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JP2008117472A - 対物レンズ光学系、光束分割素子及び光ピックアップ光学系 - Google Patents

対物レンズ光学系、光束分割素子及び光ピックアップ光学系 Download PDF

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JP2008117472A JP2006299643A JP2006299643A JP2008117472A JP 2008117472 A JP2008117472 A JP 2008117472A JP 2006299643 A JP2006299643 A JP 2006299643A JP 2006299643 A JP2006299643 A JP 2006299643A JP 2008117472 A JP2008117472 A JP 2008117472A
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Mitsusuke Miyauchi
充祐 宮内
Koichiro Wakabayashi
康一郎 若林
Yoshikazu Mitsui
良和 三井
Tomonori Kanai
友範 金井
Yasuyuki Sugi
靖幸 杉
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Abstract

【課題】同一波長の光束を用いて厚さが異なり、2以上の情報記録面を有するディスクにつき記録再生を行うことが可能な対物レンズ光学系等を提供すること。
【解決手段】本発明の対物レンズ光学系100は、光束分割素子1・対物レンズ2を有し、波長λの光束を厚さt1の透明基板を有する2層タイプの第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させ、波長λの光束を厚さt2(t1<t2)の透明基板を有する2層タイプの第2の光記録媒体の情報記録面に集光させる。光束分割素子1は、光束を第1、第2の光記録媒体のいずれかの情報記録面に集光させる領域に分割されている。第1の光記録媒体用領域を透過する光束が対物レンズ2により集光する位置と第2の光記録媒体用領域を透過する光束が対物レンズ2により集光する位置が異なるようにいずれか一方の領域は負又は正のパワーを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数種類の異なる厚みを有する光記録媒体に対して情報を記録または再生可能な対物レンズ光学系、光束分割素子及び光ピックアップ光学系に関する。
従来より、CD(Compact Disc:CD−RなどのCDを含む)やDVD(Digital Versatile Disc)などの種類が異なる光ディスクをともに再生することができるようにした互換型光ディスク装置が提案されている。CDやDVDなど(以下、これらをまとめて光ディスクという)は、いずれも透明な基板が用いられ、この透明基板の一方の面に情報記録面が設けられている。そして、光ディスクは、透明基板を2枚、それらの情報記録面を向かい合わせにして貼り合わせた構成をなすか、あるいは、かかる透明基板を透明な保護基板と、透明基板の情報記録面が保護基板と向かい合うようにして貼り合わせた構成をなしている。
かかる構成の光ディスクに記憶された情報信号を再生する場合には、光ディスク装置により光源からのレーザビームを光ディスクの情報記録面に透明基板を介して集光させる必要がある。レーザビームは、CDにおいては波長が780nm近傍でNAが0.45〜0.53で用いられ、DVDにおいては波長が650nm近傍でNAが0.60〜0.67で用いられている。また、CDにおいて用いられる透明基板の厚さは1.2mmであるのに対して、DVDにおいて用いられる透明基板の厚さは0.6mmであり、光ディスクの種類(レーザビームの波長の違い)に応じて情報記録面が設けられている透明基板の厚さは異なっている。種類が異なる光ディスクを再生する互換型光ディスク装置では、光ディスクの種類に応じて透明基板の厚さが異なっても、レーザビームを情報記録面に集光させる必要がある。
このような互換型光ディスク装置としては、ピックアップに光ディスクの種類毎に対物レンズを設け、使用する光ディスクの種類に応じて対物レンズを交換したり、光ディスクの種類毎にピックアップを設け、使用する光ディスクの種類に応じてピックアップを交換したりすることが考えられる。しかしながら、コストの面や装置の小型化を実現するためには、対物レンズとして、光ディスクのいずれの種類にも同じレンズを用いることができるようにすることが望ましい。
かかる対物レンズの一代表例として、特許文献1に記載のものがある。この文献に記載された対物レンズは、半径方向に3以上の輪帯状レンズ面に区分され、1つおきの輪帯状レンズ面と他の1つおきの輪帯状レンズ面とは屈折力を異にしている。そして、同一波長のレーザビームに対し、1つおきの輪帯状レンズ面が、例えば、薄い透明基板(0.6mm)の光ディスク(DVD)の情報記録面にレーザビームを集光させ、他の1つおきの輪帯状レンズ面が、例えば、厚い透明基板(1.2mm)の光ディスク(CD)の情報記録面にレーザビームを集光させる。
また、他の代表例として、特許文献2に記載のものがある。この文献には、薄い透明基板のDVDに対しては、短波長(635nmまたは650nm)のレーザビームを使用し、厚い透明基板のCDに対しては、長波長(780nm)のレーザビームを使用する光ディスク装置が開示されている。この光ディスク装置は、これらレーザビームに共通に使用される対物レンズを有している。そして、この対物レンズは、正のパワーを有する屈折レンズの一方の面に輪帯状の微細な段差が密に設けられてなる回折レンズ構造が形成されたものである。かかる回折レンズ構造は、薄い透明基板のDVDに対して短波長のレーザビームの回折光を、厚い透明基板のCDに対して長波長のレーザビームの回折光を情報記録面に集光するように設計されている。そして、いずれの回折光も同一次数の回折光を情報記録面に集光するように設計されている。なお、DVDに対して短波長のレーザビームを用いるのは、CDに比べてDVDの記録密度は高く、このために、ビームスポットを小さく絞る必要があるためである。よく知られているように、光スポットの大きさは、波長に比例し、開口数NAに反比例する。
また、他の代表例として、特許文献3に記載のものがある。この文献には、薄い0.6mm厚の透明基板に対しては、短波長680nmのレーザビームを使用し、厚い1.2mm厚の透明基板のCDに対しては、長波長(780nm)のレーザビームを使用する光ディスク装置の対物レンズが開示されている。この対物レンズにおいてはレンズ面をリング状の複数の領域に分割し、それぞれの領域がいずれかの波長と基板厚の光ディスクに集光する。
特開平9−145995号公報 特開2000−81566号公報 特開平7−302437号公報
近年提案されている新しい光ディスク装置の一つとして、記録密度の向上のために波長405nm程度の青色レーザを用いるブルーレイ(Blu−ray)とHDDVD互換の光ディスク装置が提案されている。ブルーレイは波長405〜408nmの光束に対するNAは0.85で透明基板の厚みは2層光ディスクと1層光ディスクの両方を考慮すると0.075〜0.1mmである。またHDDVDでは波長405〜408nmの光束に対するNAは0.65で透明基板の厚みは0.6mmである。したがって、同一波長のレーザービームによって記録再生される2種類の厚みの異なる光ディスクを互換する装置が今後必要とされている。
しかしながら、上記特許文献1では、DVD、CDについての記述はあるが、ブルーレイやHDDVDなどについての記述は無い。使用レーザーの波長が短いと同一の光線収差(mm)に対する波面収差量は波長に反比例して増加し、またNAが大きいと、例えば3次球面収差がNAの4乗に比例して増加するため、収差補正は難易度が増す。
このように波長やNAがDVDやCDとは異なるブルーレイやHDDVDについて、すなわち上記特許文献1で述べられていたDVDやCDに比べて短波長でしかも大きいNAが必要とされるブルーレイやHDDVDについて同一の対物レンズまたは対物レンズ光学系または光ピックアップ光学系で集光して所望の光スポット形状を得るのは、特許文献1に記載された技術をもって実現するのは困難である。
また、上記特許文献2では、回折レンズ構造による回折光を利用しているため、異なる波長の光束でないと異なる厚みの透明基板に対応できず、同一またはほぼ同一波長で異なる厚みの透明基板の場合には特許文献2の技術は使えない。特許文献3においては、同一波長の光束によって記録再生される2種類の厚みの異なる光ディスクを互換するための技術は開示されていない。
本願の出願人は、このような従来例の問題を解消する対物レンズ光学系を、先願(特願2006−134311)において提案した。しかしながら、この先願では、位相板はパワーを有しないため、ブルーレイ用領域と対物レンズからなる光学系の焦点距離とHDDVD用領域と対物レンズからなる光学系の焦点距離とは等しい。
このとき、ブルーレイディスクに対して情報を記録再生する場合に、HDDVD用領域を通過した光束の結像位置は、厚みの違いによる球面収差の影響で一点にはならずにばらつきを有する。同様に、HDDVDに対して情報を記録再生する場合に、ブルーレイ用領域を通過した光束の結像位置は、厚みの違いによる球面収差の影響で一点にはならずにばらつきを有する。
ここで、ブルーレイディスク201及びHDDVDディスク202は高記録密度を実現するために、情報記録面が2面ある2層タイプのディスクも検討され、実用化されているが、本件発明者等は、このような2層タイプのディスクを記録再生を行う場合に、上述の結像位置のずれ、即ち偽スポットの発生が問題となることを見出した。この問題とは、ブルーレイディスクに対して記録再生する場合に、HDDVD用領域を通過した光束の結像位置が記録再生しようとするレイヤ以外のレイヤに位置し、誤書込み、誤消去、あるいはフォーカスサーボのエラーを招く恐れが発生するというものである。同様に、HDDVDに対して情報を記録再生する場合に、ブルーレイ用領域を通過した光束の結像位置が記録再生しようとするレイヤ以外のレイヤに位置し、誤書込み、誤消去、あるいはフォーカスサーボのエラーを招く恐れが発生するという問題である。
本発明は、かかる問題を解消するためになされたものであり、同一波長の光束を用いて厚さが異なり、かつ少なくとも2以上の情報記録面を有する光記録媒体につき記録再生を行うことが可能な対物レンズ光学系、光束分割素子及び光ピックアップ光学系を提供することにある。
本発明にかかる対物レンズ光学系は、光束分割素子及び対物レンズを有し、波長λの光束を厚さt1の透明基板を有する第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させ、且つ、波長λの光束を厚さt2(t1<t2)の透明基板を有する第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させる対物レンズ光学系であって、前記第1の光記録媒体と第2の光記録媒体のいずれか一方は2層以上の情報記録面を有し、少なくとも前記光束分割素子の一面は、透過する光束を前記対物レンズを介して第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第1の光記録媒体用領域と、透過する光束を前記対物レンズを介して第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第2の光記録媒体用領域に分割され、第1の光記録媒体用領域と第2の光記録媒体用領域のいずれか一方を透過した光束が対応する光記録媒体において集光する位置の近傍に、他の領域を透過した光束が集光しないように、少なくともいずれか一方の領域は負又は正のパワーを有するものである。
ここで、前記第1の光記録媒体は、少なくとも第1の情報記録面及び第2の情報記録面を有し、第1の光記録媒体の第1の情報記録面上に光束を集光させる場合に、第2の光記録媒体用領域を透過した光束が前記第1の光記録媒体の第2の情報記録面に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることが好ましい。
また、前記第2の光記録媒体は、少なくとも第1の情報記録面及び第2の情報記録面を有し、第2の光記録媒体の第1の情報記録面上に光束を集光させる場合に、第1の光記録媒体用領域を透過した光束が前記第2の光記録媒体の第2の情報記録面に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることが好ましい。
さらに、前記第1の光記録媒体の情報記録面上に光束を集光させる場合に第2の光記録媒体用領域を透過した光束をt1+0.015mm〜t1+0.035mm及びt1−0.015mm〜t1−0.035mmからなる範囲、第2の光記録媒体に光束を集光させる場合に第1の光記録媒体用領域を透過した光束をt2+0.015mm〜t2+0.035mm及びt2−0.010mm〜t2−0.035mmからなる範囲に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることが望ましい。
特に、前記第2の光記録媒体用領域は、凹レンズ面となるような曲率半径を有していることが望ましい。前記第2の光記録媒体用領域は、回折構造を有するように構成してもよい。
前記第1の光記録媒体用領域は平面であることが望ましい。また、複数の第1の光記録媒体用領域のうち、いずれか1つの領域は、他の領域と光軸方向に異なる高さに形成され、当該高さの差は、mλ(mは整数)であることが望ましい。さらに、前記光束分割素子において、複数の領域に分割された面と反対側の面は、平面であることが好ましい。
好適な実施の形態において、前記光束分割素子の一面に形成された複数の領域は、光軸を中心として同心円状に分割されている。また、前記波長λの光源は青色レーザであり、かつ0.075mm<t1<0.125mm、0.575mm<t2<0.625mmである。さらに、前記第1の光記録媒体に対する焦点距離よりも前記第2の光記録媒体に対する焦点距離の方が長いこと好ましく、前記複数の領域は5以上から構成されていることがさらに好ましい。また、前記対物レンズのレンズ面は前記第1の光記録媒体に対して収差補正がなされるよう設計されていることが望ましい。ここで、収差補正がなされているとは、RMS波面収差で0.070λrms以下、さらに望ましくは光ピックアップ全体での収差が0.070λrms以下となるように0.040λrms以下となることをいう。ここで、前記第1の光記録媒体に対応するNAの方が、前記第2の光記録媒体に対応するNAよりも大きいことが好ましい。
本発明にかかる光束分割素子は、波長λの光束を厚さt1の透明基板を有する第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させ、且つ、波長λの光束を厚さt2(t1<t2)の透明基板を有する第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させる対物レンズの入射側に設けられる光束分割素子であって、前記第1の光記録媒体と第2の光記録媒体のいずれか一方は2層以上の情報記録面を有し、少なくとも一面は、透過する光束を前記対物レンズを介して第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第1の光記録媒体用領域と、透過する光束を前記対物レンズを介して第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第2の光記録媒体用領域に分割され、第1の光記録媒体用領域と第2の光記録媒体用領域のいずれか一方を透過した光束が対応する光記録媒体において集光する位置の近傍に、他の領域を透過した光束が集光しないように、少なくともいずれか一方の領域は負又は正のパワーを有する。
ここで、前記第1の光記録媒体は、少なくとも第1の情報記録面及び第2の情報記録面を有し、第1の光記録媒体の第1の情報記録面上に光束を集光させる場合に、第2の光記録媒体用領域を透過した光束が前記第1の光記録媒体の第2の情報記録面に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることが望ましい。
また、前記第2の光記録媒体は、少なくとも第1の情報記録面及び第2の情報記録面を有し、第2の光記録媒体の第1の情報記録面上に光束を集光させる場合に、第1の光記録媒体用領域を透過した光束が前記第2の光記録媒体の第2の情報記録面に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることが好ましい。
さらに、前記第1の光記録媒体の情報記録面上に光束を集光させる場合に第2の光記録媒体用領域を透過した光束をt1+0.015mm〜t1+0.035mm及びt1−0.015mm〜t1−0.035mmからなる範囲、第2の光記録媒体に光束を集光させる場合に第1の光記録媒体用領域を透過した光束をt2+0.015mm〜t2+0.035mm及びt2−0.010mm〜t2−0.035mmからなる範囲に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることが好ましい。
また、前記第2の光記録媒体用領域は、凹レンズ面となるような曲率半径を有していることをが望ましい。前記第2の光記録媒体用領域は、回折構造を有していてもよい。
また、前記第1の光記録媒体用領域は平面であることが望ましい。複数の第1の光記録媒体用領域のうち、いずれか1つの領域は、他の領域と光軸方向に異なる高さに形成され、当該高さの差は、mλ(mは整数)であるようにしてもよい。さらに光束分割素子において、複数の領域に分割された面と反対側の面は、平面であることが望ましい。
好適な実施の形態において、前記光束分割素子の一面に形成された複数の領域は、光軸を中心として同心円状に分割されている。また、前記波長λの光源は青色レーザであり、かつ0.075mm<t1<0.125mm、0.575mm<t2<0.625mmである。そして、前記第1の光記録媒体に対する焦点距離よりも前記第2の光記録媒体に対する焦点距離の方が長い。さらに、前記複数の領域は5以上から構成されている。
本発明にかかる光ピックアップ光学系は、光束分割素子及び対物レンズを有し、波長λの光束を厚さt1の透明基板を有する第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させ、且つ、波長λの光束を厚さt2(t1<t2)の透明基板を有する第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させる光ピックアップ光学系であって、前記第1の光記録媒体と第2の光記録媒体のいずれか一方は2層以上の情報記録面を有し、少なくとも前記光束分割素子の一面は、透過する光束を前記対物レンズを介して第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第1の光記録媒体用領域と、透過する光束を前記対物レンズを介して第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第2の光記録媒体用領域に分割され、第1の光記録媒体用領域と第2の光記録媒体用領域のいずれか一方を透過した光束が対応する光記録媒体において集光する位置の近傍に、他の領域を透過した光束が集光しないように、少なくともいずれか一方の領域は負又は正のパワーを有するものである。
本発明によれば、同一波長の光束を用いて厚さが異なり、かつ少なくとも2以上の情報記録面を有する光記録媒体につき記録再生を行うことが可能な対物レンズ光学系、光束分割素子及び光ピックアップ光学系を提供することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図13に、本実施の形態にかかる対物レンズ光学系のブルーレイ、HDDVDそれぞれの仕様を示す。図13に示されるように、ブルーレイとHDDVDは、波長は同じであるが、基板厚が異なるため、一方の光ディスクに対して最適化された対物レンズを他方の光ディスクに対して使用した場合には、基板厚さの違いによる球面収差が発生し、良好な記録再生を実現できない。本実施の形態にかかる対物レンズ光学系では、このような球面収差の発生を抑制するために、光束分割素子を設けることとした。
本実施の形態において使用されるブルーレイ及びHDDVDは、それぞれ情報記録面が2層ある、いわゆる2層タイプのディスクである。本発明にかかる対物レンズ系は、2層よりも多い3層以上のディスクに対しても適用可能である。
図1を用いて、本実施の形態にかかる対物レンズ光学系の構成について説明する。本実施の形態にかかる対物レンズ光学系100は、光束分割素子1と対物レンズ2が鏡筒3内に紫外線硬化性の接着剤等により固定されて構成されている。ここで、鏡筒3は、例えば、プラスチックにより構成される。
光束分割素子1の入射面は、光軸を中心とした同心円状の複数の領域に分割されている。かかる複数の領域は5以上であることが好ましい。なお、ここでいう領域は、面形状が異なっていたり、隣り合う領域間に段差が設けられていたりと形状的に区別される。
各領域をブルーレイ、HDDVDのいずれかに対して収差補正を行う面形状としたため、それぞれのディスクに対応したレンズを複数個設けることなく、ブルーレイ、HDDVDの互換を実現することができる。これにより、光ピックアップに光路の切り替えを行う機構を設ける必要がなくなり、光ピックアップの小型化、低コスト化が可能となる。
より具体的には、図1に示されるように、光束分割素子1では、ブルーレイ用領域11及びHDDVD用領域12の2種類の同心円状の領域に分割されており、ブルーレイ用領域11、HDDVD用領域12が光軸から外側に向かって交互に配置されている。当該光束分割素子1の最外周の領域は、必然的にNAの大きいブルーレイ用領域11である。本実施の形態にかかる光束分割素子1のブルーレイ用領域11は平面であり、HDDVD用領域12は全体として凹レンズ面となるような曲率半径を有する。ここで、ブルーレイ用領域11は、平面でなくとも凸レンズ面であってもよい。光束分割素子1の出射面は、平面である。
複数のブルーレイ用領域11のうち、いずれか1つの領域は、他の領域と光軸方向に異なる高さに形成するようにしてもよい。即ち、複数のブルーレイ用領域11は相互に板厚が異なるようにしてもよい。例えば、凹レンズ面とされたHDDVD領域12では外側に近づくほど光線方向の高さが高くなるため、ブルーレイ用領域11も同様に外側に近づくほど光線方向の高さを高くし、HDDVD領域12との段差が少なくなるようにする。但し、高さの差(板厚の差)は、位相ずれが生じないようにmλ(mは整数)とする必要がある。このような構成とすることにより、ブルーレイ用領域11とHDDVD用領域との光線方向の高さの差、即ち段差量を少なくすることができるため、金型製造が容易であり、成型性も良くなる。ここで、ブルーレイ用領域11について板厚をmλ分だけ変えたとしても、環境温度の変化によって入射光束の波長変動や光束分割素子1の屈折率の変動が生じると、mλ分だけ変えた部分に収差が発生しうる。かかる収差発生を抑制するという観点からすれば、ブルーレイ用領域11における光束分割素子1の厚さを変えずに、光線方向に平行移動することによって、当該段差量を少なくすることも可能である。
なお、ここでは、ブルーレイ用領域11とHDDVD用領域12とを交互に配置したが、交互でなくてもよい。前述したように領域は形状的に区別されるものであり、例えば各領域内に色収差を補正するような構成を設けることも可能である。また、ブルーレイ用領域11とHDDVD用領域12を同心円状ではなく、光軸を中心として放射状に分割するようにしてもよい。また、光束分割素子1の一方の面(入射面又は出射面)を平面とすることにより、光束分割素子1の入射面と出射面の偏心を考慮する必要がなくなるため、製造の観点からすると有利となる。また、光束分割素子1の一面は、集光距離を大きくずらすためには、ブルーレイ用領域11とHDDVD用領域12の専用領域のみで構成することが好ましいが、光軸近傍にブルーレイとHDDVDの共通領域を設けることを妨げるものではない。
光束分割素子1は、ガラスやプラスチックによって構成することが可能であるが、各領域の成型性の観点からすると、プラスチックであることが好ましい。
対物レンズ2は、基板厚の薄いディスクであるブルーレイディスクに対して収差補正がなされている。即ち、この対物レンズ2は、ブルーレイディスク専用レンズである。ブルーレイディスク専用レンズは、NAが大きいため、収差補正が困難な外側領域に専用ブルーレイ用の専用領域を設けることができる点において、HDDVD専用レンズを用いる場合に比べて有利である。
対物レンズ2は、例えば、ガラスやプラスチックによって構成することが可能であるが、温度変化時の屈折率変化が小さく、発生する収差量が少ないという利点を有するガラスの方がより好ましい。当該対物レンズ2としては、さらに好ましくはレーザ波長変化時の屈折率変化が小さく、発生する収差量が小さいアッベ数νd>40以上のガラスがよい。
図1に示す対物レンズ光学系100に対して入射した光束の挙動について説明する。図示しない光源から出射された光束(レーザ光)は、ビームスプリッタやコリメータレンズを経て対物レンズ光学系100に入射する。この対物レンズ光学系100に入射する光は略平行光である。
ブルーレイディスク201を所定位置に配置し、これを再生記録する場合に、光源からの光束はブルーレイ用領域11及びHDDVD用領域12の双方に入射する。ブルーレイ用領域11に入射した光束は、当該ブルーレイ用領域11は平面であるため屈折せずに対物レンズ2に入射する。対物レンズ2は、上述のように、ブルーレイディスク201に対して収差補正されているため、この対物レンズ2に入射した光束は、ブルーレイディスク201の情報記録面に集光する。
他方で、ブルーレイディスク201を再生記録する場合に、HDDVD用領域12に入射した光束は、当該HDDVD用領域12が凹レンズ面であるため発散光に変換された後に、対物レンズ2に入射する。対物レンズ2に入射した光束は、発散光であるため大きな球面収差を発生し、ブルーレイディスク201の情報記録面には集光しない。したがって、光源から出射され、対物レンズ光学系100に入射した光束のうち、ブルーレイ用領域11を通過した光のみがブルーレイディスク201の情報記録面に集光することになる。
次に、HDDVDディスク202を所定位置に配置し、これを再生記録する場合に、光源からの光束はブルーレイ用領域11及びHDDVD用領域12の双方に入射する。HDDVD用領域12に入射した光束は、当該HDDVD用領域12が凹レンズ面であるため発散光に変換された後に、対物レンズ2に入射する。対物レンズ2に入射した光束は、発散光であるため焦点距離が長くなるため、ワーキングディスタンスを長くした状態のままで、基板厚さが厚いHDDVDディスク202の情報記録面に集光させることが可能となる。
他方で、HDDVDディスク202を再生記録する場合に、ブルーレイ用領域11に入射した光束は、当該ブルーレイ用領域11は平面であるため屈折せずに対物レンズ2に入射する。対物レンズ2は、上述のように、ブルーレイディスク201に対して収差補正され、厚さの異なるHDDVDディスク202に対して収差補正されていないため、この対物レンズ2に入射した光束は、HDDVDディスク202の情報記録面には集光しない。したがって、光源から出射され、対物レンズ光学系100に入射した光束のうち、HDDVD用領域12を通過した光のみがHDDVDディスク202の情報記録面に集光することになる。
ここで、対物レンズ2からディスク200の表面までの作動距離(ワーキングディスタンス)は、ブルーレイよりもHDDVDの方が、基板厚が厚い分だけ不利となる。特に、対物レンズ光学系を薄型ドライブに適用する場合、対物レンズ光学系の焦点距離が短くなるため、対物レンズ2とディスク200の衝突が発生する恐れがあるのでワーキングディスタンスの確保が重要となる。そこで、本実施の形態に係る対物レンズ光学系100では基板厚が厚いHDDVDディスク202の焦点距離を長くするようHDDVD用領域12を凹レンズ面となる曲率半径で構成し、HDDVDのワーキングディスタンスを確保することとした。
なお、ここでの焦点距離の差が大きいほど、ブルーレイ用領域11、HDDVD用領域12からの光束の集光位置が離れるため、不要光の影響が軽減され、光スポットの形成に有利となる。
図2に示されるように、本実施の形態では、ブルーレイディスク201に1層目のレイヤ1と2層目のレイヤ2があるとする。このとき、ブルーレイディスク201のレイヤ1に記録再生を行う際に、ブルーレイ用領域11を透過した光束はレイヤ1に集光するが、HDDVD用領域12を透過した光束は、このレイヤ2に集光する可能性がある。ブルーレイディスク201のレイヤ2に誤って光束が集光すると、誤書込み、誤消去、あるいはフォーカスサーボのエラーを招く恐れがある。従って、本実施の形態では、ブルーレイディスク201のレイヤ1に記録再生を行う際に、HDDVD用領域12を透過した光束がレイヤ2に集光することがないようなレンズ面を当該HDDVD用領域12が有している。
また、ブルーレイディスク201のレイヤ2に記録再生を行う際に、HDDVD用領域12を透過した光束がレイヤ1に集光することがないようなレンズ面を当該HDDVD用領域12が有している。
同様に、図3に示されるように、HDDVDディスク202に1層目のレイヤ1と2層目のレイヤ2があるとする。このとき、HDDVDディスク202のレイヤ1に記録再生を行う際に、HDDVD用領域12を透過した光束はレイヤ1に集光するが、ブルーレイ用領域11を透過した光束は、このレイヤ2に集光する可能性がある。HDDVDディスク202のレイヤ2に誤って光束が集光すると、誤書込み、誤消去、あるいはフォーカスサーボのエラーを招く恐れがある。従って、本実施の形態では、HDDVDディスク202のレイヤ1に記録再生を行う際に、ブルーレイ用領域11を透過した光束がレイヤ2に集光することがないようなレンズ面を当該ブルーレイ用領域11が有している。
また、HDDVDディスク202のレイヤ2に記録再生を行う際に、ブルーレイ用領域11を透過した光束がレイヤ1に集光することがないようなレンズ面を当該ブルーレイ用領域11が有している。
このように、本実施の形態にかかる光束分割素子1では、2層ディスクに対しても良好な記録再生を実現するように、光学設計されている。
図12に光束分割素子1の変形例を示す。図12(a)に示す例では、光束分割素子1の入射面にブルーレイ用領域11a及びHDDVD用領域12aを設けるとともに、出射面にもブルーレイ用領域11b及びHDDVD用領域12bを設けている。このとき、HDDVD用領域12bは、凹レンズ面となるような曲率半径を有し、ブルーレイ用領域11bは平面である。図12(a)に示す例のように、入射面と出射面の双方において、その一部の領域にレンズ面を設けるようにすると、一方の面のみに設ける場合に比べて画角特性が向上する。
図12(b)に示す例では入射面は平面であり、出射面のみにブルーレイ用領域11b及びHDDVD用領域12bが設けられている。このとき、ブルーレイ用領域11bは平面であり、HDDVD用領域12bは凹レンズ面となるような曲率半径を有する。
図12(c)に示す例では、出射面は平面であり、入射面のみブルーレイ用領域13及びHDDVD用領域14が設けられている。このとき、ブルーレイ用領域13は正のパワーを有する凸レンズ面となるような曲率半径を有し、HDDVD用領域14は凸レンズ面となるような曲率半径を有する。入射面を平面とし、出射面のみブルーレイ用領域13及びHDDVD用領域14を設けるようにしてもよく、入射面と出射面の双方にブルーレイ用領域13及びHDDVD用領域14を設けるようにしてもよい。
図12に示す構成によっても、同一波長の光束を用いて厚さの異なる光記録媒体につき記録再生を行うことが可能となる。
なお、上述の例では、光束分割素子1の少なくとも1面の一部の領域に凹レンズ面又は凸レンズ面となるような曲率半径を有するようにしたが、これに限らず、回折構造を形成することによって、負のパワー若しくは正のパワーを発生させてもよい。また、上述の例では、光束分割素子1に対して平行光が入射することを前提として設計したが、これに限らず、発散光又は収束光が当該光束分割素子1に入射するようにし、出射光が対物レンズ2で集光するように、光束分割素子1及び対物レンズ2の面形状を設計するようにしてもよい。
なお、各領域における形状にはさまざまな組み合わせが含まれる。ブルーレイ用領域13が凹レンズ形状でHDDVD用領域14が凸レンズ形状の場合や、ブルーレイ用領域13が凸レンズ形状でHDDVD用領域14が凹レンズ形状の場合は適用可能であるが、これらの場合の対物レンズはどのようなレンズでもよい。ブルーレイ用領域13が平板形状でHDDVD用領域14が凹レンズ形状又は凸レンズ形状の場合は適用可能であるが、これらの場合の対物レンズは、ブルーレイ専用レンズである。HDDVD用領域14が平板形状でブルーレイ用領域13が凹レンズ形状又は凸レンズ形状の場合は適用可能であるが、これらの場合の対物レンズは、HDDVD専用レンズである。ブルーレイ用領域13が凹レンズ形状でHDDVD用領域14も凹レンズ形状の場合、ブルーレイ用領域13が凸レンズ形状でHDDVD用領域14も凸レンズ形状の場合は、不可能ではないが現実的ではない。ブルーレイ用領域13とHDDVD用領域14が双方ともパワーのない平板形状の場合は適用されない。
実施例.
本実施例の対物レンズ光学系の設計結果を図14に、レンズデータを図15にそれぞれ示す。また、本実施例の対物レンズの面形状データを図16に、同光束分割素子の面形状データを図17に、同光束分割素子における領域の位置を図18に示す。図14に示されるように、ブルーレイの焦点距離はf=1.765mm 、HDDVDの焦点距離はf=1.840mmと、HDDVDの焦点距離の方がブルーレイのそれよりも長くなっている。本実施例ではHDDVD領域の曲率半径を凹レンズ面となるように設定し、焦点距離をブルーレイより長くなるようにした。その結果HDDVD領域を平面、凸レンズ面で構成した時よりもワーキングディスタンスをより確保できている。
図14に示されるように、ブルーレイ、 HDDVDでは、それぞれ像側開口数NAが0.85, 0.65と異なるためレンズの有効径が異なる。従来のDVD,CD等の互換では波長が異なるため、波長選択フィルタ等で利用した開口制限素子を使用し、波長に応じてこの有効径の切り替えを行うことが可能であった。
しかし、本発明では同一波長での互換を対象としているため、波長選択フィルタ等は使用できない。そこで本実施例においては、HDDVDの有効径外のブルーレイ領域をHDDVDで使用時、球面収差を発生させるような形状とし、さらにブルーレイとHDDVDの焦点距離をずらしたことでのデフォーカス効果を利用し、大きな波面収差が発生させることで、開口制限の役割を持たせた構造とした。これにより光ピックアップ内に開口制限素子を別途設けることなく有効径の切り替えを実現している。
また、図16に示される面形状データは、下記の式で表している。
Figure 2008117472
・・・・・式(1)
式(1)において、光軸からの高さがhとなる非球面上の座標点における非球面の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をZj(h)、非球面の光軸上での曲率(1/曲率半径)をC、コーニック係数をK、4次から16次までの非球面係数をそれぞれA、A、A、A10、A12、A14、A16としている。
図4、5に本実施例の対物レンズ光学系のブルーレイ、HDDVDそれぞれでの光スポット図を示す。1/eスポット径はブルーレイで0.360μm、HDDVDで0.465μm、サイドローブはブルーレイで2.43%、HDDVDで2.61%である。
ブルーレイ、HDDVDそれぞれでの1/eスポット径の理論値はブルーレイで0.39μm以下 、HDDVDで0.51μm以下であるから、本実施例の対物レンズ光学系は実使用上問題ない光スポットが得られているのが分かる。なお、本発明においては光束分割素子の各領域の面形状、領域数を変化させることで、1/eスポット径、サイドローブの制御が可能である。
次に本実施例にかかる対物レンズ光学系の2層ディスクへの適応性を確認するため、光スポット強度のディスク厚依存性を図6〜図9に示す。これはある層に記録再生を行う際、記録再生を行っている層から、+15〜+35μm(図6,図8)、−15〜−35μm(図7,図9)の位置に、記録再生を行っている層での光強度を100%とした場合、どの程度の強度の光スポットが形成されているかを示した図である。この強度が大きければ、別の層に光束が集光されていることとなり、誤書込み、誤消去、フォーカスサーボのエラーを招く。本実施例の結果と比較するために、後述する比較例の結果も示す。ここで、図において、+15μm又は−15μmよりも外側の領域についてデータを示したのは、第1層と第2層の間の距離が25±5μmであるため、+15μm〜−15μmの領域では、他の層に対して光スポットが形成されないからである。図からわかる通り、本実施例の対物レンズ光学系を用いることで他層への集光が制御されていることがわかる。従って、本発明の対物レンズ光学系を用いることで2層ディスクに対しても良好な記録再生を実現できる。
また、図24(a)に本実施例にかかる対物レンズ光学系を用いてHDDVDのレイヤ1に対して記録再生を行う場合の光線図を示す。図に示されるように、HDDVD用領域12を透過し対物レンズ2を介して入射した光束は当該レイヤ1に集光している一方で、ブルーレイ用領域11を透過し対物レンズ2を介して入射した光束はレイヤ2とは大きくかけ離れた位置において集光していることが分かる。従って、本発明の対物レンズ光学系を用いることで2層ディスクに対しても良好な記録再生を実現できることが分かる。
なお、光束が所定位置において集光しているかどうかは、検出器での和信号から確認することも可能である。前記範囲のデフォーカス位置に光束が集光されている場合、集光位置で和信号の強度が増大する。従って、所定範囲における和信号強度が情報記録面における和信号強度の5分の1以下、望ましくは10分の1以下に抑えられている状態を、集光が抑制されていると判断できる。また、図15における面番号7の面間距離が実施例におけるワーキングディスタンスを示し、ブルーレイに対しては0.623mm、HDDVDに対しては0.466mmであった。この値は、光ヘッドとディスクが接触するという問題を解決する上で望ましいワーキングディスタンスの条件である「0.3mm以上」を満足するものである。これに対して、後述する比較例では、図20に示されるように、ブルーレイに対しては0.4614mmだが、HDDVDは0.1453mmであり、当該条件を充足しなかった。
比較例.
本比較例の対物レンズ光学系の設計結果を図19に、レンズデータを図20にそれぞれ示す。また、本比較例の対物レンズの面形状データを図21に、同光束分割素子の面形状データを図22に、同光束分割素子における領域の位置を図23に示す。図19に示されるように、実施例とは異なり比較例では、ブルーレイ、HDDVDともに焦点距離は同じとなっている。
光束分割素子の面形状はブルーレイ、HDDVD領域で曲率半径は同じ、HDDVD領域の非球面係数のみ使用し、ブルーレイ、HDDVDの基板厚差で発生する球面収差の補正のみ考慮している。
図10,図11に比較例の対物レンズ光学系におけるブルーレイ、HDDVDでの光スポット図を示す。1/eスポット径はブルーレイで0.377μm、HDDVDで0.515μmである。また、サイドローブは、ブルーレイで1.88%、HDDVDで1.76%となり問題ない結果となっている。
前述したとおり、光スポット強度のディスク厚依存性を図6〜図9に示す。ブルーレイにおいて−20μm付近に4%程度、HDDVDにおいては15μm付近で8%程度の強度の光スポットが形成されており、全体的にみても実施例と比較して強度の大きいスポットが形成されている。従って比較例の対物レンズ光学系の場合、2層ディスクでの誤書込み、誤消去、フォーカスサーボでのエラー等が発生しやすく、2層ディスクに対して良好な記録再生が行えない可能性がある。
また、図24(b)に本比較例にかかる対物レンズ光学系を用いてHDDVDのレイヤ1に対して記録再生を行う場合の光線図を示す。図に示されるように、HDDVD用領域12を透過し対物レンズ2を介して入射した光束は当該レイヤ1に集光している一方で、ブルーレイ用領域11を透過し対物レンズ2を介して入射した光束もレイヤ2の近傍で集光していることが分かる。このため、比較例の対物レンズ光学系の場合、2層ディスクでの誤書込み、誤消去、フォーカスサーボでのエラー等が発生しやすく、2層ディスクに対して良好な記録再生が行えない可能性がある。
本実施の形態にかかる対物レンズ光学系の概略構成図である。 本実施の形態にかかる対物レンズ光学系を用いて2層ディスクに対して記録再生を行った場合の問題点を説明するための図である。 本実施の形態にかかる対物レンズ光学系を用いて2層ディスクに対して記録再生を行った場合の問題点を説明するための図である。 本実施例にかかる対物レンズ光学系に対してブルーレイディスク用の光束を照射した場合の光スポット図である。 本実施例にかかる対物レンズ光学系に対してHDDVD用の光束を照射した場合の光スポット図である。 本実施例にかかる対物レンズ光学系に対してブルーレイディスク用の光束を照射した場合の光強度のディスク厚依存性を示すグラフである。 本実施例にかかる対物レンズ光学系に対してブルーレイディスク用の光束を照射した場合の光強度のディスク厚依存性を示すグラフである。 本実施例にかかる対物レンズ光学系に対してHDDVD用の光束を照射した場合の光強度のディスク厚依存性を示すグラフである。 本実施例にかかる対物レンズ光学系に対してHDDVD用の光束を照射した場合の光強度のディスク厚依存性を示すグラフである。 比較例にかかる対物レンズ光学系に対してブルーレイディスク用の光束を照射した場合の光強度のディスク厚依存性を示すグラフである。 比較例にかかる対物レンズ光学系に対してHDDVD用の光束を照射した場合の光強度のディスク厚依存性を示すグラフである。 本実施の形態にかかる光束分割素子の一部拡大図である。 ブルーレイ及びHDDVD仕様の比較表である。 本実施例にかかる対物レンズ光学系の設計データを示す表である。 本実施例にかかる対物レンズ光学系のレンズデータを示す表である。 本実施例にかかる対物レンズの面形状データを示す表である。 本実施例にかかる光束分割素子の面形状データを示す表である。 本実施例にかかる光束分割素子における領域位置を示す表である。 本比較例にかかる対物レンズ光学系の設計データを示す表である。 本比較例にかかる対物レンズ光学系のレンズデータを示す表である。 本比較例にかかる対物レンズの面形状データを示す表である。 本比較例にかかる光束分割素子の面形状データを示す表である。 本比較例にかかる光束分割素子における領域位置を示す表である。 本実施例と本比較例にかかる光束分割素子における光線図である。
符号の説明
1 光束分割素子
2 対物レンズ
3 鏡筒
11 ブルーレイ用領域
12 HDDVD用領域
100 対物レンズ光学系
200 ディスク
201 ブルーレイディスク
202 HDDVDディスク

Claims (29)

  1. 光束分割素子及び対物レンズを有し、波長λの光束を厚さt1の透明基板を有する第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させ、且つ、波長λの光束を厚さt2(t1<t2)の透明基板を有する第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させる対物レンズ光学系であって、
    前記第1の光記録媒体と第2の光記録媒体のいずれか一方は2層以上の情報記録面を有し、
    少なくとも前記光束分割素子の一面は、透過する光束を前記対物レンズを介して第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第1の光記録媒体用領域と、透過する光束を前記対物レンズを介して第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第2の光記録媒体用領域に分割され、
    第1の光記録媒体用領域と第2の光記録媒体用領域のいずれか一方を透過した光束が対応する光記録媒体において集光する位置の近傍に、他の領域を透過した光束が集光しないように、少なくともいずれか一方の領域は負又は正のパワーを有する対物レンズ光学系。
  2. 前記第1の光記録媒体は、少なくとも第1の情報記録面及び第2の情報記録面を有し、
    第1の光記録媒体の第1の情報記録面上に光束を集光させる場合に、第2の光記録媒体用領域を透過した光束が前記第1の光記録媒体の第2の情報記録面に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ光学系。
  3. 前記第2の光記録媒体は、少なくとも第1の情報記録面及び第2の情報記録面を有し、
    第2の光記録媒体の第1の情報記録面上に光束を集光させる場合に、第1の光記録媒体用領域を透過した光束が前記第2の光記録媒体の第2の情報記録面に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の対物レンズ光学系。
  4. 前記第1の光記録媒体の情報記録面上に光束を集光させる場合に第2の光記録媒体用領域を透過した光束をt1+0.015mm〜t1+0.035mm及びt1−0.015mm〜t1−0.035mmからなる範囲、第2の光記録媒体に光束を集光させる場合に第1の光記録媒体用領域を透過した光束をt2+0.015mm〜t2+0.035mm及びt2−0.010mm〜t2−0.035mmからなる範囲に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の対物レンズ光学系。
  5. 前記第2の光記録媒体用領域は、凹レンズ面となるような曲率半径を有していることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の対物レンズ光学系。
  6. 前記第2の光記録媒体用領域は、回折構造を有していることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の対物レンズ光学系。
  7. 前記第1の光記録媒体用領域は平面であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の対物レンズ光学系。
  8. 複数の第1の光記録媒体用領域のうち、いずれか1つの領域は、他の領域と光軸方向に異なる高さに形成され、当該高さの差は、mλ(mは整数)であることを特徴とする請求項7記載の対物レンズ光学系。
  9. 前記光束分割素子において、複数の領域に分割された面と反対側の面は、平面であることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の対物レンズ光学系。
  10. 前記光束分割素子の一面に形成された複数の領域は、光軸を中心として同心円状に分割されていることを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の対物レンズ光学系。
  11. 前記波長λの光源は青色レーザであり、かつ0.075mm<t1<0.125mm、0.575mm<t2<0.625mmであることを特徴とする請求項1〜10いずれかに記載の対物レンズ光学系。
  12. 前記第1の光記録媒体に対する焦点距離よりも前記第2の光記録媒体に対する焦点距離の方が長いことを特徴とする請求項1〜11いずれかに記載の対物レンズ光学系。
  13. 前記複数の領域は5以上から構成されていることを特徴とする請求項1〜12いずれかに記載の対物レンズ光学系。
  14. 前記対物レンズのレンズ面は前記第1の光記録媒体に対して収差補正がなされるよう設計されていることを特徴とする請求項1〜13いずれか記載の対物レンズ光学系。
  15. 前記第1の光記録媒体に対応するNAの方が、前記第2の光記録媒体に対応するNAよりも大きいことを特徴とする請求項14記載の対物レンズ光学系。
  16. 波長λの光束を厚さt1の透明基板を有する第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させ、且つ、波長λの光束を厚さt2(t1<t2)の透明基板を有する第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させる対物レンズの入射側に設けられる光束分割素子であって、
    前記第1の光記録媒体と第2の光記録媒体のいずれか一方は2層以上の情報記録面を有し、
    少なくとも一面は、透過する光束を前記対物レンズを介して第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第1の光記録媒体用領域と、透過する光束を前記対物レンズを介して第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第2の光記録媒体用領域に分割され、
    第1の光記録媒体用領域と第2の光記録媒体用領域のいずれか一方を透過した光束が対応する光記録媒体において集光する位置の近傍に、他の領域を透過した光束が集光しないように、少なくともいずれか一方の領域は負又は正のパワーを有する光束分割素子。
  17. 前記第1の光記録媒体は、少なくとも第1の情報記録面及び第2の情報記録面を有し、
    第1の光記録媒体の第1の情報記録面上に光束を集光させる場合に、第2の光記録媒体用領域を透過した光束が前記第1の光記録媒体の第2の情報記録面に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることを特徴とする請求項16記載の対物レンズ光学系。
  18. 前記第2の光記録媒体は、少なくとも第1の情報記録面及び第2の情報記録面を有し、
    第2の光記録媒体の第1の情報記録面上に光束を集光させる場合に、第1の光記録媒体用領域を透過した光束が前記第2の光記録媒体の第2の情報記録面に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることを特徴とする請求項16又は17記載の光束分割素子。
  19. 前記第1の光記録媒体の情報記録面上に光束を集光させる場合に第2の光記録媒体用領域を透過した光束をt1+0.015mm〜t1+0.035mm及びt1−0.015mm〜t1−0.035mmからなる範囲、第2の光記録媒体に光束を集光させる場合に第1の光記録媒体用領域を透過した光束をt2+0.015mm〜t2+0.035mm及びt2−0.010mm〜t2−0.035mmからなる範囲に集光することを抑制するよう各領域の面形状が設定されていることを特徴とする請求項16〜18いずれかに記載の光束分割素子。
  20. 前記第2の光記録媒体用領域は、凹レンズ面となるような曲率半径を有していることを特徴とする請求項16〜19いずれかに記載の光束分割素子。
  21. 前記第2の光記録媒体用領域は、回折構造を有していることを特徴とする請求項16〜20いずれかに記載の光束分割素子。
  22. 前記第1の光記録媒体用領域は平面であることを特徴とする請求項16〜21いずれかに記載の光束分割素子。
  23. 複数の第1の光記録媒体用領域のうち、いずれか1つの領域は、他の領域と光軸方向に異なる高さに形成され、当該高さの差は、mλ(mは整数)であることを特徴とする請求項22記載の光束分割素子。
  24. 前記光束分割素子において、複数の領域に分割された面と反対側の面は、平面であることを特徴とする請求項16〜23いずれかに記載の光束分割素子。
  25. 前記光束分割素子の一面に形成された複数の領域は、光軸を中心として同心円状に分割されていることを特徴とする請求項16〜24いずれかに記載の光束分割素子。
  26. 前記波長λの光源は青色レーザであり、かつ0.075mm<t1<0.125mm、0.575mm<t2<0.625mmであることを特徴とする請求項16〜25いずれかに記載の光束分割素子。
  27. 前記第1の光記録媒体に対する焦点距離よりも前記第2の光記録媒体に対する焦点距離の方が長いことを特徴とする請求項16〜26いずれかに記載の光束分割素子。
  28. 前記複数の領域は5以上から構成されていることを特徴とする請求項16〜27いずれかに記載の光束分割素子。
  29. 光束分割素子及び対物レンズを有し、波長λの光束を厚さt1の透明基板を有する第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させ、且つ、波長λの光束を厚さt2(t1<t2)の透明基板を有する第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させる光ピックアップ光学系であって、
    前記第1の光記録媒体と第2の光記録媒体のいずれか一方は2層以上の情報記録面を有し、
    少なくとも前記光束分割素子の一面は、透過する光束を前記対物レンズを介して第1の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第1の光記録媒体用領域と、透過する光束を前記対物レンズを介して第2の光記録媒体の情報記録面上に集光させるための第2の光記録媒体用領域に分割され、
    第1の光記録媒体用領域と第2の光記録媒体用領域のいずれか一方を透過した光束が対応する光記録媒体において集光する位置の近傍に、他の領域を透過した光束が集光しないように、少なくともいずれか一方の領域は負又は正のパワーを有する光ピックアップ光学系。
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