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JP2008032111A - 車両の制御装置 - Google Patents

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JP2008032111A
JP2008032111A JP2006206037A JP2006206037A JP2008032111A JP 2008032111 A JP2008032111 A JP 2008032111A JP 2006206037 A JP2006206037 A JP 2006206037A JP 2006206037 A JP2006206037 A JP 2006206037A JP 2008032111 A JP2008032111 A JP 2008032111A
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Masato Matsubara
正人 松原
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】部品交換時における車両運転制御の精度低下を抑制することのできる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】この装置は、車両運転状態に基づいて滑り出し時間およびオーバシュート積算値を調節するとともに、その調節にかかる制御量としての初期圧力(または待機圧力)を、滑り出し時間(またはオーバシュート積算値)の実値が目標値と一致するように学習する。初期圧力(または待機圧力)についての学習が一旦完了した履歴があり(学習完了フラグ=「オン」)、且つ制御量についての再度の学習が所定期間(t4〜t5)にわたり継続して実行されるときに(学習未完了フラグ=「オン」)、滑り出し時間(またはオーバシュート積算値)を初期値に変更する。
【選択図】図10

Description

本発明は、車両パラメータの調節にかかる制御量についての学習制御を実行しつつ車両運転制御を行う車両の制御装置に関するものである。
自動車などの車両には、内燃機関や自動変速機が搭載されている。そして例えばアクセルペダルの操作量や車両走行速度などといった車両運転状態に応じて、内燃機関や自動変速機の駆動制御が実行されて、車両の運転が制御される。
ここで、内燃機関や自動変速機には個体差があるため、それら内燃機関や自動変速機の特性は個々に異なる。また内燃機関や自動変速機は、その構成部品の経時変化によって、その特性が変化することが避けられない。そして、そうした個体差や経時変化による特性の相違は、車両の運転制御における制御精度を低下させる一因となる。
そのため従来、車両パラメータ(具体的には、内燃機関や自動変速機の制御パラメータ)の調節にかかる制御量を学習する学習制御を実行することが提案され、実用されている(例えば特許文献1参照)。この学習制御の実行を通じて、上記制御量とその目標値(目標制御量)との一致が図られる。これにより、上述した特性の相違によることなく、内燃機関の駆動制御や自動変速機の作動制御、ひいては車両の運転制御が適正に実行されるようになる。
特開2006−29488号公報
ところで、上述した車両では、故障や劣化に伴って内燃機関や自動変速機の一部(あるいは全部)が交換されることがある。
この部品交換後において、交換前の部品について学習された学習内容をもとに車両の運転制御が実行されると、車両パラメータの調節にかかる制御量が学習制御を通じて適正な値になるまでの期間、車両の運転制御を適正に実行することができなくなって、ドライバビリティの低下を招く等といった種々の不都合を招いてしまう。
部品交換時において車両の運転制御を適正に実行するためには、交換された部品に関係する学習制御についての学習内容(例えば学習値)を一旦リセットすることが望ましい。通常、部品を交換する際には、その交換作業に合わせて上記学習内容をリセットする作業が実行される。ただし、そうしたリセット作業は人手による作業であるために忘れられることがあり、リセット作業が実行されない場合には、やはり車両運転制御の制御精度の低下を招いてしまう。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品交換時における車両運転制御の精度低下を抑制することのできる車両の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、車両運転状態に基づいて車両パラメータを調節するとともに、同車両パラメータの実値がその目標値と一致するように同車両パラメータの調節にかかる制御量を学習する学習制御を実行する車両の制御装置において、前記制御量についての学習が一旦完了した履歴があり且つ前記制御量についての再度の学習が所定期間にわたり継続して実行されるときに、変更後の値が変更前の値より未学習値に近くなるように前記学習にかかる学習量を変更する変更手段を備えることをその要旨とする。
通常、車両完成直後や構成部品の交換直後など、車両パラメータの実値と目標値との差が大きい場合には、同車両パラメータの調節にかかる制御量についての学習が完了するまでに長い時間がかかる。これに対して、構成部品が経時変化する場合など上記差が小さい場合には、上記学習が比較的短い時間で完了する。
そのため上記構成によれば、上記制御量についての学習が一旦完了した後に再度の学習が所定期間にわたり継続して実行されることをもって、経時変化以外の要因によって特性が大きく変化したこと、ひいては部品が交換されたことを判断することができる。そして、このとき上記学習にかかる学習量の変更を通じて同学習量を、未学習値(未学習状態に適した値)に早期に近づけることができ、車両運転制御を適正に実行することの可能な値に早期に変化させることが可能になる。これにより、部品交換時における車両運転制御の精度低下を抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、当該制御装置は、同一の構成部品についての複数の車両パラメータを各別に調節するものであって、それら車両パラメータの調節にかかる各制御量について各別に学習制御を実行するものであり、前記変更手段は、前記各制御量のうちの特定の制御量についての学習が一旦完了した履歴があり且つ同特定の制御量についての再度の学習が所定期間にわたり継続して実行されるときに、前記各制御量について学習した学習量の全てを、変更後の値が変更前の値より未学習値に近くなるように変更するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、同一の構成部品についての複数の車両パラメータを各別に調節するとともに、それら車両パラメータの調節にかかる各制御量について各別に学習制御を実行する装置にあって、特定の制御量の学習態様のみを監視することをもって部品が交換されたことを判断することができ、全ての制御量の学習態様を監視する構成と比較して、制御構造の簡素化を図ることができる。しかも、上記判断をもとに、同一の構成部品に対応する複数の学習量を一括して変更することができ、部品交換時における車両運転制御の精度低下を的確に抑制することができる。
なお、請求項3によるように、アクチュエータの駆動制御を通じて車両パラメータを調節し、前記制御量がアクチュエータの作動量であり、前記実値と前記目標値との大小関係に基づく前記作動量の更新を通じて同作動量を学習する制御装置にあっては、作動量とその初期値との差を前記学習量として採用することができる。
また、変更後の値が変更前の値より未学習値に近くなるように前記学習制御にかかる学習量を変更するといった構成は、請求項4によるように、前記作動量を初期値に変更することによって実現することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の車両の制御装置において、前記変更手段は、前記作動量の単位期間当たりの更新量が所定値より大きいことをもって、前記再度の学習が実行されていると判断することをその要旨とする。
構成部品の交換によって前記作動量が更新される場合には、その更新量が大きい状態が長く継続されるために、前記作動量の単位時間の更新量が大きくなる。これに対し、構成部品の経時変化によって前記作動量が更新される場合には、その更新が長く継続されることがあるとはいえ、その更新量はさほど大きくはならず、前記作動量の単位時間当たりの更新量は小さい。したがって上記構成によれば、構成部品の交換に起因して再度の学習が実行されていることを的確に判断することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記変更手段は、前記作動量の単位期間あたりの更新量が所定値以下になったこともって前記制御量についての学習が一旦完了したと判断することをその要旨とする。
上記構成によれば、前記作動量の更新量が小さい状態が続いていることを判断することが可能になり、これをもって前記制御量についての学習が一旦完了したことを的確に判断することができる。
なお、請求項6に記載の発明の構成を請求項5に記載の発明の構成に適用する場合には、請求項6における所定値を請求項5における所定値以下の値に設定することにより、それら請求項5および6に記載の構成にかかる作用効果が得られるようになる。
また、前記作動量の更新は、請求項7によるように、前記実値が前記目標値より小さいときには所定値を加算し、前記実値が前記目標値より大きいときには所定値を減算するといったように行うことができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記車両の組み立て完了直後における同車両の実特性と基準特性との差によって生じる前記実値と前記目標値との差を補償するための補正量であって前記制御量を補正する補正量を記憶する補正量記憶手段を更に備え、前記変更手段は、前記学習量を変更するのに合わせて、前記実特性と基準特性とが等しいときに記憶される値に変更後の値が変更前の値より近くなるように前記補正量を変更することをその要旨とする。
車両完成直後や構成部品の交換直後などといった車両の組み立て直後においては、同車両の個体差に起因して、車両パラメータの実値と目標値との差が大きくなるおそれがある。この差は学習制御の実行によっていずれは解消されるとはいえ、同学習制御を通じて車両パラメータの調整にかかる制御量が適正な値になるまでの期間、車両の運転制御を適正に実行することができず、これに伴う不都合の発生が避けられない。
そのため従来、車両の組み立て時における同車両の実特性と基準特性(標準的な車両の特性)との関係に応じて上記制御量を補正する補正量を求め、同値を予め記憶しておくことが提案されている。これにより、上記実特性と基準特性との差に起因する車両パラメータの実値と目標値との差が補償されて、車両の組み立て直後から実値と目標値とが早期に一致するようになり、上述した車両の個体差によることなく、車両の運転制御が適正に実行されるようになる。
ところで、車両の制御装置に上記補正量を記憶させる作業は人手による作業であるために忘れられることがあり、構成部品の交換に際して上記作業が実行されない場合には、交換前の部品に適した補正量をもとに車両の運転制御が実行されてしまう。そのため、交換前の部品の補正量と交換後の部品に適した補正量との関係によっては、上記学習制御を通じて車両パラメータの調整にかかる制御量が適正な値になるまでに極めて長い時間がかかる場合がある。
この点、請求項8に記載の発明の構成によれば、学習量の変更に合わせて、補正量を、標準的な特性の車両に適した補正量に近づくように変更することができる。これにより、記憶されている補正量(部品交換前の車両に適した補正量)と実際の車両に適した補正量(部品交換後の車両に適した補正量)とが大きく異なる値になることを抑制することができる。したがって、車両運転制御を適正に実行することの可能な値に上記制御量を早期に変化させることが可能になり、部品交換時における車両運転制御の精度低下を抑制することができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の車両の制御装置において、当該制御装置は、同一の構成部品についての複数の車両パラメータを各別に調節するものであって、前記補正量記憶手段は、前記複数の車両パラメータの調節にかかる各制御量について各別に補正量を記憶するものであり、前記変更手段は、前記各制御量について各別に記憶された補正量の全てを、前記実特性と基準特性とが等しいときに記憶される値に変更後の値が変更前の値より近くなるように変更することをその要旨とする。
上記構成によれば、同一の構成部品についての複数の車両パラメータに対応して各別に補正量を記憶する装置にあって、同部品が交換されたと判断された場合に、同交換部品に対応する補正量の全てを一括して変更することができ、部品交換時における車両運転制御の精度低下を的確に抑制することができる。
なお、前記実特性と基準特性とが等しいときに記憶される補正量に変更後の値が変更前の値より近くなるように前記補正量を変更するといった構成は、請求項10によるように、前記実特性と基準特性とが等しいときに記憶される補正量を初期値として記憶しておくとともに、上記補正量を同初期値に変更することによって実現することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の車両の制御装置において、前記変更手段による前記学習量の変更に合わせて、部品交換がなされた旨の履歴を記憶する履歴記憶手段を更に備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、部品交換の履歴を残すことにより、メンテナンス作業や故障原因の解析作業を円滑に行うことができるようになる。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載の車両の制御装置において、当該制御装置は自動変速機を有する車両に適用され、前記車両パラメータは、前記自動変速機に設けられる動力伝達機構の制御パラメータであることをその要旨とする。
動力伝達機構が交換された場合、その後において交換前の動力伝達機構について学習された学習内容をもとに車両の運転制御が実行されると、学習制御を通じて動力伝達機構の制御パラメータの調節にかかる制御量が適正な値になるまでの期間、動力伝達機構の駆動制御を適正に実行することができなくなって、変速ショックの発生を招いてしまう。上記構成によれば、そうした動力伝達機構の交換時における同動力伝達機構の駆動制御の精度低下を抑制することができ、変速ショックの発生を抑制することができる。
なお上記動力伝達機構としては、無段式の自動変速機に設けられた変速機構の他、請求項13によるように、多段式の自動変速機に設けられるクラッチ機構を挙げることができる。
以下、本発明にかかる車両の制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。
ここでは先ず、図1を参照して、本実施の形態にかかる制御装置が適用される車両の概略構成について説明する。
図1に示すように、車両10には内燃機関11が搭載されており、同内燃機関11には自動変速機12が連結されている。この自動変速機12を通じて、内燃機関11の出力軸13の回転が駆動輪(図示略)に変速されつつ伝達される。自動変速機12はケース12aを備えており、同ケース12aの内部にはトルクコンバータ20、第1変速部30、第2変速部40が設けられている。
トルクコンバータ20は内燃機関11の出力軸13に連結されている。
第1変速部30は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置31を備えている。この第1遊星歯車装置31は、その回転要素として、サンギヤSU1、プラネタリキャリアCA1、およびリングギヤRG1の3つの回転要素を備えている。サンギヤSU1には、トルクコンバータ20の出力軸21が連結されている。また第1変速部30には、リングギヤRG1をケース12aに固定するための第3ブレーキB3が設けられている。
そして、サンギヤSU1が出力軸21によって回転駆動されて、第3ブレーキB3によってリングギヤRG1がケース12aに固定されると、出力軸21の回転に対して減速された回転がプラネタリキャリアCA1から出力される。
第2変速部40は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置41およびダブルピニオン型の第3遊星歯車装置42を備えている。それら第2遊星歯車装置41および第3遊星歯車装置42は、4つの回転要素RE1〜RE4により構成されている。具体的には、第3遊星歯車装置42のサンギヤSU3が第1回転要素RE1として機能する。また、第2遊星歯車装置41のリングギヤRG2および第3遊星歯車装置42のリングギヤRG3が一体回転するように連結されており、これが第2回転要素RE2として機能する。さらに、第2遊星歯車装置41のプラネタリキャリアCA2および第3遊星歯車装置42のプラネタリキャリアCA3が一体回転するように連結されており、これが第3回転要素RE3として機能する。また、第2遊星歯車装置41のサンギヤSU2が第4回転要素RE4として機能する。
なお、第2遊星歯車装置41のピニオンは第3遊星歯車装置42の第2ピニオン(外周側のピニオン)と一体回転するように連結されている。また、第1回転要素RE1(サンギヤSU3)は、上記第1変速部30の第1遊星歯車装置31のプラネタリキャリアCA1に一体的に連結されている。また、第2変速部40の第3回転要素RE3(プラネタリキャリアCA2、CA3)には出力歯車43が一体的に連結されている。この出力歯車43が自動変速機12の出力部分であり、同出力歯車43から出力される回転によって駆動輪が回転駆動される。
また自動変速機12は、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第1クラッチC1、および第2クラッチC2を備えている。第1ブレーキB1は上記第1回転要素RE1(サンギヤSU3)をケース12aに固定するためのものであり、第2ブレーキB2は第2回転要素RE2(リングギヤRG2、RG3)をケース12aに固定するためのものである。また、第1クラッチC1は第4回転要素RE4(サンギヤSU2)を出力軸21に連結するためのものであり、第2クラッチC2は第2回転要素RE2(リングギヤRG2、RG3)を出力軸21に連結するためのものである。
第1〜第3ブレーキB1,B2,B3や、第1および第2クラッチC1,C2(以下、特に区別しない場合は単にブレーキB、クラッチCという)は何れも、油圧アクチュエータと多板式の油圧クラッチ機構とにより構成されるクラッチ装置である。
自動変速機12にはコントロールバルブ50が取り付けられており、同コントロールバルブ50の内部には油圧回路51が形成されている。また、コントロールバルブ50には上記油圧アクチュエータとしての電磁バルブS1〜S5が設けられている。それら電磁バルブS1〜S5の励磁/非励磁を切り替えることにより、油圧回路51の油路が切り替えられる。これにより、ブレーキBやクラッチCの係合状態/開放状態が切り替えられて、自動変速機12の変速段が切り替えられる。上記コントロールバルブ50には、電磁バルブS1〜S5の他にも、電磁バルブSL1,SL2が設けられている。これら電磁バルブSL1,SL2の開度制御を通じて、クラッチCやブレーキBに供給されるオイル圧力が調節される。
車両10における運転席の近傍にはシフトレバー装置14が設けられており、このシフトレバー装置14は複数の操作位置を手動操作で切り替え可能になっている。シフトレバー装置14の操作位置としてはパーキング(P)位置、リバース(R)位置、ニュートラル(N)位置、およびドライブ(D)位置が設定されている。(P)位置および(N)位置は停車時において選択される操作位置であり、(R)位置は車両10を後進走行させる際に選択される操作位置であり、(D)位置は車両10を前進走行させる際に選択される操作位置である。
車両10の運転制御に際しては、シフトレバー装置14において選択された操作位置に応じて各電磁バルブS1〜S5、すなわちクラッチCおよびブレーキBの作動状態が切り替えられて、自動変速機12の変速段が切り替えられる。
図2に、クラッチCおよびブレーキBの作動状態とシフトレバー装置14の操作位置との関係を示す。なお、図2において「○」は係合状態を表しており、「×」は解放状態を表している。
同図2に示すように、(N)位置または(P)位置が選択されているときには、各クラッチC1,C2および各ブレーキB1,B2,B3が開放状態になる。そして、このとき自動変速機12は、内燃機関11の出力軸13と駆動輪との連結が遮断された作動状態になる。
一方、(R)位置が選択されているときには第2ブレーキB2および第3ブレーキB3が係合状態になる。このとき自動変速機12の変速段は、後進変速段に切り替えられる。
他方、(D)位置が選択されているときには、クラッチCおよびブレーキBの作動状態が、「1速」〜「6速」の6つの前進変速段に対応する6つの作動状態のいずれかに自動的に切り替えられる。これにより、自動変速機12の変速段が「1速」〜「6速」のいずれかの前進変速段に自動的に切り替えられる。
「1速」に切り替えられる場合にはクラッチC1およびブレーキB2が係合状態になり、「2速」に切り替えられる場合にはクラッチC1およびブレーキB1が係合状態になり、「3速」に切り替えられる場合にはクラッチC1およびブレーキB3が係合状態になる。また、「4速」に切り替えられる場合にはクラッチC1およびクラッチC2が係合状態になり、「5速」に切り替えられる場合にはクラッチC2およびブレーキB3が係合状態になり、「6速」に切り替えられる場合にはクラッチC2およびブレーキB1が係合状態になる。
そして本実施の形態では、前進変速段の切り替えに際して、クラッチCおよびブレーキBの何れか1つ(開放側クラッチ装置)の作動状態を係合状態から解放状態に変更しつつ、他の1つ(係合側クラッチ装置)の作動状態を開放状態から係合状態に変更するといった、いわゆるクラッチツークラッチ変速制御が行われる。
また、このクラッチツークラッチ変速制御の実行に際しては、変速ショックの発生を抑制しつつ変速段を速やかに切り替えるべく、電磁バルブSL1,SL2(図1)の開度制御を通じて、開放側クラッチ装置に供給されるオイルの圧力(開放側オイル圧力)や係合側クラッチ装置に供給されるオイルの圧力(係合側オイル圧力)が調節される。
なお、「1速」〜「6速」の選択は、例えば図3に示す変速マップに基づいて行われる。同図3に示すように、変速マップには、車両10の走行速度SPDとアクセルペダル15の操作量(アクセル操作量ACC)との関係によって定まる変速線(アップシフト線、ダウンシフト線)が設定されている。そして、車両10の運転領域が変速マップに規定された変速線を跨ぐように変化した際に、変化後の運転領域に対応する変速段に自動変速機12の変速段が切り替えられる。この変速マップに基づく前進変速段の切り替え操作に際しては、走行速度SPDが高いほど、またアクセル操作量ACCが大きいほど、変速比の大きい高速側の変速段が選択される。
図1に示すように、車両10には、各種のセンサが設けられている。各種センサとしては、例えばアクセル操作量ACCを検出するためのアクセルセンサ61や、内燃機関11の出力軸13の回転速度(機関回転速度NE)を検出するための速度センサ62、出力歯車43の回転速度(出力回転速度NTo)を検出するための回転速度センサ63、機関冷却水の温度THWを検出するための温度センサ64が設けられている。また、シフトレバー装置14の操作位置を検出するためのシフト位置センサ65や、トルクコンバータ20の出力軸21の回転速度(入力回転速度NTi)を検出するための回転速度センサ66、自動変速機12内を循環するオイルの温度THOを検出するための温度センサ67等も設けられている。なお、本実施の形態では、車両10の走行速度SPDが出力回転速度NToに基づき基得られる。
また車両10は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置60を備えている。電子制御装置60には、各種センサの検出信号が取り込まれている。電子制御装置60は、各種センサの検出信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に基づいて内燃機関11の駆動制御や自動変速機12の作動制御等の機関制御を実行する。
ここで、電子制御装置60は、自動変速機12の作動制御の一つとして、前述したクラッチツークラッチ変速制御を実行する。また、クラッチツークラッチ変速制御の実行に合わせて、開放側オイル圧力や係合側オイル圧力を学習する学習制御を実行する。
以下、それらクラッチツークラッチ変速制御および学習制御を含むダウンシフト変速制御について、図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図4のフローチャートに示す一連の処理は、ダウンシフト変速制御にかかる処理の具体的な処理手順を概念的に示したものであり、実際の処理は所定周期毎の処理として電子制御装置60により実行される。
同図4に示すように、この処理では先ず、ダウンシフト変速条件が成立しているか否かが判断される(ステップS101)。ここでは、車両10の前進走行時におけるアクセルペダル15の踏み込み操作に伴って変速段を低速側の変速段に変更させるべき運転状態になったことをもって、ダウンシフト変速条件が成立していると判断される。
そして、ダウンシフト変速条件が成立している場合には(ステップS101:YES)、このときの変速態様(「6速→5速」、「5速→4速」、…「2速→1速」)および車両10の走行速度SPDに基づいて、Aマップから開放側オイル圧力についての初期圧力PAが設定されるとともに、Bマップから係合側オイル圧力についての待機圧力PBが設定される(ステップS102)。図5にAマップのマップ構造を示し、図6にBマップのマップ構造を示すように、初期圧力PAおよび待機圧力PBは共に、変速態様および車両10の走行速度SPDによって定まる領域毎に、同領域に適した値が設定されている。
その後、それら初期圧力PAおよび待機圧力PBに基づいて、前述したクラッチツークラッチ変速制御にかかる処理が実行されて(ステップS103)、変速段が切り替えられる。
このクラッチツークラッチ変速制御は、以下のように実行される。
図7に、クラッチツークラッチ変速制御にかかる処理の処理態様の一例を示す。
同図7に示すように、先ず、開放側オイル圧力が一旦上記初期圧力PAに調節された後、同初期圧力PAから徐々に低下するように調節される。これにより、開放側クラッチ装置の作動状態が係合状態から開放状態へと徐々に移行し、これに伴って入力回転速度NTiが徐々に上昇するようになる。このとき係合側オイル圧力は待機圧力PBで一定に維持されている。これにより、係合側クラッチ装置の作動状態が開放状態で維持される。
そして、変速段の変更完了後における自動変速機12の変速比Rnに出力回転速度NToを乗じた値(同期回転速度)と入力回転速度NTiとが等しくなると(「Rn×NTo」=NTi)、このとき係合側クラッチ装置の入力側と出力側との回転速度が一致したとして、係合側オイル圧力が待機圧力PBよりも高い所定の圧力に変更される。これにより、係合側クラッチ装置の作動状態が係合状態になる。
ここで上記クラッチツークラッチ変速制御では、開放側オイル圧力の変更が開始されてから所定時間(滑り出し時間TA)が経過した後に、開放側クラッチ機構が半係合状態になる。本実施の形態では、上記クラッチツークラッチ変速制御の実行中において、上記滑り出し時間TAが検出されて、記憶される。なお、開放側クラッチ機構が半係合状態になったことは、変速段の変更前における自動変速機12の変速比Rn(i)に出力回転速度NToを乗じた値と入力回転速度NTiとがずれたことをもって(「Rn(i)×NTo」≠NTi)判断することができる。
また上記クラッチツークラッチ変速制御では、係合側クラッチ装置の作動状態を係合状態に変更する際に、その作動状態が一時的に半係合状態になってその入力側回転速度が出力側回転速度をオーバシュートする(「Rn×NTo」<「NTi」)。その後、係合側クラッチ装置の作動状態は係合状態になり、その入力側回転速度と出力側回転速度とが一致するようになる(「Rn×NTo」=「NTi」)。本実施の形態では、上記クラッチツークラッチ変速制御の実行中において、そうしたオーバシュート分(=「NTi」−「Rn×NTo」)の積算値(オーバシュート積算値TB)が算出されて、記憶される。なおオーバシュート積算値TBは、図中の斜線部の面積に相当する値である。
そして、ダウンシフト変速制御(図4)では、クラッチツークラッチ変速制御を通じた変速段の変更が完了したか否かが判断される(ステップS104)。ここでは、所定時間にわたって同期回転速度と入力回転速度NTiとが等しくなったことをもって(「Rn×NTo」=NTi)、変速段の変更が完了したと判断される。そして、変速段の変更が未だ完了していない場合には(ステップS104:NO)、クラッチツークラッチ変速制御の実行が継続される。
その後、変速段の変更が完了すると(ステップS104:YES)、前述した学習制御にかかる処理(ステップS105〜S111)が実行される。
すなわち先ず、学習条件が成立しているか否かが判断される(ステップS105)。この学習条件としては、学習制御を適切に実行することのできる条件が設定されている。具体的には、オイル温度THOが所定範囲内であることや、冷却水温度THWが所定範囲内であること、車両10の走行速度SPDが急変していないこと等といった条件が設定されている。
そして、学習条件が成立している場合には(ステップS105:YES)、滑り出し時間TAに応じて、Aマップに記憶されている初期圧力PAが学習される(ステップS106〜S108)。具体的には、滑り出し時間TAが予め定められた目標値より大きい場合には(ステップS106:YES)、初期圧力PAに所定値αを加算した値が新たな初期圧力PAとしてAマップに記憶される(ステップS107)。一方、滑り出し時間TAが目標値以下である場合には(ステップS106:NO)、初期圧力PAから所定値αを減算した値が新たな初期圧力PAとしてAマップに記憶される(ステップS108)。
また、こうした初期圧力PAの更新に合わせて、オーバシュート積算値TBに応じて、Bマップに記憶されている待機圧力PBが学習される(ステップS109〜S111)。具体的には、オーバシュート積算値TBが予め定められた目標値より大きい場合には(ステップS109:YES)、待機圧力PBに所定値βを加算した値が新たな待機圧力PBとしてBマップに記憶される(ステップS110)。一方、オーバシュート積算値TBが目標値以下である場合には(ステップS109:NO)、待機圧力PBから所定値βを減算した値が新たな待機圧力PBとしてBマップに記憶される(ステップS111)。その後、本処理は一旦終了される。
なお、学習条件が成立していない場合には(ステップS105:NO)、学習制御にかかる一連の処理(ステップS106〜S111)を実行することなく、本処理は一旦終了される。
ここで車両10にあっては、故障や劣化に伴い、例えば電磁バルブS1〜S5,SL1,SL2や、クラッチC、ブレーキB等といった自動変速機12の一部、あるいは自動変速機12全体が交換されることがある。そのように部品が交換された後において交換前の部品について学習された学習内容(初期圧力PAや待機圧力PB)をもとにダウンシフト変速制御が実行されると、それら初期圧力PAや待機圧力PBが学習制御を通じて適正な値になるまでの期間、クラッチツークラッチ変速制御を適正に実行することができなくなって、変速ショックが発生する等、ドライバビリティの低下を招いてしまう。
そうした部品交換時においてクラッチツークラッチ変速制御を適正に実行するためには、交換された部品に関係する初期圧力PAや待機圧力PBを一旦初期化する(初期値(未学習状態に適した値)に変更する)ことが望ましい。本実施の形態の車両10では、その部品を交換する際に、交換作業に合わせて交換部品に関係する初期圧力PAや待機圧力PBを初期化する作業が実行される。ただし、この初期化作業は人手による作業であるために忘れられることがあり、この初期化作業が実行されない場合には、やはりクラッチツークラッチ変速制御の制御精度の低下を招いてしまう。
本実施の形態では、そのように部品が交換されたにも関わらず初期化作業が実行されないときに、これを判断して初期圧力PAや待機圧力PBを強制的に初期値に変更するべく、以下に説明する強制変更処理を実行するようにしている。
図8および図9は、強制変更処理の具体的な処理手順を示している。
なお、図8および図9に示される一連の処理は、所定周期毎の処理として、電子制御装置60により実行される。
図8に示すように、この処理では先ず、実行タイミングであるか否かが判断される(ステップS201)。ここでは、前回の実行タイミングから車両10が所定距離(例えば数百km)を走行したことをもって実行タイミングであると判断される。なお、車両10の走行距離は前記出力回転速度NToに基づいて求められる。
そして、実行タイミングになると(ステップS201:YES)、前回の実行タイミングから今回の実行タイミングまでの期間における「学習値」の更新回数が所定回数(例えば数回)以上であるか否かが判断される(ステップS202)。なお上記「学習値」としては、変速態様毎に設定された複数の初期圧力PA(図5参照)のうちの予め定められた一つ(特定の初期圧力)、あるいは各変速態様について設定された複数の待機圧力PB(図6参照)のうちの予め定められた一つ(特定の待機圧力)が用いられる。本実施の形態では、各変速態様について一つずつ合計6つの特定の初期圧力と6つの特定の待機圧力とが定められており、それら特定の初期圧力および特定の待機圧力について各別に本処理が実行される。部品交換の有無についての判断精度を高くする上では、上記特定の初期圧力や特定の待機圧力として、上述したダウンシフト変速制御における使用頻度の高い値を用いることが望ましい。
学習値の更新回数が少ない場合には、後述する前回の実行タイミングにおける学習値(前回学習値)と今回の実行タイミングにおける学習値(今回学習値)との差が大きくならないために、以下のステップS204の処理において適切な判断ができない。そのため、上記更新回数が所定回数未満である場合には(ステップS202:NO)、今回学習値が前回学習値として記憶された後(ステップS203)、本処理は一旦終了される。
上記更新回数が所定回数以上である場合には(ステップS202:YES)、前回学習値と今回学習値との差が所定値J以下であるか否かが判断される(ステップS204)。
そして、上記差が所定値J以下である場合には(ステップS204:YES)、学習進捗カウンタのカウント値CNがインクリメント(CN←CN+1)されるとともに(ステップS205)、同カウント値CNについての上限ガード処理が実行される(ステップS206)。この上限ガード処理では、カウント値CNが所定値CNgdより大きくなった場合において同カウント値CNが所定値CNgdに変更される。
一方、上記差が所定値Jより大きい場合には(ステップS204:NO)、学習進捗カウンタのカウント値CNがデクリメント(CN←CN−1)されるとともに(ステップS207)、同カウント値CNについての下限ガード処理が実行される(ステップS208)。この下限ガード処理では、カウント値CNが「0」より小さくなった場合において同カウント値CNが「0」に変更される。
ここで、部品交換によって学習値が更新される場合には、その更新量が大きい状態が長く継続されるために、上記差が大きくなる。これに対し、自動変速機12の構成部品の経時変化によって学習値が更新される場合には、その更新が長く継続されることがあるとはいえ、その更新量はさほど大きくはならず、上記差は小さい。また、学習値の更新が繰り返されて同学習値が適正な値に収束した場合には、学習値の更新量が小さい状態が継続されるために、上記差は小さい。
こうした実情をふまえて本実施の形態では、上記所定値Jとして、部品交換によって学習値が更新されたことと学習値が適正な値に収束したこととを共に的確に判断することの可能な値が実験結果などに基づき求められ、設定されている。
上記学習進捗カウンタのカウント値CNが操作された後、今回学習値が前回学習値として記憶される(ステップS209)。
その後、図9に示すように、学習進捗カウンタのカウント値CNが所定値CNa以下であるか否かが判断される(ステップS210)。
そして、カウント値CNが所定値CNa以下である場合には(ステップS210:YES)、前回学習値と今回学習値との差が大きい状態、換言すれば今回学習値と適正な値とが乖離した状態が続いているとして、学習未完了フラグがオン操作される(ステップS211)。この学習未完了フラグがオン操作されていることをもって、学習値の単位期間あたりの更新量が大きい状態、換言すれば、同学習値についての学習が完了しない状態が長期間続いていると判断される。
一方、カウント値CNが所定値CNaより大きい場合には(ステップS210:NO)、前回学習値と今回学習値との差が大きくなっていない、あるいは大きい状態が継続されていないことから、今回学習値と適正な値とが乖離した状態が長期間続いているとは云えないとして、学習未完了フラグがオフ操作される(ステップS212)。
その後、学習進捗カウンタのカウント値CNが所定値CNb(但し、Cb>Ca)以上であるか否かが判断される(ステップS213)。
そして、カウント値CNが所定値CNb以上である場合には(ステップS213:YES)、前回学習値と今回学習値との差が小さい状態が続いており、今回学習値が適正な値に収束しているとして、学習完了フラグがオン操作される(ステップS214)。この学習完了フラグは前述した初期化作業に際してオフ操作されるフラグであり、同学習完了フラグがオン操作されていることをもって、車両10の完成後または部品交換後において学習値の単位期間あたりの更新量が小さくなった履歴がある、換言すれば、学習値についての学習が一旦完了した履歴があると判断される。
一方、カウント値CNが所定値CNb未満である場合には(ステップS213:NO)、前回学習値と今回学習値との差が小さくなっていない、あるいは小さい状態が継続されていないことから、今回学習値が適正な値に収束しているとは云えないとして、学習完了フラグがオン操作されない(ステップS214の処理がジャンプされる)。
このように学習未完了フラグや学習完了フラグを操作する処理が実行された後、それら学習未完了フラグおよび学習完了フラグが共にオン操作されているか否かが判断される(ステップS215)。
そして、学習未完了フラグおよび学習完了フラグの一方でもオフ操作されている場合には(ステップS215:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、学習未完了フラグおよび学習完了フラグが共にオン操作されている場合には(ステップS215:YES)、学習値が初期化される(ステップS216)。なお電子制御装置60には各学習値(各初期圧力および各待機圧力)についての初期値が記憶されており、学習値を初期化する際には、そうした初期値とAマップ(またはBマップ)に記憶されている学習値とが置き換えられる。また初期値としては、未学習状態に適した値(未学習値)が記憶されている。本実施の形態では、このステップS216の処理が、変更後の値が変更前の値より未学習値に近くなるように前記学習にかかる学習量を変更する変更手段として機能する。また、電子制御装置60が初期値記憶手段として機能する。
ここでは、上記処理(ステップS202〜S204,S209)に用いられた学習値と同様の変速態様で用いるべく設定された学習値の全てが一括して初期化される。
例えば変速態様が「6速→5速」(図5)であり、且つ車両10の走行速度SPDが領域SPD2であるときの初期圧力PA12を上記学習値(特定の初期圧力)として用いて本処理が実行された場合には、同変速態様にかかる全ての初期圧力(PA11,PA12,PA13,…PA1n)が初期値に変更される。
これに合わせて、ステップS216の処理において初期化された学習値に関わる部品、すなわち同学習値に基づき作動状態が変更される電磁バルブやクラッチC、ブレーキBが交換された履歴が記憶される(ステップS217)。本実施の形態では、このステップS217の処理が、部品交換がなされた旨の履歴を記憶する履歴記憶手段として機能する。
その後、完了フラグおよび未完了フラグが共にオフ操作されるとともに、学習進捗カウンタのカウント値CNが「0」にリセットされた後(ステップS218)、本処理は一旦終了される。
以下、本実施の形態にかかる強制変更処理による作用について、図10に示すタイミングチャートを参照しつつ説明する。
図10は、強制変更処理の処理態様の一例を示している。
車両完成直後や部品交換直後など、車両10の組み立て直後においては、同車両10やその構成部品の個体差に起因して、滑り出し時間TAと目標値との差やオーバシュート積算値TBと目標値との差が大きい。そのため、その差が小さくなるまでに、換言すれば、上記滑り出し時間TAの調節にかかる制御量(初期圧力PA)の学習や、オーバシュート積算値TBの調節にかかる制御量(待機圧力PB))の学習が完了するまでに長い時間がかかる。
したがって、車両10の組み立て直後からしばらくの間(図10の時刻t1以前)、前記前回学習値と今回学習値の差(同図(a))が大きい状態が続く。そのため、このとき学習進捗カウンタのカウント値CN(同図(b))が「0」に維持され、これにより学習未完了フラグ(同図(c))がオン操作されるとともに学習完了フラグ(同図(d))がオフ操作された状態で維持される。なお、このとき学習未完了フラグがオン操作されているために、学習値についての学習が完了しない状態が長期間続いていると判断される。
その後、学習値の学習が進んで滑り出し時間TAと目標値との差やオーバシュート積算値TBと目標値との差が小さくなると(時刻t1)、前回学習値と今回学習値との差が小さくなり、学習進捗カウンタのカウント値CNのインクリメントが開始される。そして、同カウント値CNが所定値CNaより大きくなると(時刻t2)、学習未完了フラグがオフ操作される。さらに、学習進捗カウンタのカウント値CNが所定値CNbより大きくなると(時刻t3)、学習完了フラグがオン操作される。このとき学習値についての学習が完了したと判断されるとともに、以後において同学習が一旦完了した履歴があると判断される。また、その後において学習進捗カウンタのカウント値CNが上限値CNgdまで大きくなり、同上限値CNgdで維持される。
ここで、上記個体差によって生じる滑り出し時間TAやオーバシュート積算値TBと目標値との差が上記学習値の学習を通じて補償されて同差が一旦小さくなった後においても、構成部品の経時変化によって同差が大きくなることがある。しかしながら、この場合には、同差がさほど大きくならずに比較的短い時間で小さくなるために、前回学習値と今回学習値との差が大きくなる可能性、ひいては学習未完了フラグがオン操作される可能性は極めて低いと云える。すなわち、学習値の学習が一旦完了した後においては、学習未完了フラグがオフ操作される可能性は低い。
ただし、電磁バルブやクラッチC、ブレーキB等といった自動変速機12の構成部品が交換された場合において前述した初期化作業が行われない特定の状況になると、学習未完了フラグがオン操作される。詳しくは、上記特定の状況になると、滑り出し時間TAと目標値との差やオーバシュート積算値TBと目標値との差が大きくなって前回学習値と今回学習値との差が大きくなるために、学習値についての学習が完了しない状態(同学習値の再度の学習が実行される状態)が所定期間にわたり継続されるようになり、学習未完了フラグがオン操作される。図10に示す例にあっては、上記特定の状況になると(時刻t4)、学習進捗カウンタのカウント値CNのデクリメントが開始され、その後において同カウント値CNが所定値CNaより小さくなると(時刻t5)、学習未完了フラグがオン操作される。このように、学習値についての学習が一旦完了した後であっても、上記特定の状況になると、学習未完了フラグがオン操作される。
本実施の形態にかかる強制変更処理では、学習未完了フラグおよび学習完了フラグが共にオン操作されていることをもって(時刻t5)、特定の状況になったと判断されて、このとき学習値を初期化する処理(図9のステップS216の処理)が実行されて、同学習値が初期値に変更される。なお、強制変更処理における所定値CNa(ステップS210)や所定値CNb(ステップS213)としては、学習未完了フラグおよび学習完了フラグの操作態様に基づいて上記特定の状況になったことを的確に判断することの可能な値が求められ、設定されている。
このように学習値を変更することにより、部品交換後において交換前の部品について学習された学習値をもとに自動変速機12の作動制御が実行される期間を短縮することができ、自動変速機12の作動制御を適正に実行することの可能な値に早期に変化させることが可能になる。したがって、部品交換時における自動変速機12の作動制御、ひいては車両10の運転制御の精度低下を抑制することができるようになる。
また本実施の形態では、各変速態様について設定された複数の学習値のうちの特定の学習値(特定の初期圧力または特定の待機圧力)に基づいて部品交換が行われたことが判断されるとともに、その判断をもとに、同特定の学習値と同様の変速態様で用いるべく設定された学習値の全てが一括して初期化される。そのため、特定の学習値の学習態様のみを監視することをもって部品が交換されたことを判断することができ、全ての学習値の学習態様を監視する構成と比較して、制御構造の簡素化を図ることができる。しかも、同一の変速態様、すなわち同一の構成部品に対応する複数の学習値を一括して変更することができ、部品交換時における自動変速機12の作動制御の精度低下を的確に抑制することができる。
さらに本実施の形態では、そのように初期化された学習値に関わる部品、すなわち同学習値に基づき作動状態が変更される電磁バルブやクラッチC、ブレーキBが交換された履歴を記憶するようにしたために、メンテナンス作業や故障原因の解析作業を円滑に行うことができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)部品交換時における自動変速機12の作動制御、ひいては車両10の運転制御の精度低下を抑制することができるようになる。
(2)特定の学習値の学習態様のみを監視することをもって部品が交換されたことを判断することができ、全ての学習値の学習態様を監視する構成と比較して、制御構造の簡素化を図ることができる。しかも、同一の構成部品に対応する複数の学習値を一括して変更することができ、部品交換時における自動変速機12の作動制御の精度低下を的確に抑制することができる。
(3)前回学習値と今回学習値との差が所定値Jより大きいことをもって、部品交換によって学習値が更新されたこと、ひいては同学習値の再度の学習が実行されていることを的確に判断することができる。
(4)前回学習値と今回学習値との差が所定値J以下であることをもって、学習値が適正な値に収束したこと、ひいては同学習値の学習が一旦完了したことを的確に判断することができる。
(5)部品交換の履歴を残すことにより、メンテナンス作業や故障原因の解析作業を円滑に行うことができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・実行タイミングであることを判断するための所定距離は任意の距離に設定することができる。要は、学習進捗カウンタのカウント値CNに基づき前記特定の状況であることを的確に判断することの可能な距離を求め、これを所定距離として設定すればよい。また上記所定距離として、学習値(各特定の初期圧力および各特定の待機圧力)毎に異なる距離を設定することも可能である。同構成にあっては、使用頻度の低い学習値に対応する所定距離ほど長い距離を設定するようにすればよい。
・前回学習値と今回学習値との差が所定値J1以下であるときには学習進捗カウンタのカウント値CNをインクリメントし、上記差が所定値J2(但し、J1<J2)より大きいときには上記カウント値CNをデクリメントし、上記差が所定値J1より大きく所定値J2以下であるときには上記カウント値CNを操作しないといったように、カウント値CNをインクリメントする場合とデクリメントする場合とで異なる値を所定値として設定するようにしてもよい。同構成によれば、上記差が所定値J1以下であることをもって学習値についての学習が完了したことを精度良く判断した上で上記カウント値CNをインクリメントするとともに、上記差が所定値J2より大きいことをもって部品交換によって学習値が更新されたことを精度良く判断した上で上記カウント値CNをデクリメントすることが可能になる。
・学習進捗カウンタに代えて、学習が未完了であるときにインクリメントされる未完了カウンタと学習が完了しているときにインクリメントされる完了カウンタとを用意し、それらカウンタのカウント値に基づいて、学習完了や学習未完了を判断するようにしてもよい。
また、前回学習値と今回学習値との差が所定値J3以下であるときには完了カウンタのカウント値をインクリメントし、上記差が所定値J4(但し、J3<J4)より大きいときには未完了カウンタのカウント値をインクリメントするといったように、各カウンタについて各別に所定値を設定するようにしてもよい。
・車両10の組み立て完了直後における同車両10の実特性と基準特性との差によって生じる滑り出し時間やオーバシュート積分値の実値(TA,TB)と目標値との差(初期誤差)を補償するための補正量が記憶される制御装置にあって、前記学習値を初期化するのに合わせて、上記補正量を初期化するようにしてもよい。なお上記補正量は、初期圧力PAまたは待機圧力PBを補正するための値であり、補正量記憶手段としての電子制御装置60に記憶される。また車両10の実特性の一例としては、自動変速機12の構成部品(各クラッチ機構や電磁バルブS1〜S5,SL1,SL2など)の特性や、自動変速機12全体の特性、オイルポンプの特性などを挙げることができる。上記初期値としては、車両10の組み立て完了直後における上記実特性と基準特性とが等しい場合に記憶される補正量を用いることができる。
車両10の組み立て直後においては、同車両10の個体差に起因して、上記初期誤差が大きくなるおそれがある。この初期誤差は学習制御の実行によっていずれは解消されるとはいえ、同学習制御を通じて学習値(初期圧力PAあるいは待機圧力PB)が適正な値になるまでの期間、自動変速機12の作動制御を適正に実行することができず、これに伴う不都合の発生が避けられない。
そのため従来、車両10の組み立て時における同車両10の実特性と基準特性(標準的な車両の特性)との関係に応じて上記学習値を補正する補正量を求め、同補正量を予め記憶しておくことが提案されている。これにより、初期誤差が補償されて、車両10の組み立て直後から上記滑り出し時間やオーバシュート積分値についての実値(TA,TB)と目標値とが早期に一致するようになり、上述した車両10の個体差によることなく、自動変速機12の作動制御が適正に実行されるようになる。
ところで、車両10の制御装置(詳しくは、その電子制御装置60)に上記補正量を記憶させる作業は人手による作業であるために忘れられることがあり、自動変速機12あるいはその構成部品の交換に際して上記作業が実行されない場合には、交換前の部品に適した補正量をもとに自動変速機12の作動制御が実行されてしまう。そのため、交換前の部品の補正量と交換後の部品に適した補正量との関係によっては、上記学習制御を通じて初期圧力PAや待機圧力PBが適正な値になるまでに極めて長い時間がかかる場合がある。
上記構成によれば、学習値の初期化に合わせて、補正量を、標準的な特性の車両に適した補正量に変更することができる。これにより、記憶されている補正量(部品交換前の車両に適した補正量)と実際の車両に適した補正量(部品交換後の車両に適した補正量)とが大きく異なる値になることを抑制することができる。したがって、自動変速機12の作動制御を適正に実行することの可能な値に初期圧力PAや待機圧力PBを早期に変化させることが可能になり、部品交換時における自動変速機12の作動制御についての制御精度低下を好適に抑制することができるようになる。
なお、補正量を初期化することに限らず、車両10の組み立て完了直後における上記実特性と基準特性とが等しい場合に記憶される補正量に変更後の値が変更前の値より近くなるように、補正量を変更すればよい。こうした構成によっても、初期圧力PAや待機圧力PBを、自動変速機12の作動制御を適正に実行することの可能な値に早期に近づけることができる。
・また、Aマップ(図5)に設定された各初期圧力PAやBマップ(図6)に設定された各待機圧力PBについて各別に補正量が設定される場合には、同一の構成部品(同一の変速態様)にかかる補正量の全てを一括して変更するようにしてもよい。同構成によれば、部品交換時における自動変速機12の作動制御についての制御精度の低下を的確に抑制することができる。
・上記実施の形態では、強制変更処理を通じて学習値を変更する際に、同一の変速態様について設定された複数の学習値(初期圧力PAまたは待機圧力PB)の全てを一括して変更するようにした。これに代えて、強制変更処理における部品交換の有無を判定する処理(図8のステップS202〜S209)に用いられた学習値のみを変更するようにしてもよい。この場合には、全ての学習値について各別に強制変更処理を実行するようにすればよい。
・学習制御にかかる処理(図4のステップS105〜S111)の処理態様は任意に変更可能である。具体的には、以下の(イ),(ロ)に記載するように処理態様を変更する等して、学習制御を実行することが可能である。
(イ)車両10の走行速度SPDおよび変速態様に基づいて基本値を算出するとともに、滑り出し時間(またはオーバシュート積算値)の実値TA(またはTB)とその目標値との大小関係に応じて所定値ずつ加算/減算することによって学習値を更新し、基本値に学習値を反映させることによって初期圧力PA(または待機圧力PB)を設定する。
(ロ)学習値に加算/減算する所定値として、滑り出し時間TAと目標値との差(あるいはオーバシュート積算値TBと目標値との差)に基づいて算出した値を用いる。
・学習値の学習が完了したことを判断するための条件や同学習が実行中であることを判断するための条件は、学習制御の処理態様に合わせて任意に変更可能である。例えば滑り出し時間(またはオーバシュート積算値)の実値TA(またはTB)とその目標値とが一致したことをもって学習が完了したと判断することや、それら実値と目標値とが一致していないことをもって学習が実行中であると判断することなどが可能である。
・強制変更処理を通じて学習値を変更する際には、同学習値を初期値に変更することに限らず、変更後の値が変更前の値より初期値に近くなるように学習値を変更すればよい。同構成によっても、学習値を未学習値に早期に近づけることができ、自動変速機12の作動制御を適正に実行することの可能な値に早期に変化させることが可能になる。
・強制変更処理を通じた学習値の変更に合わせて、必ずしも部品交換がなされた履歴を残さなくてもよい。
・本発明は、初期圧力PAや待機圧力PBについての学習制御が実行される制御装置の他、例えば油圧アクチュエータの作動開始に際してその無効ストローク分を予め詰めておくための同アクチュエータの作動時間など、自動変速機12のクラッチ機構についての他の制御パラメータを学習する学習制御が実行される制御装置にも適用することができる。
・また、各電磁バルブS1〜S5,SL1,SL2に供給されるオイル圧力やトルクコンバータ20に供給されるオイル圧力など、自動変速機12の上記クラッチ機構以外の構成部品にかかる制御パラメータについての学習制御が実行される制御装置にも、本発明は適用可能である。
・本発明は、無段変速機の動力伝達機構の制御パラメータについての学習制御や、動力伝達機構以外の構成部品の制御パラメータについての学習制御が実行される制御装置にも、適用することができる。また、例えば燃料噴射量やEGR量などといった内燃機関11の制御パラメータについての学習制御を実行する制御装置や、トラクションコントロール制御におけるブレーキ機構の制御パラメータについての学習制御を実行する制御装置にも、本発明は適用することができる。要は、車両運転状態に基づいて車両パラメータを調節するとともに、同車両パラメータの実値がその目標値と一致するように同車両パラメータの調節にかかる制御量を学習する学習制御を実行する車両の制御装置であれば、本発明を適用することができる。
本発明を具体化した一実施の形態が適用される車両の概略構成を示す略図。 自動変速機のクラッチおよびブレーキの作動状態とシフトレバー装置の操作位置との関係を示す略図。 変速段の選択に用いる変速マップのマップ構造を示す略図。 ダウンシフト変速制御にかかる処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 初期圧力の算出に用いるAマップのマップ構造を示す略図。 待機圧力の算出に用いるBマップのマップ構造を示す略図。 クラッチツークラッチ変速制御にかかる処理の処理態様の一例を示すタイミングチャート。 強制変更処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 強制変更処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 強制変更処理の処理態様の一例を示すタイミングチャート。
符号の説明
10…車両、11…内燃機関、12…自動変速機、12a…ケース、13…出力軸、14…シフトレバー装置、15…アクセルペダル、20…トルクコンバータ、21…出力軸、30…第1変速部、31…第1遊星歯車装置、40…第2変速部、41…第2遊星歯車装置、42…第3遊星歯車装置、43…出力歯車、50…コントロールバルブ、51…油圧回路、60…電子制御装置、61…アクセルセンサ、62…速度センサ、63…回転速度センサ、64…温度センサ、65…シフト位置センサ、66…回転速度センサ、67…温度センサ。

Claims (13)

  1. 車両運転状態に基づいて車両パラメータを調節するとともに、同車両パラメータの実値がその目標値と一致するように同車両パラメータの調節にかかる制御量を学習する学習制御を実行する車両の制御装置において、
    前記制御量についての学習が一旦完了した履歴があり且つ前記制御量についての再度の学習が所定期間にわたり継続して実行されるときに、変更後の値が変更前の値より未学習値に近くなるように前記学習にかかる学習量を変更する変更手段を備える
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    当該制御装置は、同一の構成部品についての複数の車両パラメータを各別に調節するものであって、それら車両パラメータの調節にかかる各制御量について各別に学習制御を実行するものであり、
    前記変更手段は、前記各制御量のうちの特定の制御量についての学習が一旦完了した履歴があり且つ同特定の制御量についての再度の学習が所定期間にわたり継続して実行されるときに、前記各制御量について学習した学習量の全てを、変更後の値が変更前の値より未学習値に近くなるように変更するものである
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両の制御装置において、
    当該制御装置はアクチュエータの駆動制御を通じて前記車両パラメータを調節するものであって、
    前記制御量は前記アクチュエータの作動量であり、
    前記学習制御では、前記実値と前記目標値との大小関係に基づく前記作動量の更新を通じて同作動量が学習され、
    前記学習量は前記作動量とその初期値との差である
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両の制御装置において、
    前記変更手段は、前記作動量を初期値に変更することによって、前記学習制御にかかる学習量を変更する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  5. 請求項3または4に記載の車両の制御装置において、
    前記変更手段は、前記作動量の単位期間当たりの更新量が所定値より大きいことをもって、前記再度の学習が実行されていると判断する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の車両の制御装置において、
    前記変更手段は、前記作動量の単位期間あたりの更新量が所定値以下になったこともって前記制御量についての学習が一旦完了したと判断する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の車両の制御装置において、
    前記作動量の更新は、前記実値が前記目標値より小さいときには所定値を加算し、前記実値が前記目標値より大きいときには所定値を減算することによって行われる
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  8. 前記車両の組み立て完了直後における同車両の実特性と基準特性との差によって生じる前記実値と前記目標値との差を補償するための補正量であって前記制御量を補正する補正量を記憶する補正量記憶手段を更に備え、
    前記変更手段は、前記学習量を変更するのに合わせて、前記実特性と基準特性とが等しいときに記憶される値に変更後の値が変更前の値より近くなるように前記補正量を変更する
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  9. 請求項8に記載の車両の制御装置において、
    当該制御装置は、同一の構成部品についての複数の車両パラメータを各別に調節するものであって、
    前記補正量記憶手段は、前記複数の車両パラメータの調節にかかる各制御量について各別に補正量を記憶するものであり、
    前記変更手段は、前記各制御量について各別に記憶された補正量の全てを、前記実特性と基準特性とが等しいときに記憶される値に変更後の値が変更前の値より近くなるように変更する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  10. 前記実特性と基準特性とが等しいときに記憶される値を初期値として記憶する初期値記憶手段を更に備え、
    前記変更手段は、前記補正量を初期値に変更するものである
    請求項8または9に記載の車両の制御装置。
  11. 前記変更手段による前記学習量の変更に合わせて、部品交換がなされた旨の履歴を記憶する履歴記憶手段を更に備える
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の車両の制御装置において、
    当該制御装置は自動変速機を有する車両に適用され、
    前記車両パラメータは、前記自動変速機に設けられる動力伝達機構の制御パラメータである
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  13. 請求項12に記載の車両の制御装置において、
    前記自動変速機は多段式のものであり、
    前記動力伝達機構はクラッチ機構である
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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