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JP2008082527A - 電磁弁 - Google Patents

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JP2008082527A
JP2008082527A JP2006266761A JP2006266761A JP2008082527A JP 2008082527 A JP2008082527 A JP 2008082527A JP 2006266761 A JP2006266761 A JP 2006266761A JP 2006266761 A JP2006266761 A JP 2006266761A JP 2008082527 A JP2008082527 A JP 2008082527A
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sleeve
solenoid
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JP2006266761A
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Hiroyuki Nakane
浩幸 中根
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

【課題】摺動部の加工精度や組付精度管理が簡単で、一方向組付ができて生産性が高く、コスト高を抑えた小型高性能な電磁弁1の提供。
【解決手段】電磁弁1は、軸方向に貫通された筒部10を備え、その一方側に組付けのためのフランジ部17を有する第1コア部材11と、この第1コア部材11とは別体であって、筒部10の一方側に同軸に収容されて、他方側に吸引面22を備える筒部20と、組付けのためのフランジ部18を有する第2コア部材12と、第1コア部材11と第2コア部材12との間に、所定の厚さを有し、一方側に組付けのためのフランジ部31と他方側にプランジャ6を収容する筒部32を有する非磁性部材30を挟持し、非磁性部材30の筒部32に吸引面22と対向してプランジャ6を往復移動自在に収容し、各フランジ部を一方側から順次包囲して、スリーブ8のフランジ部8aとかしめ結合するヨーク16とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソレノイドからの磁力により弁体が駆動される電磁弁に関する。
従来より、ソレノイドからの磁力により弁体が駆動される電磁弁を用いて、流路の切替えや開閉が行われたり、流体(作動油)を所定の流量や圧力に制御したりしている。この電磁弁は、例えば自動車用自動変速機の油圧制御装置に供給する作動油の油圧の制御や、内燃機関のカムシャフトの進角位相を油圧によって可変するバルブ可変タイミング装置等に用いられている。
〔第1の従来技術〕
従来の電磁弁100は、例えば図3に示すように、複数の油路(ポート)107を備えたスリーブ111に収容されてポート107の開閉を行う弁体(スプール)110と、このスプール110を他方側に付勢するスプリング119からなる弁体部120と、その他方側に配置されるとともに、ソレノイド101から磁力を受けて軸方向一方側へ変位することができる可動子(プランジャ)102と、プランジャ102を摺動自在に収容するプランジャ収容部103を備えた固定コア(コアステータ)104とソレノイド101を内部に収容するヨーク114との間に磁気回路を構成して、スプール110を一方側へ駆動する駆動部105とからなる。
プランジャ収容部103の軸方向一方側には、プランジャ102とスプール110とを連動させるシャフト106を摺動自在に支持する軸受部112が形成される。軸受部112の他端面は吸引面108が形成され、ソレノイド101の内周側においてプランジャ102の一方側端面109との間に磁気回路が構成される。プランジャ102の一方側端面109と軸受部112の吸引面108とは対向して有限の間隙を有して配置されるので、ソレノイド101からの磁力による吸引力を高め、かつ、プランジャ102の変位量にかかわらず略一定の値に維持することができる。この結果、スプール110の変位による油圧等の制御性能を安定させることができる(例えば、特許文献1参照)。
流路の切替えや作動油の油圧制御が確実、かつ安定して実施できるためには、プランジャ収容部103の内周面は、プランジャ102が精密に変位できるように、できるだけ高精度に加工される必要がある。しかし、内周面の先端には軸受部112の吸引面108が形成されるため、吸引面108近傍の内周面に、例えばバニッシュ加工のような高精度な加工を施すことが困難であり、内周面の加工精度を上げることができない。従って、プランジャ収容部103と軸受部112を一体に構成するのではなく、プランジャ収容部103を有する第1コア部材104Aと、第1コア部材104Aとは別体であって、プランジャ収容部103の一方側に固定されて軸受部112を構成する第2コア部材104Bとの嵌合により、コアステータ104を形成させている(特許文献2参照)。
これにより、第1コア部材104Aに第2コア部材104Bを嵌合固定する前に、プランジャ収容部103の内周面にバニッシュ加工等の高精度の加工を施すことができ、プランジャ102の精密な変位が可能となる。さらに、第2コア部材104Bの吸引面108とプランジャ102の一方側端面109とをソレノイド101の内周側で対向させることができるので、プランジャ102とコアステータ104との間の磁力による吸引力を高め、かつ、プランジャ102の変位量にかかわらず略一定の値にすることができ、安定した制御性能を確保できる。
また、第1コア部材104Aと第2コア部材104Bとが別体になることにより、第2コア部材104Bの単体にて、シャフト106を摺動自在に支持する軸受部112の摺動面への硬化処理や、外周面に呼吸孔113の溝を付設することは容易にできるので、呼吸孔113を設ける加工の煩雑さを低減して、加工効率を向上させることができる。
このように、第1の従来技術には上記するような特徴のある効果を有しているものの、しかし、第1コア部材104Aと第2コア部材104Bとを別体にして、互いに精密仕上げを施し嵌合固定することによってコアステータ104を形成しているので、部品点数が増えるとともに精度管理の煩わしさと嵌合組付けの工数アップが生産性を低下させてコスト高となる懸念があった。
〔第2の従来技術〕
プランジャ102とコアステータ104との間の磁力による吸引力を高め、かつ、プランジャ102の変位量にかかわらず略一定の値にすることができ、安定した制御性能を確保できる小型化可能な電磁弁では、プランジャ収容部103の内周側とプランジャ102の外周側との間に径方向に形成される間隙(サイドギャップという)が、プランジャ102が往復移動するときプランジャ収容部103に対し偏心すると、局所的に小さくなるところが発生し、プランジャ102をプランジャ収容部103の径方向に吸引される力(サイドフォースという)が大きくなり、プランジャ102とプランジャ収容部103との間に生じる摺動抵抗が大きくなる。
そして、ソレノイド101に供給する電流値を増加させると磁力が増え、サイドフォースが大きくなり、摺動抵抗も大きくなる。従って、ソレノイド101に供給する電流の増減方向において、電流値に対しプランジャ102の往復移動位置のヒステリシスが大きくなる。ヒステリシスが大きい電磁弁を油圧制御装置などに用いると、同じ電流値に対し、電流の増加方向と減少方向において作動油の流量または油圧が異なる、つまり油圧を高精度に制御できないという問題が生じる。
このため、ソレノイド101に供給する電流値に対しプランジャ102の往復移動位置のヒステリシスが小さく小型化可能な電磁弁として、プランジャ収容部103の内周側およびプランジャ102の外周側にそれぞれ非磁性材の樹脂コーティングあるいはニッケル・リン(NiP)めっき等を被覆して、プランジャ102のプランジャ収容部103に対する偏心率を20%以上、60%以下に抑え、さらに、ソレノイド101に供給する電流値が増加し、最大電流値の略50%になると吸引面108が磁気飽和するような構造の電磁弁が開示されている(特許文献3参照)。
特許文献3に開示される電磁弁は、自動車用自動変速機の油圧制御装置に供給する作動油の油圧の制御に適用される例が示されている。特許文献3に開示される電磁弁においても、電流を供給することにより磁気吸引力を発生するソレノイド101等磁気回路とプランジャ102とともにスプール110が往復移動することにより、作動油の油圧を制御するスプール型油圧制御弁であることは、第1の従来技術で述べた電磁弁と構成・作用は変わるところはない。従って、第1の従来例と実質的に同一構成部分に同一符号を付して、構成の詳細な説明は省略する。
このような電磁弁では、ソレノイド101に供給する電流値が最大電流値の50%以上に増加しても、サイドフォースが増加することを抑制しているので、プランジャ収容部103に対しプランジャ102が偏心しても、サイドフォースの上限値を低減し、プランジャ収容部103とプランジャ102との間に働く摺動抵抗の上限値を低減でき、従って、ソレノイド101に供給する電流の増減方向において、同じ電流値におけるプランジャ102およびスプール110の往復移動位置、つまり油圧の値の差が小さく、ヒステリシスが小さくなる。従って、電流値を調整することにより精度よく油圧を制御することが可能となる。
このように、第2の従来技術には上記するような特徴のある効果を有しているものの、しかし、偏心率を20%以上、60%以下に抑えるには、プランジャ収容部103の内周側とプランジャ102の外周側との磁気ギャップを100μmとしたときに、プランジャ収容部103の内周側およびプランジャ102の外周側のそれぞれの非磁性層の厚みの和が40μm以上、80μm以下に抑えることが必要となり、非磁性層を樹脂コーティングあるいはNiPめっき等で加工するには、加工厚みが過大であり、加工処理時間が長くなって生産性が低下するとともに、高価な材料使用量も増えてコスト高となる懸念があった。
〔第3の従来技術〕
上記するように、第2の従来技術として特許文献3に開示された電磁弁は、プランジャ102のプランジャ収容部103に対する偏心率を20%以上、60%以下に抑え、さらに、ソレノイド101に供給する電流値が増加し、最大電流値の略50%になると吸引面108が磁気飽和するような構造の電磁弁である。しかし、ここで磁気飽和特性と偏心率60%以下抑制特性は同時成立する必要はなく、磁気飽和特性と偏心率60%以下抑制特性のいずれか一方だけを実現してもよく、また、プランジャ収容部103およびプランジャ102の好ましくは両方に非磁性層を加工しているが、一方だけに40μm以上、80μm以下の非磁性層を加工してもよい。
これにより、第2の従来技術として、特許文献3に開示された電磁弁の非磁性層の加工厚みが過大ゆえの生産性の低下の懸念を、非磁性材のSUSカップの採用によって解消した電磁弁が開示されている(特許文献4参照)。ここで、SUSカップとは、ステンレス鋼(SUS)等の非磁性材で形成され、筒部としての有底円筒部、および連結部としてのフランジ部を有してカップ状に形成された非磁性部材である。
特許文献4に開示される電磁弁は、内燃機関のバルブ可変タイミング装置の油圧制御弁に適用される例が示されている。特許文献4に開示される電磁弁においても、電流を供給することにより磁気吸引力を発生するソレノイド101等磁気回路とプランジャ102とともにスプール110が往復移動することにより、作動油の流路の切替えや流量の調整をするスプール型油圧制御弁であることは、第1、2の従来技術で述べた電磁弁と構成・作用は変わるところはない。従って、第1の従来例と実質的に同一構成部分に同一符号を付して、構成の詳細な説明は省略する。
ただ、異なるのは、ステンレス鋼(SUS)等の非磁性材で形成されたSUSカップ状の非磁性部材が、コアステータ104の内側に配置されている。非磁性部材はスリーブ111の他方端(フランジ部)開口部を覆い、有底円筒部の底部側はプランジャ102の往復移動方向の一方側を覆っている。さらに、有底円筒部はコアステータ104の吸引面108を覆っている。非磁性部材のフランジ部はコアステータ104のフランジ部とスリーブ111のフランジ部との間に挟持されており、ヨーク114の締結手段としてのかしめ加工によって、それぞれのフランジ部は液密的に連結されて電磁弁が形成されている。
そして、ソレノイド101に電流が供給されると、付勢手段の付勢力に抗して、プランジャ102が一方側、つまり吸引面108に向けて吸引される。一方、プランジャ102とシャフト106を介して軸方向に連動するスプール110は、同様にスリーブ111内を移動して、ポート107の連通、および遮断を生じて、作動油の流れの切替えを実行する。
スプール110の位置は、プランジャ102に働く磁気吸引力と付勢手段の付勢力との釣合いにより決定される。ソレノイド101に供給する電流値と発生する磁力とは比例するので、ソレノイド101に供給する電流値を制御することにより、スプール110の位置を線形制御できる。これにより、制御装置への供給または排出する作動油量はスプール110の位置、つまり電流値によって簡単に、精度よく制御される。また、このとき、プランジャ102側に漏れてきた作動油は、非磁性部材によって非磁性部材の外側、例えばソレノイド101側に漏れることを防止する。また、同時に所定の厚みを有する非磁性部材によって適正なサイドギャップが維持され、プランジャ102に作用するサイドフォースが低下するので、プランジャ102もスプール110も精度よく移動でき、安定した流量制御が可能となる。
しかし、SUSカップ状の非磁性部材がその有底円筒部の内側にプランジャ102を収容し、外側にコアステータ104の吸引面108を覆い、所定のサイドギャップを呈してプランジャ102の往復移動を実現しているが、第1の従来技術で説明した吸引力を増加させるための対向した吸引面108の設定が困難なことがある。そのため、特許文献4には、段付SUSカップ状の非磁性部材を採用して、段付SUSカップの小径円筒部の内側にプランジャ102を収容し、外側にはヨーク114の内筒を覆い、また、段付SUSカップの大径円筒部の内側にコアステータ104の円筒部を収容し、コアステータ104の円筒部の一方端はフランジ部を、他方端には吸引力を増加させるための吸引面108を備えて配置される例が示されている。そして、段付SUSカップの大径円筒部の外側には樹脂でモールド成形されたソレノイド101を覆い、そのソレノイド101を二重筒状に形成されるヨーク114の外筒にて収容される電磁弁が開示されている。
この電磁弁では、段付SUSカップ状の非磁性部材の大径円筒部がハウジングとしてのスリーブ111のフランジ部の開口部を覆い、また、段付SUSカップ状のフランジ部がスリーブ111のフランジ部とかしめにより連結されている。従って、プランジャ102側に漏れてきた作動油がカップ状部材の外側、例えばソレノイド101側に漏れることを防止できる。さらに、プランジャ102が段付SUSカップ状の非磁性部材に直接支持されているので、プランジャ102の芯ずれが発生せず、従来技術のように芯ずれを吸収するために間隙を大きくする必要がないので、磁気回路つまり駆動部105を小型化できる。さらに、ヨーク114の内筒とプランジャ102との間に形成されるサイドギャップを小さくできるので、小型化しても磁気吸引力が低下しないという特徴がある。
このように、第3の従来技術には上記するような特徴のある効果を有しているものの、しかし、プランジャ102はカップ状部材を介してヨーク114の内筒に収容するため、ヨーク114は内筒と外筒を有する二重筒構造が必要となり、内筒および外筒の同軸度を確保するには大規模なプレス設備等による精密製造が必要でコスト高となる懸念がある。また、電磁弁の組付けにおいても、円環状のソレノイド101を二重筒構造のヨーク114の外筒と内筒の間に挿入し、さらに挿入したソレノイド101の内周面とヨーク114の内筒の内周面に同時に嵌入する段付SUSキャップの形状精度の管理が必要となり、段付き構造の形状複雑化とともにコスト高となる懸念がある。加えて、一方向組付けが難しく、組付け生産性の低下の懸念がある。
特開2001−227669号公報 特開2005−214236号公報 特開2002−222710号公報 特開2001−187979号公報
本発明は、上記複数の従来技術がもつ問題点に鑑みてなされたもので、摺動部の加工精度や組付精度管理が簡単で、一方向組付ができて生産性が高く、コスト高を抑えた小型高性能な電磁弁の提供を目的とする。
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する電磁弁では、プランジャと磁気回路を形成するコアステータであって、軸方向に貫通された筒部を備え、筒部の一方側に、スリーブの他方端とかしめ固定されるフランジ部を有する第1コア部材と、第1コア部材とは別体であって、第1コア部材の筒部の一方側に同軸に収容される筒部を有し、筒部の他方側にプランジャを吸引する吸引面を備え、一方側にスリーブの他方端とかしめ固定されるフランジ部を有する第2コア部材と、第1コア部材と第2コア部材との間に配設され、所定の厚さを有し、一方側に組付けのためのフランジ部と、他方側に第1コア部材の筒部に収容される筒部を有し、筒部の他方側に所定の間隙を有してプランジャを往復移動自在に収容し、一方側は第2コア部材の筒部の吸引面をプランジャと対向するように配置する非磁性部材と、ソレノイドを収容し、各フランジ部を一方側から順次包囲して、スリーブの他方側端部とかしめ結合をするヨークと、からなることを特徴としている。
これにより、第1、および第2コア部材に分割し、第1コア部材の内側に第2コア部材を同軸に挿着できるので、第2コア部材の他方端である吸引面を第1コア部材に往復移動可能に収容されるプランジャの一方端に対向して配置することが容易となって、プランジャとコアステータとの間の磁力による吸引力を高め、かつ、プランジャの変位量にかかわらず略一定の値にすることができ、安定した制御性能を確保するとともに、小型高性能な電磁弁が可能となる。
また、第1コア部材の内周と第2コア部材の外周との間に、所定の厚みを有した非磁性部材を挟持し、非磁性部材の内周側にプランジャを往復移動自在に収容するので、プランジャとコアステータとの間の磁気ギャップは非磁性部材の厚さまで小さくすることができ、プランジャの吸引力を容易に増加できる。これにより、小型高性能な電磁弁が実現できる。また、非磁性部材の厚みを薄くすることによってもプランジャのコアステータに対する偏心率を20%以上、60%以下に抑制することが、従来のように大量の樹脂コーティングやNiPめっきを加工することなく実現できるので、容易にヒステリシスの発生を低下させることができる。これにより、電流値の増減による線形制御性能を向上するとともに、生産性が向上し、コスト高を抑えた小型高性能な電磁弁が実現できる。
さらに、第1および第2コア部材ならびに非磁性部材は、それぞれ一方側にフランジ部を有しており、一方側から順次包囲するヨークによるかしめ結合により密着固定される構造であるので、加工精度や組付精度管理が簡単となり、一方向同軸組付けが可能となり、生産性が向上してコスト高が抑制できる。
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用する電磁弁では、往復移動する摺動面に非磁性材の被覆部を備えたプランジャと、プランジャとともに連動して往復移動し、スリーブに収容されて、スリーブの流路を開閉することにより流体の流量または圧力を制御するスプールと、往復移動方向の他方側にプランジャを付勢する付勢手段と、往復移動方向の一方側にプランジャを吸引する磁力を発生するソレノイドと、プランジャと磁気回路を形成するコアステータであって、プランジャの外周側面を覆う筒部と、スリーブの他方端にかしめ固定されるフランジ部、ならびに筒部との間にプランジャの往復移動方向に所定の間隙を有する第1コア部材と、往復移動方向の他方側にプランジャを吸引する吸引面を有し、第1コア部材の筒部に同軸に収容され、スリーブの他方端にかしめ固定されるフランジ部を有する第2コア部材と、プランジャを第1コア部材の筒部の他方側に、第2コア部材の筒部の他方側の吸引面と対向させて、往復移動自在に収容し、ソレノイドを収容し、各フランジ部を一方側から順次包囲して、スリーブの他方側端部とかしめ結合をするヨークと、からなることを特徴としている。
これによれば、請求項1の手段を採用する電磁弁との違いは、非磁性部材のコアステータ内への配設の有無だけとなり、非磁性部材を配置して好適なサイドギャップを設定することは、プランジャに所定の厚みの非磁性材の被覆部を設けることによって略実現されるので、請求項1と同様な作用・効果が得られ、特に、組付け部品点数が削減でき、組付工数が低減できて生産性が向上し、コスト高を抑えた小型高性能な電磁弁が実現できる。
この発明の最良の実施形態は、軸方向に貫通された筒部を備え、その一方側に組付けのためのフランジ部を有する第1コア部材と、この第1コア部材とは別体であって、第1コア部材の筒部の一方側に同軸に収容される筒部を備え、第1コア部材のフランジ部と密着して固定されるフランジ部を有する第2コア部材と、第1コア部材と第2コア部材との間に、所定の厚さを有し、第1コア部材の筒部に収容され、一方側に組付けのためのフランジ部と他方側にプランジャを収容する筒部を有する非磁性部材を挟持し、第1コア部材の筒部の外側に配置されてプランジャと第2コア部材の他方側吸引面との間に磁力を発生させるソレノイドと、このソレノイドを収容し、各フランジ部を一方側から順次包囲、密着して、スリーブの他方側端部とかしめ結合するヨークと、プランジャの駆動をシャフトを介して連動して軸方向に変位するスプールと、からなる電磁弁である。
〔実施例1の構成〕
実施例1の電磁弁を図1に基づいて説明する。図1は、本実施例における電磁弁の軸方向断面図である。電磁弁1は、ソレノイド2からの磁力によってスプール3を駆動することによって流路の開閉や、作動油の流量や圧力の調整を行う。この電磁弁1は例えば、自動車用自動変速機の油圧制御装置における油圧の制御に用いられる。
電磁弁1は、図1に示すように、流路の開閉を図るスプール3が収容された弁体部4と、その他方側に配置されるとともに、ソレノイド2からの磁力を用いてスプール3を駆動する駆動部5とからなる。なお、本実施例の棒状の形状を有する電磁弁1において、軸方向の弁体部4側を一方側と称し、駆動部5側を他方側と称して、以下軸方向の位置関係はこれに従うものとする。
弁体部4は、後記するプランジャ6と連動して軸方向に変位する異径段差構造のスプール3と、スプール3を軸方向へ摺動自在に収容するとともに、作動油の流入口または流出口であるポート7が形成されたスリーブ8と、スプール3を他方側へ付勢するスプリング9とを備えている。
駆動部5は、固定子としてのヨーク16とコアステータ15と円筒状ボビンにコイルを巻回して樹脂でモールド成形したソレノイド2および非磁性部材30と、可動子としてのプランジャ6を有している。
ヨーク16とコアステータ15およびプランジャ6は、通電によりソレノイド2に励磁された磁束を流す(循環する)磁気回路を構成し、磁性材で作られる。
ヨーク16は、一方側が開口し、他方側が有底の筒型の中空筒体で、その一方側の開口筒部には後記するコアステータ15および非磁性部材30を包囲してスリーブ8にかしめ結合するための肉盗みがされたかしめ部16aを備えている。また、他方側の有底筒部には段差を設けて径小の筒状部を形成し、コアステータ15の筒部10と嵌着されて、磁気回路としてのコアリング16bを兼ねている。
コアステータ15は、2つのコア部材から構成され、軸方向に貫通された筒部10を備え、その一方側に組付けのためのフランジ部17を有する第1コア部材11と、第1コア部材11とは別体であって、第1コア部材11の筒部10の一方側の内周に同軸に収容される筒部20とフランジ部17と密着して固定されるフランジ部18を有する第2コア部材12とからなる。
第1コア部材11の筒部10には、プランジャ6を往復移動自在に収容するプランジャ収容部14と、プランジャ6を往復移動方向の一方側に吸引する大きな力を発生するためにプランジャ6に磁束を流し、プランジャ収容部14には磁束を流れにくくする磁気抵抗部としての薄肉部19が形成されている。ここで、薄肉部19の余肉厚さは十分磁気抵抗が大きくなるよう薄く設定されるが、本実施例では後記するように、ソレノイド2に供給する最大電流値の略50%になると第2コア部材12に設けられた吸引面22が磁束飽和するように形状が設定されることを考慮して、余肉厚さが決められている。
第2コア部材12は、同様に、軸方向に貫通された筒部20を備え、筒部20の外周側は第1コア部材11の内周に同軸に嵌着可能な筒状であり、内周側にはシャフト13を往復移動自在に収容する軸受部21と、その軸方向他方側にはプランジャ6を往復移動方向の一方側に吸引する力を発生するための吸引面22が形成されている。第2コア部材12は、第1コア部材11と同軸に嵌着してコアステータ15を構成したとき、丁度、吸引面22が第1コア部材11の薄肉部19の設定位置に達するよう長さが決められ、また、後記するように、ソレノイド2に供給する最大電流値の略50%になると吸引面22が磁束飽和するように筒部20の他方側端部が軸心に向かってテーパ状に加工調整されている。
また、第2コア部材12の筒部20の軸受部21は、シャフト13を軸方向へ摺動自在に支持するとともに、軸受部21とシャフト13との摺動面には有限の隙間が形成され、プランジャ6の変位に伴う空気もしくは作動油の連通を確保している。
さらに、本実施例では、ステンレス鋼等の非磁性材で形成され、所定の厚さを有した非磁性部材30が第1コア部材11と第2コア部材12との間に配設されている。非磁性部材30は、軸方向に貫通された筒部32を備え、その一方側に組付けのためのフランジ部31を有している。筒部32は第1コア部材11の内周に嵌着して第1コア部材11の内周面の略全領域を覆う長さを有している。そして、筒部32の内周面の軸方向他方側には、第1コア部材11のプランジャ収容部14に相当する領域(部位)に滑らかで精度あるプランジャ収容部34を備えている。そして、プランジャ収容部34に所定の間隙を有してプランジャ6を往復移動自在に収容できるようになっている。また、筒部32の軸方向一方側は第2コア部材12の筒部20全域を覆って嵌着している。
また、非磁性部材30は非磁性材による成形やプレスによるフランジ部31と筒部32の一体成形が可能で、筒部32の肉厚の設定自由度は高く、加えて寸法精度も良好である。非磁性部材30の筒部32を形成する非磁性材の厚みは、プランジャ収容部34に収容されるプランジャ6とコアステータ15との径方向の磁気ギャップを決定する。磁気ギャップを小さくすることは、筒部32の厚さを薄くすることにより簡単にできるので、プランジャ6の吸引力を容易に増加できる。
また、後記するプランジャ6の外周側面に摺動抵抗低減のために被覆する非磁性材のコーティングまたはNiPめっき等の加工厚さを考慮しても、プランジャ6のコアステータ15に対する偏心率が20%以上、60%以下に設定でき、これにより、プランジャ6がプランジャ収容部34に対し偏心しにくくなる。従って、偏心によりサイドギャップが小さくなって、径方向に流れる磁束が増加してサイドフォースが増加し、摺動抵抗が増えてプランジャ6が滑らかに摺動しなくなることを防止する。
また、一方、供給する電流値が最大電流値の略50%を超えて増加しても、プランジャ6およびプランジャ収容部14の磁束密度は一様に増加して、最大電流値まで磁気飽和することがないように構成されている。従って、ソレノイド2に通電する電流値が増え、略50%までは電流値が増加し各部位の磁束密度も増加して吸引力が増す。しかし、電流値は略50%と低いのでサイドフォースは大きくはない。そして、電流値が略50%を超えると、プランジャ6およびプランジャ収容部14の磁束密度は増加可能であるので、プランジャ収容部14に対してプランジャ6が偏心しても、プランジャ収容部14とプランジャ6との間を径方向に流れる磁束の増加量が減少する。これにより、局所的にサイドフォースが増加することを抑制する。
つまり、サイドフォースによるプランジャ6の摺動抵抗の大小が生じると、電流値の増減方向において、同じ電流値に対してプランジャ6の往復移動位置が異なるという所謂ヒステリシスが生じ、油圧を高精度に制御できなくなる。本実施例の電磁弁1では、このヒステリシスを減少させ、高精度な油圧制御を可能としている。また、所定の厚みを有する非磁性部材30、または挿着後のコアステータ15は、加工精度や組付精度管理が簡単となり、また、第2コア部材12と同様に一方向組付けが簡単、かつ、確実に実施でき、小さく、均一な磁気ギャップを維持するには良好な構造部材といえる。
プランジャ6は、第1コア部材11に同軸に挿着された非磁性部材30の筒部32に形成されるプランジャ収容部34に、所定の間隙を有して往復移動可能に配置される柱状部材である。非磁性部材30の筒部32の内周面は滑らかな、かつ、精度よい摺動面を形成しているが、さらに、好適には、プランジャ6の往復移動に伴う摺動抵抗を低減するために、プランジャ6の外周側面に樹脂材料のコーティング処理や、あるいはNiPめっき等で高硬度に被覆されることがあり、また、プランジャ6の両端面にも被覆されて使用されることがある。なお、プランジャ6の被覆厚さは、プランジャ6とコアステータ15との磁気ギャップをその厚さ分だけ大きくするので、吸引力を低下させることとなり、このためにプランジャ6の被覆厚さは極力薄く設定されることが望ましく、非磁性層の薄膜化に有効となる。また、プランジャ6の外周面または内部に、プランジャ6の往復移動方向の両空間を連通する呼吸孔23が形成され、プランジャ6の迅速かつ円滑な往復移動を可能なものとしている。
また、プランジャ6の軸方向一方側端面は軸方向と直角であり、第2コア部材12の他方側端面に形成される吸引面22と対向して均一な間隙を形成し、大きな吸引力と、プランジャ6の変位にかかわらず略一様な吸引力が生じるようになっている。なお、プランジャ6の摺動抵抗低減のための外周側面の被覆厚さは、上記したようにプランジャ6の偏心率に影響を与えるが、非磁性部材30の筒部32の厚さの設定自由度が高いので、プランジャ6の外周面には十分に薄い被覆厚さによっても偏心率条件を満たす(成立)ことが可能となる。
そして、ソレノイド2、コアステータ15などはヨーク16により包囲されて収容されている。ヨーク16の一方側のかしめ部16aは、第1コア部材11のフランジ部17と第2コア部材12のフランジ部18および非磁性部材30のフランジ部31の外周を一方側から順次包囲して、スリーブ8のフランジ部8aとともにかしめ結合されることにより、互いのフランジ部を密着させて液密を維持して弁体部4と駆動部5とを連結している。
〔実施例1の作用〕
ソレノイド2が通電されるとコイルを励磁することで磁束が発生する。発生した磁束は、コアステータ15とプランジャ6およびヨーク16の磁路を循環して流れる。しかし、第1コア部材11の薄肉部19においては磁気抵抗が大きく、磁束は第2コア部材12の吸引面22からプランジャ6に流れ込むこととなる。このとき吸引面22とプランジャ6の一方側端面6aとの間の間隙に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力はプランジャ6の一方側に作用し、プランジャ6はスプール3を付勢手段であるスプリング9の付勢力に抗して移動し、スプール3がシャフト13を介してプランジャ6と連動して一方側に移動する。
スプール3の移動によって、スプール3はスリーブ8の各ポート7をそれぞれ遮断または連通させ、あるいは開閉割合を変えて、作動油の流入および流出量、つまり、流量もしくは圧力を制御する。
そして、通電がオフされると、磁束が消滅し、プランジャ6に作用する磁気吸引力がなくなって、スプール3とプランジャ6は弁体部4の付勢手段であるスプリング9の付勢力によって、初期位置まで押し戻され停止することとなる。
以上より、主に吸引力と付勢力の均衡によりプランジャ6の変位は略決まる。吸引力は電流値の増加に比例するので、所望の流量もしくは圧力の設定には、ソレノイド2の印加電流の線形制御で簡単に、かつ、迅速に設定できる。このとき、プランジャ6は滑らかで均一な厚みのプランジャ収容部34内を大きなサイドフォースを生じることなく精度よく移動できる。この結果、正確に、安定して、応答性の高い流量もしくは圧力の設定が可能となる。
〔実施例1の効果〕
本実施例では、プランジャと磁気回路を形成するコアステータであって、軸方向に貫通された筒部を備え、筒部の一方側に、スリーブの他方端とかしめ固定されるフランジ部を有する第1コア部材と、第1コア部材とは別体であって、第1コア部材の筒部の一方側に同軸に収容される筒部を有し、筒部の他方側にプランジャを吸引する吸引面を備え、一方側にスリーブの他方端とかしめ固定されるフランジ部を有する第2コア部材と、第1コア部材と第2コア部材との間に配設され、所定の厚さを有し、一方側に組付けのためのフランジ部と、他方側に第1コア部材の筒部に収容される筒部を有し、筒部の他方側に所定の間隙を有してプランジャを往復移動自在に収容し、一方側は第2コア部材の筒部の吸引面をプランジャと対向するように配置する非磁性部材と、ソレノイドを収容し、各フランジ部を一方側から順次包囲して、スリーブの他方側端部とかしめ結合をするヨークと、からなる電磁弁を構成している。
これにより、第1、および第2コア部材に分割し、第1コア部材の内側に第2コア部材を同軸に挿着できるので、第2コア部材の他方端である吸引面を第1コア部材に往復移動可能に収容されるプランジャの一方端に対向して配置することが容易となって、プランジャとコアステータとの間の磁力による吸引力を高め、かつ、プランジャの変位量にかかわらず略一定の値にすることができ、安定した制御性能を確保するとともに、小型高性能な電磁弁が可能となる。
また、第1コア部材の内周と第2コア部材の外周との間に、所定の厚みを有した非磁性部材を挟持し、非磁性部材の内周側にプランジャを往復移動自在に収容するので、プランジャとコアステータとの間の磁気ギャップは非磁性部材の厚さまで小さくすることができ、プランジャの吸引力を容易に増加できる。これにより、小型高性能な電磁弁が実現できる。また、非磁性部材の厚みを薄くすることによってもプランジャのコアステータに対する偏心率を20%以上、60%以下に抑制することが、従来のように大量の樹脂コーティングやNiPめっきを加工することなく実現できるので、容易にヒステリシスの発生を低下させることができる。これにより、電流値の増減による線形制御性能を向上させるとともに、生産性が向上し、コスト高を抑えた小型高性能な電磁弁が実現できる。
さらに、第1および第2コア部材ならびに非磁性部材は、それぞれ別体で各筒部の内周面の精密仕上げや、吸引面のテーパ仕上げ、および表面処理等が単体にて加工でき、また、組付けは、各フランジ部を一方側から順次包囲するヨークによるかしめ結合により密着固定される構造であるので、単体での加工効率が向上するとともに、加工精度や組付精度管理が簡単となり、また、一方向同軸組付けが可能となり、生産性が向上してコスト高が抑制できる。
〔実施例2の構成〕
本発明の実施例2を図2に示す。図2は、実施例2における電磁弁の軸方向断面図である。実施例1と実質的に同一構成部分に同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
実施例1では、プランジャ6と磁気回路を構成するコアステータ15を、第1コア部材11と第2コア部材12の2つに分けて、互いに組付けのためのフランジ部17、18を備え、第2コア部材12の筒部20を、第1コア部材11の筒部10の内周側に同軸に挿着し、第1コア部材11と第2コア部材12との間に所定の厚みを有する非磁性部材30を挟持し、非磁性部材30の筒部他方側に備えられるプランジャ収容部34にプランジャ6を往復移動自在に収容し、第2コア部材12の筒部他方側端面に形成された吸引面22と対向して、軸方向並びに径方向に所定の磁気ギャップを設けて配置していた。
しかし、これに限ることなく、本実施例では、プランジャ6とコアステータ15との間の所定の径方向の磁気ギャップを、単にプランジャ6の外周側面での非磁性材による被覆部6bの厚さによって確保し、非磁性部材30の採用を止めたことを特徴とする電磁弁である。本実施例が実施例1と異なるのは主にこのことのみで、他の構成は大きく変わるところはない。
図2に示すように、コアステータ15は、2つのコア部材から構成され、軸方向に貫通された筒部10を備え、その一方側に組付けのためのフランジ部17を有する第1コア部材11と、第1コア部材11とは別体であって、第1コア部材11の筒部10の一方側の内周に同軸に収容される筒部20とフランジ部17と密着して固定されるフランジ部18を有する第2コア部材12とからなる。
第1コア部材11の筒部10には、所定の間隙を有してプランジャ6を往復移動自在に収容するプランジャ収容部14と、プランジャ6を往復移動方向の一方側に吸引する大きな力を発生するために、プランジャ収容部14への磁束の流れを低減する磁気抵抗部としての薄肉部19が形成されている。
第2コア部材12は、同様に、軸方向に貫通された筒部20を備え、筒部20の外周側は第1コア部材11の内周に同軸に嵌着可能な筒状であり、内周側にはシャフト13を往復移動自在に収容する軸受部21と、その軸方向他方側にはプランジャ6を往復移動方向の一方側に吸引する力を発生するための吸引面22が形成されている。第2コア部材12は、第1コア部材11と同軸に嵌着してコアステータ15を構成したとき、丁度、吸引面22が第1コア部材11の薄肉部19の設定位置に達するよう長さが決められ、また、ソレノイド2に供給する最大電流値の略50%になると吸引面22が磁束飽和するように筒部20の他方側端部が軸心に向かってテーパ状に加工調整されている。
また、第2コア部材12の筒部20の軸受部21は、シャフト13を軸方向へ摺動自在に支持するとともに、軸受部21とシャフト13との摺動面には有限の隙間が形成され、プランジャ6の変位に伴う空気もしくは作動油の連通を確保している。
プランジャ6は、第1コア部材11の筒部10の他方側に形成されたプランジャ収容部14に所定の間隙を有して往復移動可能に配置される柱状部材である。プランジャ収容部14の内周面と摺動するプランジャ6の外周面は、所定の径方向の磁気ギャップを形成するための、また、摺動抵抗の低減を図るための樹脂材料のコーティング処理や、あるいはNiPめっき等で、均一の厚さに被覆されている。この被覆厚さは、プランジャ収容部14にプランジャ6を所定の間隙を有して配置する間隙との和によって磁気ギャップを決定し、また、被覆厚さの設定自由度は高いので、プランジャ6のプランジャ収容部14に対する偏心率を20%以上、60%以下に抑制することは容易であり、また、適正なサイドギャップを構成することも容易である。
なお、プランジャ6の外周面の被覆は、樹脂材料のコーティング処理や、あるいはNiPめっき等に限ることなく、ステンレス鋼(SUS)等の非磁性材で形成されたSUSカップで被覆されてもよく、あるいは非磁性材で四角形状に形成された薄板を円筒状に丸め、これをプランジャ6に嵌合して被覆してもよい。円筒状の薄板は、プランジャ6に弾性力で嵌合しているだけでもよいし、接着または溶接等によりプランジャ6に固定されてもよい。
また、プランジャ6の軸方向一方側端面は軸方向と直角であり、第2コア部材12の他方側端面に形成される吸引面22と対向して均一な間隙を形成し、大きな吸引力と、プランジャ6の変位にかかわらず略一様な吸引力が生じるようになっている。なお、プランジャ6の外周面または内部に、プランジャ6の往復移動方向の両空間を連通する呼吸孔23が形成され、プランジャ6の迅速かつ円滑な往復移動を可能なものとしている。
そして、ソレノイド2、コアステータ15などはヨーク16により包囲されて収容されている。ヨーク16の一方側のかしめ部16aは、第1コア部材11のフランジ部17と第2コア部材12のフランジ部18の外周を一方側から順次包囲して、スリーブ8のフランジ部8aとともにかしめ結合されることにより、互いのフランジ部を密着させて液密を維持して弁体部4と駆動部5とを連結している。
〔実施例2の効果〕
本実施例での電磁弁は、実施例1における電磁弁と異なって、非磁性部材をコアステータ内、つまり第1コア部材と第2コア部材との間へ挿着し、非磁性部材の内周に往復移動自在にプランジャを収容して、プランジャの外周側面の径方向に好適なサイドギャップを設定するのではなく、プランジャの外周側面の径方向に所定の厚みの非磁性材の被覆部を設けることによってプランジャの外周側面の径方向に好適なサイドギャップを設定している。これにより、サイドギャップが小さくでき吸引力を増加させることが容易にでき、また、プランジャの偏心が抑制でき、サイドフォースを低下できるので、電流値の増減に対するヒステリシスを低減することができる。また、主な違いは、この非磁性部材の挿着の有無のみであり、他の構造は大きく変わることがなく、実施例1と同様な作用・効果が得られ、特に、非磁性部材の採用を止めることによる組付け部品点数が削減でき、組付工数が低減できて生産性が向上し、コスト高を抑えた小型高性能な電磁弁が実現できる。
電磁弁の軸方向断面図である(実施例1)。 電磁弁の軸方向断面図である(実施例2)。 電磁弁の軸方向断面図である(従来例)。
符号の説明
1 電磁弁
2 ソレノイド
3 スプール(弁体)
4 弁体部
5 駆動部
6 プランジャ(可動子)
6b 被覆部
7 ポート(油路)
8 スリーブ(ハウジング)
8a、17、18、31 フランジ部
9 スプリング
10、20、32 筒部
11 第1コア部材
12 第2コア部材
13 シャフト
14、34 プランジャ収容部
15 コアステータ(固定コア)
16 ヨーク
16a かしめ部
21 軸受部
22 吸引面
30 非磁性部材

Claims (2)

  1. 可動子と、
    該可動子と連動して、スリーブ内を往復移動し、前記スリーブの流路を開閉することにより流体の流量または圧力を制御する弁体と、
    往復移動方向の一方側に前記可動子を付勢する付勢手段と、
    往復移動方向の他方側に前記可動子を吸引する磁力を発生するソレノイドと、
    前記可動子と磁気回路を形成する固定コアであって、軸方向に貫通された筒部を備え、前記筒部の一方側に、前記スリーブの他方端とかしめ固定されるフランジ部を有する第1コア部材と、
    前記第1コア部材とは別体であって、前記第1コア部材の前記筒部の一方側に同軸に収容される筒部を有し、該筒部の他方側に前記可動子を吸引する吸引面を備え、一方側に前記スリーブの他方端とかしめ固定されるフランジ部を有する第2コア部材と、
    前記第1コア部材と前記第2コア部材との間に配設され、所定の厚さを有し、一方側に組付けのためのフランジ部と、他方側に前記第1コア部材の前記筒部に収容される筒部を有し、該筒部の他方側に所定の間隙を有して前記可動子を往復移動自在に収容し、一方側は前記第2コア部材の前記筒部の吸引面を前記可動子と対向するように配置する非磁性部材と、
    前記ソレノイドを収容し、前記各フランジ部を一方側から順次包囲して、前記スリーブの他方側端部とかしめ結合をするヨークと、
    からなる電磁弁。
  2. 往復移動する摺動面に非磁性材の被覆部を備えた可動子と、
    該可動子とともに連動して往復移動し、スリーブに収容されて、前記スリーブの流路を開閉することにより流体の流量または圧力を制御する弁体と、
    往復移動方向の他方側に前記可動子を付勢する付勢手段と、
    往復移動方向の一方側に前記可動子を吸引する磁力を発生するソレノイドと、
    前記可動子と磁気回路を形成する固定コアであって、前記可動子の外周側面を覆う筒部と、前記スリーブの他方端にかしめ固定されるフランジ部、ならびに前記筒部との間に前記可動子の往復移動方向に所定の間隙を有する第1コア部材と、
    往復移動方向の他方側に前記可動子を吸引する吸引面を有し、前記第1コア部材の前記筒部に同軸に収容され、前記スリーブの他方端にかしめ固定されるフランジ部を有する第2コア部材と、
    前記可動子を前記第1コア部材の前記筒部の他方側に、前記第2コア部材の前記筒部の他方側の吸引面と対向させて、往復移動自在に収容し、
    前記ソレノイドを収容し、前記各フランジ部を一方側から順次包囲して、前記スリーブの他方側端部とかしめ結合をするヨークと、
    からなる電磁弁。
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