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JP2008063015A - エレベータのドア開き防止装置 - Google Patents

エレベータのドア開き防止装置 Download PDF

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JP2008063015A
JP2008063015A JP2006239221A JP2006239221A JP2008063015A JP 2008063015 A JP2008063015 A JP 2008063015A JP 2006239221 A JP2006239221 A JP 2006239221A JP 2006239221 A JP2006239221 A JP 2006239221A JP 2008063015 A JP2008063015 A JP 2008063015A
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car
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JP2006239221A
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Akimasa Kamimura
村 晃 正 上
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Toshiba Elevator and Building Systems Corp
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Toshiba Elevator Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】エレベータの乗りかごが地震やいたずら等によって加振されドア開き方向の大きな加速度がそのドアに作用したときに、このドアが開くことを防止する装置を提供する。
【解決手段】ドア開き防止装置20は、ドア11,12に作用する開き方向の加速度を検出する加速度検出手段29と、ドア11,12の開閉に伴って変位する変位部材21を乗りかごに対して係脱自在に係止する係止手段23と、検出された加速度に応じて係止手段23を作動させる作動手段28とを備える。係止手段23にはダンパー26が設けられ、係止手段23による変位部材21の係止は所定の時間にわたって継続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレベータの昇降中にドアが開くことを防止する装置に関し、より詳しくは、エレベータの乗りかごが地震やいたずら等によって加振され、ドア開き方向の大きな加速度がそのドアに作用してドア閉じ方向の付勢力を上回ったときに、このドアが開くことを防止する技術に関する。
従来、エレベータの乗りかごの乗降口には左右方向に開閉するドアが設けられているが、乗降口の幅に応じて両開きあるいは片開きのいずれかを用いるようになっている。
図15に示した両開きのドア装置1においては、左右一対のドア2,3がそれぞれ左右反対方向に移動することによって乗降口を開閉する。
そのため、ドア2,3の上方に配設されている左右一対のプーリ4,5には無端状のベルト6が巻き掛かけられ、左側のプーリ4が電動モータ15によって回転駆動される。
そして、プーリ4,5の間で延びるベルト6のうち、プーリ4,5の下側で延びる部分6aには左側のドア2の上部2aが接続され、かつ上側で延びる部分6bには右側のドア3の上部3aがそれぞれ接続されている。
これにより、左側のプーリ4を時計方向に回転させると、右側のプーリ5およびベルト6が図13中に矢印で示したように動き、ドア2,3は共に左右反対方向に移動して乗降口を開く(下記特許文献1を参照)。
これに対して、図16に示した片開きのドア装置10においては、左右一対のドア11,12が共に右側に移動することにより乗降口を開くようになっている。
そのため、ドア11,12の上方に配設されている4つのプーリ13a,13b,13c,13dには無端状のベルト14が巻き掛けられ、左上方のプーリ13aが電動モータ7によって回転駆動される。
また、ベルト14のうち左右一対のプーリ13b,13cの下側で延びる部分14aには、左側のドア11の上部11aと、右側のドア12を左側のドア11の半分の速度で半分の距離だけ移動させるための駆動機構16の接続部16aとが接続されている。
この駆動機構16は、乗りかご(図示せず)に対して左右方向に移動自在に支持された水平梁16bと、この水平梁16bの両端にそれぞれ回転自在に支持された左右一対のプーリ16c,16dと、これらのプーリ16c,16dに巻き掛けられて左右方向に延びる無端状のベルト17とを有している。
そして、ベルト17のうちプーリ16c,16dの上側で延びる部分17aは乗りかごに設けられている静止部18に固定され、下側で延びる部分17bには右側のドア12の上部12aが接続されている。
電動モータ15により左上方のプーリ13aを反時計方向に回転させると、各プーリ13b,13c,13dおよびベルト14は図16中に矢印で示した方向に動き、左側のドア11および駆動機構16の接続部16aが、ベルト14の下側部分14aと一体に図示右方向に移動する。
このとき、駆動機構16のベルト17のうちプーリ16c,16dの上側で延びる部分17aが静止部18に固定されているため、水平梁16bとプーリ16c,16dは、ドア装置10のベルト14の下側部分14aが移動する速度および距離のそれぞれ半分の速度および距離で図示右方向に移動する。
したがって、その上部12aがベルト17の下側部分17bに接続されている右側のドア12は、左側のドア11が移動する速度および距離のそれぞれ半分の速度で半分の距離だけ図示右方向に移動する(下記特許文献2を参照)。
特開平6−329374号公報(図7) 特開平8−245140号公報(図5,図6)
ところで、上述した従来のドア装置1,10においては、エレベータの昇降中にドアが開くことがないように、例えば電動モータ7,15を用いて各ドアを閉じ方向に常に付勢するようになっている。
しかしながら、地震の発生や乗客のいたずら等によって乗りかごが加振され、各ドアに開き方向の加速度が作用し、開き方向の力が閉じ方向の付勢力を上回ると、ドアは開くことになる。
そして、エレベータの昇降中にドアが所定寸法以上開くと、安全装置が作動し、エレベータの昇降が停止する。
これにより、停止したエレベータの乗りかご内の乗客は、エレベータ保守員による救出を待たねばならず、特に大規模な地震が発生した時には長時間にわたって乗りかご内に閉じこめられるおそれがある。
このとき、図15に示した両開きのドア装置1は、左右一対のドア2,3が互いに反対方向に移動して乗降口を開く構造である。
これにより、乗りかごが加振されてドア2,3に例えば図示右方向の加速度が作用すると、右側のドア3には開き方向の力が作用するものの、左側のドア2には閉じ方向の力が作用し、これらの力が互いに打ち消し合うことになる。
したがって、両開きのドア装置1においては、乗りかごが加振されてドア開閉方向の大きな加速度がドア2,3に作用しても、ドア2,3が開くことはない。
これに対し、図16に示した片開きのドア装置10は、左右一対のドア11,12が互いに図示右方向に移動して乗降口を開く構造である。
これにより、乗りかごが加振されてドア11,12に例えば図示右方向の加速度が作用すると、左右のドア11,12の両方にそれぞれ開き方向の力が作用し、これらの力が相乗的に作用することになる。
したがって、この片開きのドア装置10においては、左右のドア11,12にそれぞれ作用する開き方向の力の合計が閉じ方向の付勢力を上回ると、ドア2,3は開くことになる。
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、エレベータの乗りかごが地震やいたずら等によって加振され、ドア開き方向の大きな加速度がそのドアに作用してドア閉じ方向の付勢力を上回ったときに、このドアが開くことを防止するための装置を提供することにある。
上記の課題を解決するための請求項1に記載した装置は、
エレベータの乗りかごが振動してそのドアに開き方向の加速度が作用したときに前記ドアが開くことを防止するための装置であって、
前記ドアに作用する開き方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記ドアの開閉に伴って変位する変位部材を前記乗りかごに対して係脱自在に係止する係止手段と、
検出された加速度に応じて前記係止手段を作動させ前記変位部材を前記乗りかごに係止させる作動手段と、
を備えることを特徴とする。
なお、加速度検出手段は、ドアに作用している加速度を直接的に検出することもできるし、乗りかごに生じている振動に基づいて間接的に検出することもできる。
すなわち、請求項1に記載したエレベータのドア開き防止装置においては、地震やいたずら等によって乗りかごが加振されてドア開き方向の大きな加速度が発生すると、加速度検出手段がこの加速度を検出する。
そして、検出された加速度が所定の値を上回ると作動手段が係止手段を作動させるから、変位部材が係止手段によって乗りかごに係止され、乗りかごのドアは開くことができなくなる。
加速度検出手段は、乗りかごの振動によってドア開閉方向に揺動する、乗りかごに揺動自在に支持された揺動部材とすることができる。
このとき、揺動部材が揺動する振幅は、乗りかごに生じた振動の大きさ、したがってドアに作用するドア開き方向の加速度の大きさに比例するから、この揺動部材の揺動を用いて係止部材を機械的に変位させ、変位部材を乗りかごに係止することによってドア開きを防止することができる。
加速度検出手段は、ドアに作用するドア開き方向の加速度を電気的に検出する加速度センサとすることもできる。
なお、この加速度センサは、ドアに取り付けて上記加速度を直接的に検出することもできるし、乗りかごに取り付けて上記加速度を間接的に検出することもできる。
変位部材は、ドアが開閉するときに乗りかごに対して相対変位する要素とすることができる。
例えば、ドアを開閉駆動するためのドア駆動装置を構成しているプーリや回転円板、電動モータの回転子のような回転体、プーリに巻き掛けられた無端状のベルトやケーブル,ワイヤ等の線状体、ドアの開閉に伴って揺動するリンクが含まれる。
また、ドアを構成しているパネルや、ドアに取り付けたブラケット、敷居の溝内を摺動するスライダ、ハンガレール上を転動するローラ等も含まれる。
これにより、これらの要素を乗りかごに対して相対変位不能に係止することにより、ドアの開きを防止することができる。
係止手段は、上記の変位部材と係脱自在に係合する、乗りかごに回動自在に支持された係止部材、あるいは変位部材に対して接離する方向に移動自在に乗りかごに支持された係止部材とすることができる。
これらの係止部材は、上記した回転体と噛み合ってその正逆両方向の回転を阻止するラッチ、あるいはそのドア閉じ方向の回転は許容するラチェットとすることができる。
上記の線状体が歯付きベルトである場合には、その歯に係合する係止部材を用いることもできるし、弾性変形しつつそれらの歯の外側形状に嵌合する弾性変形部材を用いることができる。
後者の場合には、この弾性変形部材が元の形状へと弾性的に復元して歯付きベルトから離間するまでにある程度の時間を要するため、変位部材を所定の時間にわたって係止することができるという好ましい機能を有する。
また、電動モータの回転子を電磁気的に係止するための係止手段として、その巻線に接続される回生抵抗を用いることができる。
作動手段は、上述した揺動部材に押動されて回動し係止部材を変位部材に向かって変位させる回動部材や、揺動部材と一体に揺動し係止部材を変位部材に向かって変位させるカム部材あるいはリンク機構とすることができる。
また、加速度検出手段が電気的な加速度センサである場合には、係止部材を変位部材に向かって接離させる電磁ソレノイドを用いることができる。
さらに、係止部材が変位部材に係合したままとなってドアが開かなくなることを防止するために、変位部材から離間する方向に係止部材を付勢する付勢手段を追加することができる。
加えて、ある程度の時間にわたってドアの開きを防止することができるように、変位部材から離間する方向における係止部材の変位に抵抗力を付与する手段、例えば粘性ダンパーや摩擦ダンパー等を用いることができる。
本発明によれば、エレベータの乗りかごが地震やいたずら等によって加振され、ドア開き方向の大きな加速度がそのドアに作用し、ドア閉じ方向の付勢力を上回ったときに、このドアが開くことを防止するための装置を提供することができる。
以下、図1乃至図14を参照し、本発明に係るエレベータのドア開き防止装置の各実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、前述した従来技術を含めて同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略するとともに、乗りかごのドアが開閉する方向を左右方向と、乗客が乗りかごに出入りする方向を前後方向と、鉛直方向を上下方向と言う。
第1実施形態
まず最初に図1〜図3を参照し、第1実施形態のドア開き防止装置について説明する。
図1に示したエレベータ100は、図16に示した従来の片開きのドア装置10に、本第1実施形態のドア開き防止装置20を追加したものである。そこで、ドア装置10の説明を省略し、ドア開き防止装置20の構造について重点的に説明する。
本第1実施形態のドア開き防止装置20は、ドア装置10のプーリ(変位部材)13bを乗りかごに対して回転不能に係止することによりドア11,12の開きを防止する構造となっている。
そのため、プーリ13bには、その外周面に多数の係合歯21aが突設された歯車21が同軸にかつ一体に回転するように固定されている。
図2に示したように、歯車21の近傍には、乗りかごに設けられて前後方向に水平に延びる支軸22によってドア開閉方向に回動自在に支持された係止部材23が配設されている。
この係止部材23の上端に設けられている係合部23aは、歯車21の歯21aに噛み合うと、歯車21の図示反時計方向(ドア開き側)への回転は阻止するが、歯車21の図示時計方向(ドア閉じ側)の回転は許容する、いわゆるラチェット型に構成されている。 また、係止部材23の上端と乗りかごとの間にはコイルばね24が介装され、係合部23aが歯車21から離間するように常に付勢しているが、係止部材23の側縁が当接するストッパ25が設けられているため、上下方向に延びる状態を越えて反時計方向に回動することはない。
さらに、この係止部材23と乗りかごとの間には、支軸22と同軸な摩擦ダンパー26が介装されており、コイルばね24の付勢力によって係合部23aが歯車21から離間するときの変位速度を低く抑えるようになっている。
係止部材23の下方には、乗りかごに設けられて前後方向に延びる揺動軸27によりドア開閉方向に揺動自在に支持された揺動部材28が配設されている。
この揺動部材28の下端には錘29が取り付けられており、ドア開閉方向の振動が乗りかごに生じたときに大きく揺動するようになっている。
また、係止部材23の下端23bが揺動部材28の側に延設され、かつ揺動部材28の上端28aが係止部材23の側に延設されており、左右方向から見たときに両方の部分が互いに重なり合うようになっている。
これにより、錘29がドア開き側に大きく揺動すると、揺動部材28の上端28aが係止部材23の下端23aを押動して係止部材23を図示時計方向に回動させ、その係合部23aを歯車21に噛み合わせる作動手段が形成されている。
乗りかごに振動が生じていないときは、図2に示したように、係止部材23は上下方向に延びる状態にあり、その係合部23aは歯車21から離間している。
これにより、歯車21、したがってプーリ13bは自由に回転することができるから、電動モータ15を用いてドア11,12を自在に開閉することができる。
また、係止部材23の下端23bと揺動部材28の上端28aとの間にわずかな隙間Sが設けられているから、錘29の揺動の振幅が小さい間は、揺動部材28が係止部材23を大きく回動させることはない。
これに対して、地震あるいは乗客のいたずらによって乗りかごが加振され、ドア開閉方向の大きな振動が乗りかごに生じると、錘29は揺動軸27の回りにおいてドア開閉方向に大きく揺動する。
そして、図3中に矢印Aで示したように、錘29がドア開き側に大きく揺動すると、揺動部材28の上端28aが図示左側に変位し、係止部材23の下端23bを図示左側に押動する。
すると、係止部材23が時計方向に回動してその上端が歯車21に接近し、その係合部23aが歯車21の歯21aと噛み合う。
これにより、歯車21、したがってプーリ13bは図示反時計方向(ドア開き側)に回転することができなくなるから、ドア開き側の大きな加速度がドア11,12に作用してもドア11,12は開くことができない。
また、係止部材23の上端にはコイルばね24が接続されているため、係止部材23の係合部23aは歯車21から離間しようとする。
ところが、係止部材23には摩擦ダンパー26が取り付けられていて、コイルばね24の付勢力に抵抗するようになっているから、係止部材23の係合部23aが歯車21から完全に離間するためにはある程度の時間が必要となる。
これにより、錘29の揺動が収まっても、係止部材23による歯車21の係止が直ちに解除されることはなく、ある程度の時間にわたってドア11,12が開かないように固定することができる。
すなわち、本第1実施形態のドア開き防止装置20は、乗りかごの振動に起因してそのドアに作用する開き方向の加速度を、錘29を有した揺動部材28の揺動によって検出するとともに、揺動部材28の揺動を係止部材23の回動へと機械的に伝達してプーリ13bを回転不能に係止し、ドア11,12の開きを防止する構造である。
これにより、電気的な装置を全く用いない簡単な構造でありながら、乗りかごが振動してドア11,12が所定寸法以上開き、エレベータの昇降が停止して、乗りかごの内部に乗客が閉じこめられることを確実に防止することができる。
なお、本第1実施形態においては、ドア装置10のプーリ13bを係止するようになっているが、他のプーリを係止することによっても同一の効果を得ることができる。
第2実施形態
次に図4および図5を参照し、第2実施形態のドア開き防止装置について説明する。
図4に示したエレベータ200は、図16に示した従来の片開きのドア装置10に、本第2実施形態のドア開き防止装置30を追加したものであるから、このドア開き防止装置30の構造について重点的に説明する。
本第2実施形態のドア開き防止装置30は、ドア装置10の歯付きベルト(変位部材)14を乗りかごに対して相対変位不能に係止することによりドア11,12の開きを防止する構造となっている。
そのため、プーリ13bの上方には、歯付きベルト14の歯と係合可能な凹凸を有した第1の係止部材31が、歯付きベルト14に対してわずかな隙間Sを開けるように乗りかごに固設されている。
また、歯付きベルト14の背面側には、歯付きベルト14を間に挟んで第1の係止部材31と左右方向に対向するように、第2の係止部材32が配設されている。
この第2の係止部材32は、乗りかごに固定されたブラケット33,34によって左右方向にスライド自在に支持されたロッド35の先端に取り付けられており、歯付きベルト14に対して接離できるようになっている。
さらに、ロッド35のねじ部に螺合したナット36により位置決めされているワッシャ37とブラケット34との間には、ロッド35を歯付きベルト14から離間する側に常に付勢するコイルばね38が介装されている。
さらに、ロッド35の他端には、次述するカム部材45が当接する板状部材39が固定されている。
さらに、板状部材39の近傍には、乗りかごに設けられて前後方向に延びる揺動軸41によってドア開閉方向に揺動自在に支持された揺動部材42が配設されている。
そして、この揺動部材42の下端には錘43が取り付けられており、ドア開閉方向の振動が乗りかごに生じたときに大きく揺動するようになっている。
また、揺動部材42と乗りかごとの間にはオイルダンパー44が介装されている。
このオイルダンパー44は、錘43がドア開き側(図示右側)に揺動するときには抵抗力を付与しないが、錘43がドア閉じ側(図示左側)に揺動するときには大きな抵抗力を付与するようになっている。
言い換えると、このオイルダンパー44は、伸びるときには作動しないが縮むときには大きな抵抗力を発生させる片効きのダンパーとなっている。
加えて、揺動部材42にはカム部材45が接続されており、揺動軸41の回りで揺動部材42と一体に揺動するようになっている。
これにより、揺動部材42がドア開き側に大きく揺動すると、カム部材45が板状部材39を介してロッド35を歯付きベルト14の側に押動し、第2の係止部材32と第1の係止部材31とが歯付きベルト14を挟持して固定するようにする作動手段が形成されている。
乗りかごに振動が生じていないときは、図4に示したように、揺動部材42は上下方向に延びる状態にあり、カム部材45がロッド35を押動しないため、第2の係止部材32はコイルばね38の付勢力によって歯付きベルト14から離間している。
これにより、歯付きベルト14は自由に往復動することができるから、電動モータ15を用いてドア11,12を自在に開閉することができる。
また、第1および第2の係止部材31,32と歯付きベルト14との間には、わずかな隙間Sが設けられているから、錘43の揺動の振幅が小さい間は、第1および第2の係止部材31,32が歯付きベルト14を挟持して固定することはない。
これに対して、地震あるいは乗客のいたずら等によって乗りかごが加振され、ドア開閉方向の大きな振動が乗りかごに生じると、錘43は揺動軸41の回りにおいてドア開閉方向に大きく揺動する。
そして、図5中に矢印Aで示したように、錘43がドア開き側に大きく揺動すると、カム部材45が板状部材39を押動し、ロッド35を歯付きベルト14の側に変位させる。 すると、第2の係止部材32が歯付きベルト14を第1の係止部材31に向かって押し付けるので、歯付きベルト14の歯は第1の係止部材31の凹凸と噛み合う。
これにより、歯付きベルト14は乗りかごに対して相対変位することができなくなるから、ドア開き側の大きな加速度がドア11,12に作用してもドア11,12は開くことができなくなる。
また、乗りかごと揺動部材42との間にオイルダンパー44が介装されているため、錘43が図5に示した揺動位置から図4に示した通常位置に戻るためには、ある程度の時間が必要となる。
これにより、乗りかごに生じた振動が収まっても、第1および第2の係止部材31,32による歯付きベルト14の挟持と固定が直ちに解除されることはなく、ある程度の時間にわたってドア11,12が開かないように固定することができる。
すなわち、本第2実施形態のドア開き防止装置30は、乗りかごの振動に起因してそのドアに作用する開き方向の加速度を、錘43を有した揺動部材42の揺動によって検出するとともに、揺動部材42の揺動をカム部材45によってロッド35の直線運動に変換し、第1および第2の係止部材31,32によって歯付きベルト14を挟持し固定することによりドア11,12の開きを防止する構造である。
これにより、電気的な装置を全く用いない簡単な構造でありながら、乗りかごが振動してドア11,12が所定寸法以上開き、エレベータの昇降が停止して、乗りかごの内部に乗客が閉じこめられることを確実に防止することができる。
なお、本第2実施形態においては、ドア装置10の歯付きベルト14のうち、プーリ13bから上方に延びる部分を乗りかごに対して係止しているが、歯付きベルト14の他の部分を挟持し固定することによっても同一の効果を得ることができる。
第3実施形態
次に図6および図7を参照し、第3実施形態のドア開き防止装置について説明する。
図6に示したエレベータ300は、図16に示した従来の片開きのドア装置10に本第3実施形態のドア開き防止装置40を追加したものであるから、このドア開き防止装置40の構造について重点的に説明する。
本第3実施形態のドア開き防止装置40は、上述した第2実施形態のドア開き防止装置30と同様に、歯付きベルト14を乗りかごに対して相対変位不能に固定することによりドア11,12が開くことを防止するものであるが、その構造が極めて簡単なものとなっている。
具体的に説明すると、ドア装置10のプーリ13bの上方には、乗りかごに設けられて前後方向に延びる揺動軸41によってドア開閉方向(図示左右方向)に揺動自在に支持された揺動部材42が配設されている。
この揺動部材42の下端には錘43が取り付けられており、ドア開閉方向の振動が乗りかごに生じたときに大きく揺動するようになっている。
また、揺動部材42には、水平面に対して傾斜して前後方向に延びる平板状の支持部材46が接続され、一体に揺動するようになっている。
さらに、この支持部材46のうち歯付きベルト14の側の表面には、高分子材料から製造されて柔軟な円筒状の弾性変形部材47が取り付けられており、支持部材46と一体に揺動するようになっている。
加えて、歯付きベルト14の背面側で弾性変形部材47と対向する位置には、乗りかごに支持された固定部材48が設けられている。
乗りかごに振動が生じていないときは、図6に示したように、揺動部材42は上下方向に延びる状態にあり、弾性変形部材47は歯付きベルト14から離間している。
これにより、歯付きベルト14は自由に往復動することができるから、電動モータ15を用いてドア11,12を自在に開閉することができる。
また、弾性変形部材47と歯付きベルト14との間には、わずかな隙間Sが設けられているから、錘43の揺動の振幅が小さい間は、弾性変形部材47が歯付きベルト14に接触することはない。
これに対して、地震あるいは乗客のいたずらによって乗りかごが加振され、ドア開閉方向の大きな振動が乗りかごに生じると、錘43は揺動軸41の回りにおいてドア開閉方向に大きく揺動する。
そして、図7中に矢印Aで示したように、錘43がドア開き側に大きく揺動すると、支持部材46が歯付きベルト14の側に大きく揺動するため、弾性変形部材47は歯付きベルト14に押し付けられて固定部材48と共に歯付きベルト14を挟持し固定する。
このとき、弾性変形部材47はポリウレタン等の高分子材料から製造され、柔軟で容易に変形することができるため、その一部が歯付きベルト14の歯の間の凹部に押し込まれて嵌合した状態となる。
これにより、弾性変形部材47がその弾性復元力によって元の形状に戻ろうとし、歯付きベルト14の歯の間の凹部から抜け出るまでには、ある程度の時間が必要となる。
これにより、乗りかごに生じた振動が収まっても、弾性変形部材47と固定部材48による歯付きベルト14の挟持および固定が直ちに解除されることはなく、ある程度の時間にわたってドア11,12が開かないように固定することができる。
すなわち、本第3実施形態のドア開き防止装置40は、乗りかごの振動に起因してそのドアに作用する開き方向の加速度を、錘43を有した揺動部材42の揺動によって検出するとともに、揺動部材42と一体に揺動する支持部材46により弾性変形部材47を歯付きベルト47に押圧し、固定部材48と共に歯付きベルト14を挟持し固定することによりドア11,12の開きを防止する構造である。
これにより、電気的な装置を全く用いない簡単な構造でありながら、乗りかごが振動してドア11,12が所定寸法以上開き、エレベータの昇降が停止して、乗りかごの内部に乗客が閉じこめられることを確実に防止することができる。
また、弾性変形部材47と歯付きベルト14との嵌合により、ある程度の時間にわたって歯付きベルト14を挟持し固定する構造であるから、摩擦ダンパーやオイルダンパーを必要とせず、その構造を極めて簡単なものとすることができる。
第4実施形態
次に図8および図9を参照し、第4実施形態のドア開き防止装置について説明する。
図8に示したエレベータ400は、図16に示した従来の片開きのドア装置10に本第4実施形態のドア開き防止装置50を追加したものであるから、このドア開き防止装置50の構造について重点的に説明する。
本第4実施形態のドア開き防止装置50は、前述した第1〜第3実施形態のドア開き防止装置とは異なり、ドア11を乗りかごに係止することによってドア11,12の開きを防止する構造となっている。
そのため、ドア11,12の下端をドア開閉方向に案内している敷居51の下方に、その全体が配設されている。
具体的に説明すると、左側のドア11の下方には、乗りかごに設けられて前後方向に延びる揺動軸52によってドア開閉方向に揺動自在に支持された揺動部材53が配設されている。
そして、この揺動部材53の下端には錘54が取り付けられており、ドア開閉方向の振動が乗りかごに生じたときに大きく揺動するようになっている。
また、揺動部材53と乗りかごとの間にはオイルダンパー55が介装されている。このオイルダンパー55は、錘54がドア開き側(図示右側)に揺動するときには抵抗力を付与しないが、錘54がドア閉じ側(図示左側)に揺動するときには大きな抵抗力を付与するようになっている。言い換えると、このオイルダンパー55は、伸びるときには作動しないが縮むときには大きな抵抗力を発生させる片効きのダンパーとなっている。
また、揺動部材53には第1のリンク部材56が接続されており、揺動部材53と一体に揺動するようになっている。
また、この第1のリンク部材56には、互いに平行に延びる第2のリンク部材57が揺動自在に並設され、両者が一体となって平行リンク機構を形成している。
これにより、第1および第2のリンク部材56,57の上端に軸支された係止部材58は、図9中に想像線で示したように敷居51の下方にある降下位置と、図9中に実線で示したようにドア11の下端に係合する上昇位置との間で、上下方向に対して傾斜することなく昇降できるようになっている。
また、敷居51には係止部材58の昇降を受け入れる貫通孔51aが貫設されており、かつドア11の下端には係止部材58の上端部を受け入れる係合凹部11bが凹設されている。
乗りかごに振動が生じていないときは、図9中に想像線で示したように、揺動部材53は上下方向に延びる状態にあり、第1および第2のリンク部材56,57は敷居51の下方で斜め上方に向かって傾斜して延びる状態となっている。
これにより、係止部材58もまた敷居51の下方にあってドア11の下方に位置しているから、ドア11,12を自在に開閉させることができる。
これに対して、地震あるいは乗客のいたずらによって乗りかごが加振され、ドア開閉方向の大きな振動が乗りかごに生じると、錘54は揺動軸52の回りにおいてドア開閉方向に大きく揺動する。
そして、図9中に矢印Aで示したように、錘54がドア開き側に大きく揺動すると、第1および第2のリンク部材56,57もまた揺動して上下方向に延びる状態となる。
これにより、係止部材58の上端部は、敷居51の貫通孔51aを通過して上方に突出し、ドア11の下端の係合凹部11bに入り込んでその縦壁11cに当接する。
これにより、ドア11は乗りかごに対して相対変位することができなくなり、開くことができなくなる。
同時に、ドア11の上端部11aが接続されているドア装置10のベルト14もまた乗りかごに対して相対変位することができなくなるから、ドア12もまた開くことができなくなる。
また、乗りかごと揺動部材53との間にオイルダンパー55が介装されているため、ドア11が係止部材58をドア開き方向に押動しても、係止部材58がドア開き方向に容易に変位することはない。
さらに、錘54が図9中に実線で示した揺動位置から図9中に想像線で示した通常位置に戻るためには、ある程度の時間が必要となる。
これにより、乗りかごに生じた振動が収まっても、係止部材58によるドア11の乗りかごに対する係止が直ちに解除されることはなく、ある程度の時間にわたってドア11が開かないように固定することができる。
すなわち、本第4実施形態のドア開き防止装置50は、乗りかごの振動に起因してそのドアに作用する開き方向の加速度を、錘54を有した揺動部材53の揺動によって検出するとともに、揺動部材53の揺動を平行リンク56,57に伝達して係止部材58を上昇させ、ドア11の下端を敷居51に係止することによってドア11,12の開きを防止する構造である。
これにより、電気的な装置を全く用いない簡単な構造でありながら、乗りかごが振動してドア11,12が所定寸法以上開き、エレベータの昇降が停止して、乗りかごの内部に乗客が閉じこめられることを確実に防止することができる。
なお、本第4実施形態においては、左側のドア11を敷居51に係止しているが、右側のドア12を敷居51に係止することによっても同一の効果を得ることができる。
第5実施形態
次に図10および図11を参照し、第5実施形態のドア開き防止装置について説明する。
図10に示したエレベータ500は、図16に示した従来の片開きのドア装置10に本第5実施形態のドア開き防止装置60を追加したものであるから、このドア開き防止装置60の構造について重点的に説明する。
本第5実施形態のドア開き防止装置60は、前述した第4実施形態のドア開き防止装置40と同様に、ドア11を乗りかごに係止することによってドア11,12の開きを防止するものであるが、ドア11を乗りかごに係止する部分および係止するための構造が異なっている。
具体的に説明すると、ドア11のうち戸当たり側の側縁11dの上端には、鋼板を逆L字形に折曲形成したブラケット(変位部材)61が固定されている。
また、乗りかご側には、ドア11が閉じているときにこのブラケット61を乗りかごに対して相対変位不能に係止するためのロッド62を昇降させる機構が設けられている。
図11に拡大して示したように、ロッド62は、乗りかごに固定されたブラケット63,64によって上下方向にスライド自在に支持されており、ブラケット61の水平部分61aに対して接離できるようになっている。
また、ロッド62のねじ部に螺合したナット65により位置決めされているワッシャ66とブラケット64との間には、ロッド62をブラケット61から離間する側に常に付勢するコイルばね67が介装されている。
さらに、ロッド62の下端には、次述するカム部材74が当接する板状部材68が固定されている。
さらに、板状部材68の下方には、乗りかごに設けられて前後方向に延びる揺動軸69によってドア開閉方向に揺動自在に支持された揺動部材71が配設されている。
この揺動部材71の下端には錘72が取り付けられており、ドア開閉方向の振動が乗りかごに生じたときに大きく揺動するようになっている。
また、揺動部材71と乗りかごとの間にはオイルダンパー73が介装されている。
このオイルダンパー73は、錘72がドア開き側(図示右側)に揺動するときには抵抗力を付与しないが、錘72がドア閉じ側(図示左側)に揺動するときには大きな抵抗力を付与するようになっている。
言い換えると、このオイルダンパー73は、伸びるときには作動しないが縮むときには大きな抵抗力を発生させる片効きのダンパーとなっている。
加えて、揺動部材71にはカム部材74が接続され、揺動軸69の回りで一体に揺動するようになっている。
これにより、錘72がドア開き側に大きく揺動すると、カム部材74が板状部材68を介してロッド62を押し上げて、ロッド62の上端をブラケット61の貫通孔61bに入り込ませ、ブラケット61を乗りかごに係止する作動手段が形成されている。
乗りかごに振動が生じていないときは、図11中に想像線で示したように揺動部材71は上下方向に延びる状態にあり、カム部材74がロッド62を押し上げていないため、ロッド62の上端はブラケット61の水平部分61aの下方に離間しており、ドア11,12は自由に開閉することができる。
また、ロッド62の上端とブラケット61の水平部分61aとの間にはわずかな隙間(図示せず)が設けられており、錘72の揺動の振幅が小さい間は、ロッド62の上端がブラケット61と係合して乗りかごに係止することはない。
これに対し、地震あるいは乗客のいたずらによって乗りかごが加振され、ドア開閉方向の大きな振動が乗りかごに生じると、錘72は揺動軸69の回りにおいてドア開閉方向に大きく揺動する。
そして、図11中に矢印Aで示したように、錘72がドア開き側に大きく揺動すると、カム部材74が板状部材68を押し上げてロッド62を上方に移動させる。
すると、ロッド62の上端は、ブラケット61の水平部分61aに貫設されている貫通孔61bに入り込み、ブラケット61を乗りかごに対して相対変位不能に係止する。
これにより、ドア開き側の大きな加速度がドア11に作用してもドア11は開くことができない。
同時に、ドア11の上端部11aが接続されているドア装置10のベルト14もまた乗りかごに対して相対変位することができなくなるから、ドア12もまた開くことができなくなる。
また、乗りかごと揺動部材71との間にオイルダンパー73が介装されているため、錘72が図11中に実線で示した揺動位置から図11中に想像線で示した通常位置に戻るためには、ある程度の時間が必要となる。
これにより、乗りかごに生じた振動が収まっても、ブラケット61とロッド62との係合が直ちに解除されることはなく、ある程度の時間にわたってドア11,12が開かないように固定することができる。
すなわち、本第5実施形態のドア開き防止装置60は、乗りかごの振動に起因してそのドアに作用する開き方向の加速度を、錘72を有した揺動部材71の揺動によって検出するとともに、揺動部材71の揺動をカム部材74によってロッド62の上下方向の直線運動に変換し、ロッド62の上端とブラケット61との係合によってドア11を乗りかごに係止することにより、ドア11,12の開きを防止する構造である。
これにより、電気的な装置を全く用いない簡単な構造でありながら、乗りかごが振動してドア11,12が所定寸法以上開き、エレベータの昇降が停止して、乗りかごの内部に乗客が閉じこめられることを確実に防止することができる。
なお、本第5実施形態においては、ブラケット61をドア11に設けているが、ドア11の上部11aやドア12にこのブラケット61を設けることによっても同一の効果を得ることができる。
変形例
次に図12を参照し、第5実施形態のドア開き防止装置の変形例について説明する。
図12に示したエレベータ550は、ドア11,12を開閉駆動する揺動リンクの一部を乗りかご対して相対変位不能に係止することにより、ドア11,12の開きを防止する点において、上述したエレベータ500とは異なっている。
具体的に説明すると、ドア11,12を開閉駆動する装置80は、乗りかごの上部に設けられた電動モータ81のプーリ81a、前後方向に延びる揺動軸によって回動自在に支持された円板82、および両者に巻き掛けられた無端状のベルト83を有しており、電動モータ81によって円板82を正逆両方向に回動させることができるようになっている。
また、乗りかごの上部に設けられている支持部84の揺動軸84aにその上端部が揺動自在に軸支されているリンク85は、接続リンク86によって円板82に接続されており、円板82の回動によってリンク85を揺動させることができるようになっている。
そして、リンク85の下端はリンク87を介してドア11に接続され、リンク85の長手方向の中央部はリンク88を介してドア12に接続されている。
これにより、右側のドア12を、左側のドア11の半分の速度で半分の距離だけ移動させることができる。
さらに、リンク85のうち、接続リンク88が接続されている部分の上方には、ドア開閉方向に水平に延びるブラケット89が固定されている。
そして、前述した本第5実施形態のドア開き防止装置60は、ドア11,12が閉じているときに、このブラケット89の下方に位置するように配設されている。
これにより、地震あるいは乗客のいたずらによって乗りかごが加振され、ドア開閉方向の大きな振動が乗りかごに生じると、図12中に矢印Aで示したように錘72がドア開き方向に大きく揺動してロッド62を押し上げる。
すると、ロッド62の上端は、ブラケット89に貫設されている貫通孔に入り込み、このブラケット89を乗りかごに対して相対変位不能に係止する。
これにより、リンク85が乗りかごに対して揺動不能に係止されるから、ドア11,12は開くことがない。
すなわち、本第5実施形態のドア開き防止装置60は、ドア11,12を開閉駆動するリンク機構の一部を乗りかごに係止することによっても、ドア11,12の開きを防止することができる。
第6実施形態
次に図13を参照し、本発明によるエレベータのドア開き防止装置の第6実施形態について説明する。
図13に示したエレベータ600は、図16に示した従来の片開きのドア装置10に、本第6実施形態のドア開き防止装置90を追加したものであるから、このドア開き防止装置90の構造について重点的に説明する。
前述した第1〜第5実施形態のドア開き防止装置は、いずれもドア開閉方向に揺動する揺動部材を用いて各変位部材を乗りかごに係止する構造であった。
これに対して、本第6実施形態のドア開き防止装置90は、ドア装置10の電動モータ15の回転子を電磁気的に係止することによりドア11,12の開きを防止する構造となっている。
具体的に説明すると、電動モータ15は、切換手段91を介して電源92および回生抵抗93のいずれかに接続されるようになっている。
そして、切換手段91の作動を制御する制御手段94には、乗りかご若しくはドア11に取り付けられた加速度センサ95が接続されている。
切換手段91が電源92を電動モータ15に接続しているときには、従来通りに電動モータ15を正逆両方向に回転させてドア11,12を開閉させることができる。
これに対して、切換手段91が回生抵抗93を電動モータ15に接続しているときに、ドア11,12の開閉に伴って電動モータ15の回転子が強制的に回転させられると、電動モータ15は発電機として作用して回生抵抗93に電流が流れることになる。
このとき、電動モータ15の回転子には電磁気的な反力が作用するため、電動モータ15はドア11,12の開閉を妨げるブレーキとして作用することになる。
したがって、地震あるいは乗客のいたずらによって乗りかごが加振され、ドア開閉方向の大きな振動が乗りかごに生じたことを加速度センサ95が検出すると、制御手段94は直ちに切換手段91を作動させ、電動モータ15を回生抵抗93に接続する。
これにより、電動モータ15の回転子がブレーキとして作用してドア装置10のベルト14の変位を妨げるから、ドア11,12は開くことができなくなる。
さらに、制御手段94は、所定の時間が経過するまで電動モータ15を回生抵抗93に接続し続けるように構成されているから、乗りかごに生じた振動が収まってもドア開き防止機能が直ちに解除されることはなく、ある程度の時間にわたってドア11,12が開かないように固定することができる。
すなわち、本第6実施形態のドア開き防止装置90は、乗りかごの振動に起因するドア11,12の開きを電磁気的に防止する構造であるから、ドア11,12にドア開き方向の大きな加速度が作用したときには直ちにかつ確実にドア11,12の開きを止めることができる。
また、従来のドア装置10に、回生抵抗93,制御手段94,加速度センサ95を追加するだけで良く、ドア11,12等の部品を改造する必要がないから、従来のエレベータにも容易に追加することができる。
第7実施形態
次に図14を参照し、第7実施形態のドア開き防止装置について説明する。
図14に示したエレベータ700は、図16に示した従来の片開きのドア装置10に、本第7実施形態のドア開き防止装置710を追加したものであるから、このドア開き防止装置710の構造について重点的に説明する。
本第7実施形態のドア開き防止装置710は、ドア11の下端を敷居701に対して係脱自在に係止するための係止部材702と、この係止部材702を上下方向に変位させるための電磁ソレノイド703とを有している。
そして、電磁ソレノイド703の作動を制御する制御手段704には、乗りかご若しくはドア11に作用するドア開閉方向の加速度を検出するための加速度センサ705が接続されている。
乗りかごに振動が生じていない通常時には、加速度センサ705が加速度を検出しないため、制御手段704は電磁ソレノイド703を作動させない。
これにより、係止部材702はドア11の下方に離間した状態となり、ドア11の下端を敷居701に係止することがない。
これに対して、地震あるいは乗客のいたずらによって乗りかごが加振され、ドア開閉方向の大きな振動が乗りかごに生じると、加速度センサ705が大きな加速度を検出するため、制御手段704は直ちに電磁ソレノイド703を作動させて係止部材702を上昇させる。
すると、係止部材702がドア11の下端に係合し、ドア11を敷居701に対して相対変位不能に係止するから、ドア開き側の大きな加速度がドア11に作用してもドア11が開くことはない。
同時に、ドア11の上端部11aが接続されているドア装置10のベルト14もまた乗りかごに対して相対変位することができなくなるから、ドア12もまた開くことができなくなる。
すなわち、本第7実施形態のドア開き防止装置710は、ドア11,12にドア開き方向の大きな加速度が作用したときに、電磁ソレノイド703を用いて直ちにドア11を敷居701に係止する構造である。
これにより、簡単な構造でありながら、直ちにかつ確実にドア11,12の開きを止めることができるから、ドア11,12が所定寸法以上開いたことに起因してエレベータの昇降が停止し、乗りかごの内部に乗客が閉じこめられることを確実に防止することができる。
以上、本発明に係るエレベータのドア開き防止装置の各実施形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した第7実施形態における電磁ソレノイド703を、他の実施形態における揺動部材および錘の組み合わせに代えて用いることができる。
具体的には、図2に示した係止部材23を回転型の電磁ソレノイドによって回動させることもできるし、図4に示したロッド35や、図11および図12に示したロッド62を電磁ソレノイドによって進退させることもできる。
また、図9に示した平行リンク機構に代えて、係止部材58を昇降させることができる他のリンク機構を用いることもできる。
第1実施形態のドア開き防止装置を備えたエレベータの正面図。 図1に示したドア開き防止装置を拡大して示す正面図。 図2に示したドア開き防止装置が作動した状態を示す図。 第2実施形態のドア開き防止装置を示す正面図。 図4に示したドア開き防止装置が作動した状態を示す図。 第3実施形態のドア開き防止装置を示す正面図。 図6に示したドア開き防止装置が作動した状態を示す図。 第4実施形態のドア開き防止装置を備えたエレベータの正面図。 図8に示したドア開き防止装置が作動した状態を示す図。 第5実施形態のドア開き防止装置を備えたエレベータの正面図。 図10に示したドア開き防止装置が作動した状態を示す図。 第6実施形態のドア開き防止装置を備えたエレベータの正面図。 第7実施形態のドア開き防止装置を備えたエレベータの正面図。 第8実施形態のドア開き防止装置を備えたエレベータの正面図。 エレベータの両開きドアを示す正面図。 エレベータの片開きドアを示す正面図。
符号の説明
1 両開きのドア装置
2,3 ドア
10 片開きのドア装置
11,12 ドア
13 プーリ
14 ベルト
15 電動モータ
16 駆動機構
17 ベルト
18 静止部
20 第1実施形態のドア開き防止装置
23 係止部材
26 摩擦ダンパー
28 揺動部材
29 錘
30 第2実施形態のドア開き防止装置
31,32 係止部材
40 第3実施形態のドア開き防止装置
42 揺動部材
43 錘
44 オイルダンパー
45 カム部材
47 弾性変形部材
48 固定部材
50 第4実施形態のドア開き防止装置
51 敷居
53 揺動部材
54 錘
55 オイルダンパー
56,57 リンク部材
58 係止部材
60 第5実施形態のドア開き防止装置
61 ブラケット
71 揺動部材
72 錘
73 オイルダンパー
74 カム部材
80 ドア駆動機構
85 リンク
89 ブラケット
90 第6実施形態のドア開き防止装置
710 第7実施形態のドア開き防止装置

Claims (18)

  1. エレベータの乗りかごが振動してそのドアに開き方向の加速度が作用したときに前記ドアが開くことを防止するための装置であって、
    前記ドアに作用する開き方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
    前記ドアの開閉に伴って変位する変位部材を前記乗りかごに対して係脱自在に係止する係止手段と、
    検出された加速度に応じて前記係止手段を作動させ前記変位部材を前記乗りかごに係止させる作動手段と、
    を備えることを特徴とするエレベータのドア開き防止装置。
  2. 前記加速度検出手段は、前記乗りかごの振動によってドア開閉方向に揺動する、前記乗りかごに揺動自在に支持された揺動部材であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのドア開き防止装置。
  3. 前記加速度検出手段は、前記ドアに作用する開き方向の加速度を電気的に検出する加速度センサであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのドア開き防止装置。
  4. 前記変位部材は、前記ドアの開閉に伴って回転する、前記ドアを開閉駆動するドア駆動装置の回転体であることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータのドア開き防止装置。
  5. 前記変位部材は、前記ドアの開閉に伴って往復変位する、前記ドアを開閉駆動するドア駆動装置の線状体であることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータのドア開き防止装置。
  6. 前記変位部材は、前記ドアの開閉に伴って揺動する、前記ドアを開閉駆動するドア駆動装置の揺動リンクであることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータのドア開き防止装置。
  7. 前記変位部材は、前記ドアの開閉に伴って回転する、前記ドアを開閉駆動するドア駆動装置の電動モータであることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータのドア開き防止装置。
  8. 前記変位部材は、前記ドアの開閉に伴って前記乗りかごに対し相対変位する、前記ドアの一部を構成しているドア構成部材であることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータのドア開き防止装置。
  9. 前記係止手段は、前記変位部材と係脱自在に係合する、前記乗りかごに回動自在に支持された係止部材を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のエレベータのドア開き防止装置。
  10. 前記係止手段は、前記変位部材と係脱自在に係合する、前記変位部材に接離する方向に移動自在に前記乗りかごに支持された係止部材を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のエレベータのドア開き防止装置。
  11. 前記係止部材は、弾性変形しつつ前記変位部材の外側形状に係合する弾性変形部材であることを特徴とする請求項9または10に記載のエレベータのドア開き防止装置。
  12. 前記係止手段は、前記電動モータに接続される回生抵抗であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のエレベータのドア開き防止装置。
  13. 前記作動手段は、前記乗りかごに回動自在に支持されるとともに、ドア開き方向に揺動した前記揺動部材によって押動されて回動し、前記係止部材を前記変位部材に向かって変位させる回動部材を有していることを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載のエレベータのドア開き防止装置。
  14. 前記作動手段は、前記揺動部材と一体に揺動するとともに、前記揺動部材がドア開き方向に揺動したときに前記係止部材を前記変位部材に向かって変位させるカム部材を有していることを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載のエレベータのドア開き防止装置。
  15. 前記作動手段は、前記揺動部材がドア開き方向に揺動したときに前記係止部材を前記変位部材の側に移動させるリンク機構を有していることを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載のエレベータのドア開き防止装置。
  16. 前記作動手段は、前記係止部材を前記変位部材に対して接離させる電磁ソレノイドであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のエレベータのドア開き防止装置。
  17. 前記作動手段は、前記変位部材から離間する方向に前記係止部材を付勢する付勢手段を有していることを特徴とする請求項13乃至16のいずれかに記載のエレベータのドア開き防止装置。
  18. 前記作動手段は、前記変位部材から離間する方向における前記係止部材の変位に対して抵抗力を付与する抵抗付与手段を有していることを特徴とする請求項17に記載のエレベータのドア開き防止装置。
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