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JP2008098344A - フィルム状太陽電池 - Google Patents

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JP2008098344A JP2006277417A JP2006277417A JP2008098344A JP 2008098344 A JP2008098344 A JP 2008098344A JP 2006277417 A JP2006277417 A JP 2006277417A JP 2006277417 A JP2006277417 A JP 2006277417A JP 2008098344 A JP2008098344 A JP 2008098344A
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Abstract

【課題】 生産効率が優れ、かつその性能において欠点やバラツキのないフィルム状太陽電池を提供する。
【解決手段】 ポリアミド酸を支持体に流延・乾燥して、ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)のイミド化率をIMaとし、他一方の面(B面)のイミド化率をIMbとするとき、IMa、IMbの両者の差が5以下であるポリイミド前駆体フィルムを得、該ポリイミド前駆体フィルムを熱によりイミド化させて得られるポリイミドフィルムであって、波長500nmでの光線透過率が50%以上である無色透明ポリイミドフィルムに光電変換薄膜を積層したことを特徴とするフィルム状太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、可撓性基板である耐熱性ポリイミドフィルムであって、しかも表裏差の少ない透明ポリイミドフィルムを利用したフィルム状太陽電池に関する。
シリコン薄膜をガラス板などの非可撓性基板に設けたもの、また可撓性基板としてはポ
リイミド等の樹脂薄膜を使用する太陽電池が知られている。薄膜シリコン太陽電池を製造するに際して、可撓性フィルム基板を用いる特徴は、基板上に必要な薄膜シリコン層を連続巻取法やステップ・バイ・ステップ法で設けることができ、製造コスト及び製造の容易性の面で非可撓性基板に比し、極めて優位に立てる点にある。さらに、可撓性基板上に形成させた非晶質シリコン太陽電池は従来の可撓性基板上に形成させた太陽電池と違いフィルム状であるので、製品形状にある程度任意性を持たせることができ、その応用が広がることが期待されている。
可撓性に富んだ樹脂薄膜を基板とした非晶質シリコン太陽電池は、すでに多数提案されている。可撓性樹脂薄膜としては、シリコン薄膜層を積層するという点である程度の耐熱性を有することが必要となる。耐熱性のあるフィルムということでポリイミドフィルムがよく知られているが、太陽電池として使用する際、基板側からの光照射という使用形態も考えられるが、このときポリイミドフィルムのような着色フィルムでは光の利用率が低下するという問題がある。
例えば、ポリイミドフィルムなどの高分子フィルムを基板として使用した変換効率の高いフレキシブル型太陽電池(特許文献1、参照)、ビフェニルテトラカルボン酸と、フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分との反応によって製造されたポリイミドフィルム上にシリコン薄膜を基板とした太陽電池(特許文献2、参照)、粒子径0.1〜1μmの絶縁性微粒子が配合されたポリイミド系樹脂層を表層にした太陽電池(特許文献3、参照)、ピロメリット酸、オキシジアニリン類からなるポリイミドフィルムを基板とした太陽電池(特許文献4、参照)、ポリエーテルサルホンやポリイミドなどの透光性プラスチック基板上に、透明導電膜、光電変換層及び裏面電極層が順次積層されてなる薄膜太陽電池(特許文献5、参照)などが挙げられる。
特開平05−259494号公報 特開平11−029645号公報 特開2000−091606号公報 特開2003−073473号公報 特開2005−129713号公報 透光性を重視した例として、可撓性基板としてのシクロオレフィン系ポリマー上に、シリコン原子と水素原子とを主成分とする薄膜シリコンからなる光起電力発生層を設けた短波長領域の透光性に優れた薄膜シリコン太陽電池が提案されている(特許文献6参照)。 従来の太陽電池における基板は、ポリイミドフィルムは光線透過率に劣る欠点と耐熱性に優れ可撓性を有する利点を有し、ポリイミドフィルム以外のフィルムは光線透過率に優れる利点と耐熱性に劣る欠点を有し、ガラス基板は耐熱性、光線透過率に優れる利点と可撓性に劣る欠点を有していた。ポリイミドフィルムについては実験をすると、フィルムによって光エネルギーの電気エネルギーへの変換効率が変わるため、良好な変換効率を得られるフィルムについて、検討が必要であった。 特開2003−031823号公報
本発明は、可撓性基板にシリコン薄膜などの光電変換薄膜を有するフィルム状太陽電池において、基板の耐熱性が高く、透光性に優れ、ロールツーロール方式の製造方法に適しかつ生産効率のよい、素子として光エネルギーの電気エネルギーへの変換効率の高い薄膜太陽電池を提供することを目的とす
る。
本発明者らは鋭意検討した結果、透明性と耐熱性を具備しかつフィルムとして表裏差のない特定のポリイミドフィルムを基板として使用することで、ロールツーロール方式の製造方法に適しかつ生産効率のよい、実用的フィルム状太陽電池を得ることができることを見出し本発明に到った。
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
1. ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体に流延・乾燥して、ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)のイミド化率をIMaとし、他一方の面(B面)のイミド化率をIMbとするとき、IMa、IMbの両者の差が5以下であるポリイミド前駆体フィルムを得、該ポリイミド前駆体フィルムを熱によりイミド化させて得られるポリイミドフィルムであって、波長500nmでの光線透過率が50%以上である無色透明ポリイミドフィルムに光電変換薄膜を積層したことを特徴とするフィルム状太陽電池。
2. ジアミンがトランス1,4−ジアミノシクロヘキサンである前記1のフィルム状太陽電池。
3. ジアミンが4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)である前記1のフィルム状太陽電池。
本発明の、ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体に流延・乾燥して、ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)のイミド化率をIMaとし、他一方の面(B面)のイミド化率をIMbとするとき、IMa、IMbの両者の差が5以下であるポリイミド前駆体フィルムを得、該ポリイミド前駆体フィルムを熱によりイミド化させて得られるポリイミドフィルムであって、波長500nmでの光線透過率が50%以上である無色透明ポリイミドフィルムに光電変換薄膜を積層したことを特徴とするフィルム状太陽電池工業的は、特定基板フィルムを使用していることで、光電変換薄膜のフィルム上への形成などの工程や電極層の形成などの工程における基板フィルムの受ける熱による変形特にフィルム面での反りや捩れに対して耐性を保持しており、フィルム状太陽電池の生産効率が優れ、かつフィルム状太陽電池の性能において欠点やバラツキのないものとなり、工業的に極めて有用である。
本発明のポリイミドフィルムは、ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体に流延・乾燥して、ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)のイミド化率をIMaとし、他一方の面(B面)のイミド化率をIMbとするとき、IMa、IMbの両者の差が5以下であるポリイミド前駆体フィルムを得、該ポリイミド前駆体フィルムを熱によりイミド化させて得られるポリイミドフィルムであり、波長500nmでの光線透過率が50%以上である無色透明ポリイミドフィルムであれば、特にそのジアミンと芳香族テトラカルボン酸とは限定されるものではないが、ジアミンとしてはトランス1,4−ジアミノシクロヘキサン(t−CHDAと略記する)及び/又は4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(MBCAと略記する)が好ましい。
本発明においては、前記ジアミンを70モル%以上さらに好ましくは85モル%以上使用することが好ましい。ジアミンの30モル%未満であれば下記に例示されるジアミン類を一種又は二種以上、併用したポリイミドフィルムであってもよい。
Figure 2008098344
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4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、
2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、
4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、
4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル及び上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子特にフッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子と国フッ素原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明で用いられるテトラカルボン酸は好ましくは芳香族テトラカルボン酸無水物である。芳香族テトラカルボン酸無水物としては、具体的には、以下のものが挙げられるが好ましくは化5のピロメリット酸無水物及び化6の3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸無水物である。ピロメリット酸無水物或は、3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸無水物は70モル%以上使用することが好ましくさらに好ましいのは85モル%である。このピロメリット酸無水物、3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸無水物以外に下記の芳香族テトラカルボン酸(無水物)や非芳香族テトラカルボン酸を30モル%未満であれば併用してもよい。
Figure 2008098344
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Figure 2008098344
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ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸(二無水物)は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ジアミン(モノマー)と、テトラカルボン酸(モノマー)とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマー及び生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌及び/又は混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミンの溶液中に芳香族テトラカルボン酸(無水物)を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の質量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが2.0dl/g以上が好ましく、3.0dl/g以上がさらに好ましく、なおさらに5.0dl/g以上が好ましい。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミンに少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥するなどによりグリーンフィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の剛性を有していればよく、表面が金属(より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレス)、プラスチックなどであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。
また、適度な剛性を有する高分子フィルムを利用する方法も好ましい態様である。
金属支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。
支持体表面はフィルムの必要表面凹凸構造に応じて、任意の表面凹凸構造を付与することができ、この支持体上の表面凹凸構造は支持体全面に付与してもよく、部分的に付与してもよく、またドラム又はベルト状回転体支持体に直接付与してもよく、フィルムや金属に付与したものを貼り合わせて使用してもよい。凹凸構造の深さは0.5μm〜80μmが好ましいが、より好ましくは0.5μm〜50μm、さらに好ましくは0.5μm〜40μmである。
支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
また、支持体上にポリアミド酸溶液を塗布した後に過熱により溶剤を一部放出させ、事故指示性のある程度になった段階で、凹凸のあるロール押し付けにより表面凹凸構造を付与することもできる。
これらの処方によって、Rtが0.3μm〜50μm、RSmが0.5μmから40μm程度の凹凸構造を有しているポリイミドフィルムが比較的容易に得られる。
上記のポリイミドフィルムには、滑剤をポリイミド中に添加含有せしめるなどしてフィルム表面に微細な凹凸を付与しフィルムの滑り性を改善することもできる。
また、表層に滑剤を高密度に充填したポリアミド酸溶液を塗布することにより、表面凹凸構造は支持体全面に付与してもよく、部分的に付与してもよく、凹凸構造の深さは0.5μm〜80μmが好ましいが、より好ましくは0.5μm〜50μm、さらに好ましくは0.5μm〜40μmである。
滑剤としては、無機や有機の0.03μm〜1μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、フィルム状太陽電池の基板フィルムに用いることを考慮すると、通常3〜200μm、好ましくは10〜150μmである。
この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
本発明のポリイミドフィルムは、通常は無延伸フィルムであるが、1軸又は2軸に延伸しても構わない。ここで、無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
本発明のフィルム状太陽電池の基板に使用するポリイミドフィルムである、ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体に流延・乾燥して、ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)のイミド化率をIMaとし、他一方の面(B面)のイミド化率をIMbとするとき、IMa、IMbの両者の差が5以下であるポリイミド前駆体フィルムを得、該ポリイミド前駆体フィルムを熱によりイミド化させて得られるポリイミドフィルムは、乾燥方法が前記所定のポリイミド前駆体フィルムを得る要点であり、乾燥工程においてはポリイミド前駆体フィルムを自己支持性が出る程度にまで乾燥する際に、溶媒の揮発する方向が空気に接する面に限られるためにポリイミド前駆体フィルムの空気に接している面のイミド化率が、支持体に接する面のイミド化率より低くなる傾向にあるが、フィルム表裏のイミド化率の差が0.001以上5以下であるポリイミド前駆体フィルムを得るためには、乾燥工程を経てポリイミド化処理を施すまでに、両面乾燥工程を導入することが必須であり、この両面乾燥工程を経ることで、表裏のイミド化率の差が小さいポリイミド前駆体フィルムを得ることができ、このポリイミド前駆体フィルムをイミド化することが必須である。
両面乾燥工程の具体的方法としては、例えば支持体上の第一乾燥工程を終了した前駆体フィルムを支持体から剥離して、支持体に密接していたフィルム面側をフリーとした状態で前駆体フィルムを乾燥せしめる方法が挙げられる。
本発明におけるポリイミドフィルムの製造方法によって得られる前駆体フィルムにおいては、その一方の面(A面)のイミド化率をIMaとし、他一方の面(B面)のイミド化率をIMbとするとき、IMaとIMbとの差が0.001以上5以下、より好ましくは0.001以上1以下である。
ポリイミド前駆体フィルムのIMaとIMbの差が5を超えると、得られるポリイミドフィルムが太陽電池の基板フィルムとして使用されるときにカールが多発するなどの障害があり、さらに引張弾性率が2GPaに満たない品質的に劣るポリイミドフィルムとなり易い。
乾燥工程における乾燥条件としては、例えば、N−メチルピロリドンを溶媒として用いる場合は、乾燥温度は、好ましくは70〜130℃、より好ましくは75〜125℃であり、さらに好ましくは80〜120℃である。
乾燥温度が130℃より高い場合は、分子量低下がおこり、ポリイミド前駆体フィルムが脆くなりやすい。また、ポリイミド前駆体フィルム製造時にイミド化が一部進行し、イミド化工程時に所望の物性が得られにくくなる。また70℃より低い場合は、乾燥時間が長くなり、分子量低下がおこりやすく、また乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。また、乾燥時間としては乾燥温度にもよるが、好ましくは10〜90分間であり、より好ましくは15〜80分間である。乾燥時間が90分間より長い場合は、分子量低下がおこり、フィルムが脆くなりやすく、また10分間より短い場合は、乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。また、乾燥効率の向上又は乾燥時の気泡発生抑制のために、70〜130℃の範囲で温度を段階的に昇温して、乾燥してもよい。
両面乾燥工程における乾燥条件としては、乾燥温度及び乾燥時間が100℃以上150℃以下及び1分以上15分以内の範囲が好ましい。乾燥温度が150℃より高い場合は、構造の秩序化が生じることで、支持体側の溶媒乾燥が不十分となり、両面乾燥の効果が得にくい。また100℃より低い場合は、溶媒除去に時間が多く必要となり、生産性が劣るため不適である。乾燥時間が15分より長い場合は、生産性が悪く、不適である。乾燥時間が1分より短い場合は支持体側の乾燥不十分となり、両面乾燥の効果が得にくい傾向がある。
乾燥装置は従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。
本発明においてフィルム(前駆体フィルム)表面のイミド化率とは、フィルム表面から3μm程度の深さまで評価されたイミド化率を意味する。
フィルム表裏のイミド化率評価は、次に示すATR測定手順に従って行った。
測定対象フィルムを2cm×2cmの大きさに採取し、測定対象面をATR結晶と密着させてIR測定装置にセットして下記特定波長吸光度を測定して下記(1)式によって、測定フィルム対象面のイミド化率を得た。
IMx = λ1778/λ1478・・・(1)
λ1778は、イミド特定波長1778cm−1(付近)における測定面の吸光度であり、λ1478は、芳香族環特定波長1478cm−1付近における測定面の吸光度である。
下記に、今回用いたATR測定条件を示す。
A面のイミド化率IMをIMaとしてB面のイミド化率IMをIMbとして、両者の差は、絶対値を持って示すものである。
測定値は、フィルムの任意の箇所における幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)とし、測定値は2点の平均値とする。
[測定条件]
装置名 ; FT−IR(測定装置:Digilab社製、FTS−60A/896等)アタッチメント ; golden gate MkII(SPECAC社製)
IRE ; ゲルマニウム
入射角 ; 45°
分解能 ; 4cm−1
積算回数 ; 128回
本発明の好ましい実施態様である本発明のフィルムを基板として使用するフィルム状太陽電池は、上述したフィルム基材上に半導体からなる光電変換層を含む積層体が形成されてなる。前記積層体は、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換層を必須の構成として有し、通常、得られた電気エネルギーを取出すための電極層などをさらに有するものである。
以下、フィルム状太陽電池を構成するよう形成される上記積層体の典型例として、光電変換層を一対の電極層で挟んでなる積層構造を説明する。しかし、本発明で形成される積層構造は以下に記載される態様に限定されず、従来技術の太陽電池が有する積層体の構成を適宜参照してよく、保護層や公知補助手段を付加してもよいものである。
上記一対の電極層における一方の電極層(以下、裏面電極層とも記載する)は、好ましくは、フィルム基材の一主面上に形成される。裏面電極層は自体公知の方法、例えばCVD(ケミカル・ベ−パ−・デポジション)法やスパッタ法によって、導電性無機材料を積層することによって得られる。導電性無機材料としては、Al、Au、Ag、Cu、Ni、ステンレス鋼などの金属薄膜や、In、SnO、ZnO、CdSnO、ITO(In にSnを添加したもの)などの酸化物半導体系の導電材料などが挙げられる。裏面電極層の厚さは特に限定はなく、通常、30〜1000nm程度である。好ましくは、裏面電極層は金属箔膜である。
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換層は、半導体からなる層であり、I族元素とIII族元素とVI族元素とからなる化合物半導体薄膜(カルコパイライト構造半導体薄膜)であるCuInSe2(CIS)膜、又はこれにGaを固溶したCu(In,Ga)Se(CIGS)膜(以下、両者をまとめてCIS系膜ともいう)、シリコン系半導体からなる層である。シリコン系半導体には、薄膜シリコン層、無定形シリコン層、多結晶シリコン層などが挙げられる。光電変換層は、異なる半導体からなる複数の層を有する積層体であってもよい。
薄膜シリコン層は、プラズマCVD法、熱CVD法、スパッタリング法、クラスタイオンビーム法、蒸着法などによって得られるシリコン層である。
無定形シリコン層は、実質的に結晶性をもたないシリコンからなる層である。実質的に結晶性をもたないことは、X線を照射しても回折ピークを与えないことによって確かめることができる。無定形シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、例えば、プラズマCVD法や熱CVD法などが含まれる。
多結晶シリコン層は、シリコンからなる微小結晶の集合体からなる層である。上述の無定形シリコン層とは、X線の照射により回折ピークを与えることによって区別される。多結晶シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、無定形シリコンを熱処理する手段などが含まれる。
本発明で用いる光電変換層は、シリコン系半導体層に限られず、例えば、厚膜半導体層であってもよい。厚膜半導体層とは酸化チタン、酸化亜鉛、ヨウ化銅などのペーストから形成される半導体層である。
半導体材料を光電変換層として構成する手段は公知の方法を適宜参照してよい。例えば、200〜500℃の温度下で、SiHにフォスフィン(PH)を添加したガス中で高周波プラズマ放電を行うことで約20nmのa−Si(n層)を形成し、続いてSiHガスのみで約500nmのa−Si(i層)を形成し、続いてSiHにジボラン(B)を添加して、約10nmのp−Si(p層)を形成することができる。
光電変換層を挟む一対の電極層のうち、フィルム基材とは反対側に設けられる電極層(以下、集電電極層ともいう)は、導電フィラーとバインダー樹脂を含む導電性ペーストを固めてなる電極層であったり、透明電極層であったりしてもよい。透明電極層としては、In、SnO、ZnO、CdSnO、ITO(InにSnを添加したもの)などの酸化物半導体系の材料を好ましく用いることができる。
かくして、本発明の好適な態様例である、透明電極/p型a−Si/i型a−Si/n型a−Si/金属電極/ポリイミドフィルムの順で積層されてなるフィルム状太陽電池が得られる。また、p層をa−Si、n層を多結晶シリコンとして、両者の間に薄いアンド−プa−Si層を挿入した構造にしてもよい。特に、a−Si/多結晶シリコン系のハイブリッド型にすると、太陽光スペクトルに対する感度が改善される。
太陽電池の作製においては、上記構成に加えて、反射防止層、表面保護層などを付加せしめてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は前記したもの以外は、以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.ポリイミドフィルムのフィルム厚さ
フィルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン(登録商標)1254D)を用いて測定した。
3.光線透過率
分光光度計(島津製作所(株)製、「UV−3150」)にて測定した。
4、ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度
乾燥後のフィルムを長手方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)にそれぞれ長さ100mm、幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(島津製作所製オートグラフ(商品名)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmで測定し、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を求めた。
5.ポリイミドフィルムの線膨張係数(CTE)
下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
6.ポリイミド前駆体フィルムの表裏面のイミド化率
[発明を実施するための最良の形態]において記述したとおりに測定した。
また、本発明におけるポリイミド前駆体フィルム表裏のイミド化率の差は、一方の面のイミド化率IMaと他方の面のイミド化率IMbとの差(|IMa―IMb|)である。
7.フィルム基材の線膨張係数(CTE)
測定対象のフィルム基材について、下記条件にてMD方向及びTD方向の伸縮率を測定し、30℃〜45℃、45℃〜60℃、…と15℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。MD方向、TD方向の意味は上述のとおりである。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
8.光電変換特性
変換効率をAM=1に調節したオリエル社のソーラーシュミレータで測定した。
(実施例1〜2、比較例1〜2)
(ポリアミド酸の重合−1)
反応容器中にトランス1,4−ジアミノシクロヘキサン1140質量部を入れ、N,N−ジメチルアセトアミド34000質量部に溶解した後、撹拌しながら3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の粉末2646質量部とピロメリット酸二無水物218質量部を徐々に加えた。形成された塩溶液をオイルバスにて150℃で5分間激しく撹拌しながら加熱したところ、塩の一部が溶解し始めたので、反応容器をオイルバスからはずして室温で数時間撹拌することにより、透明で粘稠なポリアミド酸溶液(A)を得た。
(ポリアミド酸の重合−2)
反応容器に4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)2100質量部を入れ、N−メチル−2−ピロリドン28600質量部に溶解した後、窒素気流下、撹拌しながらピロメリット酸二無水物の粉末2180質量部を徐々に加え、35℃で8時間反応させることにより、透明で粘稠なポリアミド酸溶液(B)を得た。得られたポリアミド酸の対数粘度は1.3dl/gであった。
(フィルム作製条件;ポリアミド酸のグリーンフィルムの製造とイミド化)
条件1; 乾燥工程として3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で90℃×7分、90℃×7分、90℃×7分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となった前駆体フィルムを支持体から剥離し厚さ40μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。
この剥離した前駆体フィルムを、熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度150℃で10分間、両面乾燥を行った。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃にて3分間熱処理した後、350℃まで、約20秒間にて昇温し、350℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、ポリイミドフィルムを得た。
条件2; 乾燥工程として3つの熱風式乾燥ゾーンにて雰囲気温度で100℃×10分、120℃×10分、130℃×10分間乾燥した。
乾燥後に自己支持性となったポリイミド前駆体フィルムを支持体から剥離し厚さ40μmのポリイミド前駆体フィルムを得た。
得られたポリイミド前駆体フィルムを、連続式の乾燥炉に通し、200℃にて3分間熱処理した後、350℃まで、約20秒間にて昇温し、350℃にて7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却、ポリイミドフィルムを得た。
得られた各ポリアミド酸溶液を、支持体としての厚さ188μm、幅800mmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4100(東洋紡績株式会社製))の滑剤を含まない面に幅740mmとなるようにコーティングし、各フィルム作製条件を適応させて各ポリイミドフィルムを得た。得られた各フィルムの性能などを表1に示す。
(フィルム状太陽電池の製造)
スパッタリング装置でステンレスのターゲットを使用して、前記各フィルム上に厚さ1000nmのステンレス層を形成した。次いで、真空反応器中の対向電極と支持電極の間にステンレス層を形成したフィルムを設置して、反応器内を一旦1×10−5Torrに排気し、支持電極の温度を300℃に高めた。その後、対向電極と支持電極に30Wの15MHzの高周波電圧を印加しつつ、アルゴンガスを反応器内に導入して3mTorrのアルゴン雰囲気下でプレスパッタし、次いで水素ガスで10%に希釈したSiH、同様に水素ガスで1%に希釈したPHガスを同時に導入して、1Torrの雰囲気下で上記ステンレス層上に25nmのn型アモルファスシリコン層を形成した。次いで、SiHのみを導入して、前記n型アモルファスシリコン層の上に、厚さ500nmのi型アモルファスシリコン層を積層し、さらにSiHガス中に1%のBを含有する混合ガスを導入することで、前記i型アモルファスシリコン層の上に、厚さ25nmのp型アモルファスシリコン層を形成した。
次いでこのpin型アモルファスシリコン層を形成したフィルムを真空蒸着装置内に装着し、電子ビーム法で100nmの厚さの酸化インジウム錫層を蒸着してヘテロ電極層とした。最後にその上に100nmのパラジウム層を櫛形に真空蒸着した。以上のようにして各フィルム状太陽電池を得た。得られた各フィルム状太陽電池の光電変換特性(変換効率)を表1に示す。
Figure 2008098344
本発明の、ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体に流延・乾燥して、ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)のイミド化率をIMaとし、他一方の面(B面)のイミド化率をIMbとするとき、IMa、IMbの両者の差が5以下であるポリイミド前駆体フィルムを得、該ポリイミド前駆体フィルムを熱によりイミド化させて得られるポリイミドフィルムであって、波長500nmでの光線透過率が50%以上である無色透明ポリイミドフィルムに光電変換薄膜を積層したことを特徴とするフィルム状太陽電池は、特定基板フィルムを使用していることで、光電変換薄膜のフィルム上への形成などの工程や電極層の形成などの工程における基板フィルムの受ける熱による変形特にフィルム面での反りや捩れに対して耐性を保持しており、フィルム状太陽電池の生産効率が優れ、かつフィルム状太陽電池の性能において欠点やバラツキのないものとなり、工業的に極めて有用である。

Claims (3)

  1. ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるポリアミド酸を支持体に流延・乾燥して、ポリイミド前駆体フィルムの一方の面(A面)のイミド化率をIMaとし、他一方の面(B面)のイミド化率をIMbとするとき、IMa、IMbの両者の差が5以下であるポリイミド前駆体フィルムを得、該ポリイミド前駆体フィルムを熱によりイミド化させて得られるポリイミドフィルムであって、波長500nmでの光線透過率が50%以上である無色透明ポリイミド長尺フィルムに光電変換薄膜を積層したことを特徴とするフィルム状太陽電池。
  2. ジアミンがトランス1,4−ジアミノシクロヘキサンである請求項1記載のフィルム状太陽電池。
  3. ジアミンが4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)である請求項1記載のフィルム状太陽電池。
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