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JP2008137636A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置 Download PDF

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JP2008137636A
JP2008137636A JP2007192085A JP2007192085A JP2008137636A JP 2008137636 A JP2008137636 A JP 2008137636A JP 2007192085 A JP2007192085 A JP 2007192085A JP 2007192085 A JP2007192085 A JP 2007192085A JP 2008137636 A JP2008137636 A JP 2008137636A
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Toshiro Inoue
敏郎 井上
Akira Takahashi
高橋  彰
Kosuke Sakamoto
浩介 坂本
Yasumune Kobayashi
康統 小林
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)を低減できるとともに、楽音への影響が少ない簡易な構成の能動型騒音制御装置を提供する。
【解決手段】車速V及びオーディオのオーディオ信号の大きさPに応じて、車速依存制御信号調整部51及びオーディオ信号依存制御信号調整部52により能動型騒音制御部12から出力され合成ユニット26に供給される制御信号Scaの振幅を調整する構成とすることで、従来技術では必須とされているマイクロフォン8の出力からオーディオ信号Saをキャンセルするオーディオキャンセル回路{減算器とオーディオキャンセルフィルタからなる回路}が不要になる。結果、楽音への影響の少ない簡易な構成の能動型騒音制御装置を構築できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、オーディオ信号を楽音に変えて出力するスピーカから前記楽音とともに車室内騒音と逆位相の相殺音を併せて出力し、車室内騒音を打ち消して消音することにより、乗車している者(乗車者という。)が、前記スピーカからの楽音をより明瞭に聴けるようにした能動型騒音制御装置に関する。
道路(ロード)から受ける車輪の振動がサスペンションを介して車体に伝わり、特に車室内のような閉空間の音響的な共鳴特性により励起され、40Hz程度でピークを有し20〜150Hz帯域幅の低周波ロードノイズ(「ゴー」というこもった音で、ドラミングノイズとも呼ばれる)による車室内騒音を打ち消す能動型騒音制御装置が提案されている(特許文献1)。
図10のブロック図に示すように、特許文献1に記載された能動型騒音制御装置2では、車室4内に、車室内騒音と、スピーカ6から出力される相殺音を受音するために、車室4の音響固有モードの腹部分にマイクロフォン8が設けられる。そして、能動型騒音制御ユニット(ANCユニット)18を構成する能動型騒音制御部12は、マイクロフォン8からA/D変換器14を通じて得た信号(誤差信号)が最小となるように制御信号を適応的に生成し、生成した制御信号をD/A変換器16及び増幅器10を介してスピーカ6に供給するように構成されている。
特開2000−322066号公報(図1、図3)
近時、乗用車両には、チューナ、コンパクトディスク、ハードディスク等種々の音楽ソースの楽音を楽しむためのオーディオユニットが備えられている。
図11は、このオーディオユニット20と、図10に示した能動型騒音制御装置2を一体的に構成した車両用音響制御装置22の従来技術に係る構成を示すブロック図である。図11において、図10に示したものと同一のもの及び対応するものには同一の符号を付ける。
この車両用音響制御装置22では、オーディオユニット20から出力されるオーディオ信号Saと能動型騒音制御部12から出力される相殺音信号としての制御信号Scが合成ユニット26の加算器24で合成され、D/A変換器16、増幅器10を介して車室4内のスピーカ6に供給され、スピーカ6から楽音と相殺音の合成音として出力される。
マイクロフォン8は、楽音と相殺音の合成音と車室内騒音を受音し、騒音(雑音信号)と相殺音(相殺音信号)の差に楽音(オーディオ信号)が加えられた誤差信号を出力する。
この誤差信号は、ANCユニット18aのA/D変換器14を通じて減算器28の被減算ポートに誤差信号Eaとして供給される。この場合、減算器28の減算ポートには、オーディオ信号Saがデジタルフィルタであるオーディオキャンセルフィルタ(オーディオ補償フィルタ)30により変換されたオーディオ信号Sbが供給される。
ここで、オーディオキャンセルフィルタ30は、D/A変換器16の入力側から増幅器10、スピーカ6、スピーカ6からマイクロフォン8までの音響伝送路、マイクロフォン8、A/D変換器14の出力側までの経路の伝達関数、すなわち、D/A変換器16の入力からA/D変換器14の出力までの経路の伝達関数を有するデジタルフィルタである。理解の便宜のために、この伝達関数をスピーカ6とマイクロフォン8との間の伝達関数と呼び、オーディオキャンセルフィルタ30のブロックの中に、スピーカ6とマイクロフォン8との間の伝達関数Cに対応する模擬伝達関数C^として記載している。
従って、減算器28により誤差信号Eaからオーディオ信号Sbを減算することにより、換言すれば、マイクロフォン8の出力から楽音に対応するオーディオ信号Sb分をキャンセルすることにより、減算器28の出力側に騒音と相殺音との差に対応する誤差信号eが得られる。能動型騒音制御部12は、この誤差信号eがゼロとなるように制御信号Scを生成し、一方の加算ポートにオーディオ信号Saが供給されている加算器24の他方の加算ポートに供給する。
このように構成すると、マイクロフォン8が設けられた点(位置)において、音響固有モードの腹の位置での大きな車室内騒音(共鳴して大きくなっている車室内騒音)、すなわち低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)が相殺音で打ち消されることになり、車室4内全体でオーディオ信号Saに基づく楽音を明瞭に聞くことができる。
なお、オーディオキャンセル回路(オーディオキャンセルフィルタ30と減算器28)を設けないで、誤差信号Eaを能動型騒音制御部12に直接供給した場合には(e=Ea)、誤差信号Eaに含まれるロードノイズ(ドラミングノイズ)の周波数に近い楽音のベース音(最低音)も同時に消音され、乗車者に違和感を与えてしまう。
図11例に示す従来技術に係る車両用音響制御装置22においては、オーディオユニット20とANCユニット18aに対して、車載電気部品として比較的に大きくて重量のあるスピーカ6をオーディオ用と騒音制御用に兼用している。また、車載電気部品として電力の消費が大きく熱を発生する増幅器10もオーディオ用と騒音制御用とに兼用している。このように、オーディオユニット20と、図10に示した能動型騒音制御装置2とを一体的に構成した車両用音響制御装置22は、容積、電力消費及びコストの点で優れている。
ところで、車両用音響制御装置22等の車載電装品は、さらなるコストの低減並びにMTBF(故障間平均時間)等の理論信頼性の向上が求められている。
この観点から眺めると、図11に示した従来技術に係る車両用音響制御装置22ではANCユニット18aや、合成ユニット26がスピーカ6の数だけ必要となり、特に、近時注目されている4chサラウンドシステムや5.1chサラウンドシステムでは、図11中、a点とb点に示すANCユニット18aと合成ユニット26との間を接続するハーネスの本数が、それぞれスピーカの数(スピーカ1本に対して2本)必要になり、車載電装品のコストアップ及び理論信頼性低下の原因の一つとなっていることが分かった。
また、オーディオキャンセルフィルタ30と減算器28によるオーディオキャンセル回路は、制御系として複雑となり、結局、車両用音響制御装置22全体の制御システムとしてコストアップになっているということが分かった。
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであって、マイクロフォン出力からオーディオ信号をキャンセルするオーディオキャンセル回路を用いることなく、楽音への影響が少ない簡易な構成の能動型騒音制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る能動型騒音制御装置は、車室内騒音と、オーディオ信号に基づく音出力手段からの楽音と、制御信号に基づく前記音出力手段からの前記車室内騒音の相殺音との混合音を音検出手段により誤差信号として検出し、前記誤差信号に基づき前記相殺音を生成する制御信号を前記音出力手段に出力する能動型騒音制御装置において、前記オーディオ信号の大きさを検出するオーディオ信号検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、検出された前記オーディオ信号の大きさに応じて前記制御信号の振幅を調整するオーディオ信号依存制御信号調整手段と、検出された前記車速に応じて前記制御信号の振幅を調整する車速依存制御信号調整手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、車速及びオーディオ信号の大きさに応じて、能動型騒音制御部から出力される制御信号の振幅を調整する構成とすることにより、マイクロフォン等の音検出手段の出力からオーディオ信号をキャンセルするオーディオキャンセル回路を不要とし、かつ楽音への影響の少ない低コストの能動型騒音制御装置を構築できる。
オーディオキャンセル回路が不要となるので、能動型騒音制御装置の構成が簡単化するとともにハーネスの本数が減少し、容積及びコスト(部品コスト、製造コスト)の低減、並びに理論信頼性の向上を図ることができる。
この場合、車速依存制御信号調整手段は、車速がゼロのときには、制御信号の振幅をゼロ値にするように調整することを特徴とする。車速がゼロのときには、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)が発生しないので、換言すると低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)は走行中にしか発生しないので、制御信号に基づく相殺音を発生させる必要がない。
また、オーディオ信号依存制御信号調整手段は、オーディオ信号の大きさが所定の大きさ以上のときには、制御信号の振幅をゼロ値にするように調整することで、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)の抑制効果を犠牲にして、楽音を聞かせるようにする。
さらに、前記車速依存制御信号調整手段は、前記車速がゼロのときには、前記制御信号の振幅をゼロ値とするように調整し、前記車速がゼロから所定車速まで増加するとき、前記制御信号の振幅を前記車速の増加に応じてゼロ値から基準振幅値まで大きくするように調整する、前記オーディオ信号依存制御信号調整手段は、前記オーディオ信号の大きさが所定の大きさ以上のときには、前記制御信号の振幅をゼロ値とするように調整し、前記オーディオ信号の大きさが前記所定の大きさからゼロまで減少するとき、前記制御信号の振幅を前記オーディオ信号の大きさの減少に応じてゼロ値から基準振幅値まで大きくするように調整するように構成する。
制御信号の振幅を前記車速の増加に応じてゼロ値から基準振幅値まで大きくするように調整することで、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)による車室内騒音の増加に応じて、制御信号の振幅を大きくし、相殺音を大きくできる。また、制御信号の振幅をオーディオ信号の大きさの減少に応じてゼロ値から基準振幅値まで大きくするように調整することで、オーディオ信号の大きさの小さい、換言すれば、楽音中のベース音の音量が耳や体(体感)で聞くことができない小音量であるときには、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)を相殺音により抑制することができる。すなわち、楽音を、小音量でも明瞭に聞くことができる。
さらに、前記オーディオ信号の大きさ及び(又は)前記車速に応じて制御の安定性に係わる制御パラメータを調整するように構成する。調整する制御パラメータとしては、ステップサイズパラメータ及び(又は)安定性補償係数を用いる。オーディオ信号の大きさ及び(又は)車速に応じて能動型騒音制御部から出力される制御信号の振幅を調整する能動型騒音制御装置において、さらに、前記オーディオ信号の大きさ及び(又は)前記車速に応じて前記能動型騒音制御部のステップサイズパラメータ及び(又は)安定性補償係数を調整することで、前記能動型騒音制御部のON領域を安定的に広げることができる。
この発明によれば、車速及び(又は)オーディオ信号の大きさに応じて、車室内騒音を打ち消すための制御信号の振幅を調整する構成としているので、音検出手段の出力からオーディオ信号をキャンセルするオーディオキャンセル回路が不要となり、かつ楽音への影響の少ない能動型騒音制御装置を構築できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明に係る能動型騒音制御装置の一実施の形態が適用された車両用音響制御装置40の構成を示すブロック図である。図1に示す車両用音響制御装置40において、図10、図11に示したものと同一のもの又は対応するものには同一の符号を付けている。
車両に搭載される車両用音響制御装置40は、基本的には、チューナ、コンパクトディスク、ハードディスク等種々の内部の音楽ソース60の楽音や、携帯音楽再生装置等の外部の音楽ソースから外部入力(AUX入力等)62を通じて得た楽音を楽しむためのオーディオ信号Saを出力するオーディオユニット20aと、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)を打ち消すための能動型騒音制御ユニット(ANCユニット)18bとを備える。
オーディオユニット20a及びANCユニット18bは、コンピュータを含んで構成され、CPUが各種入力に基づきROM等のメモリに記憶されているプログラムを実行することで各種の機能を実現する機能実現手段としても動作する。
車室内騒音、この車室内騒音の相殺音及び楽音を受音するマイクロフォン(音検出手段)8は、車室4の前後方向の音響固有モードの1次又は2次モードにおける腹部分の位置{20〜150Hz帯域幅の低周波ロードノイズ中、40[Hz]又は80[Hz]の車室内共鳴音の定在波の音圧が大きな位置}に設けられている。具体的には、車両がセダンであれば、車両の幅方向の断面が閉空間となる、例えば前部位置近傍、例えば前座席の足元付近、ルームミラー近傍、インストルメンタルパネルの奥の位置等である(特許文献1)。
複数のスピーカ(音出力手段)6は、5chサウンドのサラウンド効果を高めるために、例えば、車両前席側の左右キックパネル部、インストルメントルパネル中央下部、車両後席側のCピラー下部の左右ボディ部等に配置される。なお、0.1ch分のウーハは方向性をほとんど持たないので任意の位置に配置される。
合成ユニット26は、オーディオユニット20aの増幅器54から出力されるオーディオ信号SaとANCユニット18bから出力される相殺音信号としての制御信号Scaとを加算器24で合成して合成信号Ssとし、合成信号SsをD/A変換器16、増幅器10を介して車室4内のスピーカ6に供給する。
スピーカ6は、合成信号Ssに対応するオーディオ信号Saに基づく楽音と制御信号Scaに基づく相殺音の合成音を出力する。
マイクロフォン8は、スピーカ6から出力される楽音と相殺音と車室内騒音を受音し、車室内騒音と相殺音(の差)に楽音が加わった誤差信号を出力する。この誤差信号は、ANCユニット18bのA/D変換器14を通じて能動型騒音制御部12の入力ポートに誤差信号Eaとして供給される。
能動型騒音制御部12は、誤差信号Eaがゼロ値、すなわち「騒音−(相殺音+楽音)」がゼロ値となるように演算処理して制御信号Scを出力する。
この制御信号Scの振幅(ゲイン)を調整する2つの調整部が直列に接続される(接続順序に制限はない。)制御信号振幅調整部50が、能動型騒音制御部12と加算器24との間に設けられている。
制御信号振幅調整部50は、車速センサ(車速検出手段)42で検出された車速Vに応じて制御信号Scの振幅を調整するためにゲインGvが調整される車速依存制御信号調整部(車速依存制御信号調整手段)51と、オーディオユニット20aの出力より大きさ検出器(オーディオ信号検出手段)44で検出されたオーディオ信号の大きさPに応じて制御信号Scの振幅を調整するためにゲインGpが調整されるオーディオ信号依存制御信号調整部(オーディオ信号依存制御信号調整手段)52とを備えた構成とされる。
なお、車速依存制御信号調整部51とオーディオ信号依存制御信号調整部52は、電子ボリューム{ゲイン(利得)である抵抗分圧比が1(0[dB])と0(−∞[dB])間でデジタル的に調整される可変抵抗器}等で構成される。
制御信号振幅調整部50から出力される振幅調整後の制御信号Sca(Sca=Gv×Gp×Sc)が、一方の入力ポートにオーディオ信号Saが供給されている加算器24の他方の入力ポートに供給される。
図2Aは、車速依存制御信号調整部51に設定される車速依存ゲイン特性Gv1(実線)と、オーディオ信号依存制御信号調整部52に設定されるオーディオ信号依存ゲイン特性Gp1(点線)を示している。
車速依存ゲイン特性Gv1は、車速V=0[km/h]と車速V=100[km/h]の中間近傍の車速(所定車速)Vth[km/h]が閾値となっており、車速0[km/h]と車速Vth[km/h]の間ではゲインがゼロ値(−∞dB)、車速Vth[km/h]と100[km]を超える最高速度Vmaxまでの間ではゲインが1値(0[dB])とされる。
オーディオ信号依存ゲイン特性Gp1は、オーディオ信号の大きさP=0とオーディオ信号の大きさ最大Pmaxの中間近傍のオーディオ信号の大きさ(所定の大きさ)Pthが閾値となっており、オーディオ信号の大きさ0と所定の大きさPthの間では1値(0[dB])、所定の大きさPthとオーディオ信号の大きさ最大音量Pmaxまでの間ではゼロ値(−∞[dB])とされる。
基本的には以上のように構成される車両用音響制御装置40の動作について、ANCユニット18bにより実行される図3のフローチャートを参照して説明する。
ステップS1において、車速センサ42から得られる車速Vが所定速度Vth以上であるかどうかが判定され、所定速度Vth以上であるとき(V≧Vth)、ステップS2において、大きさ検出器44から得られるオーディオ信号の大きさPが所定の大きさPth以下であるかどうかが判定される(P≦Pth)。
ステップS1の判定結果が否定的である場合、例えば、信号待ち等で車両が停止している場合には低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)が発生しない。従って、所定車速Vth以下では、制御信号Scaが発生しないように車速依存制御信号調整部51のゲインGv1がゼロ値とされる(Gv1=0)。従って、この場合には、制御信号振幅調整部50から出力される制御信号Scaの値はゼロ値とされる(Sca=Gv1×Gp1=0×Gp1=0)。
その結果、加算器24からの合成信号Ssとしてはオーディオ信号Saのみがスピーカ6に供給され、車両の停止中には楽音のみがマイクロフォン8で検出される。その一方、所定速度Vth以下の場合には、マイクロフォン8では楽音と比較的に低い音圧の低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)が受音される。乗員位置では、楽音が受音されるとともに、マイクロフォン8の位置{音響固有モードの腹の位置であるので車室4内で低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)の音圧が最も大きい位置}よりは小さい音圧の低周波ロードノイズ(騒音)が受音される。
ステップS1及びステップS2が肯定的である場合、すなわち、車速Vが所定速度Vth以上で、オーディオ信号の大きさPが所定の大きさPthより小さい場合には、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)と同程度の周波数を有するベース音(楽音中の最も周波数の低い音)は、人の耳で聞くことも体で感じることもできないという性質を考慮して制御信号Scaの振幅が調整される。
すなわち、オーディオ信号依存制御信号調整部52のゲインGpが1値とされる(Gp=1)。この場合には、制御信号振幅調整部50から出力される制御信号Scaの値は基準振幅値である制御信号Scの値とされる(Sca=Gv1×Gp1×Sc=1×1×Sc=Sc)。
つまり、車速Vが所定速度Vth以上であって比較的に低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)が大きい車内環境下で、図示しないオーディオボリュームを調整し、オーディオ信号の大きさPを絞って楽音を聞いているときには、能動型騒音制御部12による低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)の消音を行う。消音を行って、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)に対応する周波数の楽音のベース音が抑制されるとしても、もともと小さい音圧のベース音は、人が耳で聞くことも体で感じることもできないので聴取者(乗者者)の楽音聴取に対する影響はきわめて少ない。
また、オーディオ信号の大きさPが所定の大きさPthより大きい場合には、車速Vの高低にかかわらず、能動型騒音制御部12による低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)の消音動作を行わないことにより、ベース音が含まれる楽音を聴取者に積極的に聞かせる。
もちろん、高性能オーディオシステムにおけるサラウンド効果を効かせたいときには、全速度域でGv=0、全オーディオ信号の大きさ域でGp=0として、能動型騒音制御部12による低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)の消音動作を行わないようにすることもできる。
なお、図2Aに示した制御特性の他、図2Bに示すように、車速依存ゲイン特性Gv2は、車速Vがゼロから所定速度Vthまで増加するとき、0値から徐々に増加させ、制御信号Scaがゼロ値から徐々に大きくなるように制御し、車速Vが所定速度Vth近傍では、車速依存ゲイン特性Gvの値を1値とし消音動作を通常とし、車速Vが所定速度Vthを上回りより高速度になるにつれて1値より徐々に低下させ、車速Vが100[km/h]程度以上では車速依存ゲイン特性Gvの値を0値となるようにし、その一方、オーディオ信号依存ゲイン特性Gp2は、オーディオ信号の大きさPがゼロからオーディオ信号の大きさPの最大Pmaxまで、1値から徐々に0値に向かって小さくなるようにすることもできる。この図2Bに示すように設定すれば、図2Aの設定に比較してより違和感の少ない能動騒音制御を行うことができる。
この場合、図2Cに示すように、車速依存ゲイン特性Gv2は、車速Vがゼロから所定速度Vthまで増加するとき、0値から徐々に増加させ、制御信号Scaをゼロ値から徐々に大きくなるように制御し、車速Vが所定速度Vth以上では、車速依存ゲイン特性Gvの値を1値とし消音動作を通常とし、その一方、オーディオ信号依存ゲイン特性Gp2は、オーディオ信号の大きさPがゼロからオーディオ信号の大きさPの最大Pmaxまで1値から徐々に0値に向かって小さくなるようにすることもできる。図2Bの設定と実質的に略同じ効果を有する能動騒音制御を行うことができる。
以上説明したように上述した実施形態に係る車両用音響制御装置40は、オーディオ信号Saの生成手段としてのオーディオユニット20aと、オーディオ信号Saに基づく楽音と制御信号Scaに基づく車室内騒音の相殺音を出力するスピーカ6と、前記車室内騒音と前記相殺音と前記楽音の混合音を誤差信号Eaとして出力するマイクロフォン8と、誤差信号Ea中の前記車室内騒音に対応する車内騒音信号と、前記相殺音に対応する相殺音信号と前記楽音に対応するオーディオ信号Saの合成信号との差{車室内騒音信号−(相殺音信号+楽音)}が最小となるように信号処理して制御信号Scを出力する能動型騒音制御部12とを備え、さらに、オーディオ信号の大きさPを検出する大きさ検出器44と、車速Vを検出する車速センサ42と、検出されたオーディオ信号の大きさPに応じて制御信号Scaの振幅を調整するオーディオ信号依存制御信号調整部52と、検出された車速Vに応じて制御信号Scaの振幅を調整する車速依存制御信号調整部51とを備える。
この構成によれば、車速V及びオーディオ信号の大きさPに応じて、能動型騒音制御部12から出力され、合成ユニット26に供給される制御信号Scaの振幅が調整されるので、図11に従来技術として示したようなマイクロフォン8の出力からオーディオ信号Saをキャンセルするオーディオキャンセル回路{減算器28とオーディオキャンセルフィルタ30からなる回路}を不要とし、簡易な構成で楽音への影響の少ない車両用音響制御装置40を構築することができる。
オーディオキャンセル回路が不要となるので、ハーネスの本数が減少し、容積及びコスト(部品コスト、製造コスト)の低減、並びに理論信頼性の向上を図ることができる。すなわち、大きさ検出器44へのオーディオ信号Saの伝送用のハーネスによる配線は1本でよく、ANCユニット18bが搭載されたプリント基板内で、他のスピーカ用のオーディオ信号依存制御信号調整部52に基板パターンにより接続することができる。同様に車速センサからの車速V伝送用のハーネスによる配線は1本でよく、ANCユニット18bが搭載されたプリント基板内で、他のスピーカ用の車速依存制御信号調整部51に基板パターンにより接続することができる。すなわち、スピーカが5本あるとき、従来技術ではハーネスの本数が10本必要であるのに比較して、1/5の2本に低減することができる。
なお、上述したように、車速依存制御信号調整部51は、車速Vがゼロのときには、制御信号Scaの振幅をゼロ値とするように調整、換言すれば、図2A〜図2Cに示すように、車速Vがゼロ値のときゲインGv(Gv1,Gv2,Gv3)をゼロ値とするように調整すれば、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)が発生していないときに制御信号Scaに基づく相殺音を発生させる必要がない。そもそも低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)は走行中にしか発生しない。この場合には、聴取者は楽音のみを聞くことができる。
また、オーディオ信号依存制御信号調整部52は、オーディオ信号の大きさPが所定の大きさPth以上のときには、制御信号Scaの振幅をゼロ値にするように調整することで、換言すれば、図2Aに示すように、ゲインGp1をゼロ値とするように調整することで、ANCユニット18bによる低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)の抑制効果を犠牲にして、聴取者が聞きたいと思っている楽音を聞かせるように制御している。この構成は、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)の車室内騒音の音響周波数に近い周波数のベース音が含まれている楽音に適用して好適である。
さらに、車速依存制御信号調整部51は、車速Vがゼロのときには、制御信号Scaの振幅をゼロ値とするように調整し、車速Vがゼロから所定車速Vthまで増加するとき、制御信号Scaの振幅を車速Vの増加に応じてゼロ値から基準振幅値(ゲインGv、Gpがそれぞれ1値であるときの制御信号Scaの振幅値で、この場合、Sc=Sca)まで大きくするように調整する(図2BのGv2、図2CのGv3参照)一方で、オーディオ信号依存制御信号調整部52は、オーディオ信号の大きさPが所定の大きさPth以上のときには、制御信号Scaの振幅をゼロ値とするように調整し、オーディオ信号の大きさPが所定の大きさPthからゼロまで減少するとき、制御信号Scaの振幅をオーディオ信号の大きさPの減少に応じてゼロ値から基準振幅値まで大きくするように調整する(図2B、図2CのGp2参照)ように構成する。
このように、制御信号Scaの振幅を車速Vの増加に応じてゼロ値から基準振幅値まで大きくするように調整することで、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)による車室内騒音の増加に応じて、制御信号Scaの振幅を大きくし、相殺音を大きくできる。また、制御信号Scaの振幅をオーディオ信号の大きさPの減少に応じてゼロ値から基準振幅値まで大きくするように調整することで、オーディオ信号の大きさPの小さい、換言すれば、楽音中のベース音の音量が耳や体(体感)で聞くことができない小音量であるときには、低周波ロードノイズ(ドラミングノイズ)を相殺音により抑制することができる。すなわち、楽音を、小音量でも明瞭に聞くことができる。
上述した実施形態によれば、車速V及び(又は)オーディオ信号の大きさPに応じて、能動型騒音制御部12から出力され合成ユニット26へ供給される制御信号Scaの振幅を調整する構成としているので、マイクロフォン8の出力からオーディオ信号をキャンセルするオーディオキャンセル回路が不要となり、かつ楽音への影響の少ない簡易な構成の車両用音響制御装置40を構築することができる。
なお、外部入力62が存在しない場合には、図4に示す車両用音響制御装置40Aのように、オーディオユニット20b内に設けられ、スピーカ6から出力される楽音の設定音量を調整するオーディオボリューム45(設定音量調整手段、設定音量調整器)から得られる設定音量P´をオーディオ信号の大きさPに代替することもできる。この場合、ANCユニット18cを構成するオーディオ信号依存制御信号調整部52は、これと同一構成の音量依存制御信号調整部(調整手段)52aに代替され、又大きさ検出器44は、オーディオボリューム45に代替される。
図5は、この発明に係る能動型騒音制御装置のさらに他の実施の形態が適用されたANCユニット18dを備える車両用音響制御装置40Bの構成を示すブロック図である。図5に示す車両用音響制御装置40Bにおいて、図1に示したものと同一のもの又は対応するものには同一の符号を付けている。
この車両用音響制御装置40Bにおいては、図1に示した能動型騒音制御部12が能動型騒音制御部12aに代替されている。
図6は、能動型騒音制御部12aの構成例を示すブロック図である。この能動型騒音制御部12aは、フィードフォワード型のfilterd−X LMSアルゴリズムを利用した回路であり、車種により固定の、例えば42[Hz]程度のドラミング周波数fd[Hz]に同期した余弦波(cos)信号cos2πfdtと正弦波(sin)信号sin2πfdtを生成する基準信号生成器70(余弦波信号生成器70aと正弦波信号生成器70b)と、スピーカ6からマイクロフォン8までの車室4でのドラミング周波数fdの音(ドラミングノイズ)の伝達特性を模擬した上記の模擬伝達関数C^{模擬伝達関数(実部)Cr(fd)及び模擬伝達関数(虚部)Ci(fd)}が設定され、余弦波信号cos2πfdtと正弦波信号sin2πfdtに作用させて参照信号r(n){模擬余弦波信号である参照信号rc及び模擬正弦波信号である参照信号rs}を生成する参照信号生成器(フィルタ)74と、参照信号r(n)と後述する補正後の誤差信号e(n)とが供給され、誤差信号e(n)が最小となる適応制御アルゴリズム、例えば最急降下法の一種であるLMS(Least Mean Square)アルゴリズムに基づいて1タップ適応フィルタ(適応ノッチフィルタ)71、72のフィルタ係数A、Bを更新するフィルタ係数更新器(アルゴリズム演算器)91、92と、1タップ適応フィルタ71、72から供給される係数Aが乗算された余弦波信号と係数Bが乗算された正弦波信号を加算して制御信号Sc(n){Sc(n)=A×cos2πfdt+B×sin2πfdt}を生成する加算器96とを備える。
能動型騒音制御部12aは、さらに、フィルタ係数A、Bと同値のフィルタ係数A、Bが設定される係数乗算器81、82を備える。係数乗算器81、82は、それぞれ参照信号rcにフィルタ係数Aを乗算した信号及び参照信号rsにフィルタ係数Bを乗算した信号を加算器94に供給する。加算器94は、フィルタ係数Aが乗算された参照信号rcとフィルタ係数Bが乗算された参照信号rsとの合成信号である模擬相殺音信号(マイクロフォン8の位置で検出される相殺音信号の推定信号)Skを生成し安定性補償係数乗算器98に供給する。安定性補償係数乗算器98は、模擬相殺音信号Skに安定性補償係数α(0<α<1)を乗算した安定化信号α・Skを加算器100の一方の入力ポートに供給する。
加算器100の他方の入力ポートには、マイクロフォン8により検出された誤差信号Eaが供給される。加算器100は、誤差信号Eaが安定化信号α・Skにより補正された誤差信号e(n)をフィルタ係数更新器91、92に供給する。
なお、図1、図4に示した車両用音響制御装置40の能動型騒音制御部12の構成は、図6に示した能動型騒音制御部12aの構成に比較して、フィルタ係数更新器91、92に対する入力であるオーディオ信号の大きさP、車速Vが存在しておらず、さらに、フィルタ係数乗算器81、82、安定性補償係数乗算器98が存在していない構成とされる。
能動型騒音制御部12aは適応ノッチフィルタを採用しており、周知のように、更新後のフィルタ係数A(n+1)は、更新前のフィルタ係数A(n)と、誤差信号e(n)と、参照信号r(n)と、ステップサイズパラメータμとから次の(1)式で計算される。更新後のフィルタ係数B(n+1)も同様に計算される。
A(n+1)=A(n)−μe(n)r(n) …(1)
次に、この図6例の能動型騒音制御部12aを有する図5例の車両用音響制御装置40Bの動作について、図7の制御パラメータの切替表102並びに図8のフローチャートを参照して説明する。なお、この実施形態においては、制御の安定性に係わる制御パラメータである安定性補償係数α及びステップサイズパラメータμが、車速V及びオーディオ信号の大きさPに応じて切り替えられる(可変とされる)。
なお、以下に説明する各値は、一例であり、車種毎や車種グレード毎に実験的及びシミュレーションにより決定することができる。
図7に示すように、車速Vが低速Vl(例えば、20[km/h])〜中速Vm(例えば、100[km/h])の間で、かつオーディオ信号の大きさP(オーディオ信号の大きさPは、例えば、電圧値により測定される。)が、小音閾値P1以下のときに、すなわち、車速Vが、Vl<V<Vmであって、かつオーディオ信号の大きさPが、0≦P<Plのダブルハッチングで示す領域では、能動型騒音制御部12aは、通常(標準)のドラミング騒音消去制御を行う。
すなわち、ANCユニット18dを構成する能動型騒音制御部12aは、通常の制御を行うためのステップサイズパラメータμ(μ1=0.02:標準値)をフィルタ係数更新器91、92(実際上、フィルタ係数更新器91、92の中に、図7の制御パラメータの切替表102が格納されている。)に設定し、通常の制御を行うための安定性補償係数α(α1=0.2:標準値)を安定性補償係数乗算器98に設定する。
その一方、車速Vが比較的に高く(Vm<V<Vh)、かつオーディオ信号の大きさPが、比較的に小さい0≦P<Plのハッチングで示す領域では、マイクロフォン8が検出する信号として、消音したいドラミング騒音に比較して風切り音やエンジン音等の割合が大きくなる。これにより、通常のドラミング騒音消去制御で設定したステップサイズパラメータμの値、及び安定性補償係数αの値では、安定性に問題が生じる場合が想定される。
同様に、車速Vが中速域(Vl<V<Vm)であっても、オーディオ信号の大きさPが、中程度のPl≦P<Pmのハッチングで示す大きさでの領域では、ドラミング騒音に対して相対的に楽音の割合が大きくなるので、この場合においても、通常のドラミング騒音消去制御で設定したステップサイズパラメータμの値、及び安定性補償係数αの値では、安定性に問題が生じる場合が想定される。そのため、ハッチング領域では、通常領域の制御パラメータ(μ1,α1)に対して、ステップサイズパラメータμを1/4、安定性補償係数αを2倍にした制御パラメータ(μ1/4,2×α1)に変更している。
ステップサイズパラメータμを変更する物理的な意味についてより詳しく説明する。ユーザによる音楽ソース60の電子ボリューム等の操作によりオーディオ信号Saが大きくされると、このオーディオ信号Saに比例して楽音も大きくなる。楽音が大きくなると、楽音中のドラミング騒音(42[Hz])の周波数に近い周波数成分の楽音も大きくなってマイクロフォン9で受音されることになる。
実際、楽音成分の大きさの時間的変化はドラミング騒音成分の大きさの時間的変化に比較して極めて変化が激しいことからフィルタ係数更新器91、92で認識される騒音成分が変動し、結果として、ANCユニット18dでの騒音制御が不安定になるおそれがある。そこで、オーディオ信号Saの大きさが大きいほど、ステップサイズμを小さくすることにより騒音制御のロバスト性を高める。
図9A、図9Bの感度関数ga(f)、gb(f)に示すように、ステップサイズμが大きい場合に比較して、ステップサイズμを小さくした場合、感度関数ga(f)、gb(f)上、制御周波数fd、この場合、上記42[Hz]を中心とする消音の周波数範囲は狭まるが、消音効果が高くなる(負側の関数値が大きくなる)。
また、ステップサイズμを小さくした場合には、目標出力までの収束時間は長くなるが、正確に制御周波数で動作するようになり、その分、不要低周波成分(この場合、同周波数成分の楽音)やインパルス性のノイズに対するロバスト性が高くなるといえる。すなわち、ドラミング騒音に同期する周波数(上記制御周波数fd)における消音効果が狭い帯域幅となるがその周波数において消音効果が高くなるので、オーディオ信号Saの変化の影響を受けて能動騒音制御が不安定になる状況を防止することができる。
次に、安定性補償係数αを変更する物理的な意味について説明すると、図6から分かるように加算器94の出力側に得られる模擬相殺音信号Skは、ドラミング騒音の制御周波数fdを有する余弦波信号cos2πfdtと正弦波信号sin2πfdtに対し、参照信号生成器74で模擬伝達特性C^{模擬伝達特性(実部)Cr及び模擬伝達特性(虚部)Ci}を作用させた信号であるので、マイクロフォン8の位置で実際に検出される相殺音を模擬した信号であることが分かる。なお、マイクロフォン8で実際に検出される相殺音は、制御信号Scに基づきスピーカ6から発生される相殺音が車室4内の実空間音場を通過して検出される信号である。
この模擬相殺音信号Skの大きさを変更する定数が安定性補償係数α(0≦α<1)である。
模擬相殺音信号Skに安定性補償係数αが乗算された安定化信号αSkの性質について、まず、α=0のときを考える。このとき、制御周波数fdでオーディオ信号Sa(楽音)が大きくなると、マイクロフォン8で受音されるドラミング騒音の比率が相対的に小さくなる。そうすると、ANCユニット18dが不安定の方向になる。この場合、安定性補償係数αを0値から大きくすると、誤差信号e中の安定化信号α・Skの割合が高まるので、制御周波数fdでの安定性が向上する。しかし、安定性補償係数αを大きくしすぎると(値1に近づけすぎると)、マイクロフォン8で受音するドラミング騒音の大きさの変化に対する反応がにぶくなるので、騒音制御の意味をなさなくなる。そこで、オーディオ信号の大きさPが大きくなるに従い大きくなる安定性補償係数αを安定性補償係数乗算器98に設定することで、楽音が大きい場合であっても一定のドラミング騒音制御を行うことができるようになる。
なお、安定性補償のない場合のフィルタ係数Aの更新式は、制御周波数fdを42[Hz]とすると、上記(1)式を参照すれば、次の(2)式になることが分かり、安定補償がある場合には、次の(3)式となることが分かる。
A(n+1)=A(n)−μe(n)42Hzr(n)42Hz …(2)
A(n+1)=A(n)
−μ{e(n)42Hzr(n)42Hz+αr(n)42Hz} …(3)
なお、図7の制御パラメータの切替表102中、網点領域での制御パラメータ(μ,α)は、(μ1/16,4×α1)と、ステップサイズパラメータμは、通常制御の1/16倍、安定化補償係数α1は、通常制御の4倍としている。また、図7の制御パラメータの切替表102において、白抜き領域は騒音制御をフェードアウトさせて停止させる領域である。
そこで、図8のフローチャートにおいて、ステップS11で車速Vが高速Vh(Vh=200[km/h])以上がどうかを判定し、高速Vh以上である場合には、ステップS12で騒音制御を停止する。なお、図7において、縦軸は対数軸である。
ステップS11で車速Vが高速Vh未満である場合、ステップS13で車速Vが中速Vm(Vm=100[km/h])以上かどうかを判定し、中速Vm以上である場合には、ステップS14でオーディオ信号の大きさPが小音Pl以下であるかどうかを判定し、小音P1以下である場合には、制御パラメータの切替表102中、ハッチング領域での制御となるので制御パラメータ(μ,α)を(μ1/4,2×α1)に切り替え、ステップS16でドラミング制御を行う。
ステップS14でオーディオ信号の大きさPが小音Plより大きかった場合、ステップS17で、オーディオ信号の大きさPが大音Ph以下であるかどうかを判定し、大音Ph以下である場合には、制御パラメータの切替表102中、網点領域での制御となるので制御パラメータ(μ,α)を(μ1/16,4×α1)に切り替え、ステップS16でドラミング制御を行う。なお、ステップS17で、オーディオ信号の大きさPが大音Phを上回る場合には、ステップS12で騒音制御を停止する。
ステップS11で車速Vが高速Vh未満であって、ステップS13で車速Vが中速Vm(Vm=100[km/h])未満である場合には、さらに、ステップS19で車速Vが低速Vl以上であるかどうかを判定し、低速Vl以上である場合には(Vl<V<Vm)、ステップS20でオーディオ信号の大きさPが小音Pl以下であるかどうかを判定する。
小音P1以下である場合には、制御パラメータの切替表102中、ダブルハッチング領域での制御となるのでステップS21で制御パラメータ(μ,α)を(μ1,α1)に切り替え、ステップS16で通常のドラミング制御を行う。
ステップS20でオーディオ信号の大きさPが小音Plより大きかった場合、さらに、ステップS22で、オーディオ信号の大きさPが中音Pm以下であるかどうかを判定し、中音Pm以下である場合には(Pl<P<Pm)、ステップS23で制御パラメータ(μ,α)を(μ1/4,2×α)に切り替え、ステップS16でドラミング制御を行う。
一方、ステップS22でオーディオ信号の大きさPが中音Pmより大きかった場合には(Pm<P)、さらにステップS24でオーディオ信号の大きさPが大音Ph以下であるかどうかを判定し、大音Ph以下である場合には(Pm<P<Ph)、ステップS25で制御パラメータ(μ,α)を(μ1/16,4×α1)に切り替え、ステップS16でドラミング制御を行う。ステップS24で、オーディオ信号の大きさPが大音Phを上回る場合には、ステップS12で騒音制御を停止する。
以上説明したように、図5例の車両用音響制御装置40Bによれば、基本的には、図1例及び図4例の車両用音響制御装置40、40Aと同様に、車速V及びオーディオ信号の大きさPに応じて制御信号Scの振幅を調整しているが、さらに、車速V及びオーディオ信号の大きさPに応じて制御の安定性に係わる制御パラメータであるステップサイズパラメータμ及び安定化補償係数αを調整するようにしているので、能動型騒音制御ユニット18dの安定して動作する領域を広げることができる。
この発明の一実施形態に係る能動型騒音制御装置が適用された車両用音響制御装置の構成を示すブロック図である。 図2A〜図2Cは、車速依存制御信号調整部並びにオーディオ信号依存制御信号調整部に設定されるオーディオ信号依存ゲイン特性の説明図である。 一実施形態に係る能動型騒音制御装置の動作説明に供されるフローチャートである。 他の実施形態に係る能動型騒音制御装置が適用された車両用音響制御装置の構成を示すブロック図である。 さらに他の実施形態に係る能動型騒音制御装置が適用された車両用音響制御装置の構成を示すブロック図である。 図5中、能動型騒音制御部の構成を示すブロック図である。 図5例の動作説明に供されるステップサイズパラメータと安定化補償係数の切替説明図である。 図5例の動作説明に供されるフローチャートである。 図9Aはステップサイズパラメータが大きい場合の感度関数の説明図、図9Bはステップサイズパラメータが小さい場合の感度関数の説明図である。 従来技術に係る能動型騒音制御装置の構成を示すブロック図である。 従来技術に係る車両用音響制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
6…スピーカ 8…マイクロフォン
10、54…増幅器 12、12a…能動型騒音制御部
14…A/D変換器 16…D/A変換器
18、18a、18b、18c、18d…能動型騒音制御ユニット(ANCユニット)
20、20a、20b…オーディオユニット
22、40、40A、40B…車両用音響制御装置
24…加算器 26…合成ユニット
42…車速センサ 44…大きさ検出器(オーディオ信号検出手段)
45…オーディオボリューム 50…制御信号振幅調整部
51…車速依存制御信号調整部(車速依存制御信号調整手段)
52…オーディオ信号依存制御信号調整部(オーディオ信号依存制御信号調整手段)
102…制御パラメータの切替表

Claims (7)

  1. 車室内騒音と、オーディオ信号に基づく音出力手段からの楽音と、制御信号に基づく前記音出力手段からの前記車室内騒音の相殺音との混合音を音検出手段により誤差信号として検出し、前記誤差信号に基づき前記相殺音を生成する前記制御信号を前記音出力手段に出力する能動型騒音制御装置において、
    前記オーディオ信号の大きさを検出するオーディオ信号検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    検出された前記オーディオ信号の大きさに応じて前記制御信号の振幅を調整するオーディオ信号依存制御信号調整手段と、
    検出された前記車速に応じて前記制御信号の振幅を調整する車速依存制御信号調整手段と
    を備えることを特徴とする能動型騒音制御装置。
  2. 請求項1記載の能動型騒音制御装置において、
    前記車速依存制御信号調整手段は、前記車速がゼロのときには、前記制御信号の振幅をゼロ値とするように調整する
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  3. 請求項1記載の能動型騒音制御装置において、
    前記オーディオ信号依存制御信号調整手段は、前記オーディオ信号の大きさが所定の大きさ以上のときには、前記制御信号の振幅をゼロ値とするように調整する
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  4. 請求項1記載の能動型騒音制御装置において、
    前記車速依存制御信号調整手段は、前記車速がゼロのときには、前記制御信号の振幅をゼロ値とするように調整し、前記車速がゼロから所定車速まで増加するとき、前記制御信号の振幅を前記車速の増加に応じてゼロ値から基準振幅値まで大きくするように調整する、
    前記オーディオ信号依存制御信号調整手段は、前記オーディオ信号の大きさが所定の大きさ以上のときには、前記制御信号の振幅をゼロ値とするように調整し、前記オーディオ信号の大きさが前記所定の大きさからゼロまで減少するとき、前記制御信号の振幅を前記オーディオ信号の大きさの減少に応じてゼロ値から基準振幅値まで大きくするように調整する
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  5. 請求項1記載の能動型騒音制御装置において、
    さらに、前記オーディオ信号の大きさ又は前記車速に応じて制御の安定性に係わる制御パラメータを調整する
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  6. 請求項5記載の能動型騒音制御装置において、
    前記制御パラメータは、ステップサイズパラメータである
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  7. 請求項5記載の能動型騒音制御装置において、
    前記制御パラメータは、安定性補償係数である
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
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