JP2008048550A - マトリクスコンバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 マトリクスコンバータの大きな利点である入力電流制御性能を損なうPWMの飽和現象を抑制する。
【解決手段】 交流電源電圧(1)とマトリクスコンバータ主回路(3)との間の各相に接続される入力フィルタ(2)と、双方向スイッチを駆動するためのゲートドライバ(6)と、出力電圧演算部(7b)、入力電圧演算部(7c)、PWM演算部(7d)、転流演算部(7e)からなるコントローラ(7)と、電源電圧の瞬時値を検出するための入力電圧検出器(4)と、交流電源電圧の各相に入力側である交流電源の各相と出力側の各々の相を自己消弧能力をもつ双方向スイッチで直接接続し、出力電圧指令に応じて交流電源電圧をPWM制御し、任意の交流及び直流電圧を出力するマトリクスコンバータにおいて、入力電圧検出器(4)によって得られた交流電圧検出値を基に、電源電圧の最大相と最小相の差が最も小さくなる電圧を出力電圧のリミット値として演算・保持するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、交流電源から任意の周波数へ出力変換可能な電力変換装置に関し、特にパルス幅変調(PWM)制御方式を用いたマトリクスコンバータ(PWMサイクロコンバータともいう)に関する。
図8に従来のマトリクスコンバータ(PWMサイクロコンバータ)回路の構成図を示す。図において、7bは負荷モータ5を駆動するための出力電圧演算部、7cはA/D変換器によりデジタル信号化された入力電圧を演算する入力電圧演算部、7dは出力電圧演算部7bと入力電圧演算部7cより得られた演算結果より双方向スイッチの駆動タイミングを決定するPWM演算部、7eは電流を連続して流し続けるための転流動作を実現する転流演算部を示している。この制御構成によりマトリクスコンバータを駆動のための演算処理を実施している。
PWMサイクロコンバータは、交流電源と負荷側を電力用半導体素子で直接接続しているため、出力の電圧と入力の電流を同時に制御することが可能である。しかしながらPWMサイクロコンバータはPWMインバータのような直流キャパシタ(直流中間回路)が存在しないため、電圧は入力電圧以上出力することができない。よって、電圧利用率の大きい二相変調を使うのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
PWMサイクロコンバータは、交流電源と負荷側を電力用半導体素子で直接接続しているため、出力の電圧と入力の電流を同時に制御することが可能である。しかしながらPWMサイクロコンバータはPWMインバータのような直流キャパシタ(直流中間回路)が存在しないため、電圧は入力電圧以上出力することができない。よって、電圧利用率の大きい二相変調を使うのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
図9は特許文献1の「三相/三相PWMサイクロコンバータの制御装置」の入力相情報の波形を示す図であり、r、s、t相の3相入力電流指令ir、is、itの波形を示している。区間番号ICは入力電流指令の一周期を60°毎に分けている各区間の番号であって、IC番号は0〜5まででそれぞれ二進数の三ビットで表される。また、基準信号Beはデジタル1ビットで、絶対値が最大となる入力電流指令の符号を識別する信号であって、Be=0の時絶対値が最大となる入力電流指令が正で、Be=1の時が負である。このBeとICとによって各入力相の入力電流指令の絶対値が最小か、中間か、最大か、が分かる。入力電流指令の絶対値が最大となる入力相を入力Bas相、最小の入力相を入力Sec相、中間を入力Top相と定義する。なお、入力電流分配率aは三相入力電流指令の中の中間値と最小値との比を示すものである。
一方、図10は三相/三相PWMサイクロコンバータの制御装置の出力相情報の波形を示す図であり、u、v、w相の3相出力電圧指令Vu、Vv、Vwの波形を示している。区間番号OCは出力電圧指令の一周期を60°毎に分けている各区間の番号であって、OCは0〜5までで各OCは二進数の三ビットで表される。基準信号Beが1の時に出力相電圧指令が最大となる出力相を出力High相、基準信号Beが1の時に出力相電圧指令が最小となる出力相を出力Low相、その中間となる出力相を出力Middle相と定義する。
出力電圧指令関数Fhは、図10で出力相電圧指令の下に示す出力相電圧指令と同一周波数、同一位相の振幅が1の三相対称正弦波の最大値と最小値との差を表し、もう一つの出力電圧指令関数Fmは、中間値と最小値との差を表している。この出力電圧指令関数Fh、Fmと、入力電流指令に関する入力電流分配率a、基準信号Be、r相の入力電流指令の位相γ、電源線間電圧Vrs、Vst等を基に、次式により仮直流電圧Ed、出力High相と出力Low相間の線間電圧指令の絶対値Vh*、出力Middle相と出力Low相間の線間電圧指令の絶対値Vm*を求め、スイッチング・タイミングT0h、T1h、T0m、T1m、を計算する。
Ed=Δetop+a*Δesec ・・・(1)
但し、Δetop:入力Top相と入力Bas相の間の線間電圧の絶対値、
Δesec:入力Sec相と入力Bas相の線間電圧の絶対値、
Vh*=Fh*V* ・・・(2)
Vm*=Fm´*V* ・・・(3)
T0h/T2=1−(1+a)*Vh*/Ed ・・・(4)
T1h/T2=1−Vh*/Ed ・・・(5)
T0m/T2=1−(1+a)Vm*/Ed ・・・(6)
T1m/T2=1−Vm*/Ed ・・・(7)
但し、T2:キャリヤ周波数の半周期、で求めたスイッチタイミングよりスイッチングパターンSP0h、SP1h、SP0m、SP1mを作成する。
但し、Δetop:入力Top相と入力Bas相の間の線間電圧の絶対値、
Δesec:入力Sec相と入力Bas相の線間電圧の絶対値、
Vh*=Fh*V* ・・・(2)
Vm*=Fm´*V* ・・・(3)
T0h/T2=1−(1+a)*Vh*/Ed ・・・(4)
T1h/T2=1−Vh*/Ed ・・・(5)
T0m/T2=1−(1+a)Vm*/Ed ・・・(6)
T1m/T2=1−Vm*/Ed ・・・(7)
但し、T2:キャリヤ周波数の半周期、で求めたスイッチタイミングよりスイッチングパターンSP0h、SP1h、SP0m、SP1mを作成する。
図11は、三相/三相PWMサイクロコンバータの制御装置のスイッチパターンを示す図であり、図11(a)は出力High相のパターンSP0h、SP1hを示し、図11(b)は出力Midle相のパターンSP0m、SP1mを表している。図中、T2は三角波キャリヤの半周期であり、T0h、T1hはSP0h、SP1hのキャリヤ三角波との比較タイミングを、T0m、T1mはSP0m、SP1mのキャリヤ三角波との比較タイミングを示している。なお、PJh、PJm等はSP0h、SP0mを変換した変換パターンである。
このようなスイッチング・パターンによって、例えば、”SP1h=1、SP0h=1”の場合は、出力相High相と入力Bas相(入力電流指令の絶対値が最大の入力相)間のスイッチをOnする。また、”SP1h=1、SP0h=0”の時は、出力High相と入力Sec相(絶対値が最小となる入力相)間のスイッチをOnとする。また、”SP1h=0、SP0h=0”の時は、出力High相と入力Top相(絶対値が中間の入力相)間のスイッチをOnとするスイッチパターンにより駆動する。
また、PWMサイクロコンバータの入力電流制御の
特開平11−341807号公報(図2、図3、図5)
また、PWMサイクロコンバータの入力電流制御の
マトリクスコンバータは入力側と出力側を繋ぐ双方向スイッチによって、電源電圧を直接スイッチングすることにより出力側に任意の電圧・周波数を出力する。
しかし反面、コンバータとインバータとを組み合わせた直流中間回路を有するインバータ方式と異なり、マトリクスコンバータは入力電圧以上の電圧を出力することができないといったデメリットも有する。マトリクスコンバータの出力可能電圧としては、三相交流電源を用いる場合、一般に全領域PWMの飽和なしに出力可能な電圧は入力電圧×0.866倍、平均出力可能電圧としては入力電圧×0.955倍と言われている。これは入力電圧の瞬時値が最大値の0.866倍まで小さくなり、かつ平均電圧が0.955倍であるためである。
従来のマトリクスコンバータの入力電流制御方式では、PWM制御の中に入力電流を制御する制御パラメータを設け、平均値として電流制御をする方式が一般的である。この場合、PWMの飽和が発生しないのが入力電流制御の大前提であり、PWMが飽和し始める、入力電圧の0.866倍以上の電圧を出力する場合、入力電流制御が一部できない区間が発生し、結果入力電流歪みを増加させるというような問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、高い電圧を出力する場合にも全領域で入力電流を制御し、マトリクスコンバータの大きな利点である高調波電流レスを実現できる装置を提供することを目的とする。
しかし反面、コンバータとインバータとを組み合わせた直流中間回路を有するインバータ方式と異なり、マトリクスコンバータは入力電圧以上の電圧を出力することができないといったデメリットも有する。マトリクスコンバータの出力可能電圧としては、三相交流電源を用いる場合、一般に全領域PWMの飽和なしに出力可能な電圧は入力電圧×0.866倍、平均出力可能電圧としては入力電圧×0.955倍と言われている。これは入力電圧の瞬時値が最大値の0.866倍まで小さくなり、かつ平均電圧が0.955倍であるためである。
従来のマトリクスコンバータの入力電流制御方式では、PWM制御の中に入力電流を制御する制御パラメータを設け、平均値として電流制御をする方式が一般的である。この場合、PWMの飽和が発生しないのが入力電流制御の大前提であり、PWMが飽和し始める、入力電圧の0.866倍以上の電圧を出力する場合、入力電流制御が一部できない区間が発生し、結果入力電流歪みを増加させるというような問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、高い電圧を出力する場合にも全領域で入力電流を制御し、マトリクスコンバータの大きな利点である高調波電流レスを実現できる装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、交流電源電圧とマトリクスコンバータ主回路との間の各相に接続される入力フィルタと、双方向スイッチを駆動するためのゲートドライバと、出力電圧演算部、入力電圧演算部、PWM演算部、転流演算部からなるコントローラと、電源電圧の瞬時値を検出するための入力電圧検出器と、交流電源電圧の各相に入力側である交流電源の各相と出力側の各々の相を自己消弧能力をもつ双方向スイッチで直接接続し、出力電圧指令に応じて交流電源電圧をPWM制御し、任意の交流及び直流電圧を出力するマトリクスコンバータにおいて、
前記入力電圧検出器によって得られた交流電圧検出値を基に、電源電圧の最大相と最小相の差が最も小さくなる電圧を出力電圧のリミット値として演算・保持することを特徴とするものである。
このように、出力電圧に入力電圧に対応したリミッタを設け、リミッタより大きな値を出力する場合は出力電圧に低次高調波を重畳し電圧ピーク値を抑制した電圧を出力する。これにより全領域でのPWM制御が飽和なく実施でき、低い電圧を出力する場合と同じ入力電流制御性能を維持することが可能となる。
前記入力電圧検出器によって得られた交流電圧検出値を基に、電源電圧の最大相と最小相の差が最も小さくなる電圧を出力電圧のリミット値として演算・保持することを特徴とするものである。
このように、出力電圧に入力電圧に対応したリミッタを設け、リミッタより大きな値を出力する場合は出力電圧に低次高調波を重畳し電圧ピーク値を抑制した電圧を出力する。これにより全領域でのPWM制御が飽和なく実施でき、低い電圧を出力する場合と同じ入力電流制御性能を維持することが可能となる。
本発明はマトリクスコンバータの大きな利点である入力電流制御性能を損なうPWMの飽和現象を抑制するものである。また、入力電圧の0.866倍以上の電圧を出力する場合においても同様の飽和抑制が実現できる。
(発明概要)マトリクスコンバータには転流動作が存在する。この動作により、転流中にスイッチングが完了しないような短いPWM指令が発生した場合、実際には電圧出力がなされない場合がある。この現象と同じく、入力電圧に対し、大きな電圧を出力している場合も、転流動作が完了する前に次のスイッチングが発生する場合があり、結果PWMが飽和し、マトリクスコンバータの大きな特徴である入力電流制御性能が低下する恐れがある。しかしこの間題は、入力電圧の位相により出力可能な電圧が変動することと、キャリア周波数に比例して影響が大きくなるため、指令系での補正が困難である。
そこでPWM幅演算後に既定のリミット値と比較し、超えている場合は飽和の可能性があるため幅をリミットして、その差分を別の相に加算するようにしたものである。
そこでPWM幅演算後に既定のリミット値と比較し、超えている場合は飽和の可能性があるため幅をリミットして、その差分を別の相に加算するようにしたものである。
(基本原理)6図にマトリクスコンバータ出力1相分の双方向スイッチの回路構成と電流方向が正の場合のゲート信号波形を示している。マトリクスコンバータはインバータと異なり、IGBTをすべてオフすると電流経路が無くなり、サージ電圧が発生してしまう。このサージ電圧を抑制するために、転流動作を行っている。図6は、マトリクスコンバータ出力1相分の双方向スイッチの回路構成と、それに対応したゲート信号を示している。図は出力電流の方向が正の場合のゲート信号である。
この転流動作の1回目と4回目は、入力短絡防止のためのスイッチング動作であり、出力電圧には影響しない(S1&S2からS3&S4に転流する場合は、1回目がS1と4回目はS3となり、それぞれは短絡防止のための空打ちである。それがS3&S4からS5&S6に転流する場合は1回目がS3、4回目がS5となる)。しかし、この動作と入力電圧の位相により、特に高い電圧を出力する際にPWM出力電圧の飽和現象が発生し、入力電流制御を不可能にし、その結果入力電流歪みが増加する。
そこで、PWM幅演算後に既定のリミット値と比較し、超えている場合は飽和の可能性があるため幅をリミットして、その差分を別の相に加算しPWM出力電圧の飽和を抑制する。
この転流動作の1回目と4回目は、入力短絡防止のためのスイッチング動作であり、出力電圧には影響しない(S1&S2からS3&S4に転流する場合は、1回目がS1と4回目はS3となり、それぞれは短絡防止のための空打ちである。それがS3&S4からS5&S6に転流する場合は1回目がS3、4回目がS5となる)。しかし、この動作と入力電圧の位相により、特に高い電圧を出力する際にPWM出力電圧の飽和現象が発生し、入力電流制御を不可能にし、その結果入力電流歪みが増加する。
そこで、PWM幅演算後に既定のリミット値と比較し、超えている場合は飽和の可能性があるため幅をリミットして、その差分を別の相に加算しPWM出力電圧の飽和を抑制する。
図7は本方式を導入した際の波形を示している。図のように、最も幅が大きいTOHが、ある既定のレベル以上になるとTOHをその値でリミットし、なおかつ電流分配率を変化させないようT1Hを決定する。またこのままでは電圧出力レベルが低下するため、リミットした幅の分をTOMに加算し、またこの新しいTOMに応じたT1Mを決定する。これによリVmaxが減少した分、Vmidを補正し、その結果PWM出力電圧の飽和を抑制しつつ、三相合計で高い電圧出力を可能にする。
具体的な制御演算式は下記のものを採用する。なお、この場合の抑制パラメータを「最大電圧補償幅」として、TCOMP (単位μsec)として演算する。この場合のリミットパルス幅はTth=Tc-TCOMPとする。
具体的な制御演算式は下記のものを採用する。なお、この場合の抑制パラメータを「最大電圧補償幅」として、TCOMP (単位μsec)として演算する。この場合のリミットパルス幅はTth=Tc-TCOMPとする。
TOH>Tthの場合
TOH’=Tth ・・・(8)
T1H’=Tth/(1+α) ・・・(9)
TOM’=(1+α)(T1M+T1H)−Tth ・・・(10)
T1M’=(T1M+T1H)−Tth/(1+α) ・・・(11)
TOH’=Tth ・・・(8)
T1H’=Tth/(1+α) ・・・(9)
TOM’=(1+α)(T1M+T1H)−Tth ・・・(10)
T1M’=(T1M+T1H)−Tth/(1+α) ・・・(11)
TOH=<Tthの場合
TOH’=TOH ・・・(12)
T1H’=T1H ・・・(13)
TOM’=TOM ・・・(14)
T1M’=T1M ・・・(15)
これにより、最終的に出力される電圧は以下の式となる。
TOH’=TOH ・・・(12)
T1H’=T1H ・・・(13)
TOM’=TOM ・・・(14)
T1M’=T1M ・・・(15)
これにより、最終的に出力される電圧は以下の式となる。
ΔVmax=(ΔEmax+αΔEmid)×T1H/Tc ・・・(16)
ΔVmid=(ΔEmax+αΔEmid)×T1M/Tc ・・・(17)
ΔVmax’=(ΔEmax+αΔEmid)×Tth/Tc×1/(1+α) ・・・(18)
Δvmid’=(ΔEmax+αΔEmid)×{(T1M+T1H)−Tth/(1+α)}×1/Tc ・・・(19)
(16)、(17)式を合計すると(18)、(19)式の合計と同じになるため、三相合計の出力電圧は飽和せず減少しない。
以下、本発明の方法の実施例について図に基づいて説明する。
ΔVmid=(ΔEmax+αΔEmid)×T1M/Tc ・・・(17)
ΔVmax’=(ΔEmax+αΔEmid)×Tth/Tc×1/(1+α) ・・・(18)
Δvmid’=(ΔEmax+αΔEmid)×{(T1M+T1H)−Tth/(1+α)}×1/Tc ・・・(19)
(16)、(17)式を合計すると(18)、(19)式の合計と同じになるため、三相合計の出力電圧は飽和せず減少しない。
以下、本発明の方法の実施例について図に基づいて説明する。
図1は、本発明によるマトリクスコンバータ回路の構成図を示す。図において、1は三相交流電源、2は入力フィルタ、3は双方向スイッチを用いたマトリクスコンバータ主回路、4は入力電圧検出器群、5は駆動対象となる負荷モータ、6は双方向スイッチを駆動するためのゲートドライバ、7は制御演算を実施するコントローラを示している。
マトリクスコンバータは三相交流電源1を双方向スイッチと呼ばれる高速半導体スイッチング素子により任意の電圧・電流を出力し、負荷モータ5を高効率・高精度に駆動する電力変換装置である。このマトリクスコンバータを駆動するためのコントローラ7の内部構成を説明する。7aは入力電圧検出器群4により検出された入力電圧をコントローラ7に取り込む際に使用するA/D変換器、7bは負荷モータ5を駆動するための出力電圧演算部、7cはA/D変換器7aによりデジタル信号化された入力電圧を演算する入力電圧演算部、7dは出力電圧演算部7bと入力電圧演算部7cより得られた演算結果より双方向スイッチの駆動タイミングを決定するPWM演算部、7eは電流を連続して流し続けるための転流動作を実現する転流演算部を示している。この制御構成によりマトリクスコンバータを駆動のための演算処理を実施している。
マトリクスコンバータは三相交流電源1を双方向スイッチと呼ばれる高速半導体スイッチング素子により任意の電圧・電流を出力し、負荷モータ5を高効率・高精度に駆動する電力変換装置である。このマトリクスコンバータを駆動するためのコントローラ7の内部構成を説明する。7aは入力電圧検出器群4により検出された入力電圧をコントローラ7に取り込む際に使用するA/D変換器、7bは負荷モータ5を駆動するための出力電圧演算部、7cはA/D変換器7aによりデジタル信号化された入力電圧を演算する入力電圧演算部、7dは出力電圧演算部7bと入力電圧演算部7cより得られた演算結果より双方向スイッチの駆動タイミングを決定するPWM演算部、7eは電流を連続して流し続けるための転流動作を実現する転流演算部を示している。この制御構成によりマトリクスコンバータを駆動のための演算処理を実施している。
図2は前述したコントローラ7の内部構成ブロック図である。コントローラ7は出力電圧演算部7b、入力電圧演算部7c、PWM演算部7d、転流演算部7e、出力電圧飽和処理部7fからなる。本実施例のコントローラが従来と相違する部分は出力電圧飽和処理部7fを備えた部分である。入力電圧演算部7cより得られた演算結果より、入力電圧の0.866倍を出力電圧のリミット値として保持し、出力電圧演算部7bの出力電圧指令1がリミット値を超える場合、出力電圧飽和処理部7fで飽和抑制処理をした新しい演算結果である出力電圧指令2を指令電圧としてPWM演算部7dに出力する。
図1、2に示したマトリクスコンバータ回路と制御コントローラにより本発明を実施する。図3は第1の実施例における出力電圧飽和処理部7fの処理内容を示すフローチャートである。
S1は出力電圧指令1が入力電圧×0.866より大きいか否かを判断するステップである。
S2は出力電圧指令1が入力電圧×0.866より大きい場合、出力電圧指令1を入力電圧指令の0.866倍の値に制限するステップである。
S3はリミットされた出力電圧指令を出力電圧指令2としてPWM演算部7dへ出力するステップである。
S4はS1において出力電圧指令1が入力電圧×0.866より小さい場合、出力電圧指令にどんな制限もすることなしに出力電圧指令1をそのまま出力電圧指令2としてPWM演算部7dへ出力するステップである。
実際の出力電圧は正弦波であるため高電圧出力時においてもその電圧位相によっては入力電源電圧の0.866倍を超えない場合もある。よって出力電圧指令を線間電圧指令に変換し、その線間電圧指令の瞬時値をリミット値によりリミットし、最終的な出力電圧指令として使用することによりPWMの飽和を抑制する。
S1は出力電圧指令1が入力電圧×0.866より大きいか否かを判断するステップである。
S2は出力電圧指令1が入力電圧×0.866より大きい場合、出力電圧指令1を入力電圧指令の0.866倍の値に制限するステップである。
S3はリミットされた出力電圧指令を出力電圧指令2としてPWM演算部7dへ出力するステップである。
S4はS1において出力電圧指令1が入力電圧×0.866より小さい場合、出力電圧指令にどんな制限もすることなしに出力電圧指令1をそのまま出力電圧指令2としてPWM演算部7dへ出力するステップである。
実際の出力電圧は正弦波であるため高電圧出力時においてもその電圧位相によっては入力電源電圧の0.866倍を超えない場合もある。よって出力電圧指令を線間電圧指令に変換し、その線間電圧指令の瞬時値をリミット値によりリミットし、最終的な出力電圧指令として使用することによりPWMの飽和を抑制する。
図4は第2の実施例における出力電圧飽和処理部7fの処理内容を示すフローチャートである。図4が図3の第1の実施例と相違する部分は、S1とS2の間に出力電圧補正処理をするステップS5を有する部分であり、その他は図3と同様である。
このS5は、出力電圧指令値1と入力電圧検出値、あらかじめ出力電圧と入力電圧の0.866倍に比例したゲイン(K)を使用して次式により、出力電圧指令値1の補正をするステップである。
このS5は、出力電圧指令値1と入力電圧検出値、あらかじめ出力電圧と入力電圧の0.866倍に比例したゲイン(K)を使用して次式により、出力電圧指令値1の補正をするステップである。
出力電圧指令値1=出力電圧指令値1×K(入力電圧×0.866−出力電圧指令値1)
・・・(1)
図3のように電圧指令をリミットするとPWMの飽和は発生しないが、実際に出力される電圧が小さくなってしまう。そこであらかじめ出力電圧と入力電圧の0.866倍に比例したゲイン(K)を演算し、これを出力電圧に積算することにより、あらかじめ出力電圧を大きくし、これにより得られた線間電圧指令の瞬時値をリミット値によりリミットし、最終的な出力電圧指令として使用することによりPWMの飽和を抑制し、かつ本来の指令と同じ電圧を出力可能となる。
・・・(1)
図3のように電圧指令をリミットするとPWMの飽和は発生しないが、実際に出力される電圧が小さくなってしまう。そこであらかじめ出力電圧と入力電圧の0.866倍に比例したゲイン(K)を演算し、これを出力電圧に積算することにより、あらかじめ出力電圧を大きくし、これにより得られた線間電圧指令の瞬時値をリミット値によりリミットし、最終的な出力電圧指令として使用することによりPWMの飽和を抑制し、かつ本来の指令と同じ電圧を出力可能となる。
図5は第3の実施例における出力電圧飽和処理部7fの処理内容を示すフローチャートである。図において、ステップS1、S3、S4は第1の実施例と同様である。すなわち、S1は出力電圧指令1が入力電圧×0.866より大きいか否かを判断するステップである。S6は、出力電圧指令値1と入力電圧検出値、あらかじめ出力電圧と入力電圧の0.866倍に比例したゲイン(K)を使用して次式により、出力電圧指令値1の補正をするステップである。
出力電圧指令値1=出力電圧指令値1×K(入力電圧×0.866−出力電圧指令値1)
×Sin(3ωt) ・・・(2)
第2の実施例の図4と同じく、あらかじめ出力電圧と入力電圧の0.866倍に比例したゲインを演算し、これを出力電圧周波数の3倍高調波のゲインとして積算し、出力線間電圧の瞬時値に加算することによりPWMの飽和を抑制する。本実施例も第2の実施例の図4と同様本来の指令と同じ電圧を出力可能となる。
×Sin(3ωt) ・・・(2)
第2の実施例の図4と同じく、あらかじめ出力電圧と入力電圧の0.866倍に比例したゲインを演算し、これを出力電圧周波数の3倍高調波のゲインとして積算し、出力線間電圧の瞬時値に加算することによりPWMの飽和を抑制する。本実施例も第2の実施例の図4と同様本来の指令と同じ電圧を出力可能となる。
1 三相交流電源
2 入力フィルタ
3 マトリクスコンバータ主回路
4 入力電圧検出器群
5 負荷モータ
6 ゲートドライバ
7 コントローラ
7a A/D変換器
7b 出力電圧演算部
7c 入力電圧演算部
7d PWM演算部
7e 転流演算部
7f 出力電圧飽和処理部
2 入力フィルタ
3 マトリクスコンバータ主回路
4 入力電圧検出器群
5 負荷モータ
6 ゲートドライバ
7 コントローラ
7a A/D変換器
7b 出力電圧演算部
7c 入力電圧演算部
7d PWM演算部
7e 転流演算部
7f 出力電圧飽和処理部
Claims (4)
- 交流電源電圧とマトリクスコンバータ主回路との間の各相に接続される入力フィルタと、双方向スイッチを駆動するためのゲートドライバと、出力電圧演算部、入力電圧演算部、PWM演算部、転流演算部からなるコントローラと、電源電圧の瞬時値を検出するための入力電圧検出器と、交流電源電圧の各相に入力側である交流電源の各相と出力側の各々の相を自己消弧能力をもつ双方向スイッチで直接接続し、出力電圧指令に応じて交流電源電圧をPWM制御し、任意の交流及び直流電圧を出力するマトリクスコンバータにおいて、
前記入力電圧検出器によって得られた交流電圧検出値を基に、電源電圧の最大相と最小相の差が最も小さくなる電圧を出力電圧のリミット値として演算・保持することを特徴とするマトリクスコンバータ。 - 前記マトリクスコンバータの出力電圧指令値の瞬時値が前記出力電圧のリミット値を超える指令電圧が出力された場合、電圧出力値をリミットしたものを出力電圧指令として使用することを特徴とする請求項1記載のマトリクスコンバータ。
- 前記マトリクスコンバータの出力電圧指令値の瞬時値が前記出力電圧のリミット値を超える指令電圧が出力された場合、指令電圧と前記リミット値との差分に比例するゲインをあらかじめ出力電圧実効値に乗算演算し、その演算結果の瞬時値を前記リミット値によりリミットすることを特徴とする請求項1記載のマトリクスコンバータ。
- 前記マトリクスコンバータの出力電圧指令値の瞬時値が前記出力電圧のリミット値を超える指令電圧が出力された場合、指令電圧と前記リミット値との差分に比例する3倍調波を加算することを特徴とする請求項1記載のマトリクスコンバータ。
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