JP2008145858A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】不利な環境条件下でも、低濃度原色トナー、透明トナー、または白色トナーを用いたトナー像の転写不良を軽減して、これら特別色トナーを用いた出力画像の品質を高める。
【解決手段】感光ドラム１ａ、１ｂは、それぞれシアン、マゼンタの低濃度原色トナーを用いて特別色トナー像を形成する。感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの高濃度トナーを用いて通常色トナー像を形成する。特別色トナー像を中間転写ベルト１１に転写する一次転写ニップ部７ａ、７ｂの送り方向長さは、通常色トナー像を中間転写ベルト１１に転写する一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの送り方向長さより長い。
【選択図】図１

Description

本発明は、同一色相で濃度の異なる濃淡トナー、透明トナー、白色トナーを用いる画像形成装置のように、像担持体に担持されるトナー像のトナー載り量（単位面積当たりトナー量）が色により異なる画像形成装置に関する。特に、トナー載り量の多いトナー像を中間転写体等へ良好に転写する画像形成装置に関する。

透明トナーまたは白色トナーを用いた特別色トナー像と、イエロー、マゼンタ―、シアン、ブラックの通常色トナー像とを組み合わせて画像形成する画像形成装置が実用化されている。また、濃マゼンタ、淡マゼンタ等、同一色相で濃度の異なる濃トナー及び淡トナーを用いる画像形成装置も実用化されている。

特許文献１には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの濃トナーを用いる４つの現像装置と、シアン、マゼンタの淡トナーを用いる２つの現像装置とを備えた画像形成装置が示される。ここでは、１つの感光ドラムに、これら６色のトナー像を順番に形成して、記録材ドラムに担持させた記録材上に順次転写して重ね合わせる。これにより、画像の低濃度領域の粒状感を解消して、なめらかな中間階調の表現が可能になる。

特許文献２には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの通常色トナーを用いる４つの現像装置と、透明トナーを用いる１つの現像装置とを備えた画像形成装置が示される。ここでは、１つの感光ドラムに、これら５色のトナー像を順番に形成して、記録材ドラムに担持させた記録材上に順次転写して重ね合わせる。これにより、記録材が露出した白色部分に光沢を付与して、画面全体の光沢のばらつきを減らしている。

特許文献３には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの通常色トナーを用いる４つの現像装置と、白色トナーを用いる１つの現像装置とを備えた画像形成装置が示される。ここでは、記録材搬送ベルトの上向き直線区間にそれぞれ現像色を異ならせた５つの感光ドラムを直列に配列してタンデム方式画像形成装置を構成している。そして、これら５色のトナー像を、記録材搬送ベルトに搬送される記録材上に連続的に転写して重ね合わせる。これにより、記録材が露出した部分を白色に着色して、有色の記録材でも白色表現を可能にしている。

特許文献４には、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの通常色トナーを用いてトナー像を形成する４つの感光ドラムを、記録材搬送ベルトの上向き直線区間に直線配列したタンデム方式画像形成装置が示される。ここでは、記録材搬送ベルトを挟んで感光ドラムに圧接する転写ローラに転写電圧を印加することにより、感光ドラムから記録材搬送ベルト上の記録材へトナー像を転写する。転写電圧は、転写電流を一定に保つように定電流制御され、各色のトナー像形成、トナー像転写は、等しく構成されたそれぞれの感光ドラム、転写部で等しく実行される。

特開平０５−３５０３８号公報 特開平０８−２２０８２１号公報 特開平０７−１１４２４１号公報 特開平０６−１１０３４３号公報

しかしながら、これらの淡トナー、透明トナー、白トナーを用いて感光ドラムに形成されるトナー像は、その使用目的から、通常色トナーを用いて感光ドラムに形成されるトナー像に比べて、トナー載り量が多くなる。そして、トナー載り量の多いトナー像とトナー載り量の少ないトナー像とを同一転写条件で中間転写体に転写すると、トナー載り量の多いトナー像ほど転写効率が低くなって（図６参照）、中間転写体に転写されるトナー量が不足する。

ここで、本発明者の検討によれば、像担持体と１次転写ローラとが中間転写体を挟持してトナー像を転写する転写ニップ部の中間転写体移動方向の長さを長くすると、トナー載り量の多いトナー像の転写効率を高くすることができる。

ところが、転写ニップ部の長さが長くなると、中間転写体を移動させるために必要な駆動力が大きくなってしまう。

本発明は、トナー載り量の多いトナー像の転写効率を高めるに際して中間転写体等の駆動力の増加が少なくて済む画像形成装置を提供することを目的としている。

本発明の画像形成装置は、トナー像を担持する第１及び第２像担持体と、前記第１像担持体に転写媒体を接触させて、トナー像が前記転写媒体へ転写される第１転写ニップ部を形成する第１転写部材と、前記第２像担持体に前記転写媒体を接触させて、トナー像が前記転写媒体へ転写される第２転写ニップ部を形成する第２転写部材と、前記転写の際に、前記第１及び第２転写部材へ転写電圧を印加する電圧印加手段と、前記転写媒体を移動させて前記第１及び第２転写ニップ部を通過させる移動手段とを有し、前記第１像担持体に担持されるトナー像の最大トナー載り量が前記第２像担持体に担持されるトナー像の最大トナー載り量よりも大きいものである。そして、前記転写媒体の移動方向にて、前記第１転写ニップ部の長さは、前記第２転写ニップ部の長さよりも長い。

本発明の画像形成装置では、第２転写ニップに比較して相対的にトナー転写量が多くなる可能性の高い第１転写ニップ部で、第２転写ニップ部よりも長さを大きくする。これにより、トナー像のトナー載り量が多い場合でも第１像担持体から転写媒体への転写効率を高く確保できる。

一方、第１転写ニップに比較して相対的にトナー転写量が少なくなる可能性の高い第２転写ニップ部では、第１転写ニップ部よりも長さを小さくする。これにより、転写媒体を移動させるために必要な駆動力の増大を回避する。

従って、淡トナー、白色トナー、透明トナー等を用いる画像形成装置において、トナー載り量の多いこれらのトナー像を良好に転写しつつ、転写媒体を移動させるために必要となる力の増大を抑えることができる。

以下、本発明の一実施形態である画像形成装置について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の画像形成装置は、転写ニップ部の長さを増してトナー像の転写効率を高める限りにおいて、以下に説明する各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実現可能である。

本実施形態では、濃トナー像を形成する４つの感光ドラムにマゼンタ、シアンの淡トナーのトナー像を形成する２つの感光ドラムを加えてフルカラー画像形成を行う画像形成装置を説明する。しかし、本発明は、透明トナー像を形成する感光ドラムを配置した画像形成装置、白色トナー像を形成する感光ドラムを配置した画像形成装置、中間色を含む４つ以上の感光ドラムを配置した画像形成装置等で実施してもよい。中間転写ベルト、記録材搬送ベルト、中間転写ドラム、記録材搬送ドラムを相互に置き換えた実施形態でも本発明は実施できる。

本実施形態では、トナー像の形成、転写に係る画像形成装置の主要部のみを説明する。しかし、本発明の画像形成装置は、必要な装置や筐体を追加して、プリンタ、各種印刷機、複写機、ＦＡＸ、複合機等、種々の用途に対応させて実施できる。

なお、特許文献１乃至４に示される画像形成装置の構成、搭載された各電源、機器の詳細構造、制御等については、一部図示を省略して一般的な重複する説明を省略する。

＜画像形成装置＞
図１は第１実施形態の画像形成装置の概略構成の説明図、図２は１つの画像形成部を取り出した拡大図である。図１に示すように、本実施形態の画像形成装置１００は、中間転写ベルト１１を用いた、６連ドラム方式（インライン方式、タンデム方式）の電子写真フルカラー複写機であり、各種用紙・ＯＨＰシート・布などのシート状の記録材Ｐにフルカラー画像を形成して出力することができる。

制御部５０（具体的構成は省略）は、演算機能、画像処理機能、制御機能、ドライバ、ＩＯ回路等を備えて画像形成装置１００を統括制御する。リーダー部５１（具体的構成は省略）は、制御部５０に制御されるとともに、カラー原稿の光電読取り、色分解を行って、電気的画像情報を制御部５０に出力する。

中間転写ベルト１１（転写媒体）の上向き直線区間に、図中左から右に、画像形成部Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆが直列に配列される。画像形成部Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆは、現像に用いるトナーの色と、後述する一次転写ニップ部７（ａ〜ｄ）とは異なるものの、その他はほぼ共通にユニット化されたレーザー走査露光方式の電子写真プロセスユニットである。従って、図２に示すように、参照記号から画像形成部Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの別を表すａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅ、ｆの記号を除いて共通に説明する。

感光ドラム１は、回転駆動される直径３０〜８０［ｍｍ］のドラム型の電子写真感光体である。感光ドラム１の周速度である画像形成スピード（画像形成装置１００のプロセススピード）は２００［ｍｍ／ｓｅｃ］以上である。

帯電ローラ２は、回転する感光ドラム１の表面を所定の極性、電位に一様に帯電する。露光装置（レーザースキャナ）３は、画像情報信号に対応して変調されたレーザ光Ｌを出力して、感光ドラム１の一様帯電面を走査露光して、感光ドラム１表面に露光パターンに対応した静電潜像を形成する。

現像装置４は、感光ドラム１表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する。トナーボトル（トナーカートリッジ：トナー補給容器）５は、現像装置４に対して着脱可能なトナー補給源である。

一次転写ローラ（転写部材）６は、中間転写ベルト（転写媒体）１１を挟んで感光ドラム（像担持体）１の下面に当接し、中間転写ベルト１１が矢印方向へ移動する際に回転する。感光ドラム１と中間転写ベルト１１との当接部が一次転写ニップ部７である。転写バイアス印加電源（電圧印加手段）６５は、一次転写ローラ６に、トナーの帯電極性とは逆極性の所定電位の転写電圧を印加する。これにより、回転する感光ドラム１の表面から循環する中間転写ベルト１１の表面へトナー像が一次転写される。

ドラムクリーニング装置８は、中間転写ベルト１１に対するトナー像の一次転写後の感光ドラム１表面から一次転写残トナーを除去して感光ドラム１表面を清掃する。感光ドラム１の回転する表面は、クリーニング装置８で清掃された後、繰り返して画像形成に供される。本実施形態において、クリーニング装置８は、感光ドラム１の母線方向に長い弾性ゴムブレード（クリーニングブレード）であり、回転する感光ドラム１の面に対してカウンター方向に当接させてある。廃トナー容器９は、クリーニング装置８が感光ドラム１の表面から掻き落とした一次転写残トナーを貯留する。

図１に示すように、画像形成部Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆは、それぞれ、感光ドラム１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆの表面に、目的のカラー原稿画像の色分解成分色に対応したトナー像を形成する。それぞれライトマゼンタ（ＬＭ）、ライトシアン（ＬＣ）、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、ブラック（Ｂｋ）のトナー像が形成される。従って、現像装置４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｅ、４ｆおよびトナーボトル５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ、５ｅ、５ｆは、ライトマゼンタトナー、ライトシアントナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを収納する。

中間転写ベルト１１は、樹脂やゴム製の可撓性の無端ベルトであって、並行するテンションローラ１２と駆動ローラ１３と二次転写内ローラ１４とに懸架張設されている。中間転写ベルト１１は、テンションローラ１２によって駆動されて、矢印方向に、感光ドラム１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆの回転速度と略同じ速度で循環する。

テンションローラ１２と駆動ローラ１３との間に位置する中間転写ベルト１１の水平部分に、一次転写ニップ部７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆが配列する。一次転写ニップ部７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆは、それぞれ一次転写ローラ６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆが中間転写ベルト１１を押圧して、感光ドラム１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆに圧接させる。

中間転写ベルト１１は、一次転写ニップ部７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆにて順番に一次転写されたトナー像を重ねて担持する。先ず、画像形成部Ａの一次転写ニップ部７ａにおいて、感光ドラム１ａに形成される１色目のライトマゼンタトナー像が循環する中間転写ベルト１１の表面に一次転写される。次いで、画像形成部Ｂの一次転写ニップ部７ｂにおいて、感光ドラム１ｂに形成される２色目のライトシアントナー像が、中間転写ベルト１１上の１色目のライトマゼンタトナー像に重ね合せて一次転写される。同様にして、画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆにおいて、３、４、５、６色目のイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が順次に重畳転写される。

すなわち、中間ベルト１１上に、ライトマゼンタ、ライトシアン、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの合計６色のトナー像が多重転写されて、フルカラーの未定着トナー画像が形成される。

中間転写ベルト１１上に形成されたフルカラーの未定着トナー画像は、引き続く中間転写ベルト１１の循環移動により、二次転写ニップ部１６に搬送される。二次転写ニップ部１６は、二次転写内ローラ１４のベルト懸け回し位置において、二次転写ローラ１５を中間転写ベルト１１に当接させた部位である。

一方、所定の制御タイミングで、不図示の給紙機構部の給紙カセットからシート状の記録材Ｐが一枚づつ分離して給送され、回転を停止しているレジストローラ対１７のニップ部に記録材Ｐの先端が受け止められる。これにより、記録材Ｐは斜行修正される。

記録材Ｐは、中間転写ベルト１１上のフルカラーの未定着トナー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対１７が回転駆動されることにより、二次転写ニップ部１６に搬送される。すなわち、フルカラーの未定着トナー画像の画像先端が二次転写ニップ部１６に到達するタイミングで、二次転写ニップ部１６に記録材Ｐのプリント開始位置が到達するように、レジストローラ対１７の回転開始が制御される。そして、記録材Ｐが二次転写ニップ部１６を挟持搬送されていく過程において、二次転写ローラ１５に対して不図示の転写バイアス印加電源からトナーの帯電極性とは逆極性の所定電位の転写電圧が印加される。これにより、中間転写ベルト１１上のフルカラーの未定着トナー画像は、記録材Ｐに対して一括二次転写される。

二次転写ニップ部１６を出た記録材Ｐは、中間転写ベルト１１から曲率分離して、搬送ベルト１８に乗せ替えられて定着装置１９に搬送される。定着装置１９は、ヒートローラ１９１と加圧ローラ１９２とのローラ対を基本構成部材とする熱圧定着装置である。記録材Ｐは、ヒートローラ１９１と加圧ローラ１９２との圧接部である定着ニップ部に挟持搬送される過程で熱と圧力を受ける。これにより、各色トナー像のトナーが溶融混色してフルカラープリント画像として記録材表面に定着（永久固着画像化）され、フルカラープリントが機外に排出される。

記録材Ｐが曲率分離された後の中間転写ベルト１１は、ベルトクリーナ２０によって表面から二次転写残トナーを除去してクリーニングされ、次回の作像、一次転写工程に備える。

なお、モノクロ画像形成モードの場合、ブラックトナー像の画像形成部Ｆだけが画像形成動作して、感光ドラム１ｆに形成されたブラックトナー像が中間転写ベルト１１に一次転写される。また、画像形成部Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅは、感光ドラム１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ、１ｅを中間転写ベルト１１に追従回転させるのみで、画像形成動作はしない。そして、画像形成部Ｆで一次転写されたブラックトナー像が二次転写ニップ部１６において記録材Ｐに二次転写され、中間転写ベルト１１から分離して定着装置１９へ搬送され、ブラックトナー画像を定着される。そして、モノクロ画像プリントが機外に排出される。

図２に示すように、現像装置４は、現像容器４１の内側に、現像スリーブ４２と現像剤攪拌搬送スクリュー軸４３とを配設し、現像容器４１の上側にトナーホッパー４４を配設する。トナー補給源であるトナーボトル５は、トナーホッパー４４の上に着脱可能に装着される。トナーボトル５内のトナーがトナーホッパー４４を介して現像容器４１内に逐次に補給されて、現像容器４１で消費したトナーが補われる。現像容器４１内の現像剤は１成分系あるいは２成分系である。

現像スリーブ４２は、僅少なギャップを介在させて感光ドラム１に対向して、対向する感光ドラム１の表面の移動方向に回転駆動される。現像容器４１内の現像剤は、スクリュー軸４３により攪拌され、回転する現像スリーブ４２に担持されて、感光ドラム１との対向部に搬送される。不図示の現像バイアス印加電源から所定の現像バイアスが現像スリーブ４２に印加されることにより、現像スリーブ４２に担持された現像剤中のトナーが感光ドラム１の表面へ移動する。各色のトナーが静電潜像に電気的に付着することにより、静電潜像が各色のトナー像として現像される。

なお、画像形成部Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆは、それぞれ感光ドラム１、帯電ローラ２、現像装置４、クリーニング装置８、廃トナー容器９を１ユニット化して、画像形成装置１００に対し着脱可能なプロセスカートリッジとしてある。そして、それぞれのプロセスカートリッジ内にトナーボトル５をも含んだ、ＡＬＬ−ＩＮ−ＯＮＥカートリッジとすることもできる。

＜第１実施形態＞
図３は淡トナーと濃トナーとにおけるトナー載り量と光学濃度との関係を示す線図、図４は淡トナーと濃トナーとを画像濃度に割り当てるルックアップテーブルの線図である。図５は画像入力信号値と画像濃度との関係を示す線図、図６は転写ニップが同一時の感光ドラム上のトナー付着量に対する転写効率の関係を示す線図である。

以下の説明における画像濃度（定着後画像の光学濃度）は、Ｘ−Ｒｉｔｅ社製のスペクトロデンシトメーター５０４で測定したもので、測定画像を任意に５回測定し、平均の値を画像濃度とした。

また、転写効率は、感光ドラム上の転写前後のトナー像のＸ−Ｒｉｔｅ濃度の変化から求めた。感光ドラム１に担持された転写前のトナー像と転写後のトナー像とをポリエステルフィルムの接着テープで移し取り、それぞれのテープを転写紙に貼り付け、Ｘ−Ｒｉｔｅ濃度測定を行なった。転写前の濃度をＤａ、転写後の濃度をＤｂ、テープのみの濃度をＤｃとしたとき、転写効率は次式で定義される。

転写効率＝｛［（Ｄａ−Ｄｃ）−（Ｄｂ−Ｄｃ）］／（Ｄａ−Ｄｃ）｝×１００

すなわち、この値が高いほど転写効率が高く、転写性が良好である。

また、感光ドラム１上あるいは記録材Ｐ上でのトナー載り量（単位面積当たりのトナー量）は、未定着であるトナーを所定形状を有する容器内に吸引し、吸引前後の容器の重量の差分と、吸引した面積とを測定し、容器の重量の差分を吸引した面積で除算することで求める。

画像形成部Ａ、Ｂで使用されるライトマゼンタトナー、ライトシアントナー（淡トナー）は、それぞれ、記録材Ｐ上のトナー量が０．５［ｍｇ／ｃｍ^２］のときに、定着後の光学濃度が０．７になるように設計されている。これに対して、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー（濃トナー）は、それぞれ、記録材Ｐ上のトナー量が０．４５［ｍｇ／ｃｍ^２］のときに、定着後の光学濃度が１．４になるように設計されている。以下の説明では、ライトマゼンタトナー、ライトシアントナーを「淡トナー」と呼び、画像形成部Ａ、Ｂを「淡トナー画像形成部」と呼ぶ。また、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを「濃トナー」と呼び、画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆを「濃トナー画像形成部」と呼ぶ。

淡トナーと濃トナーとは、含有する色材（顔料や染料）の分光特性が等しく、色材の含有量を異ならせて淡色と濃色に着色されているトナーである。すなわち、淡トナーと濃トナーは、同一色相で、濃度が淡／濃に異なるトナーである。ただし、淡トナーは、記録材Ｐ上でのトナー量が０．５ｍｇ／ｃｍ^２につき光学濃度が１．０未満であるように色材を調整しているトナーとしとしてもよい。濃トナーは、記録材Ｐ上でのトナー量が０．５ｍｇ／ｃｍ^２につき光学濃度が１．０以上であるように顔料を調整しているトナーとしてもよい。

濃トナーだけでも可能なカラー画像形成において、淡トナーを加える目的は、粒状感の低減による高画質化である。図３は、シアンの淡トナー（ＬＣ：二点鎖線）と、濃トナー（ＤＣ：実線）とにおけるそれぞれのカバーリングパワーを示している。図３に示すように、記録材Ｐ上における淡トナーのトナー載り量が０．５［ｍｇ／ｃｍ^２］時の光学濃度（Ｏ．Ｄ）が０．７、記録材Ｐ上における濃トナーのトナー載り量０．４５［ｍｇ／ｃｍ^２］時の光学濃度が１．４である。ここで、記録材Ｐ上のトナー載り量［ｍｇ／ｃｍ^２］は未定着状態での測定値、一方、光学濃度は、定着状態時での測定値である。

図４には、淡トナーと濃トナーとを用いて画像形成する際の、淡トナー用ルックアップテーブル（ＬＣ：二点鎖線）と、濃トナー用ルックアップテーブル（ＤＣ：実線）とが示される。図中、横軸は濃トナーと淡トナーに分版する前の画像の階調値で、縦軸は濃トナーおよび淡トナーに分版した際の各々の階調値である。分版とは、ある色（版またはチャンネルともいう）の画像データを、濃トナー用と淡トナー用の２つの画像データに分割することをいう。

なお、第１実施形態では、感光ドラム１に静電潜像を形成する際に、１画素を形成するためにレーザ光Ｌを感光ドラム１に照射する時間（光量）を調整することで、感光ドラム１上のトナー載り量を変更する。画像形成部Ａ、Ｂの感光ドラム１における最大トナー載り量は０．５［ｍｇ／ｃｍ^２］、画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの感光ドラム１における最大トナー載り量は、０．４５［ｍｇ／ｃｍ^２］に調整した。

図４に示すように、目標とする画像濃度を得るための淡トナーと濃トナーとへの振り分け（画像形成部Ｂ、Ｅで潜像形成及び現像を行う際の入力信号値の分担）が行われる。図４に示す２つのルックアップテーブルに基づいて淡トナー像と濃トナー像とを重ね合わせることにより、図５に示すとおり、画像入力信号値に対して忠実なシアンの階調濃度が再現される。

図４に示すように、画像形成装置１００では、従来の濃トナー単体での画像形成と異なり、画像信号の低濃度部において淡トナーを積極的に使用し、中間濃度部においては淡トナーと濃トナーを混合させ、高濃度部においては濃トナーを積極的に使用する。マゼンタの画像形成（画像形成部Ａ、Ｄ）についても同様である。

これにより、低濃度部でドット密度を増して粒状感を低減し、高濃度部でのトナー量を抑え、自然画像等を出力する際に重要となる、中間調から明度の高い領域にかけて、広い色再現範囲を実現することが可能になる。その結果、中間調から明度の高い領域を多く使用する写真画像において、銀塩写真にも迫るなめらかで自然なグラデーションを持った高品質な画像形成を実現している。

ところで、４色の濃トナーと２色の淡トナーとを用いる従来の画像形成装置に関して、本発明者が種々検討を行ったところ、実際上および使用レベル上において、次のような問題が生じることを知見するに至った。例えば、一般的な約２００万画素〜１０００万画素の写真調カラー画像（人物、建物、空、海、山、雲、夜景、乗り物等を含む）を、図４に示すルックアップテーブルに基づいて、数百枚の画像形成（プリントアウト）を行った。その結果、濃トナーに対する淡トナーの消費量は約２．２倍になった。

すなわち、写真画質に求められる中間調再現を担う淡トナーは、濃トナーに対し画像形成に関わる消費トナー量が増加する。同じ濃度を表現するために、濃トナーを用いる場合の２倍のトナー量を要する。また、濃色と淡色のトナーとが混在し始める濃度領域（以下つなぎ部）の不連続による擬似輪郭の発生の防止のため、淡トナーを使用する濃度領域をハイライトから高濃度部まで広範囲にわたらせる場合もある。この場合、淡トナーの濃トナーに対する消費量がさらに増加する。

また、写真画質に求められる自然画像等を出力する際には、中間調から明度の高い領域が重要となる。このため、図４に示すように、中間調から明度の高い領域にかけて広い色再現範囲及び粒状性の低減を実現するために、階調値の小さい高明度領域（ハイライト領域）では、淡トナーのみにより画像形成を行う。これによっても、淡トナーの消費量は濃トナーより多くなる。

しかし、ハイライト領域から濃トナーと淡トナーを併せて使用すると、ハイライト領域の粒状性が低下する（トナーの粒状感が表れる）ため好ましくない。従って、形成される画像濃度が０．３以下の階調では、淡トナーのみを用い、濃トナーの使用率を０％にするとよい。これによっても、淡トナーの消費量は濃トナーより多くなる。

そして、階調値１２８までは、淡トナーの階調を増加させていき、階調値１２８を超えたところで淡トナーの階調を減少させていく。一方、濃トナーについては、階調値１２８を超えたところから濃トナーの階調を増加させていく。つまり、中間調領域では、淡トナーと濃トナーを併せて画像形成を行い、高濃度部には濃トナーにより画像形成することにより、高濃度部においては、トナー量を抑えて濃度を満たすことが可能となる。

このようにして得られた画像の濃度カーブを図５のグラフに示す。横軸は、図４と同じく画像の階調値であり、縦軸は、画像の濃度である。高明度領域で淡トナーのみを使用し、かつ、中間調領域で濃トナーと淡トナーを併せて使用することにより、良好な階調再現性が得られていることがわかる。

以上のように、中間調から明度の高い領域を多く使用する写真画像において写真画質を実現するには、濃トナーに対する淡トナーの消費量（単位面積当たりのドラム上のトナー付着量：トナー載り量）が多くなる。図１に示すように、淡トナー像を形成する淡トナー画像形成部Ａ、Ｂの感光ドラム１ａ、１ｂ上のトナー載り量は、濃トナー像を形成する濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆ上のトナー載り量より多くなる。

しかし、図２に示すように、定電圧方式の一次転写では、感光ドラム１上のトナー載り量が多いと、感光ドラム１上のトナー載り量が少ない場合と比較して転写効率が低下する傾向にある。感光ドラム１上のトナー載り量に対する転写効率の関係を図６に示す。図６におけるトナー付着量大（破線）は、ドラム上で０．５［ｍｇ／ｃｍ^２］時、トナー付着量小（実線）は、０．３［ｍｇ／ｃｍ^２］時である。図６に示すように、感光ドラム１上のトナー載り量が多いと転写効率は低下してしまう。

トナー載り量が多いと転写効率が低下してしまう理由は以下である。一次転写においてトナーを転写するために必要な転写電流はトナーのトリボ（電荷量）と感光ドラム上のトナー載り量の積に比例し、トナー載り量が少ない場合には少ない転写電流、多い場合には多い転写電流が必要となる。そのため、過大な転写電流を流した場合には、被転写媒体上に転写された一部のトナーの帯電極性が変わってしまい、再びドラム上に付着してしまう現象（再転写現象）が発生し、転写効率の低下を招いてしまう。

このため、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂと濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆとで一次転写条件が同一であると、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂは、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆより転写効率が低下する。これにより、画像の品質低下を招き、直接的には画像濃度が低下する問題が発生したり、また、転写工程後に感光体表面に残留する未転写トナーが多くなってトナーの無駄な消費をしたりする。さらに、ドラム上の残トナーを排除するためのクリーニング装置に負荷がかかってしまう。

そこで、第１実施形態では、一次転写ローラ６の圧接力を増して転写面積を増大させることにより、転写電流が増えても過剰に転写電流密度が増えないようにして、転写効率の低下を抑制した。図７は第１実施形態における一次転写条件の説明図、図８は一次転写ローラの斜視図である。図９は中間転写ベルトが感光ドラムに接触する送り方向長さの説明図、図１０は中間転写ベルトが感光ドラムに接触する送り方向長さと転写効率との関係を示す線図である。

図７に示すように、一次転写ローラ６は、金属性の芯体６９と、芯体６９の外周に設けられた導電性発泡ウレタンよりなる弾性層６１とから構成された直径１８ｍｍのローラである。芯体６９と弾性層６１の表面との間の電気抵抗は約１０４Ωである。芯体６９には転写バイアス印加電源６５が接続されている。弾性層６１の硬度は、ＪＩＳ−Ａ硬度測定法で測定したところ４５°であった。

図８に示すように、転写ローラ６は、不図示のモータから駆動力を受けて、芯体６９を回転中心軸として回転する。芯体６９は、軸受け６３ｆ、６３ｒによって両持ち支持され、軸受け６３ｆ、６３ｒには、それぞれバネ４７ｆ、４７ｒが設けてある。バネ４７ｆ、４７ｒは、軸受け６３ｆ、６３ｒを介して芯体６９を付勢し、一次転写ローラ６の弾性層６１を中間転写ベルト１１の内側面に弾性的に当接させる。

図１に示すように、一次転写ローラ６ａ、６ｂの構成は、一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆとほぼ同様である。しかし、転写ローラ６ａ、６ｂにおいて転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆと異なるのは、図８に示すバネ４７ｆ、４７ｒによる付勢力の大きさ、したがって、中間転写ベルト１１と感光ドラム１との接触圧である。第１実施形態では、表１に示すように、転写ローラ６ａ、６ｂの付勢力を１０〔Ｎ〕とし、転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの付勢力を８〔Ｎ〕とした。付勢力は、バネ４７ｆによる付勢力とバネ４７ｒによる付勢力との合計を指しており、その大きさはバネ４７ｆ及びバネ４７ｒの弾性強度を変えることにより調整した。

つまり、第１実施形態では、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂの一次転写ローラ（第１転写部材）６ａ、６ｂの付勢力が、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆ（第２転写部材）より大きい。これにより、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂでは、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆよりも、図９に示すように、弾性層６１が大きく変形し、弾性層６１が中間転写ベルト１１に接触する送り方向長さ（当接幅Ｄｔｒ）が長い。圧接幅Ｄｔｒが長いので、画像形成部Ａ、Ｂでは、画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆよりも、中間転写ベルト１１が感光ドラム１に接触する送り方向長さ（転写幅Ｄｐｈ）が長い。このように一次転写ローラ６を付勢した時の、当接幅Ｄｔｒと転写幅Ｄｐｈを測定した結果を表１に示している。転写効率が９５［％］以上になるための転写幅から表に示す付勢力にした。

当接幅Ｄｔｒは、中間転写ベルト１１と一次転写ローラ６とが当接する領域の中間転写ベルト１１移動方向の長さのことを指す。また、転写幅Ｄｐｈは、中間転写ベルト１１と感光体ドラム１とが当接する領域（転写ニップ）の中間転写ベルト１１移動方向の長さを指す。当接幅Ｄｔｒは、中間転写ベルト１１の内側面に現像剤を付着させた部分を形成し、停止状態の一次転写ローラ６と感光ドラム１との間にこの部分を摺擦通過させた後に、一次転写ローラ６に付着した現像剤領域の長さを測定した。転写幅Ｄｐｈは、感光体ドラム１に現像剤を付着させて、固定した中間転写ベルト１１上で回転させ、感光体ドラム１と中間転写ベルト１１との摺接によって中間転写ベルト１１に付着した現像剤領域の幅を測定した。

図１０に転写幅Ｄｐｈと転写効率との関係を示す。図１０に示すように、感光ドラム上のトナー載り量（付着量）が多いほうが、上記に説明したように転写効率が下がってしまう。しかし、転写幅Ｄｐｈが長いほうが、トナーを中間転写ベルト１１に転写できる時間が長くなるので、転写効率が高くなる。

また、転写電界が作用する転写面積が広がって、トナー量の多さに応じて転写電流を増やしても転写電流密度の上昇が抑制されるので、中間転写ベルト１１上に転写された一部のトナーの帯電極性が変わりにくくなる。これにより、トナーの帯電極性が変わって再び感光ドラム１上に付着してしまう現象（再転写現象）がもたらす転写効率の低下が少なくなる。

図１に示す制御部５０は、放電現象により転写不良の発生しない範囲で、淡トナーの一次転写ローラ６ａ、６ｂに印加するバイアス電圧の大きさを、濃トナーの一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆに印加するバイアス電圧よりも大きくしている。そして、転写バイアス印加電源６５ａ、６５ｂは、一次転写ローラ６ａ、６ｂに、１２μＡの電流が流れるように転写電圧を印加している。また、転写バイアス印加電源６５ｃ、６５ｄ、６５ｅ、６５ｆは、一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆに、１０μＡの電流が流れるように転写電圧を印加している。

実際、第１実施形態の画像形成装置１００によって一次転写を行ったところ、淡トナーの一次転写ニップ部７ａ、７ｂでの転写効率は、９５％と良好な一次転写が行われた。また、比較のため、転写ローラ６ａ、６ｂの付勢力を全て８〔Ｎ〕としたところ、同じ一次転写ニップ部７ａ、７ｂでの転写効率は８５％であった。

第１実施形態では、図１に示す淡トナー画像形成部Ａ、Ｂの一次転写ニップ部７ａ、７ｂは、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆより付勢力が大きい。これにより、常に感光ドラム１と中間転写ベルト１１とを良好に当接させて良好な一次転写を行うことができる。

第１実施形態では、一次転写ニップ部７ａ、７ｂの当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈが、一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの値よりも大きくなっている。ただし、どの一次転写ニップ部７（ａ〜ｆ）においても、Ｄｔｒ≦Ｄｐｈが満たされている。

当接幅Ｄｔｒは大きくすることが望ましいが、同時にＤｔｒ≦Ｄｐｈを満たしていることが望ましい。何故なら、Ｄｔｒ＞Ｄｐｈの場合、中間転写ベルト１１と感光ドラム１とが当接していない領域Ａ及び領域Ｂにも、転写電界が作用するからである。特に、上流側の領域Ａに転写電界が作用した場合には、感光ドラム１上に形成されているトナー像の一部が中間転写ベルト１１上に飛散するので好ましくない。従って、Ｄｔｒ≦Ｄｐｈであることが望ましい。

第１実施形態では、図９に示す一次転写ローラ６の弾性層６１の硬度が全て等しいため、一次転写ローラ６の付勢力に格差を付けることで、必要な転写幅Ｄｐｈの格差を容易に設定できる。淡トナー画像形成部Ａ、Ｂの一次転写ローラ６ａ、６ｂの付勢力は、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの付勢力より２〔Ｎ〕増加している。これにより、淡トナーの転写幅Ｄｐｈ２．８ｍｍは、濃トナーの転写幅Ｄｐｈ２．３ｍｍに対して過不足なく大きく設定されている。

しかし、特にこれに限定されることではなく、例えば、一次転写ローラ６の付勢力を揃える一方で、転写ローラ６の弾性層６１の硬度を２種類に選択して、必要な転写幅Ｄｐｈの格差を設定してもよい。転写ローラ６の弾性層６１の硬度と付勢力の調整とを組み合わせて、必要な転写幅Ｄｐｈの格差を設定してもよい。

なお、中間転写ベルト１１の材料としては、体積抵抗が１０^８〜１０^１３Ω・ｃｍの半導電性を示す材料を使用してもよい。例えば、カーボン粒子を分散させたポリイミドのほかに、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリテトラフルオロエチレン等にカーボン粒子等の導電性粒子を分散させたものがある。導電性粒子を用いないで組成調整によって電気抵抗を調整した高分子フイルムを用いてもよい。さらには、このような高分子フイルムにイオン導電性物質を混入したもの、あるいは比較的電気抵抗が低いシリコンゴム、ウレタンゴム等のゴム材を用いてもよい。一次転写ローラ６の材料も、上述したウレタンに限らず、シリコンゴム等の各種ゴムが使用できる。

ところで、すべての画像形成部Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆで当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを長くすると、中間転写体ベルト１１の循環に要する駆動トルクが増大して電力消費が増えてしまう。

また、濃トナーは、転写幅Ｄｐｈを長くしたことによる出力画像上の弊害（飛び散りやがさつき）が目立つので、淡トナーの転写効率の向上による画質向上が全体的に見て打ち消されてしまう。そして、濃トナーは、トナー載り量が少なく現像されるので元々転写効率が高く、転写幅Ｄｐｈをこれ以上長くしても転写効率はさほど向上しない。

一方、淡トナーは、転写幅Ｄｐｈを長くしたことによる弊害（飛び散りやがさつき）は、濃トナーほどには目立たないが、トナー載り量が多く現像されるため、転写幅Ｄｐｈを長くすることによる効果は絶大である。淡トナーの転写にとっては、ベタを記録材Ｐ上にしっかり載せること（転写効率向上）が最重要となる。

これらの知見に基づいて、第１実施形態では、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂについてのみ一次転写ニップ部７の当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを長くした。濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆについては、一次転写ニップ部７の当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを短くした。

ここで、一次転写ニップ部７の転写幅Ｄｐｈと飛び散りとの関係について述べる。飛び散りは、図９に示す領域Ａの転写前ギャップ部（転写ニップ上流部）で発生する。一次転写ニップ部７の転写幅Ｄｐｈを広げると、転写前ギャップ部における中間転写ベルト１１と感光ドラム１１との距離が近くなり、転写前ギャップ部にかかる電界がより大きくなって、飛び散りが悪くなる。

また、中間転写ベルト１１上に、２色目、３色目とトナー像を重ねていくうちに、中間転写体ベルト１１の表面にトナー像と同極性の電荷が蓄積される。このため、特に最後の画像形成部Ｆにおける一次転写に際して、転写前ギャップ部に、感光ドラム１ｆ上のトナー像が中間転写体ベルト１１に向かう方向の電界が発生して、トナーの飛び散りが悪くなってしまう。

＜第２実施形態＞
図１１は第２実施形態の画像形成装置の概略構成の説明図である。第２実施形態では、一次転写ローラ６ａＬ、６ｂＬの直径を大きくしてその転写幅Ｄｐｈを第１実施形態と同程度に設定した。これ以外の構成および制御は、第１実施形態と同一なので、図２〜図１０を合わせて用い、また、図１と共通する部材には共通の符号を付して重複する説明を省略する。

第２実施形態の画像形成装置２００は、濃トナーの一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆとは直径の異なる淡トナーの一次転写ローラ６ａＬ、６ｂＬを有している。淡トナーの一次転写ローラ６ａＬ、６ｂＬの直径は２２ｍｍ、濃トナーの一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの直径は１６ｍｍである。

一次転写ローラ６ａＬ、６ｂＬ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆは、全て中間転写ベルト１１の内側面へ付勢されており、図８に示すバネ４７ｆ、４７ｒによる付勢力は、全て８〔Ｎ〕である。第２実施形態における一次転写ニップ部７における当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈは、表２に示すとおりである。即ち、一次転写ニップ部７ａ、７ｂでは、当接幅Ｄｔｒは２．８ｍｍ、転写幅Ｄｐｈは２．８ｍｍである。一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆでは、当接幅Ｄｔｒは２．１ｍｍ、転写幅Ｄｐｈは２．３ｍｍである。

第２実施形態では、一次転写ローラ６ａＬ、６ｂＬ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの付勢力は全て等しいが、淡トナーの一次転写ローラ６ａＬ、６ｂＬの直径は、濃トナーの一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆより大きい。このため、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂは、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆより、感光ドラム１と中間転写ベルト１１との当接長さが大きくなり、安定した一次転写を行うことができる。

第２実施形態では、淡トナーの一次転写ローラ６ａＬ、６ｂＬの直径を濃トナーの一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆより大きくして、転写幅Ｄｐｈの格差を第１実施形態と同程度に設定した。

第２実施形態では、淡トナーの一次転写ローラ６ａ、６ｂの直径が濃トナーの一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆより大きいので、感光ドラム１ａ、１ｂのトナー載り量が多くても、十分な転写性能が得られる。一次転写ローラ６の直径を大きくすると、転写時間が長くなり、かつ、転写電界および押圧力が均一になって転写性が向上するからである。また、転写するトナー量の多さに応じた大きな転写電流を転写電流密度を上げることなく確保できるので、中間転写ベルト１１上に転写されたトナーの極性反転に伴う転写効率の低下も少なくなる。従って、トナー載り量が多くても、出力画像上で転写効率の低下が目立たなくなる。

また、転写電界が転写方向に対して垂直になるため、転写電界のゆがみに起因する画像乱れが発生しにくくなる。

しかし、一次転写ローラ６の直径を大きくし過ぎると、トナー像が押圧されている時間が長くなるため、機械的振動等による画像乱れは増大する。そのため、感光ドラム１の直径にもよるが、第１実施形態で言えば、一次転写ローラ６の直径は３０ｍｍ以下が望ましい。また、画像乱れが淡トナーに比較して目立つ濃トナーでは、一次転写ローラ６の直径を小さくすることが望ましい。

なお、第１実施形態と第２実施形態とを組み合わせても良い。淡トナーの一次転写ローラ６ａＬ、６ｂＬの直径を濃トナーの一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆより大きくする構成において、画像形成部Ａ、Ｂでは図８に示すバネ４７ｆ、４７ｒを画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆのバネ４７ｆ、４７ｒよりも強くする。このように構成することで、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂの一次転写ローラ６ａＬ、６ｂＬがより一層感光ドラム１ａ、１ｂに安定して当接し、転写効率の向上が実現される。ただし、このような場合においても、上述したように、Ｄｔｒ≦Ｄｐｈの関係を満たしていることが望ましい。

また、第１実施形態と同じ理由により、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂについてのみ一次転写ニップ部７の当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを長くした。濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆについては、一次転写ニップ部７の当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを短くした。

＜第３実施形態＞
第１実施形態、第２実施形態では、専ら淡トナーと濃トナーとを組み合わせて画像形成する画像形成装置１００、２００を説明した。しかし、本発明は、透明トナーを濃トナーに組み合わせて画像形成する画像形成装置においても同様に実施して、同等、またはそれ以上の転写効率の改善効果が得られる。

図１２は第３実施形態の画像形成装置の概略構成の説明図である。第３実施形態の画像形成装置３００は、第２実施形態における淡トナー画像形成部Ａ、Ｂを透明トナー画像形成部Ｇに置き換えて構成される。これ以外の構成および制御は、第２実施形態と同一なので、図１２中、図１１と共通する部材には共通の符号を付し、また、図２に示す画像形成部内の構成には添え字ｇを付して、重複する説明を省略する。

図１２に示すように、透明トナー画像形成部Ｇは、感光ドラム１ｇに透明トナーの透明トナー像を形成して担持させるプロセスカートリッジである。透明トナー画像形成部Ｇにおいても、帯電ローラ２ｇによって感光ドラム１ｇの表面が帯電され、続いて露光装置３ｇがレーザ光Ｌを照射して感光ドラム１ｇの表面を露光して、静電潜像を形成する。トナーボトル５ｇには、透明トナーが収められ、現像装置４ｇは、感光ドラム１ｇ上の静電潜像を透明トナーで現像して透明トナー像を形成する。

一次転写ローラ６ｇＬは、図８に示す機構を用いて、中間転写ベルト１１を感光ドラム１ｇへ押圧し、中間転写ベルト１１と感光ドラム１ｇとの間に一次転写ニップ部７ｇを形成する。転写バイアス印加電源６５ｇから一次転写ローラ６ｇＬに転写電圧が印加されると、感光ドラム１ｇ上の透明トナー像は、一次転写ニップ部７ｇで、中間転写ベルト１１へ一次転写される。

透明トナー像が一次転写された中間転写ベルト１１に、順次、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの濃トナー像が転写される。透明を含む合計５色のトナー像が転写された中間転写ベルト１１は二次転写ニップ部１６へ移動して、合計５色のトナー像が記録材Ｐへ一括して二次転写される。

特許文献２に記載されるように、透明トナーを加える主な目的は、画像面内の光沢均一化である。電子写真方式で画像形成した場合、画像面内で有色トナ−部と非有色トナー部とで凹凸が発生するため、面内の光沢不均一が避けられない。このため透明トナーを採用して、非有色トナー部に透明トナーで画像形成することで、画像面内の凹凸を無くして光沢均一化を実現させている。

また、透明トナーは、トナー載り部の光沢と非画像部の光沢との差を埋め、画像全体として均一な光沢を達成するためにも利用される。記録材上の凹凸を埋め、凹凸差を緩和させることにより光沢を生み出し、画像全体の光沢度をアップさせる。従って、透明トナーの記録材上の載り量（もっとも濃い画像を作像した際の、単位面積あたりのトナー量）は、他の有色トナーとの載り量差を緩和すべく、相当量の載り量を必要とする。具体的には、有色トナーの１色分以上の載り量を必要とする場合が多い。

また、透明トナーは、上記の目的達成のために、画像部／非画像部を含む画像形成範囲全面に対して透明べた画像を作像する手法（オーバーコート）等、種々提案されている。この場合、記録材全面のトナー高さを均一化するため、透明トナー量は、他の各有色トナーに比べ、使用量が多いことは明らかである。

従って、透明トナー画像形成部Ｇは、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆに比べてトナー消費量が多くなる傾向がある。そして、第３実施形態における透明トナー画像形成部Ｇでは、感光ドラム１ｇ上の最大トナー載り量は、０．９［ｍｇ／ｃｍ^２］であって、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆにおける値（０．４５［ｍｇ／ｃｍ^２］）のほぼ２倍である。

ここで、画像形成部Ｇ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆにおける最大トナー載り量は、使用するトナーの単位重量当たり電荷量、及び、現像時に現像スリーブ（４２：図２）に印加される現像バイアスと静電潜像の画像部電位との差異（現像コントラスト電位）を変更して調整した。濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆでは、濃トナーの電荷量を３０〔μＣ／ｇ〕、現像コントラスト電位を２５０〔Ｖ〕とした。これに対して、透明トナー画像形成部Ｇでは、透明トナーの電荷量を２０〔μＣ／ｇ〕、現像コントラスト電位を３５０〔Ｖ〕とした。

従って、透明トナー画像形成部Ｇで一次転写される透明トナー像のトナー載り量は、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆで一次転写される濃トナー像のトナー載り量よりも多くなる傾向がある。結果として、図６に示すように、透明トナー画像形成部Ｇにおける一次転写の転写効率は、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆに比較して低くなる傾向がある。従って、第３実施形態では、透明トナー画像形成部Ｇにおける転写効率を上げることが望ましい。

言い換えれば、透明トナー像は、濃トナー像に比較して、トナー載り量を大きく現像される場合が多いので、一次転写条件を同一に揃えると、透明トナー像は、濃トナー像よりも転写効率が低くなる。その結果、透明トナー像の転写不良による画像弊害が発生する可能性が高まる。

そこで、透明トナー画像形成部Ｇの一次転写ニップ部７ｇでは、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆよりも、図９に示す当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを大きく設定する。第３実施形態では、第２実施形態と同様に、一次転写ローラ６ｇＬの直径を大きくして、一次転写ニップ部７ｇ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整した。表３は、第３実施形態における一次転写ローラの直径の設定と、一次転写ニップ部の当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈの実測値である。

具体的には、一次転写ローラ６Ｃ、６Ｄ、６Ｅ、６Ｆの直径を１６〔ｍｍ〕とする一方、一次転写ローラ６ｇＬの直径は２６〔ｍｍ〕とした。一次転写ニップ部７ｇ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの接触圧は全て８〔Ｎ〕である。これにより、透明トナー像の転写効率を高めて、透明トナーの転写不良に起因する画像品質の低下、透明トナーの無駄な消費、ドラムクリーニング装置９ｇの負担増を防止できた。

なお、第３実施形態では、第２実施形態と同様に、一次転写ローラの直径を異ならせることで当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整した。しかし、第１実施形態と同様に、一次転写ニップ部７ｇ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの接触圧を調整することで当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整してもよく、直径と接触圧とを組み合わせて当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整してもよい。

＜第４実施形態＞
図１３は第４実施形態の画像形成装置の概略構成の説明図である。第４実施形態の画像形成装置４００は、第１実施形態における淡トナー画像形成部Ａ、Ｂに代えて白色トナー画像形成部Ｈを設け、白色トナー画像形成部Ｈを濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの下流に配置している。これ以外の構成および制御は、第１実施形態と同一なので、図１３中、図１と共通する部材には共通の符号を付し、また、図２に示す画像形成部内の構成には添え字ｈを付して、重複する説明を省略する。

図１３に示すように、白色トナー画像形成部Ｈは、感光ドラム１ｈに白色トナーの白色トナー像を形成して担持させるプロセスカートリッジである。白色トナー画像形成部Ｈにおいても、帯電ローラ２ｈによって感光ドラム１ｈの表面が帯電され、続いて露光装置３ｈがレーザ光Ｌを照射して感光ドラム１ｈの表面を露光して、静電潜像を形成する。トナーボトル５ｈには、白色トナーが収められ、現像装置４ｈは、感光ドラム１ｈ上の静電潜像を白色トナーで現像して白色トナー像を形成する。

一次転写ローラ６ｈは、図８に示す機構を用いて、中間転写ベルト１１を感光ドラム１ｈへ押圧し、中間転写ベルト１１と感光ドラム１ｈとの間に一次転写ニップ部７ｈを形成する。転写バイアス印加電源６５ｈから一次転写ローラ６ｈに転写電圧が印加されると、感光ドラム１ｈ上の白色トナー像は、一次転写ニップ部７ｈで、中間転写ベルト１１へ一次転写される。

イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの濃トナー像が、順次、一次転写された中間転写ベルト１１に、白色トナー像が重ねて一次転写される。白色を含む合計５色のトナー像が転写された中間転写ベルト１１は、二次転写ニップ部１６へ移動して、合計５色のトナー像が記録材Ｐへ一括して二次転写される。

白色トナーを加える主な目的は、省資源のため、カラー画像を形成する記録材Ｐに、白色度の低い普通紙や再生紙などを使用可能にすることである。白色度の低い記録材Ｐを使用した場合、記録材Ｐの地色の影響でイエロー（Ｙ）マゼンタ（Ｍ）やシアン（Ｃ）のカラートナーの発色性が、実際の色と異なってしまい、カラー原画像の色を正確に再現できない。そこで、カラー画像形成装置においては、カラー画像専用の白色度の高い専用紙を用いて画像品質を向上させていることが多いが、専用紙は、一般の記録材Ｐに比べてコストが高い。

そこで、第４実施形態では、特許文献３に記載されるように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの濃トナーに加えて、白色トナーを有している。そして、記録材Ｐに画像を形成する前に白色トナーによって記録材の全面を白色に印刷するように制御する。また、白色トナー像は、透明トナー像と同様に、濃トナー像が転写されない画像の白色部に形成して、濃トナー像の段差を埋めたり、画像全体の光沢度を揃えたりすることも可能である。

第４実施形態では、感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆに形成される濃トナー像と感光ドラム１ｈに形成される白色トナー像とは最大トナー載り量が等しい。濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆと白色トナー画像形成部Ｈとにおいて、最大トナー載り量は、等しく０．５［ｍｇ／ｃｍ^２］である。しかし、白色トナー像は、濃トナー像よりも、画像中に占める面積が広くなる可能性が高いので、転写効率が低いことによる画像品質への影響が、濃トナー像よりも大きい。また、白色トナー像は、白色面を得るために最大トナー載り量で形成されるが、濃トナー像は、原画像の階調に応じた濃度なので、最大トナー載り量で形成される可能性は低い。従って、濃トナー像は、トナー載り量が白色トナー像に比較して少ないため、図６に示すように、白色トナー像よりも高い転写効率で転写される可能性が高い。

そこで、白色トナー画像形成部Ｈの一次転写ニップ部７ｈでは、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆよりも図９に示す当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを大きく設定した。そして、第１実施形態と同様に、図８に示すバネ４７ｆ及びバネ４７ｒの弾性強度を、白色トナー画像形成部Ｈと濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆとで異ならせて、当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを設定した。表４に一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆ、６ｈの付勢力の設定と、一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆ、７ｈの当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈの実測値とを示す。

一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆ、６ｈの直径は、等しく１８ｍｍである。バネ４７ｆ、４７ｒによる一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの付勢力を８〔Ｎ〕に設定する一方、一次転写ローラ６ｈの付勢力は１０〔Ｎ〕に設定した。これにより、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆでは、当接幅Ｄｔｒが２．１ｍｍ、転写幅Ｄｐｈが２．３ｍｍとなる一方、白色トナー画像形成部Ｈでは、当接幅Ｄｔｒが２．６ｍｍ、転写幅Ｄｐｈが２．８ｍｍとなった。

なお、第４実施形態では、第１実施形態と同様に、一次転写ニップ部７ｈ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの接触圧を調整することで当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整した。しかし、第２実施形態と同様に、一次転写ローラの直径や材料を異ならせることで当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整してもよく、直径と接触圧とを組み合わせて当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整してもよい。

＜第５実施形態＞
図１４は淡トナーと濃トナーとを画像濃度に割り当てるルックアップテーブルの線図である。図１４には、淡トナーと濃トナーとを用いて画像形成する際の、淡トナー用ルックアップテーブル（ＬＣ：二点鎖線）と、濃トナー用ルックアップテーブル（ＤＣ：実線）とが示される。図中、横軸は濃トナーと淡トナーに分版する前の画像の階調値で、縦軸は濃トナーおよび淡トナーに分版した際の各々の階調値である。

第５実施形態では、第１実施形態において、図４に示すルックアップテーブルを図１４に示すルックアップテーブルに置き換えて、淡トナー像と濃トナー像とを形成している。従って、第５実施形態は、図１〜図３、図５〜図１０を併せて参照して説明する。

図１４に示すように、第５実施形態では、淡トナー像と濃トナー像とで最大画像出力信号値が等しく２５５であるため、図１に示す淡トナー画像形成部Ａ、Ｂと濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆとで最大トナー載り量が等しくなる。しかし、第１実施形態で説明したように、淡トナーはハイライト部の粒状性の向上や擬似輪郭防止のため、最大トナー載り量で使われる頻度が濃トナーより多くなる。これは、第４実施形態で白色トナーについて説明した状況と同じである。

また、濃トナー像は、図９に示す転写幅Ｄｐｈを長くしたことによる出力画像上の弊害（飛び散りやがさつき）が淡トナー像に比較して目立ち易く、形成される画像によっては問題になる場合がある。そして、濃トナー像は、最大トナー載り量で形成される頻度が低いので、最大トナー載り量で形成される頻度が高い淡トナー像に比較して高い転写効率で転写される傾向がある。

また、一次転写ニップ部７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆのすべてで当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを長くすると、中間転写体ベルト１１の循環に要する駆動トルクが増大して運転時の電力消費が増えてしまう。

これらの理由から、第５実施形態では、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂの一次転写ニップ部７ａ、７ｂを、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆよりも、当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを大きく設定した。そして、第１実施形態と同様に、図８に示すバネ４７ｆ及びバネ４７ｒの弾性強度を、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂと濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆとで異ならせて、当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを設定した。表５に一次転写ローラ６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの付勢力の設定と、一次転写ニップ部７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈの実測値とを示す。

具体的には、図１に示す淡トナー画像形成部Ａ、Ｂと濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆとで最大トナー載り量は等しく０．５［ｍｇ／ｃｍ^２］とした。一次転写ローラ６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの直径は、等しく１８ｍｍである。バネ４７ｆ、４７ｒによる一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの付勢力を８〔Ｎ〕に設定する一方、一次転写ローラ６ａ、６ｂの付勢力は１０〔Ｎ〕に設定した。これにより、濃トナー画像形成部Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆでは、当接幅Ｄｔｒが２．１ｍｍ、転写幅Ｄｐｈが２．３ｍｍとなる一方、淡トナー画像形成部Ａ、Ｂでは、当接幅Ｄｔｒが２．６ｍｍ、転写幅Ｄｐｈが２．８ｍｍとなった。

なお、第５実施形態では、第１実施形態と同様に、一次転写ニップ部７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの接触圧を調整することで当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整した。しかし、第２実施形態と同様に、一次転写ローラの直径や材料を異ならせることで当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整してもよく、直径と接触圧とを組み合わせて当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを調整してもよい。

なお、第１実施形態から第５実施形態において掲げた数値は、あくまで例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いても良い。各実施形態の画像形成装置は、フルカラー複写機に本発明を限定する趣旨ではなく、本発明は、プリンタやファクシミリなどの複数の画像形成部（プロセスカートリッジ）を備えた画像形成装置でも実施可能である。

また、中間転写ベルトを用いないで、記録材を記録材搬送ベルトや搬送ドラムで複数の画像形成部の転写ニップ部を順次に通過させて、同一の記録材面に各画像形成部の像担持体に形成したトナー画像を重畳転写させる画像形成装置構成を採用してもよい。この場合、記録材上には転写順に直接トナー像が積層されるので、中間転写ベルトを用いる場合とは逆の順序（淡トナーを用いる場合はブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、淡色シアン、淡色マゼンタの順序）で転写することが望ましい。

また、タンデム方式に限定されず、１つの感光ドラムに複数の現像装置を配置して中間転写ベルト上に順次各色（透明、白色を含んでもよい）のトナー像を重ねて一次転写する画像形成装置構成を採用してもよい。この場合、淡トナー像、透明トナー像、白色トナー像の一次転写に際しては、同一の一次転写ローラの圧接力を機構的に２段階に変化させることで第１実施形態と同様に当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを制御できる。また、直径の異なる一次転写ローラをロータリー式に切り替えて使用することで、第２実施形態と同様に当接幅Ｄｔｒ、転写幅Ｄｐｈを制御してもよい。

各画像形成部のトナー画像形成手段機構は、電子写真プロセス機構に限られない。像担持体として誘電体や磁性体を用いる静電記録プロセス機構や磁気記録プロセス機構等であってもよい。電子写真プロセス機構において、潜像形成手段としての露光装置は、プロセスカートリッジの内部または外部に設けられた、例えば発光ダイオード（ＬＥＤ）アレイ装置や、光源と液晶シャッタを組み合わせたデジタル露光装置等とすることもできる。色分解フィルタを用いた結像投影光学装置（アナログ画像露光装置）とすることもできる。像担持体の帯電面を、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の画像情報の静電潜像を書き込み形成する構成にすることもできる。

＜発明との対応＞
第１実施形態の画像形成装置１００は、トナー像を担持する感光ドラム１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆと、感光ドラム１ａ、１ｂに中間転写ベルト１１表面を接触させて、トナー像が中間転写ベルト１１表面へ転写される第１転写ニップ部を形成する一次転写ローラ６ａ、６ｂと、感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆに中間転写ベルト１１表面を接触させて、トナー像が中間転写ベルト１１表面へ転写される一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆを形成する一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆと、前記転写の際に、一次転写ローラ６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆへ転写電圧を印加する転写バイアス印加電源６５と、中間転写ベルト１１表面を移動させて一次転写ニップ部７を通過させる中間転写ベルト１１とを有し、感光ドラム１ａ、１ｂに担持されるトナー像の最大トナー載り量が感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆに担持されるトナー像の最大トナー載り量よりも大きい。そして、中間転写ベルト１１表面の移動方向にて、一次転写ニップ部７ａ、７ｂの長さは、一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの長さよりも長い。

第１実施形態では、一次転写ローラ６ａ、６ｂと感光ドラム１ａ、１ｂとの接触圧は、一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆと感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆとの接触圧よりも大きい。

第２実施形態では、一次転写ローラ６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆは、ローラ形状であり、一次転写ローラ６ａ、６ｂの直径は、一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの直径よりも大きい。

感光ドラム１ａ、１ｂに担持される淡トナー像の淡トナーと、感光ドラム１ｄ、１ｅに担持される濃トナー像の濃トナーとは、同一色相で互いに濃度の異なるトナーである。

第３実施形態の画像形成装置３００は、感光ドラム１ｇに担持される透明トナー像のトナーは、透明トナーである。

第１実施形態の画像形成装置１００は、淡トナーのトナー像を担持する感光ドラム１ａ、１ｂと、淡トナーと同一色相で濃度が高い濃トナーのトナー像を担持する感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆと、感光ドラム１ａ、１ｂに中間転写ベルト１１表面を接触させて、トナー像が中間転写ベルト１１表面へ転写される一次転写ニップ部７ａ、７ｂを形成する一次転写ローラ６ａ、６ｂと、感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆに中間転写ベルト１１表面を接触させてトナー像が中間転写ベルト１１表面へ転写される一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆを形成する一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆと、前記転写の際に、一次転写ローラ６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆへ転写電圧を印加する転写バイアス印加電源６５と、中間転写ベルト１１表面を移動させて一次転写ニップ部７を通過させる中間転写ベルト１１とを有する。そして、中間転写ベルト１１表面の移動方向にて、一次転写ニップ部７ａ、７ｂの長さは、一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの長さよりも長い。

第３実施形態の画像形成装置３００は、白色トナーのトナー像を担持する感光ドラム１ｇと、色相が原色または黒色のトナーの濃トナー像を担持する感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆと、感光ドラム１ｇに中間転写ベルト１１表面を接触させて、トナー像が中間転写ベルト１１表面へ転写される一次転写ニップ部７ｇを形成する一次転写ローラ６ｇＬと、感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆに中間転写ベルト１１表面を接触させてトナー像が中間転写ベルト１１表面へ転写される一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆを形成する一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆと、前記転写の際に、一次転写ローラ６ｇＬ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆへ電圧を印加する転写バイアス印加電源６５と、中間転写ベルト１１表面を移動させて一次転写ニップ部７を通過させる中間転写ベルト１１とを有する。中間転写ベルト１１表面の移動方向にて、一次転写ニップ部７ｇの長さは、一次転写ニップ部７ｃ、７ｄ、７ｅ、７ｆの長さよりも長い。

第４実施形態の画像形成装置４００は、一次転写ローラ６ｈと感光ドラム１ｈとの接触圧は、一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆと感光ドラム１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆとの接触圧よりも大きい。

第３実施形態の画像形成装置３００は、一次転写ローラ６ｇＬ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆは、ローラ形状であり、一次転写ローラ６ｇＬの直径は、一次転写ローラ６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆの直径よりも大きい。

第１実施形態の画像形成装置の概略構成の説明図である。 １つの画像形成部を取り出した拡大図である。 淡トナーと濃トナーとにおけるトナー載り量と光学濃度との関係を示す線図である。 淡トナーと濃トナーとを画像濃度に割り当てるルックアップテーブルの線図である。 画像入力信号値と画像濃度との関係を示す線図である。 感光ドラム上のトナー付着量に対する転写効率の関係を示す線図である。 第１実施形態における一次転写条件の説明図である。 一次転写ローラの斜視図である。 中間転写ベルトが感光ドラムに接触する送り方向長さの説明図である。 中間転写ベルトが感光ドラムに接触する送り方向長さと転写効率との関係を示す線図である。 第２実施形態の画像形成装置の概略構成の説明図である。 第３実施形態の画像形成装置の概略構成の説明図である。 第４実施形態の画像形成装置の概略構成の説明図である。 第５実施形態において淡トナーと濃トナーとを画像濃度に割り当てるルックアップテーブルの線図である。

符号の説明

１ａ、１ｂ、１ｇ、１ｈ 第１像担持体（感光ドラム）
１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆ 第２像担持体（感光ドラム）
２ 帯電ローラ
３ 露光装置
４ａ、４ｂ 現像装置
４ｃ、４ｄ、４ｅ、４ｆ 現像装置
５ａ、５ｂ トナーボトル
５ｃ、５ｄ、５ｅ、５ｆ トナーボトル
６ａ、６ｂ、６ａＬ、６ｂＬ 第１転写部材（一次転写ローラ）
６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆ 第２転写部材（一次転写ローラ）
７ 一次転写ニップ部
１１ 転写媒体、移動手段（中間転写ベルト）
１２ テンションローラ
１３ 駆動ローラ
１４ 二次転写内ローラ
１５ 二次転写ローラ
１６ 二次転写ニップ部
１８ 搬送ベルト
１９ 定着装置
４７ｆ、４７ｒ バネ
５０ 制御部
６５ 電圧印加手段（転写バイアス印加電源）
１００、２００、３００、４００ 画像形成装置
Ａ、Ｂ 淡トナー画像形成部
Ｇ 透明トナー画像形成部
Ｈ 白色トナー画像形成部
Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ 濃トナー画像形成部
Ｐ 記録材

Claims (9)

1. トナー像を担持する第１及び第２像担持体と、
   前記第１像担持体に転写媒体を接触させて、トナー像が前記転写媒体へ転写される第１転写ニップ部を形成する第１転写部材と、
   前記第２像担持体に前記転写媒体を接触させて、トナー像が前記転写媒体へ転写される第２転写ニップ部を形成する第２転写部材と、
   前記転写の際に、前記第１及び第２転写部材へ転写電圧を印加する電圧印加手段と、
   前記転写媒体を移動させて前記第１及び第２転写ニップ部を通過させる移動手段と、を有し、
   前記第１像担持体に担持されるトナー像の最大トナー載り量が前記第２像担持体に担持されるトナー像の最大トナー載り量よりも大きい画像形成装置において、
   前記転写媒体の移動方向にて、前記第１転写ニップ部の長さは、前記第２転写ニップ部の長さよりも長いことを特徴とする画像形成装置。
2. 前記第１転写部材と前記第１像担持体との接触圧は、前記第２転写部材と前記第２像担持体との接触圧よりも大きいことを特徴とする請求項１記載の画像形成装置。
3. 前記第１及び第２転写部材は、ローラ形状であり、前記第１転写部材の直径は、前記第２転写部材の直径よりも大きいことを特徴とする請求項１記載の画像形成装置。
4. 前記第１像担持体に担持されるトナー像のトナーと、前記第２像担持体に担持されるトナー像のトナーとは、同一色相で互いに濃度の異なるトナーであることを特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載の画像形成装置。
5. 前記第１像担持体に担持されるトナー像のトナーは、透明トナーであることを特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載の画像形成装置。
6. 淡トナーのトナー像を担持する第１像担持体と、
   前記淡トナーと同一色相で濃度が高い濃トナーのトナー像を担持する第２像担持体と、
   前記第１像担持体に転写媒体を接触させて、トナー像が前記転写媒体へ転写される第１転写ニップ部を形成する第１転写部材と、
   前記第２像担持体に前記転写媒体を接触させてトナー像が前記転写媒体へ転写される第２転写ニップ部を形成する第２転写部材と、
   前記転写の際に、前記第１及び第２転写部材へ電圧を印加する電圧印加手段と、
   前記転写媒体を移動させて前記第１及び第２転写ニップ部を通過させる移動手段と、を有する画像形成装置において、
   前記転写媒体の移動方向にて、前記第１転写ニップ部の長さは、前記第２転写ニップ部の長さよりも長いことを特徴とする画像形成装置。
7. 白色トナーのトナー像を担持する第１像担持体と、
   色相が原色または黒色のトナーのトナー像を担持する第２像担持体と、
   前記第１像担持体に転写媒体を接触させて、トナー像が前記転写媒体へ転写される第１転写ニップ部を形成する第１転写部材と、
   前記第２像担持体に前記転写媒体を接触させてトナー像が前記転写媒体へ転写される第２転写ニップ部を形成する第２転写部材と、
   前記転写の際に、前記第１及び第２転写部材へ電圧を印加する電圧印加手段と、
   前記転写媒体を移動させて前記第１及び第２転写ニップ部を通過させる移動手段と、を有する画像形成装置において、
   前記転写媒体の移動方向にて、前記第１転写ニップ部の長さは、前記第２転写ニップ部の長さよりも長いことを特徴とする画像形成装置。
8. 前記第１転写部材と前記第１像担持体との接触圧は、前記第２転写部材と前記第２像担持体との接触圧よりも大きいことを特徴とする請求項６又は７記載の画像形成装置。
9. 前記第１及び第２転写部材は、ローラ形状であり、前記第１転写部材の直径は、前記第２転写部材の直径よりも大きいことを特徴とする請求項６又は７記載の画像形成装置。

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