JP2008047199A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】別途、偏光変換素子を用いることなく、簡素な構成にて、2つの対物レンズにレーザ光を導くことができる光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ101から出射されたレーザ光は、λ/4板103にて円偏光に変換された後、分光ミラー104に入射される。入射された円偏光のレーザ光は、偏光ミラー面104aによって、その半分(S偏光成分)がY軸方向に反射される。偏光ミラー面104aを透過した残り半分のレーザ光(P偏光成分)は、ミラー面104bによって、Y軸方向に反射される。これらレーザ光は、立ち上げミラー108、109を介してHD用対物レンズ111とBD用対物レンズ112に入射される。各対物レンズを経由した反射光は、偏光性回折素子115によって分離され、光検出器116上の異なる位置に照射される。
【選択図】図1
【解決手段】半導体レーザ101から出射されたレーザ光は、λ/4板103にて円偏光に変換された後、分光ミラー104に入射される。入射された円偏光のレーザ光は、偏光ミラー面104aによって、その半分(S偏光成分)がY軸方向に反射される。偏光ミラー面104aを透過した残り半分のレーザ光(P偏光成分)は、ミラー面104bによって、Y軸方向に反射される。これらレーザ光は、立ち上げミラー108、109を介してHD用対物レンズ111とBD用対物レンズ112に入射される。各対物レンズを経由した反射光は、偏光性回折素子115によって分離され、光検出器116上の異なる位置に照射される。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ピックアップ装置に関するものであり、特に、2つ以上の対物レンズが配された互換型の光ピックアップ装置に用いて好適なものである。
基板厚の異なる数種のディスクに対応可能な互換型光ピックアップでは、2つ以上の対物レンズを用いる方式が考えられる。この場合、レーザ光を何れの対物レンズに導くかを適宜設定できる構成が光学系内に必要となる。この構成として、たとえば、以下の特許文献1、2に示す構成を用いることができる。
図11に、特許文献1、2に記載の構成例を示す。図において、1は半導体レーザ、2はコリメータレンズ、3は偏光変換素子、4は偏光ビームスプリッタ、5はミラー、6はλ/4波長板、7は第1の対物レンズ、8は第2の対物レンズ、9は光検出系である。
半導体レーザ1から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ2で平行光とされた後、偏光変換素子3によって偏光方向が調整される。レーザ光の偏光方向が第1の方向にあるとき、レーザ光は、偏光ビームスプリッタ4にて、第1の対物レンズ7に向かう方向に反射される。また、レーザ光の偏光方向が第1の方向に直交する第2の方向にあるとき、レーザ光は、偏光ビームスプリッタ4を透過し、ミラー5を介して、第2の対物レンズ8に入射される。このように、偏光変換素子3によってレーザ光の偏光方向を第1の方向と第2の方向の間で切り替えることにより、レーザ光が入射される対物レンズが変更される。
特開平9−212905号公報
特開2001−344803号公報
しかし、上記従来の構成例では、別途、偏光変換素子3が必要であるため、光学系のコストが上昇するとの問題が生じる。また、使用するレーザ光を切り替えるために偏光変換素子3を随時切り替えなければならず、このため、偏光変換素子3をアクティブに制御するための構成がドライブ側に必要となる。
また、この構成例では、それぞれの対物レンズを経由したレーザ光が、互いの光軸が一致する状態で光検出器系9に入射されるため、別途、光軸を分離する手段を配さない限り、これら2つのレーザ光が同一のセンサーパターン上に導かれることとなる。この場合、再生に用いない方のレーザ光は不要光となり、再生信号に悪影響を及ぼす惧れがある。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、簡素な構成にて、2つの対物レンズにレーザ光を導くことができ、且つ、これら2つの対物レンズを経由したディスクからの反射光を対応するセンサーパターンに円滑に導くことができる光ピックアップ装置を提供することを課題とする。
上記課題に鑑み本発明は、以下の特徴を有する。
請求項1の発明は、光ピックアップ装置において、レーザ光を出射する光源と、前記レーザ光を円偏光に変換する第1のλ/4板と、円偏光に変換された前記レーザ光が入射される偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタにて反射された前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第1の対物レンズと、前記偏光ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第2の対物レンズと、前記第1の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第2のλ/4板と、前記第2の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第3のλ/4板と、前記記録媒体によって反射された前記レーザ光を受光する光検出器と、前記偏光ビームスプリッタと前記第2のλ/4板の間の光路、前記偏光ビームスプリッタと前記第3のλ/4板の間の光路および前記偏光ビームスプリッタと前記光検出器の間の光路のうち何れか一つの光路に配された偏光性回折素子とを有することを特徴とする。
請求項2の発明は、光ピックアップ装置において、レーザ光を出射する光源と、前記レーザ光を円偏光に変換する第1のλ/4板と、円偏光に変換された前記レーザ光が入射される偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を前記偏光ビームスプリッタによって反射されたレーザ光の進行方向と同一方向に反射するミラーと、前記偏光ビームスプリッタにて反射された前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第1の対物レンズと、前記ミラーにて反射された前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第2の対物レンズと、前記第1の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第2のλ/4板と、前記第2の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第3のλ/4板と、前記記録媒体によって反射された前記レーザ光を受光する光検出器と、前記偏光ビームスプリッタと前記第2のλ/4板の間の光路、前記偏光ビームスプリッタと前記第3のλ/4板の間の光路および前記偏光ビームスプリッタと前記光検出器の間の光路のうち何れか一つの光路に配された偏光性回折素子とを有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の光ピックアップ装置において、前記偏光ビームスプリッタにて反射された前記レーザ光と前記ミラーにて反射された前記レーザ光を前記第1および第2の対物レンズの方向に反射する立ち上げミラーをさらに備えることを特徴とする。
請求項4の発明は、光ピックアップ装置において、レーザ光を出射する光源と、前記レーザ光を円偏光に変換する第1のλ/4板と、円偏光に変換された前記レーザ光が入射される偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタによって反射された前記レーザ光を前記偏光ビームスプリッタを透過したレーザ光の進行方向と同一方向に反射するミラーと、前記偏光ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第1の対物レンズと、前記ミラーにて反射された前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第2の対物レンズと、前記第1の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第2のλ/4板と、前記第2の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第3のλ/4板と、前記記録媒体によって反射された前記レーザ光を受光する光検出器と、前記偏光ビームスプリッタと前記第2のλ/4板の間の光路、前記偏光ビームスプリッタと前記第3のλ/4板の間の光路および前記偏光ビームスプリッタと前記光検出器の間の光路のうち何れか一つの光路に配された偏光性回折素子とを有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載の光ピックアップ装置において、前記偏光ビームスプリッタを透過した前記レーザ光と前記ミラーにて反射された前記レーザ光を前記第1および第2の対物レンズの方向に反射する立ち上げミラーをさらに備える、
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項2ないし5の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記偏光ビームスプリッタと前記ミラーは、一体的に形成されていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし6の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記第1のλ/4板は、前記偏光ビームスプリッタにおけるP偏光とS偏光の分光比が1:1となるよう調整されていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1ないし6の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記第1のλ/4板は、前記偏光ビームスプリッタにおけるP偏光とS偏光の分光比が不均衡となるよう調整されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、第1のλ/4板による光学作用によって、レーザ光が円偏光の状態で偏光ビームスプリッタに入射される。このため、レーザ光は、偏光ビームスプリッタにおけるP偏光とS偏光の分光比に応じて透過および反射される。従って、第1の対物レンズと第2の対物レンズには、光源から出射されたレーザ光が、偏光ビームスプリッタにおけるP偏光とS偏光の分光比に応じて振り分けられる。
このように、請求項1の発明によれば、第1のλ/4板と偏光ビームスプリッタによる光学作用によって、レーザ光が第1の対物レンズと第2の対物レンズに振り分けられるため、別途、偏光変換素子を配する必要がない。なお、λ/4板は偏光変換素子に比べかなり安価であるため、請求項1の発明のように、別途、第1のλ/4板を用いても、上記従来例に比べ、光学系のコストを抑制することができる。また、請求項1の発明によれば、上記従来例のように偏光変換素子をアクティブに制御する必要がないため、ドライブ側の負担を軽減できる。
さらに、請求項1の発明によれば、偏光性回折素子によって、第1の対物レンズを経由したディスクからの反射光と、第2の対物レンズを経由したディスクからの反射光が光検出器上で分離されるため、一方の対物レンズを用いて記録再生を行っているときに、当該対物レンズを経由した反射光を受光するセンサに、他方の対物レンズを経由した反射光が入射されることを回避でき、もって、安定した記録再生動作を実現できる。
また、請求項2の発明によれば、上記請求項1の発明と同様、第1のλ/4板と偏光ビームスプリッタによる光学作用によって、レーザ光が第1の対物レンズと第2の対物レンズに振り分けられるため、別途、偏光変換素子を配する必要がない。このため、上記請求項1の発明と同様、光学系のコストを抑制することができ、また、ドライブ側の負担を軽減することができる。また、偏光性回折素子を配したことにより、一方の対物レンズを用いて記録再生を行っているときに、当該対物レンズを経由した反射光を受光するセンサに、他方の対物レンズを経由した反射光が入射されることを回避でき、安定した記録再生動作を実現できる。
加えて、請求項3の発明によれば、光源から立ち上げミラーまでの光学系を、第1および第2の対物レンズの光軸に直交する平面上に配置することができるため、光ピックアップ装置の薄型化を図ることができる。
また、請求項4の発明によれば、上記請求項1、2の発明と同様、第1のλ/4板と偏光ビームスプリッタによる光学作用によって、レーザ光が第1の対物レンズと第2の対物レンズに振り分けられるため、別途、偏光変換素子を配する必要がない。このため、上記請求項1、2の発明と同様、光学系のコストを抑制することができ、また、ドライブ側の負担を軽減することができる。また、偏光性回折素子を配したことにより、一方の対物レンズを用いて記録再生を行っているときに、当該対物レンズを経由した反射光を受光するセンサに、他方の対物レンズを経由した反射光が入射されることを回避でき、安定した記録再生動作を実現できる。
加えて、請求項5の発明によれば、上記請求項3の発明と同様、光源から立ち上げミラーまでの光学系を、第1および第2の対物レンズの光軸に直交する平面上に配置することができるため、光ピックアップ装置の薄型化を図ることができる。
さらに、請求項6の発明のように、偏光ビームスプリッタとミラーを一体化すれば、部品点数を削減することができ、光学系の簡素化と、光学部品の配置の容易化を図ることができる。
また、請求項7の発明によれば、光源からのレーザ光が第1の対物レンズと第2の対物レンズに均等に分配される。この場合、第1のλ/4板は、偏光ビームスプリッタに対しレーザ光が円偏光にて入射されるよう調整される。この発明によれば、各対物レンズからのレーザ光を用いて記録および再生を行う場合に、限られた出力範囲のレーザ光を各対物レンズに円滑に分配することができる。
また、請求項8の発明によれば、光源からのレーザ光が第1の対物レンズと第2の対物レンズに不均衡に分配される。この場合、第1のλ/4板は、偏光ビームスプリッタに対しレーザ光が楕円偏光にて入射されるよう調整される。ここで、不均衡の程度は、以下のような観点から調整される。
たとえば、一方の対物レンズを記録用に用い、他方は再生専用に用いる場合、記録に用いる方の対物レンズにより多く、光源からのレーザ光を分配するのが好ましい。また、2つの対物レンズを共に再生専用に用いる場合でも、対物レンズの有効径や開口数の違い等によって、レーザ光の利用効率に差が生じ、その結果、記録媒体上のスポット光量に差が生じる場合がある。この場合にも、スポット光量を適正化するために、各対物レンズに分配されるレーザ光の光量を調整するのが好ましい。なお、スポット光量のアンバランスは、偏光ビームスプリッタから各対物レンズまでの間の光路に配された光学素子の違いによっても生じる。したがって、この場合にも、スポット光量を適正化するために、各対物レンズに分配されるレーザ光の光量を調整するのが好ましい。さらに、記録・再生に必要とされるレーザパワーは記録媒体毎に相違する場合があり、このような場合にも、各記録媒体に適正なパワーのレーザ光を照射するために、各対物レンズに分配されるレーザ光の光量を調整する必要がある。
請求項8の発明における「P偏光とS偏光の分光比の不均衡」は、このような観点から、各対物レンズに適正パワーのレーザ光が分配されるよう調整される。たとえば、記録・再生に必要とされるレーザパワーが記録媒体毎に相違する場合には、対応する記録媒体に必要とされるレーザパワーの最大値を第1および第2の対物レンズについて設定し、第1の対物レンズに設定されたレーザパワーの最大値と第2の対物レンズに設定されたレーザパワーの最大値の比に等しくなるよう、P偏光とS偏光の分光比を設定する。もちろん、これ以外のファクターをも併せて勘案する場合には、それに応じて、さらに、P偏光とS偏光の分光比が調整される。
請求項8の発明によれば、このようにP偏光とS偏光の分光比を不均衡とすることにより、レーザ光が各対物レンズに対し効率的に分配され、これにより、対象とされる記録媒体に対し適正パワーのレーザ光を照射することができる。
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも一つの例示形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。なお、本実施の形態は、基板厚0.6mmのHDDVD(High Definition Digital Versatile Disc)と基板厚0.1mmのBD(ブルーレイディスク)に対応可能な再生専用タイプの互換型光ピックアップ装置に本発明を適用したものである。
まず、図1に実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す。なお、同図には、便宜上、回路側の構成(再生回路301、サーボ回路302、駆動回路303)が併せて示されている。
図示の如く、光ピックアップ装置の光学系は、半導体レーザ101と、コリメータレンズ102と、λ/4板103と、分光ミラー104と、液晶素子105と、λ/4板106、107と、立ち上げミラー108、109と、ホルダー110と、HD用対物レンズ111と、BD用対物レンズ112と、対物レンズアクチュエータ113と、アナモレンズ114と、偏光性回折素子115と、光検出器116を備えている。
半導体レーザ101は、青色波長(405nm程度)のレーザ光を出射する。コリメータレンズ102は、半導体レーザ101から入射されたレーザ光を平行光に変換する。λ/4板103は、コリメータレンズ102側から入射されたレーザ光を円偏光に変換する。
分光ミラー104は、透光性材料にて形成され、内部に偏光ミラー面104aとミラー面104bを有している。分光ミラー104は、直方体形状を有しており、λ/4板103に対向する側面と液晶素子105に対向する側面がそれぞれ半導体レーザ101から出射されるレーザ光の光軸(同図のX軸)とこれに直交する軸(同図のY軸)に直交するようにして配置されている。偏光ミラー面104aとミラー面104bは、それぞれ、半導体レーザ101から出射されるレーザ光の光軸に対して45°傾いた状態で配置されている。
λ/4板103から分光ミラー104に入射された円偏光のレーザ光は、偏光ミラー面104aによって、その半分(S偏光成分)がY軸方向に反射される。偏光ミラー面104aを透過した残り半分のレーザ光(P偏光成分)は、ミラー面104bによって、Y軸方向に反射される。
液晶素子105は、駆動回路303からの駆動信号に応じて、レーザ光の波面状態を変化させ、光ディスク上および光検出器116上の収差を補正する。なお、液晶素子を用いた収差補正(球面収差補正)は、たとえば、特開平10−269611号公報に記載されている。
図1の構成例では、分光ミラー104側から液晶素子105に入射するレーザ光(入射レーザ光)の偏光方向とλ/4板106、107側から液晶素子に入射するレーザ光(反射レーザ光)の偏光方向が、λ/4板106、107による作用によって互いに直交する。このため、液晶素子105は、入射レーザ光用と反射レーザ光用の2つの液晶素子を重ねて構成される。駆動回路303は、再生RF信号の振幅が最適となるよう、各液晶素子を駆動制御する。
なお、偏光ミラー面104aからλ/4板106へと向かうレーザ光(以下、「HD入射レーザ光」と称する)は、λ/4板107からミラー面104bへと向かうレーザ光(以下、「BD反射レーザ光」と称する)と偏光方向が一致し、また、λ/4板106から偏光ミラー面104aへと向かうレーザ光(以下、「HD反射レーザ光」と称する)は、ミラー面104bからλ/4板107へと向かうレーザ光(以下、「BD入射レーザ光」と称する)と偏光方向が一致する。このため、液晶素子105を構成する2つの液晶素子のうち、一方(第1の液晶素子)をHD入射レーザ光用とし、他方(第2の液晶素子)をHD反射レーザ光用とすると、BD入射レーザ光とBD反射レーザ光に対する収差補正は、第1の液晶素子をBD反射レーザ光用として用い、第2の液晶素子をBD入射レーザ光用として用いて行われる。このように、駆動回路303は、使用レーザ光がHD用のレーザ光とBD用のレーザ光の何れであるかに応じて、液晶素子105を構成する2つの液晶素子に対する制御を切り替える。
λ/4板106は、偏光ミラー面104aにて反射されたHD入射レーザ光を円偏光に変換するとともに、ディスクによって反射されたHD反射レーザ光を、ディスクへ入射される際の偏光方向に直交する直線偏光に変換する。これにより、ディスクによって反射されたHD反射レーザ光は、偏光ミラー面104aに対してP偏光となり、偏光ミラー面104aを透過して光検出器116へと導かれる。
λ/4板107は、ミラー面104bにて反射されたBD入射レーザ光を円偏光に変換するとともに、ディスクによって反射されたBD反射レーザ光を、ディスクへ入射される際の偏光方向に直交する直線偏光に変換する。これにより、ディスクによって反射されたBD反射レーザ光は、偏光ミラー面104aに対してS偏光となり、偏光ミラー面104aによって反射されて光検出器116へと導かれる。
立ち上げミラー108、109は、λ/4板106、107にて円偏光に変換されたHD入射レーザ光およびBD入射レーザ光を対物レンズ111、112方向(同図のZ軸方向)に反射する。
ホルダー110は、HD用対物レンズ111とBD用対物レンズ112を一体的に保持する。HD用対物レンズ111は、青色波長のレーザ光を、基板厚0.6mmのHDDVD上に適正に収束できるよう設計されている。また、BD用対物レンズ112は、青色波長のレーザ光を、基板厚0.1mmのBD上に適正に収束できるよう設計されている。
対物レンズアクチュエータ113は、サーボ回路302からのサーボ信号に応じて、ホルダー110をフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動する。これにより、HD用対物レンズ111とBD用対物レンズ112はフォーカス方向およびトラッキング方向に一体的に駆動される。なお、対物レンズアクチュエータ113には、たとえば、従来周知の電磁駆動方式のアクチュエータが用いられる。
アナモレンズ114は、ディスクによって反射されたレーザ光を光検出器116上に収束させる。アナモレンズは、集光レンズとシリンドリカルレンズから構成され、ディスクからの反射光に非点収差を導入する。
偏光性回折素子115は、ディスクからの反射光のうち、BD反射レーザ光(S偏光)には回折作用を付与せず、HD反射レーザ光(P偏光)に回折作用を付与して、このレーザ光の進行方向を一定角度だけ変更する。なお、偏光性回折素子115の詳細は、追って、図2を参照して説明する。
光検出器116は、受光したレーザ光の強度分布から再生RF信号、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を導出するためのセンサーパターンを有している。光検出器116には、HD反射レーザ光とBD反射レーザ光をそれぞれ個別に受光する2つのセンサーパターンが配されている。各センサからの信号は、再生回路301、サーボ回路302および駆動回路303に出力される。
再生回路301は、光検出器116から受信したセンサ信号を演算処理して再生RF信号を導出し、これを復調して再生データを生成する。
サーボ回路302は、光検出器116から受信したセンサ信号を演算処理してトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を導出し、これに基づいてトラッキングサーボ信号およびフォーカスサーボ信号を生成して対物レンズアクチュエータ113に出力する。
駆動回路303は、上記の如く、再生RF信号を逐次モニタし、再生RF信号が最適となるよう、液晶素子105にサーボを掛ける。
図2に、偏光性回折素子115の構成を示す。なお、同図は、図1における偏光性回折素子115をX−Z平面に平行な面で切断したときの断面構造である。
図示の如く、偏光性回折素子115は、透明基板115a上に、複屈折材料からなるブレーズ型回折構造115bを形成し、その上に、ガラス層115cと、透明基板115dを形成して構成される。ブレーズ型回折構造115bは、一定高さの鋸歯状ホログラムが一定ピッチにて形成されたものとなっている。
ここで、ブレーズ型回折構造115bの屈折率は、レーザ光がP偏光およびS偏光にて入射するときの屈折率をそれぞれnpおよびnsとし、ガラスの屈折率をn1とすると、np≠n1、ns=n1となるよう設定されている。したがって、レーザ光がS偏光にて偏光性回折素子115に入射する場合には、ブレーズ型回折構造115bの屈折率(ns)とガラスの屈折率(n1)の間に差が生じず、このため、ブレーズ型回折構造115bは、回折格子として機能しない。これに対し、レーザ光がP偏光にて偏光性回折素子115に入射する場合には、ブレーズ型回折構造115bの屈折率(np)とガラスの屈折率(n1)の間に差が生じ、ブレーズ型回折構造115bは、回折格子として機能する。
なお、複屈折材料を用いた偏光性回折素子の原理については、たとえば、特開2002−365416号公報に示されている。
図2に示す偏光性回折素子115では、ブレーズ型の回折構造によってレーザ光に回折作用を付与するようにしたため、+1次光のみ、または、−1次光のみによる回折作用をレーザ光に付与することができ、よって、レーザ光の回折効率を高めることができる。
本実施の形態では、レーザ光がP偏光にて偏光性回折素子115に入射する場合にのみレーザ光に回折作用が付与されるため、ディスクからの反射光のうち、BD反射レーザ光(S偏光)には回折作用が付与されず、HD反射レーザ光(P偏光)に回折作用が付与される。したがって、HD反射レーザ光は、偏光性回折素子115を通過する際に一定角度だけ進行方向が変更され、これにより、BD反射レーザ光とHD反射レーザ光が分離され、光検出器116上では、それぞれ異なるセンサーパターン上に照射される。
図3は、光検出器116に配されたセンサーパターンと、各センサからの信号を演算処理する演算回路の構成を示す図である。なお、演算回路は、便宜上、2つのセンサーパターンのうち一方についてのみ図示されている。他方のセンサーパターンに対する演算回路も図示のものと同様である。
なお、同図の演算回路は、再生回路301、サーボ回路302および駆動回路303のうち対応する回路上に配置される。あるいは、同図の演算回路を光ピックアップ装置側に配し、再生RF信号、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を対応する回路に出力するようにしても良い。
図示の如く、光検出器116は、A〜Dのセンサ領域からなる2つの4分割センサ20、30を備えている。HD反射レーザ光とBD反射レーザ光は、それぞれ、その光軸が、4分割センサ20、30の分割線の交差点を貫くようにして、4分割センサ20、30上に収束される。図中、オンフォーカス状態における各反射光の集光スポットが点線で示されている。
演算増幅回路201は、4分割センサ20のセンサ領域A〜Dから出力される信号(以下、センサ領域A、B、C、Dから出力される各信号をA、B、C、Dと記載する)をもとに、(A+C)−(B+D)の演算増幅を実行し、フォーカスエラー信号FEを生成する。生成されたフォーカスエラー信号FEは、サーボ回路302に入力される。
演算増幅回路202は、4分割センサ20のセンサ領域A〜Dから出力される信号をもとに、A+B+C+Dの演算増幅を実行し、再生信号RFを生成する。生成された再生信号RFは再生回路301と駆動回路303に入力される。
演算増幅回路203は、4分割センサ20のセンサ領域A〜Dから出力される信号をもとに、(A+B)−(C+D)の演算増幅を実行し、トラッキングエラー信号を生成する。生成されたトラッキングエラー信号FEは、サーボ回路302に入力される。
なお、本実施の形態では、分光ミラー104によって分光された2つのレーザ光がそれぞれHD用対物レンズ111とBD用対物レンズ112に同時に入射するため、上述の偏光性回折素子115が配されていなければ、HD用対物レンズ111を経由したHD反射レーザ光とBD用対物レンズ112を経由したBD反射レーザ光が同時に光検出器116上の同一位置に導かれてしまう。このため、一方の対物レンズを用いて再生が行われる場合に、他方の対物レンズを経由した不要な反射光が光検出器116へと導かれ、この不要な反射光が、再生RF信号や、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に悪影響を及ぼす惧れがある。
しかし、本実施の形態では、偏光性回折素子115を配したことにより、HD反射レーザ光とBD反射レーザ光が光検出器116上において分離され、各反射光は、それぞれ異なるセンサーパターン上に収束される。よって、本実施の形態では、一方の対物レンズを用いて再生が行われる場合に、当該対物レンズを経由した反射光を受光するセンサーパターンに、他方の対物レンズを経由した不要な反射光が入射することはなく、この不要な反射光が、再生RF信号や、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に悪影響を及ぼす惧れはない。
以上、本実施の形態によれば、上記従来例のように偏光変換素子を用いることなく、レーザ光をHD用対物レンズ111とBD用対物レンズ112に導くことができる。よって、上記従来例に比べ、偏光変換素子を省略することができ、光学系のコストを抑制することができる。また、上記従来例のように偏光変換素子をアクティブに制御する必要がないため、ドライブ側の負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態によれば、偏光ミラー面104aとミラー面104bを分光ミラー104内に一体的に配したため、偏光ビームスプリッタとミラーを個別に配置する場合に比べ、光学系の部品点数を削減でき、光学部品の配置の容易化を図ることができる。
また、上記実施の形態によれば、HD入射レーザ光とBD入射レーザ光を立ち上げミラー108、109にてHD用対物レンズ111とBD用対物レンズ112の方向に反射するよう構成したため、半導体レーザ101から立ち上げミラー108、109までの光学部品およびアナモレンズ114と光検出器116を一つのX−Y平面上に配置することができ、もって、光ピックアップ装置の厚み寸法(Z軸方向の寸法)を小さくすることができる。
さらに、本実施の形態によれば、HD用対物レンズ111を経由した反射光とBD用対物レンズ112を経由した反射光が光検出器116上において分離されるため、一方の対物レンズを用いて再生が行われる場合に、当該対物レンズを経由した反射光を受光するセンサーパターンに、他方の対物レンズを経由した不要な反射光が入射することはなく、この不要な反射光が、再生RF信号や、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に悪影響を及ぼす惧れはない。
なお、本発明に係る実施形態は、上記に限定されるものではなく、この他にも、適宜、種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施の形態では、液晶素子105によって収差補正(球面収差)を行うようにしたが、図4に示すように、ビームエキスパンダ123を用いて収差補正を行うようにしても良い。この場合、駆動回路303は、再生RF信号が最良となるよう、ビームエキスパンダ123の可動側レンズを駆動するアクチュエータを制御する。
また、図4に示すように、偏光ビームスプリッタ121とミラー122を個別に配置するようにすることもできる。ただし、この場合は、上記実施の形態のように偏光ミラー面104aとミラー面104bを分光ミラー104内に一体的に配する場合に比べ、光学系の部品点数が増加する。
また、上記実施の形態には、再生専用の互換型光ピックアップ装置に本発明を適用した例を示したが、記録/再生用の互換型光ピックアップ装置に本発明を適用することもできる。
図5に、この場合の光学系を示す。この光学系では、図1に比べ、回折格子131が追加されている。
回折格子131は、半導体レーザ101から出射されたレーザ光を3ビームに分割する。図4の構成例では、トラッキングエラー信号の生成手法として、たとえば、DPP(Differential Push- Pull)法が採用される。
なお、液晶素子105には、球面収差の他、コマ収差を補正するための電極パターンを配置しても良い。液晶素子を用いたコマ収差補正は、たとえば、特開平10−289465号公報に記載されている。
図6は、光検出器116上のセンサーパターンと、演算回路の構成を示す図である。なお、演算回路は、便宜上、2組のセンサーパターンのうち一方についてのみ図示されている。他方の組のセンサーパターンに対する演算回路も図示のものと同様である。
なお、同図の演算回路は、トラッキングエラー信号の生成手法としてDPP法を用いた場合のものである。この演算回路は、再生回路301、サーボ回路302および駆動回路303のうち対応する回路上に配置される。あるいは、同図の演算回路を光ピックアップ装置側に配し、再生RF信号、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を対応する回路に出力するようにしても良い。
図示の如く、光検出器116は、A〜Dのセンサ領域からなる4分割センサ20a、30aと、EおよびFのセンサ領域からなる2分割センサ20b、30bと、GおよびHのセンサ領域からなる2分割センサ20c、30cを備えている。このうち、4分割センサ20a、30aは、回折格子131によって分割された3ビームのうちメインビームを受光する。また、2分割センサ20b、30bは、ディスク上においてメインビームよりもトラック走査方向に先行するサブビーム(先行サブビーム)を受光し、2分割センサ20c、30cは、ディスク上においてメインビームよりもトラック走査方向に遅れたサブビーム(後行サブビーム)を受光する。
演算増幅回路201は、4分割センサ20aのセンサ領域A〜Dから出力される信号(以下、センサ領域A、B、C、Dから出力される各信号をA、B、C、Dと記載する)をもとに、(A+C)−(B+D)の演算増幅を実行し、フォーカスエラー信号FEを生成する。生成されたフォーカスエラー信号FEは、サーボ回路302に入力される。
演算増幅回路202は、4分割センサ20aのセンサ領域A〜Dから出力される信号をもとに、A+B+C+Dの演算増幅を実行し、再生信号RFを生成する。生成された再生信号RFは再生回路301と駆動回路303に入力される。
演算増幅回路203は、4分割センサ20aのセンサ領域A〜Dから出力される信号をもとに、(A+B)−(C+D)の演算増幅を実行し、信号MPPを生成する。
演算増幅回路204は、2分割センサ20bのセンサ領域E、Fから出力される信号(以下、センサ領域E、Fから出力される各信号をE、Fと記載する)と、2分割センサ20cのセンサ領域G、Hから出力される信号(以下、センサ領域G、Hから出力される各信号をG、Hと記載する)をもとに、(E+G)−(F+H)の演算増幅を実行し、信号SPPを生成する。
アンプ回路205は、演算増幅回路204にて生成された信号SPPを、予め設定された倍率にて増幅する。
演算増幅回路206は、演算増幅回路203にて生成された信号MPPから演算増幅回路204にて生成された信号SPPを減算し、トラッキングエラー信号TEを生成する。生成されたトラッキングエラー信号TEは、サーボ回路302に入力される。
この構成例においても、上記図1および図4の場合と同様、偏光性回折素子115が配されることにより、一方の対物レンズを用いて記録再生が行われる際に、当該対物レンズを経由した反射光を受光するセンサーパターンに対して、他方の対物レンズを経由した不要な反射光が入射されるのを防止できる。よって、円滑な記録再生動作を実現することができる。
なお、HD入射レーザ光とBD入射レーザ光のうち一方のみを記録用に用い、他方は再生専用に用いる場合には、偏光ミラー面104aにおけるP偏光とS偏光の分光比を、記録に用いるレーザ光の強度が高くなるよう設定すればよい。たとえば、BD入射レーザ光にて記録を行い、HD入射レーザ光は再生専用とする場合には、偏光ミラー面104aの分光比を、P偏光:S偏光=8:2に設定する。これにより、半導体レーザ101の出力限界範囲内で、BD入射レーザ光のパワーを効果的に高めることができる。
なお、偏光ミラー面104aにおける分光比は、図7に示す如く、偏光ミラー面104aに対しレーザ光を楕円偏光で入射させることにより調整することができる。同図中央のように、偏光ミラー面104aに対しレーザ光が円偏光で入射すると、偏光ミラー面104aにおける分光比は1:1となる。同図中央の状態から、レーザ光軸を軸としてλ/4板103を回転させ、偏光ミラー面104aに対しレーザ光を楕円偏光で入射させると、P偏光成分とS偏光成分の比率が変化し、その結果、偏光ミラー面104aにおける分光比が不均衡となる。同図の場合、両端に示す楕円偏光の状態でレーザ光を偏光ミラー面104aに入射させると、P偏光成分とS偏光成分の比率がP偏光:S偏光=8:2となり、その結果、半導体レーザ101からのレーザ光は、その80%が偏光ミラー面104aを透過し、残り20%は、偏光ミラー面104aによって反射される。これにより、半導体レーザ101から出射されるレーザ光の80%をBD用対物レンズ112に入射させることができる。
なお、BDとHDとで記録・再生に必要なレーザパワーが相違する場合も、上記と同様、偏光ミラー面104aに入射するレーザ光を楕円偏光として、HD用対物レンズ111とBD用対物レンズ112に入射するレーザ光の強度を調整するようにすればよい。たとえば、HD(再生専用、追記型、書き換え可能型、単一記録層型、複数記録層)に要するレーザパワーの最大値がPw1、BD(再生専用、追記型、書き換え可能型、単一記録層型、複数記録層)に要するレーザパワーの最大値がPw2である場合、HD用対物レンズ111とBD用対物レンズ112に入射するレーザ光の強度がHD:BD=Pw1:Pw2となる楕円偏光にて、偏光ミラー面104aに対しレーザ光を入射させる。
ところで、上記実施の形態では、偏光ミラー面104aを透過したレーザ光をミラー面104bにて反射するようにしたが、偏光ミラー面によって反射されたレーザ光をミラー面によって反射するようにすることもできる。
図8は、この場合の光学系の構成例を示す図である。
この光学系では、分光ミラー104に入射されたレーザ光のうち、偏光ミラー面104aによって反射されたレーザ光(S偏光成分)がミラー面104bによってY軸方向に反射される。このレーザ光は、λ/4板107にて円偏光に変換された後、立ち上げミラー109によってZ軸方向に反射され、BD用対物レンズ112に入射される。偏光ミラー面104aを透過したレーザ光は、λ/4板106にて円偏光に変換された後、立ち上げミラー108によってZ軸方向に反射され、HD用対物レンズ111に入射される。
図8の構成例においても、上記図1ないし図5の場合と同様の効果を奏することができる。なお、図8の構成例では、BD反射レーザ光がP偏光にて偏光性回折素子115に入射されるため、上記図1の場合と異なり、BD反射レーザ光の進行方向が偏光性回折素子115によって変更される。図8の構成例において、HD反射レーザ光の進行方向を変更する場合には、図2に示すブレーズ型回折構造115bを、ns≠n1、np=n1となる複屈折材料から構成すれば良い。
なお、図1ないし図8の構成例では、半導体レーザ101からのレーザ光をX軸方向から偏光ミラー面104aまたは偏光ビームスプリッタ121に入射させ、これにより分割されたレーザ光を、立ち上げミラー108、109にてHD用対物レンズ111およびBD用対物レンズ112の方向(Z軸方向)に反射するようにしたが、図9に示すように、偏光ミラー面104aとミラー面104bによって反射されたレーザ光を、立ち上げミラー108、109を介することなく、直接、HD用対物レンズ111およびBD用対物レンズ112に入射させるよう構成することもできる。ただし、この場合には、Z軸方向に、アナモレンズ114と光検出器116の配置スペースが必要となるため、上記実施の形態に比べ、光ピックアップ装置の薄型化が阻害される。
また、図1ないし図9の構成例では、偏光性回折素子115をアナモレンズ114と光検出器116の間に配したが、図10に示すように、液晶素子105とλ/4板106の間に偏光性回折素子140を配することもできる。
この場合、液晶素子105からλ/4板106に向かうHD入射レーザ光は、S偏光となっているため、偏光性回折素子140による回折作用を受けず、λ/4板106から液晶素子105に向かうP偏光のHD反射レーザ光に対して偏光性回折素子140による回折作用が付与される。この場合も、HD反射レーザ光の進行方向が偏光性回折素子140によって変更され、光検出器116上におけるHD反射レーザ光とBD反射レーザ光の照射位置が相違するようになる。
なお、BD反射レーザ光の進行方向を変更する場合には、液晶素子105とλ/4板107の間に偏光性回折素子を配すればよい。ただし、この場合には、S偏光のレーザ光に回折作用を付与する関係から、図2に示すブレーズ型回折構造115bを、ns≠n1、np=n1となる複屈折材料から構成する必要がある。
ところで、上記実施の形態では、HD用対物レンズ111とBD等対物レンズ112にそれぞれ青色波長のレーザ光を入射させるようにしたが、各対物レンズに入射させるレーザ光は、これに限定されず、光ピックアップ装置の仕様に応じて適宜変更され得るものである。
なお、本実施の形態では、図2に示す如く、ブレーズ型の回折構造が形成された偏光性回折素子を用いたが、これに代えて、階段状の回折構造が形成された偏光性回折素子を用いるようにしても良い。なお、階段状の回折構造でも、+1次光、または、−1次光の回折効率を他の次数の光以上に高めることは可能である。ただし、この場合には、回折効率の関係から、不要次数の光が不要光として光検出器に入射され、この不要光が検出信号に悪影響を及ぼす惧れがある。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
101 半導体レーザ
103 λ/4板(第1のλ/4板)
104 分光ミラー
104a 偏光ミラー面
104b ミラー面
106 λ/4板(第2のλ/4板)
107 λ/4板(第3のλ/4板)
108 立ち上げミラー
109 立ち上げミラー
111 HD用対物レンズ
112 BD用対物レンズ
115 偏光性回折素子
116 光検出器
121 偏光ビームスプリッタ
122 ミラー
140 偏光性回折素子
103 λ/4板(第1のλ/4板)
104 分光ミラー
104a 偏光ミラー面
104b ミラー面
106 λ/4板(第2のλ/4板)
107 λ/4板(第3のλ/4板)
108 立ち上げミラー
109 立ち上げミラー
111 HD用対物レンズ
112 BD用対物レンズ
115 偏光性回折素子
116 光検出器
121 偏光ビームスプリッタ
122 ミラー
140 偏光性回折素子
Claims (8)
- レーザ光を出射する光源と、
前記レーザ光を円偏光に変換する第1のλ/4板と、
円偏光に変換された前記レーザ光が入射される偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタにて反射された前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第1の対物レンズと、
前記偏光ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第2の対物レンズと、
前記第1の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第2のλ/4板と、
前記第2の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第3のλ/4板と、
前記記録媒体によって反射された前記レーザ光を受光する光検出器と、
前記偏光ビームスプリッタと前記第2のλ/4板の間の光路、前記偏光ビームスプリッタと前記第3のλ/4板の間の光路および前記偏光ビームスプリッタと前記光検出器の間の光路のうち何れか一つの光路に配された偏光性回折素子とを有する、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - レーザ光を出射する光源と、
前記レーザ光を円偏光に変換する第1のλ/4板と、
円偏光に変換された前記レーザ光が入射される偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を前記偏光ビームスプリッタによって反射されたレーザ光の進行方向と同一方向に反射するミラーと、
前記偏光ビームスプリッタにて反射された前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第1の対物レンズと、
前記ミラーにて反射された前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第2の対物レンズと、
前記第1の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第2のλ/4板と、
前記第2の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第3のλ/4板と、
前記記録媒体によって反射された前記レーザ光を受光する光検出器と、
前記偏光ビームスプリッタと前記第2のλ/4板の間の光路、前記偏光ビームスプリッタと前記第3のλ/4板の間の光路および前記偏光ビームスプリッタと前記光検出器の間の光路のうち何れか一つの光路に配された偏光性回折素子とを有する、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2に記載の光ピックアップ装置において、
前記偏光ビームスプリッタにて反射された前記レーザ光と前記ミラーにて反射された前記レーザ光を前記第1および第2の対物レンズの方向に反射する立ち上げミラーをさらに備える、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - レーザ光を出射する光源と、
前記レーザ光を円偏光に変換する第1のλ/4板と、
円偏光に変換された前記レーザ光が入射される偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタによって反射された前記レーザ光を前記偏光ビームスプリッタを透過したレーザ光の進行方向と同一方向に反射するミラーと、
前記偏光ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第1の対物レンズと、
前記ミラーにて反射された前記レーザ光を記録媒体上に収束させる第2の対物レンズと、
前記第1の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第2のλ/4板と、
前記第2の対物レンズと前記偏光ビームスプリッタの間に配された第3のλ/4板と、
前記記録媒体によって反射された前記レーザ光を受光する光検出器と、
前記偏光ビームスプリッタと前記第2のλ/4板の間の光路、前記偏光ビームスプリッタと前記第3のλ/4板の間の光路および前記偏光ビームスプリッタと前記光検出器の間の光路のうち何れか一つの光路に配された偏光性回折素子とを有する、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項4に記載の光ピックアップ装置において、
前記偏光ビームスプリッタを透過した前記レーザ光と前記ミラーにて反射された前記レーザ光を前記第1および第2の対物レンズの方向に反射する立ち上げミラーをさらに備える、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項2ないし5の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記偏光ビームスプリッタと前記ミラーは、一体的に形成されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1ないし6の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記第1のλ/4板は、前記偏光ビームスプリッタにおけるP偏光とS偏光の分光比が1:1となるよう調整されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1ないし6の何れか一項に記載の光ピックアップ装置において、
前記第1のλ/4板は、前記偏光ビームスプリッタにおけるP偏光とS偏光の分光比が不均衡となるよう調整されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110174662A (zh) * | 2019-05-31 | 2019-08-27 | 山东省科学院海洋仪器仪表研究所 | 一种用于激光雷达的高精度三分束激光发射装置 |
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2006
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CN110174662A (zh) * | 2019-05-31 | 2019-08-27 | 山东省科学院海洋仪器仪表研究所 | 一种用于激光雷达的高精度三分束激光发射装置 |
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