパイプ等を用いる。なお、第2液体供給流路R3及び液体戻し流路R4は、液滴噴射ヘッド2が支持傾斜部3により回動可能である十分な長さに形成されている。
送液ポンプP1は第1液体供給流路R2の途中に設けられており、送液ポンプP2は液体戻し流路R4の途中に設けられている。これらの送液ポンプP1、P2が液体を送液するための駆動源となり、液体が各流路を流れる。
バッファタンク4bは、その内部に貯留した液体の液面と液滴噴射ヘッド2のノズル面M2との水頭差hを利用し、ノズル先端の液体の液面(メニスカス)を調整する。これにより、液体の漏れ出しや噴射不良が防止される。
センサ4cは、例えば、バッファタンク4b内の液体の液面高さを検出する液面センサである。この液面センサとしては、例えば、超音波式のセンサ等を用いる。このようなセンサ4cにより、バッファタンク4b内の液体量の減少、すなわち液面の低下が検出されると、液体がメインタンク4aからバッファタンク4bに供給される。
制御部5は、各部を制御するマイクロコンピュータ、さらに、制御プログラムや各種データ等を記憶する記憶部等を備えており、支持傾斜部3及び液体供給部4等の各部の駆動を制御する。この制御部5には、支持傾斜部3の駆動源3b、液体供給部4の送液ポンプP1、P2及びセンサ4cが電気的に接続されている。なお、制御部5は、例えば、液滴噴射ヘッド2内に充填される液体の流量が一定になるように送液ポンプP1、P2等を制御する。これにより、液体の流動に起因する気泡の発生を抑えることができる。
次に、液滴噴射ヘッド充填装置1の液体充填動作について説明する。液滴噴射ヘッド充填装置1の制御部5が各種のプログラムに基づいて液体充填処理を実行する。
図3に示すように、制御部5は、支持傾斜部3の支持部材3aを回動させ、液滴噴射ヘッド2を基準位置から傾けて第1停止位置に停止させる(ステップS1)。これにより、液滴噴射ヘッド2は、図4に示すように、第2内部流路22と第3内部流路23との屈曲部K2が液体流路R1(第1液体流路R1a及び第2液体流路R1b)内で最も高い位置になる角度だけ基準位置から傾いた状態になる。第1停止位置は、屈曲部K2が液体流路R1内で最も高い位置になる停止位置である。
ここで、図1に示す液滴噴射ヘッド2のノズル面M2が重力方向、すなわち真下を向いている状態の位置を支持部材3aの回転角度が0度である基準位置とし、支持部材3aの回転方向である図1中の時計回り方向をプラスにした場合には、図4に示す液滴噴射ヘッド2の第1停止位置は、支持部材3aの回転角度が135度である位置となる。
その後、制御部5は、液体供給部4の送液ポンプP1、P2を駆動し、液滴噴射ヘッド2の液体流路R1に対する液体の供給を開始する(ステップS2)。これにより、図4に示すように、液体は、液滴噴射ヘッド2の充填口H1から液体流路R1、すなわち第1液体流路R1a及び第2液体流路R1bに供給され、それらの第1液体流路R1a及び第2液体流路R1bを進行していく。このとき、液体が第1液体流路R1a及び第2液体流路R1bの各々の第2内部流路22に達すると、その一部が第2内部流路22に連通する各液室Eに流入し、それらの液室E内に収容される。なお、液滴噴射ヘッド2が第1停止位置にあることによって、気泡が溜まりやすい箇所の発生が抑えられる。さらに、第1内部流路21及び第2内部流路22を進行する液体における気体との界面は重力に逆らう方向、すなわち上方に向かって移動するので、第1内部流路21又は第2内部流路22に残留する気泡は液体の流動及び浮力により液体流路R1に沿って移動することになる。
次いで、制御部5は、液体が所定の充填量(すなわち、液体が2つの第1内部流路21及び2つの第2内部流路22を満たす量)だけ充填されたか否かを判断し(ステップS3)、所定の充填量の液体充填に待機する(ステップS3のNO)。すなわち、図4に示すように、第2内部流路22を進行する液体における気体との界面が屈曲部K2に到達することに待機する。ここで、制御部5は、液体流路R1に充填された液体の充填量に基づいて、液体流路R1を進行する液体における気体との界面が屈曲部K2に到達したか否かを判断している。
液体が所定の充填量だけ充填されたと判断した場合には(ステップS3のYES)、支持傾斜部3の支持部材3aを回動させ、液滴噴射ヘッド2を第1停止位置から傾けて第2停止位置に停止させる(ステップS4)。これにより、液滴噴射ヘッド2は、図5に示すように、排出口H2が液体流路R1(第1液体流路R1a及び第2液体流路R1b)内で最も高い位置になる角度だけ基準位置から傾いた状態になる。なお、第2停止位置は、排出口H2が液体流路R1内で最も高い位置になる停止位置である。
ここで、図1に示す液滴噴射ヘッド2のノズル面M2が真下を向いている状態の位置を支持部材3aの回転角度が0度である基準位置とし、支持部材3aの回転方向を図1中の時計回り方向にした場合には、図5に示す液滴噴射ヘッド2の第2停止位置は、支持部材3aの回転角度が45度である位置となる。
この状態で、図5に示すように、液体は各第3内部流路23を進行し、排出口H2から流出し、液体戻し流路R4を介してメインタンク4aに戻る。なお、液滴噴射ヘッド2が第2停止位置にあることによって、気泡が溜まりやすい箇所の発生が抑えられる。さらに、第2内部流路22内の液体は上方に向かって流動し、第3内部流路23を進行する液体における気体との界面は上方に向かって移動するので、第2内部流路22又は第3内部流路23に残留する気泡は液体の流動及び浮力により液体流路R1に沿って移動することになる。
次いで、制御部5は、液体が所定の充填量(すなわち、液体が2つの第3内部流路23を満たす量)だけ充填されたか否かを判断し(ステップS5)、所定の充填量の液体充填に待機する(ステップS5のNO)。すなわち、図5に示すように、第3内部流路23を進行する液体における気体との界面が排出口H2に到達することに待機する。ここで、制御部5は、液体流路R1に充填された液体の充填量に基づいて、液体流路R1を進行する液体における気体との界面が排出口H2に到達したか否かを判断している。
液体が所定の充填量だけ充填されたと判断した場合には(ステップS5のYES)、支持傾斜部3の支持部材3aを回動させ、液滴噴射ヘッド2を第2停止位置から傾けて第3停止位置に停止させる(ステップS6)。これにより、液滴噴射ヘッド2は、図6に示すように、第2内部流路22が重力方向と平行な状態になる角度だけ基準位置から傾いた状態になる。なお、第3停止位置は、第2内部流路22が重力方向と平行な状態になる停止位置である。
ここで、図1に示す液滴噴射ヘッド2のノズル面M2が真下を向いている状態の位置を支持部材3aの回転角度が0度である基準位置とし、支持部材3aの回転方向を図1中の時計回り方向にした場合には、図6に示す液滴噴射ヘッド2の第3停止位置は、支持部材3aの回転角度が90度である位置となる。
次いで、制御部5は、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS7)、所定時間の経過に待機する(ステップS7のNO)。このとき、液体は所定時間だけ循環する。これにより、液体流路R1内の液体は流動するので、液体流路R1に残留した気泡は排出口H2から排出されたり、液室Eを介してノズルN内に移動したりする。なお、液滴噴射ヘッド2が第3停止位置にあることによって、第2内部流路22内の液体は上方に向かって移動するので、第2内部流路22に残留する気泡は液体の流動及び浮力により移動することになる。
所定時間が経過したと判断した場合には(ステップS7のYES)、支持傾斜部3の支持部材3aを回動させ、液滴噴射ヘッド2を第3停止位置から傾けて第4停止位置に停止させる(ステップS8)。これにより、液滴噴射ヘッド2は、図7に示すように、ノズル面M2が上方を向く状態になる角度だけ基準位置から傾いた状態になる。なお、第4停止位置は、ノズル面M2が上方に向いた状態になる停止位置である。
ここで、図1に示す液滴噴射ヘッド2のノズル面M2が真下を向いている状態の位置を支持部材3aの回転角度が0度である基準位置とし、支持部材3aの回転方向を図1中の時計回り方向にした場合には、図7に示す液滴噴射ヘッド2の第4停止位置は、支持部材3aの回転角度が180度である位置となる。
この状態で、図7に示すように、液滴噴射ヘッド2からキャップCが取り外される(泡抜き)。このとき、液体流路R1内の液体は流動している。なお、液滴噴射ヘッド2が第4停止位置にあることによって、ノズル面M2が上方を向き、ノズルN内に残留した気泡が浮力及び液体の流動による圧力によりノズルNの先端に移動することになる。これにより、ノズルNから気泡を容易に排出することが可能となる。
その後、制御部5は、液体流路R1に対する液体の充填を停止し(ステップS9)、処理を終了する。液体充填が完了した液滴噴射ヘッド2は、支持傾斜部3の支持部材3aから取り外され、第2液体供給流路R3及びバッファタンク4bと共に、物品としての塗布物を製造するための液滴噴射装置等の塗布装置本体に取り付けられて使用される。なお、塗布装置は、液体が充填された液滴噴射ヘッド2を用いて、液滴噴射ヘッド2内の液体を液滴として噴射し、所定のドットパターンで被塗布物に液滴を塗布し、塗布物を製造する。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、液滴噴射ヘッド2を支持して傾ける支持傾斜部3を設け、液体流路R1を進行する液体における気体との界面が重力に逆らう方向、すなわち上方に向かって移動するように液体流路R1の構造に応じて支持傾斜部3により液滴噴射ヘッド2を傾け、傾けた液滴噴射ヘッド2の液体流路R1に液体供給部4により液体を供給することによって、気泡が溜まりやすい箇所の発生が抑えられつつ液体が充填されるので、液体流路R1から気泡を容易に排出することが可能になり、さらに、液体流路R1内の気泡は液体の流動及び浮力により液体流路R1に沿って移動することになるので、気泡が液体の流動だけで移動する場合に比べ、液体流路R1から気泡を容易に排出することが可能になる。これらのことから、気泡の残留による液滴の噴射不良の発生を防止することができる。また、インクの物性変化や液体流路R1の内壁状態等により気泡が残留した場合でも、その気泡も液体の流動及び浮力により液体流路R1に沿って容易に移動するので、液体流路R1から気泡を確実に排出することができる。
特に、第2内部流路22と第3内部流路23との屈曲部K2が液体流路R1内で最も高い位置にある状態に液滴噴射ヘッド2を傾け、屈曲部K2が液体流路R1内で最も高い位置にある状態になった液滴噴射ヘッド2の液体流路R1に液体を供給し、液体流路R1を進行する液体における気体との界面が屈曲部K2に到達した場合、排出口H2が液体流路R1内で最も高い位置にある状態に液滴噴射ヘッド2を傾けることによって、気泡が溜まりやすい箇所の発生が確実に抑えられるので、液体流路R1から気泡を確実に排出することができ、さらに、液体流路R1内の気泡は液体の流動及び浮力により液体流路R1に沿って移動するので、気泡が液体の流動だけで移動する場合に比べ、液体流路R1から気泡を確実に排出することができる。
さらに、排出口H2が液体流路R1内で最も高い位置にある状態になった液滴噴射ヘッド2を第2内部流路22が重力方向と平行である状態に傾け、第2内部流路22が重力方向と平行である状態になった液滴噴射ヘッド2の液体流路R1内の液体を流動させることによって、第2内部流路22に残留する気泡は液体の流動及び浮力により移動するので、気泡が液体の流動だけで移動する場合に比べ、液体流路R1から気泡を確実に排出することができる。なお、各液室Eに液体が流入する箇所等では、気泡が発生しやすいため、発生した気泡が第2内部流路22内に留まることが多々ある。
加えて、第2内部流路22が重力方向と平行である状態になった液滴噴射ヘッド2をノズル面M2が上方を向く状態に傾け、ノズル面M2が上方を向く状態になった液滴噴射ヘッド2の液体流路R1内の液体を流動させることによって、ノズルN内に残留した気泡が浮力及び液体の流動による圧力によりノズルNの先端に移動することになるので、ノズルNから気泡を容易に排出することができる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は、前述の実施の形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
なお、本発明は、前述の実施の形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、前述の実施の形態においては、第1液体供給流路R2、第2液体供給流路R3及び液体戻し流路R4等に、気泡を除去する脱気装置等の気泡除去部を設けていないが、これに限るものではなく、気泡除去部を設けるようにしてもよい。
最後に、前述の実施の形態においては、各種の数値を挙げているが、それらの数値は例示であり、限定されるものではない。
1…液滴噴射ヘッド充填装置、2…液滴噴射ヘッド、3…支持傾斜部、4…液体供給部、5…制御手段(制御部)、21…第1内部流路、22…第2内部流路、23…第3内部流路、E…液室、H1…充填口、H2…排出口、K2…屈曲部、N…ノズル、M1…反対面、M2…ノズル面、R1…液体流路
Claims (4)
- 複数のノズルが形成されたノズル面と、前記複数のノズルにそれぞれ連通し、液体を収容する複数の液室と、充填口及び排出口が形成された面であって前記ノズル面の反対面と、前記充填口から前記ノズル面に向けて伸びる第1内部流路、前記第1内部流路から屈曲して伸び、前記複数の液室に連通する第2内部流路、及び前記第2内部流路から屈曲して伸び、前記排出口に連通する第3内部流路により構成された液体流路とを有するヘッドであって、前記液室内の液体を前記ノズルから液滴として噴射する液滴噴射ヘッドを支持して傾ける支持傾斜部と、
前記充填口から前記液体流路に液体を供給する液体供給部と、
前記支持傾斜部により前記第2内部流路と前記第3内部流路との屈曲部が前記液体流路内で最も高い位置にある状態に前記液滴噴射ヘッドを傾け、前記屈曲部が前記液体流路内で最も高い位置にある状態になった前記液滴噴射ヘッドの前記液体流路に前記液体供給部により前記液体を供給し、前記液体流路を進行する前記液体における気体との界面が前記屈曲部に到達した場合、前記屈曲部が前記液体流路内で最も高い位置にある状態になった前記液滴噴射ヘッドを前記支持傾斜部により前記排出口が前記液体流路内で最も高い位置にある状態に傾ける制御手段と、
を備えることを特徴とする液滴噴射ヘッド充填装置。 - 前記制御手段は、前記排出口が前記液体流路内で最も高い位置にある状態になった前記液滴噴射ヘッドを前記支持傾斜部により前記第2内部流路が重力方向と平行である状態に傾け、前記第2内部流路が重力方向と平行である状態になった前記液滴噴射ヘッドの前記液体流路内の前記液体を前記液体供給部により流動させ、前記第2内部流路が重力方向と平行である状態になった前記液滴噴射ヘッドを前記支持傾斜部により前記ノズル面が上方を向く状態に傾け、前記ノズル面が上方を向く状態になった前記液滴噴射ヘッドの前記液体流路内の前記液体を前記液体供給部により流動させることを特徴とする請求項1記載の液滴噴射ヘッド充填装置。
- 複数のノズルが形成されたノズル面と、前記複数のノズルにそれぞれ連通し、液体を収容する複数の液室と、充填口及び排出口が形成された面であって前記ノズル面の反対面と、前記充填口から前記ノズル面に向けて伸びる第1内部流路、前記第1内部流路から屈曲して伸び、前記複数の液室に連通する第2内部流路、及び前記第2内部流路から屈曲して伸び、前記排出口に連通する第3内部流路により構成された液体流路とを有するヘッドであって、前記液室内の液体を前記ノズルから液滴として噴射する液滴噴射ヘッドを、前記第2内部流路と前記第3内部流路との屈曲部が前記液体流路内で最も高い位置にある状態に傾け、前記屈曲部が前記液体流路内で最も高い位置にある状態になった前記液滴噴射ヘッドの前記液体流路に前記液体を供給し、前記液体流路を進行する前記液体における気体との界面が前記屈曲部に到達した場合、前記屈曲部が前記液体流路内で最も高い位置にある状態になった前記液滴噴射ヘッドを前記排出口が前記液体流路内で最も高い位置にある状態に傾け、前記液滴噴射ヘッドに前記液体を充填する充填工程と、
前記液体が充填された前記液滴噴射ヘッドにより、前記液室内の前記液体を前記ノズルから前記液滴として噴射し、前記液滴を被塗布物に塗布する塗布工程と、
を有することを特徴とする物品の製造方法。 - 前記充填工程は、前記排出口が前記液体流路内で最も高い位置にある状態になった前記液滴噴射ヘッドを前記第2内部流路が重力方向と平行である状態に傾け、前記第2内部流路が重力方向と平行である状態になった前記液滴噴射ヘッドの前記液体流路内の前記液体を流動させ、前記第2内部流路が重力方向と平行である状態になった前記液滴噴射ヘッドを前記ノズル面が上方を向く状態に傾け、前記ノズル面が上方を向く状態になった前記液滴噴射ヘッドの前記液体流路内の前記液体を流動させることを特徴とする請求項3記載の物品の製造方法。
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2007
- 2007-01-25 JP JP2007015174A patent/JP2008178820A/ja active Pending
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