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JP2008079452A - 回転電機および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

回転電機および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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JP2008079452A
JP2008079452A JP2006257212A JP2006257212A JP2008079452A JP 2008079452 A JP2008079452 A JP 2008079452A JP 2006257212 A JP2006257212 A JP 2006257212A JP 2006257212 A JP2006257212 A JP 2006257212A JP 2008079452 A JP2008079452 A JP 2008079452A
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magnetic flux
phase
permanent magnet
armature winding
rotating electrical
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Application number
JP2006257212A
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Inventor
Masatsugu Nakano
正嗣 中野
Ryuichi Nishiura
竜一 西浦
Toru Oka
徹 岡
Satoru Akutsu
悟 阿久津
Kengo Fujimoto
憲悟 藤本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】巻線を巻く空間を確保しつつ電機子巻線からの漏れ磁束の検出を低減して回転センサの精度向上を図った小型の回転電機を得ることを目的とする。
【解決手段】円筒形のフレーム1内に突極13に巻かれた複数の電機子巻線3を備えた固定子2と固定子2の内側に回転子4を備える。回転子4と共に回転する磁束測定環7にN極とS極とが交互に着磁された永久磁石8を備える。この永久磁石8の近傍でその永久磁石8の磁束を検出する検出感度に指向性を有する磁束検出器10を備える。回転子4の軸5と垂直に交わる投影面の軸中心とスロット14の中心を通るスロット中心径線上又はその近傍で電機子巻線3の内周端と回転子4の軸5との間に磁束検出器10を配置した。
【選択図】図3

Description

この発明は、回転子の回転角度や回転速度を検出するための検出装置を具備した回転電機に関する。
回転電機は出力トルクを正確に制御するために回転子の回転角度や回転速度を検出する回転センサを備えている。一般的に回転センサは回転子の永久磁石あるいは回転子と共に回転する永久磁石が発生する磁束を磁束検出器で検出するように構成されている。磁束検出器は磁束の変化を検出するので固定子の電機子巻線が作る漏れ磁束は磁束検出器に影響を及ぼすことがある。
産業用や車載用の回転電機では小形化の要求が強く、この要求に応えるためには磁束検出器と電機子巻線との距離を小さくすることが考えられる。回転電機が小型化するに従って磁束検出器と電機子巻線が接近するので、電機子巻線が作る漏れ磁束が磁束検出器に大きな影響を与えるようになる。この漏れ磁束の影響によって磁束検出器の検出する磁束波形に歪みが発生すると磁束検出器の検出誤差が大きくなる。磁束検出器の検出誤差が大きくなれば、回転電機の駆動電流の正確な制御ができず駆動電流の位相にずれが生じ、回転電機の出力に大きなトルクリップルが重畳されてしまう。
電機子巻線が発生する漏れ磁束の影響を低減した例が特許文献1に示されている。特許文献1に示された回転電機は、回転子に駆動力を与える三相交流駆動の電機子巻線を備えており、同相の電機子巻線を逆方向に巻いた電機子巻線を隣に配置して同相ペア電機子巻線を形成していた。この同相ペア電機子巻線を相順に配置すると同時に同相ペア電機子巻線間の突極間機械角と他相の突極間機械角とが極端に異なるようにしていた。この同相ペア電機子巻線間では発生磁界方向が互いに逆になり閉磁路が形成される。そして駆動用永久磁石の磁束を検出する磁束検出器をこの閉磁路外に配置していた。
特開平6−315254号報(図1)
上記のような従来の回転電機は、電機子巻線を巻く突極が極端な不等間隔で配置されているので、スロットの広狭が発生してしまう。スロットの狭いところは巻線を巻く空間が少ないため、十分な回数だけ巻線を巻くことができない。これによりトルクが十分に得られないあるいは銅損が大きくなって回転電機の効率が低下するという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電機子巻線を巻く空間を確保しつつ電機子巻線からの漏れ磁束の検出を低減して回転センサの精度向上を図った小型の回転電機を得ることを目的とする。
この発明にかかる回転電機は、円筒形のフレーム内に突極に巻かれた複数の電機子巻線を備えた固定子と固定子の内側に回転子を備える。回転子と共に回転する磁束測定環にN極とS極とが交互に着磁された永久磁石を備える。この永久磁石の近傍でその永久磁石の磁束を検出する検出感度に指向性を有する磁束検出器を備える。回転子の軸と垂直に交わる投影面の軸中心とスロットの中心を通るスロット中心径線上又はその近傍で電機子巻線の内周端と回転子の軸との間に磁束検出器を配置した。
この発明は、電機子巻線を巻く空間を確保しつつ小型回転電機の電機子巻線からの漏れ磁束の検出を低減することで回転センサの精度を向上することができる。
実施の形態1.
図1及び2は、この発明の実施の形態1における回転電機の概略構成図及び回転センサの正面図である。フレーム1に固定子2の固定子コア2aが圧入や焼きばめなどの固定方法にて固定されている。固定子コア2aに電機子巻線3が巻かれている。回転子4は軸5を中心にこま状の形をしており、その周囲にN極とS極とが交互に着磁された第1の永久磁石6を備えている。回転子4の軸5に回転センサの磁束測定環7が取り付けられ回転子4と共に回転する。円環状の磁束測定環7の内周にはN極とS極とが交互に着磁された第2の永久磁石8とヨーク9が配置されている。磁束検出器であるホール素子10が第2の永久磁石8の内面側に配置され、半田付け等によって回路基板11に固定されている。回路基板11は蓋12の内側に取り付けられ、回転センサは蓋12側に配置される。ホール素子10は素子が形成される半導体基板の面を貫く磁束を検出するので、磁束の検出感度に指向性を有している。なお、ホール素子10の検出面の垂線が第2の永久磁石8を貫く径線にほぼ平行になるようにホール素子10を配置することによって、ホール素子10の検出精度が向上する。図2では磁束の径方向成分を検出する向きにホール素子10を機械角60°になるように2つ配置している。第2の永久磁石8は4極に着磁されているので、ホール素子10間の電気角は120°になっている。
図3は実施の形態1における回転電機の概略正面図である。ただしフレーム1、磁束測定環7、回路基板11及び蓋12は省略している。回転電機の極数は8、スロット数は12である。電機子巻線3は固定子コアの突極13に集中的に巻き回され、固定子コア2aに設けられたスロット14に納められている。電機子巻線3はU相、V相、W相の3相の巻線が左周りに1つずつ周方向に並んだ配置となっている。磁束検出器10は2つ配置されているが、それぞれU相とV相の中間で軸5の近傍位置及びW相とU相の中間で軸5の近傍位置に配置されている。電機子巻線3は等間隔に配置されているので、12スロットの回転電機では電機子巻線3の間隔は機械角で30°となる。
電機子巻線3の漏れ磁束が少ない位置を検討する。まず突極部分での漏れ磁束を考える。図4は突極部分での漏れ磁束を説明する図であり、図3の上方のU相に該当する部分を示している。図4の突極13にはU相の電機子巻線3(破線で示す)が巻き回されている。U相の電機子巻線3はスロット内に分布しているが、アンペアターン分の電流が突極近傍で2点(a,bに相当)に集中していると考える。この集中した電流を仮想電流と呼ぶことにする。この仮想電流の位置は回転子4の軸5に垂直な投影面上におけるスロット内の投影巻線3aの中心である。U相の仮想電流aの電流Iuは紙面の裏側から表側に流れており、U相の仮想電流bの電流は紙面の表側から裏側に流れており符号をつけて−Iuと表す。図3で当該U相の電機子巻線3の左側及び右側にはV相の電機子巻線3及びW相の電機子巻線3があるので、仮想電流aの左側にV相の仮想電流cがあり、仮想電流bの右側にW相の仮想電流dがある。仮想電流cの電流は−Ivであり、仮想電流dの電流はIwである。軸5(図示せず)の軸中心から突極を見た見込み角の中心を突極中心13aと呼ぶことにする。点Pは投影面上における軸5の軸中心からU相の突極中心13aへ向かう径線(以降U相の突極中心径線と呼ぶ)上にある。
磁性材の固定子コア2aがあるため厳密には固定子コア2aの磁束を考慮する必要があるが、定性的な説明のため固定子コア2aによる磁束の流れは無視して仮想電流のみの磁界を考えて、アンペールの法則を適用して議論する。4つの仮想電流(a,b,c,d)が発生する磁界(Ha,Hb,Hc,Hd)を合成して漏れ磁界を計算する。仮想電流a及びbと点Pとを結んだ線とU相の突極中心径線とのなす角度をαとする。同様に仮想電流c及びdと点Pとを結んだ線とU相の突極中心径線とのなす角度をβとする。また点Pから仮想電流a及びbまでの距離をrとし、点Pから仮想電流c及びdまでの距離をRとする。4つの仮想電流が発生する磁界は、x方向成分及びy方向成分に分けて考える。点Pにおける仮想電流aによる磁界のx方向成分HaxPは以下のように表される。
HaxP=k×Iu×cosα (1)
点Pにおける仮想電流aによる磁界のy方向成分HayPは以下のように表される。
HayP=k×Iu×sinα (2)
点Pにおける仮想電流bによる磁界のx方向成分HbxPは以下のように表される。
HbxP=−k×Iu×cosα (3)
点Pにおける仮想電流bによる磁界のy方向成分HbyPは以下のように表される。
HbyP=k×Iu×sinα (4)
点Pにおける仮想電流cによる磁界のx方向成分HcxPは以下のように表される。
HcxP=−K×Iv×cosβ (5)
点Pにおける仮想電流cによる磁界のy方向成分HcyPは以下のように表される。
HcyP=−K×Iv×sinβ (6)
点Pにおける仮想電流dによる磁界のx方向成分HdxPは以下のように表される。
HdxP=K×Iw×cosβ (7)
点Pにおける仮想電流dによる磁界のy方向成分HdyPは以下のように表される。
HdyP=−K×Iw×sinβ (8)
ここでk及びKは点Pからの距離に関係する正の定数であり、次の関係が成り立つ。
k∝1/r (9)
K∝1/R (10)
点Pにおける漏れ磁界の径方向成分HrP及び周方向成分HtPは以下のようになる。径方向成分HrPは、
HrP=HayP+HbyP+HcyP+HdyP
=2k×Iu×sinα−K×(Iv+Iw)×sinβ (11)
となる。Iv+Iwの位相はIuの位相と逆になっているので符号付きで、Iv+Iw=−Iuとなっている。これを代入すると以下のようになる。
HrP=(2k×sinα+K×sinβ)×Iu (11a)
点Pにおける漏れ磁界の周方向成分HtPは、
HtP=−(HaxP+HbxP+HcxP+HdxP)
=K×cosβ×(Iv−Iw) (12)
次にスロット部分での漏れ磁束を考える。図5はスロット部分での漏れ磁束を説明する図であり、図3の上方のU相とW相に該当する部分を示している。図5の左側の突極13にはU相の電機子巻線3(破線で示す)が巻き回され、右側の突極13にはW相の電機子巻線3(破線で示す)が巻き回されている。図4で説明したのと同様に軸5に垂直な投影面上でアンペアターン分の電流が各突極近傍で2点に集中していると考える。U相の仮想電流aの電流Iuは紙面の裏側から表側に流れており、U相の仮想電流bの電流は紙面の表側から裏側に流れており符号をつけて−Iuと表す。W相の仮想電流dの電流Iwは紙面の裏側から表側に流れており、W相の仮想電流eの電流は紙面の表側から裏側に流れており符号をつけて−Iwと表す。軸5(図示せず)の軸中心からスロットを見た見込み角の中心をスロット中心14aと呼ぶことにする。点Qは投影面上における軸5の軸中心からU相とW相間のスロット中心14aへ向かう径線(以降U相とW相間のスロット中心径線と呼ぶ)上にある。
4つの仮想電流(a,b,d,e)が発生する磁界(Ha,Hb,Hd,He)を合成して漏れ磁界を計算する。突極中心径線上での漏れ磁束と比較するために仮想電流b及びdと点Qとを結んだ線とスロット中心径線とのなす角度をθとする。同様に仮想電流a及びeと点Qとを結んだ線とスロット中心径線とのなす角度をθ2とする。突極中心径線上での漏れ磁束と比較するために点Qから仮想電流b及びdまでの距離をrとする。また点Qから仮想電流a及びeまでの距離をr2とする。4つの仮想電流が発生する磁界は、x方向成分及びy方向成分に分けて考える。点Qにおける仮想電流aによる磁界のx方向成分HaxQは以下のように表される。
HaxQ=k2×Iu×cosθ2 (13)
点Qにおける仮想電流aによる磁界のy方向成分HayQは以下のように表される。
HayQ=k2×Iu×sinθ2 (14)
点Qにおける仮想電流bによる磁界のx方向成分HbxQは以下のように表される。
HbxQ=−k×Iu×cosθ (15)
点Qにおける仮想電流bによる磁界のy方向成分HbyQは以下のように表される。
HbyQ=−k×Iu×sinθ (16)
点Qにおける仮想電流dによる磁界のx方向成分HdxQは以下のように表される。
HdxQ=k×Iw×cosθ (17)
点Qにおける仮想電流dによる磁界のy方向成分HdyQは以下のように表される。
HdyQ=−k×Iw×sinθ (18)
点Qにおける仮想電流eによる磁界のx方向成分HexQは以下のように表される。
HexQ=−k2×Iw×cosθ2 (19)
点Qにおける仮想電流eによる磁界のy方向成分HeyQは以下のように表される。
HeyQ=k2×Iw×sinθ2 (20)
ここでkは点Qからの距離に関係する定数であり、式(9)の関係が成り立つ。k2は点Qからの距離に関係する正の定数であり、次の関係が成り立つ。
k2∝1/r2 (21)
点Qにおける漏れ磁界の径方向成分HrQ及び周方向成分HtQは以下のようになる。径方向成分HrQは、
HrQ=HayQ+HbyQ+HdyQ+HeyQ
=(k2×sinθ2−k×sinθ)×(Iu+Iw) (22)
となる。Iu+Iwの位相はIvの位相と逆になっているので符号付きで、Iu+Iw=−Ivとなっている。これを代入すると以下のようになる。
HrQ=(k×sinθ−k2×sinθ2)×Iv (22a)
点Qにおける漏れ磁界の周方向成分HtQは、
HtQ=−(HaxQ+HbxQ+HdxQ+HexQ)
=(k×cosθ−k2×cosθ2)×(Iu−Iw) (23)
点Pと点Qの径方向成分Hrの絶対値が|HrP|≧|HrQ|となる場合を考える。式|HrP|≧|HrQ|に式(11a)と式(22a)を代入すると以下のようになる。
|(2k×sinα+K×sinβ)×Iu|
≧|(k×sinθ−k2×sinθ2)×Iv| (24)
|Iu|=|Iv|なので、変形すると
|2k×sinα+K×sinβ|
≧|k×sinθ−k2×sinθ2| (24a)
となる。
ここで簡単化のためにθ=α、θ2=β、k2=Kとなるように各仮想電流が配置された場合を考える。これはr2=Rに相当する。即ち図4の外方の仮想電流c及びdと点Pとの距離と図5の外方の仮想電流a及びeと点Qとの距離が等しいことである。θ=α、θ2=β、k2=Kを式(24a)に代入して、変形すると
|2k×sinα+K×sinβ|
≧|k×sinα−K×sinβ| (24b)
となる。点P及び点Qが突極中心径線上及びスロット突極中心径線上を移動することを考えるので、α、βは0°から180°の範囲であり、sinα≧0、sinβ≧0となる。したがって式(24b)の左辺は2k×sinα+K×sinβとなる。また式(24b)の右辺は場合分けをすると以下のようになる。
k×sinα≧K×sinβの時(条件1)、式(24b)の右辺は
k×sinα−K×sinβ
となる。k×sinα<K×sinβの時(条件2)、式(24b)の右辺は
−(k×sinα−K×sinβ)
となる。
条件1と条件2に分けて式(24b)を変形する。式(24b)は条件1の時に
2k×sinα+K×sinβ≧k×sinα−K×sinβ
となり、変形すると
k×sinα+2K×sinβ≧0 (24c)
となる。また式(24b)は条件2の時に
2k×sinα+K×sinβ≧−(k×sinα−K×sinβ)
となり、変形すると
3k×sinα≧0 (24d)
となる。sinα≧0、sinβ≧0なので式(24c)及び(24d)は常に成立する。したがって式(24b)も常に成立する。式(24b)は|HrP|≧|HrQ|が成り立つための条件式なので、|HrP|≧|HrQ|が成立する。
突極中心径線上の点Pとスロット中心径線上の点Qそれぞれにおける連続する4つの仮想電流による漏れ磁束の径方向成分を軸5から同一距離(同一の半径円周上)で比較すると、常に|HrP|≧|HrQ|が成立しているので、スロット中心径線上での漏れ磁束の径方向成分が突極中心径線上での漏れ磁束の径方向成分より小さい。したがってホール素子10をスロット中心径線上に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
通常、電機子巻線3からの漏れ磁束の影響はホール素子10が電機子巻線3から離れるほど小さくなる。回転子4の外周側に固定子コア2aがある図1のような回転電機の場合に、回転子4の軸5に垂直な投影面上では電機子巻線3の内周端から離れ、軸5に近づくほど電機子巻線3からの漏れ磁束を小さくすることができる。つまりホール素子10をスロット中心径線上で軸5の近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
ホール素子10が検出する回転センサの第2の永久磁石8の磁束は、少なくとも電機子巻線3からの漏れ磁束の10倍以上となるように、第2の永久磁石8は磁束の大きいもの即ち磁力の大きいものを選択する、又はホール素子10を第2の永久磁石8に十分接近させる。ホール素子10が検出する第2の永久磁石8の磁束を電機子巻線3からの漏れ磁束の100倍以上にすれば、電機子巻線3からの漏れ磁束による回転センサの検出誤差を1%以下にすることができる。したがって回転センサの精度を向上することができる。
次に点Pと点Qの周方向成分Htの絶対値が|HtP|≦|HtQ|となる場合を考える。式|HtP|≦|HtQ|に式(12)と式(23)を代入すると以下のようになる。
|K×cosβ×(Iv−Iw)|
≦|(k×cosθ−k2×cosθ2)×(Iu−Iw)| (25)
|Iv−Iw|=|Iu−Iw|なので、変形すると
|K×cosβ|≦|k×cosθ−k2×cosθ2| (25a)
となる。
ここで簡単化のためにθ=α、θ2=β、k2=Kとなるように各電流が配置された場合を考える。これはr2=Rに相当する。θ=α、θ2=β、k2=Kを式(25a)に代入し、変形すると
|K×cosβ|≦|k×cosα−K×cosβ| (25b)
となる。α、βは0°から180°なので、−1≦cosα≦1、−1≦cosβ≦1となる。したがって式(25b)は4つの場合に分けて検討する。
cosβ≧0かつk×cosα≧K×cosβの時(条件3)は以下の通りである。
K×cosβ≦k×cosα−K×cosβ
となり、変形すると以下のようになる。
2K×cosβ≦k×cosα (25c)
cosβ≧0かつk×cosα<K×cosβの時(条件4)は以下の通りである。
K×cosβ≦−(k×cosα−K×cosβ)
となり、変形すると以下のようになる。
k×cosα≦0 (25d)
cosβ<0かつk×cosα≧K×cosβの時(条件5)は以下の通りである。
−K×cosβ≦k×cosα−K×cosβ
となり、変形すると以下のようになる。
0≦k×cosα (25e)
cosβ<0かつk×cosα<K×cosβの時(条件6)は以下の通りである。
−K×cosβ≦−(k×cosα−K×cosβ)
となり、変形すると以下のようになる。
k×cosα≦2K×cosβ (25f)
条件3の場合を考える。cosβ≧0なので、0≦β≦90°である。さらに
cosβ≧0なので、式(25c)からcosα≧0となり、0≦α≦90°である。またαとβが変化することは図4の点Pが突極中心径線上で移動することなので、
0≦α≦90°と0≦β≦90°の条件ではα<βである。つまり0≦α<β≦90°である。したがってcosα>cosβとなる。式(25c)を変形すると以下の式を得る。
2K/k≦cosα/cosβ (26)
ここで式(9)と式(10)から変形すると以下の式を得る。
2r/R≦cosα/cosβ (26a)
cosα>cosβなので式(26a)の右辺はcosα/cosβ>1となる。
ここで上記の条件が成立する突極中心径線上の範囲について図6を用いて考える。図6は突極中心径線上の点と角度α、βの関係及び距離r、Rの関係を説明する図である。まず図6において角度α、βの関係で考える。P1は0≦α<β≦90°が成り立つ突極中心径線上の点である。P2及びP3はβ=90°及びα=90°となる突極中心径線上の点である。P4はα=βとなる突極中心径線上の点である。P5は
90°≦β<α≦180°が成り立つ突極中心径線上の点である。次に距離r、Rの関係で考える。P1はr>Rが成立する突極中心径線上の点である。P6はr=Rとなる突極中心径線上の点である。P2乃至5はr<Rが成立する突極中心径線上の点である。
cosα/cosβ>1が成立する1例としてcosα/cosβ=2を考える。このとき式(26a)は2r/R≦2となり、変形すると
r≦R (26b)
となる。図6から分かるように式(26b)と0≦α<β≦90°が共に成立する範囲は点P6より紙面上方であれば該当する点が存在する。次に点P6から点P2へ移動させて考えると、cosβが0に近づくのでcosα/cosβは無限大に近づく。このとき2r/R≦∞は常に成立するので式(26a)は成り立つ。図3に示したように突極13の径方向いっぱいに電気子巻線3を巻いた場合、r=Rが成立する点P6はU相とW相間のスロット中心径線上でもあるので軸5の中心点に相当する。尚、電気子巻線3が突極13の径方向いっぱいに巻かれておらず、例えば仮想電流中心bが外周側にあって仮想電流中心dが内周側にある場合、点P6はU相の突極中心径線上で軸5の軸中心より上方になる。
条件4の場合を考える。cosβ≧0なので、0≦β≦90°である。式(25d)からcosα≦0となり、90°≦α≦180°である。またαとβが変化することは図4の点Pが突極中心径線上で移動することなので、0≦β≦90°と90°≦α≦180°の条件が成立する必要がある。図6を見れば0≦β≦90°かつ90°≦α≦180°の条件は成立しないことが分かる。したがって条件4の場合は成立しない。
条件5の場合を考える。cosβ<0なので90°<β≦180°である。式(25e)から0≦cosαとなり、0≦α≦90°である。またαとβが変化することは図4の点Pが突極中心径線上で移動することなので、90°<β≦180°と0≦α≦90°の条件が成立する必要がある。ここで図6を用いて上記の条件が成立する範囲が突極中心径線上にあるかを考えると、点P2から点P3の範囲が該当する。したがって条件5の場合は図6の点P2から点P3の範囲で成立する。
条件6の場合を考える。cosβ<0なので90°<β≦180°である。さらに
cosβ<0なので、式(25f)からcosα<0となり、90°<α≦180°である。またαとβが変化することは図4の点Pが突極中心径線上で移動することなので、
90°<α≦180°と90°<β≦180°の条件ではα>βである。つまり
90°<β<α≦180°である。したがってcosα<cosβ<0となる。これを変形して0<cosβ/cosα<1の関係式を得る。式(25f)を変形すると以下の式を得る。
k/2K≧cosβ/cosα (27)
式(27)の右辺cosβ/cosαは0<cosβ/cosα<1の関係があるので、k/2K>1となる。ここで式(27)を式(9)と式(10)から変形すると、
R/2r>1 (27a)
となる。図6から考えると90°<β<α≦180°かつ式(27a)が成立する範囲は、点P4より紙面上方であれば仮想電流b及びdの位置関係によっては該当する点が存在する。したがって条件6の場合は図6の点P4より紙面上方となる範囲で成立する。
条件3乃至6が成立する範囲をまとめると、図6の点P3より紙面下方で軸5の中心点までの範囲または点P4より紙面上方となる範囲(範囲1)で成立する。したがって範囲1で、式(25b)は成立する。式(25b)は|HtP|≦|HtQ|が成り立つための条件式なので、範囲1で|HtP|≦|HtQ|が成立する。
突極中心径線上の点Pとスロット中心径線上の点Qそれぞれにおける連続する4つの仮想電流による漏れ磁束の径方向成分を軸5から同一距離(同一の半径円周上)で比較すると、範囲1で|HtP|≦|HtQ|が成立しているので、突極中心径線上での漏れ磁束の周方向成分がスロット中心径線上での漏れ磁束の周方向成分より小さい。したがってホール素子10を突極中心径線上に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の周方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
通常、電機子巻線3からの漏れ磁束の影響はホール素子10が電機子巻線3から離れるほど小さくなる。回転子4の外周側に固定子コア2aがある図1のような回転電機の場合に、回転子4の軸5に垂直な投影面上では電機子巻線3の内周端から離れ、軸5に近づくほど電機子巻線3からの漏れ磁束を小さくすることができる。つまりホール素子10を突極中心径線上で軸5の近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の周方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。この効果を得るには図7及び8に示すような位置にホール素子10を配置すればよい。図7及び8はこの実施の形態で使用できる第2の回転センサの正面図及び第2の回転電機の概略正面図である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。なお、図8におけるホール素子10の配置は図6におけるr≦Rで軸5の近傍である。
今まで電機子巻線3の漏れ磁束の径方向成分と周方向成分について式を用いて定性的に説明したが、シミュレーションによって正確な漏れ磁束の変化を調べた結果について述べる。図9はシミュレーションを行ったホール素子10の配置例を示す図である。回転電機の極数及びスロット数は上述したものと同じ8及び12である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。10a乃至10cはそれぞれ電機子巻線3の漏れ磁束の径方向成分、周方向成分、軸方向成分を検出する向きに配置した磁束検出器である。図10は固定子コア2aの円筒形状を展開し、その上部を外周側から見た図である。3bは電機子巻線3の固定子コア2a上部のコイルエンドである。コイルエンド3bが左からU相、V相、W相、U相、V相、W相のように相順に並んでいる。12スロットの回転電機の電機子巻線3は等間隔に配置されているので、コイルエンド3bの間隔は機械角で30°となる。電機子巻線3の漏れ磁束の磁束密度の径方向成分Br、周方向成分Bt、軸方向成分Bzの向きは図中に示した向きである。次に径方向成分Br、周方向成分Bt、軸方向成分Bzの3次元シミュレーションの結果を示す。
図11は漏れ磁束の径方向成分の分布図である。電機子電流の1周期分の磁場解析の結果から漏れ磁束の最大値を抽出したものである。横軸は周方向の角度であり、縦軸Dはスロットピッチで規格化した軸方向の距離である。横軸は周期性を考慮して45°から135°までの90°の範囲について示しており、図10で示したように60°、90°、120°の位置にU相、V相、W相のコイルエンド3bの中心が位置している。漏れ磁束の大きさは等高線で示していて、この図から固定子コア2a端部の近傍すなわちD=0.6近傍では、60°、90°、120°の位置すなわちU相、V相、W相のコイルエンド3bのそれぞれの中心位置で漏れ磁束の径方向成分が非常に大きくなっていることが確認できる。しかし、U相とV相のスロット中心位置(75°の位置)、V相とW相のスロット中心位置(105°の位置)、W相とU相のスロット中心位置(135°と45°の位置)では漏れ磁束の径方向成分が小さくなっている。すなわち定性的に解析したときと同様にスロット中心径線近傍での漏れ磁束の径方向成分は突極中心径線近傍での漏れ磁束の径方向成分より小さい。したがってホール素子10をスロット中心径線近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
図12は漏れ磁束の周方向成分の分布図である。図11と同様に電機子電流の1周期分の磁場解析の結果から漏れ磁束の最大値を抽出したものである。横軸は周方向の角度であり、縦軸Dはスロットピッチで規格化した軸方向の距離である。漏れ磁束の大きさは等高線で示していて、この図から固定子コア端部の近傍すなわちD=0.6近傍では、45°(135°)、75°、105°の位置すなわちW相とU相のスロット中心位置、U相とV相のスロット中心位置、V相とW相のスロット中心位置で漏れ磁束の周方向成分が非常に大きくなっていることが確認できる。しかし、U相、V相、W相のコイルエンド3bのそれぞれの中心位置では漏れ磁束の周方向成分が小さくなっている。すなわち定性的に解析したときと同様に突極中心径線近傍での漏れ磁束の径方向成分はスロット中心径線近傍での漏れ磁束の径方向成分より小さい。したがってホール素子10を突極中心径線近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の周方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。なお、ホール素子10の検出面の垂線が第2の永久磁石8を貫く径線にほぼ垂直になるようにホール素子10を配置することによって、ホール素子10の検出精度が向上する。
図13は漏れ磁束の軸方向成分の分布図である。図11と同様に電機子電流の1周期分の磁場解析の結果から漏れ磁束の最大値を抽出したものである。横軸は周方向の角度であり、縦軸Dはスロットピッチで規格化した軸方向の距離である。漏れ磁束の大きさは等高線で示していて、この図から固定子コア端部の近傍すなわちD=0.6近傍では、60°、90°、120°の位置すなわちU相、V相、W相のコイルエンド3bのそれぞれの中心位置で漏れ磁束の軸方向成分が非常に大きくなっていることが確認できる。しかし、U相とV相のスロット中心位置、V相とW相のスロット中心位置、W相とU相のスロット中心位置では漏れ磁束の軸方向成分が小さくなっている。これは漏れ磁束の径方向成分と同様の傾向を示している。通常、電機子巻線3からの漏れ磁束の影響はホール素子10が電機子巻線3から離れるほど小さくなる。回転子4の外周側に固定子コア2aがある図1のような回転電機の場合に、回転子4の軸5に垂直な投影面上では軸5に近づくほど電機子巻線3からの漏れ磁束を小さくすることができる。したがってホール素子10をスロット中心径線近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の軸方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。この効果を得るには図14に示すような位置にホール素子10を配置すればよい。なお、ホール素子10の検出面の垂線が第2の永久磁石8の垂線にほぼ平行になるようにホール素子10を配置することによって、ホール素子10の検出精度が向上する。図14はこの実施の形態で使用できる第3の回転センサの側面図である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。
以上述べたことをまとめる。ホール素子10をスロット中心径線近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分あるいは軸方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。また、ホール素子10を突極中心径線近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の周方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。通常、電機子巻線3からの漏れ磁束の影響はホール素子10が電機子巻線3から離れるほど小さくなる。回転子4の外周側に固定子コア2aがある図1のような回転電機の場合に、回転子4の軸5に垂直な投影面上では電機子巻線3の内周端から離れ、軸5に近づくほど電機子巻線3からの漏れ磁束を小さくすることができる。つまりホール素子10を軸5の近傍に配置することで、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分、周方向成分、軸方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
本実施の形態の回転電機は、電機子巻線3を巻いた突極13を極端に不等間隔で配置していた従来とは異なり、電機子巻線3を巻いた突極13を均等に配置しても回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。電機子巻線3を巻く空間を確保できるので、十分な回数だけ電機子巻線3を巻くことができる。したがって十分なトルクを発生させることができ、効率を低下させない回転電機が得られる。また電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することで、回転センサの精度を向上することができる。高精度の回転センサであれば回転電機を正確に制御することができ、駆動電流の位相にずれが生じることがないので、回転電機のトルクリップルを低減することができる。さらに高精度の回転センサであれば検出誤差の許容度が大きいので、回転センサと回転電機本体との距離を近づけても電機子巻線3の漏れ磁束の影響を小さくすることができる。したがって高精度の回転センサを回転電機本体に近付けることで回転電機の小形化が可能となる。
尚、今まで8極12スロットの回転電機で説明したが、例えば8極6スロットの回転電機のようにU相、W相、V相の順に電機子巻線3が配置される場合でも同様の傾向がある。8極12スロットの回転電機は極対数が4(=8/2)であり、電気角は120°(=機械角×極対数=30°×4)であった。この電気角を維持するようにU相、V相、W相の順に並べたものである。一方、上記の8極6スロットの回転電機は極対数が4(=8/2)であり、電気角は240°(=60°×4)となるものである。この電気角を維持するようにU相、W相、V相の順に並べたものである。したがって同一の極数であって電気角が極対数×機械角に等しくなっているので磁界分布は同様の傾向になる。また、同じ極数とスロット数の比であれば16極24スロットや64極48スロットなどでも、U相、W相、V相の巻線が1つずつ並んだ電機子巻線の配置パターンを有していれば同様の傾向がある。
実施の形態2.
実施の形態1では電機子巻線3の巻く向きが同一である回転電機で説明したが、電機子巻線3の巻く向きが2種類(正、負方向)混在した回転電機であっても、電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。以下に説明する。
図15はこの発明の実施の形態2における回転電機の概略構成図である。この回転電機は極数10、スロット数12であり、電機子巻線3の配置は一番上の巻線から左回りにU+,U−,V−,V+,W+,W−,U−,U+,V+,V−,W−,W+各相のように
同相の+と−が隣接して同相ペアを形成して並んでいる。ここで符号は巻線の巻き方向を示しており、+と−では巻き方向が逆となっている。U,V,Wは電機子巻線3の相を表す。ホール素子10はU+相とU−相の中間に配置されている。
電機子巻線3の漏れ磁束が少ない位置を検討する。まず同相ペアのスロット部分での漏れ磁束を考える。図16は同相ペアスロット部分での漏れ磁束を説明する図であり、図15の上方のU−相とU+相に該当する部分を示している。図16の左側の突極13にはU−相の電機子巻線3(破線で示す)が巻き回され、右側の突極13にはU+相の電機子巻線3(破線で示す)が巻き回されている。図4で説明したのと同様にアンペアターン分の電流が各突極近傍で2点に集中していると考える。U−相の仮想電流aの電流−Iuは紙面の表側から裏側に流れており、U−相の仮想電流bの電流Iuは紙面の裏側から表側に流れている。U+相の仮想電流cの電流Iuは紙面の裏側から表側に流れており、U+相の仮想電流dの電流−Iuは紙面の表側から裏側に流れている。点Q1は投影面上における軸5の軸中心からU−相とU+相間のスロット中心径線上にある。
4つの仮想電流(a,b,c,d)が発生する磁界(Ha,Hb,Hc,Hd)を合成して漏れ磁界を計算する。仮想電流b及びcと点Q1とを結んだ線とスロット中心径線とのなす角度をθとする。同様に仮想電流a及びdと点Q1とを結んだ線とスロット中心径線とのなす角度をθ1とする。点Q1から仮想電流b及びcまでの距離をrとする。また点Q1から仮想電流a及びdまでの距離をr1とする。4つの仮想電流が発生する磁界は、x方向成分及びy方向成分に分けて考える。点Q1における仮想電流aによる磁界のx方向成分HaxQ1は以下のように表される。
HaxQ1=−k1×Iu×cosθ1 (28)
点Q1における仮想電流aによる磁界のy方向成分HayQ1は以下のように表される。
HayQ1=−k1×Iu×sinθ1 (29)
点Q1における仮想電流bによる磁界のx方向成分HbxQ1は以下のように表される。
HbxQ1=k×Iu×cosθ (30)
点Q1における仮想電流bによる磁界のy方向成分HbyQ1は以下のように表される。
HbyQ1=k×Iu×sinθ (31)
点Q1における仮想電流cによる磁界のx方向成分HcxQ1は以下のように表される。
HcxQ1=k×Iu×cosθ (32)
点Q1における仮想電流cによる磁界のy方向成分HcyQ1は以下のように表される。
HcyQ1=−k×Iu×sinθ (33)
点Q1における仮想電流dによる磁界のx方向成分HdxQ1は以下のように表される。
HdxQ1=−k1×Iu×cosθ1 (34)
点Q1における仮想電流dによる磁界のy方向成分HdyQ1は以下のように表される。
HdyQ1=k1×Iu×sinθ1 (35)
ここでkは点Q1からの距離に関係する正の定数であり、式(9)の関係が成り立つ。k1は点Q1からの距離に関係する正の定数であり、次の関係が成り立つ。
k1∝1/r1 (36)
点Q1における漏れ磁界の径方向成分HrQ1及び周方向成分HtQ1は以下のようになる。径方向成分HrQ1は、
HrQ1=HayQ1+HbyQ1+HcyQ1+HdyQ1=0 (37)
となる。点Q1における漏れ磁界の周方向成分HtQ1は、
HtQ1=−(HaxQ1+HbxQ1+HcxQ1+HdxQ1)
=(2k1×cosθ1−2k×cosθ)×Iu (38)
次に異相のスロット中心での漏れ磁束を考える。図17は異相スロット中心での漏れ磁束を説明する図であり、図15の左上方のV−相とU−相に該当する部分を示している。図17の左側の突極13にはV−相の電機子巻線3(破線で示す)が巻き回され、右側の突極13にはU−相の電機子巻線3(破線で示す)が巻き回されている。図4で説明したのと同様にアンペアターン分の電流が各突極近傍で2点に集中していると考える。V−相の仮想電流eの電流−Ivは紙面の表側から裏側に流れており、V−相の仮想電流fの電流Ivは紙面の裏側から表側に流れている。U−相の仮想電流aの電流−Iuは紙面の表側から裏側に流れており、U−相の仮想電流bの電流Iuは紙面の裏側から表側に流れている。点Q2は投影面上における軸5の軸中心からV−相とU−相間のスロット中心径線上にある。
4つの仮想電流(a,b,e,f)が発生する磁界(Ha,Hb,He,Hf)を合成して漏れ磁界を計算する。同相ペアスロット部分での漏れ磁束と比較するために、仮想電流f及びaと点Q2とを結んだ線とスロット中心径線とのなす角度をθとし、仮想電流e及びbと点Q2とを結んだ線とスロット中心径線とのなす角度をθ1とし、点Q2から仮想電流f及びaまでの距離をr、点Q2から仮想電流e及びbまでの距離をr1とする。4つの仮想電流が発生する磁界は、x方向成分及びy方向成分に分けて考える。点Q2における仮想電流eによる磁界のx方向成分HexQ2は以下のように表される。
HexQ2=−k1×Iv×cosθ1 (39)
点Q2における仮想電流eによる磁界のy方向成分HeyQ2は以下のように表される。
HeyQ2=−k1×Iv×sinθ1 (40)
点Q2における仮想電流fによる磁界のx方向成分HfxQ2は以下のように表される。
HfxQ2=k×Iv×cosθ (41)
点Q2における仮想電流fによる磁界のy方向成分HfyQ2は以下のように表される。
HfyQ2=k×Iv×sinθ (42)
点Q2における仮想電流aによる磁界のx方向成分HaxQ2は以下のように表される。
HaxQ2=−k×Iu×cosθ (43)
点Q2における仮想電流aによる磁界のy方向成分HayQ2は以下のように表される。
HayQ2=k×Iu×sinθ (44)
点Q2における仮想電流bによる磁界のx方向成分HbxQ2は以下のように表される。
HbxQ2=k1×Iu×cosθ1 (45)
点Q2における仮想電流bによる磁界のy方向成分HbyQ2は以下のように表される。
HbyQ2=−k1×Iu×sinθ1 (46)
ここでk及びk1は点Q2からの距離に関係する正の定数であり、式(9)及び(36)の関係が成り立つ。
点Q2における漏れ磁界の径方向成分HrQ2及び周方向成分HtQ2は以下のようになる。径方向成分HrQ2は、
HrQ2=HeyQ2+HfyQ2+HayQ2+HbyQ2
=(k×sinθ−k1×sinθ1)×(Iu+Iv) (47)
となる。点Q2における漏れ磁界の周方向成分HtQ2は、
HtQ2=−(HexQ2+HfxQ2+HaxQ2+HbxQ2)
=(k×cosθ−k1×cosθ1)×(Iu−Iv) (48)
点Q1と点Q2の径方向成分Hrの絶対値を考える。式(37)からHrQ1=0なので、|HrQ1|=0である。式(47)から|HrQ2|≧0となる。したがって常に|HrQ2|≧|HrQ1|が成立する。
同相ペアのスロット中心径線上の点Q1と異相のスロット中心径線上の点Q2それぞれにおける連続する4つの仮想電流による漏れ磁束の径方向成分を軸5から同一距離(同一の半径円周上)で比較すると、常に|HrQ2|≧|HrQ1|が成立しているので、同相ペアのスロット中心径線上での漏れ磁束の径方向成分が異相のスロット中心径線上での漏れ磁束の径方向成分より小さい。したがってホール素子10を同相ペアのスロット中心径線上に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
通常、電機子巻線3からの漏れ磁束の影響はホール素子10が電機子巻線3から離れるほど小さくなる。実施の形態1と同様に回転子の外周側に固定子コア2aがある図1のような回転電機の場合に、回転子4の軸5に垂直な投影面上では電機子巻線3の内周端から離れ、軸5に近づくほど電機子巻線3からの漏れ磁束を小さくすることができる。つまりホール素子10を同相ペアのスロット中心径線上で軸5の近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
実施の形態1と同様にホール素子10が検出する第2の永久磁石8の磁束を電機子巻線3からの漏れ磁束の100倍以上にすれば、電機子巻線3からの漏れ磁束による回転センサの検出誤差を1%以下にすることができる。したがって回転センサの精度を向上することができる。
次に点Q1と点Q2の周方向成分Htの絶対値が|HtQ1|≧|HtQ2|となる場合を考える。式|HtQ1|≧|HtQ2|に(38)と式(48)を代入すると以下のようになる。
|(2k1×cosθ1−2k×cosθ)×Iu|
≧|(k×cosθ−k1×cosθ1)×(Iu−Iv)| (49)
|Iu−Iv|=√3|Iu|なので、変形すると
2|k×cosθ−k1×cosθ1|
≧√3|k×cosθ−k1×cosθ1| (49a)
となる。
|k×cosθ−k1×cosθ1|>0の場合は、式(49a)の両辺から
|k×cosθ−k1×cosθ1|を除すると2≧√3となり、常に式(49a)が成立する。また、k×cosθ−k1×cosθ1=0の場合は、式(49a)の両辺は共に0となり、式(49a)は成立する。したがって式(49a)は常に成立する。式(49a)が成立するのは|HtQ1|≧|HtQ2|が成立するときなので、常に
|HtQ1|≧|HtQ2|が成立する。
同相ペアのスロット中心径線上の点Q1と異相のスロット中心径線上の点Q2それぞれにおける連続する4つの仮想電流による漏れ磁束の周方向成分を軸5から同一距離(同一の半径円周上)で比較すると、異相のスロット中心径線上での漏れ磁束の周方向成分が同相ペアのスロット中心径線上での漏れ磁束の周方向成分より小さい。したがってホール素子10を異相のスロット中心径線上に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の周方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
通常、電機子巻線3からの漏れ磁束の影響はホール素子10が電機子巻線3から離れるほど小さくなる。回転子の外周側に固定子コア2aがある図1のような回転電機の場合に、回転子4の軸5に垂直な投影面上では電機子巻線3の内周端から離れ、軸5に近づくほど電機子巻線3からの漏れ磁束を小さくすることができる。つまりホール素子10を異相のスロット中心径線上で軸5の近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の周方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。この効果を得るには図18に示すような位置にホール素子10を配置すればよい。図18はこの実施の形態で使用できる第2の回転電機の概略正面図である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。
今まで電機子巻線3の漏れ磁束の径方向成分と周方向成分について式を用いて定性的に説明したが、シミュレーションによって正確な漏れ磁束の変化を調べた結果について述べる。図19はシミュレーションを行ったホール素子10の配置例を示す図である。回転電機の極数及びスロット数は上述したものと同じ10及び12である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。10a乃至10cはそれぞれ電機子巻線3の漏れ磁束の径方向成分、周方向成分、軸方向成分を検出する向きに配置した磁束検出器である。図20は固定子コア2aの円筒形状を展開し、その上部を外周側から見た図である。3bは電機子巻線3の固定子コア2a上部のコイルエンドである。コイルエンド3bが左からU+相(図19の上方のU+相に相当する)、U−相、V−相、V+相、W+相、W−相のように同相ペアを形成して並んでいる。12スロットの回転電機の電機子巻線3は等間隔に配置されているので、コイルエンド3bの間隔は機械角で30°となる。電機子巻線3の漏れ磁束の磁束密度の径方向成分Br、周方向成分Bt、軸方向成分Bzの向きは図中に示した向きである。次に径方向成分Br、周方向成分Bt、軸方向成分Bzの3次元シミュレーションの結果を示す。
図21は漏れ磁束の径方向成分の分布図である。電機子電流の1周期分の磁場解析の結果から漏れ磁束の最大値を抽出したものである。横軸は周方向の角度であり、縦軸Dはスロットピッチで規格化した軸方向の距離である。横軸は周期性を考慮して0°から180°までの180°の範囲について示しており、15°、45°、75°、105°、135°、165°の位置にU+,U−,V−,V+,W+,W−各相のコイルエンド3bがそれぞれ位置している。漏れ磁束は等高線で示していて、この図から固定子コア2a端部の近傍すなわちD=0.6近傍では、30°、90°、150°の位置で漏れ磁束の径方向成分が非常に小さくなっていることが確認できる。これは、それぞれU+相とU−相、V−相とV+相、W+相とW−相のスロット中心位置に該当する。ここで漏れ磁束の径方向成分の小さい理由は、U+相とU−相では同じ相であるが巻き方向が逆であるため180°位相が反転した電流が流れているのと等価である。このときU+相とU−相に挟まれた領域では径方向の磁界が互いにキャンセルして小さくなったと考えられる。V+相とV−相、W+相とW−相に挟まれた領域についても同様の考え方が適用できる。図22に横軸に周方向の角度、縦軸に漏れ磁束の径方向成分Brの最大値をプロットしたグラフを示す。15°から45°、75°から105°、135°から165°の範囲では漏れ磁束の影響が小さく、特に30°、90°、150°の位置ではきわめて小さいことが確認できる。すなわち定性的に解析したときと同様にホール素子10を同相ペアのスロット中心径線近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
図23は漏れ磁束の周方向成分の分布図である。図21と同様に電機子電流の1周期分の磁場解析の結果から漏れ磁束の最大値を抽出したものである。横軸は周方向の角度であり、縦軸Dはスロットピッチで規格化した軸方向の距離である。横軸は周期性を考慮して0°から180°までの180°の範囲について示しており、0°、60°、120°付近において,漏れ磁束が小さくなっていることが分かる。横軸に周方向の角度位置、縦軸に漏れ磁束の周方向成分Btの最大値をプロットしたグラフが図24である。U−相とV−相に挟まれた領域(45°から75°)、V+相とW+相に挟まれた領域(105°から135°)、W−相とU−相(あるいはW+相とU+相)に挟まれた領域(165°から180°と0°から15°)では漏れ磁束の周方向成分が小さいことが確認できる。すなわち定性的に解析したときと同様にホール素子10を異相のスロット中心径線上に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の周方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
図25は漏れ磁束の軸方向成分の分布図である。図21と同様に電機子電流の1周期分の磁場解析の結果から漏れ磁束の最大値を抽出したものである。横軸は周方向の角度であり、縦軸Dはスロットピッチで規格化した軸方向の距離である。横軸は周期性を考慮して0°から180°までの180°の範囲について示しており、15°、45°、75°、105°、135°、165°の位置にU+,U−,V−,V+,W+,W−各相のコイルエンド3bがそれぞれ位置している。漏れ磁束は等高線で示していて、この図から固定子コア端部の近傍すなわちD=0.6近傍では、30°、90°、150°の位置で漏れ磁束の軸方向成分が非常に小さくなっていることが確認できる。図21の径方向成分とほぼ同じ傾向を示していることが分かる。横軸に周方向の角度位置、縦軸に漏れ磁束の軸方向成分Bzの最大値をプロットしたグラフが図26である。図22と同様の傾向を示しており、15°から45°、75°から105°、135°から165°の範囲では漏れ磁束の影響が小さく、特に30°、90°、150°の位置ではきわめて小さいことが確認できる。通常、電機子巻線3からの漏れ磁束の影響はホール素子10が電機子巻線3から離れるほど小さくなる。回転子4の外周側に固定子コア2aがある図1のような回転電機の場合に、回転子4の軸5に垂直な投影面上では軸5に近づくほど電機子巻線3からの漏れ磁束を小さくすることができる。
以上述べたことをまとめる。ホール素子10を同相ペアのスロット中心径線近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分あるいは軸方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。また、ホール素子10を異相のスロット中心径線近傍に配置して、さらに回転センサの第2の永久磁石8の周方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。通常、電機子巻線3からの漏れ磁束の影響はホール素子10が電機子巻線3から離れるほど小さくなる。回転子4の外周側に固定子コア2aがある図1のような回転電機の場合に、回転子4の軸5に垂直な投影面上では電機子巻線3の内周端から離れ、軸5に近づくほど電機子巻線3からの漏れ磁束を小さくすることができる。つまりホール素子10を軸5の近傍に配置することで、さらに回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分、周方向成分、軸方向成分を検出する向きにすることで、回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。
本実施の形態の回転電機は、電機子巻線3を巻いた突極13を極端に不等間隔で配置していた従来とは異なり、電機子巻線3を巻いた突極13を均等に配置しても回転電機の電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。電機子巻線3を巻く空間を確保できるので、十分な回数だけ電機子巻線を巻くことができる。したがって十分なトルクを発生させることができ、効率を低下させない回転電機が得られる。また電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することで、回転センサの精度を向上することができる。高精度の回転センサであれば回転電機を正確に制御することができ、駆動電流の位相にずれが生じることがないので、回転電機のトルクリップルを低減することができる。さらに高精度の回転センサであれば検出誤差の許容度が大きいので、回転センサと回転電機本体との距離を近づけても電機子巻線3の漏れ磁束の影響を小さくすることができる。したがって高精度の回転センサを回転電機本体に近付けることで回転電機の小形化が可能となる。
尚、同相ペアを配置する例は他にもある。図27は実施の形態2で使用できる第3の回転電機の概略正面図である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。
図27は8極9スロットの回転電機であり、電機子巻線3の配置が上方のU+相から左周りにU−,U+,V+,V−,V+,W+,W−,W+各相のようになっている。このような配置であれば径方向の磁束を検出する場合には、図27のホール素子10aのようにU+相とU−相の電機子巻線3の間、望ましくは中心位置に配置されていれば、漏れ磁束の影響を低減できる。これにより回転センサの精度が向上するという効果が得られる。無論U+相とU−相の電機子巻線3の間への配置に限らず、V+相とV−相の巻線の間やW+相とW−相の電機子巻線3の間でも同様の効果が得られる。すなわち同相ペアのスロット中心径線近傍、望ましくは同相ペアのスロット中心径線上に配置されていればよい。
また周方向の磁束を検出する場合には図27のホール素子10bのようにU+相とV+相の間に配置するのがよい。無論V+相とW+相の間やW+相とU+相の間に配置してもよい。すなわち異相のスロット中心径線近傍、望ましくは異相のスロット中心径線上に配置されていればよい。
軸方向の磁束を検出する場合には,漏れ磁束の傾向は径方向成分の場合と同じであるので、同相ペアのスロット中心径線近傍のぞましくは同相ペアのスロット中心径線上に配置されていればよい。
また、極数とスロット数の比が8:9であれば他の組み合わせでもよい。図27のような9スロットかつ各相の並びが実現されていれば、極数が異なる例えば10極9スロットの場合でも同様な傾向となる。したがって10極9スロットの場合やスロット数の比が10:9であれば他の組み合わせであれば同じ効果が得られる。
同相ペアを配置する第4の例としては図28のような例もある。図28は実施の形態2で使用できる第4の回転電機の概略正面図である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。14極12ロットの回転電機である。電機子巻線3の配置が上方のU+相から左周りにU−,W−,W+,V+,V−,U−,U+,W+,W−,V−,V+各相となっている。径方向あるいは軸方向の磁束を検出する場合には、図28のホール素子10aの位置すなわち同相ペアのスロット中心径線近傍、望ましくは同相ペアのスロット中心径線上に配置されていればよい。周方向の磁束を検出する場合には、図28のホール素子10bの位置すなわち異相のスロット中心径線近傍、望ましくは異相のスロット中心径線上に配置されていればよい。また極数とスロット数の比が14:12であれば同様の配置とすればよい。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では固定子コア2aの突極13の全てに電機子巻線3が巻き回された回転電機について述べたが、これに限ることはない。電機子巻線3が1つ飛ばしの突極13に巻き回された場合であっても電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することができる。このような回転電機は電機子巻線3を少なくできるのでコストを下げられる利点がある。以下に説明する。
図29はこの発明の実施の形態3における回転電機の概略正面図である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。8極12スロットの回転電機である。電機子巻線3が全ての突極13に巻かれておらず、1つ飛ばしに計6つの突極13に巻き回されている。電機子巻線3は上方のU相から左周りに、W相、V相、U相、W相、V相の順で配置されている。このような場合でも電機子巻線3を基準とすれば、実施の形態1の場合と同様に考えることができる。
径方向の磁束を検出する場合には、図29のホール素子10aの位置のように隣り合う異なる相の巻線の間の中心位置近傍に配置されていればよい。軸方向の磁束を検出する場合も同様である。一方、周方向の磁束を検出する場合には、図29のホール素子10bのように電機子巻線3が巻かれた突極中心径線近傍に配置するのがよい。
電機子巻線3が突極13に巻き回されていない別の例を示す。図30はこの実施の形態で使用できる第2の回転電機の概略正面図である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。10極12スロットの回転電機であり、電機子巻線3が1つ飛ばしに6つの突極13に巻き回されている。また電機子巻線3の配置は上方のU+相から左周りにV−,W+,U−,V+,W−各相となっている。この例も巻線の向きは異なっていても実施の形態1と同様にU相、V相、W相の巻線が1つずつ並んだ電機子巻線3の配置パターンを有している。したがって実施の形態1の場合と同様に考えることができる。すなわち径方向の磁束を検出する場合には、図30のホール素子10aの位置のように隣り合う異なる相の巻線の間の中心位置近傍に配置されていればよい。軸方向の磁束を検出する場合も同様である。一方、周方向の磁束を検出する場合には、図30のホール素子10bのように電機子巻線3が巻かれた突極中心径線近傍に配置するのがよい。
図29及び30で示した回転電機は、全ての突極13に電機子巻線3が巻き回されている例と同等の出力を出すために、電流Iで2つの電機子巻線3で発生させた磁束を1つの電機子巻線3に2倍の電流Iで駆動することで達成できる。つまり全ての突極に電機子巻線3が巻き回されている例に比べて1つの電機子巻線3のアンペアターンが大きくなる。これによって漏れ磁束の影響も大きくなってしまう。したがって、本実施の形態で述べた位置にホール素子を配置することで、漏れ磁束の影響が低減でき、回転センサの精度が向上することができる。高精度の回転センサであれば、回転センサと回転電機本体との距離を近づけることができる。したがって高精度の回転センサを回転電機本体に近付けることで回転電機の小形化が可能となる。
尚、実施の形態1乃至3の回転電機では回路基板11が蓋12の内側に取り付けられ、回転センサが蓋12側に配置された例で説明したが、回路基板11がフレーム1の底内面に取り付けられ、回転センサがフレームの底側に配置された場合であっても構わない。
また、磁束測定環7が第2の永久磁石8の外側にヨーク9を備え、ホール素子10がこの磁束測定環7の内側に配置される場合で説明したが、図31に示すように第2の永久磁石8の内側にヨーク9を備え、ホール素子10がこの磁束測定環7の外側に配置される場合であっても構わない。図31のホール素子10aは回転センサの第2の永久磁石8の径方向成分を検出する場合の配置例であり、ホール素子10bは回転センサの第2の永久磁石8の周方向成分を検出する場合の配置例である。図に付した同一の記号は同一或いは相当するものである。ヨーク9の半径を小さくすることでホール素子10は軸5に近付けることができる。第2の永久磁石8の極数を4極の場合で示したが、これに限らない。また、ホール素子10の数は実施の形態1乃至3で示した数に限定されることはなく、1つであっても、複数個であっても構わない。
また、電気子巻線が突極に巻かれた回転電機で説明したが、電気子巻線だけが周方向に配置されるスロットレスモータであっても構わない。突極中心を電気子巻線中心に置き換えて、スロット中心を隣接する電気子巻線の間隙中心に置き換えればよい。
また、回転子に永久磁石を備えた回転電機で説明したが、回転子に永久磁石を備えないリラクタンスモータであっても構わない。
また、実施の形態2及び3の回転電機は実施の形態1と同様に、実施の形態で示した極数とスロット数の比に限らず、同じ極数とスロット数の比となる電機子巻線の配置パターンを有していればよい。
実施の形態4.
実施の形態1乃至3では電機子巻線3からの漏れ磁束の検出を低減することで回転センサの精度を向上させた回転電機について説明してきたが、この回転電機を自動車用電動パワーステアリング装置に適用することができる。以下に説明する。
図32は自動車用電動パワーステアリング装置の概念図である。ステアリングホイール15から人間の操舵力がコラムシャフト16に伝達される。ウォームギヤ17(図では詳細は省略し、ギヤボックスのみ示している)は回転電機18の出力の回転方向を直角に変えながら伝達する。ウォームギヤ17は同時に出力を減速させて、ハンドルジョイント19を回すことでアシストトルクを増加させる。例えばウォームギヤのギア比は20:1である。ハンドルジョイント19は操舵力をステアリングギヤ20(図では詳細は省略し、ギヤボックスのみ示している)に伝える。ステアリングギヤ20はハンドルジョイント19の回転を減速すると同時にラック21の直線運動に変換し、ラック21の所要の変移を発生させる。このラック21の直線運動により車輪を動かし、車両の方向転換等を可能とする。
上記のような電動パワーステアリング装置では回転電機18で発生するトルクの脈動がウォームギヤ17とコラムシャフト16を介して、ステアリングホイール15に伝達される。したがって、回転電機18がトルクに大きな脈動を発生する場合、滑らかなステアリング感覚を得ることが出来ない。実施の形態1乃至3で述べた回転電機は電機子巻線3の漏れ磁束の影響が小さいものであり、高精度の回転センサを構成できる。高精度の回転センサであれば回転電機を正確に制御することができ、駆動電流の位相にずれが生じることがないので、回転電機のトルクリップルを低減することができる。したがって実施の形態1乃至3の回転電機を組み込むことで、回転電機のトルクリップルが低減でき、滑らかなステアリング感覚の電動パワーステアリング装置が実現できる。また回転センサと回転電機本体とを近づけて配置することができ小形の電動パワーステアリング装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1における回転電機の概略構成図である。 実施の形態1における回転センサの正面図である。 実施の形態1における回転電機の概略正面図である。 実施の形態1における突極部分での漏れ磁束を説明する図である。 実施の形態1におけるスロット部分での漏れ磁束を説明する図である。 図4の点Pを移動させたときの角度及び距離を説明する図である。 実施の形態1で使用できる第2の回転センサの正面図である。 実施の形態1で使用できる第2の回転電機の概略正面図である。 実施の形態1における磁束検出器の配置例を示す図である。 実施の形態1のコイルエンドと磁束方向を示す図である。 実施の形態1の漏れ磁束の径方向成分の分布図である。 実施の形態1の漏れ磁束の周方向成分の分布図である。 実施の形態1の漏れ磁束の軸方向成分の分布図である。 実施の形態1で使用できる第3の回転センサの側面図である。 この発明の実施の形態2における回転電機の概略正面図である。 実施の形態2の同相ペアスロット部分での漏れ磁束を説明する図である。 実施の形態2の同相ペア外での漏れ磁束を説明する図である。 実施の形態2で使用できる第2の回転電機の概略正面図である。 実施の形態2における磁束検出器の配置例を示す図である。 実施の形態2のコイルエンドと磁束方向を示す図である。 実施の形態2の漏れ磁束の径方向成分の分布図である。 実施の形態2の漏れ磁束の径方向成分の最大値を示す図である。 実施の形態2の漏れ磁束の周方向成分の分布図である。 実施の形態2の漏れ磁束の周方向成分の最大値を示す図である。 実施の形態2の漏れ磁束の軸方向成分の分布図である。 実施の形態2の漏れ磁束の軸方向成分の最大値を示す図である。 実施の形態2で使用できる第3の回転電機の概略正面図である。 実施の形態2で使用できる第4の回転電機の概略正面図である。 この発明の実施の形態3における回転電機の概略正面図である。 実施の形態3で使用できる第2の回転電機の概略正面図である。 この発明で使用できる第4の回転センサの正面図である。 この発明の実施の形態4におけるパワーステアリング装置の図である。
符号の説明
1 フレーム、2 固定子、3 電機子巻線、4 回転子、5 軸、7 磁束測定環、8 永久磁石、10 ホール素子、13 突極、14 スロット。

Claims (10)

  1. 円筒形のフレーム内に配置され、突極に巻かれた複数の電機子巻線を備えた固定子と、この固定子の内側に配置された回転子と、この回転子の軸に接合された磁束測定環にN極とS極とが交互に着磁された永久磁石と、この永久磁石の近傍に配置されこの永久磁石の磁束を検出し検出感度に指向性を有する磁束検出器とを備え、前記軸に垂直な投影面上で前記軸の中心から外に伸びる径線が隣接した前記突極間の中心を通るスロット中心径線上又はその近傍で前記電機子巻線の内周端と前記軸との間に前記磁束検出器が配置されたことを特徴とした回転電機。
  2. 固定子の電機子巻線が相順に並べられ、磁束検出器が永久磁石の磁束の径方向成分を検出することを特徴とした請求項1記載の回転電機。
  3. 固定子の電機子巻線が逆巻の同相ペア毎に相順に並べられ、スロット中心径線は前記同相ペア間にあり、磁束検出器が永久磁石の磁束の径方向成分を検出することを特徴とした請求項1記載の回転電機。
  4. 固定子の電機子巻線が逆巻の同相ペア毎に相順に並べられ、スロット中心径線は前記同相ペアと隣接する異なる相間にあり、磁束検出器が永久磁石の磁束の周方向成分を検出することを特徴とした請求項1記載の回転電機。
  5. 円筒形のフレーム内に配置され、突極に巻かれた複数の電機子巻線を備えた固定子と、この固定子の内側に配置された回転子と、この回転子の軸に接合された磁束測定環にN極とS極とが交互に着磁された永久磁石と、この永久磁石の近傍に配置されこの永久磁石の磁束を検出し検出感度に指向性を有する磁束検出器とを備え、前記軸に垂直な投影面上で前記軸の中心から外に伸びる径線が前記突極の中心を通る突極中心径線上又はその近傍で前記電機子巻線の内周端と前記軸との間に永久磁石の磁束の周方向成分を検出する前記磁束検出器が配置されたことを特徴とした回転電機。
  6. 永久磁石は磁束測定環の内周に配置され、磁束検出器は前記永久磁石の内面側に配置されたことを特徴とした請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 固定子の電機子巻線が相順に並べられ、磁束検出器が永久磁石の磁束の軸方向成分を検出することを特徴とした請求項1記載の回転電機。
  8. 固定子の電機子巻線が逆巻の同相ペア毎に相順に並べられ、スロット中心径線は前記同相ペア間にあり、磁束検出器が永久磁石の磁束の軸方向成分を検出することを特徴とした請求項1記載の回転電機。
  9. 磁束検出器がホール素子であることを特徴とした請求項1乃至8のいずれか1項に記載の回転電機。
  10. ステアリングホイールからの操舵力に回転電機が発生する補助トルクを加えて車輪への操舵力とする電動パワーステアリング装置において、前記回転電機が請求項1乃至9のいずれか1項に記載の回転電機であることを特徴とした電動パワーステアリング装置。
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