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JP2008065132A - Ipsモード液晶表示装置 - Google Patents

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JP2008065132A
JP2008065132A JP2006244073A JP2006244073A JP2008065132A JP 2008065132 A JP2008065132 A JP 2008065132A JP 2006244073 A JP2006244073 A JP 2006244073A JP 2006244073 A JP2006244073 A JP 2006244073A JP 2008065132 A JP2008065132 A JP 2008065132A
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Tomoki Tasaka
知樹 田坂
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Fujifilm Corp
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】IPSモード液晶表示装置における液晶セル基板の配向膜によりプレチルトした液晶分子による黒表示の視野角依存性を光学補償する。
【解決手段】本発明のIPSモード液晶表示装置は、IPSモードで駆動される液晶セルと、液晶セルの両側にクロスニコル配置された一対の偏光板と、バックライトとを有している。そして、偏光板の保護フィルムにRe,Rthの小さい光学フィルムを用いる一方で、従来から液晶セルの光学補償用に用いられていた2枚の位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)のほかに、さらにもう1枚の位相差フィルム(IF3、又は、IF4)を配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、IPSモード液晶表示装置に関し、特に液晶セル中の配向膜によりプレチルトした液晶分子の影響による視野角依存性を光学補償することができ、黒表示時の光モレなどを低減することができるIPSモード液晶表示装置に関する。
IPSモード液晶ディスプレイは、液晶ディスプレイの中ではコントラストや色味などの視野角依存性が小さい方式であるが、それでも特に黒表示において視野角依存性の問題があり、その光学補償のためさまざまな方式の位相差フィルムなどの開発が行われてきた。視野角依存性の原因は大きく分けると偏光板と液晶セルの視野角依存性にある。偏光板の光学補償のためのフィルムや、液晶セルの光学補償のための位相差フィルムとして、種々のフィルムが知られている。
これらの偏光板用と液晶セル用の光学補償を行うフィルムを組合せて用いると、光学補償フィルムが無い場合と比べて、黒表示の視野角依存性は大幅に減少し、IPSモード液晶ディスプレイの表示特性は大幅に良化する(特許文献1〜3)。しかしながら、液晶セル用の光学補償フィルムは、液晶セルの厚み方向中心部における液晶分子による視野角依存性の光学補償は行うが、液晶セル中の厚み方向端部において配向膜によりプレチルトした液晶分子による視野角依存性を光学補償しきれなかった。
特開2005−265889号公報 特開平11−133408号公報 特開2005−309386号公報
本発明は、IPSモード液晶セル中の液晶分子の配向膜によるプレチルトによる視野角依存性を補償するフィルムを作成し、IPSモード液晶ディスプレイの黒表示性能を向上させることを目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示すIPSモード液晶表示装置を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を達成するための手段は以下のとおりである。
(1)
液晶層とそれを狭持する一対の基板とを有しIPSモードにて駆動される液晶セルと、該液晶セルの両側に直交して配置された一対の偏光板と、複数枚の位相差フィルムと、バックライトとを有するIPSモード液晶表示装置であって、
前記偏光板の保護フィルムの少なくとも一枚は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
面内位相差Re=(nx−ny)×dが0〜30nmであり、
厚み方向位相差Rth=((nx+ny)/2−nz)×dが−30〜30nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムの1枚(IF1)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が2〜6を満足し、
かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが30〜100nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムの他の1枚(IF2)は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜350nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムのさらに他の1枚(IF3)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、0.80〜0.99を満足し、
かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムであり、
かつ該フィルム(IF3)のx軸は、液晶セルの遅相軸と平行方向を向いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
(2)
液晶層とそれを狭持する一対の基板とを有しIPSモードにて駆動される液晶セルと、該液晶セルの両側に直交して配置された一対の偏光板と、複数枚の位相差フィルムと、バックライトとを有するIPSモード液晶表示装置であって、
前記偏光板の保護フィルムの少なくとも一枚は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
面内位相差Re=(nx−ny)×dが0〜30nmであり、
厚み方向位相差Rth=((nx+ny)/2−nz)×dが−30〜30nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムの1枚(IF1)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が2〜6を満足し、
かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが30〜100nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムの他の1枚(IF2)は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜350nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムのさらに他の1枚(IF4)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、−0.2〜−0.01もしくは0.01〜0.1を満足し、
かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムであり、
かつ該フィルム(IF4)のx軸は、液晶セルの遅相軸と垂直方向を向いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
(3)
液晶層とそれを狭持する一対の基板とを有しIPSモードにて駆動される液晶セルと、該液晶セルの両側に直交して配置された一対の偏光板と、複数枚の位相差フィルムと、バックライトとを有するIPSモード液晶表示装置であって、
前記偏光板の保護フィルムの少なくとも一枚は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
面内位相差Re=(nx−ny)×dが0〜30nmであり、
厚み方向位相差Rth=((nx+ny)/2−nz)×dが−30〜30nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムの1枚(IF5)は、フィルムの面内方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜200nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムの他の1枚(IF6)は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが50〜150nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムのさらに他の1枚(IF3)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、0.80〜0.99を満足し、
かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムであり、
かつ該フィルム(IF3)のx軸は、液晶セルの遅相軸と平行方向を向いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
(4)
液晶層とそれを狭持する一対の基板とを有しIPSモードにて駆動される液晶セルと、該液晶セルの両側に直交して配置された一対の偏光板と、複数枚の位相差フィルムと、バックライトとを有するIPSモード液晶表示装置であって、
前記偏光板の保護フィルムの少なくとも一枚は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
面内位相差Re=(nx−ny)×dが0〜30nmであり、
厚み方向位相差Rth=((nx+ny)/2−nz)×dが−30〜30nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムの1枚(IF5)は、フィルムの面内方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜200nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムの他の1枚(IF6)は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが50〜150nmである光学フィルムであり、
前記位相差フィルムのさらに他の1枚(IF4)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、−0.2〜−0.01もしくは0.01〜0.1を満足し、
かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムであり、
かつ該フィルム(IF4)のx軸は、液晶セルの遅相軸と垂直方向を向いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
(5)
前記IPSモードにて駆動される液晶セルが、光波長550nmにおける位相差値が電圧無印加時において230〜400nmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のIPSモード液晶表示装置。
本発明により、IPSモード液晶表示装置における黒表示性能のさらなる向上が可能となる。
本発明のIPSモード液晶表示装置は、IPSモードで駆動される液晶セルと、液晶セルの両側にクロスニコル配置された一対の偏光板と、バックライトとを有している。
そして、偏光板の保護フィルムにRe,Rthの小さい光学フィルムを用いる一方で、従来から液晶セルの光学補償用に用いられていた2枚の位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)(特許文献1,2参照)のほかに、液晶セル基板の配向膜によりプレチルトした液晶分子による視野角依存性を光学補償するために、さらにもう1枚の位相差フィルム(IF3、又は、IF4)を配置したものである。
IPSモード液晶表示装置において、従来の2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)のほかに、上記もう1枚の位相差フィルム(IF3、又は、IF4)をさらに用いることで、Re,Rthの小さい保護フィルムを有する偏光板をクロスニコル状態で配置した場合において、光モレをさらに低減し、黒表示性能のさらなる向上が可能となる。
なお、上記もう1枚の位相差フィルム(IF3)は、フィルム面内の遅相軸が液晶セルの遅相軸と平行となるように積層される。また位相差フィルム(IF4)は、フィルム面内の遅相軸が液晶セルの遅相軸と垂直になるように積層される。
本発明のIPSモード液晶表示装置では、さらにもう1枚配置される位相差フィルム(IF3、又は、IF4)は、IPSモード液晶セルと従来からの2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)との間に配置することができる。また、IPSモード液晶セルの片側に2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)を配置し、反対側にさらにもう1枚の位相差フィルム(IF3、又は、IF4)を配置してもよい。
本発明のIPSモード液晶表示装置は、全方位にわたって高いコントラスト比を有し、広視野角で見やすい表示を実現可能である。
本発明のIPSモード液晶表示装置においては、IPSモードにて駆動される液晶セルとして、光波長550nmにおける位相差値が電圧無印加時において230〜400nmであるIPSモードの液晶セルに適用することが好ましい。
IPSモードの液晶セルを構成する材料は特に限定されるものではなく、通常、使用されるものを適宜使用できるが、液晶セルの光波長550nmにおける位相差値が電圧無印加時において230〜400nmのものへの適用が、位相差フィルムによる補償機能を好適に付与できる点から好適である。前記液晶セルの光波長550nmにおける位相差値は電圧無印加時において、より好ましくは230〜360nm、より好ましくは270〜360nm、さらに好ましくは270〜310nmである。
(偏光板)
本発明のIPSモード液晶表示装置は、IPSモードで駆動される液晶セルの両側にクロスニコル配置された一対の偏光板を有している。以下、偏光板について説明する。
偏光板は、偏光子と、少なくともその片側に設けられる透明保護フィルムとを有している。
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
(偏光板用保護フィルム)
本発明のIPSモード液晶表示装置においては、偏光板用の透明保護フィルムとして、少なくとも一枚は、面内位相差Re、厚み方向位相差Rthの小さい光学フィルムを使用する。
すなわち、保護フィルムのフィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、x軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)としたときの、面内位相差Re=(nx−ny)×dが0〜30nmであり、厚み方向位相差Rth=((nx+ny)/2−nz)×dが−30〜30nmである光学フィルムを用いる。
偏光板用保護フィルムの、面内位相差Reは、好ましくは15nm以下、より好ましくは10nm以下であり、厚み方向位相差Rthは、好ましくは−25〜25nm、より好ましくは−10〜10nmである。
本発明のIPSモード液晶表示装置においては、偏光板の透明保護フィルムとしてこのようなRe、Rthの小さい位相差を有するものを用いたとき、上記2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)に、さらにもう1枚の位相差フィルム(IF3、又は、IF4)を組合せることで、高い補償効果が得られる。
透明保護フィルムの厚さdは特に制限されないが、一般には5〜200μmであり、10〜100μmが好ましく、20〜80μmとするのがより好ましい。
偏光板の透明保護フィルムとしては、前記面内位相差Reが30nm以下であり、かつ厚み方向位相差Rthが−30〜30nmのものであれば特に制限なく使用できる。
かかる透明保護フィルムを形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
前記透明保護フィルムの材料としては、一般的に偏光子の透明保護フィルムとして用いられているトリアセチルセルロースが好適である。これら透明保護フィルムは、前記面内位相差Re、厚み方向位相差Rthとなるように適宜に延伸処理することができる。
具体的に、面内位相差Reが30nm以下であり、かつ厚み方向位相差Rthが−30〜30nmを満足するものとしては、例えば特開2005−265889号公報記載のものを使用することができる。また、市販のものとして、例えば、富士写真フイルム株式会社製トリアセチルセルロースフィルムZ−TACなどを使用することもできる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
前記偏光子と透明保護フィルムとの接着処理には、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等が用いられる。
(位相差フィルム)
本発明のIPSモード液晶表示装置においては、2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)とさらにもう1枚の位相差フィルム(IF3、又は、IF4)とが配置される。
本発明のIPSモード液晶表示装置に用いられる、2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)は、以下のような組合せである。
(2枚組みの位相差フィルム:IF1及びIF2)
すなわち、2枚組みの位相差フィルムの組合せの一つは、位相差フィルムの1枚(IF1)として、そのフィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、x軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)としたときの、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が2〜6を満足し、かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが30〜100nmである光学フィルムを用いるとともに、位相差フィルムの他の1枚(IF2)として、そのフィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜350nmである光学フィルムを用いる組合せである。
位相差フィルムの1枚(IF1)のNz値は補償機能を高める点から2.5〜5.5であるのが好ましく、さらには3〜5であるのがより好ましい。面内位相差Reは補償機能を高める点から40〜90nmであるのが好ましく、さらには50〜80nmであるのがより好ましい。
また、位相差フィルムの他の1枚(IF2)の(ne−no)×dの値は、補償機能を高める点から150〜320nmであるのが好ましく、さらには170〜300nmであるのがより好ましい。
なお、2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2)は、IPSモード液晶セルに対して好適には同じ側に配置するが、偏光子、IF1、IF2、液晶セルの順で配置されるときは、IF1の遅相軸が、偏光子の透過軸に平行であり、偏光子、IF2、IF1、液晶セルの順で配置されるときは、IF1の遅相軸が、偏光子の透過軸に直交である。
(2枚組みの位相差フィルム:IF5及びIF6)
2枚組みの位相差フィルムの組合せのもう一つは、位相差フィルムの1枚(IF5)として、そのフィルムの面内方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜200nmである光学フィルムを用いるとともに、位相差フィルムの他の1枚(IF6)として、そのフィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが50〜150nmである光学フィルムを用いる組合せである。
位相差フィルムの1枚(IF5)の(ne−no)×dの値は、補償機能を高める点から110〜180nmであるのが好ましく、さらには120〜160nmであるのがより好ましい。
また、位相差フィルムの他の1枚(IF6)の(ne−no)×dの値は、補償機能を高める点から60〜140nmであるのが好ましく、さらには70〜130nmであるのがより好ましい。
(さらにもう1枚の位相差フィルム:IF3、又は、IF4)
本発明のIPSモード液晶表示装置においては、2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)のほかに、さらにもう1枚の位相差フィルム(IF3、又は、IF4)が配置される。
本発明のIPSモード液晶表示装置に用いられる、さらにもう1枚の位相差フィルム(IF3、又は、IF4)は、以下のようなものである。
すなわち、さらにもう1枚配置される位相差フィルムの一例(IF3)は、そのフィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、x軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、0.80〜0.99を満足し、かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムである。
そして、このフィルム(IF3)のx軸は、液晶セルの遅相軸と平行方向を向いて配置される。
さらにもう1枚配置される位相差フィルム(IF3)のNz値は、補償機能を高める点から0.82〜0.97であるのが好ましく、さらには0.84〜0.95であるのがより好ましい。また、面内位相差Reは補償機能を高める点から220〜330nmであるのが好ましく、さらには240〜310nmであるのがより好ましい。
また、さらにもう1枚配置される位相差フィルムの別の例(IF4)は、そのフィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、x軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、−0.2〜−0.01もしくは0.01〜0.1を満足し、かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムである。
そして、このフィルム(IF4)のx軸は、液晶セルの遅相軸と垂直方向を向いて配置される。
さらにもう1枚配置される位相差フィルム(IF4)のNz値は、補償機能を高める点から−0.18〜−0.02であるのが好ましく、さらには−0.16〜−0.03であるのがより好ましい。また、面内位相差Reは補償機能を高める点から220〜330nmであるのが好ましく、さらには240〜310nmであるのがより好ましい。
IPSモードで駆動される液晶セルと、液晶セルの両側にクロスニコル配置された一対の偏光板と、バックライトとを有するIPSモード液晶表示装置において、偏光板の保護フィルムにRe,Rthの小さい光学フィルムを用いる一方で、従来から用いられていた2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)のほかに、上記の位相差フィルム(IF3、又は、IF4)をさらにもう1枚上記のように配置することで、IPSモード液晶表示装置における黒表示性能のさらなる向上が可能となる。
さらにもう1枚配置される位相差フィルム(IF3、又は、IF4)は、IPSモード液晶セルと2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)との間に配置しても良いし、IPSモード液晶セルに対して2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2、又は、IF5及びIF6)と反対側に配置しても良い。
位相差フィルムとしては、たとえば、高分子ポリマーフィルムの複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルムなどがあげられる。
高分子ポリマーとしては、たとえば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリノルボルネン等の脂環式ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。位相差フィルムは、高分子ポリマーフィルムを面方向に二軸に延伸する方法、面方向に一軸または二軸に延伸し、厚さ方向にも延伸する方法等により厚さ方向の屈折率を制御することにより得られる。また高分子ポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理して傾斜配向させる方法等により得られる。
液晶性ポリマーとしては、たとえば、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型の各種のものなどがあげられる。主鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基を結合した構造の、例えばネマチック配向性のポリエステル系液晶性ポリマー、ディスコティックポリマーやコレステリックポリマーなどがあげられる。側鎖型の液晶性ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はポリマロネートを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン部を有するものなどがあげられる。これら液晶性ポリマーの配向フィルムは、たとえば、ガラス板上に形成したポリイミドやポリビニルアルコール等の薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化珪素を斜方蒸着したものなどの配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液を展開して熱処理することにより、液晶ポリマーを配向させたもの、特に傾斜配向させたものが好ましい。
具体的に、2枚組みの位相差フィルム(IF1及びIF2)として、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が2〜6を満足し、かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが30〜100nmである光学フィルムと、そのフィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、(ne−no)×dが100〜350nmである光学フィルムとを用いる組合せとしては、例えば特開2005−265889号公報の記載を参考とすることができる。
また、2枚組みの位相差フィルム(IF5及びIF6)として、そのフィルムの面内方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、(ne−no)×dが100〜200nmである光学フィルムや、そのフィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、(ne−no)×dが50〜150nmである光学フィルムについては、例えば特開平11−133408号公報の記載を参考とすることができる。
また、位相差フィルム(IF3)又は位相差フィルム(IF4)として、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、0.80〜0.99を満足し、かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmとなる光学フィルム(IF3)、あるいは、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、−0.2〜−0.01もしくは0.01〜0.1を満足し、かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmとなる光学フィルム(IF4)については、例えば特開2005−309386号公報の記載を参考とすることができる。
前記位相差フィルムと偏光板の積層法は特に制限されず、粘着剤層等により行うことができる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
光学フィルムや粘着剤層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明のIPSモード液晶表示装置は、液晶層を狭持する一対の基板からなるIPSモードにて駆動される液晶セルおよびバックライトを有する。液晶セルは、液晶層を狭持する一対の基板と、前記一対の基板の一方に形成された電極群と、前記基板間に挟持された誘電異方性を有する液晶組成物質層と、前記一対の基板の対向に形成されて前記液晶組成物質の分子配列を所定の方向に配列させるための配向制御層および前記電極群に駆動電圧を印加するための駆動手段とを具備する。前記電極群は前記配向制御層および前記液晶組成物質層の界面に対して、主として平行な電界を印加するごとく配置された配列構造を有している。当該液晶セルは、前述の通り、550nmにおける位相差値が電圧無印加時において230〜400nmであることが好ましい。
前記偏光板や位相差フィルムは、実用に際して他の光学層を積層して用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)などの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
楕円偏光板は液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄等)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの(3M社製、D−BEF等)、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの(日東電工社製、PCF350やMerck社製、Transmax等)如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
前記光学層を積層した光学フィルム、偏光板は、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたのものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板と他の光学層の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。液晶表示装置は、一般に必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明において前記光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。
液晶表示装置は、照明システムあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。さらには液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
透明保護フィルムの光波長550nmにおける屈折率nx、ny、nzを自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製,自動複屈折計KOBRA21ADH)により計測し、面内位相差Re、厚み方向位相差Rthを算出した。また、各位相差フィルムについて同様に計測し、Nz、面内位相差Re等を算出した。また液晶セルの光波長550nmにおける電圧無印加時の位相差値は、セナルモン法により測定した。
[実施例1]
(偏光板1の作製)
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて延伸したフィルム(偏光子:20μm)の両面に、富士写真フイルム株式会社製トリアセチルセルロースフィルムZ−TAC(:80μm)を透明保護フィルムとして、接着剤を用いて積層し、偏光板1を作製した。なお、Z−TACフィルムは、面内位相差Re:1.0nm、厚み方向位相差Rth:−5.4nmであった。
(位相差フィルムIF1−1の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。該溶液を保留粒子径4μm、濾水時間35秒の濾紙(No.63、アドバンテック製)を5kg/cm2以下で用いてろ過した。
────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成
────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート
(重合度300、Mn/Mw=1.5) 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
────────────────────────────────
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤Aを16質量部、レターデーション上昇剤Bを8質量部、二酸化珪素微粒子(平均粒径:0.1μm)0.28質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液(かつ微粒子分散液)を調製した。セルロースアセテート溶液474質量部に該レターデーション上昇剤溶液45質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。
Figure 2008065132
Figure 2008065132
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%のフィルムを、130℃の条件で、テンターを用いて20%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま50℃で30秒間保持した後クリップを外してセルロースアセテートフィルムを作製した。延伸終了時の残留溶媒量は5質量%であり、さらに乾燥して残留溶媒量を0.1質量%未満としてフィルムを作製した。
このようにして得られた位相差フィルムIF1−1の厚さは80μmであった。作製した第位相差フィルムIF1−1について、Reの光入射角度依存性を測定することによって、Reが60nm、Rthが210nmであり、これからNzが4.0であることが分かった。
(位相差フィルムIF2−1の作製)
製作した位相差フィルムIF1−1の表面のケン化処理を行い、このフィルム上に市販の垂直配向膜(JALS−204R、日本合成ゴム(株)製)をメチルエチルケトンで1:1に希釈したのち、ワイヤーバーコーターで2.4ml/m2塗布した。直ちに、120℃の温風で120秒乾燥した。
次に、下記の棒状液晶化合物2.8g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.06g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02g、下記の空気界面側垂直配向剤0.002gを9.2gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を調製した。この溶液を前記配向膜を形成したフィルムの配向膜側に、番手#6.0のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、100℃の恒温槽中で2分間加熱し、棒状液晶化合物を配向させた。次に、80℃で120W/cm高圧水銀灯により、20秒間UV照射し棒状液晶化合物を架橋して、その後、室温まで放冷して位相差層(位相差フィルムIF2−1)を作製した。
Figure 2008065132
Figure 2008065132
製作したフィルムのReの光入射角度依存性を測定し、予め測定した支持体(位相差フィルムIF1−1)の寄与分を差し引くことによって、位相差フィルムIF2−1のみの光学特性を算出したところ、Reが0nm、Rthが−220nmであって、棒状液晶が略垂直に配向していることを確認した。すなわち、作製した位相差フィルムIF2−1は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、(ne−no)×d=220nmの光学フィルムである。
(位相差フィルムIF3−1の作製)
ノルボルネン系フィルムを延伸することにより、厚さ50μm、面内位相差Reが270nm、Nz=0.95の位相差フィルムIF3−1を得た。
(液晶表示装置)(図1参照)
光波長550nmにおける位相差値が310nmであるIPSモードの液晶セルを用い、位相差フィルムIF3−1を液晶セル基板の視認側に粘着剤で積層し、次いで、位相差フィルムIF1−1、IF2−1の順となるように液晶セル基板の視認側にさらに粘着剤で積層し、さらに2枚の偏光板1を液晶セルの両側にクロスニコル(吸収軸が互いに直交)となるよう積層配置した。このとき、位相差フィルムIF3−1の面内遅相軸は、液晶セルの遅相軸と平行になるように配置した。また、位相差フィルムIF1−1の遅相軸と視認側偏光板の吸収軸は、液晶セル遅相軸と垂直になるように配置した。また、入射側の偏光板の吸収軸は、液晶セル遅相軸と平行になるように配置した。なお、IPSモードの液晶セルの作製の際に、ラビング方向がセルの視認側と入射側で同方向になるように、ラビングを行った。
(評価)
この液晶表示装置パネルの裏側にバックライトを設置し、液晶表示装置を黒画像表示にして、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向から、目視で観察を行ったところ、光モレは全く感じられず、暗室でも極めて良好な黒表示が得られた。
[実施例2]
実施例1における位相差フィルムIF3−1の代わりに、下記のように作製した位相差フィルムIF4−1を用いた。すなわち、位相差フィルムとしては、位相差フィルムIF1−1、IF2−1と、位相差フィルムIF4−1とを用いた。
(位相差フィルムIF4−1の作製)
ポリカーボネートフィルムを延伸することにより、厚さ60μm、面内位相差Reが280nm、Nz=−0.05の位相差フィルムを得た。
(液晶表示装置)(図2参照)
実施例1における位相差フィルムIF3−1の代わりに、上記のように作製した位相差フィルムIF4−1を使用した(位相差フィルムIF4−1の面内遅相軸は液晶セルの遅相軸と垂直方向になるように配置する)点でのみ実施例1と異なる。
この液晶表示装置パネルの裏側にバックライトを設置し、液晶表示装置を黒画像表示にして、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向から、目視で観察を行ったところ、光モレは全く感じられず、暗室でも極めて良好な黒表示が得られた。
[実施例3]
実施例1における位相差フィルムIF1−1、IF2−1の代わりに、下記のような位相差フィルムIF5−1、IF6−1を用いた。すなわち、位相差フィルムとしては、位相差フィルムIF5−1、IF6−1と、位相差フィルムIF3−1とを用いた。
(位相差フィルムIF5−1)
位相差フィルムIF5−1としては、フィルムの面内方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、Reが140nm(λ=550nm)のフィルムを用いた。
すなわち、位相差フィルムIF5−1は、フィルムの面内方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが140nmである光学フィルムである。
(位相差フィルムIF6−1)
位相差フィルムIF6−1としては、Reが0nm、Rthが−90nm(λ=550nm)のフィルムを用いた。
すなわち、位相差フィルムIF6−1は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが90nmである光学フィルムである。
(液晶表示装置)(図3参照)
実施例1における位相差フィルムIF1−1、IF2−1の代わりに、上記のような位相差フィルムIF5−1、IF6−1を使用する点で実施例1と異なる。また、位相差フィルムIF5−1の面内遅相軸は、液晶セルの遅相軸と垂直になるように配置する。
この液晶表示装置パネルの裏側にバックライトを設置し、液晶表示装置を黒画像表示にして、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向から、目視で観察を行ったところ、光モレは全く感じられず、暗室でも極めて良好な黒表示が得られた。
[実施例4]
実施例3における位相差フィルムIF3−1の代わりに、位相差フィルムIF4−1を用いる。すなわち、位相差フィルムとしては、位相差フィルムIF5−1、IF6−1と、位相差フィルムIF4−1とを用いる。
(液晶表示装置)(図4参照)
実施例3における位相差フィルムIF3−1の代わりに位相差フィルムIF4−1を使用した(位相差フィルムIF4−1の面内遅相軸は液晶セルの遅相軸と垂直方向になるように配置する)点でのみ実施例3と異なる。
この液晶表示装置パネルの裏側にバックライトを設置し、液晶表示装置を黒画像表示にして、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向から、目視で観察を行ったところ、光モレは全く感じられず、暗室でも極めて良好な黒表示が得られた。
[比較例1]
液晶表示装置としては、位相差フィルムIF3−1(ないしIF4−1)を使用しなかった点でのみ、実施例1(ないし実施例2)と異なる。すなわち、位相差フィルムとしては、位相差フィルムIF1−1、IF2−1のみを用いた。
この液晶表示装置パネルの裏側にバックライトを設置し、液晶表示装置を黒画像表示にして、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向から、目視で観察を行ったところ、光モレはほとんど感じられないが、黒の浮きが多少気になる表示であり、暗室では全体的に少し灰色がかって見えた。
[比較例2]
液晶表示装置としては、位相差フィルムIF3−1(ないしIF4−1)を使用しなかった点でのみ、実施例3(ないし実施例4)と異なる。すなわち、位相差フィルムとしては、位相差フィルムIF5−1、IF6−1のみを用いた。
この液晶表示装置パネルの裏側にバックライトを設置し、液晶表示装置を黒画像表示にして、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向から、目視で観察を行ったところ、光モレはほとんど感じられないが、黒の浮きが多少気になる表示であり、暗室では全体的に少し灰色がかって見えた。
[比較例3]
(偏光板2の作製)
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて延伸したフィルム(偏光子:20μm)の両面に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(透明保護フィルム:80μm)を、接着剤を用いて積層した。TACフィルムは、面内位相差Re:4nm、厚み方向位相差Rth:50nmであった。
(位相差フィルムIF0−1の作製)
ポリカーボネートフィルムを延伸することにより、厚さ50μm、面内位相差Reが260nm、Nz=0.5の位相差フィルムを得た。
(液晶表示装置)
液晶表示装置としては、偏光板1に換えて上記偏光板2を用いた点、また、位相差フィルムとして、IF1−1に換えて上記IF0−1を使用し、またIF2−1を使用しなかった点でのみ、実施例1と異なる。すなわち、位相差フィルムとしては、位相差フィルムIF0−1とIF3−1のみを用いた。
この液晶表示装置パネルの裏側にバックライトを設置し、液晶表示装置を黒画像表示にして、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向から、目視で観察を行ったところ、光モレはほとんど感じられないが、黒の浮きが多少気になる表示であり、暗室では全体的に少し灰色がかって見えた。
本発明のIPSモード液晶表示装置の一例(実施例1)の概念図である。 本発明のIPSモード液晶表示装置の一例(実施例2)の概念図である。 本発明のIPSモード液晶表示装置の一例(実施例3)の概念図である。 本発明のIPSモード液晶表示装置の一例(実施例4)の概念図である。

Claims (5)

  1. 液晶層とそれを狭持する一対の基板とを有しIPSモードにて駆動される液晶セルと、該液晶セルの両側に直交して配置された一対の偏光板と、複数枚の位相差フィルムと、バックライトとを有するIPSモード液晶表示装置であって、
    前記偏光板の保護フィルムの少なくとも一枚は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    面内位相差Re=(nx−ny)×dが0〜30nmであり、
    厚み方向位相差Rth=((nx+ny)/2−nz)×dが−30〜30nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムの1枚(IF1)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が2〜6を満足し、
    かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが30〜100nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムの他の1枚(IF2)は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜350nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムのさらに他の1枚(IF3)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、0.80〜0.99を満足し、
    かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムであり、
    かつ該フィルム(IF3)のx軸は、液晶セルの遅相軸と平行方向を向いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
  2. 液晶層とそれを狭持する一対の基板とを有しIPSモードにて駆動される液晶セルと、該液晶セルの両側に直交して配置された一対の偏光板と、複数枚の位相差フィルムと、バックライトとを有するIPSモード液晶表示装置であって、
    前記偏光板の保護フィルムの少なくとも一枚は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    面内位相差Re=(nx−ny)×dが0〜30nmであり、
    厚み方向位相差Rth=((nx+ny)/2−nz)×dが−30〜30nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムの1枚(IF1)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が2〜6を満足し、
    かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが30〜100nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムの他の1枚(IF2)は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜350nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムのさらに他の1枚(IF4)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、−0.2〜−0.01もしくは0.01〜0.1を満足し、
    かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムであり、
    かつ該フィルム(IF4)のx軸は、液晶セルの遅相軸と垂直方向を向いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
  3. 液晶層とそれを狭持する一対の基板とを有しIPSモードにて駆動される液晶セルと、該液晶セルの両側に直交して配置された一対の偏光板と、複数枚の位相差フィルムと、バックライトとを有するIPSモード液晶表示装置であって、
    前記偏光板の保護フィルムの少なくとも一枚は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    面内位相差Re=(nx−ny)×dが0〜30nmであり、
    厚み方向位相差Rth=((nx+ny)/2−nz)×dが−30〜30nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムの1枚(IF5)は、フィルムの面内方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜200nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムの他の1枚(IF6)は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが50〜150nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムのさらに他の1枚(IF3)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、0.80〜0.99を満足し、
    かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムであり、
    かつ該フィルム(IF3)のx軸は、液晶セルの遅相軸と平行方向を向いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
  4. 液晶層とそれを狭持する一対の基板とを有しIPSモードにて駆動される液晶セルと、該液晶セルの両側に直交して配置された一対の偏光板と、複数枚の位相差フィルムと、バックライトとを有するIPSモード液晶表示装置であって、
    前記偏光板の保護フィルムの少なくとも一枚は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    面内位相差Re=(nx−ny)×dが0〜30nmであり、
    厚み方向位相差Rth=((nx+ny)/2−nz)×dが−30〜30nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムの1枚(IF5)は、フィルムの面内方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが100〜200nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムの他の1枚(IF6)は、フィルムの厚さ方向に異常軸を持つ一軸性フィルムであって、光波長550nmにおける異常屈折率をne,正常屈折率をnoとした場合に、(ne−no)×dが50〜150nmである光学フィルムであり、
    前記位相差フィルムのさらに他の1枚(IF4)は、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をx軸、面内でx軸に垂直な方向をy軸、フィルムの厚さ方向をz軸とし、それぞれの軸方向の光波長550nmにおける屈折率をnx,ny,nz、フィルムの厚さをd(nm)とした場合に、
    Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、−0.2〜−0.01もしくは0.01〜0.1を満足し、
    かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが200〜350nmである光学フィルムであり、
    かつ該フィルム(IF4)のx軸は、液晶セルの遅相軸と垂直方向を向いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
  5. 前記IPSモードにて駆動される液晶セルが、光波長550nmにおける位相差値が電圧無印加時において230〜400nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のIPSモード液晶表示装置。
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