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JP2008106015A - 新規なフェナントロリン誘導体、そのリチウム錯体、それを用いた電子輸送材料、電子注入材料および有機el素子 - Google Patents

新規なフェナントロリン誘導体、そのリチウム錯体、それを用いた電子輸送材料、電子注入材料および有機el素子 Download PDF

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JP2008106015A JP2006292032A JP2006292032A JP2008106015A JP 2008106015 A JP2008106015 A JP 2008106015A JP 2006292032 A JP2006292032 A JP 2006292032A JP 2006292032 A JP2006292032 A JP 2006292032A JP 2008106015 A JP2008106015 A JP 2008106015A
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JP2006292032A
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Junji Kido
淳二 城戸
Yanjun Li
延軍 李
Takashi Takeda
孝 武田
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Chemipro Kasei Kaisha Ltd
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Chemipro Kasei Kaisha Ltd
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Abstract

【課題】素子の低電圧駆動を可能にし、高効率な素子を提供するために必要な新規なフェナントロリン誘導体リチウム錯体、それよりなる電子輸送材料、電子注入材料およびそれを含む有機エレクトロルミネッセンス素子の提供。
【解決手段】下記一般式(1)
【化1】
Figure 2008106015

(式中、Qは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を0〜2個有する、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジニル基、ピラジル基、およびキノリル基よりなる群から選ばれた基であり、R〜Rは、水素および炭素数1〜6のアルキル基よりなる群から選ばれた基である)
で示されるフェナントロリン誘導体、そのリチウム錯体、それを用いた電子輸送材料、電子注入材料および有機EL素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なフェナントロリン誘導体、そのリチウム錯体、それを用いた電子輸送材料、電子注入材料および有機EL素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイは、電荷注入型の発光素子であり高輝度、高コントラスト、高速応答などの特徴を有しており、軽くて薄いという長所を生かして液晶やプラズマと言ったディスプレイに代わる次世代ディスプレイとして注目されている。ここ10年あたりの技術進歩は目を見張るものがあり、すでに実用化レベルに達していると言っても過言ではない。
実用化レベルに達した原因としては、材料の進歩、周辺技術の進歩、そして光取りだし技術の進歩が挙げられる。
材料の進歩として特筆すべき内容は、下記式
Figure 2008106015
で示されるトリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)Ir(ppy)に代表されるリン光材料の使用である(非特許文献1)。また金属(無機材料)−有機材料界面、有機材料−有機材料界面の改良もデバイスの高効率化につながっている。
有機材料−有機材料の界面改良については、界面混合層を設けることにより有機層間の障壁を少なくすることで励起子同士の再結合がスムーズに行く様な工夫がなされている(非特許文献2)。
一方金属(無機材料)−有機材料界面の改良は、陽極界面はスズ−酸化インジウム電極(ITO)の上に下記式
Figure 2008106015
で示されるポリアニリン(PAn)(非特許文献3)や下記式
Figure 2008106015
で示されるポリエチレンジオキサチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)(非特許文献4)と言った導電性高分子材料の層をスピンコート法などで作成し、ホール輸送層に対してホールの注入障壁を下げている。真空蒸着法では下記式
Figure 2008106015
で示される銅フタロシアニン(CuPc)なども用いられている(特許文献1)。また陰極界面では、アルミ電極と電子輸送層の間に薄い電子注入層を設けることで陰極からの電子の注入障壁を下げている。
陰極界面の制御に関しては、素子の劣化にも充分関係しておりその問題点としては、有機薄膜が電気的にオーミックコンタクトしにくい点と物理的に付着力が弱いという点を含んでいる(非特許文献5)。
陰極の電子注入障壁を下げる目的で現在フッ化リチウム(LiF)が用いられている(非特許文献6)。これはLiFを用いることで陰極界面の障壁が−1.0eV〜−0.8eV低くなり、この結果陰極から電子輸送層に対する電子の注入がより容易になっている。また同様の効果が期待できるものとして下記式
Figure 2008106015
で示される8−キノリノラトリチウム(Liq)なども用いられている(非特許文献7)。さらに効果が期待できるものとして下記式
Figure 2008106015
で示されるような有機化合物とアルカリ金属をドープしたバソクプロイン−金属セシウムドープ(Bphen:Cs)などが用いられるようになった(非特許文献8)。
しかしこれらの材料も課題が残されており、例えばLiFでは均一な製膜が難しく縞状の薄膜が形成されること、無機化合物のため蒸着温度が一般に高く(800℃以上)場合によっては輻射熱で既に蒸着している有機層がダメージを受けること、またLiqの場合、Liqの電子移動度が低いため注入された電荷が十分に電子輸送材料に供給されないこと、さらにアルカリ金属ドープについてはセシウムのドープ量によって電子注入層の特性が大きく変化するなどの難点があった。
M.A.Baldo,S.Lamansky,P.E.Burrows,M.E.Thompson,S.R.Forrest,Appl.Phys.Lett.75 4(1999) H.Ishii,K.sugiyama,D.yosimura,E.Ito,Y.Ouchi,K.Seki,IEEE J.Sel.Top.Quant.Electron.,4 24(1998) Y.Yang,E.Westerweele,C.Zhang,P.Smith,A.J.Heeger,J.Appl.Phys.77 694(1995) J.M.Bharathan,Y.Yang,Appl.Phys.Lett.72 2660(1998) 有機EL材料技術(2004)株式会社シーエムシー出版 L.S.Hung,C.W.Tang,M.G.Mason,Appl.Phys.Lett.,70 152(1997) J.Endo,T.Matumoto,J.Kido,Ext.Abstr.(9thInt.Workshop on Inorg.And Org.Electroluminescence),57(1998) Y.Kishigami,Y.Kondo,K.Tsubaki,J.Kido,Polym.Preprints.Japan 49 3385(2000) 米国特許第5061569号明細書
本発明の目的は、素子の低電圧駆動を可能にし、高効率な素子を提供するために必要な新規なフェナントロリン誘導体リチウム錯体、それよりなる電子輸送材料、電子注入材料およびそれを含む有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する点にある。
本発明の第1は、下記一般式(1)
Figure 2008106015
(式中、Qは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を0〜2個有する、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジニル基、ピラジル基、およびキノリル基よりなる群から選ばれた基であり、R〜Rは、水素および炭素数1〜6のアルキル基よりなる群から選ばれた基である)
で示されるフェナントロリン誘導体に関する。
本発明の第2は、下記一般式(2)
Figure 2008106015
(式中、Qは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を0〜2個有する、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジニル基、ピラジル基、およびキノリル基よりなる群から選ばれた基であり、R〜Rは、水素および炭素数1〜6のアルキル基よりなる群から選ばれた基である)
で示されるフェナントロリン誘導体のリチウム錯体に関する。
本発明の第3は、請求項2記載のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体よりなる電子輸送材料に関する。
本発明の第4は、請求項2記載のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体よりなる電子注入材料に関する。
本発明の第5は、請求項2記載のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体を含有する有機EL素子に関する。
前記炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルなどを挙げることができ、前記炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルなどを挙げることができる。
本発明化合物の製造方法の1つは、
Figure 2008106015
前述のようにして得られた本発明請求項1のフェナントロリン誘導体は、下記反応式に示すように、これを溶解する水溶性有機溶媒に溶かし、水酸化リチウム水溶液と混合することにより、リチウム錯体とすることができる。
Figure 2008106015
前記式中、Qは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を0〜2個有する、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジニル基、ピラジル基、およびキノリル基よりなる群から選ばれた基であり、R〜Rは、水素および炭素数1〜6のアルキル基よりなる群から選ばれた基である。
以下に本発明化合物(リチウム錯体)の具体例を示す。
Figure 2008106015
Figure 2008106015
Figure 2008106015
Figure 2008106015
Figure 2008106015
Figure 2008106015
Figure 2008106015
Figure 2008106015
本発明のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体は高い電子輸送性能を有する。従って、電子注入材料及び電子輸送材料として使用することができる。
本発明のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体を有機エレクトロルミネッセンス素子に使用する場合、適当な発光材料(ドーパント)と組み合わせて使用することもできる。
本発明のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体を電子輸送層に用いる場合、本発明の化合物は電子注入材料や電子輸送材料として使用できる。また他の電子輸送材料と組み合わせて使用することもできる。
次に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極間に一層もしくは多層の有機化合物を積層した素子であり、該有機化合物層の少なくとも一層が本発明のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体を含有する。有機エレクトロルミネッセンス素子が一層の場合、陽極と陰極間に発光層を設けている。発光層は、発光材料を含有しそれに加えて陽極から注入した正孔もしくは陰極から注入した電子を発光材料まで輸送するのが目的で、正孔注入材料もしくは電子注入材料を含有していても良い。多層型の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成例としては、例えばITO/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/陰極、ITO/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、ITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/ホールブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層されたものがあげられる。また、必要に応じて陰極上に封止層を有していても良い。
正孔輸送層、電子輸送層、および発光層のそれぞれの層は、一層構造であっても、多層構造であっても良い。また正孔輸送層、電子輸送層はそれぞれの層で注入機能を受け持つ層(正孔注入層及び電子注入層)と輸送機能を受け持つ層(正孔輸送層および電子輸送層)を別々に設けることもできる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記構成例に限らず、種々の構成とすることができる。必要に応じて、正孔輸送層成分と発光層成分、あるいは電子輸送層成分と発光層成分を混合した層を設けても良い。
以下本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成要素に関して、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなる素子構成を例として取り上げて詳細に説明する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板に支持されていることが好ましい。
基板の素材については特に制限はなく、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子に慣用されているものであれば良く、例えばガラス、石英ガラス、透明プラスチックなどからなるものを用いることができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極としては、仕事関数の大きな金属単体(4eV以上)、仕事関数の大きな金属同士の合金(4eV以上)または導電性物質およびこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。このような電極材料の具体例としては、金、銀、銅等の金属、ITO(インジウム−スズオキサイド)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性透明材料、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子材料が挙げられる。陽極はこれらの電極材料を、例えば蒸着、スパッタリング、塗布などの方法により基板上に形成することができる。陽極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。
陰極としては、仕事関数の小さな金属単体(4eV以下)、仕事関数の小さな金属同士の合金(4eV以下)または導電性物質およびこれらの混合物を電極材料とすることが好ましい。このような電極材料の具体例としては、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金などが挙げられる。陰極はこれらの電極材料を、例えば蒸着、スパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより作製することができる。陰極のシート電気抵抗は数百Ω/cm以下が好ましい。陰極の膜厚は材料にもよるが、一般に5〜1,000nm程度、好ましくは10〜500nmである。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光を効率良く取り出すために、陽極または陰極の少なくとも一方の電極は、透明もしくは半透明であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層は、正孔伝達化合物からなるもので、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有している。電界が与えた2つの電極間に正孔伝達化合物が配置されて陽極から正孔が注入された場合、少なくとも10−6cm/V・秒以上の正孔移動度を有する正孔伝達物質が好ましい。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に使用する正孔輸送層に使用する正孔伝達物質は、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はない。従来から光導電材料において正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているものや有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層に使用されている公知の材料の中から任意のものを選択して用いることができる。
前記の正孔伝達物質としては、例えば銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体、N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N,N′−ジ(m−トリル)−N,N′−ジフェニル−4,4′−ジアミノビフェニル(TPD)、N,N′−ジ(1−ナフチル)−N,N′−ジフェニル−4,4′−ジアミノビフェニル(α−NPD)、等のトリアリールアミン誘導体、ポリフェニレンジアミン誘導体、ポリチオフェン誘導体、および水溶性のPEDOT−PSS(ポリエチレンジオキサチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)が挙げられる。正孔輸送層は、これらの他の正孔伝達化合物一種または二種以上からなる一層で構成されたもので良く、前記の正孔伝達物質とは別の化合物からなる正孔輸送層を積層したものでもよい。
正孔注入材料としては、下記化学式に示すPEDOT:PSS(ポリマー混合物)やDNTPDを
Figure 2008106015
正孔輸送材料としては、下記化学式に示すTPD、DTASI、m−DTATPBなどを挙げることができる。
Figure 2008106015
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層の発光物質については特に制限されることはなく、従来の公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
発光材料としては、ペリレン誘導体、ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体(例えばクマリン1、クマリン540、クマリン545など)、ピラン誘導体(例えばDCM−1、DCM−2、DCJTBなど)、有機金属錯体、例えばトリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム(Almq)等の蛍光材料や[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジル−N,C2′]イリジウム(III)ピコリレート(FIrpic)、トリス{1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾラート,N,C2′}イリジウム(III)(Irtfmppz)、ビス[2−(4′,6′−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2′]テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート(Fir6)、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)[Ir(ppy)]などのリン光材料、などを挙げることができる。
発光層は、ホスト材料とゲスト材料(ドーパント)から形成することもできる[Appl.Phys.Lett.,65 3610(1989)]。特にリン光材料を発光層に使用する場合、ホスト材料の使用が必要でありこの時使用されるホスト材料としては4,4′−ジ(N−カルバゾリル)−1,1′−ビフェニル(CBP)、1,4−ジ(N−カルバゾリル)ベンゼン、2,2′−ジ〔4″−(N−カルバゾリル)フェニル〕−1,1′−ビフェニル(4CzPBP)等があげられる。
ゲスト材料は、ホスト材料に対して、好ましくは0.01〜40重量%であり、より好ましくは0.1〜20重量%である。ゲスト材料としては、従来公知のFIrpic、Ir(ppy)(化3)、Fir6などを挙げることができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の電子輸送層の材料としては、本発明のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体が好ましい。このものは単独で使用できるが他の電子輸送材料と併用しても構わない。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、本発明化合物を電子輸送層として使用する場合、電子注入性を向上させる目的から電子輸送層と陰極電極の間に電子注入層を設けることができる。ここで使用される電子注入材料としては、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物や有機アルカリ金属錯体から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用することが好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウムなどが挙げられる。また有機アルカリ金属金属錯体としては、8−ヒドロキシキノリノラトリチウムや8−ヒドロキシキノリノラトセシウムなどが挙げられる。
また本発明化合物を電子注入材料として使用する場合は、上記の電子注入材料と併用する事もできる。
正孔輸送層、発光層の形成方法については特に限定されるものではない。例えば乾式成膜法(例えば真空蒸着法、イオン化蒸着法など)、湿式成膜法〔溶液塗布法(例えば、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法など)〕を使用することができる。本発明のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体の電子輸送層の形成方法については、乾式成膜法(例えば真空蒸着法、イオン化蒸着法)が好ましい。また素子の作製については上記の成膜方法を併用しても構わない。
真空蒸着法により正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の各層を形成する場合、真空蒸着条件は、特に限定されるものではない。通常10−5Torr程度以下の真空下で50〜500℃程度のボート温度(蒸着源温度)、−50〜300℃程度の基板温度で、0.01〜50nm/sec.程度蒸着することが好ましい。正孔輸送層、発光層、電子輸送層の各層を複数の化合物を使用して形成する場合、化合物を入れた各ボートをそれぞれ温度制御しながら共蒸着することが好ましい。
正孔輸送層、発光層を溶媒塗布法で形成する場合、各層を構成する成分を溶媒に溶解または分散させて塗布液とする。溶媒としては、炭化水素系溶媒(例えば、ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ハロゲン系溶媒(例えばジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エーテル系溶媒(例えばジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)、非プロトン性溶媒(例えばN,N′−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等が挙げられる。溶媒は単独で使用しても良く、複数の溶媒を併用しても良い。
正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の各層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常5〜5,000nmになるようにする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、酸素や水分等との接触を遮断する目的で保護層(封止層)を設けたり、不活性物質中に素子を封入して保護することができる。不活性物質としては、パラフィン、シリコンオイル、フルオロカーボン等が挙げられる。保護層に使用する材料としては、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、光硬化性樹脂等が挙げられる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、通常直流駆動の素子として使用できる。直流電圧を印加する場合、陽極をプラス、陰極をマイナスの極性として電圧を通常1.5〜20V程度印加すると発光が観測される。また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は交流駆動の素子としても使用できる。交流電圧を印加する場合には、陽極がプラス、陰極がマイナスの状態になった時に発光する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、例えば電子写真感光体、フラットパネルディスプレイなどの平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト、計器等の光源、各種発光素子、各種表示素子、各種標識、各種センサー、各種アクセサリーなどに使用することができる。
図15〜28に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の好ましい例を示す。
図15は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。図15は、基板1上に陽極2、発光層3および陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する発光素子は、それ自体が正孔輸送性、電子輸送性及び発光性の機能を単一で有している場合や、それぞれの機能を有する化合物を混合して使用する場合に有用である。
図16は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図16は、基板1上に、陽極2、正孔輸送層5、発光層3及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、発光層は電子輸送性の機能を有している場合に有用である。
図17は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図17は、基板1上に、陽極2、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、発光層は正孔輸送性の機能を有している場合に有用である。
図18は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図18は、基板1上に、陽極2、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これは、キャリア輸送と発光の機能を分離したものであり、材料選択の自由度が増すために、発光の高効率化や発光色の自由度が増すことになる。
図19は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図19は、基板1上に、陽極2、正孔注入層7、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、正孔注入層7を設けることにより、陽極2と正孔輸送層5の密着性を高めたり、陽極から正孔の注入を良くし、発光素子の低電圧駆動に効果がある。
図20は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図20は、基板1上に、陽極2、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陰極4から電子の注入を良くし、発光素子の低電圧駆動に効果がある。
図21は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図21は、基板1上に、陽極2、正孔注入層7、正孔輸送層5、発光層3、電子輸送層6、電子注入層8及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、陽極2から正孔の注入を良くし、陰極4からは電子の注入を良くし、最も低電圧駆動に効果がある構成である。
図22〜28は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子における他の例を示す断面図である。図22〜28は、発光層3と陰極4あるいは電子輸送層6の間に正孔ブロック層9を挿入した構成のものである。陽極から注入された正孔、あるいは発光層3で再結合により生成した励起子が、陰極4側に抜けることを防止する効果があり、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率の向上に効果がある。
図22〜28で、正孔輸送層5、正孔注入層7、電子輸送層6、電子注入層8、発光層3、正孔ブロック層9のそれぞれの層は、一層構造であっても、多層構造であってもよい。
図15〜28は、あくまで基本的な素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の構成は、これに限定されるものではない。
本発明のフェナントロリン誘導体リチウム錯体は、LUMOの値が2.5〜2.7と従来から使用されている電子輸送材料(例えばAlqでは3.22)に比べ低い値を示す。このことから電子親和性が非常に高く、電子を注入する能力が大きい。また従来の電子輸送材料と混合して使用してもその特性を損ねる事がないため、電子輸送性の能力も十分に兼ね備える。
また従来から用いられている8−ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)と本発明のフェナントロリン誘導体リチウム錯体の素子比較を行ったところ、2−(2′−ヒドロキシフェニル)フェナントロリノリチウム(LiPB)を用いたもので発光開示電圧がLigの約半分の2.8V、10Vにおける電流密度はLigの66倍ときわめて良好な結果を示した。
よって本発明のフェナントロリン誘導体リチウム錯体は、極めて工業的に重要なものである。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
実施例1
(1)2−(2′−ヒドロキシフェニル)フェナンスロリン〔2−(2′−Hydroxyphenyl)phenanthroline(PnPnol)〕の合成
Figure 2008106015
温度計、冷却管、Nガス導入管、撹拌機のついた300mlの4つ口丸底フラスコに、8−アミノ−7−アルデヒドキノリン(8−Amino−7−aldehydequinoline)2.0g(11.6mmol)、o−ヒドロキシアセトフェノン(o−Hydroxyacetophenone)1.74g(12.78 mmol)、エタノール120mlおよび飽和水酸化カリウムエタノール溶液20mlを加え、N気流下還流温度で24時間反応した。反応後室温まで冷却し、クロロホルムで抽出し、食塩水で三回洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、得られた有機層は減圧下溶媒回収を行い粗生成物を得た。この粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフ(展開溶媒クロロホルム:酢酸エチル=1:1)で精製し、目的のPnPnolが1.5g、収率47%で得られた。
(2)2−(2′−ヒドロキシフェニル)フェナンスロリナト リチウム〔2−(2′−Hydroxyphenyl)phenanthrolinato Lithium(LiPB)〕の合成
Figure 2008106015
滴下ロートのついた100mlの4つ口丸底フラスコにLiOH.HO 1.89g(4.36mmol)を30mlの水に溶かして入れ、撹拌しながら2−(2′−ヒドロキシフェニル)フェナンスロリン〔2−(2′−Hydroxyphenyl)phenanthroline〕0.99g(3.64mmol)を30mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶かした溶液を、滴下ロートで滴下した。しばらくすると反応液は淡黄色に変化し、沈澱を徐々に析出した。20分間反応した後、析出物を吸引ろ過により回収し、真空乾燥した。この粗生成物はクロロホルム:酢酸エチル=1:1で再結晶により淡黄色固体の目的物LiPB収量0.87g(収率86%)を得た。
実施例2
(1)2′−ヒドロキシ−5′−(ピリジル−3−イル)アセトフェノン〔2′−Hydroxy−5′−(pyridyl−3−yl)acetophenone(HPyAcP)〕の合成
Figure 2008106015
窒素気流下、300mlのフラスコにトルエン120ml、エタノール60ml、3−(4′,4′,5′,5′−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン〔3−(4′,4′,5′,5′−Tetramethyl−1,3,2−dioxaborolan−2−yl)pyridine〕1.72g(8.37mmol)、2′−ヒドロキシ−5′−ブロモアセトフェノン〔2′−Hydroxy−5′−bromo acetophenone〕1.5g(6.98mmol)、炭酸ナトリウム水溶液(2M)10mlを入れ、加熱し、原料を完全に溶して30分間撹拌した。その後テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム〔Pd(PPh〕0.4g(0.35mmol)を加えた。一晩還流した。反応液に水を入れ、酢酸エチルで抽出し、MgSOで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒;クロロホルム:酢酸エチル=10:1)により精製し、無色固体の目的物HPyAcPを得た(収量1.1g,収率74%)。
(2)2−(フェナンスロリン−2−イル)−4−(ピリジル−3−イル)フェノール〔2−(Phenanthrolin−2−yl)−4−(pyridyl−3−yl)phenol(PnPyPo)〕の合成
Figure 2008106015
温度計、冷却管、Nガス導入管、撹拌機のついた300mlの4つ口丸底フラスコに8−アミノ−7−アルデヒドキノリン〔8−Amino−7−aldehydequinoline〕0.8g(4.9mmol)、2′−ヒドロキシ−5′−(ピリジル−3−イル)アセトフェノン〔2′−Hydroxy−5′−(pyridyl−3−yl)acetophenone〕1.1g(5.16mmol)、エタノール60mlおよび飽和水酸化カリウム(2.0g)エタノール溶液20mlを加え、N気流下還流温度で一晩反応した。反応後室温まで冷却し、クロロホルムで抽出し、食塩水で三回洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、得られた有機層は減圧下溶媒回収を行い、粗生成物を得た。この粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフ(展開溶媒;クロロホルム:酢酸エチル:メタノール=15:5:1)で精製し、目的物PnPyPo0.9g、収率55%を得た。
(3)2−〔2′−ヒドロキシフェニル−5−(ピリジル−3−イル)〕フェナンスロリナト リチウム{2−〔2′−Hydroxyphenyl−5−(pyridyl−3−yl)〕phenanthrolinato lithium(LiPBPy)}の合成
Figure 2008106015
滴下ロートのついた100mlの4つ口丸底フラスコにLiOH.HO1.3g(3.1mmol)を5mlの水に溶かして入れ、5℃の温度で撹拌しながら2−(フェナンスロリン−2−イル)−4−(ピリジル−3−イル)フェノール〔2−(Phenanthrolin−2−yl)−4−(pyridyl−3−yl)phenol〕0.9g(2.58mmol)を10mlのテトロヒドロフラン(THF)に溶かした溶液を、三回分けて滴下ロートで滴下した。すぐ反応液は淡黄色に変化し、沈澱が徐々に析出した。1分間反応した後、析出物を吸引ろ過により回収し、真空乾燥した。この操作を三回繰り返し、析出物を60mlのTHFに加え、30分間加熱した後、減圧ろ過して黄色固体の目的物LiPBPy、収量0.81g(収率89%)を得た。
実施例1で得られた2−(2′−ヒドロキシフェニル)フェナンスロリナト リチウム(LiPB)と実施例2で得られた2−〔2′−ヒドロキシフェニル−5−(ピリジル−3−イル)〕フェナンスロリナト リチウム(LiPBPy)のUVスペクトルを図1に、PLスペクトルを図2に、それらの電気化学特性と物理特性を下記表1に示す。
Figure 2008106015
Td(分解温度)は、DTA(Differential thermal analyzer 示差熱分析装置)にサンプルを加え、加熱していくとサンプルが熱によって分解し、重量が減少しだす。その減少が開始しだしたところの温度を読んで、その温度をTdとする。
エネルギーギャップ(Eg)については、蒸着機で作成した薄膜を紫外−可視吸光度計で薄膜の吸収曲線を測定する。その薄膜の短波長側の立ち上がりの所に接線を引き、求まった交点の波長W(nm)を次の式に代入し目的の値を求める。それによって得た値がEgになる。
Eg=1240÷W
例えば接線を引いて求めた値W(nm)が470nmだったとしたらこの時のEgの値は
Eg=1240÷470=2.63(eV)
と言うことになる。
Ip(イオン化ポテンシャル)は、イオン化ポテンシャル測定装置(例えば理研計器AC−1)を使用して測定し、測定するサンプルがイオン化を開始しだしたところの電圧(eV)の値を読む。
Ea(電子親和力)は、IpからEgを引いた値である。
本明細書における波長に対する強度(intensity a.u.)の測定は、浜松ホトニクス社製ストリークカメラを用いて、クライオスタット中で4.2Kにおいて測定した。
実施例3および4〔リチウム錯体(LiPB)をDPBとドープした素子〕
実施例1で得られた電子注入材料LiPBのみを使用した場合と、LiPBにDPBを20%ドープした場合における電子輸送層にAlqを用いた蛍光素子の評価を行った素子特性を表に示す。
Figure 2008106015
素子の構成
実施例3;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/LiPB(4nm)/Al
実施例4;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/LiPB:DPB20%(4nm)/Al
Figure 2008106015
実施例3および4の有機EL素子の
電流密度−電圧特性を図3に、
輝度 −電圧特性を図4に、
電流効率−電圧特性を図5に、
ELスペクトルを図6に、
それぞれ示す。
実施例5、6、7、比較例1
電子輸送材料として、実施例1で得られたLiPBや実施例2で得られたLiPBPyを用い、また比較のため、AlqやLiqを用いた下記の素子をつくり、その性能を評価した。
Figure 2008106015
素子の構成
比較例1;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/LiF(0.5nm)/Al
実施例5;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(40nm)/LiPB(30nm)/LiF(0.5nm)/Al
比較例2;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(40nm)/LiF(0.5nm)/Al
実施例6;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(40nm)/Liq(30nm)/LiPB(1nm)/Al
実施例7;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(40nm)/LiPBPy(30nm)/LiF(0.5nm)/Al
これらの素子の
電流密度−電圧特性は図7に、
輝度 −電圧特性は図8に、
それぞれ示す。
素子の電気化学的特性は表3に示す。
Figure 2008106015
実施例8、9、比較例2、3
実施例1で得られたLiPBと、実施例2で得られたLiPBPyを電子注入材料として用いたEL素子と、これと対比するためのLiFやLiqを電子注入材料として用いたEL素子を作った。
素子の構成
比較例2;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/LiF(0.5nm)/Al
実施例8;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/LiPB(1nm)/Al
比較例3;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/Liq(1nm)/Al
実施例9;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/LiPBPy(1nm)/Al
これらの素子の
電流密度−電圧特性は図9に、
輝度 −電圧特性は図10に、
それぞれ示す。
また、これらの素子の電気化学的特性を表4に示す。
Figure 2008106015
実施例10、11
実施例1で得られた電子注入材料LiPBにDPBやAlqを20%ドープし、電子輸送層Alqを用いた蛍光素子を作成して評価した。素子特性を表に示す。
Figure 2008106015
素子の構成
実施例10;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/LiPB:Alq20%(4nm)/Al
実施例11;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/LiPB:DPB20%(4nm)/Al
これらの素子の電気化学的特性を表5に示す。
Figure 2008106015
これらの素子の
電流密度−電圧特性を図11に、
輝度 −電圧特性を図12に、
それぞれ示す。
実施例12、比較例4
実施例1で得られた電子注入材料LiPBやLiqにDPBを20%ドープし、電子輸送層にAlqを用いた蛍光素子を作成して評価した。素子特性を表に示す。
素子の構成
実施例12;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/LiPB:DPB20%(4nm)/Al
比較例4;ITO/α−NPD(50nm)/Alq(70nm)/Liq:DPB20%(4nm)/Al
これらの素子の電気化学的特性を表6に示す。
Figure 2008106015
これらの素子の
電流密度−電圧特性を図13に、
輝度 −電圧特性を図14に、
それぞれ示す。
実施例1で得られた2−(2′−ヒドロキシフェニル)フェナンスロリナト リチウム(LiPB)と、実施例2で得られた2−〔2′−ヒドロキシフェニル−5−(ピリジル−3−イル)〕フェナンスロリナト リチウム(LiPBPy)のUVスペクトルを示す。 実施例1で得られた2−(2′−ヒドロキシフェニル)フェナンスロリナト リチウム(LiPB)と、実施例2で得られた2−〔2′−ヒドロキシフェニル−5−(ピリジル−3−イル)〕フェナンスロリナト リチウム(LiPBPy)のPLスペクトルを示す。 実施例3および4の有機EL素子の電流密度−電圧特性を示す。 実施例3および4の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す。 実施例3および4の有機EL素子の電流効率−電圧特性を示す。 実施例3および4の有機EL素子のELスペクトルを示す。 実施例5〜7および比較例1の有機EL素子の電流密度−電圧特性を示す。 実施例5〜7および比較例1の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す。 実施例8と9および比較例2と3の有機EL素子の電流密度−電圧特性を示す。 実施例8と9および比較例2と3の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す。 実施例10と11の有機EL素子の電流密度−電圧特性を示す。 実施例10と11の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す。 実施例12と比較例4の有機EL素子の電流密度−電圧特性を示す。 実施例12と比較例4の有機EL素子の輝度−電圧特性を示す。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極(ITO)
3 発光層
4 陰極
5 正孔輸送層(ホール輸送層)
6 電子輸送層
7 正孔注入層(ホール注入層)
8 電子注入層
9 正孔ブロック層(ホールブロック層)

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2008106015
    (式中、Qは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を0〜2個有する、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジニル基、ピラジル基、およびキノリル基よりなる群から選ばれた基であり、R〜Rは、水素および炭素数1〜6のアルキル基よりなる群から選ばれた基である)
    で示されるフェナントロリン誘導体。
  2. 下記一般式(2)
    Figure 2008106015
    (式中、Qは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を0〜2個有する、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジニル基、ピラジル基、およびキノリル基よりなる群から選ばれた基であり、R〜Rは、水素および炭素数1〜6のアルキル基よりなる群から選ばれた基である)
    で示されるフェナントロリン誘導体のリチウム錯体。
  3. 請求項2記載のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体よりなる電子輸送材料。
  4. 請求項2記載のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体よりなる電子注入材料。
  5. 請求項2記載のフェナントロリン誘導体のリチウム錯体を含有する有機EL素子。
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