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JP2008095008A - メタロセン錯体を含む重合触媒組成物、およびそれを用いて製造される重合体 - Google Patents

メタロセン錯体を含む重合触媒組成物、およびそれを用いて製造される重合体 Download PDF

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JP2008095008A JP2006280074A JP2006280074A JP2008095008A JP 2008095008 A JP2008095008 A JP 2008095008A JP 2006280074 A JP2006280074 A JP 2006280074A JP 2006280074 A JP2006280074 A JP 2006280074A JP 2008095008 A JP2008095008 A JP 2008095008A
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Abstract

【課題】メタロセン錯体を含む新規な触媒組成物を提供し、種々の高分子化合物を製造する方法を提供する。好ましくは、新規の高分子化合物、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】(a)α−オレフィン化合物と環状オレフィン化合物、または(b)ジエン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体の製造方法であって、
1)一般式(I)で表されるメタロセン錯体、および、
2)非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物、
を含む重合触媒組成物の存在下において重合を行う方法。
[化1]
Figure 2008095008

(式中、
Mは、第3族金属原子またはランタノイド金属原子のいずれかを示し;
Cp*は、置換もしくは無置換のシクロペンタジエニル誘導体を含む配位子を示し;
1およびQ2は、モノアニオン配位子を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明はメタロセン錯体を含む重合触媒組成物、特に該メタロセン錯体の中心金属が第3族金属、またはランタノイド金属である重合触媒組成物に関する。
また、該重合触媒を用いることを特徴とする高分子化合物の製造方法に関する。
さらに、該重合触媒組成物を用いて製造され得る高分子化合物、特にα−オレフィン化合物またはジエン化合物と環状オレフィンとの共重合体に関する。
環状オレフィンの一つであるノルボルネン類と、α−オレフィンであるエチレンとの共重合体が知られており、該共重合体は透明性や耐熱性に優れることから、光学材料への展開が期待されている(非特許文献1参照)。しかしながら、環状オレフィン化合物はその分子の嵩高さのために、一般的に重合活性が低く、有効な重合触媒系は限られている。このような共重合体を製造する触媒として、先に本発明者らは、以下の錯体、すなわちハーフメタロセン錯体(第3族金属またはランタノイド金属原子を中心金属とする)を含有する重合触媒を報告している(特許文献1参照)。
Figure 2008095008
(式中、
Mは、第3族金属原子またはランタノイド金属原子のいずれかを示し;
Cp*は、置換もしくは無置換のシクロペンタジエニル誘導体を含む配位子を示し;
1およびQ2は、モノアニオン配位子を示し;
Lは、中性ルイス塩基を示し;
wは、0〜3の整数を表す。)
該重合触媒によって、α−オレフィンとノルボルネンなどの環状オレフィンとの共重合体が製造される。しかしながら、さらに活性の高い共重合体の製造方法の開発が望まれてきた。
また、α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体を製造する重合触媒として、[メチレン(ビス(2,5−)ジメチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロライドからなる錯体およびメチルアミノキサン(MAO)との組み合わせからなる触媒が報告されており、α−オレフィンとノルボルネンとの共重合体が報告されている(非特許文献2参照)。
しかしながら、上記方法では反応温度を高く設定する必要がある(例えば70℃)といった問題がある。また、より高いα−オレフィン含有率の共重合体の製造が望まれてきた。
一方、ノルボルネン類の一つであるジシクロペンタジエンは、ノルボルネン構造に由来するC=C二重結合と、シクロペンテンに由来するC=C二重結合とを有する。ノルボル
ネンと同様、エチレンとの共重合体は興味が持たれる化合物であるが、最近、特定のZr 錯体を重合触媒として用いて合成されうることが報告された(非特許文献3参照)。しかしながら、報告された方法により合成されるジシクロペンタジエンとエチレンの共重合体は、分子量、およびジシクロペンタジエンの含有量が限られている。
特許文献1に記載された上記重合触媒によって、α−オレフィンとジシクロペンタジエンとの共重合体が製造され、改善された分子量、およびジシクロペンタジエンの含有量を有する共重合体が得られる。しかしながら、さらに活性の高いα−オレフィン・ジシクロペンタジエン共重合体の製造方法の開発が望まれてきた。
また、ノルボルネンと、イソプレンなどの共役ジエンとの共重合体が知られており、該共重合体は高いガラス転移点、高い透明性、低い複屈折性、低い水分吸収性および高効率発光ダイオードとしての性質から、光学材料への展開が期待されている。このような共重合体を製造する重合触媒として、ビス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン−ニッケルブロミド等のN−またはO−供与型リガンドを有するニッケル化合物からなる錯体およびモディファイドメチルアルミノキサン(MMAO)と組み合わせからなる触媒が報告されている(非特許文献4参照)。
しかしながら、さらに活性の高いジエン・ジシクロペンタジエン共重合体の製造が望まれてきた。また、より高いジエン含有率の共重合体の製造方法の開発が望まれてきた。
また、ジシクロペンタジエンは、ノルボルネンに比べて原料のコストが安いことから、工業上有利である。しかしながら、ジシクロペンタジエンとジエン化合物との共重合体の製造方法はこれまで知られていない。
国際公開第WO 06/004068号パンフレット K. Nomura et al., Macromolecules, 36, 3797 (2003) Hye Young Jung et al., Polyhedron 24 (2005) 1269-1273 Adriane G. Simanke et al., Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol. 40, 471- 485 (2002) Hirotaka Suzuki et al., Reactive&Functional Polymers 59 (2004) 253-266
本発明は、メタロセン錯体を含む新規な触媒組成物を提供することを課題とする。さらに本発明は、前記触媒組成物を用いて種々の高分子化合物を製造する方法を提供することを課題とする。好ましくは、本発明は、前記触媒組成物を用いて新規の高分子化合物を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特許文献1に記載の上記メタロセン錯体において、中性ルイス塩基を有さない錯体を開発した。このような触媒は、中性ルイス塩基を有さないため、オレフィンモノマーの活性中心への配位が可能となったことにより、特許文献1に記載の上記メタロセン錯体に対し、効率よくα−オレフィン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体を製造できることを見出した。さらに、ジ
エン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体を製造できることを見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたものである。
すなわち本発明は以下の通りである。
第1に、本発明は、以下に示す重合体の製造方法の発明である。
(1)(a)α−オレフィン化合物と環状オレフィン化合物、または(b)ジエン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体の製造方法であって、
1)一般式(I)で表されるメタロセン錯体、および、
2)非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物、
を含む重合触媒組成物の存在下において重合を行う方法。
Figure 2008095008
(式中、
Mは、第3族金属原子またはランタノイド金属原子のいずれかを示し;
Cp*は、置換もしくは無置換のシクロペンタジエニル誘導体を含む配位子を示し;
1およびQ2は、モノアニオン配位子を示す。)
(2)一般式(I)におけるMが、スカンジウム(Sc)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ホルミウム(Ho)、ルテチウム(Lu)、エルビウム(Er)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)、またはツリウム(Tm)であることを特徴とする、(1)に記載の製造方法。
(3)一般式(I)におけるQ1およびQ2が、それぞれ独立に置換または無置換のヒドロカルビル基であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)一般式(I)におけるQ1およびQ2が、それぞれ独立に一般式:η3−C31 5(式中、R1は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示す。)で示される基であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)一般式(I)におけるQ1およびQ2が、それぞれ独立に一般式:CH262 4ER3 n−o(式中、R2は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示し;EはN、P、As、O、またはSを示し;R3は、それぞれ独立にアルキル基またはアリール基を示し;nは1または2である。)で示される基であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(6)一般式:CH262 4ER3 n−oにおけるEが、Nであることを特徴とする、(5)に記載の製造方法。
第2に、本発明は、以下に示す錯体およびそれを含有する重合触媒組成物の発明である。
(7)一般式(A)で表されるメタロセン錯体。
Figure 2008095008
(式中、
Mは、第3族金属原子またはランタノイド金属原子のいずれかを示し;
Cp*は、置換もしくは無置換のシクロペンタジエニル誘導体を含む配位子を示し;
1は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示す。)
(8)1)(7)に記載のメタロセン錯体、および、
2)非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物、
を含む重合触媒組成物。
第3に、本発明は、以下に示す共重合体の発明である。
(9)(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法により得られるα−オレフィン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体。
(10)環状オレフィン化合物がノルボルネン類である、(9)に記載の共重合体。
(11)ノルボルネン類がノルボルネンまたはジシクロペンタジエンである、(10)に記載の共重合体。
(12)(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法により得られるジエン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体。
(13)環状オレフィン化合物がノルボルネン類である、(12)に記載の共重合体。
(14)ノルボルネン類がノルボルネンである、(13)に記載の共重合体。
(15)ジエン化合物とジシクロペンタジエンとの共重合体。
(16)ジエン化合物がイソプレンである、(15)に記載の共重合体。
本発明の触媒組成物を用いることにより、新しい重合反応が提供され、高分子化合物の新たな製造方法が提供される。
一方、本発明の触媒組成物を用いて製造される高分子化合物の一つである種々の環状オレフィン共重合体は、例えば、光学材料としての幅広い用途に適用されることが期待される。
<本発明の触媒組成物>
本発明の触媒組成物は、メタロセン錯体とイオン性化合物を含むことを特徴とする。また、その他の任意の成分を含んでいてもよい。
1.本発明の触媒組成物に含まれるメタロセン錯体
本発明の触媒組成物に含まれるメタロセン錯体(以下、「本発明で用いるメタロセン錯体」とも称する)は、以下の一般式(I)で表される錯体である。該錯体は、好ましくはハーフメタロセン錯体である。
Figure 2008095008
一般式(I)において、Mはメタロセン錯体における中心金属である。中心金属Mは第3族金属またはランタノイド金属であり、特に限定されない。本発明で用いるメタロセン錯体は、重合触媒組成物の一構成成分として用いることができるので、中心金属Mは、重合させようとするモノマーの種類などによって適宜選択される。
例えば、イソプレンとノルボルネンを重合する場合は、いずれの第3族金属またはラン
タノイド金属を用いてもよいが、例えば、スカンジウム(Sc)を選択することができる。
また、イソプレンとジシクロペンタジエンを重合する場合は、いずれの第3族金属またはランタノイド金属を用いてもよいが、例えば、スカンジウム(Sc)を選択することができる。
一般式(I)においてCp*は、シクロペンタジエニル誘導体を含む配位子であり、中心金属Mにπ結合している。該配位子は、好ましくは非架橋型配位子である。ここで非架橋型配位子とは、シクロペンタジエニル誘導体が中心金属にπ結合して、シクロペンタジエニル誘導体以外の配位原子または配位基を有さない配位子を意味する。
Cp*に含まれるシクロペンタジエニル誘導体とは、シクロペンタジエニル環のほか、シクロペンタジエニルを含む縮合環(インデニル環、フルオレニル環を含むがこれらに限定されない)などが挙げられる。最も好ましいシクロペンタジエニル誘導体は、シクロペンタジエニル環である。
シクロペンタジエニル環は、組成式C55-XXで表される。ここでxは0〜5の整数を表す。Rはそれぞれ独立して、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、またはヒドロカルビル基が置換したメタロイド基である。
前記ヒドロカルビル基は、好ましくは炭素数1〜20のヒドロカルビル基であるが、より好ましくはC1〜20(好ましくはC1〜10、さらに好ましくはC1〜6)のアルキル基、フェニル基、ベンジル基などであり、最も好ましくはメチル基である。
前記置換ヒドロカルビル基におけるヒドロカルビル基は、前記したヒドロカルビル基と同様である。置換ヒドロカルビル基とは、ヒドロカルビル基の少なくとも1つの水素原子が、ハロゲン原子、アミド基、ホスフィド基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基などで置換されたヒドロカルビル基である。
前記ヒドロカルビル基が置換したメタロイド基におけるメタロイドは、ゲルミル(Ge)、スタニル(Sn)、シリル(Si)などが挙げられる。また、メタロイド基を置換したヒドロカルビル基は前記したヒドロカルビル基と同様であり、その置換数は、メタロイドの種類によって決定される(例えばシリル基の場合は、ヒドロカルビル基の置換数は3である)。
好ましくは、シクロペンタジエニル環のRの少なくとも一つが、ヒドロカルビル基が置換したメタロイド基(好ましくはシリル基)であり、より好ましくはトリメチルシリル基である。
好ましいシクロペンタジエニル環としては、以下の構造式で表されるものが具体的に例示されるが、これらに限定されることはない。
Figure 2008095008
配位子Cp*に含まれるシクロペンタジエニル誘導体は、インデニル環(組成式:C9
7-xx)またはテトラヒドロインデニル環(組成式:C911-xx)などでもよい。ここでRは前記したシクロペンタジエニル環のRと同様であり、Xは0〜7または0〜11の整数である。
配位子Cp*に含まれるシクロペンタジエニル誘導体は、フルオレニル環(組成式:C139-xx)またはオクタヒドロフルオレニル環(組成式:C1317-xx)などでもよい。ここでRは前記したシクロペンタジエニル環のRと同様であり、Xは0〜9または0〜17の整数である。
本発明で用いる一般式(I)で表される錯体において、Q1およびQ2は、同一または異なるモノアニオン配位子である。モノアニオン配位子としては、好ましくは、置換もしくは無置換の、炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、より好ましくは、
1)η3−C31 5(式中、R1は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示す。)で示される基、または、
2)CH262 4ER3 n−o(式中、R2は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示し;EはN、P、As、O、またはSを示し;R3は、それぞれ独立にアルキル基またはアリール基を示し;nは1または2である。)で示される基である。
前記η3−C31 5におけるR1が示すアルキル基は、好ましくはC1〜C12(好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4)のアルキル基などであり、最も好ましくはメチル基である。
前記CH262 4ER3 n−oにおけるR2が示すアルキル基は、好ましくはC1〜C10(好ましくはC1〜8、さらに好ましくはC1〜C4)のアルキル基などであり、最も好ましくはメチル基である。R3が示すアルキル基は、R2が示すアルキル基と同様である。R3が示すアリール基は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などである。
前記CH262 4ER3 n−oにおけるEはN、P、As、O、またはSを示し、好ましくはNである。
本発明で用いるメタロセン錯体は、本明細書においてその構造が明らかにされたため、既知の方法、例えば国際公開第WO 06/004068号パンフレットに記載された方法に従って合成することができる。
また、後述の参考例にも、これらの錯体の製造方法の具体例が記載されているので、これらを参考にすることもできる。
2.本発明の触媒組成物に含まれるイオン性化合物
前記したように、本発明の触媒組成物はイオン性化合物を含む。ここでイオン性化合物とは、非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物を含む。該イオン性化合物は、前記したメタロセン錯体と組み合わされることにより、前記メタロセン錯体に重合触媒としての活性を発揮させる。そのメカニズムとして、イオン性化合物が、メタロセン錯体と反応し、カチオン性の錯体(活性種)を生成させると考えることができる。
イオン性化合物の構成成分である非配位性アニオンとしては、例えば、4価のホウ素アニオンが好ましく、テトラ(フェニル)ボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレートなどが挙げられる。
これらの非配位性アニオンのうち、好ましくはテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
イオン性化合物の構成成分であるカチオンの例には、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが含まれる。
カルボニウムカチオンの具体例には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンが含まれる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンが含まれる。
アンモニウムカチオンの具体例には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンが含まれる。
ホスホニウムカチオンの具体例には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンが含まれる。
これらのカチオンのうち、好ましくはアニリニウムカチオンまたはカルボニウムカチオンであり、さらに好ましくはN,N-ジメチルアニリニウムカチオンまたはトリフェニルカルボニウムカチオンが挙げられる。
すなわち、本発明の触媒組成物に含まれるイオン性化合物は、前記した非配位性アニオンおよびカチオンからそれぞれ選ばれるものを組み合わせたものであり得る。
好ましくは、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1'-ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが例示される。イオン性化合物は1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのイオン性化合物のうち、特に好ましいものは、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
また、遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成させることができるルイス酸である、B(C6F5)3、Al(C6F5)3などをイオン性化合物として用いてもよく、これらを前記のイオン性化合物と組み合わせて用いてもよい。
さらに、アルキルアルミ化合物(アルミノオキサン、好ましくはMAOまたはMMAO)、またはアルキルアルミ化合物とボレート化合物の組み合わせも、イオン性化合物として用いることができ、また他のイオン性化合物と組み合わせて用いてもよい。
3.本発明の触媒組成物に含まれるその他の任意成分
本発明の触媒組成物は、メタロセン錯体およびイオン性化合物以外にも、任意の成分を含むことができる。任意の成分とは、アルキルアルミ化合物、シラン化合物、水素などが挙げられる。
アルキルアルミ化合物とは、通常、トリアルキルアルミやジアルキルアルミヒドリドなどの他に、メタロセン重合触媒で用いられるアルミノオキサン(アルモキサン)と称され
る有機アルミニウム化合物を含む。例えば、メチルアルミノキサン(MAO)、トリイソブチルアルミなどが挙げられる。
シラン化合物とは、フェニルシランなどが挙げられる。
4.本発明の触媒組成物
前記の通り、本発明の触媒組成物は前記メタロセン錯体とイオン性化合物を含むことを特徴とする。本発明の触媒組成物において、イオン性化合物のメタロセン錯体に対するモル比率は、錯体とイオン性化合物の種類によって異なる。
前記モル比率は、例えば、イオン性化合物がカルボニウムカチオンやアニリニウムカチオンとホウ素アニオンからなるもの(例えば[PhMe2NH][B(C6F5)4]、[Ph3C][B(C6F5)4])である場合は0.5〜1であることが好ましく、MAOなどである場合は10〜4000程度であることが好ましい。
イオン性化合物は、メタロセン錯体をイオン化、即ちカチオン化させて、触媒活性種とすると考えられるため、上記した比率以下であると、十分にメタロセン錯体を活性化することができないと考えられる。
一方、カルボニウムカチオンとホウ素アニオンからなるイオン性化合物が過剰に存在すると、重合反応させるべきモノマーとそれらが反応してしまう恐れがある場合もある。
本発明の触媒組成物は、重合触媒組成物(特に付加重合触媒組成物)として用いられることができる。
例えば、1)各構成成分(メタロセン錯体およびイオン性化合物など)を含む組成物を重合反応系中に提供する、あるいは2)各構成成分を別個に重合反応系中に提供し、反応系中において組成物を構成させることにより、重合触媒組成物として用いることができる。
上記1)において、「組成物として提供する」とは、イオン性化合物との反応により活性化されたメタロセン錯体(活性種)を提供することを含む。
前記の通り、本発明の触媒組成物を、種々のモノマーの重合反応における重合触媒組成物として用いることができる。本発明の触媒組成物が触媒として作用しうる重合反応は、付加重合性を有することが知られている任意のモノマー化合物の重合反応が挙げられるが、例えばオレフィン系モノマー、エポキシ系モノマー、イソシアネート系モノマー、ラクトン系モノマー、ラクチド系モノマー、環状カーボネート系モノマー、アルキン系モノマーなどの重合反応が挙げられる。好ましくは、オレフィン系モノマーの重合反応、特に好ましくはα−オレフィン、スチレン、エチレン、ジエン、環状オレフィン(2−ノルボルネンやジシクロペンタジエンなどのノルボルネン類やシクロヘキサジエンを含む)などの重合反応が挙げられる。
ここでオレフィン系モノマーであるジエンの例には、1,3−ブタジエン、2-メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンや、シクロヘキサジエンなどの環状ジエンなどが含まれる。
また、本発明の重合触媒組成物は、ホモ重合反応および共重合反応における重合触媒組成物として用いることができる。共重合されるモノマーは付加重合性があればよく、好ましくは2以上のオレフィン系モノマーであり、特に好ましくはα−オレフィン、ジエン、ならびに環状オレフィンから選ばれる2以上のモノマーである。
<本発明の高分子化合物>
本発明の高分子化合物の一態様は、α−オレフィン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体である(以下、「本発明のα−オレフィン−環状オレフィン共重合体」と称する
ことがある)。
本発明の高分子化合物の一態様は、α−オレフィン−ノルボルネン類共重合体である。
本発明の高分子化合物の一態様は、ジエン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体である。(以下、「本発明のジエン−環状オレフィン共重合体」と称することがある)。
本発明の高分子化合物の一態様は、ジエン−ノルボルネン類共重合体である。
1.本発明の製造方法で製造されるα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体
本発明の製造方法で製造されるα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体について、α−オレフィン−ノルボルネン類共重合体(以下、「本発明におけるオレフィン−ノルボルネン類共重合体」)を例に説明する。
本発明におけるα−オレフィンとノルボルネン類の共重合体は、α−オレフィン構造単位とノルボルネン類構造単位を含む(好ましくは両者からなる)重合体である。ここで、本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体におけるα−オレフィン構造単位の含有率は任意に選択することができるが、通常は20〜100mol%であり、好ましくは30mol%以上、より好ましくは50mol%、さらに好ましくは70mol%以上である。
本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体におけるα−オレフィン構造単位の含有率は、13C−NMRスペクトルを分析することにより測定することができる。具体的には、α−オレフィン−ノルボルネン類共重合体の13C−NMRスペクトルの各ピークは、共重合体の各炭素に帰属されるので、そのピーク面積に基づいて比率を求めればよい。
具体的には、1−ヘキセン−ノルボルネン共重合体であれば、例えば14ppm付近のピーク(メチル炭素)のピーク面積Pmeを基準として30−60ppm付近のピーク(ポリマー炭素)のピーク面積Ptotalからノルボルネンと1−ヘキセンの比を求めることができる。すなわち、以下の式にしたがって求めることができる。
1−ヘキセン含有率 = Pme/[(Ptotal-4Pme)/7+Pme]
該含有率は、後述するように、原料として用いられるモノマーにおけるノルボルネン類の量を調整することでほぼ0〜100%の間で制御され得る。
前述の通り、本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体はα−オレフィン構造単位と、ノルボルネン類構造単位を含むが、両構造単位は任意の順序に配列していればよい。すなわち、両者がランダムに配列していてもよいし、何らかの規則性をもって配列(例えば、両構造単位が交互に配列している、それぞれがある程度連続して配列している、その他決まった順序で配列している)していてもよい。したがって、本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、その他の定序性共重合体であってもよいが、好ましくはランダム共重合体またはブロック共重合体であって、より好ましくはランダム共重合体である。
前述のとおり、本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体はノルボルネン類構造単位を含むが、ここでノルボルネン類とは、以下の式で示される2−ノルボルネン骨格を有する化合物を意味する。
Figure 2008095008
上記式においてR'およびR''は任意であって特に限定されないが、例示すると、それ
ぞれ独立して水素原子もしくは炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)のアルキル基を示すか、またはR'とR''が一緒になってアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖を形成していてもよい。ノルボルネン類として、より具体的には2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデカン(TCD)、1,4−メタノテトラヒドロフルオレン(MTF)などが例示される。
該ノルボルネン類は、より好ましくはR'およびR''が水素原子である2−ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンである。
Figure 2008095008
本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体におけるノルボルネン類構造単位は、付加重合単位の選択率が高いことが好ましい。すなわち、ポリノルボルネン類の構造単位は以下に示される付加重合単位と開環重合単位の2つが考えられるが、本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体におけるノルボルネン類の全構造単位に対する付加重合単位の比率が高いことを特徴とする。具体的には、本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体におけるノルボルネン類の全構造単位における付加重合単位の比率は、通常95%以上であり、好ましくはほぼ100%である。付加重合単位と開環重合単位の比率は、1H−NMRスペクトルから求めることができる。
Figure 2008095008
本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体の分子量分布は特に限定されないが、その指標であるMw/Mnが通常3以下であり、好ましくは2以下である。分子量分布はGPC法(ポリスチレンを標準物質、1,2−ジクロロベンゼンを溶出液として、145℃で測定)により測定される値(Mw/Mn)を意味し、例えばGPC測定装置(TOSOH HLC 8121 GPC/HT)を用いて測定することができる。
本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体の分子量は特に限定されないが、その数平均分子量が通常4×103以下であり、好ましくは2×103以下である。下限は特に限定されないが、1000以上であればよい。分子量はα−オレフィン由来の構造単位の含有率と関連はほとんどない。分子量は、分子量分布と同様のGPC法で求めることができる。また、α−オレフィン−ノルボルネン類共重合体の製造における重合反応の温度を上げることで、該分子量を大きくすることができる。
本発明におけるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体は通常、ガラス転移点を有する。α−オレフィン由来の構造単位の構造、α−オレフィン由来の構造単位とノルボルネン類由来の構造単位の比率、その他によって変化する。通常、α−オレフィン含有率が上
がると、ガラス転移温度が低下する(図6〜8を参照)。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)法により測定される。
2.本発明の製造方法で製造されるジエンと環状オレフィンの共重合体
2−1.本発明の製造方法で製造されるジエンとノルボルネンの共重合体
本発明の製造方法で製造されるジエンと環状オレフィンとの共重合体について、イソプレン−ノルボルネン共重合体(以下、「本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体」)を例に説明する。
本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体は、下記式(B)で表されるノルボルネン由来の構造単位、および式(C1)〜(C4)で表されるイソプレン由来の構造単位の1種以上を有する共重合体である。イソプレン由来の構造単位の主要単位は、(C1)で表される構造単位である(イソプレン由来の全構造単位のうち、例えば50%以上)。
Figure 2008095008
本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体において、上記式(B)および式(C1)〜(C4)で表される構造単位は任意の順序に配列していればよい。すなわち、各構造単位がランダムに配列していてもよく、何らかの規則性をもって配列していてもよい。従って、本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、その他の定序性共重合体であってもよいが、好ましくはランダム共重合体またはブロック共重合体であり、より好ましくはランダム共重合体である。
式(C1)〜(C4)で表される構造単位のタクチシティーは特に制限されず、例えばアタクチックである。
前述のとおり、本発明におけるイソプレンとノルボルネンの共重合体は、イソプレン構造単位とノルボルネン構造単位を含む(好ましくは両者からなる)重合体である。ここで、本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体におけるイソプレン構造単位の含有率は任意に選択することができるが、通常は30mol%以上、好ましくは40mol%以上、より好ましくは50mol%以上、さらに好ましくは70mol%以上である。
本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体におけるノルボルネン構造単位の含有率は、1H−NMRスペクトルを分析することにより測定することができる。具体的には、イソプレン−ノルボルネン共重合体の1H−NMRスペクトルの各ピークは、共重合体の各水素に帰属されるので、そのピーク面積に基づいて比率を求めればよい。
具体的には、例えば4.7ppm付近のピーク(3,4ビニル水素)のピーク面積P3,4、5.1ppm付近のピーク(1,4水素)のピーク面積P1,4、0.8−2.2 ppm(ノルボルネンとイソプレンの水素)Ptotalの比から求めることができる。すなわち、以下の式にしたがって求めることができる。
NB含有率 = 0.1(Ptotal-7P1,4-3P3,4)/[0.1(Ptotal-7P1,4-3P3,4)+P1,4+0.5P3,4]
該含有率は、後述するように、原料として用いられるモノマーにおけるノルボルネンの量を調整することで制御され得る。
本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体におけるノルボルネンの全構造単位における付加重合単位の比率は、通常95%以上であり、好ましくはほぼ100%である。付加重合単位と開環重合単位の比率は、1H−NMRスペクトルから求めることができる。
本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体の分子量分布は特に限定されないが、その指標であるMw/Mnが通常3以下であり、好ましくは2以下である。分子量分布はGPC法(ポリスチレンを標準物質、1,2−ジクロロベンゼンを溶出液として、145℃で測定)により測定される値(Mw/Mn)を意味し、例えばGPC測定装置(TOSOH HLC 8121 GPC/HT)を用いて測定することができる。
本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体の分子量は特に限定されないが、その数平均分子量が通常10×104以下であり、好ましくは4×104以下である。下限は特に限定されないが、1000以上であればよい。分子量はイソプレン由来の構造単位の含有率と関連があり、その含有率が高いほど分子量が大きくなる。分子量は、分子量分布と同様のGPC法で求めることができる。また、イソプレン−ノルボルネン共重合体の製造における重合反応の温度を上げることで、該分子量を大きくすることができる。
本発明におけるイソプレン−ノルボルネン共重合体は通常、ガラス転移点を有する。ガラス転移温度は、イソプレン由来の構造単位の構造、イソプレン由来の構造単位とノルボルネン由来の構造単位の比率、その他によって変化する。ガラス転移温度は、通常20℃以上(好ましくは30℃以上)である。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)法により測定される。
2−2.本発明のジエンとジシクロペンタジエンの共重合体
本発明のジエンと環状オレフィンとの共重合体について、イソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体を例に説明する。
本発明のイソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体におけるイソプレン由来の構造単位の主要単位は、上記式(C1)で表される構造単位であり、イソプレン由来の全構造単位のうち、例えば50%以上である。
本発明のイソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体において、ジシクロペンタジエンおよび上記式(C1)〜(C4)で表される構造単位は任意の順序に配列していればよい。すなわち、各構造単位がランダムに配列していてもよく、何らかの規則性をもって配列していてもよい。従って、本発明のイソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、その他の定序性共重合体であってもよいが、好ましくはランダム共重合体またはブロック共重合体であり、より好ましくはランダム共重合体である。
式(C1)〜(C4)で表される構造単位のタクチシティーは特に制限されず、例えばアタクチックである。
本発明のイソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体に含まれる全構造単位に対するイソプレン構造単位の含有率は任意に選択することができるが、通常は20〜80mol%、好ましくは30mol%以上、より好ましくは50mol%以上、さらに好ましくは70mol%以上である。
該含有率は1H−NMRスペクトルを分析することにより測定することができる。具体的には、イソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体の1H−NMRスペクトルにおける各ピークは、図14に示されるように、共重合体の各水素に帰属されるので、これらのピーク面積の比率から求めることができる。具体的には、例えば3.1ppm付近のピーク(ジシクロペンタジエン水素)のピーク面積PDCPD、4.7ppm付近のピーク(3,4ビニル水素)のピーク面積P3,4、5.1ppm付近のピーク(1,4ビニル水素)P1,4の比から求めることができる。すなわち、以下の式にしたがって求めることができる。
DCPD含有率 =PDCPD/(PDCPD+ P1,4+0.5P3,4)
該含有率は、イソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体の製造(後述)の原料におけるジシクロペンタジエンの使用量(または濃度)を調整することで制御することができる。
ジシクロペンタジエンはノルボルネン構造に由来するC=C二重結合と、シクロペンテン構造に由来するC=C二重結合を有する。本発明のイソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体におけるジシクロペンタジエンの全構造単位に対する、ノルボルネン構造に由来するC=C二重結合に基づくジシクロペンタジエン構造単位の比率は、通常は80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上である。
また、ノルボルネン構造単位と同様、ノルボルネン構造に由来するC=C二重結合に基づくジシクロペンタジエン構造単位は、下記式で示される付加重合単位と開環重合単位であり得るが、本発明のイソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体におけるジシクロペンタジエンの全構造単位に対する付加重合単位の比率は、通常は80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%以上である。
該含有率は、1H−NMRスペクトルデータから求めることができる。
Figure 2008095008
本発明のイソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体の分子量分布は特に限定されないが、その指標であるMw/Mnが、通常3以下、好ましくは2以下である。分子量分布はGPC法(ポリスチレンを標準物質、1,2−ジクロロベンゼンを溶出液として、145℃で測定)により測定される値(Mw/Mn)を意味し、例えばGPC測定装置(TOSOH HLC 8121 GPC/HT)を用いて測定することができる。
本発明のイソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体の分子量は特に限定されないが、その数平均分子量が通常は1×103以上であり、好ましくは3×103以上であり、より好ましくは5×103以上であり、さらに好ましくは9×103以上である。
上限は特に限定されないが、数平均分子量が50×103以下であればよい。
分子量は、分子量分布と同様のGPC法で求めることができる。
<本発明の高分子化合物の製造方法>
本発明の高分子化合物の製造方法は、任意の重合性モノマーを、前記した本発明の重合触媒組成物を用いて重合(付加重合)させることを特徴とする。
また、本発明の製造方法は、重合触媒として本発明の触媒組成物を用いること以外は、従来の、配位イオン重合触媒を用いる付加重合反応による高分子化合物の製造方法と同様
にすることができる。
具体的には、例えば以下の手順により行うことができる。
1.本発明の触媒組成物を含む系(好ましくは液相)中に、重合性モノマーを供給して重合させる。ここでモノマーが液体であれば滴下することで供給することができ、気体であればガス管を通して供給(液相反応系であればバブリングなど)すればよい。
2.重合性モノマーを含む系(好ましくは液相)中に、本発明の触媒組成物を添加する、または触媒組成物の構成成分を別個に添加することで重合させる。添加される触媒組成物は、予め調製され(好ましくは液相中で調製され)、活性化されていてもよい(この場合は外気に触れないように、添加することが好ましい)。
ここで、重合性モノマーとは、付加重合性を有するモノマー、例えばオレフィン系モノマー、エポキシ系モノマー、イソシアネート系モノマー、ラクトン系モノマー、ラクチド系ポリマー、環状カーボネート系モノマー、アルキン系モノマーなどであり、またこれらの組み合わせでもよい。
これらのうち、好ましくは、1種または2種以上のオレフィン系モノマーであり、さらに好ましくは置換および無置換α−オレフィン(1−ヘキセンを含む)、ジエン、環状オレフィン(ノルボルネン類やシクロヘキサジエン含む)から選ばれる1または2種以上のモノマーである。ここでオレフィン系モノマーであるジエンとしては、1,3−ブタジエン、2-メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンや、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエンなどを例示することができる。
また、該製造方法は、気相重合法、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、固相重合法などの任意の方法であり得る。溶液重合法による場合、用いられる溶媒は重合反応において不活性であり、モノマーおよび触媒を溶解させ得る溶媒であれば特に限定されない。例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;クロルベンゼン、ブロムベンゼン、クロルトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
また、生体に対する毒性を有さない溶媒が好ましい。具体的には、芳香族炭化水素、特にトルエンが好ましい。溶媒は1種を単独で用いてもよいが、2種以上組み合わせた混合溶媒を用いてもよい。
また、用いられる溶媒の量は任意であるが、重合触媒に含まれる錯体の濃度を0.1〜0.0001mol/lとする量であることが好ましい。
本発明の重合を溶液重合で行う場合の重合温度は、任意の温度、例えば−90〜100℃の範囲で行いうる。重合させるモノマーの種類などに応じて適宜選択すればよいが、通常は、室温近辺、すなわち約25℃で行うことができる。
重合時間は数秒〜数十時間程度であり、重合させるモノマーの種類などに応じて適宜選択すればよい。例えば、α−オレフィンと環状オレフィンの共重合の場合には、通常は24時間以下、場合によっては12時間以下でよい。ジエンと環状オレフィンの共重合の場合には、通常は1時間以下、場合によっては15分以下でよい。
もっとも、これらの反応条件は、重合反応温度、モノマーの種類やモル量、触媒組成物の種類や量などに応じて、適宜選択することが可能であり、上記に例示した範囲に限定されることはない。
また、共重合体の製造については、
1) ランダム共重合体または交互共重合体であれば、2種類以上のモノマーの混合物を触媒組成物存在下で重合反応させることにより製造することができ、
2) ブロック共重合体であれば、各モノマーを、触媒組成物を含む反応系中に順番に供給することにより製造することができる。
本発明の製造方法により製造される高分子化合物として、具体的には、例えば以下のものが挙げられるが、これらに限定されることはない。
1)α−オレフィンと環状オレフィンの共重合体。
2)ジエンと環状オレフィンの共重合体。
なお、上記共重合体の製造方法について、いくつかの共重合体を例として、以下でさらに詳細に説明する。なお、当業者であれば、以下の具体的説明、実施例および通常の有機化学的手法に基づき、各種(共)重合体の製造を行うことができる。
1.α−オレフィン−ノルボルネン類共重合体の製造方法
α−オレフィン−ノルボルネン類共重合体は、α−オレフィンおよびノルボルネン類を本発明の触媒組成物を用いて重合させることにより製造することができる。
触媒組成物中の錯体としては、好ましくは中心金属がスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ルテチウム(Lu)、より好ましくはスカンジウム(Sc)である錯体を用いる。一方、触媒組成物中のイオン性化合物としては、[Ph3C][B(C6F5)4] などの4価のホウ素アニオンとカルボニウムカチオンからなる化合物が好ましい。錯体(中心金属換算)とイオン性化合物は、モル比で1:1程度とすることが好ましい。
具体的な手順としては、例えば、溶媒(好ましくはトルエン)中に本発明の錯体を溶解させ、これにα−オレフィンおよびノルボルネン類を溶解させた溶媒を添加し、これを撹拌しながら、さらにイオン性化合物を供給し触媒組成物を構成させて活性種を生成させ、反応を行う。反応温度は25℃程度に調整されることが好ましい。
なお、従来の触媒組成物では反応は高温で可能であったが、本発明の製造方法によれば、常温で反応が可能である。
モノマーの仕込み比を変更することにより、α−オレフィン含有率をほぼ0%〜100%に調節することができる。α−オレフィンの比率と、得られる共重合体の分子量の間には顕著な傾向はみられない。
重合反応において使用される溶媒の量は総モノマー20mmolに対して、5ml程度とすることが好ましいが、特にこれに限定されるわけではない。
提供されるモノマーの量は、錯体(中心金属換算)に対して、モル比で100〜1000倍であることが好ましい。
重合反応は、数分〜数十時間程度で終了することが多い。反応が終了すると、反応系の粘度があがり、撹拌不能になることがある。
反応終了後、反応混合物をメタノールなどにあけることで、生成した重合体を沈殿させることができる。沈殿した重合体を濾取し、乾燥させることによりα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体を得ることができる。得られるα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体の収率は、用いる錯体の種類によって異なる。例えば、1―ヘキセン−ノルボルネン共重合体において、モノマーそれぞれの変換率として、1―ヘキセンの場合100%付近、ノルボルネンの場合80%付近にすることが可能である。
このような製造方法によれば、高いα−オレフィン含有率を有するα−オレフィン−ノルボルネン類共重合体を製造し得る。
2.イソプレン−ノルボルネン共重合体の製造方法
イソプレン−ノルボルネン共重合体は、イソプレンおよびノルボルネンを本発明の触媒
組成物を用いて重合させることにより製造することができる。
触媒組成物中の錯体としては、好ましくは中心金属がスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ルテチウム(Lu)、より好ましくはスカンジウム(Sc)である錯体を用いる。一方、触媒組成物中のイオン性化合物としては、[Ph3C][B(C6F5)4] などの4価のホウ素アニオンとカルボニウムカチオンからなる化合物および[PhNMe2H][B(C6F5)4] などの4価のホウ素アニオンとアニリニウムカチオンからなる化合物が好ましい。錯体(中心金属換算)とイオン性化合物は、モル比で1:1程度とすることが好ましい。
具体的な手順としては、例えば、溶媒(好ましくはトルエン)中に本発明の錯体、イソプレンおよびノルボルネンを溶解させ、これを撹拌しながら、さらにイオン性化合物を供給し触媒組成物を構成させて活性種を生成させ、反応を行う。反応温度は25℃程度に調整されることが好ましい。
なお、本発明の製造方法によれば、高効率で反応が可能である。
モノマーの仕込み比を変更することにより、イソプレン含有率を調節することができる。イソプレンの比率を増やすと、得られる共重合体の分子量が上昇する傾向があり、またイソプレン含有率が上昇する傾向がある。
重合反応において使用される溶媒の量は総モノマー10〜20mmolに対して、5ml程度とすることが好ましいが、特にこれに限定されるわけではない。
提供されるモノマーの量は、錯体(中心金属換算)に対して、モル比で100〜2000倍であることが好ましい。
重合反応は、数秒〜1時間程度で終了することが多い。反応が終了すると、反応系の粘度があがり、撹拌不能になることがある。
反応終了後、反応混合物をメタノールなどにあけることで、生成した重合体を沈殿させることができる。沈殿した重合体を濾取し、乾燥させることによりイソプレン−ノルボルネン共重合体を得ることができる。得られるイソプレン−ノルボルネン共重合体の収率は、用いる錯体の種類によって異なる。例えば、イソプレン−ノルボルネン共重合体において、モノマーそれぞれの変換率として、イソプレンの場合100%付近、ノルボルネンの場合80%付近にすることが可能である。
このような製造方法によれば、高いジエン含有率を有するジエン−ノルボルネン類共重合体を製造し得る。
3.イソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体の製造方法
イソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体は、イソプレンおよびジシクロペンタジエンを本発明の触媒組成物を用いて重合させることにより製造することができる。
触媒組成物中の錯体としては、好ましくは中心金属がスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ルテチウム(Lu)、より好ましくはスカンジウム(Sc)である錯体を用いる。一方、触媒組成物中のイオン性化合物としては、[Ph3C][B(C6F5)4] などの4価のホウ素アニオンとカルボニウムカチオンからなる化合物が好ましい。錯体とイオン性化合物は、モル比で1:1程度とすることが好ましい。
具体的な手順としては、例えば、溶媒(好ましくはトルエン)中に本発明の錯体を溶解させ、これにイソプレンおよびジシクロペンタジエンを溶解させた溶媒を添加し、これを撹拌しながら、さらにイオン性化合物を供給し触媒組成物を構成させて活性種を生成させ、反応を行う。反応温度は25℃程度に調整されることが好ましい。
重合反応において使用される溶媒の量は総モノマー20mmolに対して、5ml程度とすることが好ましいが、特にこれに限定されるわけではない。
提供されるモノマーの量は、錯体(中心金属換算)に対して、モル比で100〜2000倍であることが好ましい。
重合反応は、数秒〜1時間程度で終了することが多い。反応が終了すると、反応系の粘度があがり、撹拌不能になることがある。
反応終了後、反応混合物をメタノールなどにあけることで、生成した重合体を沈殿させることができる。沈殿した重合体を濾取し、乾燥させることによりイソプレンおよびジシクロペンタジエン共重合体を得ることができる。得られるイソプレンおよびジシクロペンタジエン共重合体の収率は、用いる錯体の種類によって異なる。例えば、イソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体において、モノマーそれぞれの変換率として、イソプレンの場合100%付近、ジシクロペンタジエンの場合20%付近にすることが可能である。
以下、本発明を、実施例および参考例を参照してさらに詳細に説明するが、これらにより本願発明の範囲が限定されることはない。なお、13C−NMRは周波数75.5MHzにおいて測定した。
<参考例>
<メタロセン錯体の合成>
以下に示す文献 (1) および (2) に記載された方法に準じて合成した。
(1) Tardif, O.; Nishiura, M.; Hou, Z. M. Organometallics 22, 1171, (2003).
(2) Hultzsch, K. C.; Spaniol, T. P.; Okuda, J. Angew. Chem. Int. Ed, 38, 227,
(1999).
1.(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2の合成
in situ調製したC5Me4SiMe3Li (1 mmol, THF 10ml中)をTHF 20 ml中ScCl3 (151 mg, 1 mmol)懸濁液に加えた。ScCl3が完全に消費されたことを示す透明な溶液が得られるまで、混合液を30 分間攪拌した。(Allyl)MgCl (1 ml, 2 mmol, 2.0 M THF中)を滴下したのち、得られた淡黄色の溶液を一晩放置した。揮発物質の除去により、黄色の残渣が産出され、ヘキサンで抽出した。溶媒の蒸発により、黄色の固体結晶(291 mg, 91 %)としての産物を得た。
5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2の物性データを以下に示す。
1H NMR (C6D6, 25°C): ( 7.11 (quintet, 2H, J = 12.3 Hz, CH2CHCH2), 3.76 (br s,
4H, syn-CH 2CHCH 2), 2.92 (br s, 4H, anti-CH 2CHCH 2), 2.22 (s, 6H, C5 Me 4), 1.73 (s, 6H, C5 Me 4), 0.17 (s, 9H, C5Me4SiMe 3).
13C NMR (C6D6, 25°C): ( 157.9 (CH2 CHCH2), 130.7 (C 5Me4SiMe3), 125.8 (C 5Me4SiMe3), 119.1 (Cipso of C 5Me4SiMe3), 79.3 (CH2CHCH2), 16.0 (C5 Me 4SiMe3), 12.2 (C5 Me 4SiMe3), 2.2 (C5Me4SiMe 3).
Anal. Calcd for C18H31ScSi: C, 67.46; H, 9.75. Found: C, 67.40; H, 9.22.
2.(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H5)2の合成
in situ調製したC5Me5Li (1 mmol, THF 10ml中)をTHF 20 ml中ScCl3 (151 mg, 1 mmol)懸濁液に加えた。ScCl3が完全に消費されたことを示す透明な溶液が得られるまで、混合液を4時間攪拌した。(Allyl)MgCl (1 ml, 2 mmol, 2.0 M THF中)を滴下したのち、得られた淡黄色の溶液を室温で一晩放置した。揮発物質の除去により、黄色の残渣が産出され、ヘキサンで抽出した。溶媒の蒸発により、黄色の固体(187 mg, 71 %)としての産物を得た。
5-C5Me5)Sc(η3-C3H5)2の物性データを以下に示す。
1H NMR (C6D6): ( 6.91-6.72 (m, 2H, CH2CHCH2), 3.03 (br s, 8H, CH 2CHCH 2), 1.61 (s, 15H, C5 Me 5).
13C NMR (C6D6): ( 158.05 (CH2 CHCH2), 120.72 (C 5Me5), 78.44 (CH2CHCH2), 11.81 (C5 Me 5).
Anal. Calcd for C16H25Sc: C, 73.26; H, 9.61. Found: C, 72.79; H, 9.76.
3.(η5-C5Me5)Sc(η3-2-Me-C3H4)2の合成
in situ調製したC5Me5Li (1 mmol, THF 10ml中)をTHF 20 ml中ScCl3 (151 mg, 1 mmol)懸濁液に加えた。ScCl3が完全に消費されたことを示す透明な溶液が得られるまで、混合液を4時間攪拌した。(2-Me-Allyl)MgCl (4 ml, 2 mmol, 0.5 M THF中)を滴下したのち、得られた淡黄色の溶液を室温で一晩放置した。揮発物質の除去により、黄色の残渣が産出され、ヘキサンで抽出した。溶媒の蒸発により、茶色の固体(275 mg, 95 %)としての産物を得た。
5-C5Me5)Sc(η3-2-Me-C3H4)2の物性データを以下に示す。
1H NMR (C6D6): ( 2.87 (br s, 8H, CH 2CMeCH 2), 1.81 (s, 6H, CH2CMeCH2), 1.71 (s,
15H, C5 Me 5).
13C NMR (C6D6): ( 167.58 (CH2 CMeCH2), 120.57 (C 5Me5), 74.91 (CH2CMeCH2), 27.87
(CH2CMeCH2), 12.02 (C5 Me 5).
Anal. Calcd for C18H29Sc: C, 74.45; H, 10.07. Found: C, 73.72; H, 9.85.
4.(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2/[PhNMe2H][B(C6F5)4]の合成
トルエン (10ml)を、(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2 (64 mg, 0.20 mmol)および[PhNMe2H][B(C6F5)4] (162 mg, 0.20 mmol)の混合物に加えた。得られた赤色の懸濁液を25℃で30分間攪拌し、減圧濃縮により溶媒を除去した。得られた濃赤色の残渣を、煉瓦色の細かい粉末(200 mg, 93 %)が得られるまでヘキサンで洗浄(5 ml x3)した。
5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2/[PhNMe2H][B(C6F5)4]の物性データを以下に示す。
1H NMR (C4D8O, 25 (C): ( 7.06 (t, 2H, J = 7.8 Hz, m-Ph), 6.91-6.75 (m, 1H, CH2CHCH2), 6.64 (d, 2H, J = 4.2 Hz, o-Ph), 6.42 (t, 1H, J = 6.6Hz, p-Ph), 3.14 (s, 2H, syn-CH 2CHCH 2), 3.10 (s, 2H, anti-CH 2CHCH 2), 2.85 (s, 6H, NMe 2), 2.21 (s, 6H,
C5 Me 4), 1.98 (s, 6H, C5 Me 4), 0.26 (s, 9H, C5Me4SiMe 3).
1H NMR (C6D5Cl, 25 (C): ( 7.21-7.17 (m, 2H, m-Ph), 7.03-6.95 (m, 2H, o-Ph), 6.66-6.63 (m, 1H, p-Ph), 2.61 (s, 6H, NMe 2), 2.05 (s, 6H, C5 Me 4), 1.61 (s, 6H, C5 Me 4), 0.09 (s, 9H, C5Me4SiMe 3). アリルリガンドのプロトンの共鳴は検出されなかった。
13C NMR (C4D8O, 25 (C , C6F5 resonances not reported): ( 155.2 (CH2 CHCH2), 151.6 (Cipso of PhNMe2), 134.6 (C 5Me4SiMe3), 129.4 (PhNMe2), 128.4 (C 5Me4SiMe3), 122.9 (Cipso of C 5Me4SiMe3), 117.0 (PhNMe2), 113.2 (PhNMe2), 82.1 (CH2CHCH2), 40.4
(PhNMe 2), 15.4 (C5 Me 4SiMe3), 11.8 (C5 Me 4SiMe3), 1.8 (C5Me4SiMe 3).
19F NMR (C4D8O, 25 (C): ( -131.8 (s, o-F), -164.0 (t, JF-F = 19.5 Hz, p-F), -167.5 (t, JF-F = 16.2 Hz, m-F).
11B NMR (C4D8O, 25 (C): ( -16.3.
19F NMR (C6D5Cl, 25 (C): ( -132.3 (s, o-F), -162.6 (t, JF-F = 19.5 Hz, p-F), -166.6 (t, JF-F = 17.3 Hz, m-F).
11B NMR (C6D5Cl, 25 (C): ( -16.6.
Anal. Calcd for C47H38BF20NScSi: C, 52.29; H, 3.45; N, 1.30. Found: C, 52.15; H, 3.62; N, 1.49.
<製造例1> イソプレン重合体の製造 グローブボックス中で、100 mlのガラスフラスコに、(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2 (8 mg, 25 μmol, Sc換算)、イソプレン (682 mg, 10 mmol)を充填した。トルエン(8 ml)を加え、1分間よく攪拌した。[PhNMe2H][B(C6F5)4] (20 mg, 25 μmol) のトルエン溶液(2 ml)をすばやく加え、混合物を室温(25℃)で15分間攪拌した。重合をメタノールで停止した。得られた混合物を大量のメタノールにあけ、ポリマーを沈殿させた。メタノールで洗浄し、減圧下、60℃にて一定の重さが得られるまで乾燥させた。
結果を表1に示す。
<製造例2> ノルボルネン重合体の製造
イソプレンをノルボルネン (942 mg, 10 mmol)にかえ、反応時間を12時間にする以外は、参考例1と同様にして重合を行った。
結果を表1に示す。
Figure 2008095008
表1において
1.数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンスタンダードに対するGPC法により決定した。
2.ポリイソプレンの構造は、1H NMRにより決定した。
3.ガラス転移点(Tg)はDSC法により決定した。
表1に示されたとおり、本発明の錯体1により、イソプレン重合体およびノルボルネン重合体を製造することができる。
<実施例1> イソプレン−ノルボルネンランダム共重合体の製造
グローブボックス中で、100 mlのガラスフラスコに、(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2 (8 mg, 25 μmol, Sc換算)、イソプレン (341 mg, 5 mmol)、ノルボルネン(471 mg, 5 mmol)を充填した。トルエン(3 ml)を加え、1分間よく攪拌した。[PhNMe2H][B(C6F5)4] (20 mg, 25 μmol) のトルエン溶液(2 ml)をすばやく加え、混合物を室温(25℃)で15分間攪拌した。重合をメタノールで停止した。得られた混合物を大量のメタノールにあけ、ポリマーを沈殿させた。メタノールで洗浄し、減圧下、60℃にて一定の重さが得られるまで乾燥させた。
結果を表2に示す。
<実施例2>
ノルボルネン/イソプレン(NB/IP)比率を5にする以外は、実施例1と同様にして重合を行った。
結果を表2に示す。
<実施例3>
NB/IP比率を7にする以外は、実施例1と同様にして重合を行った。
結果を表2に示す。
<実施例4>
NB/IP比率を10にする以外は、実施例1と同様にして重合を行った。
結果を表2に示す。
Figure 2008095008
Figure 2008095008
表2において
1.数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンスタンダードに対するGPC法により決定した。
2.NB含量およびポリイソプレンの構造は、1H NMRにより決定した。
3.ガラス転移点(Tg)はDSC法により決定した。
表2に示されたとおり、本発明の製造方法により、イソプレン−ノルボルネン共重合体を製造することができる。
モノマーの仕込み比を調整すると、得られるポリマーにおけるイソプレン含有率を調整できることがわかった。仕込み比におけるイソプレンの比率が増えると、得られるポリマーにおけるイソプレン含有率が上昇し、分子量が上昇する。
<実施例5> イソプレン−ノルボルネン共重合体の製造における温度の影響
グローブボックス中で、100 mlのJ. Young バルブのついたガラスフラスコに、(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2 (8 mg, 25 μmol, Sc換算)、イソプレン (681 mg, 10 mmol)、ノルボルネン (942 mg, 10 mmol)を充填した。トルエン(3 ml)を加え、1分間よく攪拌した。反応容器を外に出し、-20℃に設定された冷浴に設置した。[PhNMe2H][B(C6F5)4] (20 mg, 25 μmol) のトルエン溶液(2 ml)をすばやく加え、混合物を-20℃で5分間攪拌した。重合をメタノールで停止した。得られた混合物を大量のメタノールにあけ、ポリマーを沈殿させた。メタノールで洗浄し、減圧下、60℃にて一定の重さが得られるまで乾燥させた。
結果を表3に示す。
<実施例6>
反応温度を25℃にする以外は、実施例5と同様にして重合を行った。
結果を表3に示す。
<実施例7>
反応温度を50℃にする以外は、実施例5と同様にして重合を行った。
結果を表3に示す。
Figure 2008095008
表3において、
1.活性とは、1モルの錯体(Sc換算)を用いて1時間反応させた場合に生産されるポリマーのkg数で表示されている。
2.数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンスタンダードに対するGPC法により決定した。
3.NB含量およびポリイソプレンの構造は、1H NMRにより決定した。
重合温度を上昇させるとノルボルネンの含有率が上昇する。
<実施例8> 1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体の製造
グローブボックス中で、20 mlのフラスコ中、25℃の(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2 (20 mg, 40 μmol)のトルエン溶液(2 ml)に、ノルボルネン(0.94 g, 10 mmol)および1−ヘキセン (0.84 g, 10 mmol)を添加した。混合物を室温で数分間よく攪拌し、[Ph3C][B(C6F5)4] (37 mg, 40 μmol) のトルエン溶液(3 ml)を激しく攪拌しながら加えた。12時間後、フラスコをグローブボックスの外に取り出し、メタノールを加え、重合を停止した。得られた混合物をメタノール(200 ml)にあけ、ポリマーを沈殿させた。白いポリマー粉末を濾過により回収し、減圧下、60℃にて一定の重さが得られるまで乾燥させた(1.54 g, 3.2 kg コポリマー/mol-Sc・h)。得られた産物は、室温でTHFに可溶性であり、数平均分子量1500および分子量分布1.77であった。ポリマーのガラス転移点は、約61℃である。得られた非結晶ポリマーは、13C NMRで決定された1−ヘキセン含量が約53 mol%であるランダム共重合体である。
結果を表4に示す。
<実施例9>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例10>
触媒系を(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例11>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H5)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例12>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H4Me)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例13>
反応温度を25℃から0℃に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例14>
反応温度を25℃から50℃に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例15>
コモノマー供給比(1−ヘキセン/ノルボルネン モル比)を1/1から2/1に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例16>
コモノマー供給比(1−ヘキセン/ノルボルネン モル比)を1/1から4/3に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例17>
コモノマー供給比(1−ヘキセン/ノルボルネン モル比)を1/1から3/4に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例18>
コモノマー供給比(1−ヘキセン/ノルボルネン モル比)を1/1から1/2に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
<実施例19>
コモノマー供給比(1−ヘキセン/ノルボルネン モル比)を1/1から1/3に変える以外は、実施例8と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表4に示す。
Figure 2008095008
表4において
1.錯体1は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2を示し、2は(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H5)2
示し、3は(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H4Me)2を示し、4は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示し、5は(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示す。
2.活性とは、1モルの錯体(Sc換算)を用いて1時間反応させた場合に生産されるポリマーのkg数で表示されている。
3.1−Hex含量は、13C NMRにより決定した。
4.数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンスタンダードに対するGPC法により決定した。
5.ガラス転移点(Tg)はDSC法により決定した。
表4に示されたとおり、本発明の錯体1〜4により、1−ヘキセン−ノルボルネン共重合体を製造することができる。
モノマーの仕込み比を調整すると、得られるポリマーにおける1−ヘキセン含有率を調整できることがわかった。仕込み比における1−ヘキセンの比率が増えると、得られるポリマーにおける1−ヘキセン含有率が上昇する。1−ヘキセン含有率が上昇すると、ガラス転移温度は低下する。
重合温度は室温がもっともよく、低温、及び高温の条件では重合活性および1−ヘキセン含有率が低下する。
<実施例20> 1−オクテン・ノルボルネンランダム共重合体の製造
グローブボックス中で、20 mlのフラスコ中、25℃の(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2 (20 mg, 40 μmol)のトルエン溶液(2 ml)に、ノルボルネン(0.94 g, 10 mmol)および1−オクテン (1.12 g, 10 mmol)を添加した。混合物を室温で数分間よく攪拌し、[Ph3C][B(C6F5)4] (37 mg, 40 μmol) のトルエン溶液(3 ml)を激しく攪拌しながら加えた。12時間後、フラスコをグローブボックスの外に取り出し、メタノールを加え、重合を停止した。得られた混合物をメタノール(200 ml)にあけ、ポリマーを沈殿させた。白いポリマー粉末を濾過により回収し、減圧下、60℃にて一定の重さが得られるまで乾燥させた(1.12 g, 2.3 kg コポリマー/mol-Sc・h)。得られた産物は、室温でTHFに可溶性であり、数平均分子量1400および分子量分布1.50であった。ポリマーのガラス転移点は、約73℃である。得られた非結晶ポリマーは、13C NMRで決定された1−オクテン含量が約48.7 mol%であるランダム共重合体である。
結果を表4に示す。
<実施例21>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例20と同様にして重合を行った。1−オクテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表5に示す。
<実施例22>
触媒系を(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例20と同様にして重合を行った。1−オクテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表5に示す。
<実施例23>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H5)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例20と同様にして重合を行った。1−オクテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表5に示す。
<実施例24>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H4Me)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例20と同様にして重合を行った。1−オクテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表5に示す。
<実施例25>
コモノマー供給比(1−オクテン/ノルボルネン モル比)を1/1から2/1に変える以外は、実施例20と同様にして重合を行った。1−オクテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表5に示す。
<実施例26>
コモノマー供給比(1−オクテン/ノルボルネン モル比)を1/1から4/3に変える以外は、実施例20と同様にして重合を行った。1−オクテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表5に示す。
<実施例27>
コモノマー供給比(1−オクテン/ノルボルネン モル比)を1/1から7/6に変える以外は、実施例20と同様にして重合を行った。1−オクテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表5に示す。
<実施例28>
コモノマー供給比(1−オクテン/ノルボルネン モル比)を1/1から1/2に変える以外は、実施例20と同様にして重合を行った。1−オクテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表5に示す。
Figure 2008095008
表5において
1.錯体1は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2を示し、2は(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H5)2を示し、3は(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H4Me)2を示し、4は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示し、5は(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示す。
2.活性とは、1モルの錯体(Sc換算)を用いて1時間反応させた場合に生産されるポリマーのkg数で表示されている。
3.1−Oct含量は、13C NMRにより決定した。
4.数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンスタンダードに対するGPC法により決定した。
5.ガラス転移点(Tg)はDSC法により決定した。
表5に示されたとおり、本発明の錯体1〜5により、1−オクテン−ノルボルネン共重合体を製造することができる。
モノマーの仕込み比を調整すると、得られるポリマーにおける1−オクテン含有率を調整できることがわかった。仕込み比における1−オクテンの比率が増えると、得られるポリマーにおける1−オクテン含有率が上昇する。1−オクテン含有率が上昇すると、ガラス転移温度は低下する。
<実施例29> 4−メチル−1−ペンテン・ノルボルネンランダム共重合体の製造
グローブボックス中で、20 mlのフラスコ中、25℃の(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2 (20 mg, 40 μmol)のトルエン溶液(2 ml)に、ノルボルネン(0.94 g, 10 mmol)および4−メチル−1−ペンテン (0.84 g, 10 mmol)を添加した。混合物を室温で数分間よく攪拌し、[Ph3C][B(C6F5)4] (37 mg, 40 μmol) のトルエン溶液(3 ml)を激しく攪拌しながら加えた。12時間後、フラスコをグローブボックスの外に取り出し、メタノールを加え、重合を停止した。得られた混合物をメタノール(200 ml)にあけ、ポリマーを沈殿させた。白いポリマー粉末を濾過により回収し、減圧下、60℃にて一定の重さが得られるまで乾燥させた(0.67 g, 1.4 kg コポリマー/mol-Sc・h)。得られた産物は、室温でTHFに可溶性であり、数平均分子量1900および分子量分布1.58であった。ポリマーのガラス転移点は、約196℃である。得られた非結晶ポリマーは、13C NMRで決定された4−メチル−1−ペンテン含量が約23.0 mol%であるランダム共重合体である。
結果を表6に示す。
<実施例30>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例29と同様にして重合を行った。4−メチル−1−ペンテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表6に示す。
<実施例31>
触媒系を(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例29と同様にして重合を行った。4−メチル−1−ペンテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表6に示す。
<実施例32>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H5)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例29と同様にして重合を行った。4−メチル−1−ペンテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表6に示す。
<実施例33>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H4Me)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例29と同様にして重合を行った。4−メチル−1−ペンテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表6に示す。
<実施例34>
コモノマー供給比(4−メチル−1−ペンテン/ノルボルネン モル比)を1/1から2/1に変える以外は、実施例29と同様にして重合を行った。4−メチル−1−ペンテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表6に示す。
<実施例35>
コモノマー供給比(4−メチル−1−ペンテン/ノルボルネン モル比)を1/1から4/3に変える以外は、実施例29と同様にして重合を行った。4−メチル−1−ペンテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表6に示す。
<実施例36>
コモノマー供給比(4−メチル−1−ペンテン/ノルボルネン モル比)を1/1から1/2に変える以外は、実施例29と同様にして重合を行った。4−メチル−1−ペンテン・ノルボルネンランダム共重合体が得られた。
結果を表6に示す。
Figure 2008095008
表6において
1.錯体1は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2を示し、2は(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H5)2を示し、3は(η5-C5Me5)Sc(η3-C3H4Me)2を示し、4は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示し、5は(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示す。
2.活性とは、1モルの錯体(Sc換算)を用いて1時間反応させた場合に生産されるポリマーのkg数で表示されている。
3.4M1P含量は、13C NMRにより決定した。
4.数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンスタンダードに対するGPC法により決定した。
5.ガラス転移点(Tg)はDSC法により決定した。
表6に示されたとおり、本発明の錯体1〜5により、4−メチル1−ペンテン−ノルボルネン共重合体を製造することができる。
モノマーの仕込み比を調整すると、得られるポリマーにおける4−メチル1−ペンテン含有率を調整できることがわかった。すなわち、仕込み比における4−メチル1−ペンテンの比率が増えると、得られるポリマーにおける4−メチル1−ペンテン含有率が上昇する。4−メチル1−ペンテン含有率が上昇すると、ガラス転移温度は低下する傾向がある。
<実施例37> 1−ヘキセン・ジシクロペンタジエン(DCPD)ランダム共重合体の製造
グローブボックス中で、20 mlのフラスコ中、25℃の(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2 (20 mg, 40 μmol)のトルエン溶液(2 ml)に、ジシクロペンタジエン(1.32 g, 10 mmol)および1−ヘキセン (0.84 g, 10 mmol)を添加した。混合物を室温で数分間よく攪拌し、[Ph3C][B(C6F5)4] (37 mg, 40 μmol) のトルエン溶液(3 ml)を激しく攪拌しながら加えた。12時間後、フラスコをグローブボックスの外に取り出し、メタノールを加え、重合を停止した。得られた混合物をメタノール(200 ml)にあけ、ポリマーを沈殿させた。白いポリマー粉末を濾過により回収し、減圧下、60℃にて一定の重さが得られるまで乾燥させた(1.80 g, 3.8 kg コポリマー/mol-Sc・h)。得られた産物は、室温でTHFに可溶性であり、数平均分子量1400および分子量分布1.60であった。ポリマーのガラス転移点は、約93℃である。得られた非結晶ポリマーは、13C NMRで決定された1−ヘキセン含量が約50.9 mol%であるランダム共重合体である。
結果を表7に示す。
<実施例38>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例37と同様にして重合を行った。1−ヘキセン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体が得られた。
結果を表7に示す。
Figure 2008095008
表7において
1.錯体4は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示し、5は(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示す。
2.活性とは、1モルの錯体(Sc換算)を用いて1時間反応させた場合に生産されるポリマーのkg数で表示されている。
3.1−ヘキセン含量は、13C NMRにより決定した。
4.数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンスタンダードに対するGPC法により決定した。
5.ガラス転移点(Tg)はDSC法により決定した。
表7に示されたとおり、本発明の錯体4および5により、1−ヘキセン−ジシクロペンタジエン共重合体を製造することができる。
<実施例39> 1−オクテン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体の製造
グローブボックス中で、20 mlのフラスコ中、25℃の(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2 (20 mg, 40 μmol)のトルエン溶液(2 ml)に、ジシクロペンタジエン(1.50 g, 11.4
mmol)および1−オクテン (0.96 g, 8.6 mmol)を添加した。混合物を室温で数分間よく攪拌し、[Ph3C][B(C6F5)4] (37 mg, 40 μmol) のトルエン溶液(3 ml)を激しく攪拌しながら加えた。12時間後、フラスコをグローブボックスの外に取り出し、メタノールを加え、重合を停止した。得られた混合物をメタノール(200 ml)にあけ、ポリマーを沈殿させた。白いポリマー粉末を濾過により回収し、減圧下、60℃にて一定の重さが得られるまで乾燥させた(1.91 g, 4.0 kg コポリマー/mol-Sc・h)。得られた産物は、室温でTHFに可溶性であり、数平均分子量1700および分子量分布1.57であった。ポリマーのガラス転移点は、約112℃である。得られた非結晶ポリマーは、13C NMRで決定された1−ヘキセン含量が約47.4 mol%であるランダム共重合体である。
結果を表8に示す。
<実施例40>
触媒系を(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2/[Ph3C][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例39と同様にして重合を行った。1−オクテン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体が得られた。
結果を表8に示す。
Figure 2008095008
表8において
1.錯体4は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示し、5は(η5-C5Me5)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示す。
2.活性とは、1モルの錯体(Sc換算)を用いて1時間反応させた場合に生産されるポリマーのkg数で表示されている。
3.1−オクテン含量は、13C NMRにより決定した。
4.数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンスタンダードに対するGPC法により決定した。
5.ガラス転移点(Tg)はDSC法により決定した。
表8に示されたとおり、本発明の錯体1および4により、1−オクテン−ジシクロペンタジエン共重合体を製造することができる。
<実施例41> イソプレン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体の製造
グローブボックス中で、20 mlのフラスコ中、25℃の(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2 (8 mg, 25 μmol)のトルエン溶液(2 ml)に、ジシクロペンタジエン(1.32 g, 10.0 mmol)およびイソプレン (0.68 g, 10.0 mmol)を添加した。混合物を室温で数分間よく攪拌し、[PhNHMe2][B(C6F5)4] (20 mg, 25 μmol) のトルエン溶液(3 ml)を激しく攪拌しながら加えた。15分後、フラスコをグローブボックスの外に取り出し、メタノールを加え、重合を停止した。得られた混合物をメタノール(200 ml)にあけ、ポリマーを沈殿させた。白いポリマー粉末を濾過により回収し、減圧下、60℃にて一定の重さが得られるまで乾燥させた(0.68 g, 1.1x105 g コポリマー/mol-Sc・h)。得られた産物は、室温でTHFに可溶性であり、数平均分子量29800および分子量分布1.54であった。ポリマーのガラス転移点は、約112℃である。得られた非結晶ポリマーは、13C NMRで決定されたDCPD含量が約8.2 mol%であるランダム共重合体である。
結果を表9に示す。
<実施例42>
触媒系を(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2/[PhNHMe2][B(C6F5)4]に変える以外は、実施例41と同様にして重合を行った。イソプレン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体が得られた。
結果を表9に示す。
Figure 2008095008
表9において
1.錯体1は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(η3-C3H5)2を示し、4は(η5-C5Me4SiMe3)Sc(CH2C6H4NMe2-o)2を示す。
2.活性とは、1モルの錯体(Sc換算)を用いて1時間反応させた場合に生産されるポリマーのg数で表示されている。
3.DCPD含量は、13C NMRにより決定した。
4.数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ポリスチレンスタンダードに対
するGPC法により決定した。
5.ガラス転移点(Tg)はDSC法により決定した。
表9に示されたとおり、本発明の錯体1および4により、イソプレン−ジシクロペンタジエン共重合体を製造することができる。
本発明の重合触媒組成物を用いることにより、種々の高分子化合物の新たな製造方法が提供され、さらに、新たな高分子化合物が提供される。
実施例2で得られたイソプレンとノルボルネンの共重合体のGPCプロファイルである。 実施例2で得られたイソプレンとノルボルネンの共重合体のDSC曲線である。 参考例1で得られたイソプレン重合体、および実施例2で得られたイソプレンとノルボルネンの共重合体の13C−NMRスペクトルチャートである。 参考例1で得られたイソプレン重合体、および実施例2で得られたイソプレンとノルボルネンの共重合体の13C−NMRスペクトルチャートの拡大図(δ0−60ppm)である。 実施例2で得られたイソプレンとノルボルネンの共重合体の1H−NMRスペクトルチャートである。 実施例8、14−19で得られた1−ヘキセンとノルボルネンの共重合体中の1-ヘキセン含量と共重合体のガラス転移点をプロットしたグラフである。 実施例20、25−28で得られた1−オクテンとノルボルネンの共重合体中の1-オクテン含量と共重合体のガラス転移点をプロットしたグラフである。 実施例29、34−36で得られた4−メチル−1−ペンテンとノルボルネンの共重合体中の4−メチル−1−ペンテン含量と共重合体のガラス転移点をプロットしたグラフである。 実施例20、25−28で得られた1−オクテンとノルボルネンの共重合体の13C−NMRスペクトルチャートである。 実施例8、15−19で得られた1−ヘキセンとノルボルネンの共重合体の13C−NMRスペクトルチャートである。 実施例29、34−36で得られた4−メチル−1−ペンテンとノルボルネンの共重合体の13C−NMRスペクトルチャートである。 実施例37で得られた1−ヘキセンとジシクロペンタジエンの共重合体の13C−NMRスペクトルチャートである。 実施例40で得られた1−オクテンとジシクロペンタジエンの共重合体の13C−NMRスペクトルチャートである。 実施例42で得られたイソプレンとジシクロペンタジエンの共重合体の1H−NMRスペクトルチャートである。 実施例42で得られたイソプレンとジシクロペンタジエンの共重合体の13C−NMRスペクトルチャートである。

Claims (16)

  1. (a)α−オレフィン化合物と環状オレフィン化合物、または(b)ジエン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体の製造方法であって、
    1)一般式(I)で表されるメタロセン錯体、および、
    2)非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物、
    を含む重合触媒組成物の存在下において重合を行う方法。
    Figure 2008095008
    (式中、
    Mは、第3族金属原子またはランタノイド金属原子のいずれかを示し;
    Cp*は、置換もしくは無置換のシクロペンタジエニル誘導体を含む配位子を示し;
    1およびQ2は、モノアニオン配位子を示す。)
  2. 一般式(I)におけるMが、スカンジウム(Sc)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ホルミウム(Ho)、ルテチウム(Lu)、エルビウム(Er)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)、またはツリウム(Tm)であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 一般式(I)におけるQ1およびQ2が、それぞれ独立に置換または無置換のヒドロカルビル基であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 一般式(I)におけるQ1およびQ2が、それぞれ独立に一般式:η3−C31 5(式中、R1は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示す。)で示される基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 一般式(I)におけるQ1およびQ2が、それぞれ独立に一般式:CH262 4ER3 n−o(式中、R2は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示し;EはN、P、As、O、またはSを示し;R3は、それぞれ独立にアルキル基またはアリール基を示し;nは1または2である。)で示される基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 一般式:CH262 4ER3 n−oにおけるEが、Nであることを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
  7. 一般式(A)で表されるメタロセン錯体。
    Figure 2008095008
    (式中、
    Mは、第3族金属原子またはランタノイド金属原子のいずれかを示し;
    Cp*は、置換もしくは無置換のシクロペンタジエニル誘導体を含む配位子を示し;
    1は、それぞれ独立に水素またはアルキル基を示す。)
  8. 1)請求項7に記載のメタロセン錯体、および、
    2)非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物、
    を含む重合触媒組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られるα−オレフィン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体。
  10. 環状オレフィン化合物がノルボルネン類である、請求項9に記載の共重合体。
  11. ノルボルネン類がノルボルネンまたはジシクロペンタジエンである、請求項10に記載の共重合体。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られるジエン化合物と環状オレフィン化合物との共重合体。
  13. 環状オレフィン化合物がノルボルネン類である、請求項12に記載の共重合体。
  14. ノルボルネン類がノルボルネンである、請求項13に記載の共重合体。
  15. ジエン化合物とジシクロペンタジエンとの共重合体。
  16. ジエン化合物がイソプレンである、請求項15に記載の共重合体。
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