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JP2008056114A - 車両用ドア構造 - Google Patents

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JP2008056114A
JP2008056114A JP2006236005A JP2006236005A JP2008056114A JP 2008056114 A JP2008056114 A JP 2008056114A JP 2006236005 A JP2006236005 A JP 2006236005A JP 2006236005 A JP2006236005 A JP 2006236005A JP 2008056114 A JP2008056114 A JP 2008056114A
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Kazuki Takeoka
一樹 竹岡
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】ドアの熱歪による永久変形を抑制する。
【解決手段】ドアインナパネル16のインナリアパネル24は、インナセンタパネル22よりも板厚が厚く形成されている。従って、ドア12全体が高温環境下に置かれた場合でも、熱膨張変形し易いドア幅狭部42を補強でき、ドア幅狭部42に位置するインナリアパネル24の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分の熱膨張速度も低く抑えることができる。しかも、このドア幅狭部42に位置するインナリアパネル24の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分は、ドアアウタパネル18よりも板厚が厚いため、ドアアウタパネル18よりも内部温度上昇が遅く熱膨張速度も低くなる。これにより、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張をインナリアパネル24により拘束して抑制できる。この結果、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱歪による永久変形を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ドア構造に係り、特に、ドア外方側に配置されたドアアウタパネルとドア内方側に配置されたドアインナパネルとを有して構成された車両用ドア構造に関する。
例えば、車両用ドア構造としては、次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、車両用ドアの例が開示されている。この特許文献1に記載の例において、ドアは、ドア本体とアウタパネルとを主要な構成として備えている。ドア本体は、井桁状の枠体(骨格構造)で形成されており、アウタパネルは、このドア本体の車外側に固着されている。また、この特許文献1には、ドア本体及びアウタパネルを備えたドア全体が好ましくはアルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽合金で構成されることが記載されている。
特開2004−314696号公報 特開2004−352083号公報 特開2004−243807号公報
しかしながら、上述のようにドア全体がアルミニウム合金やマグネシウム合金等のように線膨張係数の大きな軽合金で構成され、さらに、このドア全体が例えば高温環境下(焼付け塗装乾燥路等)に置かれた場合には、ドア全体が熱膨張する。このとき、アウタパネルは、板一枚で形成されるためドア本体よりも熱膨張量が大きい。このため、上述のドアでは、ドア本体側とアウタパネル側との熱膨張形態に差が生じる。従って、ドア本体側とアウタパネル側との熱膨張形態の差によって、ドアのうちドア外板部であるアウタパネル側に熱歪による永久変形が生じる可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ドアの永久変形を抑制することが可能な車両用ドア構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用ドア構造は、ドアアウタパネルと、
前記ドアアウタパネルとドア厚さ方向に対向するように配置されて、前記ドアアウタパネルと互いの外周縁部にて結合され、ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分がドア幅方向中央側の部分よりも前記ドアアウタパネル側に配置され、前記ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分を少なくとも含む部位を第一領域とし、前記第一領域と異なる部位を第二領域とした場合に、前記第一領域の方が前記第二領域よりも板厚が厚く形成されたドアインナパネルと、一端側が前記ドアインナパネルの前記ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分に結合され、他端側が前記ドアインナパネルのドア幅方向他端側の部分に結合されたドア補強部材と、を備えたことを特徴とする。
なお、請求項1に記載の車両用ドア構造において、ドア幅方向とは、例えば、車両用ドア構造が車両の側面ドアに適用された場合には、車両前後方向に相当し、車両用ドア構造が車両の背面ドアに適用された場合には、車両幅方向に相当する。また、ドア厚さ方向とは、例えば、車両用ドア構造が車両の側面ドアに適用された場合には、車両幅方向に相当し、車両用ドア構造が車両の背面ドアに適用された場合には、車両前後方向に相当する。さらに、ドア高さ方向とは、例えば、車両用ドア構造が車両の側面ドア又は背面ドアに適用された場合には、それぞれ車両上下方向に相当する。
請求項1に記載の車両用ドア構造では、ドアインナパネルのドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分がドア幅方向中央側の部分よりもドアアウタパネル側に配置されている。このため、このドアインナパネルとドアアウタパネルとで構成されるドアパネル体においては、ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分がドア幅方向中央部よりもドア厚さ方向の幅の狭いドア幅狭部とされている。
そして、請求項1に記載の車両用ドア構造によれば、ドアインナパネルは、このドア幅狭部に位置するドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分を少なくとも含む第一領域の方が第一領域と異なる第二領域(つまり、他のドア幅広部に位置する部分)よりも板厚が厚く形成された構成とされている。
従って、ドア全体が例えば高温環境下に置かれた場合でも、熱膨張により変形し易いドア幅狭部(この部分はドア厚さ方向面:厚みが少ないので結果として熱膨張時に変形し易い)を補強できると共に、このドア幅狭部に位置するドアインナパネルのドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分の熱膨張速度を低く抑えることができる。これにより、ドア幅狭部におけるドアアウタパネルの熱膨張をドアインナパネルにより拘束して抑制することができる。この結果、ドア幅狭部におけるドアアウタパネルの熱歪による永久変形を抑制できる。
また、請求項1に記載の車両用ドア構造によれば、このドア幅狭部に位置するドアインナパネルのドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分に、他端側がドアインナパネルのドア幅方向他端側の部分に結合されたドア補強部材の一端側が結合されている。
従って、ドア全体が例えば高温環境下に置かれた場合でも、ドア幅狭部におけるドアアウタパネルの熱膨張をドア補強部材によっても拘束して抑制することができる。これにより、ドア幅狭部におけるドアアウタパネルの熱歪による永久変形をより抑制できる。
請求項2に記載の車両用ドア構造は、請求項1に記載の車両用ドア構造において、前記ドアインナパネルは、前記第一領域の少なくとも一部を構成し、ドア幅方向一端側に配置されると共に、前記ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分を少なくとも含むドア幅方向一端側パネル部と、前記第二領域の少なくとも一部を構成し、ドア幅方向他端側に配置されると共に、前記ドア幅方向一端側パネル部と分割して設けられ、且つ、前記ドア幅方向一端側パネル部と互いの端部がドア厚さ方向に重ねられて結合されたドア幅方向他端側パネル部と、を備えて構成されたことを特徴とする。
請求項2に記載の車両用ドア構造によれば、ドアインナパネルのドア幅方向一端側には、ドア幅狭部に位置するドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分を少なくとも含むドア幅方向一端側パネル部が設けられている。このドア幅方向一端側パネル部は、第一領域に設けられることで板厚が厚く形成されている。
従って、ドア全体が例えば高温環境下に置かれた場合でも、熱膨張により変形し易いドア幅狭部(この部分はドア厚さ方向面:厚みが少ないので結果として熱膨張時に変形し易い)を補強できると共に、このドア幅狭部に位置するドア幅方向一端側パネル部のドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分の熱膨張速度を低く抑えることができる。これにより、ドア幅狭部におけるドアアウタパネルの熱膨張をドア幅方向一端側パネル部により拘束して抑制することができる。
特に、請求項2に記載の車両用ドア構造によれば、このドア幅方向一端側パネル部のドア幅方向他端側には、ドア幅方向他端側パネル部が分割して設けられており、このドア幅方向一端側パネル部とドア幅方向他端側パネル部とは、互いの端部がドア厚さ方向に重ねられて結合されている。
従って、この結合部によりドア幅方向一端側パネル部の剛性を高めることができる。しかも、このドア幅方向一端側パネル部は、ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分においてドア補強部材に結合されており、このドア補強部材によっても剛性が高められている。これにより、ドア全体が例えば高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネルの熱膨張力によるドア幅方向一端側パネル部の回転変位を抑制できる。この結果、ドア幅狭部におけるドアアウタパネルの熱膨張をさらにより抑制することができる。
請求項3に記載の車両用ドア構造は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ドア構造において、前記ドアインナパネルは、前記第一領域の少なくとも一部を構成し、ドア高さ方向一端側に配置されると共に、前記ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分を少なくとも含むドア高さ方向一端側パネル部と、前記第二領域の少なくとも一部を構成し、ドア高さ方向他端側に配置されると共に、前記ドア高さ方向一端側パネル部と分割して設けられ、且つ、パネル補強部材が結合されたドア高さ方向他端側パネル部と、を備えて構成されたことを特徴とする。
請求項3に記載の車両用ドア構造によれば、ドアインナパネルは、ドア高さ方向に分割されたドア高さ方向一端側パネル部とドア高さ方向他端側パネル部とを備えて構成されている。そして、ドア高さ方向他端側パネル部には、パネル補強部材が結合されている。従って、ドア全体が例えば高温環境下に置かれた場合でも、パネル補強部材で拘束することによりドア高さ方向他端側パネル部の熱膨張速度を低く抑えることができる。
また、請求項3に記載の車両用ドア構造によれば、ドア高さ方向一端側パネル部は、インナパネルの第一領域の少なくとも一部を構成しており、第二領域の少なくとも一部を構成するドア高さ方向他端側パネル部よりも板厚が厚く形成されている。従って、ドア高さ方向一端側パネル部は、ドア高さ方向他端側パネル部よりも熱伝達速度が遅くなる。これにより、パネル補強部材により拘束されることで熱膨張速度が低く抑えられたドア高さ方向他端側パネル部とドア高さ方向一端側パネル部の熱膨張速度を合わせることができる(つまり両パネル部ともに熱膨張速度が低く抑えられる)。そして、この熱膨張速度が低く抑えられたドア高さ方向一端側パネル部及びドア高さ方向他端側パネル部によりドアアウタパネルの熱膨張を拘束して抑制することができる。
しかも、請求項3に記載の車両用ドア構造によれば、ドア高さ方向他端側パネル部の板厚は薄くて済む。従って、ドアインナパネル、ひいては、ドア全体の質量を軽減できる。
請求項4に記載の車両用ドア構造は、請求項3に記載の車両用ドア構造において、前記ドア高さ方向一端側パネル部と前記ドア高さ方向他端側パネル部とは、互いの端部がドア厚さ方向に重ねられて結合され、前記ドア高さ方向一端側パネル部と前記ドア高さ方向他端側パネル部との結合部には、前記パネル補強部材が結合されていることを特徴とする。
請求項4に記載の車両用ドア構造では、上述のドア高さ方向一端側パネル部とドア高さ方向他端側パネル部とは、互いの端部がドア厚さ方向に重ねられて結合されており、しかも、このドア高さ方向一端側パネル部とドア高さ方向他端側パネル部との結合部には、パネル補強部材が結合されている。
従って、ドア高さ方向一端側パネル部とドア高さ方向他端側パネル部との熱膨張方向を合わせることができる。これにより、ドア高さ方向一端側パネル部及びドア高さ方向他端側パネル部でドアアウタパネルの熱膨張を確実に拘束して抑制することができる。
請求項5に記載の車両用ドア構造は、請求項3又は請求項4に記載の車両用ドア構造において、前記ドア高さ方向一端側パネル部及び前記ドア高さ方向他端側パネル部は、前記ドアインナパネルのドア幅方向中央部よりもドア幅方向一端側に配置されていることを特徴とする。
請求項5に記載の車両用ドア構造によれば、上述のドア高さ方向一端側パネル部及びドア高さ方向他端側パネル部が、ドアインナパネルのドア幅方向中央部よりもドア幅方向一端側に配置されている。従って、板厚の厚いドア高さ方向他端側パネル部の領域を少なくでき、ドアインナパネル、ひいては、ドア全体の質量をより軽減できる。
以上詳述したように、本発明によれば、ドア全体が例えば高温環境下に置かれた場合でも、ドアの永久変形を抑制することができる。これにより、例えば、ドアの車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
[第一実施形態]
はじめに、図1乃至図4を参照しながら、本発明の第一実施形態について説明する。
図1乃至図4には、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10が適用されたドア12の構成を示す図が示されている。なお、これらの図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側、矢印Inは、車両幅方向内側をそれぞれ示している。
図1に示されるように、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10が適用されたドア12は、例えば、乗用自動車等の車両のフロントサイドドアとして構成されている。このドア12は、ドア下半分にドアパネル体14を備えて構成されている。
ドアパネル体14は、車両幅方向内側に配置されたドアインナパネル16と、車両幅方向外側に配置されたドアアウタパネル18とを備えて構成されている。ドアインナパネル16は、車両前後方向に三分割されており、車両前後方向前側に配置されたヒンジサイドパネル20と、車両前後方向中央側に配置されたインナセンタパネル22と、車両前後方向後側に配置されたインナリアパネル24とにより構成されている。
この三分割されて構成されたドアインナパネル16のうち、ヒンジサイドパネル20には、図2に示されるように、車両前後方向後側の端部に車両幅方向内側に窪む固定部26が形成されている。また、インナリアパネル24には、車両前後方向前側の端部に車両幅方向内側に窪む固定部28が形成されている。
そして、このヒンジサイドパネル20の固定部26及びインナリアパネル24の固定部28には、インナセンタパネル22の車両前後方向両側の端部30が車両幅方向外側から結合されている。これにより、ドアインナパネル16は、三つのパネルが一体的に結合された構成とされている。また、この三つのパネルが一体的に結合されたドアインナパネル16と、ドアアウタパネル18とは、例えば、図2,図3の断面図で示されるように、互いの外周縁部32にて結合されている。
また、ドアインナパネル16のうち、ヒンジサイドパネル20には、図2に示されるように、車両幅方向に延びる車両幅方向壁部34と、この車両幅方向壁部34に連続し車両前後方向に延びる車両前後方向壁部36とが形成されている。また、インナリアパネル24には、車両幅方向に延びる車両幅方向壁部38と、この車両幅方向壁部38に連続し車両前後方向に延びる車両前後方向壁部40とが形成されている。
この各車両前後方向壁部36,40は、上述のインナセンタパネル22よりもドアアウタパネル18側、すなわち、車両幅方向外側に配置されている。これにより、このドアインナパネル16とドアインナパネル16とが結合されることで構成されたドアパネル体14においては、その車両前後方向両端側の部分が車両前後方向中央側の部分よりもドア厚さ方向に幅が狭くなっている。なお、本実施形態では、このうち、ドアパネル体14の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分(二点鎖線の円で囲まれる部分)をドア幅狭部42と称する。
また、本実施形態において、三つのパネルが一体的に結合されたドアインナパネル16と、ドアアウタパネル18とは、車両全体の軽量化、ひいては、燃費向上の観点から、例えば、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽金属で構成されている。また、ドアインナパネル16のうち、ヒンジサイドパネル20及びインナリアパネル24は、図2に示されるように、ドアアウタパネル18及びインナセンタパネル22よりも板厚が厚く形成されている。
そして、ヒンジサイドパネル20には、車両前後方向前側の部分に図示しないヒンジが設けられている。このヒンジは、ドア12を車体に回動自在に支持するためのものである。また、ドアパネル体14には、図1に示されるように、各部を補強するために、ミラーブラケット48、ロックリインフォースメント50、ベルトラインリインフォースメント52、インパクトビーム54が設けられている。
ミラーブラケット48は、ヒンジサイドパネル20の車両上下方向上側の部分に一体的に結合されており、ロックリインフォースメント50は、インナリアパネル24の車両上下方向上側の部分に一体的に結合されている。
また、ベルトラインリインフォースメント52は、ドアパネル体14の車両上下方向上側の部分に車両前後方向に延在されており、その両端部がヒンジサイドパネル20及びインナリアパネル24にそれぞれ結合されている。また、インパクトビーム54は、ドアパネル体14の車両上下方向下側の部分に車両前後方向に延在されており、その両端部がヒンジサイドパネル20及びインナリアパネル24にそれぞれエクステンション56,58を介して結合されている。
なお、より具体的には、インパクトビーム54の車両前後方向後端側は、インナリアパネル24のうち車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分に結合されている。また、本実施形態では、このように、インパクトビーム54がドアインナパネル16に結合された状態では、インナセンタパネル22とインナリアパネル24との板合わせ部60が、車両側面視にてインパクトビーム54と重なる構成となっている。
また、本実施形態において、このミラーブラケット48、ロックリインフォースメント50、ベルトラインリインフォースメント52、インパクトビーム54は、例えば、鋼で構成されている。なお、ミラーブラケット48、ロックリインフォースメント50、ベルトラインリインフォースメント52、インパクトビーム54は、上述のドアアウタパネル18及びドアインナパネル16よりも線膨張係数が小さい材料で構成されていることが望ましく、鋼の他にも、例えば、チタンで構成されていても良い。
また、このドアパネル体14には、図1に示されるように、ガラスを支持するためのドアフレーム62が設けられている。ドアフレーム62は、車両前後方向前側の下部にフロントロアフレーム64と、車両前後方向後側の下部にリアロアフレーム66とを有して構成されている。そして、このドアフレーム62のフロントロアフレーム64は、その下端部が上述のヒンジサイドパネル20に締結具68によって締結されている。また、リアロアフレーム66は、その下端部が上述のインナリアパネル24に締結具70によって締結されている。
次に、本発明の第一実施形態の作用及び効果について説明する。
上記の如く構成されたドア12は、その製造過程における塗装工程において、例えば、次の如く処理される。すなわち、ドア12は、全体的に電着塗装が施された後、約200℃近い電着塗装焼付け乾燥炉で塗装の焼付け乾燥が行われる。
このとき、ドアインナパネル16は、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの熱膨張係数の大きい軽金属で構成されているため、四方に熱膨張力が発生して熱膨張しようとする。ところが、一般に、ドアインナパネル16には、ビードや、取付部品用の座面や、接合面などの凹状又は凸状の構造部が多く形成されている。このため、ドアインナパネル16に発生した熱膨張力は、これらの構造部に分散される(すなわち、膨張方向が複雑となる)。
これに対し、ドアアウタパネル18は、ドアインナパネル16と同様にアルミニウム合金やマグネシウム合金などの熱膨張係数の大きい軽金属で形成されていることに加え、一般的に平面部が大半を占める板一枚の構造とされる。このため、ドアアウタパネル18は、四方に発生した熱膨張力によってドアインナパネル16よりも大きく熱膨張しようとする(熱膨張形態に差が生じようとする)。
これにより、一般に、ドアパネル体14の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側のドア幅狭部42(特に角部)において、ドアインナパネル16及びドアアウタパネル18の熱膨張形態の差が顕著となってドアアウタパネル18に熱歪による永久変形が生じることが考えられる。
ところが、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネル16の車両前後方向後側には、ドア幅狭部42に位置する車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分を含むインナリアパネル24が設けられている。そして、このインナリアパネル24は、インナセンタパネル22よりも板厚が厚く形成されている(つまり、図1に示される如く、本実施形態では、インナリアパネル24が本発明に係る第一領域A1に相当し、インナセンタパネル22が本発明に係る第二領域A2に相当する)。
従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、熱膨張により変形し易いドア幅狭部42(この部分は車両幅方向面:厚みが少ないので結果として熱膨張時に変形し易い)を補強できると共に、このドア幅狭部42に位置するインナリアパネル24の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分の熱膨張速度を低く抑えることができる。しかも、このドア幅狭部42に位置するインナリアパネル24の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分は、ドアアウタパネル18よりも板厚が厚いため、ドアアウタパネル18よりも内部温度上昇が遅く熱膨張速度も低くなる。これにより、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張をインナリアパネル24により拘束して抑制することができる。この結果、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱歪による永久変形を抑制できる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、このドア幅狭部42に位置するドアインナパネル16の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分に、インパクトビーム54の車両前後方向後側が結合されている。従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張をインパクトビーム54によっても拘束して抑制することができる。これにより、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱歪による永久変形をより抑制できる。
特に、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、このインナリアパネル24の車両前後方向前側には、インナセンタパネル22が分割して設けられており、このインナリアパネル24とインナセンタパネル22とは、互いの端部が車両幅方向に重ねられて結合されている。
従って、この結合部によりインナリアパネル24の剛性を高めることができる。しかも、このインナリアパネル24は、車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分においてインパクトビーム54に結合されており、このインパクトビーム54によっても剛性が高められている。これにより、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネル18の熱膨張力によるインナリアパネル24の回転変位を抑制できる。この結果、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張をさらにより抑制することができる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネル16のうち、車両前後方向前側に設けられ車体の建て付け基準となるヒンジが設けられたヒンジサイドパネル20と、車両前後方向後側に設けられたインナリアパネル24とが、ベルトラインリインフォースメント52、ドアフレーム62、インパクトビーム54により連結されている。
従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、車両前後方向両端側にベルトラインリインフォースメント52、ドアフレーム62、インパクトビーム54が連結されたドアインナパネル16によってドアアウタパネル18全体の熱膨張を拘束して抑制することができる。
このように、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドア12の永久変形を抑制することができる。これにより、例えば、ドア12の車体への建て付け精度を向上させることが可能となる。
なお、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネル16の車両前後方向後側、すなわち、ドア12の開放端側(ドア12ロック側)に配置されたインナリアパネル24の板厚が厚く形成されている。従って、ドア12の重心を開放端側(ドア12ロック側)に移動させることができる。これにより、ドア12の閉まり性が向上する。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、インパクトビーム54を車両前後方向後側で支持するインナリアパネル24の板厚が厚く形成されている。従って、インパクトビーム54を支持するインナリアパネル24の剛性を高めることができる。これにより、例えば、図4に示されるように、側突時には、車両幅方向外側からの荷重Fをインパクトビーム54からインナリアパネル24の上下方向に分散しつつ車体(例えば、Bピラー76)側へ伝達できるため、荷重伝達効率を向上できる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、インパクトビーム54を車両前後方向前側で支持するヒンジサイドパネル20の板厚も厚く形成されている。従って、例えば、側突時には、車両幅方向外側からの荷重をインパクトビーム54からヒンジサイドパネル20の上下方向にも分散できる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネル16を、ヒンジサイドパネル20、インナセンタパネル22、インナリアパネル24に三分割することにより、各パネルを成形しやすくなる。これにより、ドアインナパネル16の成形性を向上できる。
また、本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10によれば、図2に示されるように、ヒンジサイドパネル20の固定部26及びインナリアパネル24の固定部28に、インナセンタパネル22の車両前後方向両側の端部30が車両幅方向外側から結合されている。従って、インナセンタパネル22に例えばウィンドウレギュレータ74が取り付けられた場合でも、ドア12を閉めるときにインナセンタパネル22に車両幅方向内側へ作用する慣性力をヒンジサイドパネル20及びインナリアパネル24により受け止めることができる。これにより、インナセンタパネル22がヒンジサイドパネル20及びインナリアパネル24から剥離することを防いで、ドア12の耐久性も向上させることができる。
[第二実施形態]
次に、図5,図6を参照しながら、本発明の第二実施形態について説明する。
図5,図6には、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110が適用されたドア12の構成を示す図が示されている。なお、これらの図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側、矢印Inは、車両幅方向内側をそれぞれ示している。
本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10に対し、以下に説明する点を変更したものである。
すなわち、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110が適用されたドア12では、ドアインナパネル16の車両前後方向後側に設けられたインナリアパネル24が、車両上下方向に二分割されており、車両上下方向上側に配置された上部パネル112と、車両上下方向下側に配置された下部パネル114とにより構成されている。
この二分割されて構成されたインナリアパネル24のうち、上部パネル112には、図6に示されるように、車両上下方向下側の端部に車両幅方向内側に窪む固定部116が形成されている。そして、この上部パネル112の固定部116には、下部パネル114の車両上下方向上側の端部118が車両幅方向外側から結合されている。これにより、インナリアパネル24は、二つのパネルが一体的に結合された構成とされている。
また、本実施形態において、インナリアパネル24のうち、下部パネル114は、図6に示されるように、上部パネル112よりも板厚が厚く形成されており、また、図5に示されるドアアウタパネル18及びインナセンタパネル22よりも板厚が厚く形成されている。
また、このインナリアパネル24のち、上部パネル112には、図5に示されるように、ベルトラインリインフォースメント52の車両前後方向後側が結合されている。また、この上部パネル112には、ロックリインフォースメント50が一体的に結合されている。
さらに、この上部パネル112と下部パネル114との結合部には、上述のロックリインフォースメント50の下端部が結合されていると共に、ドアフレーム62に設けられたリアロアフレーム66の下端部が締結具70によって締結されている。
また、インナリアパネル24のうち、下部パネル114には、インパクトビーム54の車両前後方向後端側がエクステンション58を介して結合されている。このとき、より具体的には、インパクトビーム54は、下部パネル114のうちドア幅狭部42に位置する車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分に結合されている。
次に、本発明の第二実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、ドアインナパネル16の車両前後方向後側には、ドア幅狭部42に位置する車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分を含む下部パネル114が設けられている。そして、この下部パネル114は、インナセンタパネル22及び上部パネル112よりも板厚が厚く形成されている(つまり、図5に示される如く、本実施形態では、下部パネル114が本発明に係る第一領域A1に相当し、インナセンタパネル22及び上部パネル112が本発明に係る第二領域A2に相当する)。
従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、熱膨張により変形し易いドア幅狭部42(この部分は車両幅方向面:厚みが少ないので結果として熱膨張時に変形し易い)を補強できると共に、このドア幅狭部42に位置する下部パネル114の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分の熱膨張速度を低く抑えることができる。しかも、このドア幅狭部42に位置する下部パネル114の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分は、ドアアウタパネル18よりも板厚が厚いため、ドアアウタパネル18よりも内部温度上昇が遅く熱膨張速度も低くなる。これにより、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張を下部パネル114により拘束して抑制することができる。この結果、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱歪による永久変形を抑制できる。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、このドア幅狭部42に位置する下部パネル114の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分に、インパクトビーム54の車両前後方向後側が結合されている。従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張をインパクトビーム54によっても拘束して抑制することができる。これにより、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱歪による永久変形をより抑制できる。
特に、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、この下部パネル114の車両前後方向前側には、インナセンタパネル22が分割して設けられており、この下部パネル114とインナセンタパネル22とは、互いの端部が車両幅方向に重ねられて結合されている。
従って、この結合部により下部パネル114の剛性を高めることができる。しかも、この下部パネル114は、車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分においてインパクトビーム54に結合されており、このインパクトビーム54によっても剛性が高められている。これにより、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネル18の熱膨張力による下部パネル114の回転変位を抑制できる。この結果、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張をさらにより抑制することができる。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、ドアインナパネル16のうち、車両前後方向前側に設けられ車体の建て付け基準となるヒンジが設けられたヒンジサイドパネル20と、車両前後方向後側に設けられたインナリアパネル24とが、ベルトラインリインフォースメント52、ドアフレーム62、ドア12インパクトビーム54により連結されている。
従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、車両前後方向両端側にベルトラインリインフォースメント52、ドアフレーム62、インパクトビーム54が連結されたドアインナパネル16によってドアアウタパネル18全体の熱膨張を拘束して抑制することができる。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、上部パネル112に、ロックリインフォースメント50が結合されている。従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ロックリインフォースメント50で拘束することにより上部パネル112の熱膨張速度を低く抑えることができる。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、下部パネル114部は上部パネル112よりも板厚が厚く形成されている。従って、下部パネル114は、上部パネル112よりも熱伝達速度が遅くなる。これにより、ロックリインフォースメント50により拘束されることで熱膨張速度が低く抑えられた上部パネル112と下部パネル114の熱膨張速度を合わせることができる(つまり両パネルともに熱膨張速度が低く抑えられる)。そして、この熱膨張速度が低く抑えられた下部パネル114及び上部パネル112によりドアアウタパネル18の熱膨張を拘束して抑制することができる。
しかも、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、上部パネル112の板厚は薄くて済む。従って、ドアインナパネル16、ひいては、ドア12全体の質量を軽減できる。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、上述の上部パネル112と下部パネル114とは、互いの端部が車両幅方向に重ねられて結合されており、しかも、この上部パネル112と下部パネル114との結合部には、ロックリインフォースメント50及びリアロアフレーム66の各下端部が結合されている。
従って、上部パネル112と下部パネル114との熱膨張方向を合わせることができる。これにより、上部パネル112及び下部パネル114でドアアウタパネル18の熱膨張を確実に拘束して抑制することができる。
また、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、上述の下部パネル114を含んで構成されたインナリアパネル24が、ドアインナパネル16の車両前後方向中央部よりも後側(一端側)に配置されている。従って、板厚の厚い下部パネル114の領域を少なくでき、ドアインナパネル16、ひいては、ドア12全体の質量をより軽減できる。
なお、本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造110によれば、上部パネル112と下部パネル114との結合部にリアロアフレーム66の下端部が結合されている。従って、ドアフレーム62全体の剛性を向上させることができ、これにより、ドアフレーム62及びガラスの建て付け精度も向上させることができる。
[第三実施形態]
次に、図7乃至図10を参照しながら、本発明の第三実施形態について説明する。
図7乃至図10には、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210が適用されたドア212の構成を示す図が示されている。なお、これらの図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側、矢印Inは、車両幅方向内側をそれぞれ示している。
本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210は、上述の本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造10に対し、以下に説明する点を変更したものである。
すなわち、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210が適用されたドア212では、ドアインナパネル16は、車両前後方向に二分割されており、車両前後方向前側に配置されたヒンジサイドパネル20と、このヒンジサイドパネル20の車両前後方向後側に配置された本体パネル212とにより構成されている。
この二分割されて構成されたドアインナパネル16のうち、ヒンジサイドパネル20には、図8に示されるように、車両前後方向後側の端部に車両幅方向内側に窪む固定部214が形成されている。そして、このヒンジサイドパネル20の固定部214には、本体パネル212の車両前後方向前側の端部216が車両幅方向外側から結合されている。
また、このようにしてヒンジサイドパネル20に結合された本体パネル212は、図7に示されるように、車両上下方向に二分割されており、車両上下方向上側に配置された上部パネル218と、車両上下方向下側に配置された下部パネル220とにより構成されている。
この二分割されて構成された本体パネル212のうち、上部パネル218には、図9に示されるように、車両上下方向下側の端部に車両幅方向内側に窪む固定部222が形成されている。そして、この上部パネル218の固定部222には、下部パネル220の車両上下方向上側の端部224が車両幅方向外側から結合されている。これにより、本体パネル212は、二つのパネルが一体的に結合された構成とされている。また、この本体パネル212に上述の如くヒンジサイドパネル20が結合されることにより、ドアインナパネル16は、一体的に構成されている。
また、本実施形態において、本体パネル212のうち、下部パネル220は、図9に示されるように、上部パネル218よりも板厚が厚く形成されており、また、図8に示されるドアアウタパネル18よりも板厚が厚く形成されている。
また、この本体パネル212のち、上部パネル218には、図7に示されるように、車両前後方向後側の部分にロックリインフォースメント50の車両前後方向後側が結合されている。また、この上部パネル218には、車両前後方向後側の部分にロックリインフォースメント50が一体的に結合されている。
さらに、この上部パネル218と下部パネル220との結合部には、上述のロックリインフォースメント50の下端部が結合されていると共に、ドアフレーム62に設けられたリアロアフレーム66の下端部が締結具70によって締結されている。
また、本体パネル212のうち、下部パネル220には、インパクトビーム54の車両前後方向後端側がエクステンション58を介して結合されている。このとき、より具体的には、インパクトビーム54は、下部パネル220のうちドア幅狭部42に位置する車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分に結合されている。
次に、本発明の第三実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210によれば、ドアインナパネル16の車両前後方向後側には、ドア幅狭部42に位置する車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分を含む下部パネル220が設けられている。そして、この下部パネル220は、上部パネル218よりも板厚が厚く形成されている(つまり、図7に示される如く、本実施形態では、下部パネル220が本発明に係る第一領域A1に相当し、上部パネル218が本発明に係る第二領域A2に相当する)。
従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、熱膨張により変形し易いドア幅狭部42(この部分は車両幅方向面:厚みが少ないので結果として熱膨張時に変形し易い)を補強できると共に、このドア幅狭部42に位置する下部パネル220の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分の熱膨張速度を低く抑えることができる。しかも、このドア幅狭部42に位置する下部パネル220の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分は、ドアアウタパネル18よりも板厚が厚いため、ドアアウタパネル18よりも内部温度上昇が遅く熱膨張速度も低くなる。これにより、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張を下部パネル220により拘束して抑制することができる。この結果、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱歪による永久変形を抑制できる。
また、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210によれば、このドア幅狭部42に位置する下部パネル220の車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分に、インパクトビーム54の車両前後方向後側が結合されている。従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張をインパクトビーム54によっても拘束して抑制することができる。これにより、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱歪による永久変形をより抑制できる。
特に、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210によれば、この下部パネル220は、車両前後方向後側且つ車両上下方向下側の部分においてインパクトビーム54に結合されており、このインパクトビーム54によって剛性が高められている。これにより、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ドアアウタパネル18の熱膨張力による下部パネル220の回転変位を抑制できる。この結果、ドア幅狭部42におけるドアアウタパネル18の熱膨張をさらにより抑制することができる。
また、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210によれば、ドアインナパネル16のうち、車両前後方向前側に設けられ車体の建て付け基準となるヒンジが設けられたヒンジサイドパネル20と、車両前後方向後側に設けられたインナリアパネル24とが、ベルトラインリインフォースメント52、ドアフレーム62、インパクトビーム54により連結されている。
従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、車両前後方向両端側にベルトラインリインフォースメント52、ドアフレーム62、インパクトビーム54が連結されたドアインナパネル16によってドアアウタパネル18全体の熱膨張を拘束して抑制することができる。
また、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210では、上部パネル218に、ロックリインフォースメント50が結合されている。従って、ドア12全体が例えば電着塗装焼付け乾燥炉等の高温環境下に置かれた場合でも、ロックリインフォースメント50で拘束することにより上部パネル218の熱膨張速度を低く抑えることができる。
また、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210によれば、下部パネル220部は上部パネル218よりも板厚が厚く形成されている。従って、下部パネル220は、上部パネル218よりも熱伝達速度が遅くなる。これにより、ロックリインフォースメント50により拘束されることで熱膨張速度が低く抑えられた上部パネル218と下部パネル220の熱膨張速度を合わせることができる(つまり両パネルともに熱膨張速度が低く抑えられる)。そして、この熱膨張速度が低く抑えられた下部パネル220及び上部パネル218によりドアアウタパネル18の熱膨張を拘束して抑制することができる。
しかも、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210によれば、上部パネル218の板厚は薄くて済む。従って、ドアインナパネル16、ひいては、ドア12全体の質量を軽減できる。
また、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210によれば、上述の上部パネル218と下部パネル220とは、互いの端部が車両幅方向に重ねられて結合されており、しかも、この上部パネル218と下部パネル220との結合部には、ロックリインフォースメント50及びリアロアフレーム66の各下端部が結合されている。
従って、上部パネル218と下部パネル220との熱膨張方向を合わせることができる。これにより、上部パネル218及び下部パネル220でドアアウタパネル18の熱膨張を確実に拘束して抑制することができる。
なお、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210によれば、下部パネル220の板厚が厚く形成されている。従って、図10に示されるように、例えば、側突時には、車両幅方向外側からの荷重Fをインパクトビーム54から下部パネル220を介して車体(ロッカ部226)へ分散できるため、荷重伝達効率を向上できる。
また、本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造210によれば、上部パネル218と下部パネル220との結合部にリアロアフレーム66の下端部が結合されている。従って、ドアフレーム62全体の剛性を向上させることができ、これにより、ドアフレーム62及びガラスの建て付け精度も向上させることができる。
本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 図1の2−2線断面図である。 図1の3−3線断面図である。 本発明の第一実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアに側突荷重が作用した状態を示す説明図である。 本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 本発明の第二実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアに設けられたインナリアパネルの断面図である。 本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 図7の8−8線断面図である。 本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアに設けられた本体パネルの断面図である。 本発明の第三実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアに側突荷重が作用した状態を示す説明図である。
符号の説明
10,110,210 車両用ドア構造
16 ドアインナパネル
18 ドアアウタパネル
20 ヒンジサイドパネル
22 インナセンタパネル(ドア幅方向他端側パネル部)
24 インナリアパネル(ドア幅方向一端側パネル部)
32 外周縁部
36,40 車両前後方向壁部
42 ドア幅狭部
50 ロックリインフォースメント(パネル補強部材)
54 インパクトビーム(ドア補強部材)
66 リアロアフレーム(パネル補強部材)
112,218 上部パネル(ドア高さ方向他端側パネル部)
114,220 下部パネル(ドア高さ方向一端側パネル部)

Claims (5)

  1. ドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルとドア厚さ方向に対向するように配置されて、前記ドアアウタパネルと互いの外周縁部にて結合され、ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分がドア幅方向中央側の部分よりも前記ドアアウタパネル側に配置され、前記ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分を少なくとも含む部位を第一領域とし、前記第一領域と異なる部位を第二領域とした場合に、前記第一領域の方が前記第二領域よりも板厚が厚く形成されたドアインナパネルと、
    一端側が前記ドアインナパネルの前記ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分に結合され、他端側が前記ドアインナパネルのドア幅方向他端側の部分に結合されたドア補強部材と、
    を備えたことを特徴とする車両用ドア構造。
  2. 前記ドアインナパネルは、
    前記第一領域の少なくとも一部を構成し、ドア幅方向一端側に配置されると共に、前記ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分を少なくとも含むドア幅方向一端側パネル部と、
    前記第二領域の少なくとも一部を構成し、ドア幅方向他端側に配置されると共に、前記ドア幅方向一端側パネル部と分割して設けられ、且つ、前記ドア幅方向一端側パネル部と互いの端部がドア厚さ方向に重ねられて結合されたドア幅方向他端側パネル部と、
    を備えて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア構造。
  3. 前記ドアインナパネルは、
    前記第一領域の少なくとも一部を構成し、ドア高さ方向一端側に配置されると共に、前記ドア幅方向一端側且つドア高さ方向一端側の部分を少なくとも含むドア高さ方向一端側パネル部と、
    前記第二領域の少なくとも一部を構成し、ドア高さ方向他端側に配置されると共に、前記ドア高さ方向一端側パネル部と分割して設けられ、且つ、パネル補強部材が結合されたドア高さ方向他端側パネル部と、
    を備えて構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ドア構造。
  4. 前記ドア高さ方向一端側パネル部と前記ドア高さ方向他端側パネル部とは、互いの端部がドア厚さ方向に重ねられて結合され、
    前記ドア高さ方向一端側パネル部と前記ドア高さ方向他端側パネル部との結合部には、前記パネル補強部材が結合されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用ドア構造。
  5. 前記ドア高さ方向一端側パネル部及び前記ドア高さ方向他端側パネル部は、前記ドアインナパネルのドア幅方向中央部よりもドア幅方向一端側に配置されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両用ドア構造。
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